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特表2022-515526凍結保存中の卵母細胞および胚のための凍結保存装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】凍結保存中の卵母細胞および胚のための凍結保存装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/24 20060101AFI20220210BHJP
   A61B 17/425 20060101ALI20220210BHJP
   A01N 1/02 20060101ALI20220210BHJP
   C12N 1/04 20060101ALN20220210BHJP
   C12N 5/073 20100101ALN20220210BHJP
【FI】
C12M1/24
A61B17/425
A01N1/02
C12N1/04
C12N5/073
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538090
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 US2019068299
(87)【国際公開番号】W WO2020139819
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】62/785,819
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
(71)【出願人】
【識別番号】521125523
【氏名又は名称】オーバーチュア ライフ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ムンネ,サンティアゴ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ビジャルバ,タマラ
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー,ジョナサン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クロスリー,ピーター リー
(72)【発明者】
【氏名】ヘア,ハンナ ヴィクトリア
(72)【発明者】
【氏名】レイ,レベッカ ヘレン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー,マイケル イアン
(72)【発明者】
【氏名】ストーン,エドウィン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】セス-スミス,ミッチェル ルイス
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
4C160
4H011
【Fターム(参考)】
4B029AA27
4B029BB11
4B029GA02
4B029GB02
4B029GB10
4B065AA90X
4B065BD09
4B065BD12
4B065CA44
4B065CA60
4C160HH01
4H011CA01
4H011CB08
4H011CC01
4H011CD06
(57)【要約】
本明細書に記載されるのは、卵母細胞または胚などの、細胞または多数の細胞の塊の凍結保存を容易にするための装置、システム、および方法である。本開示の装置は、例えば、体外受精のガラス化および/または昇温プロセスの間、卵母細胞または胚を保存し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結保存装置であって、
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体が
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャー、および
(c)内容物であって、
(i)細胞、および
(ii)媒体の一定量を含む内容物を含み、
前記内容物は前記底部開口と前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する前記中空部分のセクション内にあり、かつ
前記媒体の一定量は、前記中空部分の前記セクションに含まれる場合、前記中空部分の前記セクションを冷却剤に浸漬すると少なくとも約200℃/分の平均速度で冷却する、凍結保存装置。
【請求項2】
前記スライド可能なプランジャーを前記中空部分に密封するシールをさらに備える、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項3】
前記シールは、前記中空部分への前記スライド可能なプランジャーの嵌め込みによって形成される、請求項2に記載の凍結保存装置。
【請求項4】
シールがシール装置によって形成される、請求項2記載の凍結保存装置。
【請求項5】
前記中空部分の第2セクションのシール時に閉鎖系が形成され、前記内容物が前記中空部分の前記第2セクションと前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項6】
前記中空部分内にシールをさらに含み、前記内容物は、前記中空部分内のシールと前記スライド可能なプランジャーの下端との間に位置する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項7】
前記毛管要素が円筒形である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項8】
前記中空部分が略円筒形である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項9】
前記スライド可能なプランジャーが略円筒形である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項10】
前記毛管要素が剛性である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項11】
前記毛管要素が前記毛管要素の長さにわたってほぼ一定の断面積を有し、前記毛管要素の長さは、前記第1の細長い本体の前記下端と前記第1の細長い本体の前記上端との間の領域である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項12】
前記中空部分の直径が、約0.1mm~約2mmである、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項13】
前記毛管要素が、約0.03mm~約5mmの断面積を有する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項14】
前記毛管要素が、最大で1.5mmの壁厚を有する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項15】
前記内容物が、約0.2μL~約5μLの分量である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項16】
前記内容物が約2μLの分量である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項17】
前記細胞が卵母細胞である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項18】
前記細胞が卵子である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項19】
前記細胞が、複数の細胞の塊の一部である、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項20】
前記複数の細胞の塊が胚である、請求項19に記載の凍結保存装置。
【請求項21】
前記複数の細胞の塊が接合子である、請求項19に記載の凍結保存装置。
【請求項22】
前記複数の細胞の塊が胚盤胞である、請求項19に記載の凍結保存装置。
【請求項23】
前記複数の細胞の塊が卵丘複合体である、請求項19に記載の凍結保存装置。
【請求項24】
前記媒体の一定量が、約0.2μL~約5μLである、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項25】
前記媒体の一定量が約1μLである、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項26】
前記内容物がガラス化される場合、前記媒体の一定量は、前記中空部分の前記セクション内に含まれる場合、前記中空部分の前記セクションを約30℃以上の温度で液体に浸漬すると、少なくとも約10,000℃/分の平均速度で昇温する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項27】
前記液体が約37℃の温度を有する、請求項26に記載の凍結保存装置。
【請求項28】
前記毛管要素が、少なくとも約0.05W/m・Kの熱伝導率を有する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項29】
前記毛管要素が、0.2W/m・Kから約0.5W/m・Kの熱伝導率を有する、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項30】
前記第1の細長い本体が、ヒートシールされる、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項31】
細長いケーシングをさらに備え、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが、前記細長いケーシングの第1の端部内に収容される、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項32】
前記細長いケーシングの前記第1の端部に前記毛管要素を接続するタブをさらに備える、請求項31に記載の凍結保存装置。
【請求項33】
前記細長いケーシングに取り付けられた変位機構をさらに備え、前記変位機構は、前記変位機構の作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、請求項31に記載の凍結保存装置。
【請求項34】
前記スライド可能なプランジャーの前記下端は前記毛管要素内にあり、
前記スライド可能なプランジャーの前記上端は前記毛管要素の外側にある、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項35】
前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約15度から約100度の角度で曲げられて、曲げられた端部を形成している、請求項34に記載の凍結保存装置。
【請求項36】
前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約90度の角度で曲げられて、前記曲げられた端部を形成している、請求項35に記載の凍結保存装置。
【請求項37】
ピペッターをさらに含み、前記ピペッターが
(I)上端と下端とを備える細長いケーシングであって、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが前記細長いケーシングの前記下端内に収容されている細長いケーシング、
(II)クランプ機構であって、前記細長いケーシングの前記下端に前記毛管要素を接続するタブにクランプされている、クランプ機構、
(III)ピペットプランジャーであって、上端と、下端と、前記ピペットプランジャーの前記上端を前記ピペットプランジャーの前記下端に接続する第3の細長い本体とを備えるピペットプランジャー、および
(IV)前記ピペットプランジャーを前記細長いケーシングに接続しており、前記ピペットプランジャーを作動させるように構成されている作動要素、を含み、
前記ピペットプランジャーの前記下端は前記細長いケーシング内にあり、
前記ピペットプランジャーの前記上端は前記細長いケーシングの外側にあり、かつ
前記ピペットプランジャーは、前記ピペットプランジャーの作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、
請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項38】
前記ピペットプランジャーが前記第3の細長い本体上に突起をさらに備え、
前記ピペッターがさらにばねを含み、
前記ばねは前記第3の細長い本体の周りに巻き付けられ、前記ピペットプランジャーの前記下端と前記突起との間に位置しており、
前記ばねが前記突起に接触しており、
前記突起が前記ばねを所定の位置に保持するように構成されており、かつ
前記ばねは前記ピペットプランジャーの運動を減衰させるように構成されている、
請求項37に記載の凍結保存装置。
【請求項39】
前記ピペットプランジャーの前記上端に動作可能に接続されたボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すことによって前記ピペットプランジャーが前記細長いケーシングを通って作動するように構成されている、請求項37に記載の凍結保存装置。
【請求項40】
前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に直接接続されている、請求項37に記載の凍結保存装置。
【請求項41】
前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に間接的に接続されている、請求項37に記載の凍結保存装置。
【請求項42】
前記第1の細長い本体上に位置する識別子をさらに備える、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項43】
外側構造と内側空隙とを備えるカバーをさらに備え、前記第1の細長い本体の少なくとも一部が、前記カバーの前記内側空隙内にある、請求項1に記載の凍結保存装置。
【請求項44】
以下を含む方法であって、
(a)凍結保存装置の一部を、内容物を含む容器に挿入することであって、このとき、
前記内容物が、
媒体の一定量、および
細胞、を含み
前記凍結保存装置は
(I)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体が
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(II)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャーを含む、こと、および
(b)工程(a)の後、前記毛管要素に前記内容物を装填することによって前記毛管要素の装填部分を生成すること、
を含む、方法。
【請求項45】
前記毛管要素に装填することは、前記スライド可能なプランジャーの前記下端が前記底部開口から離れて前記頂部開口に向かって移動するように、前記スライド可能なプランジャーを前記毛管要素の長手方向軸に沿ってスライドさせることを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
工程(a)の前に、空気の第1の分量を前記毛管要素に装填することによって上部空気間隙を生成する工程をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
空気の第1の分量を前記毛管要素に装填することは、前記スライド可能なプランジャーの前記下端が前記底部開口から離れて前記頂部開口に向かって移動するように、前記スライド可能なプランジャーを前記毛管要素の長手方向軸に沿ってスライドさせることを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記上部空気間隙は、前記スライド可能なプランジャーの前記下端と前記毛管要素の前記装填部分との間に位置する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
工程(b)の後に、
(c)前記凍結保存装置の前記一部を前記容器から取り除くこと、および
(d)工程(c)の後、前記毛管要素の前記装填部分を冷却剤に浸漬することによって前記内容物をガラス化すること、
をさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
工程(c)の後かつ工程(d)の前に、前記毛管要素に空気の一定量を装填することによって、下部空気間隙を生成することをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
空気の一定量を前記毛管要素に装填することが、前記スライド可能なプランジャーの前記下端が前記底部開口から離れて前記頂部開口に向かって移動するように、前記スライド可能なプランジャーを前記毛管要素の長手方向軸に沿ってスライドさせることを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記下部空気間隙が、前記底部開口と前記毛管要素の前記装填部分との間にある、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
工程(c)の後かつ工程(d)の前に、
前記第1の細長い本体をある位置で加熱し、それによって、前記位置でヒートシールを生成することをさらに含み、前記毛管要素の前記装填部分は、前記ヒートシールと前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間にある、
請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記内容物をガラス化することは、前記媒体の一定量を少なくとも約200℃/分の平均速度で冷却することを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記冷却剤が液体窒素である、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
工程(d)の後に
(e)前記冷却剤から前記毛管要素の前記装填部分を取り除くこと、および
(f)前記毛管要素の前記装填部分を約30℃以上の温度で液体に浸漬することによって、前記媒体の一定量を少なくとも約10,000℃/分の平均速度で昇温すること、
をさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項57】
前記液体が約37℃の温度を有する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記凍結保存装置が、前記スライド可能なプランジャーを前記中空部分に密封するシールをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項59】
前記シールが、前記中空部分への前記スライド可能なプランジャーの嵌め込みによって形成される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記シールがシール装置によって形成される、請求項58記載の方法。
【請求項61】
前記毛管要素が円筒形である、請求項44に記載の方法。
【請求項62】
前記中空部分が略円筒形である、請求項44に記載の方法。
【請求項63】
前記スライド可能なプランジャーが、略円筒形である、請求項44に記載の方法。
【請求項64】
前記毛管要素が剛性である、請求項44に記載の方法。
【請求項65】
前記毛管要素が前記毛管要素の長さにわたってほぼ一定の断面積を有し、前記毛管要素の長さは、前記第1の細長い本体の前記下端と前記第1の細長い本体の前記上端との間の領域である、請求項44に記載の方法。
【請求項66】
前記中空部分の直径が約0.1mm~約2mmである、請求項44に記載の方法。
【請求項67】
前記毛管要素が、約0.03mm~約5mmの断面積を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項68】
前記毛管要素が、最大で1.5mmの壁厚を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項69】
前記内容物が、約0.2μL~約5μLの分量である、請求項44に記載の方法。
【請求項70】
前記内容物が約2μLの分量である、請求項44に記載の方法。
【請求項71】
前記細胞が卵母細胞である、請求項44に記載の方法。
【請求項72】
前記細胞が卵子である、請求項44に記載の方法。
【請求項73】
前記細胞が、複数の細胞の塊の一部である、請求項44に記載の方法。
【請求項74】
前記複数の細胞の塊が胚である、請求項73記載の方法。
【請求項75】
前記複数の細胞の塊が接合子である、請求項73記載の方法。
【請求項76】
前記複数の細胞の塊が胚盤胞である、請求項73記載の方法。
【請求項77】
前記複数の細胞の塊が卵丘複合体である、請求項73記載の方法。
【請求項78】
前記媒体の一定量が、約0.2μL~約5μLである、請求項44に記載の方法。
【請求項79】
前記媒体の一定量が約1μLである、請求項44に記載の方法。
【請求項80】
前記毛管要素が、少なくとも0.05W/m・Kの熱伝導率を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項81】
前記毛管要素が、約0.2W/m・Kから約0.5W/m・Kの熱伝導率を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項82】
前記毛管要素が、約0.33W/m・Kの熱伝導率を有する、請求項44に記載の方法。
【請求項83】
前記凍結保存装置が細長いケーシングをさらに備え、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの上端とが、前記細長いケーシングの第1の端部内に収容されている、請求項44に記載の方法。
【請求項84】
工程(b)の後に
(c)前記凍結保存装置の前記一部を前記容器から取り除くこと、
(d)前記細長いケーシングから前記毛管要素および前記スライド可能なプランジャーを取り除くことによって、前記凍結保存装置の少なくとも一部分を取り外すこと、および
(e)前記毛管要素の前記装填部分を冷却剤に浸漬することによって前記内容物をガラス化すること、
をさらに含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記凍結保存装置が、前記細長いケーシングの前記第1の端部に前記毛管要素を接続するタブをさらに備える、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
前記凍結保存装置が、前記細長いケーシングに取り付けられた変位機構をさらに備え、前記変位機構は、前記変位機構の作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、請求項83に記載の方法。
【請求項87】
前記スライド可能なプランジャーの前記下端は前記毛管要素内にあり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの前記上端は前記毛管要素の外側にある、
請求項44に記載の方法。
【請求項88】
前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約15度~約100度の角度で曲げられ、曲げられた端部を形成している、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約90度の角度で曲げられ、前記曲げられた端部を形成している、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記凍結保存装置がピペッターをさらに含み、前記ピペッターが
(I)上端と下端とを備える細長いケーシングであって、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが前記細長いケーシングの前記下端内にそれぞれ挿入されている、細長いケーシング、
(II)クランプ機構であって、前記細長いケーシングの前記下端に前記毛管要素を接続するタブにクランプされている、クランプ機構、
(III)ピペットプランジャーであって、上端と、下端と、前記ピペットプランジャーの前記上端を前記ピペットプランジャーの前記下端に接続する第3の細長い本体とを備えるピペットプランジャー、および
(IV)前記ピペットプランジャーを前記細長いケーシングに接続しており、前記ピペットプランジャーを作動させるように構成されている作動要素、を含み、
前記ピペットプランジャーの前記下端は前記細長いケーシング内にあり、
前記ピペットプランジャーの前記上端は前記細長いケーシングの外側にあり、かつ
前記ピペットプランジャーは前記ピペットプランジャーの作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、
請求項44に記載の方法。
【請求項91】
前記ピペットプランジャーは前記第3の細長い本体上に突起をさらに備え、
前記ピペッターはさらにばねを含み、
前記ばねは前記第3の細長い本体の周りに巻き付けられ、前記ピペットプランジャーの前記下端と前記突起との間に位置しており、
前記ばねが前記突起に接触しており、
前記突起は前記ばねを所定の位置に保持するように構成されており、かつ
前記ばねは前記ピペットプランジャーの運動を減衰させるように構成されている、
請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記凍結保存装置が、前記ピペットプランジャーの前記上端に動作可能に接続されたボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すことによって前記ピペットプランジャーが前記細長いケーシングを通って作動するように構成されている、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
工程(b)の後に
(c)前記凍結保存装置の部分を前記容器から取り除くこと、
(d)前記細長いケーシングから前記毛管要素および前記スライド可能なプランジャーを取り除くことによって、前記凍結保存装置の少なくとも一部分を取り外すこと、および
(e)前記毛管要素の前記装填部分を冷却剤に浸漬することによって前記内容物をガラス化すること、
をさらに含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に直接接続されている、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に間接的に接続されている、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
凍結保存装置であって、
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー、ならびに
(c)内容物であって、
(i)細胞、および
(ii)媒体の一定量を含む内容物、を含み、
前記内容物は前記底部開口と前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する前記中空部分のセクション内にあり、
前記内容物を含む前記中空部分の前記セクションが冷却剤と接触する場合、
前記内容物はガラス化し、かつ
細胞膜が破裂しない、凍結保存装置。
【請求項97】
(a)凍結保存装置の装填部分を冷却することであって、このとき
前記装填部分は、
媒体の一定量、および
細胞
を含む内容物を含み、
前記凍結保存装置は
(I)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は、
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素
(II)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー、を含む凍結保存装置である
ことを含む、方法。
【請求項98】
(a)凍結保存装置の一部に内容物を装填すること、および
(b)(a)の後、前記凍結保存装置の前記一部を液体窒素に浸漬することによって前記内容物を冷却することを含み、
対照試験において、
前記凍結保存装置の装填部分を生成するために、ガラス化媒体が前記凍結保存装置に装填され、
前記液体窒素が前記ガラス化媒体に接触しないように、前記凍結保存装置の前記装填部分を液体窒素に浸漬し、
前記凍結保存装置の前記装填部分は液体窒素に浸漬されている間、反復運動を行い、かつ
前記ガラス化媒体は、前記ガラス化媒体と接触している熱電対によって測定したときに、少なくとも約900℃/分の平均速度で冷却する
方法。
【請求項99】
前記凍結保存装置が
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体が
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー
を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記ガラス化媒体が、少なくとも約1,500℃/分の平均速度で冷却する、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記ガラス化媒体が、少なくとも約3,000℃/分の平均速度で冷却する、請求項98に記載の方法。
【請求項102】
前記ガラス化媒体が、少なくとも約4,500℃/分の平均速度で冷却する、請求項98に記載の方法。
【請求項103】
凍結保存装置であって、対照試験において、
前記凍結保存装置の装填部分を生成するために、ガラス化媒体は前記凍結保存装置に装填され、
液体窒素がガラス化媒体に接触しないように、前記凍結保存装置の前記装填部分を液体窒素に浸漬し、
前記凍結保存装置の前記装填部分は液体窒素に浸漬されている間、反復運動を行い、かつ
