(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-21
(54)【発明の名称】ボトルを準備および充填するためのライン
(51)【国際特許分類】
B29C 49/78 20060101AFI20220214BHJP
B67C 7/00 20060101ALI20220214BHJP
B65G 47/86 20060101ALI20220214BHJP
B29C 49/42 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
B29C49/78
B67C7/00
B65G47/86 D
B29C49/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538108
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 FR2019053310
(87)【国際公開番号】W WO2020136363
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516052630
【氏名又は名称】シナーリンク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロイク・モーブッサン
(72)【発明者】
【氏名】リュック・ヴィユルー
【テーマコード(参考)】
3E079
3F072
4F208
【Fターム(参考)】
3E079AA10
3E079AB01
3E079FF01
3E079FF03
3E079FG01
3E079GG02
3F072AA08
3F072KA01
3F072KD01
4F208AG07
4F208AH55
4F208AP20
4F208AR20
4F208LA09
4F208LB01
4F208LG03
4F208LH06
4F208LJ01
4F208LJ12
4F208LJ13
4F208LJ14
4F208LJ15
4F208LJ22
4F208LJ27
4F208LW02
4F208LW50
(57)【要約】
液体製品のボトルを生産するための設備であって、ボトルは熱形成可能なプラスチックから形成されており、設備は、加熱トンネル(8)を備え、プリフォーム(9)からボトルをブロー成型するためのブロー成型装置(1)と、ボトル充填ステーション、密封ステーション、ならびに/またはキャッピングステーションを備えた充填および仕上げライン(3)であって、ブロー成型装置(1)と、充填および仕上げライン(3)と、の間に介在し、ボトルを受け入れることに適した主に無端コンベアとして形成されたバッファコンベア(2)を備えた、充填および仕上げライン(3)と、を備え、バッファコンベアは、通常流れ状態の下に使用される第1のセクション(T21)と、第1のセクションに相補的であり且つ充填ラインの計画外の停止の条件の下にバッファ格納空間として寄与する第2のセクション(T22)と、を備え、第2のセクション(T22)のボトル格納容量(7)は、加熱トンネルを含んだブロー成型装置内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数に少なくとも等しい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体製品または半液体製品のボトルを生産するための設備であって、前記ボトルは熱形成可能なプラスチックから形成されており、前記設備は、
- 加熱トンネル(8)を備え、プリフォーム(9)からボトルをブロー成型するためのブロー成型装置(1)と、
- 1つ以上のボトル充填ステーション、密封ステーション、ならびに/またはキャッピングステーションを備えた充填および仕上げライン(3)であって、該ラインは、充填される準備ができた空のボトル(7)を受け入れることが可能であり、且つ前記ボトルをいくつかの充填ステーション、密封ステーション、および/またはキャッピングステーションの正面に運搬する無端コンベアを備えた、充填および仕上げライン(3)と、
を備え、
前記ブロー成型装置(1)と前記充填および仕上げライン(3)との間に介在したバッファコンベア(2)が設けられ、該バッファコンベアは、ボトルを受け入れることに適した無端コンベアとして主に形成されており、前記バッファコンベアは、通常流れ状態の下に使用される第1のセクション(T21)と、該第1のセクションに相補的であり且つ前記充填ラインの計画外の停止の条件の下にバッファ格納空間として寄与する第2のセクション(T22)と、を備え、
前記ブロー成型装置(1)と前記バッファコンベア(2)との間には、ボトルのための場所をN4の数だけ有する上流ハンドリング装置が介在しており、
N22により示された、前記第2のセクション(T22)のボトル格納容量(7)は、N22>N8+N1-N4-1の条件を満足する容量であり、
ここで、N8は、前記加熱トンネル内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示しており、N1は、前記ブロー成型装置(1)内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示している、設備。
