(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】発泡皮膚適合性シリコーン組成物
(51)【国際特許分類】
A61F 13/00 20060101AFI20220210BHJP
A61L 31/12 20060101ALI20220210BHJP
A61L 31/06 20060101ALI20220210BHJP
A61L 31/02 20060101ALI20220210BHJP
A61L 31/04 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
A61F13/00 301J
A61F13/00 301M
A61F13/00 T
A61L31/12
A61L31/06
A61L31/02
A61L31/04 110
A61L31/04 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537155
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(85)【翻訳文提出日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 GB2020050563
(87)【国際公開番号】W WO2020201688
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516159043
【氏名又は名称】トリオ ヘルスケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIO HEALTHCARE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ピアース,ロイド
(72)【発明者】
【氏名】リー,スチュワート
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AA12
4C081CA08
4C081CD02
4C081DA02
4C081DC13
(57)【要約】
ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品。この部品は、ポリオルガノシロキサン系シリコーンポリマー、及びポリマーネットワーク内に分散され皮膚から水分を吸収するように構成されている水分制御微粒子を含む、発泡シリコーンマトリックスとして形成される。発泡皮膚適合性部品は、造瘻器具を皮膚、特に、瘻孔周囲の皮膚に固定するための造瘻ウェハ又はフランジとして利用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品であって、
金属触媒の存在下で、ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分と水素化ケイ素含有架橋剤を含む第2の部分との付加硬化に由来するシリコーンポリマーネットワークと、
皮膚からの水分を吸収するように構成されているポリマーネットワーク内に分散されている超吸収性微粒子と、を含み、
ここで、シリコーンポリマーネットワークは発泡構造を含む、皮膚適合性部品。
【請求項2】
超吸収性微粒子が150μm未満の平均粒径を有する、請求項1記載の皮膚適合性部品。
【請求項3】
超吸収性微粒子が、10~40μm、15~35μm又は20~30μmの範囲の平均粒径を有する、請求項1又は2記載の皮膚適合性部品。
【請求項4】
超吸収性微粒子が、5~45重量%、10~40重量%、15~35重量%又は20~30重量%の範囲の濃度で、ポリマーネットワーク内に分散されている、請求項1~3のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項5】
超吸収性微粒子が、下記:
・天然水性コロイド
・半合成親水コロイド
・合成親水コロイド
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項6】
超吸収性微粒子が、下記:
・多糖
・セルロース
・ヒドロキシエチルセルロース
・カルボキシメチルセルロース
・ヒドロキシプロピルセルロース
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項7】
超吸収性微粒子が、下記:
・カルボキシメチル β-グルカン
・架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム
・カルボキシメチルセルロースナトリウム
・メチルセルロース
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項8】
超吸収性微粒子が、ポリアクリル酸ナトリウムを含む、請求項1~4のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項9】
オルガノシリコーン樹脂が、付加硬化前の第1の部分又は第2の部分に含まれている、請求項1~8のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項10】
オルガノシリコーン樹脂がMQ樹脂である、請求項9記載の皮膚適合性部品。
【請求項11】
凝集強化剤が、付加硬化前の第1の部分又は第2の部分に含まれている、請求項1~10のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項12】
凝集強化剤が、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、コロイド状シリカ、ナノクレイ、シリケート、シラン処理有機ポリマー、ポリマー金属酸化物及び非ポリマー金属酸化物のいずれか1つ又はこのセットの組み合わせを含む、請求項11記載の皮膚適合性部品。
【請求項13】
発泡剤を含む請求項1~12のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項14】
発泡剤が、下記:
水
重炭酸イオン
重炭酸塩
金属重炭酸塩
アゾジカルボンアミド
イソシアネート
ペンタン
イソペンタン
シクロペンタン
フルオロカーボン
ヒドロフルオロカーボン
塩素化フルオロカーボン
炭化水素
二酸化炭素
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項13記載の皮膚適合性部品。
【請求項15】
有機酸及び有機塩基の反応生成物、反応物又は誘導体をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項16】
発泡剤が、下記:
カルボン酸
スルホン酸
乳酸
酢酸
フォーミング・アシッド(foaming acid)
クエン酸
酢酸
酒石酸
L-酒石酸
シュウ酸
尿酸
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機酸、
チオール基、エノール基もしくはフェノール基を含む化合物、を含み、
並びに/又は
発泡剤が、下記:
アノルコキシド(anolcoxide)
アミジン
アミン
ホスフィン
サルフェート
アンモニア
ペロデン(perodene)
アセトン
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機塩基を含む、請求項1~15のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項17】
発泡剤が重炭酸ナトリウムを含む、請求項13記載の皮膚適合性部品。
【請求項18】
発泡剤が水をさらに含む、請求項17記載の皮膚適合性部品。
【請求項19】
発泡剤が有機酸及び有機塩基をさらに含む、請求項18記載の皮膚適合性部品。
【請求項20】
湿気及びガス透過性支持層と、
支持層の第1の表面に設けられた造瘻器具又は造瘻器具接続部と、
支持層の第2の表面に取り付けられた請求項1~19のいずれか一項記載の皮膚適合性部品と、
を含む造瘻連結器。
【請求項21】
支持層がポリウレタンを含む、請求項20記載の連結器。
【請求項22】
支持層が、下記:
・通気性シリコーン層
・ポリエチレンブロックアミドポリマー
・ポリテトラフルオロエチレンポリマー
・アクリルラテックスポリマー又は
・ポリオレフィン系層
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項20記載の連結器。
【請求項23】
造瘻器具が、直接又は中間層を介して支持層に取り付けられたバッグ又はパウチを備える、請求項20~22のいずれか一項記載の連結器。
【請求項24】
中間層がポリエチレンを含む、請求項23記載の連結器。
【請求項25】
中間層が、下記:
・ポリエステルディスク
・ポリエステルガーゼ
・ポリエチレンガーゼ
・ポリプロピレンディスク
・ポリプロピレンガーゼ
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項23記載の連結器。
【請求項26】
造瘻器具接続部が、バッグ又はパウチ接続アセンブリの第1の部分を含み、接続アセンブリの第2の部分がバッグ又はパウチに取り付けられ、第1の部分及び第2の部分が、バッグ又はパウチを連結器に取り外し可能に固定するために、取り外し可能に嵌合可能である、請求項20~25のいずれか一項記載の連結器。
【請求項27】
連結器が、支持層及び皮膚適合性部品を通って伸びる開口部を含む、請求項20~26のいずれか一項記載の連結器。
【請求項28】
さらに、皮膚適合性部品の皮膚面側に配置された追加の皮膚接触層を含み、
追加の皮膚接触層が、皮膚適合性部品の皮膚面側上で非連続的であり、その結果、皮膚適合性部品の皮膚面側の領域が、シリコーン接着層により隠されず、この領域が、皮膚に直接隣接して、かつ/又は接触して位置決め可能である、請求項20~27のいずれか一項記載の連結器。
【請求項29】
追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品の皮膚面側に線、ドット、斑点又はマークとして形成されている、請求項28記載の連結器。
【請求項30】