前記ガラス化媒体は、前記ガラス化媒体と接触している熱電対によって測定したときに、少なくとも約900℃/分の平均速度で冷却する、
凍結保存装置。
【請求項104】
前記凍結保存装置がさらに
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、ならびに
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー
を含む、請求項103に記載の凍結保存装置。
【請求項105】
前記ガラス化媒体が、少なくとも約1,500℃/分の平均速度で冷却する、請求項103に記載の凍結保存装置。
【請求項106】
前記ガラス化媒体が、少なくとも約3,000℃/分の平均速度で冷却する、請求項103に記載の凍結保存装置。
【請求項107】
前記ガラス化媒体が、少なくとも約4,500℃/分の平均速度で冷却する、請求項103に記載の凍結保存装置。
【請求項108】
請求項103~107のいずれか1項に記載の前記凍結保存装置と、
内容物を含む容器であって、前記内容物が媒体の一定量および細胞を含む、容器と、
液体窒素浴とを含む、キット。
【請求項109】
ヒートシーラーをさらに含む、請求項108に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔相互参照〕
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、平成30年12月28日に出願された米国仮出願第62/785,819号の利益を主張する。
【0002】
〔背景技術〕
生殖補助は、大きく、成長する市場である。多くの女性が、体外受精(IVF)などの生殖補助技術で後に使用するために、若い間に卵母細胞を凍結保存することを選択している。IVFの過程で、多くの患者が生存可能な胚を余分に産生し、これを保存して将来の妊娠を開始することができる。
【0003】
〔概要〕
いくつかの実施形態では、本開示が以下を含む凍結保存装置を提供する:
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、第1の細長い本体が、
(i)第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)頂部開口を底部開口に接続する第1の細長い本体内部の中空部分であって、中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、スライド可能なプランジャーの上端をスライド可能なプランジャーの下端に接続する第2の細長い本体と、を備え、
スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は、毛管要素の中空部分内にあり、
スライド可能なプランジャーは、頂部開口を通して作動するように構成されており、
部分スライド可能なプランジャーの直径は、部分スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
スライド可能なプランジャーの直径は、中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー、ならびに
(c)内容物であって、
(i)細胞、および
(ii)媒体の一定量を含む内容物を含み、
内容物は、底部開口とスライド可能なプランジャーの下端との間に位置する中空部分のセクション内にあり、
媒体の一定量が、中空部分のセクションに含まれる場合、中空部分のセクションを冷却剤に浸漬すると、少なくとも約200℃/分間の平均速度で冷却される、凍結保存装置。
【0004】
いくつかの実施形態では、本開示が以下を含む方法を提供する、
(a)凍結保存装置の一部を、内容物を含む容器に挿入することであって、
内容物が、
媒体の一定量、および
細胞、を含み、
前記凍結保存装置は、
(I)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、第1の細長い本体が
(i)第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)頂部開口を底部開口に接続する第1の細長い本体内部の中空部分であって、中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、ならびに
(II)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、スライド可能なプランジャーの上端をスライド可能なプランジャーの下端に接続する第2の細長い本体と、を備え、
スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は、毛管要素の中空部分内にあり、
スライド可能なプランジャーは、頂部開口を通して作動するように構成されており、
部分スライド可能なプランジャーの直径は、部分スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
スライド可能なプランジャーの直径は、中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャーを含む、挿入すること、および
(b)工程(a)の後、毛管要素に内容物を装填することによって毛管要素の装填部分を生成すること。
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示が以下を含む凍結保存装置を提供する:
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、第1の細長い本体は、
(i)第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)頂部開口を底部開口に接続する第1の細長い本体内部の中空部分であって、中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、スライド可能なプランジャーの上端をスライド可能なプランジャーの下端に接続する第2の細長い本体と、を備え、
スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は、毛管要素の中空部分内にあり、
スライド可能なプランジャーは、頂部開口を通して作動するように構成されており、
スライド可能なプランジャーの直径は、スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
スライド可能なプランジャーの直径は、中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャー、ならびに
(c)内容物であって、
(i)細胞、および
(ii)媒体の一定量、を含む内容物を含み、
内容物は、底部開口とスライド可能なプランジャーの下端との間に位置する中空部のセクション内にあり、
内容物を含む中空部分のセクションが冷却剤と接触する場合、
内容物はガラス化し、
細胞膜が破裂しない、凍結保存装置。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示が以下を含む方法を提供する:
(a)凍結保存装置の装填部分を冷却することであって、このとき
装填部分は、
媒体の一定量、および
細胞
を含む内容物を含み、
前記凍結保存装置は、
(I)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、第1の細長い本体は、
(i)第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)頂部開口を底部開口に接続する第1の細長い本体内部の中空部分であって、中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(II)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、スライド可能なプランジャーの上端をスライド可能なプランジャーの下端に接続する第2の細長い本体と、を備え、
スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は、毛管要素の中空部分内にあり、
スライド可能なプランジャーは、頂部開口を通して作動するように構成されており、
スライド可能なプランジャーの直径はスライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
スライド可能なプランジャーの直径は、中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャー。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示が以下を含む方法を提供する:
(a)凍結保存装置の一部に内容物を装填すること、および
(b)(a)の後、凍結保存装置の一部を液体窒素に浸漬することによって内容物を冷却することを含み、
対照試験において、
凍結保存装置の装填部分を生成するために、ガラス化媒体が凍結保存装置に装填され、
液体窒素がガラス化媒体に接触しないように、凍結保存装置の装填部分を液体窒素に浸漬し、
凍結保存装置の装填部分は、液体窒素に浸漬されている間、反復運動を行い、かつ
ガラス化媒体はガラス化媒体と接触している熱電対によって測定したときに、少なくとも約900℃/分の平均速度で冷却する。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示が、対照試験において、以下の凍結保存装置を提供する:
凍結保存装置の装填部分を生成するために、ガラス化媒体は凍結保存装置に装填され、
液体窒素がガラス化媒体に接触しないように、凍結保存装置の装填部分を液体窒素に浸漬し、
凍結保存装置の装填部分は、液体窒素に浸漬されている間、反復運動を行い、かつ
ガラス化媒体は、ガラス化媒体と接触している熱電対によって測定したときに、少なくとも約900℃/分の平均速度で冷却する。
【0009】
〔参照による組み込み〕
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個々に示される場合と同じ範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、狭い底部を有する単一のウェルへの、本開示の凍結保存装置の毛管要素の挿入の模式図を示す。狭い底部は、胚を含有する溶液が位置する狭いウェル底部への毛管要素の適合により、毛管要素による胚のピックアップを容易にすることができる。
【0011】
図2Aは、本開示による使い捨て保存装置の実施例を示す。
【0012】
図2Bは、図2Aに示された保存装置の別の図を示す。
【0013】
図3は、図2Aおよび図2Bに示された保存装置の概略断面図を示す。
【0014】
図4は、本開示の使い捨て保存装置の第2の適用例を示す。
【0015】
図5は、図4に示す使い捨て保存装置の概略断面図を示す。
【0016】
図6Aは、本開示の使い捨て保存装置の第3の適用例を示す。
【0017】
図6Bは、細長い状態の図6Aの実施形態を示す。
【0018】
図7は、図6Aおよび図6Bに示された保存装置の概略断面図を示す。
【0019】
図8Aは、再使用可能なピペッターに挿入された使い捨て要素を有する保存装置の実施例を示す。
【0020】
図8Bは、図8Aの再使用可能なピペッターの外側の使い捨て要素を示す。
【0021】
図8Cは、図8Aの例示的な装置のための代替的な使い捨て要素を示す。
【0022】
図9は、ピペッターおよび使い捨て要素の他の実施形態を有する、図8Aおよび8Bに示される保存装置の断面を示す。
【0023】
図10は、凍結保存装置におけるピペッターでの使用を容易にするためのタブに取り付けられた、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体の画像を示す。
【0024】
図11は、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体をピペッターに装填するプロセスに使用される概略図を示す。
【0025】
図12は、カスタムスライド可能プランジャーベンダー(左)および曲げられた端部(右)を有するスライド可能なプランジャーの模式図(右)を示す図である。
【0026】
図13は、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体をピペッターに装填するプロセスに使用される概略図を示す。
【0027】
図14は、本開示の凍結保存装置の画像を示す。
【0028】
図15は、凍結保存装置におけるガラス化後の再温卵母細胞の画像を示す。
【0029】
図16は、本開示の毛管要素の内側に挿入された熱電対の画像を示す。
【0030】
図17は、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体ベースの凍結保存装置内のガラス化媒体の相対冷却速度を示す。
【0031】
〔詳細な説明〕
細胞または複数の細胞の塊の凍結保存を容易にするための装置、システム、および方法が本明細書に記載される。細胞の非限定的な例としては、卵子および卵母細胞が挙げられる。複数の細胞の塊の非限定的な例は、卵丘複合体、接合子、胚盤胞、および胚を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示の装置は、毛管およびスライド可能なプランジャーを備える。スライド可能なプランジャーは、毛管要素に沿ってスライド可能であり得る。本明細書に開示される装置、システム、および方法は、例えば、ガラス化プロセス中の氷結晶の形成を減少させることによって、細胞および複数の細胞の塊の凍結保存を容易にし得る。氷結晶の形成の減少は例えば、凍結保存後の卵母細胞および/または胚生存率の増加をもたらし得る。
【0033】
(IVF中のガラス化)
体外受精(IVF)とは、体外で雌の卵子を受精させることをいう。IVFの前に、雌の被験体から卵子を回収しなければならない。雌の被験者の非限定的な例としては、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、バッファロー、モルモット、ハムスター、ウサギ、ラット、およびマウスが挙げられる。卵子回収の前に、例えばインヒビン、インヒビンとアクチビンとの混合物、クエン酸クロミフェン、卵胞刺激ホルモン(FSH)などのヒト更年期性腺刺激ホルモン、およびFSHと黄体形成ホルモン(LH)、および/またはヒト絨毛性性腺刺激ホルモンの混合物を含む1つ以上のホルモンまたは薬剤の投与を介して、雌の卵胞を刺激することができる。刺激に続いて、超音波を用いて卵胞の発達をモニターすることができる。
【0034】
卵胞が発育すると、卵丘細胞(すなわち、卵丘複合体)に囲まれた卵母細胞を含む卵胞液を回収することができる。卵母細胞の回収は、例えば、経膣超音波ガイド下卵胞吸引、経尿道/経膀胱超音波穿刺、または腹腔鏡的方法を含む様々な方法を通して行うことができる。いくつかの実施形態では、未成熟卵母細胞を回収し、体外で成熟させることができる。いくつかの実施形態では、卵母細胞は卵巣幹細胞、間葉幹細胞、または卵巣組織から発生させることができる。
【0035】
回収後、卵母細胞を卵胞液から単離し、洗浄し、ディッシュなどの容器に入れることができる。約2~約6時間後に、各卵子への精子の直接注入(卵細胞質内精子注入法)、または受精を容易にする条件下でのディッシュ内での精子と卵母細胞の混合により、卵子と精子を受精させる。
【0036】
受精後、卵母細胞および精子を約16時間培養する。培養後、受精した卵母細胞(現状では接合体)を洗浄し、予め調製した培養皿中で受精後3日目まで体外で培養する。培養3日目に胚培養液を変更し、受精後5日目まで胚を培養する。胚培養条件は、体内(37℃)で見出される温度に近い温度、周囲より低い酸素濃度(通常5%)、および高い濃度の二酸化炭素(5~6%)を含むことができる。いくつかの場合において、例えば、安定な温度、浸透圧、およびpHを維持するために、胚培養物を覆うためのオイルが使用される。
【0037】
受精後5日目以降、胚の生検および着床前遺伝子スクリーニングなどの検査を実施することができる。胚は、移植媒体に移動され得、そして胚移植プロセスが生じ得る。胚移植を容易にするために、膣鏡を被験者の膣に挿入して膣壁を開くことができる。次いで、カテーテルを子宮頸部に通し、子宮腔に入れる。子宮内へのカテーテルの最適な位置は子宮底から1~2cmであり、場合によっては超音波でカテーテル留置を誘導する。カテーテルの配置に続いて、1つ以上の胚がカテーテルを通過し、移植が起こり得る子宮に入る。胚が子宮壁に着床すると、妊娠する。
【0038】
IVFプロセスは、常に連続的であるとは限らず、卵母細胞または胚などの細胞または複数の細胞の塊の長期保存を含み得る。長期保存を容易にするために、細胞および/または複数の細胞の塊(例えば、卵母細胞および/または胚)を凍結保存することができる。IVFプロセスの間、卵母細胞または胚の凍結保存は、それぞれ、卵母細胞回収または胚培養(移植工程の直前)の後に行われ得る。凍結保存する卵母細胞は、患者が後日、例えば、適切なパートナーまたは精子ドナーが同定された後に、卵母細胞を受精させることを選択することを可能にし得る。胚の凍結保存は、患者が1回のIVF処置から多胎妊娠を開始できる一方で、妊娠のタイミングもコントロールできる。
【0039】
卵母細胞および/または胚などの細胞または複数の細胞の塊は、例えば、ガラス化プロセスまたはゆっくりとした凍結によって凍結保存され得る。ゆっくりとした凍結とは異なり、ガラス化は、細胞/複数の細胞の塊および細胞外環境のガラス様状態への固化を可能にする一方で、結晶化および細胞/複数の細胞の塊の内部の氷結晶の形成を回避することができる。氷結晶の形成は細胞膜の破裂を起こりやすくし得、したがって、氷結晶の防止は凍結保存後の細胞または複数の細胞の塊(例えば、卵子、卵母細胞、接合体、胚盤胞、胚)の生存率の増加をもたらすことができる。
【0040】
ガラス化プロセスの間、細胞または複数の細胞の塊は、ガラス化媒体(ガラス化溶液とも呼ばれる)に曝露される。いくつかの実施形態では、ガラス化媒体が凍結保護剤(CPA)を含有する。CPAへの暴露は細胞の迅速な脱水を可能にし得、これは氷結晶の形成を防止することを補助する。いくつかの実施形態では、ガラス化媒体がCPAの混合物、例えば、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびスクロースの組み合わせを含有する。いくつかの実施形態では、CPAの組み合わせを使用することにより、CPA含有溶液の毒性を減少させることができる。いくつかの実施形態において、細胞および/または複数の細胞の塊は、ガラス化プロセスの間、増加する濃度のCPAに曝露される。
【0041】
細胞または複数の細胞の塊は、CPAを含有するガラス化媒体と共に所望の濃度のCPAに曝露されると、凍結保存装置に装填され、例えば、凍結保存装置を液体窒素中に浸漬することによって急速に冷却される。ガラス化媒体の急速な冷却は、分子が固定化されるまで細胞内の液体をますます粘性にし、分子を液体状態のままにし、ガラス状の非結晶性粘度を有する固体の特性を付与する。
【0042】
ガラス化を通して、急速な冷却速度およびCPAの存在は、冷却速度の増加および/またはCPA濃度の増加がそれぞれ結晶形成の可能性を減少させるのに伴って、氷結晶の形成を回避することができる。しかしながら、高濃度のCPAは、細胞/複数の細胞の塊に対して有害であり得る。従って、CPA濃度を減少させながら冷却速度を増加させることができる効果的なガラス化方法が有利である。
【0043】
ガラス化プロセス中の冷却速度は例えば、ガラス化されるべき細胞または複数の細胞の塊を含有する媒体の一定量を減少させることによって増加させることができる。付加的または代替的に、冷却速度は、冷却源(例えば、液体窒素)と細胞/複数の細胞の塊および周囲の媒体との間の熱経路を最小限にすることによって増加され得る。媒体の分量および/または熱経路の減少はまた、ガラス化の逆転の間の昇温速度を改善することができる。ゆっくりとした昇温は、細胞/複数の細胞の塊の環境における液体の再結晶化に起因する細胞損傷をもたらし得るので、迅速な昇温は、ガラス化の逆転に対して有益であり得る。
【0044】
(凍結保存装置)
卵、卵母細胞、接合体、胚盤胞、および胚などの細胞および/または複数の細胞の塊のための凍結保存装置が本明細書に開示される。本開示の凍結保存装置は、装置からの細胞および/または複数の細胞の塊の容易な装填および取り出し、ならびに細胞および/または複数の細胞の塊の有効なガラス化および保存を容易にすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凍結保存装置が、卵母細胞/胚のための閉鎖系を提供する。閉鎖系の凍結保存装置は、ガラス化中に細胞および/または複数の細胞の塊が冷却剤(例えば、液体窒素)と直接接触することを回避することができ、一方、開放系では、細胞/複数の細胞の塊が冷却剤と直接接触する。したがって、開放系装置と比較して、閉鎖系装置は、汚染および/または疾患伝播のリスクを低下させることができる。
【0046】
ガラス化の間、細胞、複数の細胞の塊、および/または周囲の媒体の高い冷却速度を維持するために、本開示の凍結保存装置は、液体窒素などの冷却剤と、細胞、複数の細胞の塊、および/または周囲の媒体との間の熱経路を最小限にするように設計され得る。付加的または代替的に、本開示の凍結保存装置は、細胞/複数の細胞の塊を有する装置に装填される媒体の一定量を最小限にするように設計することができる。装置内の媒体の分量の減少は、液体窒素または別の冷却剤に曝露されたときの、例えば卵子、卵母細胞、胚盤胞、接合子、または胚の冷却速度を増加させることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示の装置は、装置を使用する方法において、補助構成要素およびユーザによる手動相互作用の必要性を最小限に抑えることができる。補助的な構成要素および手動の相互作用の最小化は、ガラス化のプロセスへ人為的エラーを誘導する機会を減少させることによって、細胞および/または複数の細胞の塊の効果的なガラス化および保存を容易にし得る。
【0048】
プランジャーおよび毛管要素:本開示の凍結保存装置は、毛管要素と、毛管要素の内側に嵌合するプランジャーとを備えることができる。いくつかの実施形態では、プランジャーはスライド可能なプランジャーである。いくつかの実施形態では、凍結保存装置が細長いケーシングをさらに備えることができ、毛管要素およびスライド可能なプランジャーはケーシングの第1の端部内に収容される。スライド可能なプランジャーは、容積式変位によって、毛管要素を出入りする流体の流れを制御することができる。いくつかの実施形態では、毛管要素は剛性である。剛性の毛管要素は、ユーザまたは自動システムによる毛管要素の正確な位置決めを容易にすることができ、ユーザまたは自動システムによるウェル内への毛管要素の正確な位置決めおよび/または挿入を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、毛管要素は柔軟性である。
【0049】
本明細書に開示される凍結保存装置の毛管要素は、細長い本体を含むことができ、細長い本体は、底部開口と、頂部開口と、頂部開口を底部開口に接続する細長い本体内部の中空部分とを備える。いくつかの実施形態では、毛管要素の中空部分が円筒形または略円筒形である。毛管要素の底部開口は、細長い本体の下端に配置することができ、一方、毛管要素の頂部開口は、細長い本体の上端に配置することができる。いくつかの実施形態では、毛管要素の頂部開口、底部開口、および断面は同じ形状である。例えば、本明細書に開示されている毛管要素は、楕円形、円形、長方形、三角形、眼形、五角形、六角形または七角形の形状の頂部開口、底部開口および断面を持つことができる。いくつかの実施形態では、中空部分は、中空部分の長さまたは中空部分の一部の長さにわたって一定である直径を有し得る。構成要素の直径は、構成要素の断面(長方形、楕円形、または円形の断面など)の中央を通る直線の長さから、断面の1つの端から反対側の端までと表すことができる。
【0050】
毛管要素は例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、医療グレードのスチレン-ブタジエンコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンコポリマー、およびエチレン-酢酸ビニルコポリマーなどのポリオレフィン、ポリスチレン、メタクリレート-スチレンコポリマー、およびメタクリレート-ブチレン-スチレンコポリマーなどのスチレン樹脂、ならびにナイロンなどのポリアミドを含むことができ、かつ/またはこれらから作製することができる。いくつかの実施形態では、毛管要素が低分子量ポリエチレンを含むことができ、かつ/または低分子量ポリエチレンから作製することができる。いくつかの実施形態では、毛管要素が例えば、中空部分内に位置する内層として、ヒートシール可能な樹脂を含むことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、毛管要素が、毛管要素の全長または一部の長さにわたって一定またはほぼ一定である断面積を有する。毛管要素の断面積は、頂部開口と底部開口とを接続する細長い本体の厚さにより、大きさが等しい頂部開口および底部開口の面積よりも大きくすることができる。毛管要素は、大きさが等しい頂部開口および底部開口の面積に等しい断面積(すなわち、内部断面積)を有する中空部分を有することができる。いくつかの実施形態では、頂部開口および底部開口が同じ形状であり、毛管要素の中空部分の寸法に等しい同じ寸法を有する。例えば、毛管要素は、直径dおよび周囲長pの円形開口を有する中空円筒であってもよく、ここで、dは毛管要素の中空部分の直径に等しく、pは中空部分の周囲長に等しい。細長い本体が中空部分を取り囲む厚さのため、毛管要素の直径は、毛管要素の中空部分の直径よりも大きくすることができる。
【0052】
プランジャー(例えば、スライド可能なプランジャー)の外周は、毛管要素の中空部分に嵌合することができ、毛管要素の装填中にプランジャーが毛管要素内をスライドするときに、正確かつ制御可能な吸引を可能にする。スライド可能なプランジャーは例えば、円筒形であっても略円筒形であってもよい。いくつかの実施形態では、プランジャーが毛管要素の上端を通して挿入され、細胞および/または複数の細胞の塊が毛管要素の下端を通して装填される。いくつかの実施形態では、プランジャー(例えば、スライド可能なプランジャー)は金属プランジャーであり、毛管要素は冷却剤(例えば、液体窒素)耐性材料から作製される。プランジャーおよび毛管要素は任意の外形を有することができ、相補的であることができる。プランジャーの形状は、プランジャーの断面によって説明することができる。毛管要素の形状は、毛管要素の断面によって説明することができる。例えば、本開示のプランジャーまたは毛管要素は、楕円形、円形、長方形、三角形、八角形、五角形、六角形、または七角形の断面を有することができる。いくつかの実施形態では、円形断面を有する毛管要素が熱経路を最小限に抑え、毛管要素内に装填された細胞および/または複数の細胞の塊が経験する冷却速度を最大限にする。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示のプランジャー(例えば、スライド可能なプランジャー)は細長い本体によって接続された上端および下端を備える。本開示の凍結保存装置では、スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は、毛管要素の中空部分内にあり得る。いくつかの実施形態では、スライド可能なプランジャー(またはその一部)が毛管要素の中空部分内に嵌合する。スライド可能なプランジャーは、毛管要素の頂部開口を通して作動するように構成されることができる。スライド可能なプランジャーは、スライド可能なプランジャーの長さにわたって一定である直径を有することができる。スライド可能なプランジャーは、スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定である直径を有することができる。いくつかの実施形態では、凍結保存装置が、凍結保存装置の毛管要素の直径以下の直径を有するスライド可能なプランジャーを含む。いくつかの実施形態では、スライド可能なプランジャーの下端が、毛管要素の上端を通して挿入され、プランジャーの上端は曲げられた端部を形成するようにある角度で曲げられる。いくつかの実施形態では、プランジャーの上端が約15度~約100度の角度で曲げられる。いくつかの実施形態では、プランジャーの上端が、約15°~約30°、約15°~約45°、約15°~約60°、約15°~約75°、約15°~約90°、約15°~約100°、約30°~約45°、約30°~約60°、約30°~約75°、約30°~約90°、約30°~約100°、約45°~約60°、約45°~約75°、約45°~約90°、約45°~約100°、約60°~約75°、約60°~約90°、約60°~約100°、約75°~約90°、約75°~約100°、または約90°~約100°の角度で曲げられる。いくつかの実施形態では、プランジャーの上端が、約15°、約30°、約45°、約60°、約75°、約90°、または約100°の角度で曲げられる。いくつかの実施形態では、プランジャーの上端が少なくとも約15°、約30°、約45°、約60°、約75°、または約90°の角度で曲げられる。いくつかの実施形態では、プランジャーの上端が最大約30°、約45°、約60°、約75°、約90°、または約100°の角度で曲げられる。いくつかの実施形態では、プランジャーが毛管要素の頂部開口から突出し、プランジャーの上端は毛管要素の外側に位置する。いくつかの実施形態では、プランジャーの曲げられた端部は、毛管要素とプランジャーとの複合体がピペッターと相互作用することを可能にする。ピペッターは例えば、凍結保存装置の人間工学的な取扱い、ならびにプランジャーの作動および装置の装填/取り出しを制御することを可能にすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、凍結保存装置の毛管要素が、空気、媒体、および/または追加の細胞と同様に、細胞および/または複数の細胞の塊を装填すべき容積を画定する。毛管要素の内側には、スライド可能なプランジャーが取り付けられ得る。例えば、毛管要素は円形断面を有する中空円筒管であってもよく、プランジャーは円筒管の内側に嵌合する円形断面を有する棒であってもよい。いくつかの実施形態では、プランジャーは毛管要素の外側に位置する屈曲した上端を有する棒である。いくつかの実施形態では、スライド可能なプランジャーは、内容物(例えば、細胞/複数の細胞の塊、空気、媒体の一定量、および/または追加の細胞)の装填および取り出しを可能にするように可動性であり得る。例えば、毛管要素内にあるプランジャーの後退は、毛管要素の底部開口とスライド可能なプランジャーの下端との間に位置する毛管要素のセクション内に内容物が位置するように、内容物を毛管要素に装填することができる。さらに、プランジャーを毛管要素内に挿入することにより、内容物の取り出しを可能にすることができる。細胞および/または複数の細胞および媒体の塊の装填を制御するために、空気ではなくプランジャーを使用することにより、ガラス化および昇温の時点で毛管要素内の空気量を減少させることができる。空気量の減少は、ガラス化および/または昇温中の細胞損傷(例えば、細胞膜の破裂)の可能性を減少させることができる。
