IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 四川科倫博泰生物医薬股▲フン▼有限公司の特許一覧

特表2022-515309置換アリール化合物、その製造方法及び用途
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】置換アリール化合物、その製造方法及び用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20220210BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 239/74 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 213/84 20060101ALI20220210BHJP
   C07D 213/75 20060101ALI20220210BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20220210BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220210BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20220210BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20220210BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220210BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
C07D401/04
C07D401/14 CSP
C07D239/74
C07D401/12
C07D405/14
C07D403/04
C07D413/14
C07D213/84 Z
C07D213/75
A61K31/517
A61K31/5377
A61K31/506
A61K31/53
A61P35/00
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523388
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2019126555
(87)【国際公開番号】W WO2020135210
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811616858.5
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519006104
【氏名又は名称】四川科倫博泰生物医薬股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN KELUN-BIOTECH BIOPHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.666, Xinhua Avenue (Section 2), Hai Xia Industrial Park, Wenjiang District, Chengdu, Sichuan 611138, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 金明
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 家▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲曉▼勇
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 小勇
(72)【発明者】
【氏名】田 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 宏▲梅▼
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲トン▼▲トン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 利春
(72)【発明者】
【氏名】王 晶翼
【テーマコード(参考)】
4C055
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA03
4C055BA06
4C055BA08
4C055BA13
4C055BA39
4C055BA53
4C055BB17
4C055CA01
4C055CA02
4C055CA25
4C055DA01
4C055DA25
4C055DA59
4C055EA01
4C063AA01
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB01
4C063BB09
4C063CC14
4C063CC29
4C063CC31
4C063CC44
4C063CC54
4C063CC75
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD14
4C063DD29
4C063DD31
4C063DD44
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC42
4C086BC46
4C086BC64
4C086BC73
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC42
(57)【要約】
本願は、置換アリール化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、その製造方法及び用途に関する。本発明は、また、前記化合物を含む医薬組成物及びそれらの治療用途に関する。本願の化合物又はその医薬組成物は、アデノシンA2a受容体の活性を抑制し、アデノシンA2a受容体に関連する疾患の治療又は予防、特に腫瘍の治療に用いることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【化1】
(式中、Xは、N又はCRであり、
は、N又はCRであり、
かつXがCRである場合に、XはNではなく、
環Aは、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、C1-6アルキル-アミノ-、ジ(C1-6アルキル)-アミノ-及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
環Aは、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選択され、好ましくは、前記5-10員ヘテロアリール基は、5-10員含窒素ヘテロアリール基であり、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、C1-6アルキル-アミノ-、ジ(C1-6アルキル)-アミノ-及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、かつ環Aは、1-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イルではなく、
とRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、4-12員複素環-C1-6アルキル-又は5-10員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、4-12員複素環-C1-6アルキル-又は5-10員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、或いは、
とRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-12員含窒素複素環基を形成し、好ましくは、前記4-12員含窒素複素環基は、窒素及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、前記4-12員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択され、好ましくは、前記RとRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択され、
前記化合物は、
1-(5,6-ジフェニル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-フェニル尿素、
1-(5-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-6-フェニルピリミジン-2-イル)尿素、
1-(5-(2-クロロ-5-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-6-フェニルピリミジン-2-イル)尿素、
1-(3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メトキシ-5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メトキシ5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(2-ヒドロキシフェニル)-5-(4-メトキシフェニル)ピリミジン-2-イル)尿素という化合物ではない。)
【請求項2】
前記化合物は、1-(6-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-5-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)尿素ではない、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項3】
前記化合物は、式IIa、式IIb又は式IIcで表される構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【化2】
(式中、環A、環A、R、R、R及びRの定義は、請求項1に記載のとおりである。)
【請求項4】
環A、環A、R及びRの定義は、請求項2に記載のとおりであり、
とRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、4-8員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、4-8員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、或いは、
とRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-12員含窒素複素環基(例えば、4-6員含窒素複素環基)を形成し、好ましくは、前記4-12員含窒素複素環基は、窒素及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、前記4-12員含窒素複素環基(例えば、4-6員含窒素複素環基)は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、Rは、フッ素であり、
好ましくは、Rは、水素である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項5】
環Aは、フェニル基及び5-6員ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基及びフリル基から選択され、前記環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基及びシクロペンチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基、フラン-2-イル及びフラン-3-イルから選択され、前記環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基及びシクロペンチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基及びフラン-2-イル基から選択され、環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基、4-フルオロフェニル基、4-エチルフェニル基、4-ニトロフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、5-メチル-フラン-2-イル、3-メチル-フラン-2-イル及び4-メチル-フラン-2-イルから選択され、
好ましくは、環Aは、4-フルオロフェニル基及び5-メチル-フラン-2-イルから選択され、
好ましくは、環Aは、4-フルオロフェニル基である、請求項1~4のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項6】
環Aは、C6-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基、ピリジル基及びキナゾリニル基から選択され、環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、キナゾリン-2-イル、キナゾリン-4-イル、キナゾリン-5-イル、キナゾリン-6-イル、キナゾリン-7-イル及びキナゾリン-8-イルから選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、フェニル基、ピリジン-4-イル及びキナゾリン-6-イルから選択され、環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、環Aは、3-クロロ-5-メチルフェニル基、2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル、2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-ピリジン-4-イル及び4-メチルキナゾリン-6-イルから選択され、好ましくは、環Aは、4-メチルキナゾリン-6-イルであり、
好ましくは、環Aは、2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イルである、請求項1~5のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項7】
とRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピペリジル基、フェニル基、ピリジル基、ピリジン-2-イルメチル基、ピリジン-2-イルエチル基、ピリジン-2-イルプロピル基、メトキシエチル基及び2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基から選択され、
好ましくは、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシエチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基、フェニル基及びピリジン-2-イルメチル基から選択され、
好ましくは、Rは、水素又はメチル基であり、Rは、水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジン-2-イルメチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基又は2-メトキシエチル基である、請求項1~6のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項8】
とRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-7員含窒素複素環基を形成し、前記4-7員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-7員含窒素複素環基を形成し、前記4-7員含窒素複素環基は、窒素及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、前記4-7員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、6員含窒素複素環基を形成し、前記6員含窒素複素環基は、窒素及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、前記6員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペリジル基又はモルホリニル基を形成し、前記ピペリジル基又はモルホリニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、或いは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペラジニル基を形成し、前記ピペラジニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペリジル基、モルホリニル基、4-シアノピペリジル基、4-メトキシピペリジル基又は1,4′-ビピペリジル基を形成し、
好ましくは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、モルホリニル基を形成し、前記モルホリニル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
好ましくは、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、モルホリニル基、2-メチルモルホリニル基又は2,6-ジメチルモルホリニル基を形成する、請求項1~7のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項9】
とRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択され、
好ましくは、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択され、
好ましくは、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択され、
好ましくは、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択され、
好ましくは、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択され、
好ましくは、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択され、好ましくは、Rは、水素原子、塩素原子、シアノ基又はシクロプロピル基であり、
好ましくは、Rは、水素である、請求項1~8のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項10】
化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグであって、前記化合物は、
【化3】
【化4】
【化5】
から選択される、化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグと、任意の1種又は複数種の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又は請求項11の医薬組成物の、アデノシンA2a受容体拮抗薬としての薬物の製造における用途。
【請求項13】
アデノシンA2a受容体の活性を抑制する、請求項1~10のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又は請求項11の医薬組成物。
【請求項14】
請求項1~10のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又は請求項11の医薬組成物の、アデノシンA2a受容体に関連する疾患を予防及び/又は治療するための薬物の製造における用途であって、
好ましくは、前記アデノシンA2a受容体に関連する疾患は、腫瘍であり、
好ましくは、前記腫瘍は、乳癌、卵巣癌、結直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、胃癌、慢性骨髄様白血球過剰症、肝臓癌、リンパ腫、腹膜癌及び軟組織肉腫から選択される、用途。
【請求項15】
アデノシンA2a受容体に関連する疾患を治療及び/又は予防する方法であって、有効量の請求項1~10のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物を、それらを必要とする被験者に投与することを含み、
好ましくは、前記アデノシンA2a受容体に関連する疾患は腫瘍であり、
好ましくは、前記腫瘍は、乳癌、卵巣癌、結直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、胃癌、慢性骨髄様白血球過剰症、肝臓癌、リンパ腫、腹膜癌及び軟組織肉腫を含むが、これらに限定されない、方法。
【請求項16】
アデノシンA2a受容体に関連する疾患を治療及び/又は予防する、請求項1~10のいずれかに記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物であって、
好ましくは、前記アデノシンA2a受容体に関連する疾患は腫瘍であり、
好ましくは、前記腫瘍は、乳癌、卵巣癌、結直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、胃癌、慢性骨髄様白血球過剰症、肝臓癌、リンパ腫、腹膜癌及び軟組織肉腫を含むが、これらに限定されない、用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年12月28日に提出されたCN特許出願第201811616858.5号に基づき、かつ、その優先権を主張するものであり、該CN出願の開示内容は、全体として本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、置換アリール化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、その製造方法及び用途に関する。本発明は、また、前記化合物を含む医薬組成物及びそれらの治療用途に関する。
【背景技術】
【0003】
アデノシンは、体内の炎症の抑制と免疫応答に関連するシグナル分子であり、細胞外アデノシンは、主に細胞内アデノシンの輸送と細胞外アデニル酸の加水分解という2種の由来を有する。アデノシン受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCRs)であり、該ファミリー受容体は、主にA1、A2a、A2b及びA3という4種の受容体を含む。A2a及びA2b受容体は、アデニル酸シクラーゼを活性化するGsタンパク質とカップリングして、細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)の生成を刺激する。
【0004】
アデノシンA2a受容体は、T細胞、NK細胞、マクロファージ、樹状細胞等の免疫系の一部の細胞表面に発現する。腫瘍が生成したアデノシンは、腫瘍組織浸潤免疫細胞の表面のアデノシンA2a受容体と相互作用して、免疫細胞内cAMP量を上昇させ、免疫細胞の腫瘍に対する攻撃能力を抑制して、生体に免疫寛容を生じさせ、さらに腫瘍細胞が生体の免疫監視から逃れることができ、主に、(1)腫瘍細胞を死滅させることができる免疫細胞の活性化と機能発揮を遮断すること、(2)免疫細胞の腫瘍細胞に対する応答を抑制できる制御性T細胞(T-regs)の数を増加させること、という2つの方面で表現する。腫瘍細胞は、がん細胞に進化して形成する過程において、これらのメカニズムを利用して免疫系の監視及び攻撃から逃れて、自己の生存率を向上させる。アデノシンA2a受容体遺伝子がノックアウトされたマウスがCD8+T細胞の抗腫瘍の免疫作用を強くし、腫瘍の増殖を顕著に抑制することができるため、メラノーマ又はリンパ腫細胞を野生型マウスの体内に移植する場合に、アデノシンA2a受容体遺伝子がノックアウトされたマウスの体内に移植する場合よりも成長させやすく、かつアデノシンA2a受容体遺伝子がノックアウトされたマウスは、腫瘍ワクチンに対してより高い応答を有する。
【0005】
アデノシンA2a受容体は、免疫細胞に高いレベルで発現し、アデノシンA2a受容体の活性化は、生体に免疫寛容を生じさせるように促し、腫瘍細胞の「免疫逃避」又は「免疫抑制」の形成を促し、腫瘍の発生及び進行に有利な条件を提供することができる。アデノシンA2a受容体拮抗薬は、免疫細胞の表面のアデノシンA2a受容体を直接標的にし、該受容体の活性化を抑制し、さらに免疫細胞内cAMPの生成を抑制し、アデノシンA2a受容体の活性化によって媒介されたT細胞免疫機能抑制を解消して、腫瘍治療の効果を達成する。したがって、アデノシンA2a受容体拮抗薬は、腫瘍治療薬として医薬業界において良い応用の将来性を有する。
【0006】
Corvus社のCPI-444は、アデノシンA2a受容体に対して拮抗作用を有する化合物であり、適応症が腫瘍であり、その前にCPI-444は中枢神経系疾患を治療する臨床試験に用いられる。WO01/62233には、アミノピリジン化合物がアデノシンA2a受容体に対して拮抗作用を有することが開示されており、パーキンソン病又は老人性認知症の治療剤として用いられてもよいことが開示されている。WO2011/095625A1には、アミノトリアジン化合物がアデノシンA2a受容体に対して拮抗作用を有することが開示されており、運動障害、脳卒中、又はパーキンソン病の治療剤として用いられてもよいことが開示されている。
【0007】
したがって、アデノシンA2a受容体拮抗薬は、医薬として医薬業界において良い応用の将来性を有する。より高い腫瘍治療効果を達成し、市場の需要をよりよく満たすために、腫瘍を治療するための、特に中枢神経系に対する毒性や副作用が低いアデノシンA2a受容体拮抗薬の開発が求められている。
【発明の概要】
【0008】
本願は、式Iで表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグに関し、
【化1】
(式中、
は、N又はCRであり、
は、N又はCRであり、
かつXがCRである場合に、XはNではなく、
環Aは、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、C1-6アルキル-アミノ-、ジ(C1-6アルキル)-アミノ-及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
環Aは、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選択され(好ましくは、前記5-10員ヘテロアリール基は、5-10員含窒素ヘテロアリール基である)、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、C1-6アルキル-アミノ-、ジ(C1-6アルキル)-アミノ-及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、かつ環Aは、1-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-イルではなく、
とRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、4-12員複素環-C1-6アルキル-又は5-10員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、4-12員複素環基、C6-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、4-12員複素環-C1-6アルキル-又は5-10員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、或いは、
とRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-12員含窒素複素環基(好ましくは、前記4-12員含窒素複素環基は、窒素及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み)を形成し、前記4-12員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択され、
前記化合物は、
1-(5,6-ジフェニル-1,2,4-トリアジン-3-イル)-3-フェニル尿素、
1-(5-(2-ブロモ-5-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-6-フェニルピリミジン-2-イル)尿素、
1-(5-(2-クロロ-5-ヒドロキシフェニル)-4-エチル-6-フェニルピリミジン-2-イル)尿素、
1-(3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メトキシ-5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(3-メトキシ5-メチルフェニル)-5-(ピリジン-4-イル)ピリミジン-2-イル)尿素、
1-(4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-(2-ヒドロキシフェニル)-5-(4-メトキシフェニル)ピリミジン-2-イル)尿素という化合物ではない。)
【0009】
