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特表2022-515237微生物由来材料の送達のための局所製剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】微生物由来材料の送達のための局所製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/74 20150101AFI20220209BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220209BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 17/08 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 15/14 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20220209BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220209BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
A61K35/74 A
A61K47/44
A61P17/00
A61P17/02
A61P17/08
A61P17/10
A61P37/08
A61P17/06
A61P15/14
A61P17/00 101
A61K9/14
A61K9/19
A61K47/04
A61K9/08
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536319
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019067061
(87)【国際公開番号】W WO2020131997
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/784,060
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521268750
【氏名又は名称】マトリシス バイオサイエンス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ブックバインダー ルイス エイチ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4C076AA14
4C076AA31
4C076BB31
4C076CC17
4C076CC18
4C076CC19
4C076CC32
4C076DD29
4C076EE58
4C076FF36
4C076FF63
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC71
4C087CA09
4C087CA10
4C087CA11
4C087MA05
4C087MA17
4C087MA41
4C087MA44
4C087MA63
4C087NA03
4C087NA14
4C087ZA89
4C087ZB13
4C087ZB35
(57)【要約】
本開示は、プロバイオティック皮膚細菌およびその抽出物または誘導体の投与のための局所製剤を記載する。本開示は、製剤の長期にわたる保管および安定性を保証するための方法および組成物をさらに記載する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種または複数種のプロバイオティック細菌を含み、油および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む組成物。
【請求項2】
前記1種または複数種のプロバイオティック細菌は、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属の細菌を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記細菌は、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)およびスタフィロコッカス・エピデルミス(Staphylococcus epidermis)の1種または複数種を含む、請求項1および2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記細菌はスタフィロコッカス・ホミニスの系統を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記細菌はスタフィロコッカス・ホミニス系統A9を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記油は、大豆油、ゴマ油、鉱油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、マカダミアナッツ油、カノーラ油、またはエミュー油のうちの1種または複数種を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記油は大豆油を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記薬学的に許容される賦形剤は、トコフェロール、グルタミン酸モノナトリウム、デンプン、コロイド状二酸化ケイ素、微結晶セルロース、アルギネート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアルコール、アセチルアルコール、セトステアリルアルコール、ビニルアルコール、またはポリビニルアルコールのうちの1種または複数種を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記油組成物として製剤化される、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記ローション組成物として製剤化される、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記活性原薬または活性美容物質を含み、前記活性原薬または活性美容物質は、1種または複数種のプロバイオティック細菌、凍結乾燥された細菌、増殖培地、凍結乾燥された増殖培地、細菌抽出物、または凍結乾燥された細菌抽出物を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
凍結乾燥されたコアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(CoNS)を含む活性原薬;
不活性粒子;および

を含む組成物。
【請求項13】
凍結乾燥されたスタフィロコッカス・ホミニス系統A9を含む活性原薬;
ヒュームドシリカ;および
大豆油、ゴマ油、鉱油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、マカダミアナッツ油、カノーラ油、エミュー油、またはその任意の組み合わせを含む群から選択される油
を含む組成物。
【請求項14】
糖類、デンプン、セルロース、トラガカント末、モルト、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤、硫酸カルシウム、植物油、ポリオール、アルギン酸;TWEEN、ラウリル硫酸ナトリウム、乳化剤、湿潤剤、着色剤、香味剤、錠剤化剤、安定剤;抗酸化物質、防腐剤、発熱物質不含水、等張食塩水、リン酸緩衝液、またはその任意の組み合わせを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記活性原薬は、粒子、微粒子、またはナノ粒子として存在する、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記粒子、微粒子、またはナノ粒子は、1nm~1mm、10nm~500um、100nm~100um、1um~250um、10um~100um、10um~50um、または20um~30umの平均直径を有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
室温で2ヶ月間もしくはそれよりも長く、室温で4ヶ月間もしくはそれよりも長く、または室温で6ヶ月間もしくはそれよりも長く安定である、請求項1~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
室温で4℃で2ヶ月間またはそれよりも長く、そのコロニー形成活性の少なくとも50%、少なくとも70%、または少なくとも80%を保持する、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
4℃で2ヶ月間またはそれよりも長く、4ヶ月間またはそれよりも長く、6ヶ月間またはそれよりも長く安定である、請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
無水である、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
水または水分を実質的に含まない、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物をそれを必要とする対象に投与することによって、皮膚の疾患、障害、または病状を治療する方法。
【請求項23】
前記疾患、障害、または病状は、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、苔癬形成、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記疾患、障害、または病状は、細菌感染、異常増殖、またはディスバイオシスを含む、請求項22~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記細菌感染、異常増殖、またはディスバイオシスは、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス(Staphylococcus pseudintermedius)、スタフィロコッカス・フェリス(Staphylococcus felis)、スタフィロコッカス・シュライフェリ(Staphylococcus schleiferi)、マイクロコッカス(Micrococcus)種、アシネトバクター(Acinetobacter)種、および/もしくはアルファ溶血連鎖球菌、キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種による定着、異常増殖、または感染を含む、請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年12月21日に出願された米国仮特許出願第62/784,060号の利益を主張するものであり、この関連出願の内容は、すべての目的のために参照によりその全体として本明細書に組み入れられる。
分野
本開示は、概して、皮膚障害のための治療の分野、より具体的には、治療のための微生物および微生物由来材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術分野の説明
アトピー性皮膚炎(AD)を有する患者は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(SA)による反復性皮膚感染、およびそれらの皮膚微生物叢のディスバイオシスを有する。SAに対する感受性の増加は、異常なバリア機能、ならびにカテリシジンおよびβ-ディフェンシン等の抗微生物ペプチド(AMP)の誘導の減少を含めた、先天的免疫防御の減退と関連付けられている。皮膚微生物叢のディスバイオシスは、SAおよび他の潜在的皮膚病原体の確立および/または異常増殖を可能にし、先天性免疫の不規則性の一因となり得る。それゆえ、根底にあるディスバイオシスの補正が、アトピー性皮膚炎等の、皮膚ディスバイオシスと関連した疾患または障害を治療する、改善する、または治癒するための有効な手立てであり得る。
【0003】
湿疹またはアトピー性湿疹とも称されるアトピー性皮膚炎の症状は、発疹を形成する乾燥肌;落屑性の、腫脹した、および赤い皮膚;顔面の、または膝、肘、もしくは手首の内側の発疹;滲出する水膨れ;繰り返される発作の後の皮膚色の変化;肥厚した、ひび割れした、乾燥した、落屑性の皮膚、またはところどころに革状に見える皮膚;ならびに、引っ掻くことによる皮の剥けた、敏感な、腫脹した皮膚を伴う、とりわけ夜間の、重度の痒み(掻痒症)を含む。アトピー性皮膚炎(湿疹)の兆候および症状は、人によって大きく変動し、とりわけ手、足、足首、手首、首、上胸部、瞼の上、肘および膝の屈曲の内側、ならびに幼児では顔、頭皮、後頭部、耳、脚、足、腕、手、および臀部での赤から茶色みがかった灰色の斑点;引っ掻いた場合に体液を漏出しおよび硬い皮で覆われ得る、小さな隆起した腫れ物をさらに含み得る。アトピー性皮膚炎は、ほとんどの場合5歳より前に始まり、青年期および成人期まで持続し得る。一部の人々に関しては、それは周期的に再燃し、その後しばらくの間解消し、数年間解消することさえある。アトピー性皮膚炎によってもたらされる皮膚変化は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・シュライフェリ(Staphylococcus schleiferi)、スタフィロコッカス・インターメディウス(Staphylococcus intermedius)、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス(Staphylococcus pseudintermedius)、スタフィロコッカス・フェリス(Staphylococcus felis)による定着および感染に対する、あるいはマラセチア(Mallassezia)、とりわけマラセチア・シンポジアリス(Mallassezia sympodialis)、マラセチア・グロボーサ(Mallassezia globosa)、マイクロコッカス(Micrococcus)種、アシネトバクター(Acinetobacter)種、アルファ溶血連鎖球菌、および/または皮膚もしくは外部粘膜の他の病原体等の他の細菌感染に対するこれらの対象の高い感受性を促し得る。
【0004】
ディスバイオシスは、S.アウレウス等の種が大きな比率を占めるようになり、他の種が少ししか存在しなくなる、鼻、口、眼、泌尿生殖器、腸フローラを含めた、皮膚または粘膜フローラの不均衡を含む。一般的に、健常なフローラでは、非病原性細菌が阻害因子を分泌し得またはすべての利用可能な隙間を単に占領し得、ゆえに、そうでなければ感染状態を確立し得るであろうまたはアトピー性皮膚炎等の疾患もしくは疾患様状態の発症を助長し得るであろう病原体を直接的に阻害するまたは間接的に排除する。さらに、局所性または全身性の抗生物質のいずれかを用いた細菌の異常増殖または感染の治療は、有益でかつ/または健常な関連細菌が殺傷されるまたは増殖するのを制限されることから、さらなるディスバイオシスにつながり得る。ヒポクロライトまたはトリクロサンによるリンス等の非特異的殺菌治療は、同様の影響をもたらし得る。重要なことには、皮膚は、多数の退縮、ひび割れ、毛穴、毛包、および他の微小環境を有する大きな表面エリアを含み、その多くは、そこに住む細菌を、全身にまたは局所的に適用された抗微生物または抗感染化合物による損傷または攻撃から保護する働きをする。正常な皮膚または粘膜の微生物相の回復は、片利共生生物の生態を活用して、病原体をこれらの隙間から排除する、または疾患を引き起こす生物の増殖もしくは定着を活発に阻害する効果を有し得る。
【0005】
したがって、病原性細菌の存在量を低下させることによってまたは健康と関連した細菌の存在量を増加させることによって、健常な皮膚フローラを回復させ得、それによってアトピー性皮膚炎等の、ディスバイオシスと関連した疾患または障害を治療する、改善する、または治癒する組成物の開発および送達の必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
一部の実施形態において、本開示は、1種または複数種のプロバイオティック細菌を含み、油および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む組成物を企図する。一部の実施形態において、1種または複数種のプロバイオティック細菌は、スタフィロコッカス属の細菌であり得るまたはそれを含み得る。一部の実施形態において、スタフィロコッカス属の細菌は、スタフィロコッカス・ホミニス(Staphylococcus hominis)種および/またはスタフィロコッカス・エピデルミス(Staphylococcus epidermis)種の1種または複数種の細菌であり得るまたはそれを含み得る。一部の実施形態において、スタフィロコッカス・ホミニス種および/またはスタフィロコッカス・エピデルミス種の1種または複数種の細菌は、スタフィロコッカス・ホミニスの系統、特にスタフィロコッカス・ホミニス系統A9であり得るまたはそれを含み得る。
【0007】
組成物が本明細書において開示される。一部の実施形態において、組成物は、凍結乾燥されたコアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(CoNS)を含む活性原薬(drug substance);不活性粒子;および油を含む。一部の実施形態において、組成物は、凍結乾燥されたスタフィロコッカス・ホミニス系統A9を含む活性原薬;ヒュームドシリカ;および、大豆油、ゴマ油、鉱油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、マカダミアナッツ油、カノーラ油、エミュー油、またはその任意の組み合わせを含む群から選択される油を含む。一部の実施形態において、本明細書において提供される組成物は、糖類、デンプン、セルロース、トラガカント末、モルト、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤、硫酸カルシウム、植物油、ポリオール、アルギン酸;TWEEN、ラウリル硫酸ナトリウム、乳化剤、湿潤剤、着色剤、香味剤、錠剤化剤、安定剤;抗酸化物質、防腐剤、発熱物質不含水、等張食塩水、リン酸緩衝液、またはその任意の組み合わせを含む。
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、大豆油、ゴマ油、鉱油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、マカダミアナッツ油、カノーラ油、またはエミュー油のうちの1種または複数種であり得るまたはそれを含み得る油を含む。一部の実施形態において、油は大豆油であるまたはそれを含む。一部の実施形態において、油はゴマ油であるまたはそれを含む。
【0008】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、トコフェロール、グルタミン酸モノナトリウム、デンプン、コロイド状二酸化ケイ素、微結晶セルロース、アルギネート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリルアルコール、アセチルアルコール、セトステアリルアルコール、ビニルアルコール、またはポリビニルアルコールのうちの1種または複数種であり得るまたはそれを含み得る薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0009】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、油組成物として製剤化され得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、ローション組成物として製剤化され得る。
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、1種または複数種の活性原薬または活性美容物質を含み得、活性原薬または活性美容物質は、1種または複数種のプロバイオティック細菌、凍結乾燥された細菌、増殖培地、凍結乾燥された増殖培地、細菌抽出物、または凍結乾燥された細菌抽出物を含み得る。一部の実施形態において、活性原薬は、粒子、微粒子、またはナノ粒子として存在し得る。一部の実施形態において、粒子、微粒子、またはナノ粒子は、1nm~1mm、10nm~500um、100nm~100um、1um~250um、10um~100um、10um~50um、または20um~30umの平均直径を有する。
【0010】
一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は、室温での長期保管の後に、活性、とりわけ細菌増殖またはコロニー形成能を保持するそれらの能力によって印付けられるまたは特定される。特に、一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、室温で2ヶ月間もしくはそれよりも長く、室温で4ヶ月間もしくはそれよりも長く、または室温で6ヶ月間もしくはそれよりも長く安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、4℃で2ヶ月間もしくはそれよりも長く、4℃で4ヶ月間もしくはそれよりも長く、または4℃で6ヶ月間もしくはそれよりも長く安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、室温で2ヶ月間もしくはそれよりも長くそのコロニー形成活性の少なくとも50%、室温で2ヶ月間もしくはそれよりも長くそのコロニー形成活性の少なくとも70%、または室温で2ヶ月間もしくはそれよりも長くそのコロニー形成活性の少なくとも80%を保持し得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、4℃で2ヶ月間もしくはそれよりも長くそのコロニー形成活性の少なくとも50%、4℃で2ヶ月間もしくはそれよりも長くそのコロニー形成活性の少なくとも70%、または4℃で2ヶ月間もしくはそれよりも長くそのコロニー形成活性の少なくとも80%を保持し得る。
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、無水である、または水分もしくは水を実質的に含まないことがある。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、水または水分を実質的に含まないことがある。
【0011】
本開示は、本明細書において開示される1種または複数種の組成物を、それを必要とする対象に投与することによって、1種または複数種の皮膚の疾患、障害、または病状を治療する方法も企図する。一部の実施形態において、そのような疾患、障害、または病状は、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬(icthyosis)、苔癬形成、および脂漏性(sebhorreic)皮膚炎、またはその任意の組み合わせ、またはその任意の症状、原因、もしくは後遺症、のうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、治療される対象となる疾患、障害、または病状は、細菌感染、異常増殖、またはディスバイオシスを含み得るまたはさらに含み得る。一部の実施形態において、細菌感染、異常増殖、またはディスバイオシスは、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・インターメディウス、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス、スタフィロコッカス・フェリス、スタフィロコッカス・シュライフェリ、マイクロコッカス種、アシネトバクター種、および/もしくはアルファ溶血連鎖球菌、キューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種の定着、異常増殖、またはそれによる感染を含み得るまたはさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】試験系統としてUSA/300 MRSA UCSDを使用した濁度ベース増殖アッセイにおけるS.アウレウス増殖阻害を示したグラフである。増加する濃度のAF-TSBにおけるSh-A9増殖は、標準的な1×AF-TSBにおけるSh-A9増殖の同じ種と比較して、相対的により大きな抗微生物活性を馴化培地に分泌する。USA300 MRSA OD600を、Sh-A9馴化培地における30℃での一晩のインキュベーション後に測定した。
図2】原薬サンプルFM1、2、および3における3ヶ月にわたるCFU回復(CFU/mL)を示したグラフである。初回凍結保護剤混合物を、凍結乾燥後に-20℃でエッペンドルフチューブに保管し、CFU回復を水添加後に判定した。FM1およびFM3が、優れたCFU回復を有するものとして特定された。
図3】粉砕されていない凍結乾燥されたSh-A9「固形物」に対する6ヶ月にわたる-20℃保管と比較した、室温(17℃)保管での3種の凍結保護剤混合物からのCFU回復の経時的な比較を示したグラフである。-20℃保管は、3種すべての凍結保護剤混合物からの安定なCFU回復を実証し、一方で17℃保管は、6ヶ月までにCFU回復の1対数低下を実証した。冷凍培地1 1×は、10gmスクロース/100ml=10%;5gm AF-Soytone/100ml=5%;0.75gm AF TSB/100ml=0.75%を含む。冷凍培地2 1×は、2.5gmグルタミン酸モノナトリウム/100ml=2.5%;4.0gmアスコルビン酸=4%;10gmスクロース/100ml=10%を含む。冷凍培地3 1×は、4gmグルタミン酸モノナトリウム/100ml=4%;2gmデキストラン500/100ml=2%;2gmソルビトール/100ml=2%を含む。
図4】6ヶ月にわたって(1~180日間)17℃で保管されたゴマ油製剤からのCFUの回復を示したグラフである。示されるデータは、6ヶ月の試験期間を通じた、ゴマ油製剤からのCFUの安定な回復を実証している。大気に開放された粉末化Sh-A9は、最初の30日間にわたって有意なCFUを喪失し、「粉状」になりかつ取り扱うのが難しくなり、回復評価は30日後に中断した。
図5】表示される種々の凍結保護剤製剤を利用した、乾燥した粉砕された粉末の3ヶ月安定性データを示したグラフである。凍結乾燥された原薬(Sh-A9)粉末FM#3およびFM#4を産生した。フリーズドライされたバルク固形物を粉々に砕き、20メッシュスクリーン、それに続く60メッシュスクリーンを通して粉砕した。粉末化Sh-A9を除湿剤とともに-20℃で保管した。乾燥粉末を、安定性に関するCFU回復についてアッセイした。冷凍培地3 1×は、4gmグルタミン酸モノナトリウム/100ml=4%;2gmデキストラン500/100ml=2%を含む。冷凍培地4 1×は、1gmグルタミン酸モノナトリウム/100ml=1%;2.5gmデキストラン64~76K/100ml=2.5%;0.8gmスクロース/100ml=0.8%;0.42gmヒスチジン/100ml=0.42%;5gmマンニトール/100ml=5%;7.4までのpHを含む。
図6】17℃で6ヶ月の期間にわたる、ヒュームドシリカを有するゴマ油中に製剤化された凍結乾燥Sh-A9からのCFU回復(±SEM)を示したグラフである。部屋の温度および湿度での100メッシュ粉末。MSBFM#1は、10×スクロース、5%AF-Soytoneを含む。ゴマ油中に室温でバイアルに入れ、CFU判定のために、バイアルあたり三つ組サンプルを6日目およびそれを越えた時点で希釈した。
図7】6ヶ月の期間にわたる、様々な異なる油(表示される)中に製剤化された凍結乾燥Sh-A9サンプルFM#3およびFM#4からのCFU回復の比較を示したグラフである。大豆油またはオリーブ油中に製剤化されたFM#3は、他の凍結保護剤製剤または油製剤と比べて予想外に優れた安定性を示した。
図8】17℃で6ヶ月の期間にわたる、様々な異なる油(表示される)中に製剤化された凍結乾燥Sh-A9サンプルFM#3からのCFU回復の比較を示したグラフである。図7にあるように、大豆油またはオリーブ油中に製剤化されたFM#3は、他の凍結保護剤製剤または油製剤と比べて予想外に優れた安定性を示した。さらに、油防腐剤としての800~1000ppm BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)の存在は、回復可能なCFUに対する効果を有しなかった。防腐剤を有しない(NP)USP大豆油を対照として使用して、Sh-A9医薬品(Drug Product)へのBHT毒性を査定した。BHTの有無でのUSP大豆油は、6ヶ月にわたって同程度のCFU回復を実証した。
図9】様々な油中でのFM#3製剤の、17℃で6ヶ月の期間にわたるCFU回復の変動性を示したグラフである。局所油製剤におけるFM#3凍結乾燥粉末は、期間にわたって、最高6ヶ月間安定な回復可能なCFUを、<0.5対数域の変動性を伴って実証している。約±0.2対数変動する、期間にわたるSEMとともに提示された、6ヶ月にわたる平均n=8(例えば、8本のバイアルの各製剤)測定(CFU/mL)±SEM。
図10A-10D】測定されたデータ変動性が、産物製剤の不安定化効果よりもむしろ、任意の所与のサンプルに対する抽出工程の変動性に起因し得ることを示唆した、7日目~90日目のCFU/mL回復データ(n=6つの時点)を使用した拡大分析を示したグラフである。下記のデータにおける回帰傾向線およびS字状2地点間傾向線の相対的平坦性は、この解釈を支持する。
