(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(54)【発明の名称】間接印刷システムの中間転写部材と共に使用するための配合物およびそれを使用した印刷プロセス
(51)【国際特許分類】
B41M 5/00 20060101AFI20220215BHJP
C09D 11/54 20140101ALI20220215BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220215BHJP
B41M 5/52 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
B41M5/00 132
B41M5/00 100
C09D11/54
B41J2/01 101
B41M5/52 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538756
(86)(22)【出願日】2020-01-01
(85)【翻訳文提出日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2020050001
(87)【国際公開番号】W WO2020141465
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514210005
【氏名又は名称】ランダ コーポレイション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ランダ,ベンジオン
(72)【発明者】
【氏名】チェチク,ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】ティロシュ,アイナト
(72)【発明者】
【氏名】レバノン,モシェ
(72)【発明者】
【氏名】フィンケルスタイン,ガル
(72)【発明者】
【氏名】アシュケナージ,オメル
(72)【発明者】
【氏名】メロ,オン
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,ドル
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
【Fターム(参考)】
2C056FC01
2C056FC06
2H186AB02
2H186AB17
2H186AB36
2H186AB41
2H186AB43
2H186AB44
2H186AB45
2H186AB54
4J039AD09
4J039BE01
4J039EA42
4J039EA46
4J039GA24
(57)【要約】
本開示は、間接印刷システムの中間転写部材と共に使用するための配合物およびそれを使用する印刷方法に関する。本開示は、本発明の配合物で覆われた剥離層表面を有する中間転写部材にさらに関する。本開示は、印刷基材、本発明の配合物を使用して生成された印刷製品および印刷パターン、ならびにその配合物を含むキットにも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性配合物であって、
少なくとも1つの改質多糖類と、
少なくとも1つの、水を含有する担体液体と、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料と、
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上と
を含む、水性配合物。
【請求項2】
前記改質多糖類はセルロース誘導体である、請求項1に記載の水性配合物。
【請求項3】
前記セルロース誘導体はメチルセルロースである、請求項2に記載の水性配合物。
【請求項4】
前記メチルセルロースはヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項3に記載の水性配合物。
【請求項5】
前記改質多糖類は非熱可塑性ポリマーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項6】
前記改質多糖類は荷電した多糖類を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項7】
前記荷電した多糖類は、任意選択でカルボキシル基および/または硫酸エステル基を含有する、酸性多糖類であるか、または酸性多糖類を含む、請求項6に記載の水性配合物。
【請求項8】
前記荷電した多糖類は、正に荷電した多糖類であるか、または正に荷電した多糖類を含む、請求項6に記載の水性配合物。
【請求項9】
前記改質多糖類は、構造:
【化1】
を有しており、
構造中、nは3以上の整数であり、
Rは、H、CH
3、CH
2COOH、CH
2CH(OH)CH
3、CH
2CH(OH)CH
3から成る群から選択され、様々なR基は同一または異なる、
請求項1~8のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項10】
前記改質多糖類はメチルセルロースであり、Rの少なくとも2%はメチル(CH
3)基である、請求項1~9のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項11】
前記改質多糖類は次の特性:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、もしくは60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2の、mPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度、
iii.少なくとも1%、2%、4%、6%、7%または1~30%、5~25%、5~20%、5~10%、7~9%もしくは7.3~8.3%の間のヒドロキシプロピル置換、またはモル基準で、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.15もしくは少なくとも0.2もしくは0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.7もしくは0.1~0.3の間の、ヒドロキシプロピル置換、
iv.ダルトンで、最大13,000または最大12000、または最大11000、または最大10,000、または最大9000、または最大8000の数平均分子量、
の少なくとも1つを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項12】
前記改質多糖類はセルロース誘導体である、請求項11に記載の水性配合物。
【請求項13】
前記セルロース誘導体はメチルセルロースである、請求項12に記載の水性配合物。
【請求項14】
前記メチルセルロースはHPMCである、請求項13に記載の水性配合物。
【請求項15】
前記改質多糖類は、メチルセルロースであるか、またはメチルセルロースを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項16】
前記メチルセルロースは、次の構造特徴:
i.少なくとも2%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%もしくは最大20%、もしくは最大15%、もしくは最大14%、もしくは最大12%または4~15%もしくは7~12%の間の、ヒドロキシプロピル置換、
ii.0.1を上回るか、または0.15を上回るか、または0.2を上回る、ヒドロキシプロピルモル置換、および
iii.ダルトンで測定された、最大13,000または最大12,000、または最大11,000、または最大10,000、または最大9,000、または最大8,000の数平均分子量、
の少なくとも1つを有する、請求項15に記載の水性配合物。
【請求項17】
前記改質多糖類は、25%未満、または15~25%の範囲内のメトキシル置換を有するメチルセルロースである、請求項1~16のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項18】
前記改質多糖類は、7~12%の範囲内のヒドロキシプロピル置換を有するメチルセルロースである、請求項1~17のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項19】
前記改質多糖類は、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の、水、または水性処理配合物中への溶解度を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項20】
水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度は少なくとも50℃である、請求項11~19のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項21】
25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度は、最大11である、請求項11~20のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項22】
前記配合物は、少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項23】
前記湿潤剤は、ポリエチレンイミンである、請求項22に記載の水性配合物。
【請求項24】
前記改質多糖類のポリエチレンイミンに対する比は、重量で、4:1~200:1の範囲内である、請求項23に記載の水性配合物。
【請求項25】
前記比は、4:1~100:1の範囲内である、請求項24に記載の水性配合物。
【請求項26】
前記比は、4:1~60:1の範囲内である、請求項25に記載の水性配合物。
【請求項27】
前記比は、4:1~35:1の範囲内である、請求項26に記載の水性配合物。
【請求項28】
前記比は、4:1~25:1の範囲内である、請求項27に記載の水性配合物。
【請求項29】
前記比は、5:1~100:1の範囲内である、請求項24に記載の水性配合物。
【請求項30】
前記比は、5:1~50:1の範囲内である、請求項29に記載の水性配合物。
【請求項31】
前記比は、5:1~35:1の範囲内である、請求項30に記載の水性配合物。
【請求項32】
前記比は、6:1~50:1の範囲内である、請求項24に記載の水性配合物。
【請求項33】
前記比は、6:1~35:1の範囲内である、請求項32に記載の水性配合物。
【請求項34】
前記比は、8:1~35:1の範囲内である、請求項24に記載の水性配合物。
【請求項35】
前記比は、8:1~25:1の範囲内である、請求項34に記載の水性配合物。
【請求項36】
前記配合物は、重量で、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%または少なくとも0.2%、および任意選択で、最大1%または最大0.8%、最大0.7%または最大0.6%、最大0.5%または0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、もしくは0.2~0.5%の範囲内の、ポリエチレンイミンの濃度を含む、請求項23~35のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項37】
前記ポリエチレンイミンは、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する、請求項23~36のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項38】
前記改質多糖類の前記ポリエチレンイミンに対する前記重量比は、5~200:1、または5~50:1、または7~35:1、または10~20:1である、請求項23~37のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項39】
前記配合物は、少なくとも1つの、水を含有する担体液体を含み、前記水は、重量比で、前記水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成する、請求項1~38のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項40】
前記水は、重量比で、前記水性処理配合物の少なくとも55%を構成する、請求項39に記載の水性配合物。
【請求項41】
前記配合物は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項42】
前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤およびシリコーン界面活性剤の1つ以上である、請求項41に記載の水性配合物。
【請求項43】
前記配合物は、25℃において、重量で少なくとも5%または少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、または両方をさらに含む、請求項1~42のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項44】
前記配合物は、重量で、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の前記第1の非イオン界面活性剤を含有する、請求項43に記載の水性配合物。
【請求項45】
前記配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む、請求項43または44に記載の水性配合物。
【請求項46】
前記第1の非イオン界面活性剤の25℃における水への前記溶解度は、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である、請求項42~45のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項47】
前記水性処理配合物中の前記非イオン界面活性剤は、重量で、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である、請求項42に記載の水性配合物。
【請求項48】
前記第1の非イオン界面活性剤の曇り点温度は、任意選択でASTM D7689-11試験方法によって決定されるとおり、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、または少なくとも130℃である、請求項42~47のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項49】
前記配合物は、第2の、または前記、非イオンシリコーン含有界面活性剤をさらに含む、請求項1~48のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項50】
前記非イオンシリコーン含有界面活性剤は、25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、請求項49に記載の水性配合物。
【請求項51】
前記非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体であり、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%であり、さらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である、請求項49または50に記載の水性配合物。
【請求項52】
前記配合物は、重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、および、25℃において少なくとも1%の水への溶解度を有する第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む、請求項41~51のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項53】
前記水性配合物は、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する、請求項41~52のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項54】
前記水性配合物は、次の特性:
i.25℃において20~40mN/mの範囲内の静的表面張力、
ii.少なくとも10cPの25℃動粘度、および
iii.重量で、最大7.5:1の60℃蒸発負荷
を有する、請求項1~53のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項55】
前記配合物は、任意選択で糖である、少なくとも1つの保水剤をさらに含む、請求項1~54のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項56】
前記配合物は、改質多糖類を、重量で、少なくとも1.5%または2.0%または2.5%または3%の量で含む、請求項1~55のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項57】
前記配合物は、静的表面張力を、25℃において25~40mN/mの範囲内で有する、請求項1~56のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項58】
前記配合物は、少なくとも10mPa・s、もしくは少なくとも12mPa・s、もしくは少なくとも14mPa・s、または10mPa・s~100mPa・s、12~100mPa・s、14~100mPa・s、10~60mPa・s、もしくは12~40mPa・sの範囲内である、25℃動粘度を有する、請求項1~56のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項59】
少なくとも1つの抗菌剤をさらに含む、請求項1~58のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項60】
前記粒子材料は、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供され、前記水性処理配合物中の前記エマルジョンおよび/または分散液の濃度は、前記配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%である、請求項1~59のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項61】
前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径を有する、請求項1~60のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項62】
前記粒子材料は、前記水性配合物中に均一に分散している、請求項1~61のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項63】
前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である、請求項1~62のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項64】
前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである、請求項63に記載の水性配合物。
【請求項65】
前記疎水性粒子材料はPTFEである、請求項64に記載の水性配合物。
【請求項66】
前記PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズである、請求項65に記載の水性配合物。
【請求項67】
PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである、請求項66に記載の水性配合物。
【請求項68】
前記PTFE粒子材料は約200nmのサイズであり、分散液の形で提供され、前記水性処理配合物中のその前記分散液の前記濃度は、前記配合物の総重量に対する重量で、約4%~約12%の間である、請求項64~67のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項69】
前記PTFE粒子材料は約300nm~約400nmのサイズであり、分散液の形で提供され、前記水性配合物中のその前記分散液の前記濃度は、前記配合物の総重量に対する重量で、約8%である、請求項64~67のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項70】
前記PTFE分散液は次の特性:
i.粘度-約13cP
ii.表面張力-約31.4mN/m
iii.pH-約9.95
iv.固形分-約60%
v.粒子径-約200nm
を有する水性分散液である、請求項68または69に記載の水性配合物。
【請求項71】
前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である、請求項1~70のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項72】
前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である、請求項71に記載の水性配合物。
【請求項73】
前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズである、請求項72に記載の水性配合物。
【請求項74】
前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1~約500nmのサイズであり、エマルジョンの形で提供され、前記水性配合物中のその前記エマルジョンの前記濃度は、前記配合物の総重量に対する重量で、約1.5%~約5%の間である、請求項73に記載の水性配合物。
【請求項75】
前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する、請求項72~74のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項76】
前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料はエマルジョンの形で提供され、任意選択で、前記エマルジョンはカチオン性エマルジョンである、請求項1~75のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項77】
前記カチオン性エマルジョンは粒状酸化ポリエチレンワックスのエマルジョンである、請求項76に記載の水性配合物。
【請求項78】
粒状酸化ポリエチレンワックスの前記カチオン性エマルジョンは、次の特性:
i.粘度-20℃において約80cP
ii.密度-約1g/cm
3
iii.pH-約1%濃度において約9.5
iv.固形分-約25~29%
v.粒子径-約500nm未満
を有する、請求項76または77に記載の水性配合物。
【請求項79】
前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である、請求項1~75のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項80】
前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされた粒状ワックス材料である、請求項79に記載の水性配合物。
【請求項81】
前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズであり、分散液の形で提供され、前記水性配合物中のその前記分散液の前記濃度は、前記配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約10%である、請求項79または80に記載の水性配合物。
【請求項82】
前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度(Tg)値を有する、請求項79~81のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項83】
前記粒子材料は、前記印刷システムの前記中間転写部材と共に前記水性処理配合物を利用することにより生成される印刷製品および/またはパターンの少なくとも1つの機械的特性を改善することが可能であり、前記機械的特性における前記改善は、請求項1~82のいずれか1項の前記水性処理配合物と同一であるが、前記粒子材料を欠いている水性処理配合物を利用して生成された印刷製品および/またはパターンとの比較においてである、請求項1~82のいずれか1項に記載の水性配合物。
【請求項84】
前記機械的特性は耐摩擦性である、請求項83に記載の水性配合物。
【請求項85】
間接印刷の方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供することと、
b.請求項1~84のいずれか1項の前記水性配合物を提供することと、
c.前記水性配合物を前記ITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成することと、
d.前記湿潤層を乾燥プロセスに通して、前記ITM剥離層表面上に、前記湿潤層から、乾燥薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有することと、
e.水性インクの液滴を前記乾燥薄膜上に付着させて前記ITM剥離層表面の前記剥離層表面上にインク画像を形成することと、
f.任意選択で、前記インク画像を乾燥させてインク画像残留物を前記ITM剥離層表面上に残すことと、
g.前記ITMと前記印刷基材との間の加圧接触により、前記インク画像残留物を印刷基材上に転写することと
を含む、方法。
【請求項86】
前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径を有する、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記粒子材料は、直径が前記粒子材料の最長アクセスを構成する、実質的に2次元円盤形状を有する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記ITM剥離層表面上の前記乾燥薄膜内で前記粒子材料の前記直径または最長軸は、前記ITMと実質的に平行である、請求項85~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
前記水性インク液滴が付着される前記乾燥薄膜の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである、請求項85~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記水性インク液滴が付着される前記乾燥処理薄膜の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである、請求項85~89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記水性インク液滴が付着される前記乾燥処理薄膜の厚さは、最大約50nmである、請求項85~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記水性インク液滴が付着される前記乾燥処理薄膜の厚さは、最大約100nmである、請求項85~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記水性インク液滴が付着される前記乾燥処理薄膜の厚さは、最大約120nmである、請求項85~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記水性インク液滴が付着される前記乾燥処理薄膜の厚さは、最大約150nmである、請求項85~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記乾燥処理薄膜は、前記ITMの前記剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、前記矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する、請求項85~94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記矩形の領域の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%に対する前記乾燥処理薄膜、前記乾燥処理薄膜の厚さは、前記矩形内の平均厚さ値から50%を超えて、または40%を超えて、または30%を超えて逸脱しない、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記インク画像残留物は、前記乾燥処理薄膜の非印刷領域と共に前記印刷基材上に転写される、請求項85~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記インク画像残留物の転写中に、前記乾燥処理薄膜が前記ITMから完全に分離して、前記乾燥されたインク画像と共に、印刷領域および非印刷領域の両方において、前記印刷基材に転写されるように、前記乾燥処理薄膜は十分な粘着性がある、請求項85~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記ITMは疎水性ITMである、請求項85~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記ITMは、シリコーン系剥離層表面を含み、前記シリコーン系剥離層表面は、次の特性:
(i)前記シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)前記シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること、
の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性である、請求項85~99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する、請求項85~100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記方法は、改善された1つ以上の機械的特性を印刷製品および/またはパターンに提供し、前記1つ以上の機械的特性における前記改善は、前記方法であるが、前記粒子材料を欠いている方法を利用して生成された印刷製品との比較においてである、請求項85~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記機械的特性は耐摩擦性である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
印刷のためのシステムであって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材と、
b.請求項1~82のいずれか1項に記載の前記水性配合物と、
c.前記水性配合物を前記ITM表面に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成するための処理ステーションと、
d.水性インクの液滴が前記乾燥薄膜に塗布されるように、前記湿潤層が乾燥して乾燥薄膜になった後に前記液滴を前記ITM表面上に付着させることにより前記ITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する、画像形成ステーションと、
e.前記インク画像を前記ITMから基材に転写するための転写ステーションと
を備える、システム。
【請求項105】
前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
印刷システムであって、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材と、
b.前記ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2の前記ガイドローラーが、前記画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、前記画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定する、画像形成ステーションと、
c.前記ITMの前記下部ランが通る刷ステーションであって、前記画像形成ステーションの下流に配置されて、前記インク画像を前記ITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーションと、
d.前記刷ステーションの下流であって前記画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいて前記ITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、
e.請求項1~82のいずれか1項に記載の前記水性処理配合物で前記ITMをコーティングするための塗布装置と、
f.前記配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は最大約1.0μmの厚さを有し、前記コーティング厚調整組立体は前記下部ランにおいて前記ITM表面に面している丸みを帯びた先端を含む、コーティング厚調整組立体と
を含む、処理ステーションと
を備える、システム。
【請求項107】
前記ITMは疎水性ITMである、請求項104~106のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項108】
前記ITMは、シリコーン系剥離層表面を含み、前記シリコーン系剥離層表面は、次の特性:
(i)前記シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)前記シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること、
の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性である、請求項104~107のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項109】
(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供することと、
b.請求項1~82のいずれか1項に記載の水性配合物を提供することと、
c.前記水性配合物を前記ITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤(処理)層を形成することと、
d.任意選択で、(c)の前記湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、前記ITM剥離層表面上に、前記湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有することと、
e.水性インクの液滴を前記任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させて前記ITM剥離層表面の前記剥離層表面上にインク画像を形成することと、
f.前記インク画像を乾燥させてインク画像残留物を前記ITM剥離層表面上に残すことと、
g.前記ITMと前記印刷基材との間の加圧接触により、前記インク画像残留物を印刷基材上に転写することと
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、前記水性配合物であるが、前記粒子材料を含有していない、前記水性配合物を用いて生成されたインク画像と比較して改善された、少なくとも1つの機械的特性を有する、方法。
【請求項110】
前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記機械的特性は耐摩擦性である、請求項109または110に記載の方法。
【請求項112】
間接印刷システムで印刷するためのキットであって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材と、
b.請求項1~82のいずれか1項に記載の水性処理配合物と
を含む、キット。
【請求項113】
印刷製品であって、
(i)基材と、
(ii)前記基材の表面の少なくとも一領域にしっかりと付着された1つ以上のインクドットであって、前記インクドットは、連続的で、それにより前記基材上にインク薄膜を形成し得るか、または相互に間隔が空いている可能性がある、インクドットと
を含み、
前記1つ以上のインクドットおよび前記基材の前記表面の前記少なくとも1つの領域は、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する実質的乾燥薄膜層で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、の1つ以上を含む、
印刷製品。
【請求項114】
前記基材は、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、アルミニウムおよびそれらの任意の組合せから成る群から選択される、請求項113に記載の印刷製品。
【請求項115】
前記基材は紙であり、任意選択で、ボンド紙、未コーティングオフセット紙、コーティングオフセット紙、コピー用紙、更紙、コーティング更紙、フリーシート紙、コーティングフリーシート紙、およびレーザープリンター用紙から成る紙群から選択される、請求項114に記載の印刷製品。
【請求項116】
前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径を有する、請求項113~115のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項117】
前記粒子材料は、直径が前記粒子材料の最長アクセスを構成する、実質的に2次元円盤形状を有する、請求項113~116のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項118】
前記粒子材料の前記直径または最長軸は、前記基材の前記表面と実質的に平行である、請求項113~117のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項119】
前記実質的乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する、請求項113~118のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項120】
前記乾燥薄膜層の前記厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである、請求項119に記載の印刷製品。
【請求項121】
前記乾燥薄膜層の前記厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである、請求項113~120のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項122】
前記乾燥薄膜の前記厚さは、最大約50nmである、請求項113~121のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項123】
前記乾燥薄膜の前記厚さは、最大約100nmである、請求項113~121のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項124】
前記乾燥薄膜の前記厚さは、最大約120nmである、請求項113~121のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項125】
前記乾燥薄膜の前記厚さは、最大約150nmである、請求項113~121のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項126】
前記乾燥薄膜は、前記基材の前記表面全体を覆って連続している、請求項113~125のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項127】
前記乾燥薄膜層は、前記表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている、請求項113~126のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項128】
前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である、請求項113~127のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項129】
前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである、請求項128に記載の印刷製品。
【請求項130】
前記疎水性粒子材料はPTFEである、請求項129に記載の印刷製品。
【請求項131】
前記PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズである、請求項130に記載の印刷製品。
【請求項132】
前記PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである、請求項131に記載の印刷製品。
【請求項133】
前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である、請求項113~132のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項134】
前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である、請求項133に記載の印刷製品。
【請求項135】
前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズである、請求項134に記載の印刷製品。
【請求項136】
前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する、請求項134または135に記載の印刷製品。
【請求項137】
前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である、請求項113~136のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項138】
前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされたワックス粒子材料である、請求項137に記載の印刷製品。
【請求項139】
前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズである、請求項138に記載の印刷製品。
【請求項140】
前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度(Tg)値を有する、請求項138または139に記載の印刷製品。
【請求項141】
前記薄膜層は、(i)少なくとも1つの改質多糖類、(ii)少なくとも1つの界面活性剤、(iii)少なくとも1つの保水剤、(iv)少なくとも1つの湿潤剤、および(v)少なくとも1つの抗菌剤、の1つ以上をさらに含む、請求項113~140のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項142】
前記薄膜層は少なくとも1つの改質多糖類をさらに含む、請求項113~141のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項143】
前記製品は、前記粒子材料を欠いている印刷製品と比較して、改善された1つ以上の機械的特性を有する、請求項113~142のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項144】
前記改善された機械的特性は、前記基材上のインクを含む領域において示される、請求項143に記載の印刷製品。
【請求項145】
前記改善された機械的特性は、前記実質的乾燥薄膜層でコーティングされていて、インクのない前記基材の前記表面の領域において示される、請求項143または144に記載の印刷製品。
【請求項146】
前記機械的特性は、耐摩擦性、摩擦係数、耐引掻性および表面粘着性の1つ以上から選択される、請求項143~請求項145のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項147】
前記機械的特性は耐摩擦性である、請求項146に記載の印刷製品。
【請求項148】
前記機械的特性は摩擦係数である、請求項146に記載の印刷製品。
【請求項149】
前記粒子材料が前記乾燥薄膜層に、前記層の前記表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれていて、前記表面は、前記基材の前記表面の遠位側にある表面である、請求項113~148のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項150】
前記1つ以上のインクドットは、連続したインク薄膜を前記基材上に形成する、請求項113~149のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項151】
請求項85~103のいずれか1項の前記方法に従って製造される、請求項113~150のいずれか1項に記載の印刷製品。
【請求項152】
剥離層表面を含む中間転写部材であって、前記表面は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の1つ以上を含む、実質的に乾燥した連続薄膜層で実質的に覆われており、前記実質的に乾燥した連続薄膜層の前記厚さは、少なくとも約20nmおよび最大約200nmである、中間転写部材。
【請求項153】
前記実質的乾燥薄膜層は、前記中間転写部材剥離層表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている、請求項152に記載の中間転写部材。
【請求項154】
前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの改質多糖類、(ii)少なくとも1つの界面活性剤、(iii)少なくとも1つの保水剤、(iv)少なくとも1つの湿潤剤、および(v)少なくとも1つの抗菌剤、の1つ以上をさらに含む、請求項152または153に記載の中間転写部材。
【請求項155】
前記実質的乾燥薄膜層は少なくとも1つの改質多糖類をさらに含む、請求項152~154のいずれか1項に記載の中間転写部材。
【請求項156】
前記粒子材料が、前記実質的乾燥薄膜層に、前記層の前記表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれている、請求項152~155のいずれか1項に記載の中間転写部材。
【請求項157】
前記中間転写部材は、疎水性中間転写部材である、請求項152~156のいずれか1項に記載の中間転写部材。
【請求項158】
前記剥離層表面は、シリコーン系剥離層表面であり、前記シリコーン系剥離層表面は、次の特性:
(i)前記シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)前記シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること、
の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性である、請求項152~157のいずれか1項に記載の中間転写部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、間接印刷プロセスおよびシステムに関し、より詳細には、中間転写部材の処理に適した組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題に対する背景として関連があると考えられる参照文献を以下にリストする:
[1]米国特許第9,428,663号は、中間転写部材上への犠牲コーティングを採用している間接印刷装置を記述している。
