(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-21
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220214BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220214BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220214BHJP
H05B 33/06 20060101ALI20220214BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220214BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
G09F9/30 330
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/06
H05B33/02
H05B33/04
G09F9/30 365
G09F9/30 309
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020560908
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2019127345
(87)【国際公開番号】W WO2020143437
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】201910016329.X
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 震
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 庭良
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC25
3K107CC45
3K107DD38
3K107DD39
3K107EE54
5C094AA38
5C094BA27
5C094DA07
5C094DA14
5C094DB02
5C094FA01
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB15
(57)【要約】
本発明は、アレイ基板及び表示装置を提供し、表示技術分野に属する。上記アレイ基板は、表示領域(B)と、周辺領域(A)とを含み、前記表示領域(B)には、共通電極が設置され、前記表示領域(B)に近接する前記周辺領域(A)の位置には、電極バス(7)が設置される。前記アレイ基板は、前記表示領域(B)から離れる前記周辺領域(A)の一側に設置される第1電極パッド(1)と、前記第1電極パッド(1)と前記共通電極に接続する第1導電部(3)と、前記表示領域(B)から離れる前記周辺領域(A)の一側に設置される第2電極パッド(2)と、前記第2電極パッド(2)に接続されるとともに、前記第1導電部(3)から離れる方向に向いて延びて前記電極バス(7)に接続される第2導電部(4)と、をさらに含む。前記アレイ基板及び表示装置は、上記位置における封止層が剥離するリスクを低減するとともに、アレイ基板の封止の歩留まりを向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通電極が設置される表示領域と、前記表示領域に近接する位置に電極バスが設置される周辺領域とを含むアレイ基板であって、
前記アレイ基板は、
前記表示領域から離れる前記周辺領域の一側に設置される第1電極パッドと、
前記第1電極パッドと前記共通電極を接続する第1導電部と、
前記表示領域から離れる前記周辺領域の一側に設置される第2電極パッドと、
前記第2電極パッドに接続されるとともに、前記第1導電部から離れる方向に向いて延びて前記電極バスに接続される第2導電部と、をさらに含み、
前記第2導電部は、前記第2電極パッドから、前記第1導電部から離れる方向に向いて折曲げトラックに沿って延びる
ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
前記第2導電部は、
順次に接続される第1接続区間、第2接続区間及び第3接続区間を含み、
前記第1接続区間は、前記第2電極パッドに接続され、
前記第3接続区間は、前記電極バスに接続され、
前記第2接続区間は、前記第1接続区間との接続位置から、前記第1導電部から離れる方向に向いて直線トラックに沿って延びる
ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第1接続区間は、
前記第2電極パッドから、前記第1導電部から離れる方向に向いて直線トラックに沿って延びる
ことを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第2接続区間の延在方向は、前記電極バスの延在方向と平行になる