図11A-11B】標準的なセタフィル(Cetaphil)/グリセロール製剤における冷蔵下または室温での凍結乾燥Sh-A9の安定性を示したグラフである。冷蔵の47日後に有意なCFU喪失が見られ、室温での14日後にコロニー形成活性が本質的に取り除かれる。図11Aは、50%セタフィル/50%グリセロール中で新鮮に調製されおよび4℃で保管された、Sh-A9洗浄細菌の安定性に関する非限定的な例示的データを描写する。図11Bは、50%セタフィル/50%グリセロール中で新鮮に調製されおよび4℃で保管され、その後17℃に移された、Sh-A9洗浄細菌の安定性に関する非限定的な例示的データを描写する。
図12A-12C】ヒュームドシリカの非存在下における、17℃(図12A)、30℃(図12B)、および45℃(図12C)での大豆油中の凍結乾燥Sh-A9の安定性(CFU回復)を示したグラフである。
図13】mg Sh-A9凍結乾燥物あたり0.23mg/mgのヒュームドシリカの存在下における、室温(17℃)での大豆油中の凍結乾燥Sh-A9の安定性(CFU回復)を示したグラフである。
図14A-14C】mg Sh-A9凍結乾燥物あたり0.34mgのヒュームドシリカの存在下における、室温(17℃)(図14A)、30℃(図14B)、および45℃(図14C)での大豆油中の凍結乾燥Sh-A9の安定性(CFU回復)を示したグラフである。安定性は、0.34%のヒュームドシリカの添加によって有意に増進される。
図15A-15C】mg Sh-A9凍結乾燥物あたり0.45mgのヒュームドシリカの存在下における、室温(17℃)(図15A)、30℃(図15B)、および45℃(図15C)での大豆油中の凍結乾燥Sh-A9の安定性(CFU回復)を示したグラフである。安定性は、0.45mg/mgのヒュームドシリカの添加によってさらに増進される。
図16A-16C】mg Sh-A9凍結乾燥物あたり0.64mgのヒュームドシリカの存在下における、室温(17℃)(図16A)、30℃(図16B)、および45℃(図16C)での大豆油中の凍結乾燥Sh-A9の安定性(CFU回復)を示したグラフである。安定性は、0.23mg/mgのヒュームドシリカと比べて、0.64mg/mgのヒュームドシリカの添加によって増進される。
図17】蜜ろうを含有する無水ローション製剤(表示される)における室温での凍結乾燥Sh-A9の安定性を示したグラフである。サフラワー油および蜜ろうローション中に製剤化されたFM#3中でフリーズドライされたSh-A9粉末(5%超洗練蜜ろうを含有するSh-A9ローション#1)は、17℃で13日後に抽出可能なCFUの1対数減少を実証した。
図18A-18B】実施例8に記載されるように、脂肪アルコールを含有する無水ローション製剤(大豆油/脂肪アルコールローション#1(図18A)および大豆油/脂肪アルコールローション#2(図18B))における、室温での凍結乾燥Sh-A9の安定性を示したグラフである。大豆油/脂肪アルコールローション#2は、一部の実施形態において、0.48mgシリカ/mg DSを含む。45℃での製剤#2は、液化しおよび黄色くなり、測定されなかった。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
ディスバイオシスは、有益な細菌の喪失、片利共生細菌の喪失、別様に有益なもしくは片利共生的な細菌の異常増殖、有害なもしくは病原性の細菌の確立もしくは異常増殖の、あるいは不安定なもしくは不適合のフローラもしくは微生物相をもたらす、または無秩序である、もしくは任意の疾患、障害、もしくは病原となる状態に対して宿主を感受性にするフローラもしくは微生物相の状態をもたらす任意のメカニズムの、結果であり得るあるいはそれによって特徴付けられ得る。
ディスバイオシスおよびディスバイオシスと関連した障害を修復するために有益な細菌を提供することは、歴史的に困難であった。宿主微生物相への細菌培養物の生着に関して、ならびに有益な細菌を組み入れた製剤の安定化および保管に関して、重大な問題が見い出されている。
【0014】
任意の医薬製品の必要な特質は、長期にわたる安定性(貯蔵寿命)、典型的には、所定の保管条件下で少なくとも24ヶ月の貯蔵寿命である。この特質を達成するために、細菌ベース原薬(DS)および医薬品(DP)製剤に対して、効率的な、拡大縮小可能な、かつ信頼性のある製造プラットフォームが開発される必要がある。製造およびその後の保管の間、産物安定性に関する決定的なパラメーターは長期にわたる生存能である。片利共生的なまたは操作された微生物叢系統の製造、保管、および最終的な治療的使用は、細菌細胞に対して相当なストレスを課す。産業的背景において、細菌は、液体の、噴霧乾燥された、冷凍された、または凍結乾燥された(フリーズドライされた)形態で保存されおよび配布される。これらの調製物は、食品産業におけるスターター培養物としての使用に適している。しかしながら、高い細胞生存能および代謝活性を促進する長期にわたる保存方法にますます重点が置かれている、というのもこれらのパラメーターは(バイオ)医薬適用の前提条件と見なされるためである。
生存を最大限に高めるために、とりわけ、生存能力のあるかつ代謝活性のある細菌は、インサイチューで所望の治療効果を誘導することが示されているという事実を考慮して、バイオマスに1種または複数種の選択された凍結保護剤を添加し、その後、凍結乾燥することが可能である。
フリーズドライは、固体でかつ安定した最終製剤を達成することを目指した、細菌に対する適切な脱水工程と広く見なされている。たとえフリーズドライ後および保管中の生存率が系統間で様々であり得るとしても、それは、微生物細胞培養物を保管する最も一般的な方法の1つである。
【0015】
いかなる理論によっても拘束されることを意図されることなく、フリーズドライ後の生存は、膜脂質酸化およびいくつかの標的部位における細胞損傷等、急速な冷凍および乾燥の影響に抵抗する細胞の能力を反映する。保護されていない細菌のフリーズドライは、それらのほとんどを殺傷し、生き残ったものも、保管されると急速に死滅することが多いことは周知である。凍結乾燥および保管時の生存細菌の数を増加させるいくつかの試みがなされているが、成功は限られている。凍結乾燥は、長期にわたる細菌貯蔵寿命を達成するための、独占的ではないとしても、最も頻繁に使用される方法である。適当な乾燥培地/凍結保護剤混合物の選定は、凍結乾燥およびその後の保管中の細菌の治療用系統の生存率を増加させるために重大である。フリーズドライおよび/またはその後の保管中の乳酸菌(LAB)の生存率を増加させることを試みるいくつかの調査が報告されているが、しかしながらこれらの刊行物の中で、医薬適用に要求される、フリーズドライされた細菌の十分長期にわたる安定性を実証するものはほとんどなく、ヒトの皮膚に生息しおよびそれを保護し、皮膚バリア機能を助けることが知られるスタフィロコッカス種または他の片利共生種に対して、長期にわたる凍結乾燥安定性を実証し、ならびに標的化されたおよび免疫特権を有する小ペプチドおよび脂肪酸実体の分泌によって、皮膚の先天性免疫をモジュレートし得る調査は確認されていない。
【0016】
商業的関心対象のほとんどのLAB培養物は、乾燥培地としてスキムミルク粉末を歴史的に選択しており、なぜならそれは、細胞膜構成成分を安定化し、再水和を促し、細胞にわたって保護コーティングを形成するためである。ミルクに付加的な凍結保護剤を補給することは、その固有の保護効果を増進し得る。しかしながら、非ラクトバシラス(Lactobacillus)細菌の凍結保護は十分に特徴付けされておらず、スタフィロコッカス細菌の保存のための方法および組成物はロバストには開発されていない。
【0017】
LABにおける細菌凍結保存のために検討された他の凍結保護剤は、10%スキムミルク中アドニトール;トレハロース(5%)と比較して、スキムミルク(11%);およびソルビトールまたはグルタミン酸(モノ)ナトリウム(MSG)を含んでおり、それぞれは、スキムミルクに懸濁されたLABに別個に添加される。安定性は、スキムミルクのみと比較して増加したが、しかしながら、ソルビトールまたはMSGの存在下における報告された生存率は依然として非常に低かった(<0.1%)。さらに、糖類スクロース、およびマンニトール等のポリオール、それだけでなくアミノ酸β-アラニン、ならびにL-アスコルビン酸およびマルトデキストリンのような安定化増強剤、それだけでなく非動物性増殖培地(Soytone(登録商標)(Corning))は、スキムミルクのみにおいて記録されたものを上回って、細胞生存能を増進し得る。
【0018】
スキムミルクは、LABに対するフリーズドライ培地の循環性構成要素であり、ゆえに細菌生存能に必須であり、安定した乾燥細菌組成物の重要な構成成分であると思われる。しかしながら、新規の医薬組成物におけるミルクおよび動物性誘導体(例えば、ウシ血清アルブミン、トリプシンベースペプトン)の使用は、とりわけそれらの使用に伴う伝達性海綿状脳症(TSE)の危険性を考慮して、強く躊躇される。長期にわたる棚保管の下で十分な生存および安定性を有するミルク構成要素の置き換えに取り組んでいる調査はほとんどない。実際、これらの調査のほとんどは、初期生存能、安定性、および細菌密度に関する正確なデータを欠く。最後に、それらのいずれも、スタフィロコッカス細菌もしくは他の皮膚片利共生微生物相のフリーズドライ、および/または皮膚に利益をもたらすそれらの特性の維持に関して報告していない。スタフィロコッカス細菌および/または健常な皮膚微生物相と関連する他の細菌を組み入れた安定な凍結乾燥組成物の産生のための組成物および方法が本明細書において開示される。
【0019】
凍結乾燥が達成され次第、対象に投与されて治療効果および/または美容効果を達成し得る組成物を調製する必要がある。治療用および/または美容組成物の効果を調査し得る適当な偽薬物質を調製する必要がさらにある。吸湿性賦形剤中で安定化された生きた生物学的製剤(biotherapeutic)原薬は、本質的にフリーズドライされるものであるので、産物製剤は、細胞代謝を活性化しおよび保管中の産物分解を開始させるであろう水または水蒸気を添加することなく、産物の貯蔵寿命および治療効力を維持する適当な無水賦形剤を用いて開発されなければならない。無水食品グレード植物油中の安定した凍結乾燥された乳酸菌は、疝痛を有する幼児に対する非処方箋使用のために現在販売されており、家畜に対する経口プロバイオティック補給剤に使用されている。これらの産物は、室温保管で24ヶ月間安定なCFU回復を維持し得る。これを背景として、Sh-A9医薬品は、原薬粉末を不安定化しないであろう最小限の賦形剤組み合わせを特定するために、他の局所医薬製品においてすでに承認された局所用油および賦形剤を使用して開発された。
【0020】
いかなる特定の理論によっても拘束されることなく、賦形剤安定性に経時的に影響し得る因子(例えば、油脂質の酸化、製剤化の間の部屋の湿度、および容器閉鎖性を含む)は、製品安定性に影響を及ぼすことが認識される。それゆえ、細菌増殖(保管後のCFU)を回復させる能力によって、ならびに賦形剤および/または賦形剤混合物の分解(酸化、分離等による)の速度の低下によって規定される安定性を示す組成物を提供することが、本開示にとっての目的である。一部の実施形態において、産物製剤において、フリーズドライされた細菌安定性を維持する無水賦形剤を利用する組成物が提供される。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、1日の使用期限、1週間の使用期限、1ヶ月の使用期限、2ヶ月の使用期限、4ヶ月の使用期限、6ヶ月の使用期限、8ヶ月の使用期限、12ヶ月の使用期限、18ヶ月の使用期限、24ヶ月の使用期限、もしくは36ヶ月の使用期限、またはこれらの値のいずれかによって規定される値域内の期限まで、室温保管安定性を実証し得る。
【0021】
例示的な局所用油および局所用賦形剤には、例えば、その全体として、特に局所組成物の調製のための成分の特定および使用についてのその開示に関して参照により本明細書によって組み入れられる、2018年11月13日に最終アクセスされたwww.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.cfmでアクセス可能なFDA不活性成分ガイドデータベースにおいて見い出されるものが含まれる。一部の実施形態において、期限満了時に>1×107CFU/グラムを送達する組成物であって、期限満了時の死滅は、それらの作製または販売の時点で組成物を規制する国の健康および安全の法の要件に関して判定される、組成物が提供される。1×107CFU/グラムは、例えば、100cm2の皮膚表面積での2グラムの適用に対して1.2×105CFU/cm2をもたらし得る。
【0022】
ディスバイオシス、とりわけ皮膚のディスバイオシスと関連した1種もしくは複数種の皮膚障害もしくは疾患、またはその症状、または障害、疾患、もしくは症状を組み入れた症候群の治療、改善、または予防のための組成物および方法が本明細書において開示される。本明細書において開示される組成物および方法に従って治療される対象となる例示的な障害または疾患には、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、苔癬形成、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせが含まれるが、それらに限定されるわけではない。皮膚のディスバイオシスと関連した皮膚障害または疾患の例示的な症状には、肥厚した皮膚;変色した(とりわけ赤みを帯びた)皮膚;痒み;開いた傷口、水膨れ、ひび割れ、または体液を流出する、滲出する、および/もしくは硬い皮で覆われる病変;腫脹;赤い発疹または腫れ物;引っ掻くことによる皮の剥けた皮膚;皮膚上の赤い、革状の、ひび割れした、または落屑性の斑点;熱傷のようであり得る乾燥した赤い斑点;軽度、中等度、または重度であり得る熱傷、刺痛(stinging)、または痒み;小さく赤い、膿が詰まった腫れ物;頭皮、耳、顔、または他の身体の部分の黄色味を帯びた鱗屑またはかさぶた;ふけ;魚鱗癬、皮膚線維症、または限局性の持続する炎症の他の症状、または当技術分野において公知である皮膚炎もしくは皮膚炎症候群の他の症状、あるいはその任意の組み合わせが含まれるが、それらに限定されるわけではない。好ましくは本明細書において記載される方法に従った、本明細書において記載される組成物の投与に対する、代表的な皮膚炎症候群および/または症状には、高IgE症候群、ニューマトセル、過伸展、骨減少症、動脈瘤、高血圧、反復性感染、ウィスコット・オルドリッチ症候群、血小板減少症、反復性感染、外胚葉形成不全症、ネザートン症候群、紅皮症、ピーリングスキン病、多汗症、クラビング(clubbing)、羞明、重症皮膚炎、多発性アレルギー、および代謝性消耗(SAM)症候群、反復性感染、多発性アレルギー、毛包性魚鱗癬、脱毛症、および羞明(IFAP)症候群、毛包性魚鱗癬、脱毛症、および羞明;微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS);SAM、重症皮膚炎、多発性アレルギー、毛包性魚鱗癬を伴うアトピー性皮膚炎、毛包性魚鱗癬、無毛症、および/もしくは羞明、ならびに/またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種が含まれ得る。一部の実施形態において、本開示の組成物および方法は、アトピー性皮膚炎に対する治療を提供する。
【0023】
一部の実施形態において、本開示の組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害に対する治療を企図する。一部の実施形態において、本開示は、根底にあるディスバイオシスの治療、改善、または治癒を企図する。一部の実施形態において、ディスバイオシスは、皮膚もしくは外部粘膜内の、その上の、もしくはそれと関連した有益な、保護的な、もしくは健康と関連した細菌、またはそれと関連した正常なフローラの相対量または絶対量の低下または減少を含む。一部の実施形態において、健康と関連した細菌は、1種または複数種のコアグラーゼ陰性スタフィロコッカスを含み得る。対象の皮膚に存在し得るコアグラーゼ陰性スタフィロコッカスは、例えばスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリチカス(Staphylococcus haemolyticus)、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・カピティス(Staphylococcus capitis)、スタフィロコッカス・カピティス・ウレオリチカス(Staphylococcus capitis ureolyticus)、スタフィロコッカス・カプラエ(Staphylococcus caprae)、スタフィロコッカス・アーティキュラリス(Staphylococcus articularis)、スタフィロコッカス・サッカロリティカス(Staphylococcus saccharolyticus)、スタフィロコッカス・ワーネリ(Staphylococcus warneri)、スタフィロコッカス・パステリ(Staphylococcus pasteri)、スタフィロコッカス・サプロフィチカス(Staphylococcus saprophyticus)、スタフィロコッカス・コーニイ(Staphylococcus cohnii)、スタフィロコッカス・コーニイ・ウレアリチカム(Staphylococcus cohnii urealyticum)、スタフィロコッカス・キシローサス(Staphylococcus xylosus)、スタフィロコッカス・アルレッテ(Staphylococcus arlettae)、スタフィロコッカス・エクオルム(Staphylococcus equorum)、スタフィロコッカス・ガリナルム(Staphylococcus gallinarum)、スタフィロコッカス・クルーシイ(Staphylococcus kloosii)、スタフィロコッカス・レンタス(Staphylococcus lentus)、スタフィロコッカス・シミュランス(Staphylococcus simulans)、スタフィロコッカス・カルノーサス(Staphylococcus carnosus)、スタフィロコッカス・シュライフェリ、スタフィロコッカス・シウリ(Staphylococcus sciuri)、スタフィロコッカス・レンタス、スタフィロコッカス・ビツリヌス(Staphylococcus vitulinus)、スタフィロコッカス・クロモゲネス(Staphylococcus chromogenes)、スタフィロコッカス・カゼオリチカス(Staphylococcus caseolyticus)、スタフィロコッカス・フェリス、スタフィロコッカス・ハイカス(Staphylococcus hyicus)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、スタフィロコッカス・ムスカエ(Staphylococcus muscae)、スタフィロコッカス・ピスシフェルメンタンス(Staphylococcus piscifermentans)、もしくは当技術分野において公知である他のもの、またはその任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、健康と関連した細菌は、スタフィロコッカス・エピデルミス、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス、スタフィロコッカス・ワーネリ、および/もしくはスタフィロコッカス・カピティス、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、健康と関連した細菌は、スタフィロコッカス・エピデルミディス、スタフィロコッカス・カピティス、スタフィロコッカス・カプラエ、スタフィロコッカス・サッカロリティカス、スタフィロコッカス・ワーネリ、スタフィロコッカス・パステウリ(Staphylococcus pasteuri)、スタフィロコッカス・ヘモリチカス、スタフィロコッカス・デブリエセイ(Staphylococcus devriesei)、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・ジェテンシス(Staphylococcus jettensis)、スタフィロコッカス・ペトラシイ(Staphylococcus petrasii)、および/またはスタフィロコッカス・ルグドゥネンシスのうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、ディスバイオシスは、有害な、感染性の、病原性の、または疾患と関連した細菌の定着、感染、異常増殖、または存在、相対量、もしくは絶対量の増加を含み得る。一部の実施形態において、有害な、感染性の、病原性の、または疾患と関連した細菌は、皮膚および/または外部粘膜の感染、疾患、障害、または病原となる病状、とりわけ炎症および刺激を引き起こすまたはそれと関連することが当技術分野において公知の1種または複数種の細菌を含み得る。一部の実施形態において、有害な、感染性の、病原性の、または疾患と関連した細菌は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・シュライフェリ、スタフィロコッカス・インターメディウス、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス、スタフィロコッカス・フェリス、あるいはマラセチア、とりわけマラセチア・シンポジアリス、マラセチア・グロボーサ、マイクロコッカス種、アシネトバクター種、アルファ溶血連鎖球菌、および/または皮膚もしくは外部粘膜の他の病原体等の他の細菌感染のうちの1種または複数種を含み得る。
【0024】
本明細書において開示される組成物および方法は、ヒト対象における、またはイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、非ヒト霊長類等の非ヒト対象における皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための組成物の投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための組成物の投与であって、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、苔癬形成、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせ、あるいは当技術分野において公知である、またはヒトもしくは非ヒト対象におけるディスバイオシスと関連することが当業者によって合理的に判定され得る他のそのような障害のうちの1種または複数種を含み得る、投与を企図する。一部の実施形態において、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害は、ネザートン症候群、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹、乾癬、ざ瘡、表皮過角化症、表皮肥厚、表皮炎症、皮膚炎症、および/または掻痒症のうちの1種または複数種を含み得る。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための組成物の投与であって、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・シュライフェリ、スタフィロコッカス・インターメディウス、スタフィロコッカス・シュードインターメディウス、スタフィロコッカス・フェリス、あるいはマラセチア、とりわけマラセチア・シンポジアリス、マラセチア・グロボーサ、マイクロコッカス種、アシネトバクター種、アルファ溶血連鎖球菌、および/または皮膚もしくは外部粘膜の他の病原体、またはヒトもしくは非ヒト対象におけるディスバイオシスを伴う皮膚障害と関連することが当技術分野において公知である他のそのような細菌等の他の細菌感染のうちの1種または複数種の存在、その定着、その異常増殖、またはその活性と関連し得る、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための組成物の投与であって、健康と関連した細菌は、スタフィロコッカス・エピデルミス、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス、スタフィロコッカス・ワーネリ、および/もしくはスタフィロコッカス・カピタス(Staphylococcus capitus)、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種を含み得る、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための対象への組成物の投与であって、対象は非ヒト動物である、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための対象への組成物の投与であって、対象は、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ラクダ、ヤギ、またはラマである、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための対象への組成物の投与であって、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害はアトピー性皮膚炎を含み得、対象はヒト対象である、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための対象への組成物の投与であって、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害は、化膿性外傷性皮膚炎、表在性膿皮症、および/または毛包炎を含み得、対象は非ヒト対象である、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための対象への組成物の投与であって、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害は、化膿性外傷性皮膚炎、表在性膿皮症、および/または毛包炎を含み得、対象はイヌまたはネコである、投与を企図する。本明細書において開示される組成物および方法は、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害の治療のための対象への組成物の投与であって、皮膚のディスバイオシスと関係した疾患または障害は化膿性外傷性皮膚炎および/または乳腺炎を含み得、対象は、ウシ、ウマ、ヤギ、またはラクダである、投与を企図する。
【0025】
本明細書において開示される組成物は、活性原薬または活性美容物質を含み得、活性原薬または活性美容物質は、対象における組織におけるまたは特定の場所でのディスバイオシスを改善するまたは治癒する効果を有する。対象における組織におけるまたは特定の場所でのディスバイオシスを改善するまたは治癒する効果は、病原体、異常増殖した細菌、もしくは疾患と関連した細菌の存在、活性、もしくは毒性を低下させるステップ;片利共生的な、有益な、もしくは健康と関連した細菌の存在、活性、もしくは有益な効果を増加させるステップ;細菌群集の安定性を増進するステップ;1種もしくは複数種の代謝産物の産生、分泌、もしくは利用可能性を変更するステップ;食物源、電子受容体、電子供与体、イオン、もしくは対イオンの利用を変更するステップ;または対象のフローラもしくは微生物相の状態を変更し得る他の任意の作用であって、とりわけそのような変更が、対象の健康、外見、もしくは快適性に対する効果を有する他の任意の作用、のいずれかを含み得る。
【0026】
本明細書において開示される組成物は、とりわけ局所投与による、対象への投与を意図される1つまたは複数の形態を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所製剤は、溶液および懸濁液を含めた液体、固体、泡沫状材料、エマルジョン、ペースト、ゲル、クリーム、およびある特定の量の固形分を含有する液体等のその組み合わせからなる群より選択される形態にあり得る。一部の実施形態において、香味濃縮物製剤は、水性ベースまたは非水性ベースであり得る流体、ゲル、または増粘形態であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は油を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物はローションを含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、ミスト、スプレー、リンス液、液体、固形棒、ロールオン、粉末、あるいは当技術分野において公知であるまたは皮膚の炎症および/もしくは感染の部位への活性薬物化合物の投与に合理的に利用され得る他の組成物を含み得る。
【0027】
本開示の組成物は、一部の実施形態において、コアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(CoNS)細菌細胞由来の抽出物、溶解物、増殖培地、馴化増殖培地、またはその活性単離物を含み得る。当業者であれば、当技術分野において公知の任意の適切な方法を使用して、コアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(CoNS)細菌細胞から、抽出物、溶解物、増殖培地、馴化増殖培地、またはその活性単離物を容易に単離し得る。1つの非限定的な例において、細菌細胞は、機械的手段によって破壊され得る。次いで、結果として生じる溶解物または懸濁液を処理して、非所望の固形物質を除去し得る。次いで、単離物を浅い器に入れ得、低温に、例えば-20℃またはそれよりも低い温度で、好ましくは水含有物の除去のために真空下で、急速に曝露し得る、すなわち瞬間冷凍し得る(凍結乾燥)。一部の実施形態において、この工程は、細菌細胞集団を用いて行われる。一部の実施形態において、この工程は、細菌細胞溶解物を用いて行われる。一部の実施形態において、この工程は、細菌増殖培地を用いて行われる。