線、ドット、斑点又はマークが、皮膚面側にわたって実質的に均一であるパターンを皮膚適合性部品の皮膚面側上に形成している、請求項29記載の連結器。
【請求項31】
追加の皮膚接触層が、皮膚適合性部品の皮膚面側上に伸びる線又は隆線として形成されている、請求項28記載の連結器。
【請求項32】
線又は隆線が、幾何学的形状を形成するように、皮膚面側に分布されている、請求項31記載の連結器。
【請求項33】
線又は隆線が、皮膚面側に分布して、連結器を通って伸びる中央開口の周りに広がる同心円を画定する、請求項31記載の連結器。
【請求項34】
ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品を製造する方法であって、
ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分を、水素化ケイ素含有架橋剤を含む第2の部分と混合して、混合物を形成する工程と、
該混合物中に超吸収性微粒子を包含させる工程と、
該混合物中に少なくとも1種の発泡剤を包含させる工程と、
金属触媒により、該混合物を硬化させる工程と、を含み、
ここで、得られた付加硬化シリコーンポリマーネットワークは発泡体であり、超吸収性微粒子は、発泡体内に分散されている、皮膚適合性部品を製造する方法
【請求項35】
超吸収性微粒子が、下記:
・天然水性コロイド
・半合成親水コロイド
・合成親水コロイド
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項34記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項36】
超吸収性微粒子が、下記:
・多糖
・セルロース
・ヒドロキシエチルセルロース
・カルボキシメチルセルロース
・ヒドロキシプロピルセルロース
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項34記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項37】
超吸収性微粒子が、下記:
・カルボキシメチル β-グルカン
・架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム
・カルボキシメチルセルロースナトリウム
・メチルセルロース
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項34記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項38】
超吸収性微粒子が、ポリアクリル酸ナトリウムを含む、請求項34記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項39】
第1の部分又は第2の部分が凝集強化剤をさらに含む、請求項34~38のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項40】
凝集強化剤がヒュームドシリカを含む、請求項39記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項41】
超吸収性微粒子が5~45重量%、15~35重量%又は20~30重量%で、該混合物に含まれる、請求項34~40のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項42】
超吸収性微粒子が、ポリアクリル酸ナトリウムを含む、請求項34~41のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項43】
発泡剤が、下記:
水
重炭酸イオン
重炭酸塩
金属重炭酸塩
アゾジカルボンアミド
イソシアネート
ペンタン
イソペンタン
シクロペンタン
フルオロカーボン
ヒドロフルオロカーボン
塩素化フルオロカーボン
炭化水素
二酸化炭素
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項34~42のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項44】
有機酸及び有機塩基の反応生成物、反応物又は誘導体をさらに含む、請求項34~43のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項45】
発泡剤が、下記:
カルボン酸
スルホン酸
乳酸
酢酸
フォーミング・アシッド(foaming acid)
クエン酸
酢酸
酒石酸
L-酒石酸
シュウ酸
尿酸
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機酸、
チオール基、エノール基もしくはフェノール基を含む化合物、
を含む、並びに/又は
発泡剤が、下記:
アノルコキシド(anolcoxide)
アミジン
アミン
ホスフィン
サルフェート
アンモニア
ペロデン(perodene)
アセトン
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機塩基を含む、請求項34~44のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項46】
発泡剤が重炭酸ナトリウムを含む、請求項34記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項47】
発泡剤が水を含む、請求項46記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項48】
発泡剤が、有機酸及び有機塩基を含む、請求項47記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項49】
発泡剤が、1~30重量%で該混合物に含まれる、請求項48記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項50】
5~10重量%又は10~15重量%の範囲で、該混合物に含まれる重炭酸ナトリウムを含む、請求項46記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項51】
0.5~10重量%、0.5~5重量%又は2~10重量%で、該混合物に含まれる水をさらに含む、請求項50記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項52】
請求項34~51のいずれか一項記載の方法により製造された、ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、接着性皮膚適合性組成物に関し、排他的ではないが、特に造瘻器具を被術者の瘻孔周囲の皮膚領域に連結するのに適した皮膚接着性部品に関する。
【0002】
背景技術
人工肛門造設術、回腸瘻造設術又は人工膀胱造設術が施された被術者は、人の腹部から出る人工開口部である瘻孔周囲に収集容器、例えば、バッグを固定する必要がある。典型的には、収集バッグは接着性ディスクにより、瘻孔周囲の皮膚に固定されるが、該接着性ディスクは毎日数回交換する必要があるかもしれない。接着性ディスクを頻繁に取り外すと、皮膚に刺激及び損傷が生じるため、快適さを増し、健康を改善するため、造瘻連結器が開発されてきた。一般に「二部品」系と呼ばれる造瘻連結器配列は、瘻孔排出物を受け入れるための造瘻バッグが取り付けられた第1の連結器部品と、瘻孔周囲の皮膚に付着させることができる基層(又はウェハ)上に設けられた第2の連結器部品(第1の連結器部品と取り外し可能に連結できる)とを備える。したがって、造瘻バッグは、皮膚から基層を取り外す必要なしに、容易に交換することができる。シール強度を最大化し、望まれない排出を最少化するために、多くの異なるタイプの連結器配列が提案されている。2部品の造瘻バッグシステムの例は、欧州特許出願公開第0687166号、同第1959881号、米国特許明細書第4,846,798号、国際公開第93/18725号及び欧州特許出願公開第0334489号に記載されている。
【0003】
しかしながら、造瘻連結器は連続的に着用する必要があり、皮膚接触の際に吸湿し、接着性ディスクの浸食及び破壊が引き起こされることから、二部品及び一部品連結器配列は共に定期的に、完全に交換する必要がある。連結器ウェハの劣化は、皮膚との密封接触が損なわれるため非常に望ましくないことは理解できるだろう。従来、造瘻器具の接着性ディスクは、高い吸収能力を有し、かつ長期間皮膚と接触した場合に一般に良性である親水コロイドを含む。しかしながら、従来のディスクは、吸湿による浸食及び破壊が生じるので不利である。さらに、このようなシステムは、皮膚刺激を引き起こすことなく、連結器を容易に取り外すことが可能であるとの要求と、取り付けている間の瘻孔周囲に維持されるべき確実な封止の要求との正確なバランスを提供することができない。二部品構成でさえ定期的な変更を必要とすることを考慮すると、接着と剥離との間の妥協点は、このような従来のシステムでは見出せない。したがって、必要とされるものは、患者の安全性及び快適性を促進し、着用時間を最長にする、皮膚と接触可能な連結器部品又は配列である。
【0004】
発明の概要
本発明の目的は、接着性皮膚接触可能な部品、排他的ではないが、特に瘻孔周囲の皮膚の適所に取り付けられた時に、向上した水分管理ができるように構成されている造瘻連結器部品又は配列を提供することである。具体的目的は、患者の着用時間を伸ばせるように、水分に応答して浸食及び破壊に抵抗性である皮膚付着可能な部品、特に造瘻器具接着性ディスクを提供することである。
【0005】
この目的は、皮膚、瘻孔周囲の皮膚及び/又は瘻孔周囲の皮膚に接触して配置可能で、吸水性及び通気性を含む水分管理特性を備える生体適合性シリコーン系の層、ディスク又はパッドを提供することにより達成される。特に、この目的は触媒的に付加硬化された二剤系から形成される室温加硫シリコーン(RTVシリコーン)であるシリコーン接着層により達成される。
【0006】
