(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】画像に基づく坑井設備の検査
(51)【国際特許分類】
E21B 44/00 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
E21B44/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535096
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019066602
(87)【国際公開番号】W WO2020131735
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506018363
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グーネラトネ,チンタカ パサン
(72)【発明者】
【氏名】アフレック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】モエレンディック,ティモシー イー.
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB01
2D129BA08
2D129BB03
2D129CB13
2D129EC15
2D129HA01
(57)【要約】
坑井の中へ移動する管状体の1つ又は複数の画像を捕捉する。1つ又は複数の画像を画像センサが捕捉することができる。管状体は、接続部によって互いに接続された第1の管状体部分と第2の管状体部分とを含む。画像センサに対してローカルであるオンサイトエッジゲートウェイは、さまざまな操作を実行するように構成されている。捕捉された1つ又は複数の画像に基づいて、坑井の基準高さに対する接続部の高さを特定する。特定された高さに基づいて、動作状態を特定する。動作状態が自動化ルールに含まれているかどうかを特定する。自動化ルールに動作状態が含まれていることを特定することに応じて、信号を、制御可能な装置を駆動するために送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井の中へ移動する管状体であって接続部によって互いに接続された第1の管状体部分と第2の管状体部分とを備える管状体の、1つ又は複数の画像を捕捉するステップと;
前記捕捉された1つ又は複数の画像に基づいて、前記坑井の基準高さに対する前記接続部の高さを特定するステップと;
前記特定された高さに基づいて、動作状態を決定するステップと;
自動化ルールに前記動作状態が含まれているかどうかを特定するステップと;
前記自動化ルールに前記動作状態が含まれていることを特定するステップに応じて、制御可能な装置を駆動するための信号を送信するステップと;を備える、
方法。
【請求項2】
前記動作状態は、前記坑井の噴出防止装置に対する前記接続部の並び位置を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記自動化ルールは、前記接続部が前記噴出防止装置と一列に並ぶ状態を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御可能な装置は遠隔地にある制御パネルを備え、前記制御可能な装置を駆動することは、前記制御パネル上に前記動作状態の画像を表示することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記制御可能な装置は警報器を備え、前記制御可能な装置を駆動することは、前記警報器をトリガすることを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記制御可能な装置は、前記管状体を前記坑井の中へ移動させているランニングツールを備え、前記制御可能な装置を駆動することは、前記ランニングツールが前記管状体を前記坑井の中へ移動させている速度を調整することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記制御可能な装置は前記噴出防止装置を備え、前記制御可能な装置を駆動することは、前記噴出防止装置を閉じることを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つの捕捉された画像に基づいて、前記管状体が前記坑井の中へ移動している速度を特定するステップを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記接続部の前記高さを特定するステップは、前記接続部を前記第1の管状体部分及び前記第2の管状体部分から区別するステップを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の管状体部分は、第1のドリルパイプを備え;
前記第2の管状体部分は、第2のドリルパイプを備え;
前記接続部はツールジョイントを備え;
前記接続部を前記第1の管状体部分及び前記第2の管状体部分から区別するステップは、前記ツールジョイントの外径を検出することに基づいて前記ツールジョイントを識別するステップを備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
坑井の中へ移動する管状体の画像ストリームを捕捉するように構成された画像センサであって、前記管状体は、接続部によって互いに接続された第1の管状体部分及び第2の管状体部分を備える、画像センサと;
前記画像センサに対してローカルであって、前記画像センサと通信可能に結合されたオンサイトエッジゲートウェイと;を備え、
前記オンサイトエッジゲートウェイは:
前記画像センサから画像ストリームを受信すること;
前記画像ストリームから、前記坑井の基準高さに対する前記接続部の高さを特定すること;
前記特定された高さに基づいて、動作状態を決定すること;
自動化ルールに前記動作状態が含まれているかどうかを特定すること;及び
前記自動化ルールに前記動作状態が含まれていると特定することに応じて、信号を送信して遠隔地で制御可能な装置を駆動すること;を含む操作を実行するように構成された、
システム。
【請求項12】
前記画像センサは固定位置に取り付けられている、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記画像センサは持ち運び可能である、
請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記オンサイトエッジゲートウェイは、1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサに結合されて前記1つ又は複数のプロセッサによって実行するためのプログラミング命令を格納するコンピュータ読み取り可能記憶媒体とを備え、前記プログラミング命令は、前記1つ又は複数のプロセッサに前記操作を実行するように命令する、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作状態を決定することは、前記坑井の噴出防止装置に対する前記接続部の並び位置を特定することを含む、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記自動化ルールは、前記接続部が前記噴出防止装置と一列に並ぶ状態を含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御可能な装置を備え、
前記制御可能な装置は制御パネルを備え、
前記制御可能な装置を駆動することは、前記制御パネル上に前記動作状態の画像を表示することを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御可能な装置を備え、
前記制御可能な装置は警報器を備え、
前記制御可能な装置を駆動することは、前記警報器をトリガすることを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御可能な装置を備え、
前記制御可能な装置は、前記管状体を前記坑井の中へ移動させるように構成されたランニングツールを備え、
前記制御可能な装置を駆動することは、前記ランニングツールが前記管状体を前記坑井の中へ移動させている速度を調整することを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御可能な装置を備え、
前記制御可能な装置は前記噴出防止装置を備え、
前記制御可能な装置を駆動することは、前記噴出防止装置を閉じることを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記オンサイトエッジゲートウェイは、前記画像センサから受信した少なくとも2つの捕捉された画像に基づいて、前記管状体が前記坑井の中へ移動している速度を特定するように構成された、
請求項14に記載のシステム。
【請求項22】
前記オンサイトエッジゲートウェイは、前記接続部を前記第1の管状体部分及び前記第2の管状体部分から区別するように構成された、
請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年12月17日に出願された米国仮特許出願第62/780,833号、2018年12月17日に出願された米国仮特許出願第62/780,843号、及び2018年12月17日に出願された米国仮特許出願第62/780,856号に基づく優先権を主張し、当該米国仮特許出願の記載内容を援用する。
【0002】
本開示は、坑井装置の画像ベースの検査、例えば、坑井内に入っていくドリルストリングに関する。
【背景技術】
【0003】
掘削リグは、掘削して坑井から炭化水素類を生産するために用いられ、複雑でしかも時間がかかることの多い作業を実行する多くのコンポーネント及びツールを含む。坑井の掘削は、坑井の軌道、岩層、及び過酷な環境にあるダウンホールを確認できないため、挑戦的な作業となる。これらの要因並びにリグでの掘削作業中の多くの不確実性及び不確定要素により、動的な(絶えず変化し進展する)掘削工程が作成される。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、坑井装置の検査に利用できる技術を説明する。リグでの作業中に多くのコンポーネントを監視することは、困難かつ非効果的である可能性があり、機械類及びコンポーネントの遅れや故障は、掘削作業時の時間とコストに悪影響を及ぼす可能性がある。記載される本主題のある態様は、例えば、リグ上の作業を向上する方法として実施することができる。坑井の中へ移動する管状体の1つ又は複数の画像を捕捉する。前記管状体は、接続部によって互いに接続された第1の管状体部分と第2の管状体部分とを含む。前記坑井の基準高さに対する前記接続部の高さを、前記捕捉された1つ又は複数の画像に基づいて、特定する。動作状態を、前記特定された高さに基づいて、決定する。前記動作状態が自動化ルール(自動化規則)に含まれているかどうかを特定する。前記自動化ルールに前記動作状態が含まれていることを特定することに応じて、信号を、制御可能な装置(操縦可能装置)を駆動するために送信する。
【0005】
この態様及び他の態様は、以下の特徴の1つ又は複数を含むことができる。
【0006】
前記動作状態は、前記坑井の噴出防止装置に対する前記接続部の並び位置を含むことができる。
【0007】
前記自動化ルールは、前記接続部が前記噴出防止装置と一列に並ぶ状態を含むことができる。
【0008】
前記制御可能な装置は遠隔地にある制御パネルを含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記制御パネル上に前記動作状態の画像を表示することを含むことができる。
【0009】
前記制御可能な装置は警報器を含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記警報器をトリガする(作動させる)ことを含むことができる。
【0010】
前記制御可能な装置は、前記管状体を前記坑井の中へ移動させているランニングツールを含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記ランニングツールが前記管状体を前記坑井の中へ又は前記坑井から外に移動させている速度を調整することを含むことができる。
【0011】
前記制御可能な装置は前記噴出防止装置を含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記噴出防止装置を閉じることを含むことができる。
【0012】
前記管状体が前記坑井の中へ移動している速度を、少なくとも2つの捕捉された画像に基づいて、特定することができる。
【0013】
前記接続部の前記高さを特定することは、前記接続部を前記第1の管状体部分及び前記第2の管状体部分から区別することを含むことができる。
【0014】
前記第1の管状体部分は、第1のドリルパイプを含むことができる。前記第2の管状体部分は、第2のドリルパイプを含むことができる。前記接続部はツールジョイントを含むことができる。前記接続部を前記第1の管状体部分及び前記第2の管状体部分から区別することは、前記ツールジョイントの外径を検出することに基づいて前記ツールジョイントを識別することを含むことができる。
【0015】