【0028】
他の態様において、水性、アルコール、もしくは油ベース抽出技法、またはその組み合わせを、細菌全体またはその抽出物もしくは誘導体(例えば、馴化ブロス、溶解されたもしくは再懸濁された細胞由来の部分画分、または馴化ブロス等)に対して使用して、抽出物を産生し得る。そのような工程において、所望の細菌抽出物、ブロス、または細菌細胞全体を任意に破砕しまたは機械的にもしくは化学的にかき乱し、次いで所望の溶媒(例えば、水、アルコール、水/アルコール、または油ベース溶媒)に供して、抽出物を獲得し得る。次いで、抽出物を、液体形態で保管し得る、凍結乾燥し得る、またはさらなる処理技法(例えば、加熱、冷却等)に供し得る。抽出工程は、当業者に周知であり、浸軟、注入、パーコレーション、消化、煮出し、高温連続抽出、水性-アルコール抽出物、向流抽出、マイクロ波支援抽出、超音波抽出、超臨界流体抽出、フィトン(phytonic)抽出物(例えば、ハイドロフルオロカーボン溶媒、TFF、バルクカラムクロマトグラフィー等を用いた)のうちの1種または複数種を含み得るまたは組み入れ得る。
【0029】
本発明の組成物は、スタフィロコッカス・ホミニス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、スタフィロコッカス・カピティス、スタフィロコッカス・ワーネリ、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス、もしくはスタフィロコッカス・ヘモリチカス、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種を含み得るがそれらに限定されない、コアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(CoNS)の抽出物を含み得ることが企図される。組成物は、本明細書における他の箇所に記載される付加的な成分も含み得る。細菌抽出物および/または付加的な成分の濃度は様々であり得る。一部の実施形態において、組成物は、それらの最終形態に、例えば少なくとも0.0001%、0.0002%、0.0003%、0.0004%、0.0005%、0.0006%、0.0007%、0.0008%、0.0009%、0.0010%、0.0011%、0.0012%、0.0013%、0.0014%、0.0015%、0.0016%、0.0017%、0.0018%、0.0019%、0.0020%、0.0021%、0.0022%、0.0023%、0.0024%、0.0025%、0.0026%、0.0027%、0.0028%、0.0029%、0.0030%、0.0031%、0.0032%、0.0033%、0.0034%、0.0035%、0.0036%、0.0037%、0.0038%、0.0039%、0.0040%、0.0041%、0.0042%、0.0043%、0.0044%、0.0045%、0.0046%、0.0047%、0.0048%、0.0049%、0.0050%、0.0051%、0.0052%、0.0053%、0.0054%、0.0055%、0.0056%、0.0057%、0.0058%、0.0059%、0.0060%、0.0061%、0.0062%、0.0063%、0.0064%、0.0065%、0.0066%、0.0067%、0.0068%、0.0069%、0.0070%、0.0071%、0.0072%、0.0073%、0.0074%、0.0075%、0.0076%、0.0077%、0.0078%、0.0079%、0.0080%、0.0081%、0.0082%、0.0083%、0.0084%、0.0085%、0.0086%、0.0087%、0.0088%、0.0089%、0.0090%、0.0091%、0.0092%、0.0093%、0.0094%、0.0095%、0.0096%、0.0097%、0.0098%、0.0099%、0.0100%、0.0200%、0.0250%、0.0275%、0.0300%、0.0325%、0.0350%、0.0375%、0.0400%、0.0425%、0.0450%、0.0475%、0.0500%、0.0525%、0.0550%、0.0575%、0.0600%、0.0625%、0.0650%、0.0675%、0.0700%、0.0725%、0.0750%、0.0775%、0.0800%、0.0825%、0.0850%、0.0875%、0.0900%、0.0925%、0.0950%、0.0975%、0.1000%、0.1250%、0.1500%、0.1750%、0.2000%、0.2250%、0.2500%、0.2750%、0.3000%、0.3250%、0.3500%、0.3750%、0.4000%、0.4250%、0.4500%、0.4750%、0.5000%、0.5250%、0.550%、0.5750%、0.6000%、0.6250%、0.6500%、0.6750%、0.7000%、0.7250%、0.7500%、0.7750%、0.8000%、0.8250%、0.8500%、0.8750%、0.9000%、0.9250%、0.9500%、0.9750%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4.7%、4.8%、4.9%、5.0%、5.1%、5.2%、5.3%、5.4%、5.5%、5.6%、5.7%、5.8%、5.9%、6.0%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%、6.6%、6.7%、6.8%、6.9%、7.0%、7.1%、7.2%、7.3%、7.4%、7.5%、7.6%、7.7%、7.8%、7.9%、8.0%、8.1%、8.2%、8.3%、8.4%、8.5%、8.6%、8.7%、8.8%、8.9%、9.0%、9.1%、9.2%、9.3%、9.4%、9.5%、9.6%、9.7%、9.8%、9.9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは99%、または99%を上回る割合、または0.0001%未満、あるいはその中に導き出せる任意の値域または整数の、本明細書において特定されるCONS抽出物の少なくとも1種を含み得る。非限定的な態様において、そのような成分のパーセンテージは、組成物の総質量についての質量または容積で算出され得る。濃度は、組成物の所望の効果、または組成物が組み入れられる製品に応じて様々であり得る。
【0030】
本明細書において開示される組成物は、任意の適当なビヒクル中に製剤化され得る。適切なビヒクルの非限定的な例には、油、エマルジョン(例えば、水中油、油中水、水中シリコーン、シリコーン中水、水中油中水、水中油、油中水中油、シリコーン中水中油等)、懸濁液、クリーム、ローション、無水ローション、溶液(水性、油、および水アルコールのいずれも)、無水基剤(リップスティックおよびパウダー等)、ゲル、軟膏、ペースト、ミルク、液体、エアロゾル、固体形態、眼用ゼリー、または皮膚セラムが含まれる。変動および他の適当なビヒクルは当業者に明白であると考えられ、本発明における使用に適当である。ある特定の態様において、成分の濃度および組み合わせは、組み合わせが化学的に適合し、かつ活性医薬品の分解、酸化等を引き起こさないように選択され得る。
【0031】
本明細書を通じて特定されるCoNS抽出物および付加的な成分は、皮膚等の標的エリアへの送達のためにカプセル化され得ることも企図される。カプセル化技法の非限定的な例には、皮膚にそのような成分を送達する送達ビヒクルとして使用され得るリポソーム、小胞、および/またはナノ粒子(例えば、成分が閉じ込められる、カプセル化される、および/または吸収されるポリマー材料を含む、生分解性および非生分解性のコロイド粒子、例にはナノスフェアおよびナノカプセルが含まれる)の使用が含まれる。代表的なナノ粒子および/またはナノカプセルは、局所投与のためのナノ粒子およびナノカプセルおよび関連組成物の作製、使用、投与、および保管についてのそれらの開示に関して参照により本明細書によって組み入れられる、米国特許第6,387,398号;第6,203,802号;および第5,411,744号に記載される。
【0032】
本開示の目的のために、以下の定義が提供される。
本明細書において使用するとき、「ディスバイオシス」という用語に言及する場合、身体の1つまたは複数の組織、コンパートメント、部分コンパートメント、または場所の中の、特に皮膚の様々な領域および部分領域の中のフローラまたは微生物相の不均衡または不適応を意味する。そのようなディスバイオシスは、存在する種/系統、および/または存在する種/系統の相対存在量もしくは比率の観点から、局部微生物叢の組成の変化によって特徴付けされ、変化は宿主生物に対する規定可能な影響を有する。宿主生物に対する影響は、電解質平衡、バイオフィルム形成、上皮、中皮、もしくは内皮バリア完全性、または代謝産物の微生物叢からの放出、の微生物叢媒介性変化により生じ得、それは宿主の健康、外見、または快適性に直接的に(例えば、毒素またはエフェクターとして)もしくは間接的に(例えば、毒素またはエフェクターに対する前駆体として)影響を及ぼす。
【0033】
本明細書において使用するとき、「活性原薬」とは、対象におけるディスバイオシスの;または対象におけるディスバイオシスと関係した任意の疾患、障害、もしくは病状の治療、改善、または治癒において効果を有し得るまたは有することを意図される、あるいは別様に対象の健康、快適性、もしくは外見に影響を及ぼすことを意図される、任意の物質、化合物、あるいは組成物を指す。一部の実施形態において、本明細書において開示される活性原薬は、細菌、殺傷された細菌、細菌培養物、細菌抽出物、増殖培地、凍結乾燥された細菌、凍結乾燥された殺傷された細菌、凍結乾燥された細菌培養物、凍結乾燥された細菌抽出物、凍結乾燥された増殖培地、またはその任意の同等物もしくは誘導体、あるいは前述のものの任意の組み合わせのうちの1種あるいは複数を含み得る。一部の実施形態において、活性原薬は、対象におけるディスバイオシス;または対象におけるディスバイオシスと関係した任意の疾患、障害、もしくは病状を治療する、改善する、または治癒することにおける、あるいは別様に対象の健康、快適性、または外見に影響を及ぼすことにおける使用のために提供され得る。一部の実施形態において、活性原薬は、対象におけるディスバイオシス;または対象におけるディスバイオシスと関係した任意の疾患、障害、もしくは病状を治療する、改善する、または治癒することにおける、あるいは別様に対象の健康、快適性、または外見に影響を及ぼすことにおける使用のための医薬の製造のために提供され得る。物質、化合物、または組成物が、主として、対象の外見を変えるまたは向上させる目的のために提供される場合、物質、化合物、または組成物が対象におけるディスバイオシスの治療、改善、または治癒に対して有し得るいかなる効果にかかわらず、「活性美容物質」という用語が任意に使用され得る。本開示は、美容目的のための活性原薬の使用を企図し、逆もまた同様である。
【0034】
本明細書において使用するとき、「生体適合性」という用語は、組成物が、局部的にまたは全身に、臨床的に重大な有毒なまたは傷害性の影響を有しないことを指す。「生体適合性」という用語は、組成物が、臨床的重大性のレベルに達しないまたは他の症状もしくは病状の重症度と比較して許容される、対象の健康、外見、または快適性に対する1つまたは複数の影響を有し得る可能性を除外しない。
【0035】
本明細書において使用するとき、「非吸収性」という用語は、組成物、その構成要素、または化合物が、皮膚、口腔粘膜、鼻/鼻咽頭粘膜、目粘膜、眼窩粘膜および眼表面、膣粘膜、もしくは胃腸上皮、または他のそのような粘膜層、上皮層、もしくは境界層等、それが投与される組織層にわたって実質的に吸収され得ず、それにより、質量または容積のいずれかで、組成物の25%未満、および好ましくは20%、15%、10%、5%、または1%未満が全身に吸収されることを指す。
【0036】
本明細書において使用するとき、「安定な」とは、組成物が、それがもともと作製された、製造された、製剤化された、組み立てられた、またはパッケージされた後の時点で、その機能に必須の1種または複数種の要素の任意の量を保持することを指す。本明細書において開示される安定な製剤は、例えば、ディスバイオシスと関連した1種または複数種の皮膚障害または疾患を治療する、改善する、または予防することにおけるその活性の最高10%、最高20%、最高30%、最高40%、最高50%、最高60%、最高70%、最高80%、最高90%、または最高100%を保持し得る。製剤が、本明細書において開示される1種または複数種の生きた、凍結乾燥された、フリーズドライされた、カプセル化された、または別様に復元可能な細菌を含む場合、安定な製剤は、それがもともと作製された、製造された、製剤化された、組み立てられた、またはパッケージされたときの組成と比べて、そのコロニー形成活性の最高10%、最高20%、最高30%、最高40%、最高50%、最高60%、最高70%、最高80%、最高90%、または最高100%を保持するものであり得る。本明細書において開示される安定な製剤は、製剤に存在することを意図されないものまたは製剤を汚染し得るもしくは妨害し得るもの等、非所望の微小生物の増殖または定着をさらに遅滞させ得るまたは防止し得る。安定性は、当技術分野において公知の任意の手段によって、とりわけ本明細書において開示されるそうした方法および化合物によって達成され得る。組成物中に含まれる要素および/または組成物のパッケージ、保管、もしくは分配の要素、システム、およびメカニズムがそうであり得るように、組成物の作製、製造、および/またはパッケージにおける滅菌または無菌技法の使用は、組成物の安定性に寄与し得る。
【0037】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、室温でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、40℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、37℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、25℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、20℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、15℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、10℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、4℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃でまたはそれよりも下で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~40℃の間の任意の温度で、または0℃~40℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~37℃の間の任意の温度で、または0℃~37℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~30℃の間の任意の温度で、または0℃~30℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~25℃の間の任意の温度で、または0℃~25℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~20℃の間の任意の温度で、または0℃~20℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~15℃の間の任意の温度で、または0℃~15℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~10℃の間の任意の温度で、または0℃~10℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0℃~4℃の間の任意の温度で、または0℃~4℃の間のどこかを上下する温度で保管された場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24ヶ月間、またはそれよりも長い期間安定であり得る。
【0038】
本明細書において使用するとき、「関連した」という用語は、細菌、細菌共生体、細菌の組み合わせ、代謝産物、代謝産物の反応産物、抽出物、または他の組成物もしくは現象の存在またはレベルが、症状または障害の存在または程度と統計的に有意に相関していること、および/あるいは細菌、細菌共生体、細菌の組み合わせ、代謝産物、代謝産物の反応産物、抽出物、または他の組成物もしくは現象が、症状または障害の発症、維持、または程度と因果的にまたはメカニズム的に関係していることを意味する。統計的有意性の判定は、当業者によって特定される適当な統計モデルまたは検定に従って、当業者によって特定のデータに応じて適当に同じように判定される有意性に対する閾値を用いてなされ得る。
【0039】
本明細書において使用される「対象」という用語は、1種または複数種の微生物代謝産物の除去(およびこれらの代謝産物の宿主により作り出された改変)に対して選択されたまたは特定された、あるいはとりわけ皮膚、腸、目、口腔粘膜、鼻粘膜、呼吸粘膜、耳、排泄腔、または膣の微生物叢に関して、対象の微生物叢の変更と関連した、美容状態を含めた疾患、障害、もしくは病状、またはその任意の症状に対して選択されたまたは特定された、ヒト、他の哺乳類、あるいはイヌ、ネコ、ウマ、ロバ、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、七面鳥、ホロホロチョウ、エミュー、ダチョウ、オウム、カナリア、ムクドリ、キジ、ウズラ、ヤマウズラ、クジャク、ラバ、ウシ、家畜バッファロー、ラクダ、ラマ、アルパカ、バイソン、ヤク、ヤギ、ヒツジ、ブタ、エルク、シカ、家畜レイヨウ、または非ヒト霊長類を含むがそれらに限定されない非ヒト動物を指す。特定の疾患または障害は、限定されることなく、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、苔癬形成、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせ等、本明細書において開示される任意の疾患または障害を含み得る。
【0040】
「有する疑いがある対象」という用語は、疾患、障害、または病状の1つまたは複数の症状、美容指標、または臨床指標を呈する対象を指す。一部の実施形態において、疾患、障害、または病状は、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、苔癬形成、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、疾患、障害、または病状の1つまたは複数の症状、美容指標、または臨床指標は、対象の外見に基づいて確立され得る。一部の実施形態において、疾患、障害、または病状の1つまたは複数の症状、美容指標、または臨床指標の呈示は、皮膚科疾患、障害、または病状の診断および/または治療の当業者によって判定される。一部の実施形態において、疾患、障害、または病状の1つまたは複数の症状、美容指標、または臨床指標の呈示は、対象によって判定される。一部の実施形態において、疾患、障害、または病状の1つまたは複数の症状、美容指標、または臨床指標の呈示は、対象以外の人によって判定される。一部の実施形態において、疾患、障害、または病状の1つまたは複数の症状、美容指標、または臨床指標の呈示は、システム、アルゴリズム、コンピューター、またはソフトウェアによって判定される。
【0041】
「それを必要とする対象」という用語は、ディスバイオシスを阻止するもしくは健常な微生物叢を回復させる組成物を必要としているもの、あるいはとりわけ皮膚、腸、目、口腔粘膜、鼻粘膜、呼吸粘膜、耳、または膣の微生物叢に関して、対象の微生物叢の変更と関連した疾患もしくは障害、またはその任意の症状の治療、阻止、または改善を必要とするものとして選択されたあるいは特定された対象を指す。特定の疾患または障害は、限定されることなく、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、苔癬形成、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、それを必要とする対象は、本明細書において開示される1種または複数種の疾患、障害、または病状に起因した外見の変更を示す対象を含み得る。一部の実施形態において、それを必要とする対象は、本明細書において開示される1種または複数種の疾患、障害、または病状の美容効果または美容症状の改善を望む対象を含み得る。
【0042】
「投与すること」という用語は、対象の皮膚を含めた身体と組成物とを接触させる等によって、対象に組成物を提供することを指し、医療専門家および自己投与により投与することを含むが、それに限定されるわけではない。細菌、細菌抽出物、溶解物、代謝産物、ならびにその混合物および組成物を含めた、本明細書において開示される組成物の投与は、局所的に、眼内にもしくは眼科的に、経鼻的に、経口で、腹腔内に、経膣的に、または直腸にを含むがそれらに限定されない、同程度の実用性を供給する、作用物質に対する投与の許容される様態のいずれかを介したものであり得る。局所投与は、本明細書において記載される特定の実施形態の主題である組成物を投与することにおける慣例である。しかしながら、一部の実施形態において、組成物は、直腸に、経鼻的に、経口で、または眼科的に投与される。一部の実施形態において、投与は、ローション、クリーム、軟膏、膏、油、懸濁液、エマルジョン、または溶液によるものであり得る。一部の実施形態において、投与は、浣腸剤または座薬によるものであり得る。一部の実施形態において、化合物の投与は、非経口の注射または注入等により全身で生じ得る。
【0043】
「治療効果」は、疾患または障害の症状の1つまたは複数を少なくともある程度軽減しまたは緩和し、疾患または障害を治癒することを含む。「治癒すること」とは、活動性疾患の症状が取り除かれることを意味する。しかしながら、疾患のある特定の長期にわたるまたは永続的な影響は、治癒が得られた後でさえ存在し得る(瘢痕化および/または組織損傷等)。
「コロニー形成単位」(CFU)という用語は、当技術分野におけるその通常の意味を有する。
「改善」という用語は、疾患、障害、病状、またはその症状の少なくとも1つの指標の重症度の低減を指す。一部の実施形態において、改善は、疾患、障害、病状、またはその症状の1つまたは複数の指標の進行の遅延または遅らせることを含む。指標の重症度は、当業者に公知である主観的または客観的測定によって判定され得る。疾患、障害、病状、またはその症状の指標は、美容指標を含む。
【0044】
「モジュレーション」という用語は、機能または活性の変更を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、遺伝子発現の増加を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、遺伝子発現の減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、特異的タンパク質の総血清レベルの増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、特異的タンパク質の遊離血清レベルの増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、特異的非タンパク質因子、例えば代謝産物の総血清レベルの増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、特異的非タンパク質因子の遊離血清レベルの増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、特異的タンパク質の総生体利用率の増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、特異的非タンパク質因子の総生体利用率の増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、1種または複数種の微生物種または微生物系統の相対的または絶対的な存在量の増加または減少を指す。一部の実施形態において、モジュレーションは、1種または複数種の細菌種または系統の相対的または絶対的な存在量の増加または減少を指す。
【0045】
本明細書において使用するとき、「アジュバント」という用語は、本発明の化合物等の活性成分の意図される機能または有効性を補完する、安定化する、維持する、または増進する添加物を表す。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、本明細書において開示される局所組成物の特性を保存するまたは変更するために使用され得る局所的に許容される材料を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る1種または複数種のアジュバントをさらに含み得る。これらの材料は、抗ざ瘡、抗老化、抗シワ、抗真菌、抗炎症、抗微生物、抗酸化、制汗、ふけ防止、抗皮膚炎、痒み止め、制吐、抗乾燥肌、抗乾癬、抗脂漏、抗喘息、収斂、気管支拡張、殺菌、スクラブ(exfoliant)(化学的または物理的のいずれか)、洗浄、着色、コルチコステロイド、消臭、脱色、脱毛、皮膚軟化、除毛、鎮痛、毛髪コンディショニング、ホルモン、保水、光相互作用、艶出し、化粧除去、pH調整、粉末様、レオロジー改変、光沢出し、皮膚漂白、皮膚コンディショニング、皮膚保護、タンニング、UV遮断、ビタミン、および/または創傷治癒特性を含み得るが、それらに限定されるわけではない。
【0046】
一部の実施形態において、本明細書において記載される方法に従って投与される対象となる組成物は、細菌系統、もしくは凍結乾燥物(lyophile)、増殖培地、抽出物、代謝産物、またはその誘導体のうちの1種または複数種を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る。一部の実施形態において、細菌系統は、スタフィロコッカス属の1種または複数種のメンバーを含み得る。一部の実施形態において、細菌系統は、1種または複数種のコアグラーゼ陰性スタフィロコッカスを含み得る。一部の実施形態において、細菌系統は、スタフィロコッカス・ホミニス種の1種または複数種の細菌を含み得る。一部の実施形態において、細菌系統は、スタフィロコッカス・ホミニス系統A9に相当するまたはそれに属する1種または複数種の細菌を含み得る。
【0047】
系統の少なくとも1種を含有する医薬または美容組成物の有益な特性は、細菌、培養物、単離物、培養培地もしくはその画分、抽出物もしくはその画分、凍結乾燥物、代謝産物、ならびに/または例えば抗微生物ペプチド、シグナル伝達ペプチド、自己誘導ペプチド、ランチビオティック(lantibiotic)、および/もしくは6-ヒドロキシアミノプリン等の分泌因子を含めた、1種または複数種の付加的な系統またはその調製物の添加によってさらに増進され得る。系統は、すべての目的のためにその全体として、とりわけS.ホミニスおよびS.エピデルミス系統の系統および系統特徴についてのその開示に関して参照により本明細書によって組み入れられる、米国特許出願公開第2018/0289751号に記載される、スタフィロコッカス・エピデルミディス系統MO34、MO38、A11、AMT1、AMT5-C5、および/もしくはAMT5-G6、ならびに/またはスタフィロコッカス・ホミニス系統A9、C2、C4、C5、C6 AMT2、AMT3、AMT4-C2、AMT4-G1、および/もしくはAMT4-D12のうちの1種または複数種を含み得る。
【0048】
一部の実施形態において、本開示の組成物および方法は、細胞、微生物細胞、細胞培養物、微生物培養物、培養抽出物、または微生物培養抽出物に由来する凍結乾燥された粒子等の粒子を含み得る、それから本質的になり得る、またはそれからなり得る活性粒子を含み得る。粒子は、粒子、微粒子、またはナノ粒子であり得る。粒子は、湿式粉砕、とりわけ油もしくは脂質ベースのまたは無水の媒体中での湿式粉砕、噴霧乾燥、エレクトロスプレー、エレクトロスピニング、または粒子、とりわけ医薬もしくは美容使用のための粒子の産生のための当技術分野において公知である他の任意の方法を含めた、粉砕およびふるい分けの結果であり得る。一部の実施形態において、粉砕された粒子は、5~40nm、25~100nm、50~300nm、150~500nm、300nm~1μm、0.5μm~2μm、1μm~5μm、2.5~10μm、6~20μm、15~50μm、30~100μm、75~150μm、100~300μm、250~500μm、300~750μm、600μm~1mm、もしくは1mmよりも大きい、または前述のサイズのいずれか2つによって規定される値域内にあるサイズの平均粒子サイズを有し得る。一部の実施形態において、粉砕された粒子は、300μm~1mm、1~3mm、2~5mm、もしくは5mmよりも大きい、または前述のサイズのいずれか2つによって規定される値域内にあるサイズの粒子サイズを有する。活性粒子は、複数の細孔も含み得、例えば20、50、100、250、500、750、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、もしくは5000m2/g等、または前述の表面積のいずれか2つによって規定される値域内の特異的表面積等、20m2/g~5000m2/gの値域内の特異的表面積を有し得る。特異的表面積は、例えばブルナウアー(Bruanauer)、エメット(Emmett)、およびテラー(Teller)の方法(J. Am. Chem. Soc. (1938), 60:309-311)、ならびに/または水銀ポロシメトリ等の公知の方法を使用して判定され得る。例えば、そのそれぞれが参照によりその全体として組み入れられる、ASTM Test Methods D3663、D6556、およびD4567を参照されたい。
