IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-515548漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム
<>
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図1
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図2
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図3
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図4
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図5
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図6
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図7A
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図7B
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図8A
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図8B
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図9
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図10
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図11
  • 特表-漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】漸次調整可能なリフトフレームを含むコンベアシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 49/04 20060101AFI20220210BHJP
   B65G 17/20 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B65G49/04 F
B65G17/20 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538225
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(85)【翻訳文提出日】2021-08-23
(86)【国際出願番号】 IB2019061425
(87)【国際公開番号】W WO2020141429
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】16/237,087
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ, ブレント エー.
(72)【発明者】
【氏名】カール, ケント ピー.
(72)【発明者】
【氏名】マクナマラ, デイビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】シーファー, デニス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3F034
【Fターム(参考)】
3F034HA02
3F034HB04
(57)【要約】
コンベアシステムは、複数のコンベア部、リフトアセンブリ、および伸縮継手を含む。コンベア部は、上流コンベア部から下流コンベア部まで延在する、上流コンベア部と下流コンベア部との間に並進可能部が配設された、搬送経路を画定する。並進可能部は、下り傾斜部、上り傾斜部、および中間部を含む。リフトアセンブリは、並進可能部に動作可能に接続されており、最揚高位置、最下降位置、および最揚高位置と最下降位置との間の複数の中間位置を含む。伸縮継手は、並進可能部のコンベア部のうちの2つに動作可能に接続され、かつこれらの2つの間に位置付けられており、リフトアセンブリが最上昇位置に向けて作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成され、かつリフトアセンブリが最下降位置に向けて作動されるにつれて直線方向に拡張するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアシステムであって、
上流コンベア部から下流コンベア部まで延在し、前記上流コンベア部と前記下流コンベア部との間に並進可能部が配設された搬送経路を画定する複数のコンベア部であって、前記並進可能部が、下り傾斜部、上り傾斜部、および前記上り傾斜部と前記下り傾斜部との間の中間部を含む、複数のコンベア部と、
前記並進可能部に動作可能に接続されたリフトアセンブリであって、前記リフトアセンブリが、最揚高位置、最下降位置、および前記最揚高位置と前記最下降位置との間の複数の中間位置を含む、リフトアセンブリと、
前記並進可能部の前記コンベア部のうちの2つに動作可能に接続され、かつ前記2つの間に位置付けられた伸縮継手であって、前記伸縮継手が、前記リフトアセンブリが前記最上昇位置に向けて作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成されており、かつ前記リフトアセンブリが前記最下降位置に向けて作動されるにつれて前記直線方向に拡張するように構成されている、伸縮継手と、を備える、コンベアシステム。
【請求項2】
前記並進可能部が、前記上流部と実質的に位置整合したリードイン部、前記下流部と実質的に位置整合したリードアウト部、または前記リードイン部と前記リードアウト部との両方をさらに含み、
前記リードイン部および前記リードアウト部のうちの1つ以上が、2つ以上のサブ部を備え、前記2つ以上のサブ部間に前記伸縮継手が位置し、
前記リードイン部が、前記上流部と前記下り傾斜部とを接続し、
前記リードアウト部が、前記下流部と前記上り傾斜部とを接続している、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項3】
前記リードイン部が、前記上流部と連接し、前記リードアウト部が、前記下流部と連接している、請求項2に記載のコンベアシステム。
【請求項4】
前記中間部が、2つ以上のコンベア部を含み、前記伸縮継手が、前記中間部の前記2つ以上のコンベア部のうちの2つの間に配設されている、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項5】
前記複数のコンベア部が、前記搬送経路の全長を画定し、前記伸縮継手が拡張するにつれて前記搬送経路の前記全長が増加し、前記伸縮継手が収縮するにつれて前記搬送経路の前記全長が減少する、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項6】
前記伸縮継手が、
