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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(54)【発明の名称】襟エレベータを有する履物製品
(51)【国際特許分類】
   A43B 11/00 20060101AFI20220215BHJP
   A43B 23/02 20060101ALI20220215BHJP
   A43B 23/08 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
A43B11/00
A43B23/02 103
A43B23/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537738
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 US2019068651
(87)【国際公開番号】W WO2020139990
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】62/785,969
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/725,754
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス,ティモシー,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】オーランド,オースティン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィースト,アーロン,ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ザ セカンド,ピーター,ピー.
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BC07
4F050BC20
4F050BF04
4F050GA10
(57)【要約】
履物製品は、足首の襟を、容易な着用のための降下状態から、着用中に着用者の足を固定する直立状態に戻す襟エレベータを含む。襟エレベータは、履物製品中の多様な位置、たとえばストローベル(strobel)の上または下に配置され得る。襟エレベータは、多様なコネクタを用いて履物製品に結合し得る。履物製品は、襟エレベータと一緒に作動する方式で構成されている、足首の襟などの他の特徴部を有し得る。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品であって、ソールと、前記ソールに結合され、前記ソールにより近く位置決めされた降下状態と、前記ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟を備えるアッパー(upper)であって、前記アッパーは、前記ソールと少なくとも部分的に重なり、前記ソールに面する外向き表面と、前記ソールに背を向けており、足受容キャビティに面する内向き表面と、を含む材料層を備え、前記材料層は、前記材料層を通じて前記外向き表面から前記内向き表面まで延びる開口部を備える、アッパーと、前記足首の襟を前記降下状態から前記直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータであって、前記襟エレベータは、前記外向き表面と前記ソールとの間に位置決めされた基部と、接合部で前記基部に連結され、前記接合部から前記開口部を通じて延びるレバーアームと、を有する、襟エレベータと、を備える、履物製品。
【請求項2】
前記ソールと少なくとも部分的に重なる材料層は、前記アッパーの外側材料層の一部であり、前記アッパーは、前記外側材料層よりも前記足受容キャビティに近い内側材料層をさらに備え、前記レバーアームは、前記レバーアームが前記接合部から前記開口部を通じて延びた後に前記外側材料層と前記内側材料層との間に位置決めされる、請求項1に記載の履物製品。
【請求項3】
前記内側材料層は、内側ライナーである、請求項2に記載の履物製品。
【請求項4】
前記内側材料層および前記外側材料層は、前記レバーアームを収容するレバーアーム管状エンケースメント(encasement)の両側部である、請求項2に記載の履物製品。
【請求項5】
前記内側材料層および前記外側材料層は、編織層であり、前記レバーアーム管状エンケースメントは、一体に編織される、請求項4に記載の履物製品。
【請求項6】
前記材料層は、前記開口部を含めて1つ以上の開口部を備え、前記1つ以上の開口部の各開口部は、それを通じて延びるそれぞれのレバーアームを含み、前記各開口部は、前記アッパーの内側または前記アッパーの外側にある、請求項1に記載の履物製品。
【請求項7】
前記各開口部の少なくとも一部は、前記ソールの上端線の縁と前記アッパーとの間の境界面を含むバイトライン(biteline)の下にある、請求項6に記載の履物製品。
【請求項8】
前記各開口部の少なくとも一部は、前記ソールの上端線の縁と前記アッパーとの間の境界面を含むバイトラインの上にある、請求項6に記載の履物製品。
【請求項9】
前記それぞれのレバーアームは、前記基部から上方に、前記開口部を通じて、前記アッパーの足首領域の後部に向かって延びる、請求項6に記載の履物製品。
【請求項10】
前記それぞれのレバーアームは、前記それぞれのレバーアームが延びる前記開口部と同じ側にある前記アッパーの終端において終結する、請求項9に記載の履物製品。
【請求項11】
前記材料層は、内側開口部と、前記基部から、前記内側開口部を通じて、前記アッパーの足首領域の後部に向かって延びる内側レバーアームと、を含み、前記材料層は、外側開口部と、前記基部から、前記外側開口部を通じて、前記アッパーの足首領域の後部に向かって延びる外側レバーアームと、を含む、請求項6に記載の履物製品。
【請求項12】
前記内側レバーアームおよび前記外側レバーアームは、前記足首領域の後部で重なり合う、請求項11に記載の履物製品。
【請求項13】
前記アッパーの足首領域の後部は、第1開口部を含み、前記襟エレベータは、第2開口部を含み、前記履物製品は、前記第1開口部および前記第2開口部を通じて延びるコネクタをさらに備える、請求項11に記載の履物製品。
【請求項14】
前記コネクタは、ステッチを形成する編み糸のセグメントを含み、前記セグメントは、前記第1開口部および前記第2開口部に位置決めされる、請求項13に記載の履物製品。
【請求項15】
前記コネクタは、前記第1開口部および前記第2開口部を通じて延びる1つ以上のポスト(post)を有する二部コネクタである、請求項13に記載の履物製品。
【請求項16】
前記襟エレベータの基部に面する前記ソールの上端表面に含まれる基部ドッキング凹部をさらに備え、前記基部は、前記基部ドッキング凹部に位置決めされ、前記ソールは、前記基部ドッキング凹部に位置決めされた基部の上端表面を少なくとも部分的に覆うタブを含む、請求項1に記載の履物製品。
【請求項17】
前記タブは、内側から外側方向へのタブ幅を含み、前記凹部は、前記内側から外側方向への凹部幅を含み、前記タブ幅は、前記凹部幅よりも小さく、よって、前記タブの内側縁および外側縁は、前記凹部の内側縁および外側縁の内向きに離隔しており、少なくとも1つの前記レバーアームは、前記タブの内側縁と前記凹部の内側縁との間、または前記タブの外側縁と前記凹部の外側縁との間に位置決めされる、請求項16に記載の履物製品。
【請求項18】
前記足首の襟は、内側または外側に沿って最下位部分を有する上端線の縁を含み、前記最下位部分は、水平基準面から第1距離だけ離隔しており、前記レバーアームは、前記最下位部分と同じ側にあり、前記レバーアームの上位セグメントと前記レバーアームの下位セグメントとの間に位置決めされたたわみ点を有し、前記たわみ点は、前記水平基準面から第2距離だけ離隔しており、前記第2距離は、前記第1距離よりも大きい、請求項1に記載の履物製品。
【請求項19】
前記襟エレベータは、内側レバーアームを含み、外側には対応するレバーアームがない、請求項18に記載の履物製品。
【請求項20】
前記襟エレベータは、外側レバーアームを含み、内側には対応するレバーアームがない、請求項18に記載の履物製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、襟エレベータを有する履物製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の履物製品は、履物製品を履くときに操作される足首の襟を含む。たとえば、足首の襟は、着用者の足がアッパー(upper)内にスライドするときにソールに向かって押される場合がある。また、このようないくつかの履物製品は、足首の襟を、押された状態または降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な襟エレベータを含む。襟エレベータの1つのタイプに関する一例は、米国特許第9,820,527号に記載されており、他の襟エレベータの例は、米国公開特許第2018/0110292号および米国公開特許第2018/0289109号に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示に記載されている一部の主題は図面を参照しており、その全文は参照として本明細書に組み込まれる。
図1】本開示の一態様による履物製品の側面図を示す。
図2】本開示の一態様による図1の履物製品の上面図を示す。
図3A】本開示の一態様による襟エレベータを有する別の履物製品を示す。
図3B】本開示の一態様による襟エレベータを有する別の履物製品を示す。
図3C】本開示の一態様による襟エレベータを有する別の履物製品を示す。
図4A】本開示の一態様による代替の襟エレベータを有する別の履物製品を示す。
図4B】本開示の一態様による代替の襟エレベータを有する別の履物製品を示す。
図4C】本開示の一態様による代替の襟エレベータを有する別の履物製品を示す。
図5A】本開示の一態様によって少なくとも部分的に分解された履物製品を示す。
図5B】本開示の一態様によって襟エレベータの多様な部分をアッパーに取り付けるのに用いられ得る多様な結合を示す。
図6A】本開示の一態様によって少なくとも部分的に分解された別の履物製品を示す。
図6B図6Aの履物製品の一部の断面図を示し、ここで履物製品は、本開示の一態様によって少なくとも部分的に組み立てられている。
図7A】本開示の一態様によるアッパー用の代替の外側材料層および内側材料層を示す。
図7B】本開示の一態様によるアッパー用の代替の外側材料層および内側材料層を示す。
図7C】本開示の一態様によるアッパー用の代替の外側材料層および内側材料層を示す。
図8】本開示の一態様による履物製品の一部の断面図を示す。
図9A】本開示の一態様による多様な代替の襟エレベータを示す。
図9B】本開示の一態様による多様な代替の襟エレベータを示す。
図9C】本開示の一態様による多様な代替の襟エレベータを示す。
図9D】本開示の一態様による多様な代替の襟エレベータを示す。
図10A】本開示の一態様による多様な代替のソールを示す。
図10B】本開示の一態様による多様な代替のソールを示す。
図10C】本開示の一態様による多様な代替のソールを示す。
図10D】本開示の一態様によって図10Cに示されたソールの断面図を示す。
図11A】本開示の一態様による、別の代替の履物製品を示す。
図11B】本開示の一態様による、別の代替の履物製品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
主題は、法定要件を満たすように、本明細書の全体に具体的かつ詳しく説明される。本明細書の全体に記載された態様は、限定ではなく例示のためのものであり、説明それ自体には、必ずしも特許請求の範囲を限定しようとする意図があるわけではない。むしろ、請求された主題は、本明細書に記載されたものと同一であり、かつ他の現在の技術または将来の技術に係わっている様々な要素または要素の組み合わせを含むように、他の方式で実施され得る。本開示を読むとき、代替的な態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、記載の態様に関する分野に従事している当業者に明らかになるであろう。特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせを参照せずに採用され得ることが理解されよう。これは、特許請求の範囲により考慮され、特許請求の範囲内に属する。
【0005】
一般的に、本明細書に説明された主題は、特に人の手による調整を最小限にしながら、またはそのような調整なしに、着用可能な履物製品に関し、それに関連した製造および方法を含む。いくつかの態様において、履物製品は、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させる襟エレベータを含み得る。
【0006】
図面をより詳しく説明するに先立って、以下では本開示に使用され得る特定の用語について一部のさらなる説明をする。
【0007】
単数形(「a」、「an」、「the」)、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は、項目のうち少なくとも1つが存在することを示すように相互交換的に使用され得る。これらの用語が使用される場合、文脈上別段に明示しない限り、当該項目は複数存在し得る。本明細書において、パラメータ(たとえば、量または条件)のすべての数値は、添付の請求項を含む文脈に鑑み、別段に明示的または明確に示していない限り、「約」という用語が実際に数値の前にあるか否かを問わず、「約」によってすべての場合において変更されることであると、理解されたい。「約」とは、記述された数値が多少の不正確性(値の正確性への若干の近接、値におおよそあるいは合理的に近似、ほぼ)を許容することを示す。「約」によって提供される不正確性が、このような一般的な意味として当業界で別段に理解されない場合、本明細書で用いられる「約」は、このようなパラメータを測定および使用する通常の方法で生じ得る最小限の変動を示す。また、範囲の開示は、すべての値と当該範囲内のさらに分割された範囲とを具体的に開示するものと理解されたい。参照されたすべての参考文献は、その全文が本明細書に組み込まれる。
【0008】
「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記述された特徴、ステップ、動作、要素または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素もしくは構成要素の存在または付加を排除しない。ステップ、プロセスおよび動作の手順は、可能な場合変更され得、さらなるまたは代替的ステップが採用され得る。本明細書で用いられる「または」という用語は、リストに挙げられた関連項目の任意の1つおよびすべての組み合わせを含む。「のいずれか」という用語は、参照される項目「のうちいずれか1つ」を含む、参照される項目の任意の可能な組み合わせを含むものと理解される。「のいずれか」という用語は、参照される請求項「のうちいずれか1つ」を含む、添付の請求項のうち参照される請求項の任意の可能な組み合わせを含むものと理解される。
【0009】
一貫性および便宜のために、図示の例に対応する本詳細な説明全体に、方向の形容詞が採用され得る。通常の当業者なら、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上端」、「下端」などのような用語は、請求項によって定義されているように、本発明の範囲に対する限定を表すことなく、図面に関する説明として使用され得ることが認識されよう。
【0010】