【請求項2】
前記バッファコンベア(2)は、前進の後に静止運転を伴うことを意味するインデックス付けされた動作を伴って運転される、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記ブロー成型装置(1)は、前進の後に静止運転を伴うことを意味するインデックス付けされた動作、好適にN1の量のバッチを伴ったバッチ生産で運転される、請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
前記充填および仕上げライン(3)は、静止した充填を伴ったインデックス付けされた動作、好適にN3の量のバッチを伴ったバッチ生産で運転される、請求項1から3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記上流ハンドリング装置は、前記ブロー成型装置から到達したボトルを前記バッファコンベア(2)上に装填するための第1の搬送装置(4)を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
第2の搬送装置(5)は、前記バッファコンベアからボトルを取り出すため、ならびに前記ボトルを前記充填および仕上げラインにボトルを装填するために設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記ボトルはネック部により、好適にネック部によってのみ保持され、好適に前記ボトルはボトルの底部上に載置されない、請求項1から6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
各ボトル(7)はフォーク(6)により保持される、請求項1から7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
各ボトルはクランプ(16)により保持される、請求項1から7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記バッファコンベア(2)は、前記コンベアの支持部を形成したチェーンおよび複数のフォークを備え、該フォークは、個別にまたはプレートのグループにおいて前記チェーンに固定されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
前記チェーンは2つまたは4つのホイールに装着されて巻付いており、各ホイールは水平な回転軸を有する、請求項10に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルを準備および充填するためのラインに関する。特に、本発明は、液体を充填されることを目的とした、熱形成可能なプラスチック製のボトルに関する。対象となる液体は食品または医薬品であり得るが、処置製品、洗浄製品等の他の製品を除外するものではない。
【背景技術】
【0002】
我々は、熱形成可能なプラスチックボトルの成型およびブロー成型の下流に配置されたボトルの充填の両方のための装置を備えた生産ラインに興味がある。取引の専門用語では、この装置は「ブロー成型および充填の組み合わせ」と称される。
【0003】
本発明は、充填ラインが計画外の規則で停止した場合に起こり得る状態を改良することを目的としており、その状態においては、ブロー成型装置内のボトルプリフォームは、もはや使用することができず、廃棄されなければならない。
【0004】
特許文献1は、各設備の運転をより独立させ、他の設備を阻害する必要なしに1つの設備の一時的な停止を許容するために、ボトル成型装置と充填ラインとの間にバッファ格納部を使用する原理を教示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2013/080189号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、既知のバッファ格納装置は、巨大且つ高価なものに帰結する。本発明の目的は、改良された解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、液体製品または半液体製品のボトルを生産するための設備が、第1の態様により提案されており、ボトルは熱形成可能なプラスチックから形成されており、この設備は、
- 加熱トンネル(8)を備え、プリフォーム(9)からボトルをブロー成型するためのブロー成型装置(1)と、
- 1つ以上のボトル充填ステーション、密封ステーション、ならびに/またはキャッピングステーションを備えた充填および仕上げライン(3)であって、このラインは、充填される準備ができた空のボトル(7)を受け入れることが可能であり、且つボトルをいくつかの充填ステーション、密封ステーション、および/またはキャッピングステーションの正面に運搬する無端コンベアを備えた、充填および仕上げライン(3)と、
を備え、