ことを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第3接続区間の延在方向は、前記電極バスの延在方向に垂直になる
ことを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記第1接続区間と前記第2接続区間との接続位置には、面取りが設置される
ことを特徴とする請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記アレイ基板は、
ベース基板と、
前記第2電極パッドと前記電極バスとの間に設置されるスペーサーと、をさらに含み、
前記第2電極パッド、前記第2導電部、前記電極バス及び前記スペーサーは、前記ベース基板の同一側面に設置され、
前記スペーサーは、前記第2導電部の少なくとも一部を覆う
ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項8】
複数の前記スペーサーが間隔を置いて設置される
ことを特徴とする請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記スペーサーの材料は、
有機絶縁材料、無機絶縁材料又は複数層の異なる絶縁材料の組み合わせである
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記有機層の材料は、樹脂である
ことを特徴とする請求項7又は8に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第1導電部、前記第2導電部及び前記電極バスの上面には、1層の有機層が覆われ、
前記複数のスペーサーは、前記有機層における開口溝であり、
前記開口溝の間には、前記有機層の一部が残留されている
ことを特徴とする請求項8に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記有機層の材料は、
有機絶縁材料、無機絶縁材料又は複数層の異なる絶縁材料の組み合わせである
ことを特徴とする請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記有機層の材料は、樹脂である
ことを特徴とする請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記第1導電部及び前記第2導電部のエッジの全部又は一部は、凹凸状にさらに設置される
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項15】
表示装置であって、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のアレイ基板を含む
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年01月08日に出願した中国出願番号が第201910016329.X号であって、発明名称が「アレイ基板及び表示装置」である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、その内容の全てを本願に援用する。
【0002】
本発明は、表示技術分野に関し、特に、アレイ基板及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
表示パネルは、良好な封止により内部材料の安定性を維持する必要がある。例えば、OLED(有機発光ダイオード)表示パネルは、封止が失効された場合、外部からの水や酸素などが表示パネルの表示領域に侵入するので、有機発光材料を失効させ、OLEDの表示品質を低下させる。
【0004】
表示パネルは、ボンディングパッド(pad)側において封止失効の問題が発生しやすい。例えば、電極リード線の箇所で封止層が脱落しやすく、電極リード線と脱落された封止層との間の隙間に水や酸素の侵食経路が形成されるので、水や酸素が表示領域に侵入して封止失効を引き起こす。
【0005】
なお、上述の背景技術にて公開されている上記情報は、本発明の背景に対する理解を深めるためのものに過ぎないため、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の位置における封止層が剥離するリスクを低減するとともに、アレイ基板の封止の歩留まりを向上させることができるアレイ基板及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の発明目的を実現するために、以下のような技術案を提供する。
本発明の第1態様によれば、表示領域と周辺領域とを含むアレイ基板を提供する。ここで、前記表示領域には、共通電極が設置され、前記表示領域に近接する前記周辺領域の位置には、電極バスが設置される。
【0008】
前記アレイ基板は、
前記表示領域から離れる前記周辺領域の一側に設置される第1電極パッドと、
前記第1電極パッドと前記共通電極を接続するための第1導電部と、
前記表示領域から離れる前記周辺領域の一側に設置される第2電極パッドと、