記載される本主題のある態様は、システムとして実施することができる。システムは、画像センサと、前記画像センサに対してローカルである(その場所にある)オンサイトエッジゲートウェイ(オンサイトのエッジゲートウェイ)とを含む。画像センサは、坑井の中へ移動する管状体の画像ストリームを捕捉するように構成されている。前記管状体は、接続部によって互いに接続された第1の管状体部分及び第2の管状体部分を含む。前記オンサイトエッジゲートウェイは、前記画像センサと通信可能に結合されている。前記オンサイトエッジゲートウェイは、操作を実行するように構成されている。前記操作は、前記画像センサから画像ストリームを受信することを含む。前記操作は、前記画像ストリームから、前記坑井の基準高さに対する前記接続部の高さを特定することを含む。前記操作は、前記特定された高さに基づいて、動作状態を決定することを含む。前記操作は、自動化ルールに前記動作状態が含まれているかどうかを特定することを含む。前記操作は、前記自動化ルールに前記動作状態が含まれていると特定することに応じて、信号を送信して遠隔地で制御可能な装置を駆動することを含む。
【0016】
この態様及び他の態様は、以下の特徴の1つ又は複数を含むことができる。
【0017】
前記画像センサは固定位置に取り付けられ得る。
【0018】
前記画像センサは持ち運び可能であり得る。
【0019】
前記オンサイトエッジゲートウェイは、1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサに結合されたコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むことができる。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行するためのプログラミング命令を格納することができる。前記プログラミング命令は、前記1つ又は複数のプロセッサに前記操作を実行するように命令することができる。
【0020】
前記動作状態を決定することは、前記坑井の噴出防止装置に対する前記接続部の並び位置を特定することを含むことができる。
【0021】
前記自動化ルールは、前記接続部が前記噴出防止装置と一列に並ぶ状態を含むことができる。
【0022】
システムは、制御可能な装置を含むことができる。
【0023】
前記制御可能な装置は制御パネルを含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記制御パネル上に前記動作状態の画像を表示することを含むことができる。
【0024】
前記制御可能な装置は警報器を含むことができる。記制御可能な装置を駆動することは、前記警報器をトリガすることを含むことができる。
【0025】
前記制御可能な装置は、前記管状体を前記坑井の中へ移動させるように構成されたランニングツールを含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記ランニングツールが前記管状体を前記坑井の中へ移動させている速度を調整することを含むことができる。
【0026】
前記制御可能な装置は前記噴出防止装置を含むことができる。前記制御可能な装置を駆動することは、前記噴出防止装置を閉じることを含むことができる。
【0027】
前記オンサイトエッジゲートウェイは、前記画像センサから受信した少なくとも2つの捕捉された画像に基づいて、前記管状体が前記坑井の中へ移動している速度を特定するように構成され得る。
【0028】
前記オンサイトエッジゲートウェイは、前記接続部を前記第1の管状体部分及び前記第2の管状体部分から区別するように構成され得る。
【0029】
本明細書の主題の1つ又は複数の実施の詳細を、詳細な説明、添付する図面、及び請求項に記載する。本主題の他の特徴、態様及び利点は、説明、請求項、及び添付する図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】坑井用の例示のリグシステムの概略図である。
【0031】
【
図2】
図1のリグシステムの例示の噴出防止装置及びドリルストリングの部分概略斜視図である。
【0032】
【
図3A】
図1のリグシステムのための例示の監視システムの概略図である。
【0033】
【
図3B】
図1のリグシステムのための例示の監視システムを説明するブロック図である。
【0034】
【
図4】
図4A~
図4Cは、例示の噴出防止装置及びドリルストリングのさまざまな構成を示す概略図である。
【0035】
【
図5】
図3Aの監視システムの例示のオンサイトエッジゲートウェイの例示の制御ループのフローチャートである。
【0036】
【0037】
【
図8】
図1のリグシステムの部分概略鳥瞰図である。
【0038】
【
図9】
図1のリグシステムを監視するための例示の方法のフローチャートである。
【0039】
【
図10】例示のオンサイトエッジゲートウェイ説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示は、リグ上の坑井コンポーネントのインテリジェントな(自動制御ができる)監視、検査、及び制御について述べる。この記載には、確実な検証、次元解析、規格外コンポーネントの識別、又は他の故障モードに関する、坑井コンポーネント及び設備の画像ベースでの検査(画像に基づく検査)及び分析が含まれる。これにより、より安全で効率的に作業を行うことができる。監視システムには、設備や他の坑井コンポーネントを監視するために、画像センサと、リグ上に配置されたオンサイトエッジゲートウェイとが含まれる。監視システムにより監視される坑井コンポーネントは、画像センサのターゲット対象(ドリルストリング上のツール、ケーシングコンポーネント、他の坑井ツール、又はリグ上の他の坑井コンポーネントなど)に基づいて変わり得る。カメラなどの1つ又は複数の画像センサは、リグの周りに配置され、ターゲットコンポーネント又は一群のコンポーネントに向けられ、リグ上のオンサイトに配置されたゲートウェイコンピューティングシステムに、画像又はビデオフィードなどのリアルタイム画像フィードを提供する。例えば、ドリルストリングのツールジョイントの位置を掘削作業中に監視できる。ツールジョイント(又は他のコンポーネント)が噴出防止装置(BOP)を閉じる領域に配置される場合には、この位置が、坑井インシデント(事象)に応じてBOPを閉じるべきである事象において、BOPが正しく機能する確率を下げてしまう可能性がある。ここで述べる方法及びシステムを用いて、このようなドリルストリング要素の動的位置を監視し、坑井の制御及び安全性を高めることができる。実施によっては、自動応答には、BOPコマンドの閉じる機能とドローワークホイスト制御との統合が含まれ、誤ってBOPを閉じることを防止する。実施によっては、自動応答には、ドリルストリングを移動して、坑井を正しく安全に封じ込める確率を高めることが含まれる。記載する技術は、自動化、産業向けであるモノのインターネット(IOT)、ビッグデータ分析、人工知能のうちの1つ又は複数を利用できる。記載する概念は、ドリルストリングダイナミクスの分析、掘削流体の流れの分析、地層の掘り屑の分析など、掘削作業の他の領域にも適用することができる。
【0041】
ゲートウェイは、画像センサから画像フィードを受信し、画像フィードの処理と分析とを実行して、対象である坑井装置の動作パラメータを識別する。ゲートウェイは、識別された動作パラメータに基づいて、ターゲット(対象)の坑井装置の動作状態を特定できる。ゲートウェイは、特定された動作状態に基づいて、修理を、提案し、実行し、又は、提案と実行の両方を行うことができる。オンサイトエッジゲートウェイは、エッジ/フォグゲートウェイであり、それにおいて、分析を実行するゲートウェイのコンピューティングシステムのコンポーネントがリグ上にローカルに(その場所に)配置されている。例えば、オンサイトエッジゲートウェイは、特定された動作状態の修理を提案又は実行するために、リモートコンピューティングシステムに対して情報及びデータを転送したり分析をアウトソーシングしたりすることなく、操作を実行できる。エッジ/フォグコンピューティングは、いくつかの点で、クラウド環境におけるコンピューティングに対して有利な場合がある。より広い地理的領域をカバーできるクラウドは、様々なセンサや装置からのデータの転送を伴う可能性があり、その結果、ネットワークトラフィックが増加し、場合によってはプロセスに遅延が追加される。エッジ/フォグコンピューティングにより、データ源と行き先との間のスイッチ及びホストの数を減らすことができ、また、データ取得とスマート分析との間の時間を短縮できる。エッジ/フォグコンピューティングにより、より迅速な意思決定と、クラウドタイプのインフラでは通常不可能な高周波データの問い合わせが可能になる。これに加えて、クラウドは、データの転送に関連するセキュリティ及びプライバシの懸念をもたらす可能性もある。対照的に、エッジ/フォグコンピューティングのデータのほとんどは、ローカルネットワークのエッジに閉じ込められ、最小限のデータ(存在する場合)がローカルネットワークから転送される。データをローカルネットワークから転送する必要がある場合、エッジ/フォグゲートウェイは、例えば、取得したすべてのデータではなく、省略された実用的な情報のみを送信できる。これにより、セキュリティが向上すると共にプライバシリスクが軽減されるだけでなく、データ転送に必要な帯域幅(処理する情報量)も削減される。この監視システムは、坑井コンポーネントをリアルタイムで連続的に監視できる。監視システムは、連続的な画像及び信号処理を実行して、動作パラメータの情報を抽出できる。監視システムは、坑井コンポーネントの故障や異常などの動作状態を特定できる。監視システムは、特定された動作状態が坑井コンポーネントの故障閾値に達した場合に修理を提案できる。非常に動的な環境下(掘削作業のような)では、作業の近くで重要且つ時間に敏感な決定を行うことが有益な場合がある。エッジ/フォグコンピューティングは、このような動的用途に適している。
【0042】
従来の掘削リグにおいて、ドリルストリングコンポーネント又はその他のコンポーネントの検査は、直接目視検査により、又は超音波ベース若しくは電磁ベースの検査などの非破壊検査によって行われている。これらの検査及び注文は、時間がかかり、非効率で、人為的ミスが発生しやすく、時間と掘削コストの想定外の損失につながる可能性がある。本開示の監視システムは、画像センサと高度な処理技術とを用いて坑井コンポーネントのリアルタイム監視を提供する。監視システムは、画像センサの画像フィードから坑井コンポーネントの故障モードを識別する。監視システムは、識別された故障モードに基づいて、坑井オペレータにアクションアイテム(やるべきこと)選択肢を提案することができ、又は、アクションアイテムを能動的に実行することができる。例えば、監視システムは、ドリルストリングの位置を調整するなどの、故障モードに対処するアクションアイテムを提供することができることで、坑井の噴出防止装置を、坑井キックを検出したことに応じて、成功裏にかつ安全に閉じることができる。監視システムは、掘削作業と坑井制御作業との同期を図り、リグ上の坑井コンポーネントの切れ目のない統合と予知保全とを実現する。例えば、監視システムは、ドリルストリング並びに掘削リグの様々な機器及び設備を監視し、検査することができると共に、エッジ/フォグコンピューティングベースのスマート分析を利用して、掘削と坑井制御との間の関係を合理化する。監視システムは、データを得るためにスマートセンサ及びスマートデバイスを利用しかつセンサ情報に応答するアクチュエータを利用する動的な相互リンクされたコンポーネントのネットワークを提供する。監視システムを用いて、デバイス間のデータ転送を容易にすることができる。監視システムは、オペレータに対し、自動的なアクション又は迅速なアクションを開始するためのデータを処理し、充実させ提示するための機械学習及びビッグデータ分析を使用することができる。
【0043】
図1は、坑井を掘削及び生成するための例示のリグシステム100の部分概略斜視図である。坑井は、地表から地中を通って1つ又は複数の関心のある地下ゾーンまで延在することができる。例示のリグシステム100は、地面の上方に配置されたドリルフロア102と、坑口104と、リグ構造によって支持されたドリルストリングアセンブリ(組立体)106と、坑井からの使用済み掘削流体を濾過してクリーンな掘削流体をドリルストリングアセンブリ106へ供給する流体循環システム108と、リグシステム100上の1つ又は複数のコンポーネントをリアルタイムで監視するための監視システム300(画像センサ301及びオンサイトエッジゲートウェイ303を含み、より詳細には後で説明する)と、を含む。例えば、
図1の例示のリグシステム100は、坑井上でドリルストリングアセンブリ106を支持するリグシステム100を用いて掘削作業を実行できるドリルリグとして示されている。坑口104を利用して、ケーシング又は他の坑井コンポーネント若しくは坑井機器を、坑井の坑井穴の中に支持することができる。
【0044】
デリック又はマストは、ドリルフロア102に取り付けられて坑井穴の上方に配置された支持フレームワークであり、掘削作業中にドリルストリングアセンブリ106のコンポーネントを支持する。クラウンブロック112は、デリックの長手方向に固定された上部を形成し、ワイヤロープ又はケーブルのセットを含む掘削ラインでトラベリングブロック114に接続する。クラウンブロック112及びトラベリングブロック114は、スイベル116、ケリー118、又はトップドライブシステム(不図示)を介してドリルストリングアセンブリ106を支持する。ドリルストリングアセンブリ106のクラウンブロック112に対するトラベリングブロック114の長手方向の動きは、ドリルストリングアセンブリ106を長手方向に上下に動かすように作用する。トラベリングブロック114及び回転フックに接続されて吊るされたスイベル116は、ドリルストリングアセンブリ106の自由な回転を可能にし、ケリーホース120への接続を提供する。ケリーホース120は、循環システム108の掘削流体供給部からドリルストリングアセンブリ106へ掘削流体を流すホースである。ドリルフロア102に取り付けられたスタンドパイプ122は、ケリーホース120の少なくとも一部をドリルストリングアセンブリ106に近接した位置に導く。ケリー118は、スイベル116から吊り下げられ、ドリルストリングアセンブリ106の長手方向の上部に接続された六角形の装置である。ケリー118は、ドリルストリングアセンブリの回転テーブル142が回転するときに、ドリルストリングアセンブリ106と共に回転する。