主に無端コンベアとして形成された、ブロー成型装置と充填および仕上げラインとの間に介在したバッファコンベア(2)が設けられ、バッファコンベアは、通常流れ状態の下に使用される第1のセクション(T21)と、第1のセクションに相補的であり且つ充填ラインの計画外の停止の条件の下にバッファ格納空間として寄与する第2のセクション(T22)と、を備え、ブロー成型装置とバッファコンベアとの間には、ボトルのための場所をN4の数だけ有する上流ハンドリング装置が設けられており、
N22により示された、第2のセクションT22のボトル格納容量は、N22>N8+N1-N4-1の条件を満足する容量であり、
ここで、N8は、加熱トンネル内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示しており、N1は、ブロー成型装置内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示している。
【0008】
これらの設備と共に、充填ラインが何らかの理由により停止した場合、バッファコンベアは、有利にブロー成型装置から到着する空のボトルを受け入れ、それらのボトルを第2のセクション内に貯蔵する。したがって、ブロー成型装置は通常運転を続けることが可能であり、加熱トンネル内に配置されたプリフォームは、ブロー成型されてバッファコンベアに格納され、一方で充填ラインの再稼働のために待機する。このことは、有利にピースを廃棄することを回避する。
【0009】
別の観点から、充填ラインが通常運転、すなわち、通常の流れ状態にある場合、バッファコンベアは、第2のセクションを使用することなく第1のセクションT21を搬送コンベアとして機能させ、第2のセクションは空のままであり、前進するがボトルは無く、一方で、それとは逆に、充填ラインが停止した場合、バッファコンベアは格納運転に切り替わり、これは、ボトルを第2のセクションの内側に貯蔵して、一方で第1のセクションを通過することを意味している。
【0010】
充填ラインの運転が復帰するとすぐに、バッファコンベア内のボトルはFIFO(ファーストインファーストアウト)モードにおいて空にされることが可能であり、一方でブロー成型装置は運転に戻される。
【0011】
それに加えて、提案された装置は非常に小型であり、複雑な制御システムを必要としない。
【0012】
「無端コンベア」との用語は、ここでは自身で閉じたループ形式のコンベアを意味していると理解される。
【0013】
上流ハンドリング装置内で得られるボトルの位置の数N4はゼロ、または例えば1から20の間の所定の整数値に等しくし得ることに留意すべきである。
【0014】
本発明の多様な実施形態においては、以下の手段の1つ以上が、個別にまたは組み合わせて、随意的に使用されてもよい。
【0015】
1つのオプションによれば、バッファコンベアは、前進の後に静止運転を伴うことを意味する、インデックス付けされた動作を伴って運転される。換言すると、所与のボトルに関して、バッファコンベアは、静止運転と搬送運転との連続を伴った漸進モードで運転される。このことは、バッファコンベアの装填および取り出しを容易にする。
【0016】
1つのオプションによれば、ブロー成型装置は、前進の後に静止運転を伴うことを意味する、インデックス付けされた動作を伴って運転される。所与のボトルに関して、ブロー成型工程は、静止運転と搬送運転との連続を伴った漸進モードで実行される。その結果、ブロー成型金型およびその付属機器は、比較的簡素なままである。
【0017】
1つのオプションによれば、ボトルブロー成型装置は、インデックス付けされた動作または連続動作で運転されるかどうかに関わらず、N1の量のバッチを伴ったバッチ生産において運転される。その結果、高速且つ飛躍的な生産性を得ることが可能である。
【0018】
1つのオプションによれば、充填および仕上げラインは、充填の静止を伴ったインデックス付けされた動作、好適にN3の量のバッチを伴ったバッチ生産で運転される。その結果、充填工程は極めて単純なままとされ、慣性または動作からの影響を受けることなく良好に制御され、インデックス付けされた動作は、特にいくつかの異なった製品が各ボトル内に分注される場合、複数充填の可能性を促進する。
【0019】
1つのオプションによれば、バッチ運転に関連して、バッチのサイズおよび各装置のサイクルタイムは、N1/T1がN3/T3に近接するような、好適にN1/T1がN3/T3と略等しくなるようにされている。T1はブロー成型装置のサイクルタイムであり、一方でT3は充填装置のサイクルタイムである。
【0020】
ここで、バッファコンベのサイクルタイムは、他の2つのサイクルタイムT1およびT3とは異なり得ることが理解される。
【0021】
1つのオプションによれば、上流ハンドリング装置は、ブロー成型装置から到達したボトルをバッファコンベア(2)上に装填するための第1の搬送装置(4)を備えている。この第1の搬送装置は、ブロー成型装置のハンドリング手段が、バッファコンベにより形成されたハンドリング手段とはほぼ無関係となることを可能にしている。
