(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(54)【発明の名称】断続的断食模倣のための栄養バー
(51)【国際特許分類】
A23L 33/00 20160101AFI20220215BHJP
A23L 33/17 20160101ALI20220215BHJP
【FI】
A23L33/00
A23L33/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525164
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 US2019060861
(87)【国際公開番号】W WO2020097615
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521197025
【氏名又は名称】エル-ニュートラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンゴ、ヴァルター ディー.
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LE01
4B018MD02
4B018MD09
4B018MD19
4B018MD25
4B018MD26
4B018MD33
4B018MD48
4B018MD57
4B018MD94
4B018ME14
(57)【要約】
断続的断食模倣食に使用される栄養バーは、マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻仁、ココナッツオイル、カカオ由来物、及びココナッツ粉、の任意の組み合わせを含む。特徴的には、脂肪40%以上の前記栄養バーは100~300kcalを提供し、そのうち40パーセントkcalは脂肪からのものであり、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マカダミアナッツ、
蜂蜜、
ピーカン、
アーモンド又はアーモンドミール、
アーモンドバター、
イヌリン、
亜麻仁又は亜麻仁ミール、及び
ココナッツ粉、
を含み、
100~300kcalを提供し、そのうち40パーセントkcalは脂肪からのもので、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である、
断食又は断食模倣食のための栄養バー。
【請求項2】
脂肪の推奨一日食餌値の25~38重量パーセント及び炭水化物の推奨一日食餌値の1~10重量パーセントkcalを提供する、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項3】
さらにココナッツ及び/又はココナッツオイルを含む、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項4】
さらにカカオ由来物を含む、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項5】
前記カカオ由来物は、カカオマス、カカオパウダー、カカオバター、カカオニブ、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される材料を含む、請求項4に記載の栄養バー。
【請求項6】
さらに海塩を含む、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項7】
さらに香味料、ミックストコフェロール、無水クエン酸、及びアスコルビン酸を含む、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項8】
マカダミアナッツは、前記栄養バーの総重量の約17.6~26.5重量パーセントの量で存在し、
蜂蜜は、前記栄養バーの総重量の約15.2~22.7重量パーセントの量で存在し、
ピーカンは、前記栄養バーの総重量の約12.3~18.5重量パーセントの量で存在し、
アーモンドミールは、前記栄養バーの総重量の約10.4~15.6重量パーセントの量で存在し、
アーモンドバターは、前記栄養バーの総重量の約9.2~13.8重量パーセントの量で存在し、
カカオ由来物は、前記栄養バーの総重量の約4.5~6.8重量パーセントの量で存在し、
ココナッツは、前記栄養バーの総重量の約5.2~7.8重量パーセントの量で存在し、
イヌリンは、前記栄養バーの総重量の約4.1~6.2重量パーセントの量で存在し、
亜麻仁は、前記栄養バーの総重量の約3.3~5.0重量パーセントの量で存在し、
ココナッツオイルは、前記栄養バーの総重量の約0.0~1.3重量パーセントの量で存在してもよく、
ココナッツ粉は、前記栄養バーの総重量の約1.0~1.6重量パーセントの量で存在し、
海塩は、前記栄養バーの総重量の約0.3~0.4重量パーセントの量で存在し、
香味料は、前記栄養バーの総重量の約0.3~0.5重量パーセントの量で存在し、
ミックストコフェロールは、前記栄養バーの総重量の約0.0~0.1重量パーセントの量で存在し、
無水クエン酸は、前記栄養バーの総重量の約0.033~0.049重量パーセントの量で存在し、及び
アスコルビン酸は、前記栄養バーの総重量の約0.033~0.049重量パーセントの量で存在する、
請求項1に記載の栄養バー。
【請求項9】
マカダミアナッツは、前記栄養バーの総重量の約15.1~22.6重量パーセントの量で存在し、
蜂蜜は、前記栄養バーの総重量の約13.9~20.8重量パーセントの量で存在し、
ピーカンは、前記栄養バーの総重量の約13.2~19.8重量パーセントの量で存在し、
アーモンドチョップ(chopped almond)は、前記栄養バーの総重量の約12.2~18.3重量パーセントの量で存在し、
アーモンドバターは、前記栄養バーの総重量の約7.5~11.2重量パーセントの量で存在し、
ココナッツは、前記栄養バーの総重量の約4.5~6.8重量パーセントの量で存在し、