この目的はさらに、Si-O及びSi-C結合を含むポリオルガノシロキサン系シリコーンポリマーネットワークから形成された合成シリコーンゲル系接着層により具体的に達成され、該接着剤層中、水分制御微粒子が、発泡又は膨張Siネットワーク内に分散されている。水分制御微粒子を包含する膨張又は発泡Siマトリックスは、発泡剤又は該発泡剤の残留物もしくは誘導体化合物を含むことができ、これらはSiマトリックスを発泡させ又は膨張させて連続気泡又は独立気泡構造を形成するのに使用される。発泡剤は、固体、液体又は気体であることができる。好ましい実施態様では、発泡剤は重炭酸塩であり、場合により、予備硬化された二剤配合物に包含される重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウムである。
【0007】
超吸収性(吸水性)微粒子を包含する本ポリオルガノシロキサン系発泡材料は、皮膚からマトリックスを通る所望の水蒸気透過率(WVTR)を達成し、また、超吸収性微粒子を収容するように、所望の可撓性及び適切な膨張した自由内部容積を示す。通気性を含むこのような水分管理により、従来のシステムに現在利用可能であるよりも、かなり長い期間、被術者が快適に着用することができる造瘻ウェハ又はガスケットが提供される。微粒子の形態にある水分制御添加剤は、浸軟のリスクが低いか又は非常に低い、皮膚における所望の基材接着を達成するように選択される。膨張多孔質Siマトリックスは、皮膚からのWVTRの向上を達成し、また、材料の凝集強度を損なうことなく、超吸収性微粒子の膨潤を可能にするのに有利である。発泡Si材料と吸収性微粒子との相乗的挙動により、シリコーンマトリックスへの水分吸収、接着・凝集特性及びMVTR率の間の所望のバランスが提供される。本基層は、特に、本体を通って、ウェハと皮膚との間の全接触表面積にわたって、水分及び蒸気の最適化された透過を提供するように適合化されている。したがって、本親水性シリコーン系ウェハは、その輪郭形状を維持し、水分の存在下で浸食されず、高度に気体、蒸気及び水分透過性である。
【0008】
本明細書で使用される「微粒子」という用語は、比較的大きなポリマーネットワーク、ゲル相、特に、シリコーンポリマーネットワーク(超吸収性微粒子(SAP)を収容するのに適合し又は適切である)内での分散に適したミクロン又はサブミクロンサイズを有するポリマー種を包含する。水分制御SAPは、天然、半合成又は合成の親水コロイドを含む親水コロイドであることができる。
【0009】
本発明での使用に適した天然の親水コロイドは、多糖類及びセルロース系材料を含む。多糖親水コロイドの例には、ガムを含む植物抽出物、特に、キサンタンガム又はペクチンを含む植物抽出物が含まれる。セルロース材料の例には、セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチル β-グルカン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。
【0010】
本明細書で使用する場合、「発泡構造」、「膨張Siマトリックス」という用語及び類似用語は、所望の多孔性及び連続気泡又は独立気泡構造を有するポリマーネットワークを包含し、超吸収性微粒子を包含する相互接続されたネットワークを提供する。前記超吸収性微粒子は、皮膚と接触するか又は近接する第1の表面、及び皮膚から離れてかつ皮膚に対して遠位に面する第2の表面からの気体、蒸気、液体及び水分の通過流のための特定の経路を提供する。一部の実施態様によれば、膨張又は発泡構成は、特定の発泡剤又は起泡剤を予備硬化材料配合物内に包含させることにより達成される。起泡剤は得られる完全硬化Siポリマーマトリックス内に識別可能な種として残存することができ、又は起泡剤は硬化中に分解し、蒸発しもしくは反応し、その結果、起泡剤は残存せず、得られるSi系材料内で識別可能である。Siマトリックスは、Si-O及びSi-C結合を含む膨張シリコーンポリマーネットワークとして形成される。一部の実施態様によれば、膨張発泡Siマトリックスは、硬化前及び/又は硬化中に、気相材料を液相又はゲル相Si組成物に導入することにより達成することができる。
【0011】
起泡剤は、予備硬化した配合物内に包含させて、硬化中に起泡剤分解により気体を放出させ、もって誘導体成分又は残留化合物が、硬化したSiマトリックス内で識別可能であるようにするのが好ましい。
【0012】
半合成の親水コロイドには、デンプン又はセルロース、例えば、デンプンアクリロニトリルグラフトコポリマー、デンプンポリアクリル酸塩及び硫酸、ビニルスルホネート、メタクリル酸、ビニルアルコール、塩化ビニルコポリマー、グアーガム、エステル化ウロン酸含有ポリマー、例えば、ヒアルロネート及びアルギネート、ヒアルロン酸ポリビニルアルコールブレンド、キチンの部分的又は完全な脱アセチル化及び/又は脱重合により形成されるキトサンを含めることができる。
【0013】
本発明での使用に適した合成の親水コロイドには、ポリビニルピロリドン;カルボキシビニルポリマー及びポリエチレンオキシドポリマー;メチルビニルエーテルとマレイン酸のポリマー及び誘導体;ポリビニルアルコール、高分子量ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;又はポリエチレンオキシドを含むことができる。
【0014】
好ましくは、水分制御SAPは、ポリアクリル酸ナトリウムを含む。このような微粒子は、形成された状態での付加硬化シリコーンマトリックスと適合性であり、マトリックスの凝集力、したがって、表皮層被覆を破壊することなく適切に膨潤するように、皮膚から放出される水分を吸収することが見出されている。さらに、ポリアクリル酸ナトリウムSAPは、接着剤層にわたって所望のWVTRを提供するのに寄与し、所望の毛細管(wicking)作用を促進する。特に好ましいポリアクリル酸ナトリウム微粒子は、350g/g H2O及び55g/g 0.9% NaClの程度の優れた吸水特性を有する。さらに、そのような微粒子は、表面積/体積比が水分吸収率を最大にするように最適化されるように選択された「微細な」粒径で構成できる。例として、20μmの公称半径を有する球状ポリアクリル酸ナトリウムSAPは、100μmの公称半径の代替的なポリアクリル酸非ナトリウム粒子の5倍の表面積/体積比を有する。さらに、ポリアクリル酸ナトリウムはpH6~7を含み、したがって、特定の/追加の中和を必要としない。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品であって、金属触媒の存在下で、ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分と水素化ケイ素含有架橋剤を含む第2の部分との付加硬化により得られるシリコーンポリマーネットワークと、皮膚からの水分を吸収するように構成されているポリマーネットワーク内に分散されている超吸収性微粒子とを含む部品が提供される。ここで、シリコーンポリマーネットワークは、発泡構造を含む。
【0016】
場合により、超吸収性微粒子は、150μm未満の平均粒径を有する。場合により、超吸収性微粒子は、10~40μm、15~35μm又は20~30μmの範囲の平均粒径を含む。
【0017】
発泡ポリオルガノシロキサン系シリコーンポリマーによる本皮膚適合性部品は、高い多孔性、弾性及び低い剪断強度を示す。本シリコーン接着剤層の弾性的性質は、弛緩させて、その破断点未満に伸張させた時に、その形状を保持するように構成されている連結器アセンブリを提供する。本シリコーン系部品は、所望の場合に皮膚から容易に剥離可能又は除去可能であると共に、皮膚への医療器具の良好な接着を達成するために弾性及び粘弾性特性のバランスをも提供する発泡シリコーンゲル接着剤組成物として形成される。膨張シリコーン層を横切る水分吸収及び水蒸気透過率に起因して、本発明は、皮膚の健康を維持促進する、皮膚に取り付け可能な装置、連結器又は器具を提供する。本明細書に記載された微粒子及び膨張したシリコーンポリマーマトリックスの選択は共に機能して、所望の化学的、物理的及び機械的特性を達成し、その結果、水分の取り込みにより分解せず、浸食されず又は破壊されない皮膚適合性部品を提供する。したがって、皮膚に接触可能な連結器により、従来の装置と比較して、かなり長い皮膚着用時間が提供される。
【0018】
加硫シリコーンポリマーは、アルケニル置換ポリジオルガノシロキサン、好ましくは、ケイ素結合ビニル基、アリル基又はヘキセニル基を有するポリジメチルシロキサン、及びケイ素結合水素原子を含有するオルガノシロキサン、並びにSiH基とSi-アルケニル(SiVi)基との反応のための触媒、例えば、白金金属又はその化合物もしくはその錯体を反応させることにより得られる。SiVi:SiHの比は、10:1~1:10とすることができる。SiVi:SiHの好ましい比は、1:1である。反応性シリコーンの比率を1:1の比率から変えると、層の接着特性を変えることができる。より堅く、より低い粘着性のゲルが必要な場合、SiH成分は、SiViより多く、より高い粘着性を有するより柔らかい層が必要な場合、SiVi成分は、SiHより多くできる。シリコーン組成物は、周囲温度で硬化させることができるが、硬化時間は、約40℃~約150℃の高温に曝すことにより短縮することができ、そのようなシリコーンポリマー前駆体の非限定的な例としては、Dow Corning Corporation製のSoft Skin Adhesives SSA MG-7-1010、SSA 7-9900、7-9950、Silpuran(登録商標)2114、2117、2122、2130、2140、2142及びこれらの組み合わせ、Wacker Chemicals製のSilGel(登録商標)612が含まれる。本開示によれば、親水性基含有シリコーンは、ポリジメチルシロキサン主鎖に、極性基、例えば、酸、アミド、アミノ、スルホニル、カルボキシル、ホスフェート、ホスホネート等を含有することができる。これらの基は、イオン形態で存在することができる。
【0019】
