(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】シールダイヤフラムおよび流体技術的な使用のためのシールダイヤフラムを備えた逆止弁
(51)【国際特許分類】
F16K 15/14 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
F16K15/14 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535863
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 DE2019000309
(87)【国際公開番号】W WO2020125831
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018009963.7
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514198493
【氏名又は名称】アヴェンティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Aventics GmbH
【住所又は居所原語表記】Ulmer Strasse 4, 30880 Laatzen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェンス コッホ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン アマン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シュトルパー
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058BB34
3H058BB35
3H058CA05
3H058CA22
3H058CB06
3H058EE04
(57)【要約】
本発明は、シールダイヤフラム(1)および流体技術的な使用のためのシールダイヤフラム(1)を備えた逆止弁(9)に関する。逆止弁(9)用の閉鎖手段として使用可能となるとともに、作動時には望ましくない妨害ノイズが回避されるような、流体技術的な使用のための廉価でかつ構造的に単純に製造可能なシールダイヤフラム(1)が提供されることが望まれる。この課題は、シールダイヤフラム(1)であって、面状の曲げ弾性的なシール区分を含み、シール区分が、流体圧によって曲げ可能または反り可能である、シールダイヤフラム(1)において、シール区分の面に、またはこの面に隣接して、シール区分の縁部に対して間隔を置いて、少なくとも1つの形状弾性的な摩擦歯(4)が形成されているか、または配置されており、摩擦歯(4)が、シール区分と共に30°~150°の角度を成して、面状のシール区分の曲げ運動または反り運動と共に傾動するようになっており、摩擦歯が、傾動方向に向けられた歯面にコンタクト面(7)を有することを特徴とする、シールダイヤフラム(1)により解決される。さらに、上記課題は、流体流出部(12)を備えたハウジング部分(10)を含む、流体技術的な流出開口用の逆止弁(9)において、流出開口の流路に、前に記載したシールダイヤフラム(1)が配置されており、シールダイヤフラム(1)が、シール区分によって流れ方向とは逆方向でシールシートのシール面に接触していて、流体圧を加えられると流れ方向に曲げ可能または反り可能であり、それと同時に少なくとも1つの摩擦歯(4)のコンタクト面(7)が、コンタクト面に対応する当付け面に当て付けられることを特徴とする、逆止弁(9)によって解決される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールダイヤフラム(1)であって、面状の曲げ弾性的なシール区分を含み、該シール区分が、流体圧によって曲げ可能または反り可能である、シールダイヤフラム(1)において、
前記シール区分の面に、または該面に隣接して、前記シール区分の縁部に対して間隔を置いて、少なくとも1つの形状弾性的な摩擦歯(4)が形成されているか、または配置されており、該摩擦歯(4)が、前記シール区分と共に30°~150°の角度を成して、面状の前記シール区分の曲げ運動または反り運動と共に傾動するようになっており、前記摩擦歯が、傾動方向に向けられた歯面にコンタクト面(7)を有することを特徴とする、シールダイヤフラム(1)。
【請求項2】
前記シールダイヤフラム(1)が縁領域(2)と中央領域(3)とを有しており、前記縁領域(2)に少なくとも1つのシール区分が設けられているか、または前記縁領域(2)が、一貫してシール区分として形成されていることを特徴とする、請求項1記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項3】
前記縁領域(2)が、一貫してシール区分として形成されており、複数の摩擦歯(4)が、前記シール区分全体にわたって前記シール区分の縁部に対してそれぞれ等しい間隔を置いて形成されているか、または配置されているとともに、それぞれ互いに対して所定の間隔を置いて形成されているか、または配置されていることを特徴とする、請求項2記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項4】