[2]米国特許出願第2015/0361288号は、間接印刷プロセスのための犠牲コーティング組成物を記述している。
[3]米国特許出願第10,い081,175号は、補助液体セット、画像記録方法および画像記録装置を記述している。
[4]国際公開第WO 2014/021840号は、印刷物上に塗布するために配合された光学的に透明な流体組成物を記述している。
【0003】
本出願人に対する以下の特許出願/公開[5]~[33]は、潜在的に関連する背景資料を提供し、全て参照により全体として本明細書に組み込まれる:
[5]WO 2017/208246(2017年6月1日に出願されたPCT/IL2017/050616の公開);
[6]WO/2019/111223(2018年12月7日に出願されたPCT/IB2018/059761の公開);
[7]PCT出願第PCT/IB2019/055288号;
[8]WO/2017/009722(2016年5月25日に出願されたPCT/IB2016/053049の公開);
[9]WO/2016/166690(2016年4月4日に出願されたPCT/IB2016/052120の公開);
[10]WO/2016/151462(2016年3月20日に出願されたPCT/IB2016/051560の公開);
[11]WO/2016/113698(2016年1月14日に出願されたPCT/IB2016/050170の公開);
[12]WO/2015/110988(2015年1月22日に出願されたPCT/IB2015/050501の公開);
[13]WO/2015/036812(2013年9月12日に出願されたPCT/IB2013/002571の公開);
[14]WO/2015/036864(2014年9月11日に出願されたPCT/IB2014/002366の公開);
[15]WO/2015/036865(2014年9月11日に出願されたPCT/IB2014/002395の公開);
[16]WO/2015/036906(2014年9月12日に出願されたPCT/IB2014/064277の公開);
[17]WO/2013/136220(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051719の公開);
[18]WO/2013/132419(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051717の公開);
[19]WO/2013/132424(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051727の公開);
[20]WO/2013/132420(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051718の公開);
[21]WO/2013/132439(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051755の公開);
[22]WO/2013/132438(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051751の公開);
[23]WO/2013/132418(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051716の公開);
[24]WO/2013/132356(2013年1月10日に出願されたPCT/IB2013/050245の公開);
[25]WO/2013/132345(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/000840の公開);
[26]WO/2013/132339(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/000757の公開);
[27]WO/2013/132343(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/000822の公開);
[28]WO/2013/132340(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/000782の公開);
[29]WO/2013/132432(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051743の公開);
[30]WO/2019/012456(2018年7月11日に出願されたPCT/IB2018/055126の公開);
[31]米国特許第9,229,664号;
[32]WO 2013/132424(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051727の公開);および
[33]WO 2017/208152(2017年5月30日に出願されたPCT/IB2017/053177の公開)。
【0004】
本明細書における前述の参照の承認は、これらが本開示の主題の特許性に何らかの形で関連することを意味すると推論されるわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明人は、間接印刷システムの中間転写部材(ITM)と共に使用するための水性配合物を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書でさらに開示されるように、本発明の水性配合物は、次の利点の1つ以上を提供できる、すなわち、室温で改善された溶解性を有すること、ITM上での良好な水和性、インク画像の品質向上、良好なインク湿潤およびインク拡散特性、水性インクで改善された湿潤画像品質および/または改善された画像転写を示すこと、印刷中に乾燥処理剥離現象なしで基材媒体への改善された転写、改善された有効期間ならびに間接印刷機械での改善された処理。時には、前述の利点の1つ以上を達成するために、本発明に従った配合物は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの改質多糖類を含み得る。
【0007】
さらに、本発明の水性配合物を本明細書で開示される印刷プロセスにおいてITM処理配合物として使用すると、改善された機械的特性、例えば、改善された耐摩擦性、を備えた、高品質なインク画像および印刷パターン/印刷製品となった。改善された機械的特性を達成するために、本発明に従った配合物は、本明細書で開示されるような少なくとも1つの粒子材料をさらに含み得る。
【0008】
本発明では、中間転写部材の剥離表面は、インク画像をそれに付着する前に、本発明に従った水性配合物で前処理(例えば、被覆)される。ITMの表面上に薄い湿潤処理層を形成するために水性配合物(本明細書では水性処理配合物とも呼ばれる)がそれに塗布され、薄い湿潤処理層は、任意選択によりITM剥離面上で乾燥プロセスに通されて、薄い乾燥処理薄膜をITM剥離表面上に残す。次いでその後、水性インクの液滴が薄い乾燥処理薄膜上に付着されて(例えば、インクジェット方式で)、その上にインク画像を形成する。インク液滴は連続的または非連続的であり得ることに留意されたい。インク液滴は薄い乾燥薄膜の全領域またはその領域の一部を覆い得る(後者の場合は、乾燥処理薄層上にインクが付着されていない領域がある結果となる)ことにさらに留意されたい。形成されたインク画像は次いで、乾燥プロセスに通されて乾燥処理薄膜上にインク残留物が残る。乾燥されたインク画像は次いで、薄い乾燥処理薄膜と一緒に、ITM表面から最終印刷基材(例えば、ホイルベース、紙ベースまたはプラスチックベース)へ転写される。
【0009】
それ故、本開示に従った薄い処理層が最終印刷基材の上面領域上に存在する。最上層であるので、薄い処理層は、摩擦係数、機械的強度などの、画像表面特性を有益に調整するのを可能にし、そのためインク画像表面に対する保護層として機能する。
【0010】
本出願でさらに開示されるように、本発明に従い結果として生じた印刷画像は、例えば、耐摩擦性および/または摩擦係数の観点から、改善された耐久性を示す。その改善は、水性処理配合物中の特定の成分の存在のおかげで達成されると考えられる。具体的には、本発明に従った水性処理配合物は、特定の熱可塑性および/または熱硬化性粒子材料を含有し、それらは、結果として生じる印刷製品(すなわち、薄い乾燥処理薄膜と一緒にインク画像がその上に付着された基材)に、前記粒子材料を欠いて製造された印刷製品と比べて改善された機械的特性(改善された耐摩擦性および/または改善された摩擦係数など)を提供する。印刷製品の改善された機械的特性は、インクがその中に存在する画像上の領域およびインクが存在しない領域(すなわち、薄い乾燥処理薄膜だけが存在する領域)の両方で見られる。
【0011】
前述の特定の粒子材料は、水性処理配合物の様々な成分と、本発明に従った間接印刷システムの様々な構成要素(例えば、ITM、インク配合物)の性質と、および印刷条件(例えば、温度、動作速度)と、有益に共存できることが分かった。
【0012】
ワックス粒子またはバインダー(binder)などの添加物は、前記インクを用いて形成されたインク画像の耐摩擦性を向上させるインク添加物として当技術分野で周知である。前記添加物は、使用されるインクに固有であり、印刷プロセスにおいて各インクに対してそれを添加することは、印刷されたインクの耐摩擦性を達成するために必要である。当技術分野で周知のインク添加物とは対照的に、熱可塑性および/または熱硬化性粒子材料が、本発明に従った水性処理配合物中に存在する。前記水性処理配合物中にインクは存在しない。本発明に従った印刷プロセスでは、薄い乾燥処理薄膜が最初に形成される(熱可塑性および/または熱硬化性粒子材料は前記薄い乾燥処理薄膜中に存在する)。インクが次いで、前記薄い乾燥処理薄膜上に付着される。乾燥処理薄膜は従って、幅広い種類のインクに対して改善された画像耐久性を提供する。具体的には、本明細書において以下で実証されるように、本発明のインク画像の改善された耐久性は、特定のインクに制限されるのではなく、幅広い範囲にわたるインクで達成される。それに応じて、本発明に従って達成された改善された耐久性は、印刷品質、色域などに対するいかなる損傷も示すことなく、全てのインクに対して普遍的であると考えられ得る。
【0013】
本発明に従った水性配合物を利用する間接印刷方法の性質のおかげで、耐摩擦性(または他の耐性)インク添加物の必要性が除外され得る。しかし、本発明に従ったインク配合物は耐摩擦性または他の機械的改善添加物を含有することも含有しないこともあり得ることに留意されたい。この目的のために、かかる添加物(例えば、当技術分野で周知の)がインク配合物中に存在する場合、結果として生じるインク画像の機械的特性における改善は、相加的(インク添加物から、および本発明に従った水性処理配合物から生じた改善の和)または相乗的(インク添加物から、および本発明に従った水性処理配合物から生じた改善の和を上回る)のいずれかであり得る。
【0014】
本発明に従い結果として生じた印刷製品の画像の改善された機械的特性は、インクを含む画像の領域およびインクのない領域で示されることにさらに留意されたい。インクのない領域は、インクが付着されず、従って基材への転写中に処理層だけが転写される処理されたITM上の領域に由来する。かかる領域は、改善された摩擦係数などの改善された耐久性を示す。
【0015】
ワニスまたはラッカーなどの塗料組成物は、印刷画像に対して改善された機械的特性を提供するとして当技術分野で周知である。これらの塗料組成物は、稀に印刷画像上に直接塗布されてコーティング保護層を提供する。かかるコーティング保護層は、その比較的高い厚さ(例えば、1ミクロンを上回る層の厚さ)で知られている。かかる直接印刷プロセスとは対照的に、本発明に従った水性処理配合物は、薄い層(nmのスケールで)をITM上に形成する。結果として生じる印刷製品に改善された耐久性を有益に提供することは別として、本発明に従ったプロセスにおいて水性処理配合物を利用すると、接触を確実にすることによりITMから最終基材表面への改善された転写も提供する。さらに、本発明に従った水性処理配合物から生成された薄い処理層は、ITM(例えば、ブランケット)の表面にも影響を及ぼし、そのため有益なインク液滴のITM上への横分布を可能にし、従って、とりわけ結果として生じるインク画像に改善された印刷品質を提供する。しかも、本発明に従った水性処理配合物によって形成された薄層は、汚染、劣化および機械的損傷からのITM表面の保護も提供し、ITM表面が各転写後に新鮮なままであるように、ITM表面から最終基材表面に転写される廃棄コーティング(disposal coating)としても機能し得る。それ故、本発明に従った水性配合物を利用すると、ワニス/保護層の塗布の必要性をなくす。
【0016】
従って、本発明は、その態様の1つにおいて、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー[例えば、セルロースエーテル、例えば、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、などの少なくとも1つの改質多糖類]、
少なくとも1つの、水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤(吸水剤)、(b)少なくとも1つの界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤)、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、の1つ以上
を含み、
前記配合物は任意選択で、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含む。
【0017】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本配合物は、
セルロースエーテルなどの少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)]、
少なくとも1つの、水を含有する担体液体、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤(吸水剤)、(b)少なくとも1つの界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤)および(c)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、の1つ以上
を含む。
【0018】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの改質多糖類[例えば、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエーテル]、
少なくとも1つの湿潤剤(例えば、PEI)、
少なくとも1つの吸水剤、
少なくとも1つの界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤)、
少なくとも1つの、水を含有する担体液体
を含み、
前記配合物は任意選択で、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含む。
【0019】
さらに、その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本配合物は、
a.少なくとも1つの改質多糖類[例えば、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエーテル]であって、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度、および次の特性の少なくとも1つ以上:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、最大105℃、もしくは60~120℃の間、もしくは60~110℃の間、もしくは60~100℃の間、もしくは65~110℃の間、もしくは65~105℃の間、もしくは65~100℃の間、もしくは70~110℃の間、もしくは70~100℃の間、もしくは75~110℃の間、もしくは75~100℃の間、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中での2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度が、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内であること、
を有する、少なくとも1つの改質多糖類、
b.水
c.任意選択で、少なくとも1つの吸水剤、少なくとも1つの界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤)、および少なくとも1つの湿潤剤[例えば、ポリエチレンイミン(PEI)]、の少なくとも1つ、または2つまたは3つ全部、
を含み、
前記配合物は任意選択で、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含む。
【0020】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本配合物は、
(a)25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度を有する、少なくとも1つの改質多糖類(例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテル)、
(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、ならびに
(c)水を含有する担体液体であって、前記水は、重量比で、水性(処理)配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成すること、
(d)任意選択で、吸水剤、非イオン界面活性剤、およびシリコーン界面活性剤の少なくとも1つ、少なくとも2つまたは全部、
を含み、
前記配合物は任意選択で、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含む。
【0021】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上、ならびに
水を含有する担体液体
を含む。
【0022】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料の少なくとも1つのカチオン性エマルジョン、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0023】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の少なくとも1つの分散液またはエマルジョン、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0024】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の少なくとも1つの分散液またはエマルジョン、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0025】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料、(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iv)それらの任意の組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0026】
さらに、その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)それらの任意の組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0027】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0028】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0029】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性配合物を提供し、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
少なくとも1つの界面活性剤(任意選択で25℃において、少なくとも7%の水への溶解度を有する、第1の非イオン界面活性剤、および/または、任意選択で25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、であり得る)、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体であって、任意選択で、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0030】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、の1つ以上
を含む。
【0031】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0032】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0033】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/もしくはエマルジョン、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/もしくはエマルジョン、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの分散液および/もしくはエマルジョン、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0034】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料のエマルジョンおよび/または分散液、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0035】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本発明に従った粒子材料は、エマルジョンの形で提供される。
【0037】
いくつかの実施形態では、本発明に従った粒子材料は、分散液の形で提供される。
【0038】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、間接印刷の方法を提供し、
a.剥離層表面を含む中間転写部材(ITM)を提供すること、
b.本発明に従った水性(処理)配合物を提供すること、
c.水性(処理)配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に、任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
d.任意選択で、湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含む。
【0039】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷の方法を提供し、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、水性配合物は
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に、任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
d.任意選択で、湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含む。
【0040】
その態様のさらに別の1つにおいて、本発明は、基材上への間接印刷の方法を提供し、本方法は、
中間転写部材を提供すること、
実質的に本明細書の前述および後述で開示されるような水性処理配合物を提供すること、
水性処理配合物をITMの画像受容表面に塗布して湿潤処理層を形成すること、
任意選択で、湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成すること、
水性インク液滴を部分的に乾燥された処理層上に噴出させて湿潤インク画像を形成すること、
水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成すること、
ITMの前記表面と印刷基材との間の加圧接触により、部分的に乾燥されたインク画像薄膜を印刷基材に転写すること
を含む。
【0041】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、印刷のためのシステムを提供し、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.本発明に従った水性配合物、
c.水性配合物をITM表面に塗布し、その上に、任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さを有する湿潤(処理)層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤(処理)層が乾燥して乾燥(処理)薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)転写するための転写ステーション
を含む。
【0042】
その態様のさらに別の1つにおいて、本発明は、間接印刷のためのシステムを提供し、本システムは、
i.中間転写部材、例えば、シリコーン系剥離層表面を含むもの、
ii.実質的に本明細書で開示されるような水性(処理)配合物を含む容器、
iii.水性(処理)配合物をITMのシリコーン系剥離層表面に塗布して、その上に湿潤処理層を形成するための処理ステーション、
iv.水性処理配合物を乾燥させるための任意選択の乾燥ステーション、
v.中間転写部材に近接して配置されて、中間転写部材上に形成された水性処理配合物上にインク液滴を噴出させるために構成された少なくとも1つのインクジェットノズル、
vi.中間転写部材上に形成された水性処理配合物上のインクを少なくとも部分的に乾燥させてインク画像残留物を生成するように構成されたインク処理ステーション、および
vii.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材に転写するためのインク画像残留物転写機構
を含む。
【0043】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷システムを提供し、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材(ITM)、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、以下を含むこと、
e.本発明に従った水性(処理)配合物でITMをコーティングするための塗布装置、および
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【0044】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷のためのシステムを提供し、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、本水性配合物は
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.水性配合物をITM表面に塗布し、その上に、任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さを有する湿潤(処理)層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤(処理)層が乾燥して乾燥(処理)薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)転写するための転写ステーション
を含む。
【0045】
その態様のさらに別の1つにおいて、本発明は、印刷のためのシステムを提供し、本システムは、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、以下を含むこと、
e.水性(処理)配合物でITMをコーティングするための塗布装置であって、水性(処理)配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、ならびに
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【0046】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性(例えば、耐摩擦性、耐引掻性、摩擦係数、表面粘着性など)を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.本発明に従った水性配合物を提供することであって、前記配合物は本明細書で開示されるような少なくとも1つの粒子材料を含むこと、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に、任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
d.任意選択で、(c)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含み、
それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、前記水性配合物であるが、粒子材料を含有していない前記水性配合物を用いて生成されたインク画像と比較して改善された、少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0047】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性(例えば、耐摩擦性、耐引掻性、摩擦係数、表面粘着性など)を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料のエマルジョンおよび/または分散液、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に、任意選択で、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含み、
それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記エマルジョンまたは分散液を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0048】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性(例えば、耐摩擦性、耐引掻性、摩擦係数、表面粘着性など)を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に、任意選択で最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含み、
それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記エマルジョンまたは分散液を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0049】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料(任意選択で、カチオン性エマルジョンの形で提供される)、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、(iv)またはそれらの任意の組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に、任意選択で最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含み、
それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記粒子材料を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0050】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの保水剤、および(ii)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供される)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に、任意選択で最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm)の厚さ(例えば、均一の厚さ)を有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で、少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を(例えば、乾燥処理薄膜層と一緒に)印刷基材上に転写すること
を含み、
それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記粒子材料を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0051】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、および
b.本発明に従った水性処理配合物
を含む。
【0052】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性(処理)配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性(処理)配合物
を含む。
【0053】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性処理配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性処理配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上
を含む。
【0054】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性(処理)配合物であって、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(iii)少なくとも1つの保水剤、および(iv)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、ポリエチレンイミン、の1つ以上
を含む、水性(処理)配合物
を含む。
【0055】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性処理配合物であって、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、前記水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの保水剤、および(ii)少なくとも1つの湿潤剤(例えば、PEI)、の1つ以上
を含む、水性(処理)配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上
を含む。
【0056】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性(処理)配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iii)少なくとも1つの界面活性剤、(iv)少なくとも1つの保水剤、および(v)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性処理配合物
を含む。
【0057】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性処理配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである)、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性処理配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
を含む。
【0058】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
(i)基材(例えば、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み(commodity coated)繊維印刷基材、およびプラスチック印刷基材)、
(ii)前記基材の表面の少なくとも一領域にしっかりと付着された1つ以上のインクドット(例えば、前記基材上にインク画像を形成し、前記画像は連続的であり得る)
を含む、印刷製品を提供し、
前記1つ以上のインクドットおよび前記基材の前記表面の前記少なくとも1つの領域は、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有する実質的乾燥薄膜層(例えば、連続薄膜)で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、の1つ以上を含み、前記実質的乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、本明細書で開示されるような少なくとも1つの改質多糖類である)をさらに含む。
【0059】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
(i)基材(例えば、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、およびプラスチック印刷基材)、
(ii)連続的で、それにより前記基材上にインク薄膜を形成し得るか、または相互に間隔が空いている可能性がある、1つ以上のインクドット
を含む、基材上の印刷パターンを提供し、
前記1つ以上のインクドットは、前記基材の表面の少なくとも1つの領域にしっかりと付着されており、
前記パターンは、前記基材内に画定された境界内に形成され、それにより1つ以上のインクドットおよび前記連続的もしくは間隔が空いたドットを取り囲んでいるか、または隔てている領域は、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有する実質的乾燥薄膜層で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、の1つ以上を含み、前記実質的乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、本明細書で開示されるような少なくとも1つの改質多糖類である)をさらに含む。
【0060】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、本発明の方法に従って作成された印刷製品/パターンを提供する。
【0061】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、剥離層表面を含む中間転写部材を提供し、その表面は、本明細書で開示されて例証されるような実質的に乾燥した(処理)連続薄膜で覆われている。
【0062】
本発明は、本明細書で定義されて例証されるような方法、システム、ITM、および印刷基材をさらに開示する。
【0063】
本明細書で開示される主題をより良く理解して、それがどのように実際に実施され得るかを例証するために、実施形態がここで、添付の図面を参照して、非限定的例としてのみ、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図2B-1】本発明のいくつかの実施形態に従い、水性処理配合物および水性インクがITM上に付着されて、作成されたインク画像薄膜がITM表面から印刷基材へ転写されるプロセスを概略的に説明する。
【
図2B-2】本発明のいくつかの実施形態に従い、水性処理配合物および水性インクがITM上に付着されて、作成されたインク画像薄膜がITM表面から印刷基材へ転写されるプロセスを概略的に説明する。
【
図2B-3】本発明のいくつかの実施形態に従い、水性処理配合物および水性インクがITM上に付着されて、作成されたインク画像薄膜がITM表面から印刷基材へ転写されるプロセスを概略的に説明する。
【
図2B-4】本発明のいくつかの実施形態に従い、水性処理配合物および水性インクがITM上に付着されて、作成されたインク画像薄膜がITM表面から印刷基材へ転写されるプロセスを概略的に説明する。
【
図2B-5】本発明のいくつかの実施形態に従い、水性処理配合物および水性インクがITM上に付着されて、作成されたインク画像薄膜がITM表面から印刷基材へ転写されるプロセスを概略的に説明する。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスを示す。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図4C】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセスの流れ図である。
【
図6】少なくとも150~200マイクロメートルの厚さの配合物を有する、比較例8Bで説明される乾燥されたポリビニルアルコール(PVA)系処理配合物の先端の写真である。
【
図7A】それぞれ、シリコーン系ブランケット上にコーティングされた、PVAおよびHPMC系の処理配合物の写真である。
【
図7B】それぞれ、シリコーン系ブランケット上にコーティングされた、PVAおよびHPMC系の処理配合物の写真である。
【
図8A】配合物8AにおけるPVA系処理配合物から生じた画像の写真である。
【
図8B】配合物9におけるHPMC系処理配合物から生じた画像の写真である。
【
図9A】配合物8AにおけるPVA系処理配合物から生じた画像の写真である。
【
図9B】配合物9におけるHPMC系処理配合物から生じた画像の写真である。
【
図10】例11における処理配合物の使用から生じた例示的な画像の写真である。
【
図11】本発明のいくつかの実施形態に従った熱可塑性粒子材料含有水性処理配合物で観測される耐摩擦性を示す。
【
図12A】本発明のいくつかの実施形態に従った熱硬化性粒子材料含有水性処理配合物で観測される耐摩擦性を示す。
【
図12B】本発明のいくつかの実施形態に従った熱硬化性粒子材料含有水性処理配合物で観測される耐摩擦性を示す。
【
図13A】本発明のいくつかの実施形態に従って印刷された紙の印刷面を示す。
【
図13B】本発明のいくつかの実施形態に従って印刷された紙の印刷面を示す。
【
図13C】本発明のいくつかの実施形態に従って印刷された紙の印刷面を示す。
【
図13D】本発明のいくつかの実施形態に従って印刷された紙の印刷面を示す。
【
図14A】本発明のいくつかの実施形態に従った基材の表面上の印刷パターンを示す。
【
図14B】本発明のいくつかの実施形態に従った基材の表面上の印刷パターンを示す。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態に従ったインクドットおよび乾燥処理薄膜の相対的な厚さを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明は、その態様の1つにおいて、印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性(処理)配合物を提供し、本配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
少なくとも1つの、水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤(吸水剤)、(b)少なくとも1つの界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤)および(c)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、の1つ以上
を含み、
前記配合物は任意選択で、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含む。
【0066】
ここでは様々な実施形態が前述の態様に関連して詳述される。これらの実施形態の1つ以上は、本明細書の前述および後述で開示される本発明の1つ以上の態様に適用可能であり得ることに留意されたい。本発明の水性(処理)配合物に関連して詳述される1つ以上の実施形態は、本明細書で詳述される本発明の他の態様、例えば、方法、システム、プロセス、製品、印刷パターン、印刷基材、ITMおよびキットなど、にも適用可能であり得ることにさらに留意されたい。
【0067】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、少なくとも1つの水溶性ポリマーは、本明細書で開示されるような、少なくとも1つの改質多糖類、例えば、メチルセルロースおよびHPMCなどのセルロースエーテルである。
【0068】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、
a.少なくとも1つの改質多糖類であって、任意選択で、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度、および任意選択で次の特性の少なくとも1つ以上:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、最大105℃、もしくは60~120℃の間、もしくは60~110℃の間、もしくは60~100℃の間、もしくは65~110℃の間、もしくは65~105℃の間、もしくは65~100℃の間、もしくは70~110℃の間、もしくは70~100℃の間、もしくは75~110℃の間、もしくは75~100℃の間、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中での2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度が、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内であること、
を有する、少なくとも1つの改質多糖類、
b.水、ならびに
c.任意選択で、少なくとも1つの吸水剤、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を有する。
【0069】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度は、少なくとも50℃であり、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度は、最大11である。
【0070】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、
(a)25℃において、重量で、少なくとも2%、または少なくとも3%、または少なくとも4%、または少なくとも5%、または少なくとも7%、または少なくとも8%、または少なくとも10%の水への溶解度を有する、少なくとも1つの改質多糖類、
(b)少なくとも1つの湿潤剤、ならびに
(c)水を含有する担体液体であって、前記水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成すること
を含み、
前記水性処理配合物は任意選択で、吸水剤、非イオン界面活性剤、およびシリコーン界面活性剤の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全部をさらに含む。
【0071】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性(処理)配合物は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含む。
【0072】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、