150μm未満の平均粒径を有する水分制御微粒子により、ポリマーネットワーク内に「微細な」粒子分布が提供される。これは、本発明の水分管理特性を提供するのに有利であり、特に、水分(水)が膨張シリコーンポリマー層を横切って容易に輸送されるように、発泡シリコーンポリマー層を通る毛管作用水分輸送を達成するのに有利である。したがって、水分制御粒子の所望の粒径により、本発泡シリコーンポリマーは、患者が皮膚適合性部品を、例えば、瘻孔周囲の皮膚に着用し皮膚と接触した際に、水分を吸収し放出するように構成されている。表面積/体積比は、任意の所定の形状の粒子について表面積/体積比が粒径に反比例するという点で、皮膚からの水分の吸収のための活性表面積を決定する際の重要な要因であることが理解されるだろう。本粒径は、発泡ポリオルガノシロキサン系シリコーンマトリックス内に包含された場合、付着、放出、吸収及び水蒸気透過率に関して、皮膚適合性部品の所望の性能を達成するために相乗的に作用することが見出された。これは、部分的には発泡を伴う二成分系の加硫により形成された膨張ネットワークが、所望の架橋密度及び微粒子を捕捉する連続微細構造を含み、一方で、シリコーン層被覆の凝集性を破壊することなく、使用中に微粒子が膨潤することを可能にすることにより達成される。
【0020】
本発明の皮膚適合性部品は、皮膚からの経表皮水分損失(TEWL)と、(皮膚を覆っている)皮膚適合性部品の水蒸気透過率とのバランスをとるように構成されている部品を提供するように、最適化された水蒸気透過率を含む。これは、本明細書に詳述されるように、発泡構造、及びポリアクリル酸ナトリウムSAPにより部分的に達成される。一態様によれば、本部品の水蒸気透過率(WVTR)は、635μm~750μmの層厚での直立カップ法を使用して、100~1000g/m2.24h、200~1000g/m2.24h、300~1000g/m2.24h、400~1000g/m2.24h、500~1000g/m2.24h、600~1000g/m2.24h、700~1000g/m2.24h、300~900g/m2.24h又は400~1000g/m2.24hの範囲であることができる。このような水蒸気透過率は、250μm~1,000μm、500μm~1,000μm又は635μm~1,000μmの厚みを有するシリコーン接着部品の層厚と相関する場合がある。
【0021】
第1の部分と第2の部分との付加硬化により形成されるシリコーン発泡ネットワークは、得られる硬化成分の所望の物理的及び機械的特性を提供するのに有利である。特に、第1の部分の成分及び第2の部分の成分の選択により、架橋の程度は、ネットワーク内に固定化粒子として超吸収性水分制御SAPを適切に捕捉する、所望のネットワーク微小構造を提供するように制御することができる。さらに、二剤付加硬化組成物により、所望の粘弾性特性、接着粘着性、接着剥離性、吸湿性、凝集強度及びWVTRが提供される。これらの特性の少なくとも幾つかは、ほ乳類の皮膚への付着に関して相反すると考えることができるが、本部品及び製造方法は、皮膚における水分管理のための部品を最適化するために、これらの考察のバランスを提供することが理解されるであろう
【0022】
したがって、本部品は、従来の親水コロイド系部品と比較して向上した着用時間を示し、一方で、皮膚の浸軟及び剥離時の「剥がれ」の問題を回避するように、所望の接着(接着粘着性)及び接着剥離性を提供する。さらに、部品の凝集強度は、二剤付加硬化接着剤により最適化され、70時間超かつ400時間まで延長された連続着用時間の間、皮膚被覆の水分吸収/膨潤に応答する際の接着性皮膚被覆の完全性を維持する。特に、二剤付加硬化成分により所望のWVTRが提供され、もって特に皮膚TEWLを補完するように構成されている。特に、本二剤付加硬化発泡体は、同じ架橋密度及び凝集強度を有する同じ連続気泡又は独立気泡構造を含まない従来の一剤感圧接着剤(PSA)より有利であると考えることができる。
【0023】
好ましくは、超吸収性微粒子は、150μm未満の平均粒径を有する。好ましくは、超吸収性微粒子は、10~40μm、15~35μm又は20~30μmの範囲の平均粒径を含む。好ましくは、超吸収性微粒子は、5~45重量%、10~40重量%、15~35重量%又は20~30重量%の範囲の濃度でポリマーネットワーク内に分散されている。本発明の粒径は、皮膚からの水分吸収の所望の割合及び速度を達成するのに有利である。さらに、本発泡構成は、毛管作用により、接着層を横切る水分透過に要求される割合を提供する。特に、皮膚から吸収された容量の水分は、皮膚の浸軟、望ましくない水分の湿潤、したがって、使用中のシリコーン層の立ち上がり/剥離を回避するために、接着性シリコーン発泡層を横切って(そして皮膚から離れて)適切に輸送される。また、この粒径により、凝集強度を向上させるシリコーン発泡体内の超吸収性微粒子(SAP)の均質性及び均一な分布も提供される。一態様では、超吸収性SAP及び好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウム(SAP)は、350g.g-1(脱イオン水)又は55g.g-1(0.9体積% 生理食塩水)の吸収力を含むことができる。
【0024】
好ましくは、オルガノシリコーン樹脂は、付加硬化の前の第1の部分又は第2の部分に含まれる。好ましくは、オルガノシリコーン樹脂はMQ樹脂である。オルガノシリコーン樹脂、特に、MQ樹脂は、接着粘着性と剥離/除去特性との間の所望のバランスを提供するのに有利である。場合により、MQ樹脂は、少なくとも1つの反応性基、例えば、ヒドロキシル、アルコキシ、水素化物又はビニル官能基を有する。シリコーン樹脂は、一般式RnSiXmOy(式中、Rは、非反応性置換基、通常は、Me又はPhであり、Xは、官能基H、OH、ビニル又はORである)を有する籠状オリゴシロキサンを含むことができる。これらの基は、さらに縮合して、得られる架橋ポリシロキサンネットワークを増強するか又はそれに寄与する。市販のMQ樹脂の非限定的な例は、Wacker Chemical Corporation製のMQ-RESIN POWDER 803 TF、Gelest Inc.,製のVQM-135、VQM-146、HQM-105、HQM-107、SQO-299及びSQD-255、SiVance, LLC製のProsil 9932、MQOH-7である。
【0025】
好ましくは、凝集強化剤は、付加硬化の前の第1の部分又は第2の部分に含まれる。場合により、凝集強化剤は、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、コロイド状シリカ、ナノクレイ、シリケート、シラン処理有機ポリマー、ポリマー金属酸化物及び非ポリマー金属酸化物のいずれか1つ又はこのセットの組み合わせを含む。好ましくは、凝集強化剤は、ヒュームドシリカを含む。強化剤は、本部品の凝集強度特性に寄与し、SAPによる吸湿に応答してシリコーン接着剤層の完全性を維持するのに役立つ。特に、凝集強化剤は、皮膚から剥離した場合に、層残留物を最小限にし、排除するのにさらに有利である。強化剤は、マトリックス内でのSAPの分散を容易にするのにさらに有利である。さらに、凝集強化剤は、「縁からの流れ出し」を減少させるために、シリコーン層の周囲縁における完全性及び凝集強度をさらに改善する。本開示の凝集強化剤の非限定的な例は、シリカを含む。シリカは、ヒュームドシリカ又は沈降シリカ、例えば、Evonik Industries製のAEROSIL(登録商標)及びSIPERNAT(登録商標)グレードであることができる。シリカ粉末は、親水性又は疎水性のもの、例えば、AEROSIL(登録商標)300、AEROSIL(登録商標)255、AEROSIL(登録商標)R 812、AEROSIL(登録商標)R 812 S、SIPERNAT(登録商標)120、SIPERNAT(登録商標)218等であることができる。凝集強化剤の他の非限定的な例は、ヒュームドアルミナ、コロイド状シリカ、ナノクレイ、シリケート、シラン処理有機ポリマー、ポリマー金属酸化物、非ポリマー金属酸化物等を含む。
【0026】
場合により、硬化した皮膚適合性部品は発泡剤を含むことができ、発泡剤は、予備硬化した配合物内、例えば、A部、B部又はA部とB部との両方の中に導入された発泡剤の存在の結果としての残留物、誘導体又は化学物質である。場合により、発泡剤は、水、重炭酸イオン、重炭酸塩、金属重炭酸塩、アゾジカルボンアミド、イソシアネート、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、フルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、塩素化フルオロカーボン、炭化水素、二酸化炭素のいずれか1つ又はこのセットの組み合わせを含むことができる。
【0027】
場合により、本部品は、有機酸及び有機塩基の反応生成物、反応物又は誘導体を含むことができる。場合により、発泡剤は、カルボン酸、スルホン酸、乳酸、酢酸、フォーミング・アシッド(foaming acid)、クエン酸、酢酸、酒石酸、L-酒石酸、シュウ酸、尿酸のいずれか1つ又は組み合わせである有機酸;チオール基、エノール基又はフェノール基を含む化合物を含むことができ、かつ/又は、ここで、発泡剤は、アノルコキサイド(anolcoxide)、アミジン、アミン、ホスフィン、サルフェート、アンモニア、ペロデン(perodene)、アセトンのいずれか1つ又は組み合わせである有機塩基を含む。
【0028】
好ましくは、発泡剤は重炭酸ナトリウムを含む。場合により、発泡剤は、重炭酸金属/塩に加えて、水を含むことができる。場合により、発泡剤は、有機酸及び/又は有機塩基をさらに含むことができる。好ましくは、有機酸及び有機塩基は、重炭酸塩、例えば、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウムに加えて、予備硬化した配合物内に存在する。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、水分及び気体透過性支持層と、支持層の第1の表面に設けられた造瘻器具又は造瘻器具接続部と、支持層の第2の表面に取り付けられた、本明細書で特許請求される皮膚適合性部品とを含む、造瘻連結器が提供される。
【0030】
