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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】AC電圧の異常に対する保護
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/20 20060101AFI20220209BHJP
   H02H 3/20 20060101ALI20220209BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
H02H7/20 Z
H02H3/20 A
H02H3/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535594
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 US2019067011
(87)【国際公開番号】W WO2020131979
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/782,338
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/782,336
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505441524
【氏名又は名称】ボーンズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー、 ケリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】トラン、 ツン タン トーマス
【テーマコード(参考)】
5G004
5G053
【Fターム(参考)】
5G004AA01
5G004BA04
5G004BA07
5G004EA01
5G053AA01
5G053AA09
5G053BA04
5G053CA01
5G053CA06
5G053EB01
5G053EC04
5G053EC05
5G053EC06
5G053FA07
(57)【要約】
保護回路は、AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路とを含むことができる。第1の保護回路は、負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、負荷回路にかかる電圧が正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成され得る。保護回路は、電気的にAC電源と負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路をさらに含むことができる。第2の保護回路は、第1の保護回路がアクティブ状態になることに起因する異常に応答してAC電源からの電力を遮断するように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、
前記AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路であって、前記負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、前記負荷回路にかかる電圧が前記正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、前記負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成された前記第1の保護回路と、
電気的に前記AC電源と前記負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路であって、前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する異常に応答して前記AC電源からの電力を遮断するように構成された前記第2の保護回路と、
を有する保護回路。
【請求項2】
前記第1の保護回路は、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との電気的に直列な組み合わせを含む、請求項1に記載の保護回路。
【請求項3】
前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常は、通過信号における高周波成分を含む、請求項2に記載の保護回路。
【請求項4】
前記第2の保護回路は、前記AC線に沿って実装され、かつ前記高周波成分を検出すると前記AC電源からの前記電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)を含む、請求項3に記載の保護回路。
【請求項5】
前記通過信号における前記高周波成分は前記第1の保護回路によって生成される、請求項4に記載の保護回路。
【請求項6】
前記GDTと前記MOVとがそれぞれ別個のデバイスとして構成されている、請求項2の保護回路。
【請求項7】
前記GDTおよび前記MOVが単一のデバイスとして一緒にパッケージされている、請求項2の保護回路。
【請求項8】
前記GDTおよび前記MOVは、前記GDTおよび前記MOVに共通する少なくとも1つの共有部分を含む、請求項2に記載の保護回路。
【請求項9】
前記少なくとも1つの共有部分は、前記MOVの電極としても機能するように構成された前記GDTの電極を含む、請求項8に記載の保護回路。
【請求項10】
前記第1の保護回路は、サイリスタ過電圧保護デバイスを含む、請求項1に記載の保護回路。
【請求項11】
前記サイリスタ過電圧保護デバイスは、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP)として実装されている、請求項10に記載の保護回路。
【請求項12】
前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常は、前記AC線における過電流を含む、請求項10に記載の保護回路。
【請求項13】
前記第2の保護回路は、前記AC線に沿って実装され、かつ前記AC線における前記過電流を遮断するように構成された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)を含む、請求項12に記載の保護回路。
【請求項14】
前記TBUと前記サイリスタ過電圧保護デバイスとの間に実装され、かつAC電力を前記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに有している、請求項13に記載の保護回路。
【請求項15】
前記電力変換コンポーネントの前記出力はDC電圧である、請求項14に記載の保護回路。
【請求項16】
前記電力変換コンポーネントの前記出力はAC電圧である、請求項14に記載の保護回路。
【請求項17】
前記AC線を跨ぐように実装され、かつ前記AC線に関連する過電圧状態によって作動したときに、前記AC電力を前記電力変換コンポーネントからシャントさせるように構成された過電圧保護デバイスをさらに有している、請求項14に記載の保護回路。
【請求項18】
前記AC線に沿って実装され、かつトリップしたときに前記AC電力が前記AC線に流入することを防止するように構成されたヒューズをさらに有している、請求項17に記載の保護回路。
【請求項19】
負荷回路と、
前記負荷回路に電力を供給するように構成された保護回路と、
を有し、
前記保護回路は、AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、前記AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路とを含んでおり、該第1の保護回路は、前記負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、前記負荷回路にかかる電圧が前記正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、前記負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成されており、前記保護回路は、電気的に前記AC電源と前記負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路をさらに含んでおり、該第2の保護回路は、前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する異常に応答して前記AC電源からの電力を遮断するように構成されている、電気機器。
【請求項20】
前記電気機器は、前記電力を前記AC線に供給するために前記保護回路を前記AC電源に接続するように構成された接続コンポーネントを含む電化製品である、請求項19に記載の電気機器。
【請求項21】
AC電源からの電力を負荷回路に供給するように構成されたAC線と、
ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との直列配置を含むサブ回路であって、前記負荷回路が前記AC線に接続されたときに前記負荷回路と並列になるようにAC線を挟んで実装され、アクティブ化された状態のときに通過信号に高周波成分を発生させる、前記サブ回路と、
前記AC線に沿って実装され、かつ前記サブ回路によって発生させられた前記高周波成分を検知すると前記負荷回路に供給されている前記電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)と、
を有する保護回路。
【請求項22】
前記AFCIは、前記AC線が前記AC電源に接続されたときに、前記サブ回路と前記AC電源との間に位置するように実装されている、請求項21に記載の保護回路。
【請求項23】
前記GDTと前記MOVとがそれぞれ別個のデバイスとして構成されている、請求項21に記載の保護回路。
【請求項24】
前記GDTおよび前記MOVが単一のデバイスとして一緒にパッケージされている、請求項21に記載の保護回路。
【請求項25】
前記サブ回路は、前記GDTおよび前記MOVに共通する少なくとも1つの共有部分を含む、請求項21に記載の保護回路。
【請求項26】
負荷回路と、
前記負荷回路に電力を供給するように構成された保護回路と、
を有し、
前記保護回路は、AC電源に接続されるように構成されたAC線を含み、前記保護回路は、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との直列配置を含むサブ回路であって、前記負荷回路と並列になるようにAC線を挟んで実装され、アクティブ化された状態のときに通過信号に高周波成分を発生させる前記サブ回路をさらに含み、前記保護回路は、前記AC線に沿って実装され、かつ前記サブ回路によって発生させられた前記高周波成分を検知すると前記負荷回路に供給されている前記電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)をさらに含んでいる、電気機器。
【請求項27】
前記電力を前記AC線に供給するために前記保護回路を前記AC電源に接続するように構成された接続コンポーネントをさらに有する、請求項26に記載の電気機器。
【請求項28】
前記電気機器は電化製品である、請求項27に記載の電気機器。
【請求項29】
AC電源を受けるように構成されたAC線と、
前記AC線に沿って実装された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)と、
前記AC線に接続され、かつ負荷回路が回路保護デバイスに接続されたときに前記負荷回路と並列になるように実装された前記回路保護デバイスであって、前記負荷回路に供給される電圧が通常の範囲にあるときには非導電となり、前記電圧が通常の範囲よりも大きい過電圧値を有するときには実質的に全ての過剰電力を前記負荷回路からシャントさせるために導電となるように構成された前記回路保護デバイスと、
を有する保護供給回路であって、
前記TBUは、前記回路保護デバイスにおける電流に起因する前記AC線における過剰電流を遮断するように構成されている、保護供給回路。
【請求項30】
前記AC線と前記回路保護デバイスとの間に実装され、かつAC電力を前記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに有する、請求項29に記載の保護供給回路。
【請求項31】
前記電力変換コンポーネントの前記出力の前記電圧はDC電圧である、請求項29に記載の保護供給回路。
【請求項32】
前記電力変換コンポーネントの前記出力の前記電圧はAC電圧である、請求項29に記載の保護供給回路。
【請求項33】
前記回路保護デバイスは過電圧保護デバイスである、請求項29に記載の保護供給回路。
【請求項34】
前記回路保護デバイスはサイリスタ過電圧保護デバイスである、請求項33に記載の保護供給回路。
【請求項35】
前記サイリスタ過電圧保護デバイスは、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP)として実装されている、請求項34に記載の保護供給回路。
【請求項36】
前記AC線を跨ぐように実装され、かつ前記AC線に関連する過電圧状態によって作動したときに、前記AC電力を前記電力変換コンポーネントからシャントさせるように構成された過電圧保護デバイスをさらに有している、請求項29に記載の保護供給回路。
【請求項37】
前記AC線に沿って実装され、かつトリップしたときに前記AC電力が前記AC線に流入することを防止するように構成されたヒューズをさらに有している、請求項34に記載の保護供給回路。
【請求項38】
電圧で動作するように構成された負荷回路と、
AC電力を受け取り、前記負荷回路のための前記電圧を生成するように構成された保護供給回路と、
を有し、
前記保護供給回路は、AC電力を受け取るように構成されたAC線と、前記AC線に沿って実装された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)とを含み、前記保護供給回路は、前記AC線に接続され、かつ前記負荷回路と並列になるように実装された回路保護デバイスを有し、前記回路保護デバイスは、前記負荷回路に供給される電圧が通常の範囲にあるときには非導電となり、前記電圧が通常の範囲よりも大きい過電圧値を有するときには実質的に全ての過剰電力を前記負荷回路からシャントさせるために導電となるように構成されており、前記TBUは、前記回路保護デバイスにおける電流に起因する前記AC線における過剰電流を遮断するように構成されている、電気機器。
【請求項39】
前記保護供給回路は、前記AC線と前記回路保護デバイスとの間に実装され、かつ前記AC電力を前記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに含む、請求項38に記載の電気機器。
【請求項40】
前記AC電力を前記AC線に供給するために前記保護供給回路を前記AC電源に接続するように構成された接続コンポーネントをさらに有する、請求項38に記載の電気機器。
【請求項41】
前記電気機器は電化製品である、請求項40に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
本出願は、「AC VOLTAGE SWELL PROTECTOR」の名称で2018年12月19日に出願された米国仮出願第62/782,338号および「ACTIVE AC OVERVOLTAGE PROTECTION」の名称で2018年12月19日に出願された米国仮出願第62/782,336号の優先権を主張し、それらの各々の開示は、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、AC電圧の異常に対する保護のための回路、デバイス、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
電化製品などの多くの電気機器は、AC電圧によって電力が供給される。場合によっては、そのようなAC電圧に異常が存在することがあり、そのような異常は望ましくなく、電気機器にダメージを与える可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施態様では、本開示は、AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路とを含む保護回路に関する。第1の保護回路は、負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、負荷回路にかかる電圧が正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成されている。保護回路は、電気的にAC電源と負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路をさらに含む。第2の保護回路は、第1の保護回路がアクティブ状態になることに起因する異常に応答してAC電源からの電力を遮断するように構成されている。
【0006】
いくつかの実施態様では、第1の保護回路は、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との電気的に直列な組み合わせを含むことができる。第1の保護回路がアクティブ状態になることに起因する上記異常は、通過信号における高周波成分を含む。第2の保護回路は、AC線に沿って実装され、かつ高周波成分を検出するとAC電源からの電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)を含むことができる。通過信号における高周波成分は第1の保護回路によって生成され得る。
【0007】
