(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】自動保管・回収システムのためのコンテナアクセスステーション
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20220209BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021534620
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2019084571
(87)【国際公開番号】W WO2020126725
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA09
3F022EE05
3F022FF00
3F022HH01
3F022JJ11
3F022LL12
3F022LL19
3F022MM01
3F022MM51
3F022QQ01
(57)【要約】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動保管・回収システムに関し、詳細には、送達レールシステム(608)からアクセスステーション(760)の中まで保管コンテナ(106)を有する送達車両(601)を持ち上げるための車両リフト(770)に関する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動保管・回収システム(500)の保管コンテナ(106)にアクセスするためのコンテナアクセスステーション(760)であって、前記コンテナアクセスステーション(760)がハウジング(763)を備え、前記ハウジング(763)が、
- 人間および/またはロボットがそれを介して前記保管コンテナ(106)の中身にアクセスすることができるアクセス開口部(761)と、
- 前記アクセス開口部に提示されるように前記保管コンテナがそれを介して前記コンテナアクセスステーションに入ることができるベース開口部(762)と、
を備え、
前記コンテナアクセスステーションが、
- 送達車両(601)により前記保管コンテナ(106)がまだ運ばれている間に、前記送達車両(601)の上側表面上で前記保管コンテナ(106)を運ぶ前記送達車両(601)を、前記ベース開口部(762)の下方の乗車レベル(670)から、前記保管コンテナ(106)が提示されて前記人間および/または前記ロボットにより前記アクセス開口部(761)を通してアクセスされることになるアクセス可能レベル(680)まで、持ち上げるように構成されている車両リフト(770)
をさらに備える、
コンテナアクセスステーション(760)。
【請求項2】
前記車両リフト(770)が、前記保管コンテナを運ぶ前記送達車両(601)の高さより高い高さで、前記ベース開口部(762)の下方に延在する、請求項1に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項3】
前記車両リフト(770)が、前記乗車レベル(670)と前記アクセスレベル(680)との間で、前記保管コンテナ(106)を運ぶ前記送達車両(601)を純粋に垂直方向に持ち上げるように構成されている、請求項1または2に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項4】
前記車両リフト(770)が2つのレールの支持体(772)を備え、各レールが、前記送達車両(601)の1つのセットのホイール(601b、c)を受けるように構成されており、その結果、前記送達車両(601)が、前記アクセスレベル(680)まで持ち上げられるために前記車両リフト(770)上まで移動することができる、前記請求項のいずれか一項に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項5】
前記レール(772)が、前記車両リフト(770)上での運搬中に、前記送達車両(601)の前記セットのホイール(601b、c)が移動するのを防止するためのロックデバイスを備える、請求項4に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項6】
前記車両リフト(770)が、前記送達車両(601)のベースの下に延在するプラットフォーム(772)である支持体(772)を持ち上げることを備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項7】
前記プラットフォーム(772)が、前記送達車両(601)の設置面積に等しいかまたはそれより小さい設置面積を有する、請求項6に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項8】
前記プラットフォームが前記送達車両(601)の設置面積より小さい面積を占有し、その結果、前記送達車両(601)が上に配置されるとき、少なくとも1つのセットの駆動ホイール(601b、c)が前記プラットフォーム(772)の水平方向の延在範囲の外側に配置され、それにより、持ち上げられるときおよび/またはアクセスされるときに前記送達車両が移動するのを防止する、請求項7に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項9】
前記車両リフト(770)が、運搬中に前記送達車両(601)が前記車両リフト(770)から離れて移動するのを防ぐための少なくとも1つの壁を備える、前記請求項のいずれか一項に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項10】
前記車両リフト(770)が、前記送達車両(601)の側部の上にクランプされるように構成されている少なくとも2つの壁を備える、請求項9に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項11】
前記ハウジング(763)が、前記アクセス開口部(761)および前記ベース開口部(762)の周りに配置されたキャビネットボディ(763)をさらに備え、その結果、前記車両リフト(770)により前記キャビネットボディ(763)の中まで持ち上げられた送達車両(601)が前記人間および/または前記ロボットから遮蔽され、前記送達車両によって運ばれる前記保管コンテナ(106)のみが前記アクセス開口部(761)を通してアクセス可能となる、前記請求項のいずれか一項に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項12】
前記コンテナアクセスステーション(760)が、保管コンテナを運ぶ送達車両が前記キャビネットボディ(763)の中に存在しないときに、前記アクセス開口部(761)を通したアクセスを制限するためのカバー(781)を備える、前記請求項のいずれか一項に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項13】
前記カバーが、前記送達車両(601)によって運ばれる前記保管コンテナが前記アクセス開口部に提示されるときにのみ開くように構成されている格納可能なカバー(781)である、請求項12に記載のコンテナアクセスステーション(760)。
【請求項14】
前記請求項のいずれか一項に記載のコンテナアクセスステーション(760)を備える自動保管・回収システム(500)であって、前記自動保管・回収システム(500)が、
- 水平面(P2)内に配置されて第1の方向(X)に延在する少なくとも第1のセットの平行なレール(610)と、前記水平面(P2)内に配置されて前記第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)に延在する少なくとも第2のセットの平行なレール(611)と、を有する送達レールシステム(608)であって、前記第1のセットのレール(610)および前記第2のセットのレール(611)が一体にグリッドセル(622)のグリッド(604)を画定する、送達レールシステム(608)と、
- 前記レールシステム(608)上で動作する送達車両(601)と
をさらに備え、
前記レールシステム(608)は、保管コンテナ(106)を備える前記送達車両(601)が乗車レベルにおいて車両リフト(770)にアクセスできるように構成されており、その結果、前記送達車両により前記保管コンテナがまだ運ばれている間に、前記車両リフトが、前記送達車両(601)および前記保管コンテナ(106)を、前記乗車レベル(670)から、前記保管コンテナ(106)が提示されて前記アクセス開口部(761)を通して人間および/またはロボットによってアクセスされ得るアクセスレベル(680)まで持ち上げることができる、
自動保管・回収システム(500)。
【請求項15】
前記コンテナアクセスステーション(760)が前記レールシステム(608)の上方のフロア(700)上に配置される、請求項14に記載の自動保管・回収システム(500)。
【請求項16】