(a)任意選択で、25℃において、重量で、少なくとも2%、または少なくとも3%、または少なくとも4%、または少なくとも5%、または少なくとも7%、または少なくとも8%、または少なくとも10%の水への溶解度を有する、少なくとも1つの改質多糖類、
(b)少なくとも1つの湿潤剤、
(c)水を含有する担体液体であって、前記水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成すること、
(d)(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料
を含み、
前記水性処理配合物は任意選択で、吸水剤、非イオン界面活性剤、およびシリコーン界面活性剤の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全部をさらに含む。
【0073】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、少なくとも1つの改質多糖類は、セルロース誘導体であり得る。
【0074】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、少なくとも1つの改質多糖類は、セルロースエーテルであり得る。
【0075】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロースエーテルは、メチルセルロースであり得るか、またはメチルセルロースを含む。
【0076】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり得る。
【0077】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤剤は、ポリエチレンイミンであり得る。
【0078】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、メチルセルロース、ポリエチレンイミン、吸水剤、界面活性剤、および担体液体(例えば、水を含有する)を含む。
【0079】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0080】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンイミン、吸水剤、界面活性剤、および担体液体(例えば、水を含有する)を含む。
【0081】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミンを含み得る。
【0082】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、界面活性剤を含み得る。
【0083】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、吸水剤を含み得る。
【0084】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミンおよび吸水剤を含み得る。
【0085】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミンおよび界面活性剤を含み得る。
【0086】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミンおよび非イオン界面活性剤を含み得る。
【0087】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミンおよびシリコーン界面活性剤を含み得る。
【0088】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミン、吸水剤および界面活性剤を含み得る。
【0089】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ポリエチレンイミン、吸水剤、界面活性剤および抗菌剤を含み得る。
【0090】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、少なくとも50℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有し得る。いくつかの実施形態では、改質多糖類は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sで、最大11の、粘度を有する。
【0091】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する4:1~200:1の範囲内の重量比を有する。
【0092】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する4:1~100:1の重量比を有する。
【0093】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する4:1~60:1の重量比を有する。
【0094】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する4:1~35:1の重量比を有する。
【0095】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する4:1~25:1の重量比を有する。
【0096】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する5:1~100:1の重量比を有する。
【0097】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する5:1~50:1の重量比を有する。
【0098】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する5:1~35:1の重量比を有する。
【0099】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する6:1~50:1の重量比を有する。
【0100】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する6:1~35:1の重量比を有する。
【0101】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する8:1~35:1の重量比を有する。
【0102】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する8:1~25:1の重量比を有する。
【0103】
本明細書で使用される用語「改質多糖類(modified polysaccharide)」は、グリコシド結合によって一緒に結合した単糖単位の長鎖から構成されるポリマー炭水化物分子を指し、単糖単位中のヒドロキシル基の水素原子の少なくとも1つは別の基、例えば、Rと置換される。
【0104】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、直鎖状または分枝状であり得る。改質多糖類の非限定的例は、澱粉、グリコーゲンならびに、セルロースおよびキチンなどの構造多糖類である。
【0105】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は均質である、すなわち、単糖の同じ反復単位を有する(すなわち、ホモ多糖)。
【0106】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は不均一であり、2つ以上のタイプの単糖を含む(すなわち、ヘテロ多糖)。
【0107】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、単糖は、グルコース、フルクトースおよびグリセルアルデヒドの1つ以上である。
【0108】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類中の反復単位は、六炭糖である。
【0109】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類中の反復単位は、五炭糖である。
【0110】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類中の単糖単位の数は、約4~約3000の間である。
【0111】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類中の単糖単位の数は、約10~約3000の間である。
【0112】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、トレハロース、セロビオース、セルロース、イソマルツロース、ラクツロース、メリビオース、ショ糖、ラクトース、マルトース(多糖類澱粉の加水分解生成物)、キトビオース(多糖類キチンの加水分解生成物)、コージビオース、ニゲロース、イソマルトース、ソホロース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、ツラノース、マルツロース、パラチノース、ゲンチオビウロース(gentiobiulose)、マンノビオース、メリビウロース、ルチノース、ルチヌロース(rutinulose)およびキシロビオースから成る群から選択された二糖類単位を含み得る。
【0113】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、構造Aであり、構造中Rは同一または異なり得、H、CH
3、CH
2COOHおよびCH
2CH(OH)CH
3から成る群から選択され、nは3以上である整数、時には、少なくとも4である。
【化1】
【0114】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、構造Bである「改質セルロース」または「セルロース誘導体」であり、構造Bは、位置2、3、および6にOR基置換を有する、1~4の連鎖によって連結された無水グルコース単位を持つ構造であり、構造中Rは、H、CH
3、[CH
2CH
2O]
mH、[CH
2CH(CH
3)O]
mH、CH
2COONa、CH
2CH(OH)CH
3、COOCH
3、CH
2COOH、CH
2COO
-を含むが、それらに制限されず、mは少なくとも1である整数であり、nは少なくとも1である整数である。
【化2】
【0115】
例は、次:メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを含むが、それらに制限されない。
【0116】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、構造Bであるメチルセルロースであり、R基の少なくとも1つはCH3であり、残りは、他のアルキルとのさらなる置換のないHを含み得る。
【0117】
メチルセルロースは、メトキシル基の重量パーセントによって特徴付けられる。メチルセルロース(MC)ポリマー中の%メトキシルの決定は、米国薬局方(USP 37、「Methylcellulose」、3776~3778ページ)に従って実行される。重量パーセントは、全ての置換基を含む、セルロース反復単位の総重量に基づく平均重量パーセントである。メトキシル基の含有率はメトキシル基(すなわち、-OCH3)の質量に基づき報告される。
【0118】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、18%以上、または25%の%メトキシルを有する。
【0119】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロース誘導体は、50%以下、または40%以下、およびまたは35%以下の%メトキシルを有する。
【0120】
説明するように、メチルセルロースは、米国薬局方(USP 37、「Methylcellulose」、3776~3778ページ)に従い、25℃において2wt.-%水溶液の粘度によって特徴付けられ得る。
【0121】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースすなわち「HPMC」である。いくつかの実施形態では、HPMCは構造Cを参照し得、構造中Rは同一または異なり得、H、CH
3、またはCH
2CH(OH)CH
3であり、nは少なくとも1である。
【化3】
【0122】
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトキシル基およびヒドロキシプロピル基の重量パーセントによって特徴付けられる。重量パーセントは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの総重量に基づく。慣例により、重量パーセントは、全ての置換基を含む、セルロース反復単位の総重量に基づく平均重量パーセントである。メトキシル基の含有率はメトキシル基(すなわち、-OCH3)の質量に基づき報告される。ヒドロキシプロポキシル基の含有率はヒドロキシプロポキシル基(すなわち、-O-C3H6OH)の質量に基づき報告される。HPMC中の%メトキシルおよび%ヒドロキシプロポキシルの決定は、米国薬局方(USP 37、「Hypromellose」、3296~3298ページ)に従って実行される。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、米国薬局方(USP 37、「Hypromellose」、3296~3298ページ)に従い、25℃において2wt.%水溶液の粘度によって特徴付けられ得る。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの調製方法は、国際特許出願、公開第WO2012/051034号および第WO2012/173838号に記載されている。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの例は、Methocel(登録商標)K(HPMC 2208)、Methocel(登録商標)E(HPMC 2910)、およびMethocel(登録商標)F(HPMC 2906)を含むが、それらに制限されない。
【0123】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロースまたは代わりにHPMCであり得る。
【0124】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類はメチルセルロースであり、Rの少なくとも2%はメチル(CH3)基である。
【0125】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、HPMCは、少なくとも50℃、または少なくとも55℃、または少なくとも57℃、少なくとも60℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有し得る。
【0126】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、HPMCは、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sで、最大11、最大10または最大9の粘度を有し得る。
【0127】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、メチルセルロース、例えば、HPMCまたはセルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)、のポリエチレンイミンに対する、5~200:1の範囲内の重量比を有する。いくつかの実施形態では、メチルセルロース、例えば、HPMCまたはセルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)、のポリエチレンイミンに対する重量比は、5~50:1であり得る。本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロース、例えば、HPMCまたはセルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)、のポリエチレンイミンに対する重量比は、7~35:1であり得る。本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロース、例えば、HPMCまたはセルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)、のポリエチレンイミンに対する重量比は、10~20:1であり得る。
【0128】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、非熱可塑性ポリマーおよび/または荷電した多糖類であり得る。
【0129】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、荷電した多糖類は、任意選択でカルボキシル基および/または硫酸エステル基を含有する、酸性多糖類であり得るか、または酸性多糖類を含む。
【0130】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、荷電した多糖類は、正に荷電した多糖類であり得るか、または正に荷電した多糖類を含む。
【0131】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、少なくとも1つの吸水剤をさらに含み得る。吸水剤は、当技術分野で周知である。適用可能な吸水剤の非限定的例は、本明細書で例示するものを含み、糖および糖アルコールから選択され得る。
【0132】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、吸水剤は、少なくとも25℃~60℃の範囲内において、純粋状態で、固体であり得る。
【0133】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物を蒸発させて固体薄膜を形成する場合、吸水剤は水分吸収材として働く。
【0134】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、吸水剤が固体の乾燥処理薄膜内に配置される場合にインクから水分を吸収するために選択される、固体吸水剤を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、かかる固体吸水剤は、最大60℃または最大50℃または最大40℃または最大30℃または最大25℃の融点(すなわち、純粋状態の場合)を有し得る。いくつかの実施形態では、固体吸水剤の濃度は-例えば、少なくとも1.5%または少なくとも2%または少なくとも2.5%または少なくとも3%または少なくとも4%または少なくとも5%wt./wt.であり得る。いくつかの実施形態では、固体吸水剤の濃度は-例えば、最大10%または最大8%または最大6%であり得る。いくつかの実施形態では、固体吸水剤の濃度は-例えば、1~15%または2~10%または3~8%または4~7%の間であり得る。かかる吸水剤の例は、ショ糖、尿素、ソルビトール、およびイソマルトを含むが、それらに制限されない。
【0136】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は界面活性剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、25℃において、重量で少なくとも5%もしくは少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、または両方を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の非イオン界面活性剤は、前記第1の非イオン界面活性剤の、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、もしくは少なくとも10%、または重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、もしくは最大13%、または5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、もしくは10.5~16%の範囲内の量であり得る。いくつかの実施形態では、第1の非イオン界面活性剤は、任意選択でASTM D7689-11試験方法によって決定されるとおり、前記少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、または少なくとも130℃の曇り点温度を有し得る。
【0137】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、前記第1の非イオン界面活性剤の、重量で、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%を含有する。
【0138】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、第2の、または前記、非イオンシリコーン含有界面活性剤、任意選択でポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体をさらに含み得、さらに任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、およびさらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0139】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、非イオンシリコーン含有界面活性剤は、25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する。
【0140】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、および、25℃において少なくとも1%の水への溶解度を有する第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0141】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、以下の特徴:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、または60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水、または水性処理配合物中の2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2の、mPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度、
iii.少なくとも1%、2%、4%、6%、7%または1~30%、5~25%、5~20%、5~10%、7~9%もしくは7.3~8.3%の間のヒドロキシプロピル置換、またはモル基準で、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.15もしくは少なくとも0.2もしくは0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.7もしくは0.1~0.3の間の、ヒドロキシプロピル置換、
iv.ダルトンで、最大13,000または最大12000、または最大11000、または最大10,000、または最大9000、または最大8000の数平均分子量
の少なくとも1つを有する、少なくとも1つの改質多糖類(例えば、セルロースエーテル、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、例えば、HPMC、などのセルロース誘導体)を含み得る。
【0142】
本明細書で説明する本発明のいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、メチルセルロースのポリエチレンイミンに対する5~200:1の範囲内の重量比を有する。メチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、5~50:1であり得る。メチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、7~35:1であり得る。セルロースメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、10~20:1であり得る。
【0143】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する5~200:1の範囲内の重量比を有する。時には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、5~50:1であり得る。時には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、7~35:1であり得る。時には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、10~20:1であり得る。
【0144】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)またはメチルセルロースである。
【0145】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースはHPMCである。
【0146】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)またはメチルセルロースは、以下の特徴の少なくとも1つ以上を有し得る:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、または60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水、または水性処理配合物中の2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2の、mPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度、
iii.少なくとも1%、2%、4%、6%、7%または1~30%、5~25%、5~20%、5~10%、7~9%もしくは7.3~8.3%の間のヒドロキシプロピル置換、またはモル基準で、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.15もしくは少なくとも0.2もしくは0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.7もしくは0.1~0.3の間の、ヒドロキシプロピル置換、
iv.ダルトンで、最大13,000または最大12000、または最大11000、または最大10,000、または最大9000、または最大8000の数平均分子量。
【0147】
改質多糖類(例えば、セルロースエーテルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体)の含有は、例えば、プラスチック(例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、BOPP(二軸延伸ポリプロピレン))、またはアルミニウムを含む、様々な印刷基材媒体上への良好な転写のための十分な粘着性がある、乾燥処理薄膜内でポリマー薄膜またはマトリックスの形成を促進するために特に有用であり得る。
【0148】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材媒体は完全にプラスチックであり得る。
【0149】
ポリエチレンイミンおよび改質多糖類(例えば、セルロースエーテルおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体)の組合せは、高インク画像品質で様々な印刷基材媒体上への良好な転写のための十分な粘着性がある、乾燥処理薄膜内でポリマー薄膜またはマトリックスの形成を促進するために特に有用であり得る。
【0150】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)はメチルセルロースである。本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0151】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも50℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも55℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも57℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、60~120℃の間の、水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、60~110℃の間の、水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、60~100℃の間の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、65~110℃の間の、水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。時には、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、65~100℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。
【0152】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、メチルセルロースであるか、またはメチルセルロースを含む。
【0153】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、次の構造特徴の少なくとも1つを有する:
i.少なくとも2%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%もしくは最大20%、もしくは最大15%、もしくは最大14%、もしくは最大12%または4~15%もしくは7~12%の間の、ヒドロキシプロピル置換、
ii.0.1を上回るか、または0.15を上回るか、または0.2を上回る、ヒドロキシプロピルモル置換、および
iii.ダルトンで測定された、最大13,000または最大12,000、または最大11,000、または最大10,000、または最大9,000、または最大8,000の数平均分子量。
【0154】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、吸水剤、界面活性剤、水を含有する担体液体および、少なくとも50℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。時には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも55℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有し得る。時には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも60℃の水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有し得る。理論によって縛られることを望むものではないが、これは、基材への転写後にブランケットから機械的にこすり落とす必要性の低下を促進し得るので、処理配合物の補充にとって特に最適であり得る。これはベルト機能の大規模な速度にも影響を及ぼし得る。
【0155】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、非熱可塑性ポリマーであり得る。本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、荷電した多糖類を含み得る。本発明に従ったいくつかの実施形態では、荷電した多糖類は、正に荷電した多糖類であるか、または正に荷電した多糖類を含み得る。かかる多糖類の非限定的例は、任意選択でカルボキシル基および/または硫酸エステル基を含有する酸性多糖類を含む。
【0156】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、荷電した多糖類は、酸性多糖類(例えば、カルボキシル基(例えば、ペクチン)および/または硫酸エステル基(例えば、カラゲナン))であり得る。
【0157】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、荷電した多糖類は、正に荷電した多糖類であり得る。
【0158】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)であり得る。
【0159】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)またはHPMCは、少なくとも2%の、水、または水性処理配合物への溶解度を有し得る。時には、25℃において、重量で、少なくとも3%。時には、25℃において、重量で、少なくとも4%。時には、25℃において、重量で、少なくとも5%。時には、25℃において、重量で、少なくとも7%。時には、25℃において、重量で、少なくとも8%。時には、25℃において、重量で、10%。
【0160】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類、例えば、メチルセルロースまたはHPMCは、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2の、mPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大10のmPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大7のmPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大4のmPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、少なくとも1のmPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、少なくとも0.5のmPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、0.5~10の範囲内のmPa・sでの粘度を有する。
【0161】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、1~8の、mPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、2~8の、mPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、2~5の、mPa・sでの粘度を有する。時には、改質多糖類、例えば、セルロースエーテル(例えば、メチルセルロースまたはHPMC)などのセルロース誘導体は、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、2~4の、mPa・sでの粘度を有する。意義深いことに、従来技術と比較して認識できるほどに低い粘度範囲にもかかわらず、処理配合物の表面上のデジタルインク品質にも、印刷基材への転写においても悪影響はなかった。
【0162】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物の粘度は、25℃において測定された、15~30または20~25または20~25mPa・sである。
【0163】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、次の構造特徴の少なくとも1つを有する:
i.2%を上回るか、または4%を上回るか、または6%を上回るか、または7%を上回るか、または最大20%または最大15%、または最大14%、または最大12%または1~30%の間、または4~15%の間または7~12%の間または5~25%の間、または5~20%の間、または5~10%の間、または7~9%の間またはまたは7.3~8.3%の間の、ヒドロキシプロピル置換、
ii.0.1を上回るか、または0.15を上回るか、または0.2を上回るか、または0.1~1.0の間、または0.1~0.9の間、または0.1~0.7の間、または0.1~0.3の間のヒドロキシプロピル-メトキシル基モル置換、
iii.70、または65または60または60または55未満の重合度、および
iv.ダルトンで測定された、最大13,000または最大12,000、または最大11,000、または最大10,000、または最大9,000、または最大8,000の平均分子量。
【0164】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、2%を上回るヒドロキシプロピル置換を有する。時には4%を上回る。時には6%を上回る。時には7%を上回る。
【0165】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、0.1を上回るモル置換を有する。時には0.15を上回る。時には0.2を上回る。
【0166】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、70未満の重合度を有する。時には65未満。時には60未満。時には55未満。
【0167】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、25%未満、または15~25%の範囲内のメトキシル置換を有する。
【0168】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、7~12%の範囲内のヒドロキシプロピル置換を有する。
【0169】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類は、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の、水、または水性処理配合物中への溶解度を有する。
【0170】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロース誘導体(例えば、セルロースエーテル)はヒドロキシプロピルセルロースである。
【0171】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0172】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、25%未満のメトキシル置換を有する。
【0173】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、15~25%の範囲内のメトキシル置換を有する。
【0174】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、15~25%の範囲内のメトキシル置換および2%を上回るヒドロキシプロピル置換を有する。
【0175】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、15~25%の範囲内のメトキシル置換および4%を上回るヒドロキシプロピル置換を有する。
【0176】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、15~25%の範囲内のメトキシル置換および6%を上回るヒドロキシプロピル置換を有する。
【0177】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、15~25%の範囲内のメトキシル置換および7%を上回るヒドロキシプロピル置換を有する。
【0178】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、メチルセルロースは、15~25%の範囲内のメトキシル置換および7~12%の範囲内のヒドロキシプロプロキシル(hydroxyproproxyl)置換の両方を有する。
【0179】
本発明での使用のためのHPMCの非限定的例は、Methocel(登録商標)E、Methocel(登録商標)F、Methocel(登録商標)J、Methocel(登録商標)Kを含む。具体的には、いくつかの例では、本発明は、Methocel(登録商標)K3 LV、Methocel(登録商標)E3 LV、Methocel(登録商標)E5 LV、Methocel(登録商標)E6 LV、Methocel(登録商標)VLVを採用する。
【0180】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、少なくとも0.01%、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、または少なくとも0.2%、および任意選択で、最大1%最大0.8%、最大0.7%最大0.6%、もしくは最大0.5%、または0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、もしくは0.2~0.5%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、少なくとも0.01%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、少なくとも0.05%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、少なくとも0.1%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、少なくとも0.2%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、最大1%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、最大0.8%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、最大0.7%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、最大0.6%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、最大0.5%である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.1~1%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.1~0.8%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.1~0.7%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.1~0.6%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.1~0.5%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.2~0.7%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.2~0.6%の範囲内である。時には、配合物中の重量での、ポリエチレンイミンの濃度は、0.2~0.5%の範囲内である。
【0181】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記ポリエチレンイミンの平均分子量は、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000である。
【0182】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記ポリエチレンイミンの平均分子量は、750,000である。
【0183】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、5~200:1、または5~50:1、または7~35:1、または10~20:1、である。
【0184】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する重量比は、5~200:1、または5~50:1、または7~35:1、または10~20:1、である。
【0185】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、配合物は、シリコーン界面活性剤、重量で少なくとも5%もしくは少なくとも7%の水への溶解度を有する非イオン界面活性剤、または両方をさらに含み得る。これは、乾燥処理薄膜が良好なドットゲインを促進するために有用であることを確実にするために役立ち得る。
【0186】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記水性処理配合物中の非イオン界面活性剤は、重量で、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。第1の非イオン界面活性剤は、ポリエトキシル化ソルビタンエステルであるか、ポリエトキシル化ソルビタンエステルを主に含むか、または含む。ポリエトキシル化ソルビタンエステルは、PEG-4ソルビタンモノラウレート、PEG-20ソルビタンモノラウレート、PEG-20ソルビタンモノパルミテート、PEG-20ソルビタンモノステアレート、およびPEG-20ソルビタンモノオレートから成る群から選択された少なくとも1つの化学種を含み得る。前記第1の非イオン界面活性剤のHLB数は、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、または少なくとも14.5、および任意選択で、最大22、最大21、最大20、最大19、最大18、または最大17、およびさらに任意選択で、11~25、11~23、11.5~21、11.5~20、11.5~18、12.5~21、12.5~20、12.5~18、13.5~21、13.5~20、13.5~18、14~20.5、14~18.5、14.5~20、14.5~19、14.5~18、または14.5~17.5の範囲内である。
【0187】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、第2の、非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体を含み、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、およびさらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0188】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、および任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%の、前記第2の、非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0189】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、任意選択でASTM D7689-11試験方法によって決定されるとおり、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、または少なくとも130℃である前記第1の非イオン界面活性剤の曇り点温度を有し得る。
【0190】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、吸水剤をさらに含み得る。
【0191】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、吸水剤は、糖または糖アルコールである。いくつかの実施形態では、吸水剤は糖である。
【0192】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は殺生物剤をさらに含み得る。
