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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-21
(54)【発明の名称】接着型電子制御ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20220214BHJP
   H05K 5/06 20060101ALI20220214BHJP
   H05K 7/12 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
H05K7/14 A
H05K5/06 A
H05K7/12 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538263
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 US2020013794
(87)【国際公開番号】W WO2020154156
(87)【国際公開日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】16/253,729
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】318009986
【氏名又は名称】ヴィオニア ユーエス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】スティリアノス、ディミトリ
(72)【発明者】
【氏名】ヨダー、ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス、ルイス
(72)【発明者】
【氏名】マレキー、フロイド
【テーマコード(参考)】
4E353
4E360
5E348
【Fターム(参考)】
4E353AA16
4E353BB02
4E353BB13
4E353CC16
4E353CC20
4E353CC26
4E353CC32
4E353CC33
4E353DD01
4E353DR02
4E353DR36
4E353DR57
4E353GG02
4E353GG13
4E360AB02
4E360AB33
4E360AB34
4E360BA02
4E360BB22
4E360BC06
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA12
4E360EA18
4E360ED02
4E360ED07
4E360GB92
4E360GC02
4E360GC08
5E348AA02
5E348AA03
5E348AA11
5E348AA16
5E348AA40
(57)【要約】
装置は、ハウジング、回路基板、密閉剤、及び基板を含む。ハウジングは、開側面に沿って棚及びフランジを備え得る。回路基板は、(i)ハウジングの棚上に、またハウジングのフランジ内側に配設され、(ii)ハウジングに固定され得る。密閉剤が、(i)ハウジングの開側面を通して、(ii)フランジと回路基板との間の隙間に沿って、施され得る。基板は、ハウジングに圧縮され、それにより密閉剤を(i)基板と回路基板との間、また(ii)基板とフランジとの間に流れさせることができる。
【選択図】 図7、8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
開側面に沿って棚及びフランジを有するハウジングと、
(i)前記ハウジングの前記棚上に、また前記ハウジングの前記フランジ内側に配設され、(ii)前記ハウジングに固定されている回路基板と、
前記ハウジングの前記開側面を通して、(ii)前記フランジと前記回路基板との間の隙間に沿って、施されている密閉剤と、
前記ハウジングに圧縮され、それにより前記密閉剤を(i)前記基板と前記回路基板との間、また(ii)前記基板と前記フランジとの間に流れさせる、基板と、を備える、装置。
【請求項2】
密閉剤が、前記回路基板、前記ハウジング、及び前記基板を電子制御ユニットとしてともに接着させるように、硬化される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回路基板が前記棚上に配設される前に、部分組立体を作り出すように前記回路基板に組み立てられたコネクタを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタと前記ハウジングとの間の境界面には、前記密閉剤がない、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コネクタが前記ハウジングに溶接されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
(i)前記コネクタと前記ハウジングとの間に配設され、(ii)前記コネクタに溶接されている板を更に備える、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記密閉剤のみによって前記基板に固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングが前記密閉剤の外側で前記基板に固定されるように構成されている1つ以上の締結具を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングへの前記基板の前記圧縮の前に、前記密閉剤がすでに施されている状態で、前記基板が前記ハウジングに位置合わせされている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記密閉剤が、前記回路基板の周縁に沿って途切れのないビードとして施されている、請求項1又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記密閉剤が、前記ハウジングの内部への流体浸透に対して最低限の密閉しかもたらさない、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
電子制御ユニットを組み立てる方法であって、回路基板をハウジングに固定する工程であって、(i)前記ハウジングが開側面に沿って棚及びフランジを備え、(ii)前記回路基板が前記棚上に、また前記フランジ内側に配設される、固定する工程と、
(i)前記ハウジングの前記開側面を通して、(ii)前記フランジと前記回路基板との間の隙間に沿って、密閉剤を施す工程と、
基板をハウジングに圧縮し、それにより前記密閉剤を(i)前記基板と前記回路基板との間、また(ii)前記基板と前記フランジとの間に流れさせる工程と、を含む、方法。
【請求項13】
