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特表2022-5149614つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置
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  • 特表-4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置 図1
  • 特表-4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(54)【発明の名称】4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/24 20060101AFI20220208BHJP
【FI】
E04H6/24 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536398
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 FR2019053228
(87)【国際公開番号】W WO2020128380
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】1873632
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1906392
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521271392
【氏名又は名称】スタンリー ロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】コール,オレリアン
(72)【発明者】
【氏名】ブサール,クレモン
(57)【要約】
本発明は、4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置であって、複数のタイヤチョックアームが前記複数のホイールのトレッドと係合する位置と引込み位置との間で移動可能な前記複数のタイヤチョックアームを備えるテレスコピックなフレームを備える運搬装置に関する。前記運搬装置は、2つの側部サブユニットが固定されるフロントフレームから構成される推進ユニットを備えており、前記2つの側部サブユニットのそれぞれは、互いに独立に方向付けられ得る電動式かつ方向性のあるホイールと、前記テレスコピックなフレームを前記フロントフレームと結合するための手段と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置であって、複数のタイヤチョックアームが前記複数のホイールのトレッドと係合する位置と引込み位置との間で移動可能な前記複数のタイヤチョックアームを備えるテレスコピックなフレーム(200)を備える運搬装置において、
前記運搬装置は、2つの側部サブユニット(110、120)が固定されるフロントフレームから構成される推進ユニット(100)を備えており、前記2つの側部サブユニット(110、120)のそれぞれは、互いに独立に方向付けられ得る電動式かつ方向性のあるホイール(111、121)と、前記テレスコピックなフレーム(200)を前記フロントフレームと結合するための手段と、を備えることを特徴とする、運搬装置。
【請求項2】
前記フロントフレームと前記テレスコピックなフレーム(200)との間の前記結合手段は、少なくとも1つの垂直スライドと、前記垂直軸に沿った前記フレーム(200)の相対位置を制御する電動シリンダと、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項3】
前記引込み可能なフレーム(200)は、100ミリメートル未満の厚さを有する第1の中空の近位ボックスによって形成されており、第2の遠位ボックスが前記第1の中空の近位ボックスの内側をスライドし、その延伸は電動式であり、前記遠位ボックスは、リフトパッドによって前記第2のボックスに接続される100ミリメートル未満の厚さを有するキャスタを備えることを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項4】
前記第1の中空の近位ボックスは、取り外し可能なプレートによってその上面が閉じられる剛性のフレームワークによって形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の運搬装置。
【請求項5】