ある実施形態では、本願の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択される。
【0010】
ある実施形態では、本願の式Iで表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、前記化合物は、1-(6-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-5-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)尿素ではない。
【0011】
ある実施形態では、本願に記載の化合物は、式IIa、式IIb又は式IIcで表される構造を有し、
【化2】
(式中、環A、環A、R、R、R及びRの定義は、本願に記載のとおりである。)
【0012】
ある実施形態では、本願に記載の化合物は、式IIa、式IIb又は式IIcで表される構造を有し、環A、環A、R及びRの定義は、本願に記載のとおりであり、
とRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、4-8員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、4-8員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換され、或いは、
とRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-12員含窒素複素環基(例えば、4-6員含窒素複素環基)を形成し、前記4-12員含窒素複素環基(例えば、4-6員含窒素複素環基)は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0013】
ある実施形態では、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-12員含窒素複素環基(例えば、4-6員含窒素複素環基)を形成し、前記4-12員含窒素複素環基は、窒素及び酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含み、前記4-12員含窒素複素環基(例えば、4-6員含窒素複素環基)は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-10シクロアルキル基及び4-12員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0014】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基及び5-6員ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0015】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、フラン-2-イル及びフラン-3-イルから選択され、前記環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基及びシクロペンチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0016】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基及びフラン-2-イル基から選択され、環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0017】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、4-フルオロフェニル基、4-エチルフェニル基、4-ニトロフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、5-メチル-フラン-2-イル、3-メチル-フラン-2-イル及び4-メチル-フラン-2-イルから選択される。
【0018】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、4-フルオロフェニル基及び4-エチルフェニル基から選択される。
【0019】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、4-ニトロフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基から選択される。
【0020】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、4-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基及び3-メチルフェニル基から選択される。
【0021】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、5-メチル-フラン-2-イル、3-メチル-フラン-2-イル及び4-メチル-フラン-2-イルから選択される。
【0022】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、4-フルオロフェニル基及び5-メチル-フラン-2-イルから選択される。
【0023】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、4-フルオロフェニル基である。
【0024】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、5-メチル-フラン-2-イルである。
【0025】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、C6-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0026】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、C6-10アリール基及び5-10員含窒素ヘテロアリール基から選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0027】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、ピリジル基及びキナゾリニル基から選択され、環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0028】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、キナゾリン-2-イル、キナゾリン-4-イル、キナゾリン-5-イル、キナゾリン-6-イル、キナゾリン-7-イル及びキナゾリン-8-イルから選択され、前記環Aは、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0029】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、ピリジン-4-イル及びキナゾリン-6-イルから選択され、環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0030】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、ピリジン-4-イル及びキナゾリン-6-イルから選択され、環Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0031】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基、ピリジン-4-イル及びキナゾリン-6-イルから選択され、環Aは、塩素原子、メチル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0032】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、ピリジン-4-イル及びキナゾリン-6-イルから選択され、環Aは、塩素原子及びメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0033】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、フェニル基である。
【0034】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、ピリジン-4-イルである。
【0035】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、キナゾリン-6-イルである。
【0036】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、前記環Aは、フッ素原子及び塩素原子から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0037】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、前記環Aは、臭素原子、シアノ基、ニトロ基及びメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0038】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、前記環Aは、エチル基及びn-プロピル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0039】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、前記環Aは、イソプロピル基及びトリフルオロメチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0040】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、3-クロロ-5-メチルフェニル基、2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル、2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-ピリジン-4-イル及び4-メチルキナゾリン-6-イルから選択される。
【0041】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、4-メチルキナゾリン-6-イルである。
【0042】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イルである。
【0043】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、環Aは、2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-ピリジン-4-イルである。
【0044】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0045】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-から選択され、前記C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、4-7員複素環基、フェニル基、5-6員ヘテロアリール基、4-7員複素環-C1-6アルキル-又は5-6員ヘテロアリール-C1-6アルキル-は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0046】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、C1-6アルキル基、フェニル基及び5-6員ヘテロアリール基から選択され、前記C1-6アルキル基、フェニル基及び5-6員ヘテロアリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0047】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピペリジル基、フェニル基、ピリジル基、ピリジン-2-イルメチル基、ピリジン-2-イルエチル基、ピリジン-2-イルプロピル基、メトキシエチル基及び2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基から選択される。
【0048】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシエチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基、フェニル基及びピリジン-2-イルメチル基から選択される。
【0049】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基、フェニル基及びピリジン-2-イルメチル基から選択される。
【0050】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又は2-メトキシエチル基から選択される。
【0051】
ある実施形態では、Rは、水素又はメチル基であり、Rは、水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジン-2-イルメチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基又は2-メトキシエチル基である。
【0052】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素又はメチル基である。
【0053】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、メチル基、フェニル基、ピリジン-2-イルメチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基又は2-メトキシエチル基である。ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジン-2-イルメチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基又は2-メトキシエチル基である。
【0054】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素又はメチル基であり、Rは、メチル基、ピリジン-2-イルメチル基、2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル基又は2-メトキシエチル基である。ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-7員含窒素複素環基を形成し、前記4-7員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-、C3-6シクロアルキル基及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0055】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-7員含窒素複素環基(例えば、前記4-7員含窒素複素環基は、酸素及び窒素から選択される1つ以上のヘテロ原子を含む)を形成し、前記4-7員含窒素複素環基は、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル-、C1-6アルコキシ-C1-6アルコキシ-及び4-7員複素環基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0056】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペリジル基、モルホリニル基又はピペラジニル基を形成し、前記ピペリジル基、モルホリニル基又はピペラジニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0057】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペリジル基又はモルホリニル基を形成し、前記ピペリジル基又はモルホリニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0058】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペラジニル基を形成し、前記ピペラジニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル及びピペリジン-4-イルから独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0059】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペリジル基、モルホリニル基、4-シアノピペリジル基、4-メトキシピペリジル基又は1,4′-ビピペリジニル基を形成する。
【0060】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、4-メチルピペラジニル基、2-メチルモルホリニル基、2,6-ジメチルモルホリニル基を形成する。
【0061】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、ピペリジル基、4-シアノピペリジル基、4-メトキシピペリジル基を形成する。
【0062】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、1,4′-ビピペリジル基、4-メチルピペラジニル基を形成する。
【0063】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、モルホリニル基を形成し、前記モルホリニル基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基から独立して選択される1つ以上の置換基で任意に置換される。
【0064】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、モルホリニル基、2-メチルモルホリニル基又は2,6-ジメチルモルホリニル基を形成する。
【0065】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、 RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、モルホリニル基を形成する。
【0066】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、2-メチルモルホリニル基を形成する。
【0067】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それらが共通して結合する窒素原子と共に、2,6-メチルモルホリニル基を形成する。
【0068】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択される。
【0069】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキル-アミノ-及びジ(C1-6アルキル)-アミノ-から選択される。
【0070】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択される。
【0071】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、RとRは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0072】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択される。
【0073】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0074】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0075】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子である。
【0076】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、臭素原子、メチル基、エチル基及びn-プロピル基から選択される。
【0077】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基及びエトキシ基から選択される。
【0078】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、プロポキシ基、メチルアミノ基及びエチルアミノ基から選択される。
【0079】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0080】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、フッ素原子である。
【0081】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択される。
【0082】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0083】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基から選択される。
【0084】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0085】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、フッ素原子及び塩素原子から選択される。
【0086】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、臭素原子、メチル基、エチル基及びn-プロピル基から選択される。
【0087】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基及びエトキシ基から選択される。
【0088】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、プロポキシ基、メチルアミノ基及びエチルアミノ基から選択される。
【0089】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基から選択される。
【0090】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子、塩素原子、シアノ基又はシクロプロピル基である。
【0091】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、水素原子である。
【0092】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、Rは、塩素原子、シアノ基又はシクロプロピル基である。
【0093】
ある実施形態では、本願に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグにおいて、前記化合物は、
【化3】
【化4】
【化5】
から選択される。
【0094】
本願に記載の化合物中の原子は、その同位体で置換されてもよい。例えば、12Cは、その同位体13C又は14Cで置換されていてもよく、Hは、H(D、重水素)又はH(T、トリチウム)で置換されてもよい。本願は、式Iで表される化合物と、式Iで表される化合物中の任意の原子がその同位体で置換された後に得られた同位体標識化合物とを含む。
【0095】
また、本願は、以下の合成経路を含む、化合物の製造方法に関する。
【0096】
合成経路1 化合物IIa-Aの製造方法
【0097】
【化6】
式中、HalとHalは、それぞれ独立して、同じ又は異なるハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、Yは、ホウ酸又はホウ酸エステル基であり、好ましくは、-B(OH)又は
【化7】
であり、他の基は、本願に定義されるとおりである。
【0098】
ステップAでは、化合物IIa-1と化合物IN-aを反応させて化合物IIa-Aを得る。
【0099】
化合物IIa-1と化合物IN-aをカップリング反応させて化合物IIa-Aを得る。前記カップリング反応は、好ましくは、金属触媒及び塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記金属触媒は、パラジウム金属触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムであり、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。前記塩基は、無機塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムであり、好ましくは炭酸ナトリウムである。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な有機溶媒中又は有機溶媒と水の混合溶媒中で行われ、前記有機溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、トルエン、又は上記有機溶媒と水の混合溶媒から選択されてよく、例えば、トルエン、メタノール及び水の混合溶媒である。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な保護雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、70~100℃であってよく、好ましくは95℃である適切な温度で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、1~24時間、例えば11時間であってよい適切な時間行われる。
【0100】
合成経路2 化合物IIaの製造方法
【化8】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、Yは、ホウ酸又はホウ酸エステル基であり、好ましくは、-B(OH)又は
【化9】
であり、他の基は、本願で定義されるとおりである。
【0101】
ステップAでは、化合物IIa-Aと化合物IN-bを反応させて化合物IIa-2を得る。
【0102】
化合物IIaと化合物IN-bをカップリング反応させて化合物IIa-2を得る。前記カップリング反応は、好ましくは、金属触媒及び塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記金属触媒は、パラジウム金属触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムであり、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。前記塩基は、無機塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムであり、好ましくは、炭酸ナトリウムである。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な有機溶媒中で行われ、前記有機溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、トルエン、又は上記有機溶媒と水の混合溶媒から選択されてよく、例えば、1,4-ジオキサンと水の混合溶媒である。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な保護雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、70~100℃であってよく、好ましくは95℃である適切な温度で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、1~24時間であってよく、好ましくは12時間である適切な時間行われる。
【0103】
ステップBでは、化合物IIa-2と化合物IN-cを反応させて式IIaの化合物を得る。
【0104】
化合物IIa-2は、トリホスゲンと反応してアミノ基をイソシアネートに変換し、さらにIN-cと反応して式IIaの化合物を得ることができる。前記反応は、好ましくは、適切な有機溶媒及び塩基中で行われる。前記有機溶媒は、直鎖又は環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン又はエーテル等)、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド及びその任意の組み合わせから選択されてよく、好ましくは、テトラヒドロフランである。前記塩基は、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンであり、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。前記反応は、好ましくは、適切な温度で行われる。前記温度は、-40℃~60℃、例えば0~25℃であってよい。前記反応は、好ましくは、適切な時間、例えば0.5~2時間行われる。
【0105】