本詳細な説明全体および請求項に使用され得る「長手方向」という用語は、構成要素の長さを延ばす方向を指す。たとえば、靴の長手方向は、靴の前足部領域と踵領域との間で延びる。「前方」または「前」という用語は、踵領域から前足部領域への一般的な方向を指すために用いられ、「後方」または「後」という用語は、逆方向、すなわち前足部領域から踵領域への方向を指すために用いられる。場合によって、構成要素は長手方向軸だけでなく、その軸に沿う前後方の長手方向として識別され得る。長手方向または長手方向軸は、前後方向または前後方向軸と呼ばれ得る。
【0011】
本詳細な説明全体および請求項に使用され得る「横方向」という用語は、構成要素の幅を延ばす方向を指す。たとえば、靴の横方向は、靴の外側と内側との間で延びる。横方向または横方向軸は、左右方向もしくは左右方向軸、または内外側方向もしくは内外側方向軸とも呼ばれ得る。
【0012】
本詳細な説明全体および請求項に使用され得る「垂直」という用語は、一般的に左右方向および長手方向の両方に垂直な方向を指す。たとえば、ソールが地表面に平坦に装着された場合に、垂直方向は地表面から上方に延び得る。これらの方向の形容詞はそれぞれ、ソールの個々の構成要素に適用され得ることが理解されよう。「上方」という用語は、構成要素の上端に向かう垂直方向を指し、靴の甲、締結領域、および/またはアッパーのスロートを含み得る。「下方」という用語は、構成要素の下端に向かう、上方向とは反対の垂直方向を指し、一般的に履物品のソール構造体の下端を指し得る。
【0013】
靴などの履物品の「内部」は、靴を着用したときに着用者の足が占める空間の部分を指す。構成要素の「内側」は、組み立てられた履物品において構成要素または履物品の内部に向かって配向された(または配向される)構成要素の側面または表面を指す。構成要素の「外側」または「外部」は、組み立てられた靴において靴の内部から離れるように配向された(または配向される)構成要素の側面または表面を指す。場合によって、他の構成要素は、構成要素の内側と、組み立てられた履物品における内部との間にあり得る。同様に、他の構成要素は、構成要素の外側と、組み立てられた履物品の外部の空間との間にあり得る。また、「内向き」および「内向きに」という用語は、靴などの履物品または構成要素の内部へ向かう方向を指し、「外向き」および「外向きに」という用語は、靴などの履物品または構成要素の外部へ向かう方向を指す。また、「近位」という用語は、履物の構成要素の中央により近い方向を指すか、または利用者が履物品を着用することによって足が履物品に挿入されるときに足に向かってより近い方向を指す。同様に、「遠位」という用語は、履物の構成要素の中央から遠く離れている相対的位置を指すか、または利用者が履物品を着用することによって足が履物品に挿入されるときに足からより遠く離れている方向を指す。したがって、近位および遠位という用語は、一般的に反対の用語を提供して相対的空間位置を説明するためのものであると理解されよう。
【0014】
本明細書の態様の説明および理解を助けるために、以下では図1および図2を参照して、舌革補強材を含み得る通常の履物製品10の要素を説明する。図1は履物製品10の外側を示し、図2は履物製品の上端を示す。本開示で言及される多様な図面を説明する場合、類似の参照番号は、ずべての図を通して類似の構成要素を指す。
【0015】
履物製品10は、ソール構造体12とアッパー14とを含む少なくとも2つの主要要素を含む。履物製品10を(足に意図どおり)着用する場合、ソール構造体12は通常、足底面(すなわち、足の下端)の近くに位置決めされる。ソール構造体12は、足の下端を保護し得、さらに、地面反力を減衰させ、エネルギーを吸収し、静止摩擦を提供し、回内および回外などの足の動きを制御し得る。アッパー14は、ソール構造体12に結合され、ソール構造体12と一緒に足受容キャビティ16を形成する。すなわち、ソール構造体12は、一般的に足の下端を囲むが、アッパー14は、足の背側部(すなわち、足の上端または足の甲)上に延び、それを少なくとも部分的に覆い、履物製品10を足に固定させる。アッパー14は、履物製品10を履く場合、足が足受容キャビティ16内に配置されるとき足が挿入される足挿入開口18を含む。
【0016】
図1に示したように、履物製品10は、前足部領域20、中足部領域22、踵領域24、および足首領域26を含み得る。前足部領域20、中足部領域22、および踵領域24は、ソール構造体12およびアッパー14を通じて延びる。足首領域26は、アッパー14の一部に位置する。前足部領域20は、一般に、中足骨を指骨と連結する足指および関節に対応する、履物製品10の一部を含む。中足部領域22は、一般に、足のアーチ区域および足の甲に対応する履物製品10の部分を含む。踵領域24は、踵骨を含む足の後方部分に対応する。足首領域26は、足首に対応する。前足部領域20、中足部領域22、踵領域24、および足首領域26は、履物製品10の正確な区域を画定することを意図せずに、その代わりに本明細書の多様な態様の理解を助けるために履物製品10の一般的な区域を示すことを意図する。また、履物製品の一部は、これらの一般的な区域を用いて相対的な用語で説明され得る。たとえば、第1構造体は、第2構造体よりも踵の方にあると説明され得、この場合、第2構造体は足指の方にあり、前足部の方により近い。
【0017】
履物製品10はまた、内側28(図2で確認され、図1では隠されている)および外側30(図2で確認され、図1で見られる)を有する。内側28および外側30は、前足部領域20、中足部領域22、踵領域24、および足首領域26のそれぞれを通じて延び、履物製品10の両側に対応し、当業者によって理解されるように、それぞれは履物製品10の長手方向の中間線基準面29の反対側に位置する。たとえば、長手方向の中間線基準面29は、ソール構造体の最前方点、およびソール構造体の最後方点を通過し得る。よって、内側29は、外側30の反対側にあるもの考えられる。通常、内側は、足の内側区域(すなわち、他の足に面する表面)に対応し、外側は、足の外側区域(すなわち、他の足から離れて他の足に面する表面)に対応する。別の態様において、履物製品は、履物製品10の緯線方向の中間線基準面31の反対側に位置する前部分33および後部分35を含む。緯線方向の中間線基準面31は、長手方向の中間線基準面29および地表面に垂直に延び、履物製品10の最前方点と履物製品10の最後方点との間に等間隔で配置される。また、これらの用語は、多様な構造体の相対的位置を説明するために使用され得る。たとえば、履物製品の内側部分により近い第1構造体は、第2構造体(外側区域により近く、より外側にある)の内側にあるものと説明され得る。
【0018】
履物製品を説明する場合、「下位」および「上位」という相対的用語も用いられ得る。たとえば、上位部分は一般的に、ヒトの足が水平な地表面に平坦に置かれており、ヒトが直立しているとき、ヒトの頭の方向へより近く配向されている上端部分に対応する一方、下位部分は、一般的に、ヒトの頭から離れて配向され、かつ地表面により近い下端部分に対応する。
【0019】
ソール構造体12は、多様な材料で構成され得、多様な要素を含み得る。たとえば、ソール構造体12は、ミッドソール32およびアウトソール34を含み得る。ミッドソール32は、歩行、ランニングまたはその他歩行活動中において、足と地面との間で圧縮されるとき、地面反力を減衰させる(すなわち、クッションを提供する)圧縮可能なポリマーフォーム要素(たとえば、ポリウレタンまたはエチレン酢酸ビニル(EVA)フォーム)で形成され得る。さらなる態様において、ミッドソール32は、流体充填チャンバ、プレート、調節器、または力をさらに減衰させたり、安定性を向上させたり、足の動きに影響を与えたりする他の要素を含み得る。ミッドソール32は、単一のワンピース型ミッドソールであってもよく、または1つのユニットとして一体化された多数の構成要素であってもよい。いくつかの態様において、ミッドソール32は、ユニソールとしてアウトソール34と一体化され得る。アウトソール34は、ワンピース型であってもよく、またはいくつかのアウトソールの構成要素であってもよく、静止摩擦を与えるためにテキスチャ加工され得る耐摩耗性ゴム材料で形成され得、かつ/またはミッドソール32に固定されたトレッド(tread)またはクリート(cleat)などの静止摩擦要素を含み得る。アウトソール34は、ソールの全長および全幅にを延ばすか、または長さおよび/または幅にわたって部分的にのみ延び得る。
【0020】
アッパー14はまた、多様な材料で構成され得、多様な特徴を含み得る。たとえば、アッパー14は、革、織地、またはその他の合成材料もしくは天然材料で構成され得る。また、アッパー14は、編織地、織物、編組物、不織布、積層体、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。アッパー14は、通気性、伸長、柔軟性、ウィッキング性(wicking)、耐水性などと関連した多様な材料特性を有し得る。
【0021】
アッパー14は、通常、ソール構造体12と重なり、これに連結される一部を含み、かかる連結の接合部はバイトライン(biteline)と呼ばれ得る。また、アッパー14は、アッパー14からソール構造体12の足対向表面の少なくとも一部を横切って延びる材料パネルを含む「ストローベル(strobel)」を含み得、ストローベルは、ソール構造体12がアッパー14に取り付けられるときにアッパー14をラスト(last)に保持するために使用され得る。言い換えれば、履物製品10に一体化されたソール構造体12は足対向表面を含み、場合によっては、アッパー14は、バイトライン領域の近くから内向きに延びて足対向表面を少なくとも部分的に覆うパネル(ストローベルと呼ばれる)を含み得る。この場合、履物製品を着用するときに、ストローベルは足の下に位置決めされる。ストローベルは、インソールまたはその他の材料層で覆われ得る。
【0022】
アッパー14は、他の特徴を含む。たとえば、アッパー14は、足挿入開口18の少なくとも一部の周囲に周縁を形成する足首の襟36を含む。また、アッパー14は、多くの場合、足首の襟36から延びるスロート38を含み、細長い開口40の少なくとも1つ以上の側面に沿って周縁を形成する。舌革42は、細長い開口40に位置しており、細長い開口40のサイズは、様々な閉鎖システムを用いて調整することができる。たとえば、図1は、紐44を図示し、他の閉鎖システムは、弾性バンド、フックアンドループストラップ、ジッパー、バックルなどを含み得る。舌革42の位置、および閉鎖システムの連結部は、たとえば、履物製品を着用するか脱ぐときに開口をより大きくすることと、履物製品を足に固定するときに開口をより小さくすることとによって、足挿入開口および細長い開口のサイズを変更するように調整することができる。舌革42は、1つ以上の箇所でアッパーに貼り付けられる別々の構成要素を含んでもよく、または代替的に舌革は、アッパーの一体形成された領域であってもよい。さらなる態様は、細長い開口40(前足部開口とも呼ばれ得る)が省略され得ることを考慮しており、その代わりに、アッパーの内側および外側は収束され、伝統的に細長い開口40を含む区域にわたって連続している。
【0023】
履物製品10は、たとえばランニングまたは歩行時に着用可能な運動用靴を含み得、図1および図2に関して説明された要素を含む履物製品10についての説明は、他のタイプのシューズ、たとえば、バスケットボールシューズ、テニスシューズ、アメリカンフットボールシューズ、サッカーシューズ、レジャーまたはカジュアルシューズ、ドレスシューズ、作業靴、サンダル、スリッパー、ブーツ、ハイキングシューズなどにも適用され得る。
【0024】
図1および図2について説明したが、以下では図3A図3Cおよび図4A図4Cを参照して本開示のいくつかの他の態様について説明する。図3A図3B、および図3Cのそれぞれは、ソール312に結合されたアッパー314を含む履物製品310を示し、アッパー314は、踵領域324と、足首の襟336のある足首領域326とを含む。足首の襟336は、降下状態(図3Cに示す)と直立状態(図3Aおよび図3Bに示す)との間で移動可能である。降下状態で、足首の襟336は、ソール312により近く位置決めされ、直立状態で、足首の襟336は、ソール312からより遠く位置決めされる。同様に、履物製品410は、ソール412に結合されたアッパー414を含み、アッパー414は踵領域424と、足首の襟436のある足首領域426とを含む。
【0025】
また、履物製品310は襟エレベータ350を含み、襟エレベータ350は、踵領域324および/または足首領域326近くにあるアッパー314に結合され、足首の襟336を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能である。より具体的に、襟エレベータ350は、踵領域324に位置決めされ、足首領域326まで延びる部分を含む。前述したように、踵領域324と足首領域326との間に必ずしも正確な輪郭設定(delineation)があるわけではなく、その代わり、これらの領域に対する襟エレベータ350の位置決めを説明することは、襟エレベータ350が、より下位にある部分(ソールに近い部分)から、より上位にある部分(足首の襟336に近い部分)まで延びることを説明する1つの方式である。襟エレベータ350をアッパー314(踵領域324および/または足首領域326の近くにある)に結合する限り、このような結合の形態は多様であり得る。たとえば、襟エレベータ350は、踵領域324でアッパーに結合されるか、足首領域326で結合されるか、足首の襟336に結合されるか、あるいはこれらのあらゆるすべての組み合わせが可能である。襟エレベータ350は、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な、襟エレベータの1つのタイプに関する一例であり、本開示の他の箇所で説明されているように、襟エレベータは、図3A図3Cに示したもの以外に1つ以上の代替の構造体を含み得る。たとえば、図4A図4Cは、足首の襟436を降下状態(たとえば、図4C)から直立状態(たとえば、図4Aおよび図4B)に移動させるように動作可能であり、襟エレベータ350とは異なる構造の襟エレベータ450を備えた履物製品410を示す。
【0026】
例示の目的で、アッパー314およびアッパー414は、仮想の破線によって示され、襟エレベータは、アッパーに対して多様な箇所に配置され得る。たとえば、襟エレベータは、踵領域、足首領域、足首の襟、またはこれらのあらゆるすべての組み合わせにおいて、外部層と内側ライニング(inner lining)との間に、少なくとも部分的に、場合によって完全に貼り付けられ得る。別の態様において、襟エレベータは少なくとも部分的に露出しており、アッパーの外側または外部表面に配置され得る。さらなる態様において、襟エレベータの少なくとも一部は、内側ライニングの内側の足対向表面上に配置され得る。別の態様において、襟エレベータは履物製品の外部に配置され得、タブ、熱かしめ、接合剤、ステッチまたはその他の結合により足首の襟の踵部分に取り付けられ得る。
【0027】
