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特表2022-515421ブロックチェーン基盤の合併買収サービス提供システムおよびその動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】ブロックチェーン基盤の合併買収サービス提供システムおよびその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20220210BHJP
   G06Q 40/06 20120101ALI20220210BHJP
【FI】
G06Q40/04
G06Q40/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021536762
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 KR2019003975
(87)【国際公開番号】W WO2020138595
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】10-2018-0168260
(32)【優先日】2018-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成30年8月18日にインターネット上のニュース記事 http://www.fnnews.com/news/201808171508341767にて発表 平成30年9月1日に広報資料「TECHCOINS」にて発表 平成30年10月22日にYouTubeの動画サイト https://www.youtube.com/watch?v=DxeVxojROog&t=149sにて発表 平成30年11月29日にYouTubeの動画サイト https://www.youtube.com/watch?v=s297mHmLovY&t=1sにて発表
(71)【出願人】
【識別番号】521273639
【氏名又は名称】ジービーシー コリア シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リ・ジョンソン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB53
5L055BB55
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係るブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムは、買収対象企業のM&A交渉を行うSPC(Special Purpose Company)に対するSPC情報を格納するメインサーバと、前記SPC情報を用いて生成されたプロジェクトを格納するブロックチェーンを含むM&Aプラットフォームと、前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を照会して前記M&A交渉に参加するユーザ端末と、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
買収対象企業のM&A交渉を行うSPC(Special Purpose Company)に対するSPC情報を格納するメインサーバと、
前記SPC情報を用いて生成されたプロジェクトを格納するブロックチェーンを含むM&Aプラットフォームと、
前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を照会して前記M&A交渉に参加するユーザ端末と、
を含む、ブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末は、前記買収対象企業の持分を第1仮想通貨を用いて買入し、前記第1仮想通貨に相応する第2仮想通貨の支給を受ける、請求項1に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、前記買収対象企業の持分を前記支給された第2仮想通貨を用いて売却し、前記支給された第2仮想通貨に相応する第1仮想通貨の支給を受ける、請求項2に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項4】
前記プロジェクトは、プロジェクト識別情報および前記買収対象企業に対する持分情報を含む、請求項1に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項5】
前記メインサーバと前記M&Aプラットフォームは、それぞれオフチェーン(off-chain)とオンチェーン(on-chain)に該当し、
前記メインサーバと前記M&Aプラットフォームは、前記オフチェーンの情報をスマートコントラクトの形態に変換して前記オンチェーンに伝達するか、または前記オンチェーンのスマートコントラクトを解釈して前記オフチェーンに伝達するオラクル(oracle)を介して互いに通信する、請求項1に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項6】
前記M&Aプラットフォームは、全体ノードを複数のシャード(shards)にグループ化した第1チェーンレイヤ、および前記複数のシャードのうち何れか1つに属したノードを複数のサブチェーンにグループ化した第2チェーンレイヤを含む、請求項1に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項7】
前記複数のシャードの個数、各シャードを構成するノード、およびリーダノードは、周期的にランダムにシャッフルされる、請求項6に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項8】
前記複数のサブチェーンのうち何れか1つのサブチェーンに属したノードが生成したトランザクションは、前記サブチェーン内部の合意アルゴリズムに従って検証されてプラズマブロックに含まれ、
前記プラズマブロックのヘッダのハッシュ値は、前記複数のシャードのうち何れか1つのシャードに属したノードが生成するトランザクションに含まれ、前記シャード内部の合意アルゴリズムに従って検証されて中間ブロックに含まれ、
前記中間ブロックは、前記複数のシャード間に共有され、前記複数のシャード間の合意アルゴリズムに従って検証されて最終ブロックに含まれる、請求項6に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項9】
前記合意アルゴリズムは、プルーフオブステーク(PoS)方式である、請求項8に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項10】
前記ユーザ端末は、ユーザの照会要請に応じて、前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を閲覧するためのトランザクションを生成し、
前記トランザクションに応じて生成されたSPC情報の閲覧申請が正当な権限を有した会員のSPC情報の閲覧申請である場合、前記メインサーバは、前記SPC情報の閲覧申請に対応するSPC情報を前記ユーザ端末に伝達する、請求項1に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項11】
第1仮想通貨に対する両替取引を行う第1取引所サーバと、
前記プロジェクトに対応する第2仮想通貨を管理する第2取引所サーバと、をさらに含む、請求項1に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項12】
前記ユーザ端末は、M&Aアプリケーションを介して前記第1仮想通貨の購入のための両替要請を前記第1取引所サーバに伝送し、
前記第1取引所サーバは、前記ユーザ端末の両替要請に応じて、投資者が提供した資産に対応する第1仮想通貨の所有権を前記ユーザ端末に移転するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成して前記M&Aプラットフォームに伝達し、
前記第1取引所サーバは、前記M&Aプラットフォームのブロックチェーンに前記トランザクションが登録されたことを確認すると、前記ユーザ端末に両替取引が完了したことを通知する、請求項11に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項13】