【0045】
図1の例示のリグシステム100では、ドリルストリングアセンブリ106は、ドリルストリングの長手方向の下端にドリルビット(不図示)を備えたドリルパイプで構成されている。ドリルストリングアセンブリ106は、より詳細に後で説明され、より詳細な視図が
図2に示される。ドリルパイプは、中空鋼管を含むことができる。ドリルビットは、ブレード、ディスク、ローラ、カッタ、又はこれらの組み合わせなどの切削工具を含み、地層を掘り込み、坑井穴を形成することができる。ドリルビットは、軸方向荷重とドリルストリングアセンブリ106の回転との複合効果の下で、回転し、地表下の岩層を貫通する。実施によっては、ケリー118及びスイベル116を、ドリルストリングアセンブリ106が回転及び掘削できるようにするトップドライブと交換することができる。坑口アセンブリ104は、ドローワークス124及びデッドラインアンカ126も含むことができる。ドローワークス124は、掘削ラインを巻いて出し入れして、ドリルストリングアセンブリ106をファストライン125によって上下させる巻き上げシステムとして機能するウインチを含む。デッドラインアンカ126は、デッドライン127によってドローワークス124の反対側の掘削ラインを固定し、回転フックの吊り荷重(又はフック荷重)を測定できる。ドリルビットが坑井穴の底にあるときに、ビット上の重量(WOB)を測定できる。坑口アセンブリ104は、坑井の地表101で、ドリルフロア102の下に(接続されることが多いが)配置された噴出防止装置150も含む。噴出防止装置150は、地層流体が坑井穴に入り、掘削流体を押しやり、大気圧よりも高い圧力で地表に流れることによって引き起こされる坑井の噴出を防止するように作用する。噴出防止装置150は、ドリルストリングアセンブリ106の周りを(及び場合によってはそのドリルストリングを通して)閉じて、ドリルストリングと坑井穴の壁との間の空間を密閉することができる。噴出防止装置150は、より詳細には後述する。
【0046】
坑井の掘削作業中、循環システム108は、掘削流体を坑井穴からドリルストリングアセンブリ106に循環させ、坑井穴からの使用済みの掘削流体を濾過し、クリーンな掘削流体をドリルストリングアセンブリ106に供給する。例示の循環システム108は、ケリーホース120及びスタンドパイプ122を介してドリルストリングアセンブリ106に対して流体的に接続しかつ掘削流体を供給する流体ポンプ130を含む。循環システム108は、流出ライン132、シェールシェーカ134、沈下ピット136、及び吸引ピット138も含む。掘削作業において、循環システム108は、掘削流体を、地表から、ドリルストリングアセンブリ106を通して、ドリルビットの外へ汲み上げ、坑井穴の環状部を逆流させる。ここで、環状部は、ドリルパイプと地層又はケーシングとの間の空間である。掘削流体の密度は、地層流体が環状部に入って地表へ流れるのを防ぐために地層圧力よりも大きくなるように、かつ、地層の機械的強度よりも小さくなるように意図されている。というのは、より大きな密度は地層に亀裂を入れ、これにより掘削流体が地層へ流れ込むための通路を生成する可能性があるからである。坑井制御とは別に、掘削流体は、ドリルビットも冷却し、岩屑を、掘削された地層から環状部を上り、地表まで上昇させ、掘削流体が再びドリルストリングアセンブリ106にポンプダウンされる前に濾過及び処理されるようにする。掘削流体は、岩屑とともに環状部に戻り、シェールシェーカ134に接続して流体を供給する流出ライン132へ流出する。フローラインは、掘削流体を環状部からシェールシェーカ134へ導く傾斜したパイプである。シェールシェーカ134は、粗い岩屑を掘削流体から分離するためのメッシュ状の表面を含む。より細かい岩屑及び掘削流体は、次に、沈下ピット136を通って吸引ピット136へ進む。循環システム108はマッドホッパ140を含む。マッドホッパ140の中には、材料(例えば、分散、迅速な水和、及び均一な混合を供給するためのもの)を入れて循環システム108へ導入することができる。流体ポンプ130は、掘削流体を、スイベル116を通してスタンドパイプ122を上げ、ドリルストリングアセンブリ106の中へ戻るように循環させて坑井の中へ戻す。
【0047】
例示の坑口アセンブリ104は、様々な形式をとることができ、いくつかの異なるコンポーネントを含むことができる。例えば、坑口アセンブリ104は、
図1に示す例に追加の又は異なるコンポーネントを含むことができる。同様に、循環システム108は、
図1に示す例に追加の又は異なるコンポーネントを含むことができる。
【0048】
図2は、坑井の上部にある噴出防止装置150に関連する管状体101を示す。管状体101は、接続部105(例えば、溶接接続部、ねじ接続部、ジョイント接続部、又はこれらの組み合わせ)によってエンドツーエンド(管端突き合わせ)で接続された複数の管状体部分103を含むことができる。一例として、管状体101はドリルストリングアセンブリの一部であり、管状体部分103はドリルパイプであり、接続部105はドリルパイプを一緒に接続するツールジョイントであり得る。管状体101は、噴出防止装置150を介して、坑井の中へ又は坑井から外へ移動することができる。
【0049】
以下の記載では、管状体101を坑井の中へ移動させる操作に適用できるシステム及び方法について述べるが、このシステム及び方法は任意に管状体101を坑井の外へ移動させる操作に適用できることは言うまでもない。噴出防止装置150は、坑井からの地層流体の制御されていない放出である噴出を防ぐために、坑井を密封するように閉じることができる、坑井の上部にあるバルブ(又は複数バルブの組立体)である。噴出防止装置150は、複数の噴出防止装置バルブを含むことができる。例えば、噴出防止装置150は、1つ又は複数の環状噴出防止装置151、1つ又は複数のラム噴出防止装置153、又は両方の組み合わせを含むことができる。
【0050】
それぞれの環状噴出防止装置151は、ドーナツ型のゴム製シールで、様々なサイズの管状体101の周囲を閉じて、管状体101とケーシング(又はオープンホール)との間の環状部からの流出を防ぐことができる。閉じている間であっても、環状の噴出防止装置151は、密封を破ることなく、管状体101を回転及び移動することを可能にすることができる。典型的には、噴出防止装置150は、(
図2に示すように)上部に少なくとも1つの環状噴出防止装置151を、そして環状噴出防止装置151の下に1つ又は複数のラム噴出防止装置153を含む。
【0051】
それぞれのラム噴出防止装置153は、強制的に合わせられて坑井を密封できる2つの半割り部153a、153b(ラム又はラムブロックと呼ばれることが多い)を含むことができる。ラムブロック(153a、153b)は、液圧シリンダを用いて強制的に合わせることができる。ラムブロック153a、153bは、鋼で構成することができ、それぞれのシール面にエラストマ部品を取り付けることができる。ラムブロック153a、153bは、様々な構成で提供できる。例えば、オープン坑井の場合、ラムブロック153a、153bは、合わせ面で平らにすることができる。実施によっては、ラムブロック153a、153bは、管状体101が坑井の中にあるときに坑井を密封できるように、又は閉じたラムブロック153a、153bから管状体101を離すことができるように、坑井の中へ移動する管状体101の直径に対応する円形の切り欠きを中央に有するように設計される。実施によっては、ラムブロック153a、153bは、管状体101を裁断するように動作可能であり、ラムブロック153a、153bは、鋼製切断面を有する往復動工具を備え、閉じている時に管状体101を切断し、管状体101の切断後に坑井を密封することを可能にする。
【0052】
噴出防止装置150を閉じて、坑井からの地層流体の制御されていない放出を防ぐ必要がある場合、管状体101の周囲を又は管状体101を通して閉じる噴出防止装置150のコンポーネントは、接続部105又は他の不適合な形状又はサイズを避けることが望ましい。例えば、管状体101がドリルストリングの一部であり、接続部105がツールジョイントである場合、噴出防止装置150の閉じるためのコンポーネント(ラムブロック153a、153bなど)は、ツールジョイント接続部105のいずれとも一列に並ばないことが望ましく、それにより噴出防止装置150による管状体101の密封又は裁断がうまく行かないリスクが軽減又は排除される。
図2に示す例では、上部2つのラム噴出防止装置153を閉じることは許容されるが、下部のラム噴出防止装置153のラムブロック153a、153bが下部のツールジョイント接続部105と一列に並ぶため、下部のラム噴出防止装置153を閉じることは望ましくないはずである。本開示に記載するシステム及び方法を用いて、そのような条件(例えば、ラムブロック153a、153bと接続部105との並びぐあい)を特定することができ、かつ、望ましくない結果(例えば、接続部105の周囲で又は接続部105を通してラムブロック153a、153bを閉じること)を防止することができ、又は管状体101をそのような状態の外へ持って行く(例えば、接続部105のいずれもラムブロック153a、153bのいずれとも一列に並ばないように管状体を動かすことによって)ことができる。実施によっては、その分析及び応答は、噴出防止装置150を封じ込める(すなわち、閉じる)要求に応じて、監視システム300によって完全に自動化できる。自動化された応答により、坑井を、迅速に、安全に、且つ首尾よく、封じ込めることができる。
【0053】
図1に示すリグシステム100は、ドリルストリングアセンブリ106のコンポーネントを監視する監視システム300を含むことができる。
図3Aを参照すると、監視システム300を用いて、坑井の中へ移動する管状体101を監視できる。監視システム300は、坑井の中へ移動する管状体101の1つ又は複数の画像又はビデオを捕捉できる画像センサ301(例えば、カメラ)を含む。画像センサ301は、捕捉された1つ又は複数の画像又はビデオを画像フィードとして提供できる。画像センサ301は、画像センサ301に対してローカルな(すなわち、画像センサ301の近くに配置されている)オンサイトエッジゲートウェイ303に通信可能に結合されている。実施によっては、画像センサ301は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、セルラ、又は近距離無線通信(NFC)によって、オンサイトエッジゲートウェイ303と無線で通信することができる。実施によっては、画像センサ301は、有線接続によってオンサイトエッジゲートウェイ303に通信可能に結合できる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301からの画像フィードを受信して処理するように構成することができる。
【0054】
画像センサ301は、コンポーネントの検出を提供し、コンポーネントの準備段階又は動作中にコンポーネントの画像フィードを捕捉できる。画像センサ301は様々な形態をとることができる。例えば、画像センサ301は、スマート(高性能の、コンピュータ制御の、ハイテクの)、防水、高解像度、無線、又はこれらの特徴の組み合わせであるカメラなどのカメラを含むことができる。例えば、画像センサ301は、電荷結合素子(CCD)カメラ、マシンビジョンカメラ、CCDマシンビジョンカメラ、デジタルカメラ、赤外線カメラ、X線カメラ、熱(サーマル)カメラ、音響カメラ、紫外線カメラ、超音波画像カメラ、磁気共鳴画像(MRI)カメラ、ポイントクラウドスキャナ、レーザースキャナ、Lidarスキャナ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。場合によっては、画像センサ301は、紫外線(UV)フィルタ、赤外線(IR)フィルタ、又はこれらの組み合わせ、又は別のフィルタタイプなどの光学フィルタを含む。実施によっては、画像センサ301は、コンポーネント又は約50マイクロメートルのオーダーのサイズの欠陥を識別するのに十分な解像度を有することができる。画像センサ301は、コンポーネントの非侵襲的画像捕捉であり、ゲートウェイ303へ画像フィードを提供する。
図3Aの監視システム300は1つの画像センサ301のみを示しているが、監視システム300は、ドリルストリングコンポーネントの周りに配置された複数のカメラなど、複数の画像センサを含むことができる。実施によっては、複数の画像センサが、コンポーネントの3次元モデルを表す画像フィードをゲートウェイ303に提供できる。例えば、複数の画像センサ301は、コンポーネントの周りに均一に又は不均一に配置されて、コンポーネントの3次元ビューを表す画像フィードをゲートウェイ303へ提供できる。例えば、複数の画像センサ301を、異なる位置及び角度にして、コンポーネントの3次元ビューを表す画像フィードをゲートウェイ303へ提供できる。画像センサ301は、コンポーネントの画像フィードを提供するためにそのコンポーネントに向けられているとすれば、リグシステム100の周りのどこにでも配置できる。実施によっては、画像センサ301は、例えば、複数のビューにわたって又はコンポーネントの移動中に特定のコンポーネントを追跡するために、又はあるコンポーネントから別のコンポーネントへ切り替えるために、又はこれらの組み合わせのために、画像センサ301を移動させ及び位置決めできる可動支持体に取り付けられる。
【0055】