【0022】
1つのオプションによれば、第2の搬送装置(5)は、バッファコンベアからボトルを取り出すために、ならびにボトルを充填および仕上げラインに装填するために設けられている。第2の搬送装置は、バッファコンベにより形成されたハンドリング手段が、充填および仕上げラインのハンドリング手段とはほぼ無関係となることを可能にしている。特に、ある理由により充填ラインが停止した場合、第2の搬送装置は非稼働(停止)となり、バッファコンベアは、第2のセクションT22内に空のボトルを貯蔵するために、有利にブロー成型装置から到着した空のボトル(次に、搬送することなく第2の搬送装置を素通りする)を受け入れ続ける。
【0023】
1つのオプションによれば、ボトルはネック部により、好適にネック部によってのみ保持され、好適にボトルはボトルの底部上に載置されない。有利には、提案された工程は、多様な容量(例えば、他の容量が除外されるわけではないが、500cl、750cl、1リットル、1.5リットル)のボトルで機能する。
図4はこの態様を示している。
【0024】
1つのオプションによれば、各ボトルはフォーク(6)により保持される。このことは、ネック部(喉部)によりボトルを保持するための簡素な且つ信頼性の高い装置を形成する。フォークは、ボトルを直立(口が上向き)におよび逆向き(口が下向き)に保持するように構成されることが可能である。弾性保持手段(クリップまたはくびれ)は、ボトルがフォークに装填および取り出しされる方向に設けられ得る。フォークは、任意の空間配向においてボトルを保持することが可能であることが理解される。
【0025】
1つのオプションによれば、各ボトルはクランプにより保持される。この解決策は、異なったネック径を同じハンドリング手段を備えた同じ設備内に受け入れることを可能にしている。調節は容易であり、より大きいまたはより小さい範囲のクランプの開放は、無差別に異なった直径のネック部を受け入れることを可能にしている。
【0026】
1つのオプションによれば、フォークは、フォークプレート(66)上でサブグループにグループ分けされることが可能である。このことは、バッファコンベア内のバッチ処理を可能にしており、バッファ格納部の上流および下流におけるバッチ処理の場合に有利になり得る。
【0027】
1つのオプションによれば、バッファコンベアは、コンベアの支持部を形成したチェーンおよび複数のフォークを備え、フォークは、個別にまたはプレートのグループでチェーンに固定されている。チェーンを備えたコンベアのそのような構造は、簡素且つ信頼性の高い解決策であり、これは管理されたコストの解決策である。
【0028】
1つのオプションによれば、チェーンは2つまたは4つのホイールに装着されて巻付いており、ホイールは水平な回転軸を有し、そのようなチェーンは、一般的に垂直平面内に配置されて、小さい設置面積を有する小型化の解決策を提供する。
【0029】
1つのオプションによれば、充填および仕上げラインは、1つ以上のフォークが備わったコンベア可動プレートとして形成されている。
【0030】
1つのオプションによれば、充填装置の下流には、ラベリングおよび/またはマーキング装置も設けられ、ラベリングおよび/またはマーキングステーションは、最終梱包および配送の前に製品/ボトルに仕上げを施すことを可能にしている。
【0031】
1つのオプションによれば、設備のすべてまたは一部は、代替的に連続的動作と共に運転されることが可能であり、例えばブロー成型は連続的な動作で、および残りはインデックス付けされた動作とされることが可能である。完全に連続的な動作で運転する設備も考えられる。非常に高い能力を得ることが可能である。
【0032】
1つのオプションによれば、設備は、1時間に5000から40000の間のボトルを生産する速度に構成されている。このように大容量であるため、非常に大量の契約を結ぶことができる。
【0033】
1つのオプションによれば、ブロー成型装置のサイクルタイムT1は、(バッチごとに異なった数のピースを有する)充填ラインのサイクルタイムT3とは異なり得る。
【0034】
加えて、第2の態様によれば、液体製品または半液体製品のボトルを生産するための設備が提案され、ボトルは熱形成可能なプラスチックから形成され、その設備は、
- 加熱トンネル(8)を備え、プリフォーム(9)からボトルをブロー成型するためのブロー成型装置(1)と、
- 1つ以上のボトル充填ステーション、密封ステーション、ならびに/またはキャッピングステーションを備えた充填および仕上げライン(3)であって、このラインは、充填される準備ができた空のボトル(7)を受け入れ、且つボトルをいくつかの充填ステーション、密封ステーション、密封ステーション、および/またはキャッピングステーションの正面に運搬する無端コンベアを備えた、充填および仕上げライン(3)と、
を備え、
ブロー成型装置と充填および仕上げラインとの間に動作可能に配置されたバッファコンベア(2)には、バッファコンベア内にボトルを装填および取り出すための、ブロー成型装置とバッファコンベアとの間に介在した上流ハンドリング装置(145)が設けられ、バッファコンベアは主に無端コンベアとして形成されており、バッファコンベアは、充填ラインの計画外の停止の条件の下にバッファ格納空間として寄与し、