前記第2電極パッドに接続されるとともに、前記第1導電部から離れる方向に向いて延びて前記電極バスに接続される第2導電部と、をさらに含む。
【0009】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2導電部は、前記第2電極パッドから、前記第1導電部から離れる方向に向いて折曲げトラックに沿って延びる。
【0010】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2導電部は、順次に接続される第1接続区間、第2接続区間及び第3接続区間を含む。ここで、前記第1接続区間は、前記第2電極パッドに接続され、前記第3接続区間は、前記電極バスに接続される。
【0011】
前記第2接続区間は、前記第1接続区間との接続位置から、前記第1導電部から離れる方向に直線トラックに沿って延びる。
【0012】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1接続区間は、前記第2電極パッドから、前記第1導電部から離れる方向に向いて直線トラックに沿って延びる。
【0013】
本発明の一例示的な実施例において、前記第2接続区間の延在方向は、前記電極バスの延在方向と平行になる。
【0014】
本発明の一例示的な実施例において、前記第3接続区間の延在方向は、前記電極バスの延在方向に垂直する。
【0015】
本発明の一例示的な実施例において、前記第1接続区間と前記第2接続区間との接続位置には、面取りが設置される。
【0016】
本発明の一例示的な実施例において、前記アレイ基板は、
ベース基板と、
前記第2電極パッドと前記電極バスとの間に設置されるスペーサーと、をさらに含み、
前記第2電極パッド、前記第2導電部、前記電極バス及び前記スペーサーは、前記ベース基板の同一側面に設置され、また、前記スペーサーは、前記第2導電部の少なくとも一部を覆う。
【0017】
本発明の一例示的な実施例において、複数の前記スペーサーが間隔をおいて設置されている。
本発明の第1態様によれば、上記のアレイ基板を含む表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に提供されるアレイ基板及び表示装置によれば、第2導電部が第1導電部から離れる方向に向いて延びて電極バスに接続されるので、第1導電部と第2導電部との間の距離が大きくなり、第1導電部及び第2導電部からの熱量の放熱を容易にすることができる。それに加えて、第1導電部と共通電極との接続箇所、第2導電部と電極バスとの接続箇所などの2箇所の電流収束位置の距離も大きくなるので、2箇所の電流収束位置で発生された温度の放散を容易にすることができる。このため、上記アレイ基板は、第1導電部及び第2導電部が設置される位置において優れた放熱性能を有し、熱量の蓄積程度を低減することができ、高温になりにくくなるので、上記の位置での封止層が剥離するリスクを低減し、アレイ基板の封止の歩留まりを向上させることができる。
【0019】
図面を参照しながら、例示的な実施形態を詳細に説明する。本発明の前記特徴及び他のメリットは、より明瞭となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアレイ基板の部分構造の模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るアレイ基板の部分構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、例示的な実施例をより全面的に説明する。ただし、例示的な実施例は、多種の形態で実施することができるが、ここに記述する実施形態に限定されるものではない。逆に、これらの実施例を提供することによって本発明をより全面で完全にし、そして、例示的な実施例の思想を全面的に当業者に伝達する。なお、説明する特徴、構成又は特性は、任意の適切な方式で一つ又は複数の実施例に組み合わせることができる。以下の説明において、本発明の実施例を充分に理解するため、多くの具体的な細部を提供する。
【0022】
図面において、明瞭にするために、領域と層の厚さを誇張する可能性がある。図面において、同一の符号は、同一又は類似する部分を表しているので、それらの詳細な説明を省略する。
【0023】
ある一つの構造が他の構造の「上」に位置する場合、ある一つの構造が他の構造の上に一体的に形成されたり、ある一つの構造が他の構造の上に「直接的」に配置されたり、別の構造により他の構造に「間接的」に配置されたりすることを意味する可能性がある。「1つ」、「一」及び「前記」という用語は、1つ又は複数の要素/構成要素/などが存在していることを示すために使用されるものである。「含む」及び「備える」という用語は、開放式に含まれることを意味し、且つ、列挙された要素/構成要素以外の要素/構成要素/などをさらに含むことを意味し、「第1」、「第2」などという用語は、標記として用いられ、その対象の数を限定するものではない。
【0024】