【0049】
粒子、ナノ粒子、または微粒子は、その両方とも参照によりそれらの全体として本明細書に明示的に組み入れられる、Barrett, Joyner and Halenda (1951), J. Am. Chem. Soc. 73:373-380およびASTM D4222-03 (2008)に記載されるもの(本明細書において「BJH法」と称される方法)等、細孔径および特異的細孔容積を判定するための方法によって、ならびに水銀ポロシメトリの方法(例えば、メーカーの取扱説明書に従って、例えばMicromeritics Autopore V 9605水銀ポロシメーター(Micromeritics Instrument Corp.、Norcross、GA)等の水銀ポロシメーターを使用して)によって測定される、0.1cm3/g~1.5cm3/g、0.1cm3/g~0.8cm3/g、0.1cm3/g~0.7cm3/g、0.1cm3/g~0.6cm3/g、0.1cm3/g~0.5cm3/g、0.2cm3/g~0.8cm3/g、0.2cm3/g~0.7cm3/g、0.2cm3/g~0.6cm3/g、0.2cm3/g~0.5cm3/g、0.3cm3/g~1cm3/g、0.3cm3/g~0.9cm3/g、0.3cm3/g~0.8cm3/g、0.3cm3/g~0.7cm3/g、0.3cm3/g~0.6cm3/g、もしくは0.3cm3/g~0.5cm3/gである、または前述の値のいずれか2つによって規定される値域内にある、特異的細孔容積(1.0nm~100nmの直径を有する細孔に基づいて判定される)を付加的に有し得る。例えば、そのすべてが参照により本明細書に組み入れられる、ASTM 3663、ASTM D-4284-12、およびD6761-07 (2012)を参照されたい。粒子、ナノ粒子、または微粒子は、BJH法および/または水銀ポロシメトリによって測定される2nm~100nmの値域内の平均細孔径をさらに有し得る。より典型的には、粒子、ナノ粒子、または微粒子は、BJH法および/または水銀ポロシメトリによって測定される、2~5nm、3~9nm、6~15nm、10nm~90nmの値域内の平均細孔径、または前述のサイズのいずれか2つによって規定される値域内にあるサイズを有し得る。一部の実施形態において、平均細孔径は、BJH法および/または水銀ポロシメトリによって判定される、10nm~80nm、もしくは10nm~70nm、もしくは10nm~60nm、およびしばしば10nm~50nmの値域内にある、または前述のサイズのいずれか2つによって規定される値域内にあるサイズである。一部の実施形態において、平均細孔径は、BJH法および/または水銀ポロシメトリによって測定される20nm~100nmの値域内にある、または前述のサイズのいずれか2つによって規定される値域内にあるサイズである。ある特定のこれらの実施形態において、平均細孔径は、BJH法および/または水銀ポロシメトリによって判定される、20nm~90nm、もしくは20nm~80nm、もしくは20nm~70nm、もしくは20nm~60nm、もしくは10nm~50nmの値域内にある、または前述のサイズのいずれか2つによって規定される値域内にあるサイズである。
【0050】
「作用物質」という用語は、任意の物質、微小生物、微小生物の組み合わせ、混合物、分子、要素、化合物、実体、またはその組み合わせを含む。それは、例えば細菌、真菌、ウイルスまたはファージ、リポ多糖、微生物抽出物、微生物増殖培地、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは模倣体、小有機分子、多糖、ポリヌクレオチド、ポリマー、樹脂、有機または無機微粒子、有機または無機ナノ粒子等を含むが、それらに限定されるわけではない。それは、天然産物、合成化合物、もしくは化学的化合物、または2種以上の物質の組み合わせであり得る。
【0051】
本明細書において記載される組成物は、アトピー性皮膚炎、湿疹、化膿性外傷性皮膚炎、膿皮症、表在性膿皮症、毛包炎、酒さ、ネザートン症候群、ざ瘡、創傷(擦り傷、放射線損傷、および熱傷を含む)、乾癬、乳腺炎、魚鱗癬、および脂漏性皮膚炎、またはその任意の組み合わせ等、皮膚微生物叢の変更と関連した疾患または障害を治療する、阻止する、または改善することにおける使用のための医薬組成物、美容組成物、パーソナルケア組成物、および/または補給剤に製剤化され得る。参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Remington's The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott Williams & Wilkins (2005)に開示されるもの等、標準的な医薬、美容、パーソナルケア、および/または栄養補給剤の製剤化技法が使用される。したがって、一部の実施形態は、(a)安全でかつ治療上有効な量の、本明細書において記載される1種もしくは複数種の化合物、または薬学的に許容されるその塩;および(b)薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、またはその組み合わせ、を含む、それから本質的になる、またはそれからなる、医薬、美容、パーソナルケア、および/または栄養補給組成物を含む。
【0052】
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、ありとあらゆる溶媒、共溶媒、希釈剤、乳化剤、結合剤、吸着剤、浸透増進剤、界面活性剤、安定剤、防腐剤、キレート(cheating)剤、増粘薬、平滑剤、研磨剤、ポリマー、保水剤、皮膚軟化剤、保湿剤、緩衝剤、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等、または医薬製剤を調製することにおいて有用であることが当業者によって公知である他の任意のそのような化合物を含む。本明細書において使用するとき、賦形剤または薬学的に許容される賦形剤または美容的に許容される賦形剤は、それ自体が活性医薬品もしくは一次美容製品でない、または活性医薬品もしくは一次美容製品であることを意図されない、製剤の任意の構成要素を含み得る。賦形剤は、製剤内で複数の目的を果たし得ることが当技術分野において理解される。任意の特定の目的のための任意の賦形剤(乳化剤、皮膚軟化剤、防腐剤等)についての開示は、賦形剤の使用をその特定の目的に制限しないことがさらに付加的に理解される。薬学的に活性な物質に対するそのような媒体および作用物質の使用は、当技術分野において周知である。治療用組成物におけるその使用が企図されるが、但し、任意の従来の媒体または作用物質(agen)が活性成分と不適合であるときはその限りではない。補足的な活性成分も組成物に組み入れられ得る。加えて、当技術分野においてよく使用されるもの等、様々なアジュバントが含まれ得る。これらのおよび他のそのような化合物は、文献に、例えばMerck Index, Merck & Company, Rahway, NJ.に記載される。医薬組成物への様々な構成要素の包含に関する検討事項は、例えばGilman et al. (Eds.) (1990); Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed., Pergamon Pressに記載される。
【0053】
「美容的に許容される担体」、「美容的に許容される賦形剤」、または「美容的に許容される成分」という用語は、ありとあらゆる溶媒、希釈剤、乳化剤、結合剤、緩衝剤、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等、または美容組成物もしくは製剤を調製することにおいて有用であることが当業者によって公知である他の任意のそのような化合物を含む。賦形剤は、製剤内で複数の目的を果たし得ることが当技術分野において理解される。任意の特定の目的のための任意の賦形剤(乳化剤、皮膚軟化剤、防腐剤等)についての開示は、賦形剤の使用をその特定の目的に制限しないことがさらに付加的に理解される。美容組成物または製剤に対するそのような媒体および作用物質の使用は、当技術分野において周知である。医薬、美容、またはパーソナルケア組成物におけるその使用が企図されるが、但し、任意の従来の媒体または作用物質が活性成分と不適合であるときはその限りではない。補足的な活性成分も組成物に組み入れられ得る。加えて、当技術分野においてよく使用されるもの等、様々なアジュバントが含まれ得る。
【0054】
薬学的にまたは美容的に許容される担体、賦形剤、もしくは成分、またはその構成要素として働き得る物質の一部の例には、ラクトース、グルコース、スクロース等の糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン等のデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;トラガカント末;モルト;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウム等の固体潤滑剤;硫酸カルシウム;落花生油、大豆油、サフラワー油、ヤシ油、パーム油、エミュー油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびテオブロマの油等の植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール等のポリオール;アルギン酸;TWEENS;ラウリル硫酸ナトリウム;乳化剤;湿潤剤;着色剤;香味剤;錠剤化剤、安定剤;抗酸化物質;防腐剤;発熱物質不含水;等張食塩水;ならびに/またはリン酸緩衝液が含まれるが、それらに限定されるわけではない。本開示によって企図される付加的な賦形剤は当技術分野において公知であり、付加的な非限定的な例は、本明細書における他の箇所に開示される。一部の実施形態において、本明細書において提供される組成物の1種または複数種の構成要素は、A.C.S.グレード、試薬グレード、U.S.P.グレード、N.F.グレード、実験室グレード、超洗練グレード、洗練グレード、精製グレード、技術的グレード、またはその任意の組み合わせである。
【0055】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、油、防腐剤、増量剤、および/または原薬のうちの1種または複数種を含み得る油製品を含み得る。一部の実施形態において、本開示の組成物は、大豆油、トコフェロール、コロイド状SiO2、および/または原薬を含み得る。一部の実施形態において、原薬は、細菌、凍結乾燥された細菌、殺傷された細菌、細菌溶解物、細菌抽出物、細菌増殖培地、または他の細菌由来物質を含み得る。一部の実施形態において、原薬は、糖類、糖アルコール、多糖、アミノ酸、および/または細菌、凍結乾燥された細菌、殺傷された細菌、細菌溶解物、細菌抽出物、細菌増殖培地、もしくは他の細菌由来物質のうちの1種または複数種を任意に含有する凍結乾燥物を含み得る。一部の実施形態において、原薬は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、および動物質不含ペプトンのうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、および細菌を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、およびスタフィロコッカス属の細菌を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、およびスタフィロコッカス・ホミニス種の細菌を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、およびスタフィロコッカス・ホミニス系統A9を含む細菌を含み得る。
【0056】
一部の実施形態において、医薬品は、細菌、凍結乾燥された細菌、殺傷された細菌、細菌溶解物、細菌抽出物、細菌増殖培地、または発酵によって産生された他の細菌由来物質を含み得る。一部の実施形態において、細菌、凍結乾燥された細菌、殺傷された細菌、細菌溶解物、細菌抽出物、細菌増殖培地、または他の細菌由来物質は、例えば遠心分離等、細菌増殖の産物を回収するまたは収集するための当技術分野において公知であるそのような手段によって回収され得る。一部の実施形態において、細菌、凍結乾燥された細菌、殺傷された細菌、細菌溶解物、細菌抽出物、細菌増殖培地、または他の細菌由来物質は、投与のために、あるいは凍結乾燥および/またはさらなる処理および/またはさらなる配合もしくは製剤化を容易にするために、溶液中で洗浄され得および/または再懸濁され得る。一部の実施形態において、溶液は、凍結保護剤を含み得るまたは凍結保護剤として機能し得る。一部の実施形態において、溶液は、本明細書において開示されるアミノ酸、および/または本明細書において開示される糖類、糖アルコール、ポリマー、もしくは多糖、あるいはその任意の組み合わせのうちの1種あるいは複数を含み得る。一部の実施形態において、溶液は、グルタミン酸モノナトリウム、デキストラン、ソルビトール、マンニトール、またはその任意の組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、溶液は、最高10%(w/w)のグルタミン酸モノナトリウム、最高10%(w/w)のデキストラン500、および最高10%(w/w)のソルビトールを含み得る。
【0057】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、油、防腐剤、増量剤、および/または原薬のうちの1種または複数種を含み得る無水ローション製品を含み得る。一部の実施形態において、本開示の組成物は、大豆油、トコフェロール、コロイド状SiO2、および/または原薬を含み得る。他の箇所に記述されるように、一部の実施形態において、原薬は、糖類、糖アルコール、多糖、アミノ酸、および/または細菌、凍結乾燥された細菌、殺傷された細菌、細菌溶解物、細菌抽出物、細菌増殖培地、もしくは他の細菌由来物質のうちの1種または複数種を任意に含有する凍結乾燥物を含み得る。一部の実施形態において、原薬は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、および大豆ペプトンまたは大豆加水分解物等の動物質不含ペプトンのうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、および細菌を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、およびスタフィロコッカス属の細菌を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、およびスタフィロコッカス・ホミニス種の細菌を含み得る。一部の実施形態において、医薬品は、ソルビトール、デキストラン500等のデキストラン、グルタミン酸モノナトリウム、およびスタフィロコッカス・ホミニス系統A9を含む細菌を含み得る。一部の実施形態において、無水ローション製剤は、ワックス、脂肪、脂質、油、脂肪アルコール、またはその任意の組み合わせのうちの1種または複数種を含み得る。一部の実施形態において、無水ローション製剤は、蜜ろう、ヤシ油、シアバター、ココアバター、ラノリン、または本明細書における他の箇所に開示される他の脂質、脂肪、油、もしくはワックス、とりわけ10℃、15℃、17℃、20℃、22℃、25℃、30℃、もしくは前述の値のいずれかによって規定される値域の室温で固体であるもしくは実質的に固体であるもの、あるいはその任意の組み合わせのうちの1種あるいは複数を含み得る。一部の実施形態において、無水ローションは蜜ろうを含み得る。一部の実施形態において、無水ローションは、本明細書において開示される1種または複数種の脂肪アルコールを含み得る。一部の実施形態において、無水ローションは、ラウリル、ミリスチル、セチル、ヘキサデシル、ステアリル、セトステアリル、セテアリル、イソステアリル、ヒドロキシステアリル、オレイル、リシノレイル、ベヘニル、およびエルシルアルコール、2-オクチルドデカノール、脂肪アルコールエーテル、ならびにその混合物;エトキシ化脂肪アルコール;エトキシ化脂肪アルコールの脂肪酸エステル等のエーテル-エステル、ならびにその混合物、または他の任意の脂肪アルコール、脂肪酸エステル、もしくはその誘導体、あるいはその任意の組み合わせのうちの1種あるいは複数を含み得る。一部の実施形態において、無水ローションは、本明細書において記載される微粒子またはナノ粒子を含み得る。一部の実施形態において、無水ローションは、本明細書において開示される炭素、ポリマー、金属、またはシリカの微粒子またはナノ粒子を含み得る。一部の実施形態において、無水ローションはヒュームドシリカを含み得る。
【0058】
一部の実施形態において、無水ローション製剤は、0.34%または0.05%~1%の値域内の量の原薬粉末、85.18%または45~95%の値域内の量の大豆油、6.81%または1%~10%の値域内の量のステアリルアルコール、6.81%または1%~10%の値域内の量のセトステアリルアルコール、0.85%または0.05%~3%の値域内の量のビタミンE、およびヒュームドシリカなしを含有し得る。
一部の実施形態において、無水ローション製剤は、残りの大豆油/脂肪アルコールベースローションへの添加前に、15%の油含有率を有するまたは5~30%の油含有率を有する、ヒュームドシリカおよび大豆油に懸濁された原薬粉末をまず作製することによって作製され得る。一部の実施形態において、無水製剤は、0.42%または0.05%~2%の値域内の量の原薬粉末、85%または40~97%の値域内の量の大豆油、7%または1%~15%の値域内の量のステアリルアルコール、7%または1%~15%の値域内の量のセトステアリルアルコール、1%または0.05%~5%の値域内の量のビタミンE、および0.21%または0.02%~3%の値域内の量のヒュームドシリカを含有し得る。懸濁液は、均質、不均質、または不規則であり得る。
一部の実施形態において、組成物(例えば、製剤)は、様々な組み合わせ群および個々の成分の組み合わせを含む。一部の実施形態において、組成物は、以下の群の成分のいくつかまたはすべてを含む、それから本質的になる、またはそれからなる。
【0059】
(1)細菌細胞、系統、培養物、単離物、培地、抽出物、凍結乾燥物、および/またはその誘導体(例えば、スタフィロコッカス・ホミニス系統A9等のコアグラーゼ陰性スタフィロコッカス(CoNS)細菌細胞の凍結乾燥された粉砕されおよびふるい分けされた粉末);
(2)油(例えば、大豆油、ゴマ油、鉱油、トウモロコシ油、オリーブ油、落花生油、マカダミアナッツ油、カノーラ油、エミュー油、またはその任意の組み合わせ);
【0060】
(3)不活性粒子(例えば、PLA、PLGA、PLA-PLGA、ブロックコポリマー等のポリマーナノ粒子もしくは微粒子、またはアクリレートナノ粒子もしくは微粒子、シリカ、ヒュームドシリカ、または非晶質シリカナノ粒子もしくは微粒子、あるいはその任意の組み合わせ);ならびに
【0061】
(4)1種または複数種の薬学的に許容される賦形剤(例えば、糖類、デンプン、セルロース、トラガカント末、モルト、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤、硫酸カルシウム、植物油、ポリオール、アルギン酸;TWEEN、ラウリル硫酸ナトリウム、乳化剤、湿潤剤、着色剤、香味剤、錠剤化剤、安定剤;抗酸化物質、防腐剤、発熱物質不含水、等張食塩水、リン酸緩衝液、またはその任意の組み合わせ)。
【0062】
一部の実施形態において、上記の群(1)、群(2)、群(3)、および群(4)は、組成物全体の約0.001%~99%の値域内(例えば、0.001%、0.01%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3.0%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4.0%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはその間の値域)で提供される。例として、群(2)に列挙される成分の選択群に対して大豆油が80%で提供され、群(2)が組成物全体の60%として提供される場合には、大豆油は組成物全体の48%として存在するであろう。群(1)~(4)に対して上で提供されるパーセンテージは、一部の実施形態では%m/mとして提供される。他の実施形態において、これらの成分は、%w/w、%m/v、%v/v、%m/w、または%w/vとして提供される。いくつかの実施形態において、治療量または有効量の各成分が組成物に含まれる。治療量または有効量は、細菌感染を低下させ、細菌異常増殖を低下させ、かつ/またはディスバイオシスを低下させるものであり得る。
【0063】
本明細書において記載される組成物は、好ましくは単位剤形で提供される。本明細書において使用するとき、「単位剤形」とは、適正な医療行為に従った、単回投薬での対象への投与に適している化合物の量を含有する組成物である。しかしながら、単一または単位剤形の調製は、剤形が1日1回または療法の経過あたり1回投与されることを暗示するわけではない。単位剤形は、単一の1日用量または小部分の下位用量を含み得、それから本質的になり得、またはそれからなり得、1日用量を完了するために、いくつかの単位剤形が1日かけて投与されるべきである。本開示によれば、単位剤形は、1日1回よりも高い頻度でまたは低い頻度で与えられ得、療法の経過中に1回よりも多く投与され得る。そのような剤形は、経口で、直腸に、経鼻的に、および/または非経口的にを含めた、それらの製剤化と合う任意の様式で投与され得る。単回投与が具体的に企図されるものの、本明細書において記載される方法に従って投与される組成物は、連続注入としてまたは埋め込み可能な注入ポンプを介しても投与され得る。
【0064】
本明細書において記載される方法は、投与のための多様な経路にとって、例えば投与の局所、経口、粘膜、経鼻、または直腸経路にとって多様な適切な形態のいずれかを利用し得る。所望される投与の特定の経路に応じて、当技術分野において周知の多様な薬学的に許容される担体が使用され得る。薬学的に許容される担体は、例えば固体または液体充填剤、希釈剤、ハイドロトロープ(hydrotrope)、表面活性剤、およびカプセル化物質を含む。製剤中の1種または複数種の化合物の活性を実質的に妨げない、任意の薬学的に活性な材料が含まれ得る。化合物とともに採用される担体の量は、化合物の単位用量あたり、投与に対して実践的な分量の材料を提供するのに十分である。本明細書において記載される方法において有用な剤形を作製するための技法および組成物は、以下の参考文献に記載されており、すべては参照により本明細書に組み入れられる:Modern Pharmaceutics, 4th Ed., Chapters 9 and 10 (Banker & Rhodes, editors, 2002);Lieberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (1989);およびAnsel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 8th Edition (2004)。
【0065】
一部の実施形態において、賦形剤は、局所用の薬学的におよび美容的に許容される皮膚軟化剤を含み得る。本明細書において使用するとき、「皮膚軟化剤」とは、乾燥の予防または軽減に、ならびに皮膚の保護に使用される材料を指す。参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Sagarin, Cosmetics, Science and Technology, 2nd Edition, Vol. 1, pp. 32-43 (1972)は、皮膚軟化剤としての使用のための適切な材料の多数の例を含有する。
【0066】
本明細書において記載される組成物の実際の単位用量は、製剤中の1種または複数種の化合物に依存する。一部の実施形態において、製剤中の各化合物の量は、1日あたり5mg/kg~500mg/kg体重もしくはそれを上回る量、10mg/kgもしくはそれ未満~70mg/kg、1日あたり50mg/kg~80mg/kg体重、1日あたり70mg/kg~120mg/kg体重、1日あたり100mg/kg~300mg/kg体重、または1日あたり250mg/kg~500mg/kg体重であり得る。一部の実施形態において、用量は、1日あたり100mg/kg、500mg/kg、300mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、40mg/kg、30mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6mg/kg、5mg/kg、4mg/kg、3mg/kg、2.5mg/kg、もしくは1mg/kg体重未満、または前述の量のいずれか2つによって規定される値域内にある量であり得る。一部の実施形態において、実際の単位用量は、1日あたり5、10、25、50、75、100、150、もしくは200mg/kg体重、または前述の量のいずれか2つによって規定される値域内にある量である。ゆえに、70kgの人への投与に関して、例えば投薬量域は、350mg~750mg、500mg~1g、750mg~2g、1g~5g、2.5g~6g、4g~10g、8g~20g、15g~35g、または1gもしくはそれ未満~35gもしくはそれを上回る量、あるいは前述の量のいずれか2つによって規定される値域内にある量である。一部の実施形態において、実際の単位用量は6gである。一部の実施形態において、実際の単位用量は10gである。一部の実施形態において、実際の単位用量は35gである。一部の実施形態において、実際の単位用量は1gである、またはそれ未満であるがゼロではない。一部の実施形態において、実際の単位用量は10gである、またはそれ未満であるがゼロではない。一部の実施形態において、実際の単位用量は35mgである、またはそれ未満であるがゼロではない。
【0067】
一部の実施形態において、投与される実際の用量は、0.002g/cm2もしくはそれ未満、0.02g/cm2もしくはそれ未満、0.2g/cm2もしくはそれ未満、2g/cm2もしくはそれ未満、または2g/cm2を上回る量であり得る。一部の実施形態において、投与される実際の用量は、0.005ml/cm2もしくはそれ未満、0.05ml/cm2もしくはそれ未満、0.5ml/cm2もしくはそれ未満、5ml/cm2もしくはそれ未満、または5ml/cm2を上回る量であり得る。一部の実施形態において、投与される実際の用量は、1CFU/cm2もしくはそれ未満、10CFU/cm2もしくはそれ未満、102CFU/cm2もしくはそれ未満、103CFU/cm2もしくはそれ未満、103CFU/cm2もしくはそれ未満、105CFU/cm2もしくはそれ未満、106CFU/cm2もしくはそれ未満、107CFU/cm2もしくはそれ未満、108CFU/cm2もしくはそれ未満、109CFU/cm2もしくはそれ未満、1010CFU/cm2もしくはそれ未満、または1010CFU/cm2を上回る量であり得る。一部の実施形態において、投与される実際の用量は、2×105CFU/cm2またはそれ未満であり得る。一部の実施形態において、投与される実際の用量は、2×105CFU/cm2を上回る量またはそれ未満であり得る。
本明細書において使用される「負荷用量」という語句は、後続の用量よりも高い、化合物の初回用量を指す。
【0068】
本明細書において使用される「維持用量」という語句は、負荷用量に続く後続の用量を指し、負荷用量よりも時間が後に生じる。当業者であれば、維持用量の投与の剤形または様態は、負荷用量に対して使用されるものとは異なり得ることを承知しているであろう。本明細書において開示される実施形態のいずれかにおいて、維持用量は、月1回または1ヶ月あたり複数回、2週間に1回または2週間に複数回、週1回または1週間あたり複数回、毎日または1日あたり複数回を含むがそれらに限定されない、本明細書において企図される任意の投薬スケジュールでの単位剤形の投与を含み得る。投薬休暇が維持用量の投薬期間に組み入れられ得ることが、本開示内で企図される。そのような投薬休暇は、負荷用量の投与の直後に、または維持用量の投与の期間中の任意の時点で生じ得る。本明細書において使用するとき、維持用量の投与の期間は、治療期間の「維持期」と称され得る。
【0069】
本明細書において使用される「投与の様態」という語句は、1種または複数種の化合物が対象に投与される手法を指す。本明細書において使用するとき、「投与の様態」は、剤形(例えば、錠剤、粉末、溶解液、懸濁液、エマルジョン、ローション、油等)、および剤形が対象に適用されるメカニズム(例えば、定量ポンプ、再吸収可能なフィルム、再吸収不能なフィルム、パッチ、布、紙、もしくは繊維ワイプ等のワイプ、点滴、マッサージ、洗浄、リンス、浸漬、または対象への局所用もしくは他の組成物の投与のための当技術分野において公知である他の方法等によって局所的に)を含む。本明細書において使用するとき、「投与の様態」は、化合物が対象に投与される用量、投薬量、および投薬スケジュールも含む。