N2により示された、バッファコンベアのボトル格納容量は、N2>N8+N1-N4-1の条件を満足する容量であり、
ここで、N8は、加熱トンネル内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示しており、N1は、ブロー成型装置内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示している。
【0035】
通常運転状態の下で、上流ハンドリング装置(145)は、ブロー成型装置(1)到来するボトルを、バッファコンベアを通過することなく充填ライン(3)上に直接装填する。
【0036】
しかしながら、充填ラインが停止する何らかの理由がある場合、上流ハンドリング装置(145)は、ブロー成型装置から到来したボトルをバッファコンベア内に装填するように制御される。したがって、ブロー成型装置は通常運転を続け、加熱トンネル内に配置されたプリフォームは、ブロー成型されてバッファコンベア内に格納され、充填ラインの再稼働を待機することが可能である。このことは、ピースが廃棄されなければならないことを有利に回避する。
【0037】
充填ラインが運転に復帰するとすぐに、バッファコンベア内のボトルは、上流ハンドリング装置によりバッファコンベアから充填ラインへと空にされることが可能であり、一方でブロー成型装置は運転に復帰する。
【0038】
本発明の他の態様、目的、および利点は、非限定的な例として与えられた、本発明の実施形態の以下の記載を読むことにより明らかになるだろう。本発明は、添付図に関連してより良好に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明により提供されたような、ボトルを準備および充填するためのラインを概略的に示した図である。
【
図2】
図1のボトルを準備および充填するためのラインを示した平面図である。
【
図3】ハンドリングフォークとボトルネック部との間の連係をより詳細に示した平面図である。
【
図4】ハンドリングフォークとボトルネック部との間の連係をより詳細に示した正面図である。
【
図5】2つのサイズのボトルネック部をハンドリングすることが可能な変形を示した図である。
【
図6】複数の、この例では4つのボトルをハンドリングすることが可能な、複数フォークプレートを使用した変形を示した図である。
【
図7】ボトルを装填または取り出すために使用される、第1および/または第2の搬送装置を示した図である。
【
図8】バッファコンベア全体の例を示した図である。
【
図9A】バッファコンベの第2のセクションの運転を概略的に示した図である。
【
図9B】バッファコンベの第2のセクションの運転を概略的に示した図である。
【
図9C】バッファコンベの第2のセクションの運転を概略的に示した図である。
【
図10】連続モードにある生産ラインに関連した第2の実施形態を示した平面図である。
【
図12】すなわちフォークの代わりのクランプを備えた、ボトルを保持のための変形を示した図である。
【
図13】バッファコンベアが、ボトルの流れに関して直列構成の代わりに並列構成に配置された、第3の実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
様々な図において、同じ参照符号は同一のまたは類似の要素を示している。表示の明確化のために、所定の要素は必然的に正しい縮尺とされていない。
【0041】
図1は、液体製品または半液体製品のためのボトルの生産のための設備を概略的に示している。
【0042】
対象のボトルは、熱形成可能なプラスチック製である。
【0043】
「ボトル」との用語は、ここでは広く解釈されるべきであり、多様な形状、長いボトル、短いボトル、フラスコ、ジャー、小型のキュービテナ(cubitainer)の、液体のための任意の容器を示しており、これらの容器は、特に熱形成可能なプラスチック製である。
【0044】
材料はPET(ポリエチレンテレフタレート)であるが、他の等価の熱形成可能なプラスチックも使用され得る。
【0045】
ボトル7は、プリフォーム9から得られる。仕上げられたボトルは、ネック部7aおよび本体7bを備えている。
【0046】
プリフォームから開始して、それ自体既知のブロー成型装置1が使用され、したがって、ここでは詳細に記載されていない。ブロー成型設備との用語は、ブロー成型装置に関しても使用され得る。加熱トンネル8がブロー成型装置1の上流に設けられ、これによりプリフォームのプラスチック材料は十分に可撓性になり、プリフォームからボトル7へと容易にブロー成型可能となる。各ボトルのネック部7aは、プリフォームにおいて既に形成されており、換言すると、ボトルの本体7bがブロー成型により再形成され、ネック部はブロー成型工程により変化しないままであることが理解される。
【0047】
