(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】動的バッチ制限事項検証方法
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20220210BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536326
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 US2019068002
(87)【国際公開番号】W WO2020132537
(87)【国際公開日】2020-06-25
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521268761
【氏名又は名称】スカイランド アナリティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】ログリー ブレント ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ルース ジョセフ デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】フォーマン ケネス アンドリュー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
本開示は、一般的には、データ適合性追跡システムによる、製品のバッチのテスト又はサンプリングに関するデータなどのデータを検証するシステム及び方法に関する。例示的方法は、コンピュータ要素から少なくとも1つのデータポイントを受信するステップであって、このデータポイントは、製品のバッチラン中の少なくとも1つのパラメータのサンプリングから収集されたデータに対応し且つタイムスタンプデータを含むステップと、少なくとも1つのパラメータに対応する制限事項情報を決定するステップであって、この制限事項情報は少なくとも1つのパラメータに関連付けられる少なくとも1つの制限事項を含み且つ関連付けられる有効値範囲を有する、ステップと、少なくとも1つのデータポイント及び制限事項情報を格納するステップと、ユーザデバイスから分析要求を受信するステップと、格納された制限事項情報を分析して制限事項を選択データポイントに適用するステップと、分析出力を表示するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ適合性追跡システムによってデータを検証する方法であって、
プロセッサによって、コンピュータ要素から少なくとも1つのデータポイントを受信するステップであって、前記データポイントは、製品のバッチラン中の少なくとも1つのパラメータのサンプリングから収集されたデータに対応し且つタイムスタンプデータを含む、ステップと、
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つのパラメータに対応する制限事項情報を決定するステップであって、前記制限事項情報は、前記少なくとも1つのパラメータに関連付けられる少なくとも1つの制限事項を含み且つ関連付けられる有効値範囲を有する、ステップと、
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つのデータポイント及び前記制限事項情報格納するステップと、
前記プロセッサによって、ユーザデバイスから分析要求を受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記格納された制限事項情報を分析して、制限事項を選択データポイントに適用するステップと、
前記プロセッサによって、分析出力を表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記分析出力は、前記選択データポイントと前記適用された制限事項との間の関係を示すチャートとして表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記格納された制限事項情報を分析して前記制限事項を選択データポイントに適用するステップは、
前記プロセッサによって、前記選択データポイントの時間値を決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記制限事項情報を分析して、前記時間値に基づいて前記選択データポイントに対する適用可能な有効時間間隔を決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記適用可能な有効時間間隔に関連付けられる制限事項を前記選択データポイントに適用するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択データポイントは、関連付けられるメタデータを有し、前記メタデータは、前記選択データポイントに関連付けられるパラメータ、製造日付、及び市場を含み、前記格納された制限事項情報を分析して、制限事項を前記選択データポイントに適用するステップは、
前記プロセッサによって、前記格納された制限事項情報を分析して、前記パラメータに関連付けられる1又は2以上の制限事項を決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記格納された制限事項情報を分析して、前記製造日付に関連付けられる前記1又は2以上の制限事項のうちの少なくとも1つの制限事項を決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記格納された制限事項情報を分析して、前記市場に関連付けられる前記少なくとも1つの制限事項のうちの1つの制限事項を決定するステップであって、前記決定された制限事項が、前記選択データポイントに適用される制限事項である、ステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
プロセッサによって、コンピュータ要素から第2データポイントを受信するステップであって、前記第2データポイントは、前記製品の第2バッチのテストから収集されたデータに対応する、ステップと、
前記プロセッサによって、前記格納された制限事項情報を分析して、第2の制限事項を第2の選択データポイントに適用するステップと、
前記プロセッサによって、それぞれの制限事項に関連付けられる前記選択データポイントを示す分析出力を表示するステップであって、前記適用される制限事項及び前記第2の適用される制限事項が異なる、ステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記適用される制限事項は、前記少なくとも1つのデータポイントが最初に生成された時点で有効な制限事項である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記適用される制限事項は、関連付けられる制限値を有し、
前記方法は更に、
前記プロセッサによって、前記選択データポイントと前記関連付けられる制限値を比較するステップと、
前記プロセッサによって、前記比較に基づいて前記選択データポイントが前記適用された制限事項に違反していると決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記分析出力の一部として前記違反を表示するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記関連付けられる制限値は、最大有効値及び最小有効値を有する、有効値の範囲を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記選択データポイントが前記適用された制限事項に違反していると決定するステップは、前記プロセッサによって、前記選択データポイントが前記有効値範囲外にあると決定するステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記関連付けられる制限値が最大有効値を含み、前記選択データポイントが前記適用された制限事項に違反していると決定するステップは、前記プロセッサによって、前記選択データポイントが前記最大有効値を超えると決定するステップを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記関連付けられる制限値が最小有効値を含み、前記選択データポイントが前記適用された制限事項に違反していると決定するステップは、前記プロセッサによって、前記選択データポイントが前記最小有効値を下回っていると決定するステップを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサによって、前記選択データポイントの選択を受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記選択データポイントに関連付けられるメタデータを決定するステップであって、前記メタデータは、前記製品のバッチランのバッチ識別情報、処理、又は製品情報の少なくとも1つに関係する、ステップと、
前記プロセッサによって、前記選択データポイントに関連付けられるメタデータを表示するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つのパラメータに対応する前記制限事項情報への更新を受信するステップであって、前記更新された制限事項情報は、前記少なくとも1つのパラメータに関連付けられる新しい制限値及び新しく関連付けられる有効値範囲を含む、ステップと、
前記プロセッサによって、前記更新された制限事項情報をメモリに格納するステップと、
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つの制限事項のステータスを廃止に更新するステップと、
を更に含み、
前記格納された制限事項情報を分析して、制限事項を選択データポイントに適用するステップは、前記格納された更新済み制限事項情報を分析して前記新しい制限値を前記選択データポイントに適用するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサによって、ユーザデバイスからクイック検索要求を受信して、クイック検索位置に格納された1又は2以上の格納された分析出力を検索するステップと、
前記プロセッサによって、前記1又は2以上の格納された分析出力に関係する情報を表示するステップと、
前記プロセッサによって、前記1又は2以上の格納された分析出力の1つに関係する情報の選択を受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記選択された情報に関係する分析出力を表示するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つのデータポイントが承認されアクティブアラートに関連付けられていると決定するステップと、
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つのデータポイントが受信されたことを示すアラート通知を前記ユーザデバイスに送信するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
データ適合性追跡システムにおける動的制限値を更新する方法であって、
プロセッサによって、第1のユーザデバイスから新しい制限値及び前記新しい制限値に関連付けられた変更理由を受信するステップと、
前記プロセッサによって、承認要求を第2のユーザデバイスに送信するステップであって、前記第2のユーザデバイスのユーザは、満足な権限レベルを有する、ステップと、
前記プロセッサによって、前記第2のユーザデバイスから前記新しい制限値の承認を受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記承認された新しい制限値の有効性間隔を決定するステップと、
前記プロセッサによって、新しい制限値エントリを生成するステップであって、前記新しい制限値エントリは、前記新しい制限値及び前記関連付けられる有効性間隔を含む、ステップと、
前記プロセッサによって、前記新しい制限値エントリをメモリに格納するステップと、
前記プロセッサによって、メモリに格納された前の制限値のステータスを廃止に更新するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記プロセッサによって、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインタフェースに表示される分析出力の一部として前記新しい制限値を表示するステップを更に含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサによって、前記新しい制限値の選択を受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記新しい制限値に関連付けられた変更理由を表示するステップと、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサによって、前記変更理由の追加の情報を提供する参照URL又は添付情報を受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記新しい制限値に関連付けられる前記参照URL又は添付情報を格納するステップと、
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
選択データ適合性フィードバックをリアルタイムでユーザに提供する方法であって、
サーバによって、製品のバッチランからデータ値を受信するステップと、
前記サーバによって、前記データ値が承認されたと決定するステップと、
前記サーバによって、前記承認されたデータ値がアクティブアラートに関連付けられていると決定するステップであって、前記アクティブアラートは、前記データ値に関連付けられる制限事項又は規則に関係する、ステップと、
前記サーバによって、前記制限事項又は規則との前記承認されたデータ値の適合性を評価するステップと、
前記サーバによって、前記評価に基づいて前記制限事項又は規則との前記承認されたデータ値の適合性を示すアラート通知をユーザに送信するステップと、
を含む方法。
【請求項21】
前記サーバによって、前記データ値に関連付けられる1又は2以上のアラートを起動する選択をユーザから受信するステップを更に含み、前記1又は2以上のアラートは、前記アクティブアラートを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「動的バッチ制限事項検証」という名称の2018年12月20日に出願された米国仮出願第62/782,920号明細書、及び「動的バッチ制限事項検証」という名称の2019年7月22日に出願された米国仮出願第62/876,990号明細書に対する優先権を主張し、これら仮出願はいずれも、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般的には、データ収集における適合性のモニタリング及び分析に関し、より具体的には、収集されたデータに対する制限事項を動的に適用することに関する。
【背景技術】
【0003】
医薬品、食品及び飲料製品、及び化学的プロセス及び他のプロセスを介して生成された他の製品などの製造製品は、例えば規制規格、内部規格など、特定の規格に合致しなければならないことが多い。製品の特定の構成要素に関する制限事項(例えば、不純物パーセンテージ、化学成分、アイデンティティ特性など)に関する規格が存在する場合がある。製品規格は、例えば、製品のタイプ、目標市場、環境影響、コストなどの様々な因子に依存することができる。例えば医薬品は、キャンディーバーとは異なる制限事項を有し、子供向けの製品は、大人向けの製品とは異なる要件を有する場合がある。製作又は実験ランの間、会社は、製品バッチ又はランに対して様々な化学成分及び組成をテストし、これらの成分が、規格又はパラメータに対応する特定の制限事項の範囲に入るかどうかを評価する。
【0004】
適用可能な制限事項は、会社によって(例えば、コストを制限する、純度、所望の性能を保証するため)、規制機関によって(例えば、安全性を保証し、環境影響を制限するため)、又はサードパーティの利害関係者(例えば、投資家)によって設定することができる。例えば、会社は、製品の製造中の目標としての様々なパラメータの制限事項を設定することができる。別の例として、規制機関は、製品の各バッチが十分な品質であることを保証するために様々なパラメータ値の制限事項を設定する。バッチは、バッチのパラメータ値が規定の制限事項内にある時に制定された目標及び/又は規制に適合している。制限事項は、変化する規制方式、製品の変化などに起因して経時的に変わる場合があり、このため、様々な時間にて分析されたバッチは、異なる適用可能な制限事項を有する可能性がある。
【0005】
規制機関は、一定の基準及び制限(例えば、健康、ウェルネス、及び人間、動物、及び環境の安全に基づく)に合致する製品を製造するよう、会社に厳しい要件を課す。これらの要件を満たすために、会社は、開発の全ての段階の自社の製品及びプロセスをモニタし、課された要件に関するデータを収集、整理、及び分析しなければならない。
【0006】
一例として、米国保健福祉省の食品医薬品局(FDA)は、医薬品のバッチがその承認及び出荷の条件として、適切な規格及び統計的品質管理の基準に合致することを保証するために、製品のサンプリング及びテストプランが基準のセットに合致することを要求している。例えば、医薬品製造は、医薬品アイデンティティ、強度、品質、及び純度を維持するのに適切であると評価された方法、設備、及び管理手順を使用しなければならない。
【0007】
加えて、規制機関は、データ完全性を保証するためにデータ管理に一定の要件を課してきた。データ完全性は、データが、完全であり、一貫しており、且つ正確であることを必要とする。特に、コンピュータシステムの使用が増えるにつれて、多くの規制方式は、無許可のアクセス又は変更を回避するために、データに所定の幾つかの制御があることを必要とする。例えば、FDAによってリリースされた医薬品適正製造基準(CGMP)は、何れかのコンピュータシステムに対してデータ保護を保証する手段を要求する。例えば、CGMPガイダンスは、あらゆるデータ変更の実施、以前のエントリ、変更を行った人、及び変更が行われた時点の記録が存在することを勧告している。
【0008】
