(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(54)【発明の名称】安定な麻酔薬製剤および関連する剤形
(51)【国際特許分類】
A61K 31/57 20060101AFI20220208BHJP
A61K 9/107 20060101ALI20220208BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220208BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20220208BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220208BHJP
A61P 23/00 20060101ALI20220208BHJP
【FI】
A61K31/57
A61K9/107
A61K47/34
A61K47/24
A61K47/14
A61P23/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555153
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 US2019065539
(87)【国際公開番号】W WO2020123551
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521251372
【氏名又は名称】ハロー・サイエンス・エル・エル・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,シュドン
(72)【発明者】
【氏名】ホイ,ユー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ティアン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB13
4C076CC01
4C076DD09F
4C076DD15F
4C076DD15Q
4C076DD37
4C076DD46E
4C076DD52F
4C076DD63F
4C076DD63Q
4C076DD67
4C076DD70E
4C076EE23F
4C076EE23Q
4C076FF12
4C076FF15
4C076FF16
4C076FF36
4C076FF43
4C086AA01
4C086AA10
4C086DA10
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA22
4C086MA66
4C086NA02
4C086ZA04
4C086ZC41
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、ミセル担体または自己乳化型システム中の1種または複数の神経活性ステロイド麻酔剤を送達する安定な製剤であり、静脈麻酔薬としての使用に特に適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己乳化型システムの医薬製剤であって、
治療有効量の、アルファキサロン、アルファドロン、アセブロコール、アロプレグナノロン、エルタノロン(プレグナノロン)、ガナキソロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、Org20599、Org21465、プロゲステロン代謝物、テトラヒドロデオキシコルチコステロン、それらの様々な塩形態および誘導体から選択される活性剤、
1種または複数の界面活性剤、
1種または複数の乳液安定化剤、ならびに
1種または複数の油性可溶化剤を含み、水性媒体と接触すると乳液に自己乳化する、医薬製剤。
【請求項2】
神経活性ステロイド麻酔薬の量が、前記製剤の総重量の0.01~10%である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記1種または複数の油性可溶化剤が、脂肪酸、脂肪酸エステル、またはそれらの組合せである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記脂肪酸が、ココナッツ油、パーム核油、大豆油、オレイン酸、オリーブ油、またはそれらの組合せであり、前記脂肪酸エステルが、中鎖(C6~C12)トリグリセリドまたはジグリセリドである、請求項3に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記1種または複数の界面活性剤が、コリフォールHS、ツイーン20、ツイーン80、スパン20、スパン80、リン脂質、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、ビタミンE TPGS、またはそれらの組合せである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記1種または複数の乳液安定化剤が、リン脂質、DSPE-PEG、および/もしくは胆汁酸、それらの誘導体、およびそれらの塩、またはそれらの組合せである、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記リン脂質が、レシチンまたは卵ホスファチジルコリンである、請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項8】
水、アルコール、またはエーテルから選択される1種または複数の親水性共溶媒をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項9】
ボルネオール、レシチン、クローディン-1、オクルーディング、トリセルリン、セレポート、TAT、レガデノソン、およびbsABから選択される1種または複数の浸透促進剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項10】
二塩基性リン酸カルシウム、ラクトース、デキストロース、フルクトース、メチルセルロース、HPMC、エチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、でん粉、マルトデキストリン、シクロデキストリン、デキストラン、およびそれらの混合物からなる群から選択される固体担体をさらに含む、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記固体担体が、前記製剤の総重量の10~50%(w/w)の量で存在する、請求項9に記載の製剤。
【請求項12】
