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特表2022-515457被試験デバイスとの改善された接触を有する垂直プローブヘッド
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  • 特表-被試験デバイスとの改善された接触を有する垂直プローブヘッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】被試験デバイスとの改善された接触を有する垂直プローブヘッド
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20220210BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20220210BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20220210BHJP
【FI】
G01R1/073 D
H01L21/66 B
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537176
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2019085709
(87)【国際公開番号】W WO2020136045
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】102018000021253
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローべ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェリチ、ステファノ
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AG04
2G003AG12
2G003AH07
2G011AA09
2G011AA16
2G011AB07
2G011AC14
2G011AC21
2G011AE03
2G011AF07
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD04
4M106DD10
4M106DD13
(57)【要約】
半導体ウェーハ上に集積された被試験デバイスを試験するためのプローブヘッドは、第1の端および第2の端をそれぞれが備えた複数のコンタクトプローブであって、上記第1の端が、被試験デバイスのパッドに接触するように構成された複数のコンタクトプローブと、第1の端における、少なくとも1つの第1の下方ガイド、および1つの第2の下方ガイドとを備え、ガイドは互いに対して平行であり、コンタクトプローブを摺動可能に収容するためのそれぞれの複数の第1の、および第2のガイド穴を設け、第2の下方ガイドの第2のガイド穴は、第1の方向に沿って、第1の下方ガイドの第1のガイド穴に対してシフトさせられる。好適には、プローブヘッドは、第1の下方ガイドに対して、および第2の下方ガイドに対して略平行であり、ならびに、コンタクトプローブを摺動可能に収容するための複数の第3のガイド穴を設けた少なくとも1つの第3の下方ガイドを備え、第2の下方ガイドは第1の下方ガイドと第3の下方ガイドとの間に配置され、および、第3の下方ガイドの第3のガイド穴は、第1の方向の反対の第2の方向に沿って、第2の下方ガイドの第2のガイド穴に対してシフトさせられ、第3のガイド穴のシフトは、プローブヘッドの各コンタクトプローブの第1の端のスクラブ移動を排除するようなものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ(26)上に集積された被試験デバイスを試験するためのプローブヘッド(20)であって、
第1の端(21a)および第2の端(21b)をそれぞれが備えた複数のコンタクトプローブ(21)であって、前記第1の端(21a)が、前記被試験デバイスのパッド(25)に接触するように構成された複数のコンタクトプローブ(21);
前記プローブの前記第1の端(21a)における、少なくとも1つの第1の下方ガイド(22)および1つの第2の下方ガイド(23)であって、ガイド(22、23)が互いに対して平行であり、ならびに、前記コンタクトプローブ(21)を摺動可能に収容するためのそれぞれの複数の第1の、および第2のガイド穴(22h、23h)が設けられ、前記第2の下方ガイド(23)の前記第2のガイド穴(23h)は、第1の方向(Dir1)に沿って、前記第1の下方ガイド(22)の前記第1のガイド穴(22h)に対してシフトさせられる、少なくとも1つの第1の下方ガイド(22)および1つの第2の下方ガイド(23)
を備え、
前記プローブヘッド(20)が、前記第1の下方ガイド(22)および前記第2の下方ガイド(23)に対して略平行であり、ならびに、前記コンタクトプローブ(21)を摺動可能に収容するための複数の第3のガイド穴(24h)を設けた少なくとも1つの第3の下方ガイド(24)を備え、
前記第2の下方ガイド(23)が前記第1の下方ガイド(22)と前記第3の下方ガイド(24)との間に配置され、および、前記第3の下方ガイド(24)の前記第3のガイド穴(24h)が、前記第1の方向(Dir1)の反対の第2の方向(Dir2)に沿って、前記第2の下方ガイド(23)の前記第2のガイド穴(23h)に対してシフトさせられ、前記第3のガイド穴(24h)のシフトが、前記プローブヘッド(20)の前記コンタクトプローブ(21)それぞれの前記第1の端(21a)のスクラブ移動を排除する、プローブヘッド(20)。
【請求項2】
前記第2のガイド穴(23h)が、5~30μmに略等しい、前記第1の方向(Dir1)に沿った、前記第1のガイド穴(22h)に対するシフトを有し、および、前記第3のガイド穴(24h)が、5~30μmに略等しい、前記第2の方向(Dir2)に沿った、前記第2のガイド穴(23h)に対するシフトを有する、請求項1に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項3】