前記ユーザ端末は、保有した第1仮想通貨を用いて前記買収対象企業の持分を買入するためのトランザクションを生成し、
前記トランザクションは、前記M&Aプラットフォームの第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的に前記ブロックチェーンに登録され、
前記トランザクションが前記ブロックチェーンに登録されたことが確認されると、前記ユーザ端末は、前記第1仮想通貨に相応する第2仮想通貨の支給を受ける、請求項11に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項14】
前記トランザクションは、前記第1仮想通貨の所有権を前記ユーザ端末から前記買収対象企業の持分の保有者に移転するという内容、および前記第1仮想通貨に相応する第2仮想通貨の所有権を前記買収対象企業の持分の保有者から前記ユーザ端末に移転するという内容のスマートコントラクトを含む、請求項13に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項15】
前記ユーザ端末は、保有した第2仮想通貨の売渡のための両替要請を前記第2取引所サーバに伝送し、
前記第2取引所サーバは、前記ユーザ端末の両替要請に応じて、前記ユーザ端末が保有した第2仮想通貨を用いて前記買収対象企業の持分を売却するためのトランザクションを生成し、
前記トランザクションは、前記M&Aプラットフォームの第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的に前記ブロックチェーンに登録され、
前記トランザクションが前記ブロックチェーンに登録されたことが確認されると、前記第2取引所サーバは、前記ユーザ端末に持分売却のための両替取引が完了したことを通知し、
前記ユーザ端末は、前記第2仮想通貨に相応する第1仮想通貨の支給を受ける、請求項11に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項16】
前記トランザクションは、前記第2仮想通貨の所有権を前記ユーザ端末から前記買収対象企業の持分の買入者に移転するという内容、および前記第2仮想通貨に相応する第1仮想通貨の所有権を前記買収対象企業の持分の買入者から前記ユーザ端末に移転するという内容のスマートコントラクトを含む、請求項15に記載のブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム。
【請求項17】
買収対象企業のM&A交渉を行うSPC(Special Purpose Company)に対するSPC情報を格納するステップと、
前記SPC情報を用いて生成されたプロジェクトをブロックチェーンに格納するステップと、
前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を照会して前記M&A交渉に参加するステップと、
を含む、ブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書に開示される実施形態は、伝統的な合併買収プロセスをブロックチェーンに基づいて実現することができる、ブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
M&A(Mergers and Acquisitions;合併買収)とは、最近、企業の持続可能な成長のための核心的手段であって、公開買付け、資産買入、経営権買収など、多様な取引を介して企業を統合する金融手段である。このようなM&Aプロセスは一般的に投資銀行という特殊な類型の金融機関により行われ、当該銀行は取引を行うことができる専門知識を備えている。多様なM&A取引と関連したプロセスは非常に複雑であるため、取引を成功的に完了できる専門家で構成されたチームが必要となる。
【0003】
M&Aプロセスは、大きく、マーケティング、予備実査、入札、優先交渉権者の選定/確認実査、精密実査、価格/取引条件の調整、株式譲受渡契約の締結などの数多くのステップを含む。しかし、M&Aプロセスにおいて、いくら徹底した契約に合わせて進めるとしても、契約書に全ての内容を包括するには難しい実情である。
【0004】
特に、企業の有無形資産に対する公正で且つ正確な価値評価が容易ではないため、取引条件が論議されるステップでM&A交渉が失敗に終わる場合が多い。
また、現行のM&Aプロセスは、個人情報の流出に対する問題も内包している。原則的には、買収希望者に買収対象企業の内部人員および顧客の情報を提供する際、個人情報の当事者に事前同意を得なければならないが、合併のための実査を目的に当該情報を事前同意なしに買収希望者に提供することが慣例のように行われているのが現実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、従来のM&Aプロセスの短所を補完することができる、ブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムおよびその動作方法を提供することにある。
【0006】
本発明の技術的課題は以上に言及した技術的課題に制限されず、言及していないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本文書に開示される本発明の一実施形態に係るブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムは、買収対象企業のM&A交渉を行うSPC(Special Purpose Company)に対するSPC情報を格納するメインサーバと、前記SPC情報を用いて生成されたプロジェクトを格納するブロックチェーンを含むM&Aプラットフォームと、前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を照会して前記M&A交渉に参加するユーザ端末と、を含むことができる。
【0008】
実施形態により、前記ユーザ端末は、前記買収対象企業の持分を第1仮想通貨を用いて買入し、前記第1仮想通貨に相応する第2仮想通貨の支給を受けることができる。
【0009】
実施形態により、前記ユーザ端末は、前記買収対象企業の持分を前記支給された第2仮想通貨を用いて売却し、前記支給された第2仮想通貨に相応する第1仮想通貨の支給を受けることができる。
実施形態により、前記プロジェクトは、プロジェクト識別情報および前記買収対象企業に対する持分情報を含むことができる。
【0010】
実施形態により、前記メインサーバと前記M&Aプラットフォームは、それぞれオフチェーン(off-chain)とオンチェーン(on-chain)に該当し、前記メインサーバと前記M&Aプラットフォームは、前記オフチェーンの情報をスマートコントラクトの形態に変換して前記オンチェーンに伝達するか、または前記オンチェーンのスマートコントラクトを解釈して前記オフチェーンに伝達するオラクル(oracle)を介して互いに通信することができる。
【0011】
実施形態により、前記M&Aプラットフォームは、全体ノードを複数のシャード(shards)にグループ化した第1チェーンレイヤ、および前記複数のシャードのうち何れか1つに属したノードを複数のサブチェーンにグループ化した第2チェーンレイヤを含むことができる。
実施形態により、前記複数のシャードの個数、各シャードを構成するノード、およびリーダノードは、周期的にランダムにシャッフルされることができる。
【0012】
実施形態により、前記複数のサブチェーンのうち何れか1つのサブチェーンに属したノードが生成したトランザクションは、前記サブチェーン内部の合意アルゴリズムに従って検証されてプラズマブロックに含まれ、前記プラズマブロックのヘッダのハッシュ値は、前記複数のシャードのうち何れか1つのシャードに属したノードが生成するトランザクションに含まれ、前記シャード内部の合意アルゴリズムに従って検証されて中間ブロックに含まれ、前記中間ブロックは、前記複数のシャード間に共有され、前記複数のシャード間の合意アルゴリズムに従って検証されて最終ブロックに含まれることができる。
【0013】
実施形態により、前記合意アルゴリズムは、プルーフオブステーク(PoS)方式であってもよい。