化合物IIa-2は、溶媒中、塩基の存在下で、まずクロロギ酸フェニルと反応し、さらにIN-cと反応して式IIaの化合物を得ることもできる。使用される塩基は、反応を抑制しないものであればよく、常に、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンから選択され、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エーテル、アセトニトリル等であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。反応温度は、一般的に、0℃~60℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~12時間であり、好ましくは4時間である。
【0106】
合成経路3 化合物IIb-Aの製造方法
【化10】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、他の基は、本願で定義されるとおりである。
【0107】
ステップAでは、化合物IIb-1と化合物IN-dを反応させて化合物IIb-2を得る。
【0108】
化合物IIb-1と化合物IN-dを反応させて化合物IIb-2を得る。該反応は、好ましくは、溶媒がない条件で行われ、該反応は、反応を抑制しない溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン、ベンゼン又はトルエン等中で行われてもよい。反応温度は、一般的に、室温~120℃であり、好ましくは80℃である。反応時間は、一般的に、6~24時間であり、好ましくは12時間である。
【0109】
ステップBでは、化合物IIb-2とIN-eを反応させて化合物IIb-3を得る。
【0110】
化合物IIb-2と化合物IN-eを溶媒中、塩基の存在下で反応させて化合物IIb-3を得る。使用されるグアニジン(IN-e)は、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸又は酢酸と反応して塩を形成することができ、好ましくは、塩酸塩を形成する。使用される塩基は、反応を抑制しないものであればよく、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、又は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドを含み、好ましくは、炭酸カリウムである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料及び塩基をある程度溶解できるものであればよく、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、エタノール等であり、好ましくは、エタノールである。反応温度は、一般的に、室温~120℃であり、好ましくは80℃である。反応時間は、一般的に、12~36時間であり、好ましくは20時間である。
【0111】
ステップCでは、化合物IIb-3とハロゲン化剤を反応させて化合物IIb-Aを得る。
【0112】
化合物IIb-3とハロゲン化剤を溶媒中で反応させて化合物IIb-Aを得る。使用されるハロゲン化剤は、N-ブロモスクシンイミド又は臭素であってよく、好ましくは、N-ブロモスクシンイミドである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等であり、好ましくはN,N-ジメチルホルムアミドである。反応温度は、一般的に、-20℃~室温であり、好ましくは0℃~室温である。反応時間は、一般的に、1~24時間であり、好ましくは12時間である。
【0113】
合成経路4 化合物IIbの製造方法
【化11】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、Yは、ホウ酸又はホウ酸エステル基であり、好ましくは、-B(OH)又は
【化12】
であり、他の基は、上記のように定義されたとおりである。
【0114】
ステップAでは、化合物IIb-Aと化合物IN-bを反応させて化合物IIb-4を得る。
【0115】
化合物IIb-Aと化合物IN-bをカップリング反応させて化合物IIb-4を得る。前記カップリング反応は、好ましくは、金属触媒及び塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記金属触媒は、パラジウム金属触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムであり、好ましくは、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムである。前記塩基は、無機塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムであり、好ましくは、炭酸ナトリウムである。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な有機溶媒中又は有機溶媒と水の混合溶媒中で行われ、前記有機溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、又は上記有機溶媒と水の混合溶媒から選択されてよく、例えば、1,4-ジオキサンと水の混合溶媒である。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な保護雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、70~100℃であってよく、好ましくは100℃である適切な温度で行われる。反応時間は、一般的に、1~8時間であり、好ましくは4時間である。
【0116】
ステップBでは、化合物IIb-4とIN-cを反応させて式IIbの化合物を得る。
【0117】
化合物IIb-4は、トリホスゲンと反応してアミノ基をイソシアネートに変換し、さらにIN-cと反応して式IIbの化合物を得ることができる。前記反応は、好ましくは、適切な有機溶媒及び塩基中で行われる。前記有機溶媒は、直鎖又は環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン又はエーテル等)、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド及びその任意の組み合わせから選択されてよく、好ましくはテトラヒドロフランである。前記塩基は、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンであり、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。前記反応は、好ましくは、適切な温度で行われる。前記温度は、-40℃~60℃、例えば0~25℃であってよい。前記反応は、好ましくは、適切な時間、例えば0.5~2時間行われる。
【0118】
化合物IIb-4は、溶媒中、塩基の存在下で、まずクロロギ酸フェニルと反応し、さらにIN-cと反応して式IIbの化合物を得ることもできる。使用される塩基は、反応を抑制しないものであればよく、常に、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンから選択され、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エーテル、アセトニトリル等であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。反応温度は、一般的に、0℃~60℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~12時間であり、好ましくは4時間である。
【0119】
合成経路5 化合物IIbの他の製造方法
【化13】
式中、Halはmハロゲン、例えばCl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、Yは、ホウ酸又はホウ酸エステル基であり、好ましくは-B(OH)又は
【化14】
であり、他の基は、上記のように定義されたとおりである。
【0120】
ステップAでは、化合物IIb-Aと化合物IN-cを反応させて化合物IIb-5を得る。
【0121】
化合物IIb-Aは、トリホスゲンと反応してアミノ基をイソシアネートに変換し、さらにIN-cと反応して化合物IIb-5を得ることができる。前記反応は、好ましくは、適切な有機溶媒及び塩基中で行われる。前記有機溶媒は、直鎖又は環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン又はエーテル等)、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド及びその任意の組み合わせから選択されてよく、好ましくはテトラヒドロフランである。前記塩基は、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンであり、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。前記反応は、好ましくは、適切な温度で行われる。前記温度は、-40℃~60℃、例えば0~25℃であってよい。前記反応は、好ましくは、適切な時間、例えば0.5~2時間行われる。
【0122】
化合物IIb-Aは、溶媒中、塩基の存在下で、まずクロロギ酸フェニルと反応し、さらにIN-cと反応して化合物IIb-5を得ることもである。使用される塩基は、反応を抑制しないものであればよく、常に、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンから選択され、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エーテル、アセトニトリル等であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。反応温度は、一般的に、0℃~60℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~12時間であり、好ましくは4時間である。
【0123】
ステップBでは、化合物IIb-5と化合物IN-bを反応させて式IIbの化合物を得る。
【0124】
化合物IIb-5と化合物IN-bをカップリング反応させて式IIbの化合物を得る。前記カップリング反応は、好ましくは、金属触媒及び塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記金属触媒は、パラジウム金属触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムであり、好ましくは[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムである。前記塩基は、無機塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムであり、好ましくは、炭酸ナトリウムである。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な有機溶媒中又は有機溶媒と水の混合溶媒中で行われ、前記有機溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、又は上記有機溶媒と水の混合溶媒から選択されてよく、例えば1,4-ジオキサンと水の混合溶媒である。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な保護雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、70~100℃であってよく、好ましくは80℃である適切な温度で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、8~24時間、例えば12時間であってよい適切な時間行われる。
【0125】
合成経路6 化合物IIc-Aの製造方法
【化15】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、他の基は、上記のように定義されたとおりである。
【0126】
ステップAでは、化合物IIb-1と酸化剤を反応させて化合物IIc-1を得る。
【0127】
化合物IIb-1と酸化剤を溶媒中で反応させて化合物IIc-1を得る。使用される酸化剤は、二酸化セレン、過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素等であってよく、好ましくは、二酸化セレンである。該反応は、反応を抑制しない溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン、又は上記有機溶剤と水の混合溶媒中で行われてよく、好ましくは、1,4-ジオキサンと水の混合溶媒で行われる。反応温度は、一般的に、室温~120℃であり、好ましくは110℃である。反応時間は、一般的に、3~14時間であり、好ましくは5時間である。
【0128】
ステップBでは、化合物IIc-1と化合物IN-fを反応させて化合物IIc-2を得る。
【0129】
化合物IIc-1と化合物IN-fを酸の存在下で反応させて化合物IIc-2を得る。使用されるアミノグアニジン(IN-f)は、酸、例えば、塩酸、炭酸、ヨウ化水素酸、硫酸又は酢酸と反応して塩を形成することができ、好ましくは、炭酸水素塩を形成する。使用される酸は、反応を抑制しないものであればよく、塩酸、酢酸、硫酸、トリフルオロ酢酸を含み、好ましくは、酢酸である。該反応は、好ましくは、溶媒がない条件で行われる。しかしながら、該反応は、反応を抑制せずに原料をある程度溶解できる溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、エタノール、テトラヒドロフラン、ベンゼン又はトルエン等中で行われてもよい。反応温度は、一般的に、室温~120℃であり、好ましくは100℃である。反応時間は、一般的に、1~12時間であり、好ましくは6時間である。
【0130】
ステップCでは、化合物IIc-2とハロゲン化剤を反応させて化合物IIc-Aを得る。
【0131】
化合物IIc-2とハロゲン化剤を溶媒中で反応させて化合物IIc-Aを得る。使用されるハロゲン化剤は、N-ブロモスクシンイミド又は臭素であってよく、好ましくは、N-ブロモスクシンイミドである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等であり、好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミドである。反応温度は、一般的に、-20℃~室温であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~8時間であり、好ましくは2時間である。
【0132】
合成経路7 化合物IIc-Aの他の製造方法
【化16】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくはBrであり、他の基は、上記のように定義されたとおりである。
【0133】
ステップAでは、化合物IIc-3と化合物IN-gを反応させて化合物IIc-4を得る。
【0134】
化合物IIc-3と化合物IN-gを酸の存在下で反応させて化合物IIc-4を得る。使用される酸は、反応を抑制しないものであればよく、塩酸、酢酸、硫酸、トリフルオロ酢酸を含み、好ましくはトリフルオロ酢酸である。該反応は、反応を抑制せずに原料をある程度溶解できる溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン中で行われてよく、好ましくは、クロロホルム中で行われる。反応温度は、一般的に、室温~80℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~8時間であり、好ましくは2時間である。
【0135】
ステップBでは、化合物IIc-4と酸化剤を反応させて化合物IIc-Aを得る。
【0136】
化合物IIc-4と酸化剤を溶媒中で反応させて化合物IIc-Aを得る。使用される酸化剤は、K[Fe(CN)]、DDQ、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム等であってよく、好ましくは、K[Fe(CN)]である。該反応は、反応を抑制せずに原料をある程度溶解できる溶媒、例えば、水、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、又は又は上記有機溶剤と水の混合溶媒中で行われてよく、好ましくは、水で行われる。反応温度は、一般的に、室温~120℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、3~14時間であり、好ましくは12時間である。
【0137】
合成経路8 化合物IIcの製造方法
【化17】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、Yは、ホウ酸又はホウ酸エステル基であり、好ましくは-B(OH)又は
【化18】
であり、他の基は、上記のように定義されたとおりである。
【0138】
ステップAでは、化合物IIc-Aと化合物IN-bを反応させて化合物IIc-5を得る。
【0139】
化合物IIc-Aと化合物IN-bをカップリング反応させて化合物IIc-5を得る。前記カップリング反応は、好ましくは、金属触媒及び塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記金属触媒は、パラジウム金属触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムであり、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。前記塩基は、無機塩基、例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムであり、好ましくは、炭酸カリウムである。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な有機溶媒中又は有機溶媒と水の混合溶媒中で行われ、前記有機溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、又は上記有機溶媒と水の混合溶媒から選択されてよく、例えば1,4-ジオキサンと水の混合溶媒である。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な保護雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、70~100℃であってよく、好ましくは、80℃である適切な温度で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、1~24時間、例えば6時間であってよい適切な時間行われる。
【0140】
ステップBでは、化合物IIc-5と化合物IN-cを反応させて式IIcの化合物を得る。
【0141】
化合物IIc-5は、トリホスゲンと反応してアミノ基をイソシアネートに変換し、さらに化合物IN-cと反応して式IIcの化合物を得ることができる。前記反応は、好ましくは、適切な有機溶媒及び塩基中で行われる。前記有機溶媒は、直鎖又は環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン又はエーテル等)、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド及びその任意の組み合わせから選択されてよく、好ましくはテトラヒドロフランである。前記塩基は、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンであり、好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンである。前記反応は、好ましくは、適切な温度で行われる。前記温度は、-40℃~60℃、例えば0~25℃であってよい。前記反応は、好ましくは、適切な時間、例えば0.5~2時間行われる。
【0142】
化合物IIc-5は、溶媒中、塩基の存在下で、まずクロロギ酸フェニルと反応し、さらにIN-cと反応して式(IIc)の化合物を得ることもできる。使用される塩基は、反応を抑制しないものであればよく、常に、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンから選択され、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エーテル、アセトニトリル等であり、好ましくはテトラヒドロフランである。反応温度は、一般的に、0℃~60℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~12時間であり、好ましくは4時間である。
【0143】
合成経路9 化合物IIcの他の製造方法
【化19】
式中、Halは、ハロゲン、例えば、Cl、Br又はIであり、好ましくは、Brであり、Yは、ホウ酸又はホウ酸エステル基であり、好ましくは-B(OH)又は
【化20】
であり、他の基は、上記のように定義されたとおりである。
【0144】
ステップAでは、化合物IIc-Aと化合物IN-cを反応させて化合物IIc-6を得る。
【0145】
化合物IIc-Aは、トリホスゲンと反応してアミノ基をイソシアネートに変換し、さらに化合物IN-cと反応して化合物IIb-6を得ることができる。前記反応は、好ましくは、適切な有機溶媒及び塩基中で行われる。前記有機溶媒は、直鎖又は環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン又はエーテル等)、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド及びその任意の組み合わせから選択されてよく、好ましくはテトラヒドロフランである。前記塩基は、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンであり、好ましくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンである。前記反応は、好ましくは、適切な温度で行われる。前記温度は、-40℃~60℃、例えば0~25℃であってよい。前記反応は、好ましくは、適切な時間、例えば0.5~2時間行われる。
【0146】
化合物IIc-Aは、溶媒中、塩基の存在下で、まずクロロギ酸フェニルと反応し、さらに化合物IN-cと反応して化合物IIb-6を得ることもである。使用される塩基は、反応を抑制しないものであればよく、常に、有機塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンから選択され、好ましくは、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。使用される溶媒は、反応を抑制せず、かつ原料をある程度溶解できるものであればよく、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エーテル、アセトニトリル等であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。反応温度は、一般的に、0℃~60℃であり、好ましくは室温である。反応時間は、一般的に、1~12時間であり、好ましくは4時間である。
【0147】
ステップBでは、化合物IIc-6と化合物IN-bを反応させて式(IIc)の化合物を得る。
【0148】
化合物IIc-6と化合物IN-bをカップリング反応させて式(IIc)の化合物を得る。前記カップリング反応は、好ましくは、金属触媒及び塩基の存在下で行われる。好ましくは、前記金属触媒は、パラジウム金属触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウムであり、好ましくは[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムである。前記塩基は、無機塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムであり、好ましくは、炭酸ナトリウムである。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な有機溶媒中又は有機溶媒と水の混合溶媒中で行われ、前記有機溶媒は、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、又は上記有機溶媒と水の混合溶媒から選択されてよく、例えば1,4-ジオキサンと水の混合溶媒である。好ましくは、前記カップリング反応は、適切な保護雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、70~100℃であってよく、好ましくは80℃である適切な温度で行われる。好ましくは、前記カップリング反応は、8~24時間、例えば12時間であってよい適切な時間行われる。
【0149】
上記各反応ステップの具体的な条件は、本分野において公知であり、本願はこれについて具体的に限定しない。本願の教示に基づいて本分野の技術常識と組み合わせて、当業者であれば、一般式における各置換基を選択し置換して異なる化合物を得ることができ、これらの選択及び置換は、いずれも本願の保護範囲内である。
【0150】
本願は、さらに、本願に記載の式1で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグと、任意の1種又は複数種の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0151】
本願は、さらに、式1で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物の、アデノシンA2a受容体拮抗薬としての薬物の製造における用途に関する。
【0152】
本願は、さらに、式1で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物の、アデノシンA2a受容体に関連する疾患を治療するか又は予防するための薬物の製造における用途に関する。
【0153】
本願は、さらに、有効量の本願の式1で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物を、それらを必要とする被験者に投与することを含む、アデノシンA2a受容体に関連する疾患を治療及び/又は予防する方法に関する。
【0154】
本願は、さらに、アデノシンA2a受容体の活性を抑制する、式1で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物に関する。
【0155】
本願は、さらに、アデノシンA2a受容体に関連する疾患を治療及び/又は予防する、式1で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグ、又はその医薬組成物に関する。
【0156】
一部の実施形態では、前記アデノシンA2a受容体に関連する疾患は、腫瘍である。前記腫瘍は、乳癌、卵巣癌、結直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、消化管間質腫瘍、子宮頸癌、膵臓癌、前立腺癌、胃癌、慢性骨髄様白血球過剰症、肝臓癌、リンパ腫、腹膜癌及び軟組織肉腫を含むが、これらに限定されない。
【0157】
本願において、前記医薬組成物は、生物体への薬物投与を促進し、活性成分の吸収を容易にすることにより、生物活性を発揮することを目的とする。前記担体は、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩等の緩衝物質、グリセリン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質(プロタミン硫酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩等)、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス及び羊毛脂を含むが、これらに限定されない。
【0158】
前記賦形剤は、医薬製剤における主薬以外の付加物を指す。その性質が安定し、主薬と不適合ではなく、副作用が生じず、治療効果に影響を与えず、常温では変形、乾燥割れ、カビ、虫食いが生じにくく、人体に無害で、生理作用がなく、主薬と化学的又は物理的作用がなく、主薬の含有量の測定等に影響を与えない。例えば、錠剤における接着剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤と、漢方薬丸薬における酒、酢、煎じ汁等と、半固形製剤軟膏剤、クリーム剤における基質部分と、液体製剤における防腐剤、酸化防止剤、矯味剤、芳香剤、溶解補助剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整剤、着色剤等とは、いずれも賦形剤と呼ばれてもよい。
【0159】
本願の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグは、胃腸外、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、真皮内、経皮、直腸、頭蓋内、腹膜内、鼻内、筋肉内経路という経路で投与されるか又は吸入剤として投与されてよい。前記医薬組成物は、様々な疾患の治療に少なくとも一定の効果を有する他の試薬と任意に組み合わせて投与されてよい。
【0160】