前記第1のボックスは、密閉されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の運搬装置。
【請求項6】
前記フロントフレームは、電気バッテリを収容するための抜き取り可能な引出部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項7】
前記フロントフレームは、複数の電子回路を収容するための抜き取り可能な引出部を備えており、前記引出部は、前記フロントフレームの底部に設けられる複数のコネクタに対して相補的な複数のコネクタを、前記引出部の背面に備えることを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項8】
前記フロントフレームは、前記運搬装置の移動と相関して制御される信号手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項9】
前記信号手段は、前記運搬装置の前方の地面の上に、または前記推進ユニットの前面に配置されるスクリーンの上に光の投射を提供することを特徴とする、請求項8に記載の運搬装置。
【請求項10】
前記前部収容部は、30°~60°の垂直開口、前部における360°スキャン部、および後部における180°スキャン部を有するLIDAR型センサを備えることを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項11】
前記運搬装置プラットフォーム(200)は、車の複数のタイヤの外側側壁間の距離に対応する幅だけ横方向に離隔される2つの側部部材(270、280)からなることを特徴とする、請求項1に記載の運搬装置。
【請求項12】
前記運搬装置プラットフォーム(200)は、複数のシリンダ、または電気機械的手段によって前記2つの側部部材(270、280)間の距離を調整するための機構(290)を備えることを特徴とする、請求項11に記載の運搬装置。
【請求項13】
前記2つの側部部材(270、280)は、テレスコピックであり、および、前記2つの側部部材(270、280)は、前記2つのホイール保持ゾーン間の長手方向距離を変更するための複数のシリンダ、または電磁気的手段を有することを特徴とする、請求項11に記載の運搬装置。
【請求項14】
各側部部材(270、280)は、タイヤのトレッドの下部を保持するためのクランプをそれぞれ形成する2対のアーム(255、256;265、266;257、258;267、268)を有し、前記複数のアーム対は、作動位置において、前記プラットフォーム(200)の中心を向いていることを特徴とする、請求項11に記載の運搬装置。
【請求項15】
前記複数の側部部材(270、280)は、前記側部部材(270、280)の地面に対する高さを調整し、前記タイヤのトレッド面を地面に対して離すことを可能にするシリンダまたは空圧パッドと結合するホイールを受け入れるための複数の収容部(271、281)を有することを特徴とする、請求項11に記載の運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両を降ろす地点と車両駐車区域との間の移動のために、または、自動車生産ラインからの出口と、例えば製造業者、流通業者、もしくは自動車ディーラーの現場の保管スペースとの間の移動のために、運転者の助力なしに、および、車両のホイール上で車両を転動することなしに、複数の車両を運搬するための自律装置の分野に関する。
【0002】
かかる運搬装置は、運転者の介入なしに車両を載せることができるように設計されており、当該車両は静止状態であり得、ドアはロックされ得る。運搬装置は、車両の下でスライドされ得る長手方向構造からなる。横方向に引込み可能なシステムは、車両のタイヤを挟持して長手方向構造に対してそれを動かなくし、車両を持ち上げてタイヤのトレッド面を地面から離す。その後、運搬装置は車両を移動させることができるが、車両はもはや地面に接触していない。
【背景技術】
【0003】
欧州特許EP0292537B1に記載の主に自家用車を対象とした車両輸送の解決策が、従来技術において公知である。それは、それぞれの車両のホイールの両側に複数の対で配置されるように意図されている8つのリフティングブロックを備える。リフティングブロックの第1の対および第2の対は、第1のリフティングアセンブリ内に備えられ、リフティングブロックの第3の対および第4の対は、第2のリフティングアセンブリ内に備えられている。第1のリフティングアセンブリは、第1の運搬部を含み、第2のリフティングアセンブリは、第2の運搬部を含む。これらの運搬部は、線(C-C)に沿って、順次、交互に配置されている。車両は、前記運搬部の上方に配置される支持面であって、前記線に沿った前記支持面の長手方向軸を有する前記支持面上で、前記線に沿って駆動されなければならない。