データ収集における適合性をモニタする従来の方法は、データの冗長な手動入力及び比較を必要とするか、又はプログラミングスキルを必要とする。例えば、会社は、Excelスプレッドシートにデータを体系化することが多く、データが収集された時間に関連するデータ及び適用可能な制限事項を手動で入力する。このような手動エントリは、バッチとして困難であり、これらの適用可能な制限事項が極めて多い可能性がある。更に、このような手動エントリは、データを適切に追跡及び保存できないので、データ完全性に対する政府の命令に合致しないことが多い。
【0009】
本明細書で挙げられた何れかの引例及びその何らかの説明又は検討を含む、本明細書のこの背景技術の段落において含まれる情報は、技術的な参照の目的で含められ、本発明の範囲が制限されることになる主題とみなすべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国仮出願第62/782,920号明細書
【特許文献2】米国仮出願第62/876,990号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本明細書で開示される技術は、一般に、収集されたデータの適合性を追跡するシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、データ適合性追跡システムによってデータを検証する方法が開示される。この方法は、コンピュータ要素から少なくとも1つのデータポイントを受信するステップであって、データポイントは、製品のバッチラン中の少なくとも1つのパラメータのサンプリングから収集されたデータに対応し且つタイムスタンプデータを含む、ステップと、少なくとも1つのパラメータに対応する制限事項情報を決定するステップであって、制限事項情報は少なくとも1つのパラメータに関連付けられる少なくとも1つの制限事項を含み且つ関連付けられる有効値範囲を有する、ステップと、少なくとも1つのデータポイント及び制限事項情報を格納するステップと、ユーザデバイスから分析要求を受信するステップと、格納された制限事項情報を分析して制限事項を選択データポイントに適用するステップと、分析出力を表示するステップと、を含む。
【0013】
別の実施形態では、データ適合性追跡システムにおける動的制限値を更新する方法が開示される。本方法は、第1のユーザデバイスから新しい制限値及び新しい制限値に関連付けられた変更理由を受信するステップと、承認要求を第2のユーザデバイスに送信するステップであって、第2のユーザデバイスのユーザは、満足な特権レベルを有する、ステップと、第2のユーザデバイスから新しい制限値の承認を受信するステップと、承認された新しい制限値に対して有効性間隔を決定するステップと、新しい制限値エントリを生成するステップであって、新しい制限値エントリは新しい制限値及び関連付けられる有効性間隔を含む、ステップと、新しい制限値エントリをメモリに格納するステップと、メモリに格納された前の制限事項のステータスを廃止に更新するステップを含む。
【0014】
更に別の実施形態では、選択データ適合性フィードバックをリアルタイムでユーザに提供する方法が開示される。本方法は、製品のバッチランからデータ値を受信するステップと、データ値が承認されたと決定するステップと、承認されたデータ値がアクティブアラートに関連付けられていると決定するステップであって、アクティブアラートは、データ値に関連付けられる制限事項又は規則に関する、ステップと、制限事項又は規則との承認されたデータ値の適合性を評価するステップと、評価に基づいて制限事項又は規則との承認されたデータ値の適合性を示すアラート通知をユーザに送信するステップを含む。
【0015】
この発明の概要は、本明細書において以下で更に説明される概念の中から選択された内容を簡易的な形態で紹介するために提供される。この要約は、本発明の重要な要素を特定すること、及び本発明の技術的範囲を正確に説明することを意図するものではない。本発明の特徴、詳細事項、有用性、及び利点の更に広範囲の表現は、本発明の種々の実施形態に関する以下の明細書において提供され、添付図面において例示され、添付の特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】データ適合性モニタリングシステムの例を示すブロック図である。
【
図2】
図1のシステムの1又は2以上の構成要素を表すコンピュータデバイスの概略ブロック図である。
【
図3】
図1のデータ適合性モニタリングシステム内の対応する制限事項に基づいてデータを分析する方法を示す流れ図である。
【
図4】
図1のデータ適合性モニタリングシステム内の制限値を更新する方法を示す流れ図である。
【
図5A】
図1のシステムのデータベース構造の例を示す図である。
【
図5B】
図1のシステムのデータベース構造の別の例を示す図である。
【
図6】異なる制限事項カテゴリ間の選択を可能にするユーザインタフェースを示す図である。
【
図7】規格制限データを調整するユーザインタフェースを示す図である。
【
図8】目標制御制限データを調整するユーザインタフェースを示す図である。
【
図9】規格制限データ又は目標制御制限データの何れかに対する調整に関する追加の情報を提供するユーザインタフェースを示す図である。
【
図10】規格制限事項又は目標制御制限事項の何れかに対して表示される制限事項ステータスを調整するユーザインタフェースを示す図である。
【
図11】経時的に及び異なる市場に対して変化する制限事項を表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図12】単一のパラメータに対する制御チャートを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図13】1又は2以上の制御チャートに対するデータを生成するのに用いられる単一バッチの情報を表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図14】経時的な制限事項の変化を示す単一のパラメータのセグメント化制御チャートを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図15】表形式で
図14のセグメント化制御チャートに表示されたパラメータの制限データの変化を表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図16】単一の市場の制限事項を有する制御チャートを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図17】単一の市場に対するプロセス能力チャートを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図18】複数の市場に対する制限事項を有する制御チャートを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図19】制御チャートに表示された規格制限事項を調整するユーザインタフェースディスプレイを示す図である。
【
図20】バッチフィルタリングの方法を示す流れ図である。
【
図21】制限事項フィルタリングの方法を示す流れ図である。
【
図22】データポイントに関連付けられるメタデータを表示するグラフィックを備えた対話型制御チャートを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図23】アラートをユーザに送信する方法を示す流れ図である。
【
図24】ユーザのアラートプリファレンスへのアクセスを提供するホーム画面を表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図25】アラートをカスタマイズするアラートタブオープンを備えたホーム画面を表示する
図24のユーザインタフェースを示す図である。
【
図26】選択されたパラメータの1又は2以上の規則及び/又は制限事項をユーザがカスタマイズするのを可能にする分析タブを表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図27】選択されたパラメータに対してカスタマイズされた規則及び規格制限事項を備えた分析タブを表示する
図26のユーザインタフェースを示す図である。
【
図28】選択されたパラメータに対する1又は2以上のアラートをユーザがカスタマイズするのを可能にするアラートタブを表示する
図26のユーザインタフェースを示す図である。
【
図29】本開示のシステムによってユーザに送信される例示的アラートを示す図である。
【
図30】加入したチャートへのクイックアクセスのためのクイックアクセスチャートタブオープンを備えたホーム画面を表示する
図24のユーザインタフェースを示す図である。
【
図31】加入したチャートに固有の情報を閲覧するための分析画面を表示するユーザインタフェースを示す図である。
【
図32】データポイントに関連付けられるアラートメタデータを表示するグラフィックを備えた対話型制御チャートを表示する
図22のユーザインタフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示のシステム及び方法は、複数のバッチ又は製品などに対する1又は2以上のパラメータ(例えば、化学成分、追跡される値など)に対して収集されたデータに複数の制限事項を関連付ける機構を提供する。一例として、製品ラン又は実験(例えば、医薬品開発)中に、1又は2以上の化学処理を介して製品の幾つかのバッチを生成することができる。バッチは、純度制限事項、特定の化学的特性に対する所望の範囲(例えば、アルコールパーセンテージ、pH、温度)、及び/又は処理の様々な段階での化学成分の範囲などのバッチに関連付けられる1又は2以上の制限事項を有することができる。バッチのデータポイント又は値は、処理ラインに接続された器具(例えば、温度プローブ、pHプローブ、流量メータ、圧力センサ、分光光度計など)を介して及び/又はプロセス中の自動又は手動サンプリングを介して収集することができる。この値は、自動的に及び/又はユーザによる手動の何れかでデータベースに入力することができる。
【0018】
バッチの値又はデータポイントは、一般的には、許容可能(特定の規定要件内に入るか又は製品規格又はレシピに従う精度に必要とされる値)である1又は2以上の対応する制限事項又はしきい(例えば、最大、最小)値を含む。本開示のデータ適合性追跡システムは、値又はデータポイントに対応する制限事項を自動的に関連付け、これによってデータポイント及び値が、検証がレビュー又は実行される時間に関わらず所与の制限事項に対して検証される。
【0019】
幾つかの実施形態では、このデータ適合性追跡システムは、バッチ又はデータポイントデータベース及び制限データベースを含む。データポイント又は値データベースは、様々なパラメータ又は特性に対して収集されたデータポイント又は値を受信して格納する。データポイントデータベースは、コンピュータ又は他のデバイス(例えば、器具)から又は値をシステムに入力するユーザから情報を直接受信することができる。このデータポイントは、特定のサンプリングの周囲の状況に関する値メタデータを含むことができる。例えば、このメタデータは、収集されたデータポイントを結果として生じるサンプル又はバッチがテストされた日付及び/又は時間を示すタイムスタンプを含むことができる。制限データベースは、適用可能な有効時間間隔(例えば、実効時間ウィンドウ)に対する様々なパラメータの制限値を格納する。検証ウィンドウ又は検証間隔は、特定の制限事項に対する開始時間/日付、及び任意的に、特定の制限事項に対する終了日付又は進行中の時間/日付を含む。本発明のシステムは、所与のパラメータ(又は、パラメータ、副製品、及び市場の組合せ)に対する重なり合わない有効日付範囲を施行する。制限値が経時的に変化することがある場合、制限データベースは、様々なデータベースにおけるデータポイントのストレージ又はデータ完全性に影響を与えることなく、様々な制限値及びこれらの適用可能な有効時間間隔を収集及び格納することができる。
【0020】
データポイントデータベース及び制限データベースの構造が与えられた場合、分析が本発明のシステム内で実行され、ランの時間に実効する適用可能制限事項の別の識別情報なしに、所望の結果に対応する1又は2以上のバッチの適合性を決定するか又は成功を分析することができる。例えば、データを分析する時に、本発明のシステムは、対応する制限事項検証ウィンドウの間に製造されたバッチに定義制限事項を自動的に適用する。
【0021】
本発明のシステムは新しい制限事項が制定された場合に、古い又は無効の制限事項を新しい制限事項に入れ替えることができ、期限を経過した情報に基づく不注意なバッチの破壊の阻止を助ける。このような新しい制限事項は、様々な適用可能な実効時間ウィンドウを有することができる。本発明のシステムは、新しい時間ウィンドウ内で製造されたバッチに新しい制限事項を適用することができる。本発明のシステムは、バッチが製造された時間に基づいて自動的に制限事項を適用しグラフィック形式でバッチと制限事項の間のこの関係を図表化することができる。
【0022】
一実施形態では、分析のためのデータ又はユーザへの他の出力を検索した時に、データ適合性追跡システムは、分析のための所望のデータポイントを検索し、タイムスタンプ情報を含む対応する値メタデータを検索し、次に制限データベースを分析してデータポイントデータベースに格納された各データポイントに対する適用可能な制限値を決定する。この制限値は、次にそれぞれのデータポイント又は値に適用され、適用された正確な制限事項によってこれらの値を制御チャート(又は他の統計ツール)に図形的に示すか他の方法で分析することができ、これによって特定のパラメータ又は特性に施行されている現行の制限事項ではなく、バッチが処理された時間の実効制限事項に対応するデータが分析されることになる。これは、この時間に実効していない基準の下で値を分析するのではなく、パラメータ又は特性が製造の時間に有効である及び/又は有効であったかどうかの正確な反映を可能にする。従って、ユーザは、収集されたデータが規定された制限事項内であるか又はあったかどうか及び従ってデータ収集の時間に課された規制に適合するかどうか決定することができる。これは、不必要に浪費される製品、資源の浪費などを生じる制限事項をモニタ及び更新しない従来のシステムに伴う問題の軽減を助ける。
【0023】
本開示のシステムは、バッチ及び制限事項の両方のフィルタリングを可能にし、適切なバッチ及び適用可能な制限事項をユーザに表示する。製造処理全体を通して生産される製品の幾つかのバッチが存在する可能性がある。それぞれのバッチは、これに関連付けられる幾つかの制限事項を有することがある。例えばバッチは、多数の関連付けられるパラメータ(例えば、温度、pH、毒性など)を有する可能性があり、各パラメータは多数の制限事項を有することがある。例えば各パラメータは、既存の権威(例えば、会社又は1又は2以上の規制機関)、副製品(例えば、パッケージング又は濃度)、制限事項日付範囲又はステータス、市場、及び他の多岐にわたる因子(例えば、パラメータ値に影響を与える可能性があるユーザ定義の因子)に基づいて異なる制限事項を有する可能性がある。本発明のシステムは、バッチ及び制限事項を迅速且つ効率的にフィルタリングして所望の制限事項を適切なバッチに適用することができる。
【0024】
本開示のシステムは、製品品質管理に関連付けられるデータ完全性の規制に適合するための検証可能手段を提供する。本発明のシステムは、データと文脈をリンクして、品質管理のためのデータ処理に関する政府要件を促進し満足させると同時にデータ完全性及び様々な制限事項及びデータ値に対する実証可能/追跡される変更を維持する。更に、本発明のシステムは、コンピュータプログラミングの専門技術を有してない平均的ユーザが、一貫した、信頼できる、及び有効な方法でデータを整理し分析する方法を提供し、手動入力スプレッドシート(例えば、エクセル)に関連するユーザエラーを回避する。本発明のシステムは、ユーザによる構成を必要とせず、逆にユーザは、処理の定義を作成する、規定及び目標制御制限事項を入力する、バッチデータを入力する、且つ単純に適合性をモニタすることができる。
【0025】
更に、本発明のシステムは、新しいデータ値が入力された時などに、バッチが実行され制限事項が他のユーザ設定プリファレンスを超えるか又はこれに基づく場合に自動アラートをユーザが受信するのを可能にする。このアラート機能は、ユーザが処理を細かくモニタするのを可能にし、バッチが適正にランされるのを保証することを助け、事実後ではなく、処理における問題が発生した場合に処理における問題をユーザが訂正するのを可能にする。
【0026】
ここで図を参照しながら、本開示のシステムを詳細に論じる。
図1は、データ適合性追跡システム100の例を示すブロック図である。システム100は、1又は2以上の器具108a-nと通信することができるユーザデバイス106を含む。本発明のシステムはまた、ユーザデバイス106及び/又は器具108a-nと通信することができるサーバ102及び1又は2以上のデータベース110を含むことができる。適合追跡システム100の様々な構成要素の各々は、ネットワーク104などを介して互いに直接又は間接的に通信することができる。従って、構成要素の各々は、システムにおける他の構成要素からデータを送信及び受信することができる。多くの事例では、サーバ102が、システム100における構成要素の一部に対して仲介者として動作することができる。
【0027】
ネットワーク104は、実質的には有線又は無線機構(例えば、WiFi、イーサネット、Bluetooth、セルラーデータなど)の何れかを介してデータを送信する通信システムのタイプの何れかのタイプ又は組合せとすることができる。一部の実施形態では、適合追跡システム100における特定の構成要素は第1モード(例えば、Bluetooth)を介して通信することができ他は第2モード(例えば、WiFi)を介して通信することができる。加えて、特定の構成要素は複数の送信機構を有し且つ2又は3以上の方式でデータを通信するよう構成することができる。ネットワーク104の構成及び構成要素の各々の通信機構は、要求される通りに変えることができる。
【0028】
サーバ102は、情報を処理及び実行する1又は2以上のコンピュータデバイスを含む。サーバ102は、サーバ102固有の処理要素、メモリ構成要素などを含むことができる、及び/又は1又は2以上の外部構成要素(例えば、別のメモリストレージ)と通信することができる(サーバ102に含めることができるコンピュータ要素の例を
図2に関して以下に開示する)。サーバ102はまた、ネットワーク104又は別の通信プロトコルを介して互いに相互接続される1又は2以上のサーバコンピュータを含むことができる。サーバ102は、システム100によって実行される処理の幾つかをホスト及び実行することができる。
【0029】