表示パネルは、ボンディングパッド側において封止失効が発生しやすくなり、特に、電極リード線と封止層との剥離不良が発生した頻度が高い。出願人は、封止不良の位置での構造を解析し、表示パネルが動作する時の各箇所の温度及び他の試験を分析したところ、上記封止層の剥離が剥離領域の高温に関連することを発見した。
【0025】
関連技術において、表示パネルの周辺領域のボンディングパッド側には、隣接する陽極パッドと陰極パッドが設置されている。陰極パッドは、陰極導電部を介して共通電極に接続される。陽極パッドは、陽極導電部を介して電極バスに接続される。電極バスは、表示領域における各電極リード線に接続される。ここで、陰極導電部と共通電極との接続箇所に陰極電流が収束されるので、大量の熱量が発生される。陽極導電部と電極バスとの接続箇所に陽極電流が収束されるので、大量の熱量が発生される。関連技術において、陰極導電部及び陽極導電部が表示領域の方向に向いて並んで延びるので、2つの電流収束箇所の間の距離だけでなく、陰極導電部と陽極導電部との間の距離も近くなる。このため、2つの電流収束箇所での熱量が効率よく放熱しにくくなり、陰極導電部及び陽極導電部での熱量も効率よく放熱しにくくなるので、陰極導電部及び陽極導電部での温度が高くなり、封止層が高温で剥離しやすい。
【0026】
これに基づいて、本発明の実施形態は、アレイ基板を提供する。上記アレイ基板は、
図1(共通電極は図示せず)に示すように、表示領域Bと、周辺領域Aとを含む。表示領域Bには、共通電極が設置され、表示領域Bに近接する周辺領域Aの位置には、電極バス7が設置される。上記アレイ基板は、第1電極パッド1、第1導電部3、第2電極パッド2及び第2導電部4をさらに含む。ここで、第1電極パッド1及び第1導電部3は、例えば電源の負極VSSに接続され、第2電極パッド2及び第2導電部4は、電源正極VDDに接続される。
【0027】
第1電極パッド1は、表示領域Bから離れた周辺領域Aの一側に設置されている。第1導電部3は、第1電極パッド1と共通電極を接続する。第2電極パッド2は、表示領域Bから離れた周辺領域Aの一側に設置される。第2導電部4は、第2電極パッド2に接続されるとともに、第1導電部3から離れる方向に向いて電極バス7に延びて接続される。
【0028】
本発明に提供されるアレイ基板は、第2導電部4が第1導電部3から離れる方向に向いて延びるとともに、電極バス7に接続されるので、第1導電部3と第2導電部4との間の距離が大きくなり、第1導電部3及び第2導電部4で発生された熱量の放熱を容易にすることができる。それに加えて、第1導電部3と共通電極との接続箇所や、第2導電部4と電極バス7との接続箇所などの2箇所の電流収束位置の距離も大きくなるので、2箇所の電流収束位置で発生された温度の放熱を容易にすることができる。このため、上記アレイ基板は、第1導電部3及び第2導電部4設置された位置において優れた放熱性能を有し、熱量の蓄積程度を低減することができ、高温になりにくくなるので、上記の位置での封止層が剥離するリスクを低減し、アレイ基板の封止の歩留まりを向上させることができる。
【0029】
以下、図面を併せて本発明の実施形態に提供されたアレイ基板の各部品をさらに詳細に説明する。
【0030】
第1電極パッド1及び第2電極パッド2の一方は、陽極パッドであり、他方は、陰極パッドであってもよい。外部電源に接続されるために、第1電極パッド1及び第2電極パッド2は、隣接して設けられることができる。例えば、第1電極パッド1が外部電源の負極VSSに接続され、第2電極パッド2が外部電源の正極VDDに接続される。
【0031】
一例として、本発明の実施形態において、
図1及び
図2(共通電極は図示せず)に示すように、例えば、第1電極パッド1は、陰極パッドであり、相応的に、共通電極は、共通陰極であってもよく、第2電極パッド2は、陽極パッドであり、相応的に、電極バス7は、陽極バスとして第2電極パッド2に接続されてもよい。表示領域Bには、電極バス7に接続されている電極リード線8(
図1に示すように)がさらに設置される。ここで、電極リード線8は、各表示ユニットを接続するためのものである。これにより、動作する時、
図2に矢印で示すように、電流は、第2電極パッド2から第2導電部4、電極バス7を経過して各電極リード線8に流れ、表示ユニットを経過してから共通電極に流れ、共通電極から第1導電部3を通して第1電極パッド1に流れる。
【0032】
アレイ基板に1セットの第1電極パッド1及び第2電極パッド2を設置してもよく、間隔をおいて設置される複数セットの第1電極パッド1及び第2電極パッド2(
図2に示すように)を設置してもよいことを理解できるが、本発明は、これを特に限定しない。
【0033】
第1電極パッド1の材料は、金属、合金、導電性金属酸化物又は他の導電性材料であってもよい。例えば、第1電極パッド1の材料は、銅、タングステン、チタンなどの金属又は上記のいずれかの金属を含む合金であってもよい。第1電極パッド1の形状は、矩形、円形又はその他の幾何形状であってもよいが、本発明は、これに対して限定しない。
【0034】
第2電極パッド2の材料及び形状は、設計要求を満たすことができるものであれば、第1電極パッド1と同じであったり、異なったりしてもよい。