【0004】
各リフティングブロックは、一端にアームを備えている。このアームは、それぞれの運搬部に接続された車軸の周りで回転または揺動され得る。その結果、このアームは、それぞれのアームおよびそれぞれのリフティングブロックが線(C-C)に対して平行または実質的に平行に位置する内向き揺動位置から、前記内向き揺動位置に垂直または実質的に垂直である外向き揺動位置へと移動することができる。リフティングブロックの各対は、その内向き揺動位置からその外向き揺動位置へと駆動されることが意図される。それによって、前記リフティングブロックは、それぞれの車両のホイールの下でその両側から移動され、ホイールを持ち上げることが可能となる。これらのブロック対の外向き揺動位置における各運搬部のリフティングブロックの2対の間の距離は、ホイールが持ち上げられる車両のトラック幅またはゲージに対応している。
【0005】
フランス特許FR3036349もまた公知であり、4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置が記載されている。この運搬装置は、引込み可能な延長部を備えるフレームを備える。前記延長部は、それらが車両の下における前記フレームの移動を可能にする位置と、それらが前記ホイールのトレッドとの接触状態に至る位置との間で移動可能である。前記フレームはテレスコピックであり、それぞれが一対のアームを担持する2つのセグメントを備える。アームの複数の対のうちの少なくとも1つは、少なくとも車両のトラックに等しい延長部を有するフレームの長手方向軸に垂直な位置と、車両のホイールの内側同士の距離よりも小さい幅を占める折り畳み位置との間の移動を可能にするように、関節連結される。セグメントは、アームがホイールと接触していない位置と、各アームが前記ホイールのうちの1つのホイールのトレッドとの接触状態に至る位置との間で移動可能であり、車両を昇降させる。
【0006】
中国特許出願CN108612373もまた公知であり、第1のフレーム本体、第2のフレーム本体、駆動ホイールの複数のグループ、挟持リフト機構の少なくとも4つのグループ、テレスコピック機構および中心ホールド機構からなる輸送ロボットが記載されている。第1のフレーム本体および第2のフレーム本体は、テレスコピック機構によって接続されており、第1のフレーム本体および第2のフレーム本体は、軸方向に対して移動可能である。駆動ホイールの複数のグループは、第1のフレーム本体および第2のフレーム本体上に対応して配置されており、輸送されるロボットを駆動してそれを移動させるために使用される。挟持リフト機構の少なくとも2つのグループは、第1のフレーム本体上に配置されており、第1のステアリングシャフトに関して対称的に分けられている。挟持リフト機構の少なくとも他の2つのグループは、第2のフレーム本体上に配置されており、第1のステアリングシャフト関して対称的に分けられている。
【0007】
中国特許出願CN108166819もまた公知であり、これは駐車ロボット、特に挟持式駐車ロボットに関するものであって、駐車ロボットの技術分野に属する。挟持式駐車ロボットは、前部輸送運搬部、後部輸送運搬部、およびテレスコピックスライドフレーム機構を備える。テレスコピックスライドフレーム機構の前端部は、前部輸送運搬部に接続され、テレスコピックスライドフレーム機構の後端部は、後部輸送運搬部に接続され、ならびに、前部輸送運搬部の底部および後部輸送運搬部の底部にはそれぞれ、ユニバーサルホイールのグループが設けられている。前部輸送運搬部の前端部の左隅部および右隅部にはそれぞれ、レーダー運搬ガイドホイールアセンブリおよびガイドホイールアセンブリが設けられており、後部輸送運搬部両の後端部の左隅部および右隅部にはそれぞれ、レーダー運搬ガイドホイールアセンブリおよびガイドホイールアセンブリが設けられている。前部輸送運搬部の左側部および右側部、ならびに、後部輸送運搬部の左側部および右側部にはそれぞれ、クランプアセンブリが設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の解決策は、運搬装置の長さが運搬装置の操作を困難にするため、完全に満足できるものではない。車両を支えるプラットフォームは、少なくとも車両の長さと等しい長さでなければならず、電動式の装備によって大きくなる。従って、旋回半径は大きいものとなり、限られた空間での移動、例えば2つの駐車区域の間に形成された通路内での移動にとっては、例えば既に駐車されている2つの車両の間の係合を可能にするために、運搬される車両は通路の軸に対して垂直な位置に配置されなければならず、不利である。