外部部材と、
前記外部部材内に入れ子になっており、かつ前記外部部材に対して前記直線方向に並進するように構成された、伸縮部材と、を備える、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項7】
前記外部部材および前記伸縮部材が、前記並進可能部の2つの隣接するコンベア部の一部として一体的に形成されている、請求項6に記載のコンベアシステム。
【請求項8】
前記外部部材が、少なくとも1つのスロットを画定し、前記伸縮継手が、前記伸縮部材に接続された少なくとも1つの細長い部材を含み、前記細長い部材が、前記外部部材の前記少なくとも1つのスロット内で並進するように成形されている、請求項6に記載のコンベアシステム。
【請求項9】
前記リフトアセンブリが、リフトフレーム、および複数の並進可能支持部材を備え、前記並進可能支持部材が、前記伸縮継手の動作時に前記並進可能部の前記コンベア部のうちの前記2つ以上と協調して移動し得るように、前記並進可能支持部材が、前記並進可能部に静止固定され、かつ前記リフトフレームに移動可能に固定されている、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項10】
前記並進可能支持部材が、前記リフトフレーム上の支持梁に摺動可能に固定されている、請求項9に記載のコンベアシステム。
【請求項11】
前記複数のコンベア部に結合された複数の耐荷重アセンブリをさらに備え、前記複数の耐荷重アセンブリが各々、物品に結合するように構成されている、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項12】
前記耐荷重アセンブリによって前記複数のコンベア部に結合されたコンベアリンケージアセンブリをさらに備え、前記コンベアリンケージアセンブリが、一連のチェーンリンクによって画定されている、請求項11に記載のコンベアシステム。
【請求項13】
1つ以上の製品処理浴をさらに備え、前記リフトアセンブリが、前記最下降位置へと垂直方向に漸次移動するにつれて、前記製品処理浴内の前記物品の浸漬高さが増加する、請求項11に記載のコンベアシステム。
【請求項14】
複数の前記製品処理浴を備え、前記コンベアシステムが、前記複数の前記製品処理浴間で物品を移動させるように動作可能である、請求項13に記載のコンベアシステム。
【請求項15】
前記コンベアシステムの前記並進可能部の下流、上流、またはその両方に位置付けられた少なくとも1つのテークアップアセンブリをさらに備える、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項16】
前記テークアップアセンブリが、互いに対して平行な2つの実質的に直線状の側面フレーム部材を有する湾曲トラック部分と、前記側面フレーム部材間で横方向に延在する湾曲部材と、を含む、請求項15に記載のコンベアシステム。
【請求項17】
前記リフトアセンブリが、前記リフトアセンブリの前記垂直移動の微調整を提供し、かつ前記中間部を水平配向に維持するためのボールねじ機構を備える、請求項1に記載のコンベアシステム。
【請求項18】
コンベアシステムであって、
上流コンベア部から下流コンベア部まで延在し、前記上流コンベア部と前記下流コンベア部との間に並進可能部が配設された搬送経路を画定する複数のコンベア部であって、前記並進可能部が、下り傾斜部、上り傾斜部、および前記上り傾斜部と前記下り傾斜部との間の中間部を含む、複数のコンベア部と、
前記並進可能部に動作可能に接続されたリフトアセンブリであって、前記リフトアセンブリが、最揚高位置、最下降位置、および前記最揚高位置と前記最下降位置との間の複数の中間位置を含む、リフトアセンブリと、
前記複数のコンベア部に結合された複数の耐荷重アセンブリであって、前記複数の耐荷重アセンブリが各々、物品に結合するように構成されている、複数の耐荷重アセンブリと、
前記耐荷重アセンブリによって前記コンベア部に結合されたコンベアリンケージアセンブリであって、前記コンベアリンケージアセンブリが、一連のチェーンリンクによって画定される、コンベアリンケージアセンブリと、
前記中間部の前記コンベア部のうちの2つ以上に動作可能に接続され、かつ前記2つ以上の間に位置付けられた伸縮継手であって、前記伸縮継手が、前記リフトアセンブリが前記最上昇位置へと作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成されており、かつ前記リフトアセンブリが前記最下降位置に向けて作動されるにつれて前記直線方向に拡張するように構成されている、伸縮継手と、
複数の製品処理浴であって、前記物品が、前記コンベアリンケージアセンブリの前進と協調して、前記複数の製品処理浴を連続的に経由して移動される、複数の製品処理浴と、を備え、
前記リフトアセンブリが、リフトフレームおよび複数の並進可能支持部材を備え、前記並進可能支持部材が、前記伸縮継手の動作時に前記並進可能部の前記コンベア部のうちの前記2つ以上と協調して移動し得るように、前記並進可能支持部材が、前記並進可能部に静止固定され、かつ前記リフトフレームに移動可能に固定されている、コンベアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンベアシステム、およびコンベアシステムを動作させる方法に関し、より具体的には、コンベアシステムの一部分を漸次上昇および下降させるリフトフレームを含むコンベアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品加工システムは、一般的に、一連のワークステーションに沿って処理されるかまたは加工される物品を移動させるエレベータ/コンベアシステムを使用する。ワークステーションは、伝統的に、コンベア経路に沿って位置付けられる。物品は、ローディング/アンローディングステーションから一連のワークステーションを経由して連続的に移動され得る。次いで、物品は、ローディング/アンローディングステーションに戻され得る。エレベータ機構を使用して、処理経路に沿って、物品を、選択されたワークステーション(例えば、加工タンク)間で昇降させ得る。より具体的には、物品は、加工タンク内に下降され得る。全物品は、加工タンク内に浸漬されながら処理され得る。処理が完了すると、次いで、エレベータ機構は、物品を加工タンクからリフトして除去し得る。
【0003】
少なくともいくつかの事例では、物品の一部分のみが処理を受け得るか、または所望の処理の度合いは、部品のタイプまたはスタイル間で変動し得る。すなわち、換言すると、物品の一部のみを加工タンクのうちの1つ内に浸漬する必要があり得、所望の浸漬高さは、物品のタイプまたはスタイルが違えば変化し得る。
【0004】
