(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】有機化合物の結晶および塩形態およびその医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 249/18 20060101AFI20220209BHJP
A61K 31/4192 20060101ALI20220209BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220209BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20220209BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220209BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20220209BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220209BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220209BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220209BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
C07D249/18 501
C07D249/18 CSP
A61K31/4192
A61P37/02
A61P35/02
A61P35/00
A61P31/12
A61P29/00 101
A61P29/00
A61P17/06
A61P19/02
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536323
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-06
(86)【国際出願番号】 US2019067897
(87)【国際公開番号】W WO2020132471
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521268613
【氏名又は名称】レ ラボラトワール セルヴィエ ソシエテ・パール・アクシオンス・サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196243
【氏名又は名称】運 敬太
(72)【発明者】
【氏名】アルタフ,サイード
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシュナン,アビラ
(72)【発明者】
【氏名】サイズモア,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,シジエ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB26
4C084ZB27
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC61
4C086GA13
4C086GA14
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB33
(57)【要約】
本明細書に提供されるものは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩およびナトリウム塩を含む様々な塩、ならびに構造式により表される化合物の様々な結晶形態である。また提供されるものは、これらの塩および結晶形態を含む医薬組成物、これらの製造方法、ならびにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)の阻害が有益であろう状態が含まれるが、それらに限定されない状態の処置のための使用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物1の式により表される化合物のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【化1】
【請求項2】
少なくとも80重量%が結晶質である、請求項1に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項3】
少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である、請求項2に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項4】
少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学的純度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項5】
水和物である、請求項1から4のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項6】
4.4°、15.6°および18.9°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Aである、請求項1から5のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項7】
前記結晶形態Aが、11.5°、16.4°、19.6°および25.5°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項6に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項8】
前記結晶形態Aが、8.7°、15.2°、18.6°、21.4°および25.1°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項6または7に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項9】
前記結晶形態Aが、
図7Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項6から8のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項10】
前記結晶形態が、6.0°、7.0°および7.2°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Bである、請求項1から5のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項11】
前記結晶形態Bが、9.3°および12.5°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項10に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項12】
前記結晶形態Bが、15.6°および19.0°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項10または11に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項13】
前記結晶形態Bが、
図8Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項10から12のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項14】
前記結晶形態が、4.5°、13.5°および18.0°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Cである、請求項1から5のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項15】
前記結晶形態Cが、14.3°、18.3°および23.5°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項14に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項16】
前記結晶形態Cが、16.3°、19.0°、21.2°、22.5°および22.8°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項13または14に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項17】
前記結晶形態Cが、
図9Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項13から16のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩。
【請求項18】
化合物1の式により表される化合物のナトリウム塩。
【化2】
【請求項19】
化合物1の式により表される化合物の結晶形態。
【化3】
【請求項20】
前記化合物が無水物である、請求項19に記載の結晶形態。
【請求項21】
5.8°、11.6°および12.8°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Aである、請求項19または20に記載の結晶形態。
【請求項22】
前記結晶形態Aが、8.1°および16.9°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項21に記載の結晶形態。
【請求項23】
前記結晶形態Aが、11.4°、24.6°、24.9および25.1°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項21または22に記載の結晶形態。
【請求項24】
前記結晶形態Aが、
図2Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項21から23のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項25】
6.5°、12.9°および25.1°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Bである、請求項19または20に記載の結晶形態。
【請求項26】
前記結晶形態Bが、13.1°および15.7°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項25に記載の結晶形態。
【請求項27】
前記結晶形態Bが、8.5°、11.1°、11.4°、17.3°、20.5°、21.9°および25.9°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項25または26に記載の結晶形態。
【請求項28】
前記結晶形態Bが、
図3Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項25から27のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項29】
5.7°、11.4°および25.0°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Cである、請求項19または20に記載の結晶形態。
【請求項30】
前記結晶形態Cが、3.2°、17.4°および18.4°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項29に記載の結晶形態。
【請求項31】
前記結晶形態Cが、12.8°、16.2°、19.0°、27.5°および31.7°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項29または30に記載の結晶形態。
【請求項32】
前記結晶形態Cが、
図4Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項29から31のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項33】
5.9°、11.9°および17.1°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Dである、請求項19または20に記載の結晶形態。
【請求項34】
前記結晶形態Dが、11.2°および23.3°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項33に記載の結晶形態。
【請求項35】
前記結晶形態Dが、12.7°、13.4°、18.8°、19.7°、20.8°、22.0°、22.5°、22.7°および24.6°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる、請求項33または34に記載の結晶形態。
【請求項36】
前記結晶形態Dが、
図5Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンにより特徴付けられる、請求項33から35のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項37】
前記化合物の少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である、請求項19から36のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項38】
前記化合物が、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学的純度を有する、請求項19から37のいずれか一項に記載の結晶形態。
【請求項39】
請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、または請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項40】
請求項6から9のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態Aと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項41】
請求項10から13のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態Bと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項42】
請求項14から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態Cと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項43】
請求項18に記載のナトリウム塩と薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項44】
請求項21から24のいずれか一項に記載の結晶形態Aと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項45】
請求項25から28のいずれか一項に記載の結晶形態Bと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項46】
請求項29から32のいずれか一項に記載の結晶形態Cと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項47】
請求項33から36のいずれか一項に記載の結晶形態Dと薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項48】
請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、または請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態と、1つまたは複数の粒内(intragranular)賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項49】
請求項6から9のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態Aと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項50】
請求項10から13のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態Bと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項51】
請求項14から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態Cと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項52】
請求項18に記載のナトリウム塩と1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項53】
請求項21から24のいずれか一項に記載の結晶形態Aと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項54】
請求項25から28のいずれか一項に記載の結晶形態Bと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項55】
請求項29から32のいずれか一項に記載の結晶形態Cと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項56】
請求項33から36のいずれか一項に記載の結晶形態Dと1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項57】
1つ以上の粒外(extragranular)賦形剤をさらに含む、請求項50から56のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項58】
請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、または請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態と、固体分散体としての薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項59】
化合物1の式:
【化4】
により表される化合物と、固体分散体としての薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項60】
対象においてがんを処置する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項61】
前記がんが固形腫瘍を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記がんが、
肺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、黒色腫、神経膠芽種、前立腺がん、結腸がん、膵臓がん、骨がん、頭頸部がん、皮膚がん、皮膚または眼内悪性子宮内膜(cutaneous or intraocular malignant endometrium)、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、小児固形腫瘍(solid tumors of childhood)、腎臓または尿管のがん、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、環境誘発性がん、およびPTEN変異体がん、ならびに
胆道がんまたはファーター膨大部のがん、非小細胞肺がん、気管支肺胞癌、肝臓がん、卵巣がん、および上気道消化管のがん
から選択される、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
前記がんが血液がんである、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記血液がんが、骨髄腫、リンパ腫および白血病から選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記血液がんが、
急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、原発性CNSリンパ腫、およびT細胞リンパ腫;
化学療法抵抗性急性骨髄性白血病、シタラビン抵抗性急性骨髄性白血病、急性単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、原発性滲出性リンパ腫、赤白血病、慢性骨髄性白血病、慢性単球性白血病、ダブルヒット(double hit)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、およびトリプルヒット(triple hit)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;
血管免疫芽細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫(blastic NK-cell lymphoma)、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(mediastinal large B-cell lymphoma)、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(nodal marginal zone B-cell lymphoma)、小リンパ球性リンパ腫、甲状腺リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、および真性一次性赤血球増加症(polyeythemia rubra vera)
から選択される、請求項63または64に記載の方法。
【請求項66】
がんを処置する医薬の製造のための、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項67】
前記がんが固形腫瘍を含む、請求項66に記載の使用。
【請求項68】
前記がんが、
肺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、黒色腫、神経膠芽種、前立腺がん、結腸がん、膵臓がん、骨がん、頭頸部がん、皮膚がん、皮膚または眼内悪性子宮内膜、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、小児固形腫瘍、腎臓または尿管のがん、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、環境誘発性がん、およびPTEN変異体がん、ならびに
胆道がんまたはファーター膨大部のがん、非小細胞肺がん、気管支肺胞癌、肝臓がん、卵巣がん、および上気道消化管のがん
から選択される、請求項66または67に記載の使用。
【請求項69】
前記がんが血液がんである、請求項66に記載の使用。
【請求項70】
前記血液がんが、骨髄腫、リンパ腫および白血病から選択される、請求項69に記載の使用。
【請求項71】
前記血液がんが、
急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、原発性CNSリンパ腫、およびT細胞リンパ腫;
化学療法抵抗性急性骨髄性白血病、シタラビン抵抗性急性骨髄性白血病、急性単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、原発性滲出性リンパ腫、赤白血病、慢性骨髄性白血病、慢性単球性白血病、ダブルヒットびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、およびトリプルヒットびまん性大細胞型B細胞リンパ腫;
血管免疫芽細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、甲状腺リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、および真性一次性赤血球増加症
から選択される、請求項69または70に記載の使用。
【請求項72】
前記トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、前記ナトリウム塩、前記結晶形態、または前記医薬組成物が、必要に応じて追加の治療剤と組み合わされる、がんを治療するための請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項73】
前記がんが固形腫瘍を含む、請求項72に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、ナトリウム塩、結晶形態、または医薬組成物。
【請求項74】
前記がんが、
肺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、黒色腫、神経膠芽種、前立腺がん、結腸がん、膵臓がん、骨がん、頭頸部がん、皮膚がん、皮膚または眼内悪性子宮内膜、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、小児固形腫瘍、腎臓または尿管のがん、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、環境誘発性がん、およびPTEN変異体がん、ならびに
胆道がんまたはファーター膨大部のがん、非小細胞肺がん、気管支肺胞癌、肝臓がん、卵巣がん、および上気道消化管のがん
から選択される、請求項72または73に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、ナトリウム塩、結晶形態、または医薬組成物。
【請求項75】
前記がんが血液がんである、請求項72に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、ナトリウム塩、結晶形態、または医薬組成物。
【請求項76】
前記血液がんが、骨髄腫、リンパ腫および白血病から選択される、請求項72または75に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、ナトリウム塩、結晶形態、または医薬組成物。
【請求項77】
前記血液がんが、
急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、原発性CNSリンパ腫、およびT細胞リンパ腫;
化学療法抵抗性急性骨髄性白血病、シタラビン抵抗性急性骨髄性白血病、急性単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、原発性滲出性リンパ腫、赤白血病、慢性骨髄性白血病、慢性単球性白血病、ダブルヒットびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、およびトリプルヒットびまん性大細胞型B細胞リンパ腫;
血管免疫芽細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、甲状腺リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、および真性一次性赤血球増加症
から選択される、請求項72、75および76のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、ナトリウム塩、結晶形態、または医薬組成物。
【請求項78】
対象においてジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であるがんを処置する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項79】
ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であるがんを処置するための医薬の製造のための、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項80】
ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であるがんを処置するための、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項81】
対象において、ウイルス媒介性疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫性疾患、または炎症性障害から選択される状態または疾患を処置する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む、方法。
【請求項82】
ウイルス媒介性疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫性疾患、または炎症性障害から選択される状態または疾患を処置する医薬の製造のための、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項83】
ウイルス媒介性疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫性疾患、または炎症性障害から選択される状態または疾患を処置するための、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項84】
対象においてジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性である腫瘍細胞の増殖および/または転移を阻害する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
【請求項85】
対象においてジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害する方法であって、前記対象に、請求項1から17のいずれか一項に記載のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、請求項18に記載のナトリウム塩、請求項19から38のいずれか一項に記載の結晶形態、または請求項39から59のいずれか一項に記載の医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2018年12月21日出願の米国特許仮出願第62/784,083号、2019年1月11日出願の米国特許仮出願第62/791,571号、および2019年8月5日出願の米国特許仮出願第62/882,712号の利益を主張し、それぞれの開示は、その全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)は、de novoピリミジンヌクレオチド生合成経路におけるステップの1つを触媒する酵素である。この経路における酸化/還元反応のみを触媒し、これは、DHO(ジヒドロオルト酸)を、フラビン補助因子および電子受容体の助けを借りてオロト酸に変換するステップである。ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤は、化学療法剤として広い用途を有することが見出されている。
【0003】
[0003]1-メチル-5-(2’-メチル-[1,1’-ビフェニル]-イル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-7-カルボン酸は、本明細書以下、「化合物1」(下記に示される構造式)とも呼ばれ、DHODHの阻害剤として特徴付けられている。例えば、国際特許出願公開第2014/128669号および米国特許第9,630,932号(これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照すること。
【化1】
【0004】
[0004]化合物1は、固形がん、血液がん、ウイルス媒介性疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫性疾患および炎症性障害などであるが、これらに限定されない、DHODHの阻害が有益であろう状態および疾患を処置するために開発された。この治療有益性、および数多くの異なる疾患の治療にかなり有望であることを考慮すると、様々な投与経路のために単離、製造および製剤開発を推進する、ならびに貯蔵安定性を増強する取り組みにおいて、化合物1の代替形態を開発する必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005]以下の段落により詳細に記載されているように、化合物1のトリス塩は、化合物の遊離酸および他の塩形態に対して優れた特性を有することが現在見出されている。トリス塩形態Cは他のトリス塩形態より優れていることも見出されている。
【0006】
[0006]本明細書に記載されている塩スクリーニング検査の際に、10個の対イオンを含む、化合物1の50個を超える異なる塩のヒット(hit)、および5つの異なる溶媒を評価した。12個の異なる結晶形態を確認した(表8を参照すること)。これらの結晶塩形態のうち、トリス塩形態が優れていることが見出された。具体的には、化合物1のトリス塩形態Aおよびトリス塩形態Cは、鋭いXRPDピークを有する主要な結晶塩形態として際立っていた(実施例3、表8および
図6を参照すること)。原薬の良好な結晶化度は、典型的にはより良好な物理的および化学的安定性と解釈され、したがって活性医薬成分(API)の所望の特性である。さらに、熱重量分析(TGA)データは、化合物1のトリス塩形態Aおよびトリス塩形態Cにおける無視できるほどの重量損失を反映し(表9を参照すること)、したがって、最小限の残留溶媒および無水多形(anhydrate polymorph)を示しており、これは経口固体剤形の開発にとって溶媒和/水和形態よりも好ましいことが多い。化合物1のトリス塩形態Aおよびトリス塩形態Cの示差走査熱量測定(DSC)データ(表9を参照すること)は、分解前に1つの鋭い融解吸熱をさらに示し、多形変化の可能性が低いこと、およびAPIの物理的安定性の観点から望ましくないことが多い相転移の可能性が低いことを示している。
【0007】
[0007]化合物1のトリス塩形態Aとトリス塩形態Cを比較すると、スラリー競合実験を使用する熱力学的安定性試験は、トリス塩形態Cのほうが熱力学的により安定していることを示した(実施例5を参照すること)。さらに、化合物1のトリス塩形態Cは、対応するトリス塩形態Aより吸湿性が少ないことも見出されており、製剤開発の際に溶媒中で分解しやすくなっている。
【0008】
[0008]化合物1の遊離酸とトリス塩の薬物動態特性を比較すると、トリス塩形態のほうが、より短い時間(すなわち、より低いT
max)の範囲内でより高い最大濃度(すなわち、より高いC
max)に到達するという点において、明らかに優れている(実施例8および表13を参照すること)。低い結晶化度および純度を有する遊離酸の初期形態は、AUC値により示されるように、トリス塩に匹敵する曝露を示すが(表13および
図10Aを参照すること)、そのような高いAUC値は、改善された結晶化度および純度を有し、粒径が低減されているにもかかわらず、遊離酸のほぼ最終形態(near-final form)では再現することができなかった(表13および
図10Bを参照すること)。
【0009】
[0009]PKデータは、化合物1のトリス塩が遊離酸形態と比較して優れた曝露、ならびに速く高い吸収を示すことを示している。化合物1のトリス塩形態Cの鋭い融解吸熱を有する比較的明確なDSCプロファイルは、優れた熱力学的特性および低い吸湿性と相まって、物理的安定性および経口固体剤形の開発における適合性の観点から、この特定の塩形態の信頼できる固体状態特性を示している。
【0010】
[0010]本明細書に提供されるものは、本明細書において化合物1と呼ばれる化合物のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、ナトリウム塩および結晶形態である。
【0011】
[0011]また本明細書に提供されるものは、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)塩、ナトリウム塩および他の薬学的に許容される塩、および結晶形態を含む医薬組成物、これらの製造方法、ならびにジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)の阻害が有益であろう状態が含まれるが、それらに限定されない状態の処置のための使用である。
【0012】
[0012]また本明細書に提供されるものは、化合物1もしくはその薬学的に許容される塩、化合物1のトリス塩または化合物1のナトリウム塩と、1つまたは複数のポリマーとを含む固体分散体である。また本明細書に提供されるものは、これらの固体分散体を含む医薬組成物、これらの製造方法、ならびにDHODHの阻害が有益であろう状態が含まれるが、それらに限定されない状態の処置のための使用である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013]化合物1の形態A、B、CおよびDについてのXRPDを示す図である。
【
図2A】[0014]化合物1の結晶形態AについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図2B】[0015]化合物1の結晶形態AについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図2C】[0016]化合物1の結晶形態Aについての組み合わせたDSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを示す図である。
【
図3A】[0017]化合物1の結晶形態BについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図3B】[0018]化合物1の結晶形態BについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図3C】[0019]化合物1の結晶形態Bについての組み合わせたDSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを示す図である。
【
図4A】[0020]化合物1の結晶形態CについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図4B】[0021]化合物1の結晶形態CについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図4C】[0022]化合物1の結晶形態Cについての組み合わせたDSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを示す図である。
【
図5A】[0023]化合物1の結晶形態DについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図5B】[0024]化合物1の結晶形態DについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図5C】[0025]化合物1の結晶形態Dについての組み合わせたDSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを示す図である。
【
図6】[0026]化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)塩の3つの結晶形態についての粉末X線回折(XRPD)パターンのオーバーレイを示す図である。
【
図7A】[0027]化合物1のトリス塩の結晶形態AについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図7B】[0028]化合物1のトリス塩の結晶形態AについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図7C】[0029]化合物1のトリス塩の結晶形態Aについての組み合わせた示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムおよび熱重量分析(TGA)サーモグラムを示す図である。
【
図7D】[0030]化合物1のトリス塩の結晶形態Aについての
1H NMRパターンを示す図である。
【
図8A】[0031]化合物1のトリス塩の結晶形態BについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図8B】[0032]化合物1のトリス塩の結晶形態BについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図8C】[0033]化合物1のトリス塩の結晶形態Bについての組み合わせたDSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを示す図である。
【
図8D】[0034]化合物1のトリス塩の結晶形態Bについての
1H NMRパターンを示す図である。
【
図9A】[0035]化合物1のトリス塩の結晶形態CについてのXRPDパターンを示す図である。
【
図9B】[0036]化合物1のトリス塩の結晶形態CについてのXRPDピークリストを示す図である。
【
図9C】[0037]化合物1のトリス塩の結晶形態Cについての組み合わせたDSCサーモグラムおよびTGAサーモグラムを示す図である。
【
図10A】[0038]遊離酸試料化合物1(ロットAおよびロットB)ならびに化合物1のトリス塩試料(ロットF)の薬物動態(PK)プロフィールを示す図である。
【
図10B】[0039]遊離酸試料化合物1(ロットC、ロットD、ロットE)ならびに化合物1のトリス塩試料(ロットF)の薬物動態(PK)プロフィールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
[0040]単独で使用されるとき、用語「形態A」、「形態B」、「形態C」および「形態D」は、化合物1を記載する場合、それぞれ化合物1の結晶形態A、B、CおよびDを指す。そのうえ、用語「形態A」、「形態B」および「形態C」は、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)塩を記載する場合、それぞれ、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩の結晶形態A、BおよびCを指す。化合物1の結晶形態Aまたは化合物1のトリス塩のいずれかを指す「形態A」、「結晶形態A」という用語は、互換的に使用される。同様に、化合物1または化合物1のトリス塩のそれぞれの結晶形態Bまたは形態Cのいずれかを指す「形態B」および「結晶形態B」、ならびに「形態C」および「結晶形態C」、ならびに化合物1の結晶形態Dを指す「形態D」および「結晶形態D」は、互換的に使用される。
【0015】
[0041]用語「無定形」は、非結晶状態または形態で存在する固体を意味する。無定形固体は、分子の配列が無秩序であり、したがって、区別可能な結晶格子または単位格子を有さず、その結果として、限定可能な長距離秩序化を有さない。固体の固体状態秩序化は、当業者に公知の標準的な技術、例えば、粉末X線回析(XRPD)または示差走査熱量測定(DSC)によって決定することができる。無定形固体を、例えば偏光顕微鏡検査を使用する複屈折によって、結晶質固体と識別することもできる。
【0016】
[0042]一般に、化合物1は、1つまたは複数の不純物を任意の量で含有し得る。一部の実施形態では、用語「不純物」は、例えば反応副産物などの化学的不純物を指す。本出願では、これを化学的純度と呼ぶこともできる。他の実施形態では、用語「不純物」は、化合物1またはその塩の他の固体状態の形態を指す。そのような実施形態では、化合物1またはその塩の他の固体状態の形態には、無定形または他の結晶形態が含まれ得る。本明細書で使用される場合、用語「実質的に無定形」は、特定の重量パーセンテージで、不純物を含有しない、および/または化合物1の結晶形態(化合物1の結晶塩を含む)を含有しない無定形化合物1の形態および組成物を指す。特定の重量パーセンテージは、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または60%および100%の間の任意のパーセンテージの不純物および/または化合物1の結晶形態を含まない。一部の実施形態では、実質的に無定形とは、少なくとも90%純粋な化合物1の遊離形態または塩形態を指す。他の実施形態では、実質的に無定形とは、少なくとも80%純粋な化合物1の遊離形態または塩形態を指す。他の実施形態では、実質的に無定形とは、少なくとも70%純粋な化合物1の遊離形態または塩形態を指す。他の実施形態では、実質的に無定形とは、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、または約1%未満の結晶質化合物1を有する化合物1を含む組成物を指す。
【0017】
[0043]本明細書で使用される場合、「結晶質」は、化合物1の固体形態または化合物1のトリス塩を指し、原子の位置に長距離原子秩序が存在する。固体の結晶性は、例えば、粉末X線回析パターンを検査することによって確認することができる。XRPDがXRPDに鋭い強度ピークを示す場合、化合物は結晶質である。「結晶質」である化合物1の固体形態または化合物1のトリス塩は、完全に結晶質または部分的に結晶質である固体であり、少なくとも80重量%が結晶質、85重量%が結晶質、90重量%が結晶質および99重量%が結晶質である固体を包含する。上記に定義された無定形固体に反して、結晶質固体は、分子の配置が秩序化されており、区別可能な結晶格子または単位胞を有し、その結果として限定可能な長距離秩序化を有する。一部の実施形態では、実質的に結晶質とは、少なくとも80%純粋な化合物1の固体形態または化合物1のトリス塩を指す。他の実施形態では、実質的に結晶質とは、少なくとも90%純粋な化合物1の固体形態を指す。
【0018】
[0044]本明細書で使用される場合、化学的純度とは、開示されている形態が異なる化学構造を有する物質を含有しない程度を指す。開示されている結晶形態の化合物の化学的純度とは、化合物の重量を、化合物と、異なる化学構造を有する物質/不純物との重量の合計で割り、100%を掛けたもの、すなわち重量パーセントを意味する。一実施形態では、開示されている結晶形態の化合物は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学的純度を有する。
【0019】
[0045]用語「溶媒和物」は、化学量または非化学量の溶媒または溶媒混合物が結晶構造に組み込まれている、結晶質化合物1または化合物1の結晶質トリス塩を指す。
【0020】
[0046]用語「水和物」は、化学量または非化学量の水が結晶構造に組み込まれている、結晶質化合物1または化合物1の結晶質トリス塩を指す。水和物は、結晶構造に組み込まれている溶媒が水である溶媒和物である。用語「無水」は、化合物に関して使用されるとき、結晶構造に溶媒が実質的に組み込まれていないこと、例えば、カールフィッシャー分析により決定して0.1重量%未満であることを意味する。無水である化合物は、本明細書において「無水物」と呼ばれる。
【0021】
[0047]本細書で使用される場合、用語「主ピーク」は、XRPDデータパターンの3つの最も強力なピーク、または最も強力なピークの100%相対強度の少なくとも50%を有するピークを指す。
【0022】
[0048]化合物1または化合物1のトリス塩の単結晶形態とは、1-メチル-5-(2’-メチル-[1,1’-ビフェニル]-イル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-7-カルボン酸または1-メチル-5-(2’-メチル-[1,1’-ビフェニル]-イル)-1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール-7-カルボキシレートトリス塩が単結晶または複数の結晶として存在し、それぞれの結晶が、同じ結晶形態(すなわち、遊離酸の形態A、B、CもしくはD、またはトリス塩の形態A、BもしくはC)を有することを意味する。結晶形態が化合物の1つの特定の単結晶形態の特定のパーセンテージで定義されるとき、残りの部分は、無定形形態および/または特定されている1つもしくは複数の特定の形態以外の結晶形態から構成される。一実施形態では、結晶形態は、少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である。特定の結晶形態の重量パーセントは、特定の結晶形態の重量を、特定の結晶の重量と、存在する他の結晶形態の重量と、存在する無定形形態の重量との合計で割り、100%を掛けることによって決定される。
【0023】
[0049]本明細書に記載されている結晶形態の粉末X線回析パターンの2シータ値は、機器毎に、また試料調製およびバッチ毎の変動にも応じて僅かに変動し得る。したがって、特に定義されない限り、XRPDパターンおよび/または本明細書に列挙されている2シータピーク値は、絶対値として解釈されるべきではなく、±0.2度で変動し得る。本明細書で提供される2シータ値は、Cu Kα1放射線を使用して得た。
【0024】
[0050]温度値、例えば、本明細書のDSCピーク温度およびDSC開始温度は、機器毎に、また試料調製、実験過程における温度上昇速度、材料のバッチ毎の変動および他の環境要因にも応じて僅かに変動し得る。したがって、特に定義されない限り、本明細書に列挙されている温度値は絶対値として解釈されるべきではなく、±5度で変動し得る。
【0025】
[0051]「実質的に同じXRPDパターン」また確定図に「実質的に類似している粉末X線回析パターン」は、比較の目的において、示されているピークの少なくとも90%が存在することを意味する。比較の目的において、示されているものにおける2シータピーク位置にいくらかの変動、例えば±0.2度が容認されることが、さらに理解されるべきである。表現「2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる」の後に2シータピーク位置の列挙が続くとき、列挙されたピーク位置の一つ一つに±0.2度が適用されることが理解されるべきである。
【0026】
[0052]本明細書に記載されている化合物1の結晶形態、または化合物1の結晶質トリス塩形態、または化合物1の塩(例えば、化合物1の非結晶質、または無定形、または部分的に結晶質のトリス塩またはNa塩)の「治療有効量」は、状態の処置に治療有益性をもたらすのに、または状態に関連する1つもしくは複数の症状を最小化するのに十分な量である。用語「治療有効量」および「有効量」は互換的に使用される。一態様では、化合物の治療有効量とは、状態の処置に治療有益性をもたらす治療または活性剤の単独での、または他の治療薬と組み合わせた量を意味する。用語「治療剤」および「活性剤」は互換的に使用される。用語「治療有効量」は、治療全体を改善する、状態の症状、兆候もしくは原因を低減もしくは回避する、および/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含することができる。ある特定の実施形態では、治療有効量とは、がん(本明細書においてさらに記載される固形腫瘍および血液がんを含む)、ウイルス媒介性疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫性疾患または炎症性障害の処置に治療効果を誘発するのに十分な量である。ある特定の実施形態では、治療有効量とは、状態がジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)の阻害に応答性である、がん(本明細書においてさらに記載される固形腫瘍および血液がんを含む)、ウイルス媒介性疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫性疾患または炎症性障害の処置に治療効果を誘発するのに十分な量である。ある特定の実施形態では、治療有効量とは、治療全体を改善する、状態の症状、兆候もしくは原因を低減もしくは回避する、および/または別の治療剤の治療有効性を増強するように、DHODHレベルを調節するのに十分な量である。化合物の治療有効量は、一般に1日当たりレシピエント(哺乳動物)の体重の0.1~100mg/kgの範囲、典型的には1日当たり体重の1~10mg/kgの範囲である。したがって、体重が70kgの成体哺乳動物の1日当たりの実際の量は、通常70~700mgの間であり、この量は、1日当たりの個別用量として、または通常、総1日用量が同じになるような1日当たりの一連の部分用量(例えば、2回、3回、4回、5回または6回など)で投与され得る。
【0027】
[0053]用語「処置」、「処置する」および「処置すること」は、本明細書に記載されている疾患もしくは障害、またはその1つもしくは複数の症状の発症の可能性を逆転する、軽減する、低減する、または進行を抑制することを指す。一部の実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に投与され得る、すなわち、治療処置であり得る。他の実施形態では、処置は症状の非存在下で投与され得る。例えば、処置は、症状が始まる前に(例えば、症状の病歴に照らして、および/または遺伝的もしくは他の感受性因子に照らして)感受性の高い個体に投与され得る、すなわち、予防的処置であり得る。処置は、症状が消散した後に、例えば、再発の可能性を低減する、または再発を遅延するために継続することもできる。
【0028】
[0054]本明細書で使用される場合、用語「対象」および「患者」は、互換的に使用してもよく、処置の必要な哺乳動物、例えば、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)、および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。典型的には、対象は、処置の必要なヒトである。ある特定の実施形態では、用語「対象」は、疾患の処置が必要なヒト対象を指す。ある特定の実施形態では、用語「対象」は、DHODHの阻害による処置が必要なヒト対象を指す。ある特定の実施形態では、用語「対象」は、疾患の処置が必要な18歳を超えた成人を指す。ある特定の実施形態では、用語「対象」は、疾患の処置が必要な18歳以下の未成年を指す。
【0029】
[0055]用語「薬学的に許容される担体」は、製剤化されている化合物の薬理学的活性に有害な影響を与えず、またヒトの使用にとって安全である非毒性担体、アジュバントまたはビヒクルを指す。
【0030】
[0056]用語「薬学的に許容される賦形剤」は、対象への活性剤の投与を、例えば、活性剤の安定性を改変することにより、または投与時に対象による吸収を改変することにより、助ける物質を指す。薬学的に許容される賦形剤は、典型的には患者に対して有意に有害な毒物学的効果を有さない。
【0031】