【0055】
プランジャーおよび毛管要素の密封:いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置において、プランジャーと毛管要素の内壁との間にシールが存在する。シールは、スライド可能なプランジャーを毛管要素の中空部分に密封することができ、例えば、毛管要素の中空部分へのプランジャーの嵌合(例えば、締まり嵌め)によって、またはシール装置によって形成することができる。いくつかの実施形態では、シールを形成する毛管要素内へのスライド可能なプランジャー間の嵌合は、緊密な嵌合である。いくつかの実施形態では、プランジャーと毛管要素との間のシールは、空気圧シールである。
【0056】
いくつかの実施形態では、シールがシール装置によって、スライド可能なプランジャーと毛管要素との間に形成される。シール装置の非限定的な例は、リップシール、ピストンシール、ロッドシール、ワイパーシール、Vシール、およびOリングを含む。本開示のシール装置は、プランジャーと毛管要素との間に使用することができる。いくつかの実施形態では、シールが真空グリースなどの化学シールまたは潤滑剤によって形成される。
【0057】
毛管要素を介する熱伝達:本開示の毛管要素は、毛管要素を介する迅速な熱伝達を促進することができる。例えば、毛管要素は、毛管要素の内容物から外部環境への/外部環境からの熱伝達を促進することができる。いくつかの実施形態では、毛管要素の内容物が例えば、細胞、または複数の細胞の塊、および媒体の一定量を含むことができる。いくつかの実施形態では、媒体および1つ以上の細胞および/または複数の細胞の塊が装填された毛管要素が、媒体-細胞/複数の細胞混合物の塊から液体窒素浴への熱の迅速な伝達を促進し、迅速なガラス化を可能にすることができる。逆に、ガラス化された細胞/複数の細胞の塊を含む毛管要素は、昇温溶液(昇温媒体とも呼ばれる)から毛管要素の内容物への熱の迅速な伝達を促進し、細胞/複数の細胞の塊の迅速な昇温を可能にすることができる。迅速な熱伝達を容易にするために、本開示の毛管要素は、高い熱伝導率および/または比熱容量を有するように設計され得る。材料の熱伝導率は、材料が熱を伝導する能力を示す。熱伝導率は、式q=-k∇Tで表される。ここで、qは熱流束、kは熱伝導率、∇Tは温度勾配である。したがって、熱流束は、高い熱伝導率を有する材料では総じて、より低い導電率を有する材料と比較してより大きい。熱流束は例えば、メートル-ケルビンあたりのワット数(W/m・K)の単位で測定することができる。
【0058】
材料の熱流束は例えば、Searle’s bar法およびLee’s disc法などの方法を用いて測定することができる。いくつかの例では、材料の熱伝導率を測定するために使用される方法は、材料の予想される導電特性に基づいて選択され得る。例えば、Searle’s bar法を用いて、金属などの熱の良導体として期待される材料の熱伝導率を測定することができ、Lee’s disc法を用いて、ガラスなどの熱の不十分な導体の熱伝導率を測定することができる。Searle’s bar法は、材料の棒状体の片側を水蒸気で加熱し、その棒状体の全長を断熱しながら、棒状体の反対側を水で冷却することにより、材料の熱伝導率を測定するものである。次いで、材料の熱伝導率は式k=-C(L/A)(Δm/Δt)(ΔTwater/ΔTbar)を使用して計算することができる。ここで、Cは水の比熱であり、Δmは時間Δtの間に収集された水の質量であり、ΔTwaterは水が棒状体を通過する前後の水の温度の差であり、Lは棒状体の長さであり、ΔTbarは棒状体の各端部の間の温度差であり、Aは棒状体の断面積であり、kは材料の熱伝導率である。
【0059】
Lee’s disc法は、金属ディスクに温度計を挿入した2つの金属ディスクの間に試料を置き、熱伝導率を測定するものである。上部金属ディスクの上部に水蒸気キャンバーを配置し、セットアップを空気中に浮遊させて伝導効果を取り除く。次いで、水蒸気を使用して、上部金属ディスクを加熱し、熱を上部金属ディスクから、試料を通じて、下部金属ディスクに伝達させる。一定時間が経過すると、各ディスクは異なる定常温度に達するので、これを記録し、後に熱伝導率の計算に使用することができる。次いで、水蒸気チャンバーは、上部金属ディスクおよび不良導体と一緒に取り外される。次に、下部ディスクを平衡温度よりも約10℃高い温度に加熱し、ディスクの上部に絶縁材料を置いて室温に冷却する。この冷却プロセス中の温度を時間に関して記録して冷却曲線を生成することができ、これを用いて不良導体の熱伝導率を計算することができる。次いで、熱伝導率は、式k=[mc(dT/dt)x]/[A(T-T)]を用いて計算することができる。ここで、kは熱伝導率、Tは定常状態における上部ディスクの温度、Tは定常状態における下部ディスクの温度、xは上部ディスクと下部ディスクとの間の試料の厚さ、Aは試料の表面積、dT/dtは断熱材を上部に配置した後の下部ディスクの冷却速度、mは試料の質量、cは試料の比熱である。
【0060】
いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が約0.05W/m・K~約10W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態において、本開示の毛管要素は、約0.05W/m・K~約0.1W/m・K、約0.05W/m・K~約0.2W/m・K、約0.05W/m・K~約0.3W/m・K、約0.05W/m・K~約0.33W/m・K、約0.05W/m・K~約0.5W/m・K、約0.05W/m・K~約1W/m・K、約0.05W/m・K~約5W/m・K、約0.05W/m・K~約10W/m・K、約0.1W/m・K~約0.2W/m・K、約0.1W/m・K~約0.3W/m・K、約0.1W/m・K~約0.33W/m・K、約0.1W/m・K~約0.5W/m・K、約0.1W/m・K~約1W/m・K、約0.1W/m・K~約5W/m・K、約0.1W/m・K~約10W/m・K、約0.2W/m・K~約0.3W/m・K、約0.2W/m・K~約0.33W/m・K、約0.2W/m・K~約0.5W/m・K、約0.2W/m・K~約1W/m・K、約0.2W/m・K~約5W/m・K、約0.2W/m・K~約10W/m・K、約0.3W/m・K~約0.33W/m・K、約0.3W/m・K~約0.5W/m・K、約0.3W/m・K~約1W/m・K、約0.3W/m・K~約5W/m・K、約0.3W/m・K~約10W/m・K、約0.33W/m・K~約0.5W/m・K、約0.33W/m・K~約1W/m・K、約0.33W/m・K~約5W/m・K、約0.33W/m・K~約10W/m・K、約0.5W/m・K~約1W/m・K、約0.5W/m・K~約5W/m・K、約0.5W/m・K~約10W/m・K、約1W/m・K~約5W/m・K、約1W/m・K~約10W/m・K、または約5W/m・K~約10W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が、約0.05W/m・K、約0.1W/m・K、約0.2W/m・K、約0.3W/m・K、約0.33W/m・K、約0.5W/m・K、約1W/m・K、約5W/m・K、または約10W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素は、少なくとも約0.05W/m・K、少なくとも約0.1W/m・K、少なくとも約0.2W/m・K、少なくとも約0.3W/m・K、少なくとも約0.33W/m・K、少なくとも約0.5W/m・K、少なくとも約1W/m・K、または少なくとも約5W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素は、最大約0.1W/m・K、最大約0.2W/m・K、最大約0.3W/m・K、最大約0.33W/m・K、最大約0.5W/m・K、最大約1W/m・K、最大約5W/m・K、または最大約10W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。
【0061】
材料の熱容量は、材料の温度の単位変化を行うために、所定の質量の材料に供給されるべき熱量である。比熱容量は、質量で正規化した試料の熱容量である。比熱容量は例えば、ジュール/℃-キログラム(J/℃・kg)の単位で測定することができる。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が約1,000j/℃・kg~約3,000J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が約1,000J/℃~約1,250J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約1,550J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約1,750J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約1,900J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約1,550J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約1,750J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約1,900J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,250J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約1,550J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約1,750J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約1,900J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,550J/℃・kg~約1,750J/℃・kg、約1,550J/℃・kg~約1,900J/℃・kg、約1,550J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,550J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約1,550J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,550J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,750J/℃・kg~約1,900J/℃・kg、約1,750J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,750J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約1,750J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,750J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,900J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,900J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約1,900J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,900J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約2,000J/℃・kg~約2,250J/℃・kg、約2,000J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約2,000J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約2,250J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約2,250J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、または約2,500J/℃・kg~約3,000J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素は、約1,000J/℃・kg、約1,250J/℃・kg、約1,500J/℃・kg、約1,550J/℃・kg、約1,750J/℃・kg、約1,900J/℃・kg、約2,000J/℃・kg、約2,250J/℃・kg、約2,500J/℃・kg、または約3,000J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素は、少なくとも約1,000j/℃・kg、少なくとも約1,250J/℃・kg、少なくとも約1,500J/℃・kg、少なくとも約1,550J/℃・kg、少なくとも約1,750J/℃・kg、少なくとも約1,900J/℃・kg、少なくとも約2,000j/℃・kg、少なくとも約2,250J/℃・kg、または少なくとも約2,500J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素は、最大約1,250J/℃・kg、最大約1,500J/℃・kg、最大約1,550J/℃・kg、最大約1,750J/℃・kg、最大約1,900J/℃・kg、最大約2,000J/℃・kg、最大約2,250J/℃・kg、最大約2,500J/℃・kg、または最大約3,000J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。
【0062】
変位機構:本開示の凍結保存装置は、毛管要素に沿ったスライド可能なプランジャーの動きを制御する役割を果たす変位機構をさらに備えることができる。この機構は例えば、ばね、レバー、空気バルブまたはボタンを有するスライダまたはラッチ機構とすることができる。装置または変位機構は、装置のユーザを案内するか、または毛管が取り込むことができる流体(例えば、液体および/または空気)の最大の分量を直接制御する、毛管上のマーキング、または触覚フィードバックなどのインジケータを含むことができる。例えば、機構の移動を正確に制限し、したがって毛管内で変位する容積を正確に制限する固定エンドストップは、本明細書に開示される凍結保存装置内に存在することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凍結保存装置は、プランジャーを保持するためのグリップを有するスライドクリップである変位機構を有する。変位機構は、凍結保存装置のケーシングに沿って移動可能である。さらに、ラッチ機構である変位機構は、プランジャーに接続されたボタンと、ボタンとケーシング内部の支持体との間に配置されたばねとを備えることができる。
【0064】
再使用可能/使い捨て構成要素:いくつかの実施形態では、本明細書で開示される凍結保存装置は一度使用の、使い捨て装置である。あるいは、本開示の凍結保存装置は、再使用可能な構成要素および使い捨て構成要素を備えることができる。例えば、凍結保存装置は、2つの部分に分割されたプランジャーを含み、細長い本体の一端がボタンに接続され、反対端が毛管の内側のプランジャー嵌合を保持するグリップに接続され、保存装置が使い捨て可能であり、変位機構が再使用可能であるようにするラッチ機構を有することができる。いくつかの実施形態では、変位機構はピペッターであってもよい。ピペッターは装置の人間工学的な取り扱いを可能にし、細胞または複数の細胞の塊の装填および取り出しの容易さを改善することができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、凍結保存装置は、毛管要素と連動するピペッターと、スライド可能なプランジャーとを備える。ピペッターは、上端および下端を有する細長いケーシングを備えることができる。毛管要素、スライド可能なプランジャー、および/またはそれらの部分(例えば、毛管要素およびスライド可能なプランジャーの上端)は、それぞれ、ピペッターの細長いケーシングの下端に挿入され得る。いくつかの実施形態では、毛管要素および/またはスライド可能なプランジャーが毛管要素および/またはスライド可能なプランジャーとピペッターとの間の相互作用を容易にするために、タブに接続され得る。例えば、ピペッターは、毛管要素および/またはスライド可能なプランジャーをピペッターの細長いケーシングの下端に接続するタブ上にクランプする、クランプ機構を備えることができる。ピペッターはまた、ピペットプランジャーを含み得る。ピペットプランジャーは、上端と、下端と、上端を下端に接続する細長い本体とを有することができる。いくつかの実施形態では、ピペットプランジャーの下端が細長いケース内にあり、ピペットプランジャーの上端は細長いケースの外側にある。ピペットプランジャーは、細長いケーシングの長手方向軸に沿って移動することができる。ピペットプランジャーは、ピペットプランジャーの作動がスライド可能なプランジャーの動き(例えば、作動)を制御することができるように構成されることができる。例えば、ピペットプランジャーの動きを使用して、毛管要素の長手方向軸に沿ってスライド可能なプランジャーを動かすことができ、これにより、毛管要素の装填および/または取り出しを制御することができる。いくつかの実施形態では、ピペットプランジャーがスライド可能なプランジャーに直接接続される。いくつかの実施形態では、ピペットプランジャーがスライド可能なプランジャーに間接的に接続される。
【0066】
いくつかの実施形態では、ピペットプランジャーは、ピペットプランジャーの上端に動作可能に接続され、ボタンを押すことによってピペットプランジャーが細長いケーシングを通って作動するように構成されているボタンを備えることができる。加えて、または代替として、ピペットプランジャーは、ピペットプランジャーの細長い本体上に突起を備えることができる。ピペットプランジャーの細長い本体の周りに巻き付けられるばねは、細長い本体上の突起の下に配置され得る。いくつかの実施形態では、ピペッター内のばねおよび突起の存在が、ピペッターに接続された毛管要素の正確な装填および取り出しを改善することができる。
【0067】
カバー/シース:本開示の凍結保存装置は、いくつかの実施形態では、毛管要素の先端上に配置することができるシースまたはカバーを含むことができる。シースまたはカバーは、細胞/複数の細胞の塊、空気、媒体、および/または追加の細胞を装填する前および後に、毛管の先端を保護することができる。いくつかの実施形態では、シースまたはカバーは、毛管が装填された後、毛管要素が液体窒素貯蔵タンクに導入されるときに、毛管要素の内容物(例えば、媒体および細胞/複数の細胞の塊)の機械的保護を提供する。毛管要素および毛管要素の内容物を外部流体から密封するために、毛管要素にシースまたはカバーを取り付けることができる。いくつかの実施形態では、シースまたはカバーは、ケーシングに沿ってスライドし、毛管要素の先端上を移動することができる。スライド式のシース又はカバーは、全ての保護構成要素を単一の装置に統合することにより、凍結保存装置をより使いやすくすることができる。シースまたはカバーが装置に組み込まれる場合、毛管要素の機能領域を覆うために、単純なスライドモーションを使用することができる。シースは例えば、金属(例えば、スチール)またはプラスチックなどの異なる材料であってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、シースはストローの外側の上に配置されたグリップ部である。シースは、患者またはドナーを識別するための識別子を保持することができる。いくつかの実施形態では、シースがポリマー材料から作製される。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、約0.05W/m・K~約60W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、約0.05W/m・K~約0.1W/m・K、約0.05W/m・K~約0.2W/m・K、約0.05W/m・K~約0.3W/m・K、約0.05W/m・K~約0.33W/m・K、約0.05W/m・K~約0.5W/m・K、約0.05W/m・K~約1W/m・K、約0.05W/m・K~約5W/m・K、約0.05W/m・K~約60W/m・K、約0.1W/m・K~約0.2W/m・K、約0.1W/m・K~約0.3W/m・K、約0.1W/m・K~約0.33W/m・K、約0.1W/m・K~約0.5W/m・K、約0.1W/m・K~約1W/m・K、約0.1W/m・K~約5W/m・K、約0.1W/m・K~約60W/m・K、約0.2W/m・K~約0.3W/m・K、約0.2W/m・K~約0.33W/m・K、約0.2W/m・K~約0.5W/m・K、約0.2W/m・K~約1W/m・K、約0.2W/m・K~約5W/m・K、約0.2W/m・K~約60W/m・K、約0.3W/m・K~約0.33W/m・K、約0.3W/m・K~約0.5W/m・K、約0.3W/m・K~約1W/m・K、約0.3W/m・K~約5W/m・K、約0.3W/m・K~約60W/m・K、約0.33W/m・K~約0.5W/m・K、約0.33W/m・K~約1W/m・K、約0.33W/m・K~約5W/m・K、約0.33W/W/m・K~約60W/m・K、約0.5W/m・K~約1W/m・K、約0.5W/m・K~約5W/m・K、約0.5W/m・K~約60W/m・K、約1W/m・K~約5W/m・K、約1W/m・K~約10W/m・K、または約5W/m・K~約60W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、約0.05W/m・K、約0.1W/m・K、約0.2W/m・K、約0.3W/m・K、約0.33W/m・K、約0.5W/m・K、約1W/m・K、約5W/m・K、約50.2W/m・K、または約60W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、少なくとも約0.05W/m・K、少なくとも約0.1W/m・K、少なくとも約0.2W/m・K、少なくとも約0.3W/m・K、少なくとも約0.33W/m・K、少なくとも約0.5W/m・K、少なくとも約1W/m・K、または少なくとも約5W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、最大約0.1W/m・K、最大約0.2W/m・K、最大約0.3W/m・K、最大約0.33W/m・K、最大約0.5W/m・K、最大約1W/m・K、最大約5W/m・K、または最大約60W/m・Kの熱伝導率を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、約100J/℃・kg~約3,000J/℃・kgの比熱を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、約100J/℃・kg~約250J/℃・kg、約100J/℃・kg~約420J/℃・kg、約100J/℃・kg~約500J/℃・kg、約100J/℃・kg~約750J/℃・kg、約100J/℃・kg~約1,000J/℃・kg、約100J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約100J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約100J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約100J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約250J/℃・kg~約420J/℃・kg、約250J/℃・kg~約500J/℃・kg、約250J/℃・kg~約750J/℃・kg、約250J/℃・kg~約1,000J/℃・kg、約250J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約250J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約250J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約250J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約420J/℃・kg~約500J/℃・kg、約420J/℃・kg~約750J/℃・kg、約420J/℃・kg~約1,000J/℃・kg、約420J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約420J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約420J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約420J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約500J/℃・kg~約750J/℃・kg、約500J/℃・kg~約1,000J/℃・kg、約500J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約500J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約500J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約500J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約750J/℃・kg~約1,000J/℃・kg、約750J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約750J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約750J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約750J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約1,500J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,000J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約2,000J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約1,500J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、約2,000J/℃・kg~約2,500J/℃・kg、約2,000J/℃・kg~約3,000J/℃・kg、または約2,500J/℃・kg~約3,000J/℃・kgの比熱を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、約100J/℃・kg、約250J/℃・kg、約420J/℃・kg、約500J/℃・kg、約750J/℃・kg、約1,000J/℃・kg、約1,500J/℃・kg、約2,000J/℃・kg、約2,500J/℃・kg、または約3,000J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、少なくとも約100J/℃・kg、少なくとも約250J/℃・kg、少なくとも約420J/℃・kg、少なくとも約500J/℃・kg、少なくとも約750J/℃・kg、少なくとも約1,000J/℃・kg、少なくとも約1,500J/℃・kg、少なくとも約2,000J/℃・kg、または少なくとも約2,500J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。いくつかの実施形態では、本開示のシースまたはカバーは、最大約250J/℃・kg、最大約420J/℃・kg、最大約500J/℃・kg、最大約750J/℃・kg、最大約1,000J/℃・kg、最大約1,500J/℃・kg、最大約2,000J/℃・kg、最大約2,500J/℃・kg、または最大約3,000J/℃・kgの比熱容量を有する材料を含み、かつ/またはそれから構成される。