前記摩擦歯(4)が、それぞれ互いに対して等しい間隔または変化する間隔を置いて形成されているか、または配置されていることを特徴とする、請求項3記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項5】
前記シールダイヤフラム(1)が円形の基面を有しており、前記摩擦歯が環状に形成されているか、または配置されていることを特徴とする、請求項3または4記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項6】
前記中央領域(3)に少なくとも1つの通流開口(5)が形成されており、該通流開口(5)を取り囲んで延びるように緊定面またはフランジ面または中空突設部(8)が形成されていることを特徴とする、請求項4記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項7】
流体流出部(12)を備えたハウジング部分(10)を含む、流体技術的な流出開口用の逆止弁(9)において、
前記流出開口の流路に、請求項1から5までのいずれか1項記載のシールダイヤフラム(1)が配置されており、該シールダイヤフラム(1)が、シール区分によって流れ方向とは逆方向でシールシートのシール面に接触していて、流体圧を加えられると流れ方向に曲げ可能または反り可能であり、それと同時に少なくとも1つの摩擦歯(4)のコンタクト面が、該コンタクト面に対応する当付け面に当て付けられることを特徴とする、逆止弁(9)。
【請求項8】
請求項5記載のシールダイヤフラム(1)を備え、該シールダイヤフラム(1)が、中央の通流開口(5)を備えて形成されており、該通流開口(5)を取り囲むように中空突設部(8)が形成されており、前記流体流出部が、対応する中空突設部(13)を備えて形成されており、該中空突設部(13)に前記シールダイヤフラム(1)が差し被せ可能であるか、または該中空突設部(13)内に差込み可能であり、前記シールダイヤフラム(1)の、前記流体流出部(12)とは反対の側に、横断面帽子形の円形のカバーキャップ(14)が固定可能であり、該カバーキャップ(14)のヘッド部分に設けられた環状の側縁(14a)が、環状に形成されたかまたは配置された前記摩擦歯(4)を周面側で取り囲んでおり、前記カバーキャップ(14)の環状の内側つば区分(14c)が、シール面を備えたシールシートを形成しており、前記内側つば区分(14c)が、前記シール区分の平面に対してハウジングの方向に傾けられて形成されており、縁側の前記シール区分が、軽度の曲げ位置または反り位置でプリロードをかけられて前記内側つば区分(14c)に面一に接触しており、前記カバーキャップ(14)が、前記内側つば区分(14c)の周囲に延びる別の外側つば区分(14d)を形成しており、該外側つば区分(14d)が、歯プロファイルから形成されているか、または複数の貫通開口を備えた一貫して延びるつばとして形成されており、前記外側つば区分(14d)によって前記カバーキャップ(14)が、ハウジングに、またはハウジング内に固定可能であり、縁側の前記シール区分の下方に中空室(15)が形成されており、該中空室(15)内に前記シール区分が、流体圧を受けて曲げ運動または反り運動を実施して突入するようになっており、前記摩擦歯(4)が傾動し、該摩擦歯(4)のコンタクト面(7)が、前記カバーキャップ(14)の前記ヘッド部分の環状の前記側縁(14a)の、当付け面を形成する内面に当て付けられることを特徴とする、請求項6記載の逆止弁(9)。
【請求項9】
前記シールダイヤフラム(1)が、前記中央領域(3)に、前記中空突設部(8)の周囲を環状に巡るように形成されたかまたは配置された複数の安定化歯(6)を有することを特徴とする、請求項7記載の逆止弁(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールダイヤフラムおよび流体技術的な使用のためのシールダイヤフラムを備えた逆止弁に関する。
【背景技術】
【0002】
簡単な制御タスクのために、流体技術の背景技術では、逆止弁を使用することが知られている。流体技術的な使用では、逆止弁は一般に方向規定のために用いられ、この場合、逆止弁は流体(液体、気体)の流れを一方向でのみ可能にする。この場合、一般に、流動する流体の圧力によって通過方向では閉鎖エレメントが開放され、それに対して、逆方向においては、たとえばばねの戻し力、重力または流出側における流体圧に基づいて、閉鎖エレメントは自動的に流路を遮断する。さらに、閉鎖エレメントとして、弾性変形可能な材料、たとえばエラストマから成るシール性のダイヤフラム手段を使用することが知られている。ダイヤフラム手段は、たとえば流路遮断タブを形成していてよく、この流路遮断タブは、流路においてプリロードをかけられて、またはプリロードなしに、形状弾性的にシール面に接触しているか、またはシールシートに押圧されている。通過方向において、弾性変形可能な流路遮断タブの戻し力を克服し得る十分な流体圧が加えられると、流路遮断タブはシールシートから持ち上げられて、流路を開放する。流体圧が取り除かれると、流路遮断タブは、ばね力に基づいて形状弾性的に初期位置へ戻る。逆方向においては、流路遮断タブが、対応するシール面またはシールシートに密に当て付けられることにより形状接続式に流路を遮断する。たとえばニューマチック回路の領域においては、弁またはシリンダの流出開口を保護するために、シールダイヤフラムを備えたこのような逆止弁を使用することが知られており、これにより使用環境に応じてダスト、液体または別の物質の侵入が阻止される。シールダイヤフラムが流体技術的な使用のために使用される場合、一般に技術的に不都合となるのは、シールダイヤフラムが、特定の流体圧、流速または操作頻度において、その形状弾性に基づき、振動、揺動またはフラッタリングの傾向を示すことである。特にニューマチック的な使用では、このことは望ましくない妨害ノイズ、たとえば高い笛吹きノイズを招くおそれがある。