前記送達車両がグリッドセルのサイズに等しい設置面積を有する、請求項14または15に記載の自動保管・回収システム(500)。
【請求項17】
請求項1から13までのいずれかに記載の複数のコンテナアクセスステーション(760)を備える、請求項14から16までのいずれか一項に記載の自動保管・回収システム(500)。
【請求項18】
- 自動保管・回収骨組み構造(501)であって、前記自動保管・回収骨組み構造(501)が、
垂直方向のスタック(107)内で互いの上に重ねて保管コンテナ(106)を保管するための複数の保管カラム(505)を画定する垂直方向の部材(512)であって、
前記垂直方向の部材(512)が、前記保管カラムの上方で少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両(201、301)を誘導するように構成されているコンテナ取り扱い車両レールシステム(508)によって各自の上側端部のところで相互接続され、前記少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両が、前記保管カラム(505)から前記保管コンテナ(106)を上昇させ、前記保管カラム(505)の中まで前記保管コンテナ(106)を降下させるように、および前記保管カラム(505)の上方で前記保管コンテナ(106)を運搬するように構成されており、
前記コンテナ取り扱い車両レールシステム(508)が、第1の水平面(P1)内に配置されて第1の方向(X)に延在する第1のセットの平行なレール(510)と、前記第1の水平面(P1)内に配置されて前記第1の方向(X)と直交する第2の方向(Y)に延在する第2のセットの平行なレール(511)と、を備え、前記第1のセットのレール(510)および前記第2のセットのレール(511)が、複数の隣接するコンテナ取り扱い車両グリッドセル(522)を含むグリッドパターンを前記第1の水平面(P1)内に形成し、各コンテナ取り扱い車両グリッドセル(522)が、前記第1のセットのレール(510)のうちの一対の隣り合うレールおよび前記第2のセットのレール(511)のうちの一対の隣り合うレールによって画定されるコンテナ取り扱い車両グリッド開口部(515)を備える、
垂直方向の部材(512)と、
前記コンテナ取り扱い車両(201、301)と移送ポートカラム(519)の下側端部に位置する送達空間(540)との間で保管コンテナ(106)を運搬するように適合される移送ポートカラム(519)であって、
前記送達レールシステム(608)が、前記移送ポートカラム(519、520)の前記送達空間(540)の下方で前記送達レールシステム(608)上に構成される保管コンテナ送達ロケーション(660)で保管コンテナ(106)を受け取るようにおよび/または送達するように、ならびに前記保管コンテナ送達ロケーション(660)から前記コンテナアクセスステーション(760)の前記車両リフト(770)まで移動するように、適合される、
移送ポートカラム(519)と
を備える自動保管・回収骨組み構造(501)
をさらに備える
請求項14から17までのいずれか一項に記載の自動保管・回収システム(500)。
【請求項19】
請求項1から13までのいずれかに記載のコンテナアクセスステーション(760)のアクセス開口部を通して人間および/またはロボットが保管コンテナ(106)の中身にアクセスするのを可能にするために前記保管コンテナを提示する方法であって、前記方法が、
- 車両リフト(770)を使用して、前記保管コンテナ(106)を運ぶ送達車両(601)を乗車レベル(670)からアクセスレベル(680)まで持ち上げるステップと、前記送達車両によって前記保管コンテナがまだ運ばれている間に、その中身に対して前記人間および/または前記ロボットがアクセスするために、前記アクセス開口部(761)に前記送達車両上の前記保管コンテナ(601)を提示するステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記方法が、前記乗車レベル(670)まで前記送達車両(601)を降下させるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法が、前記保管コンテナ(601)を戻すために、前記送達車両(601)を前記車両リフト(770)から取り外して前記送達レールシステム(608)上に置くステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの保管および回収のための自動保管・回収システムに関し、より詳細には、保管コンテナを有する送達車両をレールシステムからアクセスステーションの中まで持ち上げるための車両リフトに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、骨組み構造100を備える典型的な従来技術の自動保管・回収システム1を開示しており、
図2および
図3は、このようなシステム1の上で動作するのに適する2つの異なる従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301を開示している。
【0003】
骨組み構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102と水平部材103との間で列状に配置される保管カラム105を備える保管ボリュームとを備える。これらの保管カラム105の中で、容器としても知られる保管コンテナ106が、1つの保管コンテナが別の保管コンテナの上に置かれる形で、積み重ねられてスタック107を形成する。部材102、103は、通常、例えば押し出しアルミニウムプロフィールなどの金属で作られてよい。
【0004】
自動保管・回収システム1の骨組み構造100は、骨組み構造100の頂部に跨って配置されるレールシステム108を備え、レールシステム108の上で複数のコンテナ取り扱い車両201、301が保管カラム105から保管コンテナ106を上昇させるようにおよび保管カラム105の中まで保管コンテナ106を降下させるように、ならびにさらには保管カラム105の上方で保管コンテナ106を運搬するように動作させられる。レールシステム108は、フレーム構造100の頂部の上に跨ってコンテナ取り扱い車両201、301の第1の方向Xへの移動を誘導するように構成されている第1のセットの平行なレール110と、第1の方向Xに対して垂直である第2の方向Yへのコンテナ取り扱い車両201、301の移動を誘導するように第1のセットのレール110に対して垂直に構成されている第2のセットの平行なレール111とを備える。カラム105の中に保管されるコンテナ106は、レールシステム108内のアクセス開口部112を通してコンテナ取り扱い車両によってアクセスされる。コンテナ取り扱い車両201、301は、保管カラム105の上方で横方向に移動することができ、つまり水平のX-Y平面に平行な平面内で横方向に移動することができる。
【0005】
骨組み構造100の直立部材102は、カラム105から出すようにコンテナを上昇させるときにおよびカラム105の中までコンテナを降下させるときに保管コンテナを誘導するのに使用され得る。コンテナ106のスタック107は通常、自己支持型である。
【0006】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、車両ボディ201a、301aと、コンテナ取り扱い車両201、301のX方向およびY方向のそれぞれの横方向の移動を可能にする第1のセットのホイール201b、301bおよび第2のセットのホイール201c、301cとを備える。
図2および
図3で、各々のセットの2つのホイールを完全に見ることができる。第1のセットのホイール201b、301bが第1のセットのレール110のうちの2つの隣接するレールに係合されるように構成されており、第2のセットのホイール201c、301cが第2のセットのレール111のうちの2つの隣接するレールに係合されるように構成されている。セットのホイール201b、301b、201c、301cのうちの少なくとも1つが持ち上げられたり降下させられたりされ得、その結果、第1のセットのホイール201b、301bおよび/または第2のセットのホイール201c、301cが任意の同時のタイミングでそれぞれのセットのレール110、111に係合され得る。
【0007】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、保管コンテナ106を垂直方向に運搬するための持ち上げデバイス(図示せず)をさらに備え、例えば保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させたり保管コンテナ106を保管カラム105内へ降下させたりする。持ち上げデバイスは保管コンテナ106に係合されるように適合される1つまたは複数の把持/係合デバイスを備え、この把持/係合デバイスが車両201、301から降下させられ得、その結果、車両201、301を基準とした把持/係合デバイスの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zにおいて調整され得る。コンテナ取り扱い車両301の把持デバイスの一部分が