【0070】
一部の実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、食料、飲料、または他の摂取可能な品目とともに提供されるまたはそれに混合される。一部の実施形態において、飲料、食料、または他の摂取可能な品目は、キャンディー、アップルソース、ヨーグルト、柔らかいプディング、ゼラチン食料、ジュース、ミルク、大豆もしくはナッツ飲料、増粘飲料、またはチーズ、あるいはその任意の組み合わせのうちの1種あるいは複数を含み得る、それから本質的になり得る、あるいはそれからなり得る。当業者であれば、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物の組み合わせを任意の適切な食品または飲料と混ぜ合わせて、組成物の摂取を容易にし得ることを容易に認識するであろう。
【0071】
一部の微生物系統または種のレベルは、外部および/または体細胞に由来する刺激に応答して上下すると予想されるであろうため、本開示に従った方法は、例えば、対象の体細胞のおよび微生物の健康の両方を維持するような様式で1種または複数種の微生物系統または抽出物の据え付けのタイミングを最適化することによって、本明細書において記載される組成物の投与のタイミングおよび/または頻度を様々に変えてまたは制御して、治療の有効性を増進することを企図する。一部の実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、皮膚の浄化もしくはリンスの前、間、もしくは後に、および/または保湿、消毒、付加的な治療法もしくは化粧品の投与もしくは共投与を含めた皮膚の付加的な処置の前、間、もしくは後に、化粧、香水、もしくは消臭剤の適用の前、間、もしくは後に、髭剃り、ワックス脱毛、もしくはスクラブの前、間、もしくは後に投与され得る。一部の実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、洗浄、リンス、消毒、スクラブ、または皮膚の罹患エリアに接触する他の活動の前または後1~5分以内、3~10分以内、6~15分以内、10~20分以内、15~30分以内、20~45分以内、または1時間以内に投与され得る。一部の実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、洗浄、リンス、消毒、スクラブ、または皮膚の罹患エリアに接触する他の活動の前または後1~3時間、2~5時間、4~8時間、6~12時間、9~18時間、12~24時間、または24時間を上回る時間等の、洗浄、リンス、消毒、スクラブ、または皮膚の罹患エリアに接触する他の活動なしで投与され得る。一部の実施形態において、本開示の組成物は、食事、もしくは食料の他の摂取と同時に、または飲料もしくは処方されたドリンクと同時に投与され得る。一部のさらなる実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、食事、または食料の他の摂取の直前または直後に投与され得る。一部のさらなる実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、食事、または食料の他の摂取の前または後1~5分以内、3~10分以内、6~15分以内、10~20分以内、15~30分以内、20~45分以内、1時間以内、または2時間以内に投与され得る。一部の実施形態において、本開示の方法に従って投与される対象となる組成物は、食事の間に、または食事、飲料、もしくは他の食料の摂取の前もしくは後1~3時間、2~5時間、4~8時間、6~12時間、9~18時間、12~24時間、もしくは24時間を上回る時間等の、食事、飲料、もしくは他の食料の摂取の非存在下で投与され得る。
【0072】
本明細書において使用するとき、「治療の継続期間」とは、最初の用量の投与で始まり、最後の用量の投与で終える期間を指し、そのような期間の長さは、その間に治療されている対象の症状および健康を参照して、皮膚障害または皮膚のディスバイオシスに関わる障害を治療する当業者によって判定される。そのような継続期間は、皮膚の外見についての、炎症の代謝遺伝子マーカーについての、特定の片利共生細菌および/もしくは病原体の存在もしくは非存在についての周期的、散発的、もしくは進行中のモニタリングを参照して、または皮膚障害もしくは皮膚のディスバイオシスに関わる障害を治療する当業者に公知である他の任意の方法によって判定され得る。
【0073】
本明細書において使用するとき、「投薬休暇」とは、投薬が対象に施されないまたは低下用量が対象に投与される、24時間またはそれを上回る時間の期間を指す。本明細書において使用するとき、「低下用量」とは、対象に投与されるべき総1日用量未満である用量を指す。
【0074】
局所製剤は、一般的に、薬学的な担体、共溶媒、乳化剤、浸透増進剤、防腐系、担体、保護剤、凍結保護剤、ビヒクル、潤滑剤、希釈剤、研磨剤、および/もしくは皮膚軟化剤、ならびに/または他の1種もしくは複数種の賦形剤、のうちの1種または複数種を含み得る。担体、保護剤、凍結保護剤、ビヒクル、潤滑剤、皮膚軟化剤、希釈剤、または他の賦形剤として有用であるワックス、油、ポリマー、脂肪酸等のクラスにおける化合物の例には、鉱油、ワセリン、パラフィン、セレシン、オゾケライト、微結晶ワックス、ポリエチレン、およびペルヒドロスクアレン(perhydrosqualene)等の炭化水素油およびワックス;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ならびに水溶性およびアルコール可溶性シリコーングリコールコポリマー等のシリコーン油が含まれるが、それらに限定されるわけではない。他の適切な化合物は、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、マカダミアナッツ油、ホホバ油、エミュー油、および大豆油を含めた、植物性および動物性脂肪および油等のトリグリセリドエステル;アセチル化モノグリセリド等のアセトグリセリドエステル;エトキシ化グリセリルモノステアレート等のエトキシ化グリセリド;脂肪酸のメチル、イソプロピル、およびブチルエステルを含めた脂肪酸のアルキルエステル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル(dissohexyl)、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、および乳酸セチルを含めたアルキルエステル;ならびにミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、およびオレイン酸オレイル等の脂肪酸のアルケニルエステルを含む。本組成物の製剤化に有用な化合物の他の適切なクラスは、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、およびエルカ酸等の脂肪酸;ラウリル、ミリスチル、セチル、ヘキサデシル、ステアリル、セトステアリル、セテアリル、イソステアリル、ヒドロキシステアリル、オレイル、リシノレイル、ベヘニル、およびエルシルアルコール、それだけでなく2-オクチルドデカノール、ならびにその混合物等の脂肪アルコール;脂肪アルコールエーテルおよびその混合物;エトキシ化脂肪アルコール;エトキシ化脂肪アルコールの脂肪酸エステルおよびその混合物等のエーテル-エステル;ラノリン油、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ラノリン酸イソプロピル、エトキシ化ラノリン、エトキシ化ラノリンアルコール、エトキシ化(ethoxolated)コレステロール、プロポキシ化(propoxylated)ラノリンアルコール、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、リノール酸ラノリンアルコール、リシノール酸(recinoleate)ラノリンアルコール、リシノール酸ラノリンアルコールのアセテート、リシノール酸ラノリンアルコールのアセテート、エトキシ化アルコールエステルのアセテート、ラノリンの水素化分解の産物、エトキシ化水添ラノリン、エトキシ化ソルビトールラノリン、ならびに液体および半固体ラノリン吸収基剤(エトキシ化水添ラノリン、エトキシ化ソルビトールラノリン、ならびに液体および半固体ラノリン吸収基剤は、ラノリンに由来する皮膚軟化剤または局所用賦形剤の例示である)を含めたラノリンならびに誘導体;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコール、グリセロール、ソルビトール、エトキシ化ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコールおよび誘導体、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、1,3-ブチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル,3-ヘキサンジオール、ならびにトリメチロールプロパンのポリオキシプロピレン誘導体等の多価アルコールならびにポリエーテル誘導体;エチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、モノ-およびジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリプロピレングリコール、モノステアリン酸ポリプロピレングリコール、エトキシ化モノステアリン酸プロピレングリコール、グリセリルモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシ化モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸1,3-ブチレングリコール、ジステアリン酸1,3-ブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の多価(polydydric)アルコールエステル;蜜ろう、鯨ろう、ミリスチン酸ミリスチル、およびステアリン酸ステアリル等のワックスエステル;蜜ろう誘導体、例えばポリオキシエチレンソルビトール蜜ろう;カルナバおよびカンデリラワックスを含めた植物ワックス;ならびにレシチンおよび誘導体等のリン脂質;例えばコレステロールおよびコレステロール脂肪酸エステルを含めたステロール;脂肪酸アミド、エトキシ化脂肪酸アミド、および固体脂肪酸アルカノールアミド等のアミドを含む。一部の実施形態において、本開示の組成物および方法は、前述のもののいずれかを組み入れた混合物を企図する。一部の実施形態において、組成物は、グリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、乳酸、尿素、ピロリドンカルボン酸、アミノ酸、グアニジン、ジグリセロール、およびトリグリセロールからなる群より選択される1種または複数種の化合物を含み得る。典型的な実施形態において、本明細書において開示される組成物は、ゴマまたは大豆油を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、前述のもののいずれかまたは任意の組み合わせを含む。一部の実施形態において、油は、高度に洗練されているまたは超洗練されている。一部の実施形態において、油は、アレルゲン、または検出可能なタンパク質もしくは多糖混入物を実質的に含まない。
【0075】
一部の実施形態において、賦形剤は、脂肪酸トリグリセリド、すなわち6~24個の炭素原子、特に6~10個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のトリグリセリルエステルを含み得る。一部の実施形態において、賦形剤は、脂肪酸ジグリセリド、すなわち6~24個の炭素原子、特に6~10個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のジグリセロールエステルを含み得る。一部の実施形態において、賦形剤は、脂肪酸モノグリセリド、すなわち6~24個の炭素原子、特に6~10個の炭素原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステルを含み得る。
【0076】
一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、または4.0%(w/w)の、基剤、担体、皮膚軟化剤、または他の賦形剤として機能し得る油、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂質、トリグリセリド、またはその誘導体もしくは同等物を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、基剤、担体、皮膚軟化剤、または他の賦形剤として機能し得る油、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂質、トリグリセリド、またはその誘導体もしくは同等物を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0.001%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、21%(w/w)、22%(w/w)、23%(w/w)、24%(w/w)、25%(w/w)、26%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、33%(w/w)、34%(w/w)、35%(w/w)、36%(w/w)、37%(w/w)、38%(w/w)、39%(w/w)、40%(w/w)、41%(w/w)、42%(w/w)、43%(w/w)、44%(w/w)、45%(w/w)、46%(w/w)、47%(w/w)、48%(w/w)、49%(w/w)、50%(w/w)、51%(w/w)、52%(w/w)、53%(w/w)、54%(w/w)、55%(w/w)、56%(w/w)、57%(w/w)、58%(w/w)、59%(w/w)、60%(w/w)、61%(w/w)、62%(w/w)、63%(w/w)、64%(w/w)、65%(w/w)、66%(w/w)、67%(w/w)、68%(w/w)、69%(w/w)、70%(w/w)、71%(w/w)、72%(w/w)、73%(w/w)、74%(w/w)、75%(w/w)、76%(w/w)、77%(w/w)、78%(w/w)、79%(w/w)、80%(w/w)、81%(w/w)、82%(w/w)、83%(w/w)、84%(w/w)、85%(w/w)、86%(w/w)、87%(w/w)、88%(w/w)、89%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、もしくはそれを上回る、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、基剤、担体、皮膚軟化剤、または他の賦形剤として機能し得る油、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂質、トリグリセリド、またはその誘導体もしくは同等物を含み得る。
【0077】
一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、または4.0%(w/w)の皮膚軟化剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の皮膚軟化剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0.001%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、21%(w/w)、22%(w/w)、23%(w/w)、24%(w/w)、25%(w/w)、26%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、30%(w/w)、31%(w/w)、32%(w/w)、33%(w/w)、34%(w/w)、35%(w/w)、36%(w/w)、37%(w/w)、38%(w/w)、39%(w/w)、40%(w/w)、41%(w/w)、42%(w/w)、43%(w/w)、44%(w/w)、45%(w/w)、46%(w/w)、47%(w/w)、48%(w/w)、49%(w/w)、50%(w/w)、51%(w/w)、52%(w/w)、53%(w/w)、54%(w/w)、55%(w/w)、56%(w/w)、57%(w/w)、58%(w/w)、59%(w/w)、60%(w/w)、61%(w/w)、62%(w/w)、63%(w/w)、64%(w/w)、65%(w/w)、66%(w/w)、67%(w/w)、68%(w/w)、69%(w/w)、70%(w/w)、71%(w/w)、72%(w/w)、73%(w/w)、74%(w/w)、75%(w/w)、76%(w/w)、77%(w/w)、78%(w/w)、79%(w/w)、80%(w/w)、81%(w/w)、82%(w/w)、83%(w/w)、84%(w/w)、85%(w/w)、86%(w/w)、87%(w/w)、88%(w/w)、89%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、もしくは100%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の皮膚軟化剤を含み得る。
【0078】
一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、または4.0%(w/w)のグリセロールを含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の防腐剤を含み得る。
【0079】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、または1.2%(w/w)の脂肪酸モノグリセリドを含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の脂肪酸モノグリセリドを含み得る。
【0080】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、または1.2%(w/w)の脂肪酸ジグリセリドを含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の脂肪酸ジグリセリドを含み得る。
【0081】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、または1.2%(w/w)の脂肪酸トリグリセリドを含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の脂肪酸トリグリセリドを含み得る。
【0082】
適切な皮膚軟化剤のさらなる例には、一部の実施形態において、アミノ酸、コンドロイチン硫酸、ジグリセリン、エリトリトール、フルクトース、グルコース、グリセリン、グリセロールポリマー、グリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、ハチミツ、ヒアルロン酸、水添ハチミツ、加水分解水添デンプン、イノシトール、ラクチトール、マルチトール、マルトース、マンニトール、天然保湿因子、PEG-15ブタンジオール、ポリグリセリルソルビトール、ピロリドン(pyrollidone)カルボン酸の塩、PCAカリウム、プロピレングリコール、グルクロン酸ナトリウム、PCAナトリウム、ソルビトール、スクロース、トレハロース、尿素、およびキシリトールが含まれ得る。本明細書において開示される組成物に組み入れられ得る保湿剤の他の例には、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、アクリレート/C10-30アクリル酸アルキルクロスポリマー、アクリレートコポリマー、アラニン、藻類抽出物、アロエ・バーバデンシス(aloe barbadensis)、アロエ・バーバデンシス抽出物、アロエ・バーバデンシスゲル、アルテア・オフィシナリス(althea officinalis)抽出物、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アプリコット(プルヌス・アルメニアカ(prunus armeniaca))核油、アルギニン、アスパラギン酸アルギニン、アルニカ・モンタナ(arnica montana)抽出物、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスパラギン酸、アボカド(ペルセア・グラチシマ(persea gratissima))油、硫酸バリウム、バリアスフィンゴ脂質、ブチルアルコール、蜜ろう、ベヘニルアルコール、ベータ-シトステロール、BHT、樺の木(ベツラ・アルバ(betula alba))樹皮抽出物、ルリジサ(ボラゴ・オフィシナリス(borago officinalis))抽出物、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ブッチャーブルーム(ルスカス・アクレアトゥス(ruscus aculeatus))抽出物、ブチレングリコール、カレンデュラ・オフィシナリス(calendula officinalis)抽出物、カレンデュラ・オフィシナリス油、キャンデリラ(ユーフォルビア・セリフェラ(euphorbia cerifera))ワックス、カノーラ油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、カルダモン(エレタリア・カルダモムム(elettaria cardamomum))油、カルナバ(コペルニキア・セリフェラ(copernicia cerifera))ワックス、カラギーナン(コンドラス・クリスパス(chondrus crispus))、ニンジン(ダウカス・キャロータ・サティバ(daucus carota sativa))油、ヒマシ(リシナス・コムニス(ricinus communis))油、セラミド、セレシン、セテアレス-5、セテアレス-12、セテアレス-20、オクタン酸セテアリル、セテス-20、セテス-24、酢酸セチル、オクタン酸セチル、パルミチン酸セチル、カモミール(アンテミス・ノビリス(anthemis nobilis))油、コレステロール、コレステロールエステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、クエン酸、クラリ(サルビア・スクラレア(salvia sclarea))油、ココア(テオブロマ・カカオ(theobroma cacao))バター、ココ-カプリル酸/カプリン酸、ヤシ(ココス・ヌシフェラ(cocos nucifera))油、コラーゲン、コラーゲンアミノ酸、トウモロコシ(ゼア・マイス(zea mays))油、脂肪酸、オレイン酸デシル、デキストリン、ジアゾリジニル尿素、ジメチコンコポリオール、ジメチコノール、アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジオクチル、ヘキサカプリル酸/ヘキサカプリン酸ジペンタエリスリチル、DMDMヒダントイン、DNA、エリトリトール、エトキシジグリコール、リノール酸エチル、ユーカリプタス・グルブルス(eucalyptus globulus)油、マツヨイグサ(エノテラ・ビエニス(oenothera biennis))油、脂肪酸、フルクトース(tructose)、ゼラチン、ゼラニウム・マクラツム(geranium maculatum)油、グルコサミン、グルタミン酸グルコース、グルタミン酸、グリセレス-26、グリセリン、グリセロール、ジステアリン酸グリセリル、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリルSE、グリシン、ステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリコールSE、グリコサミノグリカン、ブドウ(ヴィティス・ビニフェラ(vitis vinifera))種子油、ハシバミ(コリラス・アメリカーナ(corylus americana))堅果油、ハシバミ(コリラス・アベラナ(corylus avellana))堅果油、ヘキシレングリコール、ハチミツ、ヒアルロン酸、ハイブリッドサフラワー(カルタマス・チンクトリウス(carthamus tinctorius))油、水添ヒマシ油、水素化ココ-グリセリド、水添ヤシ油、水添ラノリン、水添レシチン、水添パームグリセリド、水添パーム核油、大豆油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、水添大豆油、水素化獣脂グリセリド、水添植物油、加水分解コラーゲン、加水分解エラスチン、加水分解グリコサミノグリカン、加水分解ケラチン、加水分解大豆タンパク質、水酸化ラノリン、ヒドロキシプロリン、イミダゾリジニル尿素、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ステアリン酸イソセチル、ステアロイルステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアラミドDEA、イソステアリン酸、乳酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソステアリル、ジャスミン(ジャスミヌム・オフィシナレ(jasminum officinale))油、ホホバ(バクサス・チネンシス(buxus chinensis))油、昆布、ククイ(アレウリテス・モルカナ(aleurites moluccana))堅果油、ラクトアミドMEA、ラネス-16、酢酸ラネス-10、ラノリン、ラノリン脂肪酸(lanolin acid)、ラノリンアルコール、ラノリン油、ラノリンワックス、ラベンダー(ラバンデュラ・アングスティフォリア(lavandula angustifolia)油、レシチン、レモン(シトラス・メディカ・リモヌム(citrus medica limonum))油、リノール酸、リノレン酸、マカダミア・テルニフォリア(macadamia ternifolia)堅果油、ステアリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、マルチトール、マトリカリア(カモミラ・レクティタ(chamomilla recutita))油、セスキステアリン酸メチルグルコース、メチルシラノールPCA、微結晶ワックス、鉱油、ミンク油、モルティエレラ(mortierella)油、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸ミリスチル、プロピオン酸ミリスチル、ジカプリル酸/ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、オクチルドデカノール、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、パルミチン酸オクチル、サリチル酸オクチル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸、オリーブ(オレア・ユーロパエア(olea europaea))油、オレンジ(シトラス・オーランティアム・ダルシス(citrus aurantium dulcis))油、パーム(エラエイス・ギネンシス(elaeis guineensis))油、パルミチン酸、パンテチン、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、パラフィン、PCA、モモ(プルヌス・ペルシカ(prunus persica))核油、落花生(アラキス・ヒポガエア(arachis hypogaea))油、PEG-8 C12-18エステル、PEG-15コカミン、ジステアリン酸PEG-150、イソステアリン酸PEG-60グリセリル、ステアリン酸PEG-5グリセリル、ステアリン酸PEG-30グリセリル、PEG-7水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、セスキステアリン酸PEG-20メチルグルコース、ペルオレイン酸PEG40ソルビタン(PEG40 sorbitan peroleate)、PEG-5大豆ステロール、PEG-10大豆ステロール、ステアリン酸PEG-2、ステアリン酸PEG-8、ステアリン酸PEG-20、ステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG40、ステアリン酸PEG-50、ステアリン酸PEG-100、ステアリン酸PEG-150、ペンタデカラクトン、ペパーミント(メンタ・ピペリタ(mentha piperita))油、ワセリン、リン脂質、ポリアミノ糖濃縮物、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ポリクオタニウム-24、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート85、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、プロピレングリコール、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコールSE、PVP、ジパルミチン酸ピリドキシン、クオタニウム-15、クオタニウム-18ヘクトライト、クオタニウム-22、レチノール、パルミチン酸レチニル、イネ(オリザ・サティバ(oryza sativa))ぬか油、RNA、ローズマリー(ロスマリヌス・オフィシナリス(rosmarinus officinalis))油、バラ油、サフラワー(カルタマス・チンクトリウス)油、セージ(サルビア・オフィシナリス(salvia officinalis))油、サリチル酸、ビャクダン(サンタルム・アルブム(santalum album))油、セリン、血清タンパク質、ゴマ(セサムム・インディクム(sesamum indicum))油、シアバター(ブチロスペルムム・パルキイ(butyrospermum parkii))、シルク粉末、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、PCAナトリウム、ポリグルタミン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、ソルビン酸、ラウリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、ソルビトール、大豆(グリシン・ソヤ(glycine soja))油、スフィンゴ脂質、スクアラン、スクアレン、ステアリン酸ステアラミドMEA、ステアリン酸、ステアロキシジメチコン、ステアロキシトリメチルシラン、ステアリルアルコール、グリチルレチン酸ステアリル、ヘプタン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、ヒマワリ(ヘリアンタス・アンヌス(helianthus annuus))種子油、スウィートアーモンド(プルヌス・アミグタルス・ダルシス(prunus amygdalus dulcis))油、合成蜜ろう、トコフェロール、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、トリベヘニン、ネオペンタン酸トリデシル、ステアリン酸トリデシル、トリエタノールアミン、トリステアリン、尿素、植物油、水、ワックス、小麦(トリチカム・ブルガレ(triticum vulgare))胚芽油、およびイランイラン(カナンガ・オドラタ(cananga odorata))油のうちの1種または複数種が含まれ得る。