無意識状態を誘発または維持することを必要とする患者の無意識状態を誘発または維持するための方法であって、請求項1に記載の医薬製剤を前記患者に投与することを含む、方法。
【請求項13】
混合ミセル型システムの医薬製剤であって、
治療有効量の、アルファキサロン、アルファドロン、アセブロコール、アロプレグナノロン、エルタノロン(プレグナノロン)、ガナキソロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、Org20599、Org21465、プロゲステロン代謝物、およびテトラヒドロデオキシコルチコステロン、ならびにそれらの薬理学的に許容される誘導体、塩、およびプロドラッグ形態から選択される、神経活性ステロイド麻酔薬または鎮静剤、
1種または複数の界面活性剤、
1種または複数の乳液安定化剤または透過性促進剤、ならびに
溶媒を含む、医薬製剤。
【請求項14】
前記麻酔薬の量が、前記製剤の総重量の0.01~10%である、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記1種または複数の界面活性剤が、DSPE-PEG2000、DSPE-PEG5000、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、コリフォールHS、ツイーン、スパン、ビタミンE、ビタミンE TPGS、ビタミンA、エステルもしくはそれらの誘導体、またはそれらの組合せである、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記1種または複数の乳液安定化剤が、リン脂質、DSPE-PEG、および/もしくは胆汁酸、それらの誘導体、およびそれらの塩、またはそれらの組合せである、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記リン脂質がレシチンであり、DSPE-PEGがDSPE-PEG2000またはDSPE-PEG5000である、請求項15に記載の医薬製剤。
【請求項18】
水、アルコール、またはエーテルから選択される1種または複数の親水性共溶媒をさらに含む、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項19】
ボルネオール、レシチン、クローディン-1、オクルーディング、トリセルリン、セレポート、TAT、レガデノソン、およびbsABから選択される1種または複数の浸透促進剤をさらに含む、請求項12に記載の医薬製剤。
【請求項20】
無意識状態を誘発または維持することを必要とする患者の無意識状態を誘発または維持するための方法であって、請求項12に記載の医薬製剤を前記患者に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、神経活性ステロイド麻酔剤のための薬物送達システムの分野に関する。本開示はさらに、神経活性ステロイド麻酔剤のための安定化混合ミセル型または自己乳化型薬物送達システムを使用する剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達システムは、有効な医薬品(API)を患者に送達するための、媒体または担体として使用される。望ましい薬物送達システムは、特定の時間枠内で、APIを全身循環または標的部位に投与するのに役立つ。インビボでの有効な医薬品の放出プロファイルは、疾患の性質および薬理学的処置の必要性に応じて、早い、遅い、または制御され得る。
【0003】
アルファキサロン(Alphaxalone)(アルファキサロン(Alfaxalone)または3-α-ヒドロキシ-5-α-オール-プレグナン-11,20-ジオン)は、GABA A受容体を調節することにより、鎮静、麻酔、抗けいれん、および神経保護の特性を有する(Childら、British Journal of Anaesthesia 43:2~13、1971)。強力な神経活性ステロイド麻酔剤として、アルファキサロンは、プロゲステロン、エストロゲン、ミネラルコルチコイドまたは胸腺溶解活性を欠く。
【0004】
アルテシン(Althesin、登録商標)(Glaxo Laboratories Ltd.、Greenford、Middlesex、UK)は、アルファキサロンとアルファドロンを3:1の比率で含む静脈注射剤である。アルテシンの麻酔作用は、アルファキサロンによるものであった。アルテシンは、血管への刺激効果がほとんどなく、心血管および呼吸器への副作用がわずかで、麻酔作用の迅速なオンセットとオフセットを可能にした。
【0005】
アルファキサロンおよびアルファドロンは、低い水溶性を有する。アルテシンの溶解度を改善するために、ポリエトキシル化ヒマシ油賦形剤である、クレモフォールEL(Cremophor EL、登録商標)(CAS登録番号 61791-12-6)が通常、静脈注射剤に添加される。麻酔の誘発および維持により、この薬物は、1972年から1984年まで、多くの国で臨床麻酔の実践で使用された。アルテシンは、1984年以降、ヒトの静脈麻酔薬としての市場から撤退した。高い治療指数を有しているにもかかわらず、アルテシンは、(クレモフォールEL)に対して、時折、予測できず、かつ重度のアナフィラキシー様反応を起こした。しかしながら、アルテシンは、獣医学で、依然として広く使用されている。
【0006】
ジイソプロピルフェノール(プロポフォール)は、現代の麻酔において最も一般的な麻酔剤である。しかし、プロポフォールは突然血圧を下げ、心拍出量を減少させ、呼吸制御に悪影響を及ぼす可能性があるため、プロポフォールの用途が限られているという臨床の状況がある。プロポフォールは、有効な医薬品として、心血管系および呼吸器系の抑制、すぐに治療しないと患者の生命を犠牲にする深刻な臨床的有害反応を引き起こす可能性がある。プロポフォールの治療指数は約5であり、通常の麻酔量の5倍が致死的であることを意味し、非常に低い値である。
【0007】
さらに、プロポフォールの脂質乳液製剤は、汚染された場合に微生物の増殖を受けやすく、汚染されたプロポフォールは想定外の感染症の臨床例を引き起こした。痛みは、静脈注射後または静脈注射中にプロポフォールの脂質製剤によって引き起こされる別の問題である。水性プロポフォール製剤は、注射の痛みの増加をもたらした。臨床ケアの観点から、プロポフォール製剤とプラスチック製の保存容器およびプラスチック製の注射器との非適合性は、静脈麻酔および鎮静のために、特別な注射器送達装置を必要とする。脂質製剤のため、プロポフォールの副作用には、高脂血症および注入により大用量を投与された場合の関連毒性も含まれる。
【0008】