【0071】
空気間隙:いくつかの実施形態では、毛管要素内の媒体がプランジャーに接触し、直接的な容積変位動作を可能にする。いくつかの実施形態では、プランジャーの先端と毛管要素の内容物(例えば、媒体および卵母細胞/胚)との間の空気間隙は、システム内に空気ばねを提供し、細胞/複数の細胞の塊はプランジャーと接触しない。さらに、細胞/複数の細胞の塊を含む液体と、装置の遠位端(プランジャーから最も遠い毛管の端部)にある毛管要素の先端との間に、空気間隙が形成され得る。毛管要素の遠位端に空気間隙が存在することにより、毛管要素を遠位端でヒートシールして、毛管内容物への進入路を閉じることができる。空気間隙は、ヒートシール可能な毛管要素のヒートシールプロセス中に、細胞/複数の細胞の塊への熱伝達を最小限に抑える役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、ヒートシール可能な毛管要素がプラスチックから作製される。保存装置を取り出すために、毛管要素の予め加熱された先端を切断することができる。毛管の遠位端に空気間隙が存在することは、装置を温めた後に先端が切断されるときに、細胞/複数の細胞の塊の偶発的な損失を防止するのに役立つことができる。
【0072】
識別子:いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凍結保存装置が患者またはドナーを識別するための識別子を含む。識別子は例えば、毛管要素または細長いケーシングなどの装置の一部の表面上に配置することができる。識別子の非限定的な例には、例えば、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、データマトリックス、手書きまたは機械書きテキスト、二次元バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、機械認識可能テキスト、機械認識可能シンボル、識別マーキングを含む液体窒素耐性接着剤、および電子チップが含まれる。いくつかの実施形態では、凍結保存装置は細胞/複数の細胞の塊の装填後に識別子で標識することができる。
【0073】
表示/フィードバック:いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、毛管上または装置の別の部分上、例えばケーシング上または変位機構上に引かれたガイドラインまたは表示を含む。こなどのガイドラインまたは表示は、手動使用中に、ユーザが適切な分量の空気/流体を装置に充填するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、凍結保存装置は、ユーザが装置内に適切な分量を充填するのを助ける触覚フィードバック機構を備える。
【0074】
(デバイスの寸法)
凍結保存装置:いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置が約50mm~約225mmの長さを有する。いくつかの実施態様において、開示の凍結保存装置は、約50mm~約75mm、約50mm~約100mm、約50mm~約130mm、約50mm~約150mm、約50mm~約175mm、約50mm~約200mm、約50mm~約225mm、約75mm~約100mm、約75mm~約130mm、約75mm~約150mm、約75mm~約175mm、約75mm~約200mm、約75mm~約225mm、約100mm~約130mm、約100mm~約150mm、約100mm~約175mm、約100mm~約200mm、約100mm~約225mm、約130mm~約150mm、約130mm~約175mm、約130mm~約200mm、約130mm~約225mm、約150mm~約175mm、約150mm~約200mm、約150mm~約225mm、約175mm~約200mm、約175mm~約225mm、または約200mmから約225mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、約50mm、約75mm、約100mm、約130mm、約150mm、約175mm、約200mm、または約225mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、少なくとも約50mm、少なくとも約75mm、少なくとも約100mm、少なくとも約130mm、少なくとも約150mm、少なくとも約175mm、または少なくとも約200mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、最大約75mm、最大約100mm、最大約130mm、最大約150mm、最大約175mm、最大約200mm、または最大約225mmの長さを有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置が約5mm~約50mmの断面積を有する。いくつかの実施態様において、本開示の凍結保存装置は、約5mm~約10mm、約5mm~約15mm、約5mm~約20mm、約5mm~約25mm、約5mm~約30mm、約5mm~約35mm、約5mm~約40mm、約5mm~約45mm、約5mm~約50mm、約10mm~約15mm、約10mm~約20mm、約10mm~約25mm、約10mm~約30mm、約10mm~約35mm、約10mm~約40mm、約10mm~約45mm、約10mm~約50mm、約15mm~約20mm、約15mm~約25mm、約15mm~約30mm、約15mm~約35mm、約15mm~約40mm、約15mm~約45mm、約15mm~約50mm、約20mm~約25mm、約20mm~約30mm、約20mm~約35mm、約20mm~約40mm、約20mm~約45mm、約20mm~約50mm、約25mm~約30mm、約25mm~約35mm、約25mm~約40mm、約25mm~約45mm、約25mm~約50mm、約30mm~約35mm、約30mm~約40mm、約30mm~約45mm、約30mm~約50mm、約35mm~約40mm、約35mm~約45mm、約35mm~約50mm、約40mm~約45mm、約40mm~約50mm、または約45mm~約50mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約35mm、約40mm、約45mm、または約50mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、少なくとも約5mm、少なくとも約10mm、少なくとも約15mm、少なくとも約20mm、少なくとも約25mm、少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、または少なくとも約45mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、最大約10mm、最大約15mm、最大約20mm、最大約25mm、最大約30mm、最大約35mm、最大約40mm、最大約45mm、又は最大約50mmの断面積を有する。
【0076】
細長いケーシング:本開示の凍結保存装置は、細長いケーシングを含むことができる。いくつかの実施形態では、細長いケーシングが約50mm~約200mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、細長いケーシングは、約50mm~約75mm、約50mm~約100mm、約50mm~約125mm、約50mm~約150mm、約50mm~約175mm、約50mm~約200mm、約75mm~約100mm、約75mm~約125mm、約75mm~約150mm、約75mm~約175mm、約75mm~約200mm、約100mm~約125mm、約100mm~約150mm、約100mm~約175mm、約100mm~約200mm、約125mm~約150mm、約125mm~約175mm、約125mm~約200mm、約150mm~約175mm、約150mm~約200mm、または約175mm~約200mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、細長いケーシングは、約50mm、約75mm、約100mm、約125mm、約150mm、約175mm、または約200mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、細長いケーシングは、少なくとも約50mm、少なくとも約75mm、少なくとも約100mm、少なくとも約125mm、少なくとも約150mm、または少なくとも約175mmの長さを有する。いくつかの実施形態では、細長いケーシングは、最大約75mm、最大約100mm、最大約125mm、最大約150mm、最大約175mm、または最大約200mmの長さを有する。
【0077】
毛管要素:ガラス化中に、細胞、複数の細胞の塊、および/または周囲の媒体の高い冷却および/または昇温速度を維持するために、本開示の凍結保存装置は、液体窒素などの冷却剤と、細胞、複数の細胞の塊、および/または周囲の媒体との間の熱経路を最小限に抑えるように設計することができる。冷却剤(例えば、液体窒素)と、凍結保存装置中の細胞、複数の細胞の塊、および/または周囲の媒体との間の熱経路は例えば、毛管要素の壁厚を減少させること、毛管要素の断面積を減少させること、毛管要素の中空部分の直径(すなわち、内径)を減少させること、毛管要素の容積を減少させること、および/または毛管要素の直径を減少させることによって最小限に抑えることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、凍結保存装置の毛管要素が約0.1mm~約2mmの直径を有する中空部分を有する。いくつかの実施形態では、凍結保存装置の毛管要素は、約0.1mm~約0.2mm、約0.1mm~約0.3mm、約0.1mm~約0.4mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約1.5mm、約0.1mm~約2mm、約0.2mm~約0.3mm、約0.2mm~約0.4mm、約0.2mm~約0.5mm、約0.2mm~約0.6mm、約0.2mm~約0.7mm、約0.2mm~約0.8mm、約0.2mm~約0.9mm、約0.2mm~約1mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.2mm~約2mm、約0.3mm~約0.4mm、約0.3mm~約0.5mm、約0.3mm~約0.6mm、約0.3mm~約0.7mm、約0.3mm~約0.8mm、約0.3mm~約0.9mm、約0.3mm~約1mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.3mm~約2mm、約0.4mm~約0.5mm、約0.4mm~約0.6mm、約0.4mm~約0.7mm、約0.4mm~約0.8mm、約0.4mm~約0.9mm、約0.4mm~約1mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.4mm~約2mm、約0.5mm~約0.6mm、約0.5mm~約0.7mm、約0.5mm~約0.8mm、約0.5mm~約0.9mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.6mm~約0.7mm、約0.6mm~約0.8mm、約0.6mm~約0.9mm、約0.6mm~約1mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.6mm~約2mm、約0.7mm~約0.8mm、約0.7mm~約0.9mm、約0.7mm~約1mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.7mm~約2mm、約0.8mm~約0.9mm、約0.8mm~約1mm、約0.8mm~約1.5mm、約0.8mm~約2mm、約0.9mm~約1mm、約0.9mm~約1.5mm、約0.9mm~約2mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、または約1.5mm~約2mmの直径を有する中空部分を有する。いくつかの実施形態では、凍結保存装置の毛管要素は、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.5mm、または約2mmの直径を有する中空部分を有する。いくつかの実施形態では、凍結保存装置の毛管要素は、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.6mm、少なくとも約0.7mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約0.9mm、少なくとも約1mm、または少なくとも約1.5mmの直径を有する中空部分を有する。いくつかの実施形態では、凍結保存装置の毛管要素は、最大約0.2mm、最大約0.3mm、最大約0.4mm、最大約0.5mm、最大約0.6mm、最大約0.7mm、最大約0.8mm、最大約0.9mm、最大約1mm、最大約1.5mm、または最大約2mmの直径を有する中空部分を有する。
【0079】
いくつかの実施形態では、毛管要素の中空部分が中空部分の長さにわたって約0.1mm~約2mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素の中空部分が中空部分の長さにわたって、約0.1mm~約0.2mm、約0.1mm~約0.3mm、約0.1mm~約0.4mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約0.6mm、約0.1mm~約0.7mm、約0.1mm~約0.8mm、約0.1mm~約0.9mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約1.5mm、約0.1mm~約2mm、約0.2mm~約0.3mm、約0.2mm~約0.4mm、約0.2mm~約0.5mm、約0.2mm~約0.6mm、約0.2mm~約0.7mm、約0.2mm~約0.8mm、約0.2mm~約0.9mm、約0.2mm~約1mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.2mm~約2mm、約0.3mm~約0.4mm、約0.3mm~約0.5mm、0.3mm~約0.6mm、0.3mm~約0.7mm、0.3mm~約0.8mm、0.3mm~約0.9mm、0.3mm~約1mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.3mm~約2mm、約0.4mm~約0.5mm、約0.4mm~約0.6mm、約0.4mm~約0.7mm、約0.4mm~約0.8mm、約0.4mm~約0.9mm、約0.4mm~約1mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.4mm~約2mm、約0.5mm~約0.6mm、約0.5mm~約0.7mm、約0.5mm~約0.8mm、約0.5mm~約0.9mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.6mm~約0.7mm、約0.6mm~約0.8mm、約0.6mm~約0.9mm、約0.6mm~約1mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.6mm~約2mm、約0.7mm~約0.8mm、約0.7mm~約0.9mm、約0.7mm~約1mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.7mm~約2mm、約0.8mm~約0.9mm、約0.8mm~約1mm、約0.8mm~約1.5mm、約0.8mm~約2mm、約0.9mm~約1mm、約0.9mm~約1.5mm、約0.9mm~約2mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、または約1.5mm~約2mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素の中空部分が中空部分の長さにわたって、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.5mm、または約2mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素の中空部分が中空部分の長さにわたって、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.6mm、少なくとも約0.7mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約0.9mm、少なくとも約1mm、または少なくとも約1.5mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素の中空部分が中空部分の長さにわたって、最大約0.2mm、最大約0.3mm、最大約0.4mm、最大約0.5mm、最大約0.6mm、最大約0.7mm、最大約0.8mm、最大約0.9mm、最大約1mm、最大約1.5mm、または最大約2mmの平均直径を有する。
【0080】
本開示の毛管要素の中空部分は例えば、楕円形、円形、長方形、三角形、八角形、五角形、六角形、または七角形の断面を有することができる。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の中空部分が約0.03mm~約5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の中空部分は、約0.03mm~0.05mm、約0.03mm~約0.1mm、約0.03mm~約0.5mm、約0.03mm~約1mm、約0.03mm~約1.5mm、約0.03mm~約2mm、約0.03mm~約2.5mm、約0.03mm~約5mm、約0.05mm~約0.1mm、0.05mm~約0.5mm、約0.05mm~1mm、約0.05mm~1.5mm、約0.05mm~2mm、約0.05mm~2.5mm、約0.05mm~5mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約1.5mm、約0.1mm~約2mm、約0.1mm~約2.5mm、約0.1mm~約5mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約2.5mm、約0.5mm~約5mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、約1mm~約2.5mm、約1mm~約5mm、約1.5mm~約2mm、約1.5mm~約2.5mm、約1.5mm~約5mm、約2mm~約2.5mm、約2mm~約5mm、または約2.5mm~約5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の中空部分は、約0.03mm、約0.05mm、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、または約5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の中空部分は、少なくとも約0.03mm、少なくとも約0.05mm、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.5mm、少なくとも約2mm、または少なくとも約2.5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の中空部分は、最大約0.05mm、最大約0.1mm、最大約0.5mm、最大約1mm、最大約1.5mm、最大約2mm、最大約2.5mm、または最大約5mmの断面積を有する。
【0081】
毛管要素(例えば、円筒形または略円筒形の毛管要素)の直径または平均直径は、毛管要素の細長い本体の厚さのために、毛管要素の中空部分の直径よりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素が約0.2mm~約2.5mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素は、約0.2mm~約0.3mm、約0.2mm~約0.4mm、約0.2mm~約0.5mm、約0.2mm~約0.6mm、約0.2mm~約0.7mm、約0.2mm~約0.8mm、約0.2mm~約0.9mm、約0.2mm~約1mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.2mm~約2mm、約0.2mm~約2.5mm、約0.3mm~約0.4mm、約0.3mm~約0.5mm、約0.3mm~約0.6mm、約0.3mm~約0.7mm、約0.3mm~約0.8mm、約0.3mm~約0.9mm、約0.3mm~約1mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.3mm~約2mm、約0.3mm~約2.5mm、約0.4mm~約0.5mm、約0.4mm~約0.6mm、約0.4mm~約0.7mm、約0.4mm~約0.8mm、約0.4mm~約0.9mm、約0.4mm~約1mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.4mm~約2mm、約0.4mm~約2.5mm、約0.5mm~約0.6mm、約0.5mm~約0.7mm、約0.5mm~約0.8mm、約0.5mm~約0.9mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約2.5mm、約0.6mm~約0.7mm、約0.6mm~約0.8mm、約0.6mm~約0.9mm、約0.6mm~約1mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.6mm~約2mm、約0.6mm~約2.5mm、約0.7mm~約0.8mm、約0.7mm~約0.9mm、約0.7mm~約1mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.7mm~約2mm、約0.7mm~約2.5mm、約0.8mm~約0.9mm、約0.8mm~約1mm、約0.8mm~約1.5mm、約0.8mm~約2mm、約0.8mm~約2.5mm、約0.9mm~約1mm、約0.9mm~約1.5mm、約0.9mm~約2mm、約0.9mm~約2.5mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、約1mm~約2.5mm、約1.5mm~約2mm、約1.5mm~約2.5mm、または約2mm~約2.5mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素は、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、または約2.5mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素は、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.6mm、少なくとも約0.7mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約0.9mm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.5mm、または少なくとも約2mmの直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素は、最大約0.3mm、最大約0.4mm、最大約0.5mm、最大約0.6mm、最大約0.7mm、最大約0.8mm、最大約0.9mm、最大約1mm、最大約1.5mm、最大約2mm、または最大約2.5mmの直径を有する。
【0082】
いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素が毛管要素の長さにわたって約0.2mm~約2.5mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素が毛管要素の長さにわたって、約0.2mm~約0.3mm、約0.2mm~約0.4mm、約0.2mm~約0.5mm、約0.2mm~約0.6mm、約0.2mm~約0.7mm、約0.2mm~約0.8mm、約0.2mm~約0.9mm、約0.2mm~約1mm、約0.2mm~約1.5mm、約0.2mm~約2mm、約0.2mm~約2.5mm、約0.3mm~約0.4mm、約0.3mm~約0.5mm、約0.3mm~約0.6mm、約0.3mm~約0.7mm、約0.3mm~約0.8mm、約0.3mm~約0.9mm、約0.3mm~約1mm、約0.3mm~約1.5mm、約0.3mm~約2mm、約0.3mm~約2.5mm、約0.4mm~約0.5mm、約0.4mm~約0.6mm、約0.4mm~約0.7mm、約0.4mm~約0.8mm、約0.4mm~約0.9mm、約0.4mm~約1mm、約0.4mm~約1.5mm、約0.4mm~約2mm、約0.4mm~約2.5mm、約0.5mm~約0.6mm、約0.5mm~約0.7mm、約0.5mm~約0.8mm、約0.5mm~約0.9mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約2.5mm、約0.6mm~約0.7mm、約0.6mm~約0.8mm、約0.6mm~約0.9mm、約0.6mm~約1mm、約0.6mm~約1.5mm、約0.6mm~約2mm、約0.6mm~約2.5mm、約0.7mm~約0.8mm、約0.7mm~約0.9mm、約0.7mm~約1mm、約0.7mm~約1.5mm、約0.7mm~約2mm、約0.7mm~約2.5mm、約0.8mm~約0.9mm、約0.8mm~約1mm、約0.8mm~約1.5mm、約0.8mm~約2mm、約0.8mm~約2.5mm、約0.9mm~約1mm、約0.9mm~約1.5mm、約0.9mm~約2mm、約0.9mm~約2.5mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、約1mm~約2.5mm、約1.5mm~約2mm、約1.5mm~約2.5mm、または約2mm~約2.5mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素の長さにわたって、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、または約2.5mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素の長さにわたって、少なくとも約0.2mm、少なくとも約0.3mm、少なくとも約0.4mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.6mm、少なくとも約0.7mm、少なくとも約0.8mm、少なくとも約0.9mm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.5mm、または少なくとも約2mmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置の毛管要素が毛管要素の長さにわたって、最大約0.3mm、最大約0.4mm、最大約0.5mm、最大約0.6mm、最大約0.7mm、最大約0.8mm、最大約0.9mm、最大約1mm、最大約1.5mm、最大約2mm、または最大約2.5mmの平均直径を有する。
【0083】
本開示の毛管要素は例えば、楕円形、円形、長方形、三角形、八角形、五角形、六角形、または七角形の断面を有することができる。小さい断面積を有する毛管要素は、より大きい断面積を有する毛管要素と比較して、毛管要素の内容物(例えば、媒体、卵母細胞、胚)の増加した冷却および昇温速度を促進し得る。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が約0.03mm~約5mmの断面積を有する。いくつかの実施態様において、開示の毛管要素は、約0.03mm~約0.05mm、約0.03mm~約0.1mm、約0.03mm~約0.5mm、約0.03mm~約1mm、約0.03mm~約1.5mm、約0.03mm~約2mm、約0.03mm~約2.5mm、約0.03mm~約5mm、約0.05mm~約0.1mm、約0.05mm~約0.5mm、約0.05mm~約1mm、約0.05mm~約1.5mm、約0.05mm~約2mm、約0.05mm~約2.5mm、約0.05mm~約5mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約1.5mm、約0.1mm~約2mm、約0.1mm~約2.5mm、約0.1mm~約5mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約2.5mm、約0.5mm~約5mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、約1mm~約2.5mm、約1mm~約5mm、約1.5mm~約2mm、約1.5mm~約2.5mm、約1.5mm~約5mm、約2mm~約2.5mm、約2mm~約5mm、または約2.5mm~約5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素は、約0.03mm、約0.05mm、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、または約5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が少なくとも約0.03mm、少なくとも約0.05mm、少なくとも約0.1mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.5mm、少なくとも約2mm、または少なくとも約2.5mmの断面積を有する。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素が最大約0.05mm、最大約0.1mm、最大約0.5mm、最大約1mm、最大約1.5mm、最大約2mm、最大約2.5mm、または最大約5mmの断面積を有する。
