(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】オカラを用いたセルローススポンジの調製方法
(51)【国際特許分類】
C08B 16/00 20060101AFI20220209BHJP
C08J 9/28 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
C08B16/00
C08J9/28 CEP
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535095
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2019127487
(87)【国際公開番号】W WO2021000542
(87)【国際公開日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】201910591762.6
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521264132
【氏名又は名称】上海清美緑色食品(集団)有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI QINGMEI GREEN FOOD (GROUP) CO., LTD
(71)【出願人】
【識別番号】516214168
【氏名又は名称】上海大学
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No.99 Shangda Road, Baoshan District, Shanghai 200444, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,シャオメイ
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ジエンホア
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユーフアン
(72)【発明者】
【氏名】シー,リーイー
(72)【発明者】
【氏名】ユアン,フイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン,シン
(72)【発明者】
【氏名】マー,シンシン
【テーマコード(参考)】
4C090
4F074
【Fターム(参考)】
4C090AA04
4C090BA24
4C090BC10
4C090BD25
4C090CA33
4C090DA22
4C090DA26
4F074AA02
4F074CB47
4F074CC05Y
4F074CC28Y
4F074DA45
4F074DA53
4F074DA59
(57)【要約】
本発明は、オカラセルロースの抽出工程と、オカラセルローススポンジの調製工程と、を含むオカラを用いたセルローススポンジ調製方法を開示する。オカラセルロースの抽出は、アルカリによりオカラにおける不純物を予備的に洗浄する工程と、さらに酸化でオカラにおける不純物を除去する工程と、オカラのセルロースをフィラメントにする工程と、を含み;オカラセルローススポンジの調製工程は、セルロースフィラメントを溶解して再生する工程と、セルローススポンジ細孔を調整して形成する工程と、セルローススポンジの遊離イオンを除去する工程と、セルローススポンジを凍結乾燥させる工程と、を含む。豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすものをセルロース製造原料とすることにより、従来の製造技術におけるポリウレタンおよびポリスチレンをセルロースの製造原料として使用した時に、硫化水素および二酸化炭素等の有毒ガスを発生することを回避し、同時にオカラの利用率を高め、アルカリ性溶液および酸化処理によってオカラにおける不純物を除去し、従来の製造技術におけるセルロースの溶解コストが高く、大規模な応用が困難であるという課題を解決することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オカラにおける不純物をアルカリ性溶液によって予備洗浄する工程Aと、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、オカラのセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロースを抽出する工程S1と、
前記工程S1により抽出されたセルロースフィラメントを溶解してセルロースを再生する工程Dと、前記工程Dにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、前記工程Eにより調整して形成したセルローススポンジにおける遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにより遊離イオンを除去した後のセルローススポンジを凍結乾燥させる工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2と、
を含むことを特徴とするオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項2】
前記工程S1における前記オカラは、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすであることを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項3】
前記工程Aにおいて、アルカリ性の予備洗浄溶液によってオカラを予備に洗浄し、前記アルカリ性の予備洗浄溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のうちのいずれか1種であることを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項4】
