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特表2022-515477歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20220210BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537712
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 CN2019085676
(87)【国際公開番号】W WO2020133868
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811602134.5
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521278173
【氏名又は名称】雅客智慧(北京)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】王利峰
【テーマコード(参考)】
4C159
【Fターム(参考)】
4C159AA51
(57)【要約】
本願の実施例は、歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置を提供する。キャリブレーション方法は、走査装置(302)に設けられた第1の視覚マーク(305)の空間位置と、手術領域(303)に設けられた第2の視覚マーク(306)の空間位置と、走査装置(302)によって走査して得られた走査領域(304)の走査位置とに基づいて、第2の視覚マーク(306)に対する走査領域(304)の位置を取得すること(110)と、第2の視覚マーク(306)に対する走査領域(304)の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得し、変換行列を手術器具の追跡に適用する。これにより、マークポイントを患者の体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンに手術器具の位置の変化をリアルタイムに反映することができ、手術器具の正確なリアルタイム追跡を実現することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得することと、
前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得することと、を含むことを特徴とする歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法。
【請求項2】
走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得することは、具体的に、
前記第1の視覚マークの空間位置に基づいて、前記走査装置の空間位置を取得することと、
前記走査領域の走査位置と、前記走査装置の空間位置とに基づいて、前記走査領域の空間位置を取得することと、
前記走査領域の空間位置と、前記第2の視覚マークの空間位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の視覚マークの空間位置に基づいて、前記走査装置の空間位置を取得することは、具体的に、
前記第1の視覚マークの空間位置と、前記走査装置の中心に対する前記第1の視覚マークの位置とに基づいて、前記走査装置の空間位置を取得することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得することは、具体的に、
反復最近点アルゴリズムに基づいて、前記3次元シーンにおける前記走査領域に対応する位置を取得することと、
前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置と、前記3次元シーンにおける前記走査領域に対応する位置とに基づいて、前記変換行列を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に設けられた第3の視覚マークの空間位置とを捕捉することと、
前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新することと、を含み、
前記変換行列は、請求項1から4のいずれか一項に記載のキャリブレーション方法に基づいて取得されたものであることを特徴とする歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法。
【請求項6】
前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新することは、具体的に、
前記第3の視覚マークの空間位置に基づいて、前記手術器具の空間位置を取得することと、
前記手術器具の空間位置と、前記第2の視覚マークの空間位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記手術器具の位置を取得することと、
前記第2の視覚マークに対する前記手術器具の位置と、前記変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新することと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得するように配置される相対位置取得ユニットと、
前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得するように配置される変換行列取得ユニットと、を備えることを特徴とする歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置。
【請求項8】
手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に設けられた第3の視覚マークの空間位置とを捕捉するように配置される捕捉ユニットと、
前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新するように配置される追跡ユニットと、を備え、