イヌリンは、前記栄養バーの総重量の約3.6~5.5重量パーセントの量で存在し、
亜麻仁は、前記栄養バーの総重量の約3.5~5.3重量パーセントの量で存在し、
ココナッツオイルは、前記栄養バーの総重量の約0.0~1.4重量パーセントの量で存在し、
ココナッツ粉は、前記栄養バーの総重量の約0.7~1.1重量パーセントの量で存在し、
海塩は、前記栄養バーの総重量の約0.3~0.4重量パーセントの量で存在し、
香味料は、前記栄養バーの総重量の約0.3~0.4重量パーセントの量で存在し、
ミックストコフェロールは、前記栄養バーの総重量の約0.0~0.1重量パーセントの量で存在し、
無水クエン酸は、前記栄養バーの総重量の約0.033~0.049重量パーセントの量で存在し、及び
アスコルビン酸は、前記栄養バーの総重量の約0.033~0.049重量パーセントの量で存在する、
請求項1に記載の栄養バー。
【請求項10】
マカダミアナッツは、前記栄養バーの総重量の17.6~26.5重量パーセントの量で存在し、
蜂蜜は、前記栄養バーの総重量の15.2~22.7重量%パーセントであり、
ピーカンは、前記栄養バーの総重量の12.3~18.5重量パーセントの量で存在し、
アーモンドミールは、前記栄養バーの総重量の約10.4~15.6重量パーセントの量で存在し、
アーモンドバターは、前記栄養バーの総重量の約9.2~13.8重量パーセントの量で存在し、
ココナッツは、前記栄養バーの総重量の約5.2~7.8重量パーセントの量で存在し、
イヌリンは、前記栄養バーの総重量の約4.1~6.2重量パーセントの量で存在し、
亜麻仁は、前記栄養バーの総重量の約3.3~5.0重量パーセントの量で存在し、
ココナッツオイルは、前記栄養バーの総重量の約0~1.3重量パーセントの量で存在し、
ココナッツ粉は、前記栄養バーの総重量の約1.0~1.6重量パーセントの量で存在し、
海塩は、前記栄養バーの総重量の約0.3~0.5重量パーセントの量で存在し、
ミックストコフェロールは、前記栄養バーの総重量の約0.0~0.1重量パーセントの量で存在し、
クエン酸は、前記栄養バーの総重量の約0.033~0.049重量パーセントの量で存在し、及び
アスコルビン酸は、前記栄養バーの総重量の約0.033~0.049重量パーセントの量で存在する、
請求項1に記載の栄養バー。
【請求項11】
マカダミアナッツは、前記栄養バーの総重量の15.1~22.6重量パーセントの量で存在し、
蜂蜜は、前記栄養バーの総重量の13.9~20.8重量パーセントの量で存在し、
ピーカンは、前記栄養バーの総重量の13.2~19.8重量パーセントの量で存在し、
アーモンドは、前記栄養バーの総重量の12.2~18.3重量パーセントの量で存在し、
アーモンドバターは、前記栄養バーの総重量の7.5~11.2重量パーセントの量で存在し、
カカオ由来物は、前記栄養バーの総重量の4.5~6.8重量パーセントの量で存在し、
ココナッツは、前記栄養バーの総重量の4.2~6.3重量パーセントの量で存在し、
イヌリンは、前記栄養バーの総重量の3.6~5.5重量パーセントの量で存在し、
亜麻仁は、前記栄養バーの総重量の3.5~5.3重量パーセントの量で存在し、
ココナッツオイルは、前記栄養バーの総重量の0.0~1.4重量パーセントの量で存在し、
ココナッツ粉は、前記栄養バーの総重量の0.7~1.1重量パーセントの量で存在し、
海塩は、前記栄養バーの総重量の0.3~0.4重量パーセントの量で存在し、
ミックストコフェロールは、前記栄養バーの総重量の0.0~0.1重量パーセントの量で存在し、
クエン酸は、前記栄養バーの総重量の0.033~0.049重量パーセントの量で存在し、及び
アスコルビン酸は、前記栄養バーの総重量の0.033~0.049重量パーセントの量で存在する、
請求項1に記載の栄養バー。
【請求項12】
アーモンドバターは、前記栄養バーの総重量の7~11重量パーセントの量で存在し、
マカダミアナッツは、前記栄養バーの総重量の16~24重量パーセントの量で存在し、
オレオレジンは、前記栄養バーの総重量の0.04~0.06重量パーセントの量で存在し、
イヌリンは、前記栄養バーの総重量の11~18重量パーセントの量で存在し、
蜂蜜は、前記栄養バーの総重量の7~10重量パーセントの量で存在し、
バニラパウダーは、前記栄養バーの総重量の0.5~1重量パーセントの量で存在し、
塩は、前記栄養バーの総重量の0.3~0.4重量パーセントの量で存在し、
亜麻仁ミールは、前記栄養バーの総重量の4~6重量パーセントの量で存在し、
アーモンドミールは、前記栄養バーの総重量の13~19重量パーセントの量で存在し、
ココナッツ粉は、前記栄養バーの総重量の7~10重量パーセントの量で存在し、及び
ピーカンは、前記栄養バーの総重量の13~20重量パーセントの量で存在する、
請求項1に記載の栄養バー。
【請求項13】
前記アーモンドは、アーモンドチョップ(chopped almond)、アーモンドミール、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項14】
前記栄養バーの重量が40~50グラムである、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項15】
前記栄養バーの重量が90~110グラムである、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項16】
請求項1に記載の栄養バーを含む、断食模倣食パッケージ。
【請求項17】
朝食、昼食、又は夕食を置き換えることができる、断食を模倣した「代替食(meal replacement)」バー又は断食を模倣した「軽食(light meal)」バーである、請求項1に記載の栄養バー。
【請求項18】
所定数の食事機会(predetermined number of meals)に栄養バーを摂取するだけである、12~24時間以下の対象による断食を含む、断続的断食の方法:
ここで前記栄養バーは、
マカダミアナッツ、
蜂蜜、
ピーカン、
アーモンド、
アーモンドバター、
ココナッツ、
イヌリン、
カカオ由来物、
亜麻仁、及び
ココナッツ粉、
を含み、100~300kcalを提供し、そのうち40パーセントkcalは脂肪からのものであり、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。
【請求項19】
前記所定数の食事機会(predetermined number of meals)が1食、2食、又は3食である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
断食模倣食を必要としている対象を特定すること;及び
タンパク質源からのカロリーが約10パーセント未満である断食模倣食を対象に提供すること、ここで、前記断食模倣食は、前記対象の通常のカロリー摂取量の50%以下を提供し、提供されるキロカロリーの50%以上は脂肪に由来し、前記断食模倣食は栄養バーを含む、
を含む方法:
ここで、前記栄養バーは、
マカダミアナッツ、
蜂蜜、
ピーカン、
アーモンド、
アーモンドバター、
ココナッツ、
イヌリン、
カカオ由来物、
亜麻仁、及び
ココナッツ粉、
を含み、100~300kcalを提供し、そのうち、40パーセントkcalは脂肪からのものであり、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。
【請求項21】
前記断食模倣食は、対象に1日当たり約300~1200kcalを提供する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
さらに、対象のグルコース及び/又はIGF-1レベルをモニタリングすることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記断食模倣食は、1日間~14日間の第一の期間にわたり対象に投与する、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記断食模倣食が対象1ポンド当たり3~7キロカロリーを提供する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
さらに、前記断食模倣食に続く第二の期間にわたり対象に第二の食餌を投与することを含み、ここで前記第二の食餌は、25~26日の間、対象の通常のカロリー消費量からの差異が20パーセント以内である全体的カロリー摂取量を提供する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記断食模倣食はアミノ酸特化サプリメントを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2018年11月9日に出願された米国仮出願第62/758,033号の利益を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本開示に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、対象に栄養素を提供する断食模倣食の栄養バーの成分に関する。別の態様では、本発明は、40%以上の脂肪を含む栄養バーに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、断食模倣食が多くの健康上の利益をもたらすことが見出された。例えば、断食模倣食は、代謝の健康(例えば、体重、加齢関連のマーカー群、炎症マーカー群、メタボリックシンドローム、糖尿病、及び高血圧など)だけでなく、化学療法による症状の緩和、並びにアルツハイマー病を改善するのに役立つことが分かっている。
【0004】
米国特許出願15/432,803号は、断食模倣食に従って、対象に毎日の食品成分を提供するように設計された食餌パッケージを提供する。この食餌パッケージは、全て、断食を模倣した、例えば、スープミックス、栄養バー、及びクラッカーなどの様々な成分を含む。前記従来技術の断食模倣食成分はうまく機能するが、改善された調合及び魅力的な味の特性を有する組成物が望まれる。
【0005】
したがって、断続的断食又は前記断食模倣食に使用される、新規の栄養バーが求められている。
【発明の概要】
【0006】
この従来技術の背景に対して、断食又は断食模倣食のための栄養バーが提供される。前記栄養バーは、以下のものの任意の組み合わせを含む;マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、亜麻仁、ココナッツ粉、ココナッツオイル、カカオ由来物(cocoa derivatives)。前記栄養バーは、100~300kcalを提供し、そのうち少なくとも40パーセントkcalは脂肪からのもので、10~30パーセントkcalは10グラム未満のタンパク質を含む炭水化物からのものである。前記栄養バーは、脂肪の推奨一日食餌値(「一日摂取量目安(the daily value)」)(例えば、2019年11月1日において英国保健省及び欧州連合の欧州食品安全機関で使用されている、一日当たり2000kcalの食餌に基づく栄養要件)の25~38重量パーセント、及び炭水化物の推奨一日食餌値の1~10重量パーセントkcalを提供することが認識されるべきである。ある調整例においては、前記一日摂取量目安は65gの脂肪及び280gの炭水化物である。
【0007】
別のある態様では、断続的断食の方法が提供される。前記方法は、対象が、所定数の食餌にわたって栄養バーを摂取するだけである12~24時間の断食ステップを含む。前記栄養バーの詳細は本開示中に記載する。特に、前記栄養バーは、以下のものの任意の組み合わせを含む;マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、カカオ由来物、亜麻仁、及びココナッツ粉。特徴的には、前記栄養バーは100~300kcalを提供し、そのうち、40パーセントkcalは脂肪からのもので、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。