前記コンタクトプローブ(21)の前記第2の端(21b)において配置され、ならびに、前記第1の、前記第2の、および前記第3の下方ガイド(22、23、24)に対して平行である少なくとも1つの第1の上方ガイド(27)を備え、前記第1の上方ガイド(27)に前記コンタクトプローブ(21)を摺動可能に収容するための複数のガイド穴(27h)を設けられている、請求項1または2に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項4】
前記第1の上方ガイド(27)に関連付けられた第2の上方ガイド(28)をさらに備え、前記第2の上方ガイド(28)が、前記第1の上方ガイド(27)の前記ガイド穴(27h)に対してシフトさせられたガイド穴(28h)を備えている、請求項3に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項5】
前記コンタクトプローブ(21)それぞれが、前記第1の端(21a)と前記第2の端(21b)との間の長手方向軸(H-H)に沿って延在する本体(21’)を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項6】
前記コンタクトプローブ(21)すべての前記第1の端(21a)が、特定の方向により、前記第2の端(21b)に対してシフトさせられ、シフトが前記長手方向軸(H-H)に対して測定される、請求項5に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項7】
前記第1の、および前記第2の上方ガイド(27、28)、ならびに、前記第1の、前記第2の、および前記第3の下方ガイド(22、23、24)が、前記コンタクトプローブ(21)の前記第1の端(21a)と前記第2の端(21b)との間のシフトをもたらすように相互にシフトさせられる、請求項4および6に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項8】
前記コンタクトプローブ(21)の少なくとも1つの壁(W1)が、前記コンタクトプローブ(21)によって作用させられた横力を打ち消すように構成された前記第3の下方ガイド(24)の前記第3のガイド穴(24h)の対応する壁に接触するように構成された、請求項1~7のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項9】
前記第3の下方ガイド(24)が、試験中に前記被試験デバイスに最も近いガイドであるように配置された、請求項1~8のいずれか1項に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項10】
電子デバイスの試験装置用のプローブカードであって、請求項1~9のいずれか1項に記載の少なくとも1つのプローブヘッド(20)、スペーストランスフォーマ(29)であって、前記プローブヘッド(20)に面するその面上に作られた接触パッド(30)間の距離の空間変換を行うように構成されたスペーストランスフォーマ(29)、および/または、前記プローブカードを前記試験装置とインタフェース接続するように構成されたプリント回路基板(PCB)、を備えるプローブカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ上に集積されたデバイスを試験するための複数の垂直プローブを備えるプローブヘッドに関連し、以下の開示はその説明を簡素化する目的のみで本出願の技術分野を参照して行う。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、プローブヘッドは、集積デバイスなどのマイクロストラクチャの複数の接触パッドを、それらの特に電気的な機能試験、または一般の試験を行う試験装置の対応するチャンネルと電気的に接続するように構成された電子装置である。
【0003】
集積デバイスに対して行われる試験は、製造段階において早ければ欠陥回路を検出し、および分離するのに特に有用である。通常、プローブヘッドはしたがって、ウェーハ上に集積されたデバイスの、それらの切断、および、格納パッケージ内での組み立て前の電気的試験のために使用される。
【0004】
プローブヘッドは基本的には、略板状であり、および互いに対して平行である少なくとも一対の支持体またはガイドによって保持された複数の可動の接触要素またはコンタクトプローブを備えている。上記ガイドは、好適なガイド穴を備えており、および、摺動可能に上記ガイド穴内に収容されたコンタクトプローブの移動および考えられる変形のために自由空間またはエアギャップを残すために互いに対して特定の距離をおいて配置されている。一対のガイドは特に、それらの中をコンタクトプローブが軸方向に摺動するガイド穴をいずれも設けた上方ガイドおよび下方ガイドを備え、上記プローブは通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金のワイヤでできている。
【0005】
コンタクトプローブと、被試験デバイスの接触パッドとの間の適切な接続は、デバイス自体に対する、プローブヘッドの圧力によって確実にされ、コンタクトプローブは、上記押圧接触中に、ガイド間のエアギャップ内で曲げを受け、およびそれぞれのガイド穴内で摺動する。この種のプローブヘッドは通常、「垂直プローブヘッド」と呼ばれる。
【0006】
要するに、垂直プローブヘッドは、その中でコンタクトプローブの曲げが生じるそのエアギャップを有し、上記曲げは、図1に概略的に示すように、プローブ自体の、またはそれらのガイドの好適な構成によって助長され得る。
【0007】
