(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】分離装置及び分離方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20220210BHJP
B01D 53/22 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
B01D53/04 110
B01D53/22
B01D53/04 230
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538308
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(85)【翻訳文提出日】2021-08-25
(86)【国際出願番号】 CN2019128641
(87)【国際公開番号】W WO2020140821
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】201811652280.9
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】518405289
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司大連石油化工研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】張勝中
(72)【発明者】
【氏名】張英
(72)【発明者】
【氏名】喬凱
(72)【発明者】
【氏名】范得權
(72)【発明者】
【氏名】張延鵬
(72)【発明者】
【氏名】高明
【テーマコード(参考)】
4D006
4D012
【Fターム(参考)】
4D006GA41
4D006HA01
4D006JA01A
4D006JA25A
4D006JA29A
4D006JA30A
4D006JA57A
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4D006PB68
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4D006PC80
4D012BA01
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA05
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4D012CA20
4D012CB05
4D012CB13
4D012CB16
4D012CD07
4D012CG01
4D012CH08
4D012CK10
(57)【要約】
本発明は分離装置(1)及び分離方法を開示する。前記分離装置(1)は、膜分離モジュール(10)、吸着モジュール(20)、及び給気モジュール(30)を含む。膜分離モジュールは(10)、第1のハウジング(110)と、第1のハウジング(110)内に設けられ得る膜アセンブリと(130)を含み、第1のハウジング(110)は第1の給気口(121)、第1の排気口(122)及び未浸透気体出口(123)を有し、膜アセンブリ(130)は浸透気体出口を有し、浸透気体出口は第1の排気口(122)に連通している。吸着モジュール(20)は、第2のハウジング(210)と、第2のハウジング(210)内に設けられ得る吸着剤層(230)とを含み、第2のハウジング(210)は第1のハウジング(110)に設けられ、第2のハウジング(210)は第2の給気口(221)、第2の排気口(222)及び脱着気体出口(223)を有し、第2の給気口(221)は第1の排気口(122)に連通している。給気モジュール(30)は第3の排気口(321)を有し、第3の排気口(321)は第1の給気口(121)に連通している。当該分離装置(1)は、占有面積が小さく、軽量であり、製造コストが低いなどの利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離装置であって、
第1のハウジングと、前記第1のハウジング内に設けられ得る膜アセンブリとを含み、前記第1のハウジングが第1の給気口、第1の排気口及び未浸透気体出口を有し、前記膜アセンブリが浸透気体出口を有し、前記浸透気体出口が前記第1の排気口に連通している膜分離モジュールと、
第2のハウジングと、前記第2のハウジング内に設けられ得る吸着剤層とを含み、前記第2のハウジングが前記第1のハウジングに設けられ、前記第2のハウジングが第2の給気口、第2の排気口及び脱着気体出口を有し、前記第2の給気口が前記第1の排気口に連通している吸着モジュールと、
第3の排気口を有し、前記第3の排気口が前記第1の給気口に連通している給気モジュールとを含む、ことを特徴とする分離装置。
【請求項2】
前記第2のハウジングは前記第1のハウジングに直接設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の分離装置。
【請求項3】
前記第1の給気口は複数あり、各前記第1の給気口は前記第3の排気口に連通し、選択的に、前記膜アセンブリは複数あり、前記第1の排気口は複数あり、前記第2の給気口は複数あり、複数の前記膜アセンブリの前記浸透気体出口は複数の前記第1の排気口に1対1で対応して連通し、複数の前記第1の排気口は複数の前記第2の給気口に1対1で対応して連通している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の分離装置。
【請求項4】
前記給気モジュールは、
第4の排気口を有する給気管と、
緩衝室と、複数の前記第3の排気口とを有し、各前記第3の排気口が前記緩衝室に連通し、前記第4の排気口が前記緩衝室に連通し、前記第1の給気口が複数あり、複数の前記第3の排気口が複数の前記第1の給気口に1対1で対応して連通している気体配分ディスクとを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の分離装置。
【請求項5】
前記膜分離モジュールは複数あり、前記吸着モジュールは複数あり、各前記膜分離モジュールの前記第1の給気口は前記第3の排気口に連通し、複数の前記第2のハウジングは複数の前記第1のハウジングに1対1で対応して設けられ、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の排気口は複数の前記吸着モジュールの前記第2の給気口に1対1で対応して連通している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の分離装置。
【請求項6】
前記給気モジュールは複数あり、複数の前記給気モジュールの前記第3の排気口は複数の前記膜分離モジュールの前記第1の給気口に1対1で対応して連通している、ことを特徴とする請求項5に記載の分離装置。
【請求項7】
前記給気モジュールは、
給気主管と、
第3の給気口と複数の前記第3の排気口を有し、前記第3の給気口が複数の前記第3の排気口のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し、前記給気主管が前記第3の給気口に接続される制御弁と、
第1の端部が複数の前記第3の排気口に1対1で対応して接続され、第2の端部が複数の前記膜分離モジュールの前記第1の給気口に1対1で対応して接続される複数の給気枝管とを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の分離装置。
【請求項8】
前記給気モジュールは、
第4の排気口を有する給気管と、
複数の緩衝室、複数の第3の給気口及び複数の前記第3の排気口を有し、複数の前記第3の給気口が複数の前記緩衝室に1対1で対応して連通し、複数の前記第3の排気口が複数の前記緩衝室に1対1で対応して連通し、前記第4の排気口が複数の前記第3の給気口のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し、複数の前記第3の排気口が複数の前記膜分離モジュールの前記第1の給気口に1対1で対応して連通している気体配分ディスクとを含み、
選択的に、前記気体配分ディスクは環状であり、複数の前記第3の給気口は前記気体配分ディスクの内周面に設けられ、前記気体配分ディスクは、前記給気管のうち前記第4の排気口が設けれた部分に套設可能であり、前記給気管は前記気体配分ディスクに対して回転可能に設けられ、
選択的に、各前記第3の排気口は複数のサブ排気口を含み、複数の前記サブ排気口は、前記気体配分ディスクの周方向に間隔を空けて設けられた複数のサブ排気口群を構成し、各前記サブ排気口群は前記気体配分ディスクの径方向に間隔を空けて設けられた複数の前記サブ排気口を含み、各前記膜分離モジュールは複数の前記第1の給気口を有し、各前記膜分離モジュールの複数の前記第1の給気口は、対応する前記第3の排気口の前記複数のサブ排気口に1対1で対応して連通している、ことを特徴とする請求項5に記載の分離装置。
【請求項9】
前記気体配分ディスクは、
第1の端面を有し、前記第1の端面に複数の前記緩衝室が設けられ、前記緩衝室の内端が開放して前記第3の給気口を形成するか、又は前記第3の給気口が前記緩衝室の内側壁面に設けられる環状の第1のディスクであって、前記第1のディスクは前記給気管の前記第4の排気口が設けられた部分に套設可能であり、前記給気管は前記第1のディスクに対して回転可能に設けられる環状の第1のディスクと、
前記第1の端面に設けられ、複数の前記緩衝室を覆う第2のディスクであって、前記第3の排気口が前記第2のディスクに設けられ、前記第3の排気口が前記第2のディスクの厚さ方向に沿って前記第2のディスクを貫通する第2のディスクとを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の分離装置。
【請求項10】
前記気体配分ディスクは、環状の第1のディスク、第2のディスク及び環状の第3のディスクを含み、
前記第1のディスクは、厚さ方向において対向する第1の端面と第2の端面を有し、複数の前記緩衝室が設けられ、各前記緩衝室が前記第1のディスクの厚さ方向に沿って前記第1のディスクを貫通し、前記緩衝室の内端が開放して前記第3の給気口を形成するか、又は前記第3の給気口が前記緩衝室の内側壁面に設けられ、
前記第2のディスクが前記第1の端面に設けられ、前記第3のディスクが前記第2の端面に設けられ、前記第2のディスクと前記第3のディスクが複数の前記緩衝室を覆い、前記第1のディスクが前記給気管の前記第4の排気口が設けられた部分に套設可能であり、前記給気管が前記第1のディスクに対して回転可能に設けられ、前記第3の排気口が前記第2のディスクに設けられ、前記第3の排気口が前記第2のディスクの厚さ方向に沿って前記第2のディスクを貫通する、ことを特徴とする請求項8に記載の分離装置。
【請求項11】
複数の前記膜分離モジュールは第1の周方向に沿って配置され、
前記第1のハウジングは、第1の端板及び第2の端板と、第1の側板、第2の側板、第1の内側板、及び第1の外側板とを含み、
前記第1の側板、前記第1の内側板、前記第2の側板、及び第1の外側板は、順次接続されて第1の周囲板を形成し、前記第1の周囲板の第1の端部は前記第1の端板に接続され、前記第1の周囲板の第2の端部は前記第2の端板に接続され、前記第1の給気口は前記第1の端板に設けられ、前記第1の排気口は前記第2の端板に設けられ、前記未浸透気体出口は前記第1の周囲板と前記第1の端板のうちの少なくとも1つに設けられ、
選択的に、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の端板は一体成形され、複数の前記膜分離モジュールの前記第2の端板は一体成形され、選択的に、前記第1の周方向において隣接する2つの前記第1のハウジングのうちの一方の前記第1の側板は他方の前記第2の側板と一体成形され、選択的に、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の内側板は一体成形され、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の外側板は一体成形され、