実施形態により、前記ユーザ端末は、ユーザの照会要請に応じて、前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を閲覧するためのトランザクションを生成し、前記トランザクションに応じて生成されたSPC情報の閲覧申請が正当な権限を有した会員のSPC情報の閲覧申請である場合、前記メインサーバは、前記SPC情報の閲覧申請に対応するSPC情報を前記ユーザ端末に伝達することができる。
【0014】
実施形態により、第1仮想通貨に対する両替取引を行う第1取引所サーバと、前記プロジェクトに対応する第2仮想通貨を管理する第2取引所サーバと、をさらに含むことができる。
【0015】
実施形態により、前記ユーザ端末は、M&Aアプリケーションを介して前記第1仮想通貨の購入のための両替要請を前記第1取引所サーバに伝送し、前記第1取引所サーバは、前記ユーザ端末の両替要請に応じて、投資者が提供した資産に対応する第1仮想通貨の所有権を前記ユーザ端末に移転するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成して前記M&Aプラットフォームに伝達し、前記第1取引所サーバは、前記M&Aプラットフォームのブロックチェーンに前記トランザクションが登録されたことを確認すると、前記ユーザ端末に両替取引が完了したことを通知することができる。
【0016】
実施形態により、前記ユーザ端末は、保有した第1仮想通貨を用いて前記買収対象企業の持分を買入するためのトランザクションを生成し、前記トランザクションは、前記M&Aプラットフォームの第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的に前記ブロックチェーンに登録され、前記トランザクションが前記ブロックチェーンに登録されたことが確認されると、前記ユーザ端末は、前記第1仮想通貨に相応する第2仮想通貨の支給を受けることができる。
【0017】
実施形態により、前記トランザクションは、前記第1仮想通貨の所有権を前記ユーザ端末から前記買収対象企業の持分の保有者に移転するという内容、および前記第1仮想通貨に相応する第2仮想通貨の所有権を前記買収対象企業の持分の保有者から前記ユーザ端末に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。
【0018】
実施形態により、前記ユーザ端末は、保有した第2仮想通貨の売渡のための両替要請を前記第2取引所サーバに伝送し、前記第2取引所サーバは、前記ユーザ端末の両替要請に応じて、前記ユーザ端末が保有した第2仮想通貨を用いて前記買収対象企業の持分を売却するためのトランザクションを生成し、前記トランザクションは、前記M&Aプラットフォームの第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的に前記ブロックチェーンに登録され、前記トランザクションが前記ブロックチェーンに登録されたことが確認されると、前記第2取引所サーバは、前記ユーザ端末に持分売却のための両替取引が完了したことを通知し、前記ユーザ端末は、前記第2仮想通貨に相応する第1仮想通貨の支給を受けることができる。
【0019】
実施形態により、前記トランザクションは、前記第2仮想通貨の所有権を前記ユーザ端末から前記買収対象企業の持分の買入者に移転するという内容、および前記第2仮想通貨に相応する第1仮想通貨の所有権を前記買収対象企業の持分の買入者から前記ユーザ端末に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係るブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムの動作方法は、買収対象企業のM&A交渉を行うSPC(Special Purpose Company)に対するSPC情報を格納するステップと、前記SPC情報を用いて生成されたプロジェクトをブロックチェーンに格納するステップと、前記プロジェクトに該当する前記SPC情報を照会して前記M&A交渉に参加するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本文書に開示される実施形態によると、ブロックチェーンを用いてM&Aサービスを提供することにより、一般的な投資者の接近が難しかったM&A分野に対する投資機会を提供することができる。
【0022】
また、買収対象企業の持分に対する取引過程での信頼性を担保するために必須に求められていた専門家の参加および費用を、無欠性および信頼性を有するブロックチェーン技術を用いて代替することができる。
【0023】
さらに、既存のM&A交渉過程で無分別に流出していた個人情報に対する問題も、ブロックチェーン基盤のプラットフォームを介して正当な権限を有したユーザに個人情報を暗号化して提供することで解決されることができる。
この他に、本文書を通じて直接的または間接的に把握される多様な効果が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係るM&A(Mergers and Acquisitions)サービス提供システムを簡略に示した図である。
図2図1に示されたメインサーバをより詳細に示したブロック図である。
図3図1に示されたM&Aプラットフォームのブロックチェーン構造を示した図である。
図4図3のブロックチェーン構造においてルートチェーンに最終ブロックが含まれる過程を説明するための図である。
図5図1に示されたM&Aサービス提供システムにおいて持分買入方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図6図1に示されたM&Aサービス提供システムにおいて持分売却方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図1に示されたM&Aサービス提供システムにおいて法人清算方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の多様な実施形態が添付された図面を参照して記載される。但し、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の実施形態の多様な変更(modification)、均等物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解しなければならない。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るM&A(Mergers and Acquisitions)サービス提供システムを簡略に示した図である。
図1を参照すると、M&Aサービス提供システム10は、オフライン(現場)でのみなされていたM&Aプロセスをブロックチェーン(block chain)技術を介してオンチェーン(on-chain)基盤で実現できるブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システムである。
【0027】
ブロックチェーンは、公共取引台帳として機能することができ、仮想通貨などの取引時に発生し得るハッキングを防止するための技術を意味する。既存の金融会社の場合、中央集中型サーバに取引記録を保管しているが、ブロックチェーンは、取引内訳を取引に参加する全ユーザのコンピュータに分散して記録することができる。それにより、韓国銀行は、ブロックチェーンを、ネットワーク参加者が生産する情報および価値を共同で記録し格納する、分散化された公開台帳管理技術と定義している。ブロックチェーンの分散技術は、仮想通貨の取引時ごとに複数のコンピュータに記録した取引内訳を対照してデータ偽造を防止するのに用いられることができる。換言すると、全ての参加者が台帳を共有するため、取引内訳の無欠性を保障することができる。また、ブロックチェーンは、タイムスタンプ(time stamp)記録を提供して、以前取引記録の二重支出および修正を防止することができ、公認された第3者が必要ではないため、メンテナンス、セキュリティ、および金容取引などに必要な費用を節減することができる。
【0028】
ブロックチェーンと共に、ブロックチェーン基盤の仮想通貨であるビットコイン(bitcoin)とイーサリアム(ethereum)が注目を浴びている。ビットコインは、ブロックチェーン技術により取引記録を格納および維持できる仮想通貨を意味し、イーサリアムは、取引技術だけでなく、契約書などの追加情報を記録できる仮想通貨を意味する。特に、イーサリアムは、追加情報を記録することができるため、スマートコントラクト(smart contract)を支援できるという点でさらに注目されている。