特に、図1は、それらの中を複数のコンタクトプローブ6が摺動するそれらのガイド穴4および5をそれぞれ有している、通常「上方ダイ」として示される少なくとも1つの板状の上方支持体またはガイド2、および、通常「下方ダイ」として示される1つの板状の下方支持体またはガイド3を備えるプローブヘッド1を概略的に示している。
【0008】
各コンタクトプローブ6は、ウェーハ9上に集積された被試験デバイスの接触パッド8に当接することが意図された接触先端7を備えた端で終端して、上記被試験デバイスと、上記プローブヘッドがその端子要素を形成する試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触を実現する。
【0009】
ここで、および以下では、「接触先端」との語は、接触パッドに接触することが意図されたコンタクトプローブの端エリアまたは領域を示し、上記端エリアまたは領域は必ずしも先がとがっていない。
【0010】
場合によっては、コンタクトプローブは、上方板状支持体においてプローブヘッド自体にしっかりと固定されている:そうしたプローブヘッドは、「ブロック化プローブヘッド」と呼ばれている。
【0011】
しかし、より頻繁には、プローブヘッドが、固定して締め付けられていないプローブを備えている一方、いわゆるボードに、場合によっては、複数の接触パッドを備えたマイクロコンタクトボードを介してインタフェース接続されている:そうしたプローブヘッドは、「非ブロック化プローブヘッド」と呼ばれている。マイクロコンタクトボードは通常、「スペーストランスフォーマ」と呼ばれている。というのは、プローブに接触する他に、特に、パッド自体の中心間の距離(ピッチ)の制約を緩和して、被試験デバイス上の接触パッドに対して、その上に実現された接触パッドを空間的に再配分することも可能にするからである。
【0012】
この場合には、図1に示すように、各コンタクトプローブ6は、スペーストランスフォーマ9Aの複数の接触パッドのうちの接触パッド8Aの方に向かういわゆる接触ヘッド7Aで終端するさらなる端エリアまたは領域を有している。プローブ6とスペーストランスフォーマ9Aとの間の適切な電気接続は、接触先端7と、ウェーハ9上に集積された被試験デバイスの接触パッド8との間の接触と同様に、スペーストランスフォーマ9Aの接触パッド8Aへの、コンタクトプローブ6の接触ヘッド7Aの押圧当接によって確実にされる。
【0013】
図1に示すように、上方ガイド2および下方ガイド3は、好適には、コンタクトプローブ6が変形することを可能にするエアギャップ10により、間隔をおいて配置される。最後に、ガイド穴4および5は、コンタクトプローブ6がそれらの中を摺動することを可能にするように、必要な大きさにされる。
【0014】
説明されたタイプの垂直プローブヘッドの正しい動作は基本的には、2つのパラメータ、すなわち、コンタクトプローブの垂直方向の移動、またはオーバートラベル、および、被試験デバイスの接触パッド上の、上記コンタクトプローブの接触先端の水平方向の移動、またはスクラブと関連付けられる。接触先端のスクラブを確実にして、特に被試験デバイスの、接触パッドを表面上に掻き落とし、たとえば酸化物または他のたまった汚れの薄い層または膜状のその上に形成された不純物を除去し、よって、そのプローブにより、プローブヘッドによって行われる接触を改善することを可能にすることが周知の通りに重要である。
【0015】
これらの特徴はすべて、プローブヘッドの製造工程において評価され、および校正されるべきである。というのは、プローブと被試験デバイスとの間の適切な電気接続が常に確実にされるべきであるからである。
【0016】
知られている方法論によれば、コンタクトプローブ6は、図1に示すように、当初、矩形の場合には、それらの長さ全体に沿った一定の断面を伴って、まっすぐに作られ、ならびに、接触端、特に接触先端7および接触ヘッド7Aそれぞれを形成するために、おおむね細くされており、および、場合によっては端で先をとがらせている。連続的に、プローブヘッドは、それぞれのガイド穴を、すなわち、ガイドに対して直交している方向に応じてそれぞれの中心を位置合わせし、整合させるために上方ガイド2および下方ガイド3を重ね合わせることにより、コンタクトプローブ6を上記ガイド穴内に挿入し、上方ガイド2を下方ガイド3と間隔をおいて配置してエアギャップ10を形成し、および、次いで、上記ガイドをシフトさせることにより形成され、よって、図1に示されるように略中央の位置における、コンタクトプローブ6の本体の変形をもたらす。この場合には、プローブヘッドは、シフトさせられた板を有するプローブヘッドと表され、およびコンタクトプローブ6は、「バックリングビーム」とも示される。
【0017】
さらに、上方ガイド2の、および下方ガイド3の相対シフトは、コンタクトプローブ6の変形方向、および、よって、図1において、スクラブ方向Dscrubと示す、ウェーハ9上に集積された被試験デバイスの接触パッド8上のそれぞれの接触先端7の移動方向を定める。
【0018】
既に予変形しているプローブを使用することも考えられ、この場合にガイド間のシフトが上記予変形を強調する。
【0019】
図1に示すものなどの、シフトさせられた板を有する垂直プローブヘッドについて、コンタクトプローブ6の接触先端7が、ウェーハ9上に集積された被試験デバイスの接触パッド8に接触すると、プローブ6の変形が、上記プローブ6すべてについて略同一である曲げをもたらし、よって、各接触先端7は、図1における矢印で示すように、接触パッド8に対して、方向Dscrubにおけるスクラブを作用させる。
【0020】
さらに、当該技術分野において知られており、および図2に示す解決策によれば、プローブヘッド1は、複数のコンタクトプローブ(図示を簡潔にするために、コンタクトプローブ6のみが図2において表される)を摺動可能に収容するためにそれぞれのガイド穴を設けた一対の下方ガイド3’および3’’、および一対の上方ガイド2’および2’’を備える。特に、下方ガイド3’および3’’のガイド穴は、ガイド穴自体内のコンタクトプローブ6のつまりを回避し、および、接触先端7のスクラブを制御するために、互いに対して好適にシフトさせられる。同様のシフトが、上方ガイド2’および2’’のガイド穴間で施される場合もある。