ユーザデバイス106は、コンピュータデバイスの様々なタイプの何れか、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス、ゲームデバイス、ウェアラブルデバイスなどとすることができる。ユーザデバイス106はユーザに出力を提供しユーザから入力を受信する。例えば、ユーザデバイス106は、ユーザから制限事項及び収集されたデータを受信し、適合情報、アラート、及び他の通知をユーザに出力することができる。ユーザデバイス106のタイプ及び数は要求される通りに変えることができる。
【0030】
器具108a-nは、製品を作成、サンプル、及びテストするのに用いられる器具又は技術の何れかのタイプとすることができる。例えば器具108は、検定を行うために用いられる何れかの器具(例えば、セルカウンタ、質量分析計、NIRプローブなど)とすることができる。別の例として器具108は、1又は2以上のパラメータ(例えば、温度、圧力、pH、電気、モーションなど)をモニタすることができるセンサとすることができる。
【0031】
1又は2以上のデータベース110は、ユーザにリンクされた何れかのデータベースとすることができる。例えばデータベース110は、会社によって直接用いられる内部データベースとすることができるか、又はデータベース110は外部データベースとすることができる。例えば、会社は、規制機関に関連付けられる外部データベースにアクセスすることができる。例えば、データベースは、米国食品医薬品局、欧州医薬機関、獣医薬本部、世界保健機関、健康製品規制機関、又は類似の規制機関に関連付けることができる。データベース110は、特定の化学成分又は化学組成物、処理などに対する規格制限事項を含む適合情報を格納する。
【0032】
システム100と共に用いるか又はシステム100の構成要素の1又は2以上に一体化することができるコンピュータデバイスの略ブロック構造が
図2に示されている。例えば、サーバ102、ユーザデバイス106,器具108a-108n、及び/又はデータベース110は、
図2に示した構成要素の1又は2以上を含みこれらの構成要素の1又は2以上を用いて、方法200、250、500及び550に開示する作動の1又は2以上を実行することができる。
図2に関して、コンピュータデバイス150は、1又は2以上の処理要素152、入力/出力インタフェース154、ネットワークインタフェース156、1又は2以上のメモリ構成要素158、ディスプレイ160、1又は2以上の外部デバイス162、及び電源164を含むことができる。様々な構成要素の各々は、1又は2以上のバス、無線手段などを介して互いに通信することができる。
【0033】
処理要素152は、命令を処理、受信、及び/又は送信することができる電子デバイスの何れかのタイプである。例えば、処理要素152は、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、プロセッサ、又はマイクロコントローラとすることができる。加えて、コンピュータ150の選択構成要素は第1プロセッサによって制御でき、他の構成要素は第2プロセッサによって制御でき、第1及び第2プロセッサは互いに通信できるか又は通信できなくてもよい点に注目されたい。
【0034】
メモリ構成要素158はコンピュータ150によって用いられ、処理要素152の命令、並びに、収集されたデータポイント(例えば、バッチデータ)、時間情報、制限値などのデータを格納する。メモリ構成要素158は、例えば、磁気光学ストレージ、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、消去可能プログラマブルメモリ、フラッシュメモリ、又はメモリ構成要素の1又は2以上のタイプの組合せとすることができる。
【0035】
ディスプレイ160は、ユーザに視覚フィードバックを提供し、任意的には、ユーザがコンピュータデバイス150の様々な構成要素を制御、操作、及び較正するのを可能にする入力要素として動作することができる。ディスプレイ160は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、及び/又は陰極線管ディスプレイとすることができる。ディスプレイ160が入力として用いられる実施形態では、ディスプレイ160は、容量タッチセンサ、抵抗グリッドなどの1又は2以上のタッチ又は入力センサを含むことができる。
【0036】
I/Oインタフェース154は、ユーザがコンピュータ150にデータを入力するのを可能にし、同時に構成要素150の入力/出力を提供し他のデバイス(例えば、サーバ102、器具108a-n、他のコンピュータ、スピーカなど)と通信する。I/Oインタフェース154は、1又は2以上の入力ボタン、タッチパッドなどを含むことができる。
【0037】
ネットワークインタフェース156は、コンピュータ150と他のデバイスの間の通信を提供する。例えば、ネットワークインタフェース156は、サーバ102がネットワーク104を介して器具108a-nと通信するのを可能にする。ネットワークインタフェース156は、限定ではないが、WiFi、イーサネット、Bluetoothなどの1又は2以上の通信プロトコルを含む。ネットワークインタフェース156はまた、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどの1又は2以上のハードワイヤード構成要素を含むことができる。ネットワークインタフェース156の構成は、要求される通信のタイプに応じて変わり、WiFi、Bluetoothなどを介して通信するよう修正することができる。
【0038】
外部デバイス162は、様々な入力をコンピュータデバイス150に提供するために用いることができる1又は2以上のデバイス、例えば、マウス、マイクロフォン、キーボード、トラックパッドなどである。外部デバイス162はローカル又はリモートにすることができ要求される通りに変えることができる。電源164は、コンピュータ150が機能するのを可能にする何れかの電源(例えば、壁電源、バッテリなど)とすることができる。
【0039】
図3は、データ適合性追跡システム100内の対応する制限事項に基づいてデータを分析する方法を示す流れ図である。方法200は動作202で開始しサーバ102が1又は2以上のデータポイント又は値を受信する。データポイントは、特定の製品のバッチ(例えば、医薬製品)のテスト又はサンプルから収集されたデータに対応することができる。一般的には、バッチのサンプル又はテストは、パラメータ固有であり、すなわち、サンプリングは、例えば、温度、pH、特定の物質又は不純物の濃度、粘度、存続可能性、硬度、溶解などのバッチの1又は2以上のパラメータ値に基づく。別の例では、テスターが、1つのサンプリングにおける複数のパラメータをテストすることができる。収集されたデータは、1又は複数のパラメータ値を含み、サンプリングの状況に関連付けられるメタデータを含むことができる。例えば、
図13に示すように、バッチデータ350はまた、バッチID番号又は名前352(例えば、値が適用されるバッチを識別する)、タイムスタンプ情報354(例えば、バッチがサンプル又は作成された時間及び/又は日付に対応する時間及び/又は日付)、バッチステータス356、及び何れかの適用可能な副製品358又は市場360を含むことができる。バッチデータ350は、参照URL362又は添付364を含み、バッチに関する追加の情報/結果を提供することができる。
【0040】
バッチデータ350はユーザによってシステム100に手動で入力できるか又は収集された場合に自動的にシステム100にアップロードすることができる。例えば、値は、システム100の器具108a-nの1又は2以上を介して検出することができる。一例として、サーモメータを用いて、特定のバッチサンプルの温度値を検出及び入力することができる。1又は2以上の器具108a-nはサーバ102と通信することができ且つ直接か又はネットワーク104を通じてサーバ102に収集されたバッチデータを送信することができる。データ値は、器具108a-nから直接に又は器具108a-nと通信するコンピュータデバイス又はストレージから受信することができるか又は器具108a-nから(例えば、バルクデータアプロードを介して)情報を受信することができる。タイムスタンプ情報はまた、値が記録された時に器具108a-nによって直接記録することができ、且つ直接又はネットワーク104を通じてサーバ102にアップロードすることができる。代替として、器具108a-nと通信するコンピュータデバイスは、データ値が収集された時間を記録しタイムスタンプ情報をサーバ102にアップロードすることができる。更に別の例では、バッチデータがアップロードされた時の(例えば、バッチがシステムに入力された時間を示す)タイムスタンプ情報をシステム100に自動的に又は手動で入力することができる。
【0041】
動作202の後、方法200は動作204に進みサーバ102が制限事項情報を決定する。制限事項情報は、規制機関によって設定された有効基準、ユーザによって設定された閾値などに関係付けることができる。例えば、規制機関又はユーザは、特定の市場の安全又は許容可能な製品に対応する最大値、最小値、又は1又は2以上のパラメータの範囲を設定することができる。このような最大値、最小値、又は範囲は、制限事項である。パラメータ値が最大値を超える、最小値を下回る、又は規制機関及び/又はユーザによって設定された範囲の外側に入る場合、パラメータ値は、規制フレームワーク又はユーザが課した制限事項に適合しない。しかしながら、パラメータ値が最大値を下回る、最小値を上回る、又は規制機関及び/又はユーザによって設定された範囲内にある場合、パラメータ値は適合している。様々な品質属性を製品に応じて適用できる場合に制限事項情報もまた製品固有とすることができる。このように、制限事項情報は、例えば、特定の製品による臨床的経験などの様々な因子に基づくことができる。
【0042】
制限事項情報はユーザによって入力でき、又は1又は2以上のデータベース110から取得することができる。一例として、制限事項情報は、ユーザデバイス106を介してユーザによって入力される。ユーザは、
図6-19、及び22に示すインタフェース300などのユーザインタフェースと対話することができる。ユーザは、例えば、
図6に示すように規格304又は目標306などの制限事項カテゴリ302を選択することができる。規格304は規制機関によって定めることができ目標306はユーザによって定めることができるか、又は統計値、レシピ、又は目的に基づくことができる。例えば、規格304制限値は、安全又は環境的に優しいという規制機関の決定(例えば、最小限度値の設定)に応じて変えることができる。規格304制限事項は、製品に関係付けることができる(例えば、医薬品の後ろに列挙されている成分を管理する)。一例として、規格304制限事項は、原材料の変更に基づいて変えることができる。別の例として、規格304制限値は、処理開発、検証研究、及び/又はFDA提出に基づいて処理中のパラメータに対して設定することができる。
【0043】
他方、目標306制限値は、ユーザの目標目的に基づいてユーザによって設定することができる。代替として、目標306制限値は、特定のパラメータに対する一般的な値(例えば、平均値)を示す統計値に基づくことができる。例えば、目標306制限値は、ベースラインバッチ又は前の経験から統計的に導かれた制御制限事項とすることができる。目標306制限事項は、処理に関係付けることができる(例えば、実際の製造処理の作動範囲を制御する)。目標306制限事項は複数のバッチに渡って拡張することができる。目標306は、規格304制限事項よりも迅速に変更できることが多い。
【0044】
図7及び8に示すように、規格304及び目標306の両方を、上限値と下限値の両方によって定めることができ、これによって制限事項は範囲によって定められる。しかしながら、規格304及び目標306を最小値又は最大値の何れかによって定めることができることも考えられる。規格304及び目標306は様々な単位作動又は副カテゴリ308(例えば、中でも
図7に示すように、拡張、N-1、プロッド、ハーベスト、ProA、VI、CEX、AEX、VF、UF/DF、FF、BOS)を含むことができる。
図8-11に示すように、各副カテゴリ308は特定のパラメータ310を包含する。規格304又は目標306の何れかに対して、ユーザはパラメータ310を選択して、これに関連付けられる制限事項を調整することができる。ユーザは、データベース110から収集された制限データに基づいて規格304制限事項を入力することができるか、又はシステム100をデータベース110から制限データを自動的にプルするよう構成することができる。ユーザはまた、ユーザプリファレンス(例えば、目標)又はデータベース110から取得された統計的データに基づいて目標306制限事項を入力することができる。代替として、システム100を、データベース110から自動的に統計的データをプルして目標306制限値に適用するよう構成することができる。
【0045】
動作204の後に、方法200は動作206に進む。動作206では、システム100が収集されたデータ及び制限事項情報を格納する。この情報は、別個の系統的な方式で格納される。例えば、システム100は表にデータを格納することができる。一例として、本発明のシステムは、様々なストレージデータベース又はシステムにデータ及び制限事項情報を格納する。
図5Aはシステム100のストレージシステム270の例を示す。図示のように、ストレージシステム270はデータポイントストレージ又は値データベース272及び制限事項ストレージデータベース274を含む。データポイントストレージデータベース272は1又は2以上のパラメータに対して収集されたデータポイント(例えば、バッチデータ)を格納する。
図5Aに示した実施形態では、データポイントストレージシステム272がパラメータ温度に対して収集された複数のデータポイント275a-gを含む。データポイント275a-gはパラメータ値276及びタイムスタンプ278を含む。この例では、温度値276が摂氏で記録されておりタイムスタンプ278は値がサンプルされた日付及び時間の両方を示す。タイムスタンプ情報は、値がストレージに入力された時間、値が収集された時、値が対応するバッチがランされた時などに基づいて自動的に決定することができる。
【0046】
制限事項ストレージデータベース274は、1又は2以上のパラメータ310に対する様々な有効時間間隔280の制限値を格納する。
図5Aに示した実施形態では、制限事項ストレージデータベース274はパラメータ温度に対する複数の制限事項エントリ285a-hを含む。図示の例では、各制限事項エントリ285a-hは摂氏の最小値282及び最大値284温度値を有する有効値範囲286、及び関連付けられる有効時間間隔280を含む。制限事項(例えば、値範囲286)は有効時間間隔280に渡って変化することがある。図示のように、時間間隔(例えば、単一の日付)が1より多い制限事項エントリ285a-h(又は、この例では、1より多い値範囲286)を有してないように重なり合う有効時間間隔280はない。
【0047】
図5Bは、システム100のストレージシステム600の別の例を示す。図のように、ストレージシステム600はバッチデータベース602及び制限データベース604を含む。バッチデータベース602は様々なバッチ606に関連付けられるバッチデータを格納する。バッチデータベース602は単一のデータベースにすることができるか又は幾つかのデータベースに渡って分割することができる。図のように、バッチデータベース602はバッチ識別データベース602a及びバッチ値データベース602bを含む。バッチ識別データベース602aは、識別子(例えば、文字、数字など)、適用可能な市場608、及び製造日付610に基づくバッチ606の識別を可能にする。図のように、識別子B101、B102、及びB103を有する3つのバッチ606が、バッチデータベース602に格納されている。各バッチ606は、関連付けられる市場608及び製造日付610を有する。図のように、バッチ606B101は2018年2月1日午後1時55分に製造され米国市場608に関連付けられており、バッチ606B102は2018年2月8日午前11時6分に製造され欧州市場608に関連付けられ、バッチ606B103は2018年2月15日午後4時54分に製造され米国市場608に関連付けられている。
【0048】
バッチ値データベース602bはバッチ識別データベース602aに関連付けることができ且つ各バッチ606の1又は2以上のパラメータ612、並びに各パラメータ612の記録された値614を含むことができる。図のように、バッチ値データベース602bはパラメータ612温度及びpHを含み且つこれらのそれぞれの値614を含む。図のように、各バッチ606(例えば、B101、B102、B103)はどれも記録された温度及びpH値を有する。
【0049】
制限データベース604は様々な有効時間間隔に基づく1又は2以上のパラメータの制限データを格納する。制限データベース604は単一のデータベースとすることができるか又は幾つかのデータベースに渡って分割することができる。図のように、制限データベース604は規格制限データベース604a及び目標制御制限データベース604bを含む。規格制限データベース604aは様々な規格制限事項エントリ616a-gを含むことができる。図のように、規格制限事項エントリ616a-gは、有効開始日付620、有効終了日付622、パラメータ612、制限事項カテゴリ624、タイプ628、下限値630、及び上限値632を含む。規格制限事項は、制限事項カテゴリ624に基づいて変えることができる。制限事項カテゴリ624は、特定の市場(例えば、図示)、副製品、又は制限事項に影響を与える可能性がある何れかの多岐にわたるカテゴリ(例えば、製品タイプ、用いられる機器、テスト環境など)を含むことができる。図示の例では、規格制限事項は、パラメータ612温度及びpHに対して及び米国及び欧州市場に対して適用可能である。タイプ628は発行機関を示すことができる。例えば、タイプ628リリースは、例えばFDAなどの規制機関によって要求されることがある。別の例として、タイプ628アクションを、例えば会社などによって内部で発行することができる。規格制限事項は、下限630値、上限632値、又はこれらの両方(例えば、制限事項範囲)を有することができる。
【0050】
目標制御制限データベース604bは、様々な目標制御制限事項エントリ618a-eを含むことができる。図のように、目標制御制限事項エントリ618a-eは、有効開始日付620、有効終了日付622、パラメータ612、制限事項カテゴリ624、及び制限値634を含む。目標制御制限事項は、規格制限事項に関して上述したのと同じ方式で制限事項カテゴリ624に基づいて変えることができる。図示の例では、目標制御制限事項は、パラメータ612温度及びpHに対して及び米国及び欧州市場に対して適用可能である。制限値634は、下限値、上限値、又はこれらの両方(例えば、制限事項範囲)を含むことができる。例えば、図のように、制限値634は、下限制御制限事項(LCL)、下限警告制限事項(LWL)、下限内側制限事項(LIL)、上限内側制限事項(UIL)、上限警告制限事項(UWL)、及び上限制御制限事項(UCL)の値を含む。