本願の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグは、投与経路に応じて様々な適切な剤型に調製することができる。
【0161】
本願に記載の医薬組成物又は適切な剤型は、0.01mg~1000mgの本願の化合物を含んでよい。
【0162】
経口投与される場合に、本願の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグは、錠剤、カプセル、水溶液又は水性懸濁液を含むが、これらに限定されない任意の経口投与可能な製剤形態に調製ことができる。
【0163】
皮膚に局所投与される場合に、本願の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグは、活性成分を一種又は複数種の担体に懸濁するか又は溶解させる適当な軟膏、ローション又はクリーム剤の製剤形態に調製することができる。軟膏製剤に使用可能な担体は、ミネラルオイル、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリオキシプロピレン、乳化ろう及び水を含むが、これらに限定されなく、ローション又はクリーム剤に使用される担体は、ミネラルオイル、ソルビタンモノステアレート、ツイーン60、セチルエステルワックス、ヘキサデシレン芳香族アルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水を含むが、これらに限定されない。
【0164】
本願の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、立体異性体、多形体、溶媒和物、N-酸化物、同位体標識化合物、代謝物又はプロドラッグは、さらに、無菌注射用水又は油懸濁液又は無菌注射溶液を含む無菌注射製剤形態で投与されてもよい。使用可能な担体及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液を含む。なお、モノグリセリド又はジグリセリド等の滅菌した不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒体として使用されてもよい。
【0165】
本願の実施形態では、適切なインビトロ又はインビボ測定を行って、本願の医薬組成物の効果及び投与が個体の疾患又は医学疾患状態の治療に適用されるか否かを決定する。これらの測定の例は、以下、非限定的な実施例と具体的な疾患又は医学的治療を組み合わせて説明される。一般的に、予防又は治療効果を達成するのに十分である本願の組成物の有効量は、約0.001mg/キログラム体重/日~約10000mg/キログラム体重/日である。適切な場合に、投与量は、約0.01mg/キログラム体重/日~約1000mg/キログラム体重/日である。投与量の範囲は、毎日、二日又は三日ごとに約0.01~1000mg/kg被験者の体重であってよく、より一般的には0.1~500mg/kg被験者の体重である。例示的な治療プランは、二日ごとに一回、又は週に一回、又は月に一回投与することである。一般的に、前記製剤を複数回投与し、単回の投与量間の間隔は、毎日、毎週、毎月又は毎年であってよい。或いは、前記製剤を徐放製剤の形態で投与してもよく、この場合に、少ない投与頻度を必要とする。投与量及び頻度は、製剤の被験者における半減期によって異なる。予防的処理であるか治療的処理であるかによって異なってもよい。予防的応用において、低い頻度で長期の間隔で低い投与量で投与する。治療的応用において、疾患の進行が遅延されるか又は停止されるまで、好ましくは、個体の疾患症状が部分的又は完全に改善されるまで短い間隔で高い投与量で投与する必要があり、その後、患者に予防プランを与えることができる。
【0166】
以下、本願の用語について説明し、特定の用語については、本願における意味と当業者が一般的に理解する意味とが一致しないならば、本願における意味を基準とし、本願において定義されないならば、当業者が一般的に理解する意味を有する。特に反する記載がない限り、本願において使用される用語は、以下の意味を有する。
【0167】
本願に使用される用語「含む」、「備える」、「有する」、「含有」又は「関する」及び本明細書における他の変形は、包括的(inclusive)又は開放式であり、かつ他の列挙されていない元素又は方法ステップを排除しない。
【0168】
本願に使用される用語「水素」及び前記各基における水素は、軽水素(H)、重水素(D)又はトリチウム(T)を指す。
【0169】
本願に使用される用語「ハロゲン」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を指す。
【0170】
本願に使用される用語「C1-6アルキル基」は、1-6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、例えば、C1-4アルキル基、C1-2アルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基又はCアルキル基を指す。具体的な例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等を含むが、これらに限定されない。
【0171】
本願に使用される用語「C1-6アルコキシ基」は、酸素原子を介して母体分子部分に接続される、上記のように定義されたC1-6アルキル基を指す。C1-6アルコキシ基の代表的な例は、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基等を含むが、これらに限定されない。
【0172】
本願に使用される用語「C1-6ハロゲン化アルキル基」は、ハロゲン、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子で単置換又は多置換された上記のように定義されたC1-6アルキル基を指す。C1-6ハロゲン化アルキル基の代表的な例は、クロロメチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、モノフルオロメチル基等を含むが、これらに限定されない。
【0173】
本願に使用される用語「C1-6アルキル-アミノ-」は、上記のように定義されたC1-6アルキル基で置換されたアミノ基を指す。「C1-6アルキル-アミノ-」の代表的な例は、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等を含むが、これらに限定されない。
【0174】
本願に使用される用語「ジ(C1-6アルキル)-アミノ-」は、上記のように定義されたC1-6アルキル基で二置換されたアミノ基を指す。「ジ(C1-6アルキル)-アミノ-」の代表的な例は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等を含むが、これらに限定されない。
【0175】
本明細書に使用される用語「C3-10シクロアルキル基」は、3~10個の炭素原子、例えば、炭素数3~8個、5~8個、3~6個又は5~6個の炭素原子を有し、かつ単環又は二環又は複数の縮合環(縮合及び橋かけ環系を含む)を有する飽和環状炭化水素基を指す。「C3-10シクロアルキル基」の代表的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1-メチルシクロプロピル基、2-メチルシクロペンチル基、2-メチルシクロオクチル基等の単環構造と、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基等のビシクロ構造と、アダマンチル基等の多環構造とを含むが、これらに限定されない。
【0176】
本願に使用される用語「4-12員複素環基」は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子である少なくとも1個(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個)のヘテロ原子を含む、環原子数が4~12個である、飽和するか又は部分的に飽和する、芳香族性を持たない単環又は二環又は複数の縮合環の環状基を指す。前記「4-12員複素環基」は、酸素で置換されるか又は硫黄で置換されてよい。例えば、本願に記載の「4-12員複素環基」は、1-2個のヘテロ原子を含有し、例えば、1個の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含有し、又は1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。前記「4-12員複素環基」は、例えば、「4-10員複素環基」、「4-8員複素環基」、「4-6員複素環基」、「4-7員複素環基」、「5-6員複素環基」、「4-6員飽和複素環基」、「5-6員飽和複素環基」、「4-8員含酸素複素環基」、「4-6員含酸素複素環基」、「5-6員含酸素複素環基」、「4-6員飽和含酸素複素環基」、「4-10員含窒素複素環基」、「4-7員含窒素複素環基」、「4-8員含窒素複素環基」、「5-6員含窒素複素環基」、「5-6員飽和含窒素複素環基」等である。「4-12員複素環基」の具体的な例は、アゼチジニル基、1,4-ジオキサン基、1,3-ジオキサン基、1,3-ジオキソラン基、1,4-ジオキサシクロヘキサジエニル基、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロピロール基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、4,5-ジヒドロイミダゾリル基、ピラゾリジニル基、4,5-ジヒドロピラゾロ基、2,5-ジヒドロチエニル基、テトラヒドロチエニル基、ピペラジニル基、チアジン基、ピペリジル基、モルホリニル基等を含むが、これらに限定されない。
【0177】
本願に使用される用語「C6-10アリール基」は、1個の単環又は2個又は複数の縮合環を有する6-10個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を指す。前記アリール基は、例えば、5~8又は5~6個の炭素原子を有する。「C6-10アリール基」の代表的な例は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を含むが、これらに限定されない。
【0178】
本明細書に使用される「5-10員ヘテロアリール基」は、5~10個の環員を有する複素芳香族環基を指し、単環の複素芳香族環及び多環芳香族環を含み、多環芳香族環のうちの単環芳香族環は、1つ又は複数の他の芳香族環と縮合する。「5-10員ヘテロアリール基」は、O、S又はNから選択される1つ以上のヘテロ原子を有する。本願に使用される用語「ヘテロアリール基」の範囲内には、芳香族環と1つ以上の非芳香族環(炭素環又は複素環)が縮合して形成された基がさらに含まれ、結合基又は点は、芳香族環又は非芳香族環に位置する。前記ヘテロアリール基は、例えば、5-6個の環員を有する。「5-10員のヘテロアリール基」の代表的な例は、フリル基、イミダゾリル基、トリアゾール基、インドリル基、テトラゾール基、ピリジル基、プテリジニル基、ピリミジニル基、トリアゾリル基、キノリル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリン基等を含むが、これらに限定されない。
【0179】
置換基が「…で任意に置換される」と記載すれば、置換基は、(1)置換されなくてもよく、(2)置換されてもよい。置換基の炭素が、列挙された置換基のうちの1つ以上で任意に置換されると記載すれば、炭素上の1つ以上の水素(存在する任意の水素)は、単独で及び/又は一緒に、独立して選択される任意の置換基で置換されてよい。置換基の窒素が、列挙された置換基のうちの1つ以上で任意に置換されると記載すれば、窒素上の1つ以上の水素(存在する任意の水素)は、それぞれ、独立して選択される任意の置換基で置換されてよい。
【0180】
本願に使用される用語「1つ以上」は、合理的な条件下での1個又は1個超、例えば2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個を指す。
【0181】
特に明記しない限り、本明細書において、置換基の結合点は置換基の任意の適切な位置であってよい。
【0182】
本願に使用される用語「立体異性体」は、少なくとも1つの不斉中心により形成される異性体を表す。1つ以上(例えば1つ、2つ、3つ又は4つ)の不斉中心を有する化合物において、それはラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び単独のジアステレオマーを生成することができる。特定の一部の分子は、幾何異性体(シス/トランス)で存在してもよい。同様に、本願の化合物は、速い平衡にある2つ又はそれ以上の構造的に異なる形態の混合物(一般的に、互変異性体と呼ばれる)で存在することができる。互変異性体の代表的な例は、ケト-エノール互変異性体、フェノール-ケト互変異性体、ニトロソ-オキシム互変異性体、イミン-エナミン互変異性体等を含む。本願の範囲は、全てのこのような任意の比率(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%)の異性体又はその混合物をカバーすることを理解されたい。
【0183】
特に明記しない限り、本願の化合物は、立体異性体(シス及びトランス異性体、光学異性体(例えば、R及びSエナンチオマー)、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、アトロプ異性体及びそれらの混合物を含む)で存在することができる。本願の化合物は、1つ以上のタイプの異性体現象を表すことができ、かつその混合物(例えば、ラセミ混合物及びジアステレオマー)で構成される。
【0184】
本願は、本願の化合物の全ての可能な結晶形態又は多形体をカバーし、それは単一の多形体又は1種以上の多形体の任意の比率の混合物であってよい。
【0185】
なお、本願のある化合物は、治療のために遊離の形態で存在してもよく、適切な場合に、その薬学的に許容可能な誘導体の形態で存在してもよいことを理解されたい。本願において、薬学的に許容可能な誘導体は、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、N-酸化物、代謝物又はプロドラッグを含むが、これらに限定されず、それらを必要とする患者に投与した後、本願の化合物、その代謝物又は残留物を直接的又は間接的に提供することができる。したがって、本明細書に「本願の化合物」を言及すると、化合物の上記様々な誘導体の形態をカバーすることも意図する。
【0186】
当業者であれば、窒素が、使用可能な孤立電子対で酸化物に酸化する必要があるため、全ての含窒素複素環がN-酸化物を形成することができるわけではないことが理解され、当業者であれば、N-酸化物を形成できる含窒素複素環を識別することができる。当業者であれば、三級アミンがN-酸化物を形成することができることも認識できる。複素環及び三級アミンのN-酸化物を製造するための合成方法は、当業者にとってよく知られており、過酢酸及びメタクロロ過安息香酸(MCPBA)等のペルオキソ酸、過酸化水素、tert-ブチルヒドロペルオキシド等のアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、ジメチルジオキシラン等のジオキシランを用いて、複素環及び三級アミンを酸化することを含む。これらのN-酸化物を製造するための方法は、文献において広く説明され、総括的に述べられ、例えば、T.L.Gilchrist、Comprehensive Organic Synthesis、vol.7、pp 748-750、A.R.Katritzky及びA.J.Boulton、Eds.、Academic Press、並びに、G.W.H.Cheeseman及びE.S.G.Werstiuk、Advances in Heterocyclic Chemistry、vol.22、pp 390-392、A.R.Katritzky及びA.J.Boulton、Eds.、Academic Pressを参照する。
【0187】
本願の化合物は、溶媒和物(例えば水和物)の形態で存在することができ、本願の化合物は、前記化合物の結晶格子の構造要素である極性溶媒、特に水、メタノール又はエタノール等を含む。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比又は非化学量論比で存在することができる。
【0188】
本願の化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、溶媒和物、例えばアルコール化合物等を形成することができる。
【0189】
本願の化合物は、プロドラッグであっても、体内に代謝変化した後に前記活性成分を放出する形態であってもよい。適切なプロドラッグ誘導体を選択し製造することは、当業者にとって公知である技術である。
【0190】
本願の化合物は、化学的に保護される形態であってもよく、前記保護基は、化合物の活性基(例えばアミノ基)を保護することができ、前記保護基は、体内代謝により活性成分を放出することができる。適切な化学的に保護される形態を選択し製造することは、当業者にとって公知である技術である。
【0191】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能」は、物質又は組成物が製剤を構成する他の成分及び/又はそれにより治療される哺乳動物と化学的及び/又は毒性学的に適合性を有していなければならないことを指す。
【0192】
本願に使用される用語「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能な無機酸又は有機酸、又は無機塩基又は有機塩基で形成された一般的な塩を含む。適切な酸付加塩の例は、過塩素酸、プロピオン酸、コハク酸、ヒドロキシ酢酸、パモイン酸、マロン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ヨウ化水素酸、リンゴ酸、タンニン酸等で形成された塩を含む。適切な塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、カルシウム、亜鉛、N,N′-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン等で形成された塩を含む。
【0193】
適切な塩の総括的な説明については、Stahl及びWermuthの「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley-VCH、2002)を参照する。 本願の化合物の薬学的に許容可能な塩を製造するための方法は当業者にとって知られている。
【0194】
本願に使用される用語「医薬組成物」は、治療有効量の本願の式Iの化合物を含む製品と、本願の式Iの化合物の組み合わせにより直接的又は間接的に生成された任意の製品とを含む。
【0195】
本願に使用される用語「有効量」は、必要な治療効果を実現するのに十分である量、例えば治療される疾患に関連する症状を軽減することを実現する量を指す。
【0196】
本願に使用される用語「予防」は、疾患又は症状が発作する可能性を低下させるか又は該疾患又は症状の発作を遅延させるように予防的に投与することを指す。
【0197】
本願に使用する用語「治療」の目的は、対する疾患状態又は病症を軽減するか又は除去することである。被験者が本明細書に記載の方法に従って治療量の化合物、その光学異性体又はその薬学的に許容可能な塩又はその医薬組成物を受け、該被験者の1種以上の指標及び症状が観察可能及び/又は検出可能な低下又は改善を示されば、被験者は成功して「治療」される。上記疾患状態又は病症の治療は、完全な治療を含むだけでなく、また完全な治療を達成しないが、生物学又は医学に関連する結果を実現することを含むことを理解されたい。
【0198】
本願に使用される用語「被験者」は、哺乳動物被験者(例えば、犬、猫、馬、牛、ヒツジ、ヤギ、サル等)と、男性及び女性の被験者を含み、新生児、乳児、少年、青少年、成人及び高齢者の被験者を含み、白人、黒人、アジア人、アメリカインディアン及びスペイン人を含むが、これらに限定されない様々な人種及び家系を含むヒトの被験者とを指す。
【0199】
本願に記載の化合物について、同じ化合物に対して、名称と構造式とが一致しなければ、化合物の構造式を基準とする。
【0200】
本願の有益な効果は、以下のとおりである。
【0201】
大量の研究により、驚くべきことに、本願の化合物は、アデノシンA1受容体に対する抑制能力が弱く、アデノシンA2a受容体を選択的に抑制することができることが発見される。また、本願の化合物は、血液脳関門の透過性が低く、強い外周選択性を有するとともに、高い薬物動態性質を有する。したがって、本願の化合物は、アデノシンA2a受容体の活性化によって媒介されたT細胞免疫機能を活性化し、高い腫瘍治療活性を有し、かつ中枢神経系のアデノシンA2a受容体に対する抑制による毒性や副作用を回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0202】
以下、実施例を参照して本願の実施形態を詳細に説明するが、当業者であれば、以下の実施例は本願を説明するためのものだけであり、本願の範囲を限定するものと見なされるべきではないことが理解される。実施例において具体的な条件が明記されないと、一般的な条件又はメーカーが提案した条件に従って行う。使用される試薬又は機器について、製造業者が明記されないと、いずれも市販で入手できる一般的な製品である。
【0203】
以下の実施例において、化合物の構造は、核磁気共鳴(H NMR)又はマススペクトル(MS)により決定される。H NMRは、JEOL Eclipse 400型核磁気共鳴測定器で測定され、測定溶媒は、重メタノール(CDOD)、重クロロホルム(CDCl)又はペルジュウテリオジメチルスルホキシド(DMSO-d)であり、内部標準は、テトラメチルシラン(TMS)であり、化学シフト(δ)は、10-6(ppm)の単位で表される。
【0204】
以下の実施例において、MSの測定は、Agilent(ESI)質量分析計(製造業者:Agilent、型番:Agilent 6120B)を採用する。
【0205】
以下の実施例において、分取高速液体クロマトグラフィーを用いて精製する場合に、採用した機器型番は、Agilent 1260であり、クロマトグラフィーカラムは、Waters SunFire Prep C18 OBD(19mm×150mm×5.0μm)である。クロマトグラフィー条件は、以下のとおりである。
【0206】
クロマトグラフィーカラム温度:25℃、
流速:20.0mL/min、
検出波長:214nm、
溶離勾配:(0min:10%(v/v)A、90%(v/v)B、16.0min:90%(v/v)A、10%(v/v)B)、
移動相Aは、アセトニトリルであり、移動相Bは、0.05%(v/v)ギ酸水溶液である。
【0207】
以下の実施例において、薄層クロマトグラフィーシリカゲルプレート(TLC)は、Merck製のアルミニウムプレート(20×20cm)を用い、薄層クロマトグラフィー分離精製に採用されるシリカゲルプレートは、煙台製GF 254(厚さ1mm)である。
【0208】
以下の実施例において、反応の監視は、薄層クロマトグラフィー(TLC)又はLC-MSを採用し、用いられる展開溶媒系は、ジクロロメタンとメタノール系、n-ヘキサンと酢酸エチル系、石油エーテルと酢酸エチル系であり、溶媒の体積比は、化合物の極性により調整されるか又はトリエチルアミン等を加えて調整される。
【0209】
以下の実施例において、マイクロ波反応は、Biotage Initiator+(400W、RT~300℃)マイクロ波反応器を採用する。
【0210】
以下の実施例において、カラムクロマトグラフィーは、一般的に、200~300メッシュのシリカゲルを担体として用いる。溶離剤系は、ジクロロメタンとメタノール系及び石油エーテルと酢酸エチル系を含み、溶媒の体積比は、化合物の極性により調整されてもよく、少量のトリエチルアミンを加えて調整されてもよい。
【0211】
以下の実施例において、特に明記しない限り、反応の温度は室温(20℃~35℃)である。
【0212】
以下の実施例において、本願に使用される試薬は、Acros Organics、Aldrich Chemical Company、特伯化学等の会社から購入される。
【0213】
一般的な合成法、本願の化合物及び中間体の合成例において、各略語の意味を以下に示す。
【表1】
【0214】
中間体の製造
【0215】
中間体の製造例1、6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-1)の製造
【化21】
【0216】
ステップ1、6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-4,5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-1-c)の製造
0℃で、3-アミノ-6-ブロモ-1,2,4-トリアジン(In-1-a)(10.0g、114.4mmol)及び2-メチルフラン(In-1-b)(9.4g、114.3mmol)のクロロホルム(50mL)溶液にトリフルオロ酢酸(50mL)を滴下し、滴下が終了した後に室温まで上昇させ、2時間撹拌し続けた。完全に反応した後に、反応液に飽和炭酸ナトリウム溶液を加え、pHを8-9に調節し、20分間撹拌し、n-ヘプタンを加えて叩解し、濾過し、濾過残渣をn-ヘプタンで洗浄し、真空乾燥して、本ステップの表題化合物(In-1-c)を得た(14g、収率:95%)。
MS m/z (ESI): 257.0 [M+H]
【0217】
ステップ2、6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-1)の製造
6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-4-5-ジヒドロ-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-1-c)(14.0g、54.5mmol)及びK[Fe(CN)](In-1-d)(35.9g、108.9mmol)のジクロロメタン(180mL)溶液に水酸化カリウム(7.3g、130.7mmol)の水(90mL)溶液を加え、室温で一晩反応させた。反応が終了した後に、反応液に水(250mL)及びn-ヘプタン(250mL)を加えて叩解し、吸引濾過し、濾過残渣をn-ヘプタンで洗浄し、真空乾燥して、表題化合物(In-1)を得た(11g、収率:79%)。
MS m/z (ESI): 255.0 [M+H]
【0218】
中間体の製造例2、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリンの製造
【化22】
【0219】
ステップ1、6-ブロモ-4-メチルキナゾリン(In-2-b)の製造
1-(2-アミノ-5-ブロモフェニル)エタノン(In-2-a)(3g、14mmol)、オルトギ酸トリエチル(3.1g、21mmol)及び酢酸アンモニウム(1.62g、21mmol)を反応フラスコに加え、100℃で一晩反応させた。反応が終了した後に、室温まで冷却し、反応液を濃縮し、残留物に水を加えて希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=3/1(v/v))、本ステップの表題化合物(In-2-b)を得た(2.6g、収率:83%)。
MS m/z (ESI): 223.0 [M+H]
【0220】
ステップ2、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(In-2)の製造
窒素雰囲気下で、6-ブロモ-4-メチルキナゾリン(In-2-b)(2g、8.9mmol)の1,4-ジオキサン溶液(50mL)に、ビス(ピナコラート)ジボロン(In-2-c)(3.4g、13.5mmol)、酢酸カリウム(1.76g、16.9mmol)及びPd(dppf)Cl(0.65g、0.9mmol)を順に加え、80℃で6時間反応させた。反応が終了した後に、室温まで冷却し、反応液を濃縮し、残留物に水を加えて希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=2/1(v/v))、表題化合物(In-2)を得た(2.1g、収率:87%)。
MS m/z (ESI): 271.2 [M+H]
【0221】
中間体の製造例3、5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3)の製造
【化23】
【0222】
ステップ1、2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソアセトアルデヒド(In-3-b)の製造
窒素雰囲気下で、二酸化セレン(3.3g、29.7mmol)の1,4-ジオキサン(50mL)溶液に水(5mL)を加え、二酸化セレンを完全に溶解するまで60℃で0.5時間撹拌し、1-(4-フルオロフェニル)エタノン(In-3-a)(1.3g、9.7mmol)を加え、110℃で5時間反応させた。室温まで冷却し、吸引濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(v/v))、本ステップの表題化合物(In-3-b)を得た(1.2g、収率:92%)。
MS m/z (ESI): 153.0 [M+H]
【0223】
ステップ2、5-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3-c)の製造