【0021】
しかし、被試験デバイスの接触パッド8上の、プローブヘッド1の複数のコンタクトプローブ6の接触先端7すべての同時スクラブ機構は、複数の被試験デバイスを備えるウェーハ9上のせん断力を引き起こす;特に、このせん断力は、方向Dscrubにおいて作用する力であり、および、接触パッド8すべての上の、プローブ6すべてによって引き起こされる(すべて、同じ方向Dscrubにおいて作用する)力の和に等しく、よって、ウェーハ9上の上記せん断力は高い値に達し得る。特に、せん断力はここでは、プローブヘッド1のガイドがその中に置かれているそれに対して略平行である平面を画定するウェーハ9に対して略平行である力を示し、上記力は、その上に接触パッド8が形成され、それにコンタクトプローブ6の接触先端7が当接する面である、プローブヘッド1に面する面において加えられる。
【0022】
プローブヘッドは通常、何千ものプローブを備え、被試験デバイスの接触パッドに当接するコンタクトプローブすべてのスクラブによるせん断力は、それにプローブヘッド(特に、そのコンタクトプローブ)が押圧接触を作用させる際に、そのウェーハ9のかなりの側方シフトをもたらすようなものであり得る。この問題は、単一ダイを試験する場合にも特に重要であり、これは明らかにウェーハ全体の抵抗および慣性を有するものでない。
【0023】
この理由で、今日では、垂直プローブヘッドによって行われる試験を改善するために、この不必要な側方シフトを低減する必要性が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の技術的課題は、従来技術によるプローブヘッドになお影響をおよぼしている制約および欠点を解消することを可能にするような構造的および機能的特徴を有するプローブヘッドであって、特に、単純な、および効果的なやり方で、場合によっては単一ダイの形態で上記ウェーハ上に集積されたデバイスの試験中に生じる、押圧接触中の、コンタクトプローブによりウェーハに対して作用させられるせん断力を低減することができるプローブヘッドを提供することである。
【0025】
本発明の基礎をなす解決策の考えは、各コンタクトプローブのスクラブが略ヌルであるように構成されたガイドを備えた垂直プローブヘッドを提供することである。特に、互いに対してシフトさせられたガイド穴を有する一対の下方ガイド、および、各スクラブ移動を打ち消すために、他の2つの下方ガイドのガイド穴間のシフトに対してガイド穴が好適に校正されたシフトを有するさらなる下方ガイドが備えられ、よって、コンタクトプローブによって作用させられるせん断力は上記さらなる下方ガイドによって全体的に吸収され、その結果、ウェーハに対して、コンタクトプローブそれぞれによって作用させられるヌルの力がもたらされ、および、したがって、ヌルの、全体的なせん断力がもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この解決策の考えに基づけば、上記技術的課題は、半導体ウェーハ上に集積された被試験デバイスを試験するためのプローブヘッドであって、第1の端および第2の端をそれぞれが備えた複数のコンタクトプローブであって、上記第1の端が、被試験デバイスのパッドに接触するように構成された複数のコンタクトプローブと、第1の端における、少なくとも1つの第1の下方ガイド、および1つの第2の下方ガイドであって、ガイドが互いに対して平行であり、ならびに、コンタクトプローブを摺動可能に収容するためのそれぞれの複数の第1の、および第2のガイド穴を設け、第2の下方ガイドの第2のガイド穴は、第1の方向に沿って、第1の下方ガイドの第1のガイド穴に対してシフトさせられる、少なくとも1つの第1の下方ガイド、および1つの第2の下方ガイドとを備え、上記プローブヘッドが、第1の下方ガイドに対して、および第2の下方ガイドに対して略平行であり、ならびに、コンタクトプローブを摺動可能に収容するための複数の第3のガイド穴を設けた少なくとも1つの第3の下方ガイドを備え、第2の下方ガイドが第1の下方ガイドと第3の下方ガイドとの間に配置され、および、第3の下方ガイドの第3のガイド穴が、第1の方向の反対の第2の方向に沿って、第2の下方ガイドの第2のガイド穴に対してシフトさせられ、第3のガイド穴のシフトが、プローブヘッドのコンタクトプローブそれぞれの第1の端のスクラブ移動を排除するプローブヘッドによって解決される。
【0027】
特に、本発明は、個々に、または、必要な場合、組み合わせで採用される以下のさらなる、および任意的な特徴を備える。
【0028】
本発明の一態様によれば、第1のガイド穴に対する、第2のガイド穴の第1の方向に沿ったシフトは、5~30μmに略等しい場合があり、および第2のガイド穴に対する、第3のガイド穴の第2の方向に沿ったシフトは、5~30μmに略等しい場合がある。
【0029】
本発明の一態様によれば、プローブヘッドは、コンタクトプローブの第2の端において配置され、および下方ガイドに対して平行である少なくとも1つの第1の上方ガイドを備え、上記第1の上方ガイドはコンタクトプローブを摺動可能に収容するための複数のガイド穴を設け得る。
【0030】
本発明の一態様によれば、プローブヘッドは第1の上方ガイドに関連付けられた第2の上方ガイドをさらに備え、上記第2の上方ガイドは、第1の上方ガイドのガイド穴に対してシフトさせられたガイド穴を備え得る。
【0031】
本発明の別の態様によれば、コンタクトプローブそれぞれは、第1の端と第2の端との間の長手方向軸に沿って延在する本体を備え得る。
【0032】
さらに、コンタクトプローブすべての第1の端は、特定の方向により、第2の端に対して、長手方向軸に対してシフトさせられ得る。
【0033】
特に、上方ガイドおよび下方ガイドは、コンタクトプローブの第1の端と第2の端との間の上述したシフトをもたらすように相互にシフトさせられる場合がある。
【0034】