プロポフォールが直面する限界と代替の麻酔剤の探索の失敗のために、アルファキサロンの再処方に新たな関心が生じている。注目すべき例は、10mg/mLのアルファキサロンおよび13%の7-スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(betadex)で構成される水溶液である、ファクサン(Phaxan)(ファクサンCD、PHAX、Chemic Labs、Canton、MA)である。
【0009】
前臨床試験では、PHAXは、プロポフォールのように、早いオンセット-オフセット特性を有する。静脈麻酔薬として投与されると、PHAXは、プロポフォールよりも心血管の抑制が少なかった。PHAXの同等の麻酔量を求めるPHAXの第1c相臨床試験では、プロポフォールと比較して、安全性、有効性、および麻酔および鎮静からの回復の質が評価された(John Monagleら、Anesthesia Analgesia 121:914~924、2015)。臨床試験の結果では、PHAX注射時の痛みを訴えた被験者はいなかったが、プロポフォールを投与された12人の被験者のうち8人が痛みを訴えたことを示した。9人のPHAXと8人のプロポフォール被験者が、麻酔深度、中央値(四分位範囲[IQR])mg/kg投与量=PHAXについて0.5(0.5~0.6)、プロポフォールについて2.9(2.4~3.0)のBIS(バイスペクトラルインデックス)値が50以下に達した。達成されたBISの最低中央値は、PHAXとプロポフォールの両方で27~28であり、BISのオンセットとオフセット時間に対して、両方の間に有意差はなかった。付随する変化の中央値は、PHAXで処置およびプロポフォールで処置された被験者において、それぞれ、収縮期血圧で-11%対-19%、拡張期血圧で-25%対-37%であった。12人のプロポフォールで処置された被験者のうちの9人、および12人のPHAXで処置された被験者のうちの0人は、気道の補助を必要とした。50以下の同等のBISに到達した患者の場合、PHAXおよびプロポフォール後、それぞれ、中央値5(IQR、5~10)分および15(IQR、10~20)分で、リッチモンドの興奮および鎮静尺度スコア0を達成し、BISは、PHAXおよびプロポフォール投与後、それぞれ、平均21(SD、10.1)分および21(SD、9.2)分で90に戻った。したがって、PHAXは、プロポフォールに匹敵する、早い認知回復を伴う早いオンセットで短期間の麻酔を誘発したが、心血管の抑制や気道閉塞の発生はより少なく、注射時の痛みはなかった。
【0010】
米国特許第8975245B2号は、PHAXの可能性のある麻酔製剤を開示している。この開示では、哺乳動物対象における麻酔または鎮静の導入に使用するための、神経活性ステロイド麻酔剤およびシクロデキストリンまたはその修飾形態を含むホスト/ゲスト複合体製剤が提供された。神経活性ステロイド麻酔剤は、水にほとんど溶けないため、ホスト/ゲスト複合体製剤は、神経活性ステロイド麻酔剤の水溶性を改善するための解決策を提供した。この開示で開示された具体的なシクロデキストリンは、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンなどのスルホアルキルエーテルシクロデキストリンであった。この化合物を、米国特許第5376645A号に記載されているように調製することができた。別の開示されたシクロデキストリンは、スルホアルキルエーテル-アルキルエーテルシクロデキストリンなどのアルキルエーテル誘導体である。さらに、この開示は、メチル化、ヒドロキシアルキル化、分岐状、アシル化、および陰イオン形態などの他のシクロデキストリン誘導体を引用している。本開示の麻酔製剤は、哺乳動物対象、特にヒト対象に注射可能な薬物送達システムを提供する。本開示で開示される麻酔剤は、アルファキサロン、アルファドロンなどの神経活性ステロイドを含む。
【0011】
PHAXの第1c臨床試験で実証されているように、アルファキサロンは、プロポフォールよりも副作用が少なく、より効果的である可能性がある。しかしながら、ブイフェンド(VFEND、登録商標)(スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンを配合したボリコナゾール)の静脈注射の臨床薬理で実証されているように、中等度または重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス50mL/min未満)の患者では、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンが治療期間中に蓄積する可能性がある(https://www.rxlist.com/vfend-drug.htm#description)。したがって、ベネフィット/リスク比が静脈注射のボリコナゾールの使用を裏付けない限り、腎機能不全を伴う患者には経口ボリコナゾールを使用すべきではない。静脈注射のボリコナゾールを使用する場合、腎機能障害を伴う患者の血清クレアチニンレベルを注意深く監視する必要がある。ブイフェンドに関する上記の臨床薬理学的証拠は、腎不全を伴う患者におけるスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの使用が、特に懸念されることを示唆した。
【0012】
シクロデキストリンの生体膜透過性は、その化学構造、分子量、および非常に低いオクタノール/水分配係数のために限定されている。薬物-シクロデキストリン複合体と平衡状態にある薬物の遊離画分のみが、親油性膜を容易に透過できる。シクロデキストリンは、一般に、生体膜を介した薬物の透過性を促進する能力を有していない。実際、シクロデキストリンは、親油性膜制御バリアを介した薬物送達を妨げる可能性がある(Arun Rasheedら、Scientia Pharmaceutica.76:567~598、2008)、これは、シクロデキストリンと薬物との親和性が通常高すぎて、作用部位に薬物が送達された直後に薬物を放出できないためである。
【0013】
アルファキサロンは、高濃度でGABAa受容体の正のアロステリックモジュレーターであり、GABAa受容体の直接的なアゴニストである。GABAa受容体は、中枢神経系全体(海馬錐体細胞、小脳顆粒細胞、視床、海馬、視床下部など)に広く分布している。しかしながら、シクロデキストリンの物理化学的特性により、賦形剤が血液脳関門を通りアルファキサロンを運び、中枢神経系に入ることはできない。したがって、GABAa受容体を調節するために、生物学的に利用可能なシクロデキストリンまたはその誘導体に配合されるアルファキサロンの割合は、実質的に少ない。
【0014】