したがって、様々な個々のニーズに従って柔軟な様式で物品を処理することを可能にするシステムを提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に従って、複数のコンベア部、リフトアセンブリ、および伸縮継手を含むコンベアシステムが、提供される。複数のコンベア部は、上流コンベア部から下流コンベア部まで延在し、上流コンベア部と下流コンベア部との間に並進可能部が配設された搬送経路を画定している。並進可能部は、下り傾斜部、上り傾斜部、および上り傾斜部と下り傾斜部との間の中間部を含む。リフトアセンブリは、並進可能部に動作可能に接続されており、リフトアセンブリは、最揚高位置、最下降位置、および最揚高位置と最下降位置との間の複数の中間位置を含む。伸縮継手は、並進可能部のコンベア部のうちの2つの間に動作可能に接続され、かつこれらの2つの間に位置付けられている。伸縮継手は、リフトアセンブリが最上昇位置に向けて作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成され、かつリフトアセンブリが最下降位置に向けて作動されるにつれて直線方向に拡張するように構成されている。
【0006】
上述したような、および続いて以下により詳細に記載される、本発明のコンベアシステムは、搬送経路に取り付けられた物品を製品処理浴内に漸次揚降するように、構成され得る。コンベアシステムは、物品のタイプまたはスタイルに基づいて、浸漬高さをリアルタイムで調整することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の特定の例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示される、以下の図面と併せて読むと、最もよく理解できる。
【0008】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による例示的なコンベアシステムの説明図であり、コンベアシステムは、上昇位置にある。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、例示的なコンベアシステムの説明図であり、コンベアシステムは、下げ位置にある。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、コンベアシステムで使用され得る、リンケージおよび耐荷重アセンブリの説明図である。
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、リンケージおよび耐荷重アセンブリが省略された、図3の等角図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、コンベアシステムで使用され得る、例示的なリフトアセンブリの等角図である。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、コンベアシステムで使用され得る、リフトアセンブリのさらなる説明図である。
図7A】本開示の1つ以上の実施形態による、収縮位置にある、図1に示されるコンベアシステムの滑り継手の側面図である。
図7B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、図7Aに示される滑り継手の等角図である。
図8A】本開示の1つ以上の実施形態による、拡張位置にある、図1に示されるコンベアシステムの滑り継手の側面図である。
図8B】本開示の1つ以上の実施形態による、図8Aに示される滑り継手の等角図である。
図9】本開示の1つ以上の実施形態による、図3中に示されるヒンジアセンブリの拡大図である。
図10】本開示の1つ以上の実施形態による、最延伸位置にある、図1に示されるコンベアシステムの一部分であるテークアップアセンブリの説明図である。
図11】本開示の1つ以上の実施形態による、最後退位置にある、図10に示されるテークアップアセンブリの説明図である。
図12】本開示の1つ以上の実施形態による、制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1および2を参照すると、本開示によるコンベアシステム10は、上流コンベア部31から下流コンベア部32まで延在する搬送経路22であって、上流コンベア部31と下流コンベア部32との間に並進可能部33が配設された搬送経路22を画定する、複数のコンベア部12を含む。並進可能部33は、下り傾斜部33A、上り傾斜部33B、および上り傾斜部33Bと下り傾斜部33Aとの間の中間部33Cを含む。「上り傾斜」および「下り傾斜」という相対用語は、進行方向に対して提供される。コンベアシステム10は、伸縮継手29と、並進可能部33に動作可能に接続されたリフトアセンブリ24と、をさらに含む。伸縮継手29は、並進可能部33のコンベア部12のうちの2つに動作可能に接続され、かつこれらの2つの間に位置付けられており、リフトアセンブリ24が最上昇位置に向けて作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成され、かつリフトアセンブリ24が最下降位置に向けて作動されるにつれて直線方向に拡張するように構成されている。本開示によるコンベアシステム10はまた、複数の処理浴8、複数の耐荷重アセンブリ14、およびコンベアリンケージアセンブリ16も含み得る。耐荷重アセンブリ14は各々、物品6に結合され得るが、明確さおよび単純さの目的で、耐荷重アセンブリ14が図1に詳細に示されないことを理解されたい。物品6は、コンベアリンケージアセンブリ16の前進によって、ある製品処理浴8から別の製品処理浴8に連続して移動され得る。
【0010】
コンベア部12は、上流コンベア部31、下流コンベア部32、および並進可能部33を画定する。並進可能部33は、下り傾斜部33A、中間部33C、および上り傾斜部33Bを提供する。コンベアシステム10の中間部33Cは、伸縮継手29が順次に各部を接続した、コンベア部12のうちの2つ以上を含むことを理解されたい。伸縮継手29は、並進可能部33の全長の調整を可能にする。さらに、コンベアシステム10の下り傾斜部33Aは、上り傾斜部33Bの鏡像であり得る。コンベア部12の上り傾斜部33Bは、物品6を製品処理浴8から離して、または製品処理浴8の上方に位置付けるために使用され得る。同様に、コンベア部12の下り傾斜部33Aは、物品6を製品処理浴8に向けてまたは製品処理浴8内へと位置決めするために使用され得る。
【0011】
リフトアセンブリ24は、コンベアシステム10のコンベア部12の一部分、一般には並進可能部33を、漸次昇降させるように、構成され得る。したがって、物品6は、コンベア部12が漸次昇降するにつれて、製品処理浴8内に部分的または完全に浸漬され得る。製品処理浴8内の物品6の浸漬の程度の柔軟性は、製品処理浴8内に含まれる処理を必要としない物品6の一部を覆い隠す典型的な要件の低減を可能にする。本発明によれば、また、物品6全体を、製品処理浴8の外側に位置させることによって、製品処理浴8内に含まれる処理を迂回し得る。リフトアセンブリ24はまた、コンベア部12を上昇または下降させながら、搬送経路22の長さの伸長および短縮を考慮するように構成され得る。言い換えれば、製品処理浴8を横断するための搬送経路22の長さは、リフトアセンブリ24が製品処理浴8に向かって下降するにつれて、増加し得るかまたは長くなり得る。同様に、製品処理浴8を横断するための搬送経路22の長さは、リフトアセンブリ24が製品処理浴8から離れて上昇するにつれて、減少し得るかまたは短縮され得る。コンベアシステム10は、連続走行モノレールスタイルコンベアシステムを可能にし、この場合に、コンベアリンケージアセンブリ16および取り付けられた物品6は、連続して移動され得る。