本発明の別の態様によれば、コンタクトプローブの少なくとも1つの壁は、上記コンタクトプローブによって作用させられた横力を打ち消すように構成された第3の下方ガイドの第3のガイド穴の対応する壁に接触するように構成され得る。
【0035】
最後に、第3の下方ガイドは、その試験中にその被試験デバイスに最も近いガイドであるように配置され得る。
【0036】
本発明は、電子デバイスの試験装置用のプローブカードであって、上述したように作られた少なくとも1つのプローブヘッド、スペーストランスフォーマであって、プローブヘッドに面するその面上に作られた接触パッド間の距離の空間変換を行うように構成されたスペーストランスフォーマ、および/または、上記プローブカードを試験装置とインタフェース接続するように構成されたプリント回路基板を備えるプローブカードにも関連する。
【0037】
本発明によるプローブヘッドの特徴および利点は、添付図面を参照して、記載された、および限定でない例として表すその実施形態の以下に行う説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】従来技術によるプローブヘッドを概略的に示す。
図2】従来技術によるプローブヘッドの代替的な実施形態を概略的に示す。
図3】本発明によるプローブヘッドを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
上記図、特に図3を参照すれば、本発明による、半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスを試験するための垂直プローブヘッドは、20により、全体的に、および概略的に示す。
【0040】
留意すべきは、図が、概略図を表しており、および、縮尺通りに描かれていないが、その代わりに、それらが、本発明の重要な特徴を強調するように描かれていることである。さらに、図では、異なる構成要素は概略的に描かれ、それらの形状は、所望の応用に応じて異なる。さらに、留意すべきは、図では、同一の参照番号が、形状または機能において同一の構成要素を表していることである。最後に、1つの図において示す実施形態に関して説明した特定の特徴は、他の図において示した他の実施形態にも使用可能である。
【0041】
本発明のプローブヘッド20は、複数のコンタクトプローブ21を備え、各プローブは、第1の端21aと第2の端21bとの間の長手方向軸H-Hに沿って延在している好ましくは棒状本体21’を備えており、上記本体21’は以下にさらに詳細に示すように変形している。
【0042】
図示を簡潔にするために、図3では、1つのコンタクトプローブのみを表し、図は、本発明の範囲の限定でない例としてのみ表しており、および、コンタクトプローブの数は明らかに、要件および状況に応じて変わり得る。
【0043】
第1の端21aが、半導体ウェーハ26上に集積された被試験デバイスのパッド25に接触するように構成されており、および当該技術分野において「接触先端」としても示されている一方、(当該技術分野において、「接触ヘッド」としても示されている)第2の端21bは、以下に示すように、スペーストランスフォーマの、またはプリント回路基板(PCB)のパッドに接触するように構成される場合があり、それは、上方支持体に溶接される場合もある。なお、端21aおよび21bは、必ずしも先がとがっておらず、およびそれらの形状は要件および/または状況に応じて変わり得る。
【0044】
さらに、コンタクトプローブ21の長手方向軸H-Hは実質的に、図3の参照系の軸z(垂直軸)によって示す方向において延在している。
【0045】
プローブヘッド20は、コンタクトプローブ21の第1の端21aにおいて配置された第1の下方ガイド22および第2の下方ガイド23を備える。下方ガイド22および23は、互いに対して平行であり、および第1の下方エアギャップGl1により、間隔をおいて配置される。下方ガイド22および23それぞれは、コンタクトプローブ21を摺動可能に収容するためのそれぞれの複数の第1の、ならびに第2のガイド穴22hおよび23hを設けており、第2の下方ガイド23の第2のガイド穴23hは、ここでは第1の方向Dir1と示す第1のシフト方向に沿って、第1の下方ガイド22の第1のガイド穴22hに対してシフトさせられる。図3の例では、第1の方向Dir1は、軸xの負の方向に向く(対応する)。
【0046】
第1の下方ガイド22および第2の下方ガイド23は、互いに対して平行である略板状支持体であり、および、任意の好適な形状(たとえば、矩形または方形)を有することが可能であって、長手方向軸が図3の参照系の軸xおよびy(水平軸)によって識別される平面において、および、コンタクトプローブ21の長手方向軸H-Hに対して直交して延在している。
【0047】
図3に示す、本発明の好ましい実施形態では、プローブヘッド20は、コンタクトプローブ21の第2の端21bにおいて配置され、および、第1の下方ガイド22および第2の下方ガイド23に対して略平行である第1の上方ガイド27をさらに備え、上記第1の上方ガイド27は、コンタクトプローブ21を摺動可能に収容するための複数のガイド穴27hを設けている。
【0048】
さらに好ましくは、プローブヘッド20は、第1の上方ガイド27と関連付けられ、および、上方エアギャップGuにより離間させられた第2の上方ガイド28をさらに備える。
【0049】
なお、本発明の文脈では、「関連付けられた」との語は、ガイドが、別のガイド(上方または下方)近くに配置され、それとともに、互いに対して略平行である一組のガイド(上方または下方)を形成することを表す。すなわち、ガイドが一旦、上方または下方ガイドと関連付けられると、コンタクトプローブを収容することが意図された一対の上方または下方ガイドが形成される。
【0050】
第1の上方ガイド27がよって、上方エアギャップGuにより、第2の上方ガイド28から離間させられ、第2の上方ガイド28が、上方エアギャップGuよりも大きな範囲を有するエアギャップGにより、下方ガイドから、特に、第1の下方ガイド22から離間させられる一方、上述したように、第1の下方ガイド22は、第1の下方エアギャップGl1により、第2の下方ガイド23から離間させられる。