【0008】
別のある変形例では、断食模倣食を投与するための方法が提供される。前記方法は、断食模倣食を必要としている対象を特定するステップを含む。前記対象には、次に、タンパク質源からのカロリーが約10パーセント未満である断食模倣食が提供される。前記断食模倣食は、前記対象の通常のカロリー摂取量の50%以下を提供し、キロカロリーの50%以上は脂肪に由来する。特徴的には、前記断食模倣食は、上記の栄養バーを含む。上記のように、栄養バーは、以下のものの任意の組み合わせを含む;マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、カカオ由来物、亜麻仁、及びココナッツ粉。特徴的には、栄養バーは100~300kcalを提供し、そのうち、40パーセントkcalは脂肪からのもので、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の本質、目的、及び利点をさらに理解するために、以下の図面と併せて読まれる、以下の詳細な説明を参照されたい。ここで、同様の符号は同様の要素を示す。
【0010】
【
図1】
図1は断食栄養バーの例示的な栄養成分表を示す。
【
図2】
図2はナッツ及びカカオの由来物を含む断食栄養バーの例示的な栄養成分表を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本開示に開示される;しかし、開示された実施形態は、種々の代替的な形態で具現化しうる本発明の単なる例示的な実施形態であると理解すべきである。図は、必ずしも原寸比例ではない;一部の特徴は、特定の構成要素の詳細を示すために、誇張又は最小化されている場合がある。ゆえに、本開示に開示される具体的な構造的及び機能的詳細は、限定するものとして解釈されてはならず、単に、本発明をさまざまに使用することを当業者に教示するための代表的土台として解釈されるべきである。
【0012】
実施例及びその他別の解釈が明示されている場合を除き、材料の量又は反応及び/若しくは使用の条件を示す本開示中の数値は全て、本発明の最も広い範囲を記述する場合には、「約(about)」という言葉によって修飾されているものとして理解されるべきである。記載されている限界値内での実施が一般に好ましい。
【0013】
また、相反する内容が明示的に述べられていない限り、以下のとおりとする:
・本発明に関連して、材料の群や種類が、ある目的のために適切又は好ましいものとして記載されている場合、当該群又は種類に属する任意の2つ以上の要素を混合した物も、同等に適切又は好ましいことが意味される。
・化学用語によりなされた構成成分の記載は、本開示に記載された任意の組み合わせ物への添加時の成分を記述するものであって、ひとたび混合された混合物において構成成分同士が化学的相互作用を行うことを必ずしも排除するものではない。
・頭字語又はその他の略語についての最初の定義は、本開示中においてその後に同じ略語が使われた場合の全てに対して適用され、また、最初に定義された略語の通常の文法的派生形に対しても準用される。
・相反する内容が明示的に述べられていない限り、特性の測定は、同じ特性について先に又は後に記載された技術と同じ技術によって測定される。
【0014】
また、具体的な成分及び/又は状態はもちろん変化する場合があるので、本発明は、以下に記載される特定の実施形態及び方法に限定されないことも理解されるべきである。さらに、本明細書において用いられる用語は、本発明の特定の実施形態を記載する目的のためにのみ用いられるものであって、いかなる意味であれ限定することを意図するものではない。
【0015】
また、本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる場合、単数形である「a」、「an」、及び「the」は、文脈が複数形ではないことを明瞭に示している場合以外は複数の対象をも包含することにも留意しなければならない。例えば、構成要素を単数形で記載した場合、複数の構成要素を包含することが意図される。
【0016】
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「有する(having)」、「含む(containing)」又は「特徴とする(characterized by)」と同義である。これらの用語は、端点をも含み、開放型の用語であって、記載されていない追加の要素又は方法ステップを除外するものではない。
【0017】
「からなる(consisting of)」という語句は、請求項に特定されていないあらゆる要素、ステップ又は成分を除外する。この語句が、プレアンブルの直後ではなく、請求項のボディの節に現れる場合、該語句は、その節に記載される要素だけを限定し、他の要素は、請求項全体から除外されない。
【0018】
「から実質的になる(consisting essentially of)」という語句は、請求項の範囲を、記載された材料又はステップ、及びこれに加えて請求項に記載された主題の基本的で且つ新規な特徴又は特徴群に実体的な影響を及ぼさない材料又はステップに限定する。
【0019】
「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、及び「から実質的になる(consisting essentially of)」という用語に関して、これらの3つの用語のうちの1つが本明細書中で使用される場合、現時点で開示された及び請求項に記載された主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含むことができる。
【0020】