【0083】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1種または複数種の構造化剤を含み得る。構造化剤は、ある特定の態様において、組成物の安定性に寄与するレオロジー特徴を組成物に提供するのを助け得る。他の態様において、構造化剤は、乳化剤または界面活性剤としても機能し得る。構造化剤の非限定的な例には、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均約1~約21個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、平均約1~約5個のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、およびその混合物が含まれる。
【0084】
一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、1種または複数種のアミノ酸を含み得る。例示的なアミノ酸には、アスパラギン、チロシン、システイン、シスチン、セリン、トレオニン、グルタミン、ヒスチジン、グルタミン酸、グルタメート、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、アスパルテート、トリプトファン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、アミノ酪酸、ガンマアミノ酪酸、2-アミノ酪酸、デヒドロアラニン(Dehydralanine)、または一般式H2N-CRR’-CO2Hの任意の化合物、またはその酸、塩基、もしくは塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、アミノ酸は、カリウム、マグネシウム、リチウム、マンガン、またはナトリウム塩として存在する。一部の実施形態において、アミノ酸はグルタミン酸である。一部の実施形態において、アミノ酸は、グルタミン酸モノナトリウムまたは二ナトリウムである。一部の実施形態において、アミノ酸はグルタミン酸カリウムである。一部の実施形態において、アミノ酸はグルタミン酸二カリウム(dipotassium glutamate)である。一部の実施形態において、アミノ酸はアスパラギン酸である。一部の実施形態において、アミノ酸は、アスパラギン酸モノナトリウムまたは二ナトリウムである。一部の実施形態において、アミノ酸はアスパラギン酸カリウムである。一部の実施形態において、アミノ酸はアスパラギン酸二カリウムである。
【0085】
一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、または4.0%(w/w)のアミノ酸を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域のアミノ酸を含み得る。
【0086】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は不活性粒子を含み得る。不活性粒子は、活性粒子に関して本明細書において開示される、同じ値域のサイズ、特異的表面積、細孔サイズ、細孔密度等を有し得る。本明細書において企図されるように、不活性粒子は活性原薬を含まないが、とはいえそれは、その構造に組み入れられた、その表面に付着した、細孔内に存在する等の活性原薬を有し得る。代表的な不活性粒子には、Fe、Au、Cu等の金属ナノ粒子もしくは微粒子;PLA、PLGA、PLA-PLGA、ブロックコポリマー等のポリマーナノ粒子もしくは微粒子、またはアクリレートナノ粒子もしくは微粒子、シリカ、ヒュームドシリカ、または非晶質シリカナノ粒子もしくは微粒子;デキストラン、コラーゲン、キトサン、キチン、セルロース、または微結晶セルロースナノ粒子または微粒子等のタンパク質性または多糖の微粒子またはナノ粒子;あるいは当技術分野において公知である他のそのような粒子が含まれるが、それらに限定されるわけではない。一部の実施形態において、不活性粒子はシリカ粒子であり得る。一部の実施形態において、不活性粒子はヒュームドシリカ粒子であり得る。一部の実施形態において、不活性粒子は、親水性または疎水性のヒュームドシリカ粒子のいずれかであり得る。
【0087】
一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、または4.0%(w/w)の不活性粒子を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.3%(w/w)、1.4%(w/w)、1.5%(w/w)、1.6%(w/w)、1.7%(w/w)、1.8%(w/w)、1.9%(w/w)、2.0%(w/w)、2.1%(w/w)、2.2%(w/w)、2.3%(w/w)、2.4%(w/w)、2.5%(w/w)、2.6%(w/w)、2.7%(w/w)、2.8%(w/w)、2.9%(w/w)、3.0%(w/w)、3.1%(w/w)、3.2%(w/w)、3.3%(w/w)、3.4%(w/w)、3.5%(w/w)、3.6%(w/w)、3.7%(w/w)、3.8%(w/w)、3.9%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の不活性粒子を含み得る。
【0088】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、または1.2%(w/w)の細菌細胞、系統、培養物、単離物、培地、抽出物、凍結乾燥物、またはその誘導体を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、細菌細胞、系統、培養物、単離物、培地、抽出物、凍結乾燥物、またはその誘導体を含み得る。
【0089】
一部の実施形態において、賦形剤は乳化剤を含み得る。適切な乳化剤は、例えば、参照によりそれらの全体として本明細書に組み入れられる、McCutcheon's Detergents and Emulsifiers, North American Edition, pp. 317-324 (1986)、およびthe ICI Handbook, pp. 1673-1686に開示される。一部の実施形態において、乳化剤はモノステアリン酸グリセロールを含み得る。一部の実施形態において、乳化剤はステアリン酸ポリオキシルを含み得る。一部の実施形態において、乳化剤は、モノステアリン酸グリセロールおよびステアリン酸ポリオキシルを含み得る。一部の実施形態において、乳化剤は、ステアリン酸PEG-6およびステアリン酸グリコールおよびステアリン酸PEG-32を含み得る。一部の実施形態において、乳化剤は、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸グリコール、およびステアリン酸PEG-32を含み得る。
【0090】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、30%(w/w)、または40%(w/w)の乳化剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、30%(w/w)、もしくは40%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の乳化剤を含み得る。一部の実施形態において、乳化剤は、1種もしくは複数種の構成要素、2種以上の構成要素、または3種以上の構成要素を含み得る。
【0091】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、30%(w/w)、または40%(w/w)の、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸グリコール、およびステアリン酸PEG-32を含めた乳化剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、30%(w/w)、もしくは40%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸グリコール、およびステアリン酸PEG-32を含めた乳化剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸グリコール、およびステアリン酸PEG-32の混合物を含み得る。
【0092】
本明細書において企図される乳化剤のさらなる例には、一部の実施形態において、グリセリンのエステル、プロピレングリコールのエステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールの脂肪酸エステル、ソルビトールのエステル、ソルビタン無水物のエステル、カルボン酸コポリマー、グルコースのエステルおよびエーテル、エトキシ化エーテル、エトキシ化アルコール、アルキルホスフェート、ポリオキシエチレン脂肪エーテル(fatty ether)ホスフェート、脂肪酸アミド、アシルラクチレート、ソープ、ステアリン酸TEA、オレス-3リン酸DEA、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス-2、ステアレス-20、ステアレス-21、セテアレス-20、ジステアリン酸PPG-2メチルグルコース(PPG-2 methyl glucose ether distearate)、セテス-10、ポリソルベート80、リン酸セチル、リン酸セチルカリウム、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100、およびその混合物が含まれ得る。
【0093】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1種または複数種のシリコーン含有化合物を含み得る。シリコーン含有化合物には、分子骨格が、シリコーンまたは炭素原子に付着した側基を有するシリコーンおよび炭素原子を含む、ポリマー産物のファミリーの任意のメンバーが含まれる。鎖長、側基、および架橋を様々に変えることによって、シリコーンは多種多様の材料に合成され得る。それらは、液体からゲルへ固体へ粘稠度が様々であり得る。
【0094】
本開示の組成物の一部の実施形態に組み入れられ得るシリコーン含有化合物は、本明細書において記載されるものおよび/または当業者に公知のものを含む。非限定的な例には、シリコーン油(例えば、揮発性および非揮発性油)、ゲル、および固体が含まれる。好ましい態様において、シリコーン含有化合物は、ポリオルガノシロキサン等のシリコーン油を含む。ポリオルガノシロキサンの非限定的な例には、意図される適用(例えば、皮膚、毛髪、または目等の特定のエリアへの)に応じた所望の粘稠度および適用特徴を達成する任意の所与の比率での、ジメチコン、シクロメチコン、ポリシリコーン-11、フェニルトリメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ステアロキシトリメチルシラン、またはこれらのおよび他のオルガノシロキサン材料の混合物が含まれる。「揮発性シリコーン油」は、低温の気化、すなわち通常ではシリコーン油のグラムあたり約50cal未満、を有するシリコーン油を含む。揮発性シリコーン油の非限定的な例には、Dow Corning 344 Fluid、Dow Corning 345 Fluid、Dow Corning 244 Fluid、およびDow Corning 245 Fluid、Volatile Silicon 7207(Union Carbide Corp.、Danbury、Conn.)等のシクロメチコン;低粘度のジメチコン、すなわち約50cstまたはそれ未満の粘度を有するジメチコン(例えば、Dow Corning 200-0.5cst Fluid等のジメチコン)が含まれる。Dow Corning Fluidは、Dow Corning Corporation、Midland、Michから入手可能である。シクロメチコンおよびジメチコンは、それぞれ環状ジメチルポリシロキサン化合物、およびトリメチルシロキシ単位で末端ブロックされた完全メチル化直鎖状シロキサンポリマーの混合物として、the Third Edition of the CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary(参照により組み入れられる)に記載される。本発明の背景において使用され得る他の非限定的な揮発性シリコーン油は、General Electric Co.、Silicone Products Div.、Waterford、N.Y.、およびStauffer Chemical Co.のSWS Silicones Div.、Adrian、Michから入手可能なものを含む。
【0095】
一部の実施形態において、賦形剤は防腐剤を含み得る。一部の実施形態において、防腐剤は、ベンジルアルコール、パラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、DMDMヒダントイン、メチルクロロイソチアゾリン(methylchloroisothiaoline)、メチルイソチアゾリノン、トコフェロール、トコトリエノール、イミダゾリジニル尿素フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、および安息香酸からなる群より選択され得る。一部の実施形態において、防腐剤は、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、およびメチルパラベンを含み得る。一部の実施形態において、防腐剤は、塩化ベンザルコニウムおよび/またはポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩(PHMB)を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において記載される組成物は、アルファ・トコフェロール、ベータ・トコフェロール、デルタ・トコフェロール、ガンマ・トコフェロール、混合トコフェロール、トコトリエノール(tocotreinol)、混合トコトリエノール、アルファ・トコトリエノール、ベータ・トコトリエノール、デルタ・トコトリエノール、ガンマ・トコトリエノール、もしくはその混合物、またはその任意の組み合わせ、誘導体、もしくは前化合物(pro compound)を含めた、1種または複数種のトコフェロールを含み得る。例示的なトコフェロール誘導体には、酢酸トコフェリル、ステアリン酸トコフェリル、または当技術分野において公知である他の様々なトコフェリル化合物が含まれ得る。
【0096】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、または1.2%(w/w)の、防腐剤または防腐剤として機能し得る賦形剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、防腐剤または防腐剤として機能し得る賦形剤を含み得る。一部の実施形態において、防腐剤または防腐剤として機能し得る賦形剤は、1種もしくは複数種の構成要素、2種以上の構成要素、または3種以上の構成要素を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、防腐剤または防腐剤として機能し得る賦形剤を含まないことがある、または実質的に含まないことがある。
【0097】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、または1.2%(w/w)の、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、およびメチルパラベンを含めた防腐剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1.0%(w/w)、1.1%(w/w)、1.2%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、20%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、およびメチルパラベンを含めた防腐剤を含み得る。
【0098】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、着色料、消臭剤、香料、香水、消泡剤、潤滑剤、天然保湿剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚保護剤、皮膚有益剤(skin benefit agent)、溶媒、可溶化剤、懸濁化剤、湿潤剤、保水剤、推進剤、色素、顔料、およびその組み合わせを含み得る。
【0099】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、水性構成要素を含み得る。例えば、組成物は、クリーム、ローション、軟膏、コンディショニングシャンプー、保湿ハンドソープ等であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、約35%(w/w)~約90%(w/w)、約40%(w/w)~約85%(w/w)、約45%(w/w)~約80%(w/w)、約50%(w/w)~約75%(w/w)、約55%(w/w)~約70%(w/w)、約60%(w/w)~約65%(w/w)、または約62%(w/w)の水を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、少なくとも50%(w/w)、55%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、75%(w/w)、80%(w/w)、または85%(w/w)の水を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、最高50%(w/w)、55%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、75%(w/w)、80%(w/w)、または85%(w/w)の水を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される局所組成物は、50%(w/w)、55%(w/w)、60%(w/w)、65%(w/w)、70%(w/w)、75%(w/w)、80%(w/w)、もしくは85%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の水を含み得る。
【0100】
一部の実施形態は、皮膚浸透増進剤として機能し得る賦形剤を含む組成物を提供する。
皮膚浸透増進剤として機能し得る賦形剤の例には、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリオール、スルホキシド、モノオレイン酸グリセリル、乳酸ラウリル、ドデシル-2-(N,N-ジメチル)-アミノプロピオネート(DDAIP)、N-(4-ブロモベンゾイル)-S,S-ジメチルイミノスルフラン、NexACT増進剤、2-ノニル-1,3-ジオキソラン(SEPA.RTM.)、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン(Azone.RTM.)、ピロリドン、精油、テルペン、テルペノイド、オキサゾリジノン、尿素等が含まれる。
皮膚浸透増進剤として機能し得るさらなる賦形剤は当技術分野において公知であり、モノグリセリド、ポリグリコシル化グリセリド、グリセリルモノエチルエーテル、ポリソルベート、ベータ-シクロデキストリン、シクロペンタデカラクトン、アルキル-2-(N,N-二置換アミノ)-アルカノエートエステル、2-(n-ノニル)-1,3-ジオキソラン、ミリスチン酸イソプロピル、テルピノール、メントール、シネオール、モノオレイン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸オレイル、ラウリルカプラム(laurylcapram)、ビサボロール、カプサイシン、およびトウガラシ(capsicum)を含むが、それらに限定されるわけではない。皮膚浸透増進剤として機能し得る賦形剤の他の例、および作用についてのそれらのメカニズムの説明は、参照によりその全体として本明細書に組み入れられる、Goodman and Barry, "Percutaneous Absorption," in Mechanisms-Methodology-Drug Delivery, 2nd Edition, Bronaugh and Maibach, eds., 1989, pp. 567-593, Marcel Dekker, Inc., NYに見い出され得る。
【0101】
一部の実施形態において、皮膚浸透増進剤として機能し得る賦形剤は、n-オクタノール、D-リモネン、オレイン酸、シネオール、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレエート、モノオレイン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸オレイル、ラウリルカプラム、ラウリル硫酸ナトリウム、ビサボロール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール、およびペンチレングリコール、またはその組み合わせからなる群より選択され得る。典型的な実施形態において、皮膚浸透増進剤は、オレイン酸、ラウロカプラム、ラウリル硫酸ナトリウム、ビサボロール、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ジメチルイソソルビド、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エトキシジグリコール、およびペンチレングリコール、またはその組み合わせからなる群より選択され得る。
【0102】
適切な脂肪酸の例には、吉草酸、ヘプタン酸、ペラルゴン酸(pelagonic acid)、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびカプリル酸;ならびにイソ吉草酸、ネオペンタン酸、ネオヘプタン酸、ネオノナン酸、トリメチルヘキサン酸、ネオデカン酸、およびイソステアリン酸等の分岐脂肪酸が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0103】
適切な脂肪酸エステルの例には、イソプロピルn-ブチレート、イソプロピルn-ヘキサノエート、イソプロピルn-デカノエート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸オクチルドデシル;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、メチルバレレート、メチルプロピオネート、セバシン酸ジエチル、およびオレイン酸エチル等のアルキル脂肪酸エステル;ならびにアジピン酸ジイソプロピルおよびジメチルイソソルビドが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0104】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1種または複数種の増粘剤を含み得る。増粘薬またはゲル化剤を含めた増粘剤は、組成物の粘度を増加させ得る物質を含む。増粘薬は、組成物内の活性成分の効力を実質的に改変することなく、組成物の粘度を増加させ得るものを含む。増粘薬は、本発明の組成物の安定性も増加させ得る。付加的な増粘剤の非限定的な例には、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖、およびガムが含まれる。カルボン酸ポリマーの例には、アクリル酸、置換アクリル酸、ならびにこれらアクリル酸および置換アクリル酸の塩およびエステルに由来する1種または複数種のモノマーを含有する架橋化合物が含まれ、架橋剤は、2つ以上の炭素-炭素二重結合を含有し、多価アルコールに由来する(例えば、増粘剤および/または架橋ポリマーについてのその開示に関して、そのそれぞれが参照により組み入れられる、米国特許第5,087,445号;第4,509,949号;第2,798,053号;CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary, Fourth edition, 1991, pp. 12 and 80を参照されたい)。市販のカルボン酸ポリマーの例には、スクロースまたはペンタエリトリトール(pentaerytritol)のアリルエーテルと架橋されたアクリル酸のホモポリマーであるカルボマー(例えば、B.F.Goodrich製のCarbopol(商標)900シリーズ)が含まれる。架橋ポリアクリレートポリマーの非限定的な例には、カチオン性および非イオン性ポリマーが含まれる。例は、増粘剤および/または架橋ポリマーについてのその開示に関して、そのそれぞれが参照により組み入れられる、米国特許第5,100,660号;第4,849,484号;第4,835,206号;第4,628,078号;第4,599,379号に記載される。ポリアクリルアミドポリマー(置換された分岐または非分岐ポリマーを含めた、非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを含む)の非限定的な例には、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、およびラウレス-7、アクリルアミドおよび置換アクリルアミドとアクリル酸および置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマーが含まれる。多糖の非限定的な例には、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート(cellulose acetate propionate carboxylate)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、およびその混合物が含まれる。別の例は、セルロースポリマーのヒドロキシ基がヒドロキシアルキル化されて(好ましくはヒドロキシエチル化またはヒドロキシプロピル化されて)ヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、次いでそれが、エーテル連結を通じてC10-C30直鎖または分岐鎖アルキル基でさらに改変されている、アルキル置換セルロースである。一部の実施形態において、これらのポリマーは、ヒドロキシアルキルセルロースとのC10-C30直鎖または分岐鎖アルコールのエーテルである。他の有用な多糖には、3単位ごとに(1-6)連結グルコースを有する(1-3)連結グルコース単位の直鎖を含むスクレログルカンが含まれる。本発明とともに使用され得るガムの非限定的な例には、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸(hyaluroinic acid)、水和シリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、昆布、ローカストビーンガム、ナットウガム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム(sodium carboyxmethyl dextran)、カラギーナンナトリウム、トラガカントガム、キサンタンガム、およびその混合物が含まれる。
【0105】