[0057]本記載では、「薬学的に許容される塩」は、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される有機または無機の塩または塩基である。代表的な薬学的に許容される塩には、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、水溶性および水不溶性塩、例えば、酢酸塩、アムソネート(4,4-ジアミノスチルベン-2,2-ジスルホネート)(amsonate (4,4-diaminostilbene-2, 2 -disulfonate))、ベンゼンスルホン酸塩、安息香塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、酪酸塩、カルシウム、エデト酸カルシウム、カムシレート、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、クラブラン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート(hydroxynaphthoate)、ヨウ化物、イソチオン酸塩(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩(lactobionate)、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液酸塩(mucate)、ナプシレート(napsylate)、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエート、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート(1,1-メテン-ビス-2-ヒドロキシ-3-ナフトエート、エインボネート(einbonate))、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピクリン酸塩、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホサリクレート(sulfosaliculate)、スラメート(suramate)、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(teoclate)、トシレート、トリエチヨージド(triethiodide)および吉草酸塩が含まれる。薬学的に許容される塩は、1個を超える荷電原子を構造中に有することができる。この場合では、薬学的に許容される塩は、複数の対イオンを有することができる。したがって、薬学的に許容される塩は、1個もしくは複数の荷電原子および/または1個もしくは複数の対イオンを有することができる。
【0032】
[0058]本明細書で使用される場合、用語「約」および「およそ」は、化合物の特定の結晶形態、無定形形態またはこれらの混合物を特徴付けるために使用される数値または数値範囲と組み合わせて使用されるとき、値または値の範囲が当業者にとって妥当であり、同時に特定の結晶形態、無定形形態またはこれらの混合物を記載していると認められる程度に偏向し得ることを意味する。
【0033】
[0059]本明細書で使用される場合、「%w/w」は、個別の構成成分の重量パーセンテージを算出する基礎として使用される総重量のパーセンテージとしての重量を意味するために使用される。例として、バルク組成物では、個別の構成成分の%w/wは、バルク組成物のすべての構成成分の総重量のパーセンテージとして算出され得る。別の例として、単一経口剤形では、個別の構成成分の%w/wは、単一経口剤形のすべての構成成分の総重量のパーセンテージとして算出され得る。例えば、単一経口剤形がカプセル剤である場合、総重量はカプセル剤のすべての構成成分の総重量であり得る。
【0034】
[0060]用語「粒内(intragranular)賦形剤」は、造粒前に製剤に組み込まれる成分、すなわち、顆粒構造の内部に配置される成分を指す。
【0035】
[0061]用語「粒外(extragranular)賦形剤」は、造粒後に製剤に組み込まれる成分、すなわち、顆粒構造の外部に配置される成分を指す。
【0036】
[0062]本明細書で使用される場合、単数形の「a(1つの)」、「an(1つの)」および「the(その)」は、文脈から特に明示されない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「粒内賦形剤」は、1つまたは複数の粒内賦形剤を含む。
【0037】
化合物
化合物の1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
[0063]第1の実施形態では、本開示は、下記式により表される化合物のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)塩を対象とする。
【化2】
【0038】
[0064]第2の実施形態では、第1の実施形態によるトリス塩の少なくとも80重量%が結晶質である。他の実施形態では、第1の実施形態によるトリス塩の少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%が結晶質である。
【0039】
[0065]第3の実施形態では、第2の実施形態によるトリス塩は、少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である。
【0040】
[0066]第4の実施形態では、第1、第2および第3の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学的純度を有する。
【0041】
[0067]第5の実施形態では、第1、第2、第3および第4の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は無水物である。
【0042】
[0068]第6の実施形態では、第1、第2、第3、第4および第5の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は、4.4°、15.6°および18.9°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Aである。
【0043】
[0069]第7の実施形態では、第1、第2、第3、第4および第5の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は、4.4°、15.6°および18.9°の2θ角度(±0.2°)での主粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Aである。
【0044】
[0070]第8の実施形態では、第6および第7の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、11.5°、16.4°、19.6°および25.5°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0045】
[0071]第9の実施形態では、第6、第7および第8の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、8.7°、15.2°、18.6°、21.4°および25.1°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0046】
[0072]第10の実施形態では、第6、第7、第8および第9の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、
図7Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図7Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0047】
[0073]第11の実施形態では、第6、第7、第8および第9の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、約202.0℃±2℃で吸熱ピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図7Cを参照すること)。
【0048】
[0074]第12の実施形態では、第6、第7、第8および第9の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、最大約150℃で約2.8%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図7Cを参照すること)。
【0049】
[0075]第13の実施形態では、第1、第2、第3、第4および第5の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は、6.0°、7.0°および7.2°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Bである。6.0°、7.0°および7.2°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークは、一実施形態では主ピークである。
【0050】
[0076]第14の実施形態では、第13の実施形態による結晶形態Bは、9.3°および12.5°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0051】
[0077]第15の実施形態では、第13および第14の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、15.6°および19.0°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0052】
[0078]第16の実施形態では、第13、第14および第15の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、
図8Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図8Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0053】
[0079]第17の実施形態では、第13、第14、第15および第16の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、約129.9℃±2℃で重複吸熱/発熱ピーク温度および約205.8℃±2℃で吸熱ピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図8Cを参照すること)。
【0054】
[0080]第18の実施形態では、第13、第14、第15、第16および第17の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、最大約190℃で約10.8%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図8Cを参照すること)。
【0055】
[0081]第19の実施形態では、第1、第2、第3、第4および第5の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は、4.5°、13.5°および18.0°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Cである。
【0056】
[0082]第20実施形態では、第1、第2、第3、第4および第5の実施形態のいずれか1つによるトリス塩は、4.5°、13.5°および18.0°の2θ角度(±0.2°)での主粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Cである。
【0057】
[0083]第21の実施形態では、第19および第20の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、14.3°、18.3°および23.5°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0058】
[0084]第22の実施形態では、第19、第20および第21の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、16.3°、19.0°、21.2°、21.4°、22.5°および22.8°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0059】
[0085]第23の実施形態では、第19、第20、第21および第22の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、
図9Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図9Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0060】
[0086]第24の実施形態では、第19、第20、第21、第22および第23の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、約196.2℃±2℃で吸熱ピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図9Cを参照すること)。
【0061】
[0087]第25の実施形態では、第19、第20、第21、第22、第23および第24の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、最大約150℃で約1.2%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図9Cを参照すること)。
【0062】
[0088]第26の実施形態では、本開示は、下記式により表される化合物のナトリウム塩を対象とする。
【化3】
化合物1のナトリウム塩は、好ましくは固体または固体結晶形態である。
【0063】
[0089]第27の実施形態では、本開示は、下記式により表される化合物の結晶形態を対象とする。
【化4】
【0064】
[0090]第28の実施形態では、第27の実施形態による結晶形態は無水物である。
【0065】
[0091]第29の実施形態では、第27の実施形態による結晶形態は溶媒和物である。
【0066】
[0092]第30の実施形態では、第27および第28の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、5.8°、11.6°および12.8°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Aである。
【0067】
[0093]第31の実施形態では、第27および第28の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、5.8°、11.6°および12.8°の2θ角度(±0.2°)での主粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Aである。
【0068】
[0094]第32の実施形態では、第30および第31の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、8.1°および16.9°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0069】
[0095]第33の実施形態では、第30、第31および第32の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、11.4°、18.4°、21.9°、24.6°、24.9°および25.1°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0070】
[0096]第34の実施形態では、第30、第31、第32および第33の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、
図2Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図2Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0071】
[0097]第35の実施形態では、第30、第31、第32、第33および第34の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、約212.1℃±2℃(発熱)および328.9℃±2℃(吸熱)でピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図2Cを参照すること)。
【0072】
[0098]第36の実施形態では、第30、第31、第32、第33、第34および第35の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Aは、最大約200℃で約1.0%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図2Cを参照すること)。
【0073】
[0099]第37の実施形態では、第27および第28の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、6.5°、12.9°および25.1°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Bである。
【0074】
[0100]第38の実施形態では、第27および第28の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、6.5°、12.9°および25.1°の2θ角度(±0.2°)での主粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Bである。
【0075】
[0101]第39の実施形態では、第37および第38の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、13.1°および15.7°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0076】
[0102]第40の実施形態では、第37、第38および第39の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、8.5°、11.1°、11.4°、17.3°、20.5°、21.9°および25.9°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0077】
[0103]第41の実施形態では、第37、第38、第39および第40の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、
図3Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図3Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0078】
[0104]第42の実施形態では、第37、第38、第39、第40および第41の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、約325.6℃±2℃で吸熱ピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図3Cを参照すること)。
【0079】
[0105]第43の実施形態では、第37、第38、第39、第40、第41および第42の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Bは、最大約200℃で約2.9%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図3Cを参照すること)。
【0080】
[0106]第44の実施形態では、第27および第28の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、5.7°、11.4°および25.0°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Cである。
【0081】
[0107]第45の実施形態では、第27、第28および第29の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、5.7°、11.4°および25.0°の2θ角度(±0.2°)での主粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Cである。
【0082】
[0108]第46の実施形態では、第44および第45の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、3.2°、17.4°および18.4°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0083】
[0109]第47の実施形態では、第44、第45および第46の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、12.8°、16.2°、19.0°、27.5°および31.7°から選択される2θ角度(±0.2°)で少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0084】
[0110]第48の実施形態では、第44、第45、第46および第47の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、
図4Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図4Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0085】
[0111]第49の実施形態では、第44、第45、第46、第47および第48の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、約326.1℃±2℃で吸熱ピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図4Cを参照すること)。
【0086】
[0112]第50の実施形態では、第44、第45、第46、第47、第48および第49の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Cは、最大約200℃で約3.6%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図4Cを参照すること)。
【0087】
[0113]第51の実施形態では、第27および第28の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、5.9°、11.9°および17.1°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Dである。
【0088】
[0114]第52の実施形態では、第27、第28および第29の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、5.9°、11.9°および17.1°の2θ角度(±0.2°)での主粉末X線回析ピークにより特徴付けられる結晶形態Dである。
【0089】
[0115]第53の実施形態では、第51および第52の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Dは、11.2°および23.3°の2θ角度(±0.2°)での粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0090】
[0116]第54の実施形態では、第51、第52および第53の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Dは、12.7°、13.4°、18.8°、19.7°、20.8°、22.0°、22.5°、22.7°および24.6°から選択される2θ角度(±0.2°)での少なくとも1つの粉末X線回析ピークによりさらに特徴付けられる。
【0091】
[0117]第55の実施形態では、第51、第52、第53および第54の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Dは、
図5Aに実質的に類似している粉末X線回析パターンおよび
図5Bに列挙されているXRPDピークにより特徴付けられる。
【0092】
[0118]第56の実施形態では、第51、第52、第53、第54および第55の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Dは、約329.4℃±2℃で吸熱ピーク温度を含む示差走査熱量測定(DSC)サーモグラフにより特徴付けられる(
図5Cを参照すること)。
【0093】
[0119]第57の実施形態では、第51、第52、第53、第54、第55および第56の実施形態のいずれか1つによる結晶形態Dは、最大約200℃で約1.0%の重量損失を含む熱重量分析(TGA)サーモグラムにより特徴付けられる(
図5Cを参照すること)。
【0094】
[0120]第58の実施形態では、第27から第57の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、少なくとも60重量%が単結晶形態、少なくとも70重量%が単結晶形態、少なくとも80重量%が単結晶形態、少なくとも90重量%が単結晶形態、少なくとも95重量%が単結晶形態、または少なくとも99重量%が単結晶形態である。
【0095】
[0121]第59の実施形態では、第27から第58の実施形態のいずれか1つによる結晶形態は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の化学的純度を有する。
【0096】
[0122]本発明の別の実施形態は、無定形形態の化合物1または化合物1のトリス塩である。
【0097】
組成物および投与
[0123]本明細書に提供されるものは、i)化合物1のトリス塩、例えば、無定形形態もしくは開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩、またはii)開示されているうちの1つの結晶形態の化合物1、またはiii)無定形形態の化合物1、またはiv)化合物1のナトリウム塩、またはv)化合物1の薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物である。また提供されるものは、活性剤として、i)化合物1のトリス塩、例えば、無定形形態もしくは開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩、またはii)開示されているうちの1つの結晶形態の化合物1、またはiii)無定形形態の化合物1、またはiv)化合物1のナトリウム塩、またはv)化合物1の薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む医薬組成物である。また提供されるものは、活性剤として、i)化合物1のトリス塩、例えば、無定形形態もしくは開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩、またはii)開示されているうちの1つの結晶形態の化合物1、またはiii)無定形形態の化合物1、またはiv)化合物1のナトリウム塩、またはv)化合物1の薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む医薬組成物である。また提供されるものは、i)化合物1のトリス塩、例えば、無定形形態もしくは開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩、またはii)開示されているうちの1つの結晶形態の化合物1、またはiii)無定形形態の化合物1、またはiv)化合物1のナトリウム塩、またはv)化合物1の薬学的に許容される塩を、固体分散体の一部として含む医薬組成物である。一部の実施形態では、そのような組成物は無定形固体分散体を含む。他の実施形態では、そのような組成物は実質的に無定形の固体分散体を含む。なお他の実施形態では、そのような組成物は部分的に結晶質の固体分散体を含む。なお他の実施形態では、そのような組成物は実質的に結晶質の固体分散体を含む。また提供されるものは、固体分散体の一部として、i)化合物1のトリス塩、例えば、無定形形態もしくは開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩、またはii)開示されているうちの1つの結晶形態の化合物1、またはiii)無定形形態の化合物1、またはiv)化合物1のナトリウム塩、またはv)薬学的に許容される塩と、1つまたは複数の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物である。適切な医薬組成物は、米国特許第9,360,932号および下記に記載されている。
【0098】