【0084】
いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の容積が約0.1μL~約5μLである。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の容積は、約0.1μL~約0.2μL、約0.1μL~約0.4μL、約0.1μL~約0.6μL、約0.1μL~約0.8μL、約0.1μL~約1μL、約0.1μL~約1.2μL、約0.1μL~約1.4μL、約0.1μL~約1.6μL、約0.1μL~約1.8μL、約0.1μL~約2μL、約0.1μL~約5μL、約0.2μL~約0.4μL、約0.2μL~約0.6μL、約0.2μL~約0.8μL、約0.2μL~約1μL、約0.2μL~約1.2μL、約0.2μL~約1.4μL、約0.2μL~約1.6μL、約0.2μL~約1.8μL、約0.2μL~約2μL、約0.2μL~約5μL、約0.4μL~約0.6μL、約0.4μL~約0.8μL、約0.4μL~約1μL、約0.4μL~約1.2μL、約0.4μL~約1.4μL、約0.4μL~約1.6μL、約0.4μL~約1.8μL、約0.4μL~約2μL、約0.4μL~約5μL、約0.6μL~約0.8μL、約0.6μL~約1μL、約0.6μL~約1.2μL、約0.6μL~約1.4μL、約0.6μL~約1.6μL、約0.6μL~約1.8μL、約0.6μL~約2μL、約0.6μL~約5μL、約0.8μL~約1μL、約0.8μL~約1.2μL、約0.8μL~約1.4μL、約0.8μL~約1.6μL、約0.8μL~約1.8μL、約0.8μL~約2μL、約0.8μL~約5μL、約1μL~約1.2μL、約1μL~約1.4μL、約1μL~約1.6μL、約1μL~約1.8μL、約1μL~約2μL、約1μL~約5μL、約1.2μL~約1.4μL、約1.2μL~約1.6μL、約1.2μL~約1.8μL、約1.2μL~約2μL、約1.2μL~約5μL、約1.4μL~約1.6μL、約1.4μL~約1.8μL、約1.4μL~約2μL、約1.4μL~約5μL、約1.6μL~約1.8μL、約1.6μL~約2μL、約1.6μL~約5μL、約1.8μL~約2μL、約1.8μL~約5μL、または約2μL~約5μLである。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の容積は、約0.1μL、約0.2μL、約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.6μL、約1.8μL、約2μL、または約5μLである。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の容積は、少なくとも約0.1μL、少なくとも約0.2μL、少なくとも約0.4μL、少なくとも約0.6μL、少なくとも約0.8μL、少なくとも約1μL、少なくとも約1.2μL、少なくとも約1.4μL、少なくとも約1.6μL、少なくとも約1.8μL、または少なくとも約2μLである。いくつかの実施形態では、本開示の毛管要素の容積は、最大約0.2μL、最大約0.4μL、最大約0.6μL、最大約0.8μL、最大約1μL、最大約1.2μL、最大約1.4μL、最大約1.6μL、最大約1.8μL、最大約2μL、または最大約5μLである。
【0085】
毛管要素の細長い本体の厚さ(すなわち、毛管要素の壁厚)は、毛管要素の内容物(例えば、媒体、卵母細胞、胚)の冷却および昇温速度に影響を及ぼし得る。例えば、より薄い壁(すなわち、より薄い壁厚)を有する毛管要素は、より厚い壁(すなわち、より厚い壁厚)を有する毛管要素と比較して、増加した昇温/冷却速度を可能にすることができる。昇温/冷却速度の増加は、胚の周りの氷晶の形成を減少させ、胚の生存率を増加させることができる。いくつかの実施形態では、毛管要素が約0.25mm~約2mmの壁厚を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素は、約0.25mm~約0.5mm、約0.25mm~約0.75mm、約0.25mm~約1mm、約0.25mm~約1.25mm、約0.25mm~約1.5mm、約0.25mm~約2mm、約0.5mm~約0.75mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.25mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.75mm~約1mm、約0.75mm~約1.25mm、約0.75mm~約1.5mm、約0.75mm~約2mm、約1mm~約1.25mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、約1.25mm~約1.5mm、約1.25mm~約2mm、または約1.5mm~約2mmの壁厚を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素は、約0.25mm、約0.5mm、約0.75mm、約1mm、約1.25mm、約1.5mm、または約2mmの壁厚を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素は、少なくとも約0.25mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.75mm、少なくとも約1mm、少なくとも約1.25mm、または少なくとも約1.5mmの壁厚を有する。いくつかの実施形態では、毛管要素は、最大約0.5mm、最大約0.75mm、最大約1mm、最大約1.25mm、最大約1.5mm、または最大約2mmの壁厚を有する。
【0086】
(使用方法)
本明細書では、本開示の凍結保存装置を使用する方法が提供される。本明細書に開示される凍結保存装置は、ガラス化および/または昇温プロセスの複数の工程にわたって使用することができる。例えば、装置は1つ以上の細胞/複数の細胞の塊を取り込み、液体窒素に挿入されて、1つ以上の細胞/複数の細胞の塊をガラス化し、昇温されて1つ以上の細胞/複数の細胞の塊をガラス化解除し、1つ以上の細胞/複数の細胞の塊を取り出しすることができる。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、通例のホルダ、アクチュエータ、またはピペットなどの補助装置を必要とせずに使用することができる。いくつかの実施形態では、ヒートシーラーが1つ以上の細胞/複数の細胞の塊が装置に装填された後に、凍結保存装置の毛管要素の先端を密封するために使用される。いくつかの実施形態では、刃または一対はさみなどの切断装置を使用して、装置から1つまたは複数の細胞/複数の細胞の塊を取り出す直前に、以前に密封された毛管要素を切断する。
【0087】
いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置は、ガラス化および/または昇温プロセス中にユーザによって手動で取り扱われる。本明細書に開示される凍結保存装置の使用は、ガラス化または昇温プロセスの間に、細胞または複数の細胞の塊に損傷を引き起こす人為的エラーの可能性を低減し得る。
【0088】
ガラス化:高い冷却および昇温速度は、ガラス化プロセスの成功を促進することができる。高い冷却および昇温速度は例えば、氷の形成および再結晶の問題を克服することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凍結保存装置の使用は、ガラス化プロセス中に高い冷却速度を達成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるガラス化方法が以下を含む:
(A)本開示の凍結保存装置の装填、
(i)毛管要素の先端を、1つ以上の細胞または複数の細胞の塊を含む凍結保護媒体に導入し、
(ii)毛管要素が媒体およびその中に含まれる細胞または複数の細胞の塊を吸引するようにスライド可能なプランジャーを変位させ、それによって毛管要素の装填部分を生成し、
(B)毛管要素の装填された部分を冷却剤(例えば液体窒素)中に浸す。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるガラス化の方法は、媒体および細胞または複数の細胞の塊が吸引された後に、毛管要素に少量の空気を装填すること、および/または凍結保存装置を冷却剤(例えば、液体窒素)に浸漬する前に、毛管要素の一部(例えば、毛管要素の上部)を密封して閉鎖系を形成することをさらに含む。毛管要素の先端は例えば、熱(ヒートシール)を使用することによって、またはカバーもしくはシースを使用することによって、密封され得る。いくつかの実施形態では、毛管要素は、毛管要素の下端と毛管要素の中空部分内の内容物との間に配置されたシールを生成するように密封される(例えば、ヒートシールされる)。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞/複数の細胞の塊は、凍結保護媒体への毛管の導入前に凍結保護剤交換を受ける。
【0090】
いくつかの実施形態では、プランジャーと媒体との間の直接的な接触がないことを保証するために、凍結保存装置に1つ以上の細胞または複数の細胞の塊を装填する前に、少量の空気を装填することができる。加えて、または代替として、凍結保存装置は、昇温プロセスを容易にし、昇温媒体および細胞/複数の細胞の塊が一緒に回収されることを可能にするために、昇温媒体などの追加の媒体を装填され得る。いくつかの実施形態では、凍結保護媒体および追加の媒体(例えば、昇温媒体)は、毛管要素内の空隙によって緩衝され得る。いくつかの実施形態では、加熱によって装置を密封した後、毛管要素をさらに保護するために、シースまたはカバーを使用することができる。
【0091】
本明細書に開示される方法は、高い平均冷却速度を達成することができ、氷結晶の形成を低減することによってガラス化プロセスの成功を促進することができる。例えば、媒体の一定量は、本開示の毛管要素内に含まれる場合、媒体を含む毛管要素の一部を液体窒素などの冷却剤に浸漬すると、約200℃/分~約30,000℃/分の平均速度で冷却することができる。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を冷却剤に浸漬することにより、約200℃/分~約30,000℃/分の平均速度で媒体を冷却する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を冷却剤に浸漬することにより、約200℃/分~約900℃/分、約200℃/分~約1,500℃/分、約200℃/分~約3,000℃/分、約200℃/分~約4,500℃/分、約200℃/分~約6,000℃/分、約200℃/分~約12,000℃/分、約200℃/分~約15,000℃/分、約200℃/分~約17,750℃/分、約200℃/分~約20,000℃/分、約900℃/分~約1,500℃/分、約900℃/分~約3,000℃/分、約900℃/分~約4,500℃/分、約900℃/分~約6,000℃/分、約900℃/分~約12,000℃/分、約900℃/分~約15,000℃/分、約900℃/分~約17,750℃/分、約900℃/分~約30,000℃/分、約1,500℃/分~約3,000℃/分、約1,500℃/分~約4,500℃/分、約1,500℃/分~約6,000℃/分、約1,500℃/分~約12,000℃/分、約1,500℃/分~約15,000℃/分、約1,500℃/分~約17,750℃/分、約1,500℃/分~約20,000℃/分、約3,000℃/分~約4,500℃/分、約3,000℃/分~約6,000℃/分、約3,000℃/分~約12,000℃/分約3,000℃/分~約15,000℃/分、約3,000℃/分~約17,750℃/分、約3,000℃/分~約20,000℃/分、約4,500℃/分~約6,000℃/分、約4,500℃/分~約12,000℃/分、約4,500℃/分~約15,000℃/分、約4,500℃/分~約17,500℃/分、約4,500℃/分~約20,000℃/分、約6,000℃/分~約12,000℃/分、約6,000℃/分~約15,000℃/分、約6,000℃/分~約17,750℃/分、約6,000℃/分~約20,000℃/分、約12,000℃/分~約15,000℃/分、約12,000℃/分~約17,750℃/分、約12,000℃/分~約20,000℃/分、約15,000℃/分~約17,750℃/分、約15,000℃/分~約20,000℃/分、または約17,750℃/分~約20,000℃/分の平均速度で媒体を冷却する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を冷却剤に浸漬することにより、約200℃/分、約900℃/分、約1,500℃/分、約3,000℃/分、約4,500℃/分、約6,000℃/分、約12,000℃/分、約15,000℃/分、約17,750℃/分、または約20,000℃/分の平均速度で媒体を冷却する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を冷却剤に浸漬することにより、少なくとも約200℃/分、少なくとも約900℃/分、少なくとも約1,500℃/分、少なくとも約3,000℃/分、少なくとも約4,500℃/分、少なくとも約6,000℃/分、少なくとも約12,000℃/分、少なくとも約15,000℃/分、または少なくとも約17,750℃/分の平均速度で媒体を冷却する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を冷却剤に浸漬することにより、最大約900℃/分、最大約1,500℃/分、最大約3,000℃/分、最大約4,500℃/分、最大約6,000℃/分、最大約12,000℃/分、最大約15,000℃/分、最大約17,750℃/分、または最大約30,000℃/分の平均速度で媒体が冷却される。
【0092】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、約200℃/分~約30,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を冷却することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、約200℃/分~約900℃/分、約200℃/分~約1,500℃/分、約200℃/分~約3,000℃/分、約200℃/分~約4,500℃/分、約200℃/分~約6,000℃/分、約200℃/分~約12,000℃/分、約200℃/分~約15,000℃/分、約200℃/分~約17,750℃/分、約2000℃/分~約20,000℃/分、約900℃/分~約1,500℃/分、約900℃/分~約3,000℃/分、約900℃/分~約4,500℃/分、約900℃/分~約6,000℃/分、約900℃/分~約12,000℃/分、約900℃/分~約15,000℃/分、約900℃/分~約17,750℃/分、約900℃/分~約30,000℃/分、約1,500℃/分~約3,000℃/分、約1,500℃/分~約4,500℃/分、約1,500℃/分~約6,000℃/分、約1,500℃/分~約12,000℃/分、約1,500℃/分~約15,000℃/分、約1,500℃/分~約17,750℃/分、約1,500℃/分~約20,000℃/分、約3,000℃/分~約4,500℃/分、約3,000℃/分~約6,000℃/分、約3,000℃/分~約12,000℃/分、約3,000℃/分~約15,000℃/分、約3,000℃/分~約17,750℃/分、約3,000℃/分~約20,000℃/分、約4,500℃/分~約6,000℃/分、約4,500℃/分~約12,000℃/分、約4,500℃/分~約15,000℃/分、約4,500℃/分~約17,500℃/分、約4,500℃/分~約20,000℃/分、約6,000℃/分~約12,000℃/分、約6,000℃/分~約15,000℃/分、約6,000℃/分~約17,750℃/分、約6,000℃/分~約20,000℃/分、約12,000℃/分~約15,000℃/分、約12,000℃/分~約17,750℃/分、約12,000℃/分~約20,000℃/分、約15,000℃/分~約17,750℃/分、約15,000℃/分~約20,000℃/分、または約17,750℃/分~約20,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を冷却することを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、約200℃/分、約900℃/分、約1,500℃/分、約3,000℃/分、約4,500℃/分、約6,000℃/分、約12,000℃/分、約1,5000℃/分、約17,750℃/分、または約20,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を冷却することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、少なくとも約200℃/分、少なくとも約900℃/分、少なくとも約1,500℃/分、少なくとも約3,000℃/分、少なくとも約4,500℃/分、少なくとも約6,000℃/分、少なくとも約12,000℃/分、少なくとも約15,000℃/分、または少なくとも約17,750℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を冷却することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、最大約900℃/分、最大約1,500℃/分、最大約3,000℃/分、最大約4,500℃/分、最大約6,000℃/分、最大約12,000℃/分、最大約1,5000℃/分、最大約17,750℃/分、または最大約3,0000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を冷却することを含む。
【0094】
昇温:高い昇温速度は、昇温プロセス中の再結晶の問題を克服することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凍結保存装置の使用が高い昇温速度を達成することができる。いくつかの実施形態では、ガラス化媒体および細胞または複数の細胞の塊を含有する毛管要素(またはその部分)が、毛管要素の内容物の昇温を容易にするために、水浴中に浸漬される。いくつかの実施形態では、毛管要素が水浴中に少なくとも部分的に沈められている間、反復運動で動かされる。水浴は、例えば37℃の温度を有する液体を含むことができる。いくつかの実施形態では、毛管要素の内容物は、内容物(例えば、卵母細胞または胚)を最初の解凍溶液(例えば、昇温溶液)に直接送達することによって昇温される。内容物を解凍溶液に送達した後、内容物は、溶液中のCPAの濃度を減少させることができる。最初の解凍水溶液は例えば、約1mL~約4mLの分量であり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、冷却剤に浸漬される本開示の凍結保存装置に保存される細胞および/または複数の細胞の塊を昇温する方法が以下を含む:
(A)冷却剤(例えば液体窒素)からの凍結保存装置の取り外し、
(B)毛管要素の装填部分を液体(例えば、加熱された液体)の浴槽に直接浸すこと、
(C)存在する保護カバーまたはシースを引き込むおよび/または取り外す、ならびに
(D)例えば、凍結保存装置のスライド可能なプランジャーを押すか、または移動させることによって、細胞または複数の細胞の塊を含む媒体を排出する(例えば、スライド可能なプランジャーの位置を制御する変位機構を押すことによって)。
【0096】
いくつかの実施形態では、装置の中に装填された1つ以上の細胞または複数の細胞の塊を含む媒体は、装置から媒体および細胞または複数の細胞の塊を排出する前に、10℃を超えて温めることが可能である。いくつかの実施形態では、凍結保存装置は、装置から媒体および細胞または複数の細胞の塊を排出することを可能にするために、空気容積によって切断された密閉された先端を有する。いくつかの実施形態では、この方法が凍結保存装置の側面を乾燥させることを含む。
【0097】
昇温工程および排出の後、細胞または複数の細胞の塊は、その後の細胞プロセス(例えば、卵母細胞受精、胚移植、胚培養など)の前に、細胞を再水和および/または洗浄するための所望の方法に供され得る。
【0098】
本明細書中に開示される方法は、高い昇温速度を達成し得、これは解凍プロセスの間の液体の再結晶化を防ぐことによって、ガラス化後の解凍プロセスの成功を容易にし得る。例えば、媒体の一定量は、本開示の毛管要素内に含まれる場合、媒体を含む毛管要素の部分を加熱された液体中に浸漬すると、約10,000℃/分~約50,000℃/分の平均速度で温めることができる。液体は、例えば約30℃、または約37℃の温度を有することができる。いくつかの実施形態では、液体が少なくとも約30℃または少なくとも約37℃の温度を有することができる。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を加熱された液体に浸漬することにより、媒体を約10,000℃/分~約50,000℃/分の平均速度で昇温する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を加熱された液体に浸漬することにより、媒体を、約10,000℃/分~約15,000℃/分、約10,000℃/分~約20,000℃/分、約10,000℃/分~約24,000℃/分、約10,000℃/分~約30,000℃/分、約10,000℃/分~約35,000℃/分、約10,000℃/分~約42,000℃/分、約10,000℃/分~約50,000℃/分、約15,000℃/分~約20,000℃/分、約15,000℃/分~約24,000℃/分、約15,000℃/分~約30,000℃/分、約15,000℃/分~約35,000℃/分、約15,000℃/分~約42,000℃/分、約15,000℃/分~約50,000℃/分、約20,000℃/分~約24,000℃/分、約20,000℃/分~約30,000℃/分、約20,000℃/分~約35,000℃/分、約20,000℃/分~約42,000℃/分、約20,000℃/分~約50,000℃/分、約24,000℃/分~約30,000℃/分、約24,000℃/分~約35,000℃/分、約24,000℃/分~約42,000℃/分、約24,000℃/分~約50,000℃/分、約30,000℃/分~約35,000℃/分、約30,000℃/分~約42,000℃/分、約30,000℃/分~約50,000℃/分、約35,000℃/分~約42,000℃/分、約35,000℃/分~約50,000℃/分、または約42,000℃/分~約50,000℃/分の平均速度で昇温する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を加熱された液体に浸漬することにより、媒体を、約10,000℃/分、約15,000℃/分、約20,000℃/分、約24,000℃/分、約30,000℃/分、約35,000℃/分、約42,000℃/分、または約50,000℃/分の平均速度で昇温する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を加熱された液体に浸漬することにより、媒体を、少なくとも約10,000℃/分、少なくとも約15,000℃/分、少なくとも約20,000℃/分、少なくとも約24,000℃/分、少なくとも約30,000℃/分、少なくとも約35,000℃/分、または少なくとも約42,000℃/分の平均速度で昇温する。いくつかの実施形態では、媒体が装填された本開示の毛管要素を加熱された液体に浸漬することにより、媒体を、最大約15,000℃/分、最大約20,000℃/分、最大約24,000℃/分、最大約30,000℃/分、最大約35,000℃/分、最大約42,000℃/分、または最大約50,000℃/分の平均速度で昇温する。
【0099】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、約10,000℃/分~約50,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を昇温することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、約10,000℃/分~約15,000℃/分、約10,000℃/分~約20,000℃/分、約10,000℃/分~約24,000℃/分、約10,000℃/分~約30,000℃/分、約10,000℃/分~約35,000℃/分、約10,000℃/分~約42,000℃/分、約10,000℃/分~約50,000℃/分、約15,000℃/分~約20,000℃/分、約15,000℃/分~約24,000℃/分、約15,000℃/分~約30,000℃/分、約15,000℃/分~約35,000℃/分、約15,000℃/分~約42,000℃/分、約15,000℃/分~約50,000℃/分、約20,000℃/分~約24,000℃/分、約20,000℃/分~約30,000℃/分、約20,000℃/分~約35,000℃/分、約20,000℃/分~約42,000℃/分、約20,000℃/分~約50,000℃/分、約24,000℃/分~約30,000℃/分、約24,000℃/分~約35,000℃/分、約24,000℃/分~約42,000℃/分、約24,000℃/分~約50,000℃/分、約30,000℃/分~約35,000℃/分、約30,000℃/分~約42,000℃/分、約30,000℃/分~約50,000℃/分、約35,000℃/分~約42,000℃/分、約35,000℃/分~約50,000℃/分、または約42,000℃/分~約50,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を昇温することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、約10,000℃/分、約15,000℃/分、約20,000℃/分、約24,000℃/分、約30,000℃/分、約35,000℃/分、約42,000℃/分、または約50,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を昇温することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、少なくとも約10,000℃/分、少なくとも約15,000℃/分、少なくとも約20,000℃/分、少なくとも約24,000℃/分、少なくとも約30,000℃/分、少なくとも約35,000℃/分、または少なくとも約42,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を昇温することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、最大約15,000℃/分、最大約20,000℃/分、最大約24,000℃/分、最大約30,000℃/分、最大約35,000℃/分、最大約42,000℃/分、または最大約50,000℃/分の平均速度で毛管要素内の媒体を昇温することを含む。
【0100】
(ガラス化/昇温量)
いくつかの実施形態では、ガラス化または昇温プロセスは、媒体の一定量および細胞または複数の細胞の塊を含む内容物が装填された毛管要素を有する、本開示の凍結保存装置を使用して実施される。いくつかの実施形態では、媒体の一定量は約0.1μL~約5μLである。いくつかの実施形態では、媒体の一定量は、約0.2μL~約0.4μL、約0.2μL~約0.6μL、約0.2μL~約0.8μL、約0.2μL~約1μL、約0.2μL~約1.2μL、約0.2μL~約1.4μL、約0.2μL~約1.8μL、約0.2μL~約1.8μL、約0.2μL~約2μL、約0.2μL~約5μL、約0.4μL~約0.6μL、約0.4μL~約0.8μL、約0.4μL~約1μL、約0.4μL~約1.2μL、約0.4μL~約1.4μL、約0.4μL~約1.8μL、約0.4μL~約1.8μL、約0.4μL~約2μL、約0.4μL~約5μL、約0.6μL~約0.8μL、約0.6μL~約1μL、約0.6μL~約1.2μL、約0.6μL~約1.4μL、約0.6μL~約1.8μL、約0.6μL~約1.8μL、約0.6μL~約2μL、約0.6μL~約5μL、約0.8μL~約1μL、約0.8μL~約1.2μL、約0.8μL~約1.4μL、約0.8μL~約1.8μL、約0.8μL~約1.8μL、約0.8μL~約2μL、約0.8μL~約5μL、約1μL~約1.2μL、約1μL~約1.4μL、約1μL~約1.8μL、約1μL~約1.8μL、約1μL~約2μL、約1μL~約5μL、約1.2μL~約1.4μL、約1.2μL~約1.8μL、約1.2μL~約1.8μL、約1.2μL~約2μL、約1.2μL~約5μL、約1.4μL~約1.8μL、約1.4μL~約1.8μL、約1.4μL~約2μL、約1.4μL~約5μL、約1.8μL~約1.8μL、約1.8μL~約2μL、約1.8μL~約5μL、約1.8μL~約2μL、約1.8μL~約5μL、または約2μL~約5μLである。いくつかの実施形態では、媒体の一定量は、約0.2μL、約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.8μL、約1.8μL、約2μL、または約5μLである。いくつかの実施形態では、媒体の一定量は、少なくとも約0.2μL、約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.8μL、約1.8μL、または約2μLである。いくつかの実施形態では、媒体の一定量は最大約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.8μL、約1.8μL、約2μL、または約5μLである。