選択的に、各前記膜アセンブリの第1の端部は対応する前記第1の端板に接続され、各前記膜アセンブリの第2の端部は開放して前記浸透気体出口を形成し、各前記膜アセンブリの第2の端部は対応する前記第2の端板の前記第1の排気口に接続され、
選択的に、複数の前記膜分離モジュールの第1の内側板は第1の正円柱面又は第1の正角柱面に位置し、複数の前記膜分離モジュールの第1の外側板は第2の正円柱面又は第2の正角柱面に位置する、ことを特徴とする請求項5に記載の分離装置。
【請求項12】
複数の前記吸着モジュールは第1の周方向に沿って配置され、
前記第2のハウジングは、第3の端板及び第4の端板と、第3の側板、第4の側板、第2の内側板、及び第2の外側板とを含み、
前記第3の側板、前記第2の内側板、前記第4の側板、及び第2の外側板は、順次接続されて第2の周囲板を形成し、前記第2の周囲板の第1の端部は前記第3の端板に接続され、前記第2の周囲板の第2の端部は前記第4の端板に接続され、前記第2の給気口は前記第3の端板に設けられ、前記第2の排気口は前記第4の端板に設けられ、前記脱着気体出口は前記第2の周囲板と前記第3の端板のうちの少なくとも1つに設けられ、
選択的に、複数の前記吸着モジュールの前記第3の端板は一体成形され、複数の前記吸着モジュールの前記第4の端板は一体成形され、選択的に、前記第1の周方向において隣接する2つの前記第2のハウジングのうちの一方の前記第3の側板は他方の前記第4の側板と一体成形され、選択的に、複数の前記吸着モジュールの前記第2の内側板は一体成形され、複数の前記吸着モジュールの前記第2の外側板は一体成形され、
選択的に、複数の前記吸着モジュールの前記第2の内側板は第3の正円柱面又は第3の正角柱面に位置し、複数の前記吸着モジュールの前記第2の外側板は第4の正円柱面又は第4の正角柱面に位置し、より選択的に、前記第1の正円柱面と前記第3の正円柱面は同一正円柱面であり、前記第2の正円柱面と前記第4の正円柱面は同一正円柱面であり、前記第1の正角柱面と前記第3の正角柱面は同一正角柱面であり、前記第2の正角柱面と前記第4の正角柱面は同一正角柱面である、ことを特徴とする請求項5又は11に記載の分離装置。
【請求項13】
中心軸をさらに含み、複数の前記膜分離モジュールは前記中心軸の周方向に沿って配置され、複数の前記吸着モジュールは前記中心軸の周方向に沿って配置され、前記膜分離モジュールの前記第1の内側板は前記中心軸に接近するか、又は前記膜分離モジュールの前記第1の内側板は前記中心軸と接触し、各前記吸着モジュールの前記第2の内側板は前記中心軸に接近するか、又は各前記吸着モジュールの前記第2の内側板は前記中心軸と接触する、ことを特徴とする請求項12に記載の分離装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の分離装置を用いて実施される分離方法であって、
給気モジュールを用いて膜分離モジュールに原料気体を供給するステップと、
前記膜分離モジュールを用いて前記原料気体を分離して粗精製気体を得るステップと、
吸着モジュールを用いて前記粗精製気体中の不純物を吸着して高純度気体を得るステップとを含む、分離方法。
【請求項15】
給気管の第4の排気口を気体配分ディスクの1組の緩衝室の第3の給気口と連通させ、1組の前記膜分離モジュールに前記原料気体を供給し、1組の前記緩衝室は、少なくとも1つの前記緩衝室を含み、1組の前記膜分離モジュールは、少なくとも1つの前記膜分離モジュールを含み、
1組の前記膜分離モジュールを用いて前記原料気体を分離して粗精製気体を得、
1組の前記吸着モジュールを用いて前記粗精製気体中の不純物を吸着して高純度気体を得、1組の前記吸着モジュールは少なくとも1つの前記吸着モジュールを含み、
1組の前記吸着モジュールが所定時間作動した後又は1組の前記吸着モジュールが所定量の前記粗精製気体を処理した後、前記給気管の前記第4の排気口を前記気体配分ディスクの他の1組の前記緩衝室の前記第3の給気口と連通させ、他の1組の前記膜分離モジュールに前記原料気体を供給し、他の1組の前記緩衝室は少なくとも1つの前記緩衝室を含み、他の1組の前記膜分離モジュールは少なくとも1つの前記膜分離モジュールを含み、
他の1組の前記膜分離モジュールを用いて前記原料気体を分離して前記粗精製気体を得、
他の1組の前記吸着モジュールを用いて前記粗精製気体中の不純物を吸着して高純度気体を得、他の1組の前記吸着モジュールは少なくとも1つの前記吸着モジュールを含み、
1組の前記吸着モジュール中の吸着剤を再生する、ことを特徴とする請求項14に記載の分離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分離装置及び分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塔分離、膜分離、吸着分離などの技術により高純度気体(モル純度が99.9%よりも高い気体)を製造することができる。膜分離によって高純度気体を製造するには、一般的に2段精製、さらに2段以上の精製が必要とされ、その結果、高純度気体の製造コストが高くなる。特に原料気体中の目的の気体成分の濃度が低い場合、高純度気体の製造コストが高まり、それにより膜分離の使用範囲が制限されてしまう。
【0003】
現在、原料気体に含まれる目的の気体成分の濃度が低い場合、まず原料気体を膜分離装置で粗精製し、次に、粗精製した気体を吸着分離装置に入れて高純度気体を製造する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術に存在する問題を解決するために、分離装置及び分離方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成させるために、本発明の第1の態様は分離装置を提供し、前記分離装置は、
第1のハウジングと、前記第1のハウジング内に設けられ得る膜アセンブリとを含み、前記第1のハウジングが第1の給気口、第1の排気口及び未浸透気体出口を有し、前記膜アセンブリが浸透気体出口を有し、前記浸透気体出口が前記第1の排気口に連通している膜分離モジュールと、
第2のハウジングと、前記第2のハウジング内に設けられ得る吸着剤層とを含み、前記第2のハウジングが前記第1のハウジングに設けられ、前記第2のハウジングが第2の給気口、第2の排気口及び脱着気体出口を有し、前記第2の給気口が前記第1の排気口に連通している吸着モジュールと、
第3の排気口を有し、前記第3の排気口が前記第1の給気口に連通している給気モジュールとを含む。
【0006】
本発明の実施例に係る分離装置は、占有面積が小さく、軽量であり、製造コストが低いという利点がある。
【0007】
選択的に、前記第2のハウジングは前記第1のハウジングに直接設けられる。
【0008】
選択的に、前記第1の給気口は複数あり、各前記第1の給気口は前記第3の排気口に連通し、選択的に、前記膜アセンブリは複数あり、前記第1の排気口は複数あり、前記第2の給気口は複数あり、複数の前記膜アセンブリの前記浸透気体出口は複数の前記第1の排気口に1対1で対応して連通し、複数の前記第1の排気口は複数の前記第2の給気口に1対1で対応して連通している。
【0009】
選択的に、前記給気モジュールは、
第4の排気口を有する給気管と、
緩衝室と、複数の前記第3の排気口とを有し、各前記第3の排気口が前記緩衝室に連通し、前記第4の排気口が前記緩衝室に連通し、前記第1の給気口が複数あり、複数の前記第3の排気口が複数の前記第1の給気口に1対1で対応して連通している気体配分ディスクとを含む。
【0010】
選択的に、前記膜分離モジュールは複数あり、前記吸着モジュールは複数あり、各前記膜分離モジュールの前記第1の給気口は前記第3の排気口に連通し、複数の前記第2のハウジングは複数の前記第1のハウジングに1対1で対応して設けられ、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の排気口は複数の前記吸着モジュールの前記第2の給気口に1対1で対応して連通している。
【0011】
選択的に、前記給気モジュールは複数あり、複数の前記給気モジュールの前記第3の排気口は複数の前記膜分離モジュールの前記第1の給気口に1対1で対応して連通している。
【0012】
選択的に、前記給気モジュールは、
給気主管と、
第3の給気口と複数の前記第3の排気口を有し、前記第3の給気口が複数の前記第3の排気口のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し、前記給気主管が前記第3の給気口に接続される制御弁と、
第1の端部が複数の前記第3の排気口に1対1で対応して接続され、第2の端部が複数の前記膜分離モジュールの前記第1の給気口に1対1で対応して接続される複数の給気枝管とを含む。
【0013】
選択的に、前記給気モジュールは、
第4の排気口を有する給気管と、
複数の緩衝室、複数の第3の給気口及び複数の前記第3の排気口を有し、複数の前記第3の給気口が複数の前記緩衝室に1対1で対応して連通し、複数の前記第3の排気口が複数の前記緩衝室に1対1で対応して連通し、前記第4の排気口が複数の前記第3の給気口のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し、複数の前記第3の排気口が複数の前記膜分離モジュールの前記第1の給気口に1対1で対応して連通している気体配分ディスクとを含み、
選択的に、前記気体配分ディスクは環状であり、複数の前記第3の給気口は前記気体配分ディスクの内周面に設けられ、前記気体配分ディスクは、前記給気管のうち前記第4の排気口が設けれた部分に套設可能であり、前記給気管は前記気体配分ディスクに対して回転可能に設けられ、
選択的に、各前記第3の排気口は複数のサブ排気口を含み、複数の前記サブ排気口は、前記気体配分ディスクの周方向に間隔を空けて設けられた複数のサブ排気口群を構成し、各前記サブ排気口群は前記気体配分ディスクの径方向に間隔を空けて設けられた複数の前記サブ排気口を含み、各前記膜分離モジュールは複数の前記第1の給気口を有し、各前記膜分離モジュールの複数の前記第1の給気口は、対応する前記第3の排気口の前記複数のサブ排気口に1対1で対応して連通している。
【0014】
選択的に、前記気体配分ディスクは、
第1の端面を有し、前記第1の端面に複数の前記緩衝室が設けられ、前記緩衝室の内端が開放して前記第3の給気口を形成するか、又は前記第3の給気口が前記緩衝室の内側壁面に設けられた環状の第1のディスクであって、前記第1のディスクは前記給気管の前記第4の排気口が設けられた部分に套設可能であり、前記給気管は前記第1のディスクに対して回転可能に設けられる環状の第1のディスクと、
前記第1の端面に設けられ、複数の前記緩衝室を覆う第2のディスクであって、前記第3の排気口が前記第2のディスクに設けられ、前記第3の排気口が前記第2のディスクの厚さ方向に沿って前記第2のディスクを貫通する第2のディスクとを含む。
【0015】
選択的に、前記気体配分ディスクは、環状の第1のディスク、第2のディスク及び環状の第3のディスクを含み、
前記第1のディスクは、厚さ方向において対向する第1の端面と第2の端面を有し、複数の前記緩衝室が設けられ、各前記緩衝室が前記第1のディスクの厚さ方向に沿って前記第1のディスクを貫通し、前記緩衝室の内端が開放して前記第3の給気口を形成するか、又は前記第3の給気口が前記緩衝室の内側壁面に設けられ、
前記第2のディスクが前記第1の端面に設けられ、前記第3のディスクが前記第2の端面に設けられ、前記第2のディスクと前記第3のディスクが複数の前記緩衝室を覆い、前記第1のディスクが前記給気管の前記第4の排気口が設けられた部分に套設可能であり、前記給気管が前記第1のディスクに対して回転可能に設けられ、前記第3の排気口が前記第2のディスクに設けられ、前記第3の排気口が前記第2のディスクの厚さ方向に沿って前記第2のディスクを貫通する。