【0029】
スマートコントラクトは、ブロックチェーン技術を用いて契約または交渉の実行および施行を行うことができるプログラムコードを意味する。よって、プログラムコードにより全体プロセスが自動化されて法的契約を補完するかまたは代替することができる。
【0030】
既存のブロックチェーン1.0の仮想通貨の格納機能は、多様な形態でプログラミングが可能である。イーサリアムは、スマートコントラクトを実行可能なブロックチェーンシステムであり、EVM(Ethereum Virtual Machine)を介してグローバルプラットフォーム(global platform)を提供することができる。開発者は、プログラミングを介してスマートコントラクトを実行することができ、仮想通貨などのデジタル資産に対する管理を行うことができる。
【0031】
スマートコントラクトの最初の発案者であるNick Szaboは、スマートコントラクトを信頼できないコンピュータネットワーキング環境における機械間の高度に発達した自動契約履行方法と定義し、ブロックチェーン上で不動産契約、オンライン投票、およびヘルスケアなどの多様な分散アプリケーションを開発することができるようにプラットフォームを拡張した。
【0032】
M&Aサービス提供システム10は、M&Aプロセスをブロックチェーン技術と融合させて行うことにより、従来はオフラインだけで行われていたM&Aプロセスの短所を補完できるシステムである。
【0033】
本発明の一実施形態に係るM&Aサービス提供システム10は、メインサーバ100、M&Aプラットフォーム200、ユーザ端末300、第1取引所サーバ400、および第2取引所サーバ500を含むことができる。ここで、図1に示されたM&Aサービス提供システム10の各構成は例示的なものに過ぎず、一部の構成が追加されるかまたは省略されてもよく、必要に応じて、少なくとも1つの構成が別個の構成に分割されてもよくまたは統合されてもよい。
【0034】
メインサーバ100は、M&Aサービスを提供する事業主体により運営されるサーバであって、M&Aサービスの全般的な制御および諸般の情報を格納、更新、および維持することができる。図1において、メインサーバ100は1つのサーバとして示されているが、本発明の範囲はこれに限定されず、必要(例えば、ネットワーク負荷の分散など)に応じて少なくとも2以上のサーバに分割して運営されてもよい。
【0035】
メインサーバ100は、少なくとも1つのプロジェクトをM&Aプラットフォーム200にアップロード(upload)することができ、M&Aプラットフォーム200と連動してM&Aプラットフォーム200から受信される要請に応じた応答を処理することができる。特に、メインサーバ100は、少なくとも1つのSPC(Special Purpose Company)に対するSPC情報を格納することができる。SPCは、M&Aサービスの対象となる買収対象企業に対するM&A交渉を行うための特殊目的法人を意味し、SPC情報は、SPCの設立時に確定されることができる。SPC情報は、総金額、持分、terms(例えば、7年)、condition(例えば、経営権委託)、口座数、利率、期待収益、その他の買収対象企業に対する情報(例えば、構成員情報、顧客情報など)などを含むことができる。
【0036】
メインサーバ100は、第1SPC(SPC1)~第k(kは2以上の整数)SPC(SPCk;図示せず)それぞれに対するSPC情報を格納することができる。また、メインサーバ100は、各SPC(SPC1~SPCk)のSPC情報を用いて、各SPC(SPC1~SPCk)に対するプロジェクト(Project1~Projectk)を生成して、M&Aプラットフォーム200にアップロードすることができる。プロジェクト(Project1~Projectk)それぞれは、少なくともプロジェクト識別情報および当該買収対象企業に対する持分情報を含むことができ、必要に応じて追加の情報も含むことができる。
【0037】
M&Aプラットフォーム200は、ブロックチェーンで構成されたデータベースを含むことができ、前記データベースにメインサーバ100がアップロードした各SPC(SPC1~SPCk)に対するプロジェクト(Project1~Projectk)を格納することができる。ここで、前記データベースは、ブロックチェーンにおいてトランザクション保管DBを意味し、プロジェクト(Project1~Projectk)は、チェーン化されたブロックに格納されることで無欠性の保証を受けることができる。
【0038】
M&Aプラットフォーム200はブロックチェーンで構成された構造を有し、メインサーバ100はブロックチェーンとは関係がないため、M&Aプラットフォーム200はオンチェーン(on-chain)、そしてメインサーバ10はオフチェーン(off-chain)と称することができる。メインサーバ100とM&Aプラットフォーム200は、オフチェーンとオンチェーンとの間の連結の輪であるオラクル(oracle)を介して連結されることができる。
【0039】
オラクルは、オフチェーンの情報をスマートコントラクトの形態に変換してオンチェーンに伝達するか、またはオンチェーンのスマートコントラクトを解釈してオフチェーンに伝達する機能をすることができる。ここで、スマートコントラクトは、予め定義された条件が満たされる際にブロックチェーンにおいて実行可能な命令語であって、トランザクション(transaction)に含まれることができる。
【0040】
メインサーバ100は、オラクルを介して各SPC(SPC1~SPCk)に対するプロジェクト(Project1~Projectk)がM&Aプラットフォーム200にアップロードされるように、スマートコントラクトの形態に変換してM&Aプラットフォーム200に伝達することができる。
【0041】
M&Aプラットフォーム200は、ブロックチェーンで構成され、ネットワーク外部(例えば、メインサーバ100)のデータに直接アクセスすることができないため、スマートコントラクトを介して外部からデータを持ってくることができる。例えば、M&Aプラットフォーム200内の何れか1つのノードは、特定のプロジェクトに対する情報を閲覧するためのスマートコントラクトが含まれたトランザクションを生成することができ、それを確認したオラクルは、当該スマートコントラクトを解釈してメインサーバ100に伝達することができる。
【0042】
また、M&Aプラットフォーム200は、第1仮想通貨UCXおよび第2仮想通貨UCCそれぞれの取引内訳を格納することができる。ここで、第1仮想通貨UCXは、M&Aサービスを提供する事業主体が外部に発行したトークンであって、取引所の状況に影響を受け、第2仮想通貨UCCは、プロジェクト投資に対して買収対象企業の株式の代わりに提供する特殊目的のトークンであって、株式市場に影響を受けることができる。第2仮想通貨UCCは、各プロジェクト(Project1~Projectk)別に独立して生成、取引、および管理されるものであって、UCC1~UCCkで表されることができるが、以下では、説明の便宜上、UCCで表されることができる。第1仮想通貨UCXおよび第2仮想通貨UCCそれぞれの取引内訳は、後述する各ノード300、400、500が生成するトランザクションにより更新されることができる。
【0043】
M&Aプラットフォーム200のより詳細な構成および動作は、図3図4を参照して後述することにする。
ユーザ端末300は、投資者の端末であって、M&Aサービスを提供する事業主体により配布されるM&Aアプリケーション(application)が設置および実行可能なデバイスであってもよい。ここで、ユーザ端末300は、スマートフォン(smart phone)、タブレット(tablet)、ノートブック(notebook)、PC(Personal Computer)などであってもよいが、本発明の範囲はこれらに限定されない。M&Aアプリケーションは、ユーザに現在進行中のM&A交渉に参加可能なインターフェースを提供するためのプログラムであってもよい。具体的に、M&Aアプリケーションは、現在M&A交渉を行っているSPCに対する情報を閲覧、買収対象企業の持分を買入または売却(すなわち、M&A交渉に参加)可能なインターフェース、および各取引所サーバ400、500に接続して仮想通貨の取引が可能なインターフェースをユーザに提供することができる。
【0044】