【0101】
いくつかの実施形態では、毛管要素内に装填される内容物の分量は約0.1μL~約5μLである。いくつかの実施形態では、毛管要素内に装填される内容物の分量は、約0.2μL~約0.4μL、約0.2μL~約0.6μL、約0.2μL~約0.8μL、約0.2μL~約1μL、約0.2μL~約1.2μL、約0.2μL~約1.4μL、約0.2μL~約1.8μL、約0.2μL~約1.8μL、約0.2μL~約2μL、約0.2μL~約5μL、約0.4μL~約0.6μL、約0.4μL~約0.8μL、約0.4μL~約1μL、約0.4μL~約1.2μL、約0.4μL~約1.4μL、約0.4μL~約1.8μL、約0.4μL~約1.8μL、約0.4μL~約2μL、約0.4μL~約5μL、約0.6μL~約0.8μL、約0.6μL~約1μL、約0.6μL~約1.2μL、約0.6μL~約1.4μL、約0.6μL~約1.8μL、約0.6μL~約1.8μL、約0.6μL~約2μL、約0.6μL~約5μL、約0.8μL~約1μL、約0.8μL~約1.2μL、約0.8μL~約1.4μL、約0.8μL~約1.8μL、約0.8μL~約1.8μL、約0.8μL~約2μL、約0.8μL~約5μL、約1μL~約1.2μL、約1μL~約1.4μL、約1μL~約1.8μL、約1μL~約1.8μL、約1μL~約2μL、約1μL~約5μL、約1.2μL~約1.4μL、約1.2μL~約1.8μL、約1.2μL~約1.8μL、約1.2μL~約2μL、約1.2μL~約5μL、約1.4μL~約1.8μL、約1.4μL~約1.8μL、約1.4μL~約2μL、約1.4μL~約5μL、約1.8μL~約1.8μL、約1.8μL~約2μL、約1.8μL~約5μL、約1.8μL~約2μL、約1.8μL~約5μL、または約2μL~約5μLである。いくつかの実施形態では、毛管要素内に装填される内容物の分量は、約0.2μL、約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.8μL、約1.8μL、約2μL、または約5μLである。いくつかの実施形態では、毛管要素内に装填される内容物の分量は、少なくとも約0.2μL、約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.8μL、約1.8μL、または約2μLである。いくつかの実施形態では、毛管要素内に装填される内容物の分量は、最大で約0.4μL、約0.6μL、約0.8μL、約1μL、約1.2μL、約1.4μL、約1.8μL、約1.8μL、約2μL、または約5μLである。
【0102】
ガラス化/昇温媒体:ガラス化媒体中に懸濁された細胞または複数の細胞の塊を用いてガラス化プロセスを実施することにより、細胞または複数の細胞の塊に対する損傷の可能性を低減することができる。ガラス化媒体の非限定的な例としては、Kitazatoガラス化昇温媒体、およびcook medical IVF胚盤胞ガラス化キット昇温媒体が挙げられる。いくつかの実施形態では、ガラス化媒体が例えば、エチレングリコール、DMSO、スクロースまたはトレハロースなどのCPAを含有する。
【0103】
(対照試験)
いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置が対照試験において使用される。例えば、ガラス化媒体を凍結保存装置に装填して、装置の装填部分を生成することができる。装置が装填された後、装填されたセクションは、液体窒素がガラス化媒体に接触せず、反復運動で前後に移動するように、液体窒素に浸漬され得る。液体窒素中への装填部分の浸漬および運動に続いて、ガラス化媒体は、少なくとも約900℃/分、1,500℃/分、2,500℃/分、または4,500℃/分の平均速度で冷却することができる。いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置に内容物が装填される。
【0104】
(キット)
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される凍結保存装置および/または他の構成要素がキット中に存在する。キットに存在し得る装置および構成要素の非限定的な例としては、凍結保存装置、内容物を含む容器、液体窒素浴、卵母細胞、卵子、胚、接合子、胚盤胞、卵丘複合体、ピペッター、毛管要素、スライド可能なプランジャー、および毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体が挙げられる。
【0105】
(ガラス化プロセスの自動化)
いくつかの実施形態では、本開示の凍結保存装置がロボットシステムの一部として、および/またはロボットシステムとのインターフェースとして使用することができる。ロボットシステムを伴った本明細書に開示される凍結保存装置の使用は、ガラス化プロセス、昇温プロセス、および/またはガラス化および昇温プロセスのサブセットの自動化を可能にすることができる。ガラス化および昇温プロセスまたはそのサブセットの自動化は、そのようなプロセス中に生じる人為的エラーの可能性を低減することができる。
【0106】
本開示の凍結保存装置は、システムを形成するために自動化された構成要素と相互作用させることができる。本明細書に開示されるシステムは、自動化されたシステムによってしっかりと保持された本開示の凍結保存装置を備えることができる。自動化されたシステムは例えば、凍結保存装置の運動を指定されたものに制御することができる。いくつかの実施形態では、凍結保存装置が自動化された構成要素と相互作用させることを可能にする特徴が、装置の成形部品上に組み込まれた単純な形状、例えば、自動化されたシステムが確実に接続することができる円筒形部分、平坦面、または窪みであってもよい。いくつかの実施形態では、剛性の毛管要素を有する凍結保存装置が、自動化された構成要素と相互作用する。いくつかの実施形態では、剛性の毛管要素を有する凍結保存装置の使用は、柔軟性の毛管要素と比較して、細胞または複数の細胞の塊に対する先端の位置のより決定論的な制御を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、自動化された構成要素と相互作用させる毛管要素は、画像化システムによるガラス化または昇温プロセス中に毛管要素の正確な位置決めを容易にするための特徴を含む。これらの特徴は例えば、基準マークまたは他の明確な特徴であり得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示のシステムは、本開示の凍結保存装置の毛管要素から、または毛管要素への、既知の位置を有するウェル(例えば、96ウェルプレートのウェルまたはバイオチップ)への、またはウェルからの、細胞または複数の細胞の塊の自動化された取り出しまたは装填を可能にする。例えば、本開示のシステムは、胚および少量のガラス化媒体を含むウェルに毛管要素の下端を挿入することができる。ウェルの設計は、胚およびガラス化媒体が明確に規定された位置に配置されることを確実にすることができる。この特徴は、光学システムを必要とせずに、細胞または複数の細胞の塊を確実に装填することを可能にする。例えば、ウェルの底部は図1に示すように、ウェルの残りの部分と比較して狭くすることができる。
【0108】
コンピュータシステム:いくつかの実施形態では、本開示の自動システムがコンピュータシステムによって制御される。例えば、コンピュータシステムは、自動システムによって凍結保存装置の動きを制御し、システムによって凍結保存装置のプランジャー(例えば、スライド可能なプランジャー)を正確に作動させることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムがプロセッサと、メモリ装置と、オペレーティングシステムと、押出機を監視または操作するためのソフトウェアモジュールとを備える。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムがデジタル処理装置を含み、1つ以上のハードウェア中央処理装置(CPU)を含む。さらなる実施形態では、コンピュータシステムが実行可能命令を実行するように構成されたオペレーティングシステムを含む。いくつかの実施形態では、オペレーティングシステムがプログラムおよびデータを含むソフトウェアであり、装置のハードウェアを管理し、アプリケーションの実行のためのサービスを提供する。適当なサーバオペレーティングシステムには、非限定的な例として、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD(登録商標)、Linux、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標)Solaris(登録商標)、Windows Server(登録商標)、およびNovell(登録商標)NetWare(登録商標)がある。適切なパーソナル・コンピュータ・オペレーティング・システムは、限定されない例として、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびGNU/Linux(登録商標)などのUNIXライクなオペレーティング・システムを含む。いくつかの実施形態では、オペレーティングシステムがクラウドコンピューティングによって提供される。いくつかの実施形態では、モバイルスマートフォンオペレーティングシステムが使用される。モバイルスマートフォンオペレーティングシステムの非限定的な例には、Nokia(登録商標)Symbian(登録商標)OS、Apple(登録商標)iOS(登録商標)、Research In Motion(登録商標)BlackBerry OS(登録商標)、Google Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)Windows phone(登録商標)OS、Microsoft(登録商標)Windows Mobile(登録商標)OS、Linux、およびPalm(登録商標)WebOSが含まれる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムが記憶装置および/またはメモリ装置を含む。いくつかの実施形態では、記憶装置および/またはメモリ装置は、データまたはプログラムを一時的または永続的に格納するために使用される1つまたは複数の物理的装置である。いくつかの実施形態では、装置は揮発性メモリであり、記憶された情報を維持するために電力を必要とする。いくつかの実施形態では、装置が不揮発性メモリであり、デジタル処理装置に電力が供給されていないときに、記憶された情報を保持する。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリはフラッシュメモリを含む。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリがダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含む。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリが強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)を含む。いくつかの実施形態では、不揮発性メモリが相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)を含む。いくつかの実施形態では、装置は非限定的な例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ装置、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、およびクラウドコンピューティングベースのストレージを含む記憶装置である。いくつかの実施形態では、記憶装置および/またはメモリ装置は本明細書で開示されるような装置の組み合わせである。
【0109】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するコンピュータシステムがユーザインターフェースを含む。さらなる実施形態において、ユーザインターフェースは、リピータ-ホスト・グラフィカル・ユーザ・インターフェースなどのグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは対話型であり、コンピュータシステムと対話し、本明細書に記載されるメニューおよびオプションをユーザに提示する。さらなる実施形態では、コンピュータシステムが視覚情報をユーザに送信するためのディスプレイを含む。いくつかの実施態様において、ディスプレイは陰極線管(CRT)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)である。さらなる実施形態では、ディスプレイは薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである。いくつかの実施形態では、OLEDディスプレイがパッシブマトリクスOLED(PMOLED)またはアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイである。いくつかの実施形態では、ディスプレイはプラズマディスプレイである。いくつかの実施形態では、ディスプレイはビデオプロジェクタである。いくつかの実施形態では、ディスプレイは本明細書で開示されるものなどのディスプレイの組合せである。いくつかの実施形態では、装置がユーザから情報を受信するための入力装置を含む。いくつかの実施形態では、入力装置はキーボードである。いくつかの実施形態では、入力装置はキーパッドである。いくつかの実施形態では、入力装置はタッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンであるディスプレイスクリーンである。いくつかの実施形態では、入力装置は音声または他の音声入力をキャプチャするためのマイクロフォンである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるシステムおよびソフトウェアモジュールがイントラネットベースである。いくつかの実施形態では、システムおよびソフトウェアモジュールがインターネットベースである。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムおよびソフトウェアモジュールがワールドワイドウェブベースである。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムおよびソフトウェアモジュールがクラウドコンピューティングベースである。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムおよびソフトウェアモジュールは、非限定的な例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ装置、RAM(たとえば、DRAM、SRAMなど)、ROM(たとえば、PROM、EPROM、EEPROMなど)、磁気テープドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ドライブ、ソリッドステートドライブ、およびそれらの組合せを含むデータ記憶装置に基づく。
【0110】
〔実施例〕
実施例1:使い捨て保存装置およびその使用
図2A図2B、および図3は、凍結保存中の卵母細胞および胚のための使い捨て保存装置(10)の第1の実施形態を示す。この装置は、ケーシング(11)の一端に毛管要素(13)を有する細長いケーシング(11)を含み、卵母細胞、胚、および/または細胞を、空気および/または媒体と共に装填すべき分量を決定する。この装置は、毛管要素(13)の内側に嵌合するスライドプランジャー(14)を含む。いくつかの実施形態では、プランジャーが毛管よりも長く、したがって、ケーシングの第2の端部に向かって延在する。この装置は、スライドプランジャー(14)を毛管要素(13)に沿って移動させるための変位機構(12)を備えている。図3に示すように、変位機構(12)はプランジャー(14)を保持するためのグリップを備えたスライドクリップ(12)とすることができ、ケーシング(11)に沿って移動可能である。機構12の他の代替物も使用することができる。装置(10)は例えば、患者の名前および日付などのメモ、または患者を識別し、データ追跡に役立つバーコードなどのコードといった情報を含むための領域(18)、(19)を外面に有する。
【0111】
卵母細胞および/または胚を装置(10)に装填する。卵母細胞および/または胚は、プランジャー(14)に直接接続されたスライドクリップ(12)を用いて毛管(13)内に吸引される。スライドクリップ(12)は、限られた範囲内でケーシング(11)の上下に移動され、吸引を制御する。吸引後、ケーシングの第1の端部の毛管要素(13)の先端を加熱して、毛管要素(13)およびその中の容積を密封する。毛管要素(13)は、ヒートシールを容易にするプラスチック製である。毛管要素(13)をさらに保護するために、カバーまたはシースを使用することができる。
【0112】
実施例2:ばね装填の保存装置
図4および図5は、使い捨て保存装置(40)の第2の実施形態を示す。この装置は図2A図2B、および図3に描かれた装置に類似しているが、スライド式クリップによって制御される代わりに、ボタン(42)を押すことによってプランジャーが作動される。この保存装置(40)は、ケーシング(41)、押圧ボタン(42)を備えたラッチ機構、プランジャー(44)、ばね(47)、ケーシング(41)の内側にあるばね(47)のための支持体(48)、および毛管要素(43)を備える。ボタン(42)を押すことによって、プランジャーは移動し、制御された方法で毛管(43)内の容積を装填または取り出しする。
【0113】
実施例3:スライドシースを有する保存装置
図6A図6B、および図7は、前の図4および図5のものと同様の使い捨て保存装置(30)の第3の実施形態を示す。この装置(30)は、ケーシング(31)に加えて、プランジャー(34)に接続された押圧ボタン(32)と、毛管要素(33)と、プランジャー(34)と、毛管要素(33)上を移動し、それを保護するためのスライドシースまたはカバー(35)とを含む。スライドシース(35)は、ユーザがケーシング(31)に沿ってシース(35)を変位させるのを助けるための付属物(39)を含む。図6Aは、シース(35)が引っ込められ、したがって毛管要素(33)を覆わない装置(30)を示し、図6Bは、毛管要素(33)を覆うシース(35)を有する装置を示す。
【0114】
実施例4:再使用可能な構成要素を有する装置
図8A図8B図8C、および図9には、本発明の第4の実施形態(20)が示されている。この実施形態20は、再使用可能なピペッター(50)を使い捨て構成要素(51)と相互作用させる。使い捨て凍結保存構成要素(51)は、異なる構造を有することができる。第1の構造は、図8Bに示され、毛管要素(23)に沿ってスライドするプランジャー(24)を含む。プランジャー(24)は、ピペッター(50)内のボタン(22)に接続されている。図8Cに示す、使い捨て構成要素(51)の第2の実施形態は、ケーシング(52)と、ケーシング(52)の一端上の毛管要素(53)と、毛管要素(53)の内側およびケーシング(52)の内側のプランジャー(54)とを備える。図8Cの装置の使い捨て構成要素(51)は、例えば、患者の名前および日付などのメモ、または患者を識別し、データ追跡に役立つバーコードなどのコードといった情報を含むための領域(53)、(54)をその外面に備える。
【0115】
図9は、図8Bおよび図8Cに示されている前述の2つとは異なる、再使用可能なピペッター(50)および使い捨て構成要素(51)の断面を示す。ピペッター(21)は、使い捨て装置(51)のプランジャー(24)に接続する変位機構を備える。変位機構は、第2のばね(29)によって押圧されたホルダーに接続するボタン(22)を押圧する第1のばね(27)を備えるラッチ機構である。ホルダーは、プランジャー(24)に接続されたグリップ装置(25)を受け取る。第1のばね(27)は、ボタン(22)とケーシング(21)内部の支持面との間に配置される。ボタン(22)が押されると、グリップ装置(25)を受けているホルダーは、毛管要素(23)に沿ってプランジャー(24)の変位を強制する。ボタン(22)が放されると、プランジャー(24)は、卵母細胞および/または胚を含む媒体を、毛管要素の先端を通して吸引する。ピペッター(50)および使い捨て装置(51)が使用された後、プランジャー(24)および毛管要素(23)を含む使い捨て構成要素(51)は、取り外され得、そして新しい使い捨て構成要素(51)によって置換され得る。先の実施例の装置と同様に、使い捨て毛管要素(23)の先端を加熱して、毛管要素(23)内の容積を密封することができる。さらに、または代替的に、毛管要素(23)を保護するために、カバーまたはシースを追加することができる。
【0116】
実施例5:本開示の装置への細胞の装填
卵丘複合体(COC)または卵母細胞を効果的に装填および取り出すための凍結保存装置の能力。この装置は図10に示すように、ピペッターと、毛管要素と、スライド可能なプランジャー(一緒になって毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体を形成する)と、毛管要素およびスライド可能なプランジャーをピペッターと連結するためのタブとを含んでいた。毛管要素とスライド可能なプランジャーとをピペッターと接続し、凍結保存装置を形成するために、図11に示すように、クランプ機構を使用して、タブをクランプし、スライド可能なプランジャーと毛管要素とを適所に保持した。次に、図11に示すように、プランジャーおよび毛管要素を所定の位置にしっかりと保持するために、ねじを締めた。次に、ピペッターのプランジャーを後方に移動させて少量の空気を吸引し、続いて卵母細胞またはCOCを毛管要素に吸引した。次いで、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体を装置から取り出し、液体窒素中に浸漬した。液体窒素に浸漬した後、毛管要素/スライド可能なプランジャーを液体窒素から取り出し、ピペッターに戻した。次いで、ピペッターのプランジャーを使用して、スライド可能なプランジャー(毛管要素内)を下方に駆動し、装填された流体および卵母細胞またはCOCを排出した。排出後、卵母細胞またはCOCを顕微鏡下で観察した。結果は、6/21の試験されたCOCが回収されたことを示した。鋭利なメスで毛管要素の先端をトリミングすることにより、COCリカバリー率が改善された。装置からの卵母細胞の装填および取り出しは成功した。
【0117】
実施例6:凍結保存装置内での卵母細胞のガラス化
卵母細胞は、本開示の凍結保存装置内でガラス化された。凍結保存装置は、毛管要素と、90度の角度で曲げられた上端を有するスライド可能なプランジャーと、ピペッターと、毛管要素およびスライド可能なプランジャーとピペッターとを接続するタブとを備える。毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体をピペッターに装填するために、スライド可能なプランジャーの上端を、図12に示すように、カスタムチップベンダーを用いて曲げた。次に、ピペッターのプランジャー(ピペットプランジャー)を、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体とピペッターとの相互作用を容易にする位置にロックした。次に、毛管要素とプランジャーとの複合体をピペッターに挿入し、ピペッターのクランプ機構を使用して、ピペットプランジャーがスライド可能なプランジャーの動きを制御できるように、毛管要素とプランジャーとの複合体を所定の位置に固定した。毛管要素-スライド可能なプランジャー装填プロセスの概要を図13に示す。凍結保存装置の画像を図14に示す。
【0118】
装置に卵母細胞を装填する前に、卵母細胞に対して手動で凍結交換プロセスを行った。凍結交換プロセスに続いて、卵母細胞を毛管要素に装填し、毛管要素当たり2つの卵母細胞を装填した。卵母細胞を、空隙が毛管要素中の卵母細胞の上下の両方に形成されるように装填した。次いで、毛管要素を高温表面に押し付けることによって、卵母細胞を含む領域の下で毛管要素をヒートシールした。毛管を密封した後、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体を液体窒素浴中に浸漬した。毛管要素の内容物を液体窒素内でガラス化させた後、卵母細胞溶液が温まるように、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体を液体窒素から除去した。次いで、卵母細胞溶液および卵母細胞を、スライド可能なプランジャーを毛管要素の下端に向かってスライドさせることによって、毛管要素から排出した。排出後、卵母細胞は昇温プロトコルを受けた。全体として、この過程は4回繰り返され、2個の卵母細胞が毎回その過程を経た。回収した8個の卵母細胞のうち、7個は昇温直後に健常であることが発生学者により観察された。数時間後、7個の健康な卵母細胞を偏光顕微鏡下で検査した。7個の卵母細胞すべてに紡錘体が見え、ガラス化と昇温処理が成功したことが示唆された。再昇温された卵母細胞の画像を図15に見ることができる。
【0119】
実施例7:本開示の装置におけるガラス化媒体の冷却速度
毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体に基づく凍結保存装置内のガラス化媒体の冷却速度が決定される。ガラス化媒体は、毛管要素に装填される。熱電対を毛管要素の開放端に挿入する(ガラス化媒体の一部を置換する)。Kapton(登録商標)テープは図16に示すように、熱電対を所定の位置に保持するために使用される。次に、毛管要素を液体窒素に浸漬し、前後に移動させる。熱電対を用いて、経時的なガラス化媒体の温度を記録する。
【0120】
実施例8:毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体ベースの凍結保存装置内のガラス化媒体の相対冷却速度
相対的な冷却速度を決定するために、熱電対を毛管要素の開放端に配置し、実施例7に記載したように、毛管要素を液体窒素に浸漬した後、経時的にガラス化媒体の温度を記録するために使用した。つぎの4つの相対条件を試験した:液体窒素中に静止して保持された小径毛管要素、液体窒素中に浸漬されている間に反復運動で移動させた小径毛管要素、液体窒素中に静止して保持された大径毛管要素、および液体窒素中に浸漬されている間に反復運動で移動させた大径毛管要素。結果は図17に示されるように、液体窒素中に浸漬されている間に動かされた小径毛管要素が最大の相対冷却速度を達成したことを示した。対照として、熱電対単独を液体窒素中に浸漬し、反復運動で移動させた(図17において「熱移動」とラベル付けされた線)。
【0121】
実施例9:本開示の凍結保存装置における胚の長期保存後のIVFの実施
卵丘複合体(COC)を含む卵胞液は、以前に卵胞刺激を受けた女性被験者から回収される。COCを卵胞液から単離し、洗浄する。COCの単離および洗浄に続いて、COCを、受精媒体を含有するマイクロドロップに入れる。オイルは、ウェルを覆い、細胞のための安定な条件を維持するために使用される。受精媒体中で約2~約6時間後、精子をウェルに添加し、COCと共に約16時間インキュベートする。16時間のインキュベーション後、精子および受精媒体(分離した卵丘細胞を含む)を除去し、胚培養媒体で置き換える。いくつかの場合において、さらなる洗浄は、低濃度のヒアルロニダーゼ(10~100IU)を含む培養媒体を用いて行われる。オイルをウェルに添加して、胚のための安定な条件を維持する。受精および培養プロセスを通して、環境制御はインキュベーターによって提供され、胚培養の3日目に胚培養媒体を交換する。
【0122】
胚培養の5日後、ウェル中のガラス化溶液の濃度が15分間にわたって0%から100%に増加するように、ガラス化溶液をウェルに添加する。ウェルを100%ガラス化溶液で満たした後、本開示の凍結保存装置の毛管要素の下端をウェルに挿入する。毛管要素がガラス化溶液および胚を吸引するようにプランジャーを変位させることによって、胚および約1μLのガラス化溶液を毛管要素に装填する。胚の装填に続いて、プランジャーをもう一度変位させることによって、少量の空気が毛管要素に装填される。次いで、毛管要素は、空気の一定量が装填された位置のすぐ下でヒートシールされる。毛管要素は、ヒートシールプロセスによって一方の側で密封され、プランジャーと毛管要素との間に形成されたシールを介して他方の側で密封され、次に液体窒素中に浸漬され、毛管要素の内容物をガラス化させる。毛管要素は、胚が患者に移される準備ができるまで、保存のために液体窒素中に留まる。
【0123】
胚を患者に移す準備ができたら、凍結保存装置を液体窒素から取り出し、毛管要素の内容物が解凍するまで37℃の温度の水浴に直接浸漬する。はさみを使用して、毛管要素に装填された空気の一定量を切断する。次に、プランジャーを変位させて、胚およびガラス化溶液をディッシュに排出し、そこで胚の再水和および洗浄プロセスを行うことができる。胚の再水和後、胚を培養媒体中で数時間インキュベートし、患者に移す。
【0124】
実施例10:本開示の凍結保存装置における卵母細胞の長期保存後のIVFの実施