2-(4-フルオロフェニル)-2-オキソアセトアルデヒド(In-3-b)(1.2g、7.9mmol)を酢酸(20mL)に溶解し、アミノグアニジン(1.2g、15.8mmol)を分割して加え、100℃で6時間反応させた。室温まで冷却し、残留物に水を加えて希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(v/v))、本ステップの表題化合物(In-3-c)を得た(0.9g、収率:60%)。
MS m/z (ESI): 191.1 [M+H]
【0224】
ステップ3、6-ブロモ-5-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3-d)の製造
氷浴下で、5-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3-c)(0.9g、4.7mmol)のDMF(10mL)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(1.1g、6.1mmol)を分割して加え、室温で2時間反応させた。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮して、本ステップの表題化合物(In-3-d)を得た(1g、収率:80%)。
MS m/z (ESI): 269.0 [M+H]
【0225】
ステップ4、5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3)の製造
6-ブロモ-5-(4-フルオロフェニル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3-d)(1g、3.7mmol)、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(In-3-e)(1.2g、4.4mmol)及び炭酸カリウム(1.1g、7.4mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)と水(4mL)の混合溶媒に加え、窒素ガスで三回置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.4g、0.4mmol)を加え、80℃で6時間反応させた。反応が終了した後に、室温まで冷却し、反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン=1/10(v/v))、表題化合物(In-3)を得た(0.9g、収率:75%)。
MS m/z (ESI): 333.1 [M+H]
【0226】
中間体の製造例4、2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)の製造
【化24】
【0227】
窒素雰囲気下で、2-メチル-6-クロロピリジン(In-4-a)(1.0g、7.8mmol)のシクロヘキサン溶液(40mL)に、ビス(ピナコラート)ジボロン(In-4-b)(3.0g、11.8mmol)、4,4′-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(11mg、0.78mmol)及びジ(1,5-シクロオクタジエン)ジ-M-メトキシジイリジウム(I)(520mg、0.78mmol)を順に加え、80℃で6時間反応させた。反応が終了した後に、室温まで冷却し、反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/2(v/v))、表題化合物(In-4)を得た(1.9g,収率:96%)。
MS m/z (ESI): 254.1 [M+H]
【0228】
中間体の製造例5、2-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(In-5)の製造
【化25】
【0229】
中間体の製造例4の2-メチル-6-クロロピリジンの代わりに、1-クロロ-3-トルエン(In-5-a)を用い、中間体の製造例4に記載の方法と同様にして、表題化合物(In-5)を合成した(3.91g、収率:81.1%)。
MS m/z (ESI): 253.1 [M+H]
【0230】
中間体の製造例6、2-クロロ-6-トリフルオロメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-6)の製造
【化26】
【0231】
中間体の製造例4の2-メチル-6-クロロピリジンの代わりに、2-クロロ-6-トリフルオロメチルピリジン(In-6-a)を用い、中間体の製造例4に記載の方法と同様にして、表題化合物(In-6)を合成した(1.5g、収率:88%)。
MS m/z (ESI): 308.1 [M+H]
【0232】
中間体の製造例7、3-(5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-(2-ピリジルメチル)尿素(In-7)の製造
【化27】
【0233】
テトラヒドロフラン(5mL)とDIPEA(1mL)の混合溶媒に5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(In-7-a)(300mg、1.12mmol)を溶解し、0℃でトリホスゲン(332mg、1.12mmol)を加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌し、次に、N-メチル-1-ピリジン-2-メチルアミン(In-7-b)(342mg、2.80mmol)を加え、0℃で1.5時間反応させた。反応が終了した後に、反応液にメタノールを加えてクエンチし、濃縮し、残留物を分取高速液体クロマトグラフィーで精製して、表題化合物(In-7)を得た(400mg、収率:86%)。
MS m/z (ESI): 416.0 [M+H]
【0234】
中間体の製造例8、N-(6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミド(In-8)の製造
【化28】
【0235】
ステップ1、[1,4′-ビピペリジン]-1’-ベンジルホルメート(In-8-c)の製造
0℃で、4-オキソピペリジン-1-ベンジルホルメート(In-8-a)(5g、21.44mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、ピペリジン(In-8-b)(1.83g、21.44mmol)及びテトライソプロピルチタネート(6.70g、23.58mmol)を加え、室温で撹拌し、2時間反応させた後に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.35g、21.44mmol)を分割して加え、25℃で12時間反応させた。水を加えて反応をクエンチし、10分間撹拌し、静置し、吸引濾過し、濾過液を濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶解し、吸引濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/3(v/v))、本ステップの表題化合物(In-8-c)を得た(3.2g、収率:49.4%)。
MS m/z (ESI): 303.2 [M+H]
【0236】
ステップ2、1,4’-ビピペリジン(In-8-d)の製造
[1,4′-ビピペリジン]-1’-ベンジルホルメート(In-8-c)(3.2g、10.58mmol)をメタノール(30mL)に溶解し、パラジウム炭素(0.3g、1.06mmol)を加え、水素ガスで三回置換し、水素雰囲気下で12時間反応させた。反応液をセライト濾過し、濾過ケークを少量のメタノールで洗浄し、濾過液を濃縮して、本ステップの表題化合物(In-8-d)を得た(1.4g,収率:78.6%)。
MS m/z (ESI): 169.2 [M+H]
【0237】
ステップ3、N-(6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミド(In-8)の製造
0℃で、6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-8-e)(200mg、0.78mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にDIPEA(304mg、2.35mmol)及びクロロギ酸フェニル(245mg、1.57mmol)を加え、室温で撹拌し、1.5時間反応させた後に、1,4’-ビピペリジン(In-8-d)(395mg、2.35mmol)を加え、室温で4時間反応させた。反応が終了した後に、水を加えて反応をクエンチし、反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/3(v/v))、表題化合物(In-8)を得た(250mg、収率71%)。
MS m/z (ESI): 449.1 [M+H]
【0238】
中間体の製造例9、5-(5-メチルフラン-2-イル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-9)の製造
【化29】
【0239】
6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-9-a)(0.5g、1.9mmol)、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(In-9-b)(0.65g、2.4mmol)及び炭酸カリウム(0.53g、3.8mmol)を、1,4-ジオキサン(10mL)と水(4mL)の混合溶媒に加え、窒素ガスで三回置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1g、0.1mmol)を加え、80℃で6時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン=1/10(v/v))、表題化合物(In-9)を得た(0.45g、収率:71%)。
MS m/z (ESI): 319.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.17 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.04 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 7.46 (br, 2H), 6.34 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.19 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 2.91 (s, 3H), 2.18 (s, 3H)。
【0240】
中間体の製造例10、5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(In-10)の製造
【化30】
【0241】
中間体の製造例9の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリンの代わりに、2-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(In-10-b)を用い、6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの代わりに、5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(In-10-a)を用い、中間体の製造例9に記載の方法と同様にして、表題化合物(In-10)を合成した(170mg、収率:72.6%)。
MS m/z (ESI): 314.1 [M+H]
【0242】
中間体の製造例11、5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(5-メチルフラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(In-11)の製造
【化31】
【0243】
中間体の製造例9の6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミンの代わりに、5-ブロモ-4-(5-メチルフラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(In-11-a)を用い、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリンの代わりに、2-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(In-11-b)を用い、中間体の製造例9に記載の方法と同様にして、表題化合物(In-11)を合成した(220mg、収率:93.2%)。
MS m/z (ESI): 300.1 [M+H]
【0244】
中間体の製造例12、6-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-12)の製造
【化32】
【0245】
中間体の製造例9の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリンの代わりに、2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-12-b)を用い、中間体の製造例9に記載の方法と同様にして、表題化合物(In-12)を合成した(0.3g、収率:80%)。
MS m/z (ESI): 302.1 [M+H]
【0246】
実施例1、6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミンの製造(化合物1)
【化33】
【0247】
ステップ1、5-ブロモ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(1-2)の製造
5,6-ジブロモピリジン-2-アミン(1-1)(2g、7.94mmol)、4-フルオロフェニルボロン酸(1.11g、7.94mmol)及び炭酸ナトリウム(1.68g、15.88mmol)をトルエン(40mL)、メタノール(4mL)及び水(8mL)の混合溶媒に加え、窒素ガスで三回置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(459mg、0.4mmol)を加え、95℃で11時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/3(v/v))、本ステップの表題化合物(1-2)を得た(2g、収率:94.31%)。
MS m/z (ESI): 267.0 [M+H]
【0248】
ステップ2、6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(1)の製造
5-ブロモ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(1-2)(1.14g、4.27mmol)、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)(1.5g、5.55mmol)及び炭酸カリウム(1.18g、8.54mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)と水(2mL)の混合溶媒に加え、窒素ガスで三回置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(246.9mg、0.21mmol)を加え、95℃で12時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=3/2(v/v))、表題化合物(1)を得た(1.15g、収率:81.5%)。
MS m/z (ESI): 331.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.05 (s, 1H), 8.01 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.53 (dd, J = 8.8, 2 Hz, 1H), 7.30-7.27 (m, 2H), 7.06 (t, J = 9.2 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.31 (s, 2H), 2.79 (s, 3H)。
【0249】
実施例2、3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミンの製造(化合物2)
【化34】
【0250】
ステップ1、3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-3)の製造
6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-アミン(2-1)(220mg、1.5mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)の混合溶媒に加え、4-フルオロフェニルボロン酸(315mg、2.3mmol)、リン酸カリウム(637mg、3.0mmol)及びPd(amphos)Cl(53mg、0.08mmol)を順に加え、窒素ガスで置換し、120℃までマイクロ波加熱し、2時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/2(v/v))、本ステップの表題化合物(2-3)を得た(240g、収率:78%)。
MS m/z (ESI): 207.1 [M+H]
【0251】
ステップ2、5-ブロモ-3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-4)の製造
3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-3)(220mg、1.1mmol)を無水DMF(5mL)に加え、0℃まで冷却し、N-ブロモスクシンイミド(285mg、1.6mmol)を加え、室温まで昇温させて2時間反応させた。反応液に水を加えて希釈し、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(v/v))、本ステップの表題化合物(2-4)を得た(150mg、収率:49%)。
MS m/z (ESI): 285.0 [M+H]
【0252】
ステップ3、3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(2)の製造
5-ブロモ-3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-4)(150mg、0.53mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)の混合溶媒に溶解し、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)(213mg、0.79mmol)、炭酸カリウム(146mg、1.1mmol)及びPd(dppf)Cl(22mg、0.026mmol)を順に加え、窒素ガスで3回置換し、80℃で一晩反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=3/1(v/v))、表題化合物(2)を得た(120mg、収率:62%)。
MS m/z (ESI): 349.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.06 (s, 1H), 8.09 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.77-7.61 (m, 2H), 7.55-7.53 (m, 1H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.06 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 6.61 (s, 2H), 2.81 (s, 3H)。
【0253】
実施例3、4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの製造(化合物3)
【化35】
【0254】
ステップ1、3-(ジメチルアミノ)-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-エン-1-オン(3-2)の製造
1-(4-フルオロフェニル)エタノン(3-1)(5.0g、40.3mmol)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(50mL)に加え、窒素ガスで置換し、80℃で一晩反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、濃縮し、残留物を無水エーテルで叩解し、吸引濾過し、濾過ケーキを無水エーテルで洗浄し、真空乾燥して、本ステップの表題化合物(3-2)を得た(2.1g,収率:30%)。
MS m/z (ESI): 194.1 [M+H]
【0255】
ステップ2、4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3-4)の製造
3-(ジメチルアミノ)-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-エン-1-オン(3-2)(2.1g、10.9mmol)、グアニジン塩酸塩(3-3)(1.2g、12.0mmol)及び炭酸カリウム(3.0g、21.8mmol)を無水エタノール(20mL)に加え、80℃で20時間反応させた。反応液を濃縮し、残留物に水を加えて希釈し、吸引濾過し、濾過ケーキを無水エーテルで洗浄し、真空乾燥して、本ステップの表題化合物(3-4)を得た(1.9g、収率:92%)。
MS m/z (ESI): 190.1 [M+H]
【0256】
ステップ3、5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3-5)の製造
4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3-4)(1.9g、10.1mmol)を無水DMF(20mL)に加え、0℃まで冷却し、N-ブロモスクシンイミド(2.0g、11.1mmol)を加え、0℃で1時間撹拌した後に、室温まで自然に昇温させて一晩撹拌した。反応液を濃縮し、残留物に水を加えて希釈し、吸引濾過し、濾過ケーキを無水エーテルで洗浄し、真空乾燥して、本ステップの表題化合物(3-5)を得た(2.6g、収率:95%)。
MS m/z (ESI): 268.0 [M+H]
【0257】
ステップ4、4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の製造
5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3-5)(1.0g、3.7mmol)を1,4-ジオキサン(100mL)と水(4mL)の混合溶媒に加え、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)(1.2g、4.5mmol)、炭酸カリウム(1.1g、7.5mmol)及びPd(dppf)Cl(0.3g、0.4mmol)を順に加え、窒素ガスで3回置換した後に、100℃で4時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=3/1(v/v))、表題化合物(3)を得た(0.9g、収率:73%)。
MS m/z (ESI): 332.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.08 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.18 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.53-7.50 (m, 1H), 7.42-7.31 (m, 2H), 7.14 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.02 (s, 2H), 2.86 (s, 3H)。
【0258】
実施例4、3-(3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-イルメチル)尿素の製造(化合物4)
【化36】
【0259】
3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(2)(50mg、0.14mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)とDIPEA(0.5mL)の混合溶媒に溶解し、0℃でトリホスゲン(43mg、0.14mmol)を加え、混合物を0℃で0.5時間撹拌し、N-メチル-1-ピリジン-2-メチルアミン(In-7-b)(35mg、0.28mmol)を加え、0℃で1.5時間反応させた。反応が終了した後に、メタノールを加えてクエンチし、反応液を濃縮し、残留物を分取高速液体クロマトグラフィーで精製して、表題化合物(4)を得た(25mg、収率:30%)。
MS m/z (ESI): 497.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.57 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.58 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.85-7.82 (m, 2H), 7.64-7.61 (m, 1H), 7.36-7.32 (m, 4H), 7.13-7.09 (m, 2H), 4.68 (s, 2H), 3.04 (s, 3H), 2.86 (s, 3H)。
【0260】
実施例5、1-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-3-メチル尿素の製造(化合物5)
【化37】
【0261】
4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)(100.0mg、0.3mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、-40℃でDIPEA(0.6mL、3.2mmol)及びトリホスゲン(89.0mg、0.3mmol)を加え、-40℃で1時間撹拌した後に、メチルアミンのテトラヒドロフラン溶液(0.3mL、2mol/L、0.6mmol)を加え、0℃で2時間反応させた。反応が終了した後に、反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル)、表題化合物(5)を得た(20.0mg、収率:17%)。
MS m/z (ESI): 389.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.06 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.91 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60-7.58 (m, 1H), 7.52-7.37 (m, 2H), 7.21-7.17 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 2.83 (d, J = 4.4 Hz, 3H)。
【0262】
実施例6、1-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-3(ピリジン-2-メチル)尿素の製造(化合物6)
【化38】
【0263】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、2-アミノメチルピリジン(6-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(6)を合成した(30.0mg、収率:21%)。
MS m/z (ESI): 466.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.21 (s, 1H), 9.74 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.51-8.50 (m, 1H), 8.34 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.86-7.77 (m, 2H), 7.61-7.59 (m, 1H), 7.51-7.44 (m, 2H), 7.42 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.33-7.30 (m, 1H), 7.18-7.14 (m, 2H), 4.61 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 2.88 (s, 3H)。
【0264】
実施例7、1-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-3-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)尿素の製造(化合物7)
【化39】
【0265】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、1-アミノ-2-メチル-2-プロパノール(7-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(7)を合成した(35.0mg、収率:28%)。