【0009】
さらに、集中的に使用されやすいかかる運搬装置のメンテナンスは比較的複雑であり、修理中の運搬装置の比較的長時間にわたる停止につながる。
【0010】
一般に、従来技術の解決法は、非常に正確で時には複雑な動きを必要とする構成において、集中的に使用するための信頼性および操作性に欠けており、2つの既に占有されている列の間の自由な空間に列を挿入するときには、既に駐車されている車両に衝突するリスクがないように、非常に小さな横方向の動きが伴う。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの欠点に対処するために、本発明は、その最も一般的な意味において、4つのホイールを有する複数の車両を移動させるための運搬装置であって、複数のタイヤチョックアームが前記複数のホイールのトレッドと係合する位置と引込み位置との間で移動可能な前記複数のタイヤチョックアームを備えるテレスコピックなフレームを備える運搬装置において、前記運搬装置は、2つの側部サブユニットが固定されるフロントフレームから構成される推進ユニットを備えており、前記2つの側部サブユニットのそれぞれは、互いに独立に方向付けられ得る電動式かつ方向性のあるホイールと、前記テレスコピックなフレームを前記フロントフレームと結合するための手段と、を備えることを特徴とする、運搬装置に関する。
【0012】
第1の変形例によれば、前記フロントフレームと前記テレスコピックなフレームとの間の前記結合手段は、少なくとも1つの垂直スライドと、前記垂直軸に沿った前記フレームの相対位置を制御する電動シリンダと、を備える。
【0013】
第2の変形例によれば、前記引込み可能なフレームは、100ミリメートル未満の厚さを有する第1の中空の近位ボックスによって形成されており、第2の遠位ボックスが前記第1の中空の近位ボックスの内側をスライドし、その延伸は電動式であり、前記遠位ボックスは、リフトパッドによって前記第2のボックスに接続される100ミリメートル未満の厚さを有するキャスタを備える。
【0014】
有利には、取り外し可能なプレートによってその上面が閉じられる剛性のフレームワークによって形成されている。
【0015】
好ましくは、前記第1のボックスは、密閉されている。
【0016】
別の変形例によれば、前記フロントフレームは、電気バッテリを収容するための抜き取り可能な引出部を備える。
【0017】
別の変形例によれば、前記フロントフレームは、複数の電子回路を収容するための抜き取り可能な引出部を備えており、前記引出部は、前記フロントフレームの底部に設けられる複数のコネクタに対して相補的な複数のコネクタを前記引出部の背面に備える。
【0018】
有利には、前記フロントフレームは、前記運搬装置の移動と相関して制御される信号手段を有する。
【0019】
特定の実施形態によれば、前記信号手段は、前記運搬装置の前方の地面の上に光の投射を提供する。
【0020】
別の実施形態によれば、前記前部収容部は、30°~60°の垂直開口、前部における360°スキャン部、および後部における180°スキャン部を有するLIDAR型センサを備える。
【0021】
本発明は、添付の図面によって示される非限定的な実施形態に関連して、以下の説明を読むことにより、より良く理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による運搬装置の4分の3背面上面図である。
図2】変形実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(一般的な構造の説明)
運搬装置は、推進ユニット(100)と運搬装置プラットフォーム(200)とからなる。推進ユニット(100)は、複数の金属ビームを組み立てることによって作製された剛性のフレームからなる。
【0024】
運搬装置プラットフォーム(200)は、電気シリンダまたは空圧シリンダにより作動される高さ調整システム(130)によって、推進ユニット(100)に接続されている。
【0025】
推進ユニット(100)には、2つの電動ホイール(111、121)が備えられている。運搬装置プラットフォーム(200)には、高さ調整システムによって支持されたベアリングローラ(211、212)が備えられている。
【0026】
(推進ユニットの説明)
推進ユニット(100)は、メンテナンスを簡単にするために容易に取り外し可能なモジュラーアセンブリからなる。前記アセンブリは、電気コネクタを外し、およびプレートをフレーム(130)に接続する複数のボルトを外すことによって、取り外して交換することができる。