一部の実施形態において、皮膚のディスバイオシスに関わる疾患または障害の部位への活性原薬の最適な送達は、本明細書において開示される組成物をナノ粒子またはナノエマルジョンに製剤化することによって達成され得る。そのような粒子およびエマルジョンは当技術分野において公知であり、ポリ乳酸粒子、ポリ乳酸/グリコール酸ナノ粒子、ポリスチレンナノ粒子、二酸化ケイ素ナノ粒子、金属ナノ粒子、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、ポリマーナノ粒子およびエマルジョン、ならびにブロックコポリマーナノ粒子およびエマルジョンを含むが、それらに限定されるわけではない。
【0106】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、または12%(w/w)の、皮膚浸透増進剤として機能し得る1種または複数種の賦形剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、21%(w/w)、22%(w/w)、23%(w/w)、24%(w/w)、25%(w/w)、26%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、皮膚浸透増進剤として機能し得る1種または複数種の賦形剤を含み得る。典型的な実施形態において、皮膚浸透増進剤はエトキシジグリコールであり得る。
【0107】
本明細書において企図される一部の実施形態において、本明細書において開示される1種または複数種の賦形剤は、皮膚浸透を増進するまたはモジュレートすることにおけるそれらの機能にかかわらず存在し得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、皮膚の、皮膚への、または皮膚を通じた有意な浸透を提供することなく、本明細書において開示される化合物の1種または複数種を組み入れ得る。一部の実施形態において、皮膚浸透は角質層に限定される。一部の実施形態において、皮膚浸透は、毛包および感染部位に限定される。一部の実施形態において、皮膚浸透は中間皮層に限定される。一部の実施形態において、皮膚浸透は表皮に限定される。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、真皮にわたる活性原薬の浸透を可能にする。
【0108】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、少なくとも0.01%(w/w)、01%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、または12%(w/w)の、抗酸化物質として機能し得る1種または複数種の賦形剤を含み得る。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、0.01%(w/w)、01%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、11%(w/w)、12%(w/w)、13%(w/w)、14%(w/w)、15%(w/w)、16%(w/w)、17%(w/w)、18%(w/w)、19%(w/w)、20%(w/w)、21%(w/w)、22%(w/w)、23%(w/w)、24%(w/w)、25%(w/w)、26%(w/w)、27%(w/w)、28%(w/w)、29%(w/w)、もしくは30%(w/w)の、または先行する値のいずれか2つによって規定される値域の、抗酸化物質として機能し得る1種または複数種の賦形剤を含み得る。一部の実施形態において、抗酸化物質は、セレン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、パルミチン酸レチニル、アスコルビン酸、アルファ-トコフェロール、ベータ・トコフェロール、デルタ・トコフェロール、ガンマ・トコフェロール、トコトリエノール、混合トコフェロール、混合トコトリエノール、他のトコフェロールおよび/もしくはトコトリエノール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(2-アミノエチル)四酢酸(EGTA)、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、クエン酸、酒石酸、またはその任意の組み合わせ、またはその任意のエステルもしくは誘導体、あるいは製剤の活性構成要素に結合する、分解する、またはそうでなければそれを二酸素、オゾン、スーパーオキシド、追放ラジカル(exile radical)、活性酸素種、もしくは環境に存在し得るおよび開示される組成物が感受性であり得る他の酸化構成要素から守ることが当技術分野において公知の任意の化合物のうちの1種あるいは複数を含み得る。一部の実施形態において、抗酸化物質は、アセチルシステイン、アスコルビン酸ポリペプチド、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルメチルシラノールペクチネート、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、BHA、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、t-ブチルヒドロキノン、システイン、システインHCI、ジアミルヒドロキノン、ジ-t-ブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジセチル、ジオレイルトコフェリルメチルシラノール、アスコルビン酸硫酸二ナトリウム、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸ジトリデシル、没食子酸ドデシル、エリソルビン酸、アスコルビン酸のエステル、フェルラ酸エチル、フェルラ酸、没食子酸エステル、ヒドロキノン、チオグリコール酸イソオクチル、コウジ酸、アスコルビン酸マグネシウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸メチルシラノール、緑茶もしくはブドウ種子抽出物等の天然植物抗酸化物質、ノルジヒドログアイアレチン酸、没食子酸オクチル、フェニルチオグリコール酸、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、キノン、ロスマリン酸、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、スーパーオキシドジスムターゼ、チオグリコール酸ナトリウム、ソルビチルフルフラール(sorbityl furfural)、チオジグリコール、チオジグリコールアミド、チオジグリコール酸、チオグリコール酸、チオ乳酸、チオサリチル酸、トコフェレス-5、トコフェレス-10、トコフェレス-12、トコフェレス-18、トコフェレス-50、トコフェロール、トコフェルソラン、酢酸トコフェリル、リノール酸トコフェリル、ニコチン酸トコフェリル、コハク酸トコフェリル、もしくはトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、またはその任意の組み合わせ、またはその任意の誘導体のうちの1種または複数種を含み得る。
【0109】
一部の実施形態において、組成物は、組成物の香気、質感、または色を増進するために添加される付加的な構成要素を含み得る。例えば、香料を添加して香気を増進し得る。例えば、乳化剤または不活性スフェアを添加して質感を増進し得る。例えば、着色料を添加して色を増進し得る。
【0110】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1種または複数種の精油を含み得る。精油は、ハーブ、花、木、および他の植物に由来する油を含む。そのような油は、典型的に、植物細胞間に小滴として存在し、当業者に公知のいくつかの方法(例えば、水蒸気蒸留、アンフルラージュ(すなわち、脂肪を使用することによる抽出)、浸軟、溶媒抽出、または機械的圧縮)によって抽出され得る。これらのタイプの油が空気に曝露された場合、それらは蒸発する傾向がある(すなわち、揮発性油)。結果として、多くの精油は無色であるが、経時的にそれらは酸化し得、より黒っぽくなり得る。精油は水に不溶性であり、アルコール、エーテル、固定油(植物性)および他の有機溶媒に可溶性である。精油に見い出される典型的な物理的特徴には、約160°~240℃まで様々である沸点、および約0.759~約1.096に及ぶ密度が含まれる。
【0111】
精油は、典型的に、油が見い出される植物によって名前が付けられる。例えば、バラ油またはペパーミント油は、それぞれバラまたはペパーミント植物に由来する。本明細書において開示される組成物の構成要素として企図される精油の非限定的な例には、ゴマ油、マカダミアナッツ油、ティーツリー油、マツヨイグサ油、スパニッシュセージ油、スパニッシュローズマリー油、コリアンダー油、タイム油、ピメントベリー油、バラ油、アニス油、バルサム油、ベルガモット油、ローズウッド油、セダー油、カモミール油、キュウリ油、セージ油、クラリセージ油、チョウジ油、サイプレス油、ユーカリ(eucalyptus)油、フェンネル油、シーフェンネル油、フランキンセンス油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ジャスミン油、ジュニパー油、ラベンダー油、レモン油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、マジョラム油、ミルラ油、ネロリ油、オレンジ油、パチョリ油、コショウ油、黒コショウ油、プチグレン油、パイン油、ローズオット油、ローズマリー油、ビャクダン油、スペアミント油、スパイクナード油、ベチバー油、冬緑油、もしくはイランイラン、または当業者に公知である他のそのような油、あるいはその任意の組み合わせが含まれ得る。
【0112】
参照によりその全体として本明細書によって組み入れられる、The CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook (2016), 16th Editionは、本発明の背景において使用され得る多種多様の非限定的な美容成分を記載する。これらの成分クラスの例には、香料(人工および天然)、色素および着色成分(例えば、ブルー1、ブルー1レイク、レッド40、二酸化チタン、D&Cブルー第4号、D&Cグリーン第5号、D&Cオレンジ第4号、D&Cレッド第17号、D&Cレッド第33号、D&Cバイオレット第2号、D&Cイエロー第10号、およびD&Cイエロー第11号)、吸着剤、乳化剤、安定化剤、潤滑剤、溶媒、保湿剤(例えば、皮膚軟化剤、保水剤、フィルム形成剤、閉塞剤、および皮膚の天然保湿メカニズムに影響を及ぼす作用物質を含む)、撥水剤、UV吸収剤(パラアミノ安息香酸(paraminobenzoic acid)(「PABA」)および対応するPABA誘導体、二酸化チタン、酸化亜鉛等、物理的および化学的吸収剤)、p-ヒドロキシ桂皮酸を含めた桂皮酸およびその誘導体、精油、ビタミン(例えば、A、B、C、D、E、およびK)、微量金属(例えば、亜鉛、カルシウム、およびセレン)、抗刺激薬(例えば、ステロイドおよび非ステロイド性抗炎症薬)、植物抽出物(例えば、アロエベラ、カモミール、キュウリ抽出物、イチョウ(ginkgo biloba)、朝鮮人参、およびローズマリー)、抗微生物剤、抗酸化物質(例えば、BHTおよびトコフェロール)、キレート剤(例えば、EDTA二ナトリウムおよびEDTA四ナトリウム)、防腐剤(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン)、pH調整剤(例えば、水酸化ナトリウムおよびクエン酸)、吸収剤(例えば、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、カオリン、トウモロコシデンプン、オート麦デンプン、シクロデキストリン、タルク、およびゼオライト)、皮膚漂白および美白剤(例えば、ヒドロキノンおよびナイアシンアミドラクテート)、保水剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、尿素、およびマンニトール)、スクラブ剤(例えば、アルファ-ヒドロキシ酸、ならびに乳酸、グリコール酸、およびサリチル酸等のベータ-ヒドロキシ酸;ならびにその塩)、防水剤(例えば、ステアリン酸水酸化マグネシウム/アルミニウム)、皮膚コンディショニング剤(例えば、アロエ抽出物、アラントイン、ビサボロール、セラミド、ジメチコン、ヒアルロン酸、およびグリチルリチン酸二カリウム)、増粘剤(例えば、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、多糖、およびガム等、組成物の粘度を増加させ得る物質)、ならびにシリコーン含有化合物(例えば、シリコーン油およびポリオルガノシロキサン)が含まれる。
【0113】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1種または複数種のUV吸収剤を含み得る。本発明の組成物との組み合わせで使用され得るUV吸収剤は、化学的および物理的日焼け止めを含む。使用され得る化学的日焼け止めの非限定的な例には、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、PABAエステル(グリセリルPABA、アミルジメチル(amyldimethyl)PABA、およびオクチルジメチルPABA)、ブチルPABA、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ベンゾフェノン(オキシベンゾン、スリソベンゾン、ベンゾフェノン、およびベンゾフェノン-1~12)、シンナメート(メトキシ桂皮酸オクチル、p-メトキシ桂皮酸イソアミル、オクチルメトキシシンナメート、シノキセート、ジイソプロピル桂皮酸メチル、DEA-メトキシシンナメート、エチルジイソプロピルシンナメート、ジメトキシ桂皮酸オクタン酸グリセリル、およびメトキシ桂皮酸エチル)、桂皮酸エステル、サリチレート(サリチル酸ホモメチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸グリコール、サリチル酸イソプロピルベンジル等)、アントラニレート、ウロカニン酸エチル、ホモサレート、オクチサレート、ジベンゾイルメタン誘導体(例えば、アボベンゾン)、オクトクリレン、オクチルトリアゾン、トリオレイン酸ジガロイ(digalloy trioleate)、アミノ安息香酸グリセリル、ジヒドロキシアセトンを有するローソン、エチルヘキシルトリアゾン、ジオクチルブタミドトリアゾン、ベンジリデンマロン酸ポリシロキサン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスジエチルアミノヒドロキシベンゾイルベンゾエート、ビスベンゾオキサゾイルフェニルエチルヘキシルイミノトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、およびビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4-メチルベンジリデンカンファー、および4-メトキシ桂皮酸イソペンチルが含まれる。物理的日焼け止めの非限定的な例には、カオリン、タルク、ワセリン、および金属酸化物(例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛)が含まれる。本発明の組成物は、UVAおよびUVB吸収特性を有し得る。組成物は、2、3、4、56、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、もしくはそれを上回る、またはその中の任意の整数もしくは派生数の日焼け防止指数(SPF)を有し得る。
【0114】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、製品に組み入れられ得る。製品の非限定的な例には、美容製品、食品ベース製品(例えば、強化水、エナジードリンク、栄養ドリンク、ビタミン、補給剤、固形食)、医薬製品等が含まれる。一部の実施形態において、例えば、美容製品は、サンスクリーン製品、サンレス皮膚タンニング製品、毛髪製品(例えば、シャンプー、コンディショナー、着色料、色素、漂白剤、ストレートナー、およびパーマネントウェーブ製品)、ネイル製品、保湿クリーム、皮膚クリームおよびローション、柔軟剤、デイローション、ゲル、軟膏、ファンデーション、ナイトクリーム、リップスティックおよびリップバーム、洗浄剤、トナー、マスク、消臭剤、制汗剤、スクラブ組成物、髭剃り関連製品(例えば、クリーム、「ブレイサー」、およびアフターシェーブ)、ウェットタイプのワイプおよびタオル、タンニングローション、オイル等の入浴製品、パウダーおよびスプレー等のフットケア製品、皮膚着色料、ならびにファンデーション、頬紅、口紅、アイシャドウおよびアイライン、リップカラー、ならびにマスカラ等の化粧製品、ベビー製品(例えば、ベビーローション、オイル、シャンプー、パウダー、およびウェットワイプ)、ならびに皮膚または顔用ピーリング製品を含む。付加的に、美容製品は、付けたままのまたは洗い流す製品として製剤化され得る。さらなる製品は、毛髪再生組成物、セラム、スプレー等を含み得る。
【0115】
一部の実施形態において、局所組成物を、手、足、膝、肘等の身体部分に適用して、身体部分の痛みおよび/または炎症を治療し得る。組成物は、こする、噴霧する、転がす、拭く等の任意の適切な手段によって適用され得、治療される対象となる身体部分にマッサージされ得る。
【0116】
一部の実施形態において、本明細書において開示されおよび記載される化合物ならびに/またはその局所組成物は、少なくとも1種の他の作用物質を用いた併用療法において使用され得る。一部の実施形態において、本明細書において開示されおよび記載される化合物ならびに/またはその局所組成物は、本発明の化合物と同じ局所組成物または異なる組成物の一部であり得る別の作用物質の投与と同時に投与される。一部の実施形態において、本発明の局所組成物は、別の作用物質の投与の前または後に投与される。
【0117】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1種または複数種の医薬成分を含み得る。本明細書における他の箇所でなされるそれらの開示に加えて、医薬成分の非限定的な例には、抗ざ瘡剤、酒さを治療するために使用される作用物質、鎮痛薬、麻酔薬、肛門直腸薬(anorectal)、抗ヒスタミン剤、非ステロイド性抗炎症薬を含めた抗炎症剤、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗微生物薬、抗癌活性物質、殺疥癬虫薬、殺シラミ薬、抗新生物薬、制汗剤、痒み止め薬、抗乾癬剤、抗脂漏剤、生物学的に活性なタンパク質およびペプチド、熱傷治療剤、焼灼剤、脱色剤、脱毛剤、おむつかぶれ治療剤、酵素、毛髪成長刺激剤、DFMOならびにその塩および類似体を含めた毛髪成長遅滞剤、止血薬、角質溶解薬(kerotolytic)、プロテアーゼ阻害剤、挿入剤、ヌクレオチドまたはヌクレオシド模倣体、口内炎治療剤、口唇ヘルペス治療剤、歯および歯周治療剤、光増感性活性物質、皮膚保護剤/バリア剤、ホルモンおよびコルチコステロイドを含めたステロイド、日焼け治療剤、サンスクリーン、経皮活性物質、経鼻活性物質、経膣活性物質、イボ治療剤、創傷治療剤、創傷治癒剤等が含まれる。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、その全体として、とりわけ本開示の組成物への包含に適した、薬学的におよび/または生物学的に活性な化合物、ならびに薬学的に許容されるおよび/または生体適合性の賦形剤についてのそれらそれぞれの開示に関して、そのそれぞれが参照により本明細書によって明示的に組み入れられる、米国特許出願公開第2018/0221331号、第2018/0289751号、および第2017/031221号に開示される化合物のいずれか1種または複数種を含み得る。
【0118】
一部の実施形態において、本開示の組成物は、容器および/またはキットの中に存在し得る。キットは容器を含み得る。例示的な容器には、ボトル、金属チューブ、ラミネートチューブ、プラスチックチューブ、ディスペンサー、加圧容器、バリア容器、パッケージ、コンパートメント、リップスティック容器、小型容器、美容組成物を保ち得る美容受け皿(pan)、あるいは分散体もしくは組成物または所望のボトル、ディスペンサー、もしくはパッケージが保持される射出成形またはブロー成形プラスチック容器等の他のタイプの容器が含まれる。キットおよび/または容器は、その表面に証印を含み得る。証印は、例えば単語、語句、略語、絵、または記号であり得る。一部の実施形態において、本開示に従った容器は、所定の量の組成物を分配し得る。一部の実施形態において、例えば金属、ラミネート、もしくはプラスチックチューブ、小包、または小袋等、容器を絞って、所望の量の組成物を分配し得る。本明細書において企図されるように、組成物は、スプレー、泡、エアロゾル、液体、流体、または半固体として分配され得る。容器は、スプレー、ポンプ、または搾り出しメカニズムを有し得る。キットは、キットおよび/または組成物を使用するための取扱説明書も含み得る。取扱説明書は、組成物を適用する、使用する、および維持する方法についての説明を含み得る。
【0119】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、嫌気的形態で提供される。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、酸素の利用可能性または存在を限定するパッケージまたは筐体で提供される。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は酸素捕捉剤を含む。一部の実施形態において、酸素捕捉剤は組成物中に溶解され得る。一部の実施形態において、酸素捕捉剤は、固体の品目、または組成物の流体塊とは別個の塊であり得る。一部の実施形態において、酸素捕捉剤は、パッケージまたは筐体内に挿入される装置または材料であり得る。一部の実施形態において、組成物は、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノン、またはクリプトン重層の下で等、酸素を欠いた環境でパッケージされ得る。一部の実施形態において、組成物は、二酸化炭素、CF3、CF4、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、またはイソペンタン重層の下でパッケージされ得る。
【0120】
一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、水分を含まない、または実質的に水分を含まない形態で提供される。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、水または水分の利用可能性または存在を限定するパッケージまたは筐体で提供される。一部の実施形態において、本明細書において開示される組成物は、水/水分捕捉剤または乾燥剤を含む。一部の実施形態において、水/水分捕捉剤または乾燥剤は組成物中に溶解され得る。一部の実施形態において、水/水分捕捉剤または乾燥剤は、固体の品目、または組成物の流体塊とは別個の塊であり得る。一部の実施形態において、水/水分捕捉剤または乾燥剤は、パッケージまたは筐体内に挿入される装置または材料であり得る。一部の実施形態において、組成物は、乾燥したもしくは実質的に乾燥した空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、キセノン、またはクリプトン重層の下で等、水または水分を欠いた環境でパッケージされ得る。一部の実施形態において、組成物は、二酸化炭素、CF3、CF4、メタン、エタン、プロパン、イソプロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、またはイソペンタン重層の下でパッケージされ得る。一部の実施形態において、水/水分捕捉剤または乾燥剤は、吸着剤、無水セラミック媒体、ベントナイト、炭、ポリウレタンもしくはポリ尿素等のポリマー、ゼオライト、オキサゾリジン、活性な化学的捕捉剤、シラン(ビニルトリメトキシシラン等)、セルロース、繊維、分子ふるい組成物、または医薬、美容、化学的、もしくは生物学的組成物における水分の低下、除去、もしくは防止のための当技術分野において公知である他のそのような組成物もしくは要素を含み得る。
本明細書において開示される方法によれば、アトピー性皮膚炎に起因した炎症を含めた、ディスバイオシスに起因した炎症の低下は、対象が固定量の時間の間の投薬の周期的な一部のまたは最大限の低下、それに続く投薬の再開を経験するように、投薬スケジュールをモジュレートすることによって達成され得る。一部の実施形態において、1回または複数回の投薬が1~30日間毎日施され、その後に投薬休暇が1~30日間続く。一部の実施形態において、投薬休暇の間、投薬は施されない。一部のさらなる実施形態において、本開示の組成物は、次の用量の投与前に対象の身体から完全に一掃されることを許される。一部の実施形態において、投薬休暇の間、通常の1日用量未満の用量が投与される。一部のさらなる実施形態において、治療上有効量未満の投与される組成物の量は、投薬休暇の間に対象内に残ることを許される。一部のさらなる実施形態において、罹患組織において治療レベルを維持するのに十分な投与される組成物の量が、対象内に残ることを許される。
【0121】
本開示によれば、投薬スケジュールを様々に変えて、所望の治療効果を実現し得る。本明細書において開示される実施形態のそれぞれにおいて、投薬スケジュールの変動は、施されている治療プロトコールの継続期間を通して繰り返され得る。本明細書において開示される実施形態のそれぞれにおいて、最初の投薬量は、最初の投薬量に続く投薬量よりも高くあり得る、低くあり得る、または同じであり得る。本明細書において開示される実施形態のそれぞれにおいて、負荷用量は、開示される投薬レジメンに先行し得、投薬休暇は、負荷用量の投与の後に続いても続かなくてもよい。
一部の実施形態において、本開示の方法は、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、もしくは7日ごと、または前述の期間のいずれか2つによって規定される値域内にある期間等、毎日または毎日よりも低い頻度で提供される1種または複数種の組成物の投与を含む。
本明細書において記載される方法は、以下の非限定的な実施例によってさらに例示される。
【実施例
【0122】
上で述べられる実施形態の一部の態様は、本開示の範囲を限定することを決して意図されない以下の実施例でさらに詳細に開示される。
【0123】
(実施例1)
原薬の調製
複数の10L発酵槽に、S.ホミニス系統A9を接種した。細胞ペレットを遠心分離によって回収し、1×滅菌生理食塩溶液で洗浄し、4%(w/w)グルタミン酸モノナトリウム、2%デキストラン500、および2%ソルビトールの溶液に再懸濁した。再懸濁液を凍結乾燥し、20メッシュ、それに続く60メッシュスクリーンを通した逐次的メッシュスクリーニングを使用して乾燥粉砕した。粉砕され、スクリーニングされ、凍結乾燥された医薬品を、-20℃で保管した。
【0124】
(実施例2)
発酵法および増殖培地の評価
動物質不含増殖培地A)AF-トリプシン大豆ブロス、B)AF-テリフィックブロス、およびC)AF-ルリアブロスを、37℃および200rpmにおけるシェーカーフラスコ培養でSh-A9 RCB増殖評価について比較した。指数関数的細胞増殖期の間のブドウ糖およびAF-ペプトン飼料補給も、RCBバイアルを使用したシェーカーフラスコ培養において評価した。結果:経時的なCFU/mLおよびS.アウレウス系統Sa 113 UCSD芝(lawn)での阻害の地帯の直径を判定することによって評価されるように、AF-TSBは他のAF-ペプトンベース培地をしのいだ。ブドウ糖およびペプトンを飼料供給した中間培養物は、Sa 113 UCSD芝での阻害エリアの地帯の有意な増加をもたらさなかった。すべての細胞バンクは、阻害アッセイ芝の地帯においてスタフィロコッカス(Staph)・アウレウス113 UCSDを阻害し、同じゲノム配列を有し、ホゴシジン(hogocidin)ランチビオティックオペロンを含有するCFUを増大した。
【0125】
種々の濃度のAF-TSB(1×~5×)におけるSh-A9増殖も評価した。各TSB濃度で産生される最大細胞バイオマスを、細胞バイオマスの遠心分離時の細胞数/mLの培養物をCFU/mLおよびmg湿質量の両方で測定することによって判定した。加えて、増殖培地に分泌される抗SA活性(ホゴシジンAMP/ランチビオティックまたは他の抗微生物活性に起因し得る)を、Sa 113 UCSD芝でのスタフィロコッカス・アウレウス増殖阻害の地帯を測定することによって、0.2μで濾過されたSh-A9馴化培地においてアッセイした。
1×、2×、3×、または4×AF-TSBのいずれかにおける一晩の増殖(>16時間)の後に収集されたSH-A9馴化培地を濾過滅菌し、チューブに等分した。10倍希釈系列の静止期USA/300 MRSA細胞の10%容積を、馴化培地アリコートを含有するチューブに添加した。4種の異なるSh-A9馴化培地中にまたは新鮮なTSB中にUSA/300細胞を含有するチューブを30℃で16時間インキュベートし、それに続いて、USA/300 MRSAの増殖を阻害するSh-A9馴化培地の能力の測定としてOD600を読み取った。
増加する濃度のAF-TSBにおけるSh-A9増殖は、標準的な1×AF-TSBにおけるSh-A9増殖の同じ種と比較して、相対的により大きな抗微生物活性を馴化培地に分泌する。この活性は、Sa 113 UCSD芝でのスタフィロコッカス・アウレウス増殖阻害をアッセイすることによって、または試験系統としてUSA/300 MRSA UCSDを使用した濁度ベース増殖アッセイを使用することによって測定可能である(図1)。
【0126】
(実施例3)
原薬の調製