請前記アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度は、10~15wt%であり、オカラのアルカリ予備洗浄過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、オカラのアルカリ洗浄過程における撹拌する反応時間は2~3時間であることを特徴とする、請求項3に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項5】
前記工程Bにおいて、不純物を除去する酸化溶液によってオカラを酸化処理し、前記不純物を除去する酸化溶液は、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過酸化カリウムのうちのいずれか1種であることを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項6】
前記工程Bにおける不純物を除去する酸化溶液の濃度は、10~15wt%であり、オカラの不純物を酸化により除去する過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、不純物を除去する酸化溶液とオカラを2~3時間で撹拌しながら反応させることを特徴とする、請求項5に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項7】
前記工程Dにおけるセルロースフィラメントは、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理うちのいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項8】
前記工程Cにおける、無水硫酸ナトリウムによってセルローススポンジの細孔を調整して形成することを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項9】
前記工程Fにおける、石灰法、水酸化物法および硫化物法のうちのいずれか1つを用いてセルローススポンジの遊離イオンを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース調製の分野に関し、特に、オカラを用いたセルローススポンジの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スポンジは、優れた弾性、柔軟性、吸水性等の利点を持ち、清掃、洗浄、化粧、医療等の分野で広く使用されている。現在、市販されているスポンジは、主にポリウレタンおよびポリスチレン等の石油製品に由来し、長期間使用すると人体に害を及ぼすだけでなく、生産や廃棄物処理の過程においてある程度環境汚染を生じる。セルロースは、自然界における最も豊富に蓄積している天然バイオマス資源であり、樹木、わら、綿、麻、竹等の植物資源に広く存在し、再生可能、無害分解可能、および優れた生体適合性等の利点がある。
【0003】
自然条件下における、セルロース分解の最終の生成物は二酸化炭素および水であり、環境を汚染させず、生物に対しても無毒かつ無害であり、スポンジを調製材料として好ましい材料。セルロースは、高分子材料として、吸水性が強く、吸水速度が速く、拭き取り効果が良く、風乾しやすく、無毒かつ無害である利点が、特に、日常生活、製薬業および食品業に適しており、市場における応用が大きく期待されている。
【0004】
現在、世界でセルロースを利用してスポンジを調製する方法は、主に2つあり、1つは、セルロースを反応によってスルホン酸セルロースに転化され、次に、加水分解してセルローススポンジを調製するという方法であり、しかし、この技術には、二酸化硫黄または硫化水素などの有毒ガスを発生し、大気および水源を汚染する;もう1つは、セルロースを溶液に溶解してスポンジを調製する方法であり、しかし、溶液のコストが高いので大規模な応用が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、セルローススポンジの調製技術において、二酸化硫黄または硫化水素等の有毒ガスを発生するにより、大気および水源を汚染する問題、かつ、セルロース溶解用溶液のコストが高いため大規模な応用が困難であるという問題を解決することを目指して、オカラを用いたセルローススポンジ調製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
オカラにおける不純物をアルカリ性溶液によって予備洗浄する工程Aと、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、オカラのセルロースをフィラメンにする工程Cと、を含むオカラセルロースを抽出する工程S1、
前記工程S1により抽出されたセルロースフィラメントを溶解してセルロースを再生する工程Dと、前記工程Dにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、前記工程Eにより調整して形成したセルローススポンジにおける遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにより遊離イオンを除去した後のセルローススポンジを凍結乾燥させる工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0007】
前記工程S1における前記オカラは、豆腐、豆乳およびソイミルクを調製する際に絞りかすであることが好ましい。
【0008】
前記工程Aにおいて、アルカリ性の予備洗浄溶液によってオカラを予備に洗浄し、前記アルカリ性の予備洗浄溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のうちのいずれか1種であることが好ましい。
【0009】
前記アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度は、10~15wt%であり、オカラのアルカリ予備洗浄過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、オカラのアルカリ洗浄過程における撹拌する反応時間は2~3時間であることが好ましい。