1ミリリットルのアルテシン溶液は、9mgのアルファキサロンと3mgのアルファドロンを含有する。アルファドロンは前者の半分の効力しかないが、3倍の溶解度がある。2つのステロイドは、20%のポリオキシエチル化ヒマシ油(クレモフォールEL)中で調製される。麻酔薬の高用量が、対応する睡眠時間の増加なしに、副作用の発生率の増加を引き起こすことを考慮すると、0.05~0.08mg/kgの用量範囲が適切であることが示唆された(Mark Swerdlow Canadian Anaesthetists’ Society Journal、20:186~191、1973)。John Monagleら(Anesthesia Analgesia 121:914~924、2015)が推奨するPHAXの有効量が、0.5~0.6mg/kgであるのとは対照的に、アルテシンの有効量は、ほぼ10分の1である。この観察は、血液脳関門を通り中枢神経系へ入る、シクロデキストリンの透過性が低いという上記の理論上の予測と一致し、したがって、PHAX中のアルファキサロンはごくわずかが、GABAa受容体に対して生物学的に利用可能である。
【0015】
クレモフォールELは、臨界ミセル濃度を超えると、水溶液中でミセルを形成する界面活性剤である。過敏症の有害反応にもかかわらず、クレモフォールELは優れたカプセル化ポリマーであり、水不溶性薬物の溶解度を大幅に改善する可能性がある。ミセルは、臨界ミセル濃度未満に希釈すると崩壊するため、クレモフォールEL製剤は、アルファキサロンを効果的に放出し、中枢神経系による取込みのために、アルファキサロンを生物学的に利用可能にする。クレモフォールELは、アルファキサロンなどの神経活性ステロイド麻酔剤を可溶化するための優れた溶媒であるが、生物学的に活性であり、その使用により、重度のアナフィラキシー様過敏症反応、高脂血症、異常なリポタンパク質パターン、赤血球の凝集、および末梢神経障害が引き起こされている。
【0016】
したがって、プロポフォールに基づく静脈麻酔薬に置き換わる代替の適切な製剤を開発するか、または過敏症反応を起こしやすい対象において、神経活性ステロイド麻酔剤の使用を可能にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第8975245号明細書
【特許文献2】米国特許第5376645号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】Childら、British Journal of Anaesthesia 43:2~13、1971
【非特許文献2】John Monagleら、Anesthesia Analgesia 121:914~924、2015
【非特許文献3】https://www.rxlist.com/vfend-drug.htm#description
【非特許文献4】Arun Rasheedら、Scientia Pharmaceutica.76:567~598、2008
【非特許文献5】Mark Swerdlow Canadian Anaesthetists’ Society Journal、20:186~191、1973
【発明の概要】
【0019】
本明細書で提供されるのは、ミセル担体中の1種または複数の神経活性ステロイド麻酔剤を送達する安定な製剤であり、この製剤は静脈麻酔薬としての使用に特に適している。
【0020】
静脈麻酔薬は、投与されるとすぐに患者の鎮静と意識消失を迅速に誘発すること、および停止するとすぐに患者が意識を取り戻すことができることが重要である。ミセル型製剤は通常、体内で急速に崩壊し、そのミセル構造からの有効な医薬品の薬物放出を遅らせることなく、組織のかなりの深さまで到達することができる。しかしながら、100nm未満などの従来のミセル送達システムは、特に、その臨界ミセル濃度に近い/またはそれ未満で、血液循環で不安定になる傾向がある。
【0021】
したがって、ある特定の実施形態は、治療有効量の、アルファキサロン、アルファドロン、アセブロコール、アロプレグナノロン、エルタノロン(プレグナノロン)、ガナキソロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、Org20599、Org21465、プロゲステロン代謝物、およびテトラヒドロデオキシコルチコステロン、ならびにそれらの薬理学的に許容される誘導体、塩、およびプロドラッグ形態などの1種または複数の神経活性ステロイド麻酔薬または鎮静剤、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の安定化剤を含む混合ミセル型送達システムを提供する。1種または複数の安定化剤は、透過性促進剤としても機能し、血液脳関門を通る改善された透過性を提供しながら、循環中のミセル型製剤を安定化し、神経活性ステロイド麻酔剤をGABAa受容体に対して生物学的に利用可能にして、麻酔機能を発揮する。
【0022】
他の実施形態は、水または体液などの水性媒体と接触すると、乳液に自己乳化することができる安定な製剤を提供する。自己乳化型システムは、ミセルまたは混合ミセル型製剤の早い作用を維持しながら、長期保存安定性を実現する。したがって、自己乳化型送達システムは、治療有効量の神経活性ステロイド麻酔薬、例えば、アルファキサロン、アルファドロン、アセブロコール、アロプレグナノロン、エルタノロン(プレグナノロン)、ガナキソロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、Org20599、Org21465、プロゲステロン代謝物、テトラヒドロデオキシコルチコステロン、それらの様々な塩の形態および誘導体、1種または複数の界面活性剤、1種または複数の安定化剤、ならびに1種または複数の脂肪酸またはエステルを含む。場合によっては、自己乳化型製剤は、1種または複数の固体担体をさらに含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で提供されるのは、神経活性ステロイド麻酔剤を送達するための安定な薬物送達システムである。特に、安定な送達システムは、混合ミセルまたは自己乳化組成物であり、ミセル構造内(例えば、血液循環中)の神経活性ステロイド麻酔剤を保護し、標的部位でそれらを迅速に放出することができる。
【0024】