[0124]本明細書に記載される組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸内、経鼻、頬側、経粘膜、または眼科用調合剤により投与され得る。用語「非経口」には、本明細書で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、鞘内、肝臓内、病巣内、および頭蓋内の注射または注入技術が含まれる。一態様では、本明細書で提供される医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、乳剤、ならびに水性懸濁剤、分散剤および液剤が含まれるが、これらに限定されない経口的に許容される剤形で経口投与され得る。
【0099】
[0125]担体材料と組み合わされて単一剤形の組成物を生成し得る、提供される結晶または無定形形態の量は、処置される対象および特定の投与様式に応じて変わる。例えば、特定の対象のための特定の投与量および処置レジメンは、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時点、排出速度、薬物の組み合わせ、担当医の判断、および処置される特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存する。組成物に提供される結晶形態の量は、組成物の特定の形態(例えば、化合物1の結晶形態の形態A、B、C、D、または化合物1のトリス塩の結晶形態の形態A、B、C)に依存する。一態様では、提供される組成物は、投与当量(dosage equivalent)が化合物1の約0.001~約100mg/kg体重/日になるように製剤化され得る。
【0100】
[0126]一実施形態では、医薬組成物は、i)化合物1またはその薬学的に許容される塩、ii)希釈剤、iii)崩壊剤、およびiv)滑沢剤を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、i)化合物1またはその薬学的に許容される塩、ii)希釈剤、iii)崩壊剤、iv)結合剤、v)界面活性剤、vi)流動促進剤、およびvii)滑沢剤を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、i)化合物1またはその薬学的に許容される塩、ii)希釈剤、iii)崩壊剤、iv)結合剤、およびv)滑沢剤を含む。そのような組成物では、化合物1は、例えば、i)化合物1の開示されているうちの1つの結晶形態、または化合物1の無定形形態、またはこれらの混合物として提供され得る。そのような組成物の他の実施形態では、化合物1は、化合物1のトリス塩として、例えば、i)無定形形態、またはii)トリス塩の開示されているうちの1つの結晶形態、またはiii)これらの混合物で提供され得る。そのような医薬組成物のなお他の実施形態では、化合物1は、非塩形態、またはトリス塩形態、またはこれらの混合物として提供され得る。一態様では、医薬組成物はカプセル剤の形態である。別の態様では、医薬組成物は錠剤の形態である。
【0101】
[0127]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として結晶形態の化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含むカプセル組成物である。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Aの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Bの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Cの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Dの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。
【0102】
[0128]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として結晶形態の化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含むカプセル組成物である。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Aの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Bの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Cの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Dの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。
【0103】
[0129]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含むカプセル組成物である。一実施形態では、カプセル組成物に使用される活性剤は、化合物1の、開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩である。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Aのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Bのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Cのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。
【0104】
[0130]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含むカプセル組成物である。一実施形態では、カプセル組成物に使用される活性剤は、化合物1の、開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩である。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Aのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Bのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、カプセル組成物は、活性剤として形態Cのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。
【0105】
[0131]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のナトリウム塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含むカプセル組成物である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のナトリウム塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含むカプセル組成物である。
【0106】
[0132]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として結晶形態の化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む錠剤組成物である。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Aの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Bの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Cの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Dの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。
【0107】
[0133]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として結晶形態の化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む錠剤組成物である。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Aの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Bの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Cの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Dの化合物1と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。
【0108】
[0134]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む錠剤組成物である。一実施形態では、錠剤組成物に使用される活性剤は、化合物1の、開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩である。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Aのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Bのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Cのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む。
【0109】
[0135]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む錠剤組成物である。一実施形態では、錠剤組成物に使用される活性剤は、化合物1の、開示されているうちの1つの結晶形態のトリス塩である。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Aのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Bのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。一実施形態では、錠剤組成物は、活性剤として形態Cのトリス塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む。
【0110】
[0136]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のナトリウム塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤とを含む錠剤組成物である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、活性剤として化合物1のナトリウム塩と、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤とを含む錠剤組成物である。
【0111】
[0137]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を、医薬組成物の総重量に基づいて約10重量%~約90重量%(例えば、約20%w/w~約80%w/wの間、約30%w/w~約70%w/wの間、約40%w/w~約60%w/wの間、または約10%w/w~約20%w/wの間)の量で含む。
【0112】
[0138]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を、医薬組成物の総重量に基づいて約15重量%~約65重量%、約45重量%~約65重量%、または約15重量%~約約17重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、化合物1または化合物1のトリス塩を、医薬組成物の総重量に基づいて約16重量%、約45重量%、約54重量%、または約60重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、化合物1または化合物1のトリス塩を、医薬組成物の総重量に基づいて約45重量%、約46重量%、約47重量%、約48重量%、約49重量%、約50重量%、約51重量%、約52重量%、約53重量%、約54重量%、約55重量%、約56重量%、約57重量%、約58重量%、約59重量%、約60重量%、約61重量%、約62重量%、約63重量%、約64重量%、または約65重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、化合物1のトリス塩は、形態Cのトリス塩である。
【0113】
[0139]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、1つまたは複数の粒内賦形剤および1つまたは複数の粒外賦形剤を含むことができる。ある特定の実施形態では、粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動促進剤、および滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、および滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、流動促進剤、および滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、および滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒外賦形剤は、流動促進剤および滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒外賦形剤は流動促進剤を含む。ある特定の実施形態では、粒外賦形剤は滑沢剤を含む。ある特定の実施形態では、粒外賦形剤は使用されない。他の実施形態では、粒内または粒外賦形剤は使用されない。
【0114】
1.粒内賦形剤
[0140]一実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動促進剤、および滑沢剤から選択される1つまたは複数の粒内賦形剤を含む。
【0115】
[0141]希釈剤は、重量の増加を助けるため、ならびに流動性、溶解性、含量均一性、カプセル化、圧縮性、粘着性の減少および安定性の付与を助けるために、様々な量で医薬製剤に使用される賦形剤である。本明細書で使用される場合、特段の明確な記述がない限り、希釈剤、充填剤または増量剤という用語は、互換的に使用されることが理解されるべきである。例示的な希釈剤には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウ、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファ化デンプン、粉糖、エチルセルロース、イソマルト、およびこれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、希釈剤は、デンプン、部分アルファ化デンプン、微結晶セルロースおよびマンニトール、ならびにこれらの混合物である。一部の実施形態では、希釈剤は、リン酸二カルシウム、デンプン、ラクトース、イソマルト、およびこれらの混合物である。一部の実施形態では、希釈剤は、微結晶セルロースおよびマンニトール、ならびにこれらの混合物である。一部の実施形態において、希釈剤は微結晶セルロースである。一部の実施形態において、希釈剤はマンニトールである。一部の実施形態において、希釈剤はデンプンである。一部の実施形態において、希釈剤は部分アルファ化デンプンである。
【0116】
[0142]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、希釈剤(または1つもしくは複数の希釈剤)を、医薬組成物の総重量に基づいて約5~約80重量%(例えば、約10%w/w~約75%w/wの間、約15%w/w~約70%w/wの間、約25%w/w~約65%w/wの間、約30%w/w~約60%w/wの間、約35%w/w~約55%w/wの間、約40%w/w~約50%w/wの間)の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、希釈剤(または1つもしくは複数の希釈剤)を、医薬組成物の総重量に基づいて、5重量%~約15重量%、約5重量%~約45重量%、約25重量%~約45重量%、または約25重量%~約80重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、希釈剤(または1つもしくは複数の希釈剤)を、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約6重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約15重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約27重量%、約28重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約37重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約78重量%、約79重量%、または約80重量%の量で含む。
【0117】
[0143]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、微結晶セルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%~約80重量%、例えば、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約20重量%~約40重量%、または約20重量%~約80重量%などの量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、微結晶セルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約27重量%、約28重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約37重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約78重量%、約79重量%、または約80重量%の量で含む。
【0118】
[0144]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、マンニトールを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%~80重量%、例えば、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約20重量%~約40重量%、または約20重量%~約80重量%などの量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、マンニトールを、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、または約15重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約27重量%、約28重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約37重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約78重量%、約79重量%、または約80重量%の量で含む。
【0119】
[0145]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、デンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%~約80重量%、例えば、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約20重量%~約40重量%、または約20重量%~約80重量%などの量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、デンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、または約15重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約27重量%、約28重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約37重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約78重量%、約79重量%、または約80重量%の量で含む。
【0120】
[0146]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、部分アルファ化デンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%~約80重量%、例えば、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%、約20重量%~約40重量%、または約20重量%~約80重量%などの量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、部分アルファ化デンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、または約15重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約27重量%、約28重量%、約30重量%、約31重量%、約32重量%、約33重量%、約34重量%、約35重量%、約37重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約78重量%、約79重量%、または約80重量%の量で含む。
【0121】
[0147]崩壊剤は、医薬調合剤の崩壊を改善するために使用される賦形剤であり、より具体的には、投与後に体内で体液を吸収し、膨張してカプセル剤または錠剤を崩壊し、それにより活性成分の放出を推進するために添加される賦形剤である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるカプセル剤および錠剤中の崩壊剤の量は、カプセル剤または錠剤の崩壊速度および/または溶解速度が所望の範囲内になるように選択される。ある特定の実施形態では、プセル剤および錠剤中の崩壊剤の量は、カプセル剤または錠剤の総重量に基づいて約10重量%以下である。
【0122】
[0148]例示的な崩壊剤の例には、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate)、クレイ、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ(citrus pulp)、寒天、ベントナイト、セルロースおよび木質生成物(wood products)、海綿(natural sponge)、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate))、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム(calcium carboxymethyl cellulose)、ケイ酸アルミウニムマグネシウム(magnesium aluminum silicate)(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、ならびにこれらの混合物が含まれる。一実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、およびこれらの混合物を含む。一実施形態では、崩壊剤はクロスポビドンである。一実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。一実施形態では、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。
【0123】
[0149]ある特定の実施形態では、医薬組成物中の崩壊剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約8重量%、例えば、約0.5重量%~約5重量%または約2重量%~約5重量%などである。一実施形態では、崩壊剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約2重量%~約4重量%である。一実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約3重量%の量で医薬組成物に存在する。一実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約4重量%の量で医薬組成物に存在する。一実施形態では、崩壊剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%の量で医薬組成物に存在する。
【0124】
[0150]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、クロスポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約8重量%、例えば、約0.5重量%~約5重量%または約2重量%~約5重量%などの量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約2重量%~約4重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約4重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%の量で含む。
【0125】
[0151]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、デンプングリコール酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約8重量%、例えば、約0.5重量%~約5重量%または約2重量%~約5重量%などの量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、デンプングリコール酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約2重量%~約4重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、デンプングリコール酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、デンプングリコール酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約4重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、デンプングリコール酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%の量で含む。
【0126】
[0152]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、クロスカルメロースナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約8重量%、例えば、約0.5重量%~約5重量%または約2重量%~約5重量%などの量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスカルメロースナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約2重量%~約4重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスカルメロースナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスカルメロースナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約4重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、クロスカルメロースナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約5重量%の量で含む。