【0010】
前記工程Bにおいて、不純物を除去する酸化溶液によって、さらにオカラを酸化処理し、前記不純物を除去する酸化溶液は、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過酸化カリウムのうちのいずれか1種である。
【0011】
前記工程Bにおける不純物を除去する酸化溶液の濃度は、10~15wt%であり、オカラの不純物の酸化により除去過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、不純物を除去する酸化溶液とオカラを2~3時間で撹拌しながら反応させることが好ましい。
【0012】
前記工程Dにおけるセルロースフィラメントは、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理うちのいずれか1つであることが好ましい。
【0013】
前記工程Cにおける、無水硫酸ナトリウムによってセルローススポンジの細孔を調整して形成することが好ましい。
【0014】
前記工程Fにおける、石灰法、水酸化物法および硫化物法のうちのいずれか1つを用いてセルローススポンジの遊離イオンを除去することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
従来技術と比較し、本発明の有利な効果は、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすものをセルロース製造原料とすることにより、従来の製造技術におけるポリウレタンおよびポリスチレンをセルロースの製造原料として使用した時に、硫化水素および二酸化炭素等の有毒ガスを発生することを回避し、同時にオカラの利用率を高め、アルカリ性溶液および酸化処理によってオカラにおける不純物を除去し、水酸化ナトリウム、尿素、脱イオン水でセルロースを溶解するにより再生し、従来の製造技術におけるセルロースの溶解コストが高く、大規模な応用が困難であるという課題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
10.0wt%のアンモニア水を100gのオカラに加えて、アルカリ性溶液で予備的に洗浄する工程Aと、10.0wt%の過硫酸アンモニウムを前記100gのオカラに加えて、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、100mlの脱イオン水を前記100gのオカラに加え、20分間の高速せん断によりセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロースを抽出する工程S1、前記工程S1によって2gオカラセルロースを得る。
【0018】
2gの前記工程S1で抽出されたセルロースと3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、30.0gの脱イオン水を混合し、撹拌により溶解し、置いてセルロースを再生する工程Dと、前記溶解して再生するセルロースに、35.0gの無水硫酸ナトリウムを加え、2gの前記溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、脱イオン水で、硫酸イオンが検出されなくなるまで、前記2gの前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジを洗浄するにより遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにおける遊離イオンを除去した前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジ凍結乾燥してセルローススポンジを得る工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0019】
本実施形態において、10.0wt%のアンモニア水、10.0wt%の過硫酸アンモニウムおよび100mlの脱イオン水をオカラ100gと混合し、50℃の温度を制御して撹拌し、1時間撹拌しながら反応させた後、90℃に昇温し、さらに2時間撹拌し、反応が終了した後、温度を下げ、洗浄し、200~250mLの脱イオン水を加え、撹拌して均一に分散させた後、30分間水浴超音波処理してオカラセルロース2gを得た。
【0020】
本実施形態において、前記2gのオカラセルロースを3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、40.0g脱イオン水と混合し、磁気撹拌で均一にさせ、冷蔵庫に入れて一晩凍結し、溶解したセルロースを再生し、室温で解凍し、磁気撹拌下で0.5gの長さ3mm未満の脱脂綿を加え、撹拌しで均一にさせ、35.0gの無水硫酸ナトリウムを加え、細孔を制御し、冷蔵庫で2日寝かして熟成させ、室温まで解凍し、脱イオン水で硫酸イオンが検出されなくなるまで洗浄し、凍結乾燥によってセルローススポンジを得た。
【0021】
[実施例1]
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
オカラにおける不純物をアルカリ性溶液によって予備洗浄する工程Aと、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、オカラのセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロースを抽出する工程S1、
前記工程S1により抽出されたセルロースフィラメントを溶解してセルロースを再生する工程Dと、前記工程Dにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、前記工程Eにより調整して形成したセルローススポンジにおける遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにより遊離イオンを除去した後のセルローススポンジを凍結乾燥させる工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0022】