場合により、ポリウレタン層は0.02~0.08mmの範囲の厚みを含む。ポリウレタン層は、直立カップ法を使用して1200g.m-2.24h-1の水蒸気透過率、40~50MPaの引張強さ及び500%の伸び率を有することができる。好ましくは、支持層は、支持層を通る水分、水蒸気及び気体の透過を可能にし、したがって、完全に「通気性」の皮膚接着性被覆パッド又はディスクを提供するように、多孔性であるとみなすことができる。
【0031】
好ましくは、シリコーンマトリックス層は、皮膚と直接接触してシリコーン層を取り付ける前に、迅速かつ便利に除去するように構成されている剥離ライナーにより保護される。場合により、剥離ライナーは、熱成形可能材料、フルオロポリマー処理フィルム、LDPE、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネート系材料を含むことができる。
【0032】
場合により、支持層は、通気性シリコーン層、ポリエチレンブロックアミドポリマー、ポリテトラフルオロエチレンポリマー、アクリルラテックスポリマー又はポリオレフィン系層のいずれか1つ又はこのセットの組み合わせを含む。好ましくは、支持層は、ポリウレタンを含む。
【0033】
場合により、造瘻器具は、支持層に直接、又は中間層を介して取り付けられたバッグ又はパウチを含む。場合により、中間層は、ポリエチレンを含むことができ、又はポリエステルディスク、不織布ポリエステル、不織布ポリエチレン、ポリプロピレンディスク、不織布ポリプロピレンのいずれか1つ又はこのセットの組み合わせを含むことができる。場合により、中間層は、アセンブリの一部を形成する1つ以上の部品に接着可能な片面又は両面接着環状リングであることができる。このような構成により、例えば、RF溶接又は音波溶接により、中間層を他の部品に溶接する必要性が回避されるであろう。
【0034】
好ましくは、造瘻器具接続部は、二部品バッグ又はパウチ接続アセンブリ(当技術分野において公知)の第1の部分を備える。同接続アセンブリにおいて、接続アセンブリの第2の部分は、バッグ又はパウチに取り付けられ、第1の部分及び第2の部分は、バッグ又はパウチを連結器に着脱可能に固定するように取り外し可能に嵌合可能である。
【0035】
場合により、連結器は、支持層及び皮膚適合性部品を通って伸びる開口部を備える。場合により、造瘻器具は、支持層に直接、又は中間層を介して取り付けられたバッグ又はパウチを含む。場合により、中間層はポリエチレンを含む。場合により、中間層は、ポリエステルディスク、ポリエステルガーゼ、ポリエチレンガーゼ、ポリプロピレンディスク、ポリプロピレンガーゼのいずれか1つ又はこのセットの組み合わせを含む。このような材料は、アセンブリ内の他の部品に接着可能な片面又は両面接着リング又はパッドとして構成することができる。
【0036】
場合により、造瘻器具接続部は、バッグ又はパウチ接続アセンブリの第1の部分を含む。同接続アセンブリにおいて、接続アセンブリの第2の部分は、バッグ又はパウチに取り付けられ、第1の部分及び第2の部分は、バッグ又はパウチを連結器に着脱可能に固定するように取り外し可能に嵌合可能である。
【0037】
本連結器の水分管理及び蒸気透過をさらに強化するために(同様に、皮膚浸軟等を回避するために)、連結器は、皮膚適合性部品の皮膚面側に配置された追加の皮膚接触層をさらに含むことができる。好ましくは、追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品の皮膚面側又は表面の選択された領域にわたって広がるシリコーン系接着性部品である。
【0038】
好ましくは、追加の皮膚接触層は、追加の皮膚接触層を欠く皮膚適合性部品の露出領域を提供するように、皮膚適合性部品の上に非連続的に形成されている。したがって、皮膚と接触する材料では、接着は最初に、追加の皮膚接触層を介して、次に皮膚適合性部品の(追加の皮膚接触層により覆われていない)露出表面領域により提供される。このような構成により、シリコーン層の通気性を高め、刺激を引き起こすことなく皮膚から水分を容易に除去することが可能として、使用中の本材料の皮膚への配慮が改善される。
【0039】
好ましくは、追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品の皮膚面側に提供され、皮膚と接触して皮膚に取り付けるように配置されることが意図されたシリコーン接着剤層であり;追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品の皮膚面側上で非連続であり、その結果、前記表面の領域は追加の皮膚接触層により隠されず、前記領域は皮膚に直接隣接して、かつ/又は皮膚と接触して配置可能である。
【0040】
場合により、追加の皮膚接触層は、二剤触媒シリコーンエラストマーを含む。場合により、追加の皮膚接触層は、複数の異なるシリコーン及び/又はシリコーン系材料の複合材を含むことができる。
【0041】
場合により、追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品と同じ材料を含む。場合により、追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品と同じ材料を含むが、超吸収性微粒子を含まない。すなわち、追加の皮膚接触層は、金属触媒の存在下で、ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分と、水素化ケイ素含有架橋剤を含む第2の部分との付加硬化により得られるシリコーンポリマーネットワークを含むことができる。
【0042】
場合により、追加の皮膚接触層は、皮膚適合性部品の皮膚面側上の線又はドットとして形成することができる。このような構成では、皮膚適合性部品は基材とみなすことができる。追加の皮膚接触層が、個々のドット、斑点又はマークとして形成される場合、これらのドットにより形成されるパターンは、基材の皮膚面側にわたって均一であることができる。代替的には、このパターンは、基材表面上で変化させることができ、この材料は、基材上の異なる領域に異なるパターンを含むことができる。追加の皮膚接触層が、基材上に伸びる線又は隆線を含む場合、これらの線は異なる方向に広がることができ、この場合、線又は隆線間の間隔は、基材表面にわたって同じであるか又は可変である。場合により、線は、正方形、長方形又は円形の格子パターンを形成することができる。場合により、線又は隆線は、幾何学的形状を形成するために、皮膚面側に分布される。好ましくは、追加の皮膚接触層は基材に結合され、基材及び/又は多層連結器を通って伸びる中央開口部の周りに広がる同心円の形態をとる。
【0043】
本発明の第3の態様によれば、ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品を製造する方法であって、ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分を、水素化ケイ素(Si-H)含有架橋剤を含む第2の部分と混合して、混合物を形成する工程と;該混合物中に超吸収性微粒子を包含させる工程と;該混合物中に少なくとも1種の発泡剤を包含させる工程と;金属触媒により、該混合物を硬化させる工程とを含み、ここで、得られた付加硬化シリコーンポリマーネットワークは発泡体であり、超吸収性微粒子は発泡体内に分散されている、方法が提供される。
【0044】
好ましくは、第1の部分又は第2の部分は、オルガノシリコーン樹脂をさらに含む。好ましくは、オルガノシリコーン樹脂はMQ樹脂を含む。好ましくは、オルガノシリコーン樹脂は、ケイ酸、シラノール官能性を有するトリメチルシリルエステルである。好ましくは、オルガノシリコーン樹脂は、0.2~10重量%、1~9重量%、2~8重量%、3~7重量%又は4~6重量%で、該混合物に含まれる。
【0045】
好ましくは、第1の部分又は第2の部分は、凝集強化剤をさらに含む。好ましくは、凝集強化剤はヒュームドシリカを含む。好ましくは、ヒュームドシリカは、0.4~0.8g/mLの嵩密度及び200~320mm2/g、210~310mm2/g、230~300mm2/g又は230~290mm2/gのブルナウアー-エミット-テラー(BET)比表面積を有する。好ましくは、ヒュームドシリカは、0.2~2.0重量%、0.3~2.0重量%、0.5~1.5重量%又は0.8~1.2重量%で、該混合物に含まれる。
【0046】
好ましくは、超吸収性微粒子及び好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウム微粒子は、10~40μm、15~35μm又は20~30μmの範囲の粒径を有する。好ましくは、超吸収性微粒子及び好ましくは、ポリアクリル酸ナトリウム微粒子は、5~45重量%、15~35重量%、20~30重量%又は22~28重量%で、該混合物に含まれる。
【0047】
好ましくは、ビニル官能化シロキサンポリマーは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。好ましくは、水素化ケイ素(Si-H)含有架橋剤は、水素化物末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。
【0048】
好ましくは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、10,000~20,000の質量平均を有する第1のビニル末端PDMSと、70,000~100,000の質量平均を有する第2のビニル末端PDMSとを含む。これらの質量平均ポリマーの分布は、得られる硬化シリコーンマトリックスに、所望の架橋密度、多孔度及び凝集強度を提供し、使用中の層の膨潤に耐え、何等かの方法で被覆の破損をもたらす劣化をしない。
【0049】
好ましくは、ビニル官能化シロキサンポリマーは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含み、水素化ケイ素(Si-H)含有架橋剤は、水素化物末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。
【0050】
好ましくは、第1の部分は、30~40重量%又は31~35重量%で、該混合物に含まれ、第2の部分は、30~40重量%又は33~37重量%で、該混合物に含まれる。