MS m/z (ESI): 447.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.02 (s, 1H), 9.27 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.36 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67-7.43 (m, 3H), 7.15 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 4.60 (s, 1H), 3.23 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 2.89 (s, 3H), 1.13 (s, 6H)。
【0266】
実施例8、1-[4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル]-2-(2-メトキシエチル)尿素の製造(化合物8)
【化40】
【0267】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、2-メトキシエチルアミン(8-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(8)を合成した(50.0mg,収率:38%)。
MS m/z (ESI): 433.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.09 (s, 1H), 9.24 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.34 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.60-7.58 (m, 1H), 7.55-7.40 (m, 2H), 7.18 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.46-3.43 (m, 4H), 3.26 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
【0268】
実施例9、3-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-メチル)尿素の製造(化合物9)
【化41】
【0269】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、N-メチル-1-ピリジン-2-メチルアミン(In-7-b)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(9)を合成した(50.0mg、収率:36%)。
MS m/z (ESI): 480.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.0 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.59 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.98-7.68 (m, 2H), 7.62-7.61 (m, 1H), 7.51-7.27 (m, 4H), 7.17 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 4.69 (s, 2H), 3.03 (s, 3H), 2.89 (s, 3H)。
【0270】
実施例10、4-シアノ-N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-ホルムアミドの製造(化合物10)
【化42】
【0271】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、4-シアノピペリジン(10-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(10)を合成した(32.0mg、収率23%)。
MS m/z (ESI): 468.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.90 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.32 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61-7.59 (m, 1H), 7.52-7.36 (m, 2H), 7.16 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.81-3.65 (m, 2H), 3.34-3.30 (m, 2H), 3.13 (dt, J = 12.8, 4.8 Hz, 1H), 3.04-2.82 (m, 3H), 2.00-1.83 (m, 2H), 1.81-1.61 (m, 2H)。
【0272】
実施例11、N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物11)
【化43】
【0273】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(11)を合成した(50.0mg、収率39%)。
MS m/z (ESI): 445.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.89 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.32 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.62-7.59 (m, 1H), 7.46-7.43 (m, 2H), 7.17 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.68-3.56 (m, 4H), 3.56-3.43 (m, 4H), 2.89 (s, 3H)。
【0274】
実施例12、3-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-フェニル尿素の製造(化合物12)
【化44】
【0275】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、N-メチルアニリン(12-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(12)を合成した(50.0mg、収率36%)。
MS m/z (ESI): 465.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.36 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60-7.58 (m, 1H), 7.49-7.32 (m, 6H), 7.31-7.22 (m, 1H), 7.20-7.07 (m, 2H), 3.34(s, 3H), 2.88 (s, 3H)。
【0276】
実施例13、N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-4-メトキシピペリジン-1-ホルムアミドの製造(化合物13)
【化45】
【0277】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、4-メトキシピペリジン(13-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(13)を合成した(55.0mg、収率38%)。
MS m/z (ESI): 473.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.82 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61-7.59 (m, 1H), 7.52-7.36 (m, 2H), 7.16-7.14 (m, 2H), 3.80-3.75 (m, 2H), 3.49-3.37 (m, 1H), 3.27 (s, 3H), 3.25-3.13 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 1.94-1.77 (m, 2H), 1.48-1.20 (m, 2H)。
【0278】
実施例14、3-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-イルメチル)尿素の製造(化合物14)
【化46】
【0279】
3-(5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-イルメチル)-尿素(In-7)(50mg、0.12mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)の混合溶媒に溶解し、2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)(46mg、0.18mmol)、炭酸カリウム(33mg、0.24mmol)及びPd(dppf)Cl(5mg、0.006mmol)を順に加え、窒素ガスで3回置換し、80℃まで昇温し、一晩反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却して水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物を分取高速液体クロマトグラフィーで精製して、表題化合物(14)を得た(10mg、収率18%)。
MS m/z (ESI): 463.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.06 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.82-7.79 (m, 1H), 7.46-7.43 (m, 2H), 7.38 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.34-7.31 (m, 1H), 7.25-7.23 (m, 2H), 7.16 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 4.67 (s, 2H), 3.01 (s, 3H), 2.39 (s, 3H)。
【0280】
実施例15、3-(5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-イルメチル)尿素の製造(化合物15)
【化47】
【0281】
実施例14の2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)の代わりに、2-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(In-5)を用い、実施例14に記載の方法と同様にして、表題化合物(15)を合成した(15mg、収率11%)。
MS m/z (ESI): 462.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.95 (s, 1H), 8.58 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 7.83-7.79 (m, 1H), 7.45-7.38 (m, 3H), 7.34-7.31 (m, 1H), 7.23-7.19 (m, 3H), 7.05 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 4.67 (s, 2H), 3.01 (s, 3H), 2.25 (s, 3H)。
【0282】
実施例16、3-(5-(2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-イルメチル)尿素の製造(化合物16)
【化48】
【0283】
実施例14の2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)の代わりに、2-クロロ-6-トリフルオロメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-6)を用い、実施例14に記載の方法と同様にして、表題化合物(16)を合成した(6mg、収率5%)。
MS m/z (ESI): 517.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.15 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.83-7.80(m, 2H), 7.66 (s, 1H), 7.47-7.44 (m, 2H), 7.39 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.34-7.31 (m, 1H), 7.26 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 4.68 (s, 2H), 3.02 (s, 3H)。
【0284】
実施例17、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミンの製造(化合物17)
【化49】
【0285】
5-ブロモ-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(In-10-a)(200mg、0.75mmol)、2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)(283mg、1.12mmol)及び炭酸カリウム(206mg、1.49mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)と水(1mL)の混合溶媒に加え、窒素ガスで三回置換し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(30mg、0.037mmol)を加え、80℃で12時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(v/v))、表題化合物(17)を得た(220mg、収率93.7%)。
MS m/z (ESI): 315.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.37 (s, 1H), 7.39-7.35 (m, 2H), 7.21 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.12 (s, 2H), 7.04 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 2.35 (s, 3H)。
【0286】
実施例18、N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-4-シアノピペリジン-1-ホルムアミドの製造(化合物18)
【化50】
【0287】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、4-シアノピペリジン(18-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(18)を合成した(20mg、収率16.6%)。
MS m/z (ESI): 451.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.94 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 7.45-7.41 (m, 2H), 7.24 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.15 (s, 2H), 3.73-3.69 (m, 2H), 3.31-3.27 (m, 2H), 3.11-3.09 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 1.92-1.88 (m, 2H), 1.73-1.68 (m, 2H)。
【0288】
実施例19、N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物19)
【化51】
【0289】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(19)を合成した(40mg、収率14.0%)。
MS m/z (ESI): 427.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.94 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.45-7.42 (m, 2H), 7.24 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.15 (s, 2H), 3.61-3.58 (m, 4H), 3.47-3.45 (m, 4H), 2.39 (s, 3H)。
【0290】
実施例20、N-(5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-4-シアノピペリジン-1-ホルムアミドの製造(化合物20)
【化52】
【0291】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、4-シアノピペリジン(18-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(In-10)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(20)を合成した(50mg、収率43.7%)。
MS m/z (ESI): 450.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.82 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.43-7.40 (m, 2H), 7.23-7.20 (m, 3H), 7.04 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 3.74-3.68 (m, 2H), 3.31-3.29 (m, 2H), 3.11-3.10 (m, 1H), 2.25 (s, 3H), 1.92-1.88 (m, 2H), 1.73-1.68 (m, 2H)。
【0292】
実施例21、N-(5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-[1,4’-ジピペリジン]-1’-ホルムアミドの製造(化合物21)
【化53】
【0293】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、1,4’-ジピペリジン(In-8-d)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(In-10)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(21)を合成した(25mg、収率15.7%)。
MS m/z (ESI): 508.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.69 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.43-7.39 (m, 2H), 7.23-7.18 (m, 2H), 7.03 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 4.12 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 2.83-2.76 (m, 2H), 2.50-2.44 (m, 5H), 2.25 (s, 3H), 1.70 (d, J = 12.4 Hz, 2H), 1.53-1.45 (m, 4H), 1.41-1.32 (m, 4H)。
【0294】
実施例22、N-(5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(5-メチルフラン-2-イル)ピリミジン-2-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミドの製造(化合物22)
【化54】
【0295】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、1,4’-ジピペリジン(In-8-d)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4-(5-メチルフラン-2-イル)ピリミジン-2-アミン(In-11)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(22)を合成した(15mg、収率7.9%)。
MS m/z (ESI): 494.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.60 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.32 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.19 (dd, J = 3.2, 0.8 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 2.81 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 2.65-2.54 (m, 5H), 2.34 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.76 (d, J = 11.6 Hz, 2H), 1.58-1.45 (m, 4H), 1.44-1.35 (m, 4H)。
【0296】
実施例23、3-(5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1,1-ジメチル尿素の製造(化合物23)
【化55】
【0297】
5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3)(100.0mg、0.3mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、0℃でDIPEA(0.6mL、3.2mmol)及びトリホスゲン(89.0mg、0.3mmol)を加え、0℃で0.5時間撹拌し、次に、ジメチルアミン(23-1)のテトラヒドロフラン溶液(0.3mL、2mol/L、0.6mmol)を加え、0℃で1時間反応させた。反応が終了した後に、反応液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン=1/10(v/v))、表題化合物(23)を得た(50mg、収率42%)。
MS m/z (ESI): 404.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 9.10 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.03-7.95 (m, 2H), 7.66-7.61 (m, 2H), 7.10 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.15 (s, 6H), 2.88 (s, 3H)。
【0298】
実施例24、3-(5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-メチル)尿素の製造(化合物24)
【化56】
【0299】
実施例23のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、N-メチル-1-(ピリジン-2-イル)メチルアミン(In-7-b)を用い、実施例23に記載の方法と同様にして、表題化合物(24)を合成した(40mg、収率28%)。
MS m/z (ESI): 480.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 9.10 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.04-7.95 (m, 2H), 7.87 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.66-7.63 (m, 2H), 7.52 (t, J = 8.4 Hz, 1H), 7.39 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.79 (s, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.88 (s, 3H)。
【0300】
実施例25、1-メチル-3-(5-(5-メチルフラン-2-イル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1-(ピリジン-2-イルメチル)尿素の製造(化合物25)
【化57】
【0301】
実施例23の5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3)の代わりに、5-(5-メチルフラン-2-イル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-9)を用い、実施例23のジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、N-メチル-1-(ピリジン-2-イル)メチルアミン(In-7-b)を用い、実施例23に記載の方法と同様にして、表題化合物(25)を合成した(40mg、収率28%)。
MS m/z (ESI): 467.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 9.15 (s, 1H), 8.61-8.59 (m, 2H), 8.17-8.09 (m, 2H), 7.90-7.86 (m, 1H), 7.53 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.39 (dd, J = 7.2, 5.2 Hz, 1H), 7.05 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.22 (dd, J = 3.6, 0.8 Hz, 1H), 4.78 (s, 2H), 3.15 (s, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.10 (s, 3H)。
【0302】
実施例26、N-(6-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミドの製造(化合物26)
【化58】
【0303】
実施例23の5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3)の代わりに、6-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-12)を用い、実施例23のジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、1,4’-ジピペリジン(In-8-d)を用い、実施例23に記載の方法と同様にして、表題化合物(26)を合成した(100mg、収率30%)。
MS m/z (ESI): 496.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 8.50 (s, 1H), 7.47 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 3.36-3.20 (m, 5H), 3.05 (t, J = 12.8 Hz, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 2.15 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 1.86-1.66 (m, 8H)。
【0304】
実施例27、N-(5-(5-メチルフラン-2-イル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミドの製造(化合物27)
【化59】
【0305】
N-(6-ブロモ-5-(5-メチルフラン-2-イル)1,2,4-トリアジン-3-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミド(In-8)(30mg、0.07mmol)、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)(27.05mg、0.10mmol)及び炭酸セシウム(43.53mg、0.13mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に加え、窒素ガスで三回置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(3.86mg、3.34μmol)を加え、80℃で12時間反応させた。反応が終了した後に、反応液を室温まで冷却し、濾過し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン=1/15(v/v))、表題化合物(27)を得た(10.0mg、収率29%)。