いくつかの実施態様では、GDTとMOVとがそれぞれ別個のデバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、GDTおよびMOVが単一のデバイスとして一緒にパッケージされ得る。いくつかの実施態様では、GDTおよびMOVは、GDTおよびMOVに共通する少なくとも1つの共有部分を含むことができる。いくつかの実施態様では、少なくとも1つの共有部分は、MOVの電極としても機能するように構成されたGDTの電極を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施態様では、第1の保護回路は、サイリスタ過電圧保護デバイスを含むことができる。いくつかの実施態様では、サイリスタ過電圧保護デバイスは、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP)として実装され得る。いくつかの実施態様では、第1の保護回路がアクティブ状態になることに起因する上記異常は、AC線における過電流を含むことができる。第2の保護回路は、AC線に沿って実装され、かつAC線における過電流を遮断するように構成された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施態様では、保護回路は、TBUとサイリスタ過電圧保護デバイスとの間に実装され、かつAC電力を上記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに含むことができる。そのような電力変換コンポーネントの出力は、DC電圧またはAC電圧であってもよい。いくつかの実施態様では、保護回路は、AC線を跨ぐように実装され、かつAC線に関連する過電圧状態によって作動したときに、AC電力を電力変換コンポーネントからシャントさせるように構成された過電圧保護デバイスをさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、保護回路は、AC線に沿って実装され、かつトリップしたときにAC電力がAC線に流入することを防止するように構成されたヒューズをさらに含むことができる。
【0010】
いくつかの実施態様では、本開示は、負荷回路と、負荷回路に電力を供給するように構成された保護回路とを含む電気機器に関する。保護回路は、AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路とを含む。第1の保護回路は、負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、負荷回路にかかる電圧が正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成されている。保護回路は、電気的にAC電源と負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路をさらに含む。第2の保護回路は、第1の保護回路がアクティブ状態になることに起因する異常に応答してAC電源からの電力を遮断するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施態様では、電気機器は、電力をAC線に供給するために保護回路をAC電源に接続するように構成された接続コンポーネントを含む電化製品であってもよい。
【0012】
いくつかの実施態様では、本開示は、AC電源からの電力を負荷回路に供給するように構成されたAC線と、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との直列配置を含むサブ回路とを含む保護回路に関する。サブ回路は、負荷回路がAC線に接続されたときに負荷回路と並列になるようにAC線を挟んで実装されている。サブ回路は、アクティブ化された状態のときに通過信号に高周波成分を発生させる。保護回路は、AC線に沿って実装され、かつサブ回路によって発生させられた高周波成分を検知すると負荷回路に供給されている電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)をさらに含むことができる。
【0013】
いくつかの実施態様では、AFCIは、AC線がAC電源に接続されたときに、サブ回路とAC電源との間に位置するように実装され得る。
【0014】
いくつかの実施態様では、GDTとMOVとがそれぞれ別個のデバイスとして構成され得る。いくつかの実施態様では、GDTおよびMOVが単一のデバイスとして一緒にパッケージされ得る。いくつかの実施態様では、サブ回路は、GDTおよびMOVに共通する少なくとも1つの共有部分を含むことができる。
【0015】
いくつかの実施態様では、本開示は、負荷回路と、負荷回路に電力を供給するように構成された保護回路とを含む電気機器に関する。保護回路は、AC電源に接続されるように構成されたAC線を含む。保護回路は、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との直列配置を有するサブ回路をさらに含む。サブ回路は、負荷回路と並列になるようにAC線を挟んで実装されている。サブ回路は、アクティブ化された状態のときに通過信号に高周波成分を発生させる。保護回路は、AC線に沿って実装され、かつサブ回路によって発生させられた高周波成分を検知すると負荷回路に供給されている電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施態様では、電気機器は、電力をAC線に供給するために保護回路をAC電源に接続するように構成された接続コンポーネントをさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、電気機器は電化製品であってもよい。
【0017】
いくつかの実施態様では、本開示は、AC電源を受けるように構成されたAC線と、AC線に沿って実装された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)とを含む保護供給回路に関する。保護供給回路は、AC線に接続され、かつ負荷回路が回路保護デバイスに接続されたときに負荷回路と並列になるように実装された回路保護デバイスをさらに含む。回路保護デバイスは、負荷回路に供給される電圧が通常の範囲にあるときには非導電となり、電圧が通常の範囲よりも大きい過電圧値を有するときには実質的に全ての過剰電力を負荷回路からシャントさせるために導電となるように構成されている。TBUは、回路保護デバイスにおける電流に起因するAC線における過剰電流を遮断するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施態様では、保護供給回路は、AC線と回路保護デバイスとの間に実装され、かつAC電力を上記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに含むことができる。電力変換コンポーネントの出力の電圧はDC電圧またはAC電圧であってもよい。
【0019】
いくつかの実施態様では、回路保護デバイスは過電圧保護デバイスであってもよい。回路保護デバイスは、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP)のようなサイリスタ過電圧保護デバイスであってもよい。
【0020】
いくつかの実施態様では、保護供給回路は、AC線を跨ぐように実装され、かつAC線に関連する過電圧状態によって作動したときに、AC電力を電力変換コンポーネントからシャントさせるように構成された過電圧保護デバイスをさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、保護供給回路は、AC線に沿って実装され、かつトリップしたときにAC電力がAC線に流入することを防止するように構成されたヒューズをさらに含むことができる。
【0021】
いくつかの実施態様では、本開示は、電圧で動作するように構成された負荷回路と、AC電力を受け取り、負荷回路のための上記電圧を生成するように構成された保護供給回路とを含む電気機器に関する。保護供給回路は、AC電力を受け取るように構成されたAC線と、AC線に沿って実装された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)とを含む。保護供給回路は、AC線に接続され、かつ負荷回路と並列になるように実装された回路保護デバイスをさらに含む。回路保護デバイスは、負荷回路に供給される電圧が通常の範囲にあるときには非導電となり、電圧が通常の範囲よりも大きい過電圧値を有するときには実質的に全ての過剰電力を負荷回路からシャントさせるために導電となるように構成されている。TBUは、回路保護デバイスにおける電流に起因するAC線における過剰電流を遮断するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施態様では、保護供給回路は、AC線と回路保護デバイスとの間に実装され、かつAC電力を上記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに含むことができる。