実施によっては、監視システム300は、画像センサ301に加えて、又はその代わりに、音声センサを含む。音声センサは、音声を捕捉し、ゲートウェイ303に音声フィードを提供できる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301からの画像フィードと併せて音声センサからの音声フィードを処理して、ドリルリグ(例えば、坑井の中へ移動する管状体101)の1つ又は複数の特性又はコンポーネントを識別できる。
【0056】
オンサイトエッジゲートウェイ303は、オンサイト(施設内)又はローカル(その場所)でリグ上に配置され、エッジ/フォグコンピューティングシステムとして機能する。言い換えれば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、オンサイトに配置されたコンピューティングコンポーネントを含み、オンサイトでは、画像センサ301からの画像フィードの分析を実行するコンピューティングコンポーネントがリグ上へローカルに配置されている。ゲートウェイ303のこのエッジ/フォグコンピューティングセットアップは、例えば、機能するために情報及びデータを転送したり、分析をリモートコンピューティングシステムにアウトソーシングしたりする必要がなく、ゲートウェイ303での処理及び分析をローカライズ(その場にとどめる)する。ゲートウェイ303は、後でより詳細に述べるように、画像センサ301からの入力の受信及び分析に用いられる1つ又は複数のプロセッサ及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含む。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、コンピュータ、処理ボード、プログラマブルロジックゲートウェイ、エッジ/フォグコンピュータ、又は入力及び出力機能を備えた任意の適切なコンピューティングデバイスであり得る。
【0057】
画像センサ301は、1つ又は複数の坑井コンポーネントの画像フィードをオンサイトエッジゲートウェイ303に提供し、ゲートウェイ303は、コンポーネントの保全性(インテグリティ。完全性とも言われる。)、位置、又は寸法の、今ある又は潜在的な故障を識別する。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、坑井の基準高さ(例えば、坑井の基準高さは、ドリルフロア又は坑口の高さとすることができる)に対して管状体101の接続部105の高さを特定できる。実施によっては、基準高さは、画像センサ301によって捕捉された1つ又は複数の画像の中に見える必要はない。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、データを入力する又は既知の情報を含むデータに修正することができる。既知の情報は、基準高さに対する画像センサ301の既知の高さ、管状体101からの画像センサ301の既知の距離、又は基準高さから既知の距離にある別の基準点などである。ゲートウェイ303は、コンポーネントの識別された状態に対する修理又は反応をすべてリアルタイムで提案する(及び場合によっては実行する)こともできる。リアルタイムとは、例えば、画像フィードが画像センサ301からゲートウェイ303へ連続的且つ瞬時に提供され、特定の動作パラメータ、動作状態、及びコンポーネントの特徴に関する故障モードの識別及び特定が瞬時に起こることを意味し得る。
【0058】
オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301から画像フィードを受信し、掘削リグ(例えば、坑井の中へ移動する管状体101)の1つ又は複数の特性又はコンポーネントを識別するために、画像センサ301によって捕捉された1つ又は複数の画像を処理及び分析するように構成されている。画像フィードの処理及び分析は、ターゲットの坑井コンポーネントの動作パラメータを特定すること、動作パラメータから坑井コンポーネントの動作状態を決定すること、及び場合によっては、動作状態がコンポーネントの、近くのコンポーネントの、又はシステムの、故障閾値を満たしていると特定することを含むことができる。故障閾値は、例えば、ドリルストリングツールジョイントとBOPとの間の最小距離閾値を含むことができる。この特定に基づいて、ゲートウェイ303は自動化ルールを促すことができる。自動化ルールは変わることができ、後で詳しく述べるように、制御可能な装置を駆動するための信号又は命令の送信を含むことができる。コンポーネントの動作状態が故障閾値を満たしているいくつかの例では、ゲートウェイ303は、主体的で、予防的なアクションを提案するか、実行するか、又は提案と実行の両方を行うことができる。
【0059】
画像処理には、例えば、前処理、画像補正、画像セグメンテーション、特徴抽出、画像分類、ターゲット検出、パターン認識、エッジ検出、ウェーブレット、ピクセル化、テクスチャ、接続コンポーネントベースのアプローチ、原理及び独立成分分析、記述子ベースの方法、線形フィルタリング、異方性拡散、グレーレベルセグメンテーション、閾値処理方法、機械学習、人工知能、空間ドメインフィルタリング、周波数ドメインフィルタリング、又はこれらの組み合わせが含まれる。実施によっては、画像処理は、捕捉された画像を標準又はモデルと比較することを含む。
【0060】
監視システム300が検査する坑井コンポーネントは、例えば、画像センサ301のターゲット対象に基づいて、変わることができる。
図1の例示のリグシステムに関連して、画像センサ301は、ドリルパイプなどのドリルストリングアセンブリ106のコンポーネントに向けることができる。とはいえ、画像センサ301は、ドリルストリングアセンブリ106の異なるコンポーネントの又はリグシステム100上の別のコンポーネントの画像フィードに向けられ、その画像フィードを提供できる。例えば、坑井コンポーネントには、ドリルパイプ、ドリルパイプ接続部(ツールジョイントなど)、ドリルパイプカラー、重量ドリルパイプ及びカラー、クロスオーバーサブ、管状体、スタビライザ、パッカ、ドリルジャー、ダウンホールモータ、リーマ、ドリルビット、ドリルビットサブ、ケーシングコンポーネント(例えば、ケーシング、ライナ、ケーシングカラー、ケーシングセントラライザーなど)、又はこれらのコンポーネントの組み合わせ、又は他のコンポーネントが含まれる。事例によっては、画像センサ301は、リグシステム100のコンポーネントに向けられ、監視システム300は、リグシステム100の動作中に、リグシステム100のコンポーネントの保全性を検査し且つ監視する。
【0061】
実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301によって捕捉された1つ又は複数の画像に基づいて、接続部105を管状体101の管状体部分103から区別するように構成されている。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、接続部105を識別するために物体検出部を実装できる。例えば、接続部105が管状体部分103とは異なる外径を有する場合(これは、ドリルパイプの管状体部分103を一緒に接続するツールジョイント接続部105に典型的である)、オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301からの1つ又は複数の画像を処理し、管状体部分103と比較して接続部105の異なる外径に基づいて接続部105を識別できる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、接続部105に対応する特定の特性(例えば、特徴的な外径又は色)を検出して、管状体101の接続部105を識別するように修正することができる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、管状体101が坑井の中へ移動する又は坑井から取り出されるときの管状体101の振動などの動的特徴を検出するように構成されている。正確な監視を確実にするために、画像センサ301は、管状体101が坑井の中へ移動する間、少なくとも1つの接続部105(又は接続部105に対応する他の特性)が画像センサ301に常に見えるように位置決め及び角度付けされることが望ましいであろう。
【0062】
坑井の基準高さに対する接続部105の特定された高さに基づいて、オンサイトエッジゲートウェイ303は、動作状態を決定し、自動化ルールに動作状態が含まれるかどうかを特定するように構成されている。例えば、動作状態は、噴出防止装置150に対する接続部105の並び位置とすることができ、自動化ルールは、接続部105が噴出防止装置150と一列に並ぶ状態とすることができる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、例えば、坑井の基準高さに対する噴出防止装置150の既知の高さ、及び、坑井の基準高さに対する接続部105の特定された高さに基づいて、並び位置を特定するように構成され得る。噴出防止装置150に対する接続部105の並び位置は、ラム噴出防止装置153のラム153a、153bに対する接続部105の並び位置とすることができる。実施によっては、自動化ルールは、動作状態と閾値との比較である。動作状態が閾値内か又は閾値と等しい場合、自動化ルールには動作状態が含まれていないと見なすことができる。動作状態が閾値を超える場合、自動化ルールには動作状態が含まれていると見なすことができ、それに応じて適切なアクションを開始する必要がある。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303が、ツールジョイント105の1つはラム噴出防止装置153のいずれか1つと一列に並ぶ位置から1フィート(約0.3m)以内(閾値「近傍」値の例)にあると特定した場合、動作状態は自動化ルール内にあると判定される。
【0063】
オンサイトエッジゲートウェイ303が、動作状態は自動化ルールに含まれていると判定した場合(例えば、噴出防止装置150に対する接続部105の並び位置が、接続部105が噴出防止装置150と一列に並ぶ位置である)、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、遠隔地(例えば、制御室に配置された制御パネル350)内の制御可能な装置を駆動するように構成されている。例えば、信号により、制御パネル350に、噴出防止装置150が閉じるのに望ましい状態ではないという警告をオペレータに対して表示させることができる。オペレータは、その後、例えば、管状体101の位置を調整するための又は閉じるのに望ましい状態にある噴出防止装置150の特定のコンポーネントのみを閉じるための、アクションを起こすことができる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、意思決定を行い、自動的に応答を開始できる。例えば、ゲートウェイ303によって送信される信号は、接続部105がもはや噴出防止装置150と一列に並ばないように、制御パネル350に別の信号を送信させて、管状体101の位置を自動的に調整する(又は管状体101の移動速度を調整する)ことができる。例えば、ゲートウェイ303によって送信される信号は、接続部105が噴出防止装置150ともはや一列に並ばないように、ランニングシステム(すなわち、管状体101を坑井の中へ移動させること)にその速度を調整させることができる。
【0064】
実施によっては、噴出防止装置150に対する接続部105の並び位置について、接続部105が噴出防止装置150と一列に並んでいないと、オンサイトエッジゲートウェイ303が判定した場合、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して制御パネル350に「グリーンライト」(ゴーサイン)をオペレータに対して表示させることができる。グリーンライトは、噴出防止装置150が接続部105の周囲で又は接続部105を介して閉じるリスクがなく、噴出防止装置150が閉じる状態にあることを表す。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、意思決定を行い、自動的に応答を開始できる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303が、噴出防止装置150は閉じるのに望ましい状態にある、と特定した場合、ゲートウェイ303は、坑井の封じ込め要求に応答して、噴出防止装置150を自動的に閉じる信号を送信することができる。
【0065】
図3Aに示すように、噴出防止装置150は、複数のラム噴出防止装置153及び複数の接続部105を含むことができ、オンサイトエッジゲートウェイ303は、接続部105のそれぞれがラム噴出防止装置153のそれぞれに関連することを適切に特定することができる。例えば、