【0127】
[0153]結合剤は、固体経口剤形の製造性に必要な凝集性を付与する賦形剤と分類される。本明細書で提供される錠剤またはカプセル剤中の結合剤の量は、例えば、結合剤の種類(分子量、溶解度および粘度などの特性)、他の賦形剤の種類および量、複合体の種類および量、ならびにその剤形および製剤化(造粒方法および錠剤化方法)に基づいて変わる。
【0128】
[0154]例示的な結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(hypromellose acetate succinate)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ポビドン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、コメデンプン、およびゼラチン、ならびにこれらの混合物が含まれる。一実施形態では、結合剤は、ヒプロメロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル(PVPVA)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、およびこれらの混合物を含む。一実施態様では、結合剤はヒプロメロースを含む。一実施態様では、結合剤はポビドン(PVPK-30)を含む、一実施態様では、結合剤はメチルセルロースを含む。一実施態様では、結合剤はヒドロキシプロピルセルロースを含む。一実施態様では、結合剤はポリビニルピロリドン/酢酸ビニル(PVPVA)を含む。一実施態様では、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を含む。
【0129】
[0155]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、結合剤を、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、結合剤を、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、結合剤を、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0130】
[0156]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒプロメロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒプロメロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒプロメロースを、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0131】
[0157]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ポビドンを、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0132】
[0158]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、メチルセルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、メチルセルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、メチルセルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0133】
[0159]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒドロキシプロピルセルロースを、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0134】
[0160]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル(PVPVA)を、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、PVPVAを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、PVPVAを、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0135】
[0161]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)を、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約10重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、HPMCASを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約5重量%、約2重量%~約8重量%または約2重量%~約5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、HPMCASを、医薬組成物の総重量に基づいて、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%の量で含む。
【0136】
[0162]一部の実施形態では、医薬組成物は流動促進剤も含み、これは粉末の流動性を増加させるために固体経口剤形に使用される賦形剤である。例示的な流動促進剤には、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸三カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、タルク、デンプンおよびこれらの混合物が含まれる。一部の実施形態において、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素、デンプンおよびタルクである。一実施形態において、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素である。一実施形態において、流動促進剤はデンプンである。一実施形態において、流動促進剤はタルクである。
【0137】
[0163]ある特定の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約2重量%の量で存在する。ある特定の実施形態では、流動促進剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%または約0.5重量%~約1.0重量%である。一実施形態では、流動促進剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%または約1.5重量%である。
【0138】
[0164]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、コロイド状二酸化ケイ素を、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%、または約0.5重量%~約1.0重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、コロイド状二酸化ケイ素を、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、または約1.5重量%の量で含む。
【0139】
[0165]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、デンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%または約0.5重量%~約1.0重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、デンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、または約1.5重量%の量で含む。
【0140】
[0166]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、タルクを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%、または約0.5重量%~約1.0重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、タルクを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、または約1.5重量%の量で粒内賦形剤として含む。
【0141】
[0167]一部の実施形態では、医薬組成物は滑沢剤も含み、これは、粒子間の摩擦、ならびに錠剤パンチおよびダイへの固着/接着を低減する賦形剤である。例示的な滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム(植物グレード)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸スクロース、ステアリン酸、シリカ、タルク、モルト、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム(sodium stearyl fumarate)、ポリビニルアルコール、ラウリル硫酸マグネシウム、およびこれらの混合物が含まれる。ある特定の実施形態では、滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、ステアリン酸およびベヘン酸グリセリルである。一実施形態では、滑沢剤はフマル酸ステアリルナトリウムである。一実施形態では、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、滑沢剤はタルクである。一実施形態では、滑沢剤はシリカである。一実施形態では、滑沢剤はステアリン酸である。一実施形態では、滑沢剤はベヘン酸グリセリルである。
【0142】
[0168]ある特定の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%の量で存在する。ある特定の実施形態では、滑沢剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%である。ある特定の実施形態では、滑沢剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%である。
【0143】
[0169]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、フマル酸ステアリルナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、フマル酸ステアリルナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0144】
[0170]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ステアリン酸マグネシウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ステアリン酸マグネシウムを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0145】
[0171]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、タルクを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、タルクを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0146】
[0172]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、シリカを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、シリカを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0147】
[0173]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ステアリン酸を、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ステアリン酸を、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0148】
[0174]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ベヘン酸グリセリルを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約3重量%、約0.5重量%~約2重量%または約0.75重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ベヘン酸グリセリルを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0149】
[0175]界面活性剤または湿潤剤は、活性剤の湿潤特性を改善し、可溶化を助ける賦形剤である。例示的な界面活性剤および湿潤剤には、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)、ドキュセートナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えば、Tween 20およびTween 80)、ポロキサマー(例えば、Poloxamer 335およびPoloxamer 407)、グリセリルモノオレエート、Span 65、Span 25、Capryol 90、プルロニック(登録商標)コポリマー(例えば、Pluronic F108、Pluronic P-123)、ならびにこれらの混合物が含まれる。一部の実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ポロキサマー、プルロニックコポリマー、およびポリソルベートである。一実施形態では、界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。一実施形態では、界面活性剤はポロキサマーである。一実施形態では、界面活性剤はプルロニックコポリマーである。一実施形態では、界面活性剤はポリソルベートである。
【0150】
[0176]ある特定の実施形態では、界面活性剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約3重量%の量で存在する。一実施形態では、界面活性剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約1.5重量%または約1重量%~約2重量%である。一部の実施形態では、界面活性剤は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、または約2重量%の量で存在する。
【0151】
[0177]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ラウリル硫酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、ラウリル硫酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約1.5重量%または約1重量%~約2重量%の量で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、ラウリル硫酸ナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、または約2重量%の量で含む。
【0152】
[0178]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ポロキサマーを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、ポロキサマーを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約1.5重量%または約1重量%~約2重量%の量で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、ポロキサマーを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、または約2重量%の量で含む。
【0153】
[0179]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、プルロニックコポリマーを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、プルロニックコポリマーを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約1.5重量%または約1重量%~約2重量%の量で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、プルロニックコポリマーを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、または約2重量%の量で含む。
【0154】
[0180]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、ポリソルベートを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約3重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、ポリソルベートを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%~約1.5重量%または約1重量%~約2重量%の量で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、ポリソルベートを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、または約2重量%の量で含む。
【0155】
[0181]本明細書で提供される医薬組成物は、上述された賦形剤以外に、1つまたは複数の追加の薬学的に許容される粒内賦形剤を含有することもできる。そのような追加の賦形剤の例には、溶解性向上剤、安定剤、pH調整剤、コーティング剤および顔料が含まれるが、これらに限定されない。
【0156】
[0182]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、錠剤の形態であり、例えばポリビニルアルコールなどのコーティング剤を含むことができる。
【0157】
[0183]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、錠剤の形態であり、例えば二酸化チタンなどの顔料を含むことができる。
【0158】
2.粒外賦形剤
[0184]ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、流動促進剤および滑沢剤から選択される1つまたは複数の粒外賦形剤を含む。
【0159】
[0185]ある特定の実施形態では、粒外賦形剤に使用される流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、デンプンおよびタルクである。一実施形態において、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素である。一実施形態において、流動促進剤はデンプンである。一実施形態において、流動促進剤はタルクである。
【0160】
[0186]一部の実施形態では、流動促進剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約2重量%の量で粒外賦形剤中に存在する。ある特定の実施形態では、粒外賦形剤中の流動促進剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%または約0.5重量%~約1.0重量%である。一実施形態では、粒外賦形剤中の流動促進剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、または約1重量%である。
【0161】
[0187]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のコロイド状二酸化ケイ素を、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%、または約0.5重量%~約1.0重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のコロイド状二酸化ケイ素を、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、または約1重量%の量で含む。
【0162】
[0188]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のデンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%または約0.5重量%~約1.0重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のデンプンを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、または約1重量%の量で含む。
【0163】
[0189]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のタルクを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.25重量%~約1.5重量%、または約0.5重量%~約1.0重量%の量で含む。一実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のタルクを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、または約1重量%の量で含む。
【0164】
[0190]ある特定の実施形態では、粒外賦形剤に使用される滑沢剤は、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、ステアリン酸およびベヘン酸グリセリルである。一実施形態では、滑沢剤はフマル酸ステアリルナトリウムである。一実施形態では、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、滑沢剤はタルクである。一実施形態では、滑沢剤はシリカである。一実施形態では、滑沢剤はステアリン酸である。一実施形態では、滑沢剤はベヘン酸グリセリルである。
【0165】
[0191]ある特定の実施形態では、滑沢剤は、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で粒外賦形剤中に存在する。ある特定の実施形態では、粒外賦形剤中の滑沢剤の量は、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、または約1.5重量%である。
【0166】
[0192]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のフマル酸ステアリルナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のフマル酸ステアリルナトリウムを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、または約1.5重量%の量で含む。
【0167】
[0193]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のステアリン酸マグネシウムを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のステアリン酸マグネシウムを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0168】
[0194]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のタルクを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のタルクを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0169】
[0195]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のシリカを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のシリカを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0170】
[0196]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のステアリン酸を、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のステアリン酸を、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0171】
[0197]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のベヘン酸グリセリルを、医薬組成物の総重量に基づいて約0.25重量%~約1.5重量%の量で含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒外賦形剤中のベヘン酸グリセリルを、医薬組成物の総重量に基づいて、約0.5重量%、約0.75重量%、約1重量%、約1.25重量%、約1.5重量%、約1.75重量%、または約2重量%の量で含む。
【0172】
[0198]本明細書で提供される医薬組成物は、上記に記述された賦形剤以外の、薬学的に許容され、賦形剤として使用される様々な粒外賦形剤を含有することができる。他の賦形剤の例には、希釈剤、崩壊剤、着色剤、コーティング剤および香味剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0173】
3.医薬組成物
[0199]ある特定の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の約10%w/w~約20%w/wの間を構成し、希釈剤は、医薬組成物の約76.5%w/w~約83%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約3%w/w~約5%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約2.0%w/wの間を構成し、合計で組成物の100重量%になる。一部の実施態様では、化合物1の薬学的に許容される塩はトリス塩である。
【0174】