【0023】
いくつかの実施態様では、保護供給回路は、AC電力をAC線に供給するために保護供給回路をAC電源に接続するように構成された接続コンポーネントをさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、電気機器は電化製品であってもよい。
【0024】
本開示を要約する目的のために、特定の態様、利点、および本発明の新規な特徴が本明細書に記載される。このような利点は、本発明の任意の具体的な実施形態にしたがって必ずしも全て達成される必要はないことが理解されるべきである。したがって、本発明は、本明細書に教示または示唆され得るように、必ずしも他の利点を達成することなく、本明細書で教示されるような一つの利点または一群の利点を達成または最適化するように具現化または実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】保護回路を介して交流(AC)電源によって電力が供給される保護対象のデバイスを含む回路構成を示す図である。
図2】AC電源からの電力供給が保護対象の回路またはデバイスへの電力供給に利用されている回路の例を示す図である。
図3図2の回路の正常な動作状態の一例を示す図である。
図4図2の回路の例において、保護対象の回路またはデバイスから電力を迂回させるためにGDT+MOVアセンブリが作動することにつながる、AC電圧スウェルのような過電圧状態の例を示す図である。
図5】GDT+MOVアセンブリを通過する電流に対応する信号の一例を示す図である。
図6】GDT+MOVアセンブリに関連する高周波信号成分を感知した結果、アークフォルト回路遮断器(AFCI)が作動した例を示す図である。
図7A図2の回路で利用することができるGDT+MOVアセンブリの非限定的な例を示す図である。
図7B図2の回路で利用することができるGDT+MOVアセンブリの非限定的な例を示す図である。
図7C図2の回路で利用することができるGDT+MOVアセンブリの非限定的な例を示す図である。
図7D図2の回路で利用することができるGDT+MOVアセンブリの非限定的な例を示す図である。
図8】いくつかの実施形態において、図2の回路が、保護回路を含む種々の機能部分またはブロックを含むことができることを示す図である。
図9】いくつかの実施形態において、図8の保護回路を所与の装置において実装することができることを示す図である。
図10図9の例と同様の構成要素の配置を有する装置の例を示す図である。
図11】いくつかの実施形態において、図8の保護回路が、所与の装置において部分的に実装され、かつAC電源により一層関連付けられた手法で部分的に実装され得ることを示す図である。
図12図11の例と同様の構成要素の配置を有する装置の例を示す図である。
図13】AC電源からの電力供給が保護対象の回路またはデバイスへの電力供給に利用されている回路の他の例を示す図である。
図14図13の回路の正常な動作状態の一例を示す図である。
図15図13の回路の例に関し、保護対象の回路またはデバイスの両端に生じ得る過電圧状態の一例を示す図である。
図16図13の回路の例に関し、電力変換コンポーネントによってAC線に引き出される電流の増加量の一例を示す図である。
図17】過渡状態ブロッキングユニット(TBU)が、電力変換コンポーネントに流入する電流を遮断するためにアクティブな状態にある例を示す図である。
図18】AC線を介して電力供給されている負荷の過電圧状態を生じさせる事象の前、間および後の、負荷電圧およびAC線間電流の例示的なタイミング図である。
図19】回路が保護されていない場合に回路にダメージを与える可能性のある事象の例を示す図である。
図20】いくつかの実施形態において、図13の例の回路が異なる部分又はブロックに分割され得ることを示す図である。
図21】保護供給回路を介して電力が供給される1つまたは複数の被保護回路を含み得る、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を有する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書に見出しがある場合、それは便宜上のものにすぎず、特許請求の範囲に記載した発明の範囲または意図に必ずしも影響を与えるものではない。
【0027】
図1は、デバイスまたは回路(110,516)が交流(AC)電源(102,502)によって電力供給されている構成(100および/または500)が、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を有する保護回路(200および/または600)によって保護されることができることを示している。したがって、デバイスまたは回路(110,516)は、保護対象のデバイスまたは回路であるとみなすことができる。
【0028】
本明細書に開示されている様々な例では、構成(100および/または500)は、種々の手法で実装することができる。例えば、保護回路(200および/または600)が、保護対象のデバイスまたは回路(110,516)を有する装置の実質的に外部にあるように、あるいは保護対象のデバイスまたは回路(110,516)を有する装置の部分的に外部にかつ部分的に内部にあるように、あるいは保護対象のデバイスまたは回路(110,516)を有する装置の実質的に内部にあるように、またはそれらの任意の組み合わせで実装することができる。
【0029】
また、本明細書に開示されている様々な例では、図1の構成(100および/または500)を回路と称することがある。このような回路は、例えば、システムにおいて、装置において、電気回路において、またはそれらのいくつかの組み合わせで実装できることが理解されるであろう。したがって、このような回路または構成は、システム、装置、または電気回路と称されることもある。
【0030】
また、本明細書に開示されている様々な例では、図1の保護対象のデバイスまたは回路(110,516)は、本明細書では、被保護回路または単に回路と称されることがある。そのような回路は、電気回路、電気デバイス、またはそれらのいくつかの組み合わせであり得ることが理解されるであろう。
【0031】
図2~12は概ね第1の例の構成100に関するものであり、図13図21は概ね第2の例の構成500に関するものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載した1つまたは複数の特徴を有する構成は、第1の例の構成100の1つまたは複数の特徴と、第2の例の構成の1つまたは複数の特徴とを有する組み合わせを含むことができる。
【0032】
第1の例の構成
以下では、ガス放電管(GDT)および金属酸化物バリスタ(MOV)の機能を持つアセンブリと、アークフォルト回路遮断器(AFCI)とを組み合わせて過電圧保護機能を実現する例を開示する。このような過電圧保護機能は、交流(AC)線間電圧のスウェルなどの事象に対して有効である。
【0033】
図2は、AC電源102からのAC電力が保護対象の回路110に電力を供給するために用いられている回路100の例を示している。説明の目的上、このような回路は、回路100に付随する過電圧保護機能により、被保護回路であるとみなすことができる。被保護回路110は、AC電力を利用する1つまたは複数の負荷回路、DC電力を利用する1つまたは複数の負荷回路、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができることが理解されるであろう。
【0034】
図2の例では、AC電源102は、アークフォルト回路遮断器(AFCI:arc fault circuit interrupter)を介して被保護回路110に接続されていることが示されている。いくつかの実施形態では、ガス放電管(GDT)および金属酸化物バリスタ(MOV)の機能を有するアセンブリ106を、被保護回路110と並列になるように、被保護回路110を跨ぐように設けることができる。このようなGDT+MOVアセンブリの例が、より詳細に本明細書に記載されている。
【0035】
典型的なAFCIは、例えば、電気接続不良によって引き起こされるアークに関連する高周波成分の感知に基づいてAC回路を遮断するように構成することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているように、図2のAFCI104は、GDT+MOVアセンブリ106の動作中に生成されたシグネチャを感知するように構成することができる。このような感知されたシグネチャに基づいて、AFCI104は、電源102からAFCI104の他方の側に供給されているAC電力を遮断するように作動することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、GDT+MOVアセンブリ106の動作に関連する前述のシグネチャは、高周波特性を有する1つまたは複数の一時的なパルスを含むことができる。したがって、そのような高周波成分が利用される場合、AFCI104は、GDT+MOVアセンブリ106に関連するそのような高周波シグネチャの感知に基づいて作動するように構成することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、AFCI104は、典型的なアーク異常(例えば、電気接続不良に起因する)またはGDT+MOVアセンブリ106の動作に関連するシグネチャに基づいて作動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、AFCI104は、典型的なアーク異常(例えば、電気接続不良に起因する)ではなく、GDT+MOVアセンブリ106の動作に関連するシグネチャに基づいて作動するように構成することができる。