【0051】
動作206の後、方法200は動作208に進み、システム100が収集されたデータの検証の要求とすることができる分析要求を受信する。例えばユーザは、特定のバッチがサンプリングの時間の規定及び/又は目標に適合しているかどうか知りたいことがある。バッチが適合しているかどうか決定するために、ユーザはユーザデバイス106を介して分析要求を提出する。この分析は、実質的には、チャート要求などの収集されたデータポイントと関連付けられる制限事項の間の関係の何れのタイプにもすることができる。例えばユーザは、パラメータ310(例えば、温度)を選択して、システム100が、
図12、14、16、及び18に示すように制御チャート314として公知である図形プロットで関連付けられる制限事項に対してパラメータデータポイントを図表にすることを要求できる。別の例として、ユーザは、例えば、オーバレイラインプロット、ボックス及びウィスカープロット、バープロットなどの他の出力を要求することができる。例えばユーザは、このような出力に様々な規格制限事項を描くよう要求することができる。
【0052】
動作208の後、方法200は動作210に進みサーバ102が格納されたデータポイント及び制限事項を分析して適用可能な制限事項を選択されたデータポイントに適用する。一例として、サーバ102は、
図20及び21に関して以下に詳細に論じるように、ユーザ選択に基づいて格納されたデータポイント(例えば、バッチデータ)又は制限データの1つ又は両方をフィルタすることができる。別の例として、
図5Aに関して、システム100は、ストレージシステム270を用いて、時間情報に基づいて制限事項をデータポイント275a-gにマップすることができる。この例では、システム100は、タイムスタンプ278に有効時間間隔280を関連付けるなどによって、それぞれのデータポイント275a-gとこれらに対応する制限事項エントリ285a-hを自動的に相関付ける。例えば、本発明のシステムはタイムスタンプを分析して適用可能な有効時間間隔を決定し、次に適用可能な有効時間間隔に対応する制限事項を参照してこの制限事項をそれぞれのデータポイントに適用する。このように、制限データベースは、分析を検索する時にデータ値データベースのルックアップテーブルとして機能することができ、分析の時間にユーザが入力した制限事項に頼ることに比べてデータに正しい制限事項が適用されることを保証する。
【0053】
このように、データポイント275a-gが制限事項エントリ285a-hに関連付けられた時、システム100は次に、データポイント275a-gが記録の時間に適合していたか(又は他の分析を適用するか)決定することができる。例えば、データポイント275aは2018年2月6日の午後1時55分のタイムスタンプ278を有する。日付2/6/18がこの範囲内にあるので、このタイムスタンプ278は有効時間間隔280 1/18-3/3/18に対応する。この有効時間間隔280は次に制限事項エントリ285aに対応する。このように、システム100は、データポイント275aが4.5℃-5.5℃の間の値範囲286を備えた制限事項エントリ285aに相関付けられると決定できる。データポイント275aの温度値276は5.2℃であり、これは制限事項エントリ285aの値範囲286 4.5℃-5.5℃の中に入る。データポイント275aが制限事項エントリ285a値範囲286内に入るので、システム100は、データポイント275aが2/6/18の午後1時55分に記録又は収集された時に適合していたと決定することになる。
【0054】
別の例として、データポイント275c及びデータポイント275dの両方が5.5℃の同じ温度値276を記録した。しかしこの例では、データが記録された時に執行されている適用可能な制限事項に応じて適合が変わることがあるので、これらのデータポイント275c-dの1つが適合しており、他は適合していない。この例では、データポイント275cが5/3/18の午後3時4分に記録され、4.4℃-5.4℃の値範囲286を有する制限事項エントリ285bに対応する有効時間間隔280 3/4/18-6/4/18内に入る。データポイント275dは、8/22/18午後12時26分に記録され、4.6℃-5.6℃の値範囲286を有する制限事項エントリ285dに対応する有効時間間隔280 7/16/18-10/21/18内に入る。5.5℃の温度値276は、4.6℃-5.6℃の値範囲286を有する制限事項エントリ285dの制限事項内に入るが、4.4℃-5.4℃の値範囲286を有する制限事項エントリ285bの制限事項の外側に入る。従って、データポイント275dは、この対応する制限事項エントリ285dに適合し、データポイント275cは、この対応する制限事項エントリ285bに適合していない。
【0055】
別の例では、データポイント275eは10/22/18午後4時54分に4.8℃の温度値276を記録した。このデータポイント275eは、4.8℃-5.7℃の値範囲286を有する制限事項エントリ285eに対応する有効時間間隔280 10/22/18-12/1/18内に入る。この例では、タイムスタンプ278の日付及びパラメータ値276の両方が、有効時間間隔280又は制限値範囲286の末端値に合致する。例えば、データポイント275eの日付10/22/18は、制限事項エントリ285eの有効時間間隔280を開始する第1日付10/22/18に合致する。この日付は、制限事項285eの有効時間間隔280内に入ると考えられ、これによって制限事項エントリ285eがデータポイント275eに適用される。データポイント275eの温度値276 4.8℃は、制限事項エントリ285eの制限事項の4.8℃の最小値282に合致する。最小値282は制限事項内にあると考えられ、これによってデータポイント275eの温度値276は制限事項内にある。システム100は従って、データポイント275eが記録された時間に適合していたと決定することになる。
【0056】
この例に示した有効時間間隔280は数か月の間隔であり、一般的には何れのタイムフレームも用いることができる。例えば、有効時間間隔280は、数時間、数日、又は数年に及ぶことがある。更に、この例に示した制限事項は値範囲286であるが、制限事項は、最小又は最大閾値などの単一の値にできることも考えられる。
【0057】
更に別の例として、
図5Bに関して、システム100はストレージシステム600を用いて制限事項をバッチにマップすることができる。
図5Bに示した矢印は、バッチと制限事項の例示的マッピングを表す。システム100は最初に、バッチの識別情報(例えば、バッチ識別データベース602aに示すように)に基づいて適用可能なバッチ606(例えば、ユーザ選択に基づく)を識別することができる。例えばシステム100は、バッチの識別子(例えば、B101、B102、B103)、バッチの市場608(例えば、米国、欧州)、及び/又はバッチの製造日付610に基づいてバッチ606を識別することができる。図示の例では、システム100は、2018年2月1日午後1時55分に製造され米国市場608に関連付けられるバッチ606 B101を識別している。
【0058】
システム100が適用可能なバッチ606を識別した状態で、システム100は次に、バッチ606にバッチ606の適用可能なパラメータ612及び値614を関連付けることができる(例えば、バッチ値データベース602bに図示)。例えば図のように、バッチ606B101が、矢印636aによって示されるように、識別子B101に基づいて5.27の値614を有するパラメータ612温度にマップされる。バッチ606B101はまた、矢印636bによって示されるように、同じ識別子B101に基づいて7.8の値614を有するパラメータ612pHにマップされる。この段階で、バッチ606は、識別子、市場608、製造日付610、パラメータ612、及びパラメータ値614に関連付けられるが、バッチ606に同様にバッチ606を囲む状況に基づく他のメタデータを関連付けることができると考えられる。
【0059】
システム100は、バッチ606に制限事項を関連付ける様々な因子に基づいてバッチ606を1又は2以上のそれぞれの制限事項にマップすることができる。例えば、マッピングは、バッチ製造日付610、市場608、及び/又はパラメータ612に基づくことができる。例えば図のように、バッチ606B101は、矢印638a、bによって示されるように、目標制御制限データベース604bにおける様々な目標制限事項エントリ618b、dにマップされる。一例として、矢印638aによって示されるように、バッチ606B101は目標制御制限事項エントリ618bにマップされる。バッチ606B101製造日付610が有効開始日付620及び有効終了日付622によって定められた有効時間間隔内に入り、市場608及びパラメータ612が目標制御制限事項エントリ618bの制限事項カテゴリ624及びパラメータ612に合致するので、バッチ606B101は目標制御制限事項エントリ618bにマップされている。バッチ606B101製造日付610 2018年2月1日は、2018年1月1日の有効開始日付620と2018年2月5日の有効終了日付622を有する目標制御制限事項エントリ618bに対して定められた有効時間間隔内に入る。米国市場608及び温度パラメータ612はまた、目標制御制限事項エントリ618bの制限事項カテゴリ624(米国市場)及びパラメータ612(温度)に合致する。このように、システム100は、バッチ606B101が制限値634LCL5.4、LWL5.5、LIL5.6、UIL5.8、UWL5.9、及びUCL6.0に関連付けられたと決定する。バッチ606B101に関連付けられる温度値614 5.27は、5.4-6.0のLCL-UCL範囲内、5.5-5.9のLWL-UWL範囲の外側、及び5.6-5.8のLIL-UIL範囲の外側に入る。このように、システム100は、バッチ606B101が制御制限事項に適合しているが、警告及び内側制限事項に適合していないと決定することができる。
【0060】
図のように、バッチ606B101はまた、矢印638bによって示されるように、目標制御制限事項エントリ618dにマップされる。この例では、バッチ606B101は、製造日付610及びパラメータ612に基づいてマップされる。バッチ606B101製造日付610が、有効開始日付620及び有効終了日付622によって定められた有効時間間隔内に入りパラメータ612が合致するので、バッチ606B101は目標制御制限事項エントリ618dにマップされている。図のように、目標制御制限事項エントリ618dは、バッチ値データベース602bからのパラメータ612pHに合致するパラメータ612pHである。バッチ606B101製造日付610 2018年2月1日は、2018年1月1日の有効開始日付620及び2018年2月5日の有効終了日付622を有する目標制御制限事項エントリ618dに対して定められた有効時間間隔内に入る。目標制御制限事項エントリ618dは、これに関連付けられる制御制限値しか持たない。目標制御制限事項エントリ618dの制御制限値634範囲は、7.1-8である。バッチ606B101に関連付けられる7.8のpH値614はこの範囲内にある。このように、システム100は、バッチ606B101が適用可能な制御制限事項に適合していると決定できる。
【0061】
図のように、バッチ606B101はまた、矢印640a、b、c、及びdによって示される規格制限データベース604aの様々な規格制限事項エントリ616b、c、e、及びfにマップされる。この例では、システム100は、製造日付610、パラメータ612、及び市場608によって合致(又はフィルタ)する。システム100は、最初にパラメータ612、2番目に製造日付610、及び3番目に市場608によってフィルタすることができるか、又はシステム100は何れかの他の順序でフィルタすることができる。1つの例では、システム100は最初にパラメータ612によってフィルタする。この例では、システム100は、バッチ606B101に関連付けられる1つのパラメータ612である温度に関する何れの制限事項も規格制限データベース604aをサーチすることができる。図のように、規格制限事項エントリ616a-dは全て温度に関係する。
【0062】
次に、この例では、システム100は、製造日付610によってこれらの規格制限事項エントリ616a-dをフィルタすることができる。システム100は、バッチ606B101の2018年2月1日の製造日付610を含む有効開始日付620及び有効終了日付622のこれらの規格制限事項エントリ616a-dをサーチすることができる。この例では、システム100は、規格制限事項エントリ616a-c全てが2018年2月1日の製造日付610を含むと決定する。規格制限事項エントリ616aは、有効終了日付622を持たず2018年1月1日の有効開始日付620を有する。有効終了日付622が無いことは、制限事項が現在適用可能である(例えば、現在まで有効である)ことを意味する。この場合、2018年2月1日は、2018年1月1日から現在までの日付範囲内にある。これはまた、同じ日付範囲を有する規格制限事項エントリ616cのケースでもある。規格制限事項エントリ616bは、2018年1月1日の有効開始日付及び2018年2月5日の有効終了日付622を有し、これはまた2018年2月1日も含む。
【0063】
この同じ例では、システム100が続けて市場624によって規格制限事項エントリ616a-cをフィルタすることができる。システム100は、バッチ606B101の市場608に合致する市場624をサーチする。バッチ606B101の市場608は米国である。図のように、規格制限事項エントリ616b、cは両方とも、市場624米国に関連付けられる。図のように、矢印640aはバッチ606B101を規格制限事項エントリ616bにマップして矢印640bはバッチ606B101を規格制限事項エントリ616cにマップする。このように、2つの規格制限事項は、バッチ606B101のパラメータ温度に関連付けられる。バッチ606B101に関連付けられる2つの規格制限事項エントリ616b、cは、制限事項の2つの異なるタイプ628に関連付けられる。規格制限事項エントリ616bは、タイプ628リリースに関連付けられ、規格制限事項エントリ616cはタイプ628アクションに関連付けられる。規格制限事項エントリ616bは、5.10より大きい下限630値を持ち、上限632値を有してない(例えば、制限事項が最小値であることを示す)。バッチ606B101に関連付けられる5.27の温度値614は、バッチ606B101がパラメータ温度の適用可能なリリース制限事項に適合していることを示す5.10より大きい。規格制限事項エントリ616cは、5.5より大きいか又は等しい下限630値及び6.0より小さい上限632値を有する(例えば、制限事項が範囲であることを示す)。バッチ606B101に関連付けられる5.27の温度値614は、5.5より大きいか又は等しい下限値630より小さく、これによって温度値614は制限事項範囲の外側に入る。このように、バッチ606B101は、パラメータ温度の適用可能なアクション制限事項に適合していない。
【0064】
同じ処理方法を、バッチ606に関連付けられる他のパラメータ612に実行することができる。例えば、同じフィルタリング処理を、バッチ606B101に関連付けられるパラメータ612pHに実行することができる。同じ処理順序に従って、システム100は、パラメータpHに関係する何れの制限事項に対しても規格制限データベース604aをサーチすることができる。図のように、規格制限事項エントリ616e-gは全て、pHに関係する。
【0065】
次に、この例では、システム100は、製造日付610によってこれらの規格制限事項エントリ616e-gをフィルタすることができる。システム100は、バッチ606B101の2018年2月1日の製造日付610を含む有効開始日付620及び有効終了日付622に対してこれらの規格制限事項エントリ616e-gをサーチすることができる。この例では、システム100は、規格制限事項エントリ616e、fが2018年2月1日の製造日付610を包含することを決定する。日付2018年2月1日は、規格制限事項エントリ616eの2018年1月1日-2018年2月5日の日付範囲内、及び規格制限事項エントリ616fに対する日付範囲2018年1月1日から現在までに入る。日付2018年2月1日は、規格制限事項エントリ616gに対する日付範囲2018年2月6日から現在までに入らず、規格制限事項エントリ616gが除かれこれ以上検討されない。
【0066】
この同じ例で、システム100は続いて市場624によって規格制限事項エントリ616e、fをフィルタすることができる。システム100は、バッチ606B101の市場608米国に合致する市場624をサーチする。図のように、規格制限事項エントリ616e、fは、何れの市場624にも関連付けられない。この場合、システム100は、製造日付610及びパラメータ612に基づいてバッチ606B101と規格制限事項エントリ616e、fの間に合致があると決定することができる。図のように、矢印640cはバッチ606B101を規格制限事項エントリ616eにマップし矢印640dはバッチ606B101を規格制限事項エントリ616fにマップする。このように、2つの規格制限事項は、バッチ606B101のパラメータpHに関連付けられる。バッチ606B101に関連付けられた2つの規格制限事項エントリ616e、fは、制限事項の2つの異なるタイプ628に関連付けられる。規格制限事項エントリ616eは、タイプ628リリースに関連付けられ、規格制限事項エントリ616fはタイプ628アクションに関連付けられる。規格制限事項エントリ616eは、7.05より大きいか又は等しい下限630値及び8.00より小さいか又は等しい上限632値を有する。バッチ606B101に関連付けられる7.8のpH値614は、制限事項範囲内に入り、バッチ606B101がパラメータpHに対して適用可能なリリース制限事項に適合していることを示す。規格制限事項エントリ616fは、上限値632を持たず7.25より大きいか又は等しい下限630値を有する。バッチ606B101に関連付けられる7.8のpH値614は、7.25より大きく、バッチ606B101がパラメータpHに対して適用可能なアクション制限事項に適合していることを示す。
【0067】