【0003】
欧州特許出願公開第0624744号明細書に基づき、流体技術的な使用のための、振動減衰されたリップ形の逆止弁が公知である。望ましくない振動および笛吹きノイズを阻止するために、エラストマ材料から形成された弁体が振動ダンパを含むことが提案されている。この振動ダンパは、流路内で、弁体の振動運動に対抗して、たとえば逆位相の振動により減衰作用を加える自然の固有振動数で自由に共振する。欧州特許出願公開第0624744号明細書により提案された解決手段は、構造的に比較的手間がかかる。なぜならば、所望の機能を満たし得るためには、振動ダンパの構成が、弁体のその都度の性質および寸法設定ならびにその都度の使用目的に合わせて特別に計算されかつ調整されていなければならないからである。さらに、付加的な振動ダンパが流路内で自由に振動するように位置決め可能となるようにするために、このような技術的解決手段は、与えられた特定の空間条件が存在することを必要とする。
【0004】
独国特許出願公開第102009018930号明細書に基づき、弾性変形可能な材料から成る面状の流路遮断タブを備えた逆止弁が公知である。この公知の逆止弁では、流路遮断タブの、弁座とは反対の側にストッパエレメントが配置されている。このストッパエレメントには、流路遮断タブが当接できるようになっており、これにより弁座からの流路遮断タブの持上がり量が制限される。制限された開放位置により、流体が流路遮断タブの開放位置において流路遮断タブに対して流れ技術的に好都合に斜めに流入することを保証することができる。これにより、渦流形成および流れ技術的に不都合な現象を回避することができる。独国特許出願公開第102009018930号明細書により提案された解決手段は、可能となる通流横断面がストッパによる制限に基づいて原理的に減じられる点で不都合である。さらに、完全な開放位置がとられた状態で特定の最小圧においてしか流路遮断タブの安定化が達成されない。さらに、独国特許出願公開第102009018930号明細書により開示された解決手段によれば、ストッパエレメントが別個の付加的な構成部分として存在しなければならないか、または弁は代替的な別の構成によれば、構造的にやはり手間のかかる特別なダブル逆止弁として、2つの流路遮断タブおよび両流路遮断タブの間に配置された1つの共通のストッパエレメントと一体に形成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の根底を成す課題は、上に挙げた不都合を回避することである。特に、逆止弁用の閉鎖手段として使用可能となるとともに、作動時には望ましくない妨害ノイズが回避されるような、流体技術的な使用のための廉価でかつ構造的に単純に製造可能なシールダイヤフラムが提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載のシールダイヤフラムおよび請求項5に記載のシールダイヤフラムを備えた逆止弁により解決される。本発明の有利な改良形は、従属形式の各請求項に記載されている。
【0007】
本発明の核心は、シールダイヤフラムであって、面状の曲げ弾性的なシール区分を含み、このシール区分が、流体圧によって曲げ可能または反り可能である、シールダイヤフラムにおいて、シール区分の面に、またはこの面に隣接して、シール区分の縁部に対して間隔を置いて、少なくとも1つの形状弾性的な摩擦歯が形成されているか、または配置されており、この摩擦歯が、シール区分と共に30°~150°の角度を成して、面状のシール区分の曲げ運動または反り運動と共に傾動するようになっており、摩擦歯が、傾動方向に向けられた歯面にコンタクト面を有することを特徴とする、シールダイヤフラムを形成する。シールダイヤフラムの面状のシール区分は、閉鎖エレメントとして働き、この場合、シール区分はその休止位置において、プリロード(予荷重)をかけられるか、またはプリロードをかけられることなしに、当付けによって、対応するシール面を備えたシールシートまたはシールシートにもたらされるようになっている。対応するシール面またはシールシートへのシール区分の当付け方向とは逆方向に向けられた十分な流体圧によって、シール区分の形状弾性的な戻し力は克服可能であり、これにより、シール区分は曲がるか、または反り、通流横断面が開放可能となる。面状のシール区分の曲げ運動または反り運動と同時に、形状弾性的な摩擦歯が傾動し、これにより、摩擦歯の、傾動方向に向けられた歯面に設けられたコンタクト面が、周囲に設けられた対応する当接面と接触するようになっている。