襟エレベータ(たとえば、襟エレベータ350および450)は、多様な要素を含み得る。一態様において、襟エレベータは、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合し、足首の襟の踵部分に位置する中央連結バンドと、を含む。さらなる態様において、それぞれのレバーアームは、基部に貼り付けられ、基部は、足首の襟が降下状態に移動する場合にレバーアームが変形されることによって、レバーアームに対して静止状態で維持される。基部は、履物製品の一部、たとえばソールの一部またはアパーの一部であり得る。また、基部は、ソール、ソールそれ自体、またはこれらの任意の組み合わせに直接または間接的に貼り付けられた1つ以上の他のアンカー(anchor)であってもよい。米国特許第9,820,527号には、1つ以上の襟エレベータが記載されており、その一部は、変形可能部材(単数または複数)(基部を備えるか、または備えない)と呼ばれてもよく、米国特許第9,820,527号の開示全体は参照として本明細書に組み込まれる。本開示の一態様によれば、米国特許第9,820,527号に記載されている変形可能部材のうち少なくとも一部は、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合する中央連結バンドと、を含む。他の例において、米国特許第2018/0110292号および米国特許第2018/0289109号のそれぞれには、複数の他の襟エレベータが記載されており、その一部は、コントロールバー(基部を備えるか、または備えない)と呼ばれており、米国特許第2018/0110292号および米国特許第2018/0289109号の開示全体は、参照として本明細書に組み込まれる。本開示の一態様によれば、米国特許第2018/0110292号および米国特許第2018/0289109号に記載されているコントロールバーのうち少なくとも一部は、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合する中央連結バンドと、を含む。
【0028】
図示された襟エレベータ350および450のそれぞれは、内側レバーアーム352および452の例をそれぞれ示す。また、図示された襟エレベータ350および450のそれぞれは、外側レバーアーム354および454の例をそれぞれ示し、中央連結バンド356および456の例をそれぞれ示す。また、レバーアーム352および354は、基部358に取り付けられ、レバーアーム452および454は、基部358とは異なる構造の基部458に取り付けられる。基部358は、ソール312の足対向表面に、またはその近くに貼り付けられ、基部358は、アウトソールの一部、ミッドソールの一部、インソールの一部、ストローベルの一部、これらのソール層のうち任意の層の間に積層された材料のプレートもしくはシート、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。特に、基部358は、レバーアーム352および354が固定されている硬質の部分またはセクションを含み得る。図4A図4Cは他の態様を示し、ここで基部458は、アッパーの一部(たとえば、ヒールカウンター(heel counter))、ミッドソール側壁の一部、またはこれらの任意の組み合わせに取り付けられ得、基部458は、基部358について説明されている方式で中底を通って延びることとは対照的に、履物製品の裏面を巻き付ける。
【0029】
内側レバーアーム、外側レバーアーム、および中央連結バンドは、単一の連続体であってもよく、よって、内側レバーアームと、外側レバーアームと、中央連結バンドとの間には、明確な境界が存在しなくてもよい。たとえば、内側および外側アーム、ならびに中央連結バンドは、成形されるか、鋳造されるか、3Dプリントされるか、そうでなければ単一の一体形成ユニットとして形成され得る。他の態様において、内側レバーアームおよび外側レバーアームは、機械的もしくは化学的結合、摩擦嵌め、被覆、または他の結合により中央連結バンドに連結される別々の、別個の、および個別の細長い部材であり得る。
【0030】
襟エレベータの一部の構造的要素について一般的に説明したが、以下では襟エレベータの一部の動作態様について説明する。簡単に前述したように、襟エレベータは、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させる。より具体的に、内側レバーアーム、外側レバーアーム、中央連結バンドまたはこれらの任意の組み合わせの少なくとも一部は、アッパーの一部に貼り付けられる。一態様において、中央連結バンドは、足首の襟の踵部分の近くに貼り付けられ得る。たとえば、本開示の他の箇所で説明されているように、中央連結バンドは、接着剤、連結タブ、熱かしめ、ステッチなどにより足首の襟の踵部分に取り付けられ得る。このように、足首の襟がソールにより近く降下状態に移動すると、内側レバーアームおよび外側レバーアームは、より圧縮された姿勢、またはより負荷のかかった姿勢に変形される。言い換えれば、襟エレベータは、加えられた力が足首の襟を直立状態から降下状態に移動させるとき、より圧縮されていない構成(たとえば、図3Aおよび図4A)から、より一層圧縮された構成(たとえば、図3Cおよび図4C)へと、弾性変形されることによって位置エネルギーを蓄積する。位置エネルギーは、加えられた力の除去時、襟エレベータをより圧縮されていない構成に戻し、襟エレベータがアッパーに貼り付けられるため、足首の襟も降下状態から直立状態に移動する。足首の襟が降下状態に移動すれば(直立状態に比して)、襟エレベータの圧縮が大きくなり得るが、直立状態において襟エレベータは、少なくとも部分的に変形された状態における位置エネルギーを依然として蓄積して(すなわち、予圧圧縮)、着用者の踵の周りで足首の襟の後方、すなわち踵部分の保持を可能にし得る。たとえば、襟エレベータが上部踵領域および/または上部足首領域に取り付けられている場合、アッパーの一部は、足首の襟が直立状態にあるときの予圧構成で襟エレベータを保持し得るか、または維持し得る。他の態様において、足首の襟が直立状態にあるときに、襟エレベータには負荷がかからないことがある。
【0031】
一態様において、中央連結バンドの下のアッパーの部分325または425は、アッパーの他の部分よりも柔軟な1つ以上の織地を含み得る。アッパーのより柔軟な領域は、たとえば少なくとも部分的にヒールカウンター領域にあり得る。特に、このようなアッパーのより柔軟な部分325または425は、足首の襟が降下状態に移動するときに容易に折り畳まれ得、襟エレベータがより圧縮されていない状態に戻るときに襟エレベータに一層小さな抵抗を提供し得る(履物製品の他の部分または通常の履物製品における、あまり柔軟でないアッパーに比して)。
【0032】
いくつかの態様において、内側レバーアームと、外側レバーアームと、中央連結バンドとの組み合わせは、変形可能要素と呼ばれ得る。「変形可能要素」という用語は、弾性的に柔軟な部材を指し、弾性的に柔軟な部材は、屈折させることができるか、または圧縮することができるが、非屈折または非圧縮状態に向かって移動するための付勢を有する。変形可能要素は、内側レバーアームから外側レバーアームまで連続的に延びる単一の一体形成された変形可能要素を含み得る。他の態様において、内側レバーアームおよび外側レバーアームは、ヒールピース(heel piece)とも呼ばれ得る、中央連結バンドに連結される2つ以上の別個の個別的な変形可能要素であってもよい。
【0033】
いくつかの態様において、変形可能要素は、基部に直接結合されるか、装着されるか、または取り付けられ得る。他の態様において、基部は、変形可能要素を所定の位置に係合させて維持する1つ以上のアンカーを含み得る。たとえば、アンカーは、レバーアームと基部との間の接合部(たとえば、359および459)に位置し得る。かかるアンカーは、ソール(たとえば、インソール、ミッドソール、アウトソール)の部分と一体形成され、かつ/または、結合され、かつ/または、その内部もしくは間もしくは外側に位置し得る。たとえば、アンカーは、ソールの間、上端、または下に、積層または内蔵されるブロック、プレートまたはウェッジに配置され得る。場合によっては、ソール(たとえば、ミッドソール)の一部は、彫刻されるか、または切り取られて、アンカーに取り付けられるか、またはこれを収容し得る。別の態様において、内外側配向に延びる基部(たとえば、基部358)は、アンカーが抵抗嵌め、圧縮嵌め、スナップ嵌めによって、または連動メカニズム/構成を介して係合するアンカー状受容部を含む。他の例において、アンカーは、アッパーの部分と一体形成され、かつ/または、結合され、かつ/または、その内部、間もしくは外側に位置し得る。たとえば、アンカーはアッパー、ヒールカウンター、またはこれらの組み合わせに位置し得る。単一のアンカーは、履物製品の全幅を延ばし得るか、または2つのアンカーは、履物製品の両側上に(たとえば、内側および外側上に)位置決めされ得る。変形可能部材は、基部またはアンカーに斜めに取り付けられ得る。たとえば、変形可能部材は、基部に垂直な角度で取り付けられ、その後、後方を向いて湾曲したりまたは弧状になり得る。別の態様において、変形可能部材は、後方を向いて弧状になる前に、前方に傾いている角度で(すなわち、上方および前方に)、または後方に傾いている角度で(すなわち、上方および後方に)に取り付けられ得る。
【0034】
変形可能部材と基部またはアンカーとの間の連結は、多様な方式で説明され得る。たとえば、一態様において、変形可能要素は、基部を中心に(たとえば、インソール、ミッドソールまたはアウトソールを中心に)枢動しない(すなわち、非枢動式である)。言い換えれば、変形可能要素は、基部に回転不可能に結合され得る。様々な態様において、変形可能要素と基部(またはアンカー)との間の係合には遊びがなく、これは、2つの構成要素間の相対的移動がほとんどまたは全くないことを意味する。
【0035】
変形可能要素は、チューブ、ワイヤー、バネ、形状記憶構造または材料などのうち1つ以上を含み得る。また、変形可能要素は、1つ以上の材料、たとえば炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン(ニチノール)、ならびにその他の金属および合金(形状記憶またはその他)、ポリマー(形状記憶またはその他)、複合材料、フォーム材、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維、TPC-ET、シリコン、TPUおよびポリカーボネートを含むことができる。たとえば、変形可能要素は、チタンを含むか、またはチタンワイヤーであり得る。なお、1つ以上の変形可能要素は、第1材料、たとえばチタンからなり得、1つ以上の追加の変形可能要素は、第2材料、たとえばグラファイトからなり得る。
【0036】
いくつかの態様において、変形可能要素は、単一の単片を含み得る。たとえば、変形可能要素の第1端部(たとえば、内側レバーアームの端部)は、内側アンカーに内蔵されるか取り付けられ得、変形可能要素の第2端部(たとえば、外側レバーアームの端部)は、外側アンカーに内蔵されるか取り付けられ得、変形可能要素の中間部分(たとえば、中央連結バンド)は、アッパーの踵部分または足首部分の周りで延びるか、いくつかの追加のヒールピース構造に内蔵され得る。
【0037】
他の態様において、変形可能要素は、複数の別個の個別的な構成要素を含み得る。たとえば、変形可能要素は、2つの個別的構成要素を含み得、第1構成要素(たとえば、内側レバーアーム)は、内側アンカーに内蔵されるか取り付けられる第1端部と、ヒールピースまたは中央連結バンドの内側に内蔵されるか取り付けられる第2端部と、を有する。したがって、第2構成要素(たとえば、外側レバーアーム)は同様に、外側アンカーに内蔵されるか取り付けられる第1端部と、ヒールピースまたは中央連結バンドの外側に内蔵されるか取り付けられる第2端部と、を含み得る。複数の別個の個別的な構成要素は、たとえばテープラップ(tape wrap)、織成インケーシング(woven encasing)、オーバーモールド(たとえば、TPU)、熱収縮チューブなどのうち1つ以上によって一緒に固定することができ、これらの各々は、異なる安定性および強度を提供することができる。たとえば、変形可能要素は、カバー、スリーブ、オーバーモールドまたは熱収縮チューブに独立的に収納されるか、または一緒に収納される1つ以上のワイヤーを含み得る。変形可能要素の弾性変形を容易にするために、1つ以上のワイヤーはアーチ状になり、屈折し、揺動した後、初期/正常状態に戻ることができる。
【0038】
変形可能要素は、その長さに沿って、かつ/またはその長さに沿う別個の点で、可変の機械的特性を有し得る。かかる変形は、変形可能要素(たとえば、ワイヤーまたは2つ以上のワイヤーの束)、変形可能要素(複数可)の全部または一部を取り囲む固定装置、あるいはこれらの任意の組み合わせによって提供され得る。たとえば、変形可能要素および/または固定装置は、その長さに沿って可変断面、可変密度、可変材料などを有し得る。よって、厚さまたは形状の変化により、あるいは、他に変形可能要素の厚さまたは形状が一定した場合には、変形可能要素をその長さに沿ってねじることにより、可変断面を提供することができる。
【0039】
簡単に前述したように、変形可能要素は、カバー、スリーブ、オーバーモールド、またはその他の適宜な構造を含み得、これは、変形可能要素の他の要素(たとえば、ワイヤー、バネなど)を保護し得、変形可能要素の屈曲または圧縮を制御し、かつ/または案内し、かつ/または支持し、かつ/または別な方法でこれに影響を及ぼし得る。いくつかの態様において、カバーは、その製造材料、形状、幾何学形状などに基づき、変形可能要素から(たとえば、ワイヤー(複数可)またはバネから)カバーへ機械的曲げ/変形の力を伝達することによって機械的応力の分散を促進するように構成されて、変形可能要素の損傷または破損を防止するか、または少なくとも抑制し、そうでなければ、変形可能要素が受ける集中的で繰り返しの機械的応力によって、該損傷または該破損が生じ得る。たとえば、カバーは、応力の分散を促進して変形可能要素の動的屈曲に寄与するように、その長さに沿って変わる寸法(たとえば、漏斗様のテーパ状)を有し得る。変形可能要素が破損した場合、カバーは、少なくともある程度の付勢を依然として提供することによって、足首の襟を降下位置から直立位置に移動させるのに役立ち得る。また、カバーは、変形可能要素に追加のパッドおよび/または支持を提供し得、着用者が変形可能要素を感じることを防止するか、少なくとも抑制し得る。
【0040】
簡単に前述したように、中央連結バンドは、ヒールピースとも呼ばれ得る。中央連結バンドは、内側および外側レバーアームと、単一の連続ユニットとして一体形成され得る。他の態様において、中央連結バンドは、内側レバーアームと外側レバーアームとの間で延び、これらの間の橋渡しとなる個別的なピースであり得る。特に、中央連結バンドは、アッパーへの結合を提供し得、足首の襟にフレームを提供して、足が挿入されるときに足首の襟が足受容開口内に折り畳まれることを防止し得る。
【0041】
着用者によって着用される場合、襟エレベータ(たとえば、襟エレベータ350および450)を有する履物製品は、着用者が履物製品を操作するために自分の手を使用しなくても、着用者が着用し得る履物製品である。たとえば、着用者の足指は、足挿入開口318または418を通じて挿入され得る一方、自分の足のアーチまたは踵は、足首の襟336または436をソール312または412に向かって下方へ圧迫するのに用いられる。このように、足首の襟336または436をソールにより近く降下状態に調整することにより、足挿入開口318または418のサイズが大きくなり得る。着用者の足が足受容キャビティ316または416内にスライドすると、襟エレベータ350または450は、足首の襟を降下状態(すなわち、図3Cおよび図4C)から直立状態(すなわち、図3Aおよび図4A)へ移動させて履物製品を着用者の足に固定するのに役立つ。
【0042】