【0012】
図1、2、5、および6を参照すると、リフトアセンブリ24は、リフトフレーム27および複数の並進可能支持部材28を含み得る。並進可能支持部材28は、コンベア部12の並進可能部33に静止固定され、並進可能支持部材28が伸縮継手29の動作時に並進可能部33の個々のコンベア部と協調して移動し得るように、リフトフレーム27に移動可能に固定され得る。並進可能支持部材28は、支持梁58の対向する両側に位置付けられた一連の保持輪56とで、リフトフレーム27に移動可能に固定され得る。具体的には、支持梁58は、リフトフレーム27に固定され得、保持輪56は、支持梁58上に並進可能支持部材28を保持するための配向で並進可能支持部材28に回転可能に固定され得る。支持梁58上の並進可能支持部材28の保持は、支持梁58の第1の側に保持輪56を配置し、支持梁58の第1の側と反対側の第2の側に保持輪56を配置することによって、達成され得る。保持輪56は、支持梁58の外側の幾何学形状に整合するように構成され、かつサイズ決めされた、これらの保持輪の転動表面上の溝加工された幾何学形状を含み得る。支持梁58の長手方向軸は、伸縮継手29の拡張および収縮と協調して支持梁58に沿った並進可能支持部材28の並進を可能にするために、並進可能支持部材28に静止固定された、コンベア部12の並進可能部33の長手方向軸に平行であり得る。
【0013】
本発明によれば、複数の並進可能支持部材28は、並進可能支持部材28の一部分が伸縮継手29の各側の並進可能部33に固定され得るように位置付けられ得る。さらに、リフトフレーム27は、コンベアシステム10の上流コンベア部31、下流コンベア部32、または中間部33Cのうちの1つ以上に平行に位置付けられ得る。
【0014】
リフトアセンブリ24は、最上昇位置、最下降位置、および最上昇位置と最下降位置との間の複数の中間位置を含む。リフトアセンブリ24は、図1に、物品6が製品処理浴8の上に懸架された上昇位置で例示されている。本発明によれば、物品6はまた、リフトアセンブリ24が、コンベアシステム10の所望の配置および意図される用途に応じて、最上昇位置にあるときに部分的に浸漬され得ることが理解されるであろう。具体的には、コンベアシステム10は、部分浸漬から全浸漬に移行する、または全非浸漬から全浸漬に移行するように、構成され得る。図2は、物品6が製品処理浴8内に完全に浸漬され得る、最下降位置にあるリフトアセンブリ24を例示している。リフトアセンブリ24は、最上昇位置と最下降位置との間で漸次昇降し得る。リフトアセンブリ24が漸次上昇するにつれて、処理浴8中の物品6の浸漬高さは、減少し得る。同様に、リフトアセンブリ24が下降するにつれて、処理浴8中の物品6の浸漬高さは、増加し得る。処理浴8内の物品6の浸漬高さまたは浸漬度は、限定されないが、物品6のサイズ、物品6の形状などの特徴に基づき得る。
【0015】
伸縮継手29は、コンベアシステム10の並進可能部33に位置するコンベア部12のうちの2つの間に位置付けられ得、リフトフレーム27は、伸縮継手29の上方の位置に位置付けられ得る。図1に示される上昇位置、図2に示される下げ位置、および複数の中間位置の間の垂直方向にリフトフレーム27を作動させるために、リフト37が使用され得る。したがって、リフトアセンブリ24が下げ位置へと垂直方向に漸次移動するにつれて、製品処理浴8の1つ内の物品6の浸漬量が、増加する。リフト37は、ステッピングモータ、リニアアクチュエータ、チェーンリフトアセンブリ、空気シリンダ、油圧シリンダ、または当業者に知られている他の位置決めシステムを備え得る。
【0016】
1つ以上の実施形態では、リフト37は、リフトアセンブリ24の垂直移動の微調整を提供するためのボールねじ機構を備える。ボールねじ機構は、リフトアセンブリ24の調整時に中間部33Cの水平度を補正することを可能にする。
【0017】
リフトフレーム27は、伸縮継手29に動作可能に接続され得る。伸縮継手29は、コンベア部12の全長を増加させるかまたは減少させるかのいずれか一方であるように、直線的な拡張および収縮を可能にすることを理解されたい。より具体的には、伸縮継手29は、リフトフレーム27が図1に見られるように上昇位置へと作動されるにつれて収縮することによって、コンベア部12の全長を減少させるように、構成され得る。同様に、伸縮継手29は、リフトフレーム27が図2に見られるように下げ位置に向けて作動されるにつれて拡張することによって、コンベア部12の全長を増加させるように、構成され得る。
【0018】
ここで図1、2、7A、7B、8A、および8Bを参照すると、伸縮継手29は、滑り継手92によって互いに接続される、並進可能部33のコンベア部12のうちの2つによって、画定され得る。本開示に従って、並進可能部33の中間部33Cは、中間部33Cの2つ以上のコンベア部12のうちの2つの間に伸縮継手29が配設された、2つ以上のコンベア部を含み得る。このような配置は、図1、2、7A、7B、8A、および8Bに例示されている。このような構成では、複数の並進可能支持部材28は、コンベアシステム10の中間部33Cに固定されている。
【0019】
本発明によれば、並進可能部33は、上流コンベア部31と実質的に位置整合したリードイン部95、下流コンベア部32と実質的に位置整合したリードアウト部96、またはリードイン部95とリードアウト部96との両方をさらに含み得る。「実質的な位置整合」という用語は、耐荷重アセンブリ14が一方の部から隣りの部に移行することができるように、2つの部が接合されていることを意味する。したがって、リードイン部95は、上流コンベア部31と下り傾斜部33Aとを接続する。同様に、リードアウト部96は、下流コンベア部32と上り傾斜部33Bとを接続する。並進可能部33、ならびに上流コンベア部31、および下流コンベア部32のそれぞれの相対移動を可能にするために、リードイン部95およびリードアウト部96のうちの1つ以上は、サブ部間に位置する伸縮継手29を有する2つ以上のサブ部を備える。リードイン部95およびリードアウト部96は、それぞれ、上流コンベア部31および下流コンベア部32と連接し得ることが想定される。さらに、リードイン部95およびリードアウト部96は、それぞれ上流コンベア部31および下流コンベア部32と一体であり得るか、または別個のコンベア部12として提供され得る。このような配置では、複数の並進可能支持部材28は、リードイン部95に固定され得るか、または上流コンベア部31とリードイン部95との両方の間で分割され得る。同様に、複数の並進可能支持部材28は、リードアウト部96に固定され得るか、または下流コンベア部32とリードアウト部96との両方の間で分割され得る。
【0020】
リフトアセンブリ24が最上昇位置にあるとき、製品処理浴8を横切る搬送経路22の長さが減少することを理解されたい。ここで、図7Aおよび7Bを参照すると、図1に示すように、滑り継手92は、搬送経路22の減少した長さおよび搬送経路22の全長を補うために、第1の収縮位置にある。
【0021】