この場合、摩擦歯のコンタクト面は、対応する当接面に対して摩擦接続を形成し、これにより、シール区分の位置は、シール区分と摩擦歯との一体的な結合に基づいて、その開放位置において安定化され、この開放位置におけるシール区分の望ましくない振動、揺動またはフラッタリングが阻止されるか、または少なくとも著しく減衰される。これにより、望ましくない妨害ノイズは回避される。摩擦歯の幅および長さ、摩擦歯とシール区分とが成す角度ならびにシール区分の縁部からの摩擦歯の間隔は、使用環境の所定の幾何学的形状、流体圧および使用される材料の形状弾性に関連して、シール区分の開放位置において十分な通流が与えられると同時にシール区分の位置の十分な安定化が与えられるように設定される。構造的に単純な構成では、1つまたは複数の摩擦歯が、たとえばシール区分の縁部に対して間隔を置いてシール区分に対して垂直に形成されているか、または配置されている。流体圧で加圧された際のシール区分の曲げまたは反りと同時に各摩擦歯が傾動し、シール区分の規定の開放角度が超えられると、摩擦歯のコンタクト面が、たとえば流体通路の内面に作用し、これにより、摩擦歯の長さに応じて、規定の曲げ角度または反り角度が超えられると、この内面に対して、シール区分を安定化する摩擦接続が形成可能となる。この場合、摩擦歯の形状弾性に基づき、より大きな曲げ範囲または反り範囲にわたって、シール区分の動的な安定化が可能となる。本発明によるシールダイヤフラムには、全体的に廉価に製造可能であるとともに構造的に単純に一体に製造可能である、という別の利点がある。特に、このシールダイヤフラムは簡単に、1つまたは複数の摩擦歯と共にエラストマとして、一次成形または変形加工による単独の製作ステップで製造可能である。
【0008】
縁領域と中央領域とを備えたシールダイヤフラムでは、好ましくは縁領域に少なくとも1つのシール区分が設けられているか、または縁領域が一貫してシール区分として形成されている。これにより、シールダイヤフラムは中央領域において取付け可能となり、縁領域に形成されたシール区分は、弁機能を引き受ける。
【0009】
シールダイヤフラムの縁領域が一貫してシール区分として形成されている場合、好ましくは、複数の摩擦歯が、シール区分全体にわたってシール区分の縁部に対してそれぞれ等しい間隔を置いて形成されているか、または配置されているとともに、それぞれ互いに対して所定の間隔を置いて形成されているか、または配置されている。これにより、環状のシール区分の均一な曲げモーメントまたは反りモーメントが、シール区分の面全体にわたって保証されており、ひいては均一なシール作用が保証されている。
【0010】
この場合に、摩擦歯が、それぞれ互いに対して等しい間隔を置いて形成されているか、または配置されていることにより、シール区分の面全体にわたって、シール区分の均一な安定化が達成されている。摩擦歯が、それぞれ互いに対して変化する間隔を置いて形成されているか、または配置されていることにより、シールダイヤフラムの振動特性に対する別の影響付与が与えられている。摩擦歯の互いに対する間隔を少しだけ変化させることにより、シールダイヤフラムの振動特性に対して影響を与える付加的なモーメントが提供され、これにより、望ましくない周期的な振動過程の形成を付加的に回避することができる。
【0011】
本発明の別の構成では、縁領域に設けられた一貫して延びる環状のシール区分を備えたシールダイヤフラムが円形の基面を有しており、摩擦歯が環状に形成されているか、または配置されている。これにより、シールダイヤフラムは、構造的に単純に、たとえば、一般に流体通路の出口として同じく円形の横断面を有するニューマチック式の弁またはシリンダの典型的な流出開口を保護するために使用することができる。
【0012】
本発明の上述した態様の別の構成では、中央領域に少なくとも1つの通流開口が形成されており、この通流開口を取り囲んで延びるように緊定面またはフランジ面または中空突設部が形成されている。これにより、シールダイヤフラムは簡単に中央領域において流体出口に被さるように配置可能であり、かつたとえばカバーキャップを用いて外部から位置固定可能である。中央領域に設けられた少なくとも1つの通流開口を通じて、通流を行うことができ、この通流はカバーキャップによってシールダイヤフラムの、弁機能を発揮する縁領域へ変向可能となる。
【0013】
流体技術的な流出開口用の本発明による逆止弁は、流体流出部を備えたハウジング部分を含み、この場合、流出開口の流路に、上述した態様のうちの1つの態様によるシールダイヤフラムが配置されており、このシールダイヤフラムが、シール区分によって流れ方向とは逆方向でシールシートのシール面に接触していて、流体圧を加えられると流れ方向に曲げ可能または反り可能であり、それと同時に少なくとも1つの摩擦歯のコンタクト面が、このコンタクト面に対応する当付け面に当て付けられる。
【0014】