M&Aアプリケーションが設置および実行されたユーザ端末300は、M&Aプラットフォーム200のブロックチェーンを構成する1つのノードとして参加することができる。すなわち、ユーザ端末300は、特定のプロジェクトに該当するSPC情報を閲覧するためのトランザクションを生成することができ、特定のプロジェクトに該当する買収対象企業の持分を買入または売却するためのトランザクションを生成することができる。また、ユーザ端末300は、他のユーザ端末が生成したトランザクションを検証することができる。
【0045】
ユーザ端末300は、特定のプロジェクトに該当する買収対象企業の持分を第1仮想通貨UCXを用いて買入することができる。具体的に、ユーザ端末300は、第1取引所サーバ400に接続して投資者の資産(例えば、現金)を第1仮想通貨UCXに両替することができる。ユーザ端末300は、保有した第1仮想通貨UCXを用いて、買収対象企業の持分を買入するためのトランザクションを生成することができる。このようなトランザクションは、第1仮想通貨UCXの所有権をユーザ端末300から買収対象企業の持分の保有者に移転するという内容、および第1仮想通貨UCXに相応する第2仮想通貨UCCの所有権を買収対象企業の持分の保有者からユーザ端末300に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。すなわち、ユーザ端末300は、特定のプロジェクトに該当する買収対象企業の持分を第1仮想通貨UCXを用いて買入し、当該トランザクションがブロックチェーンに登録されると、その反対給付として第1仮想通貨UCXに相応する第2仮想通貨UCCで支給を受けることができる。よって、第2仮想通貨UCCを保有したユーザ端末300は、当該買収対象企業の持分を保有するようになり、第2仮想通貨UCCは、株式市場の影響を受ける株式として機能することができる。
【0046】
ユーザ端末300は、特定のプロジェクトに該当する買収対象企業の持分を第2仮想通貨UCCの形態で保有していて、投資者の要請に応じて売却することができる。具体的に、ユーザ端末300は、第2取引所サーバ500に接続して、第2仮想通貨UCCを第1仮想通貨UCXに両替することができる。他の実施形態により、ユーザ端末300は、第2取引所サーバ500に接続して、第2仮想通貨UCCを他種類の仮想通貨(例えば、ビットコイン)に両替することができる。ここで、第2取引所サーバ500がユーザ端末300の要請に応じて第2仮想通貨UCCを第1仮想通貨UCXに両替する具体的な過程は後述することにする。
【0047】
図1にはユーザ端末300が1つとして示されたが、複数のユーザ端末がM&Aプラットフォーム200のブロックチェーンを構成するノード(node)として参加することができる。
【0048】
第1取引所サーバ400は、第1仮想通貨UCXをはじめとする市中で取引される各種仮想通貨を取り扱う取引所として機能することができる。特に、第1取引所サーバ400は、ユーザ端末300の両替要請に応じて、投資者が提供した資産に対応する第1仮想通貨UCXの所有権をユーザ端末300に移転するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成して、M&Aプラットフォーム200に伝達することができる。その後、第1取引所サーバ400は、ブロックチェーンに当該トランザクションが登録されたことを確認すると、ユーザ端末300に両替取引が完了したことを通知することができる。
【0049】
第2取引所サーバ500は、各プロジェクト(Project1~Projectk)に対応する第2仮想通貨(UCC1~UCCk)を管理し、ユーザ端末300の両替要請に応じて、第2仮想通貨(UCC1~UCCk)に相応する第1仮想通貨UCXを支給することができる。
【0050】
具体的に、第2取引所サーバ500は、ユーザ端末300の両替要請に応じて、ユーザ端末300が保有した第2仮想通貨(UCC1~UCCk)を用いて、買収対象企業の持分を売却するためのトランザクションを生成することができる。このようなトランザクションは、第2仮想通貨(UCC1~UCCk)の所有権をユーザ端末300から買収対象企業の持分の買入者(例えば、当該SPC)に移転するという内容、および第2仮想通貨(UCC1~UCCk)に相応する第1仮想通貨UCXの所有権を買収対象企業の持分の買入者からユーザ端末300に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。すなわち、ユーザ端末300は、特定のプロジェクトに該当する買収対象企業の持分を第2仮想通貨(UCC1~UCCk)を通じて保有してから売却し、当該トランザクションがブロックチェーンに登録されると、その反対給付として第2仮想通貨(UCC1~UCCk)に相応する第1仮想通貨UCXで支給を受けることができる。
【0051】
図1にはユーザ端末300、第1取引所サーバ400、および第2取引所サーバ500がM&Aプラットフォーム200と独立した構成として示されたが、ユーザ端末300、第1取引所サーバ400、および第2取引所サーバ500それぞれは、M&Aプラットフォーム200のブロックチェーンの1つのノードとして動作することもできる。
【0052】
図2は、図1に示されたメインサーバをより詳細に示したブロック図である。
図2を参照すると、メインサーバ100は、SPC情報格納部110、投資者情報格納部120、権限判断部130、およびSPC情報提供部140を含むことができる。
【0053】
SPC情報格納部110は、各SPC(SPC1~SPCk)のSPC情報を格納および管理することができる。SPC情報格納部110は、SPC情報提供部140の要請に応じて、当該SPC情報をSPC情報提供部140に伝達することができる。
【0054】
投資者情報格納部120は、ユーザ端末300にM&Aアプリケーションを設置し、ログイン(log-in)した投資者に対する情報を格納することができる。ここで、投資者に対する情報は、投資者の識別情報(例えば、名前、ID)、訪問記録情報(例えば、訪問ページのログ記録)、持分の保有現況、仮想通貨の保有現況、会員等級などを含むことができる。
【0055】
権限判断部130は、ユーザ端末300のSPC情報の閲覧要請を許可するか否かに対して判断することができる。ここで、SPC情報の閲覧要請は、ユーザ端末300が特定のプロジェクトに対する情報を閲覧するためのスマートコントラクトが含まれたトランザクションを生成し、前記スマートコントラクトがオラクルにより解釈されて伝達される特定のプロジェクトに対応するSPC情報の閲覧要請を意味する。権限判断部130は、投資者情報格納部120の投資者に対する情報を通じて、正当な権限を有した会員のSPC情報の閲覧要請であるか否かを判断することができる。
【0056】
仮にSPC情報の閲覧申請が正当な権限を有した会員のSPC情報の閲覧要請である場合、権限判断部130は、SPC情報の閲覧申請に対応するSPC情報がユーザ端末300に伝達されるようにSPC情報提供部140を制御することができる。
【0057】
SPC情報提供部140は、権限判断部130の制御に応じて、SPC情報をSPC情報格納部110から呼び出してユーザ端末300に伝達することができる。この際、SPC情報は、オラクルによりスマートコントラクトの形態に変換されてM&Aプラットフォーム200内に伝達され、スマート端末300を除いたノードは、当該SPC情報を閲覧できないように暗号化されることができ、スマート端末300は、M&Aアプリケーションが格納しているプライベートキー(private key)を用いて、暗号化されたSPC情報を復号化して閲覧することができる。
【0058】
図3は、図1に示されたM&Aプラットフォームのブロックチェーン構造を示した図である。
図3を参照すると、M&Aプラットフォーム200のブロックチェーン構造は、多重化された形態を有することができる。すなわち、M&Aプラットフォーム200のブロックチェーンは、第1チェーンレイヤ(first chain layer)および第2チェーンレイヤ(second chain layer)からなることができる。
【0059】
第1チェーンレイヤは、ブロックチェーンネットワークに連結された全てのノードを含み、最終的に検証が完了したブロックのみからなるルートブロックチェーン(root block chain)を含む。
【0060】