図5A及び5Bに示した両方の例では、システム100がルックアップテーブルとしてデータベースを用いて、データポイント又はバッチデータをこれらのそれぞれの制限事項にコーディネートすることができる。別の実施形態では、システム100はデータベースと共にアルゴリズムを用いて制限事項をバッチにリンクする。例えば、アルゴリズムは、処理フローを実行してチャート内に相関付けられるデータを読み込むことができる。
【0068】
動作210の後、方法200は動作212に進み、システム100は、分析又は分析要求に関する他の分析を出力する。例えば、システム100は、制限事項とデータポイントの間のアソシエーションを示す表示グラフ及び/又は適合決定(すなわち、データポイントが関連付けられる制限事項内であるかどうか)を出力することができる。この情報はチャート又はテーブルの形式で出力することができる。例えば、情報は、
図12、14、16-19に示すように図形形式で出力することができる。
【0069】
図12は、単一のパラメータ310に対する制御チャート314の例を示す。この例では、異なるバッチ318から収集された様々なデータポイント(例えば、MAB_001-MAB_020のラベルで表示)を有するパラメータ310温度(℃)が示されている。これらのデータポイントに関連付けられる制限事項の2つの異なるタイプもまた線としてグラフ上に示されており、データポイントの上及び下の両方に示されている。制限事項の2つのタイプがこの例では表示されているが、1つの制限事項だけを表示できるか又は2より多い制限事項を表示できることも考えられる。表示された異なる制限事項は、1又は2以上の目標制限事項、1又は2以上の規格制限事項、固有の発行機関(例えば、会社又は規制機関)、固有の副製品、固有の市場などに対応することができる。
図12に示すように、最小値線320と最大値線322の間のスペースによって定められる有効値範囲324を有する第1の制限事項が表示されている。この例では、最小値線320が下限警告制限事項(LWL)を表し最大値線322が上限警告制限事項(UWL)を表す。最小値線326と最大値線328の間のスペースによって定められる有効値範囲330を有する第2の制限事項が示されている。この例では、最小値線326が下限制御制限事項(LCL)を表し最大値線328が上制御制限事項(UCL)を表す。この場合、両方の表示された制限事項は、データポイント全てに対して同じであり、制限事項線320、322、326、328は、チャートの全体に渡って延長する。2つの制限事項、警告制限事項及び制御制限事項だけが示されているが、他の制限事項も考えられる。一例として、下限内側制限事項(LIL)及び上限内側制限事項(UIL)を有する内側制限事項などの別の制限事項を表示することができる。このような制限事項、LWL、UWL、LCLmUCL、LIL、及びUILは、特にデータ分布が正常でない及び制御制限事項が平均値に関して対称的でない時に制御チャート制限事項を固定することができる。
【0070】
図12に示した例では、温度データポイントが、最小及び最大値線320、322内、又は有効値範囲324内、及び最小及び最大値線326、328の間、又は有効値範囲330内に入る。従って、データポイントは、それぞれの制限事項内であり、バッチ318は、温度パラメータ310に関して適合している。チャート314の隣のキー332に示すように、規則違反334は異なる形状(例えば、この例ではダイヤ)で表示されるデータポイントを結果として生じるが、規則違反と他のポイントの間の他の物理的区別、例えば異なるカラー(例えば、赤対黒)も考えられる。規則違反334は、データポイントが制限事項内にないことを意味する。換言すると、データポイントが最大値を超える(例えば、最大値線322又は最大値線328の上にある)又は最小値を下回る(例えば、最小値線320又は最小値線326の下にある)。しかしながら、この例では、データポイントの全てが両方の制限事項内にあり、これによって規則違反334が示されていない(及び全てのデータポイントがこのケースでは同じ形の円を有する)。
【0071】
図14は、単一のパラメータ310のセグメント化制御チャート316の例を示す。セグメント化チャート316又は複数の制限事項チャートは、パラメータの適用可能な制限事項が経時的に変化した時に起こすことができる。
図14では、制御チャート316が
図12に示したバッチ318からの同じデータポイントを含み且つ同じ2つの制限事項タイプがグラフに示されている。しかしながら、この例では両方の制限事項タイプの値が、バッチ318MAB_011-MAB_020が収集された時に変化した。この例では、制限事項線320、322、326、328はチャート全体に渡って延長せず、代わりに、制限事項線、又はセグメントの2つのセット、336、338が存在し、第1セグメント336からの制限事項(有効値範囲324a、330aを有する)から第2セグメント338における制限事項(有効値範囲324b、330bを有する)への経時的な変化を反映する。換言すると、チャート軸の1又は2以上は、変化した制限事項によって示される追加の範囲を取り込むために延長されるよう変更することができる。
【0072】
例えば、
図12の参照を続けると、バッチ318MAB_001-MAB_010が線336によって示されるように制限事項の第1セットを有し、制限事項は、約21.7℃の最小値線320aと約22.2℃の最大値線322aの間の有効値範囲324aを有し、別の制限事項は、約21.6℃の最小値線326aと約22.3℃の最大値線328aの間の有効値範囲330aを有する。バッチMAB_011-MAB_020は、線338によって示される制限事項の第2セットを有し、1つの制限事項は、22.7℃の最小値線320bと23.3℃の最大値線322bの間の有効値範囲324bを有し、別の制限事項は、22.55℃の最小値線326bと23.45℃の最大値線328bの間の有効値範囲330bを有する。この例では、バッチ318MAB_001-MAB_010のデータポイントは全て、制限事項線336の第1セットの両方の有効値範囲324a、330a内にあり、バッチ318がサンプルされた時間にバッチ318の全てが規制に適合していたことを示す。しかしながら、MAB_011-MAB_020のデータポイントが全て、制限事項線338の第2セット内にある訳ではない。バッチ318MAB_015のデータポイントは、線320b及び326bによって示される両方の最小制限事項を下回り、従って、有効値範囲324b又は330b内にない。データポイントは、これらの規則違反334を示すために異なる形状(ダイヤ)(又は異なるカラー(例えば、赤))として表示される。この場合、バッチ318MAB_015を除くバッチ318の全ては、バッチ318がサンプルされた時間で適用されていた規制に適合していた。他方、バッチ318MAB_015は、規則違反334によって示されるようにサンプルされた時間に適用されていた規制に適合していなかった。2つのセグメントだけが図示されたセグメント化チャートに示されており、2つの異なる有効時間間隔にわたる2つの異なる制限値を反映しているが、様々な有効時間間隔にわたる様々な制限値を反映する2より多いセグメントも考えられる。
【0073】
従来のツールは、
図14に示すように異なる制限事項を有する値を図に示すことができない。逆に、2つの別の分析プロットを実行する必要があり、1つは、第1の制限値を有する値の第1バッチを有し、第2は、第2の制限値を有する値の第2バッチを有する。しかしながら、これらの2つのチャートは生成するのに長い時間を要し効率が悪く、
図14に示した単一の複数制限事項チャートと比較して、パラメータの性能の総体的な評価をユーザに提供しない。このタイプの複数の制限事項分析は、値と制限事項の間の参照関係に起因して実施可能であり、制限事項と比較して値の別の評価を可能にし、及び/又はプロットのバックエンドに制限事項を適用する。
【0074】
図15は、表形式で
図14のセグメント化制御チャート316に示された各セグメント336、338の変化する制限データを示す。第1行は第1セグメント336を示し第2行はセグメント化制御チャート316に表示された第2セグメント338を示す。行は、有効開始日付376、制限事項カテゴリ374、ステータス394、及び値382などの各セグメント336、338の関係のある制限事項情報を含む。図のように、第1セグメント336の有効開始日付376は2018年10月1日からである。第1セグメント336制限事項は、廃止のマーク付けがされており、制限事項が現在収集されているバッチデータにもう適用できないことを意味する。次のセグメント338制限事項は、現行をマーク付けされており、2018年11月7日の有効開始日付376を有する。第2セグメント338は、前のセグメント336の廃止をレンダリングし、これは第1セグメント336の有効開始日付が、第2セグメント338の有効開始日付376の前の日付であることを意味する。換言すると、第1セグメント336は、2018年11月6日の有効開始日付、第2セグメント338の有効開始日付2018年11月7日の前の日付を有する。第1セグメント336の有効時間間隔は、2018年10月1日から2018年11月6日であり、第2セグメント338の有効時間間隔は、2018年11月7日から現在までである。
図14のセグメント化制御チャート316に関して、第1セグメント336に関連付けられるバッチ318(例えば、MAB_001-MAB-010)は全て、2018年10月1日と2018年11月6日の間のある時間に収集され、第2セグメント338に関連付けられるバッチ318(例えば、MAB_011-MAB_020)は全て、温度パラメータの制限値が変更された時に、2018年11月7日又はこの日以降に収集された。
【0075】
出力のフォーマットは、ユーザプリファレンスに基づいて調整することができる。例えばユーザは、単一の市場の出力を閲覧したいことがある。制限事項は市場に応じて変えることができる。例えば米国は、欧州とは異なる規定を有することがある。バッチは1つの市場の規制に適合することができるが、異なる市場の規制に適合していないことがある。
図16に示すように、データポイントは、欧州市場で当時課された制限事項に関して図に示されている。同じ制限事項が、BDS_001-BDS_017のラベルが付けられた各バッチ318(単一の表示されたセグメントによって示されるように)に適用され、各バッチ318が同じ有効時間間隔内でサンプルされたことを示す。この場合、制限事項の3つのタイプが表示される。図示された制限事項の2つのタイプは値範囲を有し、図示された第3の制限事項は上限(又は最大)値を有する。第3の制限事項に適合するデータポイントでは、データポイントが上限値の下でなくてはならない。1つの制限事項が最小値線320及び最大値線322を有する値範囲324を有し、別の制限事項が最小値線326及び最大値線328を有する値範囲330を有し、第3の制限事項が最大値線340を有する。この場合、データポイントは全て、値範囲324、330内、及び最大値線340の下であり、これによってデータポイントは全て、当時の欧州規制に適合している。図のように、「USA」のラベルの付いたグラフアイコン342が欧州市場チャートのすぐ下に位置付けられる。この例では、ユーザがUSAアイコン342を選択して、米国市場に当時課された1又は複数の制限事項に対して同じデータポイントを閲覧することができる。
【0076】
代替として、幾つかの市場制限事項及びこれらの市場での特定の特性又はパラメータの性能を同じチャートに表示することができる。例えば、
図18に示すように、制御チャート314は、2又は3以上の市場の制限事項340a、bを含むことができる。この例では、欧州及び米国市場制限事項340a、bの両方が示されている。この場合、図示された制限事項340は上限値であり、米国が課した制限事項340bは約2%であり、欧州が課した制限事項340aは約3%である。このように、ユーザは、テストされた製品でユーザが入ることを計画した適用可能な市場への適合性を保証することができる。図示の例では、データポイントは、適合するように上限値の下でなくてはならない。データポイントの全ては、欧州上限値線340aの下であり、3.0のリリース制限事項を有する。換言すると、データの全ては、この制限事項に対してEU市場に適合している。しかしながら、バッチ318BDS_018に関連付けられるデータポイントは、米国上限値線340bの上に置かれている。換言すると、バッチ318BDS_018は、2.0の上限リリース制限事項を設定した米国市場に適合していない。バッチ318BDS_018は欧州市場に適合しているが、米国市場には適合していない。
【0077】
図17は、システム100によって出力することができる別のチャートフォーマットを示す。この例では、データが単一の市場(EU)のプロセス能力チャート400に表示されている。このようなプロセス能力チャート400は、許容可能な作動範囲と比較した処理の可変性を示す。プロセス能力指数は、設定された規格制限事項内の出力を生成するための特定の処理の能力を反映する統計的指標を提供する。
【0078】
図19に示すように表示選択肢402を調整することによって追加のユーザプリファレンスをチャート314、316に組み入れることができる。例えばユーザは、ターンオン又はターンオフすることによってチャート314に表示された様々な規則403を選択的に起動することができる。規則403を用いて、非ランダム変動を含む制御できない状態を検出することができる。このような非ランダム変動を検出することによって、ユーザは、可能性のある原因の調査を開始して将来のバッチ欠陥のリスクを低減することができる。ユーザは、規則定義におけるポイントの数を調整して、偽信号と真の非ランダム変動の紛失の間の正しい均衡を達成することができる。図示の例では、規則5-8がターンオンされている。
【0079】
別の例として、ユーザはチャート314に表示された線404及び制限事項406を調整することができる。一例として、ユーザは、チャート314におけるデータ線408(例えば、データポイントを接続する)又は中心線410(例えば、制限事項の平均値を示す)をターンオンまたはオフすることができる。図示の例では、全ての線404がオンのままになっている(チャート314に表示)。別の例として、ユーザは、例えば、制御制限事項412、警告制限事項414、内側制限事項416、及び規格制限事項418などの様々な制限事項406をターンオン又はオフすることができる。図示した実施形態では、3つの異なる規格制限事項418が存在し1つの制限事項だけがターンオンされチャート314に示されている。図のように、ユーザはまた、OOS(規定外)違反をターンオン又はオフすることができる。例えば、ユーザは、制限事項を超えた時に視覚キューを見ることを要求でき且つOOS違反のフラグをターンオンすることができる。トグルスイッチ422は、様々なディスプレイプリファレンスをターンオン及びオフするのに用いられる。例えば、右位置にあるトグルスイッチ422は、ディスプレイプリファレンスがオンであることを意味し、左位置にあるトグルスイッチ422は、ディスプレイプリファレンスがオフであることを意味する。このオン/オフ機能を示すための他のボタン又はインジケータも使用できることが考えられる。
【0080】
出力制御チャート(例えば、
図12、14、16-19に図示)は対話型とすることができ、ユーザがチャート内の様々なポイントを選択して下のデータを決定するのを可能にする。例えばユーザは、新しい制限値又は特定のデータポイントをオンに選択して、制限事項が変更された理由又は変更を行った人をユーザに示すことができる関連付けられた変更理由及び何れかの参照URL又は添付を閲覧することができる。このように、ユーザは、各データポイントに関連付けられる何れの制限事項のリアルタイムの履歴も閲覧することができる。ユーザはまたチャート上の個々のデータポイントを選択して、選択されたデータポイントに対する元のバッチメタデータ(例えば、
図13に図示した情報)を閲覧することもできる。
【0081】
図22は対話型出力制御チャートの例を示す。図のように、制御チャート450は複数の対話型データポイントを有する。ユーザは、データポイントの上でカーソルをホバリングさせる及び/又はデータポイントを選択して、データポイントに関連付けられるメタデータを閲覧することができる。例えば、ユーザがデータポイントの上でホバリング又はデータポイントを選択した時に、データポイントに関係する情報を提供するテキストボックス又は他のグラフィック452が表示される。グラフィック452はデータポイントに関連付けられるパラメータを示すことができ且つデータをカテゴリに分けるタブを含むことができる。図のように、グラフィック452は、パラメータ454温度がデータポイントに関連付けられることを示す。グラフィックはまた、カテゴリ「詳細」456、「規格制限事項」458、「目標制限事項」460、及び「バッチメタデータ」462を有する4つのタブを含む。詳細カテゴリ456は、データポイントの値及び傾向などのデータポイントに関係のある情報を含むことができる。例えば、この情報は、データポイントが外れ値である(例えば、他のデータポイントの傾向に合わないか又は適合していない、すなわち適用可能な制限事項を超える又は外側である)かどうか指示することができる。
【0082】
詳細カテゴリ456はまた、追加の情報を入力するスペースを含むことができる。例えば、ユーザはデータポイントに関連付けられるバッチに関する情報を更新することができる。ユーザの情報及びエントリの時間が記録されデータエントリに関連付けられる。規格制限事項458及び目標制限事項460はデータポイントに関連付けられる制限事項の情報(例えば、発行機関、市場など)を含むことができる。バッチメタデータ462はデータポイントに関連付けられるバッチを囲む状況に関する情報を含むことができる。例えば、バッチメタデータ462は、バッチ識別子、市場、製造日付、パラメータ、及びデータポイントに関連付けられるパラメータ値を含むことができる。
図13に示した情報の1又は2以上をバッチメタデータ462に含められることが考えられる。データポイントに関する情報への容易なアクセスを提供することによって、このようなグラフィック452は、ユーザが別々にチャートの外側のレポート又は分析を実行する必要なくバッチ及び適合データを迅速にレビューするのを可能にする。加えて、各データポイントに関する変更を入力及びレビューする能力を提供することによって、グラフィック452は追加のデータ完全性を提供する。
【0083】