【0016】
選択的に、複数の前記膜分離モジュールは第1の周方向に沿って配置され、
前記第1のハウジングは、第1の端板及び第2の端板と、第1の側板、第2の側板、第1の内側板、及び第1の外側板とを含み、
前記第1の側板、前記第1の内側板、前記第2の側板、及び第1の外側板は、順次接続されて第1の周囲板を形成し、前記第1の周囲板の第1の端部は前記第1の端板に接続され、前記第1の周囲板の第2の端部は前記第2の端板に接続され、前記第1の給気口は前記第1の端板に設けられ、前記第1の排気口は前記第2の端板に設けられ、前記未浸透気体出口は前記第1の周囲板と前記第1の端板のうちの少なくとも1つに設けられ、
選択的に、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の端板は一体成形され、複数の前記膜分離モジュールの前記第2の端板は一体成形され、
選択的に、前記第1の周方向において隣接する2つの前記第1のハウジングのうちの一方の前記第1の側板は他方の前記第2の側板と一体成形され、
選択的に、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の内側板は一体成形され、複数の前記膜分離モジュールの前記第1の外側板は一体成形され、
選択的に、各前記膜アセンブリの第1の端部は対応する前記第1の端板に接続され、各前記膜アセンブリの第2の端部は開放して前記浸透気体出口を形成し、各前記膜アセンブリの第2の端部は対応する前記第2の端板の前記第1の排気口に接続され、
選択的に、複数の前記膜分離モジュールの第1の内側板は第1の正円柱面又は第1の正角柱面に位置し、複数の前記膜分離モジュールの第1の外側板は第2の正円柱面又は第2の正角柱面に位置する。
【0017】
選択的に、複数の前記吸着モジュールは第1の周方向に沿って配置され、
前記第2のハウジングは、第3の端板及び第4の端板と、第3の側板、第4の側板、第2の内側板、及び第2の外側板とを含み、
前記第3の側板、前記第2の内側板、前記第4の側板、及び第2の外側板は、順次接続されて第2の周囲板を形成し、前記第2の周囲板の第1の端部は前記第3の端板に接続され、前記第2の周囲板の第2の端部は前記第4の端板に接続され、前記第2の給気口は前記第3の端板に設けられ、前記第2の排気口は前記第4の端板に設けられ、前記脱着気体出口は前記第2の周囲板と前記第3の端板のうちの少なくとも1つに設けられ、
選択的に、複数の前記吸着モジュールの前記第3の端板は一体成形され、複数の前記吸着モジュールの前記第4の端板は一体成形され、
選択的に、前記第1の周方向において隣接する2つの前記第2のハウジングのうちの一方の前記第3の側板は他方の前記第4の側板と一体成形され、
選択的に、複数の前記吸着モジュールの前記第2の内側板は一体成形され、複数の前記吸着モジュールの前記第2の外側板は一体成形され、
選択的に、複数の前記吸着モジュールの前記第2の内側板は第3の正円柱面又は第3の正角柱面に位置し、複数の前記吸着モジュールの前記第2の外側板は第4の正円柱面又は第4の正角柱面に位置し、
より選択的に、前記第1の正円柱面と前記第3の正円柱面は同一正円柱面であり、前記第2の正円柱面と前記第4の正円柱面は同一正円柱面であり、前記第1の正角柱面と前記第3の正角柱面は同一正角柱面であり、前記第2の正角柱面と前記第4の正角柱面は同一正角柱面である。
【0018】
選択的に、前記分離装置は中心軸をさらに含み、複数の前記膜分離モジュールは前記中心軸の周方向に沿って配置され、複数の前記吸着モジュールは前記中心軸の周方向に沿って配置され、前記膜分離モジュールの前記第1の内側板は前記中心軸に接近するか、又は前記膜分離モジュールの前記第1の内側板は前記中心軸と接触し、各前記吸着モジュールの前記第2の内側板は前記中心軸に接近するか、又は各前記吸着モジュールの前記第2の内側板は前記中心軸と接触する。
【0019】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係る分離装置を用いて実施される分離方法を提供し、前記分離方法は、給気モジュールを用いて膜分離モジュールに原料気体を供給するステップと、前記膜分離モジュールを用いて前記原料気体を分離して粗精製気体を得るステップと、吸着モジュールを用いて前記粗精製気体中の不純物を吸着して高純度気体を得るステップとを含む。
【0020】
選択的に、給気管の第4の排気口を気体配分ディスクの1組の緩衝室の第3の給気口と連通させ、1組の前記膜分離モジュールに前記原料気体を供給し、1組の前記緩衝室は、少なくとも1つの前記緩衝室を含み、1組の前記膜分離モジュールは、少なくとも1つの前記膜分離モジュールを含み、
1組の前記膜分離モジュールを用いて前記原料気体を分離して粗精製気体を得、
1組の前記吸着モジュールを用いて前記粗精製気体中の不純物を吸着して高純度気体を得、1組の前記吸着モジュールは少なくとも1つの前記吸着モジュールを含み、
1組の前記吸着モジュールが所定時間作動した後又は1組の前記吸着モジュールが所定量の前記粗精製気体を処理した後、前記給気管の前記第4の排気口を前記気体配分ディスクの他の1組の前記緩衝室の前記第3の給気口と連通させ、他の1組の前記膜分離モジュールに前記原料気体を供給し、他の1組の前記緩衝室は少なくとも1つの前記緩衝室を含み、他の1組の前記膜分離モジュールは少なくとも1つの前記膜分離モジュールを含み、
他の1組の前記膜分離モジュールを用いて前記原料気体を分離して前記粗精製気体を得、
他の1組の前記吸着モジュールを用いて前記粗精製気体中の不純物を吸着して高純度気体を得、他の1組の前記吸着モジュールは少なくとも1つの前記吸着モジュールを含み、
1組の前記吸着モジュール中の吸着剤を再生する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る分離装置の部分構造模式図である。
【
図2a】本発明の実施例に係る分離装置の給気モジュールの構造模式図である。
【
図2b】本発明の実施例に係る分離装置の給気モジュールの部分構造模式図である。
【
図2c】本発明の実施例に係る分離装置の気体配分ディスクの構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係る分離装置の給気管の構造模式図である。
【
図4a】本発明の実施例に係る分離装置の膜分離モジュールの部分構造模式図である。
【
図4b】本発明の実施例に係る分離装置の膜分離モジュールの部分構造模式図である。
【
図5a】本発明の実施例に係る分離装置の吸着モジュールの部分構造模式図である。
【
図5b】本発明の実施例に係る分離装置の吸着モジュールの部分構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例に係る吸着モジュールの第4の端板の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例を図面に示す。以下、図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためであり、本発明を制限するものとして理解できない。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施例に係る分離装置1を説明する。
図1~
図6に示すように、本発明の実施例に係る分離装置1は、膜分離モジュール10、吸着モジュール20、及び給気モジュール30を含む。
【0024】
膜分離モジュール10は、第1のハウジング110と、第1のハウジング110内に設けられ得る膜アセンブリ130とを含み、第1のハウジング110は第1の給気口121、第1の排気口122、及び未浸透気体出口123を有する。膜アセンブリ130は第1の排気口122に連通している浸透気体出口を有する。吸着モジュール20は、第2のハウジング210と、第2のハウジング210内に設けられ得る吸着剤層230とを含み、第2のハウジング210は第1のハウジング110に設けられ、即ち、第1のハウジング110は第2のハウジング210に設けられる。第2のハウジング210は第2の給気口221、第2の排気口222、及び脱着気体出口223を有し、第2の給気口221は第1の排気口122に連通している。給気モジュール30は第1の給気口121に連通している第3の排気口321を有する。
【0025】
膜アセンブリ130は第1のハウジング110内に設けられ得るとは、分離装置1を用いて高純度気体を製造する際に、膜アセンブリ130は第1のハウジング110内に設けられることを意味し、吸着剤層230は第2のハウジング210内に設けられ得るとは、分離装置1を用いて高純度気体を製造する際に、吸着剤層230は第2のハウジング210内に設けられることを意味する。分離装置1を用いて高純度気体を製造していないときに、膜アセンブリ130は第1のハウジング110内に設けられてもよいし、第1のハウジング110内に設けられなくてもよく、吸着剤層230は第2のハウジング210内に設けられてもよいし、第2のハウジング210内に設けられなくてもよい。
【0026】
分離装置1を用いて高純度気体を製造する際に、原料気体(目的の気体を含む気体混合物)は給気モジュール30の第3の排気口321と膜分離モジュール10の第1の給気口121を順次通過して膜分離モジュール10内に入り、膜分離モジュール10により分離(粗精製)され、粗精製気体となる。ここで、膜アセンブリ130を透過した気体は該粗精製気体であり、膜アセンブリ130を透過していない気体は未浸透気体であり、該未浸透気体は未浸透気体出口123を介して膜分離モジュール10から排出されてもよい。該粗精製気体は、膜分離モジュール10の第1の排気口122と吸着モジュール20の第2の給気口221を順次通過して吸着モジュール20内に入り、吸着モジュール20により不純物を吸着されて高純度気体となる。
【0027】
高純度気体を製造するための従来の装置は、従来の膜分離装置と吸着装置を材料の性質に応じて簡単に前後で連結して組み合わせたものに過ぎず、膜分離装置及び吸着装置自体の構造を変更していない。
【0028】
本発明の実施例に係る分離装置1は、膜分離モジュール10の第1のハウジング110と吸着モジュール20の第2のハウジング210とを一体に設けることで、膜分離モジュール10と吸着モジュール20とを一体化させる。それによって、分離装置1の占有面積や重量を大幅に減少させる。本発明の実施例に係る分離装置1は占有面積が極めて小さいため、特に気体補給ステーション(例えば水素燃料補給ステーション)に適用でき、本発明の実施例に係る分離装置1は、従来の分離装置が比べ物にならないほど占有面積が小さいという優位性を有する。
【0029】
従って、本発明の実施例に係る分離装置1は、占有面積が小さく、軽量であり、製造コストが低いなどの利点がある。
【0030】
図1~
図6に示すように、本発明のいくつかの実施例では、分離装置1は、膜分離モジュール10、吸着モジュール20、及び給気モジュール30を含む。分離装置1は、高純度気体の製造に幅広く利用可能であり、例えば分離装置1は、高純度のアルゴンガス、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンなどの製造に用いられ得る。
【0031】
膜分離モジュール10は、第1のハウジング110と、第1のハウジング110内に設けられ得る膜アセンブリ130とを含み、第1のハウジング110は第1の給気口121、第1の排気口122、及び未浸透気体出口123を有する。吸着モジュール20は第2のハウジング210と、第2のハウジング210内に設けられ得る吸着剤層230とを含み、第2のハウジング210は第2の給気口221、第2の排気口222、及び脱着気体出口223を有する。
【0032】