第1チェーンレイヤは、ブロックチェーンネットワークに連結された、全世界に分散された全てのノードを含むため、秒当たりに処理可能なトランザクションの個数を増加させるために、シャーディングプロトコル(sharding protocol)を用いて、トランザクションの検証のための合意アルゴリズムが並列的に行われるようにする。
【0061】
具体的に、第1チェーンレイヤは、全体ノードをM個のシャード(shard1~shardM)にグループ化し、グループ化されたM(Mは2以上の整数)個のシャード(shard1~shardM)それぞれからリーダノードが任意に選択され、リーダノードは、リーダノードが属したシャード内の全てのノードのノードID(またはノードアドレス)を収集して、他のシャードのリーダノードにブロードキャスト(broadcast)することができる。ここで、Mは任意に決定されてもよく、各シャードに含まれるノードの個数はシャードごとに同一であってもよく、または異なってもよい。
【0062】
一方、特定のシャードに属したノードが生成したトランザクションは、シャード内部の合意アルゴリズムに従って検証されて中間ブロックに含まれ、検証が完了した中間ブロックは、他のシャードに共有され、シャード間の合意アルゴリズムに従って検証されて最終ブロックに含まれることができる。ここで、最終ブロックは、ルートブロックチェーンに含まれるブロックを意味する。先立って図1で説明されたトランザクションがブロックチェーンに登録されるということは、ルートブロックチェーンに当該トランザクションが含まれたブロックが含まれることを意味する。
【0063】
シャード内部の合意アルゴリズムは、シャードに属したノードのうち、保有している仮想通貨(UCXまたはUCC)の年齢が最も高いノードが新しいブロックを生成する可能性が高くなるようにするPoS(Proof of Stake;プルーフオブステーク)方式を用いることができる。また、シャード間の合意アルゴリズムは、シャード(shard1~shardM)それぞれのリーダノードのうち、保有している仮想通貨(UCXまたはUCC)の年齢が最も高いノードが新しいブロックを生成する可能性が高くなるようにするPoS方式を用いることができる。
【0064】
一方、シャード(shard1~shardM)が生成され、リーダノードが任意に選択されることは、1回行われて固定されることではなく、周期的に行われてもよい。すなわち、シャードの個数、各シャードを構成するノード、リーダノードは、周期ごとにランダム(random)にシャッフル(shuffle)されることができる。これは、ブロックチェーンネットワークに対するハッキングの危険性を下げるのに大きく寄与することができる。シャッフルの周期は、ネットワーク負荷を高めないように適宜に選択されることができる。
【0065】
第1チェーンレイヤは、プルーフオブステーク方式の合意アルゴリズムを適用するシャーディングプロトコルでありながらも周期的にランダムにシャッフルするという面でRPoS(ランダム化されたプルーフオブステーク)シャーディングプロトコルと定義することができる。
【0066】
第1チェーンレイヤによると、全体ノードが複数のシャード(shard1~shardM)に分けられて合意アルゴリズムが行われることにより、秒当たりに生成可能なトランザクションの数が増加することができる。
【0067】
第2チェーンレイヤは、第1チェーンレイヤの各シャード内部のブロックチェーン構造を示したものであり、プラズマ(plasma)ブロックチェーン構造を有することができる。ここでは、複数のシャード(shard1~shardM)のうち第1シャード(shard1)を例に挙げて説明するが、他のシャード(shard2~shardM)に対しても同様の構造および動作が適用されることができる。
【0068】
第2チェーンレイヤは、第1シャード(shard1)に含まれる第1~第N(Nは2以上の整数)サブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)で構成されることができる。第1シャード(shard1)に属したノードは第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)のうち何れか1つに参加することができるが、必ずしもその参加が強制されるものではない。本明細書においては、第1シャード(shard1)に属したノードそれぞれは、第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)のうち何れか1つに参加してクライアント(client)として動作する状態と仮定することにする。
【0069】
第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)それぞれは、プラズマチェーンであって、親チェーン(parent chain)のルートチェーンに対する子チェーン(child chain)であってもよい。
【0070】
第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)それぞれは内部の合意アルゴリズムに従って動作し、一実施形態により、合意アルゴリズムはPoSであってもよい。すなわち、何れか1つのノードがトランザクションを生成する場合、ノードが属したサブチェーンのPoSに応じたブロック生成者は、トランザクションを検証してプラズマブロックを生成し、プラズマブロックのヘッダのハッシュ(hash)値は、第1チェーンレイヤでのトランザクションに含まれ、最終的にルートチェーンに含まれることができる。ここで、ルートチェーンには、ノードが生成したトランザクション自体ではなくトランザクションが含まれたプラズマブロックのヘッダのハッシュ値が格納されることにより、実質的に下位ブロックであるプラズマブロックに含まれたトランザクションがルートチェーンに格納される効果を得ることができ、それによりネットワーク負荷を減らすことができる。
【0071】
図4は、図3のブロックチェーン構造においてルートチェーンに最終ブロックが含まれる過程を説明するための図である。
図4を参照すると、第2チェーンレイヤにおいて第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)それぞれに属したノードがトランザクション(transaction sub-chain1~transaction sub-chainN)を生成すると、第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)それぞれにおいて内部の合意アルゴリズム(例えば、PoS)に従って各トランザクションを検証し、ブロック生成者は、検証が完了したトランザクションを取り集めてプラズマブロックを生成することができる。
【0072】
第1~第Nサブチェーン(sub-chain1~sub-chainN)それぞれから生成されたプラズマブロックのヘッダのハッシュ値は、第1チェーンレイヤの第1シャード(shard1)に属したノードが生成するトランザクション(transaction shard1)に含まれることができる。図4にはトランザクション(transaction shard1)に対してのみ示されたが、残りのトランザクション(transaction shard2~transaction shardM)に対しても同様の方式が適用されることができる。
【0073】
各トランザクション(transaction shard1~transaction shardM)は、第1~第Mシャード(shard1~shardM)それぞれにおいて、シャード内部の合意アルゴリズム(例えば、PoS)に従って検証されて中間ブロックに含まれることができる。検証が完了した中間ブロックは、他のシャードに共有され、シャード間の合意アルゴリズム(例えば、PoS)に従って検証されて最終ブロックに含まれることができる。
【0074】
図3および図4で説明されたように、第1チェーンレイヤのRPoSシャーディングプロトコルによる方式と、第2チェーンレイヤのプラズマブロックチェーン方式と、が複合的に適用されることにより、トランザクションに含まれたスマートコントラクトをさらに迅速に処理することができ、秒当たりに処理可能なトランザクションの数が大幅に増加することができる。
【0075】
図5は、図1に示されたM&Aサービス提供システムにおいて持分買入方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図5を参照すると、買収対象企業に対するM&A交渉を行うための特殊目的法人であるSPCが設立され、SPCの設立時に総金額、持分、terms(例えば、7年)、condition(例えば、経営権委託)、口座数、利率、期待収益、その他の買収対象企業に対する情報(例えば、構成員情報、顧客情報など)などを含むSPC情報が確定されることができる(S100)。