図3に示されており、参照符号304によって示される。コンテナ取り扱いデバイス201の把持デバイスは、
図2では車両ボディ301aの中に位置する。
【0008】
従来および本出願の目的においても、Z=1が保管コンテナの最も上側の層を特定し、つまりレールシステム108のすぐ下にある層を特定し、Z=2がレールシステム108の下方にある2番目の層を特定し、Z=3が3番目の層を特定し、以下同様に続く。
図1に開示される例示の従来技術では、Z=8が保管コンテナの最も下側の底部側の層を特定する。同様に、X=1...nおよびY=1...nが、水平面内の各々の保管カラム105の位置を特定する。結果として、例として、
図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用すると、
図1において106’として特定される保管コンテナが保管位置X=10、Y=2、Z=3を占有していると言うことができる。コンテナ取り扱い車両201、301が層Z=0内を移動すると言うことができ、各保管カラム105がそのX座標およびY座標によって特定され得る。
【0009】
骨組み構造100の保管ボリュームはしばしばグリッド104と称されており、ここでは、このグリッド内の考えられる保管位置が保管セルと称される。各保管カラムがX方向およびY方向の位置によって特定され得、対して各保管セルが、X方向、Y方向、およびZ方向におけるコンテナ番号によって特定され得る。
【0010】
各従来技術のコンテナ取り扱い車両201、301は、レールシステム108に跨って保管コンテナ106を運搬するときに保管コンテナ106を受け取って収容するための保管コンパートメントまたは保管スペースを備える。保管スペースは、
図2に示されるように、および、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている、例えばWO2015/193278A1で説明されるように、車両ボディ201a内の中央に配置されるキャビティを備えることができる。
【0011】
図3は、片持ち構造を有するコンテナ取り扱い車両301の代替の構成を示す。このような車両が、例えば、参照によりその内容がやはり本明細書に組み込まれている、NO317366で説明されている。
【0012】
図2に示される中央キャビティを有するコンテナ取り扱い車両201は、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている、例えばWO2015/193278A1で開示されるように、保管カラム105の横方向の延在範囲に概して等しいX方向およびY方向の寸法を有する面積をカバーする設置面積を有することができる。本明細書で使用される「横方向」という用語は「水平方向」を意味し得る。
【0013】
別法として、中央キャビティを有するコンテナ取り扱い車両101が、例えばWO2014/090684A1で開示されるように、保管カラム105によって画定される水平方向の面積より大きい設置面積を有することができる。
【0014】
レールシステム108は、通常、溝を備えるレールを備え、車両のホイールがこの溝の中に挿入される。別法として、レールが、上方に突出する要素を備えることができ、ここでは、車両のホイールが脱線を防止するためのフランジを備える。これらの溝および上方に突出する要素は、まとめてトラックとして知られる。各レールが1つのトラックを備えることができるか、または各レールが2つの平行なトラックを備えることができる。
【0015】
参照によりその内容が本明細書に組み込まれているWO2018146304は、X方向およびY方向の両方においてレールおよび平行なトラックを備えるレールシステム108の典型的な構成を示している。
【0016】
骨組み構造100内では、カラム105の大部分が保管カラム105であり、つまりスタック107内に保管コンテナ106が保管されるカラム105である。しかし、いくつかのカラム105が他の目的を有してもよい。
図1で、カラム119および120は、保管コンテナ106を降車および/または乗車させるためにコンテナ取り扱い車両201、301によって使用される特別な目的のカラムであり、その結果、保管コンテナ106が、骨組み構造100の外側から保管コンテナ106にアクセスしたりあるいは保管コンテナ106を骨組み構造100の外へまたは骨組み構造100の中へ移送したりすることができるところのアクセスロケーション(図示せず)まで運搬され得る。当技術分野では、このようなロケーションは通常は「ポート」と称され、ポートが位置しているカラムが「ポートカラム」119、120と称され得る。アクセスステーションまでの運搬は任意の方向であってよく、水平方向、傾斜方向、および/または垂直方向である。例えば、保管コンテナ106が骨組み構造100内のランダムのまたは専用のカラム105の中に配置され得、次いで、任意のコンテナ取り扱い車両に乗車させられ得、アクセスステーションへのさらなる運搬のためにポートカラム119、120まで運搬され得る。「傾斜」という用語は、水平と垂直との間の何らかの位置において概略的な運搬の向きを有する保管コンテナ106の運搬を意味することに留意されたい。
【0017】
図1では、第1のポートカラム119が、例えば、専用の降車ポートカラムであってよく、ここで、コンテナ取り扱い車両201、301が、アクセスステーションまたは移送ステーションまで運搬されるべき保管コンテナ106を降車させることができ、第2のポートカラム120が専用の乗車ポートカラムであってよく、ここで、コンテナ取り扱い車両201、301が、アクセスステーションまたは移送ステーションから運搬された保管コンテナ106を乗車させることができる。
【0018】
アクセスステーションは通常、ピッキングステーションまたはストッキングステーションであってよく、ここで、製品アイテムが保管コンテナ106から取り出されるかまたは保管コンテナ106の中に配置される。ピッキングステーションまたはストッキングステーション内では、保管コンテナ106が通常は自動保管・回収システム1から取り出されることがないが、アクセスされるときには骨組み構造100の中に再び戻される。ポートが、別の保管設備(例えば、別の骨組み構造、または別の自動保管・回収システム)まで、運搬車両(例えば、列車または大型トラック)まで、または生産設備まで、保管コンテナを移送するために使用されてもよい。
【0019】
通常、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナを移送するために、コンベアを備えるコンベアシステムが採用される。
【0020】
ポートカラム119、120とアクセスステーションとが異なるレベルに位置する場合、コンベアシステムは、ポートカラム119、120とアクセスステーションとの間で保管コンテナ106を垂直方向に運搬するための、垂直方向の構成要素を備える持ち上げデバイスを備えることができる。
【0021】
コンベアシステムは、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている、例えばWO2014/075937A1で説明されるように、異なる骨組み構造の間で保管コンテナ106を移送するように構成され得る。
【0022】
図1に開示されるカラム105のうちの1つのカラム内で保管される保管コンテナ106がアクセスされることになる場合、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つのコンテナ取り扱い車両が、標的の保管コンテナ106をその位置から回収して標的の保管コンテナ106を降車ポートカラム119まで運搬するように指示される。このオペレーションには、標的の保管コンテナ106を配置しているところの保管カラム105の上方のロケーションまでコンテナ取り扱い車両201、301を移動させることと、コンテナ取り扱い車両201、301の持ち上げデバイス(図示せず)を使用して保管カラム105から保管コンテナ106を回収することと、保管コンテナ106を降車ポートカラム119まで運搬することとが伴う。標的の保管コンテナ106がスタック107内の深いところに位置する場合、つまり他の保管コンテナ106のうちの1つまたは複数の保管コンテナが標的の保管コンテナ106の上方に配置されている場合、このオペレーションは、標的の保管コンテナ106を保管カラム105から持ち上げる前に、上方に配置される保管コンテナを一時的に移動させることをさらに伴う。当技術分野では場合によって採掘(digging)と称されるこのステップは、標的の保管コンテナを降車ポートカラム119まで運搬するのに後で使用されるのと同じコンテナ取り扱い車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ取り扱い車両を用いて、実施され得る。別法としてまたは追加として、自動保管・回収システム1が、保管カラム105から保管コンテナを一時的に取り出すタスクの専用のコンテナ取り扱い車両を有することができる。標的の保管コンテナ106が保管カラム105から取り出されると、一時的に取り出された保管コンテナが元の保管カラム105の中に再配置され得る。しかし、別法として、取り出された保管コンテナが他の保管カラムへ位置変更されてもよい。