前記変換行列は、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法に基づいて取得されたものであることを特徴とする歯科インプラントナビゲーション手術の追跡装置。
【請求項9】
プロセッサ、通信インタフェース、メモリ、およびバスを備え、プロセッサ、通信インタフェース、メモリは、バスを介して相互間の通信を行い、プロセッサは、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実行するように、メモリ内の論理命令を呼び出すことが可能であることを特徴とする電子装置。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法が実現されることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年12月26日に提出された、発明の名称が「歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置」であり、出願番号が2018116021345である中国特許出願を引用し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願の実施例は、医療技術分野に関し、特に、歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、臨床現場での口腔インプラント技術の普及、および人々の口腔健康に対する要求の高まりに伴い、欠損歯に対してインプラント修復治療を選択する患者がますます増えてきている。しかし、歯科インプラント手術は、狭い空間内で局所麻酔下での精密な操作であり、口腔の非直視環境、狭い操作空間、および医者の経験不足などの要因により、インプラント手術の失敗率が高い。
【0004】
コンピューター技術の発展に伴い、手術ナビゲーションは、その正確、柔軟性、低侵襲性などの利点をもって、外科手術に革新的な変化をもたらし、そして、口腔医学のさらなる発展のための方向を提供した。現在、国内外で開発されている口腔インプラントナビゲーション技術は、その基本的な方法として、CT走査データに基づいて患者の3次元画像を再構築し、補助設計ソフトウェアでインプラント体の理想的な3次元位置を事前に計画することである。手術の際に、光学式または電磁式のナビゲーション機器を利用して、手術器具の空間位置をリアルタイムに追跡し、事前に決められた理想的な位置、角度および深さに従って、インプラント窩洞を予備して、インプラント体の植え込みを完成する。
【0005】
上記口腔インプラントナビゲーション手術における重要なステップは、手術器具の空間位置のリアルタイム追跡を実現するように、仮想画像空間と視覚空間とのマッピング関係を決定することである。現在、臨床現場では、医用画像上のマークポイントと人体上の対応するマークポイントとのマッピング関係を確立することにより、2つの空間のマッピング関係を確立するというマークポイントレジストレーション法がよく使用される。このマークポイントは、顎骨や歯の解剖学的ランドマークであってもよく、体積の小さい人工マークポイントであってもよい。しかしながら、解剖学的ランドマークを用いてレジストレーションを行う場合、レジストレーションの精度が低いという問題があり、人工マークポイントを用いてレジストレーションを行う場合、人工マークポイントを患者の歯槽突起または顎骨に植え込む必要があり、これは、患者に不必要な創傷をもたらし、感染さえ引き起こしてしまう可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施例は、従来の歯科インプラント手術器具の追跡時のマークポイントの設定において存在する、レジストレーション精度が低いまたは患者に不必要な創傷をもたらす問題を解決するための、歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置を提供する。
【0007】
第1の形態において、本願の実施例は、
走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得することと、
前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得することと、を含む歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法を提供する。
【0008】
第2の形態において、本願の実施例は、
手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に設けられた第3の視覚マークの空間位置とを捕捉することと、
前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新することと、を含み、
前記変換行列は、第1の形態により提供される方法に基づいて取得されたものである歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法を提供する。
【0009】
第3の形態において、本願の実施例は、
走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得するように配置される相対位置取得ユニットと、
前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得するように配置される変換行列取得ユニットと、を備える歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置を提供する。
【0010】
第4の形態において、本願の実施例は、
手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に設けられた第3の視覚マークの空間位置とを捕捉するように配置される捕捉ユニットと、
前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新するように配置される追跡ユニットと、を備え、
前記変換行列は、第1の形態により提供される方法に基づいて取得されたものである歯科インプラントナビゲーション手術の追跡装置を提供する。
【0011】