【0076】
メインサーバ100は、各SPC(SPC1~SPCk)のM&A交渉のための情報を取り集め、各SPC(SPC1~SPCk)に対するプロジェクト(Project1~Projectk)を生成して、M&Aプラットフォーム200にアップロードすることができる(S110)。
【0077】
M&Aプラットフォーム200は、ブロックチェーンで構成されたデータベース(すなわち、ルートブロックチェーン)に、メインサーバ100がアップロードした各SPC(SPC1~SPCk)に対するプロジェクト(Project1~Projectk)を格納することができる(S120)。
【0078】
M&Aアプリケーションが設置および実行されたユーザ端末300は、M&Aプラットフォーム200のブロックチェーンを構成する1つのノードとして参加することができ、ユーザの照会要請に応じて、特定のプロジェクトに該当するSPC情報を閲覧するためのトランザクションを生成することができる。このようなトランザクションはオラクルにより解釈され、SPC情報の閲覧申請がメインサーバ100に伝達され、正当な権限を有した会員のSPC情報の閲覧申請である場合、メインサーバ100は、SPC情報の閲覧申請に対応するSPC情報をオラクルを介してユーザ端末300に伝達することができる(S130)。
【0079】
ユーザは、提供を受けたSPC情報を分析し、買収対象企業の持分を買入するか否かを決めることができる(S140)。
仮にユーザが特定のプロジェクトに対応する買収対象企業の持分を買入することに決めた場合、ユーザ端末300は、M&Aアプリケーションを介して第1仮想通貨UCXの購入のための両替要請を第1取引所サーバ400に伝送することができ、第1取引所サーバ400は、ユーザ端末300の両替要請に応じて、投資者が提供した資産に対応する第1仮想通貨UCXの所有権をユーザ端末300に移転するためのスマートコントラクトを含むトランザクションを生成して、M&Aプラットフォーム200に伝達することができる。その後、第1取引所サーバ400は、ブロックチェーンに当該トランザクションが登録されたことを確認すると、ユーザ端末300に両替取引が完了したことを通知することができる(S150)。
【0080】
ユーザ端末300は、保有した第1仮想通貨UCXを用いて買収対象企業の持分を買入するためのトランザクション(すなわち、持分の買入申請)を生成することができる(S160)。このようなトランザクションは、第1仮想通貨UCXの所有権をユーザ端末300から買収対象企業の持分の保有者に移転するという内容、および第1仮想通貨UCXに相応する第2仮想通貨UCCの所有権を買収対象企業の持分の保有者からユーザ端末300に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。
【0081】
持分の買入申請に該当するトランザクションは、M&Aプラットフォーム200の第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的にルートブロックチェーンに登録されることができる(S170)。
【0082】
持分の買入申請に該当するトランザクションがルートブロックチェーンに登録されたことが確認されると(S180)、ユーザ端末300は、第1仮想通貨UCXに相応する第2仮想通貨UCCの支給を受けることで、当該買収対象企業の持分を保有することができる(S190)。
【0083】
図6は、図1に示されたM&Aサービス提供システムにおいて持分売却方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図6を参照すると、M&Aアプリケーションが設置および実行されたユーザ端末300は、ユーザの照会要請に応じて、特定のプロジェクトに該当するSPC情報を閲覧するためのトランザクションを生成することができる。このようなトランザクションはオラクルにより解釈され、SPC情報の閲覧申請がメインサーバ100に伝達され、正当な権限を有した会員のSPC情報の閲覧要請である場合、メインサーバ100は、SPC情報の閲覧申請に対応するSPC情報をオラクルを介してユーザ端末300に伝達することができる(S200)。
【0084】
ユーザは、提供を受けたSPC情報を分析し、買収対象企業の持分を売却するか否かを決めることができる(S210)。
仮にユーザが特定のプロジェクトに対応する買収対象企業の持分を売却することに決めた場合、ユーザ端末300は、M&Aアプリケーションを介して第2仮想通貨UCCの売渡のための両替要請を第2取引所サーバ500に伝送することができる(S220)。
【0085】
第2取引所サーバ500は、ユーザ端末300の両替要請に応じて、ユーザ端末300が保有した第2仮想通貨(UCC1~UCCk)を用いて、買収対象企業の持分を売却するためのトランザクション(すなわち、持分の売却申請)を生成することができる(S230)。このようなトランザクションは、第2仮想通貨(UCC1~UCCk)の所有権をユーザ端末300から買収対象企業の持分の買入者(例えば、当該SPC)に移転するという内容、および第2仮想通貨(UCC1~UCCk)に相応する第1仮想通貨UCXの所有権を買収対象企業の持分の買入者からユーザ端末300に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。
【0086】
持分の売却申請に該当するトランザクションは、M&Aプラットフォーム200の第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的にルートブロックチェーンに登録されることができる(S240)。
【0087】
持分の売却申請に該当するトランザクションがルートブロックチェーンに登録されたことが確認されると(S250)、第2取引所サーバ500は、ユーザ端末300に持分売却のための両替取引が完了したことを通知することができる(S260)。
【0088】
ユーザ端末300は、第2仮想通貨UCCに相応する第1仮想通貨UCXの支給を受けることで、当該買収対象企業の持分を売却した資金を保有することができる(S270)。その後、ユーザ端末300は、保有した第1仮想通貨UCXを第1取引所サーバ400を介して他種類の仮想通貨または現金などに両替できることはいうまでもない。
【0089】
図7は、図1に示されたM&Aサービス提供システムにおいて法人清算方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図7を参照すると、SPCの設立当時に定められた期間(例えば、7年)が満了すると、当該SPCは法人清算手続きに進入するようになり、SPCは清算法人に転換されることができる(S300)。
【0090】
メインサーバ100は、特定SPCの清算手続きが開始されると、当該SPCのSPC情報の総金額から精算金額(例えば、最初投入費+法人運営費)を減算した配当金を全体口座数で割って持分当たり配当金を算出することができる(S310)。ここで、持分当たり配当金は、第1仮想通貨UCXの単位で換算されることができる。
【0091】
メインサーバ100は、ユーザ端末300に対する配当金の分配のために配当金の分配申請をM&Aプラットフォーム200に伝達することができる(S320)。配当金の分配申請は、オラクルによりスマートコントラクトの形態に変換され、M&Aプラットフォーム200内に伝達されることができる。前記スマートコントラクトは、清算手続きが開始されたSPCの識別情報、持分当たり配当金、および第2取引所サーバ500が配当金の分配を実行することを要請する情報を含むことができる。
【0092】
配当金の分配申請に対応するスマートコントラクトが含まれたトランザクションは、M&Aプラットフォーム200の第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的にルートブロックチェーンに登録されることができる(S330)。
【0093】
第2取引所サーバ500は、配当金の分配申請に対応するスマートコントラクトが含まれたトランザクションがルートブロックチェーンに登録されたことを確認することができる(S340)。
【0094】