【0023】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つのカラムの中で保管されることになる場合、コンテナ取り扱い車両201、301のうちの1つのコンテナ取り扱い車両が、乗車ポートカラム120から保管コンテナ106を乗車させるように、およびこの保管コンテナ106を保管することになる場所である保管カラム105の上方のロケーションまでこのコンテナ106を運搬するように、指示される。保管カラムスタック107内の標的の位置にまたはその上方に配置される任意の保管コンテナが取り出された後、コンテナ取り扱い車両201、301が保管コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、取り出された保管コンテナが保管カラム105の中へ再び降下させられ得るかまたは他の保管カラムへ位置変更され得る。
【0024】
例えば、コンテナ取り扱い車両201、301を互いに衝突させることなく所望の保管コンテナ106を所望のタイミングで所望のロケーションに送達するのを可能にすることを目的として、骨組み構造100内でのそれぞれの保管コンテナ106のロケーション、各保管コンテナ106の中身、ならびにコンテナ取り扱い車両201、301の移動を監視および制御するといったように、自動保管・回収システム1を監視および制御するために、自動保管・回収システム1が、保管コンテナ106を追跡するためのデータベースを通常は備える通常はコンピュータ化された制御システム500を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、消費者によりアクセス可能であるレベルにおいて、または人間の操作者により保管コンテナ内のアイテムにアクセスすることが可能であるような人間環境において、占有する空間がより少ない効果的な保管・回収システムを提供することである。
【0026】
また、本発明の目的は、消費者によりアクセス可能であるレベルから自動保管・回収システムの要素を隠すことができる、および/または消費者によりアクセス可能であるレベルに対しての自動保管・回収システムの要素の防護性を確保することができる、自動保管・回収システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
いくつかの事例では、スーパーマーケットまたはデパートなどにおける安全および/または空間の考慮すべき事柄を理由として、遠隔操作車両を動作させるところである保管グリッド/送達レールの環境と、公共の場所にあるかまたは消費者によりアクセス可能である場所にある保管コンテナに対して人間の操作者によりアクセスすることができるような人間環境とを分離することが望ましい可能性がある。
【0028】
他の事例において、例えば地下の送達レールシステムを提供することにより、遠隔操作車両を動作させるところである保管グリッド/送達レールの環境と、保管コンテナに対して人間の操作者によりアクセスすることができるような人間環境とを分離することが望ましい可能性がある。これらの2つの分離される環境が、例えば冷蔵製品のために熱的に調節される保管グリッド/送達レールの環境を提供することができ、ならびに/あるいは人間環境への可能性のある延焼のリスクを低減する火勢抑制を実現するおよび/または人間環境において騒音低減を実現する、保管グリッド/送達レールの環境を提供することができる。
【0029】
本発明の別の目的は、例えば腕が挟まるなどして人間の操作者が怪我をするリスクをなくすことを目的として、人間の操作者によってアクセスされる場合に保管コンテナおよび保管コンテナの中で保持されるアイテムを動かないようにする専用のエリアを提供することである。また、保管コンテナからアイテムを選び取るために存在する可能性がある任意のピッキングロボットに対するいかなる潜在的なダメージも最小にすることが望ましい。
【0030】
本発明の別の目的は、コンテナ取り扱い車両または送達車両に人間の操作者が当たる危険性を低減するために、コンテナ取り扱い車両および送達車両から分離される、保管コンテナにアクセスするための人間環境を提供することである。
【0031】
本発明は、独立請求項に記載されてその特性が示され、対して従属請求項は本発明の他の特性を説明する。
【0032】
一態様で、本発明は、自動保管・回収システムの保管コンテナにアクセスするためのコンテナアクセスステーションに関する。
【0033】
コンテナアクセスステーションがハウジングを備え、ハウジングが、
- 人間および/またはロボットがそれを介して保管コンテナの中身にアクセスすることができるアクセス開口部と、
- アクセス開口部に提示されるように保管コンテナがそれを介してコンテナアクセスステーションに入ることができるベース開口部と、
を備え、
コンテナアクセスステーションが、
- 送達車両の上側表面上で保管コンテナを運ぶ送達車両を、ベース開口部の下方の乗車レベルから、保管コンテナが提示されて人間および/またはロボットによりアクセス開口部を通してアクセスされることになるアクセスレベルまで、持ち上げるように構成されている車両リフト
をさらに備える。
【0034】
したがって、送達車両により保管コンテナを継続的に運ぶ間において、アクセスのために保管コンテナがコンテナアクセスステーションのところに提示される。
【0035】
保管コンテナがコンテナアクセスステーションのベース開口部を通過するために、保管コンテナの周囲の長さがベース開口部より小さい。ベース開口部を送達車両が通過するのを可能にする送達車両にも同じことが当てはまる。さらに、保管コンテナおよび送達車両の高さがコンテナアクセスステーションのハウジングの高さにほぼ等しくてよい。
【0036】
車両リフトが、本発明の実施形態で、保管コンテナを運ぶ送達車両の高さより高い高さで、ベース開口部の下方に延在することができる。
【0037】
送達車両が車両リフトに乗車させられるところの乗車レベルが、好適には、車両リフトのベースに配置される。
【0038】
車両リフトが、送達車両と、乗車レベルとアクセスレベルとの間で持ち上げ構成を移動させるための持ち上げ機構とを支持するように構成されている持ち上げ構成を有することができる。
【0039】
好適な実施形態で、車両リフトが、乗車レベルにある乗車位置とアクセスレベルにあるアクセス位置との間で、保管コンテナを運ぶ送達車両を純粋に垂直方向に持ち上げるように構成されている。この場合、乗車位置がコンテナアクセスステーションのベース開口部のすぐ下方に配置される。
【0040】
しかし、乗車位置が水平方向においてベース開口部から大きく離間されておりしたがって持ち上げ構成を垂直方向において有意に変位させることが不可能である場合、コンテナアクセスステーションの乗車位置とベース開口部との間の水平方向のギャップに応じて、車両リフトが傾斜する向きを有することができ、つまり実質的に水平方向の構成要素を有することができる。この場合、持ち上げ構成が、乗車位置とコンテナアクセスステーションのベース開口部との間の垂直方向および水平方向のギャップをカバーする傾斜する移動経路を作る。しかし、コンテナアクセスステーションのハウジング内の移動経路、つまりベース開口部からアクセス開口部までの移動経路が、通常、実質的に垂直であるかまたは純粋に垂直である。
【0041】
送達車両が、その車両ボディの上側表面の上方において/その車両ボディの上側表面において、保管コンテナを運ぶように適合され、保管コンテナを受け取るためのおよび支持するための保管コンテナキャリアを備えることができる。送達車両が、送達車両のX方向および/またはY方向の横方向移動を可能にする少なくとも1つのセットのホイールを備えることができ、X方向がY方向と直交する。
【0042】
好適な実施形態で、送達車両が、X方向およびY方向に延在する平行なセットのレールを有ししたがって背景技術および従来技術のセクションで考察したレールシステム108に類似する2次元送達レールシステム上を移動するように適合される。
【0043】
送達車両を支持するように構成されている車両リフトの持ち上げ構成の支持体が誘導構造からの片持ち式であってよく、送達車両を下方から支持することができる。
【0044】
実施形態で、支持体が、送達車両の駆動ホイールのセットを受けるように構成されているレールの形態であってよく、その結果、送達車両が、アクセスレベルまで持ち上げられるために乗車レベルにおいて車両リフトの上まで移動することができる。レールが水平方向に突出する2つの平行なアーム(例えば、片持ち式)として提供され得、これらのアームが車両リフトの誘導構造から突出して送達車両の1つのセットの駆動ホイールの下を延在する。さらに、支持体が乗車レベルに配置される場合、突出するアームが送達レールシステムの対応するセットの平行なレールの拡張部分とみなされ得る。乗車レベルとそのアクセスレベルとの間で運搬されるとき、送達車両のホイールが車両リフトの支持体上のレールに係合され得る。