図3Aでは、最下部の接続部105は、最下部のラム噴出防止装置153と一列に並んでいるが、他の2つのラム噴出防止装置153とは一列に並んでいない。オンサイトエッジゲートウェイ303は、この構成を特定し、この状態を表す信号を制御パネル350に提供できる。実施によっては、この信号によって、最下部以外の2つのラム噴出防止装置153は閉じるのに望ましい状態であるけれども最下部のラム噴出防止装置153は閉じるのに望ましい状態ではないという警告を、オペレータに対して、制御パネル350に表示させることができる。次に、オペレータは、最下部のラム噴出防止装置153を開いたままにしながら、他の2つのラム噴出防止装置153の一方又は両方を閉じることを選択できる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、坑井の中へ移動する管状体101を監視し続けることができ、オンサイトエッジゲートウェイ303が、ラム噴出防止装置153のいずれもが接続部105のいずれとも一列に並んでいないと特定すると、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、制御装置350に、オペレータに対して「グリーンライト」を表示させることができる。次に、オペレータは、ラム噴出防止装置153のいずれについても閉じることを選択できる。実施によっては、信号により、制御パネル350が管状体101の位置を自動的に調整する(又は管状体101の移動速度を調整する)ことができ、その結果、接続部105のいずれもがラム噴出防止装置153のいずれとも一列に並ばない。実施によっては、信号を、作動時にアクション(管状体101の位置を調整するなど)を実行又は開始できる1つ又は複数のアクチュエータ(バイナリ又は連続的な)へ送信できる。アクチュエータのいくつかの限定されない例には、空圧アクチュエータ、電気アクチュエータ、電磁アクチュエータ、電気機械式アクチュエータ、マイクロアクチュエータ、及びナノアクチュエータが含まれる。
【0066】
実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、坑井の中へ移動する管状体101の移動速度を特定するように構成することができる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301によって捕捉された2つの画像を処理して、2つの画像を捕捉するインスタンス間で基準点(例えば、接続部105)が移動した距離を特定できる。捕捉している2つの画像間の距離及び時間に基づいて、オンサイトエッジゲートウェイ303は、坑井の中へ移動する管状体101の移動速度を特定できる。実施によっては、管状体101の予想した移動速度をオンサイトエッジゲートウェイ303に入力することができ、オンサイトエッジゲートウェイ303は、管状体101の特定された移動速度を予想した移動速度と比較して、管状体101が計画通りに坑井の中へ移動していることを確認(検証)することができる。管状体101の予想した移動速度と特定された移動速度との差が移動速度差許容値の閾値を超える場合、オンサイトエッジゲートウェイ303は、警告信号を制御パネル350へ送信して、管状体101は計画通りではない速度で坑井の中へ移動していることを、オペレータへ警告できる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、管状体101の移動速度を自動的に調整でき、その結果、予想した移動速度と特定された移動速度101との間の差は減少して、移動速度差許容値の閾値内に収まる。
【0067】
制御室にいるオペレータは、噴出防止装置150を閉じるべきであると決定するかもしれない(例えば、キックが検出されたため)。オペレータは、制御パネル350を用いて、噴出防止装置150が閉じられることになっていることを示す信号をオンサイトエッジゲートウェイ303へ送信できる。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303(噴出防止装置150が閉じられることになっていることを示す信号を受信することに応じている)は、接続部105の特定された1つ又は複数の高さ及び管状体101の特定された(又は入力された)移動速度に基づいて、噴出防止装置150が閉じるのに望ましい状態(例えば、接続部105のいずれもがラム噴出防止装置153のいずれとも一列に並ばない)にあるかどうかを特定するように構成することができる。オンサイトエッジゲートウェイ303が、噴出防止装置150が閉じるのに望ましい状態にあると特定した場合、オンサイトエッジゲートウェイ303を、噴出防止装置150を自動的に閉じるように構成することができる(例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を噴出防止装置150へ送信して、環状噴出防止装置151及び1つ以上のラム噴出防止装置153を閉じることができる)。
【0068】
オンサイトエッジゲートウェイ303が、噴出防止装置150が閉じるのに望ましい状態にないと判定した場合、オンサイトエッジゲートウェイ303を、以下のアクションのうちの1つ又は複数を実施するように構成することができる。オンサイトエッジゲートウェイ303を、次のインスタンスを特定するように構成することができる。次のインスタンスは、接続部105の特定された1つ又は複数の高さと、管状体101の特定された(又は入力された)移動速度とに基づいて、噴出防止装置150が閉じるのに望ましい状態になることである(例えば、坑井の中へ移動する管状体101が、接続部105のいずれもがラム噴出防止装置153のいずれとも一列に並ばない位置まで移動するのに要する時間を特定する)。オンサイトエッジゲートウェイ303を、噴出防止装置が閉じるのに望ましい状態になるという特定された次のインスタンスまで待機し、その後、噴出防止装置150を自動的に閉じるように構成することができる。
【0069】
場合によっては、噴出防止装置150が閉じるのに望ましい状態に達するのを待つのに十分な時間がない。そのような場合、オンサイトエッジゲートウェイ303を、噴出防止装置150を閉じるのに望ましい状態にする管状体101の適切な位置調整を特定するように構成することができる。適切な位置調整は、接続部105の特定された1つ又は複数の高さと、管状体101の特定された(又は入力された)移動速度とに基づいて特定できる。位置調整は、管状体101の坑井の中への移動速度を増加させること、又は管状体101の移動速度を低下させることを含むことができる。オンサイトエッジゲートウェイ303を、特定された適切な位置調整に従って、管状体101を自動的に移動させるように構成することができる(例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、特定された適切な位置調整に従って管状体101を移動させることができる)。いったん噴出防止装置150に関連する管状体101の位置が、噴出防止装置150を閉じるのに望ましい状態になると、オンサイトエッジゲートウェイ303を、坑井への又は坑井からの管状体101の移動を停止するように構成することができる(例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、管状体101が坑井の中へ移動するメカニズムを停止させることができる)。
【0070】
実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303を、管状体101が制御されていない方法で坑井の中へ移動しているかどうか判定するように構成することができる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、管状体101が予想した移動速度とは異なる速度で坑井の中へ移動しているかどうかを検出できる。管状体101が制御されていない方法で坑井の中へ移動していると特定することに応じて、オンサイトエッジゲートウェイ303を、有害な結果の可能性を軽減するための操作を自動的に実行するように構成することができる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、坑井の中へ移動する管状体101の移動速度を自動的に低下させるように構成できる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303を、管状体101を坑井の中へ移動するために用いられるランニングツールを遮断するように構成することができる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303を、(前述のように)噴出防止装置150を閉じるように構成することができる。
【0071】
図3Bは、別の例示の監視システム300を示す。前述のように、監視システム300は、画像センサ301及びオンサイトエッジゲートウェイ303を含む。監視システム300は、追加のセンサ(センサ301a、301b、・・・、301nなど)を含むことができる。追加のセンサ(例えば、センサ301a)は、1つ又は複数の追加の画像センサ、1つ又は複数の音声センサ、1つ又は複数の熱(サーマル)センサ、1つ又は複数の振動センサ、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。追加のセンサのそれぞれ(例えば、センサ301a、301b)は、リグ上に、例えば、地表上又はダウンホール(すなわち、坑井内)に、配置できる。1つ又は複数のセンサ(301、301a、301b、・・・、301n)をオンサイトエッジゲートウェイ303に無線で接続できる。実施によっては、すべてのセンサは、オンサイトエッジゲートウェイ303に無線で接続されている。
【0072】
オンサイトエッジゲートウェイ303は、そのゲートウェイ303に様々な操作を行わせるために実行できる1つ又は複数のアプリケーションを含むことができる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、1つ又は複数のセンサ(例えば、画像センサ301及び1つ又は複数の追加のセンサ301a、301bなど)からデータを取得でき、データをプロセスレイヤへ送信できる。そのプロセスレイヤでは、1つ又は複数の処理操作を実行できる。例えば、プロセスレイヤにおける処理操作は、アナログ信号処理、デジタル信号処理、画像/ビデオ処理、パターン認識、エッジ検出、ウェーブレット変換処理、ピクセル化処理、テクスチャ処理、コンポーネントベースのアプローチ接続操作、主成分分析、独立成分分析、記述子ベースの方法、線形フィルタリング、異方性拡散操作、グレーレベルセグメンテーション、画像閾値、空間ドメインフィルタリング、周波数ドメインフィルタリング、又はこれらの操作の任意の組み合わせを含むことができる。プロセスレイヤからの処理済みデータは、分析モジュールへ送信できる。分析モジュールは、1つ又は複数の分析操作を実行できる。例えば、分析モジュールにおける分析操作は、例えば、検出、故障、又は予測モデルに基づいた機械学習アルゴリズム又は人工知能アルゴリズムを含むことができる。このようなアルゴリズムは、データ駆動型モデル、物理学モデル、又は物理学とデータ駆動との両方のモデルに基づくことができる。分析操作は、データのパターンを識別するために実行される。識別されたパターンから予測を行って、例えば、噴出防止装置150に対する、管状体101のツールジョイントの不正確な位置決め又は間隔に関連付けられた問題を軽減又は防止できる。取得されたデータ、処理されたデータ、処理操作からの結果、分析操作からの結果、又はこれらの組み合わせを、オンサイトエッジゲートウェイ303に格納できる。
【0073】
オンサイトエッジゲートウェイ303は、リグシステム100の他のコンポーネントと通信して、そのコンポーネントを作動させることができる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、リグシステム100に対して介入アクションを自動的に開始するように、又はオペレータへ通知を提供してリグシステム100に対して手動介入アクションを実行するようにオペレータに命令できる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、リグシステム100のコンポーネントを作動させることができる(例えば、警報を発する、又は、バルブを閉じる)。オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、掘削ダイナミクス操作又は測定を開始できる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、掘削液圧操作又は測定を、開始、変更、又は停止できる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、警告、警報を発生させ、安全メカニズムを作動させ、又は別の健康及び安全関連のアクションをトリガ(始動)できる。オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を送信して、掘削の最適化、自動化、又はその両方を改善できる。例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、掘削の最適化、自動化、又はその両方で用いられるパラメータを提供できる。実施によっては、1つ又は複数のパラメータを、リグシステム100の1つ又は複数のコンポーネントからオンサイトエッジゲートウェイ303へ送信して、オンサイトエッジゲートウェイ303によって実行される操作及び計算を改善できる。オンサイトエッジゲートウェイ303によって実行されるすべての操作及び計算は、リグ上でローカルに行われる。
【0074】
実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303をクラウドに通信可能に結合できる。クラウドを用いて、オンサイトエッジゲートウェイ303によって取得されたデータを格納できる。クラウドを用いて、テラバイトのデータなど、大量のデータを格納できる。オンサイトエッジゲートウェイ303とは別に、クラウド内で様々な操作を実行できる。例えば、深層学習アルゴリズム、機械学習アルゴリズム、人工知能アルゴリズム、ビッグデータ分析、又はこれらの任意の組み合わせを、クラウド内で実行できる。実施によっては、1つ又は複数の最適化パラメータは、そのような操作の1つ又は複数のいずれかによって特定でき、1つ又は複数の最適化パラメータをオンサイトエッジゲートウェイ303へ送信して、オンサイトエッジゲートウェイ303によって実行される操作及び計算を改善できる。クラウド内で実行する操作を、リグ上でローカルに実行する必要はない。