本明細書で開示される1種または複数の界面活性剤および安定化剤および透過性促進剤を組み込むことにより、本開示の麻酔または鎮静製剤は、他の公知の麻酔薬に比べて多くの利点を有し、例えば、1)製剤は、刺激性の賦形剤を含有せず、有効な医薬品を可溶化するため、注射時の痛みの発生率を減少させ得る、2)適切な有効な医薬品は、5を超える治療指数、すなわち、プロポフォールと比較してより大きい治療指数を有する、3)製剤の麻酔導入時間および覚醒時間は、プロポフォールまたはアルテシン(アルファキサロンおよびアルファドロン)と同等またはそれよりも早い、4)本明細書で開示される賦形剤の安価な性質および改善された生物学的利用能のために、製剤は他のシクロデキストリンベースの製剤よりもコストが低い、5)製剤は、有効な医薬品が通過する血液脳関門の透過性を促進し、したがって薬剤の生物学的利用能を改善する、6)自己乳化型製剤は、自己乳化前に固体または半固体の形態をとり、より長期の保存とより容易な輸送および取扱いを可能にし、ならびに微生物汚染の可能性をより少なくする、が挙げられる。
【0025】
したがって、本開示による様々な実施形態は、神経活性ステロイド麻酔剤をカプセル化および可溶化するために、1種または複数の界面活性剤またはその修飾形態で配合された神経活性ステロイド麻酔薬、および1種または複数の安定化剤、および、場合によっては、1種または複数の脂肪酸またはエステルを含む、麻酔または鎮静組成物を対象とする。これらの構成要素については、以下でさらに詳しく説明する。
【0026】
神経活性ステロイド麻酔薬
麻酔または鎮静組成物は、神経活性ステロイド麻酔薬を含む。神経活性ステロイド麻酔薬は、通常、親油性が高く、送達後にミセル構造によって可溶化および安定化されるという利点がある。好適な神経活性ステロイド麻酔薬には、例えば、アルファキサロン、アルファドロン、アセブロコール、アロプレグナノロン、エルタノロン(プレグナノロン)、ガナキソロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、Org20599((2β,3α,5β)-21-クロロ-3-ヒドロキシ-2-モルホリン-4-イルプレグナン-20-オン)、Org21465(2β-(2,2-ジメチル-4-モルホリニル)-3α-ヒドロキシ-11,20-ジオキソ-5α-プレグナン-21-イルメタンスルホネート)、プロゲステロン代謝物、およびテトラヒドロデオキシコルチコステロン、ならびにそれらの薬理学的に許容される誘導体、塩、およびプロドラッグ形態、またはそれらの組合せが含まれる。
【0027】
様々な実施形態では、複数の神経活性ステロイド麻酔薬を、単一の送達システムに配合することができる。例えば、アルファキサロンおよびアルファドロンを、固定された比率、例えば、3:1で組み合わせることができる。
【0028】
界面活性剤
界面活性剤は、ミセル形成に関与する乳化剤として存在する。界面活性剤は、通常、疎水基(例えば、尾部)と親水基(例えば、頭部)の両方を含む両親媒性分子である。好適な界面活性剤は、イオン性または非イオン性であり得る。
【0029】
界面活性剤の例には、以下に限定されないが、ポリエチレングリコール系界面活性剤、例えば、エトキシ化エステル(例えば、コリフォール(Kolliphor)HS)およびビタミンE TPGS、ポリソルベート(例えば、ツイーン(Tween)20、ツイーン80)、ソルビタン(例えば、スパン20、スパン80)、リン脂質、システイン酸系界面活性剤、例えば、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、およびそれらの誘導体が含まれる。
【0030】
界面活性剤は、神経活性ステロイド麻酔剤をカプセル化する脂質の乳化を助ける。本開示で使用される界面活性剤はまた、神経活性ステロイド麻酔剤の主要な薬理学的標的であるGABAa受容体に到達するために、血液脳関門を通る前記神経活性ステロイド麻酔剤の浸透を促進する。
【0031】
乳液安定化剤
麻酔または鎮静組成物は、乳液安定化剤または補助界面活性剤をさらに含み、これには、以下に限定されないが、リン脂質、例えば、ホスファチジルコリン、レシチン、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[アミノ(ポリエチレングリコール)DSPE-PEG(例えば、DSPE-PEG2000またはDSPE-PEG5000)、および/または胆汁酸、トコフェロール、それらの誘導体またはそれらの塩が含まれる。乳液安定化剤は、乳液(例えば、ミセルベシクル)の表面に凝集することによって乳液を安定化し、ミセルベシクル間に静電反発力を導入する。本開示で使用される乳液安定化剤はまた、神経活性ステロイド麻酔剤の主要な薬理学的標的であるGABAa受容体に到達するために、血液脳関門を通る前記神経活性ステロイド麻酔剤の浸透を促進する。
【0032】
油性可溶化剤
油性可溶化剤は、脂肪酸またはエステルの混合物であり得、以下でさらに詳細に本明細書で開示されるように、自己乳化型製剤を調製するために特に有用である。脂肪酸またはエステルには、例えば、中鎖(C6~C12、または好ましくはC8~C10)のトリグリセリドまたはジグリセリド(例えば、ラブラファック(Labrafac)WL1349またはラブラファックPG)、ラブラフィル、ココナッツ油、パーム核油、大豆油、オレイン酸、およびそれらのオリーブ油。市販の脂質賦形剤、例えば、カプムル(Capmul)INJ MCMおよびAccon INJ MC8-2は、好適な脂肪酸のモノエステル、ジエステル、またはトリエステルである。それらのいくつかは、人体によって容易に分解され処分される天然成分である。それらは、アルファキサロンなどの親油性薬物をカプセル化し、該薬物を作用部位で生物学的に利用可能にする優れた能力を有する、油性基剤または可溶化剤として機能する。
【0033】
浸透促進剤
浸透促進剤は、血液脳関門(BBB)に浸透するために使用でき、薬物透過性を改善し、脳へのより早くより高い薬物送達を達成する。製剤は、ボルネオール、レシチン、クローディン-1、オクルーディング、トリセルリン、セレポート、TAT、レガデノソン、およびbsABからなる群から選択されるさらに1種の浸透促進剤をさらに含んでもよい。
【0034】
添加剤
本開示のさらに別の実施形態は、二塩基性リン酸カルシウム、ラクトース、デキストロース、フルクトース、メチルセルロース、HPMC、エチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、でん粉、マルトデキストリン、シクロデキストリン、デキストラン、などのバルク剤をさらに含む、麻酔または鎮静組成物である。バルク剤は、希釈前の製剤を固体の自己乳化型薬物送達システム(S-SEDS)に均一に分散させ、包装および取扱い中に自由に流れるようにすることができる。あるいは、製剤はすでに固体の形態であるので、製剤をバルク剤で処理する必要がない場合もある。
【0035】
本開示のさらに別の実施形態では、麻酔または鎮静組成物は、pHを約pH5.5からpH8までの範囲内に維持するための緩衝液をさらに含み得る。あるいは、製剤のpHは約pH3から約pH10までであり得るため、製剤を緩衝化する必要はないかもしれない。