【0051】
上方および下方ガイドは、各コンタクトプローブ21の第1の端21aが、第2の端21bから長手方向軸H-Hに対してシフトさせられるように、すなわち、好ましくはまっすぐに作られたコンタクトプローブ21が本体21’の変形を有するように、互いに対して配置される(特に、シフトさせられる)。しかし、コンタクトプローブ21が初期予変形を有することが可能であり、よって、ガイドのシフトは上記予変形を強調する。特に、上方および下方ガイドのシフトは、それらのガイド穴のシフトと関連している。
【0052】
第2の上方ガイド28は、第1の上方ガイド27のガイド穴27hに対してシフトさせられたガイド穴28hを備える。上方ガイド27および28のガイド穴のシフトは、被試験デバイスとの押圧接触中にコンタクトプローブ21が受けるさらなる変形をより正確に制御することを可能にし、互いに対して近いコンタクトプローブ間の接触を回避する。
【0053】
なお、プローブヘッド20が1つまたは2つの上方ガイドを備える実施形態が好ましいいが、他の解決策も考えられる。例として、図に示していない実施形態では、コンタクトプローブ21の第2の端21bが、プローブヘッド20と関連付けられた支持体に溶接され得る。この場合、プローブの端間のシフトは、プローブの長手方向軸H-Hに対する、下方ガイドのガイド穴の適切なシフトのおかげで得られる。
【0054】
いずれにせよ、上方および下方ガイドの、すなわち、それらのガイド穴の、および、よって、コンタクトプローブ21の端21aおよび21bのシフトは、上記コンタクトプローブ21の所望の変形方向、および、よって、ウェーハ26上に集積された被試験デバイスの接触パッド25への、それぞれの接触先端21aの移動方向を定め、上記方向は、図3ではスクラブ方向Dscrubと示される。図3の、限定でない例では、スクラブ方向Dscrubは、第1の方向Dir1について現れるのと同様に、軸xの負の方向に向かう。
【0055】
第1の下方ガイド22の第1のガイド穴22hに対する、第2の下方ガイド23の第2のガイド穴23hの上述したシフトは、コンタクトプローブ21の第1の端21aのスクラブを制御することを可能にする。
【0056】
しかし、上述したように、上記スクラブ移動は、半導体ウェーハ26に対する全体的なせん断力(横力)であって、過剰な値に達し、および、ウェーハ自体のシフトなどの、望ましくないな影響をもたらし得る、半導体ウェーハ26に対する全体的なせん断力(横力)を定める。この理由で、有利には、本発明によれば、プローブヘッド20は、第1の下方ガイド22に対して、および第2の下方ガイド23に対して略平行である少なくとも1つの第3の下方ガイド24を備え、およびコンタクトプローブ21を摺動可能に収容するための複数の第3のガイド穴24hを設けている。
【0057】
さらに特に、第2の下方ガイド23は、第1の下方ガイド22と第3の下方ガイド24との間に配置される;すなわち、第3の下方ガイド24は、被試験デバイスの接触パッド25との、プローブヘッド20の接触中に、後者により近いガイドである。第3の下方ガイド24は、第2の下方エアギャップGl2により、第2の下方ガイド23から離間させられている。
【0058】
第3の下方ガイド24は、ガイド22および23に対して平行である略板状支持体であり、上記ガイド22および23の形状と同様のいずれの形状をも有し得る。
【0059】
好適には、第3の下方ガイド24の第3のガイド穴24hは、第1の方向Dir1の反対の第2の方向に沿って、第2の下方ガイド23の第2のガイド穴23hに対してシフトさせられ、上記第2の方向は、ここではDir2と示しており、および、図3における軸xの正の方向に向かう矢印によって表す。
【0060】
このようにして、プローブヘッド20の各コンタクトプローブ21の第1の端21aのスクラブ移動を排除するように第3のガイド穴24hのシフトを選び、よって、スクラブ中に上記プローブによって作用させられる横またはせん断力による上記課題を解決することが可能である。特に、第2のガイド穴23hに対する、第3のガイド穴24hのシフトは実質的に、第1のガイド穴22hに対する、上記第2のガイド穴23hのシフトのものと同じ実体(および反対の方向)のものである。
【0061】
第3の下方ガイド24はよって、各コンタクトプローブ21の第1の端21aのスクラブ移動を阻止するように構成され、単一プローブによって作用させられた横力は、上記第3の下方ガイドで除荷される。
【0062】
具体的には、コンタクトプローブ21の第1の壁W1は、よって、上記プローブによって作用させられた横力を打ち消すように構成された、第3の下方ガイド24の第3のガイド穴24hの対応する第1の壁に接触するように構成され、上記第1の壁は、反対方向の(すなわち、スクラブ方向Dscrubの反対方向の)反力を作用させる。
【0063】
コンタクトプローブ21は、被試験デバイスの接触パッド25との押圧接触中に曲がるように構成され、および、第3の下方ガイド24がない状態では、コンタクトプローブ21の第1の端21aのスクラブ移動が存在することになる。
【0064】
限定でない例として、静止状態では、コンタクトプローブ21の第1の壁W1の反対側の第2の壁W2は、第2の下方ガイド23内に作られた第2のガイド穴23hの対応する第2の壁と接触しており、コンタクトプローブ21の第1の壁W1と、プローブの第2の壁W2と接触している第2の壁と反対側の、第2のガイド穴23hの第1の壁との間には、コンタクトプローブ21の径に対する、下方ガイド23のガイド穴23hの寸法によってその幅が定められるクリアランスが定義され、径との語は、ここでは、および以下では、非円形セクションを有するプローブの場合にも、最大横断寸法を示す。第1の端21aのスクラブ移動に続く、被試験デバイスとの接触中、コンタクトプローブ21の第1の壁W1は第2のガイド穴23hの第1の壁に接触することになる。