逆止弁の、上述した態様の、構造的に単純に製造可能な別の構成では、逆止弁が、縁領域と中央領域と円形の基面とを備えたシールダイヤフラムを装備して形成されており、この場合、縁範囲が一貫してシール区分として形成されており、複数の摩擦歯が、シール区分全体にわたってシール区分の縁部に対してそれぞれ等しい間隔を置いて形成されているか、または配置されているとともに、それぞれ互いに対して所定の間隔を置いて、全体的にシール区分の面に沿って環状に形成されているか、または配置されている。シールダイヤフラムはさらに同時に中央の通流開口を備えて形成されており、この通流開口を取り囲むように中空突設部が形成されている。流体流出部は、対応する中空突設部を備えて形成されており、シールダイヤフラムはこの中空突設部に差し被せ可能であるか、またはこの中空突設部内に差込み可能である。シールダイヤフラムの、流体流出部とは反対の側には、横断面帽子形の円形のカバーキャップが固定可能であり、この場合、このカバーキャップのヘッド部分に設けられた環状の側縁が、環状に形成されたかまたは配置された複数の摩擦歯を周面側で取り囲んでおり、カバーキャップの環状の内側つば区分が、シール面を備えたシールシートを形成しており、この場合、この内側つば区分は、シール区分の平面に対してハウジングの方向に傾けられて形成されているので、縁側のシール区分は、軽度の曲げ位置または反り位置でプリロード(予荷重)をかけられて内側つば区分に面一に接触しており、この場合、カバーキャップは、内側つば区分の周囲に延びる別の外側つば区分を形成しており、この外側つば区分は、歯プロファイルから形成されているか、または複数の貫通開口を備えた一貫して延びるつばとして形成されており、外側つば区分によってカバーキャップは、ハウジングに、またはハウジング内に固定可能であり、この場合、縁側のシール区分の下方には中空室が形成されており、この中空室内にはシール区分が、流体圧を受けて曲げ運動または反り運動を実施して突入するようになっており、この場合、摩擦歯が傾動し、摩擦歯のコンタクト面は、カバーキャップのヘッド部分の環状の側縁の、当付け面を形成する内面に当て付けられる。流体流出部が加圧されると、シールダイヤフラムの中央の通流開口が通流され、流体流は、シールダイヤフラムの、流体流出部とは反対の側でカバーキャップによってシールダイヤフラムの、一貫してシール区分として形成されている縁領域へ変向される。十分な流体圧が加えられると、シール区分の形状弾性的な戻し力が克服され、これにより、シール区分は、シール面を備えたシールシートを形成する内側つば区分から曲げ運動または反り運動を実施して持ち上がり、この場合、シール区分は中空室内に突入して、流体流のための通流横断面を開放する。流体流は、開放された通流横断面と、中空室と、外側つば区分に設けられた、歯プロファイルにより形成された複数の開口またはつばに設けられた貫通開口として形成された複数の開口とを通じて、環境へ逃出することができる。シール区分の曲げまたは反りと同時に摩擦歯が傾動して、摩擦歯の、それぞれ傾動方向に向けられたコンタクト面が、同時に、カバーキャップのヘッド部分の環状の側縁の、当付け面を形成する内面に当て付けられ、この内面に対して摩擦接続を形成し、これにより、シール区分の位置は、シール区分と摩擦歯との一体的な結合に基づいてその開放位置において安定化され、開放位置におけるシール区分の望ましくない振動、揺動またはフラッタリングが阻止されるか、または少なくとも、望ましくない妨害ノイズが発生されない程度に減衰される。
【0015】
逆止弁の上述した態様の別の構成では、シールダイヤフラムが、中央領域に、中空突設部の周囲を環状に巡るように形成されたかまたは配置された複数の安定化歯を有している。これらの安定化歯は、中央領域におけるシールダイヤフラムの付加的な安定化のために役立ち、この場合、安定化歯は、カバーキャップのヘッド部分の屋根部に対して場合によっては生じる昇降運動を阻止するか、または制限する。このためには、安定化歯の長さは、好ましくは、屋根部に対する形状接続が形成可能となるように設定されている。この場合、安定化歯の間に形成された複数の間隙を通じて、流体流が可能となる。
【0016】
本発明のさらに別の利点は、以下に、図面に基づき行う本発明の有利な実施形態の説明と共に詳しく説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】
図1に示したシールダイヤフラムを備えた逆止弁を休止位置で示す断面図である。
【
図3】
図2に示した逆止弁を加圧位置で示すとともに、流体流の流路を概略的に示した断面図である。
【
図4】
図2に示した逆止弁を加圧位置で示すとともに、シール区分の反りを概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、シールダイヤフラム1が斜視図で示されている。シールダイヤフラム1は、形状弾性的なエラストマから形成されていて、外側の環状の縁領域2と内側の中央領域3とを備えた円形の基面を有している。縁領域2は、一貫して延びるシール区分を形成している。縁領域2により形成されたシール区分の面に対して直接隣接して、シールダイヤフラムの基面に対して垂直に(ひいては、縁領域2により形成されたシール区分の平面に対しても垂直に)複数の摩擦歯が環状に配置されている。
図1には、図面を見易くする目的で、これらの摩擦歯のうちの1つの摩擦歯4だけが例示的に符号付けされている。摩擦歯4はこの場合、シール区分を形成している縁領域2の外縁部に対してそれぞれ等しい間隔を置いて、かつ互いに対して等しい間隔を置いて配置されている。代替的な別の構成では、摩擦歯4が、-外縁部に対してそれぞれ等しい間隔を有する場合に-互いに対して少しだけ変化する間隔を置いて配置されてもよい(
図1には図示しない)。これにより、必要に応じて、シールダイヤフラムの振動特性に対して影響を与える付加的なモーメントが生じる。中央領域3には、中央の通流開口5が形成されている。この通流開口5の周囲を巡るように複数の安定化歯が環状に配置されている。