また、製品処理浴8を横断するための搬送経路22の長さは、リフトアセンブリ24が製品処理浴8に向かって下降するにつれて増加することを理解されたい。ここで図8Aおよび8Bに注目すると、滑り継手92は、搬送経路22の増加した長さを補償するために、リフトアセンブリ24が最下降位置にあるときに、第2の拡張位置に示されている。より具体的には、滑り継手92は、コンベア部12の全長を増加させるように拡張され得る。
【0022】
図1、2、7A、7B、8A、および8Bを参照すると、滑り継手92は、外部部材110および伸縮部材112を含む。本発明によれば、外部部材110は、複数の長手方向に配向したスロット114を画定し得る。各スロット114は、第1の端面115および第2の端面116を含み、端面115、116は、スロット114の端部として画定される。ピンまたは他の細長い部材120が、スロット114のうちの対応する1つによって受容され得る。細長い部材120は各々、スロット114のそれぞれの1つ内に嵌合し、かつこの1つに沿って並進するように成形された、断面プロファイルを含み得る。細長い部材120の両方は、滑り継手92の伸縮部材112に取り付けられ得るか、または接続され得る。
【0023】
図7A、7B、8A、および8Bに見られるように、伸縮部材112は、外部部材110によって受容され得、伸縮部材112は、外部部材110に対して直線方向に並進するように構成され得る。より具体的には、滑り継手92が収縮位置にあり、かつリフトアセンブリ24が最上昇位置にあるとき、伸縮部材112は、完全に、外部部材110内に位置する。また、図7Aおよび7Bに見られ得るように、2つの細長い部材120は各々、これらの細長い部材のそれぞれのスロット114の端面116に当接し得る。
【0024】
滑り継手92が拡張するにつれて、伸縮部材112の一部分が外部部材110の外側に位置し得るように、伸縮部材112は、直線方向に並進し得る。細長い部材120はまた、図8Aおよび8Bに見られるように、これらの細長い部材のそれぞれのスロット114によって画定される他方の端面116に細長い部材120が当接するまで、これらの細長い部材のそれぞれのスロット114内に並進し得る。図8Aおよび8Bに見られる位置にあるとき、滑り継手92は、最拡張され、リフトアセンブリ24は、最下降位置にある。図に示される例示は、滑り継手の一例に過ぎず、直線運動を可能にする他のタイプおよび構成の滑り継手も同様に使用され得ることを理解されたい。
【0025】
2つのスロット114および2つの細長い部材120が示されているが、任意の数のスロット114および対応する細長い部材120が使用され得ることを理解されたい。より具体的には、外部部材110はまた、少なくとも1つのスロット114を画定してもよく、少なくとも1つの細長い部材120が、伸縮部材112に接続されてもよく、細長い部材120は、外部部材110のスロット114内に並進するように成形されてもよいことを理解されたい。
【0026】
外部部材110および伸縮部材112は、並進可能部33のコンベア部12のうちの2つの一部として一体的に形成されてもよい。具体的には、並進可能部33の第1のコンベア部が、外部部材110と一体的に形成されてもよく、並進可能部33の第1のコンベア部に隣接する第2のコンベア部が、伸縮部材112と一体的に形成されてもよい。本開示によれば、外部部材110および伸縮部材112は、上記のコンベア部12を接続するために、並進可能部33の2つの隣接するコンベア部に取り外し可能に固定されてもよいことがさらに理解されるであろう。
【0027】
ここで、コンベアリンケージアセンブリ16の動作を、図3および4を参照して説明し、図3および4は、図1に示されるコンベアシステム10の上り傾斜部33Bをさらに詳細に例示している。図3は、関連するコンベアリンケージアセンブリ16を含む、コンベアシステム10の上り傾斜部33Bの説明図である。図4は、コンベアリンケージアセンブリ16が省略された、図3の上り傾斜部33Bの等角図である。図3および4は、コンベアシステム10の上り傾斜部33Bを例示しているが、コンベアシステム10の下り傾斜部33Aであれば、この上り傾斜部の鏡像を表すであろうことが理解されるであろう。
【0028】
コンベアリンケージアセンブリ16は、耐荷重アセンブリ14を搬送経路22に沿って互いに結合するように配置された一連のチェーンリンク30によって画定され得る。耐荷重アセンブリ14は、耐荷重アセンブリ14が搬送経路22に沿って自由に移動するように、コンベア部12に固設され得る。したがって、コンベアリンケージアセンブリ16は、耐荷重アセンブリ14によってコンベア部12に結合され得る。
【0029】
本発明によれば、図3および4に例示されるように、コンベア部12は、I形梁を含み得る。言い換えれば、これらのI形梁は、それぞれのI字形断面を画定する。移動可能な耐荷重アセンブリ14は、ハンガ17のうちのそれぞれの1つに固設された車輪15の対を介してI形梁断面の下部13によって支持された、それぞれのハンガ17を備え得る。車輪15の対は、I字形断面の中央長手方向部分11の相対する側に位置付けられ得る(図3および4を参照されたい)。例示の明確さを保つために、それぞれの各対の1つの輪15のみが、図3に示されている。本発明を実施する者であれば理解するであろうように、図に示されない各車輪の構造は、例示されない車輪が、中央長手方向部分11の反対側のI形梁の下部13によって支持されるように位置付けられ得ることを除いて、例示された車輪と実質的に同一であり得る。
【0030】
耐荷重アセンブリ14のハンガ17は各々、図1に例示されるように物品6に結合するように構成されている。例えば、本発明によれば、ハンガ17は各々、フック形状の支持体(図示せず)を受容するように成形された開口部19を画定し得、フック形状の支持体は、それぞれの耐荷重アセンブリ14をそれぞれの物品6に結合するために使用され得る。ただし、他のアプローチを使用して、同様に耐荷重アセンブリ14を物品6に結合してもよいことを理解されたい。
【0031】
コンベアリンケージアセンブリ16は、コンベア部12の搬送経路22に沿った集合移動のために移動可能な耐荷重アセンブリ14を結合するように、構成され得る。コンベアリンケージアセンブリ16のチェーンリンク30は、耐荷重アセンブリ14を搬送経路22に沿って互いに結合する。チェーンリンク30は、それぞれのコンベア部12の上り傾斜および下り傾斜を可能にするために、互いに対するバックラッシュを組み込むように構成され得ることを理解されたい。利用され得るリンケージアセンブリの商用的な例は、Frost Incorporated of Grand Rapids,Michiganから入手可能である。
【0032】
図3および9を参照すると、第1のヒンジアセンブリ18および第2のヒンジアセンブリ20のバージョンが、提供される。各ヒンジサブアセンブリ18、20は、交差梁38によってコンベア部12のうちの1つに結合された外部ヒンジプレート44の対と、別の交差梁38によって隣接するコンベア部12に結合された内側ヒンジプレート46と、を含む。図9は、交差梁38をI形梁として例示しているが、他の構造支持部材も同様に使用され得ることを理解されたい。図9に見られるように、内側ヒンジプレート46は、外側ヒンジプレート44の対の間に位置付けられ得る。内側ヒンジプレート46は、外側ヒンジプレート44に対してヒンジピボット48の周りに自由に回転し得る。コンベア部12は、ヒンジアセンブリ18、20の周りに互いに対して回転して、互いに対してそれぞれの上り傾斜または下り傾斜の配向を呈し得る。図9は、第2のヒンジアセンブリ20を例示しているが、第1のヒンジアセンブリ18が同様の構造を含むことを理解されたい。