【0036】
本開示のさらに別の実施形態では、麻酔または鎮静組成物は、粘度を高めるため、ひいては製剤の物理的安定性を高めるためのコポリマーをさらに含んでもよい。コポリマーの可能な例には、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
溶媒
1種または複数の溶媒も、本明細書に記載の安定な製剤中に存在し得る。溶媒は、典型的には親水性であり、水、エタノールなどのアルコール系溶媒、または2-(2-エトキシエトキシ)エタノール(トランスクトール(Transcutol)(登録商標))などのエーテル、または平均Mnが8000以下、および好ましくは6000以下の低分子量ポリエチレングリコールであり得る。市販のPEG溶媒には、例えば、マクロゴール(Macrogol、登録商標)6000が含まれる。親水性溶媒は、自己乳化形成において、油性可溶化剤の共溶媒として存在し得る。
【0038】
混合ミセル型製剤
本開示の様々な実施形態は、神経活性ステロイド麻酔薬を送達するための混合ミセル型システムを提供する。麻酔製剤は、哺乳動物対象、特にヒト患者に対して、注射部位で経験する痛みが最小限となる注射投与を可能にする。
【0039】
より具体的には、一実施形態は、神経活性ステロイド麻酔薬、1種または複数の界面活性剤、および1種または複数の乳液安定化剤を含む、麻酔または鎮静組成物を提供し、神経活性ステロイド麻酔薬は、ミセルベシクル中にカプセル化されるとともに可溶化される。混合ミセル型製剤は、精製水、エーテル、またはエタノールなどの親水性溶媒をさらに含んでもよい。これらの構成要素は、本明細書に記載されているとおりである。
【0040】
様々な特定の実施形態では、混合ミセル型システムは、アルファキサロン、ならびにN-(all-トランス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、コリフォールHS、ツイーン、スパン、ビタミンE TPGS界面活性剤、それらのエステル、誘導体、およびそれらの塩からなる群から選択される1種または複数の界面活性剤を含む。上記の製剤は、レシチン、DSPE-PEG(例えば、DSPE-PEG2000またはDSPE-PEG5000)、および/または胆汁酸、それらの誘導体、ならびにそれらの塩からなる群から選択される1種または複数の乳液安定化剤をさらに含み得る。上記の製剤は、ボルネオール、レシチン、クローディン-1、オクルーディング、トリセルリン、セレポート、TAT、レガデノソン、およびbsABからなる群から選択されるさらに1種の浸透促進剤をさらに含み得る。
【0041】
より具体的な実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬の安定化剤(複数可)に対するモル比は、約1:0.01から約1:100までである。より具体的には、モル比は約1:1から約1:50までであり、よりさらに具体的には、モル比は約1:1から約1:10までである。
【0042】
他の実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬の界面活性剤(複数可)に対するモル比は、約1:0.01から約1:1000までである。より具体的には、モル比は約1:1から約1:100までであり、より具体的には、モル比は約1:1から約1:20までであり、より具体的には、モル比は約1:1から約1:10までである。
【0043】
他の実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬は、製剤の総重量の0.0001%~90%の量で製剤中に存在する。より具体的な実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬は、0.01%~10%の量で、またはより具体的には0.1%~10%、またはより具体的には0.1%~1%の量で存在する。
【0044】
自己乳化型製剤
本明細書に記載のアルファキサロンの自己乳化型製剤は、注射可能な希釈剤または生体液と接触して自発的な相転移を起こし、その後、自己乳化することができる。最小限の撹拌を伴う、速度論的および熱力学的に好ましい相転移は、結果として得られた乳液を、保存中に安定な乳液として維持できることを意味し、リン酸緩衝生理食塩水またはヒト血漿などのバルク媒体中に均一に分散された乳液ベシクル中に、複合活性剤を埋め込まれたままにすることが可能になる。希釈と分散の前に、濃縮アルファキサロン製剤は、固体または半固体の形態をとることができ、より長期の保存とより容易な輸送および取扱い、ならびに微生物汚染の可能性をより少なくすることができる。自己乳化型製剤は、活性剤と生体膜との間の相互作用を改変し、他の製剤に見られるような望ましくない刺激を減らし、薬物の生物学的利用能を潜在的に改善する。
【0045】
神経活性麻酔製剤は、1種または複数の神経活性ステロイド麻酔剤、脂肪酸またはエステルの混合物、1種または複数の乳液安定化剤、および/または1種または複数の界面活性剤を含む自己乳化型システムとして調製される。本開示の文脈内で、開示される神経活性ステロイド麻酔剤には、以下に限定されないが、アルファキサロン、アルファドロン、アセブロコール、アロプレグナノロン、エルタノロン(プレグナノロン)、ガナキソロン、ヒドロキシジオン、ミナキソロン、Org20599、Org21465、プロゲステロン代謝物、テトラヒドロデオキシコルチコステロン、それらの薬理学的に許容される誘導体、塩、またはそれらのプロドラッグ形態が含まれる。また、開示される脂肪酸またはエステルの混合物には、以下に限定されないが、ラブラファック、ラブラフィル、ココナッツ油、パーム核油、大豆油、およびそれらのオリーブ油が含まれる。本開示に開示される自己乳化型システムは、レシチンおよびDSPE-PEGなどのリン脂質、および/または胆汁酸、それらの誘導体およびそれらの塩で安定化される。本開示で使用される安定化剤はまた、神経活性ステロイド麻酔剤の主要な薬理学的標的であるGABAa受容体に到達するために、血液脳関門を通る前記神経活性ステロイド麻酔剤の浸透を促進する。また、開示される界面活性剤には、以下に限定されないが、コリフォールHS、ツイーン20、ツイーン80、スパン20、またはスパン80、ビタミンE TPGS、リン脂質、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-ホモシステイン酸、N-(all-トランス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、N-(13-シス-レチノイル)-L-システインスルフィン酸、および神経活性ステロイド麻酔剤をカプセル化する脂質を乳化するそれらの誘導体が含まれる。