【0065】
コンタクトプローブ21の第1の壁W1(および穴の第1の壁)が、スクラブ方向Dscrubに対してプローブ自体の長手方向軸H-Hに続く(follow)壁である一方、コンタクトプローブ21の第2の壁W2(および穴の第2の壁)が、スクラブ方向Dscrubにより、上記長手方向軸H-Hに先行する(precede)壁であることを指摘する。
【0066】
同様の議論を第1のガイド穴22hについて行うことが可能である:静止状態では、第1の壁W1は、第1のガイド穴22hの対応する第1の壁と接触しており、第2の壁W2と、プローブの第1の壁W1と接触している第1の壁の反対側の、第1のガイド穴22hの第2の壁W2との間では、クリアランスが定められる。第1の端21aのスクラブ移動に続く、被試験デバイスとの接触中、コンタクトプローブ21の第2の壁W2は、第1のガイド穴22hの第2の壁に接触することになる。
【0067】
この場合、接触先端21aのスクラブが存在することになり、上記スクラブは、第2のガイド穴23hと第1のガイド穴22hとの間の相対的なシフトを介して制御される。第3の下方ガイド24はよって、被試験デバイスとの接触中のコンタクトプローブ21の曲げを制限することなく、上記スクラブ移動を、第3のガイド穴24hの壁を介して阻止するために導入されている。
【0068】
さらに、クリアランスは常に、プローブの壁と、ガイドの穴の壁との間に存在している。
【0069】
さらに、第1のガイド穴22hに対する、第2のガイド穴23hの第1の方向Dir1に沿ったシフトは、5~30μmに略等しく、および第2のガイド穴23hに対する、第3のガイド穴24hの第2の方向Dir2に沿ったシフトも、5~30μmに略等しい。
【0070】
ガイド穴はよって、プローブの長手方向軸H-Hに対して略直交しており、および、たとえば、図3の参照系の軸x(水平軸)に対して平行である、ガイドの長手方向軸に沿って相互にシフトさせられ、上記長手方向軸H-Hはガイドに対して略直交している。
【0071】
よって、この構成は、プローブヘッド20に面する、半導体ウェーハ26の面に平行のせん断力が、プローブによって作用されないことを確実にする。好適には、本発明によるプローブヘッド20のこの利点は、ガイド穴の、および、よって、コンタクトプローブの、ピッチを修正しない可能性に沿って得られる。
【0072】
図3をなお参照すれば、前述したように、プローブヘッド20は好ましくは、固定されていない垂直プローブを有するタイプのものであり、および、コンタクトプローブ21の第2の端21bは、インターポーザまたはスペーストランスフォーマ29の接触パッド30に当接するように構成される。
【0073】
特に、スペーストランスフォーマ29は、その両面上に形成された接触パッドの中心間の距離、またはピッチの空間変換を行うように構成される。さらに特に、プローブヘッド20に面するスペーストランスフォーマ29の第1の面上に、接触パッド30が、被試験デバイスの接触パッド25に等しいピッチを互いの間に有し得る一方、スペーストランスフォーマ29の第2の反対の面上に形成された接触パッド(図示せず)は、おおむね、上記スペーストランスフォーマ29に接続されたプリント回路基板またはPCB(やはり図示せず)上に形成された接触パッドのそれに等しいピッチを有し、特に、それらは接触パッド30のピッチよりも大きなピッチを有し、このようにして、所望の空間変換を行い、上記第2の反対の面上の接触パッドのより単純な配置、ならびに、PCBとの、よって、試験装置との単純な接続を可能にする。
【0074】
したがって、本発明はさらに、電子デバイスの試験装置用のプローブカードに関連し、プローブカードは、本発明による少なくとも1つのプローブヘッド20、スペーストランスフォーマ29であって、プローブヘッド20に面するその面上に形成された接触パッド30間の距離の空間変換を行うように構成されたスペーストランスフォーマ29、および/または、試験装置と上記プローブカードをインタフェース接続するように構成されたPCBを備える。
【0075】
まとめれば、本発明は、各コンタクトプローブのスクラブが実質的に排除されるように構成されたガイドを備えた垂直プローブヘッドを提供する。特に、一対の下方ガイドであって、上記ガイドが、互いに対してシフトさせられたガイド穴を有する一対の下方ガイド、および、そのガイド穴が、各スクラブ移動を打ち消すために、他の2つの下方ガイドのガイド穴間のシフトに対して、好適に校正されたシフトを有し、よって、コンタクトプローブによって作用させられるせん断力が上記さらなる下方ガイドにより全体的に吸収されるさらなる下方ガイドが備えられる。
【0076】
有利には、本発明によれば、各プローブの接触先端のスクラブ移動は実質的に打ち消され、横力は、被試験デバイスに最も近い下方ガイドに放出される。このようにして、好適には、被試験デバイスに対して、およびそれを備える半導体ウェーハに対して、上記コンタクトプローブにより作用させられる全体的な横またはせん断荷重は略ヌルであり、すなわち、プローブヘッドに面する、被試験デバイスの面に対して平行のプローブヘッドによって作用させられる力は略ヌルである。これは、より正確であり、および高信頼度の試験を可能にし、ならびに、対照的に既知の解決策において生じる、コンタクトプローブの補償されていない横力(せん断力)による、半導体ウェーハの横シフトなどの現象を回避する。
【0077】
さらに、各コンタクトプローブの先端のスクラブが略ヌルであることのおかげで、被試験デバイスとの、プローブヘッドの接触中の、プローブおよび接触パッドを損傷する可能性が排除される。
【0078】
最後に、採用された構成のおかげで、互いに近いプローブ間の不必要な接触が回避される一方、プローブの曲げがいずれにせよ、常に許容される。
【0079】
よって、開示されたプローブヘッドが本発明の技術的課題を効果的に解決し、特に数多くのコンタクトプローブの場合に、改善された試験を可能にすることは明らかである。