【0033】
図5および6を参照すると、第1のヒンジアセンブリ18および第2のヒンジアセンブリ20の代替バージョンが提供されている。各ヒンジサブアセンブリ18、20は、内側ヒンジプレート50、および外側ヒンジプレート52、ならびにピボットピン54を含む。内側ヒンジプレート50は、コンベア部12のうちの1つに固定され得、外側ヒンジプレート52は、隣接するコンベア部12に固定され得る。内側ヒンジプレート50および外側ヒンジプレート52は、内側ヒンジプレート50および外側ヒンジプレート52の移動を、ピボットピン54の長手方向軸に沿った回転軸の周りの移動に規制するピボットピン54と接続され得る。
【0034】
図3を参照すると、本発明によれば、第1のヒンジアセンブリ18は、上り傾斜部33Bの第1の端部34を中間部33Cに結合するように構成され得る。第1のヒンジアセンブリ18はまた、上り傾斜部33Bが中間部33Cに対して上り傾斜するかまたは下り傾斜することを可能にするようにも構成され得る。第2のヒンジアセンブリ20は、上り傾斜部33Bの第2の端部36を、リードアウト部96または下流コンベア部32に結合するように構成され得る。第2のヒンジアセンブリ20はまた、上り傾斜部33Bがリードアウト部96または下流コンベア部32に対して上り傾斜するかまたは下り傾斜することを可能にするようにも構成され得る。簡潔さのために例示されていないが、リードイン部95または上流コンベア部31を、下り傾斜部33Aがリードイン部95または上流コンベア部31に対して上り傾斜するかまたは下り傾斜することを可能にする構成で、下り傾斜部33Aに接続するために、第1のヒンジアセンブリ18の別のものがまた、存在してもよい。同様に、下り傾斜部33Aを、下り傾斜部33Aが中間部33Cに対して上り傾斜するかまたは下り傾斜することを可能にする構成で、中間部33Cに接続するために、第2のヒンジアセンブリ20の別のものが、存在してもよい。したがって、コンベア部12は、それぞれ図1および2に例示される上昇配向と下降配向との間で移動し得る。
【0035】
図10は、コンベアシステム10の一部であり得る例示的なテークアップアセンブリ90の説明図である。図1に見られるように、テークアップアセンブリ90は、リフトアセンブリ24の下流、より具体的には、下流部32における、下り傾斜部33A、中間部33C、および上り傾斜部33Bの下流に、位置付けられ得る。テークアップアセンブリ90はまた、上流コンベア部31内のリフトアセンブリ24の上流に位置付けられてもよい。本発明によれば、コンベアシステム10は、複数のテークアップアセンブリ90を含み得る。具体的には、テークアップアセンブリ90は、製品処理浴8の各々の前および/もしくは後に、1つおきの製品処理浴8の前および/もしくは後に、またはコンベアシステム10全体にわたる他の組み合わせに、位置付けられ得る。テークアップアセンブリ90は、コンベア上のチェーンの適切な張力を確保するとともに、コンベアリンケージアセンブリ16の長さの変化を補償するために使用され得ることを理解されたい。
【0036】
図1および10を参照すると、リフトアセンブリ24が最上昇位置にあるとき、テークアップアセンブリ90は、最延伸位置にある。すなわち、テークアップアセンブリ90は、リフトアセンブリ24から離れた第1の方向D1に推進され得るか、または並進し得る。テークアップアセンブリ90を第1の方向D1に並進させることは、リフトアセンブリ24が最上昇位置にあるとき、製品処理浴8の上の搬送経路22の直線的な後退を補償する。
【0037】
ここで図2および11に注目すると、リフトアセンブリ24が最下降位置にあるときに搬送経路22の増加した長さも補償するために、テークアップアセンブリ90は、後退位置にある。テークアップアセンブリ90は、リフトアセンブリ24に向けて第2の方向D2に推進されるか、または並進する。テークアップアセンブリ90を第2の方向D2に並進させることは、リフトアセンブリ24が最下降位置にあるとき、搬送経路22の直線的な拡張を補償する。
【0038】
図10および11の両方を参照すると、本発明によれば、テークアップアセンブリ90は、湾曲トラック部分150、クロス部材152、およびフレーム154を含み得る。湾曲トラック部分150は、互いに対して平行である2つの実質的に直線状の側面フレーム部材160を含み得る。湾曲部材164は、両方の側面フレーム部材160の端部162間で横方向に延在し、2つのJ字形アームのものによって画定され得る。より具体的には、各J字形アームは、直線状の脚セグメント166および湾曲セグメント168を含む。J字形アームは、互いに接続して、一般的にU字形プロファイルを作成する。U字形プロファイルは、各々弓形部によって互いに接続される、2つの実質的に平行な側面を含む。
【0039】
クロス部材152は、2つの側面フレーム部材160に対して横断的に延在する。湾曲トラック部分150およびクロス部材152は、静止したままのフレーム154に対して、第1の方向D1と第2の方向D2(図1に見られる)との間で前後に並進し得る。より具体的には、湾曲トラック部分150およびクロス部材152は、リフトアセンブリ24が最上昇位置にあるとき、第1の方向D1に並進して、コンベアリンケージアセンブリ16の直線的な後退を補償し得る。同様に、湾曲トラック部分150およびクロス部材152は、リフトアセンブリ24が最下降位置にあるとき、第2の方向D2に並進して、コンベアリンケージアセンブリ16の直線的な拡張を補償し得る。図に示されるテークアップアセンブリ90は、1つの非限定的な実施形態に過ぎず、他の構成も同様に使用されてもよいことを理解されたい。
【0040】
本開示に従って、コンベアシステム10は、調整制御システム200を備え得る。調整制御システム200は、伸縮継手29または各並進可能部33の継手の位置を監視し、かつ搬送経路22の長さの変化を考慮するためにテークアップアセンブリ90のうちの1つ以上を適切に位置決めするように、構成され得る。図12を参照すると、調整制御システム200は、コントローラ202、位置センサ204、およびテークアップアクチュエータ206を含み得る。コントローラ202は、位置センサ204で伸縮継手29の位置を監視し、テークアップアクチュエータ206のうちの1つ以上にコマンドを提供して、コンベアシステム10の搬送経路22の一貫した合計の長さを維持するように補償的に調整する。
【0041】