【0075】
図4A、
図4B、及び
図4Cは、坑井の中へ移動する管状体101の進行状態を示す。
図4Aでは、管状体101の接続部105の1つが最上部のラム噴出防止装置153と一列に並ぶ一方、他の2つのラム噴出防止装置153は、接続部105のいずれとも一列に並ばない。オンサイトエッジゲートウェイ303(
図4Aに不図示)は、この構成を特定し、例えば、この構成を表す遠隔地の制御パネル350へ信号を送信できる。例えば、信号によって、最上部のラム噴出防止装置153は閉じる状態にないが他の2つのラム噴出防止装置153は閉じる状態にあることを示す構成の画像を、制御装置350がオペレータへ表示することができる。
【0076】
図4Bでは、管状体101の接続部105の1つが中央部のラム噴出防止装置153と一列に並ぶ一方、他の2つのラム噴出防止装置153は、接続部105のいずれとも一列に並ばない。オンサイトエッジゲートウェイ303(
図4Bに不図示)は、この構成を特定し、例えば、この構成を表す遠隔地の制御パネル350へ信号を送信できる。例えば、信号によって、中央部のラム噴出防止装置153は閉じる状態にないが他の2つのラム噴出防止装置153は閉じる状態にあることを示す構成の画像を、制御装置350がオペレータへ表示することができる。
【0077】
図4Cでは、管状体101の接続部105の1つが最下部のラム噴出防止装置153と一列に並ぶ一方、他の2つのラム噴出防止装置153は、接続部105のいずれとも一列に並ばない。オンサイトエッジゲートウェイ303(
図4Cに不図示)は、この構成を特定し、例えば、この構成を表す遠隔地の制御パネル350へ信号を送信できる。例えば、信号によって、最下部のラム噴出防止装置153は閉じる状態にないが他の2つのラム噴出防止装置153は閉じる状態にあることを示す構成の画像を、制御装置350がオペレータへ表示することができる。
【0078】
図5は、オンサイトエッジゲートウェイ303の様々な入力、出力、及び機能の例を示すブロック図である。オンサイトエッジゲートウェイ303は、入力オペレータ(演算子)として、データ入力パラメータ、カメラ入力パラメータ、データログからのデータ、及び画像センサ301からの画像を受け入れることができる。不図示であるが、オンサイトエッジゲートウェイ303は、任意に、音声センサからの音声データなどの追加データを入力として受け入れることができる。実施によっては、オペレータ入力は「低頻度」データタイプと見なされ、そのデータタイプにおいて、データ入力は、例えば、平均して1日1回未満で変更される可能性がある。オペレータのデータ入力パラメータのいくつかの限定されない例として、管状体101の坑井の中への予想した移動速度(又は最小の予想した移動速度、最大の予想した移動速度、又はその両方)、管状体101の寸法(管状体部分103、接続部105、又は両方の組み合わせ、の寸法を含み得る)、噴出防止装置150の寸法(噴出防止装置150のコンポーネントの寸法を含み得る)、回転テーブル142の寸法及び動作特性、リグシステム100の操作及び設計パラメータ(最大移動速度やケーシングシューの深さなど)、及び閾値の許容値がある。実施によっては、カメラ入力は「高頻度」データタイプと見なされ、そのデータタイプにおいて、データ入力は、例えば、5秒に1回、1秒に1回、又はそれ以上の頻度で変化する可能性がある。カメラ入力パラメータのいくつかの限定されない例として、坑井の基準高さに対する画像センサ301の高さ、管状体101からの画像センサ301の距離、画像センサ301からの基準点の距離、坑井の基準高さに対する噴出防止装置150の高さ(これは、1つ又は複数の環状噴出防止装置151の相対的な高さ、1つ又は複数のラム噴出防止装置153の相対的な高さ、又は両方の組み合わせ、を含むことができる)、及び修正データがある。
【0079】
オンサイトエッジゲートウェイ303は、入力データを処理し、出力データを生成できる。出力データのいくつかの限定されない例として、予想した掘削動作からの実際の掘削動作の偏差、掘削ログデータ、別の装置から受信した生データ(画像センサ301によって捕捉された画像データなど)、処理されたデータ(画像センサ301によって捕捉された画像データの画像処理の結果など)、管状体101の検出された振動、噴出防止装置150のコンポーネントに対する管状体101(及びその接続部105)の構成(例えば、接続部105のいずれか1つと、ラム噴出防止装置153のいずれか1つのラムブロック153a、153bとの並びぐあい)を表す信号、及び動作基準を満たす検出された動作状態に基づいてアクチュエータをトリガする信号、がある。
【0080】
実施によっては、オペレータは、オンサイトエッジゲートウェイ303の出力に応じてアクションを起こす。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303の出力は、自動的にアクションを開始させる(例えば、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号をアクチュエータへ直接送信して、管状体101の位置を調整する)。
【0081】
図6に示す例では、坑井の基準高さは、ドリルフロアに配置された回転テーブル(RT)142である。回転テーブル142は対象のコンポーネントの上にあるので、以下の「高さ」は「深さ」として表され、これは負の高さであると理解できる(すなわち、大きさは等しいが符号が逆である)。環状噴出防止装置151(AP1)の深さは11.8フィート(約3.60メートル)である。最上部のラム噴出防止装置153(RP1)の深さは13.2フィート(約4.02メートル)である。中央部のラム噴出防止装置153(RP2)の深さは15.9フィート(約4.85メートル)である。最下部のラム噴出防止装置153(RP3)の深さは18.1フィート(約5.52メートル)である。
図7は、
図6と同じ例を示し、様々な接続部105(TJ0、TJ1、TJ2、TJ3、TJ4)を識別する。
図7に示す特定の例では、最下部のツールジョイント接続部105(TJ0)は、最上部のラム噴出防止装置153(RP1)と一列に並んでいる。
【0082】
この開示で説明される概念を、異なる方法で任意に適用して、リグの他の特性を監視できる。例えば、
図8は、回転テーブル142及び坑井の中へ移動する管状体101の鳥瞰図を示す。システム300を用いて、回転テーブル142に対する管状体101の位置を監視することができる。画像センサ301は、回転テーブル142及び管状体101のそのような画像を捕捉することができ、オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像を処理して、回転テーブル142の中心軸線からの管状体101の中心軸線の変位801を特定できる。変位801が中心軸線位置差許容値の閾値を超える場合、オンサイトエッジゲートウェイ303は、信号を、例えば制御パネル350へ送信して、管状体101が中心からずれすぎていることをオペレータへ警告する、又は管状体101の軸線の位置を調整することになるアクチュエータを自動的に作動させる(又は別の調整を行う)ことができる。
【0083】
図9は、リグシステム(リグシステム100など)を監視するための例示の方法900のフローチャートである。提示を明確にするため、本記載中の他の図の文脈で方法900について以下一般的に述べる。しかし、方法900は、任意の適切なシステム、環境、ソフトウェア、ハードウェア、又は、必要に応じてシステムと環境とソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実行できることが理解されるであろう。例えば、監視システム300(又は監視システム300を含む任意のシステム)を用いて、方法900を実施できる。実施によっては、方法900の様々なステップを、並行に、組み合わせて、ループで、又は任意の順序で、実行できる。
【0084】
ステップ902では、坑井の中へ移動する管状体(管状体101など)の1つ又は複数の画像が捕捉される。管状体101は、接続部(接続部105など)によって一緒に接続された第1の管状体部分及び第2の管状体部分(両者とも管状体部分103など)を含む。管状体101は、例えば、ツールジョイント105によって一緒に接続されたドリルパイプ103を含むドリルストリングであり得る。1つ又は複数の画像を、例えば、監視システム300の画像センサ301によって捕捉できる。1つ又は複数の画像を、監視システム300のオンサイトエッジゲートウェイ303への画像フィードとして提供できる。
【0085】
ステップ904では、坑井の基準高さに対する接続部105の高さが、捕捉された1つ又は複数の画像(ステップ902から)に基づいて特定される。オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像センサ301からの画像フィードとして提供された1つ又は複数の画像を処理及び分析して、接続部105の高さを特定できる。基準高さは、例えば、ドリルフロア102とすることができる。実施によっては、ステップ904での基準高さに対する複数の接続部105の高さ。ステップ904では、接続部105の高さを特定することは、接続部105を第1の管状体部分103及び第2の管状体部分103から区別することを含むことができる。前述のように、オンサイトエッジゲートウェイ303は、画像処理(例えば、エッジ検出)を実行して、既知の特性に基づいて1つ又は複数のコンポーネントを識別できる。例えば、ツールジョイント105の外径は、通常、ドリルパイプ103よりも大きいので、オンサイトエッジゲートウェイ303は、管状体101の直径に対してより大きな外径を検出することによって、ツールジョイント105をドリルパイプ103と区別できる。
【0086】
ステップ906では、特定された高さ(ステップ904から)に基づいて動作状態が決定される。動作状態は、例えば、リグシステム100の別のコンポーネント(噴出防止装置150など)に対する接続部105の並び位置とすることができる。実施によっては、並び位置は、噴出防止装置150のコンポーネント(例えば、ラム噴出防止装置153のラム153a、153b)に相対的なものである。例えば、接続部105がラム噴出防止装置153のうちの1つのラム153a、153bと一列に並んでいると特定された場合、ラム153a、153bに対する接続部105の並びぐあいを表す並び位置が決定される。実施によっては、管状体101が坑井の中へ(又は坑井から外へ)移動する速度は、画像センサ301によって提供された少なくとも2つの捕捉された画像に基づいて特定できる。例えば、2つの捕捉された画像間の時間差及び2つの捕捉された画像間の接続部105の変位に基づいて、オンサイトエッジゲートウェイ303は、管状体101が坑井の中へ移動する速度を計算できる。
【0087】
ステップ908では、ステップ906で決定された動作状態が自動化ルールに含まれるかどうかが特定される。自動化ルールは、例えば、接続部150が噴出防止装置150(又はラム噴出防止装置153などの噴出防止装置150のコンポーネント)と一列に並んでいる状態とすることができる。
【0088】
自動化ルールがステップ908で動作状態を含むと特定されたことに応じて、ステップ910で信号が送られて、制御可能な装置を駆動する。実施によっては、制御可能な装置は遠隔地にある(例えば、リグに対してローカルではない場所にある)。例えば、制御可能な装置は制御室にある。実施によっては、制御可能な装置は、制御室に制御パネル(制御パネル350など)を含み、信号によって制御パネルを駆動して、動作状態(ステップ906から)の画像を表示できる。実施によっては、制御可能な装置は警報器(リモート又はローカル)を含み、信号は警報器(音声又は視覚)をトリガ(始動)できる。実施によっては、制御可能な装置は、管状体101を坑井の中へ又は坑井から外へ移動させるランニングツールを含み、信号により、ランニングツールは、ランニングツールが管状体を坑井の中へ又は坑井から外へ移動させている速度を調整する。実施によっては、制御可能な装置は噴出防止装置150を含み、信号によって噴出防止装置150が閉じるようにする。
【0089】
図10は、本開示のいくつかの実施による、例示のコンピュータシステム1000のブロック図であり、記述されたアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー、及び本開示に記載された手順に関連付けられた計算機能を提供するために使用され得る。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、コンピュータシステム1000であり得るか、コンピュータシステム1000を含み得る。実施によっては、オンサイトエッジゲートウェイ303は、コンピュータシステム1000と通信することができる。
【0090】