特に、襟エレベータ350および450は、時間が経つにつれて上部踵領域および上部足首領域の構造的破壊の可能性を減少させ得、これは、直立状態に戻るように、または付勢されるように動作するフレームの提供による繰り返しのハンドフリー着用(hands-free donning)に起因し得る。また、襟エレベータ350および450は、利用者が手を使用することおよび/もしくは紐を結ぶために屈むことなく、靴べらを使用することなく、またはフィット(fit)のための他のそのような調整機構、要素またはメカニズムを使用することなく、自分の靴を容易に着用する(すなわち、履く)ことを可能にし得る。さらに、履物製品310および410は、足受容開口内に着用者の足を容易に受容したり容易に導いたりし、あるいは他の方式で足受容開口に対して着用者の足を収容し得る。このような簡単な着用の可能性は、特に足首の襟の上端線が足受容キャビティに向かって内向きに折れないようにしながら大きな足挿入開口を提供するのに役立つ襟エレベータ350および450に起因し得る。
【0043】
履物製品310および410の動作は、多様な方式で説明され得る。たとえば、足首の襟336および436には、弾性があり得るか、たとえば足首の襟が降下状態に移動するとき、足挿入開口318および418の膨張を可能にするゴアリング要素(goring element)が含まれ得る。降下状態で、足挿入開口318および418は、少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約15%膨張し得る。かかる測定された膨張は、多様な方式で検出され得る。たとえば、足挿入開口の第1円周は、足首の襟が第1状態にあるときに測定され得、第2円周は、足首の襟が(第1状態に比して)ソールの近くにある第2状態にあるときに測定され得る。第1および第2状態においてソールから足首の襟までの距離は、垂直面(すなわち、水平基準面に対して垂直であり、地面接触表面が休止位置(at-rest position)に着座する平坦な地表面を含む)で測定され得、距離は、足首の襟の上端線の縁の最後方点から、ソールの上端線の縁(たとえば、バイトラインでソールがアッパーに連結されるところ)までの距離として測定され得る。このように、第1状態における距離は、第2状態における距離よりも長く、一態様では、第2距離は、第1距離の75%以下である。前述の例に続いて、第1状態における距離の75%以下の距離を有する第2状態において、円周は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、または少なくとも約15%膨張し得る。さらなる例において、足挿入開口318および418の円周は、足首の襟が第1状態における距離の75%以下の距離を有する第2状態にあるとき、少なくとも約1.0インチ(約2.54センチメートル)だけ膨張し得る。足挿入開口318および418の膨張量は、靴のスタイルおよびサイズによって異なり得る。他の態様において、降下状態におけるソール312および412の上の足首の襟336および436の高さは、直立状態における高さよりも約50%低いが、他のパラメータと同様に、これは、靴のスタイルおよびサイズによって異なり得る。
【0044】
本開示の他の箇所で説明されているように、襟エレベータ350および450は、足首の襟336および436を降下状態から直立状態に移動させるときに復帰力を提供する。いくつかの態様において、復帰力は、約1重量ポンド~約15重量ポンドであり、これは、足首の襟の多様な位置で測定され得る。たとえば、前述のように、足首の襟は、ソールからの第1距離を有する第1状態と、ソールからの第2距離(第1状態における距離よりも短い)を有する第2状態と、を含み得る。一態様において、襟エレベータ350および450は、第1状態における距離の約85%以下の距離を有する第2状態で、約1重量ポンド~約15重量ポンドの復帰力を提供する。さらなる態様において、襟エレベータ350および450は、第1状態における距離の約75%以下の距離を有する第2状態で、約1重量ポンド~約15重量ポンドの復帰力を提供する。さらに、襟エレベータ350および450は、第1状態における距離の約50%以下の距離を有する第2状態で、約1重量ポンド~約15重量ポンドの復帰力を提供し得る。復帰力は、足首の襟の後部が第2状態から跳ね戻って着用者の踵の周りにぴったりとフィットするように十分に強いものであり得る。たとえば、足首の襟336および436は、降下状態における足首の襟とソールとの間の距離が、直立状態における距離の85%未満、または75%未満、または50%未満である場合、約1秒未満の間に降下状態から直立状態に上昇し得る。他の態様において、足首の襟336および436は、降下状態における足首の襟とソールとの間の距離が、直立状態における距離の85%未満、または75%未満、または50%未満である場合、約0.5秒未満の間に降下状態から直立状態に上昇し得る。そして、さらなる態様において、足首の襟336および436は、降下状態における足首の襟とソールとの間の距離が、直立状態における距離の85%未満、または75%未満、または50%未満である場合、約0.2秒未満の間に降下状態から直立状態に上昇し得る。跳ね戻り時間は、外力(たとえば、着用者の踵により加えられ得る摩擦)による相殺のない状態で測定される。
【0045】
履物製品310および410は、多様な方式で構成され得、図5Aおよび図6Aを参照すると、(それぞれ)部分的に分解されている履物製品510および610を示す例示が提供される。たとえば、図5Aでは、アッパー514、襟エレベータ550、基部558、ソールインサート519、およびソール512が結合解除状態で示され、図6Aでは、アッパー614、襟エレベータ650および基部658、ならびにソール612が結合解除状態で示されている。履物製品510および610は、履物製品510が構成されるとき、基部558および658が足受容キャビティの下に位置決めされるという点で履物製品310と類似している。すなわち、基部558および658は、ソール512および612と足受容キャビティ516および616との間に位置決めされ、よって、履物製品510および610が着用構成にあるとき、基部558および658は、足の下に位置決めされる。履物製品510および610は、基部558および658がソールと足受容キャビティとの間に(たとえば、足の下に)位置決めされるという点で類似しているが、これらは互いの多様な差異も含み、履物製品310に含まれ得る変形を図示するのに役立つ。
【0046】
履物製品510は、踵領域524および足首領域526を有するアッパー514を含む。また、履物製品510は、ソールにより近く位置決めされた降下状態と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で間で移動可能な足首の襟536を含む。アッパーはまた、外側材料層513および内側材料層515を含む。互いに対して、内側材料層515は、足受容キャビティ516により近く、外側材料層513は、足受容キャビティ516からより遠く離れている。
【0047】
履物製品510はまた、襟エレベータ550を含み、その少なくとも一部は、履物製品が構成されるとき外側材料層513と内側材料層515との間に位置決めされる。破線551は、襟エレベータ550の概ねの位置決めのための一般的なガイドとしてのみ提供される。内側材料層515は、少なくとも後方に延びる前方縁515Aから踵領域524をライニングするものとして図示されており、図7A図7Cは、図5Aでの基準線7-7による断面図に基づいて外側材料層713A~Cおよび内側材料層715A~Cの代替の変形を示す。たとえば、図7Aは、内側材料層715Aが足首の襟の上端線の縁からストローベルステッチの近くまで延びる一態様を図示する。図7Bに示された他の態様において、内側材料層715Bは、踵領域524の一部のみをライニングするより小さな材料パネルを含み得る。たとえば、内側材料層715Bは、襟エレベータ550と整列された領域のみに沿って延びてもよく、これに関連して、内側材料層715Bは(外側材料層713Bと一緒に)レバーアーム552および554用のエンケースメント(encasement)、織地シース(textile sheath)またはチャネルの一部を形成してもよい。代替的に、外側材料層は、内側材料層の一部上のみに横たわっており、襟エレベータ550と整列された領域に沿って延びてレバーアーム552および554用のエンケースメント、織地シースまたはチャネルの外壁を形成する、(内側材料層に比して)小さなパネルを含み得る。図7Cに示された別の態様において、外側材料層713Cおよび内側材料層715Cは、互いに一体に編織されてレバーアームチャネルを形成し得る。
【0048】
また、履物製品510は、例示の目的で襟エレベータ550から分離されている状態で示されている基部558を含む。一態様において、襟エレベータ550は、初期に基部558とは別個に形成され、それから、アンカーなどと一緒にレバーアーム終端553および555において基部558に取り付けられ得る。別の態様において、基部558および襟エレベータ550は、共成形プロセスなどにより互いに一体形成され得る(たとえば、基部558は、レバーアームと連続している)。
【0049】
襟エレベータ550は、多様な方式で外側材料層513と内側材料層515との間に結合され得る。たとえば、一態様において内側材料層515は、外側材料層513から少なくとも一部の箇所で分離されている下端縁517を含む。したがって、襟エレベータ550は、下端縁517を外側材料層513から分離し、襟エレベータ550を内側材料層515と外側材料層513との間の空間に挿入することにより、所定に位置に配置され得る。基部558は、層513と層515との間に襟エレベータ550を挿入する前に、襟エレベータ550に貼り付けられてもよく、または基部558は、後続プロセス中に、たとえばラスティック(lasting)プロセスの前またはラスティックプロセス中に取り付けられてもよい。本開示の他の態様において、内側材料層515の他の部分は、外側材料層513から分離された状態を維持して、それらの間への襟エレベータ550の配置を可能にし得る。次に、これらの分離されている部分の少なくとも一部は、襟エレベータ550の配置後に、たとえばステッチまたは接着剤によって外側材料層513に結合され得る。
【0050】
襟エレベータ550が内側材料層513と外側材料層515との間に位置決めされた後、襟エレベータ550は、多様な方式でアッパー514に結合され得る。接着剤または接合剤が1つのオプションであるが、これらはいくつかの短所も持っている。たとえば、襟エレベータ550が結合前に層513と層515との間で自由浮遊する場合、接合プロセスの精度が劣ることがあり、その結果、履物製品によって一貫性のない位置決めを招く可能性がある。また、これらの製剤は、アッパー材料の硬性を増加させたり、または材料特性(たとえば、通気性、ウィッキング性など)に影響を及ぼしたりし得る。さらに、これらの製剤には、時間が経つにつれて層間剥離が生じ得る。
【0051】
一態様において、履物製品510の襟エレベータは、中央連結部分556の近くで機械的結合によってアッパー514に貼り付けられ、図5Aに示したように、一部の代替の襟エレベータ550A~Fは、図5Bに示されている。本開示の一態様において、履物製品510は、任意の襟エレベータ550および550A~F、またはこれについて説明された特徴部の組み合わせを含み得る。多様な襟エレベータ550A~Fを説明する際に、コネクタは、中央連結部分の近くに貼り付けられるものと説明されており、本開示の他の態様において、図5Bに説明されているコネクタは、中央連結部分と基部との間のレバーアームに沿って多種多様な位置に位置決めされ得ることに留意されたい。
【0052】
本開示の一態様において、履物製品510は、中央連結部分に位置決めされ、前表面(たとえば、図5Aの561)から後表面(たとえば、563)まで中央連結部分の厚さを通じて完全に延びる開口部を有する襟エレベータを含む。また、履物製品510は、開口部を通じて延び、内側材料層515、外側材料層513、または外側材料層513および内側材料層515の両方に連結されるファスナーを含む。たとえば、ファスナーは、外側材料層513および内側材料層515のそれぞれにおいて各開口部を通じて延び得る。ファスナーに係合するための開口部を有する襟エレベータの例は、襟エレベータ550A~Cとして図5Bに示されており、これらの各々については、以下でより詳しく別個に説明する。一般的に、襟エレベータ550A~Cと一緒に示されたファスナーのそれぞれは、材料層513および/または515のうち少なくとも1つの厚さよりも長い長さを有する、いくつかの形態の細長い部材(たとえば、ネジ山、スタッド、タブなど)を含み、これは、締結容量で動作するときに、材料層の一側から他側に通過する、細長い部材の能力に寄与する。
【0053】
以下で図5Bを参照すると、襟エレベータ550A~Fのそれぞれは、外側材料層513および内側材料層515を含む、アッパー514と襟エレベータとの多様な結合構成を概略的に図示するそれぞれの断面図と一緒に示される。たとえば、それぞれの断面図は、足首の襟536の後方部分の上端線の縁で長手方向の中間線基準面に沿って取られ得、各襟エレベータの中央連結部分を示す。代替的に、本開示の他の箇所で説明されているように、図5Bに示されたコネクタは、レバーアームをアッパーに連結し得、したがって、断面図は、同様に外側材料層、内側材料層、または外側材料層および内側材料層の両方に連結されたレバーアームの構成を示し得る。
【0054】
本開示の一態様において、履物製品510は、ストランド受容開口部562Aを有するステッチ区域560Aを有する襟エレベータ550Aを含む。ステッチ区域560Aは、1つ以上のステッチ564Aが中央連結部分556Aに適用されて中央連結部分556Aをアッパーに結合する領域を含む。さらに、ステッチ区域560Aは、ステッチ564Aを適用するときに、(より厚い壁に比して)針が貫通しやすい薄壁566Aを含み得る。薄壁は、図5Bに示されているように、中央連結部分556Aの前表面561Aの凹部、中央連結部分556Aの後表面563Aの凹部、または前表面561Aおよび後表面563Aの両方の凹部を含み得る。代替的に、ステッチ区域560Aは、薄壁を含まなくてもよく、中央連結部分の周囲部分と一致する壁厚を含んでもよい。図5Bにおいて、ステッチ564Aは、外側材料層513、ステッチ区域560Aおよび内側材料層515を通じて延びるものとして図示されており、このバージョンは、図5Bにおいてバージョン「A」と指定される。本開示の他の態様において、ステッチは、内側材料層515およびステッチ区域560Aのみを通じて延びてもよく(図5Bの例示的なバージョン「B」参照)、または外側材料層513およびステッチ区域560Aのみを通じて延びてもよい(図5Bの例示的なバージョン「C」参照)。ストランド受容開口部562Aは、外側材料層513と内側材料層515との間に襟エレベータ550Aを挿入する前にステッチ区域560Aに構成される、あらかじめ形成された開口部を含み得る。代替的に、ストランド受容開口部562Aは、ステッチ564Aを適用するときに、ステッチ区域560Aを通過する針によって形成され得る。前述したように、ステッチ区域560Aは、襟エレベータの中央連結部分に沿って図示されているが、他の態様において、レバーアームは、レバーアームをアッパーに取り付けるためにステッチが位置決めされるステッチ区域を含み得る。
【0055】