コントローラ202は、メモリに記憶されたソフトウェアおよび/またはファームウェアコードを実行する少なくとも1つのマイクロプロセッサを備え得る。ソフトウェア/ファームウェアコードは、コントローラ202によって実行されると、テークアップアクチュエータ206のうちの1つ以上に、伸縮継手29の調整時に、搬送経路22の一貫した合計の長さを維持するように補償的に調整させる命令を含む。コントローラ202は、通信経路で位置センサ204およびテークアップアクチュエータ206の各々に、さらに接続され得る。通信経路は、通信リンクを介してデータおよび制御を送信および受信するように動作する任意の好適な無線および/または有線通信モジュールを含み得る。
【0042】
伸縮継手29の位置は、伸縮継手29に固定された位置センサ204で監視され得る。具体的には、位置センサ204は、伸縮継手29の拡張または収縮の度合いを判定するように構成され得る。図6A、6B、8A、および8Bを参照すると、位置センサ204は、1つの構成要素が伸縮継手29の各側面上の並進可能部33に固定された、光学距離センサを備え得る。例えば、伸縮継手29が滑り継手92を備えるとき、光学距離センサの一方の構成要素が、外部部材110に固定され、かつ他方の構成要素が、伸縮部材112に固定されて、動作中の滑り継手92の延伸の変化についての定量値を提供し得る。位置センサ204の非限定的な例には、フォトアイ、レーザプロキシ、レーザ距離測定デバイス、およびリミットスイッチが含まれる。位置センサ204の追加のスタイルが、磁気センサ、静電容量センサ、および一連の近接センサを含む調整制御システム200に利用され得ることが理解されるであろう。
【0043】
先に示されたように、テークアップアクチュエータ206は、伸縮継手29の拡張または収縮時にコンベアシステム10の搬送経路22の一貫した合計の長さを維持するために、このテークアップアクチュエータのそれぞれのテークアップ90を補償的に調整する。先のコンベアに対して利用された標準的なテークアップは、空気圧および/またはチェーン張力のパッシブシステムを利用して、コンベアの長さを調整するか、または維持する。しかしながら、先のコンベアに対して利用された標準的なテークアップは、経路長調整の大きさが制限される。本開示のテークアップアクチュエータ206は、テークアップ90をアクティブに駆動して、コンベアシステム10の動作中にリアルタイム調整を提供し、経路長調整の増強を可能にする。テークアップアクチュエータ206は、テークアップ90を正確かつ迅速に調整することができる任意の機構を備え得る。例えば、テークアップアクチュエータ206は、スクリュー駆動、反対側に位置付けられた油もしくは空気駆動ピストン、またはチェーン駆動を備え得る。
【0044】
位置センサ204に加えてまたは代えて、調整制御システム200は、リフト37とリフトフレーム27の位置決めとを作動させる制御システムと、動作可能に通信し得る。コンベアシステム10の幾何学的制約に基づいて、伸縮継手29の延伸の変化は、位置センサ204からの確認測定なしにリフトフレーム27の位置決めから判定され得る。したがって、調整制御システム200は、リフト37とリフトフレーム27の位置決めとを作動させる制御システムから、リフトアセンブリ24の現在または将来の作動の通知を受信して、テークアップ90の即時的または予定された補償的調整を可能にし得る。
【0045】
本開示のコンベアシステム10は、リアルタイムで利用されるコーティングまたは処理工程を変化させることができる、包括的な加工ラインのアセンブリを可能にする。例えば、コンベアシステム10は、各製品処理浴8の上を通過する搬送経路22およびコンベアリンケージアセンブリ16と直列に多数の製品処理浴8を備え得る。製品処理浴8のうちの1つ以上は、事前処理を含んでもよく、1つ以上の製品処理浴8は、酸エッチング化学物質を含んでもよく、1つ以上の製品処理浴8は、塗料を含んでもよく、1つ以上の製品処理浴8は、洗浄またはすすぎ化学物質を含んでもよい。単一のコンベアシステム10は、各製品処理浴8の上でリフトアセンブリ24の位置を調整することによって異なる処理を受ける多様な物品6に、利用され得る。例えば、塗料を含む製品処理浴8の上のリフトアセンブリ24は、その後に接着剤が配置されることとなる物品6の一部上に塗料が望ましくない場合があるため、物品6の一部分のみをコーティングするか、または塗装工程を完全に省くように、調整され得る。さらに、酸エッチングは、特定の金属タイプの物品6に利用されるが、他の金属タイプの物品6については省略され得る。
【0046】
ここで、コンベアシステムの様々な態様が記載され、このような態様が様々な他の態様と併せて利用され得ることを理解されたい。以上のことを考慮して、本発明は、とりわけ、限定されるものではないが、以下の態様に関連する。
【0047】
第1の態様では、本開示は、コンベアシステムを提供する。コンベアシステムは、上流コンベア部から下流コンベア部まで延在し、上流コンベア部と下流コンベア部との間に並進可能部が配設された搬送経路を画定する複数のコンベア部を備える。並進可能部は、下り傾斜部、上り傾斜部、および上り傾斜部と下り傾斜部との間の中間部を含む。コンベアシステムは、並進可能部に動作可能に接続されたリフトアセンブリをさらに含み、リフトアセンブリは、最揚高位置、最下降位置、および最揚高位置と最下降位置との間の複数の中間位置を含む。コンベアシステムは、並進可能部のコンベア部のうちの2つに動作可能に接続され、かつこれらの2つの間に位置付けられた、伸縮継手をさらに含む。伸縮継手は、リフトアセンブリが最上昇位置に向けて作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成され、かつリフトアセンブリが最下降位置に向けて作動されるにつれて直線方向に拡張するように構成されている。
【0048】
第2の態様では、本開示は、並進可能部が、上流部と実質的に位置整合したリードイン部、下流部と実質的に位置整合したリードアウト部、またはリードイン部とリードアウト部との両方をさらに含む、第1の態様に記載のコンベアシステムを提供する。さらに、リードイン部およびリードアウト部のうちの1つ以上が、2つ以上のサブ部を備え、これらの2つ以上のサブ部間に伸縮継手が位置し、リードイン部が、上流部と下り傾斜部とを接続し、リードアウト部は、下流部と上り傾斜部とを接続する。
【0049】
第3の態様では、本開示は、リードイン部が、上流部と連接し、リードアウト部が、下流部と連接する、第2の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0050】
第4の態様では、本開示は、中間部が、2つ以上のコンベア部を含み、伸縮継手が、中間部の2つ以上のコンベア部のうちの2つの間に配設されている、第1の態様~第3の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0051】
第5の態様では、本開示は、複数のコンベア部が、搬送経路の全長を画定し、伸縮継手が拡張するにつれて、搬送経路の全長が増加し、伸縮継手が収縮するにつれ、搬送経路の全長が減少する、第1の態様~第4の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0052】
第6の態様では、本開示は、伸縮継手が、外部部材と、外部部材内に入れ子になっており、かつ外部部材に対して直線方向に並進するように構成された伸縮部材と、を備える、第1の態様~第5の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0053】