整数範囲には、間に位置する整数の全てが明示的に含まれることも理解されるべきである。例えば、整数範囲1~10は、明示的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10を含む。同様に、範囲1~100は、1、2、3、4、・・・97、98、99、及び100を含む。同様に、範囲が参照された場合、上限と下限との差を10で割った値を増分とする中間の数値(複数)を、代替の上限又は下限とすることができる。例えば、範囲が1.1~2.1の場合、以下の数値、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、及び2.0を、下限又は上限として選択できる。本明細書に記載の具体例において、濃度、温度、及び反応条件(例えば、圧力、pHなど)は、有効数字が3桁になるよう端数処理されて示された値のプラス又はマイナス50パーセントで実施してもよい。ある調整例では、濃度、温度、及び反応条件(例えば、圧力、pHなど)は、例に提供されている、値の有効数字が3桁になるよう端数処理されて示された値のプラス又はマイナス30パーセントで実施してもよい。別のある調整例では、濃度、温度、及び反応条件(例えば、pHなど)は、例に提供されている、値の有効数字が3桁になるよう端数処理されて示された値のプラス又はマイナス10パーセントで実施してもよい。
【0021】
本明細書に記載の例においては、組成物、濃度、温度、及び反応条件(例えば、圧力、pH、流量など)は、例に提供されている、値の有効数字が2桁になるよう端数処理又は切り捨てされて示された値のプラス又はマイナス50パーセントで実施してもよい。ある調整例では、濃度、温度、及び反応条件(例えば、圧力、pH、流量など)は、例に提供されている、値の有効数字が2桁になるよう端数処理又は切り捨てされて示された値のプラス又はマイナス30パーセントで実施してもよい。別のある調整例では、濃度、温度、及び反応条件(例えば、圧力、pH、流量など)は、例に提供されている、値の有効数字が2桁になるよう端数処理又は切り捨てされて示された値のプラス又はマイナス10パーセントで実施してもよい。
【0022】
「対象」という用語は、霊長類(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、齧歯動物(例えば、マウス又はラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、及びウシなどの全ての哺乳動物を含む、動物又はヒトを意味する。
【0023】
「断食模倣強化食」という用語は、典型的には対象の通常のカロリー摂取量の50%以下を対象に提供することによって絶食の効果を模倣する食餌を意味する。なお、「断食模倣強化食」という用語は、単に「断食模倣食」と称される場合がある。これらの食餌としては、これまで断食模倣食と称されてきた食餌が挙げられる。本発明の文脈における有用な断食模倣強化食、並びに、例えばIGF-1及びIGFBP1などのマーカーに対するこれらの食餌の効果をモニタリングする方法の例は、2014年11月6日に公開された米国特許公開第2014/0328863号、2015年5月14日に公開された米国特許公開第2015/0133370号、2011年5月19日に公開された米国特許公開第2011/0118528号、2013年2月21日に公開された米国特許公開第2013/0045215号、2013年11月28日に公開された米国特許公開第2013/0316948号、2018年7月10日に発行された米国特許第10,015,980号、2016年1月19日に発行された米国特許第9,237,761号、2016年7月12日に発行された米国特許第9,386,790号、2019年1月8日に発行された米国特許第10,172,839号に記載されており、これらの特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。米国特許第10,015,980号及び第9,237,761号に記載された断食模倣食は、本発明に特に有用であることが見出されている。
【0024】
本発明の一実施形態では、断食模倣食で使用される栄養バーが提供される。前記「栄養バー」は「断食バー」と称される場合がある。栄養バーは、以下のものの任意の組み合わせを含む;マカダミアナッツ、ピーカン、アーモンド、アーモンドミール、アーモンドバター(生又は乾燥玉ねぎから形成される)、ココナッツ、イヌリン、亜麻仁、カカオ由来物、及びココナッツ粉。ある調整例では、栄養バーは、これらの成分のうちの任意の3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、又は10種を含む。ある変形例では、栄養バーは、マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド又はアーモンドミール、アーモンドバター、イヌリン、亜麻仁又は亜麻仁ミール、及びココナッツ粉を含む。ある調整例では、栄養バーはさらにココナッツ及び/又はココナッツオイルを含む。さらなるある調整例では、前記栄養バーはさらにカカオ由来物を含む。各成分の記載は、粉砕され、刻まれ(chopped)、及び/又は乾燥されたものであってもよい成分の一部をも包含することが理解されるべきである。例えば、マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、ココナッツ、及び亜麻仁の記載は、そのような成分の一部、すなわち、殻のないナッツ及びココナッツ、を含む。
【0025】
ある変形例では、前記栄養バーは、朝食、昼食、又は夕食を置き換えることができる、断食を模倣した「代替食(meal replacement)」バー又は断食を模倣した「軽食(light meal)」バーである。
【0026】