[0200]一部の実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の約48%w/w~約60%w/wの間を構成し、希釈剤は、医薬組成物の約37.5%w/w~約44%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w~約6%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約2.0%w/wの間を構成し、合計で組成物の100重量%になる。一部の実施態様では、化合物1の薬学的に許容される塩はトリス塩である。
【0175】
[0201]一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の約36%w/w~約54%w/wの間を構成し、希釈剤は、医薬組成物の約40.5%w/w~約45%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w~約4%w/wの間を構成し、結合剤は、医薬組成物の約2%w/w~約8%w/wの間を構成し、界面活性剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約3%w/wの間を構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約2.0%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約2.0%w/wの間を構成し、合計で組成物の100重量%になる。一部の実施態様では、化合物1の薬学的に許容される塩はトリス塩である。
【0176】
[0202]一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の約42%w/w~約63%w/wの間を構成し、希釈剤は、医薬組成物の約32.5%w/w~約38%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w~約4%w/wの間を構成し、結合剤は、医薬組成物の約2%w/w~約8%w/wの間を構成し、界面活性剤は、医薬組成物の約0%w/w~約2%w/wの間を構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約0%w/w~約3%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約3.0%w/wの間を構成し、合計で組成物の100重量%になる。一部の実施態様では、化合物1の薬学的に許容される塩はトリス塩である。
【0177】
[0203]一部の実施態様では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、医薬組成物の約47%w/w~約70%w/wの間を構成し、希釈剤は、医薬組成物の約26.5%w/w~約32%w/wの間を構成し、崩壊剤は、医薬組成物の約2%w/w~約4%w/wの間を構成し、結合剤は、医薬組成物の約1%w/w~約9%w/wの間を構成し、界面活性剤は、医薬組成物の約0%w/w~約2%w/wの間を構成し、流動促進剤は、医薬組成物の約0%w/w~約3%w/wの間を構成し、滑沢剤は、医薬組成物の約0.5%w/w~約3.0%w/wの間を構成し、合計で組成物の100重量%になる。一部の実施態様では、化合物1の薬学的に許容される塩はトリス塩である。
【0178】
[0204]ある特定の実施形態では、医薬組成物は、粒内部分および粒外部分を含む。一部の実施形態では、本出願の医薬組成物の粒内部分は、化合物1またはその薬学的に許容される塩、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動促進剤および滑沢剤を含む。一部の実施形態では、本出願の医薬組成物の粒外部分は、追加量の流動促進剤および滑沢剤を含む。
【0179】
[0205]一部の実施形態では、本出願の医薬組成物の粒内部分は、化合物1またはその薬学的に許容される塩、希釈剤、崩壊剤、結合剤および滑沢剤を含む。一部の実施形態では、本出願の医薬組成物の粒外部分は、追加量の滑沢剤を含む。
【0180】
[0206]一部の実施形態では、本出願の医薬組成物の粒内部分は、化合物1またはその薬学的に許容される塩、希釈剤、崩壊剤および滑沢剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物に粒外部分は存在しない。
【0181】
[0207]一部の実施態様では、本出願の医薬組成物の粒内部分は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を医薬組成物の約37%w/w~約50%w/wの量、希釈剤(または1つもしくは複数の希釈剤)を医薬組成物の約41%w/w~約45%w/wの量、崩壊剤を医薬組成物の約2%w/w~約4%w/wの量、結合剤を医薬組成物の約2%w/w~約8%w/wの間の量、界面活性剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約3%w/wの間の量、流動促進剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wの間の量、および滑沢剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wの間の量で含む。
【0182】
[0208]一部の実施態様では、医薬組成物の粒内部分は、化合物1または化合物1のトリス塩を医薬組成物の約42%w/w~約63%w/wの間の量、希釈剤(または1つもしくは複数の希釈剤)を医薬組成物の約32%w/w~約38%w/wの間の量、崩壊剤を医薬組成物の約2%w/w~約4%w/wの間の量、結合剤を医薬組成物の約2%w/w~約8%w/wの間の量、界面活性剤を医薬組成物の約0%w/w~約2%w/wの間の量、流動促進剤を医薬組成物の約0%w/w~約1.5%w/wの間の量、および滑沢剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wの間の量で含む。
【0183】
[0209]一部の実施態様では、医薬組成物の粒内部分は、化合物1または化合物1のトリス塩を医薬組成物の約51%w/w~約68%w/wの間の量、希釈剤(または1つもしくは複数の希釈剤)を医薬組成物の約26%w/w~約32%w/wの間の量、崩壊剤を医薬組成物の約2%w/w~約4%w/wの間の量、結合剤を医薬組成物の約1%w/w~約9%w/wの間の量、界面活性剤を医薬組成物の約0%w/w~約2%w/wの間の量、流動促進剤を医薬組成物の約0%w/w~約1.5%w/wの間の量、滑沢剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約2.0%w/wの間の量で含む。
【0184】
[0210]一部の実施形態では、医薬組成物の粒外部分は、追加量の流動促進剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約1%w/wの量、および追加量の滑沢剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wの量で含む。一部の実施形態では、医薬組成物の粒外部分は、追加量の滑沢剤を医薬組成物の約0.5%w/w~約1.5%w/wの量で含む。
【0185】
4.固体分散体
[00211]マトリックス中の治療的に有効な化合物の固体分散体を含む、医薬組成物は、化学的および物理的特性を改善させることができ、治療的に有効な化合物およびマトリックス材料の均質な溶液または融解を形成し、その後、冷却することにより混合物を凝固するまたは溶媒を除去することにより調製することができる。治療的に有効な化合物のかかる固体分散体は、分散されていない化合物を含む経口組成物と比較して、経口投与される場合、バイオアベイラビリティを高めることがしばしば示される。
【0186】
[00212]本明細書で使用される場合、用語「分散液」とは、第2の物質(連続相またはビヒクル)を通して、別々の単位で、ある物質(分散相)が分布される、分散系を意味する。一般に、分散相は、固体、液体、または気体であり得る。固体分散体の場合、分散相および連続相は、両方とも固体である。
【0187】
[00213]本明細書で使用される場合、用語「無定形固体分散体」とは、一般に、2種以上の構成成分、通常、治療的に有効な化合物およびポリマー(または複数のポリマー)の固体分散体を意味するが、他の構成成分、例えば、界面活性剤または他の医薬賦形剤を含有する可能性があり、治療的に有効な化合物は、無定形相の形態である。一部の実施形態では、無定形固体分散体は、分散相を構成するポリマー(場合によっては、界面活性剤)を含み、治療的に有効な化合物は、連続相を構成する。一部の実施形態では、無定形固体分散体は、連続相を構成するポリマー(場合によっては、界面活性剤)を含み、治療的に有効な化合物は、分散相を構成する。一部の実施形態では、治療的に有効な化合物は、実質的に、無定形である。他の実施形態では、治療的に有効な化合物は、実質的に、結晶性である。
【0188】
[00214]一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩、および1種もしくは複数のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩、1種もしくは複数のポリマー、および1種もしくは複数の界面活性剤を含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩、および1種のポリマーを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩、1種のポリマー、および界面活性剤を含む。ある特定の実施形態では、化合物1の遊離形態は、固体分散体に用いられる。他の実施形態では、化合物1の薬学的に許容される塩は、固体分散体に用いられる。ある特定の実施形態では、固体分散体に用いられる化合物1の薬学的に許容される塩は、化合物1のトリス塩である。他の実施形態では、固体分散体に用いられる化合物1の薬学的に許容される塩は、化合物1のナトリウム塩である。
【0189】
[00215]一部の実施形態では、ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、およびポリビニルピロリドン(PVP)、ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、ポリマーは、セルロース系ポリマー、例えば、HPMC、HPMCAS、HPC、およびエチルセルロースなどである。他の実施形態では、ポリマーは、HPMCASである。
【0190】
[00216]一部の実施形態では、ポリマーは、約10%w/w~90%w/wの間(例えば、約20%w/w~約80%w/wの間;30%w/w~約70%w/wの間;約40%w/w~約60%w/wの間;または約15%w/w~約35%w/wの間)の量で固体分散体中に存在する。一部の実施形態では、ポリマーは(または1種もしくは複数のポリマーは)、約10%w/w~約80%w/w、例えば、約30%w/w~約75%w/w、または約40%w/w~約65%w/w、または約45%w/w~約55%w/w、例えば、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、または約54%w/wの量で固体分散体中に存在する。一部の実施形態では、ポリマーは(または1種もしくは複数のポリマーは)、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で固体分散体中に存在する。
【0191】
[00217]一部の実施形態では、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩は、約10%w/w~90%w/w(例えば、約20%w/w~約80%w/wの間;約30%w/w~約70%w/wの間;約40%w/w~約60%w/wの間;または約15%w/w~約35%w/wの間)の量で固体分散体中に存在する。一部の実施形態では、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩は、約10%w/w~約80%w/w、例えば、約30%w/w~約75%w/w、または約40%w/w~約65%w/w、または約45%w/w~約55%w/w、例えば、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、または約60%w/wの量で固体分散体中に存在する。一部の実施形態では、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩は、約48%w/w、約48.5%w/w、約49%w/w、約49.5%w/w、約50%w/w、約50.5%w/w、約51%w/w、約51.5%w/w、約52%w/w、または約52.5%w/wの量で無定形固体分散体中に存在する。
【0192】
[00218]一部の実施形態では、固体分散体は、界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)、ドクサートナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えば、ツイーン20およびツイーン80など)、ポロクサマー(例えば、ポロクサマー335およびポロクサマー407など)、モノオレイン酸グリセリル、Span65、Span25、Capryol90、プルロニックコポリマー(例えば、プルロニックF108、プルロニックP-123)、およびそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、界面活性剤は、SLSである。他の実施形態では、界面活性剤は、ビタミンEまたはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS)である。
【0193】
[00219]一部の実施形態では、界面活性剤は、約0.1%w/w~約10%w/w、例えば、約0.5%w/w~約2%w/w、または約1%w/w~約3%w/w、約1%w/w~約4%w/w、または約1%w/w~約5%w/wの量で固体分散体中に存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、約0.9%w/w、または約1%w/wの量で固体分散体中に存在する。一部の実施形態では、界面活性剤は、約0.5%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、約4%w/w、約4.5%w/w、または約5%w/wの量で固体分散体中に存在する。
【0194】
[00220]一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩、およびHPMCASを含む。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩およびHPMCASから本質的になる。一部の実施形態では、固体分散体は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩およびHPMCASからなる。一部の実施形態では、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩およびHPMCASは、約3:1~約1:3の間、または約2:1~約1:2の間、または約1.5:1~約1:1.5の間の重量比で存在する。一部の実施形態では、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩およびHPMCASは、約1:1の重量比で存在する。
【0195】
[00221]別の態様では、本開示は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩の固体分散体を調製する方法に関する。
【0196】
[00222]一部の実施形態では、本方法は、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩、ポリマー、および適切な溶媒もしくは溶媒混合物を含む混合物を噴霧乾燥するステップを含む。
【0197】
[00223]一部の実施形態では、溶媒は、揮発性溶媒(例えば、塩化メチレン、アセトン、メタノール、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、またはその混合物)である。一部の実施形態では、溶媒は、アセトンである。
【0198】
[00224]一部の実施形態では、化合物1、または化合物1の薬学的に許容される塩、または化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩は、固体分散体を調製するために、噴霧乾燥プロセスで出発材料として用いることができる。一部の実施形態では、本明細書に記載される結晶形態の1つは、噴霧乾燥プロセスで出発材料として用いることができる。
【0199】
[00225]噴霧乾燥は、例えば、固体および溶媒または溶媒混合物を含有する、液体溶液の微粒化、ならびに溶媒または溶媒混合物の除去を伴う。微粒化は、例えば、二流体もしくは圧力もしくはエレクトロソニックノズルを通してまたは回転ディスクにおいて行うことができる。溶媒または溶媒混合物の除去は、その後の乾燥ステップ、例えば、棚型乾燥、流動床乾燥(例えば、室温くらいから約100℃まで)、真空乾燥、マイクロ波乾燥、回転式ドラム乾燥または両円錐真空乾燥(例えば、室温くらいから約200℃まで)を必要とし得る。噴霧乾燥するための技法および方法は、Perry’s Chemical Engineering Handbook、第6版、R.H.Perry、D.W.Green & J.O.Maloney編、McGraw-Hill Book Co.(1984年);およびMarshall「Atomization and Spray-Drying」50巻、Chem.Eng.Prog.Monogr.Series 2(1954年)において見出すことができる。
【0200】
5.例示的なカプセル配合物
[00226]経口使用用の配合物は、硬ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルとして提示することもでき、その有効成分は、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンおよびそれらの混合物と混合される、または軟ゼラチンカプセルとして提示することもでき、その有効成分は、水または油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合される。
【0201】
[00227]一部の実施形態では、本明細書で提供されるカプセル組成物は、カプセルの総重量に対して化合物1のトリス塩が約10%w/w~約20%w/wを占め、賦形剤は、カプセルの総重量に対してすべて、希釈剤(または1種もしくは複数の希釈剤)がカプセルの約76.5%w/w~約83%w/wの量、崩壊剤が、カプセルの約3%w/w~約5%w/wの量、滑沢剤がカプセルの約0.5%w/w~約2.0%w/wの量を占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0202】
[00228]一部の実施形態では、本明細書で提供されるカプセル組成物は、カプセルの総重量に対して化合物1のトリス塩が約48%w/w~約60%w/wを占め、賦形剤は、希釈剤(または1種もしくは複数の希釈剤)がカプセルの約37.5%w/w~約44%w/wの量、崩壊剤が、カプセルの約2%w/w~約6%w/wの量、および滑沢剤が、カプセルの約0.5%w/w~約2.0%w/wの量を占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0203】
[00229]一部の実施形態では、本明細書で提供されるカプセル組成物は、カプセルの総重量に対して、化合物1のトリス塩が約37%w/w~約50%w/wを占め;カプセルの総重量に対してすべて、粒内賦形剤は、希釈剤が約41%w/w~約45%w/w、崩壊剤が約2%w/w~約4%w/w、結合剤が約2%w/w~約8%w/w、界面活性剤が約0.5%w/w~約3%w/w、流動促進剤が約0.5%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占め;粒外賦形剤は、流動促進剤が約0.5%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0204】
[00230]一部の実施形態では、本明細書で提供されるカプセル組成物は、カプセルの総重量に対して、化合物1のトリス塩が約42%w/w~約63%w/wを占め;カプセルの総重量に対してすべて、粒内賦形剤は、希釈剤が約32%w/w~約38%w/w、崩壊剤が約2%w/w~約4%w/w、結合剤が約2%w/w~約8%w/w、界面活性剤が約0%w/w~約2%w/w、流動促進剤が約0%w/w~約3.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約3.0%w/wを占め;粒外賦形剤は、流動促進剤が約0%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0205】
[00231]一部の実施形態では、本明細書で提供されるカプセル組成物は、カプセルの総重量に対して、化合物1のトリス塩が約51%w/w~約68%w/wを占め;カプセルの総重量に対してすべて、粒内賦形剤は、希釈剤が約26%w/w~約32%w/w、崩壊剤が約2%w/w~約4%w/w、結合剤が約1%w/w~約9%w/w、界面活性剤が約0%w/w~約2%w/w、流動促進剤が約0%w/w~約3.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約3.0%w/wを占め;粒外賦形剤は、流動促進剤が約0%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0206】
6.例示的な錠剤配合物
[00232]錠剤組成物の場合、錠剤の製造のために用いられる1種もしくは複数の薬学的に許容される賦形剤と混合した、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、用いることができる。かかる賦形剤の例には、それだけには限らないが、希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなど;顆粒化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸など;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシアなど、および潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクが含まれる。錠剤は、コーティングされないこともできる、または胃腸管中で崩壊および吸収を遅延させ、それにより、所望の期間にわたって、持続性の治療的作用を提供するために、公知のコーティング技法によりコーティングすることができる。例えば、時間遅延材料、例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどは、使用することができる。
【0207】
[00233]ある特定の実施形態では、錠剤は、コーティングされた錠剤である。ある特定の実施形態では、コーティングは、フィルムコーティングである。ある特定の実施形態では、コーティング剤は、Opadry IIである。ある特定の実施形態では、コーティング剤は、ポリビニルアルコールを含む。
【0208】
[00234]錠剤を得るための任意の従来の方法を用いることができ、例えば、薬局方、例えば、米国薬局方、および欧州薬局方などに記載されている方法を用いてもよい。
【0209】
[00235]一部の実施形態では、本明細書で提供される錠剤組成物は、錠剤の総重量に対して、化合物1のトリス塩が約10%w/w~約20%w/wを占め、賦形剤は、錠剤の総重量に対してすべて、希釈剤(または1種もしくは複数の希釈剤)が錠剤の約76.5%w/w~約83%w/wの量、崩壊剤が、錠剤の約3%w/w~約5%w/wの量、滑沢剤が錠剤の約0.5%w/w~約2.0%w/wの量を占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0210】
[00236]一部の実施形態では、本明細書で提供される錠剤組成物は、錠剤の総重量に対して、化合物1のトリス塩が約48%w/w~約60%w/wを占め、賦形剤は、希釈剤(または1種もしくは複数の希釈剤)が錠剤の約37.5%w/w~約44%w/wの量、崩壊剤が、錠剤の約2%w/w~約6%w/wの量、および滑沢剤が、錠剤の約0.5%w/w~約2.0%w/wの量を占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0211】
[00237]一部の実施形態では、本明細書で提供される錠剤組成物は、錠剤の総重量に対して、化合物1のトリス塩が約37%w/w~約50%w/wを占め;錠剤の総重量に対してすべて、粒内賦形剤は、希釈剤が約41%w/w~約45%w/w、崩壊剤が約2%w/w~約4%w/w、結合剤が約2%w/w~約8%w/w、界面活性剤が約0.5%w/w~約3%w/w、流動促進剤が約0.5%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占め;粒外賦形剤は、流動促進剤が約0.5%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0212】
[00238]一部の実施形態では、本明細書で提供される錠剤組成物は、錠剤の総重量に対して、化合物1のトリス塩が約42%w/w~約63%w/wを占め;錠剤の総重量に対してすべて、粒内賦形剤は、希釈剤が約32%w/w~約38%w/w、崩壊剤が約2%w/w~約4%w/w、結合剤が約2%w/w~約8%w/w、界面活性剤が約0%w/w~約2%w/w、流動促進剤が約0%w/w~約3.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約3.0%w/wを占め;粒外賦形剤は、流動促進剤が約0%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0213】
[00239]一部の実施形態では、本明細書で提供される錠剤組成物は、錠剤の総重量に対して、化合物1のトリス塩が約51%w/w~約68%w/wを占め;錠剤の総重量に対してすべて、粒内賦形剤は、希釈剤が約26%w/w~約32%w/w、崩壊剤が約2%w/w~約4%w/w、結合剤が約1%w/w~約9%w/w、界面活性剤が約0%w/w~約2%w/w、流動促進剤が約0%w/w~約3.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約3.0%w/wを占め;粒外賦形剤は、流動促進剤が約0%w/w~約2.0%w/w、および滑沢剤が約0.5%w/w~約2.0%w/wを占める。一実施形態では、トリス塩は、トリス塩形態Cを含む。
【0214】
7.他の配合物
[00240]水性懸濁液の場合、本開示の化合物は、安定性のある懸濁液を維持するのに適した賦形剤と混合される。かかる賦形剤の例には、それだけには限らないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムが含まれる。
【0215】
[00241]経口懸濁液は、分散化剤または湿潤剤、例えば、天然起源のリン脂質など、例えば、レシチン、または脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、または長鎖脂肪族アルコールとのエチレンオキシドの縮合物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸に由来する部分エステルとのエチレンオキシドの縮合物およびヘキシトール、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート(polyoxyethylene sorbitol monooleate)、または脂肪酸に由来する部分エステルとのエチレンオキシドの縮合物およびヘキシトール無水物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートを含有することもできる。水性懸濁液は、1種または複数の保存剤、例えば、エチル、またはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル、1種または複数の着色剤、1種または複数の矯味剤、および1種または複数の甘味剤、例えば、スクロースまたはサッカリンなどを含有することもできる。