【0051】
好ましくは、超吸収性微粒子は、20~30重量%又は22~28重量%で、該混合物に含まれる。好ましくは、MQ樹脂は、2~8重量%又は3~7重量%で、該混合物に含まれる。好ましくは、ヒュームドシリカは、0.2~2.0重量%、0.5~1.5重量%又は0.8~1.2重量%で、該混合物に含まれる。
【0052】
好ましくは、第1の部分は、有機白金触媒及びシリコーン-ビニル含有阻害剤をさらに含み、第2の部分は、ビニル末端ポリジメチルシロキサン(PDMS)をさらに含み、好ましくは、超吸収性微粒子は、ポリアクリル酸ナトリウムである。場合により、発泡剤は、1~50重量%、1~40重量%、1~30重量%又は1~20重量%で、該混合物に含めることができる。場合により、発泡剤は、単一の化学種/化合物又は化合物の組み合わせを含むことができ、この場合、重量%は、発泡剤の組み合わせた濃度を表わす。
【0053】
場合により、発泡剤は、該混合物に含まれる重炭酸ナトリウムを、1~10重量%、2~10重量%、3~10重量%、4~10重量%又は5~10重量%の範囲で含む。場合により、重炭酸ナトリウムは、10~25重量%又は10~15重量%の範囲で、該混合物に含まれる。
【0054】
場合により、本方法は、0.5~10重量%、0.5~5重量%又は2~10重量%で、該混合物に水を添加する工程を含むことができる。
【0055】
本発明の第4の態様によれば、本願で特許請求される方法により製造された、ほ乳類皮膚に付着可能な皮膚適合性部品が提供される。
【0056】
本発明の更なる態様によれば、造瘻連結器を製造する方法であって、ポリオルガノシロキサン系シリコーンポリマー混合物を、水分及び気体透過性支持層に塗工する工程と、オルガノシロキサン系シリコーンポリマーを支持層で硬化させる工程と、造瘻器具又は造瘻器具接続部を支持層の一部に取り付ける工程とを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
ここから、本発明の特定の実施を単に例として、添付の図面を参照して説明するものとする。
【
図1】
図1は、本発明の特定の実施による造瘻器具連結器の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の造瘻連結器のA-Aに沿った断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の更なる特定の実施による造瘻器具連結器の平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の造瘻連結器のB-Bに沿った断面図である。
【
図5A】
図5Aは、皮膚接触面上で不連続な連結器皮膚接触面に、追加の接着剤層を有する更なる実施態様による、
図1及び
図2の種類の造瘻連結器の断面図である。
【
図5B】
図5Bは、皮膚接触面上で不連続な連結器皮膚接触面に追加の接着剤層を有する更なる実施態様による、
図3及び
図4の種類の造瘻連結器の断面図である。
【
図6】
図6は、本明細書に記載され、特許請求されるシリコーン材料の発泡構造の拡大画像である。
【0058】
本発明の好ましい実施態様の詳細な説明
本発明のシリコーンポリマー系皮膚適合性部品は、特に、ほ乳類皮膚上に配置して、所望の付着特性を有するように適合され、それにより、人が着用した際に(皮膚移動における)皮膚への固定的な付着を維持しつつ、この部品が皮膚から除去されるのを可能にする所望の剥離特性を有する。したがって、シリコーン系部品は、接着、凝集特性及び剥離特性を損なうことなく、シリコーンマトリックス中に水分を吸収するように構成されている親水性湿潤材である。発泡部品/材料により、(この部品と接触している)皮膚が呼吸するのが可能となるように、マトリックスの本体を通る水蒸気の透過が可能となる。したがって、本シリコーンウェハは、部分的には、膨張/発泡シリコーンマトリックスの組成により、皮膚の浸軟を回避するよう水分吸収と水蒸気透過とのバランスをとるのに有利である。
【0059】
本発明は、医療器具又は装置を哺乳類の皮膚、特に、瘻孔周囲の皮膚及び瘻孔周囲の皮膚に固定するのに特に適している。このような装置は、カテーテル、静脈内供給ライン、固定装置、創傷包帯、治療装置、薬剤送達装置、造瘻器具等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0060】
ここから、本発明について、水分吸収微粒子シリコーン系マトリックスが「二部品」系の「基板」と呼ばれる造瘻器具連結器の部品部分を形成する特定の実施を参照して説明するものとする。ただし、本発明は、「一部品」造瘻器具に利用することができることは理解されるであろう。
図1及び
図2を参照して、連結器アセンブリ100は、第1の表面101a及び第2の表面101bを有する、水分及び水蒸気透過性の「通気性」基材層101を備える。具体的な実施形態によれば、層101は、直立カップ法を使用して、700g.m
-2.24h
-1超の水蒸気透過率(MVTR)、好ましくは、700~950g.m
-2.24h
-1のMVTRを有するポリウレタンを含む。具体的な実施形態によれば、ポリウレタン層は、直立カップ法を使用して、875g.m
-2.24h
-1のMVTRを有する。ポリエチレンディスク105は、RF溶接もしくは超音波溶接により、又は接着剤を使用して、基材の第1の層101aに固定されている。ポリエチレンディスク105は、造瘻器具、特に、造瘻バッグに設けられた連結機構の第2の部分と取り外し可能に係合するために、造瘻器具連結機構の第1の部分106のための架台を提供する。連結器の第1の部分106は、好ましくは、造瘻バッグ(図示せず)と
図1及び
図2の連結構成100との間の密封連結を提供するように、連結機構の第2部分と摩擦により一体化し、取り外し可能に係止可能な環状フランジとして形成されている。特定の実施態様によれば、連結機構の第1の部分106(当業者に理解・認識される任意の形態の接続である)は、RF溶接又は超音波溶接により層105に固定されている。ただし、更なる実施形態によれば、層105は、表面101a及び部品部分106に結合するのに適した両面接着テープ(環状リング)であることができる。
【0061】
シリコーンポリマー発泡層102は、均質液相未硬化シリコーンポリマー混合物を使用して第2の表面101bを被覆することにより、基材の第2の表面101bに塗工され、ついで、基材101の位置で硬化(すなわち、室温加硫)される。シリコーンポリマー層102は、剥離ライナー103により被覆され、保護される。特定の実施形態によれば、剥離ライナー103は、フルオロポリマー処理フィルムを含む。ライナー103は、シリコーン層102上に取り外し可能に配置されており、シリコーンポリマー層表面102bとの嵌合接触により、人の皮膚上に連結器アセンブリ100を取り付ける前に除去される。
【0062】
層101、102は、ほぼ円形又は楕円形のディスク形状輪郭を有する環状体である。貫通孔104は、層101、102を通って伸び、瘻孔の外径よりわずかに大きい内径を備えるように寸法決めされ、ここで、層101及び102は、ほぼ円形の外周107を有する。その結果、本連結器は、ほぼ環状のディスクと見なすことができる。したがって、連結器アセンブリ100は、一部品及び二部品瘻孔器具の両方で従来のように、瘻孔周囲の皮膚と密接に嵌合し、密封接触して取り付けられるように構成されている。
【0063】
特定の実施形態によれば、ポリウレタン基材101は、20μm~50μmの層厚を有し、シリコーンポリマー層102は、約400~900μmの厚みを有する。ポリエチレンディスク105は、80~150μmの厚みを有し、剥離ライナー103は、40~150μmの範囲の厚みを有する。
【0064】
図2~
図4は、
図1~
図2を参照して説明された実施態様の変形例である第2の実施態様の造瘻器具連結器を図示する。更なる実施態様によれば、通気性ポリウレタン層101、シリコーンポリマー発泡層102及び剥離ライナー103は、第1の実施態様について記載されたとおりである。ただし、ポリエチレンディスク105に代えて、溶接可能な不織布層200が、ポリウレタンの第1の表面101aに固定されている。不織布層200も環状であり、層101、102に対応する内径及び外径を備え、その結果、面B-Bに層101、102の溶接延長部が形成されている。具体的な実施形態によれば、不織布層200の厚みは30~600μmである。ついで、器具連結機構の第1の部分106は、RF又は超音波溶接により不織布層200に溶接されている。
【0065】
ここから、下記実施例を参照して、ポリマー層102の具体的な実施態様を説明するものとする。
【0066】
ポリマー層102は、発泡剤/起泡剤を使用して、第1の部分及び第2の部分の付加硬化により得られる発泡シリコーンポリマーマトリックスとして形成される。粘弾性特性、接着粘着性、接着剥離、吸湿性、凝集強度及び水蒸気透過率(WVTR)の所望のバランスを達成することに加えて、得られるシリコーンネットワークの所望の物理的及び機械的特性を達成するために、補助成分が、第1の部分及び/又は第2の部分に含まれる。
【0067】
二部部品を、周囲温度(又は30°~150°の範囲を含む高温)で硬化させ/加硫することができる。硬化/加硫時間は、第1の部品及び第2の部品内の相対濃度及び成分に応じて変化させることができる。得られたシリコーンネットワークを形成するためのベース出発材料を表1に詳述する。
【0068】
【0069】
実施例配合物を、種々の発泡剤及び表1で特定された出発材料からなる発泡剤形成部分の種々の組み合わせを使用して調製した。発泡剤は、MQシラノール樹脂及びポリアクリル酸ナトリウムと共に、部分Bのシリコーン組成物に含まれるのが好ましい。試験される発泡剤は、重炭酸ナトリウム;重炭酸ナトリウム及び水;重炭酸カリウム;重炭酸カリウム及び水;水;重炭酸ナトリウム、酸及び水を含む。酸は、クエン酸、酢酸又はl-酒石酸を含むことができる。
【0070】
サンプル調製