典型的には、前記アーモンドミール及び/又は他のナッツ成分は(例えば、コンベクションオーブンで)焙煎してもよい。ある調整例では、前記カカオ由来物は、カカオマス、カカオパウダー、カカオバター、カカオニブ、及びそれらの組み合わせを含む。ある調整例では、前記栄養バーは、オレオレジン、ローズマリー、バニラパウダー、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される成分を含む。ある調整例では、各栄養バーは100~300kcalを提供する。特徴的には、栄養バーは、脂肪の推奨一日食餌値(例えば、2019年11月1日において英国保健省及び欧州連合の欧州食品安全機関で使用されている、一日当たり2000kcalの食餌に基づく栄養要件)の25~38重量パーセントを提供し、炭水化物の推奨一日食餌値の1~10重量パーセントkcalを提供する。
【0027】
いくつかの調整例では、前記栄養バーは、好ましさが増す順で、40重量パーセント以上、45重量パーセント以上、50重量パーセント以上、60重量パーセント以上、又は70重量パーセント以上の量の脂肪、そして好ましさが増す順で、65重量パーセント以下、75重量パーセント以下、85重量パーセント以下、90重量パーセント以下、又は95重量パーセント以下の量の脂肪を含む。ある調整例では、栄養バーは、好ましさが増す順で、1重量パーセント以上、5重量パーセント以上、10重量パーセント以上、12重量パーセント以上、又は15重量パーセント以上の量の炭水化物、そして好ましさが増す順で、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、又は18重量パーセント以下の炭水化物を含む。相反する内容が述べられていない限り、全てのパーセンテージは栄養バーの総重量の重量パーセンテージである。別のある調整例では、各栄養バーは、好ましさが増す順で、1グラム以上、2グラム以上、3グラム以上、4グラム以上、又は5グラム以上の量の脂肪、そして好ましさが増す順で、10グラム以下、12グラム以下、13グラム以下、14グラム以下、又は15グラム以下の量の脂肪を含む。別のある調整例では、各栄養バーは、好ましさが増す順で、1グラム以上、2グラム以上、5グラム以上、8グラム以上、又は10グラム以上の量の炭水化物、そして好ましさが増す順で、20グラム以下、18グラム以下、15グラム以下、13グラム以下、又は12グラム以下の量の炭水化物を含む。別のある調整例では、各栄養バーは、好ましさが増す順で、1グラム以上、2グラム以上、3グラム以上、4グラム以上、又は5グラム以上の量のタンパク質、そして好ましさが増す順で、25グラム以下、20グラム以下、15グラム以下、10グラム以下、又は8グラム以下の量のタンパク質を含む。本明細書に記載の変形例及び調整例はその全てが組み合わせできるものであることが理解されるべきである。
【0028】
ある変形例では、栄養バーはさらに塩(例えば、海塩)を含む。海塩とは、海水の蒸発によって得られる塩を意味する。海塩の主成分は塩化ナトリウムであり、例えば、塩化物イオン及び硫酸イオンのカルシウム塩、カリウム塩、及びマグネシウム塩などの他の塩は0.2%未満~10%である。ある調整例では、栄養バーはさらにココナッツオイルを含んでもよく、含まなくてもよい。特徴的には、栄養バーの成分は、例えば、アーモンドバター、蜂蜜、及びココナッツなどの濃厚な粘性液体成分によって一緒に保持される。この点で、前記アーモンドバターは最も粘性の高い成分(例えば、アーモンドバターペースト)であり、それにより、成分をまとめる凝集力のほとんどを提供する。
【0029】
ある調整例では、前記栄養バーは、さらに、香味料、ミックストコフェロール、無水クエン酸、及びアスコルビン酸を含む。
図1及び
図2は、栄養バーの栄養成分表の例を提供する。ある変形例では、有効値が2桁になるよう切り捨てられている
図1及び
図2に記載される値の+/-20パーセント以内で実施する。表1、表2、表3、表4及び表5は、例示的な組成範囲を提供する。いくつかの変形例では、表1、表2、表3、表4、又は表5に記載される範囲の端点に1.5又は2をかけ算することができる。典型的には、栄養バーの重量は40~50グラム又は90~110グラムである。
栄養バーの組成1
【表1】
栄養バーの組成2
【表2】
栄養バーの組成3
【表3】
栄養バーの組成4
【表4】
栄養バーの組成5
【表5】
【0030】
栄養バーは、ボディマス指数(BMI)、コレステロール、及び血中のグリセミック指数に関連する代謝の健康を改善するために断食模倣するよう配合されている。栄養バーは、断続的断食模倣食の一部として、1日あたり1食又は複数食をシミュレートするように配合される。栄養バーは、時間制限摂食(time restricted feeding)(時間制限摂食(time restricted eating)としても知られている)の実施と併せて使用されてもよい。時間制限摂食は、例えば、インスリン感受性、血圧、及び酸化ストレスの改善などの多くの健康上の利点を有することが示されている。例えば、Sutton et al., Cell Metabolism 27, 1212-1221, June 5, 2018、Amandine et al, Cell Metab., 20(6):991-1005, 2014 December 2、Longo, Cell Metab. 23(6):1048-1059, June 14, 2016、及びShubhroz, Cell Metab, 22(5):789-798, November 3, 2015を参照されたい。栄養バーは、朝食を抜くという健康上のリスクなしに、個人が一晩の断食を延長することを可能にする。例えば、Sharma K et al., QJM, 111(10):715-719, 2018 October 1、及びPenalvo(3文字目のnはティルデ付き) et al., JACC, 70(15):1833-1842, 2017 October 10を参照されたい。これらの刊行物の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