【0027】
管状フレーム(130)は、複数の機能的ユニットを非常に迅速に、かつ簡単な操作で取り替えることができるように、ねじ止めによって取り付けられた様々なモジュラー要素のアセンブリ支持体として機能する。
【0028】
各電動ホイール(111、121)は、フレーム(130)の側部にねじ止めされる金属プレートによって形成される機能的駆動ユニット(110、120)上に取り付けられている。前記機能的駆動ユニット(110、120)は、前記ホイール(111、121)の向きをそれぞれ制御するモータまたはアクチュエータ(112、122)をそれぞれ備える。その制御は、前記電動ホイール(111、121)のステータがそれぞれ固定されている垂直軸を介して行われる。電動ホイール(111、121)は、有利には電気機械のロータを形成するリムによって構成され、そのステータは、モータまたはアクチュエータ(112、122)によって駆動される方向軸上に固定されている。
【0029】
各機能的ステアリングユニット(110、120)は独立している。左側の電動ホイール(111)の角度向き(angular orientation)は、右側の電動ホイール(112)の角度向きとは独立に制御される。同様に、左側の電動ホイール(111)の回転の速さおよび回転の方向は、右側の電動ホイール(112)の回転の速さおよび回転の方向とは独立に制御される。
【0030】
また、フレーム(130)は、複数の電気バッテリを収容するスペース(140)を画定しており、複数の電気バッテリは、交換を容易にするために抜き取り可能な引出部上に取り付けられている。また、空圧装置、電気装置および電子装置もまた、故障時にそれらの交換を容易にするために抜き取り可能な引出部上に取り付けられている。前記抜き取り可能な引出部は、その背面に1つ以上のコネクタを有し、それは、引出部の挿入または除去に応じて、複数のバッテリ、ならびに/または、複数の電気回路および電子回路の自動的な接続および切断を確実にする。
【0031】
また、フレーム(130)は、プラットフォーム(200)の複数の空圧要素の動作を保証する空圧モジュールを支持している。
【0032】
また、フレームは、その下部において、再充電ステーションの床に追加の電気コイルを備える前記再充電ステーションから、複数のバッテリを誘導によって再充電するための電気コイルを支持している。
【0033】
代替例として、推進ユニット(100)は、水素燃料電池を備える。
【0034】
また、フレームは、近位プラットフォーム(250)の推進ユニット(100)への取り付けの高さの配置を制御する電気シリンダ(140、141)を備える近位プラットフォーム(250)を持ち上げるシステムを備える。
【0035】
推進ユニット(100)は必要に応じて、例えばGPSモジュールまたは無線周波三角測量モジュール(radiofrequency triangulation module)といった測位測量(geolocation)手段、および、運搬装置の環境に関する情報を取得するために柱の頂部に配置されるライダー(LIDAR)を備える。
【0036】
推進ユニット(100)は、例えば成形プラスチック材料から作られ、フレーム(130)に固定される反り(camber)を備え、それは引出部へのアクセスフラップ(access flap)を有する。それはまた、交通信号もしくはディスプレイの形態の信号手段を有する。または、それは、推進ユニット(100)の前部に光を投射し、現在もしくは将来の運動の向きおよび方向を表示するグラフィック情報を地面の上に投射し、または前部ユニットの本体上に配置されるスクリーンの上に表示されるための手段さえも有する。
【0037】
(運搬装置プラットフォーム(200))
運搬装置プラットフォーム(200)は、近位プラットフォーム(250)および遠位プラットフォーム(260)からなる。
【0038】
近位プラットフォーム(250)は、金属プレート(251~253)によって閉じられた、ビームのアセンブリによって作製される中空のボックスによって形成されている。プレート(252、253)は検査ハッチを見えないようにしている。
【0039】
この近位プラットフォーム(250)は、第1の一対の固定アーム(255および257)、および電気的または空圧的に作動される第1の一対の引込み可能なアーム(256および258)を有する。第1の一対の引込み可能なアーム(256および258)は、ボックスの横方向側部に接して折り畳まれ得る、または前記横方向側部に対して垂直に延伸し、移動すべき車両のホイールのトレッドとの接触状態へと至り得る。
【0040】