Silpuran(登録商標)ベースの部品A及びBを秤量し、実施例の他の成分をそれぞれの濃度で加えた。これらの成分を十分に混合して、この混合物内での成分の完全な分散を確実にした。特に、徹底的な混合により、皮膚適合性部品の全表面積にわたる水分管理特性に有害であろうSAP凝集の危険性が低減される。上記成分を1000~3000rpmでの遠心分離又は分散のいずれかによる中剪断~低剪断混合技術を使用して混合した。余剰熱エネルギーを能動的冷却により除去した。真空相混合を最終段階として使用して、膨張済/膨張中液相未硬化シリコーン配合物を提供し、続けて、これを硬化させて、発泡構造を固化させた。得られた発泡構造の拡大画像を
図6に示す。
【0071】
図1~
図4の積層アセンブリ100を、発泡液相シリコーン配合物をポリウレタン層表面101b上に積層し、続けて、制御された条件下で、室温加硫(RTV)することにより製造した。ついで、剥離ライナー103、ポリエチレンディスク105及び連結器の第1の部分106を取り付けて、多部品アセンブリ100を形成した。
【0072】
表1の混合物を、表2及び表3に詳述されるように、種々の発泡剤をそれぞれ包含させて調製した。ついで、シリコーン系混合物を20ミクロン ポリウレタンフィルム上に1000μmの厚みで被覆した。ついで、このアセンブリを120℃で10分間硬化させた。ついで、水蒸気透過率を、標準的なSATM E96/E96Mに従って、2つの方法、すなわち方法1-直立カップ、及び方法2-反転カップを使用して測定した。
【0073】
方法1
1.被覆された試験材料を、接着面側を上に向けて、硬質/平坦な表面に置いた。
2.Siガスケットを秤量した。
3.これをテンプレートとして使用して、Siガスケットの周囲に注意深く切断してサイズを決めた。
4.EZカップに蒸留水 約100mlを満たした。
5.試験材料を、接着表面がカップに面し、カップを横切るようにカップ中に組み立てた。
6.PTFEスペーサを第2のSiガスケットで組み立てた。
7.EZカップの蓋をねじ込み据え付けたが、試験材料にしわを寄せるほどには、しっかりとはしなかった。
8.組み立てられたカップ及び蒸留水を秤量した。
9.組み立てたカップを37℃(体温)のインキュベーター上に水平に移した。
10.「測定開始(In)」時間及び温度を記録した。
11.カップをインキュベーター中に24時間放置した。
12.24時間後、カップを取り出し、「測定終了(Out)」時間及び温度を記録した。
13.カップを直ちに再度秤量した。
14.カップユニットを取り外し、上部のガスケット2個を取り外した。試験材料及びSiガスケットを再度秤量した。
【0074】
方法2
1.方法1の下で工程1~8を続けた。
2.カップをインキュベーターに移し、蒸留水がSi接着表面に接触するように、カップを反転させて水平表面上に置いた。
3.方法1の工程10~13を続けた。
4.カップユニットを取り外し、上部のガスケット2個を取り外した。任意の過剰の水/液滴を試験材料から注意深く除去し、試験材料及びSiガスケットを再度秤量した。
【0075】
計算及び報告
1.WVTR計算
a.24時間後にカップからの重量減少(G)を計算する。
b.下記:
G/0.003166=g.m-2.24h-1
を使用してWVTRを計算する。
2.吸収計算
a.Siガスケットの重量を差し引いて、試験材料の初期重量及び最終重量を別々に計算する。
b.試験材料の重量増加を計算し、下記:
i.G(重量-増加)/G(重量-初期)×100=%w/w
を使用して、重量変化を%で表わす。
【0076】
WVTR評価の結果を表2に示す。
【0077】
【0078】
表2の発泡材料及び幾つかの更なる発泡材料の選択についてのMVTR値を表3に示す。
【0079】
【0080】
上記実施例は、重炭酸塩を包含する配合物に添加剤として水を含むが、起泡剤は、表1の材料組成内の発泡剤/起泡剤の主要成分として排他的に又は組成的に水を含むことができることに留意する。
【0081】
さらに例示的な実施態様では、表1の材料組成物の起泡剤は、金属重炭酸塩、アゾジカルボンアミド、イソシアネート、揮発性アルカン、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、Siマトリックスを起泡させ又は膨張させる気相化合物、フルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、塩素化フルオロカーボン、炭化水素、二酸化炭素又は空気のいずれか1つ又は組み合わせを含む。
【0082】
表2及び表3に詳述されるように、本シリコーンマトリックス材料の水蒸気透過率は、発泡剤の存在により顕著に向上した。WVTR値は、Siマトリックスの多孔度の向上を示す。これらの結果に基づくと、重炭酸塩と水との組み合わせは、WVTRをかなり向上させた。重炭酸塩は、硬化温度範囲での熱分解下で、二酸化炭素を放出することが理解されるであろう。さらに、ゲルとして表される水相は、硬化温度範囲で蒸発して、起泡効果を提供する。さらに、酸-塩基反応は、硬化中にSiマトリックスを膨張させるための気相を放出するのに有効である。これは、重炭酸塩及び有機酸をシリコーン配合物に包含させることにより達成することができる。また、硬化温度は、上記示されたように、発泡の程度に影響を及ぼすことも見出された。理論に拘束されるものではないが、硬化中の温度上昇により、重炭酸塩の分解が促進され、シリコーンマトリックスの硬化中のガス放出が増加し、これにより、膨張/起泡構造を向上させると考えられる。発泡添加剤の濃度を、シリコーン配合物の皮膚適合性に有害であろうpHレベルの上昇/低下を回避するように選択した。水の添加により、重炭酸塩及び/又は酸の反応が促進され、WVTRが上昇すると考えられる。
【0083】
本シリコーン接着剤は、皮膚の剥がれ/損傷の可能性を低減するために、皮膚からの「軟らかい」非侵襲的放出を提供するのに有利である。本発明は、皮膚適合性、特に、縁の立ち上がり(edge lift)、着用中の接着、除去時の接着、水分制御、着用後の皮膚状態、除去時の皮膚外傷及び除去時の皮膚残留物を含む皮膚適合性のための着用性能特性のバランスを提供する。本シリコーン接着剤は、着用者が、低い、中程度及び高い身体活動レベル及び運動といった身体活動に従事する際に、連続的に着用可能である点で有利である。本皮膚接着剤は、他の人間工学的要因、例えば、着用中の快適さ、及び皮膚/身体輪郭への適合性を満たすのにさらに有利である。
【0084】
本発泡シリコーンポリマーマトリックスは、孔、溝、空隙、空洞又は内部気泡を含む連続又は独立発泡気泡構造を包含し、これらは、シリコーン層を横切る水蒸気透過率を上昇させるための多孔質構造を提供する。発泡剤は、特に、シリコーンポリマーネットワークを膨張させて、起泡した連続気泡構造を形成するように構成された。増強した連続気泡構造により、シリコーンマトリックス内のSAPによる水分吸収を促進することに加えて、蒸気又は水分の通過流が可能になり、シリコーン材料の水分管理特性を向上させると考えられる。
【0085】
本発明の更なる実施態様は、
図5A及び5Bを参照して図示される。
図5Aは、
図1及び
図2の実施態様の変形例であり、
図5Bは、
図3及び
図4の実施態様の変形例である。両方の更なる実施態様によれば、追加の皮膚接触層300が、シリコーンポリマーマトリックス層102の表面102bに接着され、配置される。追加の皮膚接触層300は好ましくは、層102と同じ材料から形成されている。ただし、異なる材料、例えば、シリコーン又は親水コロイド系材料を使用することができる。
【0086】
追加の皮膚接触層300は、追加の皮膚接触層300が表面102bを完全には被覆しないように、表面102b上で不連続である狭い隆線から形成される追加の接着層と見なすことができる。そして、シリコーンポリマーマトリックス層102の露出した表面領域である領域301と共に、追加の皮膚接触層300を欠く領域301が提供される。
【0087】
図5Aの実施態様によれば、表面102bにおける追加の皮膚接触層300のパターンは、表面102bにわたって広がる均一な隆線により形成される矩形の格子パターン又は同心円である。隆線間の間隔は、表面102bにわたる各方向において等しくできる。
【0088】
図5Bの実施態様は、突起又は隆起の規則的な繰り返し配列として形成された追加の皮膚接触層300を含む。隆起は、シリコーンポリマーマトリックス層102の皮膚接触表面102bが、隆起300間の間隔301で露出されるように、規則的又は均一な個別分離距離により互いに分離されていてよい。
【0089】
具体的な実施態様によれば、表面102bにおける追加の皮膚接触層300は、中心孔104と外周107との間で半径方向に伸びる一連の同心円として形成される。同心円(又は他の多角形(すなわち、長方形)又は非多角形(すなわち、楕円形)は、半径方向に互いに離間して配置することができ、露出表面102bの領域により分離される別個の隆線として形成できる。このような実施態様は、本連結器の水分密封の強度及び完全性を向上させ、表面102bと皮膚との間の連結器の下からの流体漏れのリスクを低減するのにさらに有益である。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品であって、
金属触媒の存在下で、ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分と水素化ケイ素含有架橋剤を含む第2の部分との付加硬化に由来するシリコーンポリマーネットワークと、
皮膚からの水分を吸収するように構成されているポリマーネットワーク内に分散されている超吸収性微粒子と、を含み、
ここで、シリコーンポリマーネットワークは発泡構造を含む、皮膚適合性部品。
【請求項2】
超吸収性微粒子が150μm未満
、10~40μm、15~35μm又は20~30μmの範囲の平均粒径を有する、請求項1記載の皮膚適合性部品。
【請求項3】
超吸収性微粒子が、5~45重量%、10~40重量%、15~35重量%又は20~30重量%の範囲の濃度で、ポリマーネットワーク内に分散されている、請求項1
又は2記載の皮膚適合性部品。
【請求項4】
超吸収性微粒子が、下記:
・天然水性コロイド
・半合成親水コロイド
・合成親水コロイド
・多糖
・セルロース
・ヒドロキシエチルセルロース
・カルボキシメチルセルロース、