MS m/z (ESI): 513.3 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.16 (s, 1H), 9.20 (s, 1H), 8.54 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.17-8.05 (m, 2H), 6.48 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.24 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 2.98-2.80 (m, 5H), 2.46-2.43 (m, 5H), 2.19 (s, 3H), 1.75 (d, J = 11.2 Hz, 2H), 1.56-1.29 (m, 8H)。
【0306】
実施例28、N-(6-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-5-(5-メチルフラン-2-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-[1,4’-ビピペリジン]-1’-ホルムアミド(化合物28)
【化60】
【0307】
実施例27の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)の代わりに、2-(3-クロロ-5-メチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(In-5)を用い、実施例27に記載の方法と同様にして、表題化合物(28)を合成した(9mg、収率11.8%)。
MS m/z (ESI): 495.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.10 (s, 1H), 7.46-7.34 (m, 3H), 6.41 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.29-6.28 (m, 1H), 4.15 (d, J = 13.2 Hz, 2H), 2.88-2.82 (m, 2H), 2.47-2.45 (m, 5H), 2.41 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 1.75-1.72 (m, 2H), 1.48-1.38 (m, 8H)。
【0308】
実施例29、3-(6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)-1-メチル-1-(ピリジン-2-メチル)尿素の製造(化合物29)
【化61】
【0309】
実施例4の3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(2)の代わりに、6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(1)を用い、実施例4に記載の方法と同様にして、表題化合物(29)を合成した(45mg、収率31%)。
MS m/z (ESI): 479.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 9.03 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.06-7.95 (m, 2H), 7.87-7.82 (m, 2H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.38-7.33 (m, 3H), 6.99 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.74 (s, 2H), 3.14 (s, 3H), 2.85 (s, 3H)。
【0310】
実施例30、N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペラジン-1-ホルムアミドの製造(化合物30)
【化62】
【0311】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、N-メチルピペラジン(30-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(30)を合成した(61mg、収率21%)。
MS m/z (ESI): 462.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.81 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.30 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.52-7.38 (m, 2H), 7.16 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.58-3.39 (m, 4H), 2.88 (s, 3H), 2.41-2.27 (m, 4H), 2.20 (s, 3H)。
【0312】
実施例31、3-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-1-(2-メトキシエチル)-1-メチル尿素の製造(化合物31)
【化63】
【0313】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、2-メトキシ-N-メチルエチルアミン(31-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(31)を合成した(63mg、収率22%)。
MS m/z (ESI): 447.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.48 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.30 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.52-7.38 (m, 2H), 7.24-7.09 (m, 2H), 3.54 (s, 4H), 3.32 (s, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.88 (s, 3H)。
【0314】
実施例32、N-(3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物32)
【化64】
【0315】
実施例4のN-メチル-1-ピリジン-2-メチルアミン(In-7-b)の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例4に記載の方法と同様にして、表題化合物(32)を合成した(625mg、収率64%)。
MS m/z (ESI): 462.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.41 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.26 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.64-7.61 (m, 1H), 7.35-7.31 (m, 2H), 7.10 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.63 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.49 (t, J = 4.4 Hz, 4H), 2.85 (s, 3H)。
【0316】
実施例33、N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-4-メチルピペラジン-1-ホルムアミドの製造(化合物33)
【化65】
【0317】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、N-メチルピペラジン(30-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(33)を合成した(73mg、収率25%)。
MS m/z (ESI): 441.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.87 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 7.49-7.37 (m, 2H), 7.31-7.19 (m, 2H), 7.15 (s, 2H), 3.54-3.38 (m, 4H), 2.39 (s, 3H), 2.32 (dd, J = 13.6, 8.8 Hz, 4H), 2.24-2.12 (m, 3H)。
【0318】
実施例34、(S)-N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-2-メチルモルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物34)
【化66】
【0319】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、(S)-2-メチルモルホリン(34-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(34)を合成した(52mg、収率34%)。
MS m/z (ESI): 459.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 9.07 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.27 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.69-7.67 (m, 1H), 7.51-7.48 (m, 2H), 7.06-6.99 (m, 2H), 4.10-4.02 (m, 2H), 3.94-3.90 (m, 1H), 3.66-3.60 (m, 2H), 3.15-3.08 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.80-2.74 (m, 1H), 1.23-1.16 (m, 3H)。
【0320】
実施例35、N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)ピペリジン-1-ホルムアミドの製造(化合物35)
【化67】
【0321】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、ピペリジン(35-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(35)を合成した(40mg、収率21%)。
MS m/z (ESI): 426.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 8.55 (s, 1H), 7.51-7.47 (m, 2H), 7.18-7.05 (m, 4H), 3.57 (d, J = 5.2 Hz, 4H), 2.43 (s, 3H), 1.78-1.56 (m, 6H)。
【0322】
実施例36、(S)-N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-2-メチルモルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物36)
【化68】
【0323】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、(S)-2-メチルモルホリン(34-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(36)を合成した(40mg、収率21%)。
MS m/z (ESI): 442.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 8.57 (s, 1H), 7.54-7.45 (m, 2H), 7.16-7.06 (m, 4H), 4.08-4.03 (m, 2H), 3.92-3.88 (m, 1H), 3.64-3.58 (m, 2H), 3.15-3.05 (m, 1H), 2.78-2.76 (m, 1H), 2.42 (d, J = 14.0 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。
【0324】
実施例37、(2R,6S)-N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルモルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物37)
【化69】
【0325】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、(2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリン(37-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(37)を合成した(40mg、収率14%)。
MS m/z (ESI): 456.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.90 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.45-7.42 (m, 2H), 7.24 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 7.15 (s, 2H), 3.99 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 3.55-3.50 (m, 2H), 2.55-2.51 (m, 2H), 2.39 (s, 3H), 1.09 (d, J = 6.0 Hz, 6H)。
【0326】
実施例38、(R)-N-(5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-2-メチルモルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物38)
【化70】
【0327】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、(R)-2-メチルモルホリン(38-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、5-(2-クロロ-6-メチルピリジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(17)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(38)を合成した(100mg、収率35%)。
MS m/z (ESI): 442.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.92 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.45-7.42 (m, 2H), 7.27-7.22 (m, 2H), 7.15 (s, 2H), 4.00-3.80 (m, 3H), 3.49-3.33 (m, 2H), 2.94 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 2.64-2.58 (m, 1H), 2.39 (s, 3H), 1.09 (d, J = 6.0 Hz, 3H)。
【0328】
実施例39、(2R,6S)-N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-2,6-ジメチルモルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物39)
【化71】
【0329】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、(2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリン(37-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(39)を合成した(55mg、収率19%)。
MS m/z (ESI): 473.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.84 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.45-7.43 (m, 2H), 7.16 (dd, J = 12.4, 5.6 Hz, 2H), 4.02 (d, J = 12.8 Hz, 2H), 3.57-3.52 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 2.57-2.51 (m, 2H), 1.11 (d, J = 6.4 Hz, 6H)。
【0330】
実施例40、(R)-N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)-2-メチルモルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物40)
【化72】
【0331】
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、(R)-2-メチルモルホリン(38-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(40)を合成した(55mg、収率19%)。
MS m/z (ESI): 459.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.85 (s, 1H), 9.12 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.4, 3.2 Hz, 1H), 7.46-7.43 (m, 2H), 7.16 (dd, J = 12.4, 5.6 Hz, 2H), 4.02-3.81 (m, 3H), 3.50-3.44 (m, 2H), 2.99-2.93 (m, 1H), 2.88 (s, 3H), 2.66-2.60 (m, 1H), 1.11 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0332】
実施例41、N-(6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物41)
【化73】
【0333】
実施例23の5-(4-フルオロフェニル)-6-(4-メチルキナゾリン-6-イル)-1,2,4-トリアジン-3-アミン(In-3)の代わりに、6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(1)を用い、実施例23のジメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例23に記載の方法と同様にして、表題化合物(41)を合成した(95mg、収率35%)。
MS m/z (ESI): 462.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.46 (s, 1H), 9.09 (s, 1H), 8.15 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 26.0, 8.6 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.60 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.41-7.32 (m, 2H), 7.11 (dd, J = 12.4, 5.6 Hz, 2H), 3.68-3.59 (m, 4H), 3.54-3.47 (m, 4H), 2.83 (s, 3H)。
【0334】
実施例42、N-(4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物42)
【化74】
【0335】
ステップ1、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(42-2)の製造
実施例2のステップ1の6-クロロ-3-フルオロピリジン-2-アミン(2-1)の代わりに、4,6-ジクロロピリジン-2-アミン(42-1)を用い、実施例2のステップ1に記載の方法と同様にして、表題化合物(42-2)を合成した(0.5g、収率45%)。
MS m/z (ESI): 223.1 [M+H]
【0336】
ステップ2、5-ブロモ-4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(42-3)の製造
実施例2のステップ2の3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-3)の代わりに、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(42-2)を用いて、実施例2のステップ2に記載の方法と同様にして、表題化合物(42-3)を合成した(0.3g、収率60%)。
MS m/z (ESI): 300.8 [M+H]
【0337】
ステップ3、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(42-4)の製造
実施例2のステップ3の5-ブロモ-3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-4)の代わりに、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(42-4)を用い、実施例2のステップ3に記載の方法と同様にして、表題化合物(42-3)を合成した(0.3g、収率60%)。
MS m/z (ESI): 365.1 [M+H]
【0338】
ステップ4、N-(4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(42-4)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(42)を合成した(30mg、収率34%)。
MS m/z (ESI): 478.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.72 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.13 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.34-7.27 (m, 2H), 7.03-6.98 (m, 2H), 3.65-3.57 (m, 4H), 3.55-3.48 (m, 4H), 2.78 (s, 3H)。
【0339】
実施例43、N-(4-シアノ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物43)
【化75】
【0340】
ステップ1、6-アミノ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-メチルキナゾリン-6-イル)イソニコチノニトリル(43-1)の製造
10mlのマイクロ波管に、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(42-4)(170mg、0.47mmol)、亜鉛粉末(3.0mg、0.47mmol)、シアン化亜鉛(55mg、0.47mmol)及びDMF(2mL)を順に加え、反応溶液に窒素ガスを5分間吹き込み、反応混合物にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(46mg、0.05mmol)、dppf(56mg、0.1mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波で140℃まで加熱して5時間反応させた。室温まで冷却し、反応混合物を20mLの水に注ぎ、5分間撹拌し、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を飽和食塩水で三回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(v/v))、表題化合物(43-1)を得た(160mg、収率96%)。
MS m/z (ESI): 356.1 [M+H]
【0341】
ステップ2、N-(4-シアノ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(43)の製造
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、6-アミノ-2-(4-フルオロフェニル)-3-(4-メチルキナゾリン-6-イル)イソニコチノニトリル(43-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(43)を合成した(35mg、収率18%)。
MS m/z (ESI): 469.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.96 (s, 1H), 9.15 (s, 1H), 8.38 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.92 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 8.8, 2.0 Hz, 1H), 7.35-7.32 (m, 2H), 7.10-7.05 (m, 2H), 3.64-3.62 (m, 4H), 3.54-3.52 (m, 4H), 2.83 (s, 3H)。
【0342】
実施例44、N-(4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの合成(44)
【化76】
【0343】
ステップ1、1-シクロプロピル-3-(4-フルオロフェニル)プロパン-1,3-ジオンの製造(44-1)
4-フルオロアセトフェノン(In-3-a)(3g、21.7mmol)及びテトラヒドロフラン(60mL)を100mLの単口フラスコに順に加え、窒素ガスで三回置換し、0℃まで冷却し、これに水素化ナトリウム(2.37g、59.3mmol、60%)を加え、1時間撹拌した後に、シクロプロパンカルボン酸メチル(4.35g、43.5mmol)を加え、25℃で16時間反応させた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/10(v/v))、本ステップの表題化合物(44-1)を得た(2.8g、収率63%)。
MS m/z (ESI): 207.1 [M+H]
【0344】
ステップ2、(Z)-3-アミノ-3-シクロプロピル-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-エン-1-オン(44-2)の製造
1-シクロプロピル-3-(4-フルオロフェニル)プロパン-1,3-ジオン(44-1)(2.0g、9.7mmol)、酢酸アンモニウム(7.47g、97.1mmol)及び無水メタノール(25mL)を100mLの単口フラスコに順に加え、65℃で16時間反応させ、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、得られた残留物に水及び酢酸エチルを加え、水相酢酸エチルで三回抽出し、得られた有機相を合わせ、飽和食塩水で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮して、本ステップの表題化合物(44-2)を得た(1.8g、収率90%)。
MS m/z (ESI): 206.1 [M+H]
【0345】
ステップ3、4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(44-3)の製造
(Z)-3-アミノ-3-シクロプロピル-1-(4-フルオロフェニル)プロパン-2-エン-1-オン(44-2)(1.8g、8.8mmol)と50%シアナミド水溶液(20mL)を50mLの丸底フラスコに加え、120℃で2時間反応させた。室温まで冷却し、反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/3(v/v))、本ステップの表題化合物(44-3)を得た(1.4g、収率70%)。