【0193】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、最大0.3%、または最大0.1%の第四級アンモニウム塩を含み得る。
【0194】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、第四級アンモニウム塩を実質的に欠いている可能性がある。
【0195】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、最大0.3%、または最大0.1%の熱可塑性ポリマーを含み得る。
【0196】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、およびポリビニルアルコールなどの熱可塑性ポリマーを実質的に欠いている可能性がある。
【0197】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、最大0.3%、または最大0.1%のポリビニルアルコール(PVA)を含み得る。
【0198】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、ポリビニルアルコール(PVA)を実質的に欠いている可能性がある。
【0199】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、澱粉および特にワキシー澱粉を実質的に欠いている可能性がある。
【0200】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、次:第四級アンモニウム塩、澱粉、または特にワキシー澱粉、熱可塑性ポリマー、およびより具体的には、PVAを、総計で、最大1%、最大0.5%、最大0.3%、もしくは最大0.1%を含み得るか、またはその全部を実質的に欠いている。
【0201】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、ヒドロキシプロピル置換のない任意のメチルセルロースを最大0.3%、最大0.1%含み得るか、または実質的に欠いている。
【0202】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、吸湿性可塑剤を最大0.3%、最大0.1%含み得るか、または実質的に欠いている。
【0203】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、配合物の重量での総固体率は、少なくとも8%、もしくは少なくとも9%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも14%、もしくは少なくとも16%、もしくは少なくとも18%、もしくは少なくとも20%、または10~30%もしくは15~25%の間である。
【0204】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、重量で、少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.1%、少なくとも3.2%の量である。
【0205】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、第1の非イオン界面活性剤は、重量で、少なくとも5%の量である。
【0206】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、シリコーン界面活性剤は、重量で、少なくとも0.5%の量である。
【0207】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、改質多糖類を、重量で、少なくとも1.5%または2.0%または2.5%または3%の量で含む。
【0208】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、静的表面張力を、25℃において25~40mN/mの範囲内で有する。
【0209】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、少なくとも10cP、もしくは少なくとも12cP、もしくは少なくとも14cP、または10cP~100cP、12cP~100cP、14cP~100cP、10cP~60cP、もしくは12cP~40cPの範囲内である、25℃動粘度を有する。以下で説明するように、また理論に縛られることを望むものではないが、高粘度は、ビーディング(beading)に向かう任意の表面張力駆動傾向に対抗するために有用であると考えられる。
【0210】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、80℃での改質多糖類の溶解度の、25℃での前記改質多糖類の溶解度に対する比は、最大0.9、最大0.7、最大0.5、最大0.3、最大0.1である。
【0211】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理配合物は、Tego280(登録商標)などの、ポリエーテルシロキサン共重合体などの少なくとも1つの湿潤剤をさらに含み得る。
【0212】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記メチルセルロースの濃度は、重量で、2.0~8%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、または2.5~5%の範囲内であり、前記蒸発負荷は、2.3:1~4.5:1、2.3:1~4:1、2.5:1~4.2:1、2.5:1~4:1、2.5:1~3.8:1、または2.5:1~3.6:1の範囲内である。
【0213】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも10%、または少なくとも12%、および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0214】
その上、水性処理溶液に対する特定の残留物の厚さのため、および水性処理溶液に送達される所与の熱出力のために、水性処理配合物の粘度は、蒸発の関数として急速に増大して、表面張力に効果的に対抗する高い絶対粘度を達成する。物理的には、高い粘度を有する流体の流れを誘発することは低い粘度を有する流体よりも、より困難である-すなわち、より高い粘度を有する流体の流れを誘発するために、より大きな駆動力が必要である。少なくとも中程度の初期粘度(すなわち、少なくとも10cPの25℃動粘度)およびITM表面上での蒸発(例えば、低蒸発負荷に起因した)後の急速な粘度上昇の組合せは、水性処理配合物が比較的「高い」(例えば、少なくとも10,000cP)粘度に比較的短期間(例えば、最大1秒または最大0.5秒)に達するのを確実にする。それ故、たとえビーディングに向かう何らかの熱力学的傾向があったとしても、乾燥処理薄膜の特性に悪影響を及ぼし得る、実際のビーディングは、阻止されるか、またはかなり軽減される。
【0215】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、例えば、配合物中に粒子材料が存在しない場合、25℃において完全に溶ける。
【0216】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物中の有機溶媒の総濃度は、重量で、最大3%、最大2%、最大1%、もしくは最大0.5%であるか、または配合物は有機溶媒を含有していない。
【0217】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、基材上への間接印刷のための方法を提供し、本方法は、
i.中間転写部材(ITM)を提供すること、
ii.実質的に本明細書で開示されるような水性処理配合物を提供すること、
iii.水性処理配合物をITMに塗布して湿潤処理層を形成すること、
iv.任意選択で、湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理薄膜層を形成すること、
v.水性インク液滴を部分的に乾燥された処理層上に付着させて(例えば、噴出させることにより)湿潤インク画像を形成すること、
vi.水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成すること、および
vii.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、部分的に乾燥されたインク画像薄膜を印刷基材に転写すること
を含む。
【0218】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は約55℃未満の温度で提供される。
【0219】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成することは、少なくとも80℃のITM(例えば、ブランケット)温度で起こる。
【0220】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させることは、少なくとも100℃、または少なくとも120℃または少なくとも130℃で起こって、部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成する。
【0221】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材への転写は、少なくとも75℃、もしくは少なくとも80℃、または75~150℃の間もしくは80~120℃の間の温度においてである。
【0222】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、前記湿潤処理層がITMの画像受容表面上の水性ゲル層の形になるように選択される。
【0223】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記画像受容表面上の水性ゲル層の温度は、50~100℃、55~100℃、57~100℃、60~100℃、62~100℃、65~100℃、67~100℃、70~100℃、75~100℃、または80~100℃の範囲内であり得る。
【0224】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像薄膜(例えば、残留物)が転写される印刷基材は少なくとも、プラスチック[例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、BOPP(二軸延伸ポリプロピレン)]またはアルミニウムで作られた接触面を有する。
【0225】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材媒体は、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、アルミニウム、およびそれらの組合せから成る群から選択された印刷基材であり得る。
【0226】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材媒体は完全にプラスチックである。
【0227】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、間接印刷のための方法は、インク画像残留物薄膜を前記画像受容表面から除去することをさらに含み、前記インク画像残留物は、前記水性処理配合物からの処理配合物残留物を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、前記処理配合物の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または実質的に全部を再溶解によって除去することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、いかなる機械的洗浄または機械的残留物除去操作も欠いている。
【0228】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、基材上への間接印刷のための方法を提供し、本方法は、
i.中間転写部材(ITM)を提供すること、
ii.実質的に本明細書で開示されるような水性処理配合物を提供すること、
iii.水性処理配合物をITMに塗布して湿潤処理層を形成すること、
iv.任意選択で、湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成すること、
v.水性インク液滴を部分的に乾燥された処理層上に付着させて(例えば、噴出させることにより)湿潤インク画像を形成すること、
vi.水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成すること、
vii.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、部分的に乾燥されたインク画像薄膜を印刷基材に転写すること
を含み、
前記方法は、乾燥処理薄膜を水性処理配合物に再可溶化することをさらに含み、ステップvii)の後、剥離表面が水性処理溶液で洗浄され、ステップiii)に戻って新しい印刷サイクルを開始する。
【0229】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITMに塗布することは、ITMの広い範囲にわたって均一なサブミクロン厚さおよび/または高い印刷速度の水性処理配合物としてである。
【0230】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤水性処理配合物は、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm、最大0.2μm、または最大0.15μm、および任意選択で、少なくとも0.05μmまたは少なくとも0.10μm、およびさらに任意選択で、0.05~0.8μm、0.10~0.5μm、または0.10~0.25μmの範囲内の厚さを有する。
【0231】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITMは、シリコーン系剥離層表面を有し、前記表面は、シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°になるように十分に親水性である。
【0232】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、シリコーン系剥離層表面は、シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°になるように十分に親水性である。
【0233】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、提供されるITMは、支持層ならびに前記シリコーン系剥離層表面および(i)前記シリコーン系剥離層表面に対向し、かつ(ii)前記支持層に貼付される、第2の表面を有する剥離層を含み、前記剥離層は、付加硬化型シリコーン材料から形成され、前記剥離層の厚さは任意選択で、最大800マイクロメートル(μm)、時には最大500マイクロメートル(μm)である。
【0234】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、付加硬化型シリコーン材料は、本質的に付加硬化型シリコーンから成るか、または重量で、少なくとも95%の前記付加硬化型シリコーンを含む。
【0235】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、提供されるITMの前記シリコーン系剥離層表面中の官能基は、重量で、前記付加硬化型シリコーン材料の、最大3%を構成する。
【0236】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ポリエーテルグリコール官能基化ポリジメチルシロキサンは、提供されるITMの前記付加硬化型シリコーン材料に含浸される。
【0237】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、提供されるITMの剥離層は、インク受容表面の極性基が、第2の表面から離れているか、または第2の表面から反対の配向を有するように、適合される。
【0238】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、提供されるITMのシリコーン系剥離層表面の表面疎水性は、剥離層中の硬化型シリコーン材料のバルク疎水性よりも小さく、表面疎水性は、インク受容表面上の蒸留水の液滴の後退接触角によって特徴付けられ、バルク疎水性は、露出領域を形成するために剥離層中の硬化型シリコーン材料の領域を露出させることによって形成される内側表面上に付着した蒸留水の液滴の後退接触角によって特徴付けられる。
【0239】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤処理層は、丸い表面をITMの方に促すか、もしくはその逆によって形成され、かつ/または薄くされ、
i.丸い表面は、最大2mmもしくは最大1.5mmもしくは最大1.25mmもしくは最大1mmの曲率半径を有し、かつ/または
ii.促すことは、少なくとも250g/cmもしくは少なくとも350g/cmもしくは少なくとも400gm/cmおよび/もしくは最大1Kg/cmもしくは最大750g/cmもしくは最大600g/cmの交差印刷方向における力密度においてであり、かつ/または
iii.促すことは、ITMとの間に圧力を印加することによって実行され、圧力の大きさは、少なくとも0.1バールもしくは少なくとも0.25バールもしくは少なくとも0.35バールもしくは少なくとも0.5バール、および任意選択で、最大2バールもしくは最大1.5バール、もしくは最大1バールである。
【0240】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤処理層の形成またはその薄層化は、ITMに垂直な速度勾配が確立されるように水性処理配合物を流すことを含み、速度勾配の大きさは少なくとも106sec-1または少なくとも2×106sec-1である。
【0241】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤処理層の乾燥プロセスは、乾燥処理薄膜が平滑な上面を有するように、水性処理配合物の粘度が十分に急速に増大して、表面張力駆動ビーディングを阻止するように、十分に迅速である。
【0242】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜の平滑な上面は、最大12ナノメートルまたは最大10ナノメートルまたは最大9ナノメートルまたは最大8ナノメートルまたは最大7ナノメートルまたは最大4ナノメートルまたは最大3ナノメートル、および任意選択で、少なくとも1ナノメートルまたは少なくとも2ナノメートルの平均粗度(roughness)Raによって特徴付けられる。
【0243】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理溶液の乾燥は、ビーディングを防ぐため、および最大200nm、または最大150nm、または最大120nm、または最大100nm、または最大80nm、または最大70nm、または最大60nm、または最大50nm、または最大40nm、または最大30nmの厚さを有する、連続した親水性で粘着性があるポリマー処理薄膜が残るように、十分に急速に実行される。
【0244】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大200nm、または最大120nm、または最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0245】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0246】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜は、ITMの剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、前記矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する。
【0247】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、矩形の領域の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%に対する乾燥処理薄膜、その乾燥処理薄膜の厚さは、矩形内の平均厚さ値から50%を超えて、または40%を超えて、または30%を超えて逸脱しない。
【0248】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤処理層の乾燥プロセス中、その動粘度は、最大250ミリ秒の期間内に少なくとも1000倍増大する。
【0249】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像残留物は、乾燥処理薄膜の非印刷領域と共に印刷基材上に転写される。
【0250】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜の厚さは最大120nmである。
【0251】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像残留物の転写中に、乾燥処理薄膜がITMから完全に分離して、乾燥されたインク画像と共に、印刷領域および非印刷領域の両方において、印刷基材に転写されるように、乾燥処理薄膜は十分な粘着性がある。
【0252】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、間接印刷のための方法は、
i.インク基材に存在するインクドットのインクドットセットIDSが形成され、
ii.ITMに存在する乾燥処理薄膜に付着される水性インク液滴の液滴複数性(droplet plurality)DPは、所与の液滴が、所与の基材に存在するインクドットとなり、かつ/または所与の基材に存在するインクドットに発展するように、
A.液滴複数性DPの各所与の液滴および
B.インクドットセットのそれぞれ所与の基材に存在するインクドット
の間に対応があるように、インク基材に存在するインクドットのインクドットセットIDSを形成し、
iii.付着中、液滴複数性の1つの液滴がITM上の乾燥処理薄膜と衝突するたびに、衝突する液滴の運動エネルギーが液滴を変形させ、
iv.ITMの表面上方の変形した液滴の各々の最大衝突半径が最大衝突半径値RMAX_IMPACTを有し、
v.衝突の後、基材に存在するインクドットセットIDSの各インクドットが乾燥ドット半径RDRIED_DOT_ON_SUBSTRATEを有するように、生理化学的力が変形した液滴を広げ、
vi.液滴複数性の各液滴および インクドットセットIDSの対応するインクドットに対して、
A.基材に存在する乾燥ドット半径RDRIED_DOT_ON_SUBSTRATEと
B.変形した液滴の最大衝突半径値RMAX_IMPACTとの
間の比が少なくとも1.1となる
ように実行される。
【0253】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、間接印刷のための方法は、
i.ITMに存在する乾燥処理薄膜に付着される液滴の液滴複数性DPは、基材に存在するインクドット(すなわち、基材上面にしっかりと付着されている)のインクドットセットIDSを生成し、液滴複数性DPの各液滴はインクドットセットIDSのそれぞれ異なる基材に存在するインクドットに対応し、
ii.液滴複数性DPの各インク液滴は、噴出パラメータに従って、基材上に付着され、
iii.噴出パラメータは、液滴複数性DPのインク液滴の生理化学的特性と共に、インクジェット紙ドット半径RDIRECT-JETTING-ONTO-INK-JET-PAPER-THEORETICALを共同で定義し、インクジェット紙ドット半径は、インク液滴が乾燥処理薄膜の代わりにインクジェット紙に直接インクジェットされた場合に得られるインクドットの半径であり、かつ
iv.(A)インクドットセットIDSのドットの乾燥ドット半径RDRIED_DOT_ON_SUBSTRATEと(B)インクジェット紙ドット半径RDIRECT-JETTING-ONTO-INK-JET-PAPER-THEORETICALとの間の比が少なくとも1.1となる
ように実行される。
【0254】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インクドットセットの濃度は、少なくとも5または少なくとも10または少なくとも20または少なくとも50または少なくとも100であり、インクドットセットの各インクドットは基材上で別個である。インクドットセットのインクドットは、印刷基材上に投影されている正方形幾何形状投影内に含まれ、インクドットセットの各インクドットは印刷基材の表面にしっかりと付着されていて、前記正方形幾何形状投影内の前記インクドットの全てはインクドットセットIDSの個々のメンバーとして見なされる。
【0255】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、少なくとも1メートル/秒、少なくとも1.5メートル/秒、少なくとも2メートル/秒、少なくとも2.5メートル/秒、少なくとも3メートル/秒、任意選択で最大5.5メートル/秒、最大5.0メートル/秒、最大4.5メートル/秒、または最大4.0メートル/秒の速度で移動中のITMの少なくとも部分(複数可)に塗布されて、湿潤処理層をその上に形成する。
【0256】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜および乾燥処理薄膜の表面は、(i)平均粗度Raと(ii)乾燥処理層の厚さとの間の無次元比によって特徴付けられ、前記無次元比は、最大0.5、最大0.4、最大0.3、最大0.25、最大0.2、最大0.15、または最大0.1、および任意選択で、少なくとも0.02または少なくとも0.03または少なくとも0.04または少なくとも0.05または少なくとも0.06または少なくとも0.07または少なくとも0.08である。
【0257】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本方法は、本明細書で開示される1つ以上の特徴をもつブランケットを利用する。
【0258】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
i.シリコーン系剥離層表面を含む中間転写部材(ITM)、
ii.実質的に本明細書で開示されるような水性処理配合物を含む水性処理配合物を含む容器、
iii.水性処理配合物をシリコーン系剥離層表面に塗布して、その上に湿潤処理層を形成するための処理ステーション、
iv.水性処理配合物を乾燥させるための任意選択の乾燥ステーション、
v.中間転写部材に近接して配置されて、インク液滴を、中間転写部材上に形成された水性処理配合物上に噴出させるために構成された少なくとも1つのインクジェットノズル、
vi.中間転写部材上に形成された水性処理配合物上のインクを少なくとも部分的に乾燥させてインク画像残留物を生成するように構成されたインク処理ステーション、および
vii.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材に転写するためのインク画像残留物転写機構
を含む、間接印刷システムを提供する。
【0259】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本システムは大抵の場合、いかなる機械的配合物残留物除去機構にも依存しないか、または欠いている。具体的には、本システムは、インク画像薄膜(例えば、インク画像および処理配合物残留物)を剥離層表面から機械的に除去するように適合されたいかなる機械的残留物除去(例えば、掻取りブレード)機構も欠いている可能性がある。代替として、または追加として、本システムは、シリコーン系剥離層表面からインク画像薄膜(例えば、インク画像および残留物または処理配合物残留物)を除去するための洗浄ステーションをさらに含む。任意選択で、本システムは、前記処理配合物の再塗布のための処理アプリケータ手段をさらに含み得る。
【0260】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
本明細書で開示されるような水性処理配合物を提供すること、
水性処理配合物をITMに塗布して湿潤処理層を形成すること、
任意選択で、湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成すること、
水性インク液滴を部分的に乾燥された処理層上に噴出させて湿潤インク画像を形成すること、
水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて部分的に乾燥されたインク画像薄膜(例えば、水性処理コーティング)を形成すること、および
ITMと印刷基材との間の加圧接触により、部分的に乾燥されたインク画像薄膜を印刷基材に転写すること
を含む、基材上への間接印刷のための方法を提供する。
【0261】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、プラスチック、[例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、BOPP(二軸延伸ポリプロピレン)]またはアルミニウムなどの材料で作られているか、またはそれらの材料で作られた接触面を少なくとも有する、様々な「難しい(difficult)」印刷基材に転写する場合に裂けない乾燥処理層を一貫して製造するために有用な方法および装置が提供される。
【0262】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、
図1の方法は、
図2B.1~
図2B.5の図解を参照する。
図1は、本発明のいくつかの実施形態に従った印刷プロセスの流れ図であり、この場合、中間転写部材(ITM)(例えば、210)は、インク画像をそれに付着させる前に、本発明で開示される水性処理配合物のいずれかで前処理される。
図1のステップS1では(または
図2B.1に示されるように)、本発明の水性処理配合物(例えば、202)が疎水性ITM(例えば、210)の表面に塗布されてITM表面を前処理し、
図2B.2で概略的に提供されるように、任意選択で乾燥されてITM210上に部分的に乾燥された薄膜204をもたらす。
図1のステップS9では、水性インクの液滴が任意選択で乾燥させた処理配合物(例えば、処理薄膜206)上にインクジェットされて、
図2B.3で概略的に提供されるように、湿潤インク画像222(例えば、処理薄膜204および付着されたインク221を含む)をITMの表面上に形成する。
図1のステップS13では(または
図2B.4で概略的に示されるように)、インク画像(例えば、222)がITM表面上で乾燥されて少なくとも部分的に乾燥されたインク画像薄膜(
図2B.4で概略的に提供されるような224ならびに少なくとも部分的に乾燥された処理薄膜206および部分的に乾燥された付着されたインク223を含む)を形成する。
図1のステップS17では、(または
図2B.5で概略的に示されるように)、乾燥されたインク画像薄膜224が、典型的には加圧接触により、印刷基材260に転写される。
【0263】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態に従った処理または処理配合物の層を有する中間転写部材(ITM)のシリコーン系剥離層表面上への水性インクによる間接印刷の方法の例示的な流れ図である。いくつかの実施形態では、
図2Aの方法は、
図2B.1~5の図解を参照する。いくつかの実施形態では、
図2Aの方法(またはそのステップの任意の組合せ)は本明細書で開示される装置(またはその構成要素(複数可))を使用して実行され得る。
【0264】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、
図2A、
図2B、および
図2Cの方法のいずれも、次の特徴:均一で制御されたドットゲイン、良好で均一な印刷光沢、ならびに一貫したドット凸性(dot convexity)および/または輪郭のはっきりした境界を有する高品質ドットに起因した良好な画像品質、の任意の組合せによって特徴付けられるインク画像を生成するために実行され得る。ステップS201~S205は、
図2Aの印刷プロセスで使用される成分または構成要素または消耗品に関連し、他方、ステップS209~S225は、プロセス自体に関連する。
【0265】
手短に言えば、
図2Aのステップは次のとおりである:ステップS201およびS205で、本発明のITM(例えば、シリコーン系剥離層表面を含む)および水性処理配合物(例えば、溶液)が提供され、各々は本明細書で説明される特定の特性を有する。ステップ209で、水性処理配合物がITMの剥離層表面に塗布されて、その上に湿潤処理層を形成する。ステップS213で、湿潤処理層は乾燥プロセスに通されて、それから乾燥処理薄膜をITM上に形成する。ステップS217で、水性インクの液滴がこの少なくとも部分的に乾燥された処理薄膜上に付着されてインク画像をITM表面上に形成する。ステップS221で、このインク画像が乾燥されてインク画像薄膜または残留物がITM表面上に残り、ステップS225で、このインク画像残留物または薄膜が印刷基材に転写される。
【0266】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、均一なサブミクロン厚さの湿潤処理層をITMの広い範囲にわたって、かつ/または高い印刷速度で製造するために有用な方法および装置が提供される。
【0267】
図2AのステップS201の説明
いくつかの実施形態では、ステップS201で提供されるITMはシリコーン系剥離層を有するが、その剥離表面は多くの従来型のシリコーン系剥離層よりも疎水性でないか、または明らかに疎水性でない可能性がある。この構造的特性は様々な方法で測定および特徴化できる。
【0268】
例えば、
図2AのステップS201に示されるように、中間転写部材(ITM)は、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:すなわち、(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【0269】
シリコーン系剥離層の疎水性を低下させるためのいくつかの技術の任意の1つが採用され得る。
【0270】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、極性官能基がシリコーン系剥離層中に導入され、かつ/またはシリコーン系剥離層中で生成される。時には、官能基がプレポリマーバッチ(例えば、溶液中のモノマー)に添加され得-これらの官能基は、硬化時に、シリコーンポリマー網目構造の一体部分となり得る。代替として、または追加として、シリコーン系剥離層は前処理され(例えば、コロナ放電により、または電子ビームにより)、それによりその表面エネルギーを高める。
【0271】
代替として、シリコーン系剥離層は、たとえ官能基を実質的に欠いている場合でさえ、低い疎水性を有するように製造され得る。時には、剥離層のシリコーンポリマー骨格は、その極性基(例えば、O-Si-O)が、ITM表面の局所平面に対して概ね垂直で、剥離層表面に向かって「上方」を向いている、方向に向けられるように構築され得る。
【0272】
図2AのステップS205の説明
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物200が提供され、水性処理配合物200は、
a.改質多糖類(例えば、セルロースエーテル)であって、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度、および次の特性の少なくとも1つ以上:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、最大105℃、もしくは60~120℃の間、もしくは60~110℃の間、もしくは60~100℃の間、もしくは65~110℃の間、もしくは65~105℃の間、もしくは65~100℃の間、もしくは70~110℃の間、もしくは70~100℃の間、もしくは75~110℃の間、もしくは75~100℃の間、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中での2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度が、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内であること、
を有する、改質多糖類(例えば、セルロースエーテル)、
b.水、ならびに
c.任意選択で、吸水剤、界面活性剤、および湿潤剤、例えば、ポリエチレンイミン、の少なくとも1つ、または2つまたは3つ全部を含むこと
を含む。
【0273】
代替として、本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物200が提供され(S205)、水性処理配合物200は、
(a)25℃において、重量で、少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度を有する、改質多糖類(例えば、セルロースエーテル)、
(b)ポリエチレンイミン(PEI)、および
(c)水を含有する担体液体であって、前記水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成すること、
を含み、
前記水性処理配合物は任意選択で、吸水剤、非イオン界面活性剤、およびシリコーン界面活性剤の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全部を含む。
【0274】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する重量比は、4:1~200:1、または5~200:1、または4:1~100:1、または4:1~60:1、または4:1~35:1、または4:1~25:1、または5:1~100:1、または5:1~50:1、または5:1~35:1、または6:1~50:1、または6:1~35:1、または8:1~35:1、または8:1~25:1、または10:1~20:1の重量での範囲内である。
【0275】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改質多糖類(例えば、セルロースエーテル、例えば、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、などのセルロース誘導体)、ポリエチレンイミン、吸水剤、界面活性剤、および水を含有する担体液体を含む、水性処理配合物200が提供される(S205)。時には、配合物は、例えば、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオールを含む、適切な抗菌剤をさらに含み得る。
【0276】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、吸水剤は、ショ糖、尿素、ソルビトール、イソマルトまたはそれらの任意の組合せ、を含むリストから選択され得る。
【0277】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、水を含有する担体液体を含み、水は、水性処理配合物の重量で、少なくとも65%(例えば、少なくとも70%または少なくとも75%)を構成する。
【0278】
図2B.1を参照した
図2AのステップS209の説明
ステップS209では、水性処理配合物200がITM210のシリコーン系剥離層表面に塗布されて、最大0.8μm(例えば、最大0.7μm、または最大0.6μm、または最大0.5μm)の厚さを有する湿潤処理層202をその上に形成する。
【0279】
いくつかの実施形態では、ステップS209は、湿潤処理層が、好ましくは、剥離層の全域にわたってなど、広い範囲にわたり、均一な厚さを有して、欠陥のないように、実行される。これは、湿潤処理層がサブミクロンの厚さである場合に、特に困難であり得る。
【0280】
ステップS209では、水性処理配合物200がシリコーン系剥離層表面に塗布されて、任意選択で最大0.8μmの厚さを有する湿潤処理層202を形成する。
【0281】
本発明のいくつかの実施形態では、厚さが、好ましくは、ITMの広い範囲にわたって均一になるように、この湿潤処理層を塗布するための装置および方法が提供される。
【0282】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITM表面を水性処理配合物の初期コーティングでコーティングした後、余分な処理配合物が初期コーティングから除去されて、例えば、最大0.8μmの均一な厚さを有する湿潤処理層が獲得され得る。時には、これは、高度に仕上げた表面(例えば、ドクターブレードの)をITMの方に、またはその逆に促すことによって達成され得る。例えば、高度に仕上げた表面の曲率半径は、最大1.5mmまたは最大1.25mmまたは最大1mmであり得る。
【0283】
図2B.2を参照したステップS213の説明
ステップS213では、湿潤処理層202は乾燥プロセスに通されて、それから乾燥処理薄膜を形成する。時には、湿潤処理層の乾燥プロセス中、その動粘度は、最大0.5秒または最大0.25秒の期間内に少なくとも1000倍増大する。
【0284】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜(例えば、粘着性があるポリマー処理薄膜)204の厚さは、最大150ナノメートル、または最大120ナノメートル、または最大100ナノメートル、または最大80ナノメートル、または最大60ナノメートルである。
【0285】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜204は平滑な上面を有する。時には、湿潤処理層の乾燥プロセスは、乾燥処理薄膜が平滑な上面を有するように、水性処理配合物の粘度が十分に急速に増大して、表面張力駆動ビーディングを阻止するように、十分に迅速である。
【0286】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜の平滑な上面は、最大12ナノメートルまたは最大10ナノメートルまたは最大9ナノメートルまたは最大8ナノメートルまたは最大7ナノメートルまたは最大5ナノメートルの平均粗度R
aによって特徴付けられる。熟練者は
図2Cおよび付随の説明を参照されたい。
【0287】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜は、ITMの剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、その矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する。
【0288】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、処理薄膜は透明である。
【0289】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜の目的の1つは、ITM表面が、処理薄膜上に付着された水性インクの液滴に直接接触するのを防ぐことである。理論によって縛られることを望むものではないが、本発明人は、本発明に従った水性処理配合物は、乾燥処理薄膜の非常に薄い厚さ(例えば、最大150または最大120または最大100または最大80ナノメートル)にもかかわらず、水性インクの液滴による浸食に対して改善された防止を提供すると考える。
【0290】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、提供される水性処理配合物(例えば、
図2AのステップS205または
図2CのステップS95において)中のセルロース誘導体またはより詳細には、HPMCなどのセルロースエーテルは、重量で少なくとも2.0%または少なくとも2.5%または少なくとも3.0%または少なくとも3.5%である。
【0291】
図2B.3および
図2B.4を参照したステップS217およびS221の説明
ステップS217では、水性インクの液滴が乾燥処理薄膜に(例えば、インク液滴付着により)付着されて、ITM表面上にインク画像を形成する。ステップS221で、このインク画像が乾燥されてインク画像残留物または薄膜がITM表面上に残る。
【0292】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜中の糖および非イオン界面活性剤などの吸水剤の存在は、液滴が付着される時、またはその直後に、ドット拡散および/またはドットゲイン(例えば、均一なドット拡散および/またはドットゲイン)の促進において役割を果たす。前述のとおり、均一な厚さかつ/または欠陥がなく、かつ/または非常に平滑な上面を有する、乾燥処理薄膜の形成(ステップS213で)は、薄膜の上面上で水性インクの均一な流れを促進し得る。
【0293】
図2B.5を参照したステップS225の説明
ステップS225では、インク画像残留物が印刷基材に転写される。例えば、インク画像残留物は、乾燥処理薄膜の非印刷領域と一緒に印刷基材に転写され得る。
【0294】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像残留物の転写中に、乾燥処理薄膜がITMから完全に分離して、乾燥されたインク画像と共に、印刷領域および非印刷領域の両方において、印刷基材に転写されるように、乾燥処理薄膜は十分な粘着性がある。
【0295】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITMの温度は、基材への転写中、80℃~120℃の間の範囲内である。いくつかの実施形態では、ITM温度は、最大120℃または最大110℃である。いくつかの実施形態では、ITM温度は、少なくとも80℃または少なくとも90℃または少なくとも110℃または少なくとも120℃である。
【0296】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS205で提供される水性処理溶液中の水溶性バインダーの選択は、ステップS213で形成された乾燥処理薄膜が転写中に十分な粘着性があることを確実にする(すなわち、ポリマー薄膜またはマトリックスを形成することにより)のに役立つ。
【0297】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像残留物薄膜が転写される印刷基材は少なくとも、プラスチック(典型的にはPET、PE、またはBOPP)、またはアルミニウムで作られた表面を有する。いくつかの実施形態では、基材媒体は完全にプラスチックである。
【0298】
本発明で説明されるITM水性処理配合物中の成分および成分の濃度の選択は、例えば、いくつかの実施形態ではITM上に形成された湿潤層における低い粘度を有する多糖類、セルロース誘導体、メチルセルロースまたはHPMCの使用にもかかわらず、以下で説明されるように、結果として生じる予想外の高性能に寄与する。
【0299】
本発明の発明人は、本明細書で開示される水性処理配合物は、特に、高品質画像をITM上に生成し、乾燥の後に、比較的乾燥した、高品質の印刷画像をITMから、コーティングおよびコーティングなしの、様々なグレードの紙基材に加えて、プラスチック(PET、PE、BOPPなど)およびアルミニウムを含む材料で作られた様々な印刷基材へ転写し、同時に、低粒状性および高品質インクドット(例えば、大きなドットサイズおよび/または均一なドットゲインを有する)によって典型的に特徴付けられる高品質インク画像を維持する、高度に効果的な手段を可能にするか、または提供することが分かった。
【0300】
さらに、本発明の配合物および方法は、次の特徴の任意の組合せによって特徴付けられるインク画像を生成するために適用され得る:すなわち、均一で制御されたドットゲイン、良好で均一な印刷光沢、ならびに一貫したドット凸性および/または輪郭のはっきりした境界を有する高品質ドットに起因した良好な画像品質。
【0301】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS205で提供される水性処理配合物の1つの特徴は、水性処理配合物の静的表面張力は、20~40ダイン/cmの範囲内であることである。例えば、水性処理配合物は、1つ以上の界面活性剤を含む。従って、ステップS205の水性処理配合物は、多くの従来型の処理溶液よりも親水性ではなく、かつ水よりも著しく親水性ではない。