図1には、図面を見易くする目的で、これらの安定化歯のうちの1つの安定化歯6だけが例示的に符号付けされている。摩擦歯4は、シール区分を形成している縁領域2の外縁部に向けられた歯面に、それぞれ1つのコンタクト面7を有している。
図1には、図面を見易くする目的で、これらのコンタクト面のうちの1つのコンタクト面7だけが例示的に符号付けされている。中央の通流開口5を取り囲んで延びるように、中空突設部8が形成されている。
【0019】
図2~
図4には、
図1に示したシールダイヤフラム1を備えた逆止弁9が取付け位置で示されている。ニューマチック式の弁ハウジングのハウジング部分10には、流体通路11が形成されており、この流体通路11は、出口に流体流出部12として円筒状の開口を有している。この流体流出部の外側は、シールダイヤフラム1に設けられた中空突設部8に対応する中空突設部13によって形成されている。シールダイヤフラム1は中空突設部8によって中空突設部13に差し被されている。シールダイヤフラム1の、流体流出部12とは反対の側には、カバーキャップ14が配置されており、このカバーキャップ14は円形の基本形状を有する(
図2~
図4に図示した方向からは判らない)。横断面で見てカバーキャップは帽子形状を有していて、環状の側縁14aと屋根部14bとにより形成されたヘッド部分と、環状の内側つば区分14cと、この内側つば区分14cの周囲に延びる外側つば区分14dとを備えている。カバーキャップ14はこの場合、環状の側縁14aによって周面側でシールダイヤフラム1の摩擦歯4を取り囲んでいる(
図2~
図4には、図面を見易くする目的で、両摩擦歯4だけが例示的に符号付けされている)。この場合、シールダイヤフラムは中央領域3で複数の安定化歯(
図2~
図4には、図面を見易くする目的で、1つの安定化歯6だけが例示的に符号付けされている)によって、カバーキャップ14の屋根部14bに対して形状接続式に位置固定されている。外側つば区分14dは、複数の間隙を備えた歯プロファイルから形成されているが、これは、
図2~
図4に図示した方向からは判らない。それと同時に、外側つば区分14bによってカバーキャップはハウジング部分10に設けられた、流体流出部12の周囲を巡るように延びる円筒状の凹部内に力・形状接続式に位置固定されており、この場合、カバーキャップ14はこの凹部内に圧入されている。
【0020】
図2には、シールダイヤフラム1が休止位置で図示されている。この休止位置では、流体流出部12が加圧されていない。シールダイヤフラム1はこの場合、シール区分を形成している縁領域2によって、カバーキャップ14の内側つば区分14cの内面に密に接触している。内側つば区分14cの内面はこの場合、同時にシールダイヤフラム1のシール区分のためのシール面およびシールシートとして働く。シールダイヤフラム1の縁領域2の下方では、ハウジング部分10に設けられた、流体流出部12の周囲を巡るように延びる円筒状の凹部が中空室15を形成している。
【0021】
図3および
図4には、シールダイヤフラム1が開放位置で図示されている。流体流出部12が十分な圧力で加圧されると、シールダイヤフラム1はこの開放位置をとる。流体の流路は、
図3に矢印Aおよび矢印Bにより示されている。流体流出部12が加圧されると、シールダイヤフラム1の中央の通流開口5が流体によって通流され(矢印A)、この流体流はシールダイヤフラム1の、流体流出部12とは反対の側でカバーキャップ14によって、シールダイヤフラム1の環状の縁領域2へ変向される(矢印B)。この環状の縁領域2は、一貫してシール区分として形成されている。このときに、流体流は各安定化歯6の間の間隙を通過する。十分な流体圧が加えられると、シールダイヤフラム1の、シール区分を形成している縁領域2の形状弾性的な戻し力が克服され、これにより縁領域2は、カバーキャップ14の内側つば区分14cの内面から、反り運動をして持ち上がる。この場合、縁領域2は中空室15内に突入して、流体流のための通流横断面を開放する。流体流は、開放された通流横断面と中空室15とを通って環境へ逃出し、この場合、流体流は、外側つば区分14dにより形成された歯プロファイルの複数の間隙を通過する。シールダイヤフラム1の、シール区分を形成している縁領域2の反り運動の方向は、
図4に矢印Cにより示されている。縁領域2の反りと同時に、摩擦歯4が傾動し、このときに摩擦歯4の、それぞれ傾動方向に向けられたコンタクト面7が、カバーキャップ14の環状の側縁14aの、当付け面を形成する内面に当て付けられて、この当付け面に対して摩擦接続を形成する。これにより、シールダイヤフラム1の、シール区分を形成している縁領域2の位置は、縁領域2と摩擦歯4との一体的な結合に基づき、その開放位置において安定化され、開放位置におけるシール区分の望ましくない振動、揺動またはフラッタリングが阻止されるか、または少なくとも、望ましくない妨害ノイズが発生されない程度に減衰される。
【0022】