本実施形態において、オカラにおける不純物をアルカリ性溶液で予備的に洗浄し、さらに酸化で除去することにより、フィラメントを抽出する工程において、二酸化硫黄ガスおよび硫化水素ガスの発生を防止することができ、セルローススポンジにおける遊離イオンの除去処理によって、セルローススポンジにおける硫酸イオンおよびナトリウムイオンを除去するにより、セルローススポンジ調製終了時に硫酸イオンの残留を防止するためである。
【0023】
さらに、前記工程S1における前記オカラは、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすである。
【0024】
本実施形態において、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすものを原料とすることによって、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残るオカラの利用率を高め、同時に豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残るオカラを用いた調製されたセルローススポンジは、自然条件下で最終的に水と二酸化炭素に分解され、環境に汚染されず、生物にも無毒である。
【0025】
さらに、前記工程Aにおいて、アルカリ性の予備洗浄溶液により、オカラをアルカリ予備洗浄し、前記アルカリ性の予備洗浄溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のうちのいずれか1種である。
【0026】
本実施形態において、アルカリ性の予備洗浄溶液により、オカラ中の塩化水素ガス、二酸化炭素および二酸化硫黄を除去し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のいずれかを選択しても、オカラに新しい不純物が持ち込まれることはない。
【0027】
さらに、前記アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度は10~15wt%であり、オカラのアルカリ予備洗浄過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、オカラのアルカリ洗浄過程における撹拌する反応時間は2~3時間である。
【0028】
本実施過程において、5~30wt%のアルカリ性の予備洗浄溶液でオカラを予備洗浄する時、アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度が10~15wt%の場合、オカラの前洗浄処理効率が最も高く、前記オカラのアルカリ予備洗浄過程の温度を50~90℃に制御している時にアルカリ性予備洗浄溶液とオカラとの反応を始め、温度を60~80℃にする場合、アルカリ予備洗浄効率が最も高く、アルカリ性の予備洗浄溶液とオカラの反応時間は1~8であり、前記条件で反応を加速させ、アルカリ性の予備洗浄溶液とオカラを撹拌し、2~3時間後、アルカリ性の予備洗浄溶液によって、オカラにおける塩化水素ガス、二酸化炭素および二酸化硫黄を完全に除去された。
【0029】
さらに、上記工程Bにおける、不純物を除去する酸化溶液によって、さらにオカラを酸化処理し、前記不純物を除去する酸化溶液は、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過酸化カリウムのうちのいずれか1種である。
【0030】
本実施形態において、酸化で不純物を除去する溶液によってオカラ中の水分子を除去し、一方、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過過酸化カリウムで酸化する時、新しい不純物が持ち込まれることはない。
【0031】
さらに、前記工程Bにおける不純物を除去する酸化溶液の濃度は、10~15wt%であり、オカラの不純物をさらに酸化により除去する過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、不純物を除去する酸化溶液とオカラを2~3時間で撹拌しながら反応させた。
【0032】
本実施形態において、5~30wt%の不純物を除去する酸化溶液でオカラにおける不純物を除去する時、不純物を除去する酸化溶液の濃度が10~15wt%の場合、オカラにおける不純物を除去する効率が最も高く、前記オカラに対して酸化で不純物を除去する過程の温度を50~90℃に制御している時に酸化で不純物を除去する溶液とオカラとの反応を始め、温度を60~80℃にする場合、酸化で不純物を除去する効率が最も高く、酸化で不純物を除去する溶液とオカラの反応時間は1~8であり、前記条件で反応を加速させ、酸化で不純物を除去する溶液とオカラを撹拌し、2~3時間後、酸化で不純物を除去する溶液によって、不純物を完全に除去された。
【0033】
前記工程Dにおけるセルロースフィラメントは、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理うちのいずれか1つである。
【0034】
本実施形態において、セルローススポンジ調製に必要なセルロースを得るため、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理のうちのいずれか1つを選択してオカラのセルロースを分離させた。
【0035】
さらに、前記工程Cにおいて、無水硫酸ナトリウムにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する。
【0036】
本実施形態において、無水硫酸ナトリウムにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する。この場合、無水硫酸ナトリウムは安定であり、強酸、アルミニウム、およびマグネシウムに不溶性である。
【0037】
さらに、前記工程Fにおけるセルローススポンジの遊離イオン除去は、石灰法、水酸化物法および硫化物法のうちのいずれか1つを用いる。