第5の形態において、本願の実施例は、プロセッサ、通信インタフェース、メモリ、およびバスを備え、プロセッサ、通信インタフェース、メモリは、バスを介して相互間の通信を行い、プロセッサは、第1の形態または第2の形態により提供される方法のステップを実行するように、メモリ内の論理命令を呼び出すことが可能である電子装置を提供する。
【0012】
第6の形態において、本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第1の形態または第2の形態により提供される方法のステップが実現される非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0013】
本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション、追跡方法および装置は、手術領域に設けられた第2の視覚マークと走査装置に設けられた第1の視覚マークにより変換行列を取得し、変換行列を手術器具の追跡に適用することで、マークポイントを患者の体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンに手術器具の位置の変化をリアルタイムに反映することができ、手術器具の正確なリアルタイム追跡を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本願の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、以下で説明する図面は、本願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労働を要しない前提で、これらの図面に基づいてその他の図面を更に得ることができる。
図1】本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置の構成模式図である。
図4】本願の他の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置の構成模式図である。
図5】本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術の追跡装置の構成模式図である。
図6】本願の実施例によって提供される電子装置の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の実施例の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下では本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなように、説明する実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得た全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0016】
従来の口腔インプラントナビゲーション手術では、マークポイントのレジストレーション法により仮想画像空間と視覚空間とのマッピング関係を決定することで、手術器具の空間位置のリアルタイム追跡が実現される。解剖学的ランドマークを用いてアライメントを行う場合、レジストレーション精度が低いという問題があり、人工マークポイントを用いてレジストレーションを行う場合、人工マークポイントを患者の歯槽突起または顎骨に植え込む必要があり、これは、患者に不必要な創傷をもたらし、感染さえ引き起こしてしまう。上記の問題に対し、本願の実施例は、歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法を提供する。図1は本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法のフローチャートである。図1に示すように、キャリブレーション方法は下記のステップ110~120を含む。
【0017】
(110):走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、第2の視覚マークに対する走査領域の位置を取得する。
【0018】
具体的に、歯科インプラント手術器具を追跡する前に、変換行列を取得して、空間座標と3次元座標での変換関係を構築する必要がある。変換行列を取得する際、走査装置を使用して手術領域に対して走査を行う。ここで、手術領域とは、例えば患者の口腔顎骨や患者の歯などの、歯科手術における医療処置が必要な関連領域を指すが、本願の実施例において特に限定されるものではない。走査装置は、手術領域を走査して3次元シーン内の手術領域を構築するように配置される。走査装置によって走査して得られた走査領域は、手術領域の一部であり、3次元シーンにおける走査領域に対応する。走査領域の走査位置は、走査装置の中心に対する位置座標である。視覚マークは、視覚センサなどの装置によって位置情報をリアルタイムに捕捉可能なマークであり、第1の視覚マークおよび第2の視覚マークは、いずれも視覚マークが設けられた位置を区別するように配置される。第1の視覚マークは、走査装置に設けられ、第2の視覚マークは、手術領域に設けられ、第1の視覚マークの空間位置は、走査装置の空間位置を示すように配置され、第2の視覚マークは、手術領域の空間位置を示すように配置され、走査位置は、走査装置に対する走査領域の位置を表すように配置される。第1の視覚マークの空間位置、第2の視覚マークの空間位置、および走査領域の走査位置に対して、空間座標変換を行うことで、第2の視覚マークに対する走査領域の位置を得ることができる。
【0019】
(120):第2の視覚マークに対する走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得する。
【0020】
具体的に、第2の視覚マークに対する走査領域の位置と、3次元シーンにおける走査領域に対応する位置とをレジストレーションして、第2の視覚マークに対する位置から3次元シーンにおける位置への変換関係、すなわち変換行列を得ることができる。変換行列により、第2の視覚マークに対する任意の位置を3次元シーンにおける位置に変換することができる。また、第2の視覚マークは手術領域の位置を表すことができるため、変換行列に基づく変換は、実際の操作中の手術領域の位置の変化によって妨害されることなく、第2の視覚マークに対する手術器具の位置は変換行列により変換され、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンにおける手術器具の位置の変化をリアルタイムに反映することができ、手術器具のリアルタイム追跡を実現することができる。