・ヒドロキシプロピルセルロース
・カルボキシメチル β-グルカン
・架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム
・カルボキシメチルセルロースナトリウム
・メチルセルロース、
・ポリアクリル酸ナトリウム
の群の中
のいずれかを含む、請求項1~
3のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項5】
オルガノシリコーン樹脂、
及び/又は凝集強化剤が、付加硬化前の第1の部分又は第2の部分に含まれている、請求項1~
4のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項6】
オルガノシリコーン樹脂がMQ樹脂であ
り;凝集強化剤が、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、コロイド状シリカ、ナノクレイ、シリケート、シラン処理有機ポリマー、ポリマー金属酸化物及び非ポリマー金属酸化物の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項
5記載の皮膚適合性部品。
【請求項7】
発泡剤を含む請求項1~
6のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項8】
発泡剤が、下記:
水
重炭酸イオン
重炭酸塩
金属重炭酸塩
アゾジカルボンアミド
イソシアネート
ペンタン
イソペンタン
シクロペンタン
フルオロカーボン
ヒドロフルオロカーボン
塩素化フルオロカーボン
炭化水素
二酸化炭素
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項
7記載の皮膚適合性部品。
【請求項9】
有機酸及び有機塩基の反応生成物、反応物又は誘導体をさらに含む、請求項1~
6のいずれか一項記載の皮膚適合性部品。
【請求項10】
発泡剤が、下記:
カルボン酸
スルホン酸
乳酸
酢酸
フォーミング・アシッド(foaming acid)
クエン酸
酢酸
酒石酸
L-酒石酸
シュウ酸
尿酸
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機酸、
チオール基、エノール基もしくはフェノール基を含む化合物、を含み、
並びに/又は
発泡剤が、下記:
アルコキシド
アミジン
アミン
ホスフィン
サルフェート
アンモニア
ペロデン(perodene)
アセトン
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機塩基を含む、請求項
9記載の皮膚適合性部品。
【請求項11】
発泡剤が重炭酸ナトリウムを含む、請求項
7記載の皮膚適合性部品。
【請求項12】
発泡剤が水をさらに含む、請求項
11記載の皮膚適合性部品。
【請求項13】
発泡剤が有機酸及び有機塩基をさらに含む、請求項
12記載の皮膚適合性部品。
【請求項14】
湿気及びガス透過性支持層と、
支持層の第1の表面に設けられた造瘻器具又は造瘻器具接続部と、
支持層の第2の表面に取り付けられた請求項1~
13のいずれか一項記載の皮膚適合性部品と、
を含む造瘻連結器。
【請求項15】
支持層が、下記:
・通気性シリコーン層
・ポリエチレンブロックアミドポリマー
・ポリテトラフルオロエチレンポリマー
・アクリルラテックスポリマー
・ポリオレフィン系層
、
・ポリウレタン
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項14記載の連結器。
【請求項16】
ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品を製造する方法であって、
ビニル官能化シロキサンポリマーを含む第1の部分を、水素化ケイ素含有架橋剤を含む第2の部分と混合して、混合物を形成する工程と、
該混合物中に超吸収性微粒子を包含させる工程と、
該混合物中に少なくとも1種の発泡剤を包含させる工程と、
金属触媒により、該混合物を硬化させる工程と、を含み、
ここで、得られた付加硬化シリコーンポリマーネットワークは発泡体であり、超吸収性微粒子は、発泡体内に分散されている、皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項17】
超吸収性微粒子が、下記:
・天然水性コロイド
・半合成親水コロイド
・合成親水コロイド
・多糖
・セルロース
・ヒドロキシエチルセルロース
・カルボキシメチルセルロース
・ヒドロキシプロピルセルロース
・カルボキシメチル β-グルカン
・架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム
・カルボキシメチルセルロースナトリウム
・メチルセルロース、
・ポリアクリル酸ナトリウム
の群の中のいずれか1つ
を含む、請求項
16記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項18】
第1の部分又は第2の部分が凝集強化剤をさらに含む、請求項
16又は17記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項19】
凝集強化剤がヒュームドシリカを含
み、
超吸収性微粒子が5~45重量%、15~35重量%又は20~30重量%で、前記混合物に含まれる、請求項
18記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項20】
超吸収性微粒子が、ポリアクリル酸ナトリウムを含む、請求項
16~
19のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項21】
発泡剤が、下記:
水
重炭酸イオン
重炭酸塩
金属重炭酸塩
アゾジカルボンアミド
イソシアネート
ペンタン
イソペンタン
シクロペンタン
フルオロカーボン
ヒドロフルオロカーボン
塩素化フルオロカーボン
炭化水素
二酸化炭素
の群の中のいずれか1つ又は組み合わせを含む、請求項
16~
20のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項22】
有機酸及び有機塩基の反応生成物、反応物又は誘導体をさらに含む、請求項
16~
21のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項23】
発泡剤が、下記:
カルボン酸
スルホン酸
乳酸
酢酸
フォーミング・アシッド(foaming acid)
クエン酸
酢酸
酒石酸
L-酒石酸
シュウ酸
尿酸
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機酸、
チオール基、エノール基もしくはフェノール基を含む化合物、
を含む、並びに/又は
発泡剤が、下記:
アルコキシド
アミジン
アミン
ホスフィン
サルフェート
アンモニア
ペロデン(perodene)
アセトン
の群の中のいずれか1つもしくは組み合わせである有機塩基を含む、請求項
16~
22のいずれか一項記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項24】
発泡剤が重炭酸ナトリウムを含む、請求項
16記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項25】
発泡剤が
さらに水を含む、請求項
24記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項26】
発泡剤が、有機酸及び有機塩基を含む、請求項
25記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項27】
発泡剤が、1~30重量%で該混合物に含まれる、請求項
26記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項28】
5~10重量%又は10~15重量%の範囲で、前記混合物に含まれる重炭酸ナトリウムを含む、請求項
24記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項29】
0.5~10重量%、0.5~5重量%又は2~10重量%で、前記混合物に含まれる水をさらに含む、請求項
28記載の皮膚適合性部品を製造する方法。
【請求項30】
請求項
16~
29のいずれか一項記載の方法により製造された、ほ乳類の皮膚に付着可能な皮膚適合性部品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
場合により、本部品は、有機酸及び有機塩基の反応生成物、反応物又は誘導体を含むことができる。場合により、発泡剤は、カルボン酸、スルホン酸、乳酸、酢酸、フォーミング・アシッド(foaming acid)、クエン酸、酢酸、酒石酸、L-酒石酸、シュウ酸、尿酸のいずれか1つ又は組み合わせである有機酸;チオール基、エノール基又はフェノール基を含む化合物を含むことができ、かつ/又は、ここで、発泡剤は、アルコキシド、アミジン、アミン、ホスフィン、サルフェート、アンモニア、ペロデン(perodene)、アセトンのいずれか1つ又は組み合わせである有機塩基を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
表1の混合物を、表2及び表3に詳述されるように、種々の発泡剤をそれぞれ包含させて調製した。ついで、シリコーン系混合物を20ミクロン ポリウレタンフィルム上に1000μmの厚みで被覆した。ついで、このアセンブリを120℃で10分間硬化させた。ついで、水蒸気透過率を、標準的なASTM E96/E96Mに従って、2つの方法、すなわち方法1-直立カップ、及び方法2-反転カップを使用して測定した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
表2の発泡材料及び幾つかの更なる発泡材料の選択についてのWVTR値を表3に示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
【国際調査報告】