前記密閉剤を硬化させて、前記回路基板、前記ハウジング、及び前記基板を前記電子制御ユニットとしてともに接着させる工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記回路基板が前記棚上に配設される前に、部分組立体を作り出すように、コネクタを前記回路基板に組み立てる工程を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記コネクタと前記ハウジングとの間の境界面には、前記密閉剤がない、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、自動車用制御組立体に関し、より具体的には、接着型電子制御ユニットを実装するための方法及び/又は装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業者は、一般的に、完全に組み立てられた電子モジュールの密閉レベルを規定する。モジュール内のプリント回路基板とモジュール外の車両ハーネスとが電気的に接触するように、通常、電子モジュール上に1つ以上のコネクタが含まれている。コネクタと電子モジュールハウジングとの間にあり得るリークパスは、一般的に、施されたシール又はガスケットで密閉されている。
【0003】
現在の電子モジュール設計では、プラスチックハウジング及び基部、又はゴムガスケットを使用して、基部をハウジングに密閉する。電子モジュールでは、隙間を埋めるために、ハウジングの外側にポッティング成分又は接着成分も使用する。この設計手法は、費用がかさみ、他の欠点がある。
【0004】
接着型電子制御ユニットを実装することが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ハウジング、回路基板、密閉剤、及び基板を含む装置に関する態様に及ぶ。ハウジングは、開側面に沿って棚及びフランジを備え得る。回路基板は、(i)ハウジングの棚上に、またハウジングのフランジ内側に配設され、(ii)ハウジングに固定され得る。密閉剤は、(i)ハウジングの開側面を通して、(ii)フランジと回路基板との間の隙間に沿って施され得る。基板は、ハウジングに圧縮され、それによって、密閉剤を(i)基板と回路基板との間、また(ii)基板とフランジとの間に流れさせることができる。
【0006】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、密閉剤は、電子制御ユニットとして、回路基板、ハウジング、及び基板をともに接着するように硬化される。
【0007】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、回路基板が棚上に配設される前に、部分組立体を作り出すように、コネクタが回路基板に組み立てられる。
【0008】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、コネクタとハウジングとの間の境界面には、密閉剤がない。
【0009】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、コネクタがハウジングに溶接されている。
【0010】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、板が、(i)コネクタとハウジングとの間に配設され、(ii)コネクタに溶接されている。
【0011】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、ハウジングは、密閉剤のみによって基板に固定されている。
【0012】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、1つ以上の締結具が、ハウジングを密閉剤の外側で基板に固定するように構成されている。
【0013】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、基板が、基板のハウジングへの圧縮の前に、すでに密閉剤が施された状態でハウジングに位置合わせされている。
【0014】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、密閉剤が、回路基板の周縁に沿って途切れのないビードとして施されている。
【0015】
上記の装置態様のいくつかの実施形態によっては、密閉剤は、ハウジングの内部への流体浸透に対して最低限の密閉しかもたらさない。
【0016】
本発明は、電子制御ユニットを組み立てるための方法に関する第2の態様にも及び、この方法は、回路基板をハウジングに固定する工程であって、(i)ハウジングが、開側面に沿って棚及びフランジを備え、(ii)回路基板が、棚上に、またフランジ内側に配設される、固定する工程と、密閉剤を、(i)ハウジングの開側面を通して、(ii)フランジと回路基板との間の隙間に沿って施す工程と、基板をハウジングに圧縮することによって、密閉剤を(i)基板と回路基板との間、また(ii)基板とフランジとの間に流れさせる工程と、を含む。
【0017】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、密閉剤を硬化させて、電子制御ユニットとして、回路基板、ハウジング、及び基板をともに接着させる。
【0018】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、回路基板が棚に配設される前に、部分組立体を作り出すように、コネクタを回路基板に組み立てる。
【0019】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、コネクタとハウジングとの間の境界面には、当該密閉剤がない。
【0020】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、ハウジングは、密閉剤のみによって基板に固定される。
【0021】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、ハウジングを1つ以上の締結具を使用して密閉剤の外側で基板に固定する工程を含む。
【0022】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、ハウジングへの基板の圧縮の前に、密閉剤がすでに施された状態で、基板をハウジングに位置合わせする工程を含む。
【0023】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、密閉剤が、回路基板の周縁に沿って途切れのないビードとして施される。
【0024】
上記の第2の方法態様のいくつかの実施形態によっては、密閉剤は、ハウジングの内部への流体浸透に対する最低限の密閉しかもたらさない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施形態は、以下の発明を実施するための形態、添付の特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。