膜アセンブリ130は、無機膜アセンブリであってもよいし、有機膜アセンブリであってもよい。無機膜アセンブリは、原料気体が液体を含まず、酸性気体を含有し、又は温度や圧力が変化したときに凝結液を生成し得る場合に適用できる。無機膜アセンブリの無機膜は中空分子篩膜、例えば炭素分子篩、LTA分子篩、DDR分子篩膜などであってもよい。有機膜アセンブリは、原料気体に液体を含まず、原料又は製品気体が温度や圧力の変化により凝結液を生成しない場合に適用でき、有機膜アセンブリの有機膜は中空繊維膜であってもよい。
【0033】
粗精製気体中の不純物の組成に応じて、吸着剤層230は、各種の不純物を吸着可能な吸着剤を含んでもよい。例えば、吸着剤層230は、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト分子篩、及び活性炭のうちの少なくとも1種を含んでもよい。
【0034】
選択的に、
図1及び
図4bに示すように、第1のハウジング110は複数の第1の給気口121を有してもよく、いずれの第1の給気口121からも原料気体が通過する(入る)ように、第1の給気口121のそれぞれは、第3の排気口321に連通している。それによって、原料気体が第1のハウジング110内により均一に入ることができるだけでなく、膜分離モジュール10の単位時間当たりの気体処理量が増加する。
【0035】
図1、
図4a及び
図4bに示すように、膜アセンブリ130は複数あってもよく、第1のハウジング110は複数の第1の排気口122を有してもよく、複数の膜アセンブリ130の浸透気体出口は複数の第1の排気口122に1対1で対応して連通してもよい。つまり、該浸透気体出口(膜アセンブリ130)の数は第1の排気口122の数に等しくてもよく、該浸透気体出口のそれぞれは1つの第1の排気口122に連通し、第1の排気口122のそれぞれは1つの該浸透気体出口に連通する。それによって、膜分離モジュール10の単位時間当たりの気体処理量をさらに向上させる。
【0036】
このような場合、
図1及び
図5bに示すように、第2のハウジング210は複数の第2の給気口221を有し、複数の第1の排気口122は複数の第2の給気口221に1対1で対応して連通している。つまり、第2の給気口221の数は第1の排気口122の数に等しくてもよく、第2の給気口221のそれぞれは1つの第1の排気口122に連通し、第1の排気口122のそれぞれは1つの第2の給気口221に連通している。それによって、吸着モジュール20の単位時間当たりの気体処理量をさらに向上させる。
【0037】
図1に示すように、本発明の一実施例では、第2のハウジング210は第1のハウジング110の上方に直接設けられる。つまり、第1のハウジング110と第2のハウジング210との間にはいずれの部材(例えば連結ディスク、ブラケットなど)も設けられておらず、第1のハウジング110と第2のハウジング210は直接接触する。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、膜分離モジュール10と吸着モジュール20の一体化の程度をさらに向上させ、それにより、分離装置1の占有面積をさらに減少させ、分離装置1の重量を減少させ、製造コストを削減させることができる。勿論、他の実施例では、第1のハウジング110は第2のハウジング210の上方に設けられてもよい。
【0038】
給気モジュール30は第3の排気口321を有し、第3の排気口321は第1の給気口121に連通している。
図2a~
図2cに示すように、給気モジュール30は給気管310と気体配分ディスク320を含み、給気管310は第4の排気口311を有する。気体配分ディスク320は緩衝室322と複数の第3の排気口321を有し、第3の排気口321のそれぞれは緩衝室322に連通し、第4の排気口311は緩衝室322に連通している。選択的に、給気管310の上端部が密閉される。
【0039】
膜分離モジュール10は複数の第1の給気口121を有し、複数の第3の排気口321は複数の第1の給気口121に1対1で対応して連通している。言い換えれば、第3の排気口321の数は第1の給気口121の数に等しくてもよく、第3の排気口321のそれぞれは1つの第1の給気口121に連通し、第1の給気口121のそれぞれは1つの第3の排気口321に連通している。
【0040】
原料気体は給気管310の第4の排気口311を介して緩衝室322に入り、緩衝室322内の原料気体は複数の第3の排気口321と複数の第1の給気口121を順次通過して第1のハウジング110内に入る。気体配分ディスク320に第4の排気口311に連通している緩衝室322及び緩衝室322に連通している複数の第3の排気口321が設けられることによって、緩衝室322を利用して原料気体の流速を低くするだけでなく、原料気体が第1のハウジング110内により均一に入ることを可能とし、さらに、膜分離モジュール10の単位時間当たりの気体処理量を向上させることができる。
【0041】
図1~
図6に示すように、本発明のいくつかの例では、分離装置1は複数の膜分離モジュール10と複数の吸着モジュール20を含んでもよい。各膜分離モジュール10の第1の給気口121は第3の排気口321に連通し、原料気体は各膜分離モジュール10の第1のハウジング110内に入ることができる。
【0042】
複数の第2のハウジング210は複数の第1のハウジング110に1対1で対応して設けられ、即ち、膜分離モジュール10(第1のハウジング110)の数は吸着モジュール20(第2のハウジング210)の数に等しくてもよく、第2のハウジング210のそれぞれは1つの第1のハウジング110に設けられる。選択的に、複数の第2のハウジング210は複数の第1のハウジング110に1対1で対応して直接設けられる。
【0043】
複数の膜分離モジュール10の第1の排気口122は複数の吸着モジュール20の第2の給気口221に1対1で対応して連通している。つまり、各膜分離モジュール10の第1の排気口122は1つの吸着モジュール20の第2の給気口221に連通し、各吸着モジュール20の第2の給気口221は1つの膜分離モジュール10の第1の排気口122に連通している。それにより、互いに関連している膜分離モジュール10と吸着モジュール20により高純度気体の分離アセンブリが製造されてもよく、分離装置1は複数の該分離アセンブリを含んでもよく、それにより、分離装置1の単位時間当たりの気体処理量を向上させることができる。
【0044】
図4a及び
図4bに示すように、複数の膜分離モジュール10は第1の周方向に沿って配置されてもよく、即ち、複数の膜分離モジュール10は該第1の周方向に沿って配列されてもよい。第1のハウジング110のそれぞれは、第1の端板111、第2の端板112、第1の側板113、第2の側板114、第1の内側板115、及び第1の外側板116を含んでもよい。ここで、内向きとは該第1の周方向の中央部に向き、外向きとは該第1の周方向の中央部から遠い(離れる)ことを意味する。
【0045】
第1の側板113、第1の内側板115、第2の側板114及び第1の外側板116は、順次接続されて第1の周囲板117を形成し、第1の周囲板117の第1の端部は第1の端板111に接続され、第1の周囲板117の第2の端部は第2の端板112に接続される。
【0046】
具体的には、第1の端板111と第2の端板112は上下方向に間隔を空けて設けられ、第1の周囲板117の下端部は第1の端板111に接続され、第1の周囲板117の上端部は第2の端板112に接続され、即ち、第1の側板113、第1の内側板115、第2の側板114、及び第1の外側板116のそれぞれの下端部は第1の端板111に接続され、第1の側板113、第1の内側板115、第2の側板114、及び第1の外側板116のそれぞれの上端部は第2の端板112に接続される。上下方向は
図1における矢印Aに示される。
【0047】
第1の端板111、第2の端板112、第1の側板113、第2の側板114、第1の内側板115、及び第1の外側板116により第1の収容室118が画定され、即ち、第1のハウジング110は第1の収容室118を有してもよい。膜アセンブリ130は第1の収容室118内に設けられ、第1の給気口121、第1の排気口122及び未浸透気体出口123のそれぞれは第1の収容室118に連通してもよい。
【0048】
ここで、第1の給気口121は第1の端板111に設けられ、第1の排気口122は第2の端板112に設けられ、未浸透気体出口123は第1の周囲板117と第1の端板111のうちの少なくとも1つに設けられてもよい。選択的に、未浸透気体出口123は第1の周囲板117の下部に設けられてもよい。例えば、未浸透気体出口123は第1の外側板116の下部に設けられてもよい。
【0049】
複数の膜分離モジュール10の第1の端板111は一体成形されてもよく、複数の膜分離モジュール10の第2の端板112は一体成形されてもよい。それにより、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度及び構造強度をさらに向上させ、分離装置1の組み立て難度をさらに低減させることができる。
【0050】
選択的に、該第1の周方向において隣接する2つの第1のハウジング110のうちの一方の第1の側板113は他方の第2の側板114と一体成形される。言い換えれば、該第1の周方向において隣接する2つの第1のハウジング110については、一方の第1のハウジング110の第1の側板113は他方の第1のハウジング110の第2の側板114と一体成形され、即ち、該第1の周方向において隣接する2つの第1のハウジング110は1つの側板を共用できる。それにより、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の構造強度をさらに向上させることができる。
【0051】
各膜アセンブリ130の第1の端部(例えば下端部)は対応する第1の端板111に接続される。各膜アセンブリ130の第2の端部(例えば上端部)は開放して該浸透気体出口を形成し、各膜アセンブリ130の第2の端部は対応する第2の端板112の第1の排気口122に接続される。ここで、対応する第1の端板111と対応する第2の端板112とは、膜アセンブリ130とは同一の膜分離モジュール10に属する第1の端板111と第2の端板112のことである。
【0052】
複数の膜分離モジュール10の第1の内側板115は第1の正円柱面又は第1の正角柱面に位置し、即ち、複数の膜分離モジュール10の第1の内側板115は同一正円柱面又は同一正角柱面に位置する。複数の膜分離モジュール10の第1の外側板116は第2の正円柱面又は第2の正角柱面に位置し、即ち、複数の膜分離モジュール10の第1の外側板116は同一正円柱面又は同一正角柱面に位置する。それによって、分離装置1の構造がより合理的になる。ここで、正円柱面とは正円柱の側面、正角柱面とは正角柱の側面を指す。
【0053】
選択的に、複数の膜分離モジュール10の第1の内側板115は一体成形されてもよく、複数の膜分離モジュール10の第1の外側板116は一体成形されてもよい。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の構造強度をさらに向上させることができる。
【0054】
図5a及び
図5bに示すように、複数の吸着モジュール20は該第1の周方向に沿って布置されてもよく、即ち、複数の吸着モジュール20は該第1の周方向に沿って配列されてもよい。第2のハウジング210はそれぞれ、第3の端板211、第4の端板212、第3の側板213、第4の側板214、第2の内側板215、及び第2の外側板216を含む。第3の側板213、第2の内側板215、第4の側板214、及び第2の外側板216は、順次接続されて第2の周囲板217を形成し、第2の周囲板217の第1の端部は第3の端板211に接続され、第2の周囲板217の第2の端部は第4の端板212に接続される。
【0055】