栄養バーは、個人の毎日の栄養も補足する。栄養バーは、食餌として摂取されることが好ましい。時間制限摂食(time restricted feeding)を実施している場合、個人は1日1回又は2回又は3回食餌を摂取する。一般に、個人は、12時間、18時間、又は24時間の断続的断食を達成するために、栄養バーを食べる。時間制限摂食は、個人がカロリーを摂取する時間量を押し縮め、個人が断食に費やす時間量を増やす。
【0032】
別のある実施形態では、栄養バーは、全ての原材料を、秤量及び(必要なら)予備混合することによって製造してもよい。材料群は大きな容器に入れられ、均質な混合を確実にするためにブレンドされる。材料群が混合されると、そのブレンド物は、押圧及び圧縮(厚板化)されて、平らな前記混合された材料群のシートを形成する。ある調整例では、前記材料群は一緒に接着し、少なくとも部分的に互いに作用することができる。次に、混合された材料群のシートは、所定のサイズに切断され、乾燥するに任せられ(allowed to dry)、完成した栄養バーを形成する。次に、栄養バーは、ホイルスリーブ中に包装され、コールドシール又はヒートシールで封をされてもよい。
【0033】
上記のように、栄養バーは、2018年8月16日に公開された米国特許公開第2018/0228198号に記載のように、断食模倣食に有利に統合される。米国特許公開第2018/0228198号は、参照により、その全体が本明細書に取り込まれる。典型的には、断食模倣食を投与するための食餌パッケージが提供され、該食餌パッケージは、前記米国特許公開に記載された栄養バーの代わりに、上記の栄養バーを含むことができる。前記断食模倣食パッケージは、一日用配分食を所定日数分提供する。典型的には、前記所定日数は、1~10日(すなわち、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、又は10日)である。特に有用なある変形例においては、前記所定日数は、5日又は6日である。いくつかの変化例においては、本明細書に記載の断食模倣食は、好ましさが増す順で、対象の通常のカロリー摂取量又は対象のための一日当たりの推奨カロリー摂取量の、75%以下、50%以下、40%以下、30%以下、又は10%以下を対象に提供する。ある調整例においては、断食模倣食は、好ましさが増す順で、対象の通常のカロリー摂取量又は対象のための一日当たりの推奨カロリー摂取量の、5%以上、10%以上、又は20%以上を提供する。しかし、断食模倣食組成物が維持される場合、我々の現行の知見及びこれまでの知見に基づけば、通常のカロリー摂取量の100%が対象に提供される場合であっても、部分的な疾患予防及び疾患治療効果が予期される。対象の通常のカロリー摂取量は、対象が自身の体重を維持するために消費するkcalの数である。対象の通常のカロリー摂取量は、対象を問診することによって、又は対象の体重を考慮することによって推定されてもよい。大ざっぱな指針として、対象の通常のカロリー摂取量は、平均して、男性については2600kcal/日であり、女性については1850kcal/日である。とある例においては、断食模倣食は、対象に700~1200kcal/日を提供する。特に有用なある調整例においては、断食模倣食は、平均体重の男性の対象に約1100kcal/日を提供し、平均体重の女性の対象に900kcal/日を提供する。いくつかの変形例においては、食餌パッケージからの食餌は、連続する複数日投与される。別のある変形例においては、一日用配分食は、1ヵ月間以上の間、1週間につき1日間だけ提供される。
【0034】
一実施形態においては、上記のように、断食模倣食パッケージは、一日用配分食を所定日数分提供する。断食模倣食パッケージは、ケールクラッカー組成物、第1野菜スープ組成物、マッシュルームスープ組成物、トマトスープ組成物、キノア含有ミネストローネスープ組成物、豆(bean)含有ミネストローネスープ組成物、及びカボチャスープ組成物を含む。特徴的には、一日用配分食は、各食分で包装されるか、又は後で各食に分配するように一日分全体がまとめて包装される。ある調整例においては、断食模倣食パッケージは、さらに、上記の栄養バー(例えば、カカオ含有栄養バー)、第1オリーブ含有組成物、第1野菜ブロス組成物、スペアミントを含む茶組成物、エナジードリンク組成物、微量栄養素組成物、及び藻類オイル組成物を含む。さらなるある調整例においては、断食模倣食パッケージは、さらに、第2オリーブ含有組成物、第2野菜ブロス組成物、スペアミント、レモンピール、及びレモングラスを含む茶組成物、並びにハイビスカスを含む茶組成物を含む。
【0035】
上記実施形態のある変形例においては、断食模倣食パッケージは、Day1に40グラム未満の糖を、Day2~Day5及び(存在するなら)残りの日に30グラム未満の糖を、Day1に28グラム未満のタンパク質を、Day2~Day5及び(存在するなら)残りの日に18グラム未満のタンパク質を、Day1に所望のカロリー摂取量(すなわち、所定のカロリー摂取量)に達するために20~30グラムの一価不飽和脂肪又はそれより多い一価不飽和脂肪を、Day1に所望のカロリー摂取量に達するために6~10グラムの多価不飽和脂肪又はそれより多い多価不飽和脂肪を、Day1に所望のカロリー摂取量に達するために2~12グラムの飽和脂肪又はそれより多い飽和脂肪を、Day2~Day5及び(存在するなら)残りの日に所望のカロリー摂取量に達するために10~15グラムの一価不飽和脂肪又はそれより多い一価不飽和脂肪を、Day2~Day5及び(存在するなら)残りの日に所望のカロリー摂取量に達するために3~5グラムの多価不飽和脂肪又はそれより多い多価不飽和脂肪を、Day2~Day5又は(存在するなら)残りの日に所望のカロリー摂取量に達するために1~6グラムの飽和脂肪又はそれより多い飽和脂肪を、並びに各日及び(存在するなら)残りの日に微量栄養素組成物を、提供する一日用配分食を含む。
【0036】