図1】本発明の実施形態例による、装置の斜視図を示す略図である。
図2】本発明の実施形態例による、装置の部分組立体を示す略図である。
図3】本発明の実施形態例による、装置の上部ハウジングを示す略図である。
図4】本発明の実施形態例による、部分的に組み立てられた装置を示す略図である。
図5】本発明の実施形態例による、装置の基板を示す略図である。
図6】本発明の実施形態例による、装置のつる巻きバネを示す略図である。
図7】本発明の実施形態例による、組み立て中の装置の断面図を示す略図である。
図8】本発明の実施形態例による、基板が上部ハウジングに固定された後の装置の部分断面図を示す略図である。
図9】本発明の実施形態例による、組み立てられた際の装置の完全断面図を示す略図である。
図10】本発明の実施形態例による、組み立てられた装置の側面図を示す略図である。
図11】本発明の実施形態例による、装置を組み立てるための方法の流れ図である。
図12】本発明の実施形態例による、別の装置の斜視図を示す略図である。
図13】本発明の実施形態例による、図12の基板の斜視図を示す略図である。
図14】本発明の実施形態例による、図12の組み立てられた装置の側面図を示す略図である。
図15】本発明の実施形態例による、また別の装置の一部を示す略図である。
図16】本発明の実施形態例による、図15の装置の一部の断面図を示す略図である。
図17】本発明の実施形態例による、組み立て後の図15の装置の斜視図を示す略図である。
図18】本発明の実施形態例による、別の装置の一部を示す略図である。
図19】本発明の実施形態例による、バネ仕掛け溶接を示す略図である。
図20】本発明の実施形態例による、別のバネ仕掛け溶接を示す略図である。
図21】本発明の実施形態例による、また別のバネ仕掛け溶接を示す略図である。
図22】本発明の実施形態例による、更に別の装置の一部を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態は、(i)費用効率を高めることができ、(ii)密閉性能を高めることができ、(iii)機械的伝達機能性能を高めることができ、(iv)電磁適合性性能を高めることができ、(v)コネクタがハウジング内にオーバーモールドされている同様のハウジングよりも費用を抑えることができ、(vi)電子構成要素の設置面積を広げることができ、(vii)組み立てライン製造を簡略化することができ、(viii)ハウジングとコネクタとの間に堅牢な密閉をもたらすことができ、(ix)溶接中にコネクタとハウジングとの間に何の動きももたらさないことができ、(x)バネ仕掛け溶接部を設けることができ、(xi)強固なハウジング組立体をもたらすことができ、かつ/又は(xii)ねじなしで組み立てられ得る、接着型電子制御ユニットを提供することを含む。
【0027】
本発明の様々な実施形態において、対応するピンを有するコネクタがプリント回路基板に組み立てられ得る。結果もたらされた部分組立体が、4つの閉側面を有するボックスハウジングに固定され得る(例えば、溶接され得るかつ/又は接着され得る)。ハウジングに固定された部分組立体は、一般に、5側面ハウジングを形成する。コネクタが、ハウジングに完全に密閉されてもよい。
【0028】
ハウジング、部分組立体(例えば、プリント回路基板及びコネクタ)及び基板で接着する密閉剤を使用して、電子制御ユニットの様々な構成要素をともに保持することができる。密閉剤は、一般に、電子制御ユニットを密閉させ、構成要素間の接着(又は締結)をもたらす。プリント回路基板のかなりの周縁部分が、ハウジングと基板との間に接着されるため、様々な実施形態において、プリント回路基板を取り付けるのに使用される一般的な締結具を省略することができる。他の実施形態において、いくつかの締結具及び/又は締結具の位置が、モジュールの性能を妨げないように減らされかつ/又はずらされてもよい。
【0029】
図1を参照すると、本発明の実施形態例による、装置100の斜視図を示す略図が示されている。様々な実施形態において、装置100は、電子制御ユニット(又はモジュール)を実装してもよい。装置100は、一般に、上部ハウジング102、下部ハウジング(又はカバー又は基板)104、及び部分組立体106で構成されている。
【0030】
上部ハウジング102は、非導電性筐体として実装されてもよい。下部ハウジング104及び部分組立体106と嵌合している間、上部ハウジング102は、環境的に密閉された筐体をもたらすように構成され得る。筐体は、部分組立体106の構成要素及びデバイスを保護することができる。上部ハウジング102は、一般に、プラスチック又は樹脂系材料で構成されている。様々な実施形態において、プラスチック材料には、ポリアミド(ナイロン)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、PBT)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、並びに/又は樹脂の様々な合金及び/若しくは充填剤が含まれ得るが、これらに限定されるわけではない。特定用途の基準を満たすように、他の材料が実装され得る。
【0031】
下部ハウジング104は、導線性基板として実装されてもよい。下部ハウジング104は、一般に、装置100に機械的支持、熱冷却及び電気接地を提供するように構成されている。様々な実施形態において、下部ハウジング104は、ダイカストアルミニウム基板で構成され得る。別の例では、基板104は、型打ち鋼基板として実装され得る。金属材で基板104を実装することにより、装置100内の回路機構によって発生する熱を放散させるのを助けることができる。基板104は、一般に、装置100に取り付け占有面積を提供するように構成されている。ある例では、基板104は、試験を簡略化するように、RCM8取り付け占有面積で実装され得る。しかしながら、特定用途の設計基準を満たすように、他の占有面積が実装され得る。
【0032】
部分組立体(又は電気組立体)106が、装置100の電子構成要素を実装してもよい。部分組立体106は、1つ以上の電気機能を果たすように使用可能であり得る。電気機能には、装置100内部のすべての電気構成要素に、装置100の外部への接地路を提供すること、車両内の様々な回路から、装置100内部に取り付けられた電子構成要素に電気入力を伝達すること、車両内の電子センサの性能をモニタすること、及び/又は装置100に取り付けられた電子構成部品に車両の加速変化を伝達すること、が含まれ得るが、これらに限定されない。様々な実施形態において、部分組立体106は、一般に、1つ以上のプリント回路基板に取り付けられた1つ以上の一体型コネクタを有する板を備える。板は、上部ハウジング102に固定されている間、組立体100の5つの側面を成すように形作られ得る。プリント回路基板は、電気機能を果たすように構成された電気回路機構を含み得る。
【0033】