別の態様において、履物製品510は、前表面561Bから後表面563Bまで中央連結部分556Bの厚さを通じて完全に延び、コネクタを受容するように構成されるコネクタ受容開口部562Bを含む襟エレベータ550Bを含む。たとえば、コネクタは、互いにスナップされる第1部分および第2部分を有する分離型二部コネクタであり得、そうでなければ互いにしっかりと締結されている。一態様において、二部コネクタは、第2部分の凹部にしっかりと嵌められるヘッドを有する1つの部分上にポスト(post)を有する雄雌コネクタである。2つの部分は、多様な方式、たとえば摩擦係合(たとえば、変形可能なかかり(barb))、スナップ係合(たとえば、スタッド、ソケット)、螺合、接合、熱処理、およびこれらのあらゆるすべての組み合わせによって、互いにしっかりと締結され得る。第1部分564Bおよび第2部分566Bを有する二部スナップリベットを含む例示的な二部コネクタが、図5Bに示されている。コネクタは代替的に、コネクタ受容開口部562Bを通じて挿入され、ブラインドリベットなどのキャップに形成されたシャフトを有する一端上に基部を有するワンピース型コネクタであり得る。図5Bにおいて、二部コネクタは、外側材料層513、コネクタ受容開口部562Bおよび内側材料層515を通じて延びるものとして図示されており、このバージョンは、バージョン「D」と指定される。本開示の他の態様において、コネクタは、内側材料層515およびコネクタ受容開口部562Bのみを通じて延びてもよく(図5Bの例示的なバージョン「E」参照)、または外側材料層513およびコネクタ受容開口部562Bのみを通じて延びてもよい(図5Bの例示的なバージョン「F」参照)。本開示の目的のために、襟エレベータ550Bの二部コネクタは、コネクタの第1部分が中央連結部分と一体形成されていないことを示唆するという意味で「分離型」と説明され得る。「分離型」はまた、中央連結バンドまたは第1部分の完全性に影響を与えずに取り外しの防止を意図する方式によって、二部コネクタの第1部分が中央連結部分の表面に固定的に取り付けられないことを示唆し得る。このような分離型コネクタは、コネクタの一部が、たとえば襟エレベータと一体形成されること、または襟エレベータの表面に固定的に取り付けられることによって、襟エレベータの表面にあらかじめ結合される550D~Fについて以下で説明されるものと対照をなしている。すなわち、550D~Fにおいて、コネクタの第1部分は、二部コネクタの第2部分に連結される前に、襟エレベータにあらかじめ結合される。前述したように、コネクタ受容開口部562Bは、襟エレベータの中央連結部分に沿って図示されているが、他の態様において、レバーアームは、レバーアームをアッパーに取り付けるためにコネクタが位置決めされるコネクタ受容開口部を含み得る。
【0056】
本開示のさらなる態様において、履物製品510は、前表面561Cから後表面563Cまで中央連結部分556Cの厚さを通じて完全に延び、タブを形成しかつアッパーに連結された織地材料ストリップを受容するように構成される、タブ受容開口部562Cを含む襟エレベータ550Cを含む。たとえば、タブは、第1の部分でアッパーに貼り付けられ、タブ受容開口部562Cを通じて延びる織地材料ストリップであってもよく、タブ受容開口部からストリップが引っ張られたり、またはこれを通じて滑ったりすることを阻害するいくつかの固定要素を含む。一例において、タブは、タブ受容開口部を通過し得、反対側の第2の部分でアッパーの別の部分上に貼り付けられ得る。タブ受容開口部562Cを通じて中央連結部分556の前側から延び、アッパー上にさらに連結された材料ストリップを含む例示的なタブ564Cが、図5Bに示されている。たとえば、タブは、タブ受容開口部562Cを通過した後、アッパー上にステッチされるか、溶接されるか、鋲で固定されるか、ボタンで固定されるか、スナップされるか、リベット固定されるか、その他の結合を用いて貼り付けられ得る。別の例において、タブの遠位端部は、少なくとも1つの寸法がタブ受容開口部562Cよりも大きく、材料ストリップがタブ受容開口部562Cから連結解除されることを阻害する、ダボなどのトグル要素と結合され得る。図5Bは、中央連結部分の前側から延び、足受容キャビティに背を向けているアッパーの表面に連結されたタブを示し、このバージョンは、「G」と指定される。他の態様において、タブは、中央連結部分の後側から延び、足受容キャビティに面する表面上のアッパー上にさらに連結され得る(図5Bでの例示的なバージョン「H」参照)。前述したように、タブ受容開口部562Cは、襟エレベータの中央連結部分に沿って図示されているが、他の態様において、レバーアームは、レバーアームをアッパーに取り付けるためにアッパーから延びるタブまたは材料ストリップが位置決めされるタブ受容開口部を含み得る。
【0057】
本開示の別の態様において、履物製品510は、前表面(たとえば、図5Aの表面561)、後表面(たとえば、表面563)または前表面および後表面の両方から延びる(あるいはその中に位置する)二部コネクタ(たとえば、雄雌コネクタ)の第1部分を有する襟エレベータを含む。二部コネクタの第1部分を有する襟エレベータの例は、襟エレベータ550D~Fとして図5Bに示されており、これらの各々については、以下でより詳しく説明する。簡単に前述したように、襟エレベータ550D~Fにおいて、コネクタの第1部分は、二部コネクタの第2パーティに連結される前に襟エレベータにあらかじめ結合される。
【0058】
一般的に襟エレベータ550D~Fを説明すると、二部コネクタの第1部分は、中央連結部分を内側材料層および/または外側材料層に結合するために二部コネクタの第2部分に取り付けられる。たとえば、第1部分、第2部分、または第1部分および第2部分の両方は、外側材料層および/または内側材料層の開口部を通じて延び、二部コネクタを連結および形成し、中央連結部分をアッパーに結合し得る。この態様は、襟エレベータ550A~Cについて説明された一部のファスナーと類似しており、ここで第1部分は、材料層513および/または515のうち少なくとも1つの厚さより長い長さを有し、これは、締結容量で動作するときに、材料層の一側から他側に通過する第1部分の能力に寄与する。代替的に、コネクタの一部分は、中央連結部分に貼り付けられてもよく、コネクタの他の部分は、中央連結部分に面するアッパーの表面に貼り付けられてもよく、よって、コネクタは、アッパーの開口部を通過しない。二部コネクタの第1部分は、多様な方式で二部コネクタの第2部分に取り付けられ得る。たとえば、第1および第2部分は、互いに摩擦係合し、一緒にスナップされるか、互いにネジ山で取り付けられるか、一緒にクリップされるか、あるいはこれらのあらゆるすべての組み合わせが可能である。また、二部コネクタの第1部分は、中央連結部分と一体形成され得るか、あるいは接合または接着剤、溶接、ステッチ、熱硬化などによって、中央連結部分に固定的に取り付けられる分離型コネクタ部分であり得る。さらに、二部コネクタの第2部分が中央連結部分に面するアッパーの表面に貼り付けられる態様において、第2部分は、接合または接着剤、溶接、ステッチ、熱硬化などを含む多様な結合によって貼り付けられ得る。
【0059】
本開示の一態様において、履物製品510は、中央連結部分556Dの前表面561Dに貼り付けられた二部コネクタの第1部分564Dを含む襟エレベータ550D(図5B)を含む。前述のように、第1部分564Dは、前表面561Dに一体形成され得るか、または別の態様においては、前表面561Dにいくつかの他の結合メカニズム(たとえば、接合または接着剤、溶接、ステッチ、熱硬化など)によってあらかじめ結合された分離型コネクタ部分であり得る。第1部分564Dは、たとえば互いに摩擦係合するか、一緒にスナップされるか、互いにネジで取り付けられるか、一緒にクリップされるか、あるいはこれらのあらゆるすべてを組み合わせることによって、二部コネクタの第2部分566Dと連結される。たとえば、第1部分564Dは、内側材料層515の開口部を通じて延び得、中央連結部分556Dに背を向けており、足受容キャビティ516に面する内側材料層515の側面上の第2部分566Dに連結され得、このバージョンは、図5Bにおいて参照文字「I」で識別される。代替の態様において、第2部分566Dは、中央連結部分556Dに面する内側材料層515の表面515Jに貼り付けられ得、この態様は、図5Bにおいて参照文字「J」で識別される。前述したように、二部コネクタの第1部分564Dは、襟エレベータの中央連結部分に沿って図示されているが、他の態様において、レバーアームの前側は、レバーアームをアッパーに取り付けるために第2部分に取り付けられる二部コネクタの第1部分564Dを含み得る。
【0060】
本開示の別の態様において、履物製品510は、中央連結部分556Eの後表面563Eに貼り付けられた二部コネクタの第1部分564Eを含む襟エレベータ550Eを含む。前述のように、第1部分564Eは、後表面563Eに一体形成され得るか、または別の態様においては、いくつかの他の結合メカニズム(たとえば、接合または接着剤、溶接、ステッチ、熱硬化など)によってあらかじめ結合された分離型コネクタ部分であり得る。第1部分564Eは、たとえば互いに摩擦係合するか、一緒にスナップされるか、互いにネジで取り付けられるか、一緒にクリップされるか、あるいはこれらのあらゆるすべてを組み合わせることによって、二部コネクタの第2部分566Eと連結される。たとえば、第1部分564Eは、外側材料層513の開口部を通じて延び得、中央連結部分556Eに背を向けており、足受容キャビティ516から離れている外側材料層513の側面上の第2部分566Eに連結され得、このバージョンは、図5Bにおいて参照文字「K」で識別される。代替の態様において、第2部分566Eは、中央連結部分556Eに面する外側材料層513の表面513Lに貼り付けられ得、この態様は、図5Bにおいて参照文字「L」で識別される。前述したように、二部コネクタの第1部分564Eは、襟エレベータの中央連結部分に沿って図示されているが、他の態様において、レバーアームの後側は、レバーアームをアッパーに取り付けるために第2部分に取り付けられる二部コネクタの第1部分564Eを含み得る。
【0061】
本開示のさらなる態様において、履物製品510は、第1二部コネクタおよび第2二部コネクタの一部を含む襟エレベータ550Fを含む。第1二部コネクタは、中央連結部分556Fの後表面563Fに貼り付けられた第1部分564Fを含み、第2二部コネクタは、中央連結部分556Fの前表面561Fに貼り付けられた第1部分568Fを含む。前述のように、第1部分564Fおよび568Fは、後表面563Fおよび前表面561Fに一体形成され得るか、または別の態様においては、いくつかの他の結合メカニズム(たとえば、接合または接着剤、溶接、ステッチ、熱硬化など)によってあらかじめ結合された分離型コネクタ部分であり得る。第1部分564Fは、二部コネクタの第2部分566Fと連結され、第1部分568Fは、二部コネクタの第2部分570Fと連結される(たとえば、第1部分は、互いに摩擦係合するか、一緒にスナップされるか、互いにネジで取り付けられるか、一緒にクリップされるか、あるいはこれらのあらゆるすべてを組み合わせることによって、それぞれの第2部分に連結され得る)。たとえば、第1部分564Fおよび568Fは、外側材料層513および内側材料層515の各開口部を通じて延び得、中央連結部分556Fに背を向けている外側材料層513および内側材料層515の側面上の第2部分566Fおよび570Fに連結され得、このバージョンは、図5Bにおいて参照文字「M」で識別される。代替の態様において、第2部分566Fおよび570Fは、中央連結部分556Fに面する外側材料層513および内側材料層515の表面に貼り付けられ得、この態様は、図5Bにおいて参照文字「N」で識別される。図5Bに明示的に図示されていないが、他の態様は、バージョン「M」と「N」との組み合わせを含み得る。たとえば、第1部分564Fは、第2部分566Fに連結されるように外側材料層513の開口部を通じて延び得、他の第1部分568Fは、中央連結部分556Fに面する内側材料層515の表面上の第2部分570Fに連結され得る。代替的に、第1部分568Fは、第2部分570Fに連結されるように内側材料層515の開口部を通じて延び得、他の第1部分564Fは、中央連結部分556Fに面する外側材料層513の表面上の第2部分566Fに連結され得る。前述したように、第1部分564Fおよび568Fは、襟エレベータの中央連結部分に沿って図示されているが、他の態様において、レバーアームの前側および後側は、レバーアームをアッパーに取り付けるために第1部分を含み得る。
【0062】
アッパーに多様に連結されるいくつかの代替の襟エレベータを説明したが、以下で再び図5Aを参照して本開示のさらなる態様を説明する。前述したように、襟エレベータ550または550A~Fは、外側材料層513と内側材料層515との間に挿入される。このとき、襟エレベータ550または550A~Fは、本開示の前述の箇所で説明された結合のうち1つ以上を用いてアッパーに結合され得る。また、前述したように、基部558は、襟エレベータ550または550A~Fに既に取り付けられていてもよく、(たとえば、基部558がレバーアームと一体形成される場合)、またはいくつかの態様において、基部558は、襟エレベータ550または550A~Fがアッパーに取り付けられた後に、襟エレベータ550または550A~Fに取り付けられてもよい。さらなる態様において、基部558は、ボール紙、板紙、紙繊維板などを含むソールインサート519に貼り付けられる。たとえば、ソールインサート519は、基部558の下端表面557(すなわち、足受容キャビティ516に背を向けており、ソール512に面する表面)に接合または接着され得る。一態様において、ソールインサート519への結合は、踵襟が直立状態から降下状態に移動するときに、基部の上昇を阻害する。
【0063】
さらなる態様において、アッパー514は、アッパー514の下部周縁に位置決めされたスカート508を含む。スカート508は、スカート508の延長された長さを含む外側材料層513の連続部分であり得る。代替的に、スカート508は、外側材料層513の下部周縁の周りに貼り付けられた別々の材料ストリップ、たとえば低伸長性の不織材料であり得る。さらなる態様において、アッパー514は、層513と層515との間の所定の位置にある襟エレベータ550または550A~F、ならびに所定の位置にある基部558およびソールインサート519とラスティックされる一方、スカート508は、下の方に引っ張られ、ソールインサート519の下端表面521に結合される。したがって、いくつかの態様において、ソールインサート519は、ラスティングボードとも呼ばれ得る。特に、ソールインサート519の下端表面521にスカート508をこのように取り付けることによって、ラストの周りにアッパー514の形状を形成するのに役立ち、スカート508の踵部分において、下端表面521への取り付けは、襟エレベータに、あらかじめ張力が加えられた状態で、負荷をかけるのに役立ち得る。スカート508がソールインサート519の下端表面521に接合される際、ソール512は、スカート508およびソールインサート519に結合され得、これは、アッパーがまだラスト上にある間、行なわれ得る。
【0064】
図5Aおよび図5Bは、スカート508およびソールインサート519などの1つ以上の構造体が基部558とソール512との間に位置決めされる一態様を示す。代替の態様において、基部は、図5Aに示されたものとは異なるように位置決めされ得る。たとえば、基部は、ストローベルの下に位置決めされ得、以下で図6Aを参照して本開示の他の態様を説明する。図6Aは、部分的に分解された履物製品610の例示を図示する。すなわち、アッパー614は、襟エレベータ650から結合解除されたストローベル608と、ソール612から結合解除された基部658(レバーアームがよく見えるように、仮想の点線で示す)と、に結合される。履物製品610は、履物製品610が構成されるとき、基部658がストローベル608の下に位置決めされるという点で履物製品510とは異なる。すなわち、基部658は、履物製品610が構成されるとき、ストローベル608とソール612との間に位置決めされる。たとえば、図6Bを簡単に参照すると、履物製品610が結合状態にある際、ストローベル608および基部658の相対的位置を示す断面図が提示される。
【0065】