【0038】
図3は、上記のように構成された図2の回路100の正常な動作状態の一例を示している。図3では、AC電源102からのAC電力が被保護回路110に供給されている。したがって、AFCI104を介して被保護回路110に正常な交流電流120が供給されている状態が示されている。このような状態では、GDT+MOVアセンブリ106は非アクティブのままである。図3に対応する回路100の種々の構成要素の状態が、表1に示されている。
【0039】
【表1】
【0040】
図4は、被保護回路110から電力を迂回させるためにGDT+MOVアセンブリ106が作動することにつながる、AC電圧スウェルのような過電圧状態の例を示している。したがって、図4では、電流122がGDT+MOVアセンブリ106を通過することが可能であり、それによって回路110の保護が行われる。図4の状態に対応する回路100の種々の構成要素の状態が、表2に示されている。
【0041】
【表2】
【0042】
図4の例では、GDT+MOVアセンブリ106のアクティブ化に起因する電流122が、主成分と高周波数(HF)成分とを含むことが示されている。図5は、GDT+MOVアセンブリ106を通過する電流(図4の122)に対応する信号124の一例を示している。より詳細には、例示する信号124は、主成分と、信号124に関連する過電圧状態での短持続時間の高周波成分126とを含む電圧出力である。
【0043】
図4および図5を参照すると、AFCI104が高周波成分(図5の例におけるHF成分126など)の存在を検出すると、AFCI104は電源102からのAC電力を遮断するために作動することができる。したがって、表2において、図4のAFCI104の状態はAFCIが作動し始めている遷移状態であり得る。
【0044】
図6は、GDT+MOVアセンブリ106に関連する高周波信号成分を感知した結果、AFCI104が作動した例を示している。したがって、図6では、AFCI104は電源側を回路側から切り離している。図6の状態に対応する回路100の種々の構成要素の状態が、表3に示されている。
【0045】
【表3】
【0046】
図6の例では、AFCI104によって回路100が遮断されていることにより、回路側に電力が実質的に存在しない状態となっている。したがって、このような状態では、GDT+MOVアセンブリ106は自らをリセットして非アクティブになることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、図6の回路100は、AFCI104が(例えば、過電圧状態がなくなった後に、手動または何らかの制御信号で)リセットされるまで、遮断状態のままであり得る。リセットされると、AFCI104は、非アクティブ状態になることができ、したがって、被保護回路110の動作のために回路側に電力を供給することができる。
【0048】
図7A図7Dは、図2の回路で利用することができるGDT+MOVアセンブリの非限定的な例を示している。図7Aは、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を有するGDT+MOVアセンブリ106が、GDTデバイス150とMOVデバイス152とをそれぞれ別個のデバイスの状態で含むことができることを示している。このような別個のデバイスは、導体156で直列に接続することができる。したがって、GDT+MOVアセンブリ106の一方の端部は導体154を介して接続することができ、他方の端部は導体158を介して接続することができる。
【0049】
図7Bは、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を有するGDT+MOVアセンブリ106が、単一のパッケージ化されたデバイスに一緒に組み合わされたGDTデバイス160およびMOVデバイス162を含むことができることを示している。例えば、GDTデバイス160の端子または電極は、MOVデバイス162の端子または電極と物理的および電気的に接触することができる。したがって、GDT+MOVアセンブリ106の一方の端部は導体164を介して接続することができ、他方の端部は導体168を介して接続することができる。
【0050】
図7Cは、図7BのGDT+MOVアセンブリ106のより具体的な例を示している。図7Cはまた、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の1つまたは複数の特徴を有するGDT+MOVアセンブリ106が、1つまたは複数のGDTおよび1つまたは複数のMOVを含むことができることを示している。例えば、図7CのGDT+MOVアセンブリ106は、MOV+GDT+MOVの直列組み合わせを含むように示されている。このような構成に関する追加の詳細は、「INTEGRATED DEVICE HAVING GDT AND MOV FUNCTIONALITIES」の名称で2019年8月30日に出願された国際出願PCT/US2019/049008に開示されており、その開示は、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0051】
図7Dは、いくつかの実施形態において、本明細書に記載された1つまたは複数の特徴を有するGDT+MOVアセンブリ106が、1つまたは複数のGDTおよび1つまたは複数のMOVに関連付けられた1つまたは複数の部品の統合を含むことができることを示している。例えば、図7DのGDT+MOVアセンブリ106は、図7Cと同様のMOV+GDT+MOVの直列組み合わせの機能を提供することができるが、一部の部品は共有されている。このような構成に関する更なる詳細は、上述の国際出願PCT/US2019/049008に開示されている。
【0052】
図8は、図2図4および図6の回路100を示している。図8では、そのような回路は、AC電源102から被保護回路110に電力を供給するように構成された保護回路200を含むことができる。いくつかの実施形態では、そのような保護回路は、GDT+MOVアセンブリ106およびAFCI104を含むことができ、本明細書に記載されるように動作するように構成されている。
【0053】
図9図12は、図8の保護回路200が種々の手法で実装できることを示している。より詳細には、そのような保護回路は、単一の装置に、あるいは別個のデバイスまたはシステムの一部として、またはそれらの任意の組み合わせで実装することができる。
【0054】
例えば、図9は、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を有する保護回路200を所与の装置において実装することができることを示している。そのような文脈では、保護回路200の左側の部分は接続コンポーネント302であるとみなすことができ、接続コンポーネント302の左側の部分はAC電源204であるとみなすことができる。このような文脈では、保護回路200は、接続コンポーネントを介してAC電源に接続可能であるように構成することができる。
【0055】
図10は、図9の例と同様の構成要素の配置を有する装置300の例を示している。より詳細には、装置300は、保護回路200を介して電力が供給される1つまたは複数の被保護回路110を含むことができる。保護回路200は、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を含むことができ、装置300の外部にあるAC電源102から1つまたは複数の被保護回路110に電力を供給するように構成することができる。図10の例では、AC電源102は、例えば、適切に構成されたプラグ304を受け入れるように構成された電気コンセントであってもよい。いくつかの実施形態では、そのようなプラグは、電気コード306に接続することができ、したがって、コード306およびプラグ304は、装置300に付随するAC電源接続コンポーネント302の一部であり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、図10の装置300は、作動するためにプラグがACコンセントに差し込まれるように構成された任意の電気機器であってもよい。このような電気機器は、例えば、家庭用電化製品であってもよい。
【0057】