具体的には、第3の端板211及び第4の端板212は上下方向に沿って間隔を空けて設けられ、第2の周囲板217の下端部は第3の端板211に接続され、第2の周囲板217の上端部は第4の端板212に接続され、即ち、第3の側板213、第2の内側板215、第4の側板214、及び第2の外側板216のうちの1つの下端部は第3の端板211に接続され、第3の側板213、第2の内側板215、第4の側板214、及び第2の外側板216のそれぞれの上端部は第4の端板212に接続される。
【0056】
第3の端板211、第4の端板212、第3の側板213、第4の側板214、第2の内側板215、及び第2の外側板216により第2の収容室218が画定され、即ち、第2のハウジング210は第2の収容室218を有してもよい。吸着剤層230は第2の収容室218内に設けられ、第2の給気口221、第2の排気口222、及び脱着気体出口223のそれぞれが第2の収容室218に連通してもよい。
【0057】
これらのうち、第2の給気口221は第3の端板211に設けられてもよく、第2の排気口222は第4の端板212に設けられてもよく、脱着気体出口223は第2の周囲板217と第3の端板211のうちの少なくとも1つに設けられてもよい。選択的に、脱着気体出口223は第2の周囲板217の下部に設けられてもよい。例えば、脱着気体出口223は第2の外側板216の下部に設けられてもよい。
【0058】
複数の吸着モジュール20の第3の端板211は一体成形され、複数の吸着モジュール20の第4の端板212は一体成形される。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度及び構造強度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の組み立て難度をさらに低減させることができる。
【0059】
選択的に、該第1の周方向において隣接する2つの第2のハウジング210のうちの一方の第3の側板213は他方の第4の側板214と一体成形される。言い換えれば、該第1の周方向において隣接する2つの第2のハウジング210については、一方の第2のハウジング210の第3の側板213は他方の第2のハウジング210の第4の側板214と一体成形され、即ち、該第1の周方向において隣接する2つの第2のハウジング210は1つの側板を共用できる。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の構造強度をさらに向上させることができる。
【0060】
複数の吸着モジュール20の第2の内側板215は第3の正円柱面又は第3の正角柱面に位置し、即ち、複数の吸着モジュール20の第2の内側板215は同一正円柱面又は同一正角柱面に位置する。複数の吸着モジュール20の第2の外側板216は第4の正円柱面又は第4の正角柱面に位置し、即ち、複数の吸着モジュール20の第2の外側板216は同一正円柱面又は同一正角柱面に位置する。それによって、分離装置1の構造がより合理的になる。より選択的に、該第1の正円柱面と該第3の正円柱面は同一正円柱面であってもよく、該第2の正円柱面と該第4の正円柱面は同一正円柱面であってもよく、該第1の正角柱面と該第3の正角柱面は同一正角柱面であってもよく、該第2の正角柱面と該第4の正角柱面は同一正角柱面であってもよい。
【0061】
選択的に、複数の吸着モジュール20の第2の内側板215は一体成形され、複数の吸着モジュール20の第2の外側板216は一体成形されてもよい。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の構造強度をさらに向上させることができる。
【0062】
本発明の第1の例では、給気モジュール30は複数あってもよく、複数の給気モジュール30の第3の排気口321は複数の膜分離モジュール10の第1の給気口121に1対1で対応して連通している。つまり、給気モジュール30の数は膜分離モジュール10の数に等しくてもよく、各給気モジュール30の第3の排気口321は1つの膜分離モジュール10の第1の給気口121に連通し、各膜分離モジュール10の第1の給気口121は1つの給気モジュール30の第3の排気口321に連通している。
【0063】
発明の第2の例では、給気モジュール30は、給気主管、制御弁、及び複数の給気枝管を含む。該制御弁は第3の給気口323と複数の第3の排気口321を有し、該給気主管は第3の給気口323に接続される。第3の給気口323は複数の第3の排気口321のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し、即ち、第3の給気口323はそれぞれの第3の排気口321に連通し、同一時刻には第3の給気口323は複数の第3の排気口321の一部のみに連通し、全ての第3の排気口321に同時に連通してはならない。例えば、第3の排気口321は5個としてもよく、第3の給気口323を一番目の第3の排気口321に連通している状態から三番目の第3の排気口321と四番目の第3の排気口321のうちの少なくとも一方に連通している状態に切り替えることができる。
【0064】
複数の該給気枝管の第1の端部は複数の第3の排気口321に1対1で対応して接続され、複数の給気枝管の該第2の端部は複数の膜分離モジュール10の第1の給気口121に1対1で対応して接続される。それによって、原料気体は該給気主管、該制御弁及び対応する該給気枝管を順次通過して、対応する膜分離モジュール10の第1のハウジング110内に入る。
【0065】
図2a~
図2cに示すように、本発明の第3の例では、給気モジュール30は、給気管310と気体配分ディスク320を含み、給気管310は第4の排気口311を有し、気体配分ディスク320の周方向が該第1の周方向と一致してもよい。気体配分ディスク320は複数の緩衝室322、複数の第3の給気口323及び複数の第3の排気口321を有してもよく、複数の第3の給気口323は複数の緩衝室322に1対1で対応して連通しており、複数の第3の排気口321は複数の緩衝室322に1対1で対応して連通している。選択的に、給気管310の上端部が密閉される。
【0066】
複数の第3の排気口321は複数の膜分離モジュール10の第1の給気口121に1対1で対応して連通している。第4の排気口311は複数の第3の給気口323のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し、即ち、第4の排気口311は第3の給気口323のそれぞれに連通してもよく、同一時刻に第4の排気口311は複数の第3の給気口323の一部のみに連通し、全ての第3の給気口323に同時に連通してはならない。例えば、第3の給気口323は5個としてもよく、第4の排気口311を一番目の第3の給気口323に連通している状態から三番目の第3の給気口323と四番目の第3の給気口323のうちの少なくとも一方に連通している状態に切り替えることができる。
【0067】
分離装置1を利用して高純度気体を製造する際には、給気管310の第4の排気口311を気体配分ディスク320の1組の緩衝室322の第3の給気口323と連通させて、該1組の膜分離モジュール10に原料気体を供給する。ここで、該1組の緩衝室322は少なくとも1つの緩衝室322を含み、該1組の膜分離モジュール10は少なくとも1つの膜分離モジュール10を含む。
【0068】
該1組の膜分離モジュール10を利用して該原料気体を分離し、粗精製気体を得る。言い換えれば、1つの膜分離モジュール10を利用して該原料気体を分離してもよいし、複数の膜分離モジュール10を利用して該原料気体を同時に分離してもよい。次に、1組の吸着モジュール20を利用して該粗精製気体中の不純物を吸着し、高純度気体を得、該1組の吸着モジュール20は少なくとも1つの吸着モジュール20を含む。ここで、該1組の吸着モジュール20の少なくとも1つの吸着モジュール20は、該1組の膜分離モジュール10の少なくとも1つの膜分離モジュール10に1対1で対応して気体的に連通している。
【0069】
該1組の吸着モジュール20が所定時間作動した後又は該1組の吸着モジュール20が所定量の該粗精製気体を処理した後、例えば給気管310を回転させることで、給気管310の第4の排気口311を気体配分ディスク320の他の1組の緩衝室322の第3の給気口323と連通させ、該他の1組の膜分離モジュール10に該原料気体を供給する。該他の1組の緩衝室322は少なくとも1つの緩衝室322を含み、該他の1組の膜分離モジュール10は少なくとも1つの膜分離モジュール10を含む。
【0070】
該他の1組の膜分離モジュール10を利用して該原料気体を分離し、該粗精製気体を得る。つまり、1つの膜分離モジュール10を利用して該原料気体を分離してもよいし、複数の膜分離モジュール10を利用して該原料気体を同時に分離してもよい。次に、他の1組の吸着モジュール20を利用して該粗精製気体中の不純物を吸着し、高純度気体を得、該他の1組の吸着モジュール20は少なくとも1つの吸着モジュール20を含む。ここで、該他の1組の吸着モジュール20の少なくとも1つの吸着モジュール20は、該他の1組の膜分離モジュール10の少なくとも1つの膜分離モジュール10に1対1で対応して気体的に連通している。
【0071】
該1組の吸着モジュール20中の吸着剤を再生し、該1組の吸着モジュール20が該粗精製気体中の不純物を再度吸着できるようにする。ここで、該他の1組の吸着モジュール20を利用して該粗精製気体中の不純物を吸着する際に、該1組の吸着モジュール20中の吸着剤を再生してもよいし、他の吸着モジュール20を利用して該粗精製気体中の不純物を吸着する際に又は他の時点に、該1組の吸着モジュール20中の吸着剤を再生してもよい。ここで、既知の方式で吸着モジュール20を再生することができる。
【0072】
それによって、分離装置1の複数の吸着モジュール20は吸着(作動)と再生を交互に行い、複数の膜分離モジュール10は交互に作動し、即ち、吸着モジュール20は作動と再生を周期的に行い、膜分離モジュール10は周期的に作動することが可能になり、それにより、分離装置1は高純度気体を連続的に製造することができ、分離装置1の作動時間が長くなり、分離装置1の単位時間当たりの気体処理量が向上する。
【0073】
図2a及び
図2bに示すように、気体配分ディスク320は環状であり、即ち、気体配分ディスク320は内周面、外周面及び中心孔を有し、複数の第3の給気口323は気体配分ディスク320の該内周面に設けられる。気体配分ディスク320は、給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設可能であり、即ち、給気管310の第4の排気口311が設けられた部分は、気体配分ディスク320の該中心孔内に位置してもよい。それによって、第4の排気口311は気体配分ディスク320の該中心孔内に位置し、即ち、第4の排気口311は、気体配分ディスク320の該内周面の内側に位置してもよく、それにより、第4の排気口311は複数の第3の給気口323のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し得る。
【0074】
給気管310は気体配分ディスク320に対して回転可能に設けられ、第4の排気口311が給気管310を回転することで切り替わり、それにより、第4の排気口311は異なる第3の給気口323に連通し得る。具体的には、駆動装置で給気管310の回転を駆動することができ、給気管310の回転を駆動する駆動装置はモータ、ベルトなどであってもよい。
【0075】
気体配分ディスク320は給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設可能であるとは、分離装置1を利用して高純度気体を製造する際に、気体配分ディスク320は、給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設されることを指す。給気管310は気体配分ディスク320に対して回転可能に設けられるとは、分離装置1を利用して高純度気体を製造する際に、給気管310は気体配分ディスク320に対して回転可能に設けられることを指す。分離装置1を利用して高純度気体を製造していないときに、気体配分ディスク320は給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設されてもよく、給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設されなくてもよい。