アッパー614は、ソール612がアッパー614に連結されるとき、ソール612の上端線の縁609の概ねの位置を示すバイトライン623をさらに含む。また、アッパー614は、アッパー614の材料層のうち1つ以上に結合されるストローベル608を含み、符号625は、ストローベルステッチまたは他の結合が位置決めされ得る線を識別する。ストローベル608は、アッパー614の下端部分を完全に閉鎖する連続パネルとして示される。他の態様において、ストローベル608は、連続片でなくてもよく、かつ/またはスプリットストローベル(split strobel)またはハーフストローベル(half strobel)などの下端部分全体を閉鎖しなくてもよい。
【0066】
また、アッパー614は、アッパー614の第1材料層613を通じて完全に(すなわち、足受容キャビティに背を向けている第1表面から、足受容キャビティに面する第2表面まで完全に)延びる開口部627を含み、開口部627は、第1材料層613と、より内部にある第2材料層615と、の間に位置決めされたレバーアーム領域651に開口を提供する。言い換えれば、第1材料層613は、足受容キャビティに背を向けており、かつ/またはソールに面する外向き表面と、足受容開口部に面する内向き表面を含む厚さを有し得、厚さは、外向き表面と内向き表面との間にある。この場合、開口部627は、外向き表面から内向き表面まで材料層を通じて延びる。開口部は、多様な構造体を含み得る。たとえば、開口部は、第1材料層の縁に沿って形成されたスリットまたは第1材料層を通じて形成された孔(たとえば、ダイカットされた、パンチされた、穿孔された、その他)を含み得る。他の場合において、開口部は、第1材料層(たとえば、編み込まれた、織り込まれた、縫い込まれた、その他)の形成において、編み糸または繊維の操作によって構成される、一体形成された孔を含み得る。開口部は、多様なサイズを有し得、開口部の周縁の少なくとも一部に沿って測定され(たとえば、長さ、幅、円周、面積など)、場合によっては、サイズには襟エレベータとの関係が含まれる。たとえば、開口部は、開口部内へのレバーアームの位置決めを可能にするために、少なくともレバーアームの一部と同じ大きさの寸法を含み得る。
【0067】
図6Aでは隠されているが、図6Bにおいて履物製品610は、別のレバーアーム領域653に開口を提供するアッパーの反対側上に別の開口部631を含む。一般に、基部658がストローベル608の下(すなわち、ストローベル608とソール612との間)に位置決めされる場合、接合部659で基部658に連結されたレバーアーム652は、接合部659から開口部627を通じてレバーアーム領域651に延び得る。さらに、図6Bの断面図は、基部658との接合部659から開口部627を通じてレバーアーム領域651に延びるレバーアーム652を示す。図6Bはまた、基部658から開口部631を通じてレバーアーム領域653に延びるレバーアーム654を示す。本開示の他の態様において説明されているように、それぞれの接合部(たとえば、659)において基部658へのレバーアーム652および654の連結は、摩擦嵌め結合などのアンカーを含んでもよく、あるいはレバーアーム652および654は、基部658と一体形成されてもよい。
【0068】
図6Aおよび図6Bは、本開示の一部の要素の例を示しており、多様な代替の態様が存在する。たとえば、第1材料層613および第2材料層615は、多様な構成を含み得る。一般的に、互いにそれぞれ、第1材料層613は外側材料層であり、第2材料層615は内側材料層であり、図7A図7Cは、図6Aの基準線7-7による代替の構成を示している。
【0069】
一態様において、内側材料層615は、アッパーの踵および足首領域の大部分にわたって延び、多様な位置で外側材料層613に結合されるライナーであり得る。たとえば、図7Aの断面図に示したように、内側材料層715Aは、足首の襟の上端線の縁の近くからストローベルステッチ725Aの近くまで延び、内側材料層713Aおよび外側材料層715Aは、レバーアーム領域751Aで互いに直接連結されない。
【0070】
図7Bによって示された別の態様において、内側材料層715Bは、レバーアーム用のエンケースメントを形成するために、外側材料層713Bの内向き表面の選択部分のみに沿って、たとえばレバーアーム領域751Bに沿って延びるライナーであり得る。たとえば、図7Bの断面図に示したように、内側材料層715Bは、足首の襟の下にある上位縁を含み、内側材料層713Bおよび外側材料層715Bは、レバーアーム領域751Bに沿って互いに直接連結されない。代替的に、外側材料層は、内側材料層の一部上のみに横たわっており、襟エレベータと整列された領域に沿って延びてレバーアーム552および554用のエンケースメント、織地シースまたはチャネルの外壁を形成する、(内側材料層に比して)小さなパネルを含み得る。
【0071】
さらなる態様において、内側材料層および外側材料層は、図7Cに示されているように、編み込まれたレバーアームチャネルを含み得る。たとえば、外側材料層713Cおよび内側材料層715Cはそれぞれ、互いに一体形成され、レバーアーム領域751Cに沿って分離されている編織層を含み得る。
【0072】
図6Aおよび図6Bにおいて、履物製品610は、バイトラインの下に位置決めされた開口部627および631を含む。したがって、基部との接合部と開口部との間にあるレバーアームの一部は、ソール612の側壁の後ろに隠されたままである。別の実施形態において、開口部627および631は、ソール612の上端線の縁上に位置決めされ得、よって、材料層の間のレバーアーム領域に入る前にレバーアームの少なくとも一部は露出し得る。たとえば、図8を参照すると、ソール612Bの上端線の縁609Bの上に位置決めされた開口部627Bおよび631Bを有する履物製品610Bを含む代替の態様が図示される。したがって、レバーアーム652Bおよび654Bは、第1材料層613Dと第2材料層615Dとの間の空間651Bおよび653Bに入る前に外側表面に露出する。
【0073】
再び図6Aおよび図6Bを参照すると、レバーアーム652および654がそれぞれの開口部627および631に挿入される際、レバーアーム652および654は、多様な方式でアッパー614に結合され得る。たとえば、一態様において、外側材料層613および内側材料層615は、このような方式でステッチ、接着剤、溶接などによって一緒に貼り付けられて、レバーアームとの嵌めを形成するように構成されたサイズ、形状、および体積を有するレバーアームチャネルを生成し得る。図6Aにおいて、レバーアーム652および654は、一般的に基部658との接合部から遠位端部へと先細りし、したがって、それぞれのレバーアームチャネルは、同様に、開口部(たとえば、627および631)から遠位端部へと先細りし得る。一態様において、レバーアームとレバーアームチャネルとの間の嵌めは、足首の襟が直立状態と降下状態との間で移動するとき、襟エレベータとアッパーとの間の十分な伝達力である。
【0074】
他の態様において、レバーアーム652および654は、図5Bについて説明されたコネクタのうち1つ以上によってアッパーに取り付けられ得る。すなわち、それぞれのレバーアーム652および654は、ステッチ、分離型二部コネクタ、または織地タブを含むコネクタが延びる開口部を含み得る。代替的に、各レバーアーム652および654は、二部コネクタのあらかじめ結合された第1部分を含み得、この第1部分は、外側材料層および/または内側材料層の外側表面または内側表面上において二部の第2部分に取り付けられる。
【0075】
図6Aは、履物製品610が2つのレバーアーム652および654を含み、これらのそれぞれが足首領域626の後方の周りに延びる前に終結する一態様を示す。図9Aを参照すると、代替の態様において、履物製品610は、第1レバーアーム952および第2レバーアーム954を有する襟エレベータ950を含み、各レバーアーム952および954は、足首領域の後部の少なくとも一部の周りに(すなわち、少なくとも長手方向の中間線基準面まで)延びる。したがって、レバーアーム952および954は、少なくとも部分的に重なり合う。図9Aにおいて、レバーアーム952および954は、襟が直立状態にあるとき現れ得る湾曲構成で示されているが、開口部627および631に挿入する前に、レバーアームは、より円滑な挿入を可能にするために直線形であり得る。その場合、レバーアーム952および954の柔軟性は、開口部627および631と連通するレバーアームチャネル(複数可)によって、レバーアーム952および954が、図9Aに示された構成に導かれることを可能にし得る。襟エレベータ950は、フォームフィットチャネル(form-fit channel)、ステッチ、分離型二部コネクタ(複数可)、襟エレベータにあらかじめ結合された1つの部分を有するコネクタ、およびこれらのあらゆるすべての組み合わせを含む、任意の前述のコネクタによってアッパー610に貼り付けられ得る。第1レバーアーム952および第2レバーアーム954は、基部958と一体形成されてもよく、または1つ以上のアンカーを用いて基部958に貼り付けられる別々の要素として形成されてもよい。
【0076】
図6Aおよび図9Aにおいて、襟エレベータは、第1レバーアームおよび第2レバーアームを含む。以下で図9B図9Dを参照すると、履物製品610の襟エレベータが単一のレバーアーム952B~Dを含み得る代替の態様が示されている。たとえば、単一のレバーアーム952B~Dが基部958B~Dに貼り付けられている場合、単一のレバーアームは、開口部627または開口部631に位置決めされ得、レバーアームの長さに応じて、踵および/または足首領域において多様な位置に延び得る。レバーアーム952Bは、履物製品610の内側のみに、あるいは外側のみにレバーアームを配置するように構成されている長さを含む。たとえば、開口部627が内側にある場合、レバーアーム952Bは、基部958Bから開口部627を通じて、長手方向の中間線基準面に対して内側にある終端点まで延びるであろう。代替的に、開口部627が外側にある場合、レバーアーム952Bは、基部958Bから開口部627を通じて、長手方向の中間線基準面に対して外側にある終端点まで延びるであろう。
【0077】
図9Cを参照すると、レバーアーム952Cは、レバーアーム952Bよりも長く、開口部627が内側にある場合、レバーアーム952Cは、基部958Cから開口部627を通じて、長手方向の中間線基準面に対して外側にある終端点まで延びるであろう。代替的に、開口部627が外側にある場合、レバーアーム952Cは、基部958Cから開口部627を通じて、長手方向の中間線基準面に対して内側にある終端点まで延びるであろう。図9Dを参照すると、レバーアーム952Dは、レバーアーム952Cよりも長く、開口部627が内側にある場合、レバーアーム952Dは、足首領域の後部の周りにおいて、基部958Dから開口部627を通じて、可能であればアッパーの反対側外側の開口部631を通じて延びるであろう。代替的に、開口部627が外側にある場合、レバーアーム952Dは、足首領域の後部の周りにおいて、基部958Cから開口部627を通じて、可能であればアッパーの反対側内側の開口部631を通じて延びるであろう。
【0078】
レバーアーム952B~Dがアッパーに位置決めされる際、レバーアーム952B~Dは、多様な方式でアッパー614に結合され得る。たとえば、一態様において、外側材料層および内側材料層は、このような方式でステッチ、接着剤、溶接などによって一緒に貼り付けられて、レバーアームとの嵌めを形成するように構成されたサイズ、形状、および体積を有するレバーアームチャネルを生成し得る。図9B図9Dにおいて、レバーアーム952B~Dは、一般的に基部との接合部から遠位端部へと先細りし、したがって、それぞれのレバーアームチャネルは、同様に、開口部から遠位端部へと先細りし得る。一態様において、レバーアームとレバーアームチャネルとの間の嵌めは、足首の襟が直立状態と降下状態との間で移動するとき、襟エレベータとアッパーとの間の十分な伝達力である。
【0079】
他の態様において、レバーアーム952B~Dは、図5Bについて説明されたコネクタのうち1つ以上によってアッパーに取り付けられ得る。すなわち、それぞれのレバーアーム952B~Dは、ステッチ、分離型二部コネクタ、または織地タブを含むコネクタが延びる開口部を含み得る。代替的に、各レバーアーム952B~Dは、二部コネクタのあらかじめ結合された第1部分を含み得、この第1部分は、外側材料層および/または内側材料層の外側表面または内側表面上において二部の第2部分に取り付けられる。
【0080】
本開示の別の態様において、襟エレベータ550および550A~Fは、レバーアームが開口部627および631に位置決めされる方式で、アッパー610に挿入され得る。したがって、これらの態様において、基部558は、ストローベル608の下に位置決めされるであろう。
【0081】
本開示の上記に含まれている、いくつかの異なる態様で、ストローベルの下に位置決めされた基部を有する、多様な異なる襟エレベータを説明した。このような構造化および構成は、特定の状況において多様な利点に寄与し得る。たとえば、基部をストローベルの下に配置することによって、ソールインサートの必要性が減少し得、ストローベルラスティングに適した構成が提供され得る。場合によっては、ソールインサートは、足の下に所望しない硬性を提供し得、その場合、ストローベルは、硬性の低減のための解決策になることが多い。また、ストローベルラスティングは、いくつかの状況において、ボードラスティングが、スカートを下の方に引っ張り、ソールインサートの下端表面に貼り付けるステップを含むことから、製造の観点から見てボードラスティングよりも効率的であり得る。また、ソールインサートを省略することによって、基部は、ソールの上端、たとえばミッドソールに直接的に位置決めされ得、これは、基部がソールに連結されたり、またはそれに固定されたりする機会を提供し得る。
【0082】
以下で図10A図10Cを参照すると、履物製品610に含まれ得、前述した任意の襟エレベータ550、550A~F、650、950、および950B~Dと組み合わせられ得る多様なソール1012A~Cが示されている。たとえば、図10Aは、履物製品610に含まれる場合、基部および足受容キャビティ618に面する上位表面1006Aを有するソール1012Aを示している。図10Aの破線は、基部が上位表面1006Aに取り付けられ得る概ねの位置を図示する基部取り付け区域を示す。本開示の他の箇所に示したように、基部が襟エレベータに取り付けられ、アッパーに結合される前または後に、基部より先に上位表面1006Aが基部に取り付けられ得る。上位表面1006Aは、基部取り付け区域内に囲まれている基部ターゲット領域1004Aと、基部ターゲット領域1004Aの周りの周辺領域1003Aと、を含む。本開示の一態様において、上位表面1006Aは、基部ターゲット領域1004Aから周辺領域1003Aに円滑に移行する。言い換えれば、互いに直接隣接する基部ターゲット領域1004Aの一部、および周辺領域1003Aの一部は、実質的に同一の面上に延びる。さらに言い換えれば、基部ターゲット領域1004Aは、周辺領域1003Aに対して凹んでいたり、直立していたりしない。基部および基部ターゲット領域1004Aのサイズおよび形状は、ほんの一例に過ぎず、他の態様において、サイズおよび形状は、ソール1012Aの形状にフィットするようにカスタマイズされ得る。たとえば、基部のサイズは、表面1006Aの幅のみならず、踵の方の深さを実質的に埋めるようにカスタマイズされ得、アッパーのこれらの部分を埋めることによって、中底のホットスポットまたは刺激点を防止し得る。また、基部の厚さは、表面1006Aへの円滑な移行のために、基部がその前縁に向かって延びるにつれて徐々に先細りし得る。
【0083】