【0046】
より具体的な実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬の乳液安定化剤(複数可)に対するモル比は、約1:0.01から約1:100までである。より具体的には、モル比は約1:1から約1:50までであり、よりさらに具体的には、モル比は約1:1から約1:10までである。
【0047】
他の実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬の界面活性剤(複数可)に対するモル比は、約1:0.01から約1:1000までである。より具体的には、モル比は約1:1から約1:100までであり、より具体的には、モル比は約1:1から約1:20までであり、より具体的には、モル比は約1:1から約1:10までである。
【0048】
他の実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬の油性可溶化剤に対するモル比は、約1:0.01から約1:1000までである。より具体的には、モル比は約1:1から約1:100までであり、より具体的には、モル比は約1:1から約1:20までであり、より具体的には、モル比は約1:1から約1:10までである。
【0049】
他の実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬は、製剤の総重量の0.0001%~90%の量で製剤中に存在する。より具体的な実施形態では、神経活性ステロイド麻酔薬は、0.01%~10%の量で、またはより具体的には0.1%~10%、またはより具体的には0.1%~1%の量で存在する。
【0050】
固体担体が存在する場合、自己乳化型製剤は固体形態である。典型的には、固体担体は、製剤の総重量の10~50%の量(w/w)であり得る。より典型的には、固体担体は、製剤の総重量の総重量の15~30%の量であり得る。
【0051】
医薬的な用途
混合ミセル型システムおよび自己乳化型システムは、それを必要とする患者の無意識状態を誘発または維持するための方法に使用することができ、該方法は、本明細書に記載の医薬製剤のいずれかを患者に投与することを含む。
【0052】
本明細書で使用される場合、患者は、ヒトまたは任意の他の哺乳動物対象(例えば、獣医学的使用のため)であり得る。
【0053】
典型的には、製剤は、例えば、静脈内または筋肉内経路を介して非経口投与され得る。
【0054】
実施例
本開示の実践は、別段の指示がない限り、当技術分野の範囲内である医薬製剤、医薬化学、生物学的試験などの従来の技術を採用する。このような技術は、文献で十分に説明されている。種々な種類の医薬製剤の調製は、例えば、上記で引用したLiebermanらに記載されており、GibaldiおよびPerrier、Pharmacokinetics(Marcel Dekker、1982)は、本明細書に記載および特許請求されている薬物送達システムを評価するために有用な試験手順の説明を提供する。
【0055】
実施例1
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表1】
【0056】
実施例2
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表2】
【0057】
実施例3
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表3】
【0058】
実施例4
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表4】
【0059】
実施例5
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、約24時間安定であった。
【表5】
【0060】
実施例6
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表6】
【0061】
実施例7
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。形成した混合ミセル型システムを、オーブン中で乾燥させた。乾燥した混合ミセル型システムは、水または緩衝液で再構成して、液体中で混合ミセルを形成することができる。
【表7】
【0062】
実施例8
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。形成した混合ミセル型システムを、オーブン中で乾燥させた。乾燥した混合ミセル型システムは、水または緩衝液で再構成して、液体中で混合ミセルを形成することができる。
【表8】
【0063】
実施例9
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤、安定化剤、およびラクトースと混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。形成した混合ミセル型システムを、オーブン中で乾燥させた。乾燥した混合ミセル型システムは、水または緩衝液で再構成して、液体中で混合ミセルを形成することができる。
【表9】
【0064】
実施例10
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤、安定化剤、およびラクトースと混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。形成した混合ミセル型システムを、オーブン中で乾燥させた。乾燥した混合ミセル型システムは、水または緩衝液で再構成して、液体中で混合ミセルを形成することができる。
【表10】
【0065】
実施例11
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。プロゲステロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表11】
【0066】
実施例12
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。プロゲステロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表12】
【0067】
実施例13
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表13】
【0068】
実施例14