図22に示すように、目標制限事項カテゴリ460はグラフィック452内で選択され、パラメータ値、副製品、市場、パラメータクラス、有効性間隔(例えば、有効開始及び有効開始日付)、値、参照URL、添付、コメント、変更理由、及びステータスを含む、データポイントに関連付けられる目標制限事項に関する情報を含む。図のように、目標制限事項に関連付けられるパラメータは、データポイントに関連付けられるパラメータ454に合致する温度である。パラメータクラスは、WC-CPPである。制限事項は、2019年1月5日から現在まで有効である。制限事項は、23の平均値、0.12のST標準偏差、及び0.15のLT標準偏差を有する。ユーザはコメント及び変更理由セクションを書き込んでいる。例えばユーザは、制限事項に更新がある時にコメントを入力することができる。この情報はまた、ユーザ識別情報及びユーザが制限事項を更新した時間を含むことができる。制限事項のステータスは現行として示されている。同じ又は類似の情報を規格制限事項タブによって含めることができる。ユーザが、参照URL、添付、及び何れのタブのコメントもアップロードしてこのカテゴリの追加の情報を提供できることも考えられる。対話型グラフィック452がセグメント化制御チャートによって示される場合、対話型データポイント及びグラフィック452を、例えば
図12、16、18、及び19に示された制御チャート314などの何れかのグラフィック出力と共に使用できることが考えられる。
【0084】
別の実施形態では、分析を表の形式で出力することができる。例えば、各データポイントをこれに対応する制限事項と共に表に表示することができる。一実施形態では、この表は、各データポイントの適合ステータスを示すことができる。例えば、この表は、各データポイントが、データポイントが収集された時間の規定又は目的に適合していたかどうか示すことができる。換言すると、表は、各データポイントがこれに関連付けられる制限事項内であったかどうか指示することができる。この情報は、はい(適合性を示す)/いいえ(非適合性を示す)によって、カラーコーディング(例えば、適合性を緑及び非適合性を赤)によって、又は適合と非適合性を区別するための何れかの他の手段によってユーザに伝えることができる。
【0085】
一部の実施形態では、本発明のシステムはまた、制限事項変動を規制及び/又は追跡してシステム内の完全性を保証することもできる。
図4は、データ適合性追跡システム100内の制限値を更新する方法を示す流れ図である。方法250は動作252で開始しサーバ102が、データベースを参照する、ユーザデバイスから受信する、又は他のタイプの入力などを介して新しい制限値を受信する。特定のパラメータ又はパラメータのセットの制限値は、経時的に変化する場合にシステム100に入力することができる。例えば、規制機関は、新しい研究結果(例えば、安全、環境的に優しいなどと考えられるパラメータ値に関する研究結果)に基づいて、基準を変更することができ、又はユーザが新しい目標に基づいて制限事項を変更することができる(例えば、会社が、新しい経費に直面した、新しい投資家を獲得した、会社のビジネスプランなどを変更した場合に会社の目標を変更することができる)。制限事項が変わると、新しい制限値をシステム100に入力することができる。
【0086】
1つの例では、制限値が、関連付けられるデータベース110の更新に基づいて自動的に更新される。例えば、データベース110は規制機関に関連付けることができ、制限事項情報は、設定された時間間隔で(例えば、毎週、3か月毎)、又は更新が起こった(例えば、プッシュ検索又はオンデマンド)ときにデータベースから直接取得することができる。制限事項情報は、制限事項情報がデータベース110で更新された(例えば、制限事項情報が変更された場合に動的に)ときに、自動的にシステム100内に読み込むことができる。代替として、システム100は、特定の時間間隔で制限事項更新に対して定期的にデータベース110をチェックすることができる。例えば、システム100は、毎時間、毎日、毎週、毎月、毎年、又は何れかの他の時間間隔内で更新をチェックすることができる。システム100は、変更が検出された時にデータベース100から更新された制限事項情報を取得して、この制限事項情報を制限事項ストレージデータベース274に格納することができる。
【0087】
代替として、ユーザは、システム100内の制限値を更新することができる。例えば、ユーザは、会社によって設定された新しい目標、処理変更、プロトコル変更、製造変更、組成又は構成要素変更などに合致せるために制限値を調整することができる。別の例として、ユーザは、規制機関によって設定された制限値をモニタして、新しい又は更新された制限値をシステム100に追加することができる。
【0088】
図11に関して、ユーザは異なるパラメータの様々な制限事項に関する情報を閲覧することができ、表示された制限事項情報は、制限事項カテゴリ(例えば、適用可能な市場)374、有効開始日付376、ステータス394、及び制限値382を含むことができる。図示の例では、パラメータ310集約(%)の3つの制限事項エントリ396a-cが存在する。ステータス394は、制限事項が最も新しい制限事項であるか又は廃止されているかどうかを示す。
図10に関して、ユーザは、各パラメータに対して表示されたステータス394を制御することができる。例えばユーザは、廃止、現行、将来、ドラフト、保留、又は却下、又は要求された他のステータスである制限事項を選択的に閲覧することができる。
【0089】
制限事項は、制限事項の「有効期限」の日付が過去であった時に廃止することができる。換言すると、制限事項は、収集された現在のデータには適用できず、逆に、制限事項は、以前に収集された過去のデータにだけ適用される。他方、現在の制限事項は、オープンな「有効期限」日付又は将来に設定される「有効期限」日付を有することができ、現在のところ、リアルタイムで収集される何れのデータにも適用可能である。将来の制限事項は、将来のあるポイントで開始する有効開始日付を有し、制限事項が時間的に先の将来の日付から収集されるデータだけに適用されることを示す。ドラフト制限事項は、ユーザによってセーブされているが提出されていないユーザによって入力された新しい制限値である。換言すると、新しい制限値は不完全でありまだ有効アクティブ制限事項ではない。保留制限事項は、申し分ない特権レベルを有するユーザに承認のために提出されていたユーザによって入力された新しい制限値である。この制限事項は、高レベルユーザによって承認されるまで有効ではない。却下された制限事項は、承認のために高レベルユーザに送信されたがある理由で無効又は不適切な変更として高レベルユーザによって却下されているユーザによって入力された新しい制限値である。却下された制限事項は、有効制限値ではない。
【0090】
図11に関して続けると、廃止及び現行制限事項の両方が欧州及び米国市場に対して選択された。ユーザが欧州市場への適合だけに関心がある場合、ユーザは、欧州市場に関する制限事項情報を提供する第1データエントリ396aを見ることになる。欧州市場に対する集約(%)の制限事項情報は、3.0より低いか又は等しいリリース値を有する最も新しい有効制限事項が、2018年10月1日から有効であることを示す。換言すると、ユーザは、3.0より低いか又は等しい制限値382だけを用いて、2018年10月1日に又はこれ以降にサンプルされたバッチの適合性を決定することができる。ユーザは、3.0より低いか又は等しい制限値382を用いて2018年10月1日前にサンプルされたバッチの適合性を決定することはできない。ユーザが米国市場への適合だけに関心がある場合、ユーザは、米国市場に関する制限事項情報を提供する第2及び第3の制限事項エントリ396b、cに目を向けることになる。図のように、第2の制限事項エントリ396bの制限事項は廃止であり、第3の制限事項エントリ396の制限事項は現行である。バッチが2018年10月1日から2018年11月29までにサンプルされた場合、2.0より低いか又は等しい第2の制限事項エントリ396bの制値項がバッチに適用されることになる。バッチが2018年11月30日又はこれ以降の何れかの時間にサンプルされた場合、2.5より低いか又は等しい第3の制限事項エントリ396cの制限値がバッチに適用されることになる。
【0091】
ユーザは、制限値を更新する必要があるかどうか決定するためにこの制限事項情報を閲覧することができる。ユーザは、最も新しい制限事項をオンに選択することによって新しい制限値を入力することができる。
図11では、右の丸いアイコン398を選択して制限事項更新メニュー370にアクセスすることができる。
図7-9に示すように、制限事項更新メニュー370が様々な調整可能パラメータ310を含むことができる。例えばユーザは、新しい制限事項の適用可能副製品372、市場374、有効開始日付376、有効期限日付378、及び制限値382を調整することができる。例えば、新しい制限値を特定の市場374だけに適用することができる。ユーザは、有効開始日付376として制限値382が発行された(例えば、規制機関によって又は会社によって)日付を入力することができ、この日付から先に新しい制限値が適用されることを意味する。ユーザは、制限値382が適用できなくなる既知の日付がある場合有効期限日付278を入力できるが、ユーザは、この値をブランクにしておくことができ、制限値382が現在有効であることを示す。有効期限日付378がブランクのままである場合、以下に詳細に論じるように、新しい制限値がシステム100に入力された時に自動的に更新することができる。新しい制限値382は、上限値、下限値、又は最小282及び最大284値を含む範囲286として入力することができる。有効開始376から有効期限日付378は、制限値382の有効時間間隔380を示す。
【0092】
動作252の後、方法250は動作254に進み、サーバが変更理由又は他の検証又は解説を受信する。
図9に示すように、新しい制限値382のエントリ時に、ユーザは変更理由388を入力することができる。この特徴は、変更が正当である(例えば、規制又は会社全体の変更による)及び任意でないことを保証し、同時に生産処理の履歴全体を通した変更の文書化を支援する。エクセルなどの従来のシステムでは、制限事項変更は、これらが本システムに反映される限り、何れかの特定の理由付け、正当化などに結び付けられない。従って、一部の事例では、一時的又は不測の制限事項変更は検出されずデータを介して伝播しない。
【0093】
本発明のシステムは、データの複数のフォーマット、例えば、参照URL384又は添付386、及び/又は制限事項変更に追加の支援を提供する文字入力などを受け付けるよう構成することができる。例えばユーザは、制限事項変更を発行した規制機関を示すウェブサイト又はデータベースからスクリーンショット又はURLを提供することができる。別の例として、制限事項変更は、システム100にアップロードすることができる項目又は手動に列挙することができる。ユーザが容易に現行の制限事項の背後の理由付けを参照し履歴を追跡できる場合に、これらの特徴は、データ検証処理に対する妥当性を拡張し規制機関によって課される何れのデータ収集基準の適合も容易にする。ユーザが新しい制限値に関する全ての関連の情報を入力した後、ユーザはドラフトを(例えば、ユーザが追加の情報の入力を要求する場合)セーブする390ことができるか、又は情報を提出する392ことができる。
【0094】
動作254の後、方法250は動作256に進み、サーバ102は変更が別のユーザの承認を必要とするか決定する。例えば、変更のタイプ又は変更を行ったユーザのタイプの何れかが、変更をシステムに入力できる前に別のユーザの承認の必要性を指示できる。一例として、変更のタイプは、変更を入力したユーザに関わらす承認の必要性をトリガすることができる。例えば、特定のタイプの制限事項(例えば、目標制限事項、規格制限事項、警告制限事項、制御制限事項、内側制限事項など)の変更は、第2ユーザからの承認を必要とすることがある。特定の変更に対する承認が必要かどうかは、「承認要求」構成設定に基づいて変えることができる。この設定はユーザプリファレンスに基づいて調整することができる。
【0095】
別の例として、ユーザの特権レベルは、別のユーザの承認が必要かどうか指示することができる。ユーザは、システム100内の変化する権威のレベルを有することができる。例えば、一部のユーザは低レベルの権威を有することができ他のユーザは高レベルの権威を有することができる。高レベル権威を有するユーザは、自動的に変更を行うための満足な又は不可欠な特権レベルを有することができ、低レベル権威をもつユーザは、変更に対する別のユーザの承認を要求することができる。低レベル権威は、ユーザがシステム100内のデータを閲覧して承認のために新しいデータを入力するのを可能にできる。高レベル権威は、ユーザがデータをレビューしシステム100に新しいデータを入力し、低レベルユーザによるシステムへの新しいデータ入力をレビューし、低レベルユーザによって入力された新しいデータを承認、非承認、又は拒否するのを可能にできる。一部の実施形態では、ユーザは、異なる制限事項カテゴリ又はパラメータに関して変化する権威のレベルを有することができる。例えばユーザは、目標又は規格制限事項の両方ではなく何れかを変更する権威を有することができる。高レベル権限を有するユーザ(例えば、管理者又は承認役割)は満足のいく特権レベルを有し、低レベルユーザは持たない。ユーザは、ユーザ名及びパスワード又は他の認証(例えば、生体など)によるシステム100へのアカウントを確立することができる。システム100は、ユーザの権威レベルをユーザのユーザ名、識別子、アカウント番号などに関連付けることができる。変更を入力するためにシステムにアクセスするアカウントに基づいて、システム100はユーザの権威レベルを決定しユーザが満足のいく特権レベルを有するかどうか決定することができ、例えば本発明のシステムは、ユーザの特権レベルを参照して次に、制限事項の自動変更を行うために許可された特権レベル又はタイトルのルックアップテーブルと比較することができる。この特権レベルは、制限事項タイプ、パラメータ、処理などに基づいて変えることができる。
【0096】
別のユーザの承認が必要でない(例えば、ユーザが満足のいく特権レベルを有する)場合、方法250は動作260に進みサーバ102は承認が与えられるかどうか決定する。例えば、高レベルユーザが変更理由とヒット提出を備えた新しい制限値を入力した場合、承認が暗示され、新しい制限値がシステム100に受け付けられる。ユーザの特権が十分高いが、変更に対する理由付けが提供されない場合、システム100はこの変更を却下することができる。
【0097】
別のユーザの承認が必要である(例えば、ユーザが満足のいく特権レベルを有してない)場合、方法250は動作258に進みシステム100が承認要求を適用可能なユーザ(例えば、満足のいく特権レベルを有するユーザ又は監督権威を備えたユーザ)に送信する。例えばシステム100は、アカウントが、満足のいく特権レベルを有してない低レベルユーザに関連付けられること又はユーザが別のユーザの承認を必要とする制限事項のタイプの変更を入力していると決定できる。ユーザが変更理由と共に新しい制限値を提出した時、システム100は承認要求を高レベルユーザに関連付けられるアカウントに送信する。例えば、このアカウントはインボックスを含むことができ、システム100は高レベルユーザのインボックスにメッセージを生成することができる。このメッセージは、高レベルユーザが変更された制限値を承認又は拒否するためのボタン又はリンクを含むことができる。高レベルユーザは、変更理由及び何れかの参照URL又は添付情報を含む変更をレビューし、制限事項変更を承認又は拒否するかどうか決定することができる。
【0098】
動作258の後、方法250は、動作260に進み、システム100は承認が与えられるかどうか決定する。システム100は、制限事項変更を承認又は却下する高レベルユーザからの入力を受信する。この入力は、メッセージの形式、ボタン選択、チェックマークなどとすることができる。加えて又は代替として、システム100は承認要求から入力理由付けデータを分析して変更を検証することができる。例えば、一部のパラメータに対して、本発明のシステムは、印刷エラー又は他の入力エラーを識別する可能性又は他のベンチマーク特徴に関して新しい制限値を分析することができる。別の例として、システム100は承認要求を分析してコメントが含まれていることを保証することができるか又は特定のパラメータが、変更する追加の支援文書化を要求することができる(例えば、規定値が対応する規定へのリンクを要求できる)等々。従って、動作260は、承認を示す前の分析の一部として、ユーザ確認評価、並びにフォーマット化、チェックリスト項目などの全てを含むことができる。
【0099】
承認が与えられなかった場合、方法250は動作262に進み、新しい制限値は却下され、方法250は終了する。例えば、高レベルユーザが制限事項変更を却下した時、新しい制限値はシステム100に入力されず代わりに廃棄される。変更が却下されたことを示すメッセージを低レベルユーザに(制限事項変更が最初に低レベルユーザによって入力された場合)送信することができる。
【0100】
承認が与えられた場合、方法250は動作264に進み有効性間隔が決定される。システム100はユーザによって入力された有効「開始」日付から有効期限日付に基づく有効性間隔を生成する。有効期限日付がブランクである場合、有効性間隔が現在の日付まで延長される。有効性間隔は制限事項に関連付けられ制限事項に関連付けられるメタデータとして格納される。
【0101】
動作264の後、方法250は動作266に進み新しい制限値が新しい制限値エントリとして格納される。例えば、新しい制限値は、制限事項ストレージデータベース274又は604に格納することができる。この例では、新しい制限値286及び有効性間隔280の両方が格納される。新しい制限値はまた、ユーザインタフェース上の特定のパラメータの新しい制限事項エントリを読み込む。例えば、
図11に示すように、新規制限事項エントリ396が第3の制限事項エントリ396cの下に生成される。この例では、制限事項が米国市場に対して変更された場合、新規制限事項エントリ396は、市場:米国を表示して、このステータスがユーザによって入力された有効開始日付によって現行になる。ある理由で新規制限事項の値が、承認された及び/又はシステム100に入力された後に間違っていると決定された場合、この制限情報は、高レベルユーザ(例えば、監督役割を有するユーザ)によって承認を取り消すことができ、これによって制限事項情報(例えば、値及び/又は有効時間間隔)を改訂又は訂正して承認のために再提出することができる。
【0102】
動作266の後、方法250は、動作268に進み。前の制限事項のステータスが更新される。
図11に関して上記に論じた例では、システム100が前の第3の制限事項エントリ396cのステータスを新規制限事項のエントリ時に現行から廃止に変更する。代わりに、新規制限事項がステータス現行を有する。前の第3の制限事項エントリ396cはまた、新規エントリの有効開始日付の前の日付の有効期限日付を生成する。例えば、新規エントリが2019年1月1日の有効開始日付を有する場合、前の第3の制限事項エントリ396cは2018年12月31日の有効期限日付を生成する。このように、制限事項は何れの重なり合う有効性間隔も持たない。動作268の後、方法250は終了する。