【0038】
本実施形態において、石灰法、水酸化物法および硫化物法のうちのいずれか1つでセルローススポンジ中の重金属イオンを除去し、セルローススポンジ中の無機塩イオンを同時に除去する。
【0039】
本実施形態において、豆腐を作った後のオカラをセルロース抽出の原料として選択し、アルカリ性の予備洗浄溶液でオカラのアルカリ予備洗浄を実施し、オカラにおける塩化水素ガス、二酸化炭素および二酸化硫黄を除去し、酸化で不純物を除去する溶液によりオカラ中の水分子を除去し、最後にオカラのセルロースをフィラメントにしてセルロースを得て、セルロースを溶解して再生し、無水硫酸ナトリウムにより、溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成し、最後にセルローススポンジの遊離イオンを除去し、セルローススポンジ中の重金属イオンを除去し、冷却乾燥させてセルローススポンジを得た。
【0040】
[実施例2]
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
オカラにおける不純物をアルカリ性溶液によって予備洗浄する工程Aと、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、オカラのセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロースを抽出する工程S1、
前記工程S1により抽出されたセルロースフィラメントを溶解してセルロースを再生する工程Dと、前記工程Dにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、前記工程Eにより調整して形成したセルローススポンジにおける遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにより遊離イオンを除去した後のセルローススポンジを凍結乾燥させる工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0041】
本実施形態において、オカラにおける不純物をアルカリ剤で予備的に洗浄しおよび酸化で除去することにより、フィラメントを抽出する工程において、二酸化硫黄ガスおよび硫化水素ガスの発生を防止することができ、セルローススポンジにおける遊離イオンの除去処理によって、セルローススポンジにおける硫酸イオンおよびナトリウムイオンを除去するにより、セルローススポンジ調製終了時に硫酸イオンの残留を防止するためである。
【0042】
さらに、前記工程S1における前記オカラは、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすである。
【0043】
本実施形態において、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすものを原料とすることによって、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残るオカラの利用率を高め、同時に豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残るオカラを用いた調製されたセルローススポンジは、自然条件下で最終的に水と二酸化炭素に分解され、環境に汚染されず、生物にも無毒である。
【0044】
さらに、前記工程Aにおいて、アルカリ性の予備洗浄溶液により、オカラをアルカリ予備洗浄し、前記アルカリ性の予備洗浄溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のうちのいずれか1種である。
【0045】
本実施形態において、アルカリ性の予備洗浄溶液により、オカラ中の塩化水素ガス、二酸化炭素および二酸化硫黄を除去し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のいずれかを選択しても、オカラに新しい不純物が持ち込まれることはない。
【0046】
さらに、前記アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度は10~15wt%であり、オカラのアルカリ予備洗浄過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、オカラのアルカリ洗浄過程における撹拌する反応時間は2~3時間である。
【0047】
本実施過程において、5~30wt%のアルカリ性の予備洗浄溶液でオカラを予備洗浄する時、アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度が10~15wt%の場合、オカラの前洗浄処理効率が最も高く、前記オカラのアルカリ予備洗浄過程の温度を50~90℃に制御している時にアルカリ性予備洗浄溶液とオカラとの反応を始め、温度を60~80℃にする場合、アルカリ予備洗浄効率が最も高く、アルカリ性の予備洗浄溶液とオカラの反応時間は1~8であり、前記条件で反応を加速させ、アルカリ性の予備洗浄溶液とオカラを撹拌し、2~3時間後、アルカリ性の予備洗浄溶液によって、オカラにおける塩化水素ガス、二酸化炭素および二酸化硫黄を完全に除去された。
【0048】
さらに、前記工程Bにおいて、不純物を除去する酸化溶液によってオカラをさらに酸化処理し、前記不純物を除去する酸化溶液は、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過酸化カリウムのうちのいずれか1種である。
【0049】
本実施形態において、不純物を除去する酸化溶液によってオカラ中の水分子を除去し、同時に、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過過酸化カリウムで酸化する時、新しい不純物が持ち込まれることはない。
【0050】
さらに、前記工程Bにおける不純物を除去する酸化溶液の濃度は、10~15wt%であり、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する過程における温度の制御範囲は60~80℃であり、酸化で不純物を除去する溶液とオカラを2~3時間で撹拌しながら反応させた。