N8は、加熱トンネル8内に受け入れられたボトルおよびプリフォームの数を示している。N1は、ブロー成型装置1内に受け入れ可能なボトルおよびプリフォームの数を示している。N8およびN1は、ボトルまたはプリフォームの位置の数、換言すると、加熱トンネルおよびブロー成型装置の個々の保持能力を示している。
【0048】
ブロー成型工程の下流には、バッファコンベア2が設置されており、その運転および詳細は、以下に説明されている。
【0049】
バッファコンベア2の下流には、符号3で示された充填および仕上げラインが設置されている。
【0050】
全体的な配列において、バッファコンベア2は、ブロー成型装置1と充填および仕上げライン3との間に介在している。
【0051】
バッファコンベア2は、主にボトルを受け入れることが可能な無端コンベアとして形成されている。
【0052】
バッファコンベアは、通常流れ状態の下で使用される第1のセクションT21と、充填ラインの計画外の停止の状態においてバッファ格納空間として寄与する第2のセクションT22と、を備えている。
【0053】
図示された例においては、有利に第2のセクションT22は、第1のセクションT21と補完的、換言すると、端から端まで載置されて、それらは全体として無端コンベアを形成している。
【0054】
バッファコンベアは、無端コンベアの可動支持部を形成したチェーン23を備えている。例えば強化複合ベルトなど、コンベヤの支持部を形成するために、別の解決策を使用することも除外されないことが理解される。
【0055】
第1の実施例(
図1および
図9Aから
図9Cに示されている)によれば、チェーン23は、2つのホイール26、27に装着されて巻付いており、それらのホイールは、各々が水平回転軸Y6、Y7を備えている。1つのホイールは、電気モータにより駆動されている。
【0056】
第2の実施例(
図8および
図11に示されている)によれば、チェーン23は4つのホイール26乃至29に装着されて巻付いており、それらのホイールは、各々が水平回転軸(Y6乃至Y9)を備えている。1つのホイールは電気モータにより駆動されており、アドホックシーケンス(ad-hoc sequence)においてプログラマブルロジックコントローラにより制御されているか、または制御ユニットにより、より一般的に制御されている。
【0057】
ホイールの数は3つまたは4つに限定される必要はなく、チェーンの長さにわたって所定の引張応力を維持することを目的とした予備荷重が与えられた車軸に、ホイールを装着するように形成され得る。
【0058】
図1を参照すると、充填および仕上げライン3は、1つ以上の充填ステーション36(随意的に、各々が充填体積の一部のため)、密封ステーション37、およびキャッピングステーション38を備えている。
【0059】
随意的に、充填ラインの無端コンベアの上方セグメントに面して、消毒ステーション35に加えて検査および/または吹き付けステーション34が設けられ得る。
【0060】
充填および仕上げラインは、無端コンベアの可動支持部を形成したチェーン33を備えている。充填および仕上げライン3は、無端コンベアに沿って配列されて、その全体的な配列は、垂直平面XZ内にある。
【0061】
図2を参照すると、ブロー成型装置の出口において、上流ハンドリング装置が設けられている。数値N4は、この上流ハンドリング装置内で得られるボトルの場所の数として定義され、その数はゼロになり得るか、または例えば1から20の間の所定の整数値に等しくなり得る。
【0062】
上流ハンドリング装置は、ブロー成型装置から到達したボトルをバッファコンベア2上に装填するための、第1の搬送装置4を備えている。そのような搬送装置に関して、複数の解決策があり、1つの特別な解決策は、
図7に示されて解説される。
【0063】
同様に、バッファコンベアの出口には、バッファコンベアからボトルを取り出して、そのボトルを充填および仕上げライン3上に装填するための、第2の搬送装置5が設けられている。ここでも、そのような搬送装置に関して、複数の解決策があり、1つの特別な解決策は、
図7に示されて解説される。
【0064】
図3は、バッファコンベア内のボトルを保持するための手段として、個別のフォークを備えた解決策を示している。この解決策は、充填および仕上げラインのコンベア内において、類似のまたは同一の様式にてあてはめられることが可能であることが理解される。
【0065】
より詳細にボトルのネック部7aの形状を考えた場合、ネック部は、外側から且つ上側自由端から見て、
- キャップを受け入れるための雄ネジ71と、
- 安全リングまたは改ざんインジケータリングを受け入れるための環状支持部73と、
- より大きい直径D7のフラットリングとして形成されたカラー70と、
- D7よりも概略小さい直径D6の喉部72と、
- ボトルの本体7bの起点を形成した、74で示されたフレア部と、
を備えている。
【0066】
ボトルの本体は、軸Aの周りに全体的に回転対称とし得ることに留意されたい。しかしながら、ボトルは、ボトルの梱包により占められる空間を最適化するために、丸まった角を備えた全体的に正方形断面の本体を備えてもよい。