【0216】
[00242]本開示の化合物を、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油に、または鉱油、例えば、流動パラフィンなどに懸濁することにより油性懸濁液を配合することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、ミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。
【0217】
[00243]甘味剤、例えば、上記に記載のものなど、および矯味剤を加えて、美味な経口剤を提供することができる。これらの組成物は、抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸などを加えることにより保存することができる。
【0218】
[00244]水を加えることによる水性懸濁液の調製に適した分散性散剤および顆粒剤は、分散化剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種もしくは複数の保存剤との混合物として本開示の化合物を提供することにより、製剤化することができる。適当な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに先に述べたものにより例証される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、矯味剤および着色剤はまた、存在することもできる。
【0219】
[00245]本開示の医薬組成物はやはり、水中油型乳剤の形態であり得る。油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱油、例えば、流動パラフィンおよびそれらの混合物であり得る。適当な乳化剤は、天然起源のゴム、例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム、天然起源のリン脂質、例えば、ダイズ、レシチン、およびエステルまたは脂肪酸に由来する部分エステルおよびヘキシトール、無水物、例えば、ソルビタンモノレエート(sorbitan monoleate)、およびエチレンオキシドとの前記部分エステルのコンデンサチュレテジオン(condensaturatedion)生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノレエートであり得る。乳剤はまた、甘味剤および矯味剤を含有してもよい。
【0220】
[00246]シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと共に製剤化することができる。かかる配合物はまた、粘滑薬、保存剤、ならびに矯味剤および着色剤を含有することもできる。医薬組成物は、無菌の注射液、水性懸濁液または油性懸濁液の形態であり得る。本懸濁液は、上記に挙げられている、1種もしくは複数の適当な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当技術分野で公知の技法に従って製剤化することができる。無菌の注射用製剤はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中で、無菌の注射溶液または懸濁液であり得る。使用することができる許容されるビヒクルおよび溶媒の中でもとりわけ、マンニトール、水、リンゲル液および等張食塩水である。さらに、無菌の、固定油は、溶媒または懸濁化媒として、従来の方法で使用される。こうした目的のために、合成モノ-またはジグリセリドを含めた、任意の無刺激性の固定油を、使用することができる。さらに、脂肪酸、例えば、オレイン酸は、注射液の調製で利用される。
【0221】
[00247]化合物1またはその薬学的に許容される塩はまた、薬物の直腸内投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、常温で固体であるが、直腸温で液体であり、したがって、直腸で融解して、薬物を放出する適当な非刺激性の賦形剤と、薬物を混合することにより調製することができる。かかる材料は、カカオ脂、ミツロウ、およびポリエチレングリコールである。
【0222】
[00248]非経口投与用の組成物は、無菌媒体中で投与される。用いられるビヒクルおよび配合物中の薬物の濃度に応じて、非経口配合物は、溶解された薬物を含有する懸濁液または溶液のどちらかであり得る。アジュバント、例えば、局所麻酔薬、保存剤および緩衝化剤はまた、非経口組成物に加えることができる。
【0223】
[00249]本発明の別の実施形態は、経口または非経口投与に適している化合物1のナトリウム塩を含む、液体配合物である。通常、液体配合物は、水性である。経口投与の場合、ある特定の甘味剤および/または矯味剤および/または着色剤を、加えることができる。
【0224】
[00250]1種または複数の医薬賦形剤と合わせて、単一剤形を生成することができる有効成分の量は、処置される患者および投与の特定のモードに応じて変わる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、(任意のコンホーマー、塩形成剤、水和の水、溶媒和の溶媒などの重量は別として、化合物1の遊離形態の重量に対して)化合物1またはその薬学的に許容される塩が約10mg~約1500mgの間を占める。一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物1または薬学的に許容される塩が約90mg~約240mgの間;約100mg~約240mgの間;約10mg~約500mgの間;または約10mg~約1000mgの間を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、化合物1またはその薬学的に許容される塩を約10mg、約25mg、約50mg、約75mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約275mg、約280mg、約290mg、または約300mg含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、または約1450mg、または約1500mgを含む。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、経口的に許容される剤形、例えば、カプセルなどの形態となり、化合物1のトリス塩約50mg、約75mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約125mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約175mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約225mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約275mg、約280mg、約290mg、または約300mgを含む。
【0225】
処置の方法、医薬の製造のための使用、疾患処置における使用のための塩もしくは結晶形態
[00251]一態様では、本明細書に記載される結晶形態および無定形形態ならびにそれらの医薬組成物は、DHODHの阻害剤(それだけに限らないが)であり、一般に、DHODHの基礎となる状態を処置するために有用である。次の段落に記載される化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩には、上記に記載した実施形態1~25によるトリス塩のうちのいずれかが含まれる。次の段落に記載される化合物1の結晶形態には、上記に記載した実施形態27~59のうちのいずれか1つによる結晶形態のうちのいずれかが含まれる。
【0226】
[00252]一態様では、本開示は、対象においてがんを処置する方法であって、対象に、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法に関する。別の態様では、本開示は、がんを処置するための医薬の製造のための、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の使用に関する。さらに別の態様では、本開示は、がんを処置するための、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物に関する。
【0227】
[00253]一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍を含む。一部の実施形態では、がんは、肺がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、黒色腫、神経膠芽腫、前立腺がん、結腸がん、膵がん、骨がん、頭頚部がん、皮膚がん、皮膚または眼内悪性子宮内膜(intraocular malignant endometrium)、子宮頸部の癌腫、腟の癌腫、外陰部の癌腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道がん、陰茎がん、小児固形腫瘍、腎臓または尿管のがん、腎盂の癌腫、中枢神経系(CNS)の新生物、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumor)、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、環境誘発性がん、およびPTEN変異体がんから選択される。一部の実施形態では、がんは、胆道がんまたはファーター膨大部のがん、非小細胞肺がん、気管支肺胞癌、肝がん、卵巣がん、および上気道消化管のがんから選択される。別の実施形態では、がんは、血液がん(hematological cancer)である。一実施形態では、血液がんは、骨髄腫、リンパ腫および白血病から選択される。一実施形態では、血液がんは、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、B細胞前リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、リンパ球性リンパ腫 膀胱がん、原発性CNSリンパ腫、およびT細胞リンパ腫から選択され;一実施形態では、血液がんは、化学療法抵抗性急性骨髄性白血病、シタラビン抵抗性急性骨髄性白血病、急性単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、びまん性混合細胞型リンパ腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、原発性滲出性リンパ腫、赤白血病、慢性骨髄性白血病、慢性単球性白血病、ダブルヒットびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(double hit diffuse large B cell lymphoma)、およびトリプルヒットびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(triple hit diffuse large B cell lymphoma)から選択される。一実施形態では、血液がんは、血管免疫芽細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫、芽細胞性NK細胞リンパ腫(blastic NK-cell lymphoma)、皮膚T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(mediastinal large B-cell lymphoma)、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(nodal marginal zone B-cell lymphoma)、小リンパ球性リンパ腫、甲状腺リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、および真性一次性赤血球増加症(polycythemia rubra vera)から選択される。
【0228】
[00254]さらなる態様では、本開示は、対象においてジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であるがんを処置する方法であって、対象に、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(または開示されるそれらの結晶形態のうちの1つ)、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法に関する。別の態様では、本開示(the present)は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であるがんを処置するための医薬の製造のための、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の使用に関する。さらに別の態様では、本開示は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であるがんを処置するための、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物に関する。一実施形態では、がんは、上記に記載したがんのリストから選択することができる。
【0229】
[00255]さらなる態様では、本開示は、対象において、ウイルスによって媒介される疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫疾患、または炎症性障害から選択される状態または疾患を処置する方法であって、対象に、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(または開示されるそれらの結晶形態のうちの1つ)、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法に関する。別の態様では、本開示は、ウイルスによって媒介される疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫疾患、または炎症性障害から選択される状態もしくは疾患を処置するための医薬の製造のための、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の使用に関する。さらに別の態様では、本開示は、ウイルスによって媒介される疾患、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬、自己免疫疾患、または炎症性障害から選択される状態もしくは疾患を処置するための、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物に関する。
【0230】
[00256]別の態様では、本開示は、対象においてジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性である腫瘍細胞の増殖および/または転移を阻害する方法であって、対象に、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(または開示されるそれらの結晶形態のうちの1つ)、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法に関する。
【0231】
[00257]別の態様では、本開示は、対象においてジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害する方法であって、腫瘍細胞が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に応答性であり、対象に、化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩(または開示されるそれらの結晶形態のうちの1つ)、化合物1のナトリウム塩、化合物1の結晶形態、またはその医薬組成物の有効量を投与するステップを含む方法に関する。
【0232】
[00258]本発明の別の実施形態は、化合物1またはその薬学的に許容される塩により、がんを伴う対象を処置する方法である。化合物1またはその薬学的に許容される塩は、好ましくは、i)トリス塩(例えば、無定形形態でまたは開示された結晶形態のうちの1つで);ii)化合物1のナトリウム塩;iii)化合物1の開示された結晶形態のうちの1つ;またはiv)化合物1の無定形形態として提供される。処置されているがんは、血液がんであり、血液がんは、骨髄腫、リンパ腫、白血病、例えば、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄増殖性疾患、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、骨髄異形成症候群、アミロイドーシス、および骨髄異形成/骨髄増殖性新生物から選択され;処置されようとする骨髄腫は、多発性骨髄腫、アミロイドーシス、形質細胞腫、意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症、無症候性骨髄腫、症候性骨髄腫およびケーラー病(Kahler’s disease)から選択され;処置されようとするリンパ腫は、未分化大細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、甲状腺リンパ腫、およびワルデンストレームマクログロブリン血症から選択され;処置されようとする慢性骨髄増殖性疾患は、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、および真性一次性赤血球増加症から選択され;処置されようとする白血病は、急性骨髄性白血病(AML)、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、および慢性リンパ芽球性白血病から選択される。
【0233】
[00259]さらに別の態様では、本開示は、対象においてがんを処置する方法であって、対象に化合物1またはその薬学的に許容される塩の有効量を投与するステップを含む方法に関する。一実施形態では、化合物1またはその薬学的に許容される塩は、(本明細書中に開示される化合物1のすべての部分的に結晶性のまたは結晶性のトリス塩形態を含めた)本明細書に記載される化合物1のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)塩、本明細書に記載される化合物1のナトリウム塩、または(本明細書中に開示される遊離酸化合物1のすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)遊離酸化合物1であり、次の段落に記載される投薬レジメンのうちの1つが実施される。一実施形態では、対象は、化合物1の結晶性トリス塩の有効量を、対象に投与することにより処置される。特定の一実施形態では、結晶性トリス塩は、本明細書に記載される結晶性トリス塩形態Cである。別の実施形態では、対象は、遊離酸化合物1の結晶形態の有効量を、対象に投与することにより処置される。
【0234】
[00260]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間のサイクルで週1回投与するステップを含む。
【0235】
[00261]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、各週2~5日間にわたって(療法の1サイクルは、連続4週間の処置と定義される)投与するステップを含む。
【0236】
[00262]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間サイクルで、連続2~4日間にわたって、その後、各週3~5日中断して、投与するステップを含む。
【0237】
[00263]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間サイクルで、連続2日間、その後、各週5日中断して、投与するステップを含む。
【0238】
[00264]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間のサイクルで、連続3日間、その後、各週4日中断して、投与するステップを含む。
【0239】
[00265]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間サイクルで、連続4日間にわたって、その後、各週3日中断して、投与するステップを含む。
【0240】
[00266]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間サイクルで、連続2~4日間、その後、各週3~5日中断して投与するステップを含み、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週増加する。別の実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1回もしくは複数回の28日または4週間サイクルで、連続2~4日間にわたって、その後、各週3~5日中断して投与するステップを含み、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週減少する。
【0241】
[00267]別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、連続2日間、その後、28日または4週サイクルの最初の1週間5日中断して、対象に投与され、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週増加する。別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、連続2日間、その後、28日または4週サイクルの最初の1週間5日中断して、対象に投与され、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週減少する。
【0242】
[00268]別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、連続3日間、その後、28日または4週サイクルの最初の1週間4日中断して、対象に投与され、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週増加する。別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、連続3日間、その後、28日または4週サイクルの最初の1週間4日中断して、対象に投与され、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週減少する。
【0243】
[00269]別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、連続4日間、その後、28日または4週サイクルの最初の1週間3日中断して、対象に投与され、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週増加する。別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、連続4日間、その後、28日または4週サイクルの最初の1週間3日中断して、対象に投与され、処置の連続的な日数は、28日または4週サイクルの数週間のうち少なくとも1週減少する。
【0244】
[00270]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を経口投与するステップを含む。一実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、経口カプセルとして投与される。別の実施形態では、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量は、経口錠剤として投与される。
【0245】
[00271]一実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を1日1回(QD)投与するステップを含む。別の実施形態では、前述の段落に記載されたがん処置方法のための投薬レジメンは、(本明細書に記載される遊離酸化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶形態または結晶形態を含めた)化合物1またはその薬学的に許容される塩(例えば、本明細書中に開示される化合物1の無定形形態およびすべての部分的に結晶性のもしくは結晶性のトリス塩形態を含めた、化合物1のトリス塩、または化合物1のナトリウム塩)の有効量を、1日2回(BID)投与するステップを含む。
【0246】
[00272]一実施形態では、前述の2つの段落に記載される方法において処置されるがんは、本明細書で提供される固形腫瘍および血液がんのリストから選択される。一実施形態では、がんは、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である。特定の一実施形態では、処置される対象は、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫患者の亜集団に属し、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫は、前処置にもかかわらず進行し、そうした患者の場合、追加の有効な(根治または延命)標準療法は、利用できない。換言すれば、処置される対象は、抵抗性もしくは難治性非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫の亜集団に属する。一実施形態では、標準的な根治療法は、大量化学療法および自家造血幹細胞移植(HD-ASCT)である。一実施形態では、対象の非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫は、HD-ASCT後に再発した。換言すれば、処置される対象は、再発非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫(例えば、HD-ASCT-再発)の亜集団に属する。別の実施形態では、対象は、HD-ASCTに適格でない。別の実施形態では、対象は、HD-ASCTを拒絶した。
【0247】
[00273]一実施形態では、本開示によるリンパ腫は、
a)成熟B細胞新生物
b)成熟TおよびNK細胞新生物
c)ホジキンリンパ腫
d)免疫不全関連リンパ増殖性障害である。
【0248】
[00274]本発明は、次の例により例証され、これらは、限定することを意図していない。
例証
[00275]以下の実施例に図示される通り、結晶形および無定形形態は、次の一般的な手順に従って調製される。
実施例1 - 略語、溶液、装置、化合物1の合成
【0249】
[00276]典型的な用いられる略語は、以下に概説する。
【表1】
【0250】
溶液
FaSSGF/SGF(絶食状態によって刺激された胃液)
[00277]50mLメスフラスコに塩化ナトリウム100mgを秤量する。適切な体積の精製水を加え、すべての固体が完全に溶解するまで超音波処理する。目標体積に接近して、十分な精製水を加え、pH1.6に調整する。メスフラスコに、FaSSIF/FeSSIF/FaSSGF粉末3mgを秤量し、粉末が完全に溶解するまで超音波処理する。精製水を用いて目標体積に希釈し、十分に混合する。
【0251】
FaSSIF(絶食状態によって刺激された腸液)
[00278]50mLメスフラスコに、リン酸二水素ナトリウム0.170g、水酸化ナトリウム0.021gおよび塩化ナトリウム0.31gを秤量する。適切な体積の精製水を加え、すべての固体が完全に溶解するまで超音波処理する。目標体積に接近して、十分な精製水を加え、pH6.5に調整する。メスフラスコにFaSSIF/FeSSIF/FaSSGF粉末110mgを秤量し、粉末が完全に溶解するまで超音波処理する。精製水を用いて目標体積に希釈し、十分に混合する。