MS m/z (ESI): 230.1 [M+H]
【0346】
ステップ4、4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-ヨードピリミジン-2-アミン(44-4)の製造
4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-2-アミン(44-3)(1.2g、5.2mmol)及び氷酢酸(10mL)を100mLの丸底フラスコに加え、撹拌条件下で、これに塩化ヨウ素の氷酢酸溶液(2.2g、13.1mmol、2mL)を徐々に滴下し、25℃で16時間反応させ、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで三回抽出し、有機相を飽和亜硫酸ナトリウム水溶液で三回洗浄し、飽和食塩水で二回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾過液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/5(v/v))、本ステップの表題化合物(44-4)を得た(1.5g、収率82%)。
MS m/z (ESI): 356.0 [M+H]
【0347】
ステップ5、4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(44-5)の製造
4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-ヨードピリミジン-2-アミン(44-4)(1.0g、2.8mmol)、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)(0.9g、3.4mmol)、炭酸カリウム(0.8g、5.6mmol)、1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)を100mLの丸底フラスコに順に加え、窒素ガスで三回置換し、反応混合物にPd(dppf)Cl(115mg、0.14mmol)を加え、80℃で8時間反応させた。反応液を室温まで冷却し、濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(v/v))、本ステップの表題化合物(44-5)を得た(0.9g、収率85%)。
MS m/z (ESI): 372.2 [M+H]
【0348】
ステップ6、N-(4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(44)の製造
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(44-5)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(44)を合成した(50mg、収率25%)。
MS m/z (ESI): 485.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ: 9.21 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.75 (dd, J = 8.8, 1.6 Hz, 1H), 7.32-7.27 (m, 2H), 6.88 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.77-3.74 (m, 4H), 3.65-3.63 (m, 4H), 2.84 (s, 3H), 1.82-1.79 (m, 1H), 1.41 (bs, 2H), 1.03 (br, 2H)。
【0349】
実施例45、N-(2’-クロロ-4-シアノ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物45)
【化77】
【0350】
ステップ1、2-アミノ-6-(4-フルオロフェニル)イソニコチノニトリル(45-1)の製造
実施例43のステップ1の4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(42-4)の代わりに、4-クロロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(42-2)を用い、実施例43のステップ1に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(45-1)を合成した(1.2g、収率60%)。
MS m/z (ESI): 214.1 [M+H]
【0351】
ステップ2、6-アミノ-3-ブロモ-2-(4-フルオロフェニル)イソニコチノニトリル(45-2)の製造
実施例2のステップ2の3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-3)の代わりに、2-アミノ-6-(4-フルオロフェニル)イソニコチノニトリル(45-1)を用い、実施例2のステップ2に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(45-2)を合成した(0.8g,収率63%)。
MS m/z (ESI): 292.0 [M+H]
【0352】
ステップ3、6-アミノ-2’-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-4-ニトリル(45-3)の製造
実施例2のステップ3の5-ブロモ-3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-アミン(2-4)の代わりに、6-アミノ-3-ブロモ-2-(4-フルオロフェニル)イソニコチノニトリル(45-2)を用い、実施例2のステップ3における4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)の代わりに、2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)を用い、実施例2のステップ3に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(45-3)を合成した(0.4g、収率72%)。
MS m/z (ESI): 339.1 [M+H]
【0353】
ステップ4、N-(2’-クロロ-4-シアノ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-6-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(45)の製造
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、6-アミノ-2’-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4’-ビピリジン]-4-ニトリル(45-3)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(45)を合成した(90mg、収率43.0%)。
MS m/z (ESI): 452.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 10.0 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 7.23 (s, 1H), 7.17 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.65-3.58 (m, 4H), 3.54-3.48 (m, 4H), 2.40 (s, 3H)。
【0354】
実施例46、N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物46)
【化78】
【0355】
ステップ1、4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-3-アミン(46-2)の製造
実施例3のステップ4の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)の代わりに、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノリン(46-1)を用い、実施例3のステップ4に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(46-2)を合成した(150mg、収率63%)。
MS m/z (ESI): 331.1 [M+H]
【0356】
ステップ2、N-(4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(46)の製造
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-3-アミン(46-2)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(46)を合成した(30mg、収率18%)。
MS m/z (ESI): 444.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.85 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.76 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.70 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.46-7.39 (m, 4H), 7.18-7.14 (m, 2H), 3.62-3.60 (m, 4H), 3.49-3.47 (m, 4H), 2.62 (s, 3H)。
【0357】
実施例47、N-(4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物47)
【化79】
【0358】
ステップ1、4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(47-1)の製造
実施例44のステップ5の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)の代わりに、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノリン(46-1)を用い、実施例44のステップ5に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(47-1)を合成した(260mg、収率63%)。
MS m/z (ESI): 371.2 [M+H]
【0359】
ステップ2、N-(4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(48)の製造
実施例5のメチルアミンのテトラヒドロフラン溶液の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例5の4-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(3)の代わりに、4-シクロプロピル-6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリミジン-2-アミン(47-1)を用い、実施例5に記載の方法と同様にして、表題化合物(47)を合成した(45mg、収率50%)。
MS m/z (ESI): 484.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.50 (s, 1H), 8.76 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 2H), 7.59 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 7.33-7.30 (m, 2H), 7.05 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.61 (t, J = 8.8 Hz, 4H), 3.46 (t, J = 8.8 Hz, 4H), 2.56 (s,3H), 1.78 (s, 1H), 1.13 (s, 2H), 0.90 (s, 2H)。
【0360】
実施例48、N-(6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物48)
【化80】
【0361】
ステップ1:6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(48-1)の製造
実施例1のステップ2の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)の代わりに、4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノリン(46-1)を用い、実施例1のステップ2に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(48-1)を合成した(1.2g、収率51%)。
MS m/z (ESI): 330.1 [M+H]
【0362】
ステップ2、N-(6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリジン-2-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(48)の製造
実施例4のN-メチル-1-ピリジン-2-メチルアミン(In-7-b)の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例4の3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(2)の代わりに、6-(4-フルオロフェニル)-5-(4-メチルキノリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(48-1)を用い、実施例4に記載の方法と同様にして、表題化合物(48)を合成した(12mg、収率15%)。
MS m/z (ESI): 443.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 8.78 (s, 1H), 8.24-8.17 (m, 2H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.84 (m, 1H), 7.50 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.35-7.30 (m, 3H), 6.97 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.80 (t, J = 8.8 Hz, 4H), 3.62 (s,4H), 2.64 (s, 3H)。
【0363】
実施例49、N-(2’-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4-ビピリジン]-6-イル)モルホリン-4-ホルムアミドの製造(化合物49)
【化81】
【0364】
ステップ1、2’-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4-ビピリジン]-6-アミン(49-1)の製造
実施例1のステップ2の4-メチル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キナゾリン(1-3)の代わりに、2-クロロ-6-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(In-4)を用い、実施例1のステップ2に記載の方法と同様にして、本ステップの表題化合物(50-1)を合成した(170mg、収率56%)。
MS m/z (ESI): 314.1 [M+H]
【0365】
ステップ2、N-(2’-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4-ビピリジン]-6-イル)モルホリン-4-ホルムアミド(49)の製造
実施例4のN-メチル-1-ピリジン-2-メチルアミン(In-7-b)の代わりに、モルホリン(11-1)を用い、実施例4の3-フルオロ-6-(4-フルオロフェニル)-5(4-メチルキナゾリン-6-イル)ピリジン-2-アミン(2)の代わりに、2’-クロロ-2-(4-フルオロフェニル)-6’-メチル-[3,4-ビピリジン]-6-アミン(49-1)を用い、実施例4に記載の方法と同様にして、表題化合物(49)を合成した(100mg、収率42%)。
MS m/z (ESI): 427.1 [M+H]
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ: 9.50 (s, 1H), 7.87 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 7.40-7.32 (m, 2H), 7.20-7.16 (m, 2H), 7.08 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 3.59 (d, J = 4.8 Hz, 4H), 3.49 (d, J = 4.4 Hz, 4H), 2.36 (s, 3H)。
【0366】
生物学的試験
【0367】
実験例1 アデノシンA1、A2a受容体に対する競合的阻害定数(Ki)の測定
【0368】
実験用試薬:
H]-DPCPX(PerkinElmer,NET974250UC)、
H]-CGS-21680(PerkinElmer,NET1021250UC)、
A1受容体細胞膜(ヒト由来)(PerkinElmer、ES-010-M400UA)、
A2a受容体細胞膜(ヒト由来)(PerkinElmer、RBHA2AM400UA)、
Microscint 20 cocktailシンチレーション液(PerkinElmer、6013329)、
PEI (Poly ethyleneimine)(Sigma、P3143)、及び
CGS-15943(Sigma、C199)。
【0369】
実験用の緩衝液:
A1受容体細胞膜(ヒト由来)及び[H]-DPCPXの希釈に用いられるA1実験緩衝液(25mM HEPES、5mM MgCl、1mM CaCl、100mM NaCl、pH7.4)、
A1洗浄緩衝液(25mM HEPES、5mM MgCl、1mM CaCl、100mM NaCl、pH7.4)、
A2a受容体細胞膜(ヒト由来)及び[H]-CGS-21680の希釈に用いられるA2a実験緩衝液(50mM Tris-HCl、10mM MgCl、1mM EDTA、pH7.4)、
A2a洗浄緩衝液(50mM Tris-HCl、154mM NaCl、pH7.4)。
【0370】
実験方法:
【0371】
A1受容体細胞膜をA1実験緩衝液で0.025μg/μlに希釈し、A2a受容体細胞膜をA2a実験緩衝液で0.05μg/μlに希釈して、A1受容体細胞膜希釈液とA2a受容体細胞膜希釈液を得る。
【0372】
被検化合物とCGS-15943をDMSOで段階希釈し、1μlの被検化合物、高値コントロール(0.5%DMSO)、低値コントロール(1000nM CGS-15943)を96ウェルプレートに加え、100μlのA1受容体細胞膜希釈液(2.5μgの細胞膜を含む)を各ウェルに加えて、A1検出プレートを得て、同じステップで100μlのA2a受容体細胞膜希釈液(5.0μgの細胞膜を含む)を96ウェルプレートの各ウェルに加えて、A2a検出プレートを得る。
【0373】
100μlの放射性同位体標識リガンド[H]-DPCPX(A1実験緩衝液で希釈され、作用濃度が1.0nMである)をA1検出プレートに加え、100μlの放射性同位体標識リガンド[H]-CGS-21680(A2a実験緩衝液で希釈され、作用濃度が6.0nMである)をA2a検出プレートに加え、テープでA1及びA2a検出プレートを密封し、室温条件下で、それぞれ1hと2hインキュベートする。
【0374】
Unifilter-96 GF/C濾過プレートを用意し、50μlの0.3% PEIをUnifilter-96 GF/C濾過プレートの各ウェルに加え、室温条件下で0.5h以上インキュベートする。
【0375】
インキュベーションが終了した後に、A1検出プレートとA2a検出プレートにおける反応液を2枚のUnifilter-96 GF/C濾過プレートに移し、予冷されたA1洗浄緩衝液とA2a洗浄緩衝液で洗浄し、次に、濾過プレートを乾燥し、濾過プレートの底部を密封した後に、50μlのMicroscint 20 cocktailシンチレーション液を加え、濾過プレートの最上部を密封した後に、カウンタMicroBeta2 Readerでプレートを読み取る。
【0376】
データ分析:
阻害率%=100-(実験ウェル信号値-低値コントロール信号平均値)/(高値コントロール信号平均値-低値コントロール信号平均値)*100という式で阻害率を計算し、
EXCEL XLfitでIC50をフィッティングし、
競合的阻害定数(Ki)の計算式は、K=IC50/(1+同位体標識リガンド濃度/K)であり、式中、Kは同位体標識リガンドの解離定数である。
【0377】
本願の化合物のアデノシンA2a、A1受容体に対する競合的阻害定数(Ki)の検出結果を表1に詳細に示す。
【0378】
表1 本願の化合物のアデノシンA2a、A1受容体に対する競合的阻害定数(Ki)
【表2】
【0379】
表1のデータは、本願の化合物がアデノシンA2a受容体に対して高い親和力を有し、アデノシンA1受容体に対して低い親和力を有することを示す。本願の化合物は、アデノシンA2a受容体に対して高い選択性を有する。
【0380】
実験例2、ADORA2a/CHOK1細胞に対する阻害活性の研究
【0381】
実験用試薬:
アデノシン(Sigma、A4036)、
Ham′s F-12 培地:(Hyclone,SH30526.01)
Hygromycin B:(Invitrogen,10687010)
Zeocin(Invitrogen,R25001)、
cAMP検出キット(Cisbio、62AM4PEB)、及び
ADORA2a/CHOK1細胞(科佰、CBP71017)。
【0382】
溶液の調製:
細胞培地の調製:FBSをHam’s F-12培地に10%(v/v)になるまで加え、Zeocinを最終濃度が200μg/mLになるまで添加し、Hygromycin Bを最終濃度が100μg/mLになるまで添加し、4℃で貯蔵して使用に備える。
【0383】
10μMのアデノシン溶液の調製:一定量のアデノシンを称量して1.5mLのEPチューブに入れ、一定体積の細胞培地を加え、37℃でインキュベートし溶解を補助して、10mMの貯蔵液を調製する。細胞培地で1:1000で希釈して10μMのアデノシン溶液を得る。
【0384】
被検化合物の調製:被検化合物をDMSOで10mMの貯蔵液に溶解し、4℃で冷蔵庫に保存して使用に備える。化合物を10μMのアデノシン溶液で2000nM、200nMに希釈して検出に備える。
【0385】
実験方法:
【0386】
1、細胞のプレートへの接種:(1)ADORA2A受容体を安定して発現するCHO-K1細胞を37℃で、5%COの細胞インキュベータに培養し、細胞コンフルエントが80%程度になると、パンクレアチンで消化し、細胞を分散しカウントし、(2)カウント結果に基づいて細胞濃度を6×10個細胞/mLに調整し、(3)細胞を白色の384ウェル細胞培養プレートに接種し、各ウェルに5μL(約3000個細胞/ウェル)接種する。
【0387】
2、化合物と細胞との共インキュベート:全てのグループにそれぞれ重複ウェルを設け、Blankグループにアデノシンを含まない細胞培地(5μL/ウェル)を加え、Agonistグループに10μMのアデノシン溶液(5μL/ウェル)を加え、被検化合物グループに希釈後の化合物(5μL/ウェル)を加える。化合物を加えた後に384ウェルプレートを2500rpmで30s遠心分離して、化合物と培地を十分に混合する。384ウェルプレートを25℃のインキュベータ中で30minインキュベートする。
【0388】
3、検出試薬の添加:(1)検出液を調製し、A液について、一定体積のcAMP-d2に、Lysis&Detection Bufferを1:5で加えて希釈し、B液について、一定体積のcAMP-Cryptateに、Lysis&Detection Bufferを1:5で加えて希釈する。(2)第2ステップ、30minインキュベートした後に検出液を加える。384ウェルプレートを取り出し、各ウェルに5μLのA液を加え、さらに5μL/ウェルでB液を加える。プレートシーリングフィルムをカバーした後に384ウェルプレートを2500rpmで30s遠心分離し(検出液と培地と十分に混合する)、25℃のインキュベータ中で1hインキュベートする。
【0389】
4、プレート読み取り:インキュベーションが終了した後に384ウェルプレートを取り出し、PHERA Star FSでデータを読み取り、検出波長が620nm/665nmである。
【0390】
データの解析、元のデータの処理及び阻害率の計算について、
元のデータの処理において、(665nm読み値/620nm読み値)*10000は、R値であり、阻害率%=(1-(RCompound-RBlank)/(RAgonist-RBlank))*100%であり、RCompoundは、被検化合物グループのR値を示し、RAgonistは、AgonistグループのR値を示し、RBlankは、BlankグループのR値を示す。
【0391】
本願の化合物のADORA2a/CHOK1細胞に対する阻害活性(阻害率)の検出結果を表2に詳細に示す。
【0392】
表2 本願の化合物のADORA2a/CHOK1細胞に対する阻害活性(阻害率)
【表3】
【0393】
表2のデータは、本願の化合物がCHOK1細胞のA2a受容体に対して高い拮抗活性を有することを示す。
【0394】
実験例3、ラット薬物動態(PK)及び脳組織分布の研究
【0395】
本願の化合物をそれぞれ静脈(IV)と強制経口投与(PO)により雄性SDラットに投与し、薬物動態の特徴を考察する。IVとPOの投与量は、それぞれ1mg/kgと5mg/kgであり、IVの溶媒は、5%DMSO、5%Solutol(ポリエチレングリコール-15ヒドロキシステアレート)及び90%生理食塩水の混合物であり、POの溶媒は、0.5%MC(メチルセルロースナトリウム)である。IV投与前(0h)と投与後0.083h、0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h及び24hの時点で血液を収集し、PO投与前(0h)と投与後0.25h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h及び24h時点で血液を収集し、血液をEDTA.Kで抗凝固し、遠心分離した後に血漿サンプルを得る。化合物11について、0.25h、0.5h、1h、4h及び8hに脳組織を摘出してホモジナイズし、化合物19及び32について、0.25h、0.5h、1h及び8hに脳組織を摘出してホモジナイズし(各時点で3匹のSDラットを選択して脳組織分布実験を行う)、-80℃に保存する。血漿サンプル及び脳組織ホモジェネートに対してタンパク質沈殿処理を行った後に、LC-MS/MS分析を行う。
【0396】
WinNonlin6.3ソフトウェアを応用して、ノンコンパートメントモデルで薬物動態パラメータを計算し、実験結果を表3及び表4に示す。
【0397】
表3、IV投与された化合物のラット体内での薬物動態パラメータ
【表4】
【0398】
表3に示すように、1mg/kgの投与量でIV投与された本願の化合物11、19、32のラット体内での曝露量(AUCmax)は、それぞれ985h*ng/mL、2631h*ng/mL、1822h*ng/mLであり、化合物11、19、32のラット体内での最高血漿中濃度(Cmax)は、それぞれ1311ng/mL、1150ng/mL、1480ng/mLであり、本願の化合物11、19、32は、IV投与によりラット体内に優れた薬物曝露量を有することが示される。
【0399】
表4:PO投与された化合物のラット体内での薬物動態パラメータ
【表5】
【0400】
表4に示すように、5mg/kgの投与量でPO投与された本願の化合物11、19と32のラット血漿でのAUClastは、それぞれ3218h*ng/mL、11419h*ng/mLと7306h*ng/mLであり、ラット脳組織でのAUClastは、それぞれ11.4h*ng/g、70.2h*ng/gと52.9h*ng/gである。このように、化合物11、19と32のラット血漿でのAUClastと脳組織でのAUClastの比は、それぞれ282/1、163/1、138/1であり、本願の化合物11、19、32がPO投与によりラット血漿にいずれも優れた薬物曝露量を有し、かつ血液脳関門の透過率が低いことが示される。
【0401】
計算することにより、静脈投与と比較して、ラット経口化合物11、19、32のバイオアベイラビリティは、65.3%、86.8%と80.2%であり、本発明の化合物(例えば、化合物11、19と32)は、ラットの体内に優れた経口吸収効果を有することが示される。
【0402】
本願の具体的な実施形態について詳細に説明したが、当業者であれば、既に開示されている全ての教示に基づいて、細部を様々に修正し、変更することができ、かつそれらの変更はいずれも本発明の保護範囲にあることが理解される。本発明の全ての範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物により規定される。
【国際調査報告】