他の例では、図11は、本明細書に記載された1つまたは複数の特徴を有する保護回路200が、所与の装置において部分的に実装され、かつAC電源により一層関連付けられたアセンブリにおいて部分的に実装され得ることを示している。例えば、保護回路200のAFCI104は、AC電源102に対して概ね固定された位置にあることができる。壁に実装されたACコンセントであって、そのコンセントがAFCI機能を含むものは、そのような構成の一例である。このような文脈では、204として示された部分は、部分的な保護機能を有するAC電源であるとみなすことができる。
【0058】
図11の例では、GDT+MOVアセンブリ106は、所与の装置300の一部として実装されるように示されている。このようなGDT+MOVアセンブリは、部分204の一部として実装することもできるが、GDT+MOVアセンブリ106が被保護回路110の電気的特性に適合するように構成されている(したがって、同じ装置300の一部である)ことがより望ましい場合があることに留意されたい。
【0059】
図12は、図11の例と同様の構成要素の配置を有する装置300の例を示している。より詳細には、装置300は、保護回路200を介して電力が供給される1つまたは複数の被保護回路110を含むことができる。保護回路200は、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を含むことができ、装置300の外部にあるAC電源204から1つまたは複数の被保護回路110に電力を供給するように構成することができる。図12の例では、AC電源204は、例えば、適切に構成されたプラグ304を受け入れるように構成された電気コンセントであってもよい。いくつかの実施形態では、そのようなプラグは、電気コード306に接続することができ、したがって、コード306およびプラグ304は、装置300に付随するAC電源接続コンポーネント302の一部であり得る。
【0060】
図12の例では、保護回路200の一部が、装置300の部分として、また、AC電源204に関連付けられた部分として実装されていることが示されている。
【0061】
第2の例の構成
以下では、統合型サージプロテクタ(例えば、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP))および過渡状態ブロッキングユニット(TBU)のようなクローバ(crowbar)回路保護デバイスを協調して使用し、自己保護および自己リセットによる過電圧保護機能を提供することに関する例を開示する。このような過電圧保護機能は、雷、サブサーキットの故障および/または交流(AC)線間の電圧スウェルなどの事象に対して有効である。なお、TISP素子は一例であるにすぎず、他の電圧保護デバイス(ガス放電管(GDT)、金属酸化物バリスタ(MOV)、過渡電圧サプレッサ(TVS)など)も利用できることを理解されたい。
【0062】
図13は、AC電源502からのAC電力が負荷516に電力を供給するために利用されている回路500の例を示している。説明の目的上、このような負荷は、回路500に付随する過電圧保護機能により、被保護回路であるとみなすことができる。
【0063】
図13の例では、AC電源502は、AC線510を介して電力変換コンポーネント512に接続されていることが示されている。電力変換コンポーネント512は、AC線510を介して供給されるAC電力を、電流Iおよび電圧Vを有する直流(DC)または交流(AC)の電力に変換することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、統合型サージプロテクタ(例えば、TISP(totally integrated surge protector:完全統合型サージプロテクタ))のようなクローバ回路保護デバイス514を被保護回路516を跨ぐように設けることができ、さらに、AC線510に沿って過渡状態ブロッキングユニット(TBU)508を設けることができる。クローバ回路保護デバイス514およびTBU508の動作に関連する例は、本明細書においてより詳細に説明されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、TBU508が過電圧保護(OVP)デバイス506と電力変換コンポーネント512との間に位置するように、AC線510を跨いでOVPデバイス506を設けることができる。このようなOVPデバイス(506)は、特定の状況(例えば、AC電源側に生じる過電圧状態)で作動させることができる。いくつかの実施形態では、ヒューズ504がOVPデバイス506とAC電源502との間に位置するように、ヒューズ(F1)504をAC線510に沿って設けることができる。このようなヒューズは、特定の状況(例えば、AC電源側に大きなサージが発生した場合)に作動させることができる。
【0066】
図13の例では、AC電源側のサージ事象が十分に大きい場合、ヒューズ504は、トリップして(切れて)、ヒューズ504の右側にある回路500全体への電力をカットすることができる。ヒューズ504をトリップさせないが、OVPデバイス506を作動させるAC電源側のサージがあるかもしれない。そのような状況では、AC電源502からの電流は、OVPデバイス506により電力変換コンポーネント512から離れるように概ねシャント(分路)させることができる。いくつかの実施形態では、OVPデバイス506は、例えば、金属酸化物バリスタ(MOV)であってもよい。
【0067】
図14は、上記のように構成された図13の回路500の正常な動作状態の一例を示している。図14では、AC電源502からのAC電力が電力変換コンポーネント512によってDC電力に変換されて、負荷(被保護回路)516に正常な電流が供給されている。したがって、正常な電圧Vnormが、被保護回路516の両端に存在するとともに、クローバ回路保護デバイス514の両端に存在している。クローバ回路保護デバイス514は非アクティブであり、基本的に開回路として作用する。回路500の種々の構成要素の状態が、表4に示されている。
【0068】
【表4】
【0069】
図15は、被保護回路516の両端に生じ得る過電圧状態の一例を示している。このような過電圧状態は、電力変換コンポーネント512のどちらかの側の事象によって生じる可能性がある。したがって、説明の目的上、被保護回路516にかかる過電圧Voverが何らかの条件から生じると仮定する。このような過電圧状態が発生すると、クローバ回路保護デバイス514がアクティブになり、導電状態になる。したがって、過電圧状態から生じる電流は、被保護回路516から離れるようにシャントされ、クローバ回路保護デバイス514を通って流れる。したがって、図15では、クローバ回路保護デバイス514によってシャントされているそのような電流はクローバ電流として示されている。このようなクローバ電流が確立されると、クローバ回路保護デバイス514にかかる電圧はほぼゼロになる。図15の状態に対応する回路500の種々の構成要素の状態が、表5に示されている。
【0070】
【表5】
【0071】
図15の例では、クローバ回路保護デバイス514(作動時)の導電性により、クローバ電流はほとんどまたは全く抵抗なく流れることになる。したがって、電力変換コンポーネント512は、上記のクローバ電流に応じて増加した量の電流をAC線510から引き出すことができる。
【0072】
図16は、電力変換コンポーネント512によってAC線510に引き出される電流の上記増加量の一例を示している。より詳細には、クローバ電流に応じて生じるこのような電流が、AC線510に流れる過電流として示されている。なお、図16の例では電力変換コンポーネント512が電流制限機能を有していないものとしている。図16の状態に対応する回路500の種々の構成要素の状態が、表6に示されている。
【0073】
【表6】
【0074】
図16の例では、AC線510における過電流は、増加した電流(クローバ電流として示されている)の結果として引き出される追加の電流であると想定されている。AC線510における過電流を含む全電流がTBU508のトリップ電流の或る閾値を超えると、TBU508はアクティブになり、遮断機能を生じさせる。
【0075】
図17は、TBU508が、電力変換コンポーネント512に流入する電流を遮断するためにアクティブな状態にある例を示している。いくつかの実施形態では、アクティブな状態にあるTBU508は、AC電流の正の部分および負の部分の両方の通過をブロックすることができる。図17では、TBU508は、AC電流の一方の方向(例えば、正の部分に対応する)を遮断するように描かれている(他方の方向も遮断するとしても)。しかしながら、図17の説明上、AC電流のそのような他方の方向は、電力変換コンポーネント512の他方の側に到達することがブロックされると想定される。より詳細には、電力変換コンポーネント512は、AC電力の正または負の部分のみが通過するような整流機能を含むと想定してもよい。したがって、TBU508が正の部分のみを遮断したとしても、負の部分は電力変換コンポーネント512によって遮断される。図17の状態に対応する回路500の種々の構成要素の状態が、表7に示されている。