図示されたコンピュータ1002は、サーバ、デスクトップコンピュータ、組み込み型コンピュータ、ラップトップ/ノートブックコンピュータ、無線データポート、スマートフォン、パーソナルデータアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータデバイス、又はこれらの内部にある1つ又は複数のプロセッサ(物理インスタンス、仮想インスタンス、又はこの両方を含む)といった任意のコンピューティングデバイスを包含することを意図している。コンピュータ1002は、ユーザ情報を受け付けることができる、キーパッド、キーボード、及びタッチスクリーンなどの入力デバイスを含むことができる。また、コンピュータ1002は、コンピュータ1002の操作に関連付けられた情報を伝達する出力デバイスを含むことができる。この情報は、デジタルデータ、ビジュアルデータ、オーディオ情報、又は情報の組み合わせを含むことができる。この情報は、グラフィカルユーザインタフェース(UI)(又はGUI)で表示することができる。一部の実装では、入力と出力には、ディスプレイポート(DVI-I+2xディスプレイポートなど)、USB 3.0、GbEポート、絶縁型DI/O、SATA-III(6.0 Gb/s)ポート、mPCIeスロット、これらの組み合わせ、又は他のポートを含む。エッジゲートウェイのインスタンスでは、コンピュータ1002は、組み込みのADLINK SEM 2.2などのスマートエンベデッドマネジメントエージェント(SEMA)、ADLINK MSDK+によってサポートされるクイックシンクビデオ(Quick Sync Video)技術などのビデオ同期化技術を含むことができる。いくつかの例では、コンピュータ1002は、ADLINKによるMXE-5400シリーズプロセッサベースのファンレス組み込み型コンピュータを含むことができるが、コンピュータ1002は、他の形態をとるか、又は他の構成要素(コンポーネント)を含むことができる。
【0091】
コンピュータ1002は、本開示で説明される主題を実行するために、クライアント、ネットワークコンポーネント、サーバ、データベース、パーシスタンス、又はコンピュータシステムのコンポーネントとして役割を果たし得る。図示のコンピュータ1002は、ネットワーク1030に通信可能に結合されている。いくつかの実施では、コンピュータ1002の1つ又は複数のコンポーネントは、クラウドコンピューティングベースの環境、ローカル環境、グローバル環境、及び複数の環境の組み合わせ、を含む環境内において動作するように構成することができる。
【0092】
概して、コンピュータ1002は、記載されている主題に関連付けられたデータ及び情報を受信し、送信し、処理し、格納し、及び管理するように動作可能な電子式コンピューティングデバイスである。いくつかの実施によれば、コンピュータ1002は、アプリケーションサーバ、電子メールサーバ、ウェブサーバ、キャッシングサーバ、ストリーミングデータサーバ、又は複数のサーバの組み合わせ、を含むことができるかこれらに通信可能に結合することができる。
【0093】
コンピュータ1002は、ネットワーク1030を介して、クライアントアプリケーションから(例えば、別のコンピュータ1002上で実行している)リクエストを受けることができる。コンピュータ1002は、ソフトウェアアプリケーションを用いて受信リクエストを処理することによって受信リクエストに応答することができる。また、リクエストは、コンピュータ1002へ、内部ユーザ(例えば、コマンドコンソールから)、外部パーティ(又は第三者)、自動化アプリケーション、エンティティ、個人、システム、及びコンピュータから送ってもよい。
【0094】
コンピュータ1002の各コンポーネントは、システムバスを用いて通信することができる。いくつかの実施では、コンピュータ1002のうちのいずれか又はすべてのコンポーネント(ハードウェアコンポーネント又はソフトウェアコンポーネントを含む)は、互いに又はインタフェース1004(又は両者の組み合わせ)と、システムバス上で通信(インタフェース接続)することができる。インタフェースは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、サービスレイヤ、又はAPI及びサービスレイヤの組み合わせを用いることができる。APIは、ルーチン、データ構造、及びオブジェクトクラスの仕様を含むことができる。APIは、コンピュータ言語に依存しない又は依存することができる。APIは、完全なインタフェース、単一の機能、又は一連のAPIを参照することができる。
【0095】
サービスレイヤは、コンピュータ1002に、又はコンピュータ1002に通信可能に結合された他のコンポーネント(図示されているか否かにかかわらず)に、ソフトウェアサービスを提供することができる。コンピュータ1002の機能は、このサービスレイヤを利用しているすべてのサービス消費者にアクセス可能であり得る。サービスレイヤによって提供されるサービスといったソフトウェアサービスは、定義されたインタフェースを介して再利用可能な定義された機能を提供することができる。例えば、そのインタフェースは、Java(登録商標)、C++、又は拡張マークアップ言語(XML)フォーマット、で記述されたソフトウェアであり得る。API又はサービスレイヤは、コンピュータ1002の統合コンポーネントとして示されているが、代替の実施は、コンピュータ1002の他のコンポーネント及びコンピュータ1002に通信可能に結合された他のコンポーネントに関して、スタンドアロンコンポーネントであり得る。さらには、API又はサービスレイヤのいずれか又はすべての部分は、本開示の範囲から逸脱することなく、別のソフトウェアモジュール、企業アプリケーション、又はハードウェアモジュールの、子モジュール又はサブモジュールとして実現することができる。
【0096】
コンピュータ1002は、インタフェース1004を含む。
図10では、単一のインタフェース1004として示されているが、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要求、又は特定の実施に従って2以上のインタフェース1004を使用することができる。インタフェース1004は、分散環境においてネットワーク1030(図示されているか否かにかかわらず)に接続された他のシステムと通信するために、コンピュータ1002によって使用される。一般に、インターフェ-ス1004は、ネットワーク1030と通信するように作動可能なソフトウェア又はハードウェア(又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ)においてエンコードされたロジックを含むことができるか、当該ロジックを用いて実施することができる。より具体的には、インタフェース1004は、通信に関連付けられた1つ又は複数の通信プロトコルをサポートするソフトウェアを含むことができる。このように、ネットワーク1030又はインタフェースのハードウェアは、図示のコンピュータ1002の内側及び外側において物理信号を送受信するように動作可能であり得る。
【0097】
コンピュータ1002は、プロセッサ1005を含む。
図10では、単一のプロセッサ1005として示されているが、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って、2以上のプロセッサ1005を使用することができる。一般的には、プロセッサ1005は、命令を実行し、データを操作して、本開示において説明された任意のアルゴリズム、方法、機能、プロセス、フロー、及び手順を用いる動作を含むコンピュータ1002の動作を実行することができる。
【0098】
コンピュータ1002は、コンピュータ1002のための及びネットワーク1030に接続された他のコンポーネント(図示されているか否かにかかわらず)のためのデータを保持することができるデータベース1006をも含むことができる。例えば、データベース1006は、インメモリ、従来型、又は本開示に整合するデータを格納するデータベースであり得る。いくつかの実施では、データベース1006は、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って、二又はそれより多くの異なるデータベースタイプの組み合わせ(例えば、インメモリと従来型とのハイブリッドデータベース)であり得る。
図10では、単一のデータベース1006として示されているが、二又はそれより多くのデータベース(同様のタイプ、異なるタイプ、又は複数のタイプの組み合わせ)を、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って使用することができる。データベース1006は、コンピュータ1002の内部コンポーネントとして示されているが、代替の実施では、コンピュータ1002の外部にあってもよい。
【0099】
また、コンピュータ1002は、コンピュータ1002のための又はネットワーク1030に接続された複数のコンポーネントの組み合わせ(図示されているか否かにかかわらず)のためのデータを保持することができるメモリ1007を含む。メモリ1007は、本開示に整合する任意のデータを格納することができる。いくつかの実施では、メモリ1007は、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って二又はそれより多くの異なるタイプのメモリの組み合わせ(例えば、半導体及び磁気ストレージの組み合わせ)であり得る。
図10では、単一のメモリ1007として示されているが、二又はそれより多くのメモリ1007(同様のタイプ、異なるタイプ、又は複数のタイプの組み合わせ)を、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に従って使用することができる。メモリ1007は、コンピュータ1002の内部コンポーネントとして示されているが、代替の実施では、メモリ1007はコンピュータ1002の外部にあってもよい。
【0100】
アプリケーションは、コンピュータ1002及び記載された機能の特定のニーズ、要望、又は特定の実施に係る機能を提供するアルゴリズムソフトウェアエンジンであり得る。例えば、アプリケーションは、1つ又は複数のコンポーネント、モジュール、又はアプリケーションとして機能することができる。複数のアプリケーションをコンピュータ1002上に実装してもよい。それぞれのアプリケーションは、コンピュータ1002の内部又は外部に存在し得る。
【0101】
また、コンピュータ1002は、電源1014を含むことができる。電源1014は、ユーザによる交換可能又はユーザによる交換不可能に構成できる充電式又は非充電式バッテリを含むことができる。いくつかの実施では、電源1014は、電力変換及び管理回路(再充電、スタンバイ、及び電力管理の機能を含む)を含むことができる。いくつかの実施では、電源1014は、コンピュータ1002を壁のソケットや別の電源に接続できる電源プラグを含み、これにより例えばコンピュータ1002に電力を供給したり充電式バッテリを再充電したりすることができる。
【0102】
コンピュータ1002を含むコンピュータシステムに関連付けられ、又は該コンピュータシステムの外部にあるいくつものコンピュータ1002があってもよく、各コンピュータ1002はネットワーク1030を介して通信する。さらに、用語「クライアント」、「ユーザ」、及び他の適切な用語は、本開示の範囲から逸脱することなく、必要に応じて、交換可能に使用されてもよい。さらに、本開示では、多くのユーザが1台のコンピュータ1002を使用できることや、1人のユーザが複数のコンピュータ1002を使用できることを想定している。
【0103】
本明細書で記述された主題及び機能的な作動の実施は、デジタル電子回路、有形に具体化されたコンピュータのソフトウェア又はファームウェア、コンピュータハードウェアに、又はそれらの1つ又は複数の組み合わせで実施でき、これらデジタル電子回路、ソフトウェア、ファームウェア、及びコンピュータハードウェアは、本明細書に開示される構造及びそれらの構造的な同等物を含む。記載された主題のソフトウェアの実装を、1つ又は複数のコンピュータプログラムとして実施することができる。各コンピュータプログラムは、データ処理装置が実行するために、あるいはデータ処理装置の動作を制御するために、有形の非一時的なコンピュータ読取可能媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールを含むことができる。代替的に又は追加的に、プログラム命令を、人工的に生成された伝播信号内/上にエンコードすることができる。例えば、この信号は、データ処理装置による実行のために受信器装置への送信用の情報をエンコードするために生成された、マシン生成の電気的、光学的、又は電磁気的な信号であり得る。コンピュータ記憶媒体は、機械により読取可能な記憶装置、機械により読取可能な記憶基板、ランダム若しくはシリアルアクセスのメモリデバイス、又はコンピュータ記憶媒体の組み合わせであり得る。
【0104】
用語「データ処理装置」、「コンピュータ」、又は「電子コンピュータデバイス」(又は当業者によって理解される同等のもの)は、データ処理ハードウェアを指す。例えば、データ処理装置は、あらゆる種類の装置、デバイス、及びマシンを包含し、これらの種類は、データを処理するためのものであり、例示として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む。装置は、また、例えば、中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を包含する専用ロジック回路を含むことができる。いくつかの実施では、データ処理装置又は専用ロジック回路(又はデータ処理装置と専用ロジック回路との組み合わせ)は、ハードウェア系又はソフトウェア系(又はソフトウェア系及びハードウェア系の両方の組み合わせ)であり得る。装置は、オプションとして、コンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又は実行環境の組み合わせを構成するコード、を含むことができる。本開示は、例えば、Linux(登録商標)、Unix(登録商標)、Windows(登録商標)、Mac OS、Android(登録商標)、又はiOS等の従来のオペレーティングシステムを有する又は有さないデータ処理装置の使用を想定している。
【0105】
コンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、又はコードとして参照され又は記述され得るものであり、あらゆる形式のプログラミング言語で記載できる。プログラミング言語は、例えば、コンパイル言語、インタープリタ言語、宣言型言語、又は手続き型の言語を含むことができる。プログラムは、例えば、スタンドアロンプログラム、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はユニットを含む任意の形式で、コンピューティング環境における使用のために、展開することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応してもよいが、必ずしも対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えばマークアップ言語ドキュメントに格納された1つ又は複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に保存でき、又は問題のプログラム専用の単一ファイル内に保存でき、又は1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納する複数の連携したファイルに保存できる。コンピュータプログラムは、一つのコンピュータ上で実行されるように、又は、一のサイトに位置する又は通信ネットワークによって相互接続された複数のサイトに分散されて配置された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。様々な図面に例示されたプログラムの部分は、様々なオブジェクト、方法、又は他のプロセスを通して様々な特徴及び機能を実施する個々のモジュールとして説明することができるが、プログラムは、それらの代わりに、いくつかのサブモジュール、サードパーティのサービス、コンポーネント、及びライブラリを含むことができる。逆に、様々なコンポーネントの機能及び特徴は、必要に応じて、単一のコンポーネントに組み合わせることができる。計算上の特定を為すために使用された閾値は、静的に、動的に、又は静的と動的との両方で特定できる。
【0106】
本明細書に記載された方法、プロセス、又は論理フローは、1つ又は複数のプログラム可能なコンピュータによって実行でき、該コンピュータは、入力データを操作して出力データを生成することによって機能を実行する1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する。方法、プロセス、又は論理フローは、特定用途のロジック回路、例えばCPU、FPGA、又はASICにより実行でき、また装置も、特定用途のロジック回路、例えばCPU、FPGA、又はASICとして実施できる。
【0107】
コンピュータプログラムを実行するのに適したコンピュータは、汎用用途のマイクロプロセッサ及び特定用途のマイクロプロセッサの1つ又は複数、並びに他の種類のCPUに基づくことができる。コンピュータの要素は、命令を行い又は実行するためのCPU、及び命令及びデータを保存するための1つ又は複数のメモリデバイスである。一般に、CPUは、命令及びデータをメモリから受け取る(及びメモリに書き込む)ことができる。コンピュータは、データを保存するための1つ又は複数の大容量記憶装置を含むことができ、或いはこの大容量記憶装置に動作可能に結合することができる。実施によっては、コンピュータは、例えば磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクを含む大容量記憶装置からデータを受信し、及びこの大容量記憶装置にデータを転送することができる。さらには、コンピュータは、別のデバイス(例えば携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオ若しくはビデオプレーヤー、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、又はユニバーサル・シリアル・バス(USB)フラッシュドライブなどのポータブルメモリストレージデバイス)に組み込まれることができる。
【0108】
コンピュータプログラム命令及びデータを格納するのために適したコンピュータ読取可能な媒体(必要に応じて一時的又は非一時的)は、あらゆる形態の常設/非常設又は揮発/不揮発性のメモリ、媒体、及びメモリデバイスを含むことができる。コンピュータ読取可能な媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含むことができる。コンピュータ読取可能な媒体は、また、例えば、テープ、カートリッジ、カセット、及び内部/リムーバブルディスクなどの磁気デバイスを含むことができる。コンピュータ読取可能な媒体は、また、光磁気ディスク及び光学メモリデバイス、並びに、デジタルビデオディスク(DVD)、CD-ROM、DVD+/-R、DVD-RAM、DVD-ROM、HD-DVD、及びBLURAY(登録商標)などを含む技術を含むことができる。メモリは、キャッシュ、クラス、フレームワーク、アプリケーション、モジュール、バックアップデータ、ジョブ、ウェブページ、ウェブページテンプレート、データ構造、データベーステーブル、リポジトリ、及び動的情報を含む様々なオブジェクト又はデータを格納することができる。メモリに格納されたオブジェクト及びデータの種類は、パラメータ、変数、アルゴリズム、命令、ルール、制約、及び参照を含むことができる。さらに、メモリは、ログ、ポリシー、セキュリティ又はアクセスのデータ、レポートファイルを含むことができる。プロセッサ及びメモリは、特定用途ロジック回路によって補完され又は特定用途ロジック回路に組み込むことができる。
【0109】
本開示で記載された主題の実施は、ユーザとのインタラクション(やりとり)を提供するためのディスプレイデバイスを有するコンピュータ上で実施でき、情報をユーザに表示すること(及びユーザから入力を受信すること)を含む。ディスプレイデバイスの種類は、例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、及びプラズマモニターを含むことができる。ディスプレイデバイスは、例えば、マウス、トラックボール、又はトラックパッド、を含むキーボード及びポインティングデバイスを含むことができる。ユーザの入力は、感圧性を有するタブレットコンピュータの表面又は静電容量式若しくは電気式のセンシングを使用したマルチタッチスクリーンなどのタッチスクリーンを用いて提供することができる。他の種類のデバイスを用いてユーザとインタラクションすることができ、例えば、感覚のフィードバック(視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック、を含む)を含むユーザフィードバックを受信することを含む。ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力の形式で受信できる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスにドキュメントを送信し及び当該デバイスから当該ドキュメントを受信することによって、ユーザとインタラクションできる。例えば、コンピュータは、Webブラウザから受けたリクエストに応答して、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送ることができる。
【0110】
用語「グラフィカルユーザインタフェース」又は「GUI」は、単数又は複数で使用して、1つ又は複数のグラフィカルユーザインタフェース及び特定のグラフィカルユーザインタフェースのディスプレイの各々を説明できる。したがって、GUIは、ウェブブラウザ、タッチスクリーン、又はコマンドラインインタフェース(CLI)を含むが、これらに限定されることなく、任意のグラフィカルユーザインタフェースを提示することができる。コマンドラインインタフェースは、情報を処理すると共に情報の結果をユーザに効率的に提示する。一般的に、GUIは、複数のユーザインタフェース(UI)要素を含むことができ、これらのいくつか又はすべては、インタラクティブフィールド、プルダウンリスト、ボタンなどのウェブに関連付けられる。これら及び他のUI要素は、ウェブブラウザの機能に関連付けられまたウェブブラウザの機能を表すことができる。
【0111】
本明細書で記述された主題の実施は、バックエンドコンポーネント(例えばデータサーバとして)を含むコンピューティングシステム、ミドルウェアコンポーネント(例えばアプリケーションサーバとして)を含むコンピューティングシステムにおいて実施できる。さらに、コンピュータシステムは、フロントエンドコンポーネント(例えば、グラフィカルユーザインタフェース、及びユーザがコンピュータとインタラクションできるウェブブラウザ、の1つ又は両方を有するクライアントコンピュータ)を含むことができる。システムのコンポーネントは、通信ネットワークに、任意の形式又は有線又は無線のデジタルデータ通信(又はデータ通信の組み合わせ)の媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例示は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、マイクロ波アクセスの世界的な相互運用性(WIMAX)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(例えば802.11a/b/g/n又は802.20又はプロトコルの組み合わせ)、インターネットのすべて若しくは一部、他の通信システム又は1つ若しくは複数の場所のシステム(又は通信ネットワークの組み合わせ)を含む。通信ネットワークは、例えば、インターネットプロトコル(IP)パケット、フレームリレーフレーム、非同期転送モード(ATM)セル、音声、映像、データ、又はネットワークアドレス間の通信タイプの組み合わせと通信できる。
【0112】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般的には、互いに離れており、また典型的には、通信ネットワークを介してインタラクションする。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作すると共にクライアント・サーバ関係にあるコンピュータプログラムのおかげで生じる。
【0113】
クラスタファイルシステムは、読み取りおよび更新のために複数のサーバからアクセス可能な任意のファイルシステムタイプであり得る。ロッキング又は一貫性追跡は、エクスチェンジファイルシステムのロックキングがアプリケーションレイヤで実行できるため、必要でないかもしれない。さらに、ユニコードデータファイルは、非ユニコードデータファイルとは異なる可能性がある。
【0114】
本明細書は多くの特定の実施の詳細を含む一方で、これらは、請求される得る範囲の制限として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の実施に固有の特徴の説明として解釈されるべきである。個別の実施の観点で本明細書において説明された特徴は、組み合わせて又は単一の実施で、実現できる。逆に、単一の実施の観点で既述された様々な特徴は、複数の実施で、個別に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施され得る。さらには、既述の特徴は特定の組み合わせで動作するものとして説示され、最初はそのようなものとして請求されているかもしれないが、請求された組合せからの1つ又は複数の特徴は、請求された組み合わせから場合によっては削除され、また請求された組合せはサブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に導かれ得る。
【0115】
主題の特定の実施が説明された。記載された実施の他の実施、変更、及び置換は、当業者には明らかであるように以下の請求の範囲内である。動作は、図面又は特許請求の範囲に特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で又は一連の順番でそのような動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではなく、又はすべての図示された動作が実行される(いくつかの操作は随意的と見なすことができる)ことを要求するものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスク又は並列処理(又はマルチタスク及び並列処理の組み合わせ)を行うことが有利であり、適切と思われる場合に実行される。
【0116】
さらに、既述の実施における様々なシステムモジュール及びコンポーネントの分離又は統合が、すべての実施においてそのような分離又は統合を必要とするものとして理解されるべきではない。また、記載されたプログラムコンポーネント及びシステムは、一般的には、単一のソフトウェア製品に統合でき、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化できることが理解されるべきである。
【0117】
これに従って、既述の例示的な実施は、本開示を定義し又は制約しない。他の変更、置換、及び変更も、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく可能である。
【0118】
さらには、請求された任意の実施は、少なくとも、コンピュータにより実施される方法、非一時的なコンピュータ読取可能媒体、及びコンピュータシステムに適用可能であると考えられ、非一時的なコンピュータ読取可能媒体は、コンピュータにより実施される方法を実行するコンピュータにより読取可能な命令を格納し、またコンピュータシステムは、ハードウェアプロセッサに相互に動作可能に結合されたコンピュータメモリを含み、ハードウェアプロセッサは、非一時的なコンピュータ読取可能媒体に格納されたコンピュータにより実施される方法又は命令を実行するように構成される。
【国際調査報告】