【0021】
本願の実施例によって提供される方法は、手術領域に設けられた第2の視覚マークと走査装置に設けられた第1の視覚マークにより、変換行列を取得して、変換行列を手術器具の追跡に適用する。これにより、マークポイントを患者の体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンにおける手術器具の位置の変化をリアルタイムに反映することができ、正確な手術器具のリアルタイム追跡を実現することができる。
【0022】
上記実施例に基づき、ステップ110は、具体的に、下記のステップ111~112を含む。
【0023】
(111):第1の視覚マークの空間位置に基づき、走査装置の空間位置を取得する。
【0024】
具体的に、第1の視覚マークは、走査装置上の任意の位置に配置され、第1の視覚マークの空間位置は、走査装置における第1の視覚マークの配置位置の空間位置を表すのにしか使用できず、走査装置、特に走査装置の中心点の位置を正確に表すことはできない。従って、第1の視覚マークの空間位置を取得した後、第1の視覚マークの走査装置での具体的な位置に基づいて、走査装置の空間位置を取得する。
【0025】
さらに、第1の視覚マークの空間位置が同次行列
で表され、走査装置の中心に対する第1の視覚マークの位置が同次行列
で表されると仮定する。式の中において、Sは走査装置の座標系、M1は第1の視覚マークの座標系、Vは空間座標系を表し、第1の視覚マークの空間位置
と、走査装置の中心に対する第1の視覚マークの位置
とに基づいて、走査装置の空間位置
を取得する。
【0026】
(112):走査領域の走査位置と、走査装置の空間位置とに基づいて、走査領域の空間位置を取得する。
【0027】
走査領域の走査位置、すなわち走査装置がある時点で取得した、走査装置の中心に対する3次元座標点が
であると仮定し、走査領域の走査位置を空間座標系に変換して、走査領域の空間位置である
を得る。
【0028】
(113):走査領域の空間位置と、第2の視覚マークの空間位置とに基づいて、第2の視覚マークに対する走査領域の位置を取得する。
【0029】
第2の視覚マークの空間位置が
であると仮定する。式の中において、M2は第2の視覚マークの座標系を表す。走査領域の空間位置
と第2の視覚マークの空間位置
とに基づいて、走査領域の空間位置を第2の視覚マーク座標系に変換し、第2の視覚マークに対する走査領域の位置
を得る。
【0030】
上記のいずれかの実施例に基づき、ステップ120は、具体的に、反復最近点アルゴリズムに基づいて3次元シーンにおける走査領域に対応する位置を取得することと、第2の視覚マークに対する走査領域の位置および3次元シーンにおける走査領域に対応する位置に基づいて変換行列を取得することとを含む。
【0031】
具体的に、反復最近点(Iterative Closest Point、ICP)アルゴリズムは、反復計算方法であり、主にコンピュータビジョンにおけるデプス画像の正確なスティッチングに用いられ、ソースデータとターゲットデータの対応するポイントを継続的に反復して最小化することにより、正確なスティッチングを実現する。本願の実施例では、反復最近点アルゴリズムで3次元シーンにおける走査領域に対応する位置を取得する。
【0032】
第2の視覚マークに対する走査領域の位置を
、3次元シーンにおける走査領域に対応する位置を
と仮定すると、変換行列、すなわち
)は、第2の視覚マーク座標系から3次元シーン座標系への変換を実現するために用いられる。式の中おいて、CTは3次元シーン座標系を指す。
【0033】
上記のいずれかの実施例に基づき、図2は、本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法のフローチャートである。図2に示すように、当該追跡方法は下記のステップ210~220を含む。
【0034】
(210):手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に設けられた第3の視覚マークの空間位置とを捕捉する。
【0035】
具体的に、歯科インプラント手術では、インプラント手術のナビゲーションを実現するために、手術器具と手術領域のそれぞれに視覚マークが設けられる。ここで、手術器具とは、歯科手術において使用される医療器具を指し、手術領域とは、例えば患者の口腔顎骨や患者の歯などの、歯科手術における医療処置が必要な関連領域を指すが、本願の実施例において特に限定されるものではない。視覚マークは、視覚センサなどの装置によって位置情報をリアルタイムに捕捉可能なマークであり、第3の視覚マークおよび第2の視覚マークは、いずれも視覚マークが設けられた位置を区別するように配置される。第3の視覚マークは手術器具に設けられ、第2の視覚マークは手術領域に設けられ、第3の視覚マークの空間位置は手術器具の空間位置を示すように配置され、第2の視覚マークは手術領域の空間位置を示すように配置される。
【0036】
(220):第3の視覚マークの空間位置と、第2の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける手術器具の位置を更新する。
【0037】
ここで、変換行列は、上記のいずれかの実施例により提供されたキャリブレーション方法に基づいて取得されたものであり、空間位置と3次元シーンにおける位置との変換を実現するように配置される。例えば、第3の視覚マークの空間位置および第2の視覚マークの空間位置に基づいて、第2の視覚マークに対する第3の視覚マークの位置を取得し、そして、変換行列に基づいて第2の視覚マークに対する第3の視覚マークの位置を3次元座標における、手術領域に対する手術器具の位置に変換することにより、手術器具の位置のリアルタイム追跡を実現し、医療従事者が手術を行うように指導する。
【0038】