【0076】
【表7】
【0077】
図17の例では、TBU508が作動することにより、AC線510から電力変換コンポーネント512の負荷側への電力が遮断される。したがって、クローバをアクティブ化させる事象がAC線側で発生した場合、負荷側には電力が供給されず、クローバ回路保護デバイス514は非アクティブになることができる。クローバをアクティブ化させる事象が負荷側で発生した場合、クローバ回路保護デバイス514は、アクティブ状態のままであってもよいし、非アクティブ状態に戻ってもよい。例えば、クローバをアクティブ化させる異常が残っている場合、TBUの作動後であっても、クローバ回路保護デバイス514は、負荷を保護するために作動状態を維持することができる。他の例では、クローバをアクティブ化させる異常がもはや存在しない場合、クローバ回路保護デバイス514は、非アクティブ状態に戻ることができる。
【0078】
図13図17を参照して本明細書で説明したような様々な例に基づけば、AC電源(502)によって電力供給されている被保護回路(516)は、過電圧状態を生じさせる事象から実質的に常に保護され得ることが分かる。そのような過電圧状態がクリアされると、クローバ回路保護デバイス514はリセットすることができ、回路500は通常の動作を再開することができる。
【0079】
図18は、AC線を介して電力供給されている負荷の過電圧状態を生じさせる事象の前、間および後の、負荷電圧(破線)およびAC線間電流(実線)の例示的なタイミング図である。時刻t1の前は、図13図17の回路500は、正常な負荷電圧が被保護回路(516)に供給されている、正常な動作状態にあることが示されている。このような負荷電圧は、AC線(510)から変換された電力によって生じる。
【0080】
時刻t1に過電圧状態が発生し、その結果、負荷に供給される電圧が上昇している。このような電圧の増加は、時刻t2にクローバの閾値に達するまで続くことが示されている。そのような時刻において、クローバ回路保護デバイス(514)がアクティブになって低抵抗のシャントパスを形成し、それによって、負荷に供給される電圧が減少している。
【0081】
本明細書に記載されているように、低抵抗のクローバパスは、そこを通る電流の増加を生じさせ、それによってAC線の電流の増加を誘発する。したがって、TBUの閾値に到達する時刻t3まで、AC線の電流も増加する。このとき、TBU(508)は、AC線電流を遮断し、それによって、AC線電流が電力変換コンポーネント(512)に到達するのを阻止する。したがって、電力変換コンポーネントでのAC線電流と、その結果の変換された電力とは、各々のnullレベルまで減少する。
【0082】
図18の例では、そのようなnullレベルは、過電圧状態がもはや存在しなくなり、かつクローバ回路保護デバイス(114)およびTBU(108)がリセットされるまで維持されることが示されている。そのような時刻(t4)に、AC線電流が通常の動作レベルに達することができる。時刻t5に、負荷電圧もその通常の動作レベル(時刻t6)まで上昇し始めることができる。
【0083】
図18の例では、事象継続時間ΔTは、時刻t1で始まり、時刻t6で終わるとみなすことができる。図19を参照して本明細書で説明するように、このような事象継続時間は、比較的短くても、長くても、その中間でもよい。いくつかの実施形態では、クローバ回路保護デバイス(514)およびTBU(508)に関連するアクティブ化時間は、そのような様々な継続時間の事象中に効果的な保護をもたらすために十分に小さくすることができる。いくつかの状況では、クローバ回路保護デバイス(514)は、AC入力電圧のゼロ交差毎にリセットすることができることに留意されたい。そのような状況では、図18に示す例示的なシーケンスは、AC入力電力の半サイクルまたは1サイクル(半波整流の構成の場合)毎に繰り返されてもよい。
【0084】
図19は、回路が保護されていない場合に回路にダメージを与える可能性のある事象の例を示している。例えば、雷のような短時間(ΔT)の事象は、大きな過電圧を伴うことがある。他の例では、サブサーキットの故障により、雷の例よりも長く続く(例えば、ΔT)過電圧状態になることがある。さらに他の例では、状況によっては、引込み線の電圧スウェルが、上記2つの例の持続時間のいずれよりもはるかに長く続くことがある。このような長時間(例えば、ΔT)の過電圧状態は、過電圧レベルは雷の例ほど高くないかもしれないが、回路には同様のダメージを与える可能性がある。
【0085】
図20は、図13図17の回路500を示している。図20では、このような回路は異なる部分に分割され得る。例えば、ある部分は、被保護回路516に電力を供給するように構成された保護供給回路600であるとみなすことができる。いくつかの実施形態では、そのような保護供給回路は、クローバ回路保護デバイス514、電力変換コンポーネント512およびTBU508を含むことができる。いくつかの実施形態では、保護供給回路600は、過電圧保護(OVP)デバイス506およびヒューズ(F1)504のいずれかまたは両方を任意に含むことができる。
【0086】
図20の例では、保護供給回路600の左側の部分は接続コンポーネント602とみなすことができ、接続コンポーネント602の左側の部分はAC電源604とみなすことができる。このような例示的な文脈において、保護供給回路600は、保護されるべき回路(例えば、516)に接続されるように、または接続可能であるように構成することができる。また、保護供給回路600は、接続コンポーネント602を介して、AC電源604に接続される、または接続可能であることができる。本明細書では、電力が電力変換コンポーネント512によって変換されるという文脈で様々な例が説明されているが、本開示の1つまたは複数の特徴は、そのような変換コンポーネントのない回路でも実装可能であることに留意されたい。そのような構成では、AC電源(例えば502)からの電力は、AC線(例えば510)を介して、負荷回路(例えば516)および対応するクローバ回路保護デバイス(例えば514)に供給することができる。
【0087】
図21は、本明細書に記載されているような1つまたは複数の特徴を有する装置700の例を示している。いくつかの実施形態では、装置700は、保護供給回路600を介して電力が供給される1つまたは複数の被保護回路516を含むことができる。保護供給回路600は、本明細書に記載されるような1つまたは複数の特徴を含むことができ、AC電源502から1つまたは複数の被保護回路516に電力を供給するように構成することができる。図21の例では、AC電源は、例えば、適切に構成されたプラグ704を受け入れるように構成された電気コンセントであってもよい。いくつかの実施形態では、そのようなプラグは、電気コード702に接続することができ、したがって、コード702およびプラグ704は、装置700に付随するAC電源接続コンポーネント602の一部であり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、装置700は、動作のためにACコンセントにプラグが差し込まれるように構成された任意の電気機器であってもよい。このような電気機器は、例えば、家庭用電化製品であってもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、保護供給回路600の少なくとも一部は、図11および図12を参照して本明細書で説明した例と同様に、装置の外部で実装することができることを理解されたい。
【0090】
文脈で明確に必要としない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える」「備えている」などの語句は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味、すなわち、それに限定されるのではなく「含む」という意味で解釈されるべきである。一般的に本明細書で使用される、「結合」という用語は、2つ以上の要素が直接接続される、または、1つ以上の中間要素を介して接続されることを意味する。また、「本明細書に」、「上記の」、「下記の」の語句および類似の語句は、本出願において使用される場合、本出願の任意の特定の部分ではなく本出願の全体を指す。ここで、文脈が許すところで、明細書中の単数形または複数形による単語は、それぞれ、複数または単数を含むことができる。2つまたはそれ以上の項目のリストを参照する「または」の語句は以下の解釈のすべてを包含する:リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の任意の組合せ。
【0091】