卵丘複合体(COC)を含む卵胞液は、以前に卵胞刺激を受けた女性被験者から回収される。COCは卵胞液から単離され、洗浄される。卵母細胞は次に、卵丘細胞から単離されてウェルに置かれるように、露出される。卵母細胞は、次いで、ガラス化溶液中になるまで凍結保護剤交換プロトコルを受ける。次に、本開示の凍結保存装置の毛管要素の下端をウェルに挿入する。毛管要素がガラス化溶液および卵母細胞を吸引するようにプランジャーを変位させることによって、卵母細胞および約1μLのガラス化溶液を毛管要素に装填する。胚の装填に続いて、プランジャーをもう一度変位させることによって、少量の空気が毛管要素に装填される。次いで、毛管要素は、空気の一定量が装填された位置のすぐ下でヒートシールされる。毛管要素は、ヒートシールプロセスによって一方の側で密封され、プランジャーと毛管要素との間に形成されたシールを介して他方の側で密封され、次に液体窒素中に浸漬され、毛管要素の内容物をガラス化させる。毛管要素は、卵母細胞が受精する準備ができるまで、保存のために液体窒素中に留まる。
【0125】
卵母細胞が受精する準備ができたら、凍結保存装置を液体窒素から取り出し、毛管要素の内容物が解凍するまで、37℃の温度に加熱した液体浴に直接浸漬する。はさみを使用して、毛管要素に装填された空気の一定量を切断する。次いで、プランジャーを変位させて、卵母細胞を排出し、卵母細胞再水和のための昇温溶液を含むウェルに入れる。次いで、卵母細胞を、受精媒体を含むウェルに入れる。次いで、卵母細胞受精および胚移植プロセスのための下流手順を進行させることができる。
【0126】
〔実施形態〕
以下の非限定的な実施形態は、本明細書で開示される装置、システム、および方法の例示的な例を提供するが、本開示の範囲を限定するものではない。
【0127】
実施形態Al.凍結保存装置であって、
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体が
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャー、および
(c)内容物であって、
(i)細胞、および
(ii)媒体の一定量を含む内容物を含み、
前記内容物は前記底部開口と前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する前記中空部分のセクション内にあり、かつ
前記媒体の一定量は、前記中空部分の前記セクションに含まれる場合、前記中空部分の前記セクションを冷却剤に浸漬すると少なくとも約200℃/分の平均速度で冷却する、凍結保存装置。
【0128】
実施形態A2.前記スライド可能なプランジャーを前記中空部分に密封するシールをさらに備える、実施形態Alに記載の凍結保存装置。
【0129】
実施形態A3.前記シールは、前記中空部分への前記スライド可能なプランジャーの嵌め込みによって形成される、実施形態A2に記載の凍結保存装置。
【0130】
実施形態A4.シールがシール装置によって形成される、実施形態A2記載の凍結保存装置。
【0131】
実施形態A5.前記中空部分の第2セクションのシール時に閉鎖系が形成され、前記内容物が前記中空部分の前記第2セクションと前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する、実施形態A1~A4のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0132】
実施形態A6.前記中空部分内にシールをさらに含み、前記内容物は、前記中空部分内のシールと前記スライド可能なプランジャーの下端との間に位置する、実施形態A1~A5のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0133】
実施形態A7.毛管要素が略円筒形である、実施形態A1~A6のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0134】
実施形態A8.前記中空部分が略円筒形である、実施形態A1~A7のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0135】
実施形態A9.前記スライド可能なプランジャーが略円筒形である、実施形態A1~A8のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0136】
実施形態A10.毛管要素が剛性である、実施形態A1~A9のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0137】
実施形態A11.前記毛管要素が前記毛管要素の長さにわたってほぼ一定の断面積を有し、前記毛管要素の長さは、前記第1の細長い本体の前記下端と前記第1の細長い本体の前記上端との間の領域である、実施形態A1~A10のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0138】
実施形態A12.前記中空部分の直径が、約0.1mm~約2mmである、実施形態Al~A1lのいずれか一項に記載の凍結保存装置。
【0139】
実施形態A13.前記毛管要素が、約0.03mm~約5mmの断面積を有する、実施形態A1~A12のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0140】
実施形態A14.前記毛管要素が、最大で1.5mmの壁厚を有する、実施形態A1~A13のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0141】
実施形態A15.前記内容物が、約0.2μL~約5μLの分量である、実施形態A1~A14のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0142】
実施形態A16.前記内容物が約2μLの分量である、実施形態A1~A15のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0143】
実施形態A17.前記細胞が卵母細胞である、実施形態A1~A16のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0144】
実施形態A18.前記細胞が卵子である、実施形態A1~A16のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0145】
実施形態A19.前記細胞が、複数の細胞の塊の一部である、実施形態A1~A16のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0146】
実施形態A20.前記複数の細胞の塊が胚である、実施形態A19に記載の凍結保存装置。
【0147】
実施形態A21.前記複数の細胞の塊が接合子である、実施形態A19に記載の凍結保存装置。
【0148】
実施形態A22.前記複数の細胞の塊が胚盤胞である、実施形態A19に記載の凍結保存装置。
【0149】
実施形態A23.前記複数の細胞の塊が卵丘複合体である、実施形態A19に記載の凍結保存装置。
【0150】
実施形態A24.前記媒体の一定量が、約0.2μL~約5μLである、実施形態A1~A23のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0151】
実施形態A25.前記媒体の一定量が、約1μLである、実施形態A1~A24のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0152】
実施形態A26.前記内容物がガラス化される場合、前記媒体の一定量は、前記中空部分の前記セクション内に含まれる場合、前記中空部分の前記セクションを約30℃以上の温度で液体に浸漬すると、少なくとも約10,000℃/分の平均速度で昇温する、実施形態A1~A25のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0153】
実施形態A27.前記液体が約37℃の温度を有する、実施形態A26に記載の凍結保存装置。
【0154】
実施形態A28.前記毛管要素が、少なくとも約0.05W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態A1~A27のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0155】
実施形態A29.前記毛管要素が、約0.2W/m・K~約0.5W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態A1~A28のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0156】
実施形態A30.前記第1の細長い本体が、ヒートシールされる、実施形態A1~A29のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0157】
実施形態A31.細長いケーシングをさらに備え、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが、前記細長いケーシングの第1の端部内に収容される、実施形態A1~A30のいずれか1項に記載の凍結保存装置。
【0158】
実施形態A32.前記細長いケーシングの前記第1の端部に前記毛管要素を接続するタブをさらに備える、実施形態A31に記載の凍結保存装置。
【0159】
実施形態A33.前記細長いケーシングに取り付けられた変位機構をさらに備え、前記変位機構は、前記変位機構の作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、実施形態A31またはA32に記載の凍結保存装置。
【0160】
実施形態A34.前記スライド可能なプランジャーの前記下端は前記毛管要素内にあり、前記スライド可能なプランジャーの前記上端は前記毛管要素の外側にある、実施形態A1~A33のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0161】
実施形態A35.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約15度から約100度の角度で曲げられて、曲げられた端部を形成している、実施形態A34に記載の凍結保存装置。
【0162】
実施形態A36.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約90度の角度で曲げられて、前記曲げられた端部を形成している、実施形態A35に記載の凍結保存装置。
【0163】
実施形態A37.ピペッターをさらに含み、前記ピペッターが
(I)上端と下端とを備える細長いケーシングであって、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが前記細長いケーシングの前記下端内に収容されている細長いケーシング、
(II)クランプ機構であって、前記細長いケーシングの前記下端に前記毛管要素を接続するタブにクランプされている、クランプ機構、
(III)ピペットプランジャーであって、上端と、下端と、前記ピペットプランジャーの前記上端を前記ピペットプランジャーの前記下端に接続する第3の細長い本体とを備えるピペットプランジャー、および
(IV)前記ピペットプランジャーを前記細長いケーシングに接続しており、前記ピペットプランジャーを作動させるように構成されている作動要素、を含み、
前記ピペットプランジャーの前記下端は前記細長いケーシング内にあり、
前記ピペットプランジャーの前記上端は前記細長いケーシングの外側にあり、かつ
前記ピペットプランジャーは、前記ピペットプランジャーの作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、
実施形態A1~A30のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0164】
実施形態A38.前記ピペットプランジャーが前記第3の細長い本体上に突起をさらに備え、
前記ピペッターがさらにばねを含み、
前記ばねは前記第3の細長い本体の周りに巻き付けられ、前記ピペットプランジャーの前記下端と前記突起との間に位置しており、
前記ばねが前記突起に接触しており、
前記突起が前記ばねを所定の位置に保持するように構成されており、かつ
前記ばねは前記ピペットプランジャーの運動を減衰させるように構成されている、
実施形態A37に記載の凍結保存装置。
【0165】
実施形態A39.前記ピペットプランジャーの前記上端に動作可能に接続されたボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すことによって前記ピペットプランジャーが前記細長いケーシングを通って作動するように構成されている、実施形態A37またはA38に記載の凍結保存装置。
【0166】
実施形態A40.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に直接接続されている、実施形態A37~A39のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0167】
実施形態A41.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に間接的に接続されている、実施形態A37~A39のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0168】
実施形態A42.前記第1の細長い本体上に位置する識別子をさらに備える、実施形態A1~A41のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0169】
実施形態A43.外側構造と内側空隙とを備えるカバーをさらに備え、前記第1の細長い本体の少なくとも一部が、前記カバーの前記内側空隙内にある、実施形態A1~A42のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0170】
実施形態A44.以下を含む方法であって、
(a)凍結保存装置の一部を、内容物を含む容器に挿入することであって、このとき、
前記内容物が、
媒体の一定量、および
細胞、を含み
前記凍結保存装置は
(I)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体が
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(II)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャーを含む、こと、および
(b)工程(a)の後、前記毛管要素に前記内容物を装填することによって前記毛管要素の装填部分を生成すること、
を含む、方法。
【0171】
実施形態A45.前記毛管要素に装填することは、前記スライド可能なプランジャーの前記下端が前記底部開口から離れて前記頂部開口に向かって移動するように、前記スライド可能なプランジャーを前記毛管要素の長手方向軸に沿ってスライドさせることを含む、実施形態A44に記載の方法。
【0172】
実施形態A46.工程(a)の前に、空気の第1の分量を前記毛管要素に装填することによって上部空気間隙を生成する工程をさらに含む、実施形態A44またはA45に記載の方法。
【0173】
実施形態A47.空気の第1の分量を前記毛管要素に装填することは、前記スライド可能なプランジャーの前記下端が前記底部開口から離れて前記頂部開口に向かって移動するように、前記スライド可能なプランジャーを前記毛管要素の長手方向軸に沿ってスライドさせることを含む、実施形態A46に記載の方法。
【0174】
実施形態A48.前記上部空気間隙は、前記スライド可能なプランジャーの前記下端と前記毛管要素の前記装填部分との間に位置する、実施形態A46またはA47に記載の方法。
【0175】
実施形態A49.工程(b)の後に、
(c)前記凍結保存装置の前記一部を前記容器から取り除くこと、および
(d)工程(c)の後、前記毛管要素の前記装填部分を冷却剤に浸漬することによって前記内容物をガラス化すること、
をさらに含む、実施形態A44~A48のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
実施形態A50.工程(c)の後、および工程(d)の前に、前記毛管要素に空気の一定量を装填することによって、下部空気間隙を生成することをさらに含む、実施形態A49に記載の方法。
【0177】
実施形態A51.空気の一定量を前記毛管要素に装填することが、前記スライド可能なプランジャーの前記下端が前記底部開口から離れて前記頂部開口に向かって移動するように、前記スライド可能なプランジャーを前記毛管要素の長手方向軸に沿ってスライドさせることを含む、実施形態A50に記載の方法。
【0178】
実施形態A52.前記下部空気間隙が、前記底部開口と前記毛管要素の前記装填部分との間にある、実施形態A50またはA51に記載の方法。
【0179】
実施形態A53.工程(c)の後、および工程(d)の前に、
前記第1の細長い本体をある位置で加熱し、それによって、その位置でヒートシールを生成することをさらに含み、前記毛管要素の前記装填部分は、前記ヒートシールと前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間にある、
実施形態A49~A52のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
実施形態A54.内容物をガラス化することは、前記媒体の一定量を少なくとも約200℃/分の平均速度で冷却することを含む、実施形態A49~A53のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
実施形態A55.前記冷却剤が液体窒素である、実施形態A49~A54のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
実施形態A56.工程(d)の後に
(e)前記冷却剤から前記毛管要素の前記装填部分を取り除くこと、および
(f)前記毛管要素の前記装填部分を約30℃以上の温度で液体に浸漬することによって、前記媒体の一定量を少なくとも約10,000℃/分の平均速度で昇温すること、
をさらに含む、実施形態A49~A55のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
実施形態A57.前記液体が約37℃の温度を有する、実施形態A56に記載の方法。
【0184】
実施形態A58.前記凍結保存装置が、前記スライド可能なプランジャーを前記中空部分に密封するシールをさらに含む、実施形態A44~A57のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
実施形態A59.前記シールが、前記中空部分への前記スライド可能なプランジャーの嵌め込みによって形成される、実施形態A58に記載の方法。
【0186】
実施形態A60.前記シールがシール装置によって形成される、実施形態A60記載の方法。
【0187】
実施形態A61.前記毛管要素が円筒形である、実施形態A44~A60のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
実施形態A62.前記中空部分が略円筒形である、実施形態A44~A61のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
実施形態A63.前記スライド可能なプランジャーが、略円筒形である、実施形態A44~A62のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
実施形態A64.前記毛管要素が剛性である、実施形態A44~A63のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
実施形態A65.前記毛管要素が、前記毛管要素の長さにわたってほぼ一定である断面積を有し、前記毛管要素の長さが、前記第1の細長い本体の前記下端と前記第1の細長い本体の前記上端との間の領域である、実施形態A44~64のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態A66.前記中空部分の直径が約0.1mm~約2mmである、実施形態A44~A65のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
実施形態A67.前記毛管要素が、約0.03mm~約5mmの断面積を有する、実施形態A44~A66のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
実施形態A68.前記毛管要素が、最大で1.5mmの壁厚を有する、実施形態A44~A67のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
実施形態A69.前記内容物が、約0.2μL~約5μLの分量である、実施形態A44~A68のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
実施形態A70.前記内容物が約2μLの分量である、実施形態A44~A69のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態A71.前記細胞が卵母細胞である、実施形態A44~A70のいずれか一項記載の方法。
【0198】
実施形態A72.前記細胞が卵子である、実施形態A44~A70のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
実施形態A73.前記細胞が、複数の細胞の塊の一部である、実施形態A44~A70のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
実施形態A74.前記複数の細胞の塊が胚である、実施態様A73記載の方法。
【0201】
実施形態A75.前記複数の細胞の塊が接合子である、実施態様A73記載の方法。
【0202】
実施形態A76.前記複数の細胞の塊が胚盤胞である、実施態様A73記載の方法。
【0203】
実施形態A77.前記複数の細胞の塊が卵丘複合体である、実施形態A73記載の方法。
【0204】
実施形態A78.前記媒体の一定量が、約0.2μL~約5μLである、実施形態A44~A77のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
実施形態A79.前記媒体の一定量が約1μLである、実施形態A44~A78のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
実施形態A80.前記毛管要素が、少なくとも0.05W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態A44~A79のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
実施形態A81.前記毛管要素が、約0.2W/m・Kから約0.5W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態A44~A80のいずれか1つに記載の方法
実施形態A82.前記毛管要素が、約0.33W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態A44~A81のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
実施形態A83.前記凍結保存装置が細長いケーシングをさらに備え、前記第1の細長い本体の前記上端と、前記スライド可能なプランジャーの上端とが、前記細長いケーシングの第1の端部内に収容されている、実施形態A44~A82のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
実施形態A84.工程(b)の後に
(c)前記凍結保存装置の前記一部を前記容器から取り出すこと、
(d)前記細長いケーシングから前記毛管要素および前記スライド可能なプランジャーを取り除くことによって、前記凍結保存装置の少なくとも一部分を取り外すこと、および
(e)前記毛管要素の前記装填部分を冷却剤に浸漬することによって前記内容物をガラス化すること、
をさらに含む、実施形態A83に記載の方法。
【0210】
実施形態A85.前記凍結保存装置が、前記細長いケーシングの前記第1の端部に前記毛管要素を接続するタブをさらに備える、実施形態A83またはA84に記載の方法。
【0211】
実施形態A86.前記凍結保存装置が、前記細長いケーシングに取り付けられた変位機構をさらに備え、前記変位機構は、前記変位機構の作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、実施形態A83~A85のいずれか1つの方法。
【0212】
実施形態A87.前記スライド可能なプランジャーの前記下端は前記毛管要素内にあり、かつ前記スライド可能なプランジャーの前記上端は前記毛管要素の外側にある、実施形態A44~A86のいずれか1つに記載の方法
実施形態A88.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約15度~約100度の角度で曲げられ、曲げられた端部を形成している、実施形態A87に記載の方法。
【0213】
実施形態A89.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約90度の角度で曲げられ、前記曲げられた端部を形成している、実施形態A88に記載の方法。
【0214】
実施形態A90.前記凍結保存装置がピペッターをさらに含み、前記ピペッターが
(I)上端と下端とを備える細長いケーシングであって、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが前記細長いケーシングの前記下端内にそれぞれ挿入されている、細長いケーシング、
(II)クランプ機構であって、前記細長いケーシングの前記下端に前記毛管要素を接続するタブにクランプされている、クランプ機構、
(III)ピペットプランジャーであって、上端と、下端と、前記ピペットプランジャーの前記上端を前記ピペットプランジャーの前記下端に接続する第3の細長い本体とを備えるピペットプランジャー、および
(IV)前記ピペットプランジャーを前記細長いケーシングに接続しており、前記ピペットプランジャーを作動させるように構成されている作動要素、を含み、
前記ピペットプランジャーの前記下端は前記細長いケーシング内にあり、
前記ピペットプランジャーの前記上端は前記細長いケーシングの外側にあり、かつ
前記ピペットプランジャーは前記ピペットプランジャーの作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、
実施形態A44~A82のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
実施形態A91.前記ピペットプランジャーは前記第3の細長い本体上に突起をさらに備え、
前記ピペッターはさらにばねを含み、
前記ばねは前記第3の細長い本体の周りに巻き付けられ、前記ピペットプランジャーの前記下端と前記突起との間に位置しており、
前記ばねが前記突起に接触しており、
前記突起は前記ばねを所定の位置に保持するように構成されており、かつ
前記ばねは前記ピペットプランジャーの運動を減衰させるように構成されている、
実施形態A90に記載の方法。
【0216】
実施形態A92.前記凍結保存装置が、前記ピペットプランジャーの前記上端に動作可能に接続されたボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すことによって前記ピペットプランジャーが前記細長いケーシングを通って作動するように構成されている、実施形態A90またはA91に記載の方法。
【0217】
実施形態A93.工程(b)の後に
(c)前記凍結保存装置の部分を前記容器から取り除くこと、
(d)前記細長いケーシングから前記毛管要素および前記スライド可能なプランジャーを取り除くことによって、前記凍結保存装置の少なくとも一部分を取り外すこと、および
(e)前記毛管要素の前記装填部分を冷却剤に浸漬することによって前記内容物をガラス化すること、
をさらに含む、実施形態A90~A92のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
実施形態A94.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に直接接続されている、実施形態A90~A93のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
実施形態A95.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に間接的に接続されている、実施形態A90~A93のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
実施形態B1.凍結保存装置であって、
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素、
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー、ならびに
(c)内容物であって、
(i)細胞、および
(ii)媒体の一定量を含む内容物を含み、
前記内容物は前記底部開口と前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する前記中空部分のセクション内にあり、
前記内容物を含む前記中空部分の前記セクションが冷却剤と接触する場合、
前記内容物はガラス化し、かつ
細胞膜が破裂しない、凍結保存装置。
【0221】
実施形態B2.前記スライド可能なプランジャーを前記中空部分に密封するシールをさらに備える、実施形態Blに記載の凍結保存装置。
【0222】
実施形態B3.前記シールが、前記中空部分への前記スライド可能なプランジャーの嵌め込みによって形成される、実施形態B2に記載の凍結保存装置。