図10Bを参照すると、別のソール1012Bが図示されており、ソール1012Bは、上位表面1006Bに含まれた基部ドッキング凹部1004Bを含む。基部ドッキング凹部1004Bは、凹部の底1011Bから周辺領域1003Bまで延びる深さを含む。本開示の一態様において、基部ドッキング凹部1004の深さは、ソールに面する基部下端表面から、足受容キャビティに面する基部上端表面まで測定される基部の厚さに実質的に類似しており、基部の厚さ690の一例は、図6Aに示されている。したがって、基部が基部ドッキング凹部1004Bに貼り付けられる場合、基部上端表面は実質的に、表面1006Bの周辺領域1003Bと面一となっている。たとえば、基部は、基部ドッキング凹部1004Bに接合、接着、溶接、熱硬化または共成形され得る。特に、類似した基部の厚さおよび凹部の深さは、中底内における刺激箇所の存在可能性を減少させ得る。また、アッパーの側面および後方を埋めることを必要としない可能性があるため、基部のサイズおよび形状は、よりカスタマイズされ得る。また、基部ドッキング凹部1004Bの壁は、基部がソール1012Bに対して回転することを阻害することによって、基部の位置を維持するのに役立ち得る。より具体的に、一態様において、基部の下端表面の周縁は、基部ドッキング凹部の底1011Bの周縁によって形成された2D形状に実質的に類似した2D形状を形成する。たとえば、図10Bにおいて、基部ドッキング凹部1004Bの底1011Bの周縁は、長方形の2D形状を含み、本開示で説明される任意の他の襟エレベータの下端表面の周縁は、実質的に類似した長方形の2D形状を含み得る。この意味で、底の周縁、および基部下端表面の周縁は、ロックアンドキー(lock-and-key)タイプの関係で協力して、基部ドッキング凹部に重なるときに基部の回転を減らすか、または阻害し得る。さらに、対応する基部ドッキング凹部1004Bが多種多様なソールに含まれる場合、一貫した基部のサイズおよび形状を、異なる形状のソールにわたって使用してもよい。
【0084】
以下で図10Cおよび図10Dを参照すると、別の態様において、履物製品610はソール1012Cを含む。ソール1012Cには基部ドッキング凹部1004Cも含まれるため、ソール1012Cは、ソール1012Bに類似している。基部ドッキング凹部1004Cはまた、基部の下端表面の周縁に実質的に類似した2D形状を形成する周縁を備えた底を有し得る。しかし、ソール1012Cは、基部ドッキング凹部1004Cに基部が位置決めされる際、基部の上端に嵌められる基部保持タブ1002Cを含む。基部保持タブ1002Cは、多様な要素を含み得る。たとえば、一態様において、基部保持タブ1002Cは、基部の厚さ(たとえば、図6Aの厚さ690)と組み合わせられる場合、基部ドッキング凹部1004Cの深さ1005Cに実質的に類似した厚さ1001C(たとえば、図10D参照)を含む。また、タブ1002Cは、基部ドッキング凹部1004Cの内側から外側への幅1005C’よりも短い、内側から外側への幅1001C’を含む。したがって、タブ1002Cの内側と外側との間に、かつ基部ドッキング凹部1004Cの内側と外側との間に、隙間1007Cが形成される。隙間は、嵌め特徴部を提供し、嵌め特徴部は、基部が基部ドッキング凹部1004C内に貼り付けられるとき、レバーアームが基部ドッキング凹部1004Cの外へ阻害されずに延びることを可能にする。また、隙間によって、タブ1002Cは、レバーアームからの潜在的な干渉なしに、基部の上端表面に当接して面一に嵌められる。
【0085】
タブ1002Cは、多様な方式で動作し得る。たとえば、一態様において、タブ1002Cは、基部ドッキング凹部1004C内に基部を維持するために、さらなる固定要素を提供する。また、タブ1002Cは、ある程度のクッションを基部上に提供し得、これは、時々高硬質の材料であり得る。また、タブ1002Cは、足首の襟が降下状態に押されるときに、基部の前縁を下に抑えるように動作し得、その結果、襟エレベータに張力が生じる。この意味で、タブ1002Cは、基部の前縁を下に抑えることを助けるように動作可能な、多様な長さを有し得る。図10Cにおいて、タブ1002Cは、タブとソールの残りの部分との間の前ジョイントから、タブ1002Cの後自由端まで測定された長さ1009Cを含む。また、基部は、基部の前方縁から基部の後方縁まで延びる基部長さ(たとえば、図6Aの長さ692)を含み、前述したように、基部長さは、基部ドッキング凹部1004Cの長さに実質的に類似していてもよい。一態様において、タブ長さは、基部長さ以下である。別の態様において、タブ長さは、基部長さの75%以下である。さらなる態様において、タブ長さは、基部長さの50%以下である。また、タブ長さは、基部長さの25%以下であり得る。さらに、タブ長さは、基部長さの10%以下であり得、足首の襟が降下状態に移動するときに、基部の前縁の上昇を阻害するように動作する。ソール1012Bについて説明したように、基部は、多様な方式で基部ドッキング凹部1004Cに貼り付けられ得る。たとえば、基部は、基部ドッキング凹部1004C内に接合されるか、接着されるか、溶接されるか、熱硬化されるか、共成形されるか、あるいはこれらが組み合わせられてもよく、またはソール1012Cは、基部の周りでオーバーモールドされてもよく、レバーアームは、隙間を通じて延びる。
【0086】
以下で図11Aおよび図11Bを参照すると、履物製品510および610のうち1つまたは両方に含まれ得る別の態様が図示される。図11Aおよび図11Bにおいて、履物製品1110の一部が示され、履物製品1110は、ソール1112と;ソール1112に結合され、ソール1112により近く位置決めされた降下状態(すなわち、図11B)と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態(すなわち、図11A)との間で移動可能な足首の襟1136を備えるアッパー1114と;を含む。また、履物製品1110は、足首の襟1136を降下状態から直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータ1150を含む。襟エレベータ1150は、ストローベルまたはソールインサート(たとえば、図5Aに示す)の上に、あるいはストローベル(たとえば、図6Aに示す)の下に積層され得る基部1158を含む。また、襟エレベータは、任意の襟エレベータ550、550A~F、650、950または950B~Dを含み得る。
【0087】
さらなる態様において、襟エレベータ1150は、足首の襟1136が直立状態から降下状態に移動するにつれ、後方に、下方に、または後方および下方の両方に屈曲するレバーアーム1152を含む。レバーアームの断面(複数可)、レバーアームのサイズ、レバーアームの形状(複数可)、レバーアーム内の凹部または切欠きなどの多様な属性が、レバーアーム1152の屈曲の方式に寄与し得る。場合によっては、足首の襟1136を降下状態に移動させる下方への力は、レバーアームの長さに沿ってかなり均一に分布し得、したがって、レバーアームは、比較的に直線的かつ一貫した方式で、後方および/または下方に調整され得る。言い換えれば、基部1158から最も遠位1180にある襟エレベータ1150の一部は、最長距離だけ調整されたり、移動したり、屈曲したりし得、基部1158に最も近い襟エレベータの一部は、最短距離だけ調整されたり、移動したり、屈曲したりし得、基部1158と遠位端部1180との間で襟エレベータ1150の一部が移動する距離は、基部から遠位端部1180まで、直線的な様で徐々に一貫して増加する。
【0088】
代替的に、レバーアーム1152は、レバーアームの上位セグメントをレバーアームの下位部分から分離する1つ以上のたわみ点を含み得、下位部分は基部により近い(レバーアームの長さに沿って測定される場合)。1つ以上のたわみ点は、足首の襟が直立状態から降下状態に移動するときに、上位セグメントが下位セグメントに比して指数関数的に調整される位置を示す。たとえば、たわみ点は、足首の襟1136が直立状態から降下状態に移動するとき、レバーアームがヒンジ式に動いたり、または枢動したりして上位セグメントが下位部分よりも速い速度で下方に調整されることを可能にする位置を含み得る。たわみ点は、多様な状況下で検出または識別され得る。たとえば、一態様において、足首の襟は、ソールから第1距離を有する第1状態から、ソールから第2距離を有する第2状態に移動し得、第2距離は、第1距離よりも短く、たわみ点は、レバーアームがレバーアームの1つ以上の他の部分よりも大きな程度に屈折したり、または折られたりする、レバーアームの部分であり得る。第2距離は、第1距離の25%以下、第1距離の50%以下、または第1距離の75%以下であり得る。
【0089】
図11Bを参照すると、レバーアーム1152は、レバーアームの上位セグメント1172とレバーアームの下位セグメント1174との間に位置決めされたたわみ点1170を含み、下位セグメント1174は、たわみ点1170または上位セグメント1172よりも基部1158に近い(レバーアームの長さに沿って測定される場合)。一態様において、履物製品1110は、たわみ点1170と水平基準面1190との間の距離1176(図11A)を含み、水平基準面1190は、一般的に、休止状態(at-rest state)で、地面接触表面が置かれている(ここで、履物製品1110は静止している)比較的平坦な地表面の平面を含む。多様な要素が、たわみ点1170の位置に寄与し得る。たとえば、たわみ点は、より薄い断面または切欠きを含み得る。また、襟エレベータ1150をアッパー1114に取り付けることにより、後方への移動を制限し得、これにより、直立状態から降下状態に移動するときにレバーアームがたわみ点でより大きく屈折し得る。
【0090】
続いて、図11Aおよび図11Bを参照すると、足首の襟1136は、たわみ点1170の前にある(すなわち、履物製品1110の前足部により近い)最下位部分1137を有する上端線の縁を含む。また、履物製品1110は、最下位部分1137と水平基準面1190との間の高さ1178を含む。本開示の一態様において、高さ1178は、距離1176よりも小さい。特に、足首の襟1136の最下位部分1137のより短い高さは、(たわみ点1170に対して)前への位置決めと共に、足首領域1126の後方部分に対するヒンジまたは枢動点として作用する。したがって、足首の襟1136の後方部分は、足首の襟1136が降下状態に移動するとき、(より高い足首の襟を有する他の履物製品に比して)足首の襟1136の前方部分上で、小さな程度で引っ張られ得る。また、このような代替の構成は、より小さなゴアリング要素、ガセット、または弾性パネルを足首の襟1136に沿って使用することを可能にし得るか、あるいは任意のゴアリング要素、ガセットまたは弾性パネルの代わりに使用することができる。
【0091】
図11Aおよび図11Bに示された側面は、内側または外側であり得、履物製品1110の他の側面は、類似した特徴を含み得る。しかし、いくつかの態様において、図11Aおよび図11Bでは隠されている反対側はまた、たとえば対応するレバーアーム(たとえば襟エレベータ950Bおよび950C)が反対側に含まれない場合、対応する特徴を含まない可能性がある。
【0092】
本発明は、構造に固有であり当業者によって実現される他の利点と共に、上述のすべての目標および目的を達成するようによく適合しているものであると、前述のところから分かるであろう。特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせを参照せずに採用され得ることが理解されよう。これは、請求項により考慮され、特許請求の範囲内に属する。本発明の範囲を逸脱することなく、多数の可能な態様が本発明で作られ得るので、本明細書に説明されるか、添付の図面に示されるすべての事項は、例示的のものとして解釈されるべきであり、限定的な意味では解釈されないことを理解されたい。
【0093】
本開示のいくつかの態様は、図面に提供された例について説明されている。出願時の本出願の1つ以上の請求項または条項、あるいは1つ以上の関連出願に含まれる関連主題であり得る、本開示のさらなる態様が以下で説明されるが、請求項または条項は、この説明の下記に説明される主題のみに限定されるものではない。これらのさらなる態様は、図面によって図示している特徴、図面によって示していない特徴、およびこれらの任意の組み合わせを含み得る。これらのさらなる態様を説明する場合、例示の目的で図面によって示した要素が参照され得る。
【0094】
以下の条項は、本明細書にて考慮される態様である。リストは、単なる特定の例であり、本明細書の範囲を限定しない。その代わりに、次の条項は、本明細書で考慮される態様のうちいくつかに関するガイドラインの提供を意図している。本明細書で使用されるように、かつ以下で列挙されている条項に関連して、「条項のうちいずれか」という用語または前記用語の類似した変形は、条項の特徴が任意の組み合わせで組み合わせられ得るように解釈されることを意図する。たとえば、以下で使用される「条項x~yに記載の履物製品」という句の解釈は、条項x~条項yのうちいずれか1つまたはその組み合わせの履物製品として解釈しなければならなく、ここで、xおよびyは数字で表わした条項である。すなわち、例示的な条項4は、条項1~条項3のうちいずれか1つの方法/装置を示してもよく、これは条項1および条項4の特徴が組合わせられ得、かつ/または、条項2および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項3および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項1、条項2、および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項2、条項3、および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項1、条項2、条項3、および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、その他の変形があり得るものと解釈されることを意図する。また、「条項のうち任意の条項」という用語または前記用語の類似した変形は、上記に提供された例の一部により示されているように、「条項のうちいずれか1つ」、またはこのような用語のその他の変形を含むことを意図する。
【0095】
条項1:履物製品であって、ソールと、ソールに結合され、ソールにより近く位置決めされた降下状態と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟を備えるアッパーであって、アッパーは、ソールと少なくとも部分的に重なり、ソールに面する外向き表面と、ソールに背を向けており、足受容キャビティに面する内向き表面と、を含む材料層を備え、材料層は、材料層を通じて外向き表面から内向き表面まで延びる開口部を備える、アッパーと、足首の襟を降下状態から直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータであって、襟エレベータは、外向き表面とソールとの間に位置決めされた基部と、接合部で基部に連結され、接合部から開口部を通じて延びるレバーアームと、を有する、襟エレベータと、を備える、履物製品。
【0096】
条項2:ソールと少なくとも部分的に重なる材料層は、アッパーの外側材料層の一部であり、アッパーは、外側材料層よりも足受容キャビティに近い内側材料層をさらに備え、レバーアームは、レバーアームが接合部から開口部を通じて延びた後に外側材料層と内側材料層との間に位置決めされる、条項1に記載の履物製品。
【0097】
条項3.内側材料層は、内側ライナーである、条項2に記載の履物製品。
【0098】
条項4.内側材料層および外側材料層は、レバーアームを収容するレバーアーム管状エンケースメントの両側部である、条項2に記載の履物製品。
【0099】