上記実施形態の別のある変形例においては、断食模倣食パッケージは、各食餌日について体重1キログラム当たり8~10kcalを提供する一日用配分食を含む。この変形例においては、断食模倣食は、各食餌日に30グラム未満の糖を、各食餌日に18グラム未満のタンパク質を、各食餌日に所望のカロリー摂取量に達するために9~15グラムの一価不飽和脂肪又はそれより多い一価不飽和脂肪を、各食餌日に所望のカロリー摂取量に達するために2.5~4.5グラムの多価不飽和脂肪又はそれより多い多価不飽和脂肪を、及び各食餌日に所望のカロリー摂取量に達するために1~5.5グラムの飽和脂肪又はそれより多い飽和脂肪を、提供する。上記で挙げられた、より高いレベルの脂肪は、対象に通常のカロリー摂取量の最高100%を提供する、より高いFMD調合物のために提供することができる。
【0037】
別のある変形例では、断食模倣食を投与するための方法が提供される。前記方法は、断食模倣食を必要とする対象を特定するステップを含む。断食模倣食を必要とする対象は、糖尿病、メタボリックシンドローム、糖尿病、及び高血圧、並びに/又はアルツハイマー病を有する対象であってもよい。断食模倣食を必要とするさらなる対象は、体重の減少若しくは彼らの脂質パネルの調整を必要とする肥満対象、又は癌を有し化学療法を受けている対象であってもよい。次に、前記対象は、タンパク質源からのカロリーが約10パーセント未満である断食模倣食を提供される。ある調整例では、断食模倣食は、上記の食餌パッケージの形式で提供される。断食模倣食は、対象の通常のカロリー摂取量の50%以下を提供するが、キロカロリーのうち50%以上は脂肪に由来する。特徴的には、断食模倣食は上記の栄養バーを含む。上記のように、栄養バーは、マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、カカオ由来物、亜麻仁、及びココナッツ粉、の任意の組み合わせを含む。特徴的には、栄養バーは、100~300kcalを提供し、そのkcalのうちの40パーセントは脂肪からのもので、10~30パーセントは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。ある調整例では、断食模倣食は、対象に1日当たり約300~1200kcalを提供する。別のある調整例では、前記方法は、さらに、対象のグルコース及び/又はIGF-1レベルをモニタリングするステップを含む。
【0038】
ある調整例では、断食模倣食は、1日間~14日間の第一の期間(すなわち、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、又は14日間)にわたり対象に投与される。
【0039】
いくつかの調整例では、断食模倣食は、各日の断食模倣食で、対象1ポンド当たり3~7キロカロリーを提供する。さらなるある調整例においては、断食模倣食は、断食模倣食の1日目(Day1)に対象1ポンド当たり4.5~7キロカロリーを提供し、断食模倣食のその他の各日に対象1ポンド当たり3~5キロカロリーを提供する。
【0040】
典型的には、前記方法は、さらに、低タンパク質食に続く第二の期間に、第二の食餌を対象に投与するステップを含み、前記第二の食餌は、25~26日の間、対象の通常のカロリー消費量からの差異が20パーセント以内である全体的カロリー摂取量を提供する。別のある変形例では、断食模倣食は、アミノ酸特化サプリメントを含む。典型的には、前記サプリメントは、タンパク質量が非常に低量の食事又はタンパク質非含有の食餌と共に、5~7日の期間に消費される過剰レベルの非必須アミノ酸を提供する。ある調整例では、前記低タンパク食は、通常タンパク食と交互に提供される。そのような変形例では、低タンパク食が2週間~2か月ごとに7日間提供され、その間で、1~7週間の通常の食餌が提供される。ある調整例では、前記アミノ酸特化サプリメントは、次のアミノ酸を実質的に除外する(substantially excludes):イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、及びアルギニン。この文脈において、「実質的に除外する(substantially excludes)」は、除外されるアミノ酸の合計が、好ましさが増す順で、対象の食餌の総重量の5重量パーセント未満、3重量パーセント未満、1重量パーセント未満、及び0.5重量パーセント未満であることを意味する。代わりに、アミノ酸特化食は、窒素源として次のアミノ酸の1つ又は複数を提供する:アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、プロリン、セリン、及びチロシン。
【0041】
「断食模倣食」からの利益の維持において、上記の栄養バーは、朝食及び/又は昼食及び/又は夕食の代用となりうる断食模倣「代替食」バー又は断食模倣「軽食」バーとして使用される。特に、上記の栄養バーは、対象が所定数の食事機会において栄養バーの摂取のみを行うこと以外は12~24時間断食する、断続的断食に使用されることができる。上記のように、栄養バーは、マカダミアナッツ、蜂蜜、ピーカン、アーモンド、アーモンドバター、ココナッツ、イヌリン、カカオ由来物、亜麻仁、及びココナッツ粉、の任意の組み合わせを含む。特徴的には、栄養バーは、100~300kcalを提供し、そのうち40パーセントkcalは脂肪からのもので、10~30パーセントkcalは炭水化物からのものであり、タンパク質は10グラム未満である。ある調整例では、所定の食事機会の数(predetermined number of meals)は、1食、2食、又は3食である。
【0042】
例示的な実施形態が上記されているが、これらの実施形態が本発明の全ての可能な形態を記載することは意図されない。逆に、本明細書で用いられる語は限定ではなく説明のための語であり、種々の変更が本発明の精神及び範囲から逸脱することなく為されてもよいと理解される。さらに、様々な実施の形態の特徴は、本発明のさらなる実施形態を形成するために組み合わされてもよい。
【国際調査報告】