【0067】
ボトルの本体は、潰れに抵抗するための補強リブを備え得る。
【0068】
ボトルのネック部のそのような形状を形成するために、設備は、符号6で示されたフォークの使用を有利に提供している。
【0069】
図3に示されたように、各フォークは、ベース60と、このベースから突出した2つのフィンガ61、62と、を備え、2つのフィンガは、受容空間/ハウジング63を形成して、ボトルのネック部を収容する。
【0070】
一実施形態によれば、フォークは、平坦なブランクから切り出すことにより得られる。ステンレス鋼または衛生的に安全な食品の準備工程と互換性のある任意の材料が、通常は使用されることが可能である。材料の厚さは2mmから5mmとされ、カラー70と符号74で示されたフレア部との間のネック部による保持を最適化するように形成されることが可能である。
【0071】
平面図において、受容空間63は、脱落防止くびれを備えた凹部として図示されており、このくびれは、図示された実施例においては、幅D5のくびれを意味しており、D5は直径D6よりもわずかに小さい。
【0072】
各フォークは、無端コンベアのチェーンに、穴64およびネジ取り付け部を用いて、または任意の他の手段により固定されている。
【0073】
図5にはダブルフォーク、すなわち2つの位置を備えたフォークが示されており、各位置は異なった寸法を有し、これにより大きいネック部または小さいネック部のいずれかを同じハンドリング装置内に収容することが可能である。
【0074】
図4は、ボトルの本体の形状が、把持手段およびネック部に対して無関係であり、したがって、すべての形状およびサイズ(例えば、図示されたショートボトル7およびロングボトル7´)のボトル本体を備えることが可能であることを示している。
【0075】
ボトルは直立に維持されることが可能であり、これは開口部が上向きであることを意味しているが、開口部が下向きであることを意味する「逆向き」に維持されることも可能である。全体的に、ボトルは任意の空間的配向において保持されることが可能である。バッファコンベア2の端部において、ボトルは水平軸Aの位置にあることが理解される。しかしながら、フォークのハウジングの軸に対応した理論上の軸と、このハウジングに保持されたボトルの実際の軸と、の間にいくらかの偏差があり得ることが理解されるべきである。
【0076】
図6に示されているのは、フォークのグループを形成したプレート66であり、その数の個別のフォーク(ここでは4つ)として組み立てられているか、またはその数の受容ハウジング(ここでは4つ)を備えた一体型プレートとして形成されている。
【0077】
有利に、バッファコンベア2の第2のセクションT22に関して、そのボトル格納容量はN22で示されている。
【0078】
N22は、以下の条件を満足する大きさとされている。
N22>N8+N1-N4-1
【0079】
換言すると、第2のセクションのボトル格納容量は、少なくとも、加熱トンネル8内を含んだブロー成型設備1内に受け入れられることが可能な、ボトルおよびプリフォームの数から、上流ハンドリング装置内に受け入れられることが可能なボトルの数N4を差し引いた数に等しい。
【0080】
例えば、
図9Aから
図9Cの実施例においては、格納容量は30空間である。例えば、
図8の実施例においては、格納容量は60空間よりも多い。もちろん、より多いまたはより少ない容量が対象とされることが可能である。
【0081】
本発明によれば、加熱トンネル内のおよびブロー成型装置内のピースを廃棄しなければならないことを回避する。したがって、第2のセクションT22に関するボトル格納容量N22は、少なくともブロー成型装置1および加熱トンネル8内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数から、上流ハンドリング装置内に受け入れられることが可能なボトルの数N4を差し引いた数に等しい。
【0082】
搬送装置4および5に関連して、
図7を参照すると、1つの無端コンベアから別のステーションへの移動のために、互いに向き合って配置された対向した開口部が配置されたフォークが設けられ得る。図示された実施例においては、ボトルはコンベアC1からコンベアC2へと搬送される。
【0083】
搬送は個別に、ボトルごとに、またはバッチごとに実行することが可能である。ここで、搬送は単純な並進移動であり、コンベアC1からコンベアC2へとボトルを押すことにより可能である。好適に、ボトル搬送動作はネック部に作用し、このことは、ボトルの本体の形状および/または容量とは無関係の解決策を有することが可能である。
【0084】
他の実施形態においては、マニピュレータアームまたは多軸ロボット等のより洗練された手段が使用され得る。
【0085】
概略的に
図2に示されたようなライン構成においては、
図2に図示されたような単純な並進移動を伴った搬送装置は、バッファコンベアへの装填およびバッファコンベアからの取り出しの両方に関して使用されることが可能である。
【0086】