【0045】
レールの代わりに、持ち上げ構成の支持体が、送達車両のベースの下を延在するプラットフォームを備えることができる。実施形態で、プラットフォームが、送達車両の設置面積に等しいかまたはそれより小さい設置面積を有することができる。
【0046】
プラットフォームが、好適な実施形態で、送達車両の設置面積より小さい面積を占有することができ、その結果、送達車両が上に配置されるとき、少なくとも1つのセットの駆動ホイールがプラットフォームの水平方向の延在範囲の外側に配置される。言い換えると、プラットフォームの断面積が送達車両の設置面積の断面積より小さくてよく、したがって、持ち上げ中、プラットフォームが少なくとも1つのセットの駆動ホイールを支持せず、それにより持ち上げられるときおよび/またはアクセスされるときに送達車両が移動するのを防止する。
【0047】
プラットフォームのより好適な実施形態で、車両ボディの4つの側部のうちの少なくとも3つの側部の上にまたはその中に配置される駆動ホイールがプラットフォームによって支持されず、したがってさらに、持ち上げられるときおよび/またはアクセスされるときに送達車両が移動することが防止される。
【0048】
プラットフォームのより好適な実施形態で、プラットフォームが、車両ボディの下を延在するカンチレバーとして配置される水平方向に突出する2つの平行なアームの上に配置され、その結果、プラットフォームが車両ボディの設置面積より小さい面積を占有し、またその結果、車両ボディの4つの側部の上にまたはその中に配置される駆動ホイールがプラットフォームによって支持されない。
【0049】
コンテナアクセスステーションのハウジングがアクセス開口部およびベース開口部の周りに配置されるキャビネットボディを備えることができ、その結果、車両リフトによりキャビネットボディの中まで持ち上げられた送達車両が人間および/またはロボットから遮蔽され、送達車両によって運ばれる保管コンテナのみがアクセス開口部を通してアクセス可能となる。キャビネットボディが、アクセス開口部とベース開口部との間に壁を提供することができる。
【0050】
ベース開口部が、コンテナアクセスステーションを配置しているところのフロアの中の孔に対応していてよい。
【0051】
本発明の実施形態で、コンテナアクセスステーションが、保管コンテナを運ぶ送達車両がキャビネットボディの中に存在しないときにアクセス開口部を通したアクセスを制限するためのカバーを備えることができる。カバーが、送達車両によって運ばれる保管コンテナがアクセス開口部に提示されるときにのみ開くように構成されている格納可能なカバーであってよい。
【0052】
カバーが、別の実施形態で、キャビネットボディの中に保管コンテナが存在する場合にアクセスを制限することができ、保管コンテナにアクセスするために認定使用者のみによってアンロックされ得るロックを装備することができる。ロックが鍵によって動作させられ得るか、またはキャビネットが、特定される認定使用者によってロックをアンロックするための、例えば、パスコード、指紋認証、眼認証、音声認証などの、ID管理装置を装備することができる。
【0053】
別の実施例で、本発明によるコンテナアクセスステーションが複数の使用者を有する設備の中で採用され、使用者が自分専用の保管コンテナのみにアクセスすることができる。ここでは、コンテナアクセスステーションは、特定の保管コンテナを要求する使用者がこの保管コンテナへのアクセス権を有するものとすることをおよびこの使用者がコンテナアクセスステーションの内部の保管コンテナへのアクセス権を有することの両方についての認証システムを装備することができる。保管コンテナがRFID(Radio Frequency Identification)(無線自動識別タグ)を付される場合、認証システムが、コンテナアクセスステーションに接続されるように構成されているRFIDリーダなどの、保管コンテナの認証を実施するための任意の手段を有することができ、別法としてまたは追加として、リーダが、例えば、車両リフトの上でまたは車両ボディの中で、コンテナ取り扱い車両に接続されるように構成され得る。これにより、複数の使用者により同じ保管・回収システムを使用するが各々の使用者が自分の保管コンテナのみへのアクセス権を有するような場合における安全性を向上させることができる。
【0054】
RFIDリーダはRFIDタグを付された保管コンテナを読み取ることができるが、保管コンテナを認証するための他のリーダおよびラベルも可能である。RFIDの代替手段として、他の電磁場システム(NFC)、光学システム(バーコード、QRコード、カメラによって読み取る記載ラベルまたは刻印ラベル)が、保管コンテナの認証に関連する安全性を向上させるのに使用され得る。
【0055】
本発明の実施形態で、運搬中に送達車両が支持体から離れて移動するのを防止するために、送達車両が、車両リフト上での運搬中にホイールを移動させるのを防止することができる制動機構またはロックデバイスを備えることができる。制動機構が、特定の固定子上の電荷を維持することを介して制動されるホイールモータ機構を備えることができ、その結果、制動位置からホイールが移動することが電磁力によって抑制される。実施形態で、送達車両が乗車レベルに配置される場合、送達車両がホイールを始動させる/ロック解除するように指示され得、それにより送達車両が車両リフトから外に出ることが可能となる。
【0056】
別の実施形態で、持ち上げ構成が、送達車両を支持体に固定するかまたは解除可能にロックする固定/ロックデバイスを備えることができる。
【0057】
一実施形態で、車両リフトが、運搬中に送達車両が支持体から離れて移動するのを防ぐための少なくとも1つの壁を備えることができる。例えば、車両リフトが、送達車両の側部の上にクランプされ得る少なくとも2つの壁を備えることができる。
【0058】
持ち上げ機構が持ち上げデバイスの誘導構造に接続され得る。誘導構造は、乗車レベルにある乗車位置とアクセスレベルにあるアクセス位置との間に垂直方向に配置され得、それにより垂直方向において支持体を誘導する。
【0059】
別の実施形態で、持ち上げ機構が支持体としての誘導構造の両側の側部の上に設置され得る。こうすることで、送達車両が乗車レベルとアクセスレベルとの間の運搬中に持ち上げ機構に衝突しなくなる。
【0060】
別の実施形態で、車両リフト構造がロック・ピニオン機構を伴う。支持体は、この事例では自動上昇支持体を含むことができる。
【0061】
第2の態様で、本発明は、コンテナアクセスステーションを備える自動保管・回収システムに関連する。
【0062】
自動保管・回収システムが、
- 水平面P2内に配置されて第1の方向Xに延在する少なくとも第1のセットの平行なレールと、水平面P2内に配置されて第1の方向Xと直交する第2の方向Yに延在する少なくとも第2のセットの平行なレールと、を有するレールシステムであって、第1および第2のセットのレールが一体にグリッドセルのグリッドを画定する、レールシステムと;
- レールシステム上で動作する送達車両であって、レールシステムは、保管コンテナを備える送達車両が乗車レベルにおいて車両リフトにアクセスできるように構成されており、その結果、車両リフトが送達車両および保管コンテナを乗車レベルからアクセスレベルまで上方に持ち上げることができ、アクセスレベルにおいて保管コンテナがアクセス開口部を通して人間および/またはロボットによってアクセスされるように提示され得る、送達車両と
を備える。
【0063】
自動保管・回収システムの実施形態で、コンテナアクセスステーションがレールシステムの上方のフロア上に配置される。
【0064】
送達車両が有利にはグリッドセルのサイズに等しい設置面積/外側の周囲の長さを有することができる。
【0065】
別の実施形態で、自動保管・回収システムが、例えば複数の保管コンテナに同時にアクセスするためのまたは異なる使用者によって異なる保管コンテナにアクセスするための、複数のコンテナアクセスステーションを備えることができる。
【0066】