図2を参照すると、部分組立体106の実装形態を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。部分組立体106は、一般に、1つ以上のコネクタ108、1つ以上のプリント回路基板110、板112及び複数の電線114で構成されている。様々な実施形態において、板112は、密閉表面を成すように、コネクタ108に一体形成され得る。他の実施形態において、板112は、コネクタ108とは別に形成され、続いてコネクタ108の一部として互いに接合され得る。電線114は、コネクタ108のピン及び/又はソケットとプリント回路基板110との間に複数の電気接続をもたらすことができる。電線114は、板112にほぼ直角であるプリント回路基板110を保持する機械的支持ももたらすことができる。
【0034】
実施形態例において、コネクタ108には、一般に、プリント回路基板110への電気接続をもたらすための72ピンコネクタ及び52ピンコネクタが含まれる。ある例では、コネクタ108は、1.8mmピッチNanoコネクタとして実装され得る。特定用途の基準を満たすように、他の個数のコネクタ、他の個数のピン及び/又は他の個数のソケットが実装され得る。
【0035】
図3を参照すると、上部ハウジング102の実装形態を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。上部ハウジング102は、一般に、多側面(例えば、4側面)筐体として構成されている。基板106に隣接するようになる上部ハウジング102の側面は、開側面120であってもよい。部分組立体106を受容するようになる上部ハウジング102の側面は、開コネクタ側面126であってもよい。開側面120と開コネクタ側面126とは、隣接する側面であってもよい。上部ハウジング102の他の4つの側面は、筐体の閉側面を成すことができる。
【0036】
棚122が、開側面120に隣接する3つの閉側面上に設置されてもよい。棚122が、上部ハウジング102内部に配設されてもよい。棚122は、部分組立体106が上部ハウジング102に固定されている間、プリント回路基板110を受容するように構成され得る。
【0037】
開側面120に隣接する3つの閉側面に、フランジ124が作られてもよい。フランジ124の外側表面は、基板104に嵌合するように平面であってもよい。フランジ124の高さは、プリント回路基板110の厚み、及びプリント回路基板110を突き出る電線114のいずれよりも高くてもよい。
【0038】
開コネクタ側面126には、部分組立体106の板112を受容するように形作られた境界面130があってもよい。様々な実施形態において、部分組立体106の板112は、上部ハウジング102の開コネクタ側面126を完全に覆うように構成され得る。
【0039】
支持表面128が、上部ハウジング102内部に形成されてもよい。プリント回路基板110用の余地を許すように、支持表面128と、フランジ124によって確立された平面との間に隙間があってもよい。
【0040】
図4を参照すると、部分的に組み立てられた装置100を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。部分組立体106と上部ハウジング102とが、ボックスの外側にコネクタ108とともに5側面ボックスを成すように互いに固定されてもよい。板112が、溶接及び/又は接着によって上部ハウジング102に接合されてもよい。5側面ボックスは、一般に、開側面120を除く全方向で密閉されている。
【0041】
プリント回路基板110は、プリント回路基板110の1つの側面が内向きで、別の側面が開側面120を通して外向きになる状態で、棚122上に配設され得る。途切れのないビードの密閉剤140が、開側面120の周縁の周りに施され得る(又は置かれ得る)。途切れのないビードの密閉剤140は、少なくとも、フランジ124及びプリント回路基板110に重なってもよい。様々な実施形態において、ビードの密閉剤140は、部分組立体106の板112にも重なってもよい。実施形態によっては、密閉剤140は、室温硬化(room temperature vulcanizing、RTV)タイプの密閉剤であってもよい。特定用途の設計基準を満たすように、他のタイプの密閉剤が実装されてもよい。
【0042】
図5を参照すると、基板104の実装形態を示す略図が本発明の実施形態例により示されている。基板104は、一般に、上部ハウジング102の開側面120よりも大きな面積を有する。バネ142aが、プリント回路基板110に向く基板104側面に取り付けられてもよい。バネ142aは、基板104に溶接されてもリベット留めされてもよい。
【0043】
様々な実施形態において、バネ142aは、接触バネとして実装されてもよい。接触バネ142aは、導電性材料(例えば、金属)で形成されてもよい。接触バネ142aは、プリント回路基板110から基板104までの電路をもたらすことができる。基板104は、車両(又は構造体)内の所定位置に装置100を固定するのに使用される複数(例えば、3つ)の穴も含み得る。基板104の導電性特徴により、プリント回路基板110から接触バネ142aを通って車両構造体に続き、最後に車両パワーグランドまでの電路が可能になり得る。
【0044】
図6を参照すると、つる巻きバネ142bの実装形態を示す略図が本発明の実施形態例により示されている。つる巻きバネ142bが、接触バネ142aの代わりに実装されてもよい。つる巻きバネ142bは、導電性材料(例えば、金属)で形成されてもよい。つる巻きバネ142bは、プリント回路基板110から基板104までの電路をもたらすことができる。
【0045】
図7を参照すると、組み立て中の装置100の断面図を示す略図が本発明の実施形態例により示されている。組み立て中、部分組立体106がすでに取り付けられた上部ハウジング102は、その開側面120が上向きになるようにひっくり返され得る。上部ハウジング102がひっくり返された状態で、プリント回路基板110の周縁が、棚122上に、またフランジ124内側に定着することができる。プリント回路基板110の一部も、支持表面128上に定着することができる。
【0046】
プリント回路基板110の外縁とフランジ124との間に隙間150があってもよい。密閉剤ビード140が、フランジの内側部分、隙間150、及びプリント回路基板110の外側部分に重なって置かれてもよい。
【0047】
基板104は、密閉剤ビード140が施された後、上部ハウジング102と位置が揃い得る。バネ142(接触バネ142a又はつる巻きバネ142b)が支持表面128と位置が揃い得る。
【0048】
図8を参照すると、基板104が上部ハウジング102に固定された後の装置100の部分断面図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。基板104が上部ハウジング102と位置が揃った後、基板104は、上部ハウジング102に向かって押し下げられ得る。
【0049】