逆止弁9は、構造的に特に単純でかつ廉価に製造可能である。なぜならば、逆止弁9は、相応する孔を備えたハウジング部分に加えて、シールダイヤフラム1とカバーキャップ9とからしか形成されていないからである。シールダイヤフラム1はこの場合、エラストマ部分として、一次成形または変形加工による製作方法で簡単に製造可能である。カバーキャップは金属部分として打抜き加工法で簡単に製造することができ、またはプラスチック部分として射出成形法で簡単に製造することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 シールダイヤフラム
2 縁領域
3 中央領域
4 摩擦歯
5 通流開口
6 安定化歯
7 コンタクト面
8,13 中空突設部
9 逆止弁
10 ハウジング部分
11 流体通路
12 流体流出部
14 カバーキャップ
14a 側縁
14b 屋根部
14c 内側つば区分
14d 外側つば区分
15 中空室
【手続補正書】
【提出日】2021-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールダイヤフラム(1)であって、面状の曲げ弾性的なシール区分を含み、該シール区分が、流体圧によって曲げ可能または反り可能である、シールダイヤフラム(1)において、
前記シール区分の面に、または該面に隣接して、前記シール区分の縁部に対して間隔を置いて、少なくとも1つの形状弾性的な摩擦歯(4)が形成されているか、または配置されており、該摩擦歯(4)が、前記シール区分と共に30°~150°の角度を成して、面状の前記シール区分の曲げ運動または反り運動と共に傾動するようになっており、前記摩擦歯が、傾動方向に向けられた歯面にコンタクト面(7)を有することを特徴とする、シールダイヤフラム(1)。
【請求項2】
前記シールダイヤフラム(1)が縁領域(2)と中央領域(3)とを有しており、前記縁領域(2)に少なくとも1つのシール区分が設けられているか、または前記縁領域(2)が、一貫してシール区分として形成されていることを特徴とする、請求項1記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項3】
前記縁領域(2)が、一貫してシール区分として形成されており、複数の摩擦歯(4)が、前記シール区分全体にわたって前記シール区分の縁部に対してそれぞれ等しい間隔を置いて形成されているか、または配置されているとともに、それぞれ互いに対して所定の間隔を置いて形成されているか、または配置されていることを特徴とする、請求項2記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項4】
前記摩擦歯(4)が、それぞれ互いに対して等しい間隔または変化する間隔を置いて形成されているか、または配置されていることを特徴とする、請求項3記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項5】
前記シールダイヤフラム(1)が円形の基面を有しており、前記摩擦歯が環状に形成されているか、または配置されていることを特徴とする、請求項3または4記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項6】
前記中央領域(3)に少なくとも1つの通流開口(5)が形成されており、該通流開口(5)を取り囲んで延びるように緊定面またはフランジ面または中空突設部(8)が形成されていることを特徴とする、請求項
3から5までのいずれか1項記載のシールダイヤフラム(1)。
【請求項7】
流体流出部(12)を備えたハウジング部分(10)を含む、流体技術的な流出開口用の逆止弁(9)において、
前記流出開口の流路に、請求項1から
6までのいずれか1項記載のシールダイヤフラム(1)が配置されており、該シールダイヤフラム(1)が、シール区分によって流れ方向とは逆方向でシールシートのシール面に接触していて、流体圧を加えられると流れ方向に曲げ可能または反り可能であり、それと同時に少なくとも1つの摩擦歯(4)のコンタクト面が、該コンタクト面に対応する当付け面に当て付けられることを特徴とする、逆止弁(9)。
【請求項8】
請求項
6記載のシールダイヤフラム(1)を備え、該シールダイヤフラム(1)が、中央の通流開口(5)を備えて形成されており、該通流開口(5)を取り囲むように中空突設部(8)が形成されており、前記流体流出部が、対応する中空突設部(13)を備えて形成されており、該中空突設部(13)に前記シールダイヤフラム(1)が差し被せ可能であるか、または該中空突設部(13)内に差込み可能であり、前記シールダイヤフラム(1)の、前記流体流出部(12)とは反対の側に、横断面帽子形の円形のカバーキャップ(14)が固定可能であり、該カバーキャップ(14)のヘッド部分に設けられた環状の側縁(14a)が、環状に形成されたかまたは配置された前記摩擦歯(4)を周面側で取り囲んでおり、前記カバーキャップ(14)の環状の内側つば区分(14c)が、シール面を備えたシールシートを形成しており、前記内側つば区分(14c)が、前記シール区分の平面に対してハウジングの方向に傾けられて形成されており、縁側の前記シール区分が、軽度の曲げ位置または反り位置でプリロードをかけられて前記内側つば区分(14c)に面一に接触しており、前記カバーキャップ(14)が、前記内側つば区分(14c)の周囲に延びる別の外側つば区分(14d)を形成しており、該外側つば区分(14d)が、歯プロファイルから形成されているか、または複数の貫通開口を備えた一貫して延びるつばとして形成されており、前記外側つば区分(14d)によって前記カバーキャップ(14)が、ハウジングに、またはハウジング内に固定可能であり、縁側の前記シール区分の下方に中空室(15)が形成されており、該中空室(15)内に前記シール区分が、流体圧を受けて曲げ運動または反り運動を実施して突入するようになっており、前記摩擦歯(4)が傾動し、該摩擦歯(4)のコンタクト面(7)が、前記カバーキャップ(14)の前記ヘッド部分の環状の前記側縁(14a)の、当付け面を形成する内面に当て付けられることを特徴とする、請求項