別の実施形態で、自動保管・回収システムが、垂直方向のスタック内で互いの上に重ねて保管コンテナを保管するための複数の保管カラムを画定する垂直方向の部材を備える自動保管・回収骨組み構造を備えることができる。垂直方向の部材が、保管カラムの上方で少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両を誘導するように構成されているコンテナ取り扱い車両レールシステムによって各自の上側端部のところで相互接続され得、少なくとも1つのコンテナ取り扱い車両が、保管カラムから保管コンテナを上昇させ、保管カラムの中まで保管コンテナを降下させるように、および保管カラムの上方で保管コンテナを運搬するように構成されている。コンテナ取り扱い車両レールシステムが、第1の水平面P1内に配置されて第1の方向Xに延在する第1のセットの平行なレールと、第1の水平面P1内に配置されて第1の方向Xと直交する第2の方向Yに延在する第2のセットの平行なレールと、を備え、第1および第2のセットのレールが、複数の隣接するコンテナ取り扱い車両グリッドセルを含むグリッドパターンを第1の水平面P1内に形成する。各コンテナ取り扱い車両グリッドセルが、第1のセットのレールのうちの一対の隣り合うレールおよび第2のセットのレールのうちの一対の隣り合うレールによって画定されるコンテナ取り扱い車両グリッド開口部を備える。移送ポートカラムが、コンテナ取り扱い車両と移送ポートカラムの下側端部に位置する送達空間との間で保管コンテナを運搬するように適合され得る。さらに、自動保管・回収システムが、少なくとも1つの送達車両をその上で誘導する第2の水平面P2内に配置される少なくとも1つのセットの平行なレールを有する第1の送達レールシステムを備える送達レールシステムを備える。送達車両が、この実施形態では、移送ポートカラムの送達空間の下方で送達レールシステム上に構成される保管コンテナ送達ロケーションで保管コンテナを受け取るようにおよび/または送達するように、ならびに保管コンテナ送達ロケーションからコンテナアクセスステーションの車両リフトまで移動するように、適合される。
【0067】
送達レールシステムの水平面P2のレベルがコンテナアクセスステーションのベース開口部の下方に配置される。一実施形態で、コンテナアクセスステーションのベース開口部が、水平面P1内に配置されるコンテナ取り扱い車両レールシステムと同じレベルに配置され得る。
【0068】
第3の態様で、本発明は、コンテナアクセスステーションのアクセス開口部を通して人間および/またはロボットが保管コンテナの中身にアクセスするのを可能にするために保管コンテナを提示する方法を対象とする。
【0069】
この方法は、車両リフトを使用して保管コンテナを運ぶ送達車両を乗車レベルからアクセスレベルまで持ち上げることと、その中身に対して人間および/またはロボットがアクセスするために、アクセス開口部に隣接するところで送達車両上の保管コンテナを提示することとを伴う。
【0070】
この方法は、乗車レベルまで送達車両を降下させるステップ、および保管コンテナを例えば移送ポートカラムに戻すために、送達車両を保管コンテナ送達ロケーションまで移動させる形で、送達車両を車両リフトから送達レールシステム上に移動させる任意選択のステップをさらに含むことができる。
【0071】
本発明を理解するのを容易にするために以下の図面が添付される。これらの図面は、次に単に例として説明される本発明の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】従来技術の自動保管・回収システムの骨組み構造を示す斜視図である。
【
図2】その中で保管コンテナを運ぶための中央に配置されるキャビティを有する従来技術のコンテナ取り扱い車両を示す斜視図である。
【
図3】下で保管コンテナを運ぶためのカンチレバーを有する従来技術のコンテナ取り扱い車両を示す斜視図である。
【
図5】コンテナアクセスステーションのベース開口部を下方から見ることができる、車両リフト上において乗車レベルとアクセスレベルとの間の持ち上げ位置にある保管コンテナを備える送達車両を示す斜視図である。
【
図6A】送達レールシステムの上方に配置されるコンテナアクセスステーションを示す斜視図であり、車両リフトが乗車レベルから送達車両を持ち上げる準備が整っている。
【
図6B】送達レールシステムの上方に配置されるコンテナアクセスステーションを示す斜視図であり、車両リフトが乗車レベルから送達車両を持ち上げた状態である。
【
図7A】アクセスレベルにある容器を備えるコンテナアクセスステーションを示す上面図である。
【
図7B】アクセスレベルにある容器を備えるコンテナアクセスステーションを示す上面図である。
【
図7C】アクセスレベルにある容器を備えるコンテナアクセスステーションを示す上面図である。
【
図8】乗車レベルとアクセスレベルとの間で送達車両を移動させる車両リフトを示す斜視図である。
【
図9】自動保管・回収骨組み構造および送達車両システムを備える自動保管・回収システムを示す斜視図である。
【
図10】自動保管・回収骨組み構造、送達車両システム、およびコンテナアクセスステーションを備える自動保管・回収システムを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下で、添付図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に考察する。しかし、図面が本発明を図面に描かれる主題のみに限定することを意図されないことを理解されたい。
【0074】
従来技術の自動保管・回収システム1の骨組み構造100は、
図1に関連して上で説明した従来技術の骨組み構造100に従って構成されており、つまり多数の直立部材102および直立部材102によって支持される多数の水平部材103に従って構成されており、さらに、骨組み構造100が、X方向およびY方向の第1の上側レールシステム108を備える。
【0075】
骨組み構造100は、部材102、103の間に設けられる保管カラム105の形態の保管コンパートメントをさらに備え、保管コンテナ106が保管カラム105内のスタック107内に積み重ね可能である。
【0076】
骨組み構造100は任意のサイズであってよい。具体的には、骨組み構造が、
図1に開示されるものより大幅に幅広であってよく、長くてよく、および/または深くてよい。例えば、骨組み構造100は、700×700のカラムを超える水平方向の延在範囲および12個のコンテナを超える保管深さを有することができる。
【0077】
従来技術の保管コンテナ201、301が
図2および
図3に示されており、本記述の背景技術のセクションで詳細に説明されている。
【0078】
図4は、
図6に示されるコンテナアクセスステーションの中まで持ち上げられることになる遠隔操作送達車両601の実施例を示す。送達車両601は、車両ボディ601aと、X方向およびY方向のそれぞれの送達車両601の横方向の移動を可能にする第1のセットのホイール601bおよび第2のセットのホイール601cとを備える。したがって、第1のセットの駆動ホイール601bおよび第2のセットの駆動ホイール601cの各々が、車両ボディの両側部の上にまたはその中に分布する4つの駆動ホイールを備え、その結果、送達車両が車両ボディの各側部の上にまたはその中に2つの駆動ホイールを有する。
【0079】
送達車両601は、その車両ボディ/シャーシ601aの頂部の上に保管コンテナキャリア602を有する。保管コンテナキャリア602が保管コンテナ取り扱い車両201、301から保管コンテナ106を受け取ることができ、送達車両が
図5に示されるように保管コンテナ106をコンテナアクセスステーションの中まで送達するように構成されている。
【0080】
次に、
図5から
図8を参照して本発明による自動保管・回収システムの一実施形態を詳細に考察する。
【0081】
図5は水平レベルP2に配置される送達レールシステム608を開示する。送達レールシステム608は、水平面P2内に配置されて第1の方向Xに延在する第1のセット610の平行なレール610aと、水平面P2内に配置されて第1の方向Xと直交する第2の方向Yに延在する少なくとも第2のセット611の平行なレール611bとを有し、第1のセットのレール610および第2のセットのレール611がグリッドセル622のグリッド604を一体に画定する(
図9を参照)。
【0082】
グリッドセルのサイズに等しい周縁部を有する複数の送達車両601がレールシステム608上で動作し、ここでは、下にある各レールが一対のトラックを備えるいわゆるダブルトラックレールであってよく、これらのレールにより、送達車両601が、占有されるグリッドセルのすべての側部の上を通過することが可能となる。
【0083】
送達レールシステム608は、保管コンテナ106を備える送達車両601が、レールシステムの周縁部に配置された車両リフト770にアクセスできるように構成されている。しかし、車両リフト770が送達車両601によってアクセスされ得る限りにおいて、車両リフト770はレールシステム608上の任意の場所に配置され得る。送達車両601が乗車レベル670において車両リフト770に乗車させられ、これは送達レールシステム608と同じレベルである。次いで、車両リフト770が乗車レベル670からアクセスレベルまで送達車両601を運搬し、アクセスレベルにおいて、送達車両上の保管コンテナ106が人間および/またはロボットによりアクセス開口部を通してアクセスされるように提示され得る。
【0084】
図5は、乗車レベル670とアクセスレベル680との間の位置にある1つの送達車両601を示しており、1つの送達車両が送達レールシステム608上に配置されている。
【0085】
送達車両のホイール組立体が、