基板104の下方への移動により、密閉剤140を圧縮することができる。この圧縮により、密閉剤140を隙間150に押し込むことができる。隙間150内の密閉剤140は、プリント回路基板110を所定位置に固定するのを助けることができる。密閉剤140が組み立て工程のほとんどの間、可撓性であることから、プリント回路基板110とフランジ124との公差が一般的な設計よりも緩くなり得る。
【0050】
この圧縮は、密閉剤140をプリント回路基板110、フランジ124、及び基板104の内側表面に左右方向にわたって広がらせることもできる。密閉剤140の左右方向流は、基板104と上部ハウジング102との間、また基板104とプリント回路基板110との間に機械的接着が形成される表面積を広げることができる。
【0051】
バネ142が、支持表面128上のプリント回路基板110に接触してもよい。支持表面128は、バネ142により及ぼされる途切れのない力及び/又は装置100が受ける衝撃及び振動により、プリント回路基板110が下方に撓わないようにするのを助けることができる。
【0052】
図9を参照すると、組み立てられた際の装置100の完全断面図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。プリント回路基板110が、密閉剤140の周縁に沿って捕捉され得る。プリント回路基板110の構成要素側面が、上部ハウジング102の内部152へ向いていてもよい。密閉剤140は、一般に、図示のように構成要素にくっ付く。
【0053】
様々な実施形態において、基板104は、上部ハウジング102を取り囲むフランジ154を含み得る。フランジ154は、組み立て中、密閉剤140の外方左右の動きを制限し得る。フランジ154は、車両における通常の動作中に密閉剤140の保護をもたらすこともできる。圧縮された密閉剤140及び場合によるフランジ154は、一般に、上部ハウジング102の内部152への流体浸透に対して最低限の密閉しかもたらさない。
【0054】
図10を参照すると、組み立てられた装置100の側面図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。密閉剤140が硬化している間、組立体100は、図10に示されるように向けられ得る。硬化が完了すると、装置100は、試験ができる状態になり得る。装置100は、図1に示されるように、上部ハウジング102が基板104上になるように、180度回され得る。基板104の上面上の上部ハウジング102は、組立体100が車両/構造体に取り付けられている間、通常の向きであってもよい。ある例では、囲まれたプリント回路基板110を備える装置100は、侵入防御の国際規格に適合し得る密閉接着型電子制御ユニットを実装し得る。侵入規格には、電気エンクロージャにおける固形物体(手及び指のような身体部位を含む)、粉塵、偶発接触、及び水の侵入に対して設けられた保護等級を分類する、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IEC)規格60529で規定されたIP67侵入保護定格、及びエンクロージャによる保護等級(IPコード)、’’Ed.2.2(ジュネーブ:国際電気標準会議、2013)が含まれ得るが、これらに限定されない。IPコードには、軽水スプレー(例えば、IP53)、30分で1メートルの深さまでの完全浸水(例えば、IP67/68)、及び6psiまでの圧力に対する密閉(例えば、IP68)が含まれ得るが、これらに限定されない。水スプレー及び/又は浸水試験を行う前に、85℃に予熱されたモジュールに差圧が規定され得る。
【0055】
図11を参照すると、装置100を組み立てるための方法180の流れ図が、本発明の実施形態例により示されている。方法(又はプロセス)180は、典型的な組み立て装備及び手法を使用して、一般的な製造施設で実施され得る。方法180は、一般に、工程(又は状態)182、工程(又は状態)184、工程(又は状態)186、工程(又は状態)188、工程(又は状態)190、工程(又は状態)、及び工程(又は状態)194を含む。工程182~194の順番は、代表的な例として示されている。特定用途の基準を満たすように、他の工程順番が実装されてもよい。
【0056】
工程182では、コネクタ108と対応する部品112及び114が部分組立体106を成すように、プリント回路基板110と組み立てられ得る。様々な実施形態において、部分組立体106の電気試験が、工程182に含まれてもよい。続いて工程184において、部分組立体106が、上部ハウジング102に固定され得る。様々な実施形態において、部分組立体106は、典型的な溶接技法を使用して、上部ハウジング102に固定されてもよい。他の実施形態では、部分組立体106、市販の接着剤で上部ハウジング102に接着されてもよい。上部ハウジング102と部分組立体106とが接合されると、5側面のボックスが形成され得る。部分組立体106が取り付けられた上部ハウジング102は、続いて、プリント回路基板110の開側面120/背面が上向きの状態で向けられ得る。
【0057】
工程186では、途切れのないビードの密閉剤140が、上部ハウジング102及びプリント回路基板110(場合によっては板112)上に施され得る。工程188では、バネ142が基板104に取り付けられ得る。様々な実施形態において、工程188が、工程182~186のうちのいずれが1つ以上の前、同時、又は後に行われてもよい。
【0058】
工程190において、基板104が、密閉剤140がすでに施された状態の上部ハウジング102に位置合わせされ得る。工程192において、基板104が、密閉剤140及び上部ハウジング102に圧縮され得る。基板104は、5側面ボックスの開側面120を閉じることができる。この圧縮により、密閉剤140が隙間150に流れ込み(図8参照)、プリント回路基板110にわたって広がり得る。工程194において、基板104と上部ハウジング102とがともに保持されている間に硬化プロセスによって密閉剤140が固められ得る。硬化した密閉剤140は、一般に、基板104、上部ハウジング102、及びプリント回路基板110をともに接着させる。硬化プロセスには、熱硬化、湿気硬化、紫外光硬化、及び/又は化学硬化が含まれ得るが、これらに限定されるわけではない。硬化が完了すると、装置100は、場合によっては試験され得る。
【0059】
硬化プロセス中、基板104と上部ハウジング102とが、1つ以上の機構によってともに保持され得る。様々な実施形態において、密閉剤140がまだ柔軟である間に上部ハウジング102と基板104との空間関係を維持するのに、スナップフィット特徴及び/又はねじ切り締結具が使用され得る。
【0060】