【0103】
幾つかの実施形態では、サーバで又はクラウドベースのネットワーク内で実行する要素などの処理要素152が、1又は2以上のアルゴリズムを実行して、1又は2以上の指定されたパラメータのバッチ及び制限事項を決定する。システム100によるバッチ及び制限事項フィルタリングが、バッチ及び制限事項の特定の選択の分析を試みる時に数百から数千のバッチ及び制限事項をユーザがより迅速にソートするのを支援する。
図20に示すように、処理要素152はバッチフィルタリングの方法500を有するアルゴリズムを実行することができる。方法500は動作502で開始し選択されたパラメータに基づいて単位作動が決定される。例えば、選択されるパラメータは、温度、pH、粘度などとすることができる。単位作動は、バッチのセットに適用可能な広範囲のカテゴリである。例えば、単位作動は、テストする製品、処理、又はある他の実験又は製造に関する因子とすることができる。例示的単位作動のリスト308が
図7に示されている。これらの単位動作308の各々はユーザによって定義することができる。
【0104】
動作502の後、方法500は動作504に進み単位作動に関連付けられるバッチが決定される。例えば、製品である単位作動は、製品が製造される場合に経時的に生産される幾つかのバッチを有することができる。この特定の製品に関連付けられる何れのバッチも動作504で決定することができる。動作504の後、方法500は動作506に進み処理要素152が関連付けられる副製品があるかどうか(例えば、ユーザが副製品リストから1又は2以上の値を選択したかどうか)を決定する。作動の単位に関連付けられる多数のバッチは、副製品で変えることができる。副製品は、製品における何れかの変種とすることができる。例えば、特定の含有物又は医薬品の濃度をわずかに変えて、異なる副製品を生成することができる。別の例として、製品のパッケージング又はケーシングを変えることができる(例えば、医薬品は、1つの副製品としてピル形状及び別の副製品として液体形状とすることができる)。更に別の例として、製品のサイズを異なる副製品として変えることができる。ユーザはバッチ情報を入力する時に副製品を入力するか又は副製品をブランクにしておくことができる。副製品が入力されている場合、バッチは関連付けられる副製品を有する。
図13に示すように、表示された特定のバッチ352に関連付けられる副製品358は、75mg/mLバイアルである。
【0105】
関連付けられる副製品がある(例えば、ユーザが副製品リスト内の1又は2以上の値を選択した)と動作506で決定された場合、方法500は動作508に進み、バッチが、選択された副製品値を有するバッチに限定される。例えば、システム100が
図13に示したバッチMAB_020 352をフィルタリングした場合、システム100は、関連付けられる副製品358があると決定し副製品358を有するバッチ(例えば、75mg/mLバイアル)に限定する。同じ副製品値(例えば、75mg/mLバイアル)を有してない何れのバッチも除かれる。
【0106】
動作508の後、本方法は動作510に進み、処理要素152が、関連付けられる市場値があるかどうか(例えば、ユーザが市場リスト内の1又は2以上の値を選択したかどうか)決定する。関連付けられる副製品がないと動作506で決定された場合、方法500は動作510に直接進む。システム100内に格納された様々なバッチは異なる適用可能な市場(例えば、米国、欧州、カナダなど)を有することができる。例えば、バッチは特定の市場を念頭に置いて生成することができ、バッチがシステム100に入力された時に市場をバッチデータに入力することができる。
図13に示すように、表示された特定のバッチ352は米国市場360に関連付けられる。
【0107】
関連付けられる市場値が存在すること(例えば、ユーザがリストから市場値を選択したこと)が動作510で決定された場合、方法500は動作512に進み、バッチが、選択された市場値を有するバッチに限定される。例えば、システム100が
図13に示したバッチMAB_020 352をフィルタリングする場合、システム100は関連付けられる市場360(米国)があると決定し、米国の市場を有するバッチに限定することになる。同じ市場(米国)を有してない何れのバッチも除かれる。
【0108】
動作512の後、本発明の方法は動作514に進み、処理要素152が、単位作動に対する様々な制限事項カテゴリ(例えば、目標制限事項カテゴリ)があるかどうか(例えば、ユーザが様々な制限事項カテゴリ内の1又は2以上の値を選択したかどうか)決定する。関連付けられる市場値がないことが動作510で決定された場合、方法500は動作514に直接進む。様々な制限事項カテゴリは、バッチ間の何れの追加の様々な差も含むことができる。例えば、バッチは、例えば異なるテスト環境、使用される機器などのバッチを囲む状況に基づいて異なることができる。制限値は、これらの様々な差に基づいて各バッチに対して異なることができる。一例として、異なる機器は変化する制限値を結果として生じることができる。例えば、異なる機器は、異なる効率、無菌、能力などを有することができる。異なる機器を使用する製品又は処理の最適制限事項は、機器の物理的な容量に基づいて異なることができる。この例では、機器タイプ又はIDを様々な制限事項カテゴリとすることができる。様々な制限事項カテゴリは、ユーザ定義とすることができるか又は他の方法で制限事項の新しいタイプに対して保存することができる。例えば、ユーザはカテゴリラベル(例えば、機器のタイプ)及びこのカテゴリに要求されるパラメータを入力することができる。システム100は、ユーザによって入力された特定のカテゴリラベル及び/又はカテゴリに要求されるパラメータを有するバッチが存在するかどうか決定する。
【0109】
動作514で単位作動に対する定義された様々な制限事項カテゴリが存在する場合、方法500は動作516に進み、バッチが、選択された様々な制限事項カテゴリ及び関連付けられる値を有するバッチに限定される。例えば、ユーザが様々な制限事項カテゴリとしてカテゴリ「機器」を入力し、値として「スチール」を入力した場合、本発明のシステムは、バッチ情報に入力されたスチール機器を有するバッチにバッチを限定することになる。スチール機器を有してない何れのバッチも除かれる。
【0110】
動作516の後、方法500は動作518に進み、バッチ範囲フィルタが適用される。単位作動に対して定義された様々な制限事項カテゴリがないことが動作514で決定された場合、方法500は直接、動作518に進む。バッチ範囲フィルタが日付に基づいてバッチをフィルタする。例えば、バッチ範囲フィルタは、生成された最後のNバッチ、最後のN日(又は週間、月、又は他の期間)から生成されたバッチ、又は特定の日付範囲内のバッチに基づいてバッチをフィルタすることができる。動作518の後、方法500は動作520に進み、Nバッチが決定される。選択された時間フレーム中に生成された何れのバッチも選択され、選択された時間フレーム以外に生成されたバッチは除かれる。この結果が、選択されたバッチの特定の数、Nである。
【0111】
別の例として、処理要素152は、指定されるパラメータを有する所与のバッチに対する関連付けられる制限事項を決定するための方法550を有するアルゴリズムを実行することができる。このアルゴリズムは、目標制限事項及び規格制限事項の両方に適用することができる。方法550は動作552で開始し、指定されるバッチ及び関連付けられるバッチ日付が決定される。バッチは経時的に収集することができ、これによって各バッチは、サンプルされた時にそれぞれの日付を有することができる。例えば、
図13に示すように、バッチMAB_020 352は、2018年11月16日15時13分のバッチ日付354を有する。動作552の後、方法550は動作554に進み、指定されるパラメータが決定される。バッチは1又は2以上の関連付けられるパラメータを有することができる。各パラメータは異なる制限事項及びこれに関連付けられる値を有することができる。ユーザは、ユーザがデータの適合性をモニタしたい特定のパラメータを選択することができる。例えばユーザは、ユーザがレビューしたいパラメータに応じて、温度、pH、粘度などを選択することができる。
【0112】
動作554の後、方法550は動作556に進み、指定されるパラメータの全ての制限事項が決定される。各パラメータは、これに関連付けられる1又は2以上の制限事項を有し、且つ規格制限事項及び目標制限事項の1つ又は両方を有することができる。動作556で、処理要素152は、全ての目標制限事項、全ての規格制限事項、又はこれらの両方を決定する。動作556の後、方法550は動作558に進み、承認された制限事項だけが選択され、保留、ドラフト、及び却下された制限事項が除かれる。換言すると、指定された特権レベルを有するユーザによって以前に承認された制限事項だけが選択される。
【0113】
動作558の後、方法550は動作560に進み、現行又は廃止のステータスを有する制限事項だけが選択される。例えば、
図10に示すように、ユーザは、表示するよう要求されるステータス(例えば、現行及び廃止)をオンに選択し且つ隠すステータス(例えば、将来、ドラフト、保留、及び却下)をオフに選択することによってステータス394によってフィルタすることができる。現行(例えば有効期限日付を有してない)又は廃止(例えば、過去に有効期限日付を有する)である制限事項だけが表示されることになる。
【0114】
動作560の後、方法550は動作562に進み、特定の日付範囲内の制限事項だけが選択される。例えば、ユーザが現行の制限事項をレビューしたい場合、ユーザは、バッチ日付又はバッチ日付前及び「有効期限」日付のない目標有効開始日付を有する制限事項を選択することができる。別の例として、ユーザが廃止制限事項をレビューしたい場合、ユーザは、バッチ日付又はバッチ日付前及びバッチ日付又はバッチ日付後の「有効期限」日付を有する目標有効開始日付を有する制限事項を選択することができる。何れかの場合、選択された日付範囲は、制限事項を特定のバッチに適用するためにバッチ日付を含む。
【0115】
動作562の後、方法550は動作564に進み、処理要素152は、類似の副製品及び市場値を有する制限事項があるかどうか決定する。例えば、バッチが副製品及びこれに関連付けられる市場値の両方を有する場合、処理要素152は、バッチにあるのと同じ2つの制定された値を有する1又は2以上の制限事項があるかどうか決定する。別の例として、バッチが副製品値を有するが市場値を有してない場合、処理要素152は、同じ副製品値を持ち設定された市場値を有してない1又は2以上の制限事項があるかどうか決定する。追加の例として、バッチが市場値を有するが副製品値を有してない場合、処理要素152は、同じ市場値を持ち設定された副製品値を有してない1又は2以上の制限事項があるかどうか決定する。更に別の例として、バッチが副製品値又は市場値を有してない場合、処理要素152は、副製品値又は市場値のない1又は2以上の制限事項があるかどうか決定する。
【0116】
類似の副製品及び市場値を有する制限事項がある場合、方法550は動作566に進み、このような値を有する制限事項が選択される。類似の副製品及び市場値を有する制限事項が無い場合、方法550は動作568に進み、副製品及び市場に設定された値を有してない制限事項が選択される。動作566又は動作568の何れかの後、方法550は動作570に進み、処理要素152が、バッチに対する様々な制限事項カテゴリがあるかどうか決定する。様々な制限事項カテゴリは、単位作動によって又は個々のバッチによって定めることができる。例えば、単一の単位作動は、単位作動内の全てのバッチに適用される定義された様々な制限事項カテゴリを有することができる。例えば、単位作動は、様々な制限事項カテゴリ「機器」を有することができ、全てのバッチは「機器」に設定された値を有する。代替として、バッチは各々、それに固有の定義された様々な制限事項カテゴリを有することができる。
【0117】
バッチに様々な制限事項カテゴリが無い場合、方法550は終了する。これは、適用可能な制限事項が目標制限事項とは対照的に規格制限事項である時の一般的な経路である。バッチに対して様々な制限事項カテゴリがある場合、方法550は動作572に進み、処理要素152は、バッチメタデータ値に合致する様々な制限事項カテゴリ値を有する制限事項があるかどうか決定する。例として、ユーザは、システム100に格納された1又は2以上の様々な制限事項カテゴリ及び様々な制限事項の値を定義することができる。このように、このような制限事項は、定義された様々な制限事項カテゴリに対する特定の値を有するバッチに関連付けることができる。例えばバッチは、「機器」の様々な制限事項カテゴリに対して「スチール」の値を有することができる。特定の制限事項を、スチール機器でサンプルされたバッチにのみ適用することができる。このような合致値を有する制限事項がある場合、方法550は動作574に進み、このような制限事項が選択され方法550が終了する。このような合致値を有する制限事項が無い場合、方法550は動作576に進み、設定された様々な制限事項カテゴリがない制限事項が選択され方法550は終了する。
【0118】
本開示のシステムは、1又は2以上のアラート又はユーザに選択情報を提供するユーザ通知を含むことができ、この情報は、データがシステムによって受信及び分析された場合にリアルタイムで提供することができる。例えばアラートは、バッチに関係する様々なパラメータ又は特性に対して本システムに入力されたデータ値で情報を提供することができる。アラートは、本システムに入力された新しいデータに関するリアルタイムフィードバックをユーザに提供することができる。例えばアラートは、1又は2以上の制限事項に適合していないか又は1又は2以上の規則に違反している値のリアルタイムフィードバック、及び/又は新しいデータ値が本発明のシステムに入力された場合に提供することができる。このアラート機能は、ユーザがデータベースを常にモニタする必要なく、バッチの進行及び性能のモニタを容易にすることを可能にする。このアラートはまた、制限事項に不合格になる特定のパラメータなどのバッチラン内の問題を迅速に識別することもでき、これは、ユーザが、バッチの「セーブ」を助けることができる処理ラン中の化学的、機械的、及び/又は電気的問題を訂正するよう働くのを可能にする。従来のデータ追跡及び適合システムはアラート機能を含まず、これによってユーザは常にデータベースをチェックしなければならず、ユーザが複数のバッチを同時にモニタする及び/又はバッチをモニタする間に他の作業機能を達成するのを妨げている。
【0119】
図23は、1又は2以上のユーザデバイスなどのユーザにアラートを起動及び送信するためにシステム100を利用する方法700を示す流れ図である。方法700は、メモリにアルゴリズム又はプログラミング命令として格納して処理要素などによって実行することができる。方法700は動作702で開始して、データ値が、手動、自動、又はこの2つのある組合せとすることができる方法200の動作202で
図6に関して説明したようにシステムに入力することなどによってメモリに受け入れられる。例えばデータ値は、コンピュータ又は他のデバイス(又は器具又はセンサ)から又はシステムに値を入力するユーザから、例えば、ユーザデバイス106によって直接受信できるか、又はデータベースから検索することができる。このデータ値は、バッチラン中に検出又は追跡されるバッチの1又は2以上のパラメータに対応することができる。
【0120】
動作702の後、方法700は動作704に進み、本システムは、データ値が承認されたかどうか決定する。例えば、一定のデータを入力された場合に自動的に承認することができ、他のデータは、満足な特権レベルを有するユーザによる承認を要求することができる。例えば本システムは、例えば方法250の動作256で、システムに入力された変更に対する別のユーザの承認が
図4に関して記述したのと類似の方式で必要とされるかどうか決定することができる。別の例として、一定のデータ(例えば、パラメータ)を自動的に承認されるよう構成することができる。例えば、ユーザ(例えば、監督者)が、一定のデータに対する承認を必要としないよう(例えば、データを自動承認に設定し、承認を必要とするとしてデータにマーク付けしないことなどによって)構成することができる。本システムが、システムに入力されたデータ値が承認を必要としないと決定した時、データは自動的に承認される。本発明のシステムは、システムに入力された新しいデータの承認を分析する時に使用するメモリにこのような構成を格納することができる。例えば本発明のシステムは、承認されたデータ、承認を必要としないデータ、及び/又は承認を必要とするデータの事前定義リストを格納することができる。一部の事例では、特定の値範囲内に合うか又は一定の閾値より上又は下であるデータの値に基づいて、パラメータに基づいて、値を入力するユーザ(例えば、特権レベル)などに基づいて、データを承認することができる。
【0121】
一部の実施形態では、データが必須のパラメータレベルの構成に適合している場合、データを自動的に又はユーザによって承認することができる。例えば、特定のパラメータは、数値又はテキスト値とすることができる。この例では、データを適合させるために、データ値は、数値又はテキスト値でなくてはならない。例えば、データが数として構成される場合、テキストを入力することはできない、又はデータがテキストとして構成される場合、数字を入力することはできない。これらの例では、数字が必要な時にテキストが入力された場合、パラメータレベル構成が違反となる。別の例として、特定のパラメータに対する有効値の事前定義リストは、システムによって格納することができる。この例では、データが有効値の事前定義リスト内に入る場合、データはパラメータレベル構成に適合するが、データが有効値の事前定義リスト外に入る場合、パラメータレベル構成は違反となる。これらの例では、パラメータレベル構成が違反となる場合、データを承認することができない。例えば、他の場合に自動的に承認されるデータは、パラメータレベル構成が違反された場合に承認されないことになる。代替として、承認が必要なく且つデータがパラメータレベル構成を違反していない場合、データは自動的に承認されることになる。
【0122】
データ値が承認されなかった場合、方法700は動作706に進み、データ値に対する承認が取得される。例えば、データ値が承認を必要としこの値がパラメータレベル構成に違反していない場合、データは保留に設定される(例えば、ユーザからの承認を必要とする)。例えば、サーバは、満足な権限レベルを有するユーザ(例えば、監督者)に承認要求を送信することができる。
【0123】