【0302】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、(i)低い疎水性を有するシリコーン系剥離層(ステップS201)および(ii)低い親水性を有する水性処理配合物、の組合せは、従来型の水性処理溶液のビーディングを促進する表面張力効果を減少させる(しかし、必ずしも排除しない)。
【0303】
20~40ダイン/cmの範囲内の静的表面張力に加えて、本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS205で提供される水性処理配合物は、以下の特性を有し得る:
a.水性処理配合物は、重量で、少なくとも5%の非イオン界面活性剤を含む。これは、乾燥処理薄膜(すなわち、ステップS213で生成された)が良好なドットゲインを促進するために有用であることを確実にするために有用であり得る、
b.水性処理配合物は、重量で、少なくとも1%(例えば、少なくとも1.5%または少なくとも2%または少なくとも3%)の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマーを含む。これは、ステップ225において良好な転写のために十分な粘着性がある乾燥処理薄膜(ステップS213で生成された)においてポリマー薄膜またはマトリックスの形成を促進するために有用であり得る。
c.少なくとも10cPである、25℃動粘度。高粘度は、ビーディングに向かう任意の表面張力駆動傾向に対抗するために有用であると考えられる。
d.配合物の固体率は、重量で、少なくとも8%、もしくは少なくとも9%、もしくは少なくとも10%、もしくは少なくとも12%、もしくは少なくとも14%、もしくは少なくとも16%、もしくは少なくとも18%、もしくは少なくとも20%、または10~30%もしくは12~30%もしくは14~30%もしくは16~30%もしくは18~30%もしくは20~30%もしくは12~28%もしくは14~28%もしくは16~28%もしくは18~28%もしくは20~28%もしくは12~26%もしくは14~26%もしくは16~26%もしくは18~26%もしくは20~26%の範囲内である。
【0304】
物理的には、高い粘度を有する流体の流れを誘発することは、低い粘度を有する流体よりも、より困難である-すなわち、より高い粘度を有する流体の流れを誘発するために、より大きな駆動力が必要である。少なくとも中程度の初期粘度(すなわち、少なくとも10cPの25℃動粘度)およびITM表面上での蒸発後の急速な粘度上昇の組合せは、水性処理配合物が比較的「高い」(例えば、少なくとも10,000cP)粘度に比較的短期間(例えば、最大0.4秒または最大0.3秒)に達するのを確実にする。それ故、たとえビーディングに向かう何らかの熱力学的傾向があっても、乾燥処理薄膜(例えば、ステップS213で形成された)の特性に悪影響を及ぼし得る、実際のビーディングは、阻止されるか、またはかなり軽減される。
【0305】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、初期水性処理配合物の25℃動粘度は、少なくとも12cPまたは少なくとも14cP-例えば、10~100cP、12~100cP、14~100cP、10~60cP、または12cP~40cPの範囲内、であり得る。
【0306】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、(A)次の特性:(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること、の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性である剥離層表面、ならびに(B)20~40ダイン/cmの範囲内の水性処理配合物の静的表面張力、の組合せは、ビーディングを引き起こし得る熱力学的駆動力の大きさを最小限にするために有用である。その上、前述の粘度に関連した特徴は、この駆動力に対抗するために有用である。
【0307】
ビーディングを駆動する熱力学力の大きさのこの減少は、この傾向への対抗と共に、ビーディングのいかなる傾向も、均一な厚さを有する、ステップS209での処理配合物の湿潤層を、ステップS209で、形成することを妨げないことを確実にする。
【0308】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、水を含有する担体液体を含み、水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%を構成する。
【0309】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも55%を構成する。
【0310】
本発明の実施形態は、好ましくは、高い印刷速度が最重要である生産環境において、ドットゲイン、画像光沢およびドット品質の潜在的に競合する目標を達成するための配合物、方法、装置およびキットに関する。いくつかの実施形態によれば、本発明人は、ステップS213で形成された乾燥処理薄膜が非常に薄く(例えば、最大150ナノメートルまたは最大120ナノメートルまたは最大100ナノメートルまたは最大80ナノメートルまたは最大70ナノメートルまたは最大60ナノメートルまたは最大50ナノメートル、および任意選択で、少なくとも20ナノメートルまたは少なくとも30ナノメートル)かつ/または広い範囲にわたって連続しており、かつ/または非常に平滑な上面(例えば、ドットゲインを促進するため)によって特徴付けられかつ/またはITMから基材への良好な転写を促進する特性(すなわち、薄膜それ自体の、またはITM表面に対する薄膜の特性)を有するように、
図2Aの方法を実行することは有用であることが分かった。
【0311】
例えば、より厚い処理薄膜は、転写後に、乾燥インク残留物が処理薄膜の下および基材表面上に存在し得るので、その光沢または均一性に悪影響を及ぼし得る。従って、非常に薄い処理薄膜を生成することは好適であり得る。
【0312】
例えば、処理薄膜における不連続性および/または異なる厚さの処理薄膜は、基材上に不均一な光沢の画像を生じさせ得るか、または基材への転写時にその機械的完全性を失うインク画像残留物を生成し得る(ステップS113において)。従って、広い範囲にわたって連続する-好ましくは、印刷基材に転写される場合に構造的完全性を保持するために十分な粘着性があり、かつ/または熱レオロジー的特性を有し、そのため処理薄膜は典型的には80~150℃の転写温度で粘着性がある、処理薄膜を生成することは好適であり得る。
【0313】
本発明の実施形態は、たとえこれらの結果が潜在的に競合する目標を伴うとしても、それらを同時に達成するための技術に関する。例えば、処理薄膜を非常に薄くする必要があることは、広い範囲にわたって連続していて、かつ/または基材への良好な転写のために十分な粘着性があり、かつ/または非常に平滑で均一な上面を有する処理薄膜を形成するのをより困難にする。
【0314】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、20℃~30℃において略10%のセルロース誘導体もしくはHPMCの水溶液を提供または生成すること、およびPEI、吸水剤、様々な非イオン界面活性剤のいずれかを含む界面活性剤、抗菌剤などの成分または任意選択の成分を徐々に混合すること、を含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、HPMCは、Methocel(登録商標)E3またはMethocel(登録商標)K3である。
【0315】
本発明のいくつかの実施形態は、
図2Cで説明される印刷プロセスに関する。いくつかの非限定的例では、本明細書で後述されるシステムおよび装置は、
図2Cの方法を実行するために採用され得る。
図2Cのステップの順序は、制限することを意図しておらず-具体的には、ステップS91~S99は任意の順序で実行され得る。いくつかの実施形態では、ステップS101~S117は、
図2Cに示される順序で実行される。
【0316】
いくつかの実施形態では、ステップS91は、
図2AのステップS201の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0317】
いくつかの実施形態では、ステップS95は、
図2AのステップS205の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0318】
いくつかの実施形態では、ステップS101は、
図2AのステップS209の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0319】
いくつかの実施形態では、ステップS105は、
図2AのステップS213の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0320】
いくつかの実施形態では、ステップS109は、
図2AのステップS217の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0321】
いくつかの実施形態では、ステップS113は、
図2AのステップS221の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0322】
いくつかの実施形態では、ステップS117は、
図2AのステップS225の任意の特徴または特徴の組合せを提供するために実行され得る。
【0323】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS91~99は
図2Cのプロセスで使用される成分または構成要素または消耗品に関し、他方、ステップS101~S117は、プロセス自体に関する。手短に言えば、(i)ステップS101で、湿潤処理配合物の薄い処理層が中間転写部材(ITM)(例えば、疎水性をもつ剥離層を有する)に塗布され、(ii)ステップS105で、この処理層が乾燥されて(例えば、急速に乾燥される)ITMの剥離表面上の薄い乾燥処理薄膜となり、(iii)ステップS109で、水性インクの液滴が薄い乾燥処理薄膜上に(例えば、噴出により)付着され、(iv)ステップS113で、インク画像が乾燥されて乾燥処理薄膜上にインク画像残留物が残ってITM上にインク画像薄膜を形成して、(v)ステップS117で、インク画像薄膜が印刷基材に転写される。
【0324】
ステップS91~S99の成分、およびプロセスステップS101~S117の詳細は、本明細書の前述および後述で説明される。
【0325】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS91~S117は次のように実行される:
(A)ステップS91で、ITMが提供される-例えば、最大で中程度に疎水的であり、かつ/または疎水性を有し、かつ/またはシリコーン系の剥離層を有し、かつ/または中程度にだけ疎水的であり、かつ/または官能基を欠いている、
(B)ステップS95で、水性処理溶液が提供される-例えば、(i)高い固形分を有し、かつ/または(ii)界面活性剤が豊富であり、かつ/または(iii)中程度にだけ親水性であり、かつ/または(iv)水溶性ポリマーを含み、かつ/または(v)ポリエトキシル化ソルビタンエステルなどの非イオン界面活性剤を含み、かつ/または(vi)溶液が均一な薄層に広がり得るように十分に低い粘度を有し、かつ/または(vii)吸湿材を含み、かつ/または(viii)有機溶媒を実質的に欠いており、かつ/または(ix)最大でも低濃度の、多価カチオンを含む凝集剤を有する、
(C)ステップS99で、水性インクが提供される、
(D)ステップS101で、水性処理配合物がITM(例えば、移動中のITM)の剥離表面に塗布されて薄い湿潤処理層(例えば、厚さ≦0.8μ)がその上に形成される、
(E)ステップS105で、薄い湿潤処理層は空気乾燥され得る(例えば、受動的に)か、またはITM剥離表面上で能動的な乾燥プロセス(例えば、急速乾燥プロセス)に通されて、水溶性ポリマーの薄い、少なくとも部分的に乾燥された処理薄膜(例えば、厚さ≦0.08μ)がITM剥離表面上に残る。例えば、薄い乾燥処理薄膜は、次の特性:(i)例えば、処理薄膜は連続した、かつ/または粘着性の薄膜である、(ii)乾燥処理薄膜の上面は極めて低い粗度によって特徴付けられる、の一方または両方を有し得る、
(F)ステップS109で、水性インクの液滴が薄い乾燥処理薄膜上に(例えば、インクジェットにより)付着されてインク画像をその上に形成する、
(G)ステップS113で、インク画像が乾燥されて、乾燥処理薄膜上にインク画像残留物を含むインク画像薄膜が残る(例えば、良好なインクドット拡散を達成するため)、
(H)ステップS117で、インク画像薄膜がITM表面から印刷基材(例えば、紙基材またはプラスチック基材)へ(例えば、比較的低温で)(例えば、乾燥処理薄膜と一緒に)転写される。
【0326】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、
図2Cのプロセスは、ステップS101において水性処理溶液がITMに塗布される場合に、ビーディングがほとんど、または全くなく、そのため結果として生じる薄い乾燥処理薄膜(すなわち、ステップS105で得られる)が連続していて、かつ/または平滑な(例えば、極めて平滑な)上面を有するように、実行される。この平滑な上面は、
図8Bおよび
図9Bと比較して
図8Aおよび
図9Aで見ることができるように、基材に存在する高品質のインク画像を得るために重要であり得る。
【0327】
ITMが前処理されてインク画像が前処理されたITMの一番上に塗布される従来型のプロセスと関連した1つの特徴は、基材への転写後に、乾燥処理薄膜が(例えば、乾燥後)インク画像の上に存在して、望ましくない光沢をインク画像に付加し得ることである。この潜在的に望ましくない効果を克服するか、または最小限にするために、ステップS105で薄い乾燥処理薄膜が取得される(例えば、最大400ナノメートルまたは最大200ナノメートルまたは最大100ナノメートルまたはさらに小さい厚さを有する)。さらに、いくつかの実施形態では、この薄い乾燥処理薄膜(すなわち、ステップS105で取得された)は、連続しており、これは、以下で説明されるように、有益であり得る。
【0328】
制限ではないが、いくつかの実施形態では、
図2Cのプロセスは、ステップS117の画像転写が(例えば、未コーティング基材へ)低温で-例えば、最大90℃、または最大85℃、最大80℃、または最大75℃、最大70℃、または最大65℃、最大60℃の温度-例えば、約60℃で、実行されるように、実行される。
【0329】
図2CのステップS91の説明
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITM(すなわち、
図2CのステップS91または
図2AのステップS201で提供されるITM)は、次の特徴A1~A5の1つ以上(すなわち、その任意の組合せ)を提供し得る:
【0330】
A1:シリコーン系剥離層-剥離層がシリコーン材料(例えば、付加硬化型)から形成される-これは、ステップS117で有用な疎水性をもつITMを提供する。
【0331】
A2:硬化型シリコーン剥離層-
図2Cの方法で使用する前に、シリコーン系剥離層は、その疎水性を低下させる方法で生成されている。例えば、剥離層に親水性を持たせるために官能、反応基の添加に依存する代わりに、極性基中の極性原子(例えば、極性Si-O-Si部分中の酸素原子)が剥離層表面に関して外向きに整列されるか、またはそうでなければ外を向くように、シリコーン剥離層を硬化させることが可能である。この例では、「Si-O-Si」の酸素原子は、ステップS117において、典型的なプロセス条件下で、処理溶液中の材料に、乾燥されたインク画像に、および/または乾燥処理薄膜に、化学的に結合できない。しかし、ステップS101~S105で、外を向いている、極性「O」の親水性から恩恵を受けることは可能である。
【0332】
A3:剥離層の疎水性-ITMの剥離表面は中程度の疎水性を有し得るが、過度に疎水性ではない。従って、剥離表面は、少なくとも23ダイン/cm、およびより典型的には、少なくとも25ダイン/cm、少なくとも28ダイン/cm、少なくとも30ダイン/cm、少なくとも32ダイン/cm、少なくとも34ダイン/cm、もしくは少なくとも36ダイン/cm、および/または最大48ダイン/cm、最大46ダイン/cm、最大44ダイン/cm、最大42ダイン/cm、最大40ダイン/cm、最大38ダイン/cm、もしくは最大37ダインの表面エネルギー(25℃において)を有し得る。
【0333】
A4:蒸留水の液滴の後退接触角-インク受容表面または剥離層表面上の蒸留水の液滴の後退接触角は、典型的には少なくとも30°およびより典型的には、30°~75°、30°~65°、30°~55°、または35°~55°である。
【0334】
A5:剥離層中の官能基-ITMの剥離層は、架橋ポリマー構造中で結合された官能基を欠いているか、または実質的に欠いている可能性があり、本発明人は、かかる官能基は望ましくない付着(adhesion)を増大または促進し得ると考える。
【0335】
図2CのステップS95の説明
ステップS95で、水性処理配合物が提供される。いくつかの実施形態では、この処理配合物は、少なくとも50%wt/wtまたは少なくとも55%wt/wtまたは少なくとも60%wt/wtまたは少なくとも65%wt/wtの水担体液体を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、水性処理配合物(すなわち、
図2CのステップS101の塗布前のその初期状態における水性処理配合物または
図1のステップS205の塗布前のその初期状態における水性処理配合物)は、次の特徴の1つ以上(すなわち、その任意の組合せ)を提供し得る:
【0337】
B1:高い固体負荷-いくつかの実施形態では、初期水性処理配合物は、配合物の重量で、少なくとも8%、または少なくとも9%、または少なくとも10%、または少なくとも12%または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%、または少なくとも20%、または最大30%、または最大28%、または最大26%、または12~30%の間または14~30%の間または16~30%の間または12~28%の間または14~28%の間または16~28%の間または18~28%の間の、例えば、25℃において担体液体を蒸発乾固した後に残留物の重量を測定した、総固体率を有する、高い固体負荷または高濃度の溶液を有する。
【0338】
B2:界面活性剤が豊富-いくつかの実施形態では、初期水性処理配合物は、少なくとも2%wt/wt、または少なくとも2.5%wt/wt、または少なくとも3%wt/wt、または少なくとも4%wt/wt、または少なくとも5%wt/wt、または少なくとも6%wt/wt、または少なくとも7%wt/wt、または少なくとも8%wt/wt、または少なくとも9%wt/wt、または少なくとも10%wt/wtの界面活性剤(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、初期水性処理配合物中の界面活性剤が比較的高濃度であることは、水性処理配合物の親水性を低くするのに役立ち得、それによりステップS101および/またはS105で水性処理配合物がITMの剥離表面上でビーズ状になる傾向を軽減する。いくつかの実施形態では、界面活性剤が比較的高濃度であることは、ステップS109および/またはS113の間に、水性インク液滴を乾燥インク薄膜の表面の上に拡散させ(またはインク液滴が収縮する傾向に対抗し)、それにより最終的に基材上に存在する、結果として生じるインクドットの被覆面積を増大させるために有用であり得る。例は、PEG-20ソルビタンモノラウレート、Tween 80(登録商標)、Tween 60(登録商標)、Tergitol、Pluronic、Dynol、または一般に任意の水溶性シリコーンもしくはフッ素化界面活性剤を含むが、それらに制限されない。
【0339】
B3:非イオン界面活性剤および/またはシリコーンもしくはフッ素化界面活性剤の(例えば、比較的高濃度での)存在-本発明に従ったいくつかの実施形態では、初期水性処理配合物は、少なくとも5%(例えば、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%)wt./wt.の非イオン界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、この非イオン界面活性剤の水への溶解度は、25℃において少なくとも5%または少なくとも7%で、典型的にはもっと高い。単位「ダイン/cm」は、「mN/m」と区別しないで使用される。適切な界面活性剤は、両方の非イオン界面活性剤を含む。シリコーン界面活性剤は、重量で、少なくとも0.5%の量にできる。非イオン界面活性剤の例は、PEG-20ソルビタンモノラウレート(例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)80)、Dynol界面活性剤(例えば、DynolTM800、DynolTM607、DynolTM960、DynolTM810)、第二アルコールエトキシレート(Tergitol(商標)15-S-9、Tergitol(商標)15-S-7、Tergitol(商標)TMN6)、およびオクチルフェノールエトキシレート(例えば、Triton(商標)X-100、Triton(商標)X35、Triton(商標)X-15)を含むが、それらに制限されない。シリコーン界面活性剤の例は、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(例えば、byk lpx(登録商標)23289、byk(登録商標)347、byk(登録商標)349、byk(登録商標)333、byk(登録商標)3455、byk(登録商標)348)またはポリエーテルシロキサン共重合体(例えば、TEGO(登録商標)240、Tego(登録商標)280、Tego 492、Tego 482)を含むが、それらに制限されない。フッ素化界面活性剤の例は、Dynax 4000、Dynax 4010を含むが、それらに制限されない。
【0340】
B4:中程度の親水性の初期水性処理配合物-本発明に従ったいくつかの実施形態では、初期水性処理配合物は、中程度にだけ親水性である-例えば、最大32ダイン/cm(例えば、20~32ダイン/cmの間)または最大30ダイン/cm(例えば、20~32ダイン/cmの間)または最大28ダイン/cm(例えば、20~32ダイン/cmの間)の25℃における静的表面張力を有する。時には、ITMの剥離表面は、中程度の疎水性(または中程度の親水性)特性を有するので、ステップS101および/またはS105においてITMの表面上で水性処理配合物のビーディングを引き起こし得る、高い親水性を有する初期水性処理配合物を採用することは有用でないかもしれない。これは、湿潤処理層の厚さが薄い状況に対して特に重要であり得、結果として生じる薄い乾燥処理薄膜が連続するように、露出部分(bare patch)を回避することが望ましい。
【0341】
B5:多糖類またはセルロースの存在-いくつかの実施形態では、改質多糖類(セルロースエーテル)、具体的にはメチルセルロース、より具体的には、ヒドロキシプロピル置換メチルセルロース、およびより具体的には、水中において2%重量濃度で測定された、少なくとも55℃または少なくとも60℃のゲル化温度を有するメチルセルロースの存在。いくつかの実施形態では、初期水性配合物は、重量で、少なくとも1.5%(例えば、少なくとも2%、少なくとも2.5%、または少なくとも3%)の改質多糖類、具体的には、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する、可溶性ヒドロキシプロピル置換メチルセルロース、およびより具体的には、少なくとも50℃、または少なくとも55℃、または少なくとも57℃、または少なくとも60℃、または少なくとも62℃、または少なくとも65℃、または少なくとも68℃、または少なくとも70℃、または少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、最大105℃、または60~120℃の間、または60~110℃の間、または60~100℃の間、または65~110℃の間、または65~105℃の間、または65~100℃の間、または70~110℃の間、または70~100℃の間、または75~110℃の間、または75~100℃の間、または80~100℃の間のゲル化温度をもつものを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーマトリックスの形成は、薄膜の形成を促進し、かつ/または、たとえ乾燥処理薄膜が非常に薄い場合でさえ、その乾燥処理薄膜に所望の弾性および/もしくは粘着性または引張強度を持たせる。改質多糖類、具体的には可溶性ヒドロキシプロピル置換メチルセルロースは、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2のmPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度を有する。改質多糖類、具体的には可溶性ヒドロキシプロピル置換メチルセルロースは、水中において2%重量濃度で測定された、ゲル化の温度を有し得る。
【0342】
B6:
図2CのステップS101におけるITMへの塗布前(または
図2AのステップS209におけるITMへの塗布前)の比較的低い粘度-以下で説明されるように、
図2CのステップS101(または
図2AのステップS209)では、本発明人は、水性処理配合物の薄いが、比較的均一な湿潤層を塗布することは望ましいことが分かった。この目的のために、いくつかの実施形態では、初期水性処理配合物の25℃動粘度は、最大100cPまたは最大80cPまたは最大40cPまたは最大30cPであり得る。代替として、または追加として、初期水性処理配合物の25℃動粘度は、少なくとも8cPまたは少なくとも10cPまたは少なくとも12cPまたは少なくとも14cP-例えば、8~100cP、10~100cP、12~100cP、14~100cP、10~60cP、または12cP~40cPの範囲内、であり得る。いくつかの実施形態では、この特徴は、ITMが高速で移動しているときに(例えば、アプリケータ装置-例えば静止アプリケータ装置を通過する際に)処理配合物をITMに塗布する場合に特に有用であろう。
【0343】
B7:有機溶媒またはグリセロールなどの糖アルコールを欠いていること-本発明に従ったいくつかの実施形態では、低蒸気圧有機溶媒の存在は、ステップS105においてITMの表面上の処理配合物の乾燥を遅らせ、かつ/またはステップS117での転写のために望ましい所望の弾性および/もしくは粘着性もしくは引張強度を欠いている処理薄膜をもたらし得る。いくつかの実施形態では、配合物は、純粋状態でのそれらの蒸気圧にかかわらず、有機溶媒を欠いており、かつ/または重量で、最大3%、最大2%、最大1%、もしくは最大0.5%、もしくは最大0.25%もしくは最大0.1%の有機溶媒を含む。具体的には、いくつかの実施形態では、配合物は、有機溶媒を欠いており、かつ/または重量で、最大3%、最大2%、最大1%、もしくは最大0.5%、もしくは最大0.25%もしくは最大0.1%のグリセロールを含む。いくつかの実施形態では、配合物は、グリセロールを完全に欠いている。
【0344】
B8:吸水材を含むこと-本発明に従ったいくつかの実施形態では、初期水性処理配合物は、吸水剤が固体の、乾燥処理薄膜中に配置される場合にインクから水分を吸収するために選択される固体吸水剤を含む。例えば、かかる固体吸水剤は、最大60℃または最大50℃または最大40℃または最大30℃または最大25℃の融点(すなわち、純粋状態の場合)を有し得る。固体吸水剤の濃度は-例えば、少なくとも1.5%または少なくとも2%または少なくとも2.5%または少なくとも3%wt./wt.、であり得る。かかる吸水剤は、ショ糖、尿素、ソルビトール、およびイソマルトを含むが、それらに制限されない。
【0345】
B9:最大で低濃度の、多価カチオン(塩化カルシウムなど)を含む凝集剤を有すること-いくつかの実施形態では、これらの化合物は画像品質にとって良くないと考えられる。
【0346】
B10:ポリエチレンイミンを有すること-本発明に従ったいくつかの実施形態では、ポリエチレンイミンの濃度は、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%または少なくとも0.2%、および任意選択で、最大1%または最大0.8%、最大0.7%または最大0.6%、最大0.5%または0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、もしくは0.2~0.5%の範囲内であり得る。
【0347】
前述の特徴の1つ以上に対して、本明細書の前述および後述で開示されるように、水性処理配合物中の1つ以上の粒子材料の存在に由来するさらなる1つ以上の特徴が提供され得ることに留意されたい。
【0348】
図2CのステップS99の説明
水性インクの潜在的特徴:
特徴C1:本発明に従った(例えば、
図2Aまたは
図2Cの方法に関連した)いくつかの実施形態では、インクは、PCT/IB13/51755またはUS2015/0025179、PCT/IB14/02395またはUS14/917461で開示の1つ以上の特徴(特徴の任意の組合せ)を提供し、それらの特許の全部は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的な特徴は、(i)20~60℃の範囲内の少なくとも1つの温度における2~25cPの粘度および(ii)20~60℃の範囲内の少なくとも1つの温度における50ミリニュートン/m以下の表面張力、の少なくとも1つを有することを含むが、それらに制限されず、次の2つの記述の少なくとも1つが真である:
(1)インクは、実質的に乾燥している場合、(a)70~195℃の範囲内の少なくとも1つの温度で、乾燥したインクは1,000,000(1×106)cP~300,000,000(3×108)cPの範囲内の第1の動粘度を有し、かつ(b)50~85℃の範囲内の少なくとも1つの温度で、乾燥したインクは少なくとも80,000,000(8×107)cPの第2の動粘度を有し、第2の動粘度は第1の動粘度を上回っていること、および(2)樹脂の着色剤に対する重量比は少なくとも1:1であること。
【0349】
例えば、水性インクジェット用インク配合物は:水、および任意選択で、共溶媒、を含有する溶媒、前記水は配合物の少なくとも8wt. %を構成すること;前記溶媒中に分散しているか、または少なくとも部分的に溶けている少なくとも1つの着色剤、前記着色剤は配合物の少なくとも1wt. %を構成すること;ならびに前記溶媒中に分散しているか、または少なくとも部分的に溶けている、有機ポリマー樹脂、樹脂は配合物の6~40wt. %を構成し、前記樹脂の平均分子量は少なくとも8,000であること、を含む。
【0350】
図2CのステップS105の説明
特徴D1:本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS105で形成される乾燥処理層は薄いが、単層ではなく(例えば、単層よりも顕著に厚い)-例えば、少なくとも20ナノメートル、および典型的には、最大100ナノメートルの厚さを有する。いくつかの実施形態では、乾燥処理層は極度に薄く、最大80ナノメートル、または最大75ナノメートル、または最大70ナノメートル、または最大65ナノメートル、または最大60ナノメートル、または最大55ナノメートル、または最大50ナノメートル、または最大45ナノメートル、または最大40ナノメートルまたは最大35ナノメートルの厚さを有する。それにもかかわらず、いくつかの実施形態では、たとえ乾燥処理薄膜が極度に薄くても、それは単層または単層型の構成物よりも厚い。従って、いくつかの実施形態では、乾燥処理層の厚さは、少なくとも25ナノメートルまたは少なくとも30ナノメートルまたは少なくとも40ナノメートルまたは少なくとも50ナノメートルであり得る。いくつかの実施形態では、この多くの「バルク」(すなわち、最小厚さ特徴-例えば、以下で説明される他の特徴(複数可)と一緒に)を提供することは、粘着性および/または弾性がある乾燥処理薄膜の形成を促進し-これは、乾燥処理薄膜(すなわち、その段階でその上に乾燥インク画像を有している)が、ITMから基材へ転写される際にその構造的完全性を保持することが望ましい、ステップS117で有用であり得る。
【0351】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理配合物または薄膜は、基材への転写後に結果として生じるものに望ましくない光沢を付加し得-従って、薄いが、粘着性の乾燥処理層を形成する能力は有用であり得る。層の薄さは蒸発および層の薄膜への乾燥も促進する。
【0352】
特徴D2:本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS105でITM上に形成される乾燥処理薄膜は連続しており、薄さまたは極度の薄さにもかかわらず、その上に「露出部分」はない。以下で説明されるように、いくつかの実施形態では、これ(すなわち、特に薄いか、または非常に薄い層に対して)を達成するために、次の両方が要求され得る:(i)ステップS101で塗布される初期塗布湿潤層は、たとえ初期塗布湿潤層が比較的薄く、最大約1μ(または最大0.8μまたは最大0.6μまたは最大0.4μおよび典型的には、最大0.3μ、最大0.25μ、または最大0.2μ、および/または少なくとも0.1μ)の厚さを有していても、連続していて、露出部分がないこと、ならびに(ii)ステップS105の乾燥プロセスは非常に迅速に生じて、乾燥処理配合物の粘度が非常に急速に(例えば、最大100ミリ秒、最大50ミリ秒以内、最大40ミリ秒以内、最大30ミリ秒以内、最大25ミリ秒以内、最大20ミリ秒以内、最大15ミリ秒以内または最大10ミリ秒以内に少なくとも100倍または少なくとも1000倍または少なくとも10,000倍に)増大すること。ITM剥離層は疎水性を有していて、処理配合物は水性でより親水性であるので、水性処理配合物がITM剥離層に塗布される場合、水性処理配合物はビーディングを生じ得る。しかし、湿潤処理層の塗布後、粘度が急速に増大すると、より高い粘度の処理配合物は、低粘度の配合物よりもビーディングにより良好に抵抗し得る。いくつかの実施形態では、特徴「B1」で前述のように、水性処理配合物は、粘度が急速に増大するのを促進するように、固形物質が豊富であり得る。
【0353】
連続した乾燥処理薄膜を得るために有用な別のビーディング防止特徴(すなわち、ステップS101~S105における処理配合物のビーディング防止)は、(i)いくつかの実施形態では、疎水性を有するが、過度に疎水性ではないITMの剥離表面(特徴を参照(特徴「BA」を参照))および(ii)いくつかの実施形態では、親水性を有するが、過度に親水性ではない水性処理配合物(特徴「B4」を参照)、の相対的特性に関連し得る。水性処理配合物とITMの剥離層との間の静的表面張力が比較的小さい場合、ビーディングに向かう駆動力はあまりなく、水性処理配合物の粘度は(例えば、それが急速に増大するとき)ビーディングを防ぐために十分であり得る。
【0354】
前述のように、ITMの剥離層の中程度だけの疎水性(特徴「A3」を参照)にもかかわらず、ITM剥離層は、ITM剥離層と乾燥処理薄膜との間の付着を制限する、特定の特性(特徴「A5」を参照)を有し得-従って、たとえ処理表面が、ステップS101および/またはS105においてその上で処理配合物のビーディングを回避するために中程度にだけ疎水性であっても、ITMの剥離層と乾燥処理薄膜との間の付着力を最小限にすることが後に望まれる場合、ステップS117でこの利益に対して「代償」を支払うのを回避することは可能であり得る(例えば、少なくとも部分的に特徴「B2」のおかげで)。
【0355】
特徴D3:本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS105でITM上に形成される乾燥処理薄膜は、極度に低い表面粗度によって特徴付けられ-いくつかの実施形態では、表面粗度は、最大20ナノメートルまたは最大18ナノメートルまたは最大16ナノメートルまたは最大15ナノメートルまたは最大14ナノメートルまたは最大12ナノメートルまたは最大10ナノメートルまたは最大9ナノメートルまたは最大8ナノメートルまたは最大7ナノメートルまたは最大6ナノメートルの平均粗度Ra(一般に使用される一次元粗度パラメータ)によって特徴付けられ得る。ITM上に形成される乾燥処理薄膜は、少なくとも3ナノメートルまたは少なくとも5ナノメートルのRaを有し得る。
【0356】
いくつかの実施形態では、ステップS105で形成される薄いか、または極度に薄い乾燥処理薄膜に対してさえ-例えば、平均粗度Raと乾燥処理層の厚さの比が、少なくとも0.02または少なくとも0.03または少なくとも0.04または少なくとも0.05または少なくとも0.06または少なくとも0.07または少なくとも0.08または少なくとも0.9または少なくとも0.1または少なくとも0.11または少なくとも0.12または少なくとも0.13または少なくとも0.14または少なくとも0.15または少なくとも0.16または少なくとも0.17または少なくとも0.18または少なくとも0.19または少なくとも0.2の場合でさえ、かかる低い平均粗度Raを達成することが可能であり得る。
【0357】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜および乾燥処理薄膜の表面(例えば、その上面)は、(i)平均粗度Raと(ii)乾燥処理層の厚さとの間の無次元比によって特徴付けられ、無次元比は、最大0.5、最大0.4、最大0.3、最大0.25、最大0.2、最大0.15、または最大0.1、および任意選択で、少なくとも0.02または少なくとも0.03または少なくとも0.04または少なくとも0.05または少なくとも0.06または少なくとも0.07または少なくとも0.08である。
【0358】
特徴D4:本発明に従ったいくつかの実施形態では、少なくとも10cm×1メートルの矩形全体、または1m2、3m2、もしくは10m2の全体を覆う連続した乾燥薄膜を取得することが可能である。薄膜は、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大60nm、最大50nm、または最大40nm、および典型的には、少なくとも20nm、少なくとも25nm、または少なくとも30nmの厚さまたは平均厚さを有し得る。
【0359】
ステップS109~S117の説明
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ステップS109および/またはS113および/またはS117は、次のプロセス関連特徴の1つ以上を提供するために実行され得る:
【0360】
特徴E1-いくつかの実施形態では、ステップS117は高転写温度(例えば、最大120℃または最大110℃または100℃)で実行される。
【0361】
いくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜および乾燥インク画像の両方は転写温度で粘着性があり、従って、剥離層からきれいに剥がれやすい。
【0362】
特徴E2:拡散-いくつかの実施形態では、液滴が薄膜上に付着される方法(例えば、濡れ角)ならびに処理薄膜の物理的および/または化学的特性[A2および/またはA3および/またはA8-インク中のナノ粒子も寄与し得る]は、インクドットの半径が乾燥処理薄膜への衝突直後の前駆体液滴の半径を上回るようなものであり-例えば、各液滴は、その液滴の衝突エネルギーによって生じた液滴の拡散に起因するサイズを超えてサイズが増大する。[Dmax=2・Rmax、またはDimpact-max=2・Rimpact-max]
【0363】
前述のとおり、水性処理配合物は、本明細書で開示される少なくとも1つの粒子材料をさらに含み得る。
【0364】
その結果、本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液、の1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0365】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
少なくとも1つの界面活性剤(任意選択で25℃において、少なくとも7%の水への溶解度を有する、第1の非イオン界面活性剤および/または、任意選択で25℃において少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、であり得る)、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体であって、任意選択で、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0366】
本発明のいくつかの実施形態では、水性配合物は、
熱可塑性水溶性ポリマーを除く、少なくとも1つの水溶性ポリマー、
少なくとも1つの界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体であって、任意選択で、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、例えば、PEI、の1つ以上
を含む。
【0367】
本発明のいくつかの実施形態では、水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(任意選択で、エマルジョンまたは分散液の形で)、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0368】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、前記第1および第2の非イオン界面活性剤以外の、追加の界面活性剤をさらに含み得る。
【0369】
本発明の配合物に関して本明細書で使用される「水性の(aqueous)」という用語は、その内容物が主に水性である、例えば、水が配合物の重量で、50%を超えて構成する、配合物を指す。
【0370】
本明細書で使用される「水性配合物」という用語は、特に断りのない限り、例えば、本明細書で説明されるような、間接印刷システムの中間転写部材と共に使用される水性配合物を指す。時には、前記用語は、「水性処理配合物」という用語と交換可能である。
【0371】
本明細書で使用される「塩基性水性処理配合物」、「塩基性溶液」、「塩基性配合物」という用語またはそれらの任意の言語的変形は交換可能であり、特に断りのない限り、本発明に従った粒子材料を欠いている水性処理配合物を指す。
【0372】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料はエマルジョンの形で提供される。
【0373】
本明細書で使用される「エマルジョン」という用語またはその任意の言語的変形は、少なくとも2つの不混和液体の混合物を指す。
【0374】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、エマルジョンは、連続水相を有する水中油滴型(o/w)エマルジョンであり得る。
【0375】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、エマルジョンは、連続油相を有する油中水滴型(w/o)エマルジョンであり得る。
【0376】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、エマルジョンは水性エマルジョンである。
【0377】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、エマルジョンは、カチオン性エマルジョン、すなわち、正に荷電したエマルジョン(アンモニウム塩乳化剤を含有するエマルジョンなどであるが、それに制限されない)である。
【0378】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は分散液の形で提供される。
【0379】
本明細書で使用される「分散液(dispersion)」という用語またはその任意の言語的変形は、液相中に均一的に分散している固体粒子から構成される溶液を指す。
【0380】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、分散液は水性分散液である。
【0381】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、分散液は、油分散液である。
【0382】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本発明の粒子材料は、エマルジョン、例えば、エマルジョンの水相中、に分散している。
【0383】
図3は、本発明のいくつかの実施形態に従った間接印刷プロセス300を示し、本プロセス内で、中間転写部材302の剥離表面301は、インク画像がそれに付着される前に、本発明に従った水性配合物で前処理(例えば、コーティング)される。水性配合物(本明細書では水性処理配合物とも呼ばれる)がITM(例えば、疎水性ITM)の表面301(本明細書の以下で詳述されるように実質的に平滑であり得る)に塗布されて薄い湿潤処理層がその上に形成され、薄い湿潤処理層はITM剥離表面上で乾燥プロセスに通されてITM302剥離表面301上に薄い実質的乾燥処理薄膜304が残る。その後、水性インクの液滴が薄い実質的乾燥処理薄膜304上に付着されて(例えば、インクジェットにより)インク画像をその上に形成する。形成されたインク画像は次いで、乾燥プロセスに通されて、
図3にインクドット306として表現されている、インク残留物を乾燥処理薄膜上に残す。乾燥したインク画像(例えば、インクドット306)は次いで、薄い乾燥処理薄膜304と一緒に、302 ITM表面301から最終基材310に、転写される(308)。転写されたインクドット312は、転写された乾燥処理薄膜314と共に最終印刷基材310にしっかりと付着され、転写された乾燥処理薄膜314はインクがない領域においても基材を覆う。
図3の構成要素の各々の相対寸法は、本発明の印刷プロセスおよび生産物の説明のためだけであり、制限と見なされるべきではないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、インク薄膜を形成し得る、インクドットおよび乾燥処理薄膜は、別個の薄膜である、すなわち、例えば、本発明のプロセス中、薄膜間での成分の混和は生じないことにさらに留意されたい。いくつかの実施形態では、例えば、印刷プロセス中、インクからの成分が、ある程度、乾燥処理薄膜に浸透し得る。
【0384】
図3は、例示されたプロセス300では、乾燥処理薄膜314は最終印刷基材の最上層になることを示している。そのため、前記薄膜は、摩擦係数、機械的強度(例えば、耐摩擦性および/または耐引掻性)、湿度感受性などの、印刷画像表面特性の調整を可能にする。時には、乾燥処理薄膜314は、インク画像表面(例えば、インクドット312)に対する保護層としても機能し得る。
【0385】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜は、本明細書で説明される1つ以上のポリマー粒子材料を含む(
図3に示されていない)。いくつかの実施形態では、基材の表面の遠位側にある、乾燥処理薄膜316の表面は、実質的に平滑である(例えば、低表面粗度を有する)。これは、例えば、本明細書の前述および後述で詳述される、実質的に平滑な剥離表面301を有するITMを利用することにより達成され、その実質的に平滑な剥離表面301は、その上に配置される乾燥処理薄膜の表面に影響を及ぼし、それは転写308の後に乾燥処理薄膜の表面316になる(これに関して、理論に縛られることを望むものではないが、本発明の発明人は、本発明のインク薄膜の相対的平坦度または平滑性は、ITMの表面上の剥離層の平滑性、ならびに新たに出現したインク薄膜表面がその表面層のそれを実質的に補完し、発現するインク薄膜画像が、印刷基材上への転写を通してその補完的形状を実質的に保持するか、または完全に保持し得る、発明システムおよびプロセスに大いに起因し得ると考える)。
【0386】
従って、本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料が実質的乾燥処理薄膜に埋め込まれていて、乾燥処理薄膜表面316から突き出ておらず、そのため表面316の実質的に平滑な特性を維持している。この目的のために、理論に縛られることを望むものではないが、本発明に従って生成された印刷画像の改善された耐摩擦性は、緩衝機構、例えば、乾燥処理薄膜中の「空き」空間を充填している粒子材料、によるものであると考えられる。