【0051】
本実施形態において、5~30wt%の不純物を除去する酸化溶液でオカラにおける不純物を除去する時、不純物を除去する酸化溶液の濃度が10~15wt%の場合、オカラにおける不純物を除去する効率が最も高く、前記オカラに対して酸化で不純物を除去する過程の温度を50~90℃に制御している時に不純物を除去する酸化溶液とオカラとの反応を始め、温度を60~80℃にする場合、酸化で不純物を除去する効率が最も高く、不純物を除去する酸化溶液とオカラの反応時間は1~8であり、前記条件で反応を加速させ、不純物を除去する酸化溶液とオカラを撹拌し、2~3時間後、不純物を除去する酸化溶液によって、水分子を完全に除去された。
【0052】
前記工程Dにおけるセルロースフィラメントは、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理うちのいずれか1つである。
【0053】
本実施形態において、セルローススポンジ調製に必要なセルロースを得るため、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理のうちのいずれか1つを選択してオカラのセルロースを分離させた。
【0054】
さらに、前記工程Cにおいて、無水硫酸ナトリウムにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する。
【0055】
本実施形態において、無水硫酸ナトリウムにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する。この場合、無水硫酸ナトリウムは安定であり、強酸、アルミニウム、およびマグネシウムに不溶性である。
【0056】
さらに、前記工程Fにおけるセルローススポンジの遊離イオン除去は、石灰法、水酸化物法および硫化物法のうちのいずれか1つを用いる。
【0057】
本実施形態において、石灰法、水酸化物法および硫化物法のうちのいずれか1つでセルローススポンジ中の重金属イオンを除去し、セルローススポンジ中の無機塩イオンを同時に除去する。
【0058】
本実施形態において、豆腐を作った後のオカラをセルロース抽出の原料として選択し、アルカリ性の予備洗浄溶液でオカラのアルカリ予備洗浄を実施し、オカラにおける塩化水素ガス、二酸化炭素および二酸化硫黄を除去し、酸化で不純物を除去する溶液によりオカラ中の水分子を除去し、最後にオカラのセルロースをフィラメントにしてセルロースを得て、セルロースを溶解して再生し、無水硫酸ナトリウムにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成し、最後にセルローススポンジの遊離イオンを除去し、セルローススポンジ中の重金属イオンを除去し、冷却乾燥させてセルローススポンジを得た。
【0059】
[実施例3]
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
10.0wt%の水酸化ナトリウムを、100gのオカラに加えて、アルカリで予備的に洗浄する工程Aと、12.5wt%の過炭酸ナトリウムを前記100gのオカラに加えて、さらに酸化によってオカラにおける不純物を酸化で除去する工程Bと、100mlの脱イオン水を前記100gのオカラに加え、30分間のプローブ超音波によりセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロース抽出工程S1、前記工程S1によって2gオカラセルロースを得る。
【0060】
2gの前記工程S1で抽出されたセルロースと3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、38.5gの脱イオン水を混合し、撹拌により溶解し、置いてセルロースを再生する工程Dと、前記溶解して再生するセルロースに、50.5gの無水硫酸ナトリウムを加え、2gの前記溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、脱イオン水で、硫酸イオンが検出されなくなるまで、前記2gの前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジを洗浄する遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにおける遊離イオンを除去した前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジ凍結乾燥してセルローススポンジを得る工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0061】
本実施形態において、10.0wt%の水酸化ナトリウム、12.5wt%の過炭酸ナトリウムおよび100mlの脱イオン水を100gのオカラと混合し、60℃の温度を制御して撹拌し、1時間撹拌しながら反応させた後、90℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応が終了した後温度を下げ、洗浄し、200~250mLの脱イオン水を加え、撹拌して均一に分散させた後、30分間プローブ超音波処理してオカラセルロース2gを得た。
【0062】
本実施形態において、前記2gのオカラセルロースを3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、38.5g脱イオン水と混合し、磁気撹拌で均一にさせ、冷蔵庫に入れて一晩凍結し、セルロースを溶解・再生し、室温で解凍し、磁気撹拌下で0.5gの長さ2mm未満の脱脂綿を加え、均一に撹拌し、50.5gの無水硫酸ナトリウムを加え、細孔を制御し、冷蔵庫で2日寝かして熟成させ、室温で解凍し、脱イオン水で硫酸イオンが検出されなくなるまで洗浄し、凍結乾燥させてセルローススポンジを得た。
【0063】
[実施例4]
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