図12を参照すると、別の装置200の斜視図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。装置200は、装置100の変形形態であってもよい。装置(又はモジュール)200は、一般に、部分組立体106、上部ハウジング202、及び下部ハウジング(又はカバー又は基板)204で構成されている。上部ハウジング202は、上部ハウジング102の変形形態であってもよい。基板204は、基板104の変形形態であってもよい。変形形態によっては、上部ハウジング202は、上部ハウジング202の下部縁にわたって分散されている複数の場合によるタブ206(図では1つのタブが見える)を含んでもよい。構成によっては、上部ハウジング202は、上部ハウジング202の外部周縁にわたって分散されている複数の場合によるソケット207(図では2つのソケットが見える)も含んでもよい。
【0061】
タブ206は、下部ハウジング204にある開口に係合して、上部ハウジング202と下部ハウジング204との間に施されている密閉剤140に締め付け力を与えるスナップフィットをもたらすように構成され得る。係合すると、タブ206は、密閉剤140が硬化する間、上部ハウジング202と下部ハウジング204との位置を揃えて保持することができる。実施形態によっては、タブ206は、ソケット207なしで実装されてもよい。他の実施形態において、タブ206及びソケット207の両方が実装されてもよい。
【0062】
ソケット207は、ねじ切り締結具(例えばねじ)を受容するように構成され得る。上部ハウジング202と基板204とが互いに位置が揃っている間、ねじ切り締結具は、基板204にある穴に挿入され、上部ハウジング204にあるソケット207内部のねじ山に固定され得る。あるいは、ねじ切り締結具は、ソケット207に挿入され、基板204にあるねじ山に固定され得る。実施形態によっては、ソケット207は、タブ206なしで実装されてもよい。ねじ切り締結具は、上部ハウジング202及び基板204がともに圧縮される前、その最中、又はその後に締められ得る。完全に締められると、ねじ切り締結具は、密閉剤140が硬化している間、上部ハウジング202及び下部ハウジング204を位置を揃えて保持することができる。
【0063】
図13を参照すると、基板204の斜視図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。基板204は、一般に、複数の場合によるソケット208及び複数の場合による開口210で構成されている。ソケット208は、一般に、上部ハウジング202がソケット207を含む構成において実装される。開口210は、上部ハウジング202がタブ206を含む構成において実装され得る。
【0064】
ソケット208は、上部ハウジング202を基板204にしっかり組み立てるのに使用されるねじ切り締結具(例えばねじ)を受容するように構成され得る。実施形態によっては、ソケット208は、上部ハウジング202のソケット207に挿入されるねじ切り締結具を固定するためのねじ山を含んでもよい。他の実施形態において、ソケット208は、ねじ切り締結具が上部ハウジング202のソケット207を通り、ソケット207にねじ込むのを可能にする滑らかな孔であってもよい。
【0065】
図14を参照すると、組み立てられた装置200の側面図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。上部ハウジング202が基板204に組み立てられると、上部ハウジング202のタブ206(実装されている場合)が基板204の開口210に係合して、上部ハウジング202を基板204に保持するスナップフィットをもたらすことができる。ねじ切り締結具212(実装されている場合)が、上部ハウジング202を基板204に固定するのに使用され得る。
【0066】
上部ハウジング202と基板204との間の望ましい締め付け力を完璧にするように、事前規定のトルク量がねじ切り締結具212に掛けられ得る。ある例において、ねじ当たり67Nの締め付け力を与えるように、ねじ切り締結具212が締められ得る(トルクが掛けられ得る)。特定用途の設計基準を満たすように、他のトルク量が掛けられてもよい。
【0067】
図15を参照すると、装置300の一部の実装形態を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。装置300は、装置100及び/又は装置200の変形形態であってもよい。装置(又はモジュール)300は、一般に、部分組立体306、上部ハウジング302、図示されていない下部ハウジング(又はカバー又は基板)、及び溶接リング(又は溶接部分)332で構成されている。
【0068】
上部ハウジング302は、上部ハウジング102及び/又は上部ハウジング202の変形形態であってもよい。変形形態によっては、上部組立体302は、開側面320、開コネクタ側面326、境界面330、ハウジング溶接リブ334、棚122(図示せず)、フランジ124(図示せず)、及び支持表面128(図示せず)を含み得る。開側面320は、開側面120の変形形態であってもよい。開コネクタ側326は、開コネクタ側126の変形形態であってもよい。境界面330は、境界面130の変形形態であってもよい。様々な実施形態において、上部ハウジング302は、タブ206及び/又はソケット207(図12に示される)を含んでもよい。
【0069】
部分組立体306は、部分組立体106の変形形態であってもよい。部分組立体306は、一般に、1つ以上のコネクタ108、1つ以上のプリント回路基板110、電線114、及び板312で構成されている。プリント回路基板110は、電線114によってコネクタ108内のピン及び/又はソケットに接続され得る。
【0070】
板312は、板112の変形形態であってもよい。板312は、コネクタ溶接リブ336を含んでもよい。様々な実施形態において、板312は、密閉表面を成すようにコネクタ108に一体形成されてもよい。他の実施形態において、板312は、コネクタ108とは別個に形成され、後でともに接合されてもよい。
【0071】
開コネクタ側面326には、部分組立体306の板312を受容するように形作られた境界面330があってもよい。様々な実施形態において、部分組立体306の板312は、上部ハウジング302の開コネクタ側面326を完全に覆うように構成され得る。
【0072】
溶接リング332が、コネクタ108の周りを通り、ハウジング溶接リブ334及びコネクタ溶接リブ336に物理的に接続するように構成され得る。溶接リング332は、部分組立体306が上部ハウジング302に位置付けられた後、溶接リブ334及び336に取り付けられ得る。上部ハウジング302は、溶接プロセスに掛けられた溶接力から板312を支持することができる。
【0073】
ハウジング溶接リブ334が、上部ハウジング302から外方に向いてもよい。ハウジング溶接リブ334は、境界面330の3つの側面に沿って周縁に従い得る。ハウジング溶接リブ334は、一般に、溶接リブ332に溶接されるように構成されている。
【0074】