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表14】
【0069】
実施例15
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表15】
【0070】
実施例16
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表16】
【0071】
実施例17
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表17】
【0072】
実施例18
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表18】
【0073】
実施例19
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表19】
【0074】
実施例20
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表20】
【0075】
実施例21
アルファキサロンの混合ミセル型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、界面活性剤および安定化剤と混合し、その後、穏やかに混合した後、混合ミセル型薬物送達システムを得た。容器中で形成した混合ミセル型システムは、1週間以上安定であった。
【表21】
【0076】
実施例22
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1ヶ月間以上安定であった。
【表22】
【0077】
実施例23
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1ヶ月間以上安定であった。
【表23】
【0078】
実施例24
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1ヶ月間以上安定であった。
【表24】
【0079】
実施例25
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1ヶ月間以上安定であった。
【表25】
【0080】
実施例26
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表26】
【0081】
実施例27
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1ヶ月間以上安定であった。
【表27】
【0082】
実施例28
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1週間以上安定であった。
【表28】
【0083】
実施例29
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1週間以上安定であった。
【表29】
【0084】
実施例30
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1週間以上安定であった。
【表30】
【0085】
実施例31
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表31】
【0086】
実施例32
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1週間以上安定であった。
【表32】
【0087】
実施例33
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤、および固体担体と混合し、オーブン中で乾燥させた後、固体の自己乳化型薬物送達システムを得た。システムを水または緩衝液で再構成して、液体の自己乳化型薬物送達システムを得ることができる。得られた自己乳化型調製物は、1ヶ月間以上安定であった。
【表33】
【0088】
実施例34
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表34】
【0089】
実施例35
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表35】
【0090】
実施例36
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表36】
【0091】
実施例37
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表37】
【0092】
実施例38
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表38】
【0093】
実施例39
神経活性ステロイド麻酔薬アルファキサロンの自己乳化型製剤を、当業者に公知の標準的な技術を使用して調製した。アルファキサロンを秤量し、溶媒、共溶媒、界面活性剤、および安定化剤/促進剤と混合し、その後、自己乳化型薬物送達システムを得た。得られた自己乳化型調製物は、1日以上安定であった。
【表39】
【0094】
上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書で言及される、かつ/または出願データシート、に列挙される、米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物のすべては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。必要に応じて、様々な特許、出願、および刊行物の概念を用いて、さらに別の実施形態を提供するために、実施形態の態様を改変することができる。
【0095】
上記の詳細な説明に照らして、これらおよび他の変更を実施形態に加えることができる。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、特許請求の範囲を明細書および特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、権利が付与されるこれらの特許請求の範囲と均等なすべての範囲とともに、すべての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【0096】
本出願は、2018年12月10日に出願された米国仮出願第62/777,755号および2018年12月11日に出願された米国仮出願第62/777,766号に対する優先権の利益を主張し、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】