7記載の逆止弁(9)。
【請求項9】
前記シールダイヤフラム(1)が、前記中央領域(3)に、前記中空突設部(8)の周囲を環状に巡るように形成されたかまたは配置された複数の安定化歯(6)を有することを特徴とする、請求項
8記載の逆止弁(9)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
図1には、シールダイヤフラム1が斜視図で示されている。シールダイヤフラム1は、形状弾性的なエラストマから形成されていて、外側の環状の縁領域2と内側の中央領域3とを備えた円形の基面を有している。縁領域2は、一貫して延びるシール区分を形成している。縁領域2により形成されたシール区分の面に対して直接隣接して、シールダイヤフラム
1の基面に対して垂直に(ひいては、縁領域2により形成されたシール区分の平面に対しても垂直に)複数の摩擦歯
4が環状に配置されている。
図1には、図面を見易くする目的で、これらの摩擦歯のうちの1つの摩擦歯4だけが例示的に符号付けされている。摩擦歯4はこの場合、シール区分を形成している縁領域2の外縁部に対してそれぞれ等しい間隔を置いて、かつ互いに対して等しい間隔を置いて配置されている。代替的な別の構成では、摩擦歯4が、-外縁部に対してそれぞれ等しい間隔を有する場合に-互いに対して少しだけ変化する間隔を置いて配置されてもよい(
図1には図示しない)。これにより、必要に応じて、シールダイヤフラム
1の振動特性に対して影響を与える付加的なモーメントが生じる。中央領域3には、中央の通流開口5が形成されている。この通流開口5の周囲を巡るように複数の安定化歯が環状に配置されている。
図1には、図面を見易くする目的で、これらの安定化歯のうちの1つの安定化歯6だけが例示的に符号付けされている。摩擦歯4は、シール区分を形成している縁領域2の外縁部に向けられた歯面に、それぞれ1つのコンタクト面7を有している。
図1には、図面を見易くする目的で、これらのコンタクト面のうちの1つのコンタクト面7だけが例示的に符号付けされている。中央の通流開口5を取り囲んで延びるように、中空突設部8が形成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図2~
図4には、
図1に示したシールダイヤフラム1を備えた逆止弁9が取付け位置で示されている。ニューマチック式の弁ハウジングのハウジング部分10には、流体通路11が形成されており、この流体通路11は、出口に流体流出部12として円筒状の開口を有している。この流体流出部
12の外側は、シールダイヤフラム1に設けられた中空突設部8に対応する中空突設部13によって形成されている。シールダイヤフラム1は中空突設部8によって中空突設部13に差し被されている。シールダイヤフラム1の、流体流出部12とは反対の側には、カバーキャップ14が配置されており、このカバーキャップ14は円形の基本形状を有する(
図2~
図4に図示した方向からは判らない)。横断面で見てカバーキャップ
14は帽子形状を有していて、環状の側縁14aと屋根部14bとにより形成されたヘッド部分と、環状の内側つば区分14cと、この内側つば区分14cの周囲に延びる外側つば区分14dとを備えている。カバーキャップ14はこの場合、環状の側縁14aによって周面側でシールダイヤフラム1の摩擦歯4を取り囲んでいる(
図2~
図4には、図面を見易くする目的で、両摩擦歯4だけが例示的に符号付けされている)。この場合、シールダイヤフラム
1は中央領域3で複数の安定化歯(
図2~
図4には、図面を見易くする目的で、1つの安定化歯6だけが例示的に符号付けされている)によって、カバーキャップ14の屋根部14bに対して形状接続式に位置固定されている。外側つば区分14dは、複数の間隙を備えた歯プロファイルから形成されているが、これは、
図2~
図4に図示した方向からは判らない。それと同時に、外側つば区分14
dによってカバーキャップ
14はハウジング部分10に設けられた、流体流出部12の周囲を巡るように延びる円筒状の凹部内に力・形状接続式に位置固定されており、この場合、カバーキャップ14はこの凹部内に圧入されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
逆止弁9は、構造的に特に単純でかつ廉価に製造可能である。なぜならば、逆止弁9は、相応する孔を備えたハウジング部分10に加えて、シールダイヤフラム1とカバーキャップ14とからしか形成されていないからである。シールダイヤフラム1はこの場合、エラストマ部分として、一次成形または変形加工による製作方法で簡単に製造可能である。カバーキャップ14は金属部分として打抜き加工法で簡単に製造することができ、またはプラスチック部分として射出成形法で簡単に製造することができる。
【国際調査報告】