【0035】
第2導電部4は、第2電極パッド2に接続されるとともに、第1導電部3から離れる方向に向いて延びて電極バス7に接続される。このため、第1導電部3及び第2導電部4は、全体的に表示領域Bに向かうフレア(flare)状をなす。一実施形態において、第1導電部3及び第2導電部4は、いずれも直線又は滑らかな曲線に延びるとともに、フレア状に形成されることができる。他の実施形態において、表示領域Bに向かう方向において、第1導電部3と第2導電部4との間の距離は、少なくとも1つの区間で変化しないが、少なくとも1つの点で急変することができる。
【0036】
第1導電部3は、直線に延びて共通電極に接続されることができるし、折れ線トラック(track)で共通電極に接続されることもできる。一実施形態において、第1導電部3は、まず第1電極パッド1から共通電極に対して傾斜した方向に向いて第2電極パッド2から離れる側へ延び、その後、共通電極に垂直な方向に向いて共通電極まで延びることで、共通電極に接続されることができる。
【0037】
第1導電部3の材料は、金属、導電性金属酸化物又は他の導電性材料であってもよい。例えば、アルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、銀などの金属、又は上記のいずれかの金属を含む合金であってもよく、或いは、ITO(酸化インジウム錫)などの透明導電性材料であってもよい。第1導電部3は、1層の導電性材料から構成されることができ、複数層の異なる導電層材料から構成されることもできる。例えば、一実施形態において、第1導電部3は、ITOであってもよい。
【0038】
第2導電部4は、第1導電部3から離れる方向に向いて第2電極パッド2から折曲げトラックに沿って延びることができる。上記折曲げトラックは、曲線トラックであってもよく、折れ線トラックであってもよい。一例として、第2導電部4は、順次に接続される第1接続区間41、第2接続区間42及び第3接続区間43を含むことができる。ここで、第1接続区間41は、第2電極パッド2に接続され、第3接続区間43は、電極バス7に接続され、第2接続区間42は、第1導電部3から離れる方向に向いて第1接続区間41との接続位置から直線トラックに沿って延びる。第2接続区間42を設置することにより、第3接続区間43が第1導電部3から離れることを確保し、特に、第3接続区間43と電極バス7との接続位置が第1導電部3から離れることを確保することができるので、第1導電部3が第2導電部4の放熱に与える影響を低減し、第2導電部4の放熱効率の向上を確保することができる。
【0039】
一実施形態において、第1接続区間41は、第1導電部3から離れる方向に向いて第2電極パッド2から直線トラックに延びる。このようにして、第1電極パッド1及び第2電極パッド2の位置を一定に保つ場合に、第1導電部3と第2導電部4との間の距離を可能な限り大きくするので、熱量蓄積の可能性を低減することができる。勿論、他の実施形態において、第1接続区間41は、電極バス7に垂直な方向に向いて第2電極パッド2から表示領域Bへ延びることもできる。
【0040】
一実施形態において、第2接続区間42の延在方向は、電極バス7の延在方向と平行になる。これは、第2導電部4が第1導電部3から離れる程度を向上させることを容易にするだけでなく、第2導電部4のマスクプレートを作製する難しさを低減することを容易にする。
【0041】
一実施形態において、第1接続区間41と第2接続区間42との接続位置には、面取りが設置されることができる。これにより、上記の接続位置での先端放電を抑制することができる。当該面取りは、先端をさらに解消して先端放電の抑制効果を向上させるように、丸みを帯びた角であってもよい。
【0042】
一実施形態において、第3接続区間43の延在方向は、電極バス7の延在方向に垂直とすることができる。これにより、第3接続区間43が電極バス7における電流の収束に対する均一性を向上させ、電極バス7の両側と第3接続区間との接続角度の違いによる第3接続区間43における電流分布の違いを低減し、スキン効果及び先端効果の影響を低下させることができる。
【0043】
第2導電部4の材料及び層数は、第1導電部3と同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、一実施形態において、第1導電部3は、モリブデン層/アルミニウム層/モリブデン層の3層の複合材料であってもよい。
【0044】
封止不良の可能性をできるだけ低減するために、
図1における鋸歯状の凹凸線で示すように、第1導電部3及び第2導電部4のエッジの全部又は一部が凹凸状に設置されることもできる。これにより、水や酸素の侵入経路の長さを増加させ、表示領域Bに侵入した水や酸素の量を低下させるので、水や酸素が表示領域Bに侵入することによるダークスポットなどの不良を引き起こすリスクを低減することができる。
【0045】