【0387】
図2Aおよび
図2Cと同様、
図4A~
図4Cおよび
図5は、本発明のいくつかの実施形態に従った処理または処理配合物の層を有する中間転写部材のシリコーン系剥離層表面上への水性インクによる間接印刷の方法の流れ図を示す。
【0388】
図2Aおよび
図2Cに関連して本明細書で詳細に前述した実施形態/特徴の1つ以上は、
図4A~
図4Cおよび
図5の例示的な開示に適用可能であり得ることに留意されたい。
【0389】
本発明に従って利用される粒子材料は、そのサイズ寸法、例えば、直径、長さ、幅、厚さがナノスケールであるという条件で、任意の形状およびサイズであり得る。
【0390】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(例えば、直径または最長軸)を有する。
【0391】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料の形状は、球形、ドット形状、桿状、ワイヤー、立方、円柱状、多角形、ウイスカー状、円盤状、小板、多足性(multipod)、フレームおよびその他、から選択され得る。
【0392】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、約1~約500nmの間のサイズ(例えば、直径または最長軸)、またはそれらの間の任意のサイズである。いくつかの実施形態では、サイズは、1~400nmの間、1~450nmの間、1~350nmの間、1~250nmの間、1~200nmの間、1~150nmの間、1~100nmの間、1~50nmの間、1~90nmの間、1~80nmの間、1~70nmの間、1~60nmの間、1~50nmの間、10~500nmの間、20~500nmの間、30~500nmの間、40~500nmの間、50~500nmの間、60~500nmの間、70~500nmの間、80~500nmの間、90~500nmの間、100~500nmの間、150~500nmの間、200~500nmの間、250~500nmの間、300~500nmの間、350~500nmの間、400~500nmの間、450~500nmの間である。
【0393】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、約1~約500nmの間のサイズである。いくつかの実施形態では、粒子材料は、約50~約200nmの間のサイズである。いくつかの実施形態では、粒子材料は、約300~約400nmの間のサイズである。いくつかの実施形態では、粒子材料は、約50nm、約100nm、約200nm、約300nm、約400nmのサイズである。
【0394】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【0395】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、1つ以上の粒子材料は本発明の処理配合物中に含有され得る。時には、粒子材料は実質的に同じサイズを有し得るか、または異なるサイズを有し得る。
【0396】
本明細書で使用される「熱硬化性ポリマー粒子材料」という用語またはその任意の言語的変形は、例えば、熱作用または適切な照射によって硬化されると不可逆的に硬化するポリマー材料(例えば、比較的高い分子量を有する)である粒子材料を指す。一旦、硬化すると、この材料は再溶融できない。
【0397】
本明細書で使用される「熱可塑性ポリマー粒子材料」という用語またはその任意の言語的変形は、特定の温度を上回ると柔軟または成形可能になり、冷却すると凝固するポリマー材料(例えば、比較的高い分子量を有する)である粒子材料を指す。この材料は再溶融および再形成できる。
【0398】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、水性配合物中に均一に分散している。
【0399】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物中の粒子材料のエマルジョンの濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%である。いくつかの実施形態では、前記濃度は、約0.5%、時には約1%、時には約1.5%、時には約2.0%、時には約2.5%、時には約3.0%、時には約3.5%、時には約4.0%、時には約4.5%、時には約5.0%、時には約5.5%、時には約6.0%、時には約6.5%、時には約7.0%、時には約7.5%、時には約8.0%、時には約8.5%、時には約9.0%、時には約9.5%、時には約10.0%、時には約10.5%、時には約11.0%、時には約11.5%、時には約12.0%、時には約12.5%、時には約13.0%、時には約13.5%、時には約14.0%、時には約14.5%、および時には約15.0%である。
【0400】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物中の粒子材料の分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%である。いくつかの実施形態では、前記濃度は、約0.5%、時には約1%、時には約1.5%、時には約2.0%、時には約2.5%、時には約3.0%、時には約3.5%、時には約4.0%、時には約4.5%、時には約5.0%、時には約5.5%、時には約6.0%、時には約6.5%、時には約7.0%、時には約7.5%、時には約8.0%、時には約8.5%、時には約9.0%、時には約9.5%、時には約10.0%、時には約10.5%、時には約11.0%、時には約11.5%、時には約12.0%、時には約12.5%、時には約13.0%、時には約13.5%、時には約14.0%、時には約14.5%、および時には約15.0%である。
【0401】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマー粒子材料は親水性粒子材料である。
【0402】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である。
【0403】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマー粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)またはそれらの任意の組合せから選択された疎水性粒子状ポリマーである。
【0404】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、疎水性粒子材料はPTFE(すなわち、テフロン)である。
【0405】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PTFE粒子材料は約1~約500nmの間(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、および500nm)のサイズ(例えば、直径または最長軸)である。
【0406】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間(例えば、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190および200nm)のサイズである。
【0407】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PTFE粒子材料は約200nmのサイズであり、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約4%~約12%の間(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12%)である。
【0408】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本発明の水性配合物中の粒子材料、例えば、PTFEの固形分は、約2%~7%の間(例えば、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5および7.0%)である。
【0409】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PTFE粒子材料は約300nm~約400nmのサイズ(例えば、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390および400nm)である。
【0410】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PTFE粒子材料は約300nm~約400nmのサイズであり、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約8%である。
【0411】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PTFE分散液は次の特性を有する水性分散液である:
a.粘度-約13cP
b.表面張力-約31.4mN/m
c.pH-約9.95
d.固形分-約60%
e.粒子径-約200nm。
【0412】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である。
【0413】
ワックス粒子材料の非限定的例は、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、エチレン共重合体ワックス、モンタン系エステルワックス、ポリエーテルワックス、ポリ(メチレン)、ポリプロピレンワックス、ミクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、パラフィン-エチレンアクリル酸共重合体ワックス、カルナウバロウなど、またはその任意の組合せである。
【0414】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ワックス粒子材料は、酸化ポリエチレンである。
【0415】
ワックス材料の分子量は、様々であり得る。例示的な制限されないMWは、約700~1500gr/molの間(例えば、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、および1500)である。いくつかの実施形態では、MWは700gr/mol未満である。いくつかの実施形態では、MWは1500gr/molを上回る。
【0416】
熱可塑性粒子材料エマルジョン、例えば、ワックスエマルジョンの例は、非イオン性エマルジョン、アニオン性エマルジョン、カチオン性エマルジョンおよび水性エマルジョンを含み得る。
【0417】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱可塑性粒子材料エマルジョンはカチオン性エマルジョンである。
【0418】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ワックスエマルジョンは水性エマルジョンである。
【0419】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ワックスはカチオン性エマルジョンで提供される。
【0420】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【0421】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズ(例えば、直径または最長軸)である。
【0422】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1~約500nmのサイズであり、水性配合物中のそのエマルジョンの濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約1.5%~約5%の間(例えば、約1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%および5.0%)である。
【0423】
いくつかの実施形態では、本発明の水性配合物中の粒子材料、例えば、粒状酸化ポリエチレンワックスの固形分は、約0.3%~1.75%の間(例えば、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.70および1.75%)である。
【0424】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0425】
本明細書で使用される「ガラス転移温度」という用語またはその任意の言語的変形は、軟化温度を指す。
【0426】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱可塑性粒子材料(例えば、粒状酸化ポリエチレンワックス)は、約80℃~約160℃(例えば、80、85、90、95、100、115、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155または160℃)のTg値を有する。時には前記Tg値は、約100℃~約160℃である。
【0427】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱可塑性粒子材料(例えば、コーティングワックス粒子材料NanoBYK 3620)は、約125℃の、時には約130℃のTg値を有する。
【0428】
理論に縛られることを望むものではないが、本発明の発明人は、熱可塑性材料(例えば、ワックス)は、粒子形状および/またはサイズを、特に処理層の実質的な乾燥後に、維持しているのを確実にするために、比較的高いTgである必要があると考える。80℃未満などの、低Tgは、プロセス中に粒子を変化させ得、機能(activity)を欠く(例えば、耐摩擦性の改善なし)結果となり得る。
【0429】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料のエマルジョンはカチオン性エマルジョンである。
【0430】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、カチオン性エマルジョンは粒状酸化ポリエチレンワックスのエマルジョンである。
【0431】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒状酸化ポリエチレンワックスのカチオン性エマルジョンは、次の特性を有する:
a.粘度-20℃において約80cP
b.密度-約1g/cm3
c.pH-約1%濃度において約9.5
d.固形分-約25~29%
e.粒子径-約500nm未満。
【0432】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である。
【0433】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ワックスは、二酸化ケイ素などの粒子でコーティングされる。
【0434】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされた粒状ワックス材料である。
【0435】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズ(例えば、直径または最長軸)である。
【0436】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズ(例えば、直径または最長軸)であり、水性配合物中のそのエマルジョン(または分散液)の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約10%である。
【0437】
いくつかの実施形態では、本発明に従った配合物は凝集体が実質的にない(例えば、いずれの粒子材料の凝集体もない。前記凝集体は、同じ粒子で、または1つ以上の異なる粒子の組み合わせで形成された凝集体であり得る。
【0438】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、本発明に従った水性配合物中に再分散されることが可能であり得、配合物の他の非粒子成分は、再溶融されて再分散可能になった後に結果として生じた配合物が水性処理配合物の特性を保持するように、(例えば、本明細書で詳述するITM上で)乾燥された後、水性配合物中に再溶融されることが可能であり得る。この目的のために、本発明で利用されるシステムは、残留乾燥処理薄膜をITMから(例えば、1つ以上のナイフおよび/もしくは1つ以上のブラシ、または他の適切な手段を使用することにより)除去するように構成された洗浄ステーションをさらに含み得る。かかるシステムは、本出願人に対するWO 2017/208246で開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0439】
いくつかの実施形態では、本発明に従った水性配合物は少なくとも1つの抗菌剤をさらに含み得る。
【0440】
いくつかの実施形態では、本発明に従った水性配合物は、次の特性を有する:
i.25℃において20~40mN/mの範囲内の静的表面張力、
ii.少なくとも10cPの25℃動粘度、および
iii.重量で、最大7.5:1の60℃蒸発負荷。
【0441】
本発明のいくつかの実施形態では、水性処理配合物は、任意選択で糖である、少なくとも1つの保水剤をさらに含み得る。
【0442】
本明細書で使用される「水溶性ポリマー」という用語は、25℃である程度、水に溶けるポリマーを指す。
【0443】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する。
【0444】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、少なくとも1つの水溶性ポリマーの、25℃における水への溶解度は、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0445】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水溶性ポリマーはバインダー、具体的には、溶解性バインダーである。
【0446】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、水溶性セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、および水溶性アクリレートから成る群から選択される。
【0447】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、本明細書で説明される改質多糖類である。
【0448】
いくつかの実施形態では、本発明に従った処理配合物は水溶性熱可塑性ポリマーを欠いている。
【0449】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本発明の配合物中の水溶性ポリマーの濃度は、2.0~8%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、または2.5~5%の範囲内であり、任意選択で最大10%または最大8%または最大6%または最大5%である。
【0450】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、界面活性剤は非イオン界面活性剤、例えば、非イオンシリコーン含有界面活性剤である。
【0451】
いくつかの実施形態では、水性配合物は、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0452】
いくつかの実施形態では、水性配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0453】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0454】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、重量での、水性処理配合物中の第1の非イオン界面活性剤の濃度は、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0455】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物において第1の非イオン界面活性剤の25℃における水への溶解度は、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0456】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物において第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体を含み、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、およびさらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0457】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、および任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%の前記第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0458】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、第1の非イオン界面活性剤は、ポリエトキシル化ソルビタンエステルであるか、ポリエトキシル化ソルビタンエステルを主に含むか、または含む。
【0459】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ポリエトキシル化ソルビタンエステルは、PEG-4ソルビタンモノラウレート、PEG-20ソルビタンモノラウレート、PEG-20ソルビタンモノパルミテート、PEG-20ソルビタンモノステアレート、およびPEG-20ソルビタンモノオレートから成る群から選択された少なくとも1つの化学種または少なくとも2つの化学種を含む。
【0460】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記第1の非イオン界面活性剤のHLB数は、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、または少なくとも14.5、および任意選択で、最大22、最大21、最大20、最大19、最大18、または最大17、およびさらに任意選択で、11~25、11~23、11.5~21、11.5~20、11.5~18、12.5~21、12.5~20、12.5~18、13.5~21、13.5~20、13.5~18、14~20.5、14~18.5、14.5~20、14.5~19、14.5~18、または14.5~17.5の範囲内である。
【0461】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0462】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0463】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、重量での、前記水性処理配合物中の第1の非イオン界面活性剤は、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0464】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体を含み、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、およびさらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0465】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、および任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%の前記第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0466】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記第1の非イオン界面活性剤の曇り点温度は、任意選択でASTM D7689-11試験方法によって決定されるとおり、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、または少なくとも130℃である。
【0467】
いくつかの実施形態では、水性配合物は、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、または少なくとも12%、および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0468】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーの、25℃における水への溶解度は、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0469】
いくつかの実施形態では、前記第1の非イオン界面活性剤の25℃における水への溶解度は、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0470】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、前記水性処理配合物中の前記第1の非イオン界面活性剤の濃度は、重量で、1~18%、1~15%、1~12%、1~10%、1~8%、2~18%、2~15%、2~12%、2~10%、2~8%、3~18%、3~15%、3~12%、3~10%、3~8%、または4~18%、4~15%、4~12%、4~10%、または4~8%の範囲内である。
【0471】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物は湿潤剤を含む。
【0472】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、湿潤剤はPEIである。
【0473】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物中のPEIの濃度は、重量で、0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%の範囲内である。
【0474】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性配合物中のPEIの濃度は、重量で、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%または少なくとも0.2%、および任意選択で、最大1%もしくは最大0.8%、最大0.7%もしくは最大0.6%、最大0.5%または0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、もしくは0.2~0.5%である。
【0475】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PEIは、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する。
【0476】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、PEIは、表面活性剤として働き得る。
【0477】
いくつかの実施形態では、本発明に従った配合物は、重量で、少なくとも55%の水を含有する。
【0478】
いくつかの実施形態では、本発明に従った配合物は、選択された少なくとも1つの薬剤をさらに含み得、それにより、前記水性処理溶液が蒸発して固体薄膜を形成する場合、前記薬剤は前記水性処理溶液から水分を吸収する。いくつかの実施形態では、前記薬剤は、純粋状態で、少なくとも25℃~60℃の範囲内で、固体であり、それにより、前記水性処理配合物が蒸発して固体薄膜を形成する場合、前記薬剤は水分吸収材として働く。
【0479】
本発明の水性処理配合物は、それを利用して製造された結果として生じる印刷製品の改善された耐久性を提供する。改善は、印刷製品の1つ以上の機械的特性において見られ得る。いくつかの実施形態では、改善される機械的特性は、耐摩耗性である。
【0480】
本明細書で使用される「耐摩耗性(abrasion resistance)」という用語またはその任意の言語的変形は、印刷画像が、長期に渡る摩擦、引掻きおよび擦れの下で、その表面および構造的完全性を保持できる程度を記述する特性を指す。
【0481】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、改善された特性は耐摩擦性である。いくつかの実施形態では、改善された特性は耐引掻性である。いくつかの実施形態では、改善された特性は耐擦傷性である。
【0482】
いくつかの実施形態では、改善される機械的特性は、表面粘着性(他着性)である。
【0483】
いくつかの実施形態では、改善される機械的特性は、印刷製品および/または印刷パターンの摩擦係数に反映される。
【0484】
印刷製品に関連して本明細書で開示される実施形態は、変更すべきところは変更して、印刷パターンに適用可能であることに留意されたい。
【0485】
本明細書で使用される「摩擦係数」(CoF)という用語は、相互に通過する2つの表面を滑らせるために必要な力を指す。必要な力が低ければ、CoF値はより低くて、滑りはより高い。高い摩擦(低い滑り)は一般に、より高い摩耗と相関する。従って、CoFの改善は、低いCoF値を意味する。いくつかの実施形態では、CoF値は、1未満(例えば、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95)である。
【0486】
いくつかの実施形態では、CoF値は、約0.5~0.6の間(例えば、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60)である。いくつかの実施形態では、CoF値は、約0.5、時には0.6である。
【0487】
本明細書で使用される「耐引掻性(Scratch Resistance)」という用語は、細かい切り傷を生じる、表面上を移動する鋭い物体によって引き起こされる損傷に対する表面の抵抗能力を指す。
【0488】
本明細書で使用される「耐摩擦性(Rub Resistance)」という用語は、表面領域上で繰り返される摩擦を通した摩耗に対する抵抗を指す。
【0489】
耐摩擦性の改善は、アブレシブ摩耗、付着摩耗および衝撃吸収などの様々な機構によってであり得る。いくつかの実施形態では、耐摩擦性は、アブレシブ摩耗機構によって、時には付着摩耗によって、さらに時には衝撃吸収によって、達成される。
【0490】
当技術分野に熟知した人によって理解されるように、本明細書で詳述される機械的特性の任意の1つは、既知の方法および装置によって測定され得る。例えば、耐摩耗性は、各試料の上で研磨材ブロックを何回か掃引し、試料の光学密度を、摩耗試験の前にそれらの試料に対して確立された基礎値と比較して測定することによって測定され得る。試料はTMI(Testing Machines Incorporated)インク摩耗試験機(モデル#10-18-01)に入れることができ、その上に置かれたCondat Gloss(登録商標)紙(135gsm)を有する1.8kgの試験ブロックを使用して乾燥インク摩耗試験が実行できる。試料の光学密度は、試験前、および100摩耗サイクルの後に、測定できる。この耐摩耗性測定手順はTMI取扱説明書によって推奨されており、ASTM 手順D5264に基づく。
【0491】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、耐摩耗性における改善はTMIを利用して観察されるとおりである。
【0492】
従って、本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料(例えば、酸化ポリエチレンワックス粒子材料、コーティングワックス粒子材料、熱硬化性ポリマー粒子材料、熱可塑性ポリマー粒子材料またはそれらの任意の組合せ)は、印刷システムの中間転写部材と共に水性配合物を利用することにより生成される印刷製品(例えば、基材上のインク画像)の少なくとも1つの機械的特性(例えば、耐摩擦性、耐引掻性、摩擦係数、表面粘着性など)を改善することが可能であり、機械的特性における改善は、本発明の水性配合物と同一であるが、前記粒子材料を欠いている水性配合物を利用して生成された印刷製品(例えば、基材上のインク画像)との比較においてである。
【0493】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、機械的特性は耐摩擦性である。
【0494】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、耐摩擦性における改善は(例えば、印刷製品の視覚的検出に基づき)少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%である。
【0495】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.本発明に従った水性配合物を提供すること、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤層を形成すること、
d.任意選択で、湿潤層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤層から、乾燥薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含む、間接印刷の方法を提供する。
【0496】
上の(a)および(b)はその順序に制限されず、順序を交換可能であることに留意されたい。これは、開示される方法に関連して本明細書の前述および後述で詳述される対応するステップにあてはまる。
【0497】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インクは少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの着色剤を含む水性インク配合物である。
【0498】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つの着色剤は、顔料から構成される少なくとも1つの着色料である。
【0499】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、負に荷電した有機ポリマー樹脂である。
【0500】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、負に荷電した有機ポリマー樹脂の平均分子量は少なくとも8,000である。
【0501】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、アクリルポリマーおよび/またはアクリル酸スチレン共重合体(例えば、約60,000g/モルの平均分子量をもつ)である。
【0502】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、水性配合物は
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤層を形成すること、
d.湿潤層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤層から、乾燥薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含む、間接印刷の方法を提供する。
【0503】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(例えば、直径または最長軸)を有する。
【0504】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【0505】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITM剥離層表面上の乾燥(処理)薄膜内で粒子材料の直径または最長軸は、ITMと実質的に平行である。
【0506】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥(処理)薄膜の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0507】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0508】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約50nmである。
【0509】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約100nmである。
【0510】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約120nmである。
【0511】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約150nmである。
【0512】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、乾燥処理薄膜は、ITMの剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、前記矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する。
【0513】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、矩形の領域の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%に対する乾燥処理薄膜、その乾燥処理薄膜の厚さは、矩形内の平均厚さ値から50%を超えて、または40%を超えて、または30%を超えて逸脱しない。
【0514】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像残留物は、乾燥処理薄膜の非印刷領域と共に印刷基材上に転写される。
【0515】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、インク画像残留物の転写中に、乾燥処理薄膜がITMから完全に分離して、乾燥されたインク画像と共に、印刷領域および非印刷領域の両方において、印刷基材に転写されるように、乾燥処理薄膜は十分な粘着性がある。
【0516】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITMは疎水性ITMである。
【0517】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITMは、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【0518】
適用可能なITM(例えば、ブランケット)の他の非限定的例は、本明細書の以下で詳述される。
【0519】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、改善された1つ以上の機械的特性(例えば、耐摩擦性、耐引掻性、摩擦係数、表面粘着性など)を印刷製品に提供し、1つ以上の機械的特性における改善は、前記方法であるが、前記粒子材料を欠いている方法を利用して生成された印刷製品との比較においてである。
【0520】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷のためのシステムを提供し、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.本発明に従った水性配合物、
c.水性配合物をITM表面上に塗布し、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤層が乾燥して乾燥薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に転写するための転写ステーション
を含む。
【0521】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムを提供し、本印刷システムは、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材(ITM)、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、以下を含むこと、
e.本発明に従った水性配合物でITMをコーティングするための塗布装置、および
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【0522】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷のためのシステムを提供し、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含む、水性配合物、
c.水性配合物をITM表面に塗布して、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤層が乾燥して乾燥薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に転写するための転写ステーション
を含む。
【0523】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷システムを提供し、本印刷システムは、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、以下を含むこと、
e.水性配合物でITMをコーティングするための塗布装置であって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、ならびに
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は、最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【0524】
本発明のシステムは本明細書の以下でさらに詳述される。
【0525】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.本発明に従った水性配合物を提供することであって、前記水性配合物は本明細書で開示される少なくとも1つの粒子材料を含むこと、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
d.任意選択で、(c)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、前記水性配合物であるが、前記粒子材料を含有していない、前記水性配合物を用いて生成されたインク画像と比較して改善された、少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0526】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善する方法を提供し、本法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液、および(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液、の1つ以上を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大200nmの厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記エマルジョンまたは分散液を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0527】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液、および(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液、の1つ以上を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大200nmの厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記エマルジョンまたは分散液を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0528】
その態様のなおさらなる1つにおいて、本発明は、(基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善する方法を提供し、本方法は、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する、第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの保水剤、および(ii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料のエマルジョンまたは分散液、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料のエマルジョンまたは分散液、の1つ以上を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μm(例えば、最大0.8μm)の厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.任意選択で、(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は少なくとも約20nmおよび最大200nmの厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記エマルジョンまたは分散液を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0529】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、および
b.本発明に従った水性処理配合物
を含む。
【0530】
その態様のさらに別の1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料のエマルジョンまたは分散液、および(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液、の1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性配合物
を含む。
【0531】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性処理配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性処理配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液またはエマルジョン、および(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液、の1つ以上
を含む。
【0532】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する、第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液、の1つ以上、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(iii)少なくとも1つの保水剤、および(iv)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む水性配合物