【0076】
図2a及び
図2cに示すように、第3の排気口321のそれぞれは複数のサブ排気口3211を含み、複数のサブ排気口3211は複数のサブ排気口群を構成し、複数の該サブ排気口群は気体配分ディスク320の周方向に間隔を空けて設けられてもよい。該サブ排気口群のそれぞれは複数のサブ排気口3211を含み、該各サブ排気口群の複数のサブ排気口3211は気体配分ディスク320の径方向に間隔を空けて設けられる。
【0077】
膜分離モジュール10はそれぞれ複数の第1の給気口121を有し、各膜分離モジュール10の複数の第1の給気口121は、対応する第3の排気口321的複数のサブ排気口3211に1対1で対応して連通している。選択的に、各膜分離モジュール10の複数の第1の給気口121は複数の給気口組を構成し、複数の該給気口組は気体配分ディスク320の周方向に間隔を空けて設けられてもよい。該給気口組はそれぞれ複数の第1の給気口121を含み、各給気口組の複数の第1の給気口121は気体配分ディスク320の径方向に間隔を空けて設けられる。より選択的に、各膜分離モジュール10の複数の第1の給気口121は、気体配分ディスク320の軸方向(例えば上下方向)において、対応する第3の排気口321的複数のサブ排気口3211に1対1で対応し、それにより、連通をより容易とする。
【0078】
図2a~
図2cに示すように、気体配分ディスク320は第1のディスク324と第2のディスク325を含み、第1のディスク324は環状であり、即ち、第1のディスク324は内周面、外周面、及び中心孔を有する。第1のディスク324は第1の端面3241(例えば上端面)を有し、第1の端面3241には複数の緩衝室322が設けられる。
【0079】
緩衝室322の内端は開放して第3の給気口323を形成するか、又は第3の給気口323は緩衝室322の内側壁面に設けられ、緩衝室322の内端とは、緩衝室322の第1のディスク324の中間部(中心孔)に接近する(向かう)端部のことであり、緩衝室322の内側壁面とは、緩衝室322の第1のディスク324の中間部(中心孔)に接近する(向かう)側壁面のことである。つまり、各緩衝室322の内端は開放して複数の第3の給気口323を形成してもよいし、各緩衝室322の内側壁面に第3の給気口323が設けられてもよいし、複数の緩衝室322の一部の内端は開放して第3の給気口323を形成し、複数の緩衝室322の残りの部分の内側壁面に第3の給気口323が設けられてもよい。
【0080】
第1のディスク324は給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設可能であり、即ち、給気管310の第4の排気口311が設けられた部分は第1のディスク324の該中心孔内に位置してもよい。それによって、第4の排気口311は第1のディスク324の該中心孔内に位置し、即ち、第4の排気口311は第1のディスク324の該内周面の内側に位置し、それにより、第4の排気口311は複数の第3の給気口323のうちのいずれか1つに切り替え可能に連通し得る。
【0081】
給気管310は第1のディスク324に対して回転可能に設けられ、第4の排気口311が給気管310を回転させることで切り替わり、異なる第3の給気口323に連通し得る。
【0082】
第1のディスク324は給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設可能であるとは、分離装置1を利用して高純度気体を製造する際に、第1のディスク324は給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設されることを指す。分離装置1を利用して高純度気体を製造していないときに、第1のディスク324は給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設されてもよいし、給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設されなくてもよい。
【0083】
第2のディスク325は第1の端面3241に設けられ、第2のディスク325は複数の緩衝室322を覆う。第3の排気口321は第2のディスク325に設けられ、第3の排気口321は第2のディスク325の厚さ方向(軸方向)に沿って第2のディスク325を貫通する。例えば、第3の排気口321は上下方向に沿って第2のディスク325を貫通する。それによって、緩衝室322、第3の給気口323、及び第3の排気口321の加工の難度を低減させ、さらに分離装置1の加工難度を低減させて、加工コストを削減させる。
【0084】
選択的に、第2のディスク325と複数の第1のハウジング110の第1の端板111は一体成形されてもよい。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度及び構造強度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の組み立て難度をさらに低減させることができる。
【0085】
選択的に、複数の第1のハウジング110の第2の端板112及び複数の第2のハウジング210の第3の端板211は一体成形されてもよい。それによって、分離装置1の構造をさらに簡素化させ、分離装置1の一体化の程度及び構造強度をさらに向上させるだけでなく、分離装置1の組み立て難度をさらに低減させることができる。
【0086】
気体配分ディスク320は第1のディスク、第2のディスク、及び第3のディスクをさらに含んでもよく、該第1のディスク及び該第3のディスクはともに環状としてもよい。該第1のディスクは、その厚さ方向において対向する第1の端面(例えば上端面)と第2の端面(例えば下端面)を有し、該第1のディスクには複数の緩衝室322が設けられ、緩衝室322のそれぞれは該第1のディスクの厚さ方向(例えば上下方向)に沿って該第1のディスクを貫通する。緩衝室322の内端は開放して第3の給気口323を形成するか、又は第3の給気口323は緩衝室322の内側壁面に設けられる。
【0087】
該第2のディスクは該第1の端面に設けられ、該第3のディスクは該第2の端面に設けられ、該第2のディスク及び該第3のディスクは複数の該緩衝室322を覆う。第3の排気口321は該第2のディスクに設けられ、第3の排気口321は該第2のディスクの厚さ方向(軸方向)に沿って該第2のディスクを貫通する。例えば、第3の排気口321は上下方向に沿って該第2のディスクを貫通する。それによって、緩衝室322、第3の給気口323及び第3の排気口321の加工の難度を低減させ、さらに分離装置1の加工難度を低減させて、加工コストを削減させる。
【0088】
該第1のディスクは給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設可能であり、給気管310は該第1のディスクに対して回転可能に設けられる。第4の排気口311は給気管310を回転させることで切り替わり、異なる第3の給気口323に連通し得る。選択的に、該第3のディスクは給気管310の第4の排気口311が設けられた部分に套設可能であり、給気管310は該第3のディスクに対して回転可能に設けられる。それによって、給気モジュール30の構造はより合理的になる。
【0089】
図1に示すように、本発明の1つの具体例では、分離装置1は中心軸40をさらに含み、複数の膜分離モジュール10は中心軸40の周方向に沿って配置され、複数の吸着モジュール20は中心軸40の周方向に沿って配置されてもよい。言い換えれば、複数の膜分離モジュール10は中心軸40の周りに設けられてもよく、複数の吸着モジュール20は中心軸40の周りに設けられてもよい。ここで、中心軸40の周方向は該第1の周方向と一致してもよい。例えば、中心軸40の周方向、該第1の周方向、及び気体配分ディスク320(第1のディスク324)の周方向は互いに一致してもよい。
【0090】
膜分離モジュール10の第1の内側板115は中心軸40に接近するか、又は膜分離モジュール10の第1の内側板115は中心軸40と接触する。つまり、各膜分離モジュール10の第1の内側板115は中心軸40に接近してもよく、各膜分離モジュール10の第1の内側板115は中心軸40と接触してもよく、複数の膜分離モジュール10の第1の内側板115の一部は中心軸40に接近し、複数の膜分離モジュール10の第1の内側板115の残りの部分は中心軸40と接触してもよい。
【0091】
各吸着モジュール20の第2の内側板215は中心軸40に接近するか、又は各吸着モジュール20の第2の内側板215は中心軸40と接触する。つまり、各吸着モジュール20の第2の内側板215は中心軸40に接近してもよく、各吸着モジュール20の第2の内側板215は中心軸40と接触してもよく、複数の吸着モジュール20の第2の内側板215の一部は中心軸40に隣接し、複数の吸着モジュール20の第2の内側板215の残りの部分は中心軸40と接触してもよい。
【0092】
中心軸40が設けられ、複数の膜分離モジュール10と複数の吸着モジュール20が中心軸40の周りに設けられることにより、複数の膜分離モジュール10及び複数の吸着モジュール20を素早く取り付けたり点検したりすることを可能とする。
【0093】
複数の膜分離モジュール10は中心軸40の周方向に沿って配置されてもよいとは、複数の膜分離モジュール10が取り付けられた直後、複数の膜分離モジュール10は中心軸40の周方向に沿って配置されることを指す。複数の膜分離モジュール10を取り付ける前、複数の膜分離モジュール10を取り付けた後、分離装置1を利用して高純度気体を製造するなどの段階では、複数の膜分離モジュール10は中心軸40の周方向に沿って配置されてもよく、中心軸40を取り外して中心軸40を複数の膜分離モジュール10から離脱してもよい。
【0094】
複数の吸着モジュール20は中心軸40の周方向に沿って配置されてもよいとは、複数の吸着モジュール20を取り付けた直後、複数の吸着モジュール20は中心軸40の周方向に沿って配置されることを指す。複数の吸着モジュール20を取り付ける前、複数の吸着モジュール20を取り付けた後、分離装置1を利用して高純度気体を製造するなどの段階では、複数の吸着モジュール20は中心軸40の周方向に沿って配置されてもよく、中心軸40を取り外して中心軸40を複数の吸着モジュール20から離脱してもよい。
【0095】
選択的に、
図1に示すように、複数の膜分離モジュール10の第1の端板111は一体成形されて底板を形成し、該底板には取り付け孔が設けられ、中心軸40の端部(例えば下端部)は該取り付け孔内に嵌合し得る。
【0096】
中心軸40の端部は該取り付け孔内に嵌合し得るとは、複数の膜分離モジュール10及び/又は複数の吸着モジュール20を取り付ける際及び複数の膜分離モジュール10及び/又は複数の吸着モジュール20を取り付けた直後、中心軸40の端部は該取り付け孔内に嵌合し得ることを指す。複数の膜分離モジュール10及び/又は複数の吸着モジュール20を取り付ける前、複数の膜分離モジュール10及び/又は複数の吸着モジュール20を取り付けた後、分離装置1を利用して高純度気体を製造するなどの段階では、中心軸40の端部は該取り付け孔内に嵌合してもよいし、中心軸40の端部は該取り付け孔から抜けてもよい。
図6に示すように、第4の端板212には貫通孔2121が設けられ、中心軸40は貫通孔2121を挿通してもよい。
【0097】
選択的に、複数の膜分離モジュール10の中心軸線が複数の吸着モジュール20の中心軸線と重なってもよく、即ち、複数の膜分離モジュール10と複数の吸着モジュール20は同軸で設けられてもよい。
【0098】