【0252】
FeSSIF(絶食状態によって刺激された腸液)
[00279]50mLメスフラスコに氷酢酸0.41mL、水酸化ナトリウム0.202gおよび塩化ナトリウム0.594gを秤量する。適切な体積の精製水を加え、すべての固体が完全に溶解するまで超音波処理する。目標体積に接近して、十分な精製水を加え、pH5.0に調整する。メスフラスコにFaSSIF/FeSSIF/FaSSGF粉末560mgを秤量し、粉末が完全に溶解するまで超音波処理する。精製水を用いて目標体積に希釈し、十分に混合する。
【0253】
XRPD
[00280]XRPDデータを、PANalytical X’Pert
3粉末X線回折計を用いて収集した。試料を、ゼロバックグラウンドSiホルダーの中間に広げた。XRPDパラメータを、表2に示す。
【表2】
【0254】
TGAおよびDSC
[00281]TGAデータを、TA Instruments社製のTA Q500/Q5000 TGAを用いて収集し、DSCを、TA Instruments社製のTA Q200/Q2000 DSCを用いて実施した。詳細なパラメータを、表3に示す。
【表3】
【0255】
DVS
[00282]DVSを、SMS(Surface Measurement Systems)社DVS Intrinsicによって測定した。25℃の相対湿度を、LiCl、Mg(NO
3)
2およびKClの潮解点に対して較正した。DVS試験のためのパラメータを、表4に示す。
【表4】
【0256】
HPLC
[00283]DAD検出器を有するAgilent 1260 HPLCを利用し、溶解性分析についての詳細なクロマトグラフィー条件を、表5に示す。
【表5】
【0257】
溶液1H NMR
[00284]溶液1H NMRを、DMSO-d6を用いてBruker 400M NMR分光計で収集した。
【0258】
化合物1の合成
[00285]非結晶性化合物1、すなわち、非結晶性遊離酸の合成は、先に、国際特許出願公開WO2014/128669および米国特許第9,630,932号において述べた。
【0259】
[00286]非結晶性化合物1を合成するための追加の方法を、スキーム1および2に記載する。
【化5】
【0260】
[00287]テトラ-置換芳香族化合物S3を、S1で開始する先の前例の後に合成した。国際特許出願公開WO2012/142513およびChi-Linhら、J.Agricultural & Food Chem.2016年、64巻(18号)3533、補足情報、S7頁を参照のこと。S3を、水性塩基および酢酸エチルの存在下で、クロリド基をメチルアミンによる求核芳香族置換によりアミノ化して、S4を生成した。S4中のニトロ官能基を、(バナジウムを含むもしくは含まない)炭素担持白金を含むまたは炭素担持パラジウムを含む酸(例えば、酢酸など)の存在下で、いずれかの鉄で還元する。いくつかの場合では、炭素担持パラジウムを用いることにより、脱臭素化をもたらす。中間ジアミン(S5)は、スキーム1に示す通り、次のステップに直接用いることができるまたはスキーム2に示す通り、塩(HClまたはH2SO4)として単離することができる。S5は、遊離塩基としてまたは塩として、塩化水素水溶液中の亜硝酸ナトリウムとの反応により、ブロモ-トリアゾールS6に転換される。
【0261】
[00288]並行して、2-メチルボロン酸(S7)を、鈴木カップリング条件下で、4-ヨード-ブロモベンゼン(S8)にカップルさせて、ビフェニルS9を生成した。S9中の臭化物を、低温リチウム-ハロゲン交換およびトリ-イソプロピルボレート(S10)との反応によりボロン酸官能基と置き換えた。
【0262】
[00289]ブロモトリアゾール(S6)およびボロン酸(S10)のトルエン中溶液を、炭酸カリウム水溶液の存在下で、Pd-触媒条件下でカップリングさせて(鈴木カップリング)、S11を生成した。S11中のメチルエステルを、メタノール中の水性水酸化ナトリウムでカルボン酸に加水分解して、化合物1の遊離酸の形態を生成した。
【0263】
実施例2 - 化合物1の無定形固体分散体
[00290]化合物1およびヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル-MG(ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、MGグレード、Shin-Etsu Chemical Co.)(HPMCAS)(50%/50%、w/w)を、秤量し、メタノールに溶解し、Buchi B-290で噴霧乾燥して、無定形化合物1およびヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(HPMCAS)固体分散体を生成した。噴霧乾燥プロセシングパラメータには、乾燥ガスとしての窒素、入り口温度約80℃~95℃、出口温度約37℃~45℃、噴霧溶液濃度約15%w/w/が含まれる。無定形固体分散体を、40℃で12~18時間真空オーブンでさらに乾燥し、次いで、スクリーニングする。無定形固体分散体を、ねじれたナイロンひも付きの二重のポリエチレン袋に包装し、乾燥剤を含有する高密度ポリエチレン(HDPE)容器に入れ、プロセシングの次のステップまで、2~8℃で貯蔵することができる。
【0264】
実施例3 - 化合物1の多形および塩スクリーニング
多形スクリーニング
[00291]合計74回の多形スクリーニング実験を、表6に示す通り、異なる溶液の結晶化および固体遷移方法で行った。単離した固体を、XRPD、TGAおよびDSC(表7を参照のこと)を用いて特徴付けられ、
図2中のパターン比較の結果から、4つの異なる結晶形態が得られることが示された。
【表6】
【表7】
【0265】
遊離酸化合物1の同定される結晶形態の特徴付け
[00292]各同定される形態(形態A/B/C/D)の代表的な試料を、TGAおよびDSCを用いて特徴付けた。加熱実験を行って、異なる形態間の関連性を試験した。
【0266】
遊離酸の形態A
[00293]遊離酸の形態AのXRPDパターンを、
図2Aに示し、ピークのリストを、
図2Bに示す。
図3C中のTGA/DSC曲線によって、200℃までの1.0%の重量減少および326.8℃(開始温度)での急な吸熱前に、212.1℃(ピーク温度)での弱い発熱を示した。加熱処理によって、150℃まで加熱し、周囲条件まで冷却後、遊離酸の形態Aについての形態の変化を示さなかった。形態Aは、220℃まで加熱した後、形態Bに転換した。低TGA重量減少および加熱実験の結果に基づいて、遊離形態タイプAを、無水形態であると仮定した。
【0267】
遊離酸の形態B
[00294]遊離酸の形態Bは、RT/50℃における加熱実験およびスラリーにより得ることができる。遊離酸の形態A出発材料を220℃まで加熱し、次いで、周囲条件まで冷却することにより、遊離酸の形態Bを得、XRPDパターンを、
図3Aに示し、
図3Bに示したピークリストおよび
図3C中のTGA/DSC曲線を、200℃まで2.9%の重量減少および321.9℃(開始温度)での単一の急な吸熱を示した。調製された方法(無水の遊離酸の形態Aからの形質転換)およびニートTGA/DSC曲線を組み合わせて、遊離酸の形態Bは、吸湿性の無水形態であると仮定した。
【0268】
遊離酸の形態C
[00295]遊離酸の形態Cは、抗-溶媒の添加、蒸発、緩徐な冷却およびスラリーなどにより得ることができる。遊離酸の形態Cを、およそ2日間RTで1,4-ジオキサン中で出発材料化合物1をスラリーにすることにより得、XRPDパターンを、
図4Aに示し、対応するピークリストを、
図4Bに示す。
図4C中のTGA/DSC曲線によって、200℃までの3.6%の重量減少および322.5℃(開始温度)での単一の急な吸熱を示した。加熱処理によって、150℃まで加熱後に遊離酸の形態Cについての形態の変化を示さず、これは、300℃まで加熱後に形態Bに転換した。TGA特徴付けを、加熱した遊離酸の形態Cについてさらに行い、TGAの重量減少の低減(200℃まで3.6%~2.3%まで)を観察した。TGA/DSCおよび加熱実験の結果に基づいて、遊離酸の形態Cは、吸湿性の無水形態であると仮定した。
【0269】
遊離酸の形態D
[00296]遊離酸の形態Dは、複数の溶媒系中のスラリーにより得ることができる。遊離酸の形態Dを、およそ7日間RTでEtOAc中で出発材料化合物1をスラリーにすることにより得、XRPDパターンを、
図5Aに示し、対応するピークリストを、
図5Bに示す。
図5C中のTGA/DSC曲線によって、200℃までの1.0%の重量減少および327.4℃(開始温度)での急な吸熱前に、286.7℃(開始温度)での弱い吸熱を示した。加熱処理によって、遊離酸の形態Dが、305℃まで加熱後に、形態Bに転換したことを示した。低TGA重量減少および加熱実験の結果に基づいて、遊離酸の形態Dは、無水形態であると仮定した。
【0270】
熱力学的安定性試験
[00297]化合物1の同定された4つの結晶形態(遊離酸の形態A/B/C/D)の間の熱力学的安定性を調査するおよび比較するために、スラリー競合実験の2つの段階を行い、そのうち、第1の段階は、無水の溶媒系を試験することであり、第2の段階は、異なる水の活性(aw)を有する溶媒系であった。
【0271】
[00298]第1の段階において、各固体形態(遊離酸の形態A/B/C/D)およそ2mgは、最初に物理的に混合し、その後、溶媒0.5mLを加えて、懸濁液を形成した。様々なスラリー化条件で、少量の固体を、XRPD試験のためにおよそ7日後に単離した。XRPD特徴付けにより、遊離酸の形態A/B/Cを、RT、50℃および70℃でスラリーにした後、形態Dに転換し、形態Dは、熱力学的にRTおよび70℃の間で形態A/B/Cよりも安定性のあることが示された。
【0272】
[00299]転換の関連性に対する含水量の任意の影響をさらに探索するために、異なる水の活性および温度を有する6つの条件を、適用した。各固体形態(遊離酸の形態A/B/C/D)およそ2mgを混合し、対応する溶媒系1.0mLに懸濁した。およそ1カ月間スラリーにした後、固体を、XRPD試験のために単離した。XRPD特徴付けにより、遊離酸の形態A/B/Cを、RT、50℃および70℃でスラリーにした後、形態Dに転換し、形態Dは、異なる水の活性(aw:0~1)を有する溶媒混合物中の形態A/B/Cよりも安定性のあることが示された。
【0273】
塩スクリーニング
[00300]溶媒によって媒介される反応結晶化を、塩スクリーニングに適用した。合計55回の塩スクリーニング実験を行い、10個の対イオンおよび5種の異なる溶媒、ならびに5回のブランク実験を含めて行った。ある特定の実験手順を、次の通り記載した。
1.各HPLCバイアルに遊離形態タイプAおよそ15mgおよびモル当量の対イオンを秤量し;
2.対応する溶媒0.5~1.0mLを加えて、懸濁液または溶液を形成し;
3.RT(25±3℃)でおよそ2日間磁力的に(およそ1000rpm)混合物を撹拌し;
4.遠心(10000rpm、2分)により残りの固体を単離し;
5.およそ2時間50℃で乾燥後、XRPDにより固体を特徴付ける。
【0274】
[00301]表8中にまとめて示す通り、12種の潜在的な塩ヒットを、5種のNa塩ヒット(タイプA~E)、3種のCa塩ヒット(タイプA~C)、1種のMg塩ヒット(タイプA)、2種のトリス塩ヒット(形態AおよびB)ならびに1種のベタイン塩ヒット(タイプA)(表8に太字でハイライトされる)を含めて、同定した。同定された塩ヒットの固体の特徴付けを、表9に記載する。
【表8】
【表9】
【0275】
実施例4 - 化合物1のトリス塩形態A、トリス塩形態Bおよびトリス塩形態Cの多形スクリーニングならびに特徴付け
多形スクリーニング
[00302]合計107回の多形スクリーニング実験を、11種の溶液の結晶化または固体遷移方法を用いて、ならびに表10に示す通り化合物1のトリス塩形態および化合物1の遊離酸の形態を用いて行った。合計105回の実験によって、XRPDの特徴付けのために固体を単離した。実施例3において同定されている結晶性遊離酸の形態A/B/C/Dに加えて、新たな形態は、遊離酸について得られなかった。実施例3において同定されている結晶性トリス塩形態A/Bに加えて、新たな結晶形態Cは、トリス塩について得られた。単離した固体を、XRPD、TGAおよびDSC(表9を参照のこと)を用いて特徴付け、
図6中のパターン比較の結果から、3つの異なる結晶形態が得られることが示された。
【表10】
【0276】
トリス塩化合物1の同定される結晶形態の特徴付け
[00303]各同定される形態(形態A/B/C)の代表的な試料を、XRPD、TGAおよびDSCを用いて特徴付けた。さらに加熱実験を行って、異なる形態間の関連性を試験した。
【0277】
トリス塩形態A
[00304]トリス塩形態Aを、RTでおよそ2日間遊離酸の形態Aをアセトン中のトリスでスラリー化することにより得た。XRPDパターンを、
図7Aに示し、対応するピークリストを、
図7Bに示す。
図7C中のTGA/DSC曲線によって、150℃までの2.8%の重量減少および198.6℃(開始温度)での急な吸熱が示された。
図7D中の
1H NMRの結果に基づいて、トリス塩形態Aの化学量論を、1.0:1.1(遊離酸/トリス)であると決定した。
【0278】
トリス塩形態B
[00305]RTでおよそ2日間遊離酸の形態AをEtOH中のトリスでスラリー化することにより、トリス塩形態Bを得た。XRPDパターンを、
図8Aに示し、対応するピークリストを、
図8Bに示す。
図8C中のTGA/DSC曲線によって、190℃までの10.8%の2つのステップの重量減少および201.4℃(開始温度)での急な吸熱前に、125.3℃(開始温度)での重複した吸熱/発熱が示された。トリス塩形態Bを、150℃まで加熱し、その後、周囲条件まで冷却した後、トリス塩形態Aに転換した。
図8D中の
1H NMRの結果に基づいて、トリス塩タイプBの化学量論を、1.0:1.0(遊離酸/トリス)であると決定した。
【0279】
トリス塩形態C
[00306]RTでおよそ2日間、化合物1の遊離酸の形態を、DMSO中のトリスでスラリー化することにより、トリス塩形態Cを得た。得られたスラリーを、100℃まで加熱し、30分間撹拌し、その後、反応は、清澄な溶液になった。次いで、反応溶液を、RTまで冷却し、固体は、RTで形成されなかった。次いで、EtOH 320mLを、ゆっくりと反応溶液に加え、次いで、RTで30分間撹拌した。このステップを繰り返した。第2のEtOHを加え撹拌した後、固体を形成した。形成された固体を含有する反応混合物を、20~25℃で終夜撹拌し、次いで、ろ過した。ろ液ケークを、EtOH 2×320mLで洗浄し、50℃で真空中で乾燥して、白色固体を得た。次に、EtOH 150mLを、白色固体に加え、スラリーを、65℃で4hr機械的に撹拌した。反応溶液を、約1時間放置してRTまで冷却し、RTで3hr撹拌し、次いで、ろ過した。ろ液ケークを、EtOH 2×32mLで洗浄し、真空中で50℃で20hr乾燥して、オフホワイト色または白色粉末29.8gを得た。次に、EtOH 150mLを、白色固体に加え、スラリーを、65℃で4hr機械的に撹拌した。さらなるおよび最終の精製ステップとして、得られたオフホワイト色/白色粉末を、100℃で15分間にわたって、DMSO(45mL)に再溶解した。次いで、溶液を、45℃まで冷却し、次いで、EtOH(500mL)を滴加した。反応混合物は、EtOH 150mLを加えた後、濁り始めた。得られたスラリーを、25~30℃で20h撹拌し、次いで、ろ過した。ろ液ケークを、EtOH 2×100mLで洗浄した。得られたトリス塩を、EtOH 20体積中で70℃で5hr摩砕し、次いで、2hrにわたって25~30℃まで冷却し、同じ温度で3hr撹拌した。本手順を、3回繰り返した後、トリス塩形態C 28gを、オフホワイト色の固体として得た。トリス塩形態CのXRPDパターンを、
図9Aに示し、対応するピークリストを、
図9Bに示す。
図9C中のTGA/DSC曲線によって、150℃まで1.2%の重量減少および193.1℃(開始温度)での急な吸熱(ピークは196.9℃である)が示された。化学量論は、
1H NMR(データは示さない)により1.00:1.02(遊離酸/トリス)であることが確認された。
【0280】
[00307]トリス塩形態Cを得るために用いることができる追加の手順を以下に記載する。化合物1の遊離酸の形態4グラムを、RTでDMSO 10mL中のトリス1.5gでスラリーにした。反応溶液を、約30℃まで冷却し、EtOH 20mLを加えた。トリス塩形態A 10mgを充てんし、5分間撹拌して、濁った溶液を形成した。混合物を、2hr撹拌し、EtOH 60mLで希釈して、スラリーを形成した。スラリーを、28~32℃で終夜撹拌した。固体を、ろ過により収集し、EtOH 2×20mLで洗浄し、乾燥して、オフホワイト色の固体としてトリス塩形態Cを生成した。
【0281】
[00308]化合物1の遊離酸の形態およびトリス1.05eq.を、フラスコ中で、DMSO2.5体積で混合した。混合物を、およそ100℃まで加熱し、0.5~1hr撹拌して、清澄な溶液を形成した。溶液を、60~70℃まで冷却し、EtOHの追加の体積(5~15体積の範囲であり得る)でゆっくりと希釈した。トリス塩形態Cのシーズを加え、その後、2時間にわたって、EtOHの追加の体積(5~15体積の範囲であり得る)をゆっくりと充てんした。混合物を、60~70℃で16~24hr撹拌し、20~30℃まで冷却した。混合物を、20~30℃で2~4hr撹拌した。固体を、ろ過により収集し、EtOHで洗浄し、真空下で40~50℃で8~12hr乾燥して、オフホワイト色の固体としてトリス塩形態Cを生成した。
【0282】
実施例5 - トリス塩形態Aおよびトリス塩形態Cを比較する熱力学的安定性試験
[00309]トリス塩形態AおよびCの間の熱力学的安定性の関連性を、4通りの温度条件(5℃/RT/50℃/75℃)で、溶媒系、DMSO/EtOH(1:8、v/v)およびEtOHに関連した、2つのプロセスで、スラリー競合実験によって調査した。スラリー競合実験の2つの段階を行い、そのうち、第1の段階は、変数として温度を含み、第2の段階は、新たに開封した試薬を用いて、吸収される湿気の効果を最小限にした。典型的な実験手順を、以下に記載する。
【0283】
[00310]結晶性トリス塩形態C約5~10mgを、最初に、対応する溶媒およそ1.0mLに溶解して、対応する温度下でほぼ飽和した溶液を形成した(平衡化方法:磁力的に撹拌する、およそ1000rpm、およそ2hrs)。次いで、各形態(結晶性トリス塩形態AおよびC)およそ15mgを、物理的に混合し、その後、ほぼ飽和した溶液を加えて、懸濁液を形成した。次いで、懸濁液を、対応する温度下で7日間撹拌した(およそ1000rpm)(少量の固体を、第2の段階の実験における2日時点で試料採取した)。得られた固体を、遠心(10000rpm、2分)によって単離し、XRPDにより試験して、その形態を確認した。
【0284】
[00311]トリス塩形態Aは、トリス塩形態Cに転換されることが示され、トリス塩形態Cは、5℃~50℃の間で、熱力学的により安定性のあったことが示された。
【0285】
実施例6 - 遊離酸の形態D、トリス塩形態Aおよびトリス塩形態Cを比較する動力学的な溶解性試験
[00312]トリス塩形態Aおよび遊離酸の形態Dの動力学的な溶解性を、37℃で3種の生物関連性培地(SGF、FaSSIFおよびFeSSIF)で測定した。詳細には、固体およそ30mgを、最初に各培地4.0mLに懸濁し、37℃で振り混ぜる(500rpm)ことによって平衡化した。懸濁液およそ0.8mLを、15/30/60/120分および24hrsの各時点で抽出した。上澄みおよび沈殿物を、遠心(10000rpm、およそ3分)により分離し、その後、濃縮し(HPLC)、上澄みについてpH測定し、対応する固体形態を、XRPDにより特徴付けた。
【0286】
[00313]表11にまとめて示したデータが示す通り、遊離酸の形態Dの溶解性を、FaSSIFおよびFeSSIFにおいて3~8μg/mL、ならびにSGFにおいて<1μg/mLであると測定した。遊離酸の形態Dと比較して、溶解性の強化を、平衡(24時間時点で>100μg/mL)中ですべてのSGF/FaSSIF/FeSSIF培地中のトリス塩形態Aについて観察した。その一方で、pHの変化が、3培地、特に、(24hrsで)7.4まで変化したSGF(pH:1.8)中で観察され、この遊離形態が、水相で酸性度を示したため、これは、溶解性の強化を引き起こし得る。
【表11】
【0287】
[00314]トリス塩形態Cの熱力学的安定性により、さらなる評価を、3種の生物関連性培地(FaSSGF/FaSSIF/FeSSIF)および37℃でH
2Oにおける動力学的な溶解性を含めて、行った。トリス塩形態Cの溶解性はまた、遊離酸の形態の溶解性よりも有意に高く、空腹および摂食状態(FaSSIFおよびFeSSIF)の両方を反映する模擬腸管培地中のトリス塩形態Aと同等であることが見出され、API濃度値の緩やかな下降が、FaSSIF/FeSSIF/H
2Oにおいて検出された(FaSSIF:0.39mg/mL~0.17mg/mL;FeSSIF:0.33mg/mL~0.04mg/mL;H
2O:0.81mg/mL~0.40mg/mL)。
【表12】
【0288】
実施例7 - 遊離酸の形態D、トリス塩形態Aおよびトリス塩形態Cを比較する吸湿性試験
[00315]遊離酸の形態Dの吸湿性を評価するために、化合物1のトリス塩形態Aおよびトリス塩形態C、各試料の動的蒸気吸着(DVS)データを、25℃下で収集した。湿度が、25℃でRH0%~RH80%まで変わる場合、およそ5wt%の水分の取込みを、遊離形態タイプDおよびトリス塩形態Aの両方について観察した。トリス塩形態Cは、吸湿性が低く、水分の取込みのおよそ0.04wt%が、同じ湿度範囲で観察されたに過ぎなかった。固体形態は、XRPDにより確認された通り(データは示さない)、DVS試験後にトリス塩形態Cとして残存した。
【0289】
実施例8 - 遊離酸およびトリス塩を比較する薬物動態試験
[00316]薬物動態(PK)試験の目的は、経口(PO)投与後に無処置のスプラーグドーリーラットにおいて、化合物1の異なる形態の薬物動態を決定することであった。簡潔に言えば、異なる製造バッチ(結晶化度は試験しなかった)から得られたおよび異なる粒度分布および化合物1のトリス塩(結晶化度は試験しなかった)を有する化合物1遊離酸のいくつかのロットを、水中の0.5%(w/v)メチルセルロースおよび0.2%(v/v)ツイーン80で100mg/mLの濃度で製剤化した。食物および水は、すべての動物に自由に入手可能であり、化合物1または化合物のトリス塩形態Cを、100mg/kg(100mL/kg)で経口投与した。全血およそ110μLを、尾静脈出血予防投薬(tail vein bleeding predose)によってならびに投与の0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、12および24時間後に、抗凝固薬K2EDTAを含有する管に収集し、処理して血漿を得、分析までおよそ-70℃で貯蔵した。血漿試料中の医薬有効成分の濃度を、タンデム質量分析(LC-MS/MS)方法を有する未検証の液体クロマトグラフィーを用いて定量化した。個別の血漿濃度データの薬物動態分析を、WinNonlin(登録商標)(Version 6.4;Pharsight Corporation、Mountain View、CA、USA)を用いて行った。薬物動態パラメータを、非コンパートメント血管外モデル方法を用いて推定した。濃度-時間曲線下面積(AUC)を、線形台形法(linear trapezoidal rule)を用いて算出した。PKパラメータの算出の場合、終末期において定量限界(BLQ)以下であったAG-636の濃度を、除外した。LLOQが<80%であった濃度を、BLQと表した。
【0290】
[00317]雄SDラットを用いたPK実験から得られた結果を、以下の表13にまとめて示し、化合物1のトリス塩および遊離塩基両方についてのPKプロフィールを、
図10A~10Bに示す。評価される遊離酸形態の中でもとりわけ、ロットAおよびロットBは、
図10Aに示すことができる通り、最も上昇した曝露の一部を達成した。しかしながら、ロットAおよびロットBは、部分的に結晶性のみであったおよび大量の残りの有機溶媒の存在によって特徴付けられ、したがって、配合物の開発のための使用に適していなかった、化合物1の遊離酸の早期のバッチであった。さらに、ロットAおよびロットBを、大規模合成に適していると見なされない方法により生成した。
【0291】
[00318]そのため、ロットAおよびBと類似の曝露を示すはずである最終形態を同定するために、残りの溶媒のより良い結晶化度および許容されるレベルを有する化合物1の新たな遊離形態を、改善された方法で合成した。化合物1のこの新たな遊離形態を、PK試験において、遊離形態の曝露に対する粒度の縮小の有効性を評価するために、表13にまとめて示される通り、ロットC、ロットDおよびロットEと異なる粒度分布でやはり合成した。残念ながら、結晶化度および純度の強化に関わらず(
図10Bを参照のこと)、ロットC、ロットDおよびロットEのいずれも、先に観察された等価な曝露を示さなかった。
【0292】
[00319]要約して言えばおよび表13を参照すると、化合物1のトリス塩のT
maxおよびC
maxは、最大API濃度が生じるおよび最大API濃度自体の時間をそれぞれ示し、遊離酸において観察される対応するパラメータよりも明らかに優れている。特に、より高い最大API濃度のより速い吸収は、低値のT
maxおよびより高値のC
maxにより示される通り、遊離酸のすべてのバッチと比較して、トリス塩について観察することができる。有意に、ロットBの最良の遊離酸バッチとトリス塩をさらに比較すると、T
maxは、およそ2倍低く、C
maxは、およそ1.5倍高い。in vivo PKデータに基づいて、トリス塩のin vitro溶解性および/または溶解の速度が、有意により高いことが予想される。
【表13】
【0293】
実施例9 - カプセル組成物
[00320]10mg投与量強度カプセル(遊離形態当量)は、乾式造粒方法および直接カプセル化方法を用いて、表Aに記載の通り調製することができる。
【表14】
【0294】
[00321]50、100、および125mgの投与量強度カプセル(遊離形態当量)を、乾式造粒方法および直接カプセル化方法を用いて、表Bに記載の通り調製することができる。
【表15】
【0295】
[00322]100および125mg投与量強度カプセル(遊離形態当量)を、以下に記載される乾式造粒および直接カプセル化方法を用いて、表CおよびDに記載の通り調製することができる。
【表16】
【表17】
【0296】
[00323]化合物1のトリス塩および表CおよびDに示す賦形剤を、ブレンドするために秤量し、ふるいにかけた。化合物1のトリス塩および粒内成分(賦形剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動促進剤、および滑沢剤)を、適当なブレンダー中で混合した。粒内ブレンドを、ローラー転圧し(カプセルE、F、H、I、J、M、およびN)、圧縮した材料を、顆粒剤を生成するためにサイズ分類した。カプセルKおよびLの場合、粒内ブレンドを、顆粒化し、顆粒化したブレンドを、サイズ分類した。
【0297】
[00324]粒外成分(流動促進剤および滑沢剤)を、ブレンドするために秤量し、ふるいにかけた。粒外成分および微粉砕された顆粒剤を、スクリーニングし、次いで、適当なブレンダーに加え、ブレンドした。
【0298】
[00325]次いで、ブレンドした材料を、カプセルを手で充てんすることによりサイズ1カプセルに被包した。カプセルを、周囲条件(15~25℃)で貯蔵した。
【0299】
[00326]多くの実施形態が記載されており、本開示の範囲は、添付した特許請求の範囲により定義されるものであり、例として示されているある特定の実施形態により定義されるものではない。本出願を通して引用される(文献参照、発行された特許、公開された特許出願、および同時係属中の特許出願を含めた)すべての参照の内容は、参照によりその全体を本明細書に明確に組み込む。別段定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者に一般に公知の意味と一致する。
【国際調査報告】