ボトルを仕上げラインコンベア上に装填するための、ボトルをバッファコンベアから取り出すことを担った第2の搬送装置は、ライン運転状態に関して搬送装置5を稼働または非稼働させるように構成された制御ユニットにより制御されることが可能である。
【0087】
特に、何らかの理由により充填ライン3が停止した場合、その結果として、制御ユニットは第2の搬送装置5の運転を停止させ、これによりバッファコンベアは、ボトルを第2のセクションT22に貯蔵するために、ブロー成型装置から到着する空のボトルを受け入れ続ける。第2の搬送装置が非稼働(停止)である場合、空のボトルは、搬送されることなく第2の搬送装置の正面に移動する。
【0088】
充填ラインが運転状態に復帰するとすぐに、制御ユニットは第2の搬送装置を再稼働させ、バッファコンベア内のボトルはFIFOモードにおいて空にされ、一方でブロー成型装置は業務に復帰する。
【0089】
図12は、無端コンベア内のボトルを保持するための変形の解決策を図示している。可動ジョークランプが使用されている。クランプ16は2つのジョー16a、16bを備えている。閉位置へと復帰するためのバネが設けられている。対照的に、ステーションに対するクランプの前進の所定の状態の下で、カムトラックおよびクランプを解放するための機構が設けられている。したがって、対象のクランプは、小さいネック部78または大きいネック部79を無差別に把持するために使用されることが可能である。
【0090】
図10 第2の実施形態
図10に概略的に示されたこのモードにおいて、設備は連続的な動作により運転され、ブロー成型装置は連続的に稼働され、ハンドリングも連続的な動作を伴い、充填ラインも回転ラック形式で連続的な動作を伴う。
【0091】
ここで、バッファコンベアは平坦な構成として表されたが、もちろん、バッファコンベアは、先に説明されたように垂直構成に配置されることが可能である。したがって、非常に大きい製品容量を得ることが可能である。
【0092】
設備の一部を連続的な動作で運転し、別の部分をインデックス付けされた動作で運転するハイブリッド構成も可能である。
【0093】
図13 第3の実施形態
ここで、バッファコンベア2は、ブロー成型装置1と充填および仕上げライン3との間に、並列構成に且つ前述のように直列に介在することなく、動作可能に配置されている。
【0094】
上流ハンドリング装置145が設けられ、ボトルをバッファコンベア2内に装填およびコンベアから取り出しするために、ブロー成型装置1とバッファコンベア2との間に介在している。ここでも、バッファコンベア2は主に無端コンベアとして形成されており、バッファコンベアは全体的に、前述のような第1または第2のセクションなしに、充填ラインの計画外の停止の状態に関して、バッファ格納空間として寄与する。
【0095】
バッファコンベアのボトル格納容量は、N2で示された容量であり、N2>N8+N1-1の条件を満足する。
【0096】
これまでのように、N8は、加熱トンネル内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示し、N1は、ブロー成型装置1内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数を示している。
【0097】
第2および第3の実施形態によれば、このことは、加熱トンネル内およびブロー成型装置内に配置されたピースの廃棄を回避する。したがって、バッファコンベア2´に関するボトル格納容量N2は、少なくとも、ブロー成型装置1内および加熱トンネル8内に受け入れられることが可能なボトルおよびプリフォームの数に等しい。
【0098】
上流ハンドリング装置145は、バッファコンベアが必要とされていない通常流れモードにおいて、または上流ハンドリング装置がブロー成型装置から来たボトルをバッファコンベア内に装填するバイパス/格納モードにおいて、運転可能である。
【0099】
バッファコンベアは、前述の場合においてすでに述べられたように、垂直構成にまたは水平構成に配列されることが可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 ・・・ブロー成型装置
2 ・・・バッファコンベア
3 ・・・充填および仕上げライン
4 ・・・第1の搬送装置
5 ・・・第2の搬送装置
6 ・・・フォーク
7 ・・・ボトル
7a ・・・ネック部
7b ・・・本体
8 ・・・加熱トンネル
9 ・・・プリフォーム
16 ・・・クランプ
16a、16b ・・・ジョー
23、33 ・・・チェーン
26、27、28、29 ・・・ホイール
34 ・・・検査および/または吹き付けステーション
35 ・・・消毒ステーション
36 ・・・充填ステーション
37 ・・・密封ステーション
38 ・・・キャッピングステーション
60 ・・・ベース
61、62 ・・・フィンガ
63 ・・・受容空間
66 ・・・プレート
70 ・・・カラー
71 ・・・雄ネジ
72 ・・・喉部
73 ・・・環状支持部
74 ・・・フレア部
145 ・・・上流ハンドリング装置
Y6、Y7、Y8、Y9 ・・・水平回転軸
【国際調査報告】