コネクタ溶接リブ336が、板312の周縁の周りに形成され得る。コネクタリブ336は、上部ハウジング302を背にして向いてもよい。コネクタ溶接リブ336は、一般に、溶接リング332に溶接されるように構成されている。
【0075】
図16を参照すると、装置300の一部の断面図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。板312が、上部ハウジング302の境界面330(図15)に配設され得る。溶接リング332が溶接リブ334~336に物理的に接触していてもよい。
【0076】
溶接リング332及び溶接リブ334~336により、一般に、溶接プロセス中、上部ハウジング302と板312との間の相対運動が何もなくなる。溶接プロセス中、上部ハウジング302上の溶接リブ334と板312上の溶接リブ336とが嵌合することができるので、溶接リング332及び溶接リブ334~336しか動くことができない。溶接レーザー光が溶接リング322のみに透過するので、板312は、すぐには溶接レーザー光を透過させない材料から作られ得る。
【0077】
図17を参照すると、組み立て後の装置300の一部の斜視図を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。溶接リング332により、板312と上部ハウジング302との間に永続的な接続がもたらされ得る。
【0078】
溶接リング322及び溶接リブ334~336により、上部ハウジング302と部分組立体306との間に構造上堅牢な境界面がもたらされ得る。溶接リブ334~336の他に、上部ハウジング302及び部分組立体306が受け得る動きは他にない。所定位置に溶接されると、溶接リング322は、一般に、部分組立体306を上部ハウジング302に密閉する。非密閉型式の組立体300が設計される場合、溶接リング322は、いずれの機能性も失うことなく省かれ得る。
【0079】
図18を参照すると、別の装置400の一部を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。装置400は、装置100、装置200及び/又は装置300の変形形態であってもよい。装置(又はモジュール)400は、一般に、上部ハウジング402、部分組立体(図示せず)、及び基板(図示せず)を含む。上部ハウジング402は、上部ハウジング102、202、及び/又は302の変形形態であってもよい。部分組立体は、部分組立体106及び/又は306の変形形態であってもよい。部分組立体は、板412を含んでもよい。板412は、板112及び/又は312の変形形態であってもよい。装置400は、一般に、上部ハウジング402と板412とがぴったり合うように可撓性特徴を備え得るバネ仕掛け設計を示す。様々な実施形態において、上部ハウジング402が、レーザー遮光性であってもよい。他の実施形態において、上部ハウジング402は、レーザー透光性であってもよい。
【0080】
板412は、一般に、タブ440及び可撓性部材442を含む。タブ440及び可撓性部材442は、上部ハウジング402に接触する板412の3つの側面の周りに延在してもよい。
【0081】
上部ハウジング402は、一般に、溝(又は細長穴)444、角446、場合による突出部448、及び別の場合による突出部450で構成されている。溝444、角446、突出部448、及び突出部450は、板412に接触する上部ハウジングの3つの側面の周りに延在してもよい。溝444は、板412のタブ440が溝444に挿入され得るような形であってもよい。
【0082】
図19を参照すると、バネ仕掛け溶接を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。図19のバネ仕掛け設計では、一般に、上部ハウジング402の3つの側面に沿って溝444に挿入されている板412のタブ442がある。実施形態によっては、図示の設計では、突出448を含まなくてもよい。可撓性部材442の自由端は、通常、突出部450(図示)、また実装されていれば、突出部448(図示せず)を起点として延在し得る。可撓性部材442は、突出部450と接触するまで、曲がっていてもよい。曲がっている間、可撓性部材442は、角446を押して、前負荷(又は干渉)ポイント460を設けることもできる。前負荷ポイント460により、一般に、板412と上部ハウジング402とがぴったり合うようになる。可撓性部材442を上部ハウジング402の突出部450に溶接するのに、溶接レーザー光462が使用され得る。溶接レーザー光462を可撓性部材442に通すことができる。結果としてもたらされた溶接は、構成要素402と412との間の密閉基準を満たすことができ、器械的保定を高めることができる。
【0083】
図20を参照すると、別のバネ仕掛け溶接を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。図20のバネ仕掛け設計では、一般に、上部ハウジング402の3つの側面に沿って溝444に挿入されている板412のタブ442がある。可撓性部材442の自由端は、通常、突出部448及び突出部450を背にして延在し得る。可撓性部材442は、突出部448及び突出部450に接触するまで、曲がっていてもよい。曲がっている間、可撓性部材442は、突出部448を押して、前負荷ポイント460を設けることができる。可撓性部材442を突出部450に溶接するのに、溶接レーザー光462が使用され得る。溶接レーザー光462を可撓性部材442に通すことができる。結果としてもたらされた溶接は、構成要素402と412との間の密閉基準を満たすことができ、器械的保定を高めることができる。
【0084】
図21を参照すると、また別のバネ仕掛け溶接を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。図21のバネ仕掛け設計では、一般に、上部ハウジング402の3つの側面に沿って溝444に挿入されている板412のタブ442がある。実施形態によっては、図示の設計は、突出部450を含まなくてもよい。可撓性部材442の自由端は、通常、突出部448、また実装されていれば、突出部450を背にして延在し得る。可撓性部材442は、突出部448及び上部ハウジング402の外縁に接触するまで、曲がっていてもよい。曲がっている間、可撓性部材442は、突出部448を押して、前負荷ポイント460を設けることができる。可撓性部材442を上部ハウジング402の外縁に溶接するのに、溶接レーザー光462が使用され得る。溶接レーザー光462を上部ハウジング402に通すことができる。結果としてもたらされた溶接は、構成要素402と412との間の密閉基準を満たすことができ、器械的保定を高めることができる。
【0085】