複数の5リットルの散布式好気的バイオリアクター開発工程をAF-TSB(Corning)増殖培地を使用してランした。初期工程開発は、増加する撹拌速度を有する空気散布を使用し、最終工程は、消泡制御とともに37℃での低い放射状撹拌を有する、高い容積および流速での散布式酸素および空気を使用した。種フラスコ培養からバイオリアクターへの1~50個の接種の後、細胞を37℃で8時間後に収集した。
8時間の散布式酸素による増殖後のバイオリアクターにおけるOD600濁度は<8~>10に及び、<1×109CFU/mL~>6×109CFU/mLに及ぶCFU/mLを伴った。バイオリアクター培養が、より早期のラン工程においてCFU/mLを経時的に減少させることによって実証される静止増殖期に達する前に、収集を実施した。
【0127】
第2の調査において、4つの10リットルおよび1つの5リットルの散布式酸素/空気による最終工程パラメーターバッチをランした。種シェーカーフラスコを用いた1~50個でのバイオリアクターの接種は、実施された5つすべての工程において約6時間以内に>8および<10の収集OD600指定に一貫して達した。
各ランからの洗浄された細胞バイオマスは分割され、下で記載される2種の凍結保存バッファーのいずれかにおいてフリーズドライされ(実施例7)、産物製剤開発および安定性査定のための粉砕された/ふるい分けされた細菌粉末(原薬)をもたらした。代表的な結果が下の表1に示される。
【0128】
【表1】
【0129】
(実施例4)
医薬品の調製
細胞収集は、製造導管サイズおよび設備に応じて、遠心分離によってまたは中空糸タンジェンシャルフロー濾過膜を使用して実施され得る。結果として生じる細胞ペーストと3部分の4×凍結乾燥用糖類バッファー(w/w)とを混合する前に、回収されたSh-A9細胞を滅菌食塩水(0.9%USP)で洗浄して、1×Sh-A9細胞-糖類バッファースラリーを調製する。
【0130】
糖類バッファースラリーにおける1×Sh-A9細胞の凍結乾燥は、あらかじめ計測されたLyo-Guard Tray(Gore Inc.)中で実施される。Lyo-Guard Trayに注がれた1×Sh-A9細胞-糖類バッファースラリーのバッチを凍結乾燥機に直ちに入れ、60分以内に-40℃まで(1℃/分)温度を減少させることによってサイクルは開始される。-40℃での保留時間は、容積に応じて6~18時間である。乾燥サイクルステップは、時間に基づくのではなく圧力差に基づく。乾燥時間の量は、時間対圧力差の使用にもかかわらず、有意に異ならない。
【0131】
Lyo-Guard Tray中の凍結乾燥されたSh-A9は、ホイル袋中に除湿剤包とともに-20℃で保管される。凍結乾燥されたSh-A9固形物をLyo-Guard Tray中で断片化し、次いで、滅菌20メッシュ、それに続く60または100メッシュのステンレス鋼ふるい分けスクリーンを通して粉砕して、バルクSh-A9原薬(DS)を産生する。バルクSh-A9 DS粉末を滅菌プラスチック小袋に計測し、N2ガスまたは真空下で除湿剤とともに-20℃で保管する。Sh-A9 DS粉末は、少なくとも12ヶ月間-20℃で安定である。
【0132】
(実施例5)
無水ローション製剤の開発
実施例1にあるように原薬を調製した。>45℃におけるN2重層下で、64%(w/w)大豆油、7%(w/w)ステアリルアルコール、7%(w/w)セトステアリルアルコール、および1%(w/w)トコフェロール(混合物1);ならびに25℃におけるN2重層下で、20%(w/w)大豆油、0.5%(w/w)コロイド状二酸化ケイ素、および0.5%(w/w)原薬(混合物2)を混合することによって、無水ローション組成物を調製した。混合物1を25℃に冷まし、両混合物をN2重層下で混ぜ合わせ、N2重層下で保管した。本実施例において、w/wとは、混ぜ合わされた最終組成物の質量で割った構成要素の質量を指す。
同様に、>45℃におけるN2重層下で、64%(w/w)大豆油、7%(w/w)ステアリルアルコール、7%(w/w)セトステアリルアルコール、および1%(w/w)トコフェロール(混合物1);ならびに20%(w/w)大豆油、0.5%(w/w)コロイド状二酸化ケイ素を混合することによって、ならびに25℃におけるN2重層下で、均質な懸濁液が形成されるまで0.5%(w/w)寒天末の有無のいずれかで混合することによって(混合物2)、無水ローション偽薬組成物を調製した。混合物1を25℃に冷まし、両混合物をN2重層下で混ぜ合わせ、N2重層下で保管した。本実施例において、w/wとは、混ぜ合わされた最終組成物の質量で割った構成要素の質量を指す。
【0133】
(実施例6)
無水油製剤の開発
実施例1にあるように原薬を調製した。98%(w/w)大豆油、1%(w/w)トコフェロール、0.5%(w/w)コロイド状SiO2、および0.5%(w/w)原薬を混合することによって、無水油組成物を調製した。組成物にN2重層下で蓋をした。
同様に、98%(w/w)大豆油、1%(w/w)トコフェロール、0.5%(w/w)コロイド状SiO2、および0.5%(w/w)寒天末を混合することによって、無水油偽薬組成物を調製した。組成物にN2重層下で蓋をした。混合物1を25℃よりも下に冷ましたら、混合物2を混合物1に注ぎ、均一なゲルが、余分な大豆油、コロイド状シリカ、および偽薬原薬混合物を組み入れて一様に無水ゲルマトリックスを形成するまで、構成要素をN2重層下で撹拌した。
大豆油中で0.5%(w/w)MSG、ソルビトール、およびデキストラン-500を混ぜ合わせることによって、代替的な偽薬油組成物を産生した。
【0134】
(実施例7)
凍結保護剤の特定
細菌細胞ペレットを4種の異なる培地に再懸濁して、凍結乾燥物の冷凍、生存、および安定性、ならびに凍結乾燥および保管後の細菌増殖の回復を査定した。
冷凍培地#1 1×:10%スクロース、5%AF-Soytone(Corning)
冷凍培地#2 1×:10%スクロース、3%AF-Soytone(Corning)、2.5%グルタミン酸(モノ)ナトリウム、4%アスコルビン酸
冷凍培地#3 1×:4%グルタミン酸(モノ)ナトリウム、2%デキストラン500、2%ソルビトール
冷凍培地#3 1×:1%グルタミン酸(モノ)ナトリウム、2.5%デキストラン64~76K、0.8%スクロース、0.42%ヒスチジン、5%マンニトール
初回凍結保護剤混合物FM1、2、および3を、凍結乾燥後-20Cで保管されたエッペンドルフチューブにおいて、水添加による3ヶ月にわたるCFU回復について評価した。図1に示されるように、FM1およびFM3が優れているものとして特定された(図2)。
【0135】
その後、3種の凍結保護剤混合物を使用して、隔壁閉鎖式凍結乾燥バイアルを産生し、粉砕されていない凍結乾燥されたSh-A9「固形物」に対する6ヶ月にわたる-20℃保管と比較して、CFU回復を室温(17℃)保管で経時的に評価した。-20℃保管は、3種すべての凍結保護剤混合物からの安定なCFU回復を実証し、一方で17℃保管は、6ヶ月までにCFU回復の1対数低下を実証した(図3)。
【0136】
バルクSh-A9細胞を、3種の凍結保護剤混合物中で滅菌培養フラスコにおいて凍結乾燥して、結果として生じる粉末化(powered)Sh-A9原薬の安定性に対する「ひび割れしたバルク乾燥固形物」の乾燥粉砕/ふるい分けの効果を、および安定性査定のための初回無水医薬品製剤における使用について評価した。FM#1中のSh-A9を100メッシュスクリーンを通してふるい分けし、ヒュームドシリカを有するゴマ油中に製剤化し、次いでバイアルに入れおよびN2重層下で密封し、17℃で保管した。各時点における2つのバイアルからの三つ組サンプルを、6ヶ月にわたるCFU回復についてアッセイした。17℃で保管されおよび大気に開放された粉末化Sh-A9も評価した。図4に示されるように、最初の30日後、17℃で保管されたゴマ油製剤からのCFUの安定な回復が実証され、後続の5ヶ月にわたって続く。大気に開放された粉末化Sh-A9は、最初の30日間にわたって有意なCFUを喪失し、「粉状」になりかつ取り扱うのが難しくなり、回復評価は30日後に中断した。
FM#3およびFM#4中で凍結乾燥されたSh-A9細胞バルクを表す、Sh-A9凍結乾燥原薬粉末の付加的なロットを産生した。フリーズドライされたバルク固形物を粉々に砕き、20メッシュスクリーン、それに続く60メッシュスクリーンを通して粉砕した。粉末化Sh-A9を除湿剤とともに-20℃で保管した。乾燥粉末を、安定性に関するCFU回復についてアッセイした。乾燥した粉砕された粉末の6ヶ月安定性データが図5に提示される。
【0137】
本工程を通じて、本発明者らは、化学的に規定され、動物質を含まず、かつ非GMOの成分を表す凍結保護剤FM#3が、原薬安定性に有用であることを判定することができた。さらに、凍結乾燥されたSh-A9細胞は、少なくとも60メッシュまで粉砕され得/ふるい分けされ得、無水医薬品製剤における使用のために100メッシュまでふるい分けされ得る。凍結乾燥されたSh-A9原薬粉末は、除湿下にて-20℃で保管され得、1×1011CFU/グラムは、保管後に回復可能であることが示されている。
【0138】
(実施例8)
安定な凍結乾燥されたSh-A9原薬を使用した無水医薬品の開発
これらの調査に関しては、以下の賦形剤を使用した。
局所用油(Croda Inc.すべての油は超洗練されており、cGMP下で産生されたコンペンディアグレードである):ゴマ、トウモロコシ、オリーブ、大豆、サフラワー。油に対する抗酸化防腐剤として添加される800~1000ppmのBHTなしでも供給される、大豆、トウモロコシ、およびゴマ油。
他の局所用賦形剤(Croda Inc.、Spectrum、Cabot Corp):蜜ろう超洗練(JP)、ステアリルアルコール、セチルステアリルアルコール、DL-トコフェロール、CAB-O-SilヒュームドシリカM-5P。
凍結乾燥された粉砕された/ふるい分けされた粉末からのCFUの回復および抗SA活性
少量の(例えば、20~40mg)の粉砕された/ふるい分けされたSh-A9粉末を、あらかじめ計測されたバイアルに添加し、粉末を滅菌水で復元し、TSBに連続希釈し、プレーティングしてコロニー増殖を判定することによって、初回CFUカウント数を判定した。無水油製剤からのCFUカウント数を判定するために、粉砕された/ふるい分けされたSh-A9粉末の混合物を様々な油と混合し、次いで滅菌食塩水またはAF-TSBで抽出し、その後に上記のような連続希釈およびプレーティングが続いた。Sa113 UCSDも上層寒天芝にプレーティングし、0.003mLの希釈サンプルをスポットして、阻害の地帯を判定した。同じように、Sh-A9 FM#1乾燥粉末をSa113 UCSD上層寒天芝に振りかけて、乾燥産物に対する阻害の地帯を判定した。
【0139】
油製剤
0.15グラムのヒュームドシリカ(Cab-o-Sil M-5P、ロット3869248)を、50mLの超洗練ゴマ油NF NP-LQ-(MH)[CRODA:バッチ0001024665]に添加し、その後に2.0グラムのSh-A9 FM#1のふるい分けされた粉末が続いた。ボトル頭部スペースをN2パージし、蓋をし、内容物を均質な懸濁液にボルテックスした。2mLの細菌懸濁液を4mLの滅菌アンバーバイアルに移し、N2を頭部スペースに添加し、バイアルに蓋をした。細菌懸濁液を有するバルク産物ボトルを再ボルテックスし、その後(after ever)2本のバイアルに充填し、N2密封して、内容物を均質に保った。粉末の状態でのCFUグラムの判定のために、Sh-A9 FM#1粉末(0.18gm)を滅菌バイアルに移した。粉末は2.77×1011cfu/グラムを提供することが判定された。その後の様々な時点において、サンプルを採取し、上記のようにアッセイして、製剤における残りのCFU/mlを判定した。室温インキュベーションの後、サンプルから少なくとも1.11×1010cfu/mLを回復させることが可能であろう。種々のバッチおよび種々の油の効果を探るために、CO-25-3A(FM#4)およびCO-25-3B(FM#3)Sh-A9として指定される、Sh-A9粉末の種々のロットを使用した付加的なサンプルを、下で表示される様々な油を使用して調製し、下の表2に示される結果を有した。
【0140】
【表2】
【0141】
6ヶ月の時点での油製剤からのCFU回復/安定性判定が図6~10に示される。
FM#4凍結乾燥粉末製剤を含有する油製剤は、17℃の保管で最初の30日以内に回復可能なCFUの減少を実証した。FM#3凍結乾燥粉末油製剤は、大豆油製剤において最高6ヶ月間安定な回復可能なCFUを実証した。油防腐剤としての800~1000ppm BTHの存在は、試験された条件下で、回復可能なCFUに対する効果を有しなかった。防腐剤を有しない(NP)USP大豆油を対照として使用して、Sh-A9医薬品へのBHT毒性を査定した。BHTの有無でのUSP大豆油は、6ヶ月にわたって同程度のCFU回復を実証した(図6)。
【0142】
7日目~90日目のCFU/mL回復データ(n=6つの時点)を使用した拡大分析は、測定されたデータ変動性が、産物製剤の不安定化効果よりもむしろ、任意の所与のサンプルに対する抽出工程の変動性に起因し得ることを示唆する。データにおける回帰傾向線およびS字状2地点間傾向線の相対的平坦性は、この解釈を支持する(図10A~10Dを参照されたい)。
【0143】
50%セタフィル/50%グリセロールの新鮮な製剤
UCSD MCB 20160628のグリセロールストックバイアルから播種された新鮮な寒天プレートからSh-A9コロニーを選び、5mL AF-TSBに接種し、200rpmで振とうしながら37℃で一晩増殖させた。5mL Sh-A9培養物を、AF-TSBを含有する500mL産生フラスコに播種し、200rpmで振とうしながら37℃で一晩増殖させた。5リットルのAF-TSBを充填した37℃のバイオリアクターに、100mLのSh-A9フラスコ培養物を添加し、酸素散布式の好気的工程を開始し、培養物収集を示す約OD600 8~10に達するまでOD600を追跡した。収集された細胞のサンプルを連続希釈によってプレーティングして、もたらされたCFUを判定した。収集された培養物を、洗浄および産物製剤化の前に4℃で一晩保管した。
細胞を、4℃での馴化培地における一晩の保管の後、500mLボトルにおける10℃で15分間の3000gでの遠心分離によって収集した。細胞ペレットを4℃で0.9%生理食塩水に再懸濁して、細胞を洗浄した。次いで、細胞を1本のボトルにプールして、その後に10℃で3000gでの遠心分離が続いた。細胞ペレットを生理食塩水で2回洗浄した。50%セタフィル/50%グリセロールの新鮮な産物製剤を、ADRN TMT IND-008に概説されるように調製し、0.4mLの安定性アリコートを産生し、4℃でまたは17℃でアンバーバイアル中にN2下で保管した。
50%セタフィル/50%グリセロールの新鮮な産物製剤は17℃で保管され、回復可能なCFUの急速な多対数低下を経験し、それにより、17℃での保管の9日目までに、>3対数の生存CFUが失われた(図11A~11B)。
4℃で保管された50%セタフィル/50%グリセロールの新鮮な産物製剤は、回復可能なCFUの低下のよりゆっくりした速度を経験し、4℃で保管された場合、少なくとも30日間の使用期限を実証する。これらの産物製剤においてはより高い初回原薬が必要とされ得、コールドチェーン製品のための付加的な開発努力が役立ち得る。投薬の開始時に温度を4℃に変化させると30日間の期限満了を有する-20℃での長期保管についての評価が考慮され得る。
【0144】
Sh-A9油製剤のヒュームドシリカ安定化および加速安定性
ヒュームドシリカ(CAS番号112945-52-5)は、分岐した鎖状の三次元的な二次粒子に融合した非晶質シリカの微視的液滴からなり、それは塊になって三次粒子になる。結果として生じる粉末は、極めて低いバルク密度および高い表面積を有する。増粘薬または補強充填剤として使用される場合、その三次元構造は粘度増加をもたらす。ヒュームドシリカは、粉末との普遍的な増粘剤および抗固化剤(フリーフロー剤)として働く。シリカゲルのように、それは、水を吸収する除湿剤として働く。それは、その光拡散特性のために化粧品において使用される。
凍結乾燥された細菌産物を歴史的にその中に含めて製剤化する賦形剤油の無水性質を維持するために、ヒュームドシリカが除湿剤としておよびその抗固化特性のために添加されている。
医薬品CDMOで製造された早期のSh-A9油製剤は、ヒュームドシリカの添加なしで産生され、産物からのCFU回復は、複製物の間で高い変動性および再現性の欠如を実証する。CFU回復問題についての検討は、ヒュームドシリカが製剤に添加されなかったこと、および経時的な固化が生じ、産物サンプルバイアル中で視覚的に特定されたことを特定した。バイアル中での産物固化は、保管中に他の不安定化工程が生じることにかかわらず、凍結乾燥された細菌粒子をボルテックス混合によって均質に再懸濁する能力に影響を及ぼし、回復されるCFUの変動性をもたらした。
【0145】
Sh-A9無水産物製剤におけるヒュームドシリカの安定化特性をよりよく理解するために、大豆油製剤におけるSh-A9凍結乾燥粉末のものに対するヒュームドシリカの含有率を検討した。
【0146】
超洗練大豆油の50mLボトルにヒュームドシリカを添加し、N2を重層し、蓋をし、ヒュームドシリカの均質な懸濁液が観察されるまでボルテックスしおよび反転によって混合した。各ボトルに、およそ200mgのCO-25-10 Sh-A9の粉砕された/ふるい分けされた粉末を添加し、N2を重層し、蓋をし、均質な懸濁液が観察されるまでボルテックスしおよび反転によって混合した。2mLのアリコートを滅菌アンバーバイアルにN2下でバイアルに入れ、蓋をし、暗所で17℃、または加速温度安定性調査のために30℃および45℃で保管した。油製剤からのCFU回復/安定性判定を、実施例8において上で記載されるように実施した。試験された各製剤に関する、ヒュームドシリカの原薬に対する比率が表3に示される。
【0147】
【表3】
【0148】
大豆油中に製剤化され、0.23mgヒュームドシリカ/mg DSの有無でバイアルに入れられたSh-A9の再懸濁は、経時的な産物沈殿があると容器の底への産物付着を有する観察可能な固化を実証した。バイアルの大々的なボルテックス混合は、産物を懸濁して均質な外見にするのに十分ではなかった。アッセイ時点に対して再懸濁を試みると、種々のサイズの粒子がバイアル中で明らかであった。17℃での短期間にわたる回復されるCFUの大きな変動(対数倍)が実証され、どのバイアルが選定されたかに依存し、固化に起因した非均質な粒子崩壊および混合と一致している。シリカなしまたは低いシリカ対Sh-A9粉末比を有するサンプルは、17℃と比較して、30℃および45℃で保管された場合に、回復されるCFUのより低い変動性を実証したが、加速した熱的条件に起因して、回復されるCFUのより大きな全喪失を実証する(図12A~12C)。
【0149】
mg Sh-A9凍結乾燥粉末あたりおよそ0.45mgヒュームドシリカにヒュームドシリカを増加させることは、経時的な一貫した低い変動を伴って、早期の時点で17℃で保管された大豆油製剤からの回復可能なCFUを増加させるように見える(図12~16)。より高いシリカ含有率を有する製剤は、穏やかなボルテックスまたは振とうがあると、沈殿した材料の均質な再懸濁をもたらす。固化した産物は目に見えず、バイアルへの産物付着はこれらの条件下では検出されない。より高いヒュームドシリカ含有率を有する製剤は、17℃で保管されたサンプルと比較して、30℃および45℃で保管された場合に、最初の14日以内に>1対数低下したCFU回復を依然として実証する。0.45mg/mg DSの量またはそれを上回る量にヒュームドシリカ濃度を増加させることは、試験されたほとんどの温度条件下で増進した安定性/経時的なCFU回復をもたらす(図12~16)。
【0150】
無水ローション製剤
1.超洗練蜜ろうにより増粘した油製剤
「美容的に優雅な感触」を有する増粘した無水製剤は、油中に製剤化された懸濁液よりも患者に対してより魅力があり得る。初回の検討を、88%サフラワー油、5%蜜ろう、5%パルミチン酸イソプロピル、1%トコフェロール、および1%原薬粉末を含有する製剤において、超洗練蜜ろう(Croda)を増粘剤として、パルミチン酸イソプロピル(Croda)を乾燥剤として用いて実施した。図17に示されるように、FM#3中で凍結乾燥されたSh-A9粉末は、増粘薬としての5%超洗練蜜ろう中に製剤化された場合、製造後13日目までに>1対数のCFU回復の低下を実証する。蜜ろうはハチミツと関連して天然に見い出され、それは抗微生物特性を有する。残余の抗微生物分子が超洗練蜜ろう中に存在し得、Sh-A9を不安定化し得るまたはそれにとって有毒であり得る。
【0151】
2.脂肪アルコールにより増粘した油製剤
天然の、しかし化学的にはあまり規定されていない蜜ろうと比較した、代替的な油増粘賦形剤の使用についての検討を開始した。精製脂肪アルコールは、医薬製剤における増粘薬としての使用に対する、化学的に規定されかつより安定な代替手段である。以下の製剤を調製した。
ローション#1_製剤は、0.34%原薬粉末、85.18%大豆油、6.81%ステアリルアルコール、6.81%セトステアリルアルコール、0.85%ビタミンE、およびヒュームドシリカなしを含有する;
ローション#2_製剤は、残りの大豆油/脂肪アルコールベースローションへの添加前に、ヒュームドシリカおよび大豆油(15%の油含有率)に均質に懸濁されたSh-A9粉末を使用して調製された。最終製剤は、0.42%Sh-A9粉末、85%大豆油、7%ステアリルアルコール、7%セトステアリルアルコール、1%ビタミンE、および0.21%ヒュームドシリカを含有した。
ローション製剤#1を3つの滅菌ジャーに分配し、N2大気下で17℃、30℃、および45℃で保管した。ローション製剤#2を2つの滅菌ジャーに分配し、N2大気下で17℃および30℃で保管した。
両製剤は、45℃でインキュベートすると液化し、ゆえにローション#2は、30℃の加速安定性/回復に対してのみ分配された。
【0152】
ローション製剤のサンプルからのCFU回復を判定するために、ジャー内容物のサンプルを十分に混合し、200mg~400mgに及ぶローションの二つ組サンプルを、空の重さを量った(tared)チューブに移して、正確な質量を判定した。チューブに移した9倍のローション質量を算出し、その容積のAF-TSBを、CFU抽出のために、繰り返しのボルテックスおよび振とうによってローションサンプルに添加した。抽出されたSh-A9細胞を含有するTSB相の10倍連続希釈をAF-TSB中で実施して、CFU回復/安定性を判定した。
【0153】
大豆油および脂肪アルコールベースローションにおけるFM#3 Sh-A9凍結乾燥粉末の加速安定性査定は、加速温度での最初の13日以内に、30℃で、回復可能なCFUのかなりの低下を呈示した(図18A~18B)。45℃保管は基剤ローションを液化するが、とはいえ回復可能なCFUは、30℃で保管されたものと比較して、45℃で保管されたサンプルに対してより高いように見える(図18A~18B)。ローション基剤の残りへの添加前に、大豆油およびヒュームドシリカ中にSh-A9凍結乾燥粉末をあらかじめ混合して均質な懸濁液にすることは、ヒュームドシリカとともに調製されたローションと比較して、17℃で保管されたローションからの回復可能なCFUを増加させる傾向がある。
本明細書における実質的に任意の複数形のおよび/または単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈および/または適用に適当であるように、複数形から単数形におよび/または単数形から複数形に翻訳し得る。明瞭性のために、様々な単数形/複数形の並べ替えが本明細書において明示的に記載され得る。
【0154】
概して、本明細書において、とりわけ添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の主部)において使用される用語は、一般的に「開かれた」用語(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むがそれに限定されない」として解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」として解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は、「含むがそれに限定されない」として解釈されるべきである等)として意図されることが当業者によって理解されるであろう。具体的番号の導入された請求項の記載が意図される場合、そのような意図は請求項に明確に記載されると考えられ、そのような記載がないときは、そのような意図は存在しないことが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解への助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記載を導入するために、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という導入句の用法を含有し得る。しかしながら、そのような語句の使用は、同じ請求項が「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」という導入句、および「a」または「an」等の不定冠詞を含む場合でさえ、「a」または「an」という不定冠詞による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含有する任意の特定の請求項を、1つのみのそのような記載を含有する実施形態に限定することを暗示するとは見なされないべきである(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである);同じことが、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用に当てはまる。加えて、具体的番号の導入された請求項の記載が明確に記載される場合でさえ、当業者であれば、そのような記載は、少なくとも記載された番号を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾因子なしの「2つの記載」というありのままの記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、およびC等のうちの少なくとも1つ」に類似した慣習が使用されるそうした場合には、概して、そのような構築は、当業者が慣習を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを、Bのみを、Cのみを、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムを含むであろうが、それらに限定されるわけではない)。「A、B、またはC等のうちの少なくとも1つ」に類似した慣習が使用されるそうした場合には、概して、そのような構築は、当業者が慣習を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを、Bのみを、Cのみを、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒に有するシステムを含むであろうが、それらに限定されるわけではない)。説明、特許請求の範囲、または図面においてどうかにかかわらず、2つ以上の代替的用語を提示する事実上任意の離接的単語および/または語句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0155】
加えて、本開示の特長または態様がマーカッシュ群で記載される場合、当業者であれば、本開示は、それによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーの部分群でも記載されることを認識するであろう。
【0156】
当業者によって理解されるであろうように、書面による説明を提供する点において等のありとあらゆる目的のために、本明細書において開示されるすべての値域は、ありとあらゆる考え得る部分値域およびその部分値域の組み合わせも包含する。任意の列挙された値域は、少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分等に分けられている同じ値域を十分に記載するおよび可能にすると容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書において述べられる各値域は、下部3分の1、中部3分の1、および上部3分の1等に容易に分けられ得る。また当業者によって理解されるであろうように、「最高で」、「少なくとも」、「よりも多い」、「未満」等のすべての言語は、記載された数を含み、上で述べられるように後に部分値域に分けられ得る値域を指す。最後に、当業者によって理解されるであろうように、値域はそれぞれ個々のメンバーを含む。ゆえに、例えば、1~3個の項目を有する群は、1、2、または3個の項目を有する群を指す。同様に、1~5個の項目を有する群は、1、2、3、4、または5個の項目を有する群を指す、等。
【0157】
本明細書において使用される「天然産物」という用語は、当技術分野におけるその通常の意味を有し、ゆえに、この用語の使用は、米国特許法第101条の下で、本明細書において開示される組成物が、分析の目的のための天然の産物をなすまたはそれに向けられているという承認または示唆をなすわけではないことが当業者によってさらに理解されるであろう。
【0158】
様々な態様および実施形態が本明細書において開示されているものの、他の態様および実施形態が当業者に明白であろう。本明細書において開示される様々な態様および実施形態は、例示の目的のためのものであり、限定的であることを意図されるわけではなく、真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
【国際調査報告】