【0223】
実施形態B4.前記シールがシール装置によって形成される、実施形態B2に記載の凍結保存装置。
【0224】
実施形態B5.前記中空部分の第2セクションの密封時に閉鎖系が形成され、前記内容物は、前記中空部分の前記第2セクションと前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する、実施形態B1~B4のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0225】
実施形態B6.前記中空部分内にシールをさらに備え、前記内容物は、前記中空部分内の前記シールと前記スライド可能なプランジャーの前記下端との間に位置する、実施形態B1~B5のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0226】
実施形態B7.前記毛管要素が円筒形である、実施形態B1~B6のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0227】
実施形態B8.前記中空部分が略円筒形である、実施形態B1~B6のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0228】
実施形態B9.前記スライド可能なプランジャーが略円筒形である、実施形態B1~B8のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0229】
実施形態B10.前記毛管要素が剛性である、実施形態B1~B9のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0230】
実施形態B11.前記毛管要素は前記毛管要素の長さにわたってほぼ一定である断面積を有し、前記毛管要素の長さは、前記第1の細長い本体の前記下端から前記第1の細長い本体の前記上端までの間の領域である、実施形態B1~B10のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0231】
実施形態B12.前記中空部分の直径が、約0.1mm~約2mmである、実施形態Bl~Blのいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0232】
実施形態B13.前記毛管要素が約0.03mm~約5mmの断面積を有する、実施形態B1~B12のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0233】
実施形態B14.前記毛管要素が、最大で1.5mmの壁厚を有する、実施形態B1~B13のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0234】
実施形態B15.前記内容物が約0.2μL~約5μLの分量である、実施形態B1~B14のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0235】
実施形態B16.前記内容物が約2μLの分量である、実施形態B1~B14のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0236】
実施形態B17.前記細胞が卵母細胞である、実施形態B1~B16のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0237】
実施形態B18.前記細胞が卵子である、実施形態B1~B16のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0238】
実施形態B19.前記細胞が、複数の細胞の塊の一部である、実施形態Bl~B-16のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0239】
実施形態B20.前記複数の細胞の塊が胚である、実施形態B19に記載の凍結保存装置。
【0240】
実施形態B21.前記複数の細胞の塊が接合子である、実施形態B19に記載の凍結保存装置。
【0241】
実施形態B22.前記複数の細胞の塊が胚盤胞である、実施形態B19に記載の凍結保存装置。
【0242】
実施形態B23.前記複数の細胞の塊が卵丘複合体である、実施形態B19に記載の凍結保存装置。
【0243】
実施形態B24.前記媒体の一定量が約0.2μL~約5μLである、実施形態B1~B23のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0244】
実施形態B25.前記媒体の一定量が約1μLである、実施形態B1~B23のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0245】
実施形態B26.前記内容物がガラス化されるとき、前記媒体の一定量が前記中空部分の前記セクション内に含まれる場合、前記中空部分の前記セクションを約30℃以上の温度で液体へ浸漬する時に、少なくとも約10,000℃/分の平均速度で昇温する、実施形態B1~B25のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0246】
実施形態B27.前記液体が約37℃の温度を有する、実施形態B26に記載の凍結保存装置。
【0247】
実施形態B28.前記毛管要素が、少なくとも約0.05W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態B1~B27のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0248】
実施形態B29.前記毛管要素が、約0.2W/m・K~約0.5W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態B1~B28のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0249】
実施形態B30.前記第1の細長い本体がヒートシールされる、実施形態B1~B29のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0250】
実施形態B31.細長いケーシングをさらに備え、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが、前記細長いケーシングの第1の端部内に収容される、実施形態B1~B30のいずれか一項に記載の凍結保存装置。
【0251】
実施形態B32.前記毛管要素を前記細長いケーシングの前記第1の端部に接続するタブをさらに備える、実施形態B31に記載の凍結保存装置。
【0252】
実施形態B33.前記細長いケーシングに取り付けられた変位機構をさらに備え、前記変位機構は、前記変位機構の作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、実施形態B31または実施形態32に記載の凍結保存装置。
【0253】
実施形態B34.前記スライド可能なプランジャーの前記下端は前記毛管要素内にあり、前記スライド可能なプランジャーの前記上端は前記毛管要素の外側にある、実施形態B1~B34のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0254】
実施形態B35.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約15度から約100度の角度で曲げられて、曲げられた端部を形成している、実施形態B34に記載の凍結保存装置。
【0255】
実施形態B36.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約90度の角度で曲げられて、前記曲げられた端部を形成している、実施形態B35に記載の凍結保存装置。
【0256】
実施形態B37.ピペッターをさらに含み、ピペッターが
(I)上端と下端とを備える細長いケーシングであって、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが前記細長いケーシングの前記下端内に収容される細長いケーシングと、
(II)クランプ機構が、前記細長いケーシングの下端に前記毛管要素を接続するタブにクランプされる、クランプ機構と、
(III)ピペットプランジャーであって、上端と、下端と、前記ピペットプランジャーの前記上端と前記ピペットプランジャーの前記下端とを接続する第3の細長い本体とを備えるピペットプランジャー、
(IV)前記ピペットプランジャーを前記細長いケーシングに接続しており、前記ピペットプランジャーを作動させるように構成されている作動要素と、を含み、
前記ピペットプランジャーの前記下端は前記細長いケーシング内にあり、
前記ピペットプランジャーの前記上端は前記細長いケーシングの外側にあり、かつ
前記ピペットプランジャーは、前記ピペットプランジャーの作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、
実施形態B1~B30のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0257】
実施形態B38.前記ピペットプランジャーが前記第3の細長い本体上に突起をさらに備え、
前記ピペッターがさらにばねを含み、
前記ばねは前記第3の細長い本体の周りに巻き付けられ、前記ピペットプランジャーの前記下端と前記突起との間に位置しており、
前記ばねが前記突起に接触しており、
前記突起が前記ばねを所定の位置に保持するように構成されており、
前記ばねは前記ピペットプランジャーの動きを減衰させるように構成されている、
前記実施形態B37に記載の凍結保存装置。
【0258】
実施形態B39.前記ピペットプランジャーの前記上端に動作可能に接続されたボタンをさらに備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すことによって前記ピペットプランジャーが前記細長いケーシングを通って作動するように構成されている、実施形態B37またはB38に記載の凍結保存装置。
【0259】
実施形態B40.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に直接接続される、実施形態B37~B39のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0260】
実施形態B41.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に間接的に接続される、実施形態B37~B39のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0261】
実施形態B42.前記第1の細長い本体上に位置する識別子をさらに備える、実施形態B1~B41のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0262】
実施形態B43.外側構造および内側空隙を備えるカバーをさらに備え、前記第1の細長い本体の少なくとも一部が、前記カバーの前記内側空隙内にある、実施形態B1~B42のいずれか1つに記載の凍結保存装置。
【0263】
実施形態C1.(a)凍結保存装置の装填部分を冷却することであって、このとき
前記装填部分は、
媒体の一定量、および
細胞
を含む内容物を含み、
前記凍結保存装置は
(I)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は、
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素
(II)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、かつ
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下であるスライド可能なプランジャー、を含む凍結保存装置である、
冷却することを含む、方法。
【0264】
実施形態C2.前記スライド可能なプランジャーを前記中空部分に密封するシールをさらに備える、実施形態C1に記載の方法。
【0265】
実施形態C3.前記シールは、前記中空部分への前記スライド可能なプランジャーの嵌め込みによって形成される、実施形態C2に記載の方法。
【0266】
実施形態C4.前記シールがシール装置によって形成される、実施形態C2記載の方法。
【0267】
実施形態C5.前記毛管要素が円筒形である、実施形態C1~C4のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
実施形態C6.前記中空部分が略円筒形である、実施形態C1~C5のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態C7.前記スライド可能なプランジャーが略円筒形である、実施形態C1~C6のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態C8.前記毛管要素が剛性である、実施形態C1~C7のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
実施形態C9.前記毛管要素が前記毛管要素の長さにわたってほぼ一定の断面積を有し、前記毛管要素の長さは、前記第1の細長い本体の下端と前記第1の細長い本体の上端との間の領域である、実施形態C1~C8のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
実施形態C10.前記中空部分の直径が約0.1mm~約2mmである、実施形態C1~C9のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
実施形態C11.前記毛管要素が約0.03mm~約5mmの断面積を有する、実施形態C1~C10のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
実施形態C12.前記毛管要素が、最大で1.5mmの壁厚を有する、実施形態Cl-Cl 1のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
実施形態C13.前記内容物が約0.2μL~約5μLの分量である、実施形態Cl~Cl2のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
実施形態C14.前記内容物が約2μLの分量である、実施形態C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
実施形態C15.前記細胞が卵母細胞である、実施形態C1~C13のいずれか一項記載の方法。
【0278】
実施形態C16.前記細胞が卵子である、実施形態C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
実施形態C17.前記細胞が複数の細胞の塊の一部である、実施形態C1~C13のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
実施形態C17.前記複数の細胞の塊が胚である、実施態様C17に記載の方法。
【0281】
実施形態C18.前記複数の細胞の塊が接合子である、実施態様C17に記載の方法。
【0282】
実施形態C19.前記複数の細胞の塊が胚盤胞である、実施態様C17に記載の方法。
【0283】
実施形態C20.前記複数の細胞の塊が卵丘複合体である、実施態様C17に記載の方法。
【0284】
実施形態C21.前記媒体の一定量が、約0.2μL~約5μLである、実施形態C1~C20のいずれか1つの実施形態に記載の方法。
【0285】
実施形態C22.前記媒体の一定量が、約1μLである、実施形態C1~C21のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
実施形態C23.前記毛管要素が、少なくとも約0.05W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態C1~C22のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
実施形態C24.前記毛管要素が、約0.2W/m・K~約0.5W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態C1~C23のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
実施形態C25.前記毛管要素が、約0.33W/m・Kの熱伝導率を有する、実施形態C1~C24のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
実施形態C26.前記凍結保存装置が細長いケーシングをさらに備え、前記前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とが、前記細長いケーシングの第1の端部内に収容されている、実施形態C1~C25のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
実施形態C27.前記凍結保存装置が、前記細長いケーシングの前記第1の端部に前記毛管要素を接続するタブをさらに備える、実施形態C26に記載の方法。
【0291】
実施形態C28.凍結保存装置が前記細長いケーシングに取り付けられた変位機構をさらに備え、前記変位機構は、前記変位機構の作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、実施形態C26に記載の方法。
【0292】
実施形態C29.前記スライド可能なプランジャーの前記下端は前記毛管要素内にあり、前記スライド可能なプランジャーの前記上端は前記毛管要素の外側にある、実施形態C1~C28のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
実施形態C30.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約15度~約100度の角度で曲げられて、曲げられた端部を形成している、実施形態C29に記載の方法。
【0294】
実施形態C31.前記スライド可能なプランジャーの前記上端は、約90度の角度で曲げられて、前記曲げられた端部を形成している、実施形態C30に記載の方法。
【0295】
実施形態C32.前記凍結保存装置がピペッターをさらに含み、ピペッターが以下を含む
(I)上端と下端とを備える細長いケースであって、前記第1の細長い本体の前記上端と前記スライド可能なプランジャーの前記上端とはそれぞれ、前記細長いケースの前記下端に挿入される、細長いケース、
(II)クランプ機構が、前記細長いケーシングの前記下端に前記毛管要素を接続するタブにクランプされる、クランプ機構、
(III)ピペットプランジャーであって、上端と、下端と、前記ピペットプランジャーの前記上端を前記ピペットプランジャーの前記下端に接続する第3の細長い本体とを備えるピペットプランジャー、および
(IV)前記ピペットプランジャーを前記細長いケーシングに接続し、前記ピペットプランジャーを作動させるように構成されている作動要素、
このとき、
前記ピペットプランジャーの前記下端は前記細長いケース内にあり、
前記ピペットプランジャーの前記上端は前記細長いケーシングの外側にあり、かつ
前記ピペットプランジャーは、前記ピペットプランジャーの作動が前記スライド可能なプランジャーの動きを制御するように構成されている、
実施形態C1~C25のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
実施形態C33.前記ピペットプランジャーが、前記第3の細長い本体上に突起をさらに備え、
前記ピペッターはさらにばねを含み、
前記ばねは、前記第3の細長い本体の周りに巻き付けられ、前記ピペットプランジャーの前記下端と前記突起との間に位置しており、
前記ばねが前記突起に接触していて、
前記突起は前記ばねを適所に保持するように構成されており、前記ばねは前記ピペットプランジャーの動きを減衰させるように構成されている、
実施形態C32の方法。
【0297】
実施形態C34.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に直接接続されている、実施形態C32またはC33に記載の方法。
【0298】
実施形態C34.前記ピペットプランジャーの前記下端が、前記スライド可能なプランジャーの前記上端に間接的に接続されている、実施形態C32またはC33に記載の方法。
【0299】
実施形態C35.前記凍結保存装置が、前記ピペットプランジャーの前記上端に動作可能に接続されたボタンをさらに含み、前記ボタンは、前記ボタンを押すことによって、前記ピペットプランジャーが前記細長いケーシングを通って作動するように構成されている、実施形態C32~C34のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
実施形態D1.以下を含む方法であって、
(a)凍結保存装置の一部に内容物を装填すること、および
(b)(a)の後、前記凍結保存装置の前記一部を液体窒素に浸漬することによって前記内容物を冷却することを含み、
ここで、対照試験において、
前記凍結保存装置の装填部分を生成するために、ガラス化媒体が前記凍結保存装置に装填され、
液体窒素が前記ガラス化媒体に接触しないように、前記凍結保存装置の前記装填部分を液体窒素に浸漬し、
前記凍結保存装置の前記装填部分は液体窒素に浸漬されている間、反復運動を行い、
前記ガラス化媒体は、前記ガラス化媒体と接触している熱電対によって測定したときに、少なくとも約900℃/分の平均速度で冷却する、方法。
【0301】
実施形態D2.前記凍結保存装置が、
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は、
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分、を含む毛管要素
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャー
を含む、実施形態D1に記載の方法。
【0302】
実施形態D3.前記ガラス化媒体が、少なくとも約1,500℃/分の平均速度で冷却する、実施形態D1またはD2に記載の方法。
【0303】
実施形態D4.前記ガラス化媒体が、少なくとも約3,000℃/分の平均速度で冷却する、実施形態D1またはD2に記載の方法。
【0304】
実施形態D5.前記ガラス化媒体が、少なくとも約4,500℃/分の平均速度で冷却する、実施形態D1またはD2に記載の方法。
【0305】
実施形態E1.対照試験において、
凍結保存装置の装填部分を生成するために、ガラス化媒体は前記凍結保存装置に装填され、
液体窒素が前記ガラス化媒体に接触しないように、前記凍結保存装置の前記装填部分を液体窒素に浸漬し、
前記凍結保存装置の前記装填部分は液体窒素に浸漬されている間、反復運動を行い、かつ
前記ガラス化媒体は、前記ガラス化媒体と接触している熱電対によって測定したときに、少なくとも約900℃/分の平均速度で冷却する、
凍結保存装置。
【0306】
実施形態E2.前記凍結保存装置がさらに、
(a)第1の細長い本体を含む毛管要素であって、前記第1の細長い本体は
(i)前記第1の細長い本体の下端に位置する底部開口、
(ii)前記第1の細長い本体の上端に位置する頂部開口、および
(iii)前記頂部開口を前記底部開口に接続する前記第1の細長い本体内部の中空部分であって、前記中空部分の領域の長さにわたって一定である直径を有する中空部分を含む毛管要素、ならびに
(b)スライド可能なプランジャーであって、上端と、下端と、前記スライド可能なプランジャーの前記上端を前記スライド可能なプランジャーの前記下端に接続する第2の細長い本体とを備え、
前記スライド可能なプランジャーの少なくとも一部は前記毛管要素の前記中空部分内にあり、
前記スライド可能なプランジャーは前記頂部開口を通して作動するように構成されており、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記スライド可能なプランジャーの一部の長さにわたって一定であり、
前記スライド可能なプランジャーの直径は前記中空部分の直径以下である、スライド可能なプランジャー
を含む、実施形態E1の凍結保存装置。
【0307】
実施形態E3.前記ガラス化媒体が、少なくとも約1,500℃/分の平均速度で冷却する、実施形態E1またはE2に記載の凍結保存装置。
【0308】
実施形態E4.前記ガラス化媒体が、少なくとも約3,000℃/分の平均速度で冷却する、実施形態E1またはE2に記載の凍結保存装置。
【0309】
実施形態E5.前記ガラス化媒体が、少なくとも約4,500℃/分の平均速度で冷却する、実施形態E1またはE2に記載の凍結保存装置。
【0310】
実施形態F1.請求項103~107のいずれか1項に記載の凍結保存装置と、
内容物を含む容器であって、前記内容物が媒体の一定量および細胞を含む、容器と、
液体窒素浴と、を含むキット。
【0311】
実施形態F2.ヒートシーラーをさらに含む、実施形態F1のキット。
【0312】
実施形態G1.(a)細長いハンドルと、(b)空気および/または媒体および/または細胞と共に、卵母細胞および/または胚が装填される容積を決定する、前記細長いハンドルの第1の端部内の毛管要素と、(c)前記毛管要素内に嵌合するスライド可能なプランジャーとを備える、凍結保存中の卵母細胞および胚のための凍結保存装置。
【0313】
実施形態G2.前記スライド可能なプランジャーが外周を有し、前記毛管要素が内周/直径を有し、前記スライド可能なプランジャーの前記外周が前記毛管要素の前記内周/直径に嵌合する、実施形態G1に記載の装置。
【0314】
実施形態G3.前記毛管要素に沿って前記スライド可能なプランジャーを移動させるための変位機構を備える、実施形態G1またはG2に記載の装置。
【0315】
実施形態G4.前記変位機構が前記スライド可能なプランジャーを保持するためのグリップを有するスライドクリップであり、前記スライドクリップは、前記細長いハンドルに沿って移動可能である、実施形態G3に記載の装置。
【0316】
実施形態G5.前記変位機構が、前記スライド可能なプランジャーに接続されたボタンと、前記ボタンと前記細長いハンドル内の支持体との間に配置されたばねとを備えるラッチ機構である、実施形態G3に記載の装置。
【0317】
実施形態G6.前記スライド可能なプランジャーが、前記スライド可能なプランジャーを保持するグリップを備えた細長い要素を介して前記ボタンに接続される、実施形態G5に記載の装置。
【0318】
実施形態G7.前記変位機構が、前記プランジャーと機械的に一体化され、前記細長いハンドルに沿って移動可能である、実施形態G3~G6のいずれか1つに記載の装置。
【0319】
実施形態G8.前記細長いハンドルが、前記毛管要素上を移動するためのスライド可能なシース/カバーを含む、G1~G7のいずれか1つに記載の装置。
【0320】
実施形態G9.前記細長いハンドルが外面を含み、前記外面は、印刷された情報を含むための少なくとも1つの領域を有する、G1~G8のいずれか1つに記載の装置。
【0321】
実施形態G10.前記毛管要素が、ヒートシールに適したプラスチック製である、実施形態G5に記載の装置。
【0322】
実施形態G11.前記毛管要素および前記毛管要素の内容物を外部液体から密封するために装置の端部に嵌合されたシースまたはカバーを備える、実施形態G1~G10のいずれかに記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0323】
図1】狭い底部を有する単一のウェルへの、本開示の凍結保存装置の毛管要素の挿入の模式図を示す。
図2A】本開示による使い捨て保存装置の実施例を示す。
図2B図2Aに示された保存装置の別の図を示す。
図3図2Aおよび図2Bに示された保存装置の概略断面図を示す。
図4】本開示の使い捨て保存装置の第2の適用例を示す。
図5図4に示す使い捨て保存装置の概略断面図を示す。
図6A】本開示の使い捨て保存装置の第3の適用例を示す。
図6B】細長い状態の図6Aの実施形態を示す。
図7図6Aおよび図6Bに示された保存装置の概略断面図を示す。
図8A】再使用可能なピペッターに挿入された使い捨て要素を有する保存装置の実施例を示す。
図8B図8Aの再使用可能なピペッターの外側の使い捨て要素を示す。
図8C図8Aの例示的な装置のための代替的な使い捨て要素を示す。
図9】ピペッターおよび使い捨て要素の他の実施形態を有する、図8Aおよび8Bに示される保存装置の断面を示す。
図10】凍結保存装置におけるピペッターでの使用を容易にするためのタブに取り付けられた、毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体の画像を示す。
図11】毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体をピペッターに装填するプロセスに使用される概略図を示す。
図12】カスタムスライド可能プランジャーベンダー(左)および曲げられた端部(右)を有するスライド可能なプランジャーの模式図(右)を示す図である。
図13】毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体をピペッターに装填するプロセスに使用される概略図を示す。
図14】本開示の凍結保存装置の画像を示す。
図15】凍結保存装置におけるガラス化後の再温卵母細胞の画像を示す。
図16】本開示の毛管要素の内側に挿入された熱電対の画像を示す。
図17】毛管要素とスライド可能なプランジャーとの複合体ベースの凍結保存装置内のガラス化媒体の相対冷却速度を示す。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】