第7の態様では、本開示は、外部部材および伸縮部材が、並進可能部の2つの隣接するコンベア部の一部として一体的に形成されている、第6の態様のコンベアシステムを提供する。
【0054】
第8の態様では、本開示は、外部部材が、少なくとも1つのスロットを画定し、伸縮継手が、伸縮部材に接続された少なくとも1つの細長い部材を含み、細長い部材が、外部部材の少なくとも1つのスロット内に並進するように成形されている、第6の態様または第7の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0055】
第9の態様では、本開示は、リフトアセンブリが、リフトフレームおよび複数の並進可能支持部材を備え、並進可能支持部材が、伸縮継手の動作時に並進可能部のコンベア部のうちの2つ以上と協調して移動し得るように、並進可能支持部材が、並進可能部に静止固定され、かつリフトフレームに移動可能に固定されている、第1の態様~第8の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0056】
第10の態様では、本開示は、並進可能支持部材が、リフトフレーム上の支持梁に摺動可能に固定されている、第9の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0057】
第11の態様では、本開示は、コンベアシステムは、複数のコンベア部に結合された複数の耐荷重アセンブリをさらに備え、複数の耐荷重アセンブリが各々、物品に結合するように構成されている、第1の態様~第10の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0058】
第12の態様では、本開示は、コンベアシステムが、耐荷重アセンブリによって複数のコンベア部に結合されたコンベアリンケージアセンブリをさらに備え、コンベアリンケージアセンブリが、一連のチェーンリンクによって画定される、第11の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0059】
第13の態様では、本開示は、コンベアシステムが、1つ以上の製品処理浴をさらに備え、リフトアセンブリが最下降位置へと垂直方向に漸次移動するにつれて、製品処理浴内の物品の浸漬高さが、増加する、第11の態様または第12の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0060】
第14の態様では、本開示は、コンベアシステムが、複数の製品処理浴を備え、コンベアシステムが、これらの製品処理浴間で物品を移動させるように動作可能である、第13の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0061】
第15の態様では、本開示は、コンベアシステムが、コンベアシステムの並進可能部の下流、上流、またはその両方に位置付けられた少なくとも1つのテークアップアセンブリをさらに備える、第1の態様~第14の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0062】
第16の態様では、本開示は、テークアップアセンブリが、互いに対して平行な2つの実質的に直線状の側面フレーム部材を有する湾曲トラック部分と、側面フレーム部材間の横方向に延在する湾曲部材と、を含む、第15の態様に記載のコンベアシステムを提供する。
【0063】
第17の態様では、本開示は、リフトアセンブリが、リフトアセンブリの垂直移動の微調整を提供し、かつ中間部を水平配向に維持するためのボールねじ機構を備える、第1の態様~第16の態様のいずれかに記載のコンベアシステムを提供する。
【0064】
第18の態様では、本開示は、第1の態様~第17の態様のいずれか一態様に記載の特徴を呈し得るコンベアシステムを提供する。第18の態様のコンベアシステムは、上流コンベア部から下流コンベア部まで延在し、上流コンベア部と下流コンベア部との間に並進可能部が配設された搬送経路を画定する複数のコンベア部を備える。並進可能部は、下り傾斜部、上り傾斜部、および上り傾斜部と下り傾斜部との間の中間部を含む。コンベアシステムは、並進可能部に動作可能に接続されたリフトアセンブリをさらに備え、リフトアセンブリは、最揚高位置、最下降位置、および最揚高位置と最下降位置との間の複数の中間位置を含む。コンベアシステムはまた、複数のコンベア部に結合された複数の耐荷重アセンブリも備え、複数の耐荷重アセンブリは各々、物品と、耐荷重アセンブリによってコンベア部に結合されたコンベアリンケージアセンブリと、に結合するように構成されており、コンベアリンケージアセンブリは、一連のチェーンリンクによって画定される。コンベアシステムはまた、中間部のコンベア部のうちの2つ以上に動作可能に接続され、かつこれらの2つ以上の間に位置付けられた伸縮継手も備え、伸縮継手は、リフトアセンブリが最上昇位置へと作動されるにつれて直線方向に収縮するように構成されており、かつリフトアセンブリが最下降位置に向けて作動されるにつれて直線方向に拡張するように構成されている。コンベアシステムは、複数の製品処理浴をさらに備え、物品は、コンベアリンケージアセンブリの前進と協調して、複数の製品処理浴を連続的に経由して移動される。リフトアセンブリは、リフトフレームおよび複数の並進可能支持部材を備え、並進可能支持部材が、伸縮継手の動作時に並進可能部のコンベア部のうちの2つ以上と協調して移動し得るように、並進可能支持部材は、並進可能部に静止固定され、かつリフトフレームに移動可能に固定されている。
【0065】
「好ましくは」、「一般的に」、および「典型的に」などの用語は、本明細書では、特許請求の範囲を限定するために、または特定の特徴が、特許請求される本発明の構造または機能に重大である、本質的である、またはさらに重要であることを暗示するために利用されないことに留意されたい。むしろ、これらの用語は、本発明の特定の実施形態で利用され得る、または利用されない場合がある、代替的または追加的特徴を強調することを意図しているに過ぎない。
【0066】
本発明は、「1つの(a)」保持輪、「1つの(a)」製品処理浴などの観点で記載されているが、これらの構成要素または他の列挙される構成要素のうちのいずれかの1つ以上を、本発明に従って使用することができる。
【0067】
本発明を記載および定義する目的のために、「システム」という用語は、構成要素が他の構成要素と組み合わされているかどうかにかかわらず、構成要素の組み合わせと個々の構成要素とを表すために本明細書で利用されることに留意されたい。
【0068】
本発明を詳細に説明し、その特定の任意の特徴を参照することにより、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能であることが明らかであろう。より具体的には、本発明のいくつかの態様は、本明細書で好ましいかまたは特に有利と識別され得るが、本発明は、必ずしも本発明のこれらの好ましい態様に限定されないことが企図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】