本発明は高純度気体の製造装置(分離装置1)を開示する。該装置は、全体として円柱状又は正多角形状の外形をしており、気体の流動方向において、前記装置は、原料気体制御配分器、膜分離モジュール、吸着分離モジュール、及び製品気体コントローラを順次含む。本発明は、原料気体制御配分器、膜分離モジュール、及び吸着分離モジュールをモジュール化することにより、膜分離と吸着分離の技術や設備を一体化し、原料気体制御配分器を複数層に設けれるとともに給気管の回転をプログラムで制御することにより、原料気体が膜分離モジュールと吸着分離モジュールを順次通過するように制御される。本発明の装置は、膜分離モジュールと吸着分離モジュールの周期的な作動と再生を確保し、膜や吸着剤層のそれぞれの特徴及び各浄化機能を十分に発揮させる。
【0099】
高純度気体の製造装置は、全体として円柱状又は正多角形状の外形をしており、気体の流動方向において、前記装置は、原料気体制御配分器、膜分離モジュール、吸着分離モジュール、及び製品気体コントローラを順次含む。
【0100】
前記原料気体制御配分器は、原料気体給気管、原料気体緩衝ディスク、及び原料気体配分ディスクを含み、前記原料気体緩衝ディスクの給気側の端面は密閉構造であり、排気側は2n個の緩衝エリアを含み、nは整数であり、前記緩衝エリアは緩衝ディスクにおいて凹溝状をしており、各緩衝エリアは円柱又は正多角形の中心の周りに設けられ、且つ中心に向かって開口し、原料気体給気管からの原料気体を受けるものであり、前記原料気体給気管は原料気体緩衝ディスクを貫通して設けられ、原料気体給気管は、原料気体緩衝ディスク(部分)を貫通している管壁に開口が設けられ、該開口は原料緩衝エリアの開口に対応する。前記原料気体配分ディスクは原料気体緩衝ディスクの排気側の端面を覆い、両方は固定して連結され、原料気体緩衝エリアが互いに隔離している2n個の領域になり、原料気体は配分ディスクのスルーホールを介してしか対応するモジュールユニットに入られない。
【0101】
前記膜分離モジュールは、膜分離ハウジング、両端の膜管支持板、膜管支持板の間に固定された複数の膜管アセンブリ、膜アセンブリ仕切り板を含み、前記膜アセンブリ仕切り板は膜管アセンブリを2n個のモジュールユニットに分割し、2n個のモジュールユニットは上下で2n個の原料気体緩衝エリアに対応する。
【0102】
前記吸着分離モジュールは、吸着分離モジュールハウジング、吸着剤モジュール配分ディスク、吸着剤層、及び吸着仕切り板を含み、吸着仕切り板は吸着剤層を2n個の吸着ユニットに分割し、2n個の吸着ユニットは2n個のモジュールユニットに上下で対応し、吸着剤層の他端は製品気体コントローラに固定して連結される。
【0103】
前記製品気体コントローラは板状構造であり、2n個の製品気体出口が分布しており、2n個の製品気体出口はそれぞれ吸着ユニットの触媒層に対応し連通している。
【0104】
膜分離モジュールの給気側の膜管支持板は前記原料気体配分ディスクとは同一の部品又は構造を取っている。
【0105】
前記原料気体給気管と原料気体緩衝ディスクは可動に連結され、原料気体給気管は回動可能である。
【0106】
前記原料気体給気管における開口の幅が、対応する緩衝エリアの円心での開口の幅以下である。
【0107】
前記装置は、プログラムに従って回動するように原料気体給気管を駆動するための駆動装置をさらに含む。
【0108】
前記膜分離モジュールと吸着分離モジュールは同軸で設けられる。
【0109】
前記膜分離ハウジングは、2n個のモジュールユニットに対応する位置のそれぞれに未浸透気体排出口が設けられる。
【0110】
前記原料気体配分ディスクにはいくつかのスルーホールが分布しており、前記のいくつかのスルーホールは、それぞれ2n個の膜分離モジュールに対応する2n個のエリアに分けられる。
【0111】
前記膜分離モジュールの給気側の模板支持板にはいくつかの孔が分布しており、前記いくつかの孔は、それぞれ2n個の吸着分離ユニットに対応し連通している2n個のエリアに分けられる。
【0112】
前記吸着分離モジュールハウジングは、2n個の吸着ユニットに対応する位置のそれぞれに脱着気体排出口が設けられる。
【0113】
前記装置は中心軸をさらに含み、前記膜分離モジュール、前記吸着分離モジュール及び製品気体コントローラは全て前記中心軸に嵌着される。
【0114】
前記膜分離モジュールハウジング、吸着分離モジュールハウジングは円筒状構造である。
【0115】
前記原料気体給気管の末端が密閉される。
【0116】
前記緩衝エリアにおいて中心に向かう箇所での2n個の開口が互いに隔離し、連通していない。
【0117】
膜分離モジュールの排気端の膜管支持板は吸着剤モジュール配分ディスクとは同一のアセンブリを取っている。
【0118】
本発明は、膜分離技術と吸着分離技術を集積した高純度気体の製造装置を提供し、また2種類の技術の装置の構造やプロセスについて革新的に設計を行う。
【0119】
本発明の技術案は以下のとおりである。
【0120】
高純度気体の製造装置は、全体として円柱状又は正多角形状の外形をしており、原料気体から製品気体への方向に沿って、前記装置は、原料気体制御配分器、膜分離モジュール、吸着分離モジュール、及び製品気体コントローラを順次含み、
前記原料気体制御配分器は、原料気体給気管、原料気体緩衝ディスク、及び原料気体配分ディスクを含み、前記原料気体緩衝ディスクの給気側の端面は密閉構造であり、排気側は2n個の緩衝エリアを含み、nは整数であり、前記緩衝エリアは緩衝ディスクにおいて凹溝状をしており、各緩衝エリアは円柱又は正多角形の中心の周りに設けられ、且つ中心部に向かって位置に開口しており(2n個の開口は互いに隔離し連通していない)、原料気体給気管からの原料気体を受けるものであり、前記原料気体給気管は原料気体緩衝ディスクを貫通して設けられ、原料気体給気管は原料気体緩衝ディスク(部分)を貫通する管壁に開口が設けられ、該開口は原料緩衝エリアの開口に対応し、前記原料気体配分ディスクは原料気体緩衝ディスクの排気側の端面を覆い、両方は固定して連結され、原料気体緩衝エリアが互いに隔離した2n個の領域に分けられ、原料気体は配分ディスクのスルーホールを介してしか、対応するモジュールユニットに入られず、
前記膜分離モジュールは、膜分離ハウジング、両端の膜管支持板、膜管支持板の間に固定されたいくつかの膜管アセンブリ、膜管アセンブリ仕切り板を含み、前記膜管アセンブリ仕切り板は、膜管アセンブリを上下で2n個の原料気体緩衝エリアに対応する2n個のモジュールユニットに分け、
前記吸着分離モジュールは、吸着分離モジュールハウジング、支持板、吸着剤層、及び吸着仕切り板を含み、吸着仕切り板は、吸着剤層を上下で2n個のモジュールユニットに対応する2n個の吸着ユニットに分け、吸着剤層の他端は製品気体コントローラに固定して連結され、
前記製品気体コントローラは板状構造であり、それぞれ吸着ユニットの吸着剤層に対応し連通している2n個の製品気体出口が分布されている。
【0121】
さらに、前記原料気体給気管と原料気体緩衝ディスクは可動に連結され、原料気体給気管は回動可能である。従って、本発明の装置は駆動装置をさらに含んでもよく、前記駆動装置は原料気体給気管に固定して連結され、設定されたプログラムに従って回動又は停止するように原料気体給気管を駆動する。
【0122】
前記原料気体給気管における開口の面積の大きさが、対応する緩衝ディスクの緩衝エリアの原料気体を受ける開口の面積以下である。前記原料気体給気管の末端は密閉構造であり、且つ原料気体緩衝ディスクの排気端の端面と面一である。
【0123】
前記原料気体配分ディスクにはいくつかのスルーホールが分布しており、前記いくつかのスルーホールは、それぞれ2n個の膜分離モジュールに対応する2n個のパーティションに分けられる。前記原料気体配分ディスクのスルーホールは、一般に扇形で分布しており、緩衝エリアを通過した原料気体を膜分離モジュールに均一に配分するものである。
【0124】
前記膜分離モジュールの給気側の模板支持板にはいくつかの孔が分布しており、前記いくつかの孔は、それぞれ2n個の原料気体配分緩衝エリアに対応し連通している2n個のエリアに分けられる。
【0125】
前記膜分離モジュールでは、膜分離モジュールの給気側の膜管支持板は前記原料気体配分ディスクと同一の部品又は構造を取っている。
【0126】
前記膜分離モジュールハウジングは、2n個のモジュールユニットに対応する位置のそれぞれに未浸透気体排出口が設けられる。
【0127】
前記膜分離モジュールハウジング及び前記吸着分離モジュールハウジングはともに円筒又は正多角形の構造を採用している。前記膜分離モジュールと吸着分離モジュールは同軸で設けられる。
【0128】
前記膜分離モジュールは、原料気体を粗精製するためのものである。前記膜分離モジュールに設けられた膜アセンブリは無機膜又は有機膜であってもよい。無機膜は原料気体が液体を含み、酸性気体を含有するか、又は温度や圧力が変化したときに凝結液を生成し得る場合に適用できる。無機膜は、中空分子篩膜、例えばカーボン分子篩、LTA分子篩、DDR分子篩膜などを使用可能である。有機膜は、原料気体が液体を含んず、温度や圧力の変化により原料や製品気体が凝結液を生成しない場合に適用できる。有機膜は一般には中空繊維膜である。
【0129】
前記膜分離モジュールでは、中空分子篩膜管は円柱状ハウジング内にパッケージされ、分子篩膜管をパッケージする円柱ハウジングの下端が膜分離モジュールに入った気体制御配分器に連結され、分子篩膜管は、それぞれ等量の中空分子篩膜管を含む2n個のブロックに等分される。
【0130】
前記吸着分離モジュールハウジングは、2n個の吸着ユニットに対応する位置のそれぞれに脱着気体排出口が設けられ、脱着工程において脱着気体を排出することに用いられる。
【0131】
前記吸着分離モジュールでは、吸着剤は円柱状ハウジング内にパッケージされる。円柱ハウジングの下端が膜分離モジュールの上端に連結され、連結部位に原料気体配分ディスクとは構造が類似する気体配分ディスクが設けられ、円柱ハウジングの上端は製品気体コントローラに連結される。吸着剤は、通常、処理し得る気体量が同じ2n個のブロックに等分されている。
【0132】
上記膜分離モジュールにおいて等分されている分子篩膜管ブロックの数は、吸着分離モジュールにおいて等分されている吸着剤ブロックの数に等しい。
【0133】
上記吸着分離モジュールは、膜分離により製造された粗精製気体をさらに精製して高純度の気体を得るためのものである。粗精製気体中の不純物の組成に応じて、吸着分離モジュールでは、様々な不純物を吸着する吸着剤が複数層堆積されてもよく、一般には、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライト分子篩、活性炭などが含まれる。
【0134】
さらに、前記製品気体コントローラは板状構造であり、2n個の製品気体出口が分布しており、2n個の製品気体出口はそれぞれ、吸着ユニットの吸着剤層に対応し連通している。前記製品気体吐出口は、製品気体の排出及び吸着層の内部の圧力を制御するためのものである。
【0135】
本発明の装置は中心軸をさらに含んでもよく、前記膜分離モジュール、吸着分離モジュール、及び製品気体コントローラは、全て中心軸取り付け孔を介して前記中心軸に套設される。中心軸が設けられることにより、製造装置を素早く取り付けたり点検したりすることを可能とする。
【0136】
本発明の高純度気体の製造装置は、高純度気体製造の分野に幅広く利用されている。例えば、高純度のアルゴンガス、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンなどの製造に用いられ得る。
【0137】
従来技術に比べて、本発明の高純度気体の製造装置は下記利点を有する。
【0138】
1、原料気体制御配分器、膜分離モジュール及び吸着分離モジュールをモジュール化することにより、膜分離及び吸着分離の技術及び設備を集積する。
【0139】