運搬装置プラットホーム(200)は、長手方向のスライドによって近位プラットホーム(250)に接続された遠位プラットホーム(260)と、長手方向の延伸を調整し、車両の大きさにそれを適合させるための空圧シリンダまたは電気シリンダと、をさらに備える。
【0041】
この遠位プラットフォーム(260)はまた、一対の固定アーム(265、267)、および電気的または空圧的に作動される一対の引込み可能なアーム(266、268)を有する。一対の引込み可能なアーム(266、268)は、ボックスの横方向側部に接して折り畳まれ得る、または前記横方向側部に対して垂直に延伸し、移動すべき車両のホイールのトレッドとの接触状態へと至り得る。
【0042】
遠位プラットフォーム(260)は、遠位プラットフォーム(260)のフレームに対する高さを調整するための手段によって、例えば空圧パッドによって支持された非電動ローラ(211、212)を有する。
【0043】
ローラ(211、212)は、遠位プラットフォーム(260)の中央軸の両側に配置されている。各ローラ列(211、212)は、空圧パッドによってフレームに接続されている。
【0044】
右側の空圧パッドは、エアダクトによって左側の空圧パッドと連通しており、これにより、左右のローラ列の自動平衡(self-balancing)が保証される。
【0045】
(運動の特徴または特性)
運搬装置の使用は以下の通りである:
まず、運搬装置は車両に向かってバックに動く。推進ユニット(100)に最も近い2つの非引込み可能なアーム(255、257)は横方向に延在しており、他の引込み可能なアーム(254、258、264~268)はプラットフォーム(250、260)の側部に接して折り畳まれる。
【0046】
非引込み可能なアーム(255、257)が車両のタイヤトレッドとの接触状態に至ったとき、センサは、推進ユニット(100)の移動の停止を制御する。
【0047】
次いで、近位プラットフォーム(250)の他の2つの引込み可能なアーム(256、258)が動いてタイヤをロックする。
【0048】
次いで、近位プラットフォーム(250)に最も近い遠位プラットフォーム(260)の引込み可能なアーム(265、267)が展開し、遠位プラットフォーム(260)の運動は、これらの引込み可能なアーム(265、267)が車両の他の2つのホイールのタイヤとの接触状態に至るまで制御される。
【0049】
次いで、遠位プラットフォーム(260)の運動が停止され、スライドがロックされ、タイヤをロックするための遠位プレート(260)の他の2つの引込み可能なアーム(266、268)の横方向位置における傾きが制御される。
【0050】
このようにして、車両はプラットフォーム(200)上に固定化される。次いで、遠位プラットフォーム(260)はローラ(211、212)に対して持ち上げられ、近位プラットフォーム(250)は推進ユニット(100)に対して約150ミリメートル、通常は80~200ミリメートルの移動振幅で持ち上げられる。
【0051】
(変形実施形態)
変形実施形態によれば、運搬装置プラットフォーム(200)は、車の複数のタイヤの外側側壁間の距離に対応する幅だけ横方向に離隔される2つの側部部材(270、280)からなる。
【0052】
この距離は、複数のシリンダ、または電気機械的手段により2つの側部部材(270、280)間の距離を調整するための機構(290)によって調整可能であってもよい。
【0053】
2つの側部部材(270、280)は、記載の実施例ではテレスコピックであり、この目的のため、2つの側部部材(270、280)は、2つのホイール保持ゾーン間の長手方向距離を変更するための複数のシリンダ、または電磁気的手段を有する。
【0054】
各側部部材(270、280)は、2対のアーム(255、256;265、266;257、258;267、268)を有し、各アームは、タイヤのトレッドの下部を保持するためのクランプを形成する。アームの複数の対は、作動位置において、プラットフォーム(200)の中心を向いている。
【0055】
推進ユニット(100)に最も近い2本のアーム(255、257)は、固定されている。他の複数のアームは、それらが側部部材(270、280)の構造の内側に折り畳まれる引込み位置と、それらが2つの側部部材(270、280)によって区切られた空間の内側に展開される作動位置との間で折り畳み可能であり、移動すべき車両のホイールの維持が確実となる。
【0056】
複数の側部部材(270、280)は、側部部材(270、280)の地面に対する高さを調整し、タイヤのトレッド面を地面に対して離すことを可能にするシリンダまたは空圧パッドと結合するホイールを受け入れるための複数の収容部(271、281)を有する。
図1
図2
【国際調査報告】