15.0wt%の水酸化カリウムを、100gのオカラに加えて、アルカリで予備的に洗浄する工程Aと、15.0wt%の過炭酸カリウムを前記100gのオカラに加えて、さらに酸化によってオカラにおける不純物を酸化で除去する工程Bと、100mlの脱イオン水を前記100gのオカラに加え、60分間の水浴超音波によりセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロース抽出工程S1、前記工程S1によって2gオカラセルロースを得る。
【0064】
2gの前記工程S1で抽出されたセルロースと3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、40.0gの脱イオン水を混合し、撹拌により溶解し、置いてセルロースを再生する工程Dと、前記溶解して再生するセルロースに、40.0gの無水硫酸ナトリウムを加え、2gの前記溶解して再生したセルロースでから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、脱イオン水で、硫酸イオンが検出されなくなるまで、前記2gの前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジを洗浄する遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにおける遊離イオンを除去した前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジ凍結乾燥してセルローススポンジを得る工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0065】
本実施形態において、15.0wt%の水酸化カリウム、15.0wt%の過炭酸カリウムおよび100mlの脱イオン水を100gのオカラと混合し、50℃の温度を制御して撹拌し、1時間撹拌しながら反応させた後、80℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応が終了した後温度を下げ、洗浄し、200~250mLの脱イオン水を加え、撹拌して均一に分散させた後、30分間水浴超音波処理してオカラセルロース2gを得た。
【0066】
本実施形態において、前記2gのオカラセルロースを3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、40.0g脱イオン水と混合し、磁気撹拌で均一にさせ、冷蔵庫に入れて一晩凍結し、セルロースを溶解・再生し、室温で解凍し、磁気撹拌下で0.5gの長さ1mm未満の脱脂綿を加え、均一に撹拌し、40gの無水硫酸ナトリウムを加え、細孔を制御し、冷蔵庫で2日寝かして熟成させ、室温で解凍し、脱イオン水で硫酸イオンが検出されなくなるまで洗浄し、凍結乾燥させてセルローススポンジを得た。
【0067】
[実施例5]
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
10.0wt%のアンモニア水を、100gのオカラに加えて、アルカリで予備的に洗浄する工程Aと、10.0wt%の過硫酸アンモニウムを前記工程の100gのオカラに加えて、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、100mlの脱イオン水を前記100gのオカラに加え、20分間の高速せん断によりセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロース抽出工程S1、前記工程S1によって2gオカラセルロースを得る。
【0068】
2gの前記工程S1で抽出されたセルロースと3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素を混合し、30.0gの脱イオン水を加えて溶解して再生する工程とDと、前記溶解して再生するセルロースに、35.0gの無水硫酸ナトリウムを加え、2gの前記溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、脱イオン水で、硫酸イオンが検出されなくなるまで、前記2gの前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジを洗浄する遊離イオンを除去する工程とFと、工程Fにおける遊離イオンを除去した前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジ凍結乾燥してセルローススポンジを得る工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0069】
本実施形態において、10.0wt%のアンモニア水、10.0wt%の過硫酸アンモニウムおよび100mlの脱イオン水を100gのオカラと混合し、50℃の温度を制御して撹拌し、1時間撹拌しながら反応させた後、90℃に昇温し、さらに2時間撹拌し、反応が終了した後温度を下げ、洗浄し、200~250mLの脱イオン水を加え、撹拌して均一に分散させた後、30分間水浴超音波処理してオカラセルロース2gを得た。
【0070】
本実施形態において、前記2gのオカラセルロースを3.5gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、40.0g脱イオン水と混合し、磁気撹拌で均一にさせ、冷蔵庫に入れて一晩凍結し、セルロースを溶解して再生し、室温で解凍し、磁気撹拌下で0.5gの長さ1mm未満の脱脂綿を加え、均一に撹拌し、30.5gの無水硫酸ナトリウムを加え、細孔を制御し、冷蔵庫で2日寝かして熟成させ、室温で解凍し、脱イオン水で硫酸イオンが検出されなくなるまで洗浄し、凍結乾燥させてセルローススポンジを得た。
【0071】
[実施例6]
図1および
図2を参照すると、本発明は下記工程を含むオカラを用いたセルローススポンジの調製方法を提供する:
10.0wt%の水酸化ナトリウムを、100gのオカラに加えて、アルカリで予備的に洗浄する工程Aと、10.0wt%の過酸化水素を、前記工程の100gのオカラに加えて、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、100mlの脱イオン水を前記100gのオカラに加え、20分間の高速せん断によりセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロース抽出工程S1、前記工程S1によって2gオカラセルロースを得る。
【0072】
2gの前記工程S1で抽出されたセルロースと4.0gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、35.0gの脱イオン水を混合し、撹拌により溶解し、置いてセルロースを再生する工程Dと、前記溶解して再生するセルロースに、55.0gの無水硫酸ナトリウムを加え、2gの前記溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、脱イオン水で、硫酸イオンが検出されなくなるまで、前記2gの前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジを洗浄する遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにおける遊離イオンを除去した前記溶解して再生したセルロースで調製したスポンジ凍結乾燥してセルローススポンジを得る工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2。
【0073】
本実施形態において、10.0wt%の水酸化ナトリウム、10.0wt%の過酸化水素および100mlの脱イオン水を100gのオカラと混合し、50℃の温度を制御して撹拌し、1時間撹拌しながら反応させた後、80℃に昇温し、さらに2時間撹拌し、反応が終了した後温度を下げ、洗浄し、200~250mLの脱イオン水を加え、撹拌して均一に分散させた後、5回の高圧均質化処理によりオカラセルロース2gを得た。
【0074】
本実施形態において、前記2gのオカラセルロースを4.0gの水酸化ナトリウム、6.0gの尿素、35.0g脱イオン水と混合し、磁気撹拌で均一にさせ、冷蔵庫に入れて一晩凍結し、セルロースを溶解して再生し、室温で解凍し、磁気撹拌下で0.5gの長さ0.5mm未満の脱脂綿を加え、均一に撹拌し、55.0gの無水硫酸ナトリウムを加え、細孔を制御し、冷蔵庫で2日寝かして熟成させ、室温で解凍し、脱イオン水で硫酸イオンが検出されなくなるまで洗浄し、凍結乾燥させてセルローススポンジを得た。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オカラにおける不純物をアルカリ性溶液によって予備洗浄する工程Aと、さらに酸化によってオカラにおける不純物を除去する工程Bと、オカラのセルロースをフィラメントにする工程Cと、を含むオカラセルロースを抽出する工程S1と、
前記工程S1により抽出されたセルロースフィラメントを溶解してセルロースを再生する工程Dと、前記工程Dにより溶解して再生したセルロースから細孔を制御してスポンジを形成する工程Eと、前記工程Eにより調整して形成したセルローススポンジにおける遊離イオンを除去する工程Fと、工程Fにより遊離イオンを除去した後のセルローススポンジを凍結乾燥させる工程Gと、を含むオカラセルローススポンジを調製する工程S2と、
を含
み、
前記工程S1における、前記工程Aまたは前記工程Cは、アルカリ性の予備洗浄溶液、酸化で不純物を除去する溶液、脱イオン水およびオカラと混合し、50~70℃の温度を制御して攪拌し、1~3時間撹拌しながら反応させた後、80~90℃に昇温し、さらに1~3時間撹拌し、反応が終了した後、温度を下げ、洗浄し、脱イオン水を加え、撹拌して均一に分散させた後、フィラメントにし、オカラセルロースを得ることであり、
前記工程S2における、前記工程Dまたは前記工程Gは、前記オカラセルロースを水酸化ナトリウムおよび尿素溶液と混合し、磁気撹拌で均一にさせ、冷蔵庫に入れて凍結し、溶解したセルロースを再生し、室温で解凍し、磁気撹拌下で脱脂綿を加え、撹拌しで均一にさせ、無水硫酸ナトリウムを加え、細孔を制御し、冷蔵庫で2~3日寝かして熟成させ、室温まで解凍し、脱イオン水で硫酸イオンが検出されなくなるまで洗浄し、凍結乾燥によってセルローススポンジを得る、ことを特徴とするオカラを用いたセルローススポンジの調製方法。
【請求項2】
前記工程S1における前記オカラは、豆腐、豆乳およびソイミルクを作った後に残った絞りかすであることを特徴とする、請求項1に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項3】
前記工程Aにおいて、アルカリ性の予備洗浄溶液によってオカラを予備に洗浄し、前記アルカリ性の予備洗浄溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよびアンモニア水のうちのいずれか1種であ
り、
前記アルカリ性の予備洗浄溶液の濃度は、10~15wt%である、請求項
1または2に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項4】
前記工程Bにおいて、不純物を除去する酸化溶液によってオカラを酸化処理し、前記不純物を除去する酸化溶液は、硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過酸化水素、過酸化ナトリウムおよび過酸化カリウムのうちのいずれか1種であ
り、
前記不純物を除去する酸化溶液の濃度は、10~15wt%である、ことを特徴とする、請求項
1~3のいずれか1項に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【請求項5】
前記セルロースフィラメントは、プローブ超音波処理、水浴超音波処理、高速せん断処理および高圧均質化処理うちのいずれか1つである、ことを特徴とする、請求項
1~4のいずれか1項に記載のオカラを用いたセルローススポンジ調製方法。
【国際調査報告】