2、原料気体制御配分器を複数層に設けるとともに、給気管の回動をプログラムに従って制御することにより、原料気体が膜分離モジュールと吸着分離モジュールを順次通過するように制御される。また、膜分離モジュールと吸着分離モジュールの周期的な作動と再生を確保し、膜や吸着剤ベッドのそれぞれの特徴及び各浄化機能を十分に発揮させる。
【0140】
3、膜分離と吸着分離を積集した革新的な設計により、設備の占める面積や設備の重量を効果的に減少させ、高純度気体を製造するために経済的かつ効率的な設備や技術を提供する。
【0141】
以下、図面を参照して本発明の前記高純度気体の製造装置をさらに説明し、
図1~
図6に示すように、本発明は高純度気体の製造装置を提供し、前記装置は、給気管310、気体配分ディスク320、膜分離モジュール10、吸着モジュール20、製品気体コントローラ、及び中心軸40を含む。
【0142】
前記気体配分ディスク320は、第1のディスク324と第2のディスク325を含む。前記第1のディスク324には凹溝型緩衝室322が設けられると同時に、凹溝には、中軸に向かって給気管310からの原料気体を受けるための第3の給気口323(第3の給気口323の数は緩衝室322の数に等しく、且つ互いに隔離している)が設けられ、第2のディスク325には、貫通している第3の排気口321が設けられる。
【0143】
第2のディスク325は第1のディスク324に覆われ、それにより、原料気体が第3の給気口323を介して緩衝室322に入り、次に緩衝室322から第2のディスク325の第3の排気口321を介して膜分離モジュール10に均一に配分するしかない。
【0144】
第3の排気口321は一般に扇形で配列され、このように、原料気体を膜分離モジュール10の膜管の外側に均一に配分することができる。
【0145】
給気管310は中軸の位置にあり、給気管310には第4の排気口311が設けられて、第3の給気口323を介して原料気体を緩衝室322に配分するものであり、第4の排気口311だけが1つの第3の給気口323に対応する場合、原料気体は対応する緩衝室322に入り、次に対応する膜分離モジュール10及び吸着モジュール20に入り、第4の排気口311が対応しない緩衝室322には原料気体が入られない。
【0146】
膜分離モジュール10は、膜アセンブリ130、膜アセンブリ仕切り板113、114、膜アセンブリ取り付けハウジング115、116、給気端膜管支持板111、排気端膜管支持板112、及び取り付けハウジングの(上)底部に位置する未浸透気体出口123(未浸透気体出口123の数は膜分離モジュール10の数に等しくてもよい)を含む。給気端膜管支持板111は第2のディスク325と完全に同じ構造を採用してもよく、それに設けられたスルーホールも第2のディスク325のスルーホール(第3の排気口321)に1対1で対応する。又は、給気端膜管支持板111は第2のディスク325と同一の部品を採用している。排気端膜管支持板112は膜アセンブリ取り付けハウジング115、116の縁部にシールして連結され、いくつかのスルーホールが設けられ、いくつかのスルーホールは膜アセンブリ130の排気口に1対1で対応する。
【0147】
前記吸着モジュール20は、吸着剤層230、吸着剤層仕切り板213、214、吸着剤層ハウジング215、216、吸着剤モジュール配分ディスク211、吸着剤層ハウジング215、216の(上)底部に位置する脱着気体出口223(脱着気体出口223の数は吸着モジュール20の数に等しい)を含む。吸着剤モジュール配分ディスク211は、排気端膜管支持板112と完全に同じ構造を採用してもよく、且つ設けられたスルーホールも排気端膜管支持板112のスルーホールに1対1で対応している。又は、吸着剤モジュール配分ディスク211は排気端膜管支持板112と同一の部品を採用している。
【0148】
製品気体コントローラは、製品気体出口と装置の中心軸取り付け孔とを含む。
【0149】
本発明の前記高純度気体の製造装置は、下部から上部へ順次給気管310、気体配分ディスク320、膜分離モジュール10、吸着モジュール20、及び製品気体コントローラ5であり、上記部材又はモジュールはともに円柱状又は正多角形であり、全て中心軸40に取り付けられる。中心軸40は、装置を素早く取り付けたり点検したりすることを可能とする。
【0150】
膜分離モジュール10及び吸着モジュール20は等しいブロック数2n(nは整数)に分けられ、ブロック数は少なくとも2である。
【0151】
該製品気体コントローラは装置の最上部に位置し、該製品気体コントローラの製品気体出口は、吸着モジュール20に等しい数であり、製品気体の排出及び吸着モジュール20の吸着剤層230内部の圧力制御に用いられる。
【0152】
以下、高純度気体の製造装置の作動過程を簡単に述べ、膜分離モジュール10及び吸着モジュール20がともに4個である場合を例にして説明し、高純度気体の製造装置は作動時に下記ステップを含む。
【0153】
(1)装置を起動させ、原料気体が給気管310を介して、連通している第4の排気口311と第3の給気口323を介して緩衝室322に入り、最後に、第2のディスク325の第3の排気口321を介して膜分離モジュール10に入る。膜分離モジュール10の下端が密閉されており、原料気体が膜分離モジュール10のシェル側に入り、膜アセンブリ130を透過して膜管の内部に入り、膜管を透過した気体が粗精製気体、透過していないのが未浸透気体である。
【0154】
(2)粗精製気体は第2のディスク325と類似する気体配分器を経た後、吸着モジュール20の吸着剤層230に入り、このとき、作動している吸着モジュール20は作動している膜分離モジュール10に対応する。吸着モジュール20によって得られた高純度気体は製品気体出口を介して装置から出る。
【0155】
(3)吸着モジュール20の吸着剤層230が吸着ピークに達すると、給気管310を回動することで、給気管310の第4の排気口311が次の緩衝室322の第3の給気口323に連通するようにし、ステップ1、2を繰り返すと高純度気体が連続的に得られる。
【0156】
(4)各膜分離モジュール10に原料気体が通過するとともに、未浸透気体が全て未浸透気体出口123を介して装置から排出される。
【0157】
(5)各吸着モジュール20による吸着が完了した後、別の膜分離モジュール10によって得られた粗精製気体が別の吸着モジュール20に入り始めるときに、吸着を完了した吸着モジュール20は、圧力を下げ始め、製品気体出口を介してベッド中に吸着された高純度製品気体を排出し、脱着後の吸着剤層230をパージして再生させる。
【0158】
(6)吸着させた高純度製品気体を吸着剤層230から放出した後、製品気体排出口を閉鎖して、脱着気体出口223を開放し、脱着を完了した吸着剤層230を、吸着を完了した別の吸着剤層230に吸着させた高純度製品気体と連通させてパージし再生させ、さらに製品気体を利用して圧力を上昇し、次の吸着手順に供する。
【0159】
なお、本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語により示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜、及び説明の簡潔さのために過ぎず、かかる装置又は構成要素が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構造、操作したりすることを指示又は示唆するものではなく、従って、本発明を制限するものとして理解できない。
【0160】
さらに、用語「第1の」、「第2の」は説明の目的にのみ使用され、相対重要性を指示又は示唆する、又は係る技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解できない。それによって、「第1の」、「第2の」により限定された特徴は、該特徴を少なくとも1つ明示的又は暗黙的に含んでもよい。本発明の説明において、別に明確に限定しない限り、「複数」は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどの意味である。
【0161】
本発明では、別に明確な規定や限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」、「連結」、「固定」などの用語は広義で理解すべきであり、別に明確に限定しない限り、例えば、固定して連結されてもよく、取り外し可能に連結されてもよく、又は一体にしてもよい。機械的に連結されてもよく、電気的に連結されてもよく、互いに通信可能にしてもよい。直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの構成要素の内部が連通してもよく、2つの構成要素が相互作用関係にあってもよい。当業者にとっては、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明での具体的な定義を理解することができる。
【0162】
本発明では、別に明確な規定や限定がない限り、第1の特徴は第2の特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1の特徴と第2の特徴が直接接触してもよく、第1の特徴と第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。さらに、第1の特徴は第2の特徴「の上」、「上方」や「上」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、又は第1の特徴の水平方向の高さが第2の特徴よりも高いことを示す。第1の特徴は第2の特徴「の下」、「下方」や「下」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真下又は斜め下にあるか、又は第1の特徴の水平方向の高さが第2の特徴よりも低いことを示す。
【0163】
本明細書の説明において、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例を参照して説明する具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語に対する模式的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例に対するものとは限らない。さらに、説明する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で組み合わせることができる。さらに、互いに矛盾しない場合、当業者は、本明細書において説明する各実施例又は例、及び各実施例又は例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本発明に対する制限として理解できず、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱することなく上記実施例に対して変化、修正、置換や変形を行えることを理解できる。
【符号の説明】
【0164】
分離装置1、
膜分離モジュール10、第1のハウジング110、第1の端板111、第2の端板112、第1の側板113、第2の側板114、第1の内側板115、第1の外側板116、第1の周囲板117、第1の収容室118、
第1の給気口121、第1の排気口122、未浸透気体出口123、膜アセンブリ130、
吸着モジュール20、第2のハウジング210、第3の端板211、第4の端板212、貫通孔2121、第3の側板213、第4の側板214、第2の内側板215、第2の外側板216、第2の周囲板217、第2の収容室218、
第2の給気口221、第2の排気口222、脱着気体出口223、吸着剤層230、
給気モジュール30、給気管310、第4の排気口311、
気体配分ディスク320、第3の排気口321、サブ排気口3211、緩衝室322、第3の給気口323、第1のディスク324、第1の端面3241、第2のディスク325、
中心軸40
【国際調査報告】