を含む。
【0533】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの保水剤、および(ii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む水性配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液またはエマルジョンの1つ以上
を含む。
【0534】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iii)少なくとも1つの界面活性剤、(iv)少なくとも1つの保水剤、および(v)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む水性処理配合物
を含む。
【0535】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、間接印刷システムで印刷するためのキットを提供し、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性処理配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む水性処理配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上
を含む。
【0536】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
(i)基材(例えば、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、およびプラスチック印刷基材)、
(ii)連続的で、それにより前記基材上にインク薄膜を形成し得るか、または相互に間隔が空いている可能性がある、1つ以上のインクドット、
を含む、基材上の印刷パターンを提供し、
前記1つ以上のインクドットは、前記基材の表面の少なくとも1つの領域にしっかりと付着されており、
前記パターンは、前記基材内に画定された境界内に形成され、そのため1つ以上のインクドットおよび前記連続的もしくは間隔が空いたドットを取り囲んでいるか、または隔てている領域が、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nm(例えば、最大200nm、190nm、180nm、170nm、160nm、150nm、140nm、130nm、120nm、110nm、100nm、90nm、80nm、70nm、60nm、50nm、および任意選択で少なくとも20nmまたは少なくとも30nm)の厚さを有する実質的乾燥薄膜層で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、の1つ以上を含む。
【0537】
前記印刷パターンの乾燥薄膜層は、本発明のいくつかの実施形態に従った配合物を利用して形成される。
【0538】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的乾燥薄膜層は、少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、本明細書で開示されるような少なくとも1つの改質多糖類である)をさらに含み得る。
【0539】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、
(i)基材、
(ii)前記基材の表面の少なくとも一領域にしっかりと付着された1つ以上のインクドット
を含む、印刷製品を提供し、
前記1つ以上のインクドットおよび前記基材の前記表面の前記少なくとも1つの領域は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する実質的乾燥薄膜層で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、の1つ以上を含む。
【0540】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材は、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、アルミニウムおよびそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0541】
前記印刷製品の乾燥薄膜層は、本発明のいくつかの実施形態に従った配合物を利用して形成される。
【0542】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、印刷パターン/印刷製品における非印刷領域は、本発明に従った乾燥処理配合物で覆われる。これらの領域は、耐摩擦性および/または耐引掻性などの有益な機械的特性を示す。これらの領域は、本明細書で開示されて例示されるような摩擦係数値によってさらに特徴付けられる。
【0543】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、印刷パターン/印刷製品において、インクドットの平均厚さは、100~1,200nm、200~1,200nm、200~1,000nm、100~800nm、100~600nm、100~500nm、100~450nm、100~400nm、100~350nm、100~300nm、200~450nm、200~400nm、または200~350nmの範囲内である。時には、それは、少なくとも150nm、少なくとも200nm、少なくとも250nm、少なくとも300nm、または少なくとも350nmである。時には、それは、100~800nm、100~600nm、100~500nm、100~450nm、100~400nm、100~350nm、100~300nm、200~450nm、200~400nm、または200~350nmの範囲内である。時には、それは、最大5,000nm、最大4,000nm、最大3,500nm、最大3,000nm、最大2,500nm、もしくは最大2,000nmの平均厚さまたは高さを有する。時には、それは、最大1,800nm、最大1,500nm、最大1,200nm、最大1,000nm、最大800nm、最大650nm、最大500nm、最大450nm、もしくは最大400nmの平均厚さまたは高さを有する。
【0544】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、例えば、印刷製品および/または印刷パターンにおいて、乾燥処理層(例えば、印刷されたインクドットを覆っている/印刷されたインクドットと直接接触している、および/または基材上のインクのない領域で印刷基材を覆っている/印刷基材と直接接触している)の厚さは、インクドットの厚さと実質的に同じである。時には、乾燥処理層は、インクドットの厚さよりも薄い。
【0545】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材は、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、およびプラスチック印刷基材から成る群から選択される。
【0546】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、基材は紙であり、任意選択で、ボンド紙、未コーティングオフセット紙、コーティングオフセット紙、コピー用紙、更紙、コーティング更紙、フリーシート紙、コーティングフリーシート紙、およびレーザープリンター用紙から成る紙群から選択される。
【0547】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(例えば、直径または最長軸)を有する。
【0548】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【0549】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、前記粒子材料の直径または最長軸は、基材の前記表面と実質的に平行である。
【0550】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、乾燥薄膜層の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0551】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、前記乾燥薄膜層の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0552】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約50nmである。
【0553】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約100nmである。
【0554】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約120nmである。
【0555】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約150nmである。
【0556】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、乾燥薄膜は、基材の表面全体を覆って連続している(例えば、インクドットの有無にかかわらず領域を覆っている)。
【0557】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、乾燥薄膜層は、前記表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている。
【0558】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、薄膜層は、(i)少なくとも1つの水溶性ポリマー、(ii)少なくとも1つの界面活性剤、(iii)少なくとも1つの保水剤、(iv)少なくとも1つの湿潤剤、および(v)少なくとも1つの抗菌剤、の1つ以上をさらに含み得る。
【0559】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品において、実質的乾燥薄膜層は、少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、本明細書で開示されるような少なくとも1つの改質多糖類である)をさらに含み得る。
【0560】
いくつかの実施形態では、本発明に従った製品は、粒子材料を欠いている印刷製品と比較して、改善された1つ以上の機械的特性を有する。
【0561】
いくつかの実施形態では、改善された機械的特性は、前記基材上のインクを含む領域において示される。
【0562】
いくつかの実施形態では、改善された機械的特性は、前記実質的乾燥薄膜層でコーティングされていて、インクのない(インク無し)基材の表面の領域において示される。
【0563】
いくつかの実施形態では、機械的特性は、耐摩擦性、摩擦係数、耐引掻性および表面粘着性の1つ以上から選択される。
【0564】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料が前記乾燥薄膜層に、前記層の表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれていて、前記表面は、基材の表面の遠位側にある表面である(すなわち、基材および/またはインクドットと接触していない表面)。
【0565】
いくつかの実施形態では、1つ以上のインクドットは、連続したインク薄膜を基材上に形成する。
【0566】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、本発明の方法に従って製造された印刷製品/印刷パターンを提供する。
【0567】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、剥離層表面を含む中間転写部材(例えば、本明細書で開示されて例示されているような)を提供し、その表面は実質的に乾燥した(処理)連続薄膜(例えば、本明細書で開示されて例示されるような)で実質的に覆われている。
【0568】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)連続薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する。
【0569】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)連続薄膜層の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0570】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)連続薄膜層の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0571】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、例えば、本明細書で開示されるような、の1つ以上を含む。
【0572】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)薄膜層は、ITMの剥離層表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている。
【0573】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)薄膜層は、(i)少なくとも1つの水溶性ポリマー、(ii)少なくとも1つの界面活性剤、(iii)少なくとも1つの保水剤、(iv)少なくとも1つの湿潤剤、および(v)少なくとも1つの抗菌剤、の1つ以上をさらに含み得る。
【0574】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した薄膜層は、少なくとも1つの水溶性ポリマー(任意選択で、本明細書で開示されるような少なくとも1つの改質多糖類である)をさらに含み得る。
【0575】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、粒子材料が、実質的に乾燥した(処理)薄膜層に、前記層の表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれている。
【0576】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、実質的に乾燥した(処理)薄膜層は、ITMの剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、前記矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する。
【0577】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、矩形の領域の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%に対する実質的に乾燥した(処理)薄膜層、実質的に乾燥した(処理)薄膜層の厚さは、矩形内の平均厚さ値から50%を超えて、または40%を超えて、または30%を超えて逸脱しない。
【0578】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ITMは疎水性ITMである。
【0579】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、剥離層表面は、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面である:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【0580】
本明細書の以下で提供されるのは、本発明に従ったシステムのいくつかの限定されない実施形態である。
【0581】
本明細書で使用される「後退接触角(receding contact angle)」または「RCA」という用語は、Dataphysics OCA15 Pro Contact Angle測定装置、または同等のVideo-Based Optical Contact Angle Measuring Systemを使用して、Drop Shape Methodを使用して測定された後退接触角を指す。類似した「前進接触角(advancing contact angle)」または「ACA」は、実質的に同じ方法で測定された前進接触角を指す。
【0582】
本明細書で使用される「バルク疎水性(bulk hydrophobicity)」という用語は、剥離層の内側表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角によって特徴付けられ、内側表面は、剥離層中の硬化したシリコーン材料の領域を露出させることによって形成される。
【0583】
本明細書で使用される「画像転写部材(image transfer member)」または「中間転写部材(intermediate transfer member)」または「転写部材」という用語は、印刷ヘッドによって、例えば、インクジェットヘッドによって、インクが最初に塗布されて、その噴出された画像がその後、それから別の基材または複数の基材、典型的には、最終印刷基材に転写される、印刷システムの構成要素を指す。
【0584】
本明細書で使用される「ブランケット」という用語は、ベルト状の構造を2つ以上のローラー上に形成するために印刷装置内に取り付けることができる可撓性転写部材を指し、2つ以上のローラーの少なくとも1つはブランケットを(例えば、そのベルトを移動させることにより)回転または移動させて、ローラーの周りを移動させることが可能である。
【0585】
本明細書では、「ブランケット」、「中間転写部材」、ITMという用語は区別しないで使用されて、本明細書で説明されるとおり、インク画像を受容して、乾燥したインク画像薄膜を標的基材に転写する、湿潤水性処理配合物を受容するように構成された中間部材として使用される層のスタックを含む可撓性部材を指す。
【0586】
本明細書では、ITMの一部がvメートル/秒の速度で移動中の場合、これは、ブランケットITMの一部が少なくともvメートル/秒の速度で、その局所表面/平面に対して、例えば、静止しているアプリケータに対して、平行な方向に移動することを意味する。
【0587】
本明細書で使用される「静的表面張力」という用語は、25℃および大気圧における静的表面張力を指す。
【0588】
いくつかの実施形態では、湿潤層の「厚さ」という用語は次のように定義される。材料の体積volが面積SAを有する表面の表面積を湿潤層で覆う場合、その湿潤層の厚さはvol/SAであると考えられる。
【0589】
いくつかの実施形態では、乾燥薄膜の「厚さ」という用語は次のように定義される。重量でx%液体である材料の体積volが、表面の表面積SAを湿らすか、または覆い、全ての液体が蒸発して湿潤層が乾燥薄膜に変わる場合、その乾燥薄膜の厚さは
vol/ρwet layer(100-x)/(SA・ρdry layer)
であると考えられ、式中、ρwet layerは湿潤層の比重であり、ρdry layerは乾燥層の比重である。
【0590】
本明細書で使用される「連続した湿潤層」という用語またはその任意の言語的変形は、凸領域の境界内にいかなる露出した小領域もない凸領域を覆う連続した湿潤層を指す。
【0591】
本明細書で使用される「連続した薄い乾燥薄膜」という用語またはその任意の言語的変形は、凸領域の境界内にいかなる途切れもない凸領域を覆う連続した乾燥薄膜を指す。
【0592】
本明細書で使用される「粘着性薄膜/引張強度」という用語は、それが付着されている表面から剥がされるときに一緒に留まる構成物を指す-すなわち、表面から剥がれるとき、「粘着性薄膜」はその構造的完全性を保ち、小さく千切れるのではなく、皮のように剥がれる。
【0593】
いくつかの実施形態では、吸湿材は液体吸湿材であり得る。本明細書で使用される「液体吸湿材/材料」という用語は、25℃~90℃の範囲内の少なくとも1つの温度において液状であり、純粋状態で90℃において、最大0.05ata、およびより典型的には、最大0.02ata、最大0.01ata、または最大0.003ataの蒸気圧を有する、吸湿材/材料を指す。「液体吸湿材/材料」という用語は、グリセロールのような材料を指すと特に意図されている。
【0594】
本明細書で使用される「疎水性」および「親水性」という用語および同様のものは、相対的な意味で使用され得、必ずしも絶対的な意味においてではない。
【0595】
本明細書で使用される「(処理)配合物」という用語は、配合物は、印刷システムの中間転写部材との使用のため、すなわち、例えば、本明細書で説明されて例示されるような、ITMの剥離表面を前記配合物で処理する際の使用のためである、ことを意味する。
【0596】
特に指定のない限り、粘度および表面張力などの液体(例えば、処理配合物)の物理的特性は、25℃における特性を指す。
【0597】
特に指定のない限り、「濃度」はw/w-すなわち、配合物の成分の、その配合物の総重量あたりの重量を指す。
【0598】
本明細書では、特に指定のない限り、水性組成物の「総固体率(total percent solid)」は、25℃で完全に乾燥させた後、残留物の重量に100を掛け、初期水性組成物の重量で割ることによって計算される。
【0599】
本明細書では、ドットゲインは、初期の、球形液滴直径に対するドットサイズにおける増加を指す。ドットゲインは、最終ドット径の初期ドット径に対する比によって決定される。滴体積を増加させる必要なくドットサイズを増加させる方法を見つけることは非常に望ましい。
【0600】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、ドットゲインは、少なくとも1.3、1.4、もしくは1.5、およびより典型的には、少なくとも1.6、1.7、もしくは少なくとも1.8、または1.5~2.1、1.5~2.1、1.6~2.0、または1.7~2.0の範囲内であり得る。時には、6.3ピコリットルの体積(D=22.9マイクロメートル)を有する滴を使用し、かつ本発明の様々な水性処理配合物を使用して、得られた乾燥インクドットは、40~45マイクロメートルの直径範囲内であった。
【0601】
別に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての専門用語および科学用語は、本発明が関連する当業者の1人によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。対立する場合、定義を含む、本明細書が優先する。
【0602】
本開示の説明およびクレームにおいて、動詞「含有する」「含む」および「有する」の各々、およびそれらの同根語は、その動詞の目的語または複数の目的語が必ずしも、その動詞の目的語または複数の目的語の部材、構成要素、要素、ステップまたは部品の完全なリストではないことを示すために使用される。これらの用語は、「~から成る」および「本質的に~から成る」という用語を包含する。
【0603】
本明細書では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は複数形の参照を含み、その内容について別段の明確な指示がない限り「少なくとも1つの」または「1つ以上」を意味する。
【0604】
特に指定のない限り、選択のためのオプションリストの最後の2つのメンバーの間の表現「および/または」の使用は、リストされたオプションの1つ以上の選択が適切であり、行われ得ることを示す。
【0605】
本明細書および後続のクレーム節で使用される「比(ratio)」という用語は、別段の指示がない限り、重量比を指す。
【0606】
本開示では、特に指定のない限り、本技術の実施形態の特徴もしくは複数の特徴の状態または関係特性を修飾する、「実質的に」および「約」などの形容詞は、その状態または特性は、それが意図される用途に対して実施形態の実施のために容認可能な許容範囲内であると定義されることを意味すると理解されるべきである。時には、「約」という用語は、それが指す値の±10%を示す。
【0607】
本開示はある実施形態および概ね関連した方法に関して説明されているが、実施形態および方法の変更および置換は当業者には明らかであろう。さらに、特定の態様に関連して本明細書で詳述されている様々な実施形態は、本発明の全部および/または他の態様に適用可能であり得る。
【0608】
実施形態の詳細な説明
次の例は、本発明の範囲をクレームどおりに制限することを決して意図していない。
【0609】
例
ここで、前述の説明と一緒に、本発明を限定されない方法で例示する、以下の例を参照する。
【0610】
A.典型的なITM(バンケット)剥離層
使用される材料のリスト:
【表1】
【0611】
剥離層表面の製造において基材として使用される担体は帯電防止ポリエステルフィルム(例1-7)を含む。
【0612】
例1
例1のITM剥離層は以下の組成(wt./wt.)を有していた。
【表2】
【0613】
剥離層は、以下で提供される、本ブランケット準備手順で説明されるとおりに実質的に準備した。
【0614】
ブランケット準備手順(担体表面に対して硬化された剥離層のため)
剥離層配合物の全ての成分を完全に混合した。所望の厚さの初期剥離層を、ロッド/ナイフを使用して(他のコーティング方法も使用され得る)、PETシート上にコーティングし、その後150℃で3分間硬化させた。続いて、Siloprene LSR 2530を、ナイフを使用して、剥離層の一番上にコーティングして、所望の厚さを達成した。次いで、硬化を150℃で3分間、実行した。その後Siloprene LSR 2530の追加の層を、以前の(硬化させた)シリコーン層の一番上にコーティングし、湿ったシリコーンが繊維構造に浸透するように、ガラス繊維織物をこの湿った新鮮な層に組み込んだ。次いで、硬化を150℃で3分間、実行した。その後、Siloprene LSR 2530の最終層をガラス繊維織物上にコーティングし、再度、硬化を150℃で3分間、実行した。次いで、一体のブランケット構造を室温まで冷却してPETを取り除いた。
【0615】
例2
例2のITM剥離層は以下の組成を有している。
【表3】
【0616】
ブランケットは実質的に例1で説明したとおりに準備した。
【0617】
例3
例3のITM剥離層は以下の組成を有している。
【表4】
【0618】
ブランケットは実質的に例1で説明したとおりに準備した。
【0619】
例4
例4のITM剥離層は以下の組成を有している。
【表5】
【0620】
ブランケットは実質的に例1で説明したとおりに準備した。
【0621】
例5
例5のITM剥離層は、Silopren(登録商標)LSR 2530(Momentive Performance Materials Inc.、米国ニューヨーク州ウォーターフォード)、2つの成分が1:1の比率で混合される二液型液状シリコーンゴムから準備した。ブランケットは実質的に例1で説明したとおりに準備した。
【0622】
例6
例6のITM剥離層は、例4のITM剥離層と実質的に同一の組成を有しているが、SR545(Momentive Performance Materials Inc.、米国ニューヨーク州ウォーターフォード)、市販の極性基含有シリコーン系樹脂を含む。極性基は「MQ」型であり、「M」はMe
3SiOを表し、「Q」はSiO
4を表す。完全な組成は以下で提供される:
【表6】
【0623】
ブランケットは実質的に例1で説明したとおりに準備した。
【0624】
例7
例7のITM剥離層は、例6のITM剥離層と実質的に同一の組成を有しているが、ポリマーRV5000を含有しており、ポリマーRV5000は、本明細書で前述したように、高密度のビニル基を有するビニル官能基ポリジメチルシロキサンを含む。完全な組成は以下で提供される:
【表7】
【0625】
ブランケットは実質的に例1で説明したとおりに準備した。
【0626】
B.水性処理配合物
処理のために使用された材料のリストは以下のとおり:
【表8】
【0627】
例8A~8B-比較例-PVAを含有する配合物
以下の水性処理配合物は、まずPVA 15%およびLoxanol P 25%の貯蔵液を調製することによって準備した。次に、他の成分を、列挙したとおりの重量%で最終配合物のために混合した。所望の固形分に達するように水を加え、混合物を室温で数分間、攪拌した。
【0628】
配合物8Aは「PVA配合物」であり、他方、配合物8Bは「高濃度PVA」配合物である。
【表9】
【0629】
配合物8Aおよび8Bを次いで、本明細書で説明される間接印刷装置に、具体的には、ITMの表面上に、塗布した。配合物は少なくとも150μm(例えば、150~200μm、例えば、少なくとも200μm)の厚さで塗布した。インク画像のインクジェットならびに配合物およびインク画像を乾燥させて薄膜を提供することを含む、残りの標準的な間接印刷プロセスステップを次いで適用した。しかし、8Aで説明される処理配合物を使用したプラスチックへの転写は、転写中に、乾燥処理配合物が裂ける結果となった。PVAの代わりにMethocelを使用した類似の配合物では、かかる裂けは示されなかったことに留意されたい。
【0630】
この問題を解決しようと試みて、多くの配合物が配合されて評価された。配合物8Bは、より高い濃度のPVAが採用された一例である。配合物8Bは、印刷品質に影響を及ぼすことなく一貫して裂けがなかったが、処理層の端において新しい問題が提示され、
図6で見られるように、端で離すことができなかった。かかる失敗は、PVAの代わりにMethocelを使用した類似の配合物では観察されなかったことに留意されたい。
【0631】
転写中に乾燥処理薄膜の機械的完全性を失うことなく、または裂けなしで、比較的乾燥した、高品質の印刷画像をプラスチックなどの何らかの基材上に転写することは、例8Aでさらに詳細に説明されているように、困難であり得る。乾燥薄膜の裂けは、ブランケット表面上に蓄積し得る残遺物の存在も引き起こす。配合物中のポリビニルアルコールの濃度が増加したか、またはポリビニルアルコール系薄膜の厚さが増加した場合、ITM表面からの剥離は、基材端部においてきれいな切れ目を残さず、乾燥した水性処理層は、例8Bで説明されているとおり、基材縁部できれいに離すことができなかった。
【0632】
具体的には、以下で説明されるように、本発明のいくつかの実施形態は、後に、インク配合物を受容するために特に適した乾燥転写組成を形成するために加熱されて、最終的に様々な基材媒体に転写でき、かつプラスチック媒体の文脈で特に有用な、ITMの広い範囲にわたって均一な厚さの湿潤処理層の生成および/または高い印刷速度のために有用な組成、方法および装置に関する。
【0633】
転写中に乾燥処理薄膜の機械的完全性を失うことなく、または裂けなしで、比較的乾燥した、高品質の印刷画像をプラスチックなどの何らかの基材上に転写することは、例8Aでさらに詳細に説明されているように、困難であり得る。乾燥薄膜の裂けは、ブランケット表面上に蓄積し得る残遺物の存在も引き起こす。配合物中のポリビニルアルコールの濃度が増加したか、またはポリビニルアルコール系薄膜の厚さが増加した場合、ITM表面からの剥離は、基材端部においてきれいな切れ目を残さず、乾燥した水性処理層は、例8Bで説明されているとおり、基材縁部できれいに離すことができなかった。
【0634】
対照的に、本発明の配合物および方法は、次の特徴:均一で制御されたドットゲイン、良好で均一な印刷光沢、ならびに一貫したドット凸性および/または輪郭のはっきりした境界を有する高品質ドットに起因した良好な画像品質、の任意の組合せによって特徴付けられるインク画像を生成するために適用され得る。
【0635】
例9-Methocelを含有する配合物
水性処理配合物は、まず、重量で10%の濃度まで水に溶けたMethocel(登録商標)K3 LVの溶液を調製することによって準備した。次に、他の成分を、以下の表で列挙したとおりの重量%で、最終配合物のために混合した。所望の固形分に達するように水を加え、混合物を室温で数分間、攪拌した。
【表10】
【0636】
処理配合物をシリコーン系表面に塗布し、その後乾燥させた。次いでワイドスタンドマイクロスコープを使用して拡大して撮影した。
図7Aでは、配合物8Aの乾燥試料が、視野内で見られる穴の数および層の変化する厚さの両方において、より変化する一貫性を提供した。配合物9を採用した、
図7Bでは、層の連続性において減少した中断および厚さにおいて改善された均一性から分かるように、より均一な層がある。
【0637】
処理配合物は、インク画像品質およびプラスチック上への印刷のために間接印刷においても試験した。処理配合物を除いて、同一の方法を採用し、結果として生じたインク画像は、配合物8Aを採用した、
図8Aおよび9A、ならびに、配合物9を採用した、
図8Bおよび9Bに示されている。
図8Aおよび9Aは、
図8Bおよび9Bと比較して、消去された領域の形で低い印刷品質を有することに留意されたい。
【0638】
例10~12-Methocelを含有する配合物
水性処理配合物は、まず、重量で10%の濃度まで水に溶けたMethocel(登録商標)K3 LVの溶液を調製することによって準備した。次に、他の成分を以下の表におけるとおりの重量%で、最終配合物のために混合した。所望の固形分に達するように水を加え、混合物を室温で数分間、攪拌した。
【表11】
【0639】
次に配合物10~12の各々を本明細書で説明される間接印刷装置に適用した。プラスチック上への印刷は、転写中に裂けることなく、高印刷品質の画像となった。例11で処理配合物を使用した結果として生じた画像の写真が
図10に示されている。界面活性剤は使用しなかったが、写真は傷(blemish)が減って高品質を有することに留意されたい。
【0640】
C.例示的なインク組成
顔料の調製
以下で説明される例で使用される顔料は一般に、数マイクロメートルの初期粒子径で提供される。かかる顔料は、分散剤の存在下でサブミクロン範囲まで粉砕して、2つの材料を水性混合物として微粉砕装置(ビーズミル)に供給した。微粉砕の進捗は粒子径測定(例えば、MalvernまたはNanosizer器具)に基づき制御した。平均粒子径(dv50)が70~100nmに達すると微粉砕を停止した。
【0641】
本例では、インク組成の調製が説明される:説明のとおり、Heliogen(登録商標)Blue D7079をDisperbyk(登録商標)190で微粉砕して、材料を以下の割合で混合した:
Heliogen(登録商標)Blue D7079 30g
Disperbyk(登録商標)190(40%) 30g
水 140g
============================A
合計 200g
【0642】
微粉砕濃縮物は、この時100nm未満の、典型的には、70~100nmの間の、DV50を有しており、さらに50gの水で希釈して、約12wt.%顔料濃度で微粉砕装置から抽出した。練り顔料(millbase)濃縮物は、インク組成の調製のために以下で説明されるようにさらに処理した。
【0643】
第1の段階で、2.4gのドデカン酸ナトリウムを200gの練り顔料濃縮物に添加して練り顔料を得た。混合物を均一になるまで攪拌して(50rpmでの5分のマグネチックスターラー)60℃で1日間培養した。次いで混合物を放置して周囲温度まで冷却した。
【0644】
第2の段階で、次のように、インク成分を練り顔料に添加した:
練り顔料濃縮物(段階1から) 202.4g
Joncryl(登録商標)538(46.5%) 154.8g
BYK(登録商標)349 5g
BYK(登録商標)333 2g
プロピレングリコール 240g
水 595.8g
=================
合計 1200g
【0645】
混合物を周囲温度で30分間、攪拌して、10cP未満の粘度を有するインクジェット可能インク組成となった。
【0646】
D.粒子材料を含有する処理配合物
例13
塩基性水性処理配合物の調製
本発明と共に使用されて、本明細書でV1、V2およびV3と呼ばれる、水性処理配合物の例示的な塩基性組成物がそれぞれ、表1、表2および表3に提供される。
【0647】
これらの塩基性組成物は、参照組成物、すなわち、本発明に従った粒子材料を欠いている処理組成物として使用した。
【0648】
塩基性組成物V1は、本明細書で以下の表1にリストされた成分を混合することによって調製した。
【表12】
【0649】
塩基性組成物V2は、本明細書で以下の表2にリストされた成分を混合することによって調製した。
【表13】
【0650】
塩基性組成物V3は、本明細書で以下の表3にリストされた成分を混合することによって調製した。
【表14】
【0651】
本発明に従った塩基性処理組成物の成分は、中間転写部材上にコーティングできる組成物を形成するために任意の適切な方法で混合できることに留意されたい。成分は任意の適切な量で混合できる。時には、混合した成分は分散液を形成する。この目的のために、本発明のシステムは、塩基性処理組成物の均一な分散液を提供するための混合手段を提供するように構成される。同じことが(粒子材料を含有する)本発明の水性処理組成物に適用される。
【0652】
粒子材料添加物を含有する水性処理配合物
前述の表1~3で列挙された塩基性処理組成物に様々な粒子材料を添加した。
【0653】
以下の表4~6は、処理塩基性配合物V1で試験した様々な組成物を示す。表4は、処理塩基性配合物V2で試験した様々な組成物をさらに示す(表4の左欄に記載されたとおり)。以下の表7~8は、処理塩基性配合物V2およびV3で試験した様々な組成物を示す(表7~8の左欄に記載されたとおり)。表は、試験した印刷色、粒子材料を含有する添加物、その濃度、例えば、エマルジョンまたは分散液濃度、乾燥処理薄膜の観察された厚さ、形成された画像の検出された耐摩擦性、使用した基材タイプおよび画像の測定された摩擦係数を列挙する。表4のいくつかの例では、インク被覆率(%被覆)も提供されている。
【0654】
表4~8では、添加物の濃度が%で提供されて、次のように考えられることに留意されたい:例えば、10%濃度が記載されている場合、それは10グラムの添加物を100グラムの塩基性組成物に添加した、すなわち、結果として総重量110グラムとなり、対応するw/w%は次のとおり計算される:10
*100/110=9.09%w/w。従って、前記表で列挙された濃度をw/w%に変換するために微調整を必要とする。同じことが
図11および
図12A~12Bで列挙されている%値に適用される。
【0655】
表4は、粒状熱硬化性材料を含有するか、または含有しない、V1(および表に注記されている場合はV2)塩基性処理配合物を使用した、様々な試験された試料を列挙する。
【0656】
表5は、粒状熱可塑性材料を含有するか、または含有しない、V1塩基性処理配合物を使用した、様々な試験した試料を列挙する。
【0657】
表6は、粒状ワックス材料を含有するか、または含有しない、V1塩基性処理配合物を使用した、様々な試験した試料を列挙する。
【0658】
表7は、粒状熱可塑性材料を含有するか、または含有しない、V2またはV3塩基性処理配合物を使用した、様々な試験した試料を列挙する。
【0659】
表8は、粒状ワックス材料を含有するか、または含有しない、V2またはV3塩基性処理配合物を使用した、様々な試験した試料を列挙する。
【0660】
【0661】
【0662】
【0663】
【0664】
【0665】
表4~8に列挙されているデータは、添加粒子材料を含有していない塩基性溶液に対する画像耐摩擦性[表中で(-)として指定されている]は、50nmおよび100nmの乾燥処理層厚さの両方において、全ての色ならびに、未コーティング140gsm基材を除く、全ての基材において認められなかったことを示す。いくつかの添加物を用いた良好な耐摩擦性[表中で(+)として指定されている]が、特定の濃度、粒子径および濃度で認められた。
【0666】
耐摩擦性測定
耐摩擦性試験は、TMI磨耗試験機モデル番号10-18-01-0001(Testing Machines,Inc.、米国デラウェア州ニューカッスル)を利用して実行した。改善は、摩擦結果の目視試験に基づいて決定されたスコアに基づき判断した。
【0667】
図11は、3%および5%の熱可塑性粒状酸化ポリエチレンワックス材料のカチオン性エマルジョンで観察された印刷画像(絹目無光沢350gsm上に8バールで印刷した)の耐摩擦性を示す。前記材料がない場合、試験した色でラブマーク(rub mark)が明瞭に検出される。マークは、白紙上のラブマークの鏡像でも検出される。
図11は、耐摩擦性の改善を添加物量の関数として示す。
【0668】
図12A~12Bは、4%の熱硬化性材料PTFE水性分散液で観察された印刷画像(光沢250上に8バールで印刷した)の耐摩擦性を示す。前記材料がない場合、試験した色でラブマークが明瞭に検出される。マークは、白紙上のラブマークの鏡像でも検出される。
【0669】
摩擦係数測定
試験した画像のCoFが表4~8に列挙されている。
【0670】
印刷基材のインクのない領域のCoFも試験した。いくつかの紙を試験した。光沢紙などの、平滑な基材に関して、本発明の水性処理配合物の有無で、摩擦係数における差は認められなかった。ざら紙に関して、本発明の水性処理配合物の有無で、紙の摩擦係数において著しい差が認められた(データは示されていない)。
【0671】
本発明に従った粒子材料を含有する処理配合物を使用した印刷画像の顕著な特徴
図13A~13Dは、本発明のいくつかの実施形態に従って印刷された紙の印刷面を示す。パターンは、Bodelin、5MPデジタル顕微鏡(倍率:10×~300×)を利用して撮像した。
図13A~13D中の矢印は、本発明の処理配合物によって被覆されていない、いくつかの領域を示す、すなわち、処理配合物のない紙表面だけ(500)を示している(黒い紙の使用により図中で黒く示されている)。矢印は、処理層で被覆された領域(白いドットとして示されている)のいくつかの被覆層ドット(502)をさらに示す。矢印は、シアンのドット(504)またはシアンの画像(506)として示されている、いくつかのインク印刷領域をさらに示す。
【0672】
図14A~14Bは、本発明のいくつかの実施形態に従った基材の表面上の印刷パターンを示す。
図14Aは、インクドットの間隔が空いて(602)いて、その各々は乾燥処理薄膜(600)と密着して、乾燥処理薄膜によって囲まれている、パターンを示す。乾燥処理薄膜(600)は、非印刷のインクのない領域において基材の表面と密着している。
図14Bは、インクドットが連続して(604)いて乾燥処理薄膜(600)と密着しているパターンを示す。乾燥処理薄膜(600)は、非印刷のインクのない領域において基材の表面と密着している。
図14A~14Bは、例に過ぎず、図中で列挙される成分の相対寸法および形状は図示のためだけであることに留意されたい。
【0673】
図15は、本発明のいくつかの実施形態に従ったインクドットおよび乾燥処理薄膜の相対的な厚さを示す。本発明に従った乾燥処理薄膜は、非常に薄いことに留意されたい。インクドットの上のその厚さは、
図15においてH2として指定されている。インクドットの厚さは、
図15においてH1として指定されている。時には、本発明に従った印刷パターン/印刷製品では、H2とH2の比は1である、すなわち、コーティング薄膜の厚さはインクドットの厚さと実質的に同じである。時には、H2とH1の比は1未満である、すなわち、コーティング薄膜の厚さはインクドットの厚さよりも低い。
図15は例に過ぎず、図中で列挙される成分の相対寸法および形状は図示のためだけであることに留意されたい。
【0674】
例示的な実施形態
以下の実施形態は例示であり、請求された主題を制限することを意図していない。
【0675】
実施形態1 印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性配合物であって、本水性配合物は、
少なくとも1つの改質多糖類、
少なくとも1つの、水を含有する担体液体、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0676】
実施形態2 実施形態1に従った水性配合物であって、前記改質多糖類はセルロース誘導体である。
【0677】
実施形態3 実施形態2に従った水性配合物であって、前記セルロース誘導体はメチルセルロースである。
【0678】
実施形態4 実施形態3に従った水性配合物であって、前記メチルセルロースはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0679】
実施形態5 実施形態1~4の任意の1つに従った水性配合物であって、前記改質多糖類は非熱可塑性ポリマーである。
【0680】
実施形態6 実施形態1~5の任意の1つに従った水性配合物であって、前記改質多糖類は荷電した多糖類を含む。
【0681】
実施形態7 実施形態6に従った水性配合物であって、前記荷電した多糖類は、任意選択でカルボキシル基および/または硫酸エステル基を含有する、酸性多糖類であるか、または酸性多糖類を含む。
【0682】
実施形態8 実施形態6に従った水性配合物であって、前記荷電した多糖類は、正に荷電した多糖類であるか、または正に荷電した多糖類を含む。
【0683】
実施形態9 実施形態1~8の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は、構造:
【化4】
を有しており、
構造中nは3以上の整数であり、
Rは、H、CH
3、CH
2COOH、CH
2CH(OH)CH
3、CH
2CH(OH)CH
3から成る群から選択され、様々なR基は同一または異なる。
【0684】
実施形態10 実施形態1~9の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類はメチルセルロースであり、Rの少なくとも2%はメチル(CH3)基である。
【0685】
実施形態11 実施形態1~10の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は次の特性の少なくとも1つを有する:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、もしくは60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中での2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2の、mPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度、
iii.少なくとも1%、2%、4%、6%、7%または1~30%、5~25%、5~20%、5~10%、7~9%もしくは7.3~8.3%の間のヒドロキシプロピル置換、またはモル基準で、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.15もしくは少なくとも0.2もしくは0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.7もしくは0.1~0.3の間の、ヒドロキシプロピル置換、
iv.ダルトンで、最大13,000または最大12000、または最大11000、または最大10,000、または最大9000、または最大8000の数平均分子量。
【0686】
実施形態12 実施形態11の水性処理配合物であって、前記改質多糖類はセルロース誘導体である。
【0687】
実施形態13 実施形態12の水性処理配合物であって、前記セルロース誘導体はメチルセルロースである。
【0688】
実施形態14 実施形態13の水性処理配合物であって、前記メチルセルロースはHPMCである。
【0689】
実施形態15 実施形態1~14の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は、メチルセルロースであるか、またはメチルセルロースを含む。
【0690】
実施形態16 実施形態15の水性処理配合物であって、前記メチルセルロースは、次の構造特徴の少なくとも1つを有する:
i.少なくとも2%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%もしくは最大20%、もしくは最大15%、もしくは最大14%、もしくは最大12%または4~15%もしくは7~12%の間の、ヒドロキシプロピル置換、
ii.0.1を上回るか、または0.15を上回るか、または0.2を上回る、ヒドロキシプロピルモル置換、および
iii.ダルトンで測定された、最大13,000または最大12,000、または最大11,000、または最大10,000、または最大9,000、または最大8,000の数平均分子量。
【0691】