図4に示されるように、第1のセットのレール610のうちの2つの隣接するレールに係合されるように構成されている第1のセットの駆動ホイール601bと、第2のセットのレール611のうちの2つの隣接するレールに係合されるように構成されている第2のセットの駆動ホイール601cとを備える。少なくとも1つのセットの駆動ホイール601b、601cが上昇および降下させられ得、その結果、第1のセットの駆動ホイール601bおよび/または第2のセットの駆動ホイール601cがそれぞれのセットのレール310、311に任意の同時のタイミングで係合され得る。
【0086】
しかし、送達レールシステムが1つのセットのレールのみを備える場合(図示せず)、送達車両601が1つのセットの駆動ホイールのみを備えてもよい。
【0087】
図5Aは、送達車両601の車両ボディ601aを支持するプラットフォーム772の形態の支持体772を示す。プラットフォーム772は、水平方向に突出する2つの平行なアーム772a、772bの上に配置され、アーム772a、772bが誘導構造773から突出する。突出するアーム772a、bは、車両ボディ601aの下方に延在するカンチレバーとして構成されており、その結果、プラットフォーム772は車両ボディ772aの設置面積より小さい面積を占有し、またその結果、車両ボディ601aの4つの側部の上にまたはその中に配置される駆動ホイール601b、cがプラットフォーム772によって支持されない。したがって、プラットフォーム772が送達車両601の設置面積より小さい面積を占有し、その結果、送達車両601がプラットフォーム772上に配置されて車両リフト770によって持ち上げられるとき、第1のセットの駆動ホイール601bおよび第2のセットの駆動ホイール601cがプラットフォーム772の水平方向の延在範囲の外側にある。
【0088】
この実施形態では、送達車両601が乗車位置670’から持ち上げられた後、送達車両601の第1のセットの駆動ホイール601bおよび第2のセットの駆動ホイール601cの駆動ホイールが下にあるプラットフォーム772によって支持されず、それにより、送達車両601が持ち上げられる間において急に移動することが防止される。その理由は、駆動ホイールが誤って始動させられる場合でもプラットフォーム772が送達車両601を動かさないように保持するからである。また、送達車両601の移動およびひいては保管コンテナ601の移動が垂直方向のみとなり、それにより保管コンテナからアイテムを選び取るときに人の腕が挟まるリスクが低減される。
【0089】
図5Bは一対のレール772を備える支持体772をさらに示す。レール772は、誘導構造773から突出するカンチレバーとして構成されている水平方向に突出する2つの平行なアームとして見ることができる。誘導構造773は、乗車レベル670にある乗車位置670’とアクセスレベルにあるアクセス位置との間に垂直方向に配置され、それにより垂直方向において支持体772を誘導することが可能となる。送達車両601が車両リフト770により乗車レベル670とアクセスレベルとの間で移動させられるとき、送達車両601の1つのセットのホイール601b、601cがレール772に係合される。このセットの駆動ホイールがロックデバイス(図示せず)によりそれ自体をレール772にロックすることができる。
【0090】
ロックデバイスは、送達車両の外部に、つまり支持体772上に設置されるように適合され得る。ロックデバイスは、送達車両601と相互作用するための、磁石、ばね式デバイス、グリッパ、バリア、または相互作用デバイスであってよい。
【0091】
例えば、ロックデバイスは、送達車両601を定位置でロックすることを目的としてホイールに干渉するために支持体から突出していてよいピンを備えることができる。壁などの格納可能なバリアが送達車両601を定位置で維持しながら上昇または降下させられ得るか、または磁気クランプが使用されてもよい。
【0092】
ロックデバイスはさらに、ロックデバイスを移動させるためのアクチュエータに接続され得る。アクチュエータは、電子アクチュエータ、空気式アクチュエータ、または油圧アクチュエータを含んでよく、ロック要素の回転変位、線形変位、または回転変位と線形変位との組み合わせの変位を引き起こすことができる。
【0093】
実施形態で、ロックデバイスがレールの形態の支持体上に配置されるロッキングボルトであってよく、ここでは、ロッキングボルトが、レールに対して送達車両601をロックするように送達車両601と相互作用する。
【0094】
アクチュエータおよびロッキングボルトは、送達車両601の下方に延在する下側支持体上に設置され得、ここでは、ロッキングボルトが、作動時、頂部表面支持体から、送達車両601の中に設けられる開口部の中まで突出することができる。ロックデバイスのロッキングボルトは、支持体上のロック位置において送達車両601を保持するために送達車両601の開口部の中まで延在するように、構成され得る。
【0095】
ロッキングボルトを移動させるためのアクチュエータが可動アームを備えることができる。可動アームが、作動時、開位置(持ち上げられていない)からロック位置(持ち上げられている)までロッキングボルトを持ち上げることができ、その結果、ロッキングボルトが送達車両601の中に設けられる開口部の中まで延在することになる。
【0096】
支持体772のレール772を形成する水平方向に突出する2つの平行なアームが送達レールシステム608の1つのセットの平行なレール611に適合し、これらの平行なレール611と協働し、その結果、支持体772が乗車位置670’に配置される場合、突出するアームを送達レールシステム608の対応するセットの平行なレール611の拡張部分とみなすことができる。
【0097】
送達車両601が送達レールシステム608上で移動するとき、送達車両601の1つのセットのホイール601cが送達レールシステム608の1つのセットのレール611に係合され、送達車両601が乗車位置670’に入るとき、
図6Aに示されるように、送達車両601が車両リフト770の支持体772のレール772上まで容易に移動して、送達車両601の1つのセットのホイール601cが車両リフト770の支持体のレール772に係合される。
【0098】
図5は、コンテナアクセスステーション763を示していない、
図6Bの詳細図である。
図6Aと
図6Bの違いは車両リフト770上に配置される送達車両601の持ち上げ位置の構成である。
【0099】
上で言及したように、
図6Aは、乗車レベルに配置された乗車位置670’に配置される送達車両601を示す。コンテナアクセスステーション763が乗車レベルの上方に配置される。
【0100】
図6Bでは、送達車両が乗車レベルとアクセスレベルとの間の位置まで持ち上げられている。
【0101】
図5に示されるように、コンテナアクセスステーションのベース開口部762が、コンテナアクセスステーションを配置するところのフロア700の中の孔に対応する。
【0102】
送達車両601がコンテナアクセスステーション760のベース開口部762を通して持ち上げられ、それによりハウジング763に入り、次いでアクセスステーションのアクセスレベルに入る。
【0103】
さらに、コンテナアクセスステーション760のアクセス開口部761を通して、送達車両601上の保管コンテナ106の中身にアクセスすることができる人間の操作者20が示されている。
【0104】
図7A~Cはコンテナアクセスステーションのハウジング763を示しており、ここでは、保管コンテナ106を人間の操作者20に対して提示するために、送達車両がアクセスレベル680に配置されている。ハウジング763のアクセス開口部761が、アクセス開口部761を通したアクセスを制限するためのカバー781を有する。カバー781が格納可能であり、所定の条件を満たす場合(例えば、コンテナへのアクセスが許可される場合)にのみ開くように構成されており、それによりコンテナ106がアクセスレベル680にある時にアクセス開口部761を通してコンテナ106にアクセスするのを可能にすることができる。
図7A~Cの実施形態に示されるカバー781は透明であり、アクセス開口部761の外側から保管コンテナ106の中身を見るのを可能にする。これにより、アクセス開口部761からカバー781が引っ込められた状態における選び取りプロセスの速度を上げるのを補助することができる。
【0105】
図7Aは、カバー781によって閉じられている/完全に覆われているアクセス開口部を示す。
【0106】
図7Bは、アクセス開口部761を通して保管コンテナに部分的にアクセスするのを可能にするように部分的に格納されたカバー781を示す。
【0107】
図7Cは、カバーを完全に格納した場合の完全に開いているアクセス開口部761を示す。
【0108】
図8は車両リフト770のより詳細な図である。持ち上げ機構771は誘導構造773の下側端部に配置され、ここでは、持ち上げ機構771が送達レールシステム608の残りの部分によって支持され、制御ボックス774が、乗車レベルとアクセスレベルとの間において誘導構造773に沿って移動させられるときに支持体の経路を妨害しないように誘導構造773の上に配置される。制御ボックス774はさらに、保管コンテナを運んでいる送達車両601の、車両リフト770によって上方に持ち上げられるときの重量と釣り合いをとるのを補助することができる。