第2取引所サーバ500は、配当金の分配申請に応じて、ユーザ端末300が保有した第2仮想通貨UCCと持分当たり配当金に基づいて、ユーザ端末300に割り当てられる第1仮想通貨UCXを算出することができる。例えば、持分当たり配当金は口座当たり第1仮想通貨UCXを意味することができるため、ユーザ端末300が保有した第2仮想通貨UCCとの乗算演算により、ユーザ端末300に割り当てられる第1仮想通貨UCXが算出されることができる。
【0095】
第2取引所サーバ500は、買収対象企業の持分を整理するためのトランザクション(すなわち、持分の整理申請)を生成することができる(S350)。このようなトランザクションは、ユーザ端末200が保有した第2仮想通貨UCCの所有権をユーザ端末300から当該清算法人に移転するという内容、およびユーザ端末300に割り当てられる第1仮想通貨UCXの所有権を当該清算法人からユーザ端末300に移転するという内容のスマートコントラクトを含むことができる。
【0096】
持分の整理申請に該当するトランザクションは、M&Aプラットフォーム200の第1チェーンレイヤおよび第2チェーンレイヤを介して検証され、最終的にルートブロックチェーンに登録されることができる(S360)。
【0097】
持分の整理申請に該当するトランザクションがルートブロックチェーンに登録されたことが確認されると(S370)、第2取引所サーバ500は、ユーザ端末300にSPCの清算による配当金の分配が完了したことを通知することができる(S380)。
【0098】
ユーザ端末300は、保有していた持分(すなわち、第2仮想通貨UCC)に相応する第1仮想通貨UCXの支給を受けることで、SPCの清算による配当金を保有することができる(S390)。その後、ユーザ端末300は、保有した第1仮想通貨UCXを第1取引所サーバ400を介して他種類の仮想通貨または現金などに両替できることはいうまでもない。
【0099】
本発明の一実施形態に係るブロックチェーン基盤のM&Aサービス提供システム10によると、ブロックチェーンを用いてM&Aサービスを提供することにより、一般的な投資者の接近が難しかったM&A分野に対する投資機会を提供することができる。
【0100】
また、買収対象企業の持分に対する取引過程での信頼性を担保するために必須に求められていた専門家の参加および費用を、無欠性および信頼性を有するブロックチェーン技術を用いて代替することができる。
【0101】
さらに、既存のM&A交渉過程で無分別に流出していた個人情報に対する問題も、ブロックチェーン基盤のプラットフォームを介して正当な権限を有したユーザに個人情報を暗号化して提供することで解決されることができる。
【0102】
本文書の多様な実施形態およびそれに用いられた用語は、本文書に記載された技術的特徴を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、当該実施形態の多様な変更、均等物、または代替物を含むものと理解しなければならない。図面の説明と関連し、類似または関連した構成要素に対しては、類似した参照符号が用いられてもよい。アイテムに対応する名詞の単数型は、関連した文脈上、明らかに他を指示しない限り、前記アイテムを1個または複数個含んでもよい。本文書において、「AまたはB」、「AおよびBのうち少なくとも1つ」、「AまたはBのうち少なくとも1つ」、「A、B、またはC」、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」、および「A、B、またはCのうち少なくとも1つ」のような文句それぞれは、その文句のうち該当する文句に共に羅列された項目の全ての可能な組み合わせを含んでもよい。「第1」、「第2」、または「1番目」または「2番目」のような用語は、単に当該構成要素を他の当該構成要素と区分するために用いられてもよく、当該構成要素を他の側面(例えば、重要性または順序)で限定しない。ある(例えば、第1)構成要素が他の(例えば、第2)構成要素に、「機能的に」または「通信的に」という用語と共に、またはこのような用語なしに、「連結された」または「接続された」と言及された場合、それは、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に(例えば、有線で)、無線で、または第3構成要素を介して連結されてもよいことを意味する。
【0103】
本文書で用いられた用語「モジュール」は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアで実現されたユニットを含んでもよく、例えば、ロジック、論理ブロック、部品、または回路などの用語と相互互換的に用いられてもよい。モジュールは、一体に構成された部品、または1つまたはそれ以上の機能を行う、前記部品の最小単位またはその一部となってもよい。例えば、一実施形態によると、モジュールは、ASIC(application-specific integrated circuit)の形態で実現されてもよい。
【0104】
本文書の多様な実施形態は、機器(machine)(例えば、電子装置))により読み取り可能なストレージ媒体(storage medium)(例えば、内蔵メモリまたは外蔵メモリ)に格納された1つ以上の命令語を含むソフトウェア(例えば、プログラム)として実現されてもよい。例えば、機器(例えば、電子装置)のプロセッサ(例えば、プロセッサ)は、ストレージ媒体から、格納された1つ以上の命令語のうち少なくとも1つの命令を呼び出し、それを実行してもよい。これは、機器が前記呼び出された少なくとも1つの命令語に応じて、少なくとも1つの機能を行うように運営されることを可能にする。前記1つ以上の命令語は、コンパイラにより生成されたコード、またはインタープリタにより実行可能なコードを含んでもよい。機器で読み取り可能なストレージ媒体は、非一時的(non-transitory)ストレージ媒体の形態で提供されてもよい。ここで、「非一時的」は、ストレージ媒体が実在(tangible)する装置であり、信号(signal)(例えば、電磁波)を含まないことを意味するだけであって、この用語は、データがストレージ媒体に半永久的に格納される場合と臨時的に格納される場合とを区分しない。
【0105】
一実施形態によると、本文書に開示された多様な実施形態に係る方法は、コンピュータプログラム製品(computer program product)に含まれて提供されてもよい。コンピュータプログラム製品は、商品として販売者および購買者の間に取引されてもよい。コンピュータプログラム製品は、機器で読み取り可能なストレージ媒体(例えば、compact disc read only memory(CD-ROM))の形態で配布されるか、またはアプリケーションストア(例えば、プレイストアTM)を介してまたは2つのユーザ装置(例えば、スマートフォン)の間に直接、オンラインで配布(例えば、ダウンロードまたはアップロード)されてもよい。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部は、製造会社のサーバ、アプリケーションストアのサーバ、または中継サーバのメモリのような機器で読み取り可能なストレージ媒体に少なくとも一時格納されるか、または臨時的に生成されてもよい。
【0106】
多様な実施形態によると、前記記述した構成要素それぞれの構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は、単数または複数の個体を含んでもよい。多様な実施形態によると、前述した当該構成要素のうち1つ以上の構成要素または動作が省略されるか、または1つ以上の他の構成要素または動作が追加されてもよい。大体的にまたは追加的に、複数の構成要素(例えば、モジュールまたはプログラム)は、1つの構成要素に統合されてもよい。この場合、統合された構成要素は、前記複数の構成要素それぞれの構成要素の1つ以上の機能を、前記統合以前に前記複数の構成要素のうち当該構成要素により行われるものと同一または類似に行ってもよい。多様な実施形態によると、モジュール、プログラム、または他の構成要素により行われる動作は、順次に、並列的に、反復的に、またはヒューリスティックに実行されるか、前記動作のうち1つ以上が他の順に実行されるか、省略されるか、または1つ以上の他の動作が追加されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】