図22を参照すると、装置400aの一部を示す略図が、本発明の実施形態例により示されている。装置400aは、装置100、装置200、装置300、及び/又は装置400の変形形態であってもよい。装置(又はモジュール)400aは、一般に、上部ハウジング402a、部分組立体(図示せず)、及び基板(図示せず)を含む。上部ハウジング402aは、上部ハウジング102、202、302、及び/又は402の変形形態であってもよい。部分組立体は、部分組立体106及び/又は306の変形形態であってもよい。部分組立体は、板412aを含み得る。板412aは、板112、312、及び/又は412の変形形態であってもよい。装置400aは、一般に、上部ハウジング402aと板412aとがぴったり合うように、可撓性特徴が上部ハウジング402a上にあり得るバネ仕掛け設計を示す。様々な実施形態において、上部ハウジング402aは、レーザー透光性であってもよい。
【0086】
板412aは、一般に、突出部452を含む。突出部452は、上部ハウジング402aに接触する板412aの3つの側面の周りに延在してもよい。
【0087】
上部ハウジング402aは、一般に、溝444(図18参照)、フランジ454、及び横材456で構成されている。溝444、フランジ454、及び横材456は、板412aに接触する上部ハウジング402aの3つの側面の周りに延在してもよい。溝444は、板412aの突出部452が溝444に挿入され得るような形であってもよい。
【0088】
板412a及び突出部452が上部ハウジング402aに嵌合した場合、横材456の自由端が、板412aを背にして、突出部452によって曲がっていてもよい。曲がっている間、横材456は、突出部452の角を押して、前負荷(又は干渉)ポイント460を設けることができる。前負荷ポイント460により、板412aと上部ハウジング402aとがほぼぴったり合うようになる。横材456を突出部452に溶接するのに、溶接レーザー光462が使用され得る。溶接レーザー462を横材456に通すことができる。その結果もたらされる溶接は、構成要素402aと412aとの間の密閉基準を満たすことができ、器械的保定を高めることができる。
【0089】
前負荷設計は、一般に、コネクタと上部ハウジングとの間の相対運動をなくす。前負荷設計は、上部ハウジングとコネクタとの間に構造上堅牢な境界面をもたらすことができる。様々な実施形態において、溶接の唯一の機能は、密閉のためであり得る。非密閉型式のモジュールが望まれる場合、溶接プロセスが省かれ得る。
【0090】
装置100/200/300/400/400aは、一般に、従来の設計を超えるいくつかの利点をもたらす。具体的には、装置にねじを使用しなくてもよいので、対応するねじポケットの周りを密閉する工程を行わなくてもよい。また、上部ハウジングにおいて、金属インサートをねじに適合させなくてもよい。上部ハウジングへのプリント回路基板の機械的締結は、密閉剤によってなされ得る。組立体は、IP67試験及びより高い密閉基準に合格することができる。
【0091】
締結具が、組立体の寿命にわたって上部ハウジング及び基板をともに保持するように実装されている場合、締結具は、密閉域の外に含まれていてもよい。締結具には、タブ及び開口が含まれ得るが、これらに限定されず、完全な組み立てにはねじ及び/又は圧入設計が含まれ得る。
【0092】
基板が導電性材料(例えば金属)で作られ得るので、装置の電磁両立性(Electromagnetic Compatibility、EMC)性能が高められ得る。結合コネクタ/基板が上部ハウジングに溶接され、それにより、密閉型モジュールを形成し、コネクタを所定位置に保つことができる。プラスチック型基板を上部ハウジングに溶接する又は付着させるのに、方法180も使用され得る。
【0093】
装置100/200/300/400/400aの設計及び組み立ての技法には、費用効率が良く、モジュールの性能を高めるという利点があり得る(密閉、機械的伝達機能、及びEMC性能に関して)。上部ハウジングへの部分組立体の溶接/接着により、ハウジング境界面へのコネクタ板に密閉剤を施すのを避けることができる。施された密閉剤が構成要素のバラツキを和らげることができるので、より大きな部品及び組立体の公差が可能になり得る。また、モジュール全体を密閉するのに、密閉剤を施す作業を1回実施するだけでよい。
【0094】
金属型基板は、プラスチックハウジング及びプラスチックカバーによるECU設計に比べて、機械的伝達機能(Mechanical Transfer Function、MTF)を高めることができる。装置では、コネクタがハウジングにオーバーモールドされている同様のハウジングよりも費用を抑えることができる。プリント回路基板を貫通する又は筐体の内部を貫通する締結具がないので、プリント回路基板上の電子構成要素用のエリアを広げることができる。
【0095】
方法180は、コネクタが、上部ハウジングに取り付けられると、上部ハウジングに完全に密閉され得るので、より単純な組み立てラインを可能にし得る。上部ハウジングへの部分組立体の溶接/接着により、上部ハウジングとコネクタ及び板との間に堅牢な密閉をもたらすことができる。コネクタ及び板が、上部ハウジングに溶接/接着されると、そこで構造的構成要素となり得るので、仕上りの装置は、機械的に強くなり得る。
【0096】
図1~22の図に示されている機能及び構造は、当業者には明らかであるように、従来型汎用プロセッサ、デジタルコンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、分散型コンピュータリソース、及び又は本明細書の教示に従ってプログラムされた同様の計算機のうちの1つ以上を使用して、設計、モデル化、エミュレート、かつ/又はシミュレートされ得る。該当するソフトウェア、ファームウェア、符号化、ルーチン、命令、オペコード、マイクロコード、及び/又はプログラムモジュールが、本開示の教示に基づき、また当業者であれば分かるように、技能を有するプログラマによってすでに準備されている可能性がある。ソフトウェアは、一般に、1つの媒体又はいくつかの媒体、例えば非一時的記憶媒体において具体化され、プロセッサのうちの1つ以上によって、連続して又は並行して実行され得る。
【0097】
「is(are)」及び動詞と併せて本明細書で使用される際の「may(であってもよい)」及び「generally(一般に)」と言う用語は、発明を実施するための形態が例示であり、本開示に提示されている具体例とともに本開示に基づき導出され得る代替例にも及ぶほど十分に広義であると考えられるという意図を伝えることを目的としている。本明細書で使用される際の「may(であってもよい)」及び「generally(一般に)」と言う用語は、対応する要素を省くことの望ましさ及び可能性を必然的にほのめかすと解釈されるべきではない。
【0098】
本発明は、特に、その実施形態に関連して図示され、説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しない限り、形態及び詳細の様々な変更がなされ得ることが分かるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】