本願の実施例によって提供される方法は、変換行列を手術器具の追跡に適用することで、マークポイントを患者体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンにおいて手術器具の位置変化をリアルタイムに反映することができ、正確な手術器具のリアルタイム追跡を実現することができる。
【0039】
上記のいずれかの実施例に基づき、ステップ220は、具体的に、下記のステップ221~222を含む。
【0040】
(221):第3の視覚マークの空間位置に基づいて手術器具の空間位置を取得する。
【0041】
具体的に、第3の視覚マークは、手術器具上の任意の位置に設けられ、第3の視覚マークの空間位置は、手術器具における第3の視覚マークの配置位置の空間位置を表すのにしか使用できず、手術器具、特に手術器具の中心点の位置を正確に表すことはできない。従って、第3の視覚マークの空間位置を取得した後、第3の視覚マークの手術器具での具体的な位置に基づいて、手術器具の空間位置を取得する。
【0042】
さらに、第3の視覚マークの空間位置が同次行列
で表され、手術器具の中心に対する第3の視覚マークの位置が同次行列
で表されると仮定する。式の中において、Rは手術器具の座標系、M3は第3の視覚マークの座標系、Vは空間座標系を表し、第3の視覚マークの空間位置
と、手術器具の中心に対する第3の視覚マークの位置
とに基づいて、手術器具の空間位置
を取得する。
【0043】
(222):手術器具の空間位置と、第2の視覚マークの空間位置とに基づいて、第2の視覚マークに対する手術器具の位置を取得する。
【0044】
第2の視覚マークの空間位置が
であると仮定する。式の中において、M2は第2の視覚マーク座標系を表す。手術器具の空間位置
と第2の視覚マークの空間位置
とに基づいて、手術器具の空間位置を第2の視覚マーク座標系に変換し、第2の視覚マークに対する手術器具の位置
を得る。
【0045】
(223):第2の視覚マークに対する手術器具の位置と変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける手術器具の位置を更新する。
【0046】
変換行列が
であると仮定する。式の中においてCTは3次元シーン座標系を表す。第2の視覚マークに対する手術器具の位置を3次元シーン座標系に変換し、3次元シーンにおける手術器具の位置
を得る。
【0047】
上記のいずれかの実施例に基づき、図3は、本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置の構成模式図であり、図3に示すように、歯科インプラント手術器具追跡方法を実行する前に、まず変換行列を取得する必要がある。患者の前頭骨である患者の手術領域303には、第2の視覚マーク306が設けられている。走査装置302は光スキャナーであり、走査装置302には、第1の視覚マーク305が設けられている。光学ナビゲータ301は、第2の視覚マーク306および第1の視覚マーク305の空間位置を捕捉するように配置される。
【0048】
走査装置302において、走査装置302の光学的中心に対する第1の視覚マーク305の位置姿勢関係はキャリブレーションされることにより、同次行列
で表され得る。式の中において、Sは走査装置302の座標系を表し、M1は第1の視覚マーク305の座標系を表す。同次行列
は既知であると、走査装置302の走査中に光学ナビゲータ301に対する走査装置302の光学的中心の相対位置、すなわち走査装置302の空間位置(同次行列で表すと、
)を得ることができる。Vは、空間座標系、すなわち光学ナビゲータ301を中心とする座標系を表す。
【0049】
第2の視覚マーク306と患者の歯との相対的な位置関係は常に変化しない。第1の視覚マーク305付きの走査装置302を用いて患者の口腔を走査する。走査中に光学ナビゲータ301は、第2の視覚マーク306と第1の視覚マーク305の空間位置をリアルタイムに追跡し、走査して得られた患者の口腔の曲面上の走査領域、すなわち3次元空間点を第2の視覚マーク306の座標系に変換して表す。具体的な方法は、変換行列
に基づいて、走査装置302によって収集された走査領域304の座標点を光学ナビゲータ301の視覚座標系に変換し、すなわち口腔走査のある時点で走査装置302の光学的中心に対する3次元座標点
を取得し、光学ナビゲータ301の視覚座標系に変換すると
となることである。同一の時点で、光学ナビゲータ301の視覚座標系における第2の視覚マーク306の位置姿勢は
であるため、3次元走査点を第2の視覚マーク306の座標系に変換して表すことができ、すなわち第2の視覚マーク306に対する走査領域304の位置
を得る。
【0050】
そして、第2の視覚マーク306に対する走査領域304の位置
を3次元シーンとレジストレーションし、反復最近点アルゴリズムを使用して変換行列
を算出する。
【0051】
変換行列を取得した後、歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法を実行する。
【0052】
手術器具に第3の視覚マークを設ける。手術器具を追跡するを行うとき、光学ナビゲータ301は、第3の視覚マークおよび第2の視覚マーク306の空間位置をリアルタイムに追跡する。第3の視覚マークの空間位置は、同次行列
で表され、手術器具において、手術器具の中心に対する第3の視覚マークの位置姿勢関係がキャリブレーションされ、同次行列
で表され得る。式の中において、Rは手術器具の座標系、M3は第3の視覚マークの座標系、Vは空間座標系を表し、第3の視覚マークの空間位置
と、手術器具の中心に対する第3の視覚マークの位置
とに基づいて、手術器具の空間位置
を取得する。
【0053】
第2の視覚マーク306と患者の歯との相対的な位置関係は常に変化しない。手術器具を追跡するとき、光学ナビゲータ301は第2の視覚マーク306の空間位置
をリアルタイムに追跡する。式の中において、M2は第2の視覚マーク306座標系を表す。手術器具の空間位置
と第2の視覚マーク306の空間位置
とに基づいて、手術器具の空間位置を第2の視覚マーク306の座標系に変換し、第2の視覚マーク306に対する手術器具の位置