条項5.内側材料層および外側材料層は、編織層であり、レバーアーム管状エンケースメントは、一体に編織される、条項4に記載の履物製品。
【0100】
条項6.開口部は、アッパーの内側にある、条項1~5のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0101】
条項7.開口部の少なくとも一部は、ソールの上端線の縁とアッパーとの間の境界面を含むバイトラインの下にある、条項6に記載の履物製品。
【0102】
条項8.開口部の少なくとも一部は、ソールの上端線の縁とアッパーとの間の境界面を含むバイトラインの上にある、条項6に記載の履物製品。
【0103】
条項9.レバーアームは、基部から上方に、開口部を通じて、アッパーの足首領域の後部に向かって延びる、条項1~8のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0104】
条項10.レバーアームは、アッパーの内側上において、かつ基部とは反対側の終端において終結する、条項9に記載の履物製品。
【0105】
条項11.レバーアームは、アッパーの足首領域の後部を巻き付け、基部とは反対側にある終端におけるアッパーの外側上において終結する、条項9に記載の履物製品。
【0106】
条項12.開口部は、内側開口部であり、レバーアームは、内側レバーアームであり、履物製品は、アッパーの外側上の材料層を通じて延びる外側開口部と、別の接合部で基部に連結され、外側開口部を通じて他の接合部から延びる外側レバーアームと、をさらに備える、条項1~11のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0107】
条項13.内側開口部の少なくとも一部、および外側開口部の少なくとも一部は、ソールの上端線の縁とアッパーとの間の境界面を含むバイトラインの下にある、条項12に記載の履物製品。
【0108】
条項14.内側開口部の少なくとも一部、および外側開口部の少なくとも一部は、ソールの上端線の縁とアッパーとの間の境界面を含むバイトラインの上にある、条項12に記載の履物製品。
【0109】
条項15.内側レバーアームおよび外側レバーアームの両方は、基部から上方に、それぞれの開口部を通じて、アッパーの足首領域の後部に向かって延びる、条項12に記載の履物製品。
【0110】
条項16.内側レバーアームは、基部とは反対側にある終端におけるアッパーの内側上において終結し、外側レバーアームは、基部とは反対側にある終端におけるアッパーの外側上において終結する、条項15に記載の履物製品。
【0111】
条項17.内側レバーアームおよび外側レバーアームは、足首領域の後部で互いに結合される、条項15に記載の履物製品。
【0112】
条項18.内側レバーアームおよび外側レバーアームは、足首領域の後部に位置決めされる中央連結部分によって互いに連結される、条項17に記載の履物製品。
【0113】
条項19.内側レバーアーム、外側レバーアーム、および中央連結部分は、連続している、条項17に記載の履物製品。
【0114】
条項20.内側レバーアームおよび外側レバーアームは、足首領域の後部で重なり合う、条項17に記載の履物製品。
【0115】
条項21.内側レバーアームおよび外側レバーアームは、足首領域の後方部分においてアッパーに結合される、条項17に記載の履物製品。
【0116】
条項22.開口部は、アッパーの外側にある、条項1~5のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0117】
条項23.レバーアームは、基部から上方に、開口部を通じて、アッパーの足首領域の後部に向かって延びる、条項22に記載の履物製品。
【0118】
条項24.レバーアームは、アッパーの外側上において、かつ基部とは反対側の終端において終結する、条項23に記載の履物製品。
【0119】
条項25.レバーアームは、アッパーの足首領域の後部を巻き付け、基部とは反対側にある終端におけるアッパーの内側上において終結する、条項23に記載の履物製品。
【0120】
条項26.履物製品であって、ソールと、ソールに結合され、ソールにより近く位置決めされた降下状態と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟を備えるアッパーと、足首の襟を降下状態から直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータであって、襟エレベータは、基部および少なくとも1つのレバーアームを備え、基部は、ストローベルの下に位置決めされ、よって、基部は、ストローベルとソールとの間に位置決めされ、ストローベルに面する上端表面を含む、襟エレベータと、襟エレベータの基部に面するソールの上端表面に含まれる基部ドッキング凹部であって、基部は、基部ドッキング凹部に位置決めされる、基部ドッキング凹部と、を備える、履物製品。
【0121】
条項27.ソールは、基部ドッキング凹部に位置決めされた基部の上端表面を少なくとも部分的に覆うタブを含む、条項26に記載の履物製品。
【0122】
条項28.タブは、内側から外側方向へのタブ幅を含み、凹部は、内側から外側方向への凹部幅を含み、タブ幅は、凹部幅よりも小さく、よって、タブの内側縁および外側縁は、凹部の内側縁および外側縁の内向きに離隔しており、少なくとも1つのレバーアームは、タブの内側縁と凹部の内側縁との間、またはタブの外側縁と凹部の外側縁との間に位置決めされる、条項27に記載の履物製品。
【0123】
条項29.少なくとも1つのレバーアームは、基部との接合部から、内側縁の間で、または外側縁の間で、アッパーの材料層の開口部を通じて材料層と足受容キャビティとの間にある位置まで延びる、条項28に記載の履物製品。
【0124】
条項30.少なくとも1つのレバーアームは、基部との接合部から、内側縁の間で、または外側縁の間で、アッパーの材料層の外向き表面に沿って延びる、条項28に記載の履物製品。
【0125】
条項31.タブは、タブの前方縁からタブの後方縁まで測定されたタブ長さを含み、基部は、基部の前方縁から基部の後方縁まで延びる基部長さを含み、タブ長さは、基部長さ以下である、条項27~30のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0126】
条項32.タブ長さは、基部長さの75%以下である、条項29に記載の履物製品。
【0127】
条項33.タブ長さは、基部長さの50%以下である、条項30に記載の履物製品。
【0128】
条項34.タブ長さは、基部長さの25%以下である、条項31に記載の履物製品。
【0129】
条項35.タブ長さは、基部長さの10%以下である、条項32に記載の履物製品。
【0130】
条項36.タブの厚さと基部の厚さとの組み合わせは、基部ドッキング凹部の深さと実質的に類似している、条項27~35のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0131】
条項37.基部の下端表面の周縁は、基部ドッキング凹部の底の周縁によって形成された2D形状に実質的に類似した2D形状を形成する、条項26~36のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0132】
条項38.基部の厚さは、基部ドッキング凹部の厚さと実質的に類似している、条項26に記載の履物製品。
【0133】
条項39.履物製品であって、ソールと、ソールに結合され、ソールにより近く位置決めされた降下状態と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟を備えるアッパーであって、足首の襟は、内側または外側に沿って最下位部分を有する上端線の縁を含み、最下位部分は、水平基準面から第1距離だけ離隔している、アッパーと、足首の襟を降下状態から直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータであって、襟エレベータは、最下位部分と同じ側にあり、レバーアームの上位セグメントとレバーアームの下位セグメントとの間に位置決めされたたわみ点を有する少なくとも1つのレバーアームを備え、たわみ点は、水平基準面から第2距離だけ離隔しており、第2距離は、第1距離よりも大きい、襟エレベータと、を備える、履物製品。
【0134】
条項40.最下位縁は、たわみ点に対して、より前に位置決めされる、条項39に記載の履物製品。
【0135】
条項41.襟エレベータは、ソールインサートの上に位置決めされる基部を含む、条項39または40に記載の履物製品。
【0136】
条項42.襟エレベータは、内側レバーアームを含み、外側には対応するレバーアームがない、条項39~41のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0137】
条項43.襟エレベータは、外側レバーアームを含み、内側には対応するレバーアームがない、条項39~41のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0138】
条項44.少なくとも1つのレバーアームは、内側レバーアームであり、襟エレベータは、外側レバーアームをさらに備える、条項39~41のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0139】
条項45.履物製品であって、ソールと、ソールに結合され、ソールにより近く位置決めされた降下状態と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟を備えるアッパーであって、アッパーは、ソールインサートの下端表面に貼り付けられたスカートを含み、アッパーは、材料層の厚さを通じて延びる第1開口部を含む、アッパーと、足首の襟を降下状態から直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータであって、襟エレベータは、基部および1つ以上のレバーアームを備え、基部は、ソールインサートの上端表面に貼り付けられ、よって、ソールインサートは、基部とソールとの間に位置決めされ、襟エレベータは、厚さを通じて完全に延びる第2開口部を含む、襟エレベータと、第1開口部および第2開口部を通じて延びるコネクタと、を備える、履物製品。
【0140】
条項46.第2開口部は、1つ以上のレバーアームに位置決めされる、条項45に記載の履物製品。
【0141】
条項47.襟エレベータは、中央連結部分をさらに備え、第2開口部は、中央連結部分に位置決めされる、条項45に記載の履物製品。
【0142】
条項48.コネクタは、ステッチを形成する編み糸のセグメントであり、セグメントは、第1開口部および第2開口部に位置決めされる、条項45~47のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0143】
条項49.コネクタは、第1開口部および第2開口部を通じて延びる1つ以上のポストを有する二部コネクタである、条項45~47のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0144】
条項50.コネクタは、二部スナップリベットである、条項45~47のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0145】
条項51.材料層は、外側材料層であり、襟エレベータは、外側材料層と足受容キャビティとの間に位置決めされる、条項45~50のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0146】
条項52.材料層は、内側材料層であり、内側材料層は、襟エレベータと足受容キャビティとの間に位置決めされる、条項45~50のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0147】
条項53.アッパーは、第3開口部を有する別の材料層をさらに備え、コネクタは、第3開口部を通じても延びる、条項45に記載の履物製品。
【0148】
条項54.材料層は、外側材料層であり、他の材料層は、内側材料層であり、襟エレベータは、外側材料層と内側材料層との間に位置決めされる、条項53に記載の履物製品。
【0149】
条項55.材料層は、内側材料層であり、他の材料層は、外側材料層であり、襟エレベータは、外側材料層と内側材料層との間に位置決めされる、条項53に記載の履物製品。
【0150】
条項56.履物製品であって、ソールと、ソールに結合され、ソールにより近く位置決めされた降下状態と、ソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟を備えるアッパーであって、アッパーは、ソールインサートの下端表面に貼り付けられたスカートを含み、アッパーは、材料層の第1側面から材料層の第2側面まで完全に延びる第1開口部を含む、アッパーと、足首の襟を降下状態から直立状態に戻すように動作可能な襟エレベータであって、襟エレベータは、基部および1つ以上のレバーアームを備え、基部は、ソールインサートの上端表面に貼り付けられ、よって、ソールインサートは、基部とソールとの間に位置決めされ、襟エレベータは、材料層の第1側面に位置決めされ、襟エレベータの表面から第1開口部を通じて延びる二部コネクタの第1部分を含む、襟エレベータと、材料層の第2側面に位置決めされ、二部コネクタの第1部分に結合される二部コネクタの第2部分と、を備える、履物製品。
【0151】
条項57.コネクタの第1部分は、レバーアームの表面から延びる、条項56に記載の履物製品。
【0152】
条項58.表面は、足受容キャビティに面しており、材料層は、表面と足受容キャビティとの間に位置決めされる、条項57に記載の履物製品。
【0153】
条項59.表面は、足受容キャビティに背を向けており、レバーアームは、材料層と足受容キャビティとの間に位置決めされる、条項57に記載の履物製品。
【0154】
条項60.襟エレベータは、中央連結部分をさらに備え、コネクタの第1部分は、中央連結部分の表面から延びる、条項56に記載の履物製品。
【0155】
条項61.表面は、足受容キャビティに面しており、材料層は、表面と足受容キャビティとの間に位置決めされる、条項60に記載の履物製品。
【0156】
条項62.表面は、足受容キャビティに背を向けており、中央連結部分は、材料層と足受容キャビティとの間に位置決めされる、条項60に記載の履物製品。
【0157】
条項63.第1部分および第2部分は、一緒にスナップされる、条項56~62のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0158】
条項64.第1部分および第2部分は、互いに摩擦係合する、条項56~62のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0159】
条項65.第1部分および第2部分は、互いに螺合する、条項56~62のうちいずれか1つに記載の履物製品。
【0160】
条項66.アッパーは、第2開口部を有する別の材料層をさらに備え、襟エレベータは、襟エレベータの反対側の表面から、第2開口部を通じて延びる別の二部コネクタの別の第1部分を含む、条項56に記載の履物製品。
【0161】
条項67.材料層は、外側材料層であり、他の材料層は、内側材料層であり、襟エレベータは、外側材料層と内側材料層との間に位置決めされる、条項66に記載の履物製品。
【0162】
条項68.材料層は、内側材料層であり、他の材料層は、外側材料層であり、襟エレベータは、外側材料層と内側材料層との間に位置決めされる、条項66に記載の履物製品。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
【国際調査報告】