実施形態17 実施形態1~16の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は、25%未満、または15~25%の範囲内のメトキシル置換を有するメチルセルロースである。
【0692】
実施形態18 実施形態1~17の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は、7~12%の範囲内のヒドロキシプロピル置換を有するメチルセルロースである。
【0693】
実施形態19 実施形態1~18の任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の、水、または水性処理配合物中への溶解度を有する。
【0694】
実施形態20 実施形態11~19の任意の1つの水性処理配合物であって、水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度は少なくとも50℃である。
【0695】
実施形態21 実施形態11~19の任意の1つの水性処理配合物であって、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度は、最大11である。
【0696】
実施形態22 実施形態1~21の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む。
【0697】
実施形態23 実施形態22の水性処理配合物であって、前記湿潤剤はポリエチレンイミンである。
【0698】
実施形態24 実施形態23の水性処理配合物であって、前記改質多糖類のポリエチレンイミンに対する比は、重量で、4:1~200:1の範囲内である。
【0699】
実施形態25 実施形態24の水性処理配合物であって、前記比は、4:1~100:1の範囲内である。
【0700】
実施形態26 実施形態25の水性処理配合物であって、前記比は、4:1~60:1の範囲内である。
【0701】
実施形態27 実施形態26の水性処理配合物であって、前記比は、4:1~35:1の範囲内である。
【0702】
実施形態28 実施形態27の水性処理配合物であって、前記比は、4:1~25:1の範囲内である。
【0703】
実施形態29 実施形態24の水性処理配合物であって、前記比は、5:1~100:1の範囲内である。
【0704】
実施形態30 実施形態29の水性処理配合物であって、前記比は、5:1~50:1の範囲内である。
【0705】
実施形態31 実施形態30の水性処理配合物であって、前記比は、5:1~35:1の範囲内である。
【0706】
実施形態32 実施形態24の水性処理配合物であって、前記比は、6:1~50:1の範囲内である。
【0707】
実施形態33 実施形態32の水性処理配合物であって、前記比は、6:1~35:1の範囲内である。
【0708】
実施形態34 実施形態24の水性処理配合物であって、前記比は、8:1~35:1の範囲内である。
【0709】
実施形態35 実施形態34の水性処理配合物であって、前記比は、8:1~25:1の範囲内である。
【0710】
実施形態36 実施形態23~35の任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、重量で、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%または少なくとも0.2%、および任意選択で、最大1%または最大0.8%、最大0.7%または最大0.6%、最大0.5%または0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、もしくは0.2~0.5%の範囲内の、ポリエチレンイミンの濃度を含む。
【0711】
実施形態37 実施形態23~36の任意の1つの水性処理配合物であって、ポリエチレンイミンは、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する。
【0712】
実施形態38 実施形態23~37の任意の1つの水性処理配合物であって、改質多糖類のポリエチレンイミンに対する重量比は、5~200:1、または5~50:1、または7~35:1、または10~20:1である。
【0713】
実施形態39 実施形態1~38の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、少なくとも1つの、水を含有する担体液体を含み、前記水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成する。
【0714】
実施形態40 実施形態39の水性処理配合物であって、前記水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも55%を構成する。
【0715】
実施形態41 実施形態1~40の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む。
【0716】
実施形態42 実施形態41の水性処理配合物であって、前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤およびシリコーン界面活性剤の1つ以上である。
【0717】
実施形態43 実施形態1~42の任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、25℃において、重量で少なくとも5%または少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、または両方をさらに含む。
【0718】
実施形態44 実施形態43の水性処理配合物であって、配合物は、重量で、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の前記第1の非イオン界面活性剤を含有する。
【0719】
実施形態45 実施形態43または44の水性処理配合物であって、配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0720】
実施形態46 実施形態42~45の任意の1つの水性処理配合物であって、前記第1の非イオン界面活性剤の25℃における水への溶解度は、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0721】
実施形態47 実施形態42の水性処理配合物であって、前記水性処理配合物中の非イオン界面活性剤は、重量で、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0722】
実施形態48 実施形態42~47の任意の1つの水性処理配合物であって、前記第1の非イオン界面活性剤の曇り点温度は、任意選択でASTM D7689-11試験方法によって決定されるとおり、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、または少なくとも130℃である。
【0723】
実施形態49 実施形態1~48の任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、第2の、または前記、非イオンシリコーン含有界面活性剤をさらに含む。
【0724】
実施形態50 実施形態49の水性処理配合物であって、前記非イオンシリコーン含有界面活性剤は、25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する。
【0725】
実施形態51 実施形態49または50の水性処理配合物であって、前記非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体であり、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%であり、さらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0726】
実施形態52 実施形態41~51の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、および、25℃において少なくとも1%の水への溶解度を有する第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0727】
実施形態53 実施形態41~52の任意の1つの水性処理配合物であって、水性配合物は、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0728】
実施形態54 実施形態1~53の任意の1つの水性処理配合物であって、前記水性配合物は、次の特性を有する:
i.25℃において20~40mN/mの範囲内の静的表面張力
ii.少なくとも10cPの25℃動粘度、および
iii.重量で、最大7.5:1の60℃蒸発負荷。
【0729】
実施形態55 実施形態1~54の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、任意選択で糖である、少なくとも1つの保水剤をさらに含む。
【0730】
実施形態56 実施形態1~55の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、改質多糖類を、重量で、少なくとも1.5%または2.0%または2.5%または3%の量で含む。
【0731】
実施形態57 実施形態1~56の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、静的表面張力を、25℃において25~40mN/mの範囲内で有する。
【0732】
実施形態58 実施形態1~56の任意の1つの水性処理配合物であって、前記配合物は、少なくとも10mPa・s、もしくは少なくとも12mPa・s、もしくは少なくとも14mPa・s、または10mPa・s~100mPa・s、12~100mPa・s、14~100mPa・s、10~60mPa・s、もしくは12~40mPa・sの範囲内である、25℃動粘度を有する。
【0733】
実施形態59 実施形態1~58の任意の1つの水性処理配合物であって、少なくとも1つの抗菌剤をさらに含む。
【0734】
実施形態60 実施形態1~59の任意の1つの水性処理配合物であって、前記粒子材料は、エマルジョンおよび/または分散液の形で提供され、水性処理配合物中の前記エマルジョンおよび/または分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%である。
【0735】
実施形態61 実施形態1~60の任意の1つの水性処理配合物であって、前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【0736】
実施形態62 実施形態1~61の任意の1つの水性処理配合物であって、前記粒子材料は、水性配合物中に均一に分散している。
【0737】
実施形態63 実施形態1~62の任意の1つの水性処理配合物であって、前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である。
【0738】
実施形態64 実施形態63の水性処理配合物であって、前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである。
【0739】
実施形態65 実施形態64の水性処理配合物であって、前記疎水性粒子材料は、PTFE(すなわち、テフロン)である。
【0740】
実施形態66 実施形態65の水性処理配合物であって、PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【0741】
実施形態67 実施形態66の水性処理配合物であって、PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである。
【0742】
実施形態68 実施形態64~67の任意の1つの水性処理配合物であって、PTFE粒子材料は約200nmのサイズであり、分散液の形で提供され、水性処理配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約4%~約12%の間である。
【0743】
実施形態69 実施形態64~67の任意の1つの水性処理配合物であって、PTFE粒子材料は約300nm~約400nmのサイズであり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約8%である。
【0744】
実施形態70 実施形態68または69の水性処理配合物であって、PTFE分散液は次の特性を有する水性分散液である:
i.粘度-約13cP
ii.表面張力-約31.4mN/m
iii.pH-約9.95
iv.固形分-約60%
v.粒子径-約200nm。
【0745】
実施形態71 実施形態1~70の任意の1つの水性処理配合物であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である。
【0746】
実施形態72 実施形態71の水性処理配合物であって、前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【0747】
実施形態73 実施形態72の水性処理配合物であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズであり、前記サイズはその直径または最長軸である。
【0748】
実施形態74 実施形態73の水性処理配合物であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1~約500nmのサイズであり、エマルジョンの形で提供され、水性配合物中のそのエマルジョンの濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約1.5%~約5%の間である。
【0749】
実施形態75 実施形態72~74の任意の1つの水性処理配合物であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0750】
実施形態76 実施形態1~75の任意の1つの水性処理配合物であって、少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料はエマルジョンの形で提供され、任意選択で、前記エマルジョンはカチオン性エマルジョンである。
【0751】
実施形態77 実施形態76の水性処理配合物であって、前記カチオン性エマルジョンは粒状酸化ポリエチレンワックスのエマルジョンである。
【0752】
実施形態78 実施形態76または77の水性処理配合物であって、粒状酸化ポリエチレンワックスの前記カチオン性エマルジョンは、次の特性を有する:
i.粘度-20℃において約80cP
ii.密度-約1g/cm3
iii.pH-約1%濃度において約9.5
iv.固形分-約25~29%
v.粒子径-約500nm未満。
【0753】
実施形態79 実施形態1~75の任意の1つの水性処理配合物であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である。
【0754】
実施形態80 実施形態79の水性処理配合物であって、前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされた粒状ワックス材料である。
【0755】
実施形態81 実施形態79または80の水性処理配合物であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズであり、前記サイズはその直径または最長軸で、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約10%である。
【0756】
実施形態82 実施形態79~81の任意の1つの水性処理配合物であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0757】
実施形態83 実施形態1~82の任意の1つの水性処理配合物であって、前記粒子材料は、印刷システムの中間転写部材と共に水性処理配合物を利用することにより生成される印刷製品および/またはパターンの少なくとも1つの機械的特性を改善することが可能であり、機械的特性における改善は、実施形態1~82の任意の1つの水性処理配合物と同一であるが、前記粒子材料を欠いている水性処理配合物を利用して生成された印刷製品および/またはパターンとの比較においてである。
【0758】
実施形態84 実施形態83の水性処理配合物であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【0759】
実施形態85 間接印刷の方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.実施形態1~84の任意の1つの水性処理配合物を提供すること、
c.水性処理配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成すること、
d.湿潤層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤層から、乾燥薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.任意選択で、インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含む。
【0760】
実施形態86 実施形態85の方法であって、粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【0761】
実施形態87 実施形態86の方法であって、前記粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【0762】
実施形態88 実施形態85~87の任意の1つの方法であって、ITM剥離層表面上の前記乾燥薄膜内で前記粒子材料の直径または最長軸は、ITMと実質的に平行である。
【0763】
実施形態89 実施形態85~88の任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥薄膜の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0764】
実施形態90 実施形態85~89の任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0765】
実施形態91 実施形態85~90の任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約50nmである。
【0766】
実施形態92 実施形態85~90の任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約100nmである。
【0767】
実施形態93 実施形態85~90の任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約120nmである。
【0768】
実施形態94 実施形態85~90の任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約150nmである。
【0769】
実施形態95 実施形態85~94の任意の1つの方法であって、乾燥処理薄膜は、ITMの剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、前記矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する。
【0770】
実施形態96 実施形態95の方法であって、矩形の領域の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%に対する乾燥処理薄膜、その乾燥処理薄膜の厚さは、矩形内の平均厚さ値から50%を超えて、または40%を超えて、または30%を超えて逸脱しない。
【0771】
実施形態97 実施形態85~96の任意の1つの方法であって、インク画像残留物は、乾燥処理薄膜の非印刷領域と共に印刷基材上に転写される。
【0772】
実施形態98 実施形態85~97の任意の1つの方法であって、インク画像残留物の転写中に、乾燥処理薄膜がITMから完全に分離して、乾燥されたインク画像と共に、印刷領域および非印刷領域の両方において、印刷基材に転写されるように、乾燥処理薄膜は十分な粘着性がある。
【0773】
実施形態99 実施形態85~98の任意の1つの方法であって、前記ITMは疎水性ITMである。
【0774】
実施形態100 実施形態85~99の任意の1つの方法であって、前記ITMは、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【0775】
実施形態101 実施形態85~100の任意の1つの方法であって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する。
【0776】
実施形態102 実施形態85~101の任意の1つの方法であって、前記方法は、改善された1つ以上の機械的特性を印刷製品および/またはパターンに提供し、1つ以上の機械的特性における改善は、前記方法であるが、前記粒子材料を欠いている方法を利用して生成された印刷製品との比較においてである。
【0777】
実施形態103 実施形態102の方法であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【0778】
実施形態104 印刷のためのシステムであって、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.実施形態1~82の任意の1つに従った水性配合物、
c.水性配合物をITM表面に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤層が乾燥して乾燥薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は任意選択で、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に転写するための転写ステーション
を含む。
【0779】
実施形態105 実施形態104に従ったシステムであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する。
【0780】
実施形態106 印刷システムであって、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、処理ステーションは以下を含むこと、
e.実施形態1~82の任意の1つに従った水性処理配合物でITMをコーティングするための塗布装置、および
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は最大約1.0μmの厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【0781】
実施形態107 実施形態104~106の任意の1つのシステムであって、前記ITMは疎水性ITMである。
【0782】
実施形態108 実施形態104~107の任意の1つのシステムであって、前記ITMは、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【0783】
実施形態109 (基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.実施形態1~82の任意の1つに従った水性配合物を提供すること、
c.水性処理配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤処理層を形成すること、
d.任意選択で、(c)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を任意選択で乾燥させた(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、前記水性配合物であるが、粒子材料を含有していない、前記水性配合物を用いて生成されたインク画像と比較して改善された、少なくとも1つの機械的特性を有する。
【0784】
実施形態110 実施形態109に従った方法であって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する。
【0785】
実施形態111 実施形態110の方法であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【0786】
実施形態112 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、および
b.実施形態1~82の任意の1つに従った水性処理配合物
を含む。
【0787】
実施形態113 印刷製品であって、
(i)基材、
(ii)前記基材の表面の少なくとも一領域にしっかりと付着された1つ以上のインクドットであって、前記インクドットは、連続的で、それにより前記基材上にインク薄膜を形成し得るか、または相互に間隔が空いている可能性があること
を含み、
前記1つ以上のインクドットおよび前記基材の前記表面の前記少なくとも1つの領域は、任意選択で少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する実質的乾燥薄膜層で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の1つ以上を含む。
【0788】
実施形態114 実施形態113の印刷製品であって、前記基材は、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、アルミニウムおよびそれらの任意の組合せから成る群から選択される。
【0789】
実施形態115 実施形態114の印刷製品であって、前記基材は紙であり、任意選択で、ボンド紙、未コーティングオフセット紙、コーティングオフセット紙、コピー用紙、更紙、コーティング更紙、フリーシート紙、コーティングフリーシート紙、およびレーザープリンター用紙から成る紙群から選択される。
【0790】
実施形態116 実施形態113~115の任意の1つの印刷製品であって、前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【0791】
実施形態117 実施形態113~116の任意の1つの印刷製品であって、前記粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【0792】
実施形態118 実施形態113~117の任意の1つの印刷製品であって、前記粒子材料の直径または最長軸は、基材の前記表面と実質的に平行である。
【0793】
実施形態119 実施形態113~118の任意の1つの印刷製品であって、前記実質的乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する。
【0794】
実施形態120 実施形態119の印刷製品であって、前記乾燥薄膜層の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0795】
実施形態121 実施形態113~120の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜層の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0796】
実施形態122 実施形態113~121の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約50nmである。
【0797】
実施形態123 実施形態113~121の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約100nmである。
【0798】
実施形態124 実施形態113~121の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約120nmである。
【0799】
実施形態125 実施形態113~121の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約150nmである。
【0800】
実施形態126 実施形態113~125の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜は、前記基材の前記表面全体を覆って連続している(例えば、インクドットの有無にかかわらず領域を覆っている)。
【0801】
実施形態127 実施形態113~126の任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜層は、前記表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている。
【0802】
実施形態128 実施形態113~127の任意の1つの印刷製品であって、前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である。
【0803】
実施形態129 実施形態128の印刷製品であって、前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである。
【0804】
実施形態130 実施形態129の印刷製品であって、前記疎水性粒子材料は、PTFE(すなわち、テフロン)である。
【0805】
実施形態131 実施形態130の印刷製品であって、PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【0806】
実施形態132 実施形態131の印刷製品であって、PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである。
【0807】
実施形態133 実施形態113~132の任意の1つの印刷製品であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である。
【0808】
実施形態134 実施形態133の印刷製品であって、前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【0809】
実施形態135 実施形態134の印刷製品であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【0810】
実施形態136 実施形態134または135の印刷製品であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0811】
実施形態137 実施形態113~136の任意の1つの印刷製品であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である。
【0812】
実施形態138 実施形態137の印刷製品であって、前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされたワックス粒子材料である。
【0813】
実施形態139 実施形態138の印刷製品であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズ(直径または最長軸)である。
【0814】
実施形態140 実施形態138または139の印刷製品であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0815】
実施形態141 実施形態113~140の任意の1つの印刷製品であって、前記薄膜層は、(i)少なくとも1つの改質多糖類(実質的に本明細書で開示されるような)、(ii)少なくとも1つの界面活性剤(実質的に本明細書で開示されるような)、(iii)少なくとも1つの保水剤(実質的に本明細書で開示されるような)、(iv)少なくとも1つの湿潤剤(実質的に本明細書で開示されるような)、および(v)少なくとも1つの抗菌剤(実質的に本明細書で開示されるような)、の1つ以上をさらに含む。
【0816】
実施形態142 実施形態113~141の任意の1つの印刷製品であって、前記製品は、前記粒子材料を欠いている印刷製品と比較して、改善された1つ以上の機械的特性を有する。
【0817】
実施形態143 実施形態142の印刷製品であって、前記改善された機械的特性は、前記基材上のインクを含む領域において示される。
【0818】
実施形態144 実施形態142または143の印刷製品であって、前記改善された機械的特性は、前記実質的乾燥薄膜層でコーティングされていて、インクのない(インク無し)前記基材の表面の領域において示される。
【0819】
実施形態145 実施形態142~144の任意の1つの印刷製品であって、前記機械的特性は、耐摩擦性、摩擦係数、耐引掻性および表面粘着性の1つ以上から選択される。
【0820】
実施形態146 実施形態145の印刷製品であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【0821】
実施形態147 実施形態145の印刷製品であって、前記機械的特性は摩擦係数である。
【0822】
実施形態148 実施形態113~147の任意の1つの印刷製品であって、粒子材料が前記乾燥薄膜層に、前記層の表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれていて、前記表面は、基材の表面の遠位側にある表面である。
【0823】
実施形態149 実施形態113~148の任意の1つの印刷製品であって、前記1つ以上のインクドットは、連続したインク薄膜を前記基材上に形成する。
【0824】
実施形態150 実施形態113~149の任意の1つの印刷製品であって、実施形態85~103の任意の1つの方法に従って製造される。
【0825】
実施形態151 実施形態113~145の任意の1つの印刷製品であって、前記薄膜層は少なくとも1つの改質多糖類(実質的に本明細書で開示されるような)をさらに含む。
【0826】
実施形態152 剥離層表面を含む中間転写部材であって、前記表面は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料(実質的に本明細書で開示されるような)および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料(実質的に本明細書で開示されるような)の1つ以上を含む、実質的に乾燥した連続薄膜層で実質的に覆われており、前記実質的に乾燥した連続薄膜層の厚さは、少なくとも約20nmおよび最大約200nmである。
【0827】
実施形態153 実施形態152の中間転写部材であって、実質的乾燥薄膜層は、中間転写部材剥離層表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている。
【0828】
実施形態154 実施形態152または153の中間転写部材であって、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの改質多糖類(実質的に本明細書で開示されるような)、(ii)少なくとも1つの界面活性剤(実質的に本明細書で開示されるような)、(iii)少なくとも1つの保水剤(実質的に本明細書で開示されるような)、(iv)少なくとも1つの湿潤剤(実質的に本明細書で開示されるような)、および(v)少なくとも1つの抗菌剤(実質的に本明細書で開示されるような)、の1つ以上をさらに含む。
【0829】
実施形態155 実施形態152~154の任意の1つの中間転写部材であって、前記実質的乾燥薄膜層は、少なくとも1つの改質多糖類をさらに含む。
【0830】
実施形態156 実施形態152~155の任意の1つの中間転写部材であって、粒子材料が、実質的乾燥薄膜層に、前記層の表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれている。
【0831】
実施形態157 実施形態152~156の任意の1つの中間転写部材であって、前記中間転写部材は、疎水性中間転写部材である。
【0832】
実施形態158 実施形態152~157の任意の1つの中間転写部材であって、前記剥離層表面は、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【0833】
実施形態1A。水性インクイメージングシステムにおける画像転写部材のための水性処理配合物であって、配合物は、
a.改質多糖類またはセルロースエーテルであって、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度、および次の特性の少なくとも1つ以上:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、最大105℃、もしくは60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中での2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度が、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内である、
を有する、改質多糖類またはセルロースエーテル、
b.水、を含み、
c.任意選択で、吸水剤、界面活性剤、およびポリエチレンイミン(PEI)、の少なくとも1つ、または2つまたは3つ全部を含む。
【0834】
実施形態2A。実施形態1Aの水性処理配合物であって、改質多糖類は、メチルセルロースであるか、またはメチルセルロースを含む。
【0835】
実施形態3A。実施形態1A~2Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は前記ポリエチレンイミンを含む。
【0836】
実施形態4A。実施形態1A~3Aの任意の1つの水性処理配合物であって、水中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度は少なくとも50℃である。
【0837】
実施形態5A。実施形態1A~4Aの任意の1つの水性処理配合物であって、25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度は、最大11である。
【0838】
実施形態6A。水性インクイメージングシステムにおける画像転写部材のための水性処理配合物であって、本配合物は、
(a)25℃において、重量で、少なくとも1.5%もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度を有する、改質多糖類またはセルロースエーテル、
(b)ポリエチレンイミン(PEI)、および
(c)水を含有する担体液体であって、前記水は、重量比で、水性処理配合物の少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%を構成すること、
を含み、
前記水性処理配合物は任意選択で、吸水剤、非イオン界面活性剤、およびシリコーン界面活性剤の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または3つ全部を含む。
【0839】
実施形態7A。実施形態3Aまたは6Aの水性処理配合物であって、前記改質多糖類またはセルロースエーテルのポリエチレンイミンに対する比は、重量で、4:1~200:1の範囲内である。
【0840】
実施形態8A。実施形態7Aの水性処理配合物であって、前記比は、4:1~100:1の範囲内である。
【0841】
実施形態9A。実施形態8Aの水性処理配合物であって、前記比は、4:1~60:1の範囲内である。
【0842】
実施形態10A。実施形態9Aの水性処理配合物であって、前記比は、4:1~35:1の範囲内である。
【0843】
実施形態11A。実施形態10Aの水性処理配合物であって、前記比は、4:1~25:1の範囲内である。
【0844】
実施形態12A。実施形態8Aの水性処理配合物であって、前記比は、5:1~100:1の範囲内である。
【0845】
実施形態13A。実施形態12Aの水性処理配合物であって、前記比は、5:1~50:1の範囲内である。
【0846】
実施形態14A。実施形態13Aの水性処理配合物であって、前記比は、5:1~35:1の範囲内である。
【0847】
実施形態15A。実施形態13Aの水性処理配合物であって、前記比は、6:1~50:1の範囲内である。
【0848】
実施形態16A。実施形態15Aの水性処理配合物であって、前記比は、6:1~35:1の範囲内である。
【0849】
実施形態17A。実施形態16Aの水性処理配合物であって、前記比は、8:1~35:1の範囲内である。
【0850】
実施形態18A。実施形態17Aの水性処理配合物であって、前記比は、8:1~25:1の範囲内である。
【0851】
実施形態19A。実施形態1A~18Aの任意の1つの水性処理配合物であって、処理配合物は、前記吸水剤を含む。
【0852】
実施形態20A。実施形態1A~19Aの任意の1つの水性処理配合物であって、処理配合物は、前記界面活性剤を含む。
【0853】
実施形態21A。実施形態1A~20Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類はメチルセルロースである。
【0854】
実施形態22A。実施形態1A~21Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は非熱可塑性ポリマーである。
【0855】
実施形態23A。実施形態1A~22Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は荷電した多糖類を含む。
【0856】
実施形態24A。実施形態23Aの水性処理配合物であって、前記荷電した多糖類は、任意選択でカルボキシル基および/または硫酸エステル基を含有する、酸性多糖類であるか、または酸性多糖類を含む。
【0857】
実施形態25A。実施形態23Aの水性処理配合物であって、前記荷電した多糖類は、正に荷電した多糖類であるか、または正に荷電した多糖類を含む。
【0858】
実施形態26A。実施形態1A~25Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類は、構造:
【化5】
を有しており、構造中
nは3以上の整数であり、
Rは、H、CH
3、CH
2COOH、CH
2CH(OH)CH
3、CH
2CH(OH)CH
3から成る群から選択され、様々なR基は同一または異なる。
【0859】
実施形態27A。実施形態1A~26Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記改質多糖類はセルロース誘導体である。
【0860】
実施形態28A。実施形態27Aの水性処理配合物であって、前記セルロース誘導体はメチルセルロースであり、Rの少なくとも2%はメチル(CH3)基である。
【0861】
実施形態29A。実施形態28Aの水性処理配合物であって、前記メチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。
【0862】
実施形態30A。実施形態6A~29Aの水性処理配合物であって、改質多糖類、セルロース誘導体、メチルセルロースまたはHPMCは、次の特性の少なくとも1つを有する:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、もしくは60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2の、mPa・sでの粘度、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内の粘度、
iii.少なくとも1%、2%、4%、6%、7%または1~30%、5~25%、5~20%、5~10%、7~9%もしくは7.3~8.3%の間のヒドロキシプロピル置換、またはモル基準で、少なくとも0.1、もしくは少なくとも0.15もしくは少なくとも0.2もしくは0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.7もしくは0.1~0.3の間の、ヒドロキシプロピル置換、
iv.ダルトンで、最大13,000または最大12000、または最大11000、または最大10,000、または最大9000、または最大8000の数平均分子量。
【0863】
実施形態31A。水性インクイメージングシステムにおける画像転写部材のための水性処理配合物であって、本配合物は、メチルセルロース、ポリエチレンイミン、吸水剤、界面活性剤、および水を含有する担体液体を含む。
【0864】
実施形態32A。実施形態31Aの水性処理配合物であって、メチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0865】
実施形態33A。実施形態1A~32Aの任意の1つの水性処理配合物であって、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースは、少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、もしくは最大105℃、もしくは60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度を有する。
【0866】
実施形態34A。実施形態1A~33Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物の粘度は、25℃において測定された、15~30または20~25または20~25mPa・sである。
【0867】
実施形態35A。実施形態28Aまたは31A~34Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記メチルセルロースは、次の構造特徴の少なくとも1つを有する:
i.少なくとも2%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも6%、もしくは少なくとも7%または最大20%、もしくは最大15%、もしくは最大14%、もしくは最大12%または4~15%もしくは7~12%の間の、ヒドロキシプロピル置換、
ii.0.1を上回るか、または0.15を上回るか、または0.2を上回る、ヒドロキシプロピルモル置換、および
iii.ダルトンで測定された、最大13,000または最大12,000、または最大11,000、または最大10,000、または最大9,000、または最大8,000の数平均分子量。
【0868】
実施形態36A。実施形態31A~35Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、25%未満、または15~25%の範囲内のメトキシル置換を有するメチルセルロースを含む。
【0869】
実施形態37A。実施形態1A~35Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、7~12%の範囲内のヒドロキシプロピル置換を有するメチルセルロースを含む。
【0870】
実施形態38A。実施形態1A~37Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、重量で、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%または少なくとも0.2%、および任意選択で、最大1%または最大0.8%、最大0.7%または最大0.6%、最大0.5%または0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、もしくは0.2~0.5%の範囲内の、ポリエチレンイミンの濃度を含む。
【0871】
実施形態39A。実施形態1A~38Aの任意の1つの水性処理配合物であって、ポリエチレンイミンは、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する。
【0872】
実施形態40A。実施形態1A~39Aの任意の1つの水性処理配合物であって、改質多糖類、セルロース誘導体、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリエチレンイミンに対する重量比は、5~200:1、または5~50:1、または7~35:1、または10~20:1である。
【0873】
実施形態41A。実施形態1A~40Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、25℃において重量で少なくとも5%または少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、または両方をさらに含む。
【0874】
実施形態42A。実施形態41