データ値が承認された場合、動作704又は動作706の何れかで、方法700は動作708に進み、サーバが、承認されたデータ値に関連付けられるアラートが起動に設定されているかどうか決定する。ユーザは、ユーザインタフェースを介して1又は2以上のアラートを構成することができる。例えば、
図24-28は、開示されるシステムでアラートをカスタマイズする例示的ユーザインタフェースを示す。
図24に示すように、ユーザインタフェース700は、「マイアラート」タブ754へのアクセスを提供するホーム画面752を含む。「マイアラート」タブ754は、アクティブアラートでユーザ情報を提供する。例えば、図のように、現行ユーザに対してセットアップされたアクティブ電子メールアラートはない。ユーザは、「開始」のラベルの付いたリンク756、及び/又はアクセスタブ758を「マイアラート」タブ754上で選択して、所望のアラートをセットアップすることができる。例えば、
図25は、アクセスタブ758を選択することによって開かれた「マイアラート」タブ754を示し、これによってユーザは1又は2以上のアラートをカスタマイズすることができる。
【0124】
アラートは、定義された権限を有する選択ユーザによって作成することができ、例えば一部の事例では、アラートをパラメータ管理者又はシステム監督者によってのみ作成することができる。例えばパラメータ管理者は、パラメータ管理者が様々な状況に対するアラートを設定するのを可能にする制限されたユーザインタフェースへのアクセスを可能にする特別なシステム権限を有することができる。例えば、パラメータ管理者は、例えば、サイト、製品、バッチ、バッチ日付、単位作動、パラメータ、規則違反、制限事項違反などに基づいて、1又は2以上のカテゴリに対する1又は2以上のアラートをセットアップすることができる。例えば、受信されるデータ値が、バッチがランされている特定のサイトからである、特定の時間ウィンドウ中に受信された、特定のパラメータに対してである、1又は2以上の規則を違反する、1又は2以上の制限事項を超える時に、アラートがユーザに送信されるよう構成することができる。
【0125】
幾つかの実施形態では、アラートの作成は処理定義構成によって管理する(例えば、パラメータレベルで構成する)ことができ、パラメータのメタデータに含めることができる。例えば、
図26-28は、ユーザ(例えば、パラメータ管理者)が処理定義画面772を介してアラートをカスタマイズするための例示的ユーザインタフェースを示す。例えば、ユーザは処理タブ774を選択して処理定義画面772にアクセスすることができる。ユーザは異なるパラメータに対する様々な分析及びアラートをカスタマイズすることができる。例えば、
図26に示すように、パラメータ776を選択することによって、ユーザはパラメータ776の処理定義ボックス778にアクセスすることができる。図のように、処理定義ボックス778は分析タブ780及びアラートタブ782を含む。
図26では、分析タブ780が選択され、ユーザが1又は2以上の規則及び/又は制限事項をカスタマイズするのを可能にする。換言すると、ユーザは、ユーザが特定のパラメータに適用したい規則又は制限事項を選択することができる。パラメータの処理定義における規則又は制限事項は、前もってセットアップしておく(例えば、パラメータ管理者又はシステム監督者によって)ことができる。例えば、
図26に示すように、規則784 1-5及び規格制限事項786 1-2は、前もってシステムにセットアップされておりユーザによって調整可能である。図のように、ユーザは、トグル792、ボタン、又は別の選択機構を介して規則784をターンオン又はオフすることによって個々のチャート788及び/又はMRチャート790の1又は2以上の規則784をカスタマイズすることができる。ユーザは更に、ドロップダウンバー794から選択肢を選択することによって、1又は2以上の規格制限事項786をカスタマイズすることができる。
図27に示すように、ユーザは、トグル792を右に動かすことによって規則784 1及び2をターンオンしておりパラメータ776SCRの規格制限事項786 1に対してドロップダウンバー794から「アクション」を選択している。ユーザはセーブボタン796を選択してカスタマイズされた分析780の設定をセーブすることができる。
【0126】
図28は、ユーザが選択されたパラメータ776の1又は2以上のアラートをカスタマイズするのを可能にするアラートタブ782が選択されたことを示している。ユーザは、選択されたパラメータに対してアラートをターンオン又はターンオフすることができる。図のように、ユーザは、トグル798を動かす(又はボタン又は他の選択機構を選択する)ことによって選択されたパラメータ776のアクティブアラート800をターンオンすることができる。アクティブアラートがターンオンされた時に、本発明のシステムは、1又は2以上のアラートがパラメータに関連付けられるかどうか決定する。アラートがパラメータに関連付けられる場合、本発明のシステムは、例えばパラメータに関連付けられるメタデータとしてアラート情報をデータベースに格納する。例示的なアラートタブ782に示すように、ユーザは、チャートタイプ802(例えば、個々又はI-MR)、バッチ範囲804(例えば、最後のX数のバッチのアラートを受信する)、副製品806、及び/又は市場807によってアラートをカスタマイズすることができる。他のアラートカスタマイゼーションも考えられ、例えば、アラートを、パラメータクラス(例えば、CPP(限界処理パラメータ))、CQA(限界品質属性)などに基づいて設定することができる。ユーザはセーブボタン808を選択してカスタマイズされたアラート782の設定をセーブすることができる。
【0127】
図32に示すように、ユーザは、例えば
図22に関して論じたように、ユーザインタフェース300に表示された対話型出力制御チャートを介してパラメータに関連付けられるアラート情報を閲覧することができる。図のように、制御チャート450は、データポイントの上にカーソルをホバリングする及び/又はデータポイントを選択することによってメタデータを閲覧可能にする対話型データポイントを含む。図のように、ユーザがデータポイントの上をホバリング又はデータポイントを選択した時に、本発明のシステムは、データポイントに関係する情報を提供するテキストボックス又はグラフィック452を表示する。このグラフィックは、
図22に関して論じたようにタブ「詳細」456及び「バッチメタデータ」462、並びにタブ「アラート」463を含む。この例では、アラートタブ463が選択され、パラメータ454オスモの選択されたデータポイントに関連付けられるアラート情報を表示している。この例では、アラート情報は、アラートタイムスタンプ465(例えば、アラートが送信された時間を示す)、チャートタイプ467、チャート値469、規則セット名471、規則番号473、及び規則説明475を含み、これらの各々が、例えば
図26-28に関して論じたように、パラメータ454オスモに対して設定された特定のアラートに関連付けられる。
【0128】
ユーザはユーザプリファレンスに基づいて様々なアラートに加入又は起動することができる。例えば、ユーザは特定の製品に対するアラートの受信だけを要求でき、これらの製品のアラートを起動することができる。一例として、ユーザは、特定の製品に対する制限事項アラート及び/又は規則アラートの受信を望むことができ、このような状況に対するアラートを起動することができる。本発明のシステムはユーザプリファレンスを個々に格納することができる(例えば、ユーザに固有のユーザアカウントのプリファレンスとして格納する)及び/又は各アラートに加入するユーザのリスト(例えば、電子メールリスト)を格納することができる。一部の実施形態では、監督者又はシステム管理者が、アラートを、アラートに加入している1又は2以上のユーザに割り当てることができる。これらの実施形態では、アラートに割り当てられたユーザが、一部の事例では、個々のユーザプリファレンスに応じてアラートをターンオン又はターンオフすることができる。
【0129】
図25に示すように、ユーザは、ホーム画面752及び「マイアラート」タブ又はバー754を介して様々なアラートに加入又は起動することができる。アクセスタブ758を選択することによって、ユーザは1又は2以上のカスタマイズ可能なアラートを閲覧することができる。アクセスタブ758によってアクセスされたアラートは、パラメータ管理者によって作成されたアラート、ユーザが加入したアラート、及び/又はユーザに割り当てられたアラートのリストを含むことができる。
図25に示した例では、ユーザは、異なるサイト764、製品766、及び単位動作768の規定アラート760及び/又はラン規則アラート762をターンオン(起動)又はターンオフ(停止)することができる。ユーザは、全ての単位動作768又は単位作動のサブセット768のアラートをターンオンすることができる。図のように、ユーザはトグル770を介してアラートをターンオン及びターンオフすることができるが、他の選択機構(例えば、ボタン)も考えられる。図示の例では、ユーザはトグル770を右に動かして、Prod、ProA、VI、及びCEXを含む単位作動のサブセット768に関連付けられるケンブリッジサイト764で生成された製品766A-Mabの規定アラート760及びラン規則アラート762の両方をターンオンしている。他のアラートは、トグル770を左のままにしておくことによってターンオフされる。従って、ユーザは、起動されたアラート(例えば、起動された単位作動)のアラートだけを受信することができる。一部の実施形態では、ユーザはアラートのフォーマット及び/又は宛先をカスタマイズすることができる。例えばユーザは、電子メール、テキスト、ウェブサイトリンクなどを介したアラート又は通知の受信を好むことができる。代替として、アラートのフォーマット及び/又は宛先はシステム監督者によってカスタマイズすることができる。
【0130】
図23に関して続けると、アクティブアラートが承認されたデータ値に関連付けられないとサーバが動作708で決定した場合、方法700は終了する。アクティブアラートが承認されたデータ値に関連付けられると(例えば、ユーザのセーブされたアラートプリファレンスに基づいて)サーバが動作708で決定した場合、方法700は任意的に動作710に進み、サーバは、選択分析に基づいて承認されたデータ値の適合性を評価する。アラートが、規則違反又は制限事項への適合などの分析に関連付けられる事例では、サーバは、承認されたデータ値が適用可能な規則を違反するか又は適用可能な制限事項に適合するかどうか評価する。例えば、
図27に示すように、規則1及び規則2は起動された分析である。この場合、ユーザが規則アラートを起動した時、ユーザは規則1及び2のアラートを受信することになる。この例では、動作710で、サーバは、規則1及び規則2への承認されたデータ値の適合、例えば、何れかの規則が違反されているかどうか評価する。別の例として、サーバは、1又は2以上の制限事項への承認されたデータ値の適合性を評価することができる。
【0131】
動作708の後、又は任意的に動作710の後、方法700は動作712に進みアラートがユーザに送信される。例えば、アラートは、電子メール、テキストメッセージ、アプリケーション通知などとすることができる。
図29は、起動されたアラートに基づいてサーバによってユーザデバイス106に送信された例示的電子メールアラート810を示す。アラートは、特定のアラートに加入した何れのユーザにも送信することができる。一部の実施形態では、アラートはまた、一部の事例で選択的にアラートに加入することができる監督者に送信することができる。アラートは、受信されたデータ値の様々な情報を提供することができる。例えば、アラートは、製品、処理、及びバッチ情報を提供することができる。サーバがデータ値の適合性を評価した事例(例えば、動作710で決定されたように)では、アラートはまた、受信されたデータ値の適合の情報を含むことができる。
図29に示すように、電子メールアラート810は、特定の受信されたデータ値のサイト812、製品814、バッチID816、バッチ日付818、単位動作820、フェーズ822、複製表824、パラメータ826、結果828、及び規則違反830の情報を提供する。電子メールアラート810の件名832はアラートのタイプを示すことができる。図のように、アラートのタイプは、製品ウトピウムに関するサイト バーゼルの制御チャートアラートである。電子メールアラート810は、規則5(行の増加又は減少の3ポイント)が2019年11月7日に記録されたバッチVI-07のバーゼル サイトの製品ウトピウムで違反されていることをユーザに指示する。この例では、ユーザは規則違反(例えば、規則5の違反)のアラートに加入している。現実施例はテキスト情報を提供するアラートを示しているが、情報はまたチャート(例えば、本明細書に記述するチャート)又はデータテーブルとして提供できることが考えられる。
【0132】
ホーム画面はまた、1又は2以上のチャートへのクイックアクセスを提供することができる。例えばユーザは、特定の製品、副製品、バッチ、サイト、パラメータ、市場などに関するチャートのモニタ及びレビューを選ぶことができる。大量のデータ(例えば、複数の製品)をソートする代わりに、ユーザは1又は2以上のチャートに加入することができる。加入されたチャートの容易な検索のために、ユーザは、特定のチャートをクイックアクセス位置にセーブすることができる。例えば、
図24に示すように、ホーム画面752は「マイチャート」タブ又はバー834を含むことができる。ユーザは「マイチャート」タブ834でアクセスタブ836を選択して、特定の製品、副製品、バッチ、サイト、パラメータ、市場などのチャートを迅速に閲覧することができる。例えば、
図30は、アクセスタブ836を選択することによって開かれた「マイチャート」タブ834を示し、これによってユーザはセーブされた又は頻繁に閲覧されたチャートを閲覧することができる。例えば、
図31に示すように、ユーザはセーブアイコン又はボタン838を選択することによってチャートをセーブすることができる(この場合、円ではない他のアイコン形状が考えられる)。図のように、ユーザはまた、お気に入りアイコン又はボタン840(この場合、星、他のアイコン形状が考えられる)を選択することによって好みの又はお気に入りチャートとしてチャートにマーク付けすることができる。
図30に示すように、セーブされたチャートがクイック検索のためにマイチャートタブ834に現れる。図示の例では、お気に入りチャート846(選択された星の付いた)がマイチャートタブ834のチャートのリストの上位に現れる。サーバがチャートビューをモニタして一定の数の閲覧(例えば、数千を超える閲覧)を有するチャートをクイック検索のためにマイチャートタブ834にセーブできることも考えられる。
【0133】
図30に示すように、ホーム画面752は、ユーザが加入したチャートを表示する。表示されたチャートは、特定の製品(例えば、製品が選択された時)又は全製品(例えば、全製品が選択された時)とすることができる。例えば、図のように、ユーザが加入した全チャート(例えば、全製品842)は、ホーム画面752上のトグル844が選択された時に表示される(しかし他の選択機構も考えられる)。チャートは、製品(図示)、サイト、バッチ、パラメータ、市場などによって様々なカテゴリ毎に分類することができる。ユーザは、リスト内のチャートを選択して、チャート及び関係付けられるデータを閲覧することができる。
図30に示すように、ユーザはお気に入りチャート846を選択して、制限データ850及び適合などのチャート848及び関係付けられるデータを閲覧している。この場合、お気に入りチャート846は、製品GF時間の個々のチャートである。ユーザはチャート848を選択して、ユーザがチャートを作成しチャート848に加入した場合に分析モジュールを閲覧することができる。例えば、チャート848を選択した後、分析画面852が
図31に示すように表示される。分析画面852は、パラメータ854、チャートタイプ856、バッチ範囲858、バッチカテゴリ860などの追加の情報を提供する。前述のように、ユーザはデータポイントの上にカーソルをホバリングさせる及び/又はデータポイントを選択して、データポイントに関連付けられるメタデータ(例えば、バッチ情報)を閲覧することができる。
【0134】
結論
本明細書に記述する技術は、1又は2上のシステムにおける論理的作動及び/又はモジュールとして実施することができる。この論理的作動は、1又は2以上のコンピュータシステムで実行されるソフトウェアプログラムによって命じられたプロセッサ実施ステップのシーケンスとして及び1又は2以上のコンピュータシステム内の相互接続された機械又は回路モジュールとして、又はこれら双方の組合せとして実施することができる。同様に、様々な構成要素モジュールの記述は、モジュールによって実行又は実効される作動の点でも提供することができる。結果生じた実施は、記述した技術を実施する元のシステムの性能要件に応じた選択の問題である。従って、本明細書に記述する技術の実施形態を作り上げる論理的作動は、作動、ステップ、オブジェクト、又はモジュールとして様々に呼ばれる。更にまた、他に明示的に主張されないか又は特定の順序が請求項言語によって固有に必要とされない限り、論理的作動を何れの順序でも実行できることを理解されたい。
【0135】
一部の実施では、手順作動を実施するためにコンピュータシステムにおける作動の初期化を起こすコンピュータプログラム製品として製造品が提供される。コンピュータプログラム製品の1つの実施は、コンピュータシステムによって可読且つコンピュータプログラムを符号化する非一時的コンピュータプログラムストレージ媒体を提供する。記述した技術をパーソナルコンピュータから独立した専用デバイスに用いることができることを更に理解されたい。
【0136】
上記の明細書、実施例及びデータは、請求項に定義された本発明の例示的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。特許請求される発明の様々な実施形態をある程度の特殊性で、又は1又は2以上の個々の実施形態に関して上記で記載してきたが、当業者であれば、特許請求される本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に多くの改変を行うことができる。従って、他の実施形態も考えられる。上記の説明に包含され添付図面に示される全ての事項は、特定の実施形態を例証するものであり、限定ではないと解釈されるものとする。詳細又は構造の変更は、添付の請求項に定義される本発明の基本的要素から逸脱することなく行うことができる。
【符号の説明】
【0137】
100 データ適合性追跡システム
102 サーバ
104 ネットワーク
106 ユーザデバイス
108a 108n 機器
110 データベース
【国際調査報告】