本発明の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であることを意図したものではなく、また、本発明を上記に開示された詳細な形態に限定することを意図したものではない。本発明の特定の実施形態、および本発明のための実施例は、例示目的で上記に記載されているが、関連する技術の当業者であれば認識するであろうように、本発明の範囲内で様々な均等な改変が可能である。例えば、プロセスまたはブロックが所定の順序で示されているが、代替的な実施形態は、ステップを有するルーチンを実行してもよく、またはブロックを有するシステムを別の順序で用いてもよく、いくつかのプロセスまたはブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合、および/または変更されてもよい。これらのプロセスまたはブロックの各々は、様々な異なる方法で実施されてもよい。また、プロセスまたはブロックが直列に実行されるように示されることがあるが、これらのプロセスまたはブロックは、代わりに並列して実行されてもよく、または時を異にして実行されてもよい。
【0092】
本明細書で提供される本発明の教示は、必ずしも上述したシステムに限らず、他のシステムにも適用することができる。上述した様々な実施形態の要素および作用は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態が記載されているが、これらの実施形態は例示のためだけに示されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。実際、本明細書に記載された新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で実施されてもよく、さらに、様々の省略、置換、および本明細書に記載された方法およびシステムの形態の変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および趣旨に含まれるであろうそのような形態または修正をカバーすることを意図している。
図1
図2
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図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2021-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、
前記AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路であって、前記負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、前記負荷回路にかかる電圧が前記正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、前記負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成された前記第1の保護回路と、
電気的に前記AC電源と前記負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路であって、前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する異常に応答して前記AC電源からの電力を遮断するように構成された前記第2の保護回路と、
を有する保護回路。
【請求項2】
前記第1の保護回路は、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との電気的に直列な組み合わせを含む、請求項1に記載の保護回路。
【請求項3】
前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常は、通過信号における高周波成分を含む、請求項2に記載の保護回路。
【請求項4】
前記第2の保護回路は、前記AC線に沿って実装され、かつ前記高周波成分を検出すると前記AC電源からの前記電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)を含む、請求項3に記載の保護回路。
【請求項5】
前記通過信号における前記高周波成分は前記第1の保護回路によって生成される、請求項4に記載の保護回路。
【請求項6】
前記GDTと前記MOVとがそれぞれ別個のデバイスとして構成されている、請求項2に記載の保護回路。
【請求項7】
前記GDTおよび前記MOVが単一のデバイスとして一緒にパッケージされている、請求項2に記載の保護回路。
【請求項8】
前記GDTおよび前記MOVは、前記GDTおよび前記MOVに共通する少なくとも1つの共有部分を含む、請求項2に記載の保護回路。
【請求項9】
前記少なくとも1つの共有部分は、前記MOVの電極としても機能するように構成された前記GDTの電極を含む、請求項8に記載の保護回路。
【請求項10】
前記第1の保護回路は、サイリスタ過電圧保護デバイスを含む、請求項1に記載の保護回路。
【請求項11】
前記サイリスタ過電圧保護デバイスは、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP)として実装されている、請求項10に記載の保護回路。
【請求項12】
前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常は、前記AC線における過電流を含む、請求項10に記載の保護回路。
【請求項13】
前記第2の保護回路は、前記AC線に沿って実装され、かつ前記AC線における前記過電流を遮断するように構成された過渡状態ブロッキングユニット(TBU)を含む、請求項12に記載の保護回路。
【請求項14】
前記TBUと前記サイリスタ過電圧保護デバイスとの間に実装され、かつAC電力を前記電圧を有する出力に変換するように構成された電力変換コンポーネントをさらに有している、請求項13に記載の保護回路。
【請求項15】
前記電力変換コンポーネントの前記出力はDC電圧である、請求項14に記載の保護回路。
【請求項16】
前記電力変換コンポーネントの前記出力はAC電圧である、請求項14に記載の保護回路。
【請求項17】
前記AC線を跨ぐように実装され、かつ前記AC線に関連する過電圧状態によって作動したときに、前記AC電力を前記電力変換コンポーネントからシャントさせるように構成された過電圧保護デバイスをさらに有している、請求項14に記載の保護回路。
【請求項18】
前記AC線に沿って実装され、かつトリップしたときに前記AC電力が前記AC線に流入することを防止するように構成されたヒューズをさらに有している、請求項17に記載の保護回路。
【請求項19】
負荷回路と、
前記負荷回路に電力を供給するように構成された保護回路と、
を有し、
前記保護回路は、AC電源からの電力を供給するように構成されたAC線と、前記AC線に接続され、かつ負荷回路と電気的に並列になるように実装された第1の保護回路とを含んでおり、該第1の保護回路は、前記負荷回路にかかる電圧が正常な範囲にあるときは、実質的に非導電である非アクティブ状態になり、あるいは、前記負荷回路にかかる電圧が前記正常な範囲よりも大きい過電圧値を有するときは、前記負荷回路から電力をシャントさせるために実質的に導電であるアクティブ状態になるように構成されており、前記保護回路は、電気的に前記AC電源と前記負荷回路との間に位置するように実装された第2の保護回路をさらに含んでおり、該第2の保護回路は、前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する異常に応答して前記AC電源からの電力を遮断するように構成されている、電気機器。
【請求項20】
前記電気機器は、前記電力を前記AC線に供給するために前記保護回路を前記AC電源に接続するように構成された接続コンポーネントを含む電化製品である、請求項19に記載の電気機器。
【請求項21】
前記第1の保護回路は、ガス放電管(GDT)と金属酸化物バリスタ(MOV)との電気的に直列な組み合わせとして実装され、前記第2の保護回路は、前記AC線に沿って設けられ且つ前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常を検出すると前記AC電源からの前記電力を遮断するように構成されたアークフォルト回路遮断器(AFCI)として実装される、請求項19に記載の電気機器。
【請求項22】
前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常は、通過信号における高周波成分を含む、請求項21に記載の電気機器。
【請求項23】
前記通過信号における高周波成分は、前記第1の保護回路によって生成される、請求項22に記載の電気機器。
【請求項24】
前記第1の保護回路は、サイリスタ統合型サージプロテクタ(TISP)として実装され、前記第2の保護回路は、前記AC線に沿って設けられた過渡状態ブロッキングユニット(TBU)として実装される、請求項19に記載の電気機器。
【請求項25】
前記第1の保護回路が前記アクティブ状態になることに起因する前記異常は、前記TBUが前記AC線における過電流を遮断するように構成されるような、前記AC線における過電流を含む、請求項24に記載の電気機器。
【国際調査報告】