【0080】
明らかに、特定の、および特定の要件を満たすために、当業者は、すべて、以下の請求項によって画定されるような、本発明の保護の範囲内に収まる、上述の数多くの修正および変形をプローブヘッドに対して行うことができる。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ(26)上に集積された被試験デバイスを試験するためのプローブヘッド(20)であって、
第1の端(21a)および第2の端(21b)をそれぞれが備えた複数のコンタクトプローブ(21)であって、前記第1の端(21a)が、前記被試験デバイスのパッド(25)に接触するように構成された複数のコンタクトプローブ(21);
前記プローブの前記第1の端(21a)における、少なくとも1つの第1の下方ガイド(22)および1つの第2の下方ガイド(23)であって、前記第1の(22)、および前記第2(23)の、下方ガイドが互いに対して平行であり、ならびに、前記コンタクトプローブ(21)を摺動可能に収容するためのそれぞれの複数の第1の(22h)、および第2の(23h)、ガイド穴が設けられ、前記第2の下方ガイド(23)の前記第2のガイド穴(23h)は、第1の方向(Dir1)に沿って、前記第1の下方ガイド(22)の前記第1のガイド穴(22h)に対してシフトさせられる、少なくとも1つの第1の下方ガイド(22)および1つの第2の下方ガイド(23)
を備え、
前記プローブヘッド(20)が、前記第1の下方ガイド(22)および前記第2の下方ガイド(23)に対して略平行であり、ならびに、前記コンタクトプローブ(21)を摺動可能に収容するための複数の第3のガイド穴(24h)を設けた少なくとも1つの第3の下方ガイド(24)を備え、
前記第2の下方ガイド(23)が前記第1の下方ガイド(22)と前記第3の下方ガイド(24)との間に配置され、および、前記第3の下方ガイド(24)の前記第3のガイド穴(24h)が、前記第1の方向(Dir1)の反対の第2の方向(Dir2)に沿って、前記第2の下方ガイド(23)の前記第2のガイド穴(23h)に対してシフトさせられ、前記第3のガイド穴(24h)のシフトが、前記プローブヘッド(20)の前記コンタクトプローブ(21)それぞれの前記第1の端(21a)のスクラブ移動を排除する、プローブヘッド(20)。
【請求項2】
前記第2のガイド穴(23h)が、5~30μmに等しい、前記第1の方向(Dir1)に沿った、前記第1のガイド穴(22h)に対するシフトを有し、および、前記第3のガイド穴(24h)が、5~30μmに等しい、前記第2の方向(Dir2)に沿った、前記第2のガイド穴(23h)に対するシフトを有する、請求項1に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項3】
前記コンタクトプローブ(21)の前記第2の端(21b)において配置され、ならびに、前記第1の(22)、前記第2の(23)、および前記第3の(24)、下方ガイドに対して平行である少なくとも1つの第1の上方ガイド(27)を備え、前記第1の上方ガイド(27)に前記コンタクトプローブ(21)を摺動可能に収容するための複数のガイド穴(27h)を設けられている、請求項1に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項4】
前記第1の上方ガイド(27)に関連付けられた第2の上方ガイド(28)をさらに備え、前記第2の上方ガイド(28)が、前記第1の上方ガイド(27)の前記ガイド穴(27h)に対してシフトさせられたガイド穴(28h)を備えている、請求項3に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項5】
前記コンタクトプローブ(21)それぞれが、前記第1の端(21a)と前記第2の端(21b)との間の長手方向軸(H-H)に沿って延在する本体(21’)を備える、請求項1に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項6】
前記コンタクトプローブ(21)すべての前記第1の端(21a)が、特定の方向により、前記第2の端(21b)に対してシフトさせられ、シフトが前記コンタクトプローブの前記長手方向軸(H-H)に対して測定される、請求項5に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項7】
前記第1の(27)、および前記第2の(28)、上方ガイド、ならびに、前記第1の(22)、前記第2の(23)、および前記第3の(24)、下方ガイドが、前記コンタクトプローブ(21)の前記第1の端(21a)と前記第2の端(21b)との間のシフトをもたらすように相互にシフトさせられる、請求項4および6に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項8】
前記コンタクトプローブ(21)の少なくとも1つの壁(W1)が、前記コンタクトプローブ(21)によって作用させられた横力を打ち消すように構成された前記第3の下方ガイド(24)の前記第3のガイド穴(24h)の対応する壁に接触するように構成された、請求項1に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項9】
前記第3の下方ガイド(24)が、試験中に前記被試験デバイスに最も近いガイドであるように配置された、請求項1に記載のプローブヘッド(20)。
【請求項10】
電子デバイスの試験装置用のプローブカードであって、請求項1に記載の少なくとも1つのプローブヘッド(20)、スペーストランスフォーマ(29)であって、前記プローブヘッド(20)に面するその面上に作られた接触パッド(30)間の距離の空間変換を行うように構成されたスペーストランスフォーマ(29)、および/または、前記プローブカードを前記試験装置とインタフェース接続するように構成されたプリント回路基板(PCB)、を備えるプローブカード。
【国際調査報告】