上記アレイ基板は、スペーサー5を設置することにより水や酸素に対する隔離を向上させることもできる。例えば、上記アレイ基板は、ベース基板6と、スペーサー5とを含むことができる。スペーサー5は、第2電極パッド2と電極バス7との間に設置される。第2電極パッド2、第2導電部4、電極バス7及びスペーサー5は、ベース基板6の同一側面に設置される。また、スペーサー5は、第2導電部4の少なくとも一部を覆う。即ち、スペーサー5は、ベース基板6から離れる第2導電部4の一側面に設置される。第2電極パッド2、第2導電部4及び電極バス7において、ベース基板6から離れる側面には、封止層が設置される。封止層が第2導電部4から剥離された場合、スペーサー5は、水や酸素が第2導電部4と封止層との間の隙間を介して表示領域Bに侵入することを遮断し、表示領域Bの封止不良による表示領域Bのダークスポットのリスクを低減することができる。
【0046】
スペーサー5の材料は、有機絶縁材料、無機絶縁材料又は他の絶縁材料であってもよく、複数層の異なる絶縁材料の組み合わせであってもよい。一実施形態において、スペーサー5の材料は、樹脂であってもよい。
【0047】
一実施形態において、上記スペーサー5は、第1電極パッド1と共通電極との間まで延びるとともに、第1導電部3の少なくとも一部を覆うこともできる。他の実施形態において、スペーサー5は、電極バス7に平行な方向に向いて延び、その延在方向において第1導電部3及び第2導電部4を覆う。
【0048】
一実施形態において、複数のスペーサー5は、間隔をおいて設置される。例えば、スペーサー5の数は、2つであり、互いに平行になる第1スペーサー51及び第2スペーサー52を含む。ここで、第1スペーサー51は、電極バス7と第2電極パッド2との間に設置される。第2スペーサー52は、電極バス7と第1スペーサー51との間に設置される。ここで、第1スペーサー51は、第2接続区間42の少なくとも一部を覆う。第2スペーサー52は、第3接続区間43の少なくとも一部を覆う。これにより、複数のスペーサー5により水や酸素に対する多重バリアを実現し、水や酸素が表示領域Bに侵入することを回避するので、封止不良による表示領域Bのダークスポットなどの不良を回避することができる。
【0049】
一実施形態において、第1導電部3、第2導電部4及び電極バス7の上面には、1層の有機層が覆われている。上記の第1スペーサー51及び第2スペーサー52は、上記有機層に設置された2つの開口溝である。上記2つの開口溝の間には、上記有機層の一部が残留されており、このような構造によって水や酸素に対するバリアを実現することができる。前記開口溝の数は、2個より多くなってもよい。上記有機層の材料は、有機絶縁材料、無機絶縁材料又は他の絶縁材料であってもよく、複数層の異なる絶縁材料の組み合わせであってもよい。一実施形態において、当該有機層の材料は、樹脂であってもよい。
【0050】
一実施形態において、上記アレイ基板の封止層は、第1導電部3及び第2導電部4に対する封止保護を実現するために、有機絶縁材料又は無機絶縁材料であってもよい。上記封止層は、1層の封止材料であってもよく、複数層の異なる封止材料であってもよいことを理解できる。一例として、一実施形態において、封止層の材料は、CVD(化学気相成長)により形成される窒化ケイ素などの絶縁材料であってもよく、封止層は、第1導電部3、第2導電部4、スペーサー5、第1スペーサー51及び第2スペーサー52などを覆うことができる。
【0051】
本発明は、上記のアレイ基板のいずれかの実施形態に記載されたアレイ基板を含む表示装置をさらに提供する。上記表示装置は、AMOLED(アクティブマトリクス有機発光ダイオード)表示パネル、PMOLED(パッシブマトリクス有機発光ダイオード)表示パネル又は他の表示パネルであってもよく、本発明は、これを特に限定しない。
【0052】
本発明の実施形態の表示装置に使用されるアレイ基板は、上記のアレイ基板の実施形態におけるアレイ基板と同じであるので、同じ有益効果を有し、ここでその詳細な説明を省略する。
【0053】
本発明は、その適用を、本明細書で提出された部品の詳細な構造及び配置方式に限定しないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態を有することができ、且つ、様々な方式で実現及び実行することができる。前述の変形形態及び修正形態は、本発明の範囲に含まれる。本明細書で開示及び限定される本発明は、本明細書及び/又は図面で言及又は明らかにされた2つ以上の個別の特徴のすべての代替可能な組み合わせに及ぶことを理解すべきである。これらの異なる組み合わせは、すべて本発明の複数の代替可能な態様を構成する。本明細書に記載された実施形態は、本発明を実施するための知られている最も好ましい形態を説明しており、且つ、当業者が本発明を利用することを可能にする。
【符号の説明】
【0054】
1 第1電極パッド
2 第2電極パッド
3 第1導電部
4 第2導電部
41 第1接続区間
42 第2接続区間
43 第3接続区間
5 スペーサー
51 第1スペーサー
52 第2スペーサー
6 ベース基板
7 電極バス
8 電極リード線
【国際調査報告】