図8では、持ち上げ機構771および制御ボックス774が支持体としての誘導構造773の両側に配置される。持ち上げ機構771が、支持体772を垂直方向に移動させるためのモータを備える。制御ボックス774は、例えば、メインスイッチ、緊急停止スイッチ、周波数変換器、および端子ブロックを備えることができる。
【0109】
図9は、コンテナ取り扱い車両レールシステム508の上のフレーム構造501の上で移動するコンテナ取り扱い車両201、301を有する自動保管・回収フレーム構造501を示す。骨組み構造が、複数の保管カラム505を形成する垂直方向の部材512を有する。保管カラム505は、互いに重ねて積み重ねられる複数の保管コンテナを保管することができるが、これらの保管コンテナは簡略化のために示されていない。
【0110】
コンテナ取り扱い車両レールシステム508は、第1の水平面P1内に配置されて第1の方向Xに延在する第1のセットの平行なレール510および第1の水平面P1内に配置されて第1の方向Xと直交する第2の方向Yに延在する第2のセットの平行なレール511を有する。第1のセットのレール510および第2のセットのレール511が、複数の隣接するグリッドセル522を形成するグリッドパターンを第1の水平面P1内に形成する。各コンテナ取り扱い車両グリッドセル522が、第1のセットのレール510のうちの一対の隣り合うレールおよび第2のセットのレール511のうちの一対の隣り合うレールによって画定されるコンテナ取り扱い車両グリッド開口部515を有する。
【0111】
この図は、コンテナ取り扱い車両201、301のためのコンテナ取り扱い車両レールシステム508と同様の手法で構成されている送達レールシステム608をさらに示す。
【0112】
送達レールシステム608は、第2の水平面P2内に配置されて第1の方向Xに延在する第1のセットの平行なレール610および第2の水平面P2内に配置されて第1の方向Xと直交する第2の方向Yに延在する第2のセットの平行なレール611を有する。第1のセットのレール610および第2のセットのレール611が、複数の隣接するグリッドセル622を形成するグリッドパターンを第2の水平面P2内に形成する。
【0113】
第1の水平面P1は、第2の水平面P2より高い垂直方向レベルに配置される。
【0114】
送達レールシステム608上を移動する送達車両601は、移送カラム519、520の送達空間540の下方で、送達レールシステム608の上に配置される保管コンテナ送達ロケーション660で保管コンテナ106を受け取るようにおよび/または送達するように適合される。
【0115】
送達車両はさらに、保管コンテナ送達ロケーションから乗車レベルにある乗車位置まで移動するように構成され、その結果、送達車両601がコンテナアクセスステーションの中まで持ち上げられ得、コンテナアクセスステーションにおいて、保管コンテナ106内で保持されるアイテムが、送達レールシステム608のレベルとは異なるレベルからアクセスされ得る(
図10を参照されたい)。
【0116】
図10は、
図9に示される構造と同様の自動保管・回収骨組み構造を示す。この図はさらに、垂直に構成される周囲壁および周囲壁の上で支持されるトップカバーのハウジング763を有するコンテナアクセスステーション760を示す。送達車両601によって運ばれてコンテナアクセスステーション760まで持ち上げられた保管コンテナ106内で保持されるアイテムは、ハウジング763のトップカバー内のアクセス開口部761を通して手の届く場所にある。
【0117】
コンテナアクセスステーション760が自動保管・回収骨組み構造501のコンテナ取り扱い車両レールシステム508に隣接するように配置され、ここでは、送達レールシステム608が送達空間540の下方から、コンテナアクセスステーション760の下方の乗車レベル670に位置する乗車位置670’まで延在する。
【0118】
コンテナアクセスステーションは、コンテナ取り扱い車両レールシステム508(図示せず)の第1の垂直方向レベルP1とは異なる垂直方向レベルP3に配置され得る。
【0119】
コンテナアクセスステーション760はアクセス開口部を有し、このアクセス開口部を通して人間20および/またはロボットがコンテナ106の中身にアクセスすることができる。コンテナアクセスステーション760が、ハウジング763の下側部分に設けられるベース開口部と、ベース開口部の下にある乗車レベル670からコンテナ106を備える送達車両601を回収して送達車両601をベース開口部を通してアクセスレベルまで上方に持ち上げるように構成されている車両リフト770とを有し、その結果、コンテナ106がアクセス開口部を通してアクセスされ得る。
【0120】
コンテナ取り扱い車両レールシステム508は人間環境から完全に分離され、人間環境において、人間の操作者20が、バリアとしての有意な保管用の壁800によって保管コンテナにアクセスする。さらに、人間の操作者20およびコンテナアクセスステーション760はレールシステム608の上方のフロア700上に配置される。
【0121】
図7に示されるように、コンテナアクセスステーション760が、アクセス開口部761を通してのアクセスを制限するためのカバー781を備えることができる。
【0122】
上記の説明では、例示の実施形態を参照しながら、本発明による送達車両および自動保管・回収システムの種々の態様を説明してきた。説明を目的として、システムおよびその動きを完全に理解するのを可能にするために具体的な数、システム、および構成が記載された。しかし、本説明は限定的な意味で解釈されることを意図されない。例示の実施形態の種々の修正形態および変形形態、さらには開示される主題の関連の当業者には明らかであるシステムの他の実施形態も、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【符号の説明】
【0123】
1 自動保管・回収システム
20 人間の操作者
100 骨組み構造
102 骨組み構造の直立部材
103 骨組み構造の水平部材
104 保管グリッド
105 保管カラム
106 保管コンテナ
106’ 保管コンテナの特定の位置
107 スタック
108 レールシステム
110 第1の方向(X)の平行なレール
110a 第1の方向(X)の第1のレール
110b 第1の方向(X)の第2のレール
111 第2の方向(Y)の平行なレール
111a 第2の方向(Y)の第1のレール
111b 第2の方向(Y)の第2のレール
112 アクセス開口部
119 第1のポートカラム/降車ポートカラム
120 第2のポートカラム/乗車ポートカラム
201 従来技術の保管コンテナ車両
201a 保管コンテナ車両201の車両ボディ
201b 第1の方向(X)の駆動手段/ホイール構成
201c 第2の方向(Y)の駆動手段/ホイール構成
301 従来技術の片持ち式の保管コンテナ車両
301a 保管コンテナ車両301の車両ボディ
301b 第1の方向(X)の駆動手段/ホイール
301c 第2の方向(Y)の駆動手段/ホイール
304 把持デバイス
500 自動保管・回収システム
501 保管・回収システムの骨組み構造
505 保管・回収システムの保管カラム
508 コンテナ取り扱い車両運搬システム
510 水平方向Xに構成される第1のセットの平行なレール
511 水平方向Yに構成される第2のセットの平行なレール
519 移送ポートカラム
520 移送ポートカラム
522 コンテナ取り扱い車両レールシステムのグリッドセル
540 送達ポート
601 送達車両
601a 送達車両601の車両ボディ/シャーシ
601b 送達車両の第1の方向(X)の、駆動手段/ホイール構成/ホイール組立体、第1のセットのホイール
601c 送達車両の第2の方向(Y)の、駆動手段/ホイール構成/ホイール組立体、第2のセットのホイール
602 保管コンテナキャリア
604 送達レールシステムのグリッド
608 送達レールシステム
610 水平方向Yに延在する第1のセットのレール
610a 第1の方向Xに延在する第1のレール
610b 第1の方向Xに延在する第2のレール
611 水平方向Yに延在する第2のセットのレール
611a 第2の方向Yに延在する第1のレール
611b 第2の方向Yに延在する第2のレール
622 送達レールシステムのグリッドセル
660 保管コンテナ送達ロケーション
670 乗車レベル
670’ 乗車位置
680 アクセスレベル
680’ アクセス位置
700 フロア
760 コンテナアクセスステーション
761 アクセス開口部
762 ベース開口部
763 ハウジング/キャビネットボディ
770 車両リフト
771 持ち上げ機構
772 車両支持体
772a 水平方向に突出するアーム
772b 水平方向に突出するアーム
773 誘導構造
774 制御ボックス
800 保管用の壁/バリア
P1 コンテナ取り扱い車両運搬システムの水平面
P2 送達レールシステムの水平面
P3 コンテナアクセスステーションの水平面
X 第1の方向
Y 第2の方向
Z 第3の方向
【国際調査報告】