を得る。そして、第2の視覚マーク306に対する手術器具の位置を3次元シーン座標系に変換し、3次元シーンにおける手術器具の位置
を得る。
【0054】
本願の実施例によって提供される方法は、手術領域303に設けられた第2の視覚マーク306および走査装置302に設けられた第1の視覚マーク305により、変換行列を取得して、変換行列を手術器具の追跡に適用することで、マークポイントを患者体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンにおいて手術器具の位置変化をリアルタイムに反映することができ、正確な手術器具のリアルタイム追跡を実現することができる。
【0055】
上記のいずれかの実施例に基づき、図4は、本願の他の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置の構成模式図であり、図4に示すように、歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション装置は、相対位置取得ユニット410と、変換行列取得ユニット420とを備える。
ここで、相対位置取得ユニット410は、走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得するように配置される。
変換行列取得ユニット420は、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得するように配置される。
【0056】
本願の実施例によって提供される装置は、手術領域に設けられた第2の視覚マークと走査装置に設けられた第1の視覚マークにより、変換行列を取得して、変換行列を手術器具の追跡に適用することで、マークポイントを患者の体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンにおいて手術器具の位置変化をリアルタイムに反映することができ、正確な手術器具のリアルタイム追跡を実現することができる。
【0057】
上記のいずれかの実施例に基づき、相対位置取得ユニット410は、装置空間サブユニット、領域空間サブユニットおよび領域相対サブユニットを備える。
装置空間サブユニットは、前記第1の視覚マークの空間位置に基づいて、前記走査装置の空間位置を取得するように配置される。
領域空間サブユニットは、前記走査領域の走査位置と前記走査装置の空間位置とに基づいて、前記走査領域の空間位置を取得するように配置される。
領域相対サブユニットは、前記走査領域の空間位置と、前記第2の視覚マークの空間位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得するように配置される。
【0058】
上記のいずれかの実施例に基づいて、装置空間サブユニットは、前記第1の視覚マークの空間位置と、前記走査装置の中心に対する前記第1の視覚マークの位置とに基づいて、前記走査装置の空間位置を取得するように配置される。
【0059】
上記のいずれかの実施例に基づいて、変換行列取得ユニット420は、反復最近点アルゴリズムに基づいて前記3次元シーンにおける前記走査領域に対応する位置を取得し、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置と、前記3次元シーンにおける前記走査領域に対応する位置とに基づいて前記変換行列を取得するように配置される。
【0060】
上記のいずれかの実施例に基づき、図5は、本願の実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術の追跡装置の構成模式図であり、図5に示すように、歯科インプラントナビゲーション手術の追跡装置は、捕捉ユニット510と、追跡ユニット520とを備える。
ここで、捕捉ユニット510は、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置および手術器具に設けられた第3の視覚マークの空間位置を捕捉するように配置される。
追跡ユニット520は、前記第2の視覚マークの空間的位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新するように配置され、ここで、前記変換行列は、上述の実施例に記載されたキャリブレーション方法に基づいて取得されたものである。
【0061】
本願の実施例によって提供される装置は、変換行列を手術器具の追跡に適用することで、マークポイントを患者体内に植え込む必要がなく、手術中に患者の頭が動いても、3次元シーンにおいて手術器具の位置変化をリアルタイムに反映することができ、正確な手術器具のリアルタイム追跡を実現することができる。
【0062】
上記のいずれかの実施例に基づき、追跡ユニット520は、具体的に、器具空間サブユニットと、器具相対サブユニットと、器具3次元サブユニットとを備える。
器具空間サブユニットは、前記第3の視覚マークの空間位置に基づいて、前記手術器具の空間位置を取得するように配置される。
器具相対サブユニットは、前記手術器具の空間位置と、前記第2の視覚マークの空間位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記手術器具の位置を取得するように配置される。
器具3次元サブユニットは、前記第2の視覚マークに対する前記手術器具の位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新するように配置される。
【0063】
図6は、本願の実施例によって提供される電子装置の実体構成模式図であり、図6に示すように、当該電子装置は、プロセッサ(processor)601、通信インタフェース(Communications Interface)602、メモリ(memory)603および通信バス604を備えてもよく、ここで、プロセッサ601、通信インタフェース602、メモリ603は、通信バス604を介して相互間の通信を行う。プロセッサ601は、上述の各実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法を実行するように、メモリ603に記憶された、プロセッサ601上で実行可能なコンピュータプログラムを呼び出すことが可能である。当該キャリブレーション方法は、例えば、走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得することと、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得することと、を含む。
【0064】
また、プロセッサ601は、上述の各実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法を実行するように、メモリ603に記憶された、プロセッサ601上で実行可能なコンピュータプログラムを呼び出すことが可能である。当該追跡方法は、例えば、手術領域に配置された第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に配置された第3の視覚マークの空間位置とを捕捉することと、前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新することと、を含み、ここで、前記変換行列は、キャリブレーション方法に基づいて取得されたものである。
【0065】
また、上述のメモリ603内の論理命令は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現されてもよく、独立した製品として販売されたり、使用されたりする場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本願の実施例の技術案は、本質上、或いは従来技術に寄与する部分または該技術案の部分がソフトウェア製品の形式で表現することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、1つのコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置等であってもよい)に本願の各実施例に記載の方法の全部または一部のステップを実行させるための複数の命令を含む。前述の記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードドライブ、リードオンリメモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶可能な媒体を含んでいる。
【0066】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記の各実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術のキャリブレーション方法が実現される。当該キャリブレーション方法は、例えば、走査装置に設けられた第1の視覚マークの空間位置と、手術領域に設けられた第2の視覚マークの空間位置と、前記走査装置によって走査して得られた走査領域の走査位置とに基づいて、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を取得することと、前記第2の視覚マークに対する前記走査領域の位置を3次元シーンとレジストレーションして、変換行列を取得することと、を含む。
【0067】
本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記の各実施例によって提供される歯科インプラントナビゲーション手術の追跡方法が実現される。当該追跡方法は、例えば、手術領域に配置された第2の視覚マークの空間位置と、手術器具に配置された第3の視覚マークの空間位置とを捕捉することと、前記第2の視覚マークの空間位置と、前記第3の視覚マークの空間位置と、変換行列とに基づいて、3次元シーンにおける前記手術器具の位置を更新することと、を含み、ここで、前記変換行列は、キャリブレーション方法に基づいて取得されたものである。
【0068】
以上に説明した装置の実施例は、例示的なものに過ぎず,そのうち、上記の個別の部材として説明するユニットは、物理的に分離されているものであってもなくてもよく、ユニットとして示される部材は物理ユニットであってもなくてもよく、1つの場所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに分布してもよい。本実施例の技術案の目的を実現するように、そのうちの一部又はすべてのモジュールを実際の必要に応じて選択してもよい。当業者は創造的な労働を行うこなく,理解および実施することができる。
【0069】
上記の実施形態の説明に従って、当業者は、各実施形態がソフトウェアおよび必要な共通のハードウェアプラットフォームによって実現できること、もちろん、ハードウェアによっても実現できることを明確に理解することができる。この理解に基づいて、上記技術案は、本質上、或いは従来技術に寄与する部分が、ソフトウェア製品の形式で表現することができ、当該コンピューターソフトウェア製品は、例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどのコンピューター可読記憶媒体に保存されてもよく、1つのコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置などであってもよい)に各実施例又は実施例のいくつかの部分で説明される方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0070】
上記実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前述の実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、前述の各実施例に記載された技術案を修正し、又はその一部の技術特徴を等価的に置き換えることができ、これらの修正又は置き換えが、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の趣旨及び範囲から逸脱させるものではないと理解できるはずである。
【符号の説明】
【0071】
301…光学ナビゲータ
302…走査装置
303…手術領域
304…走査領域
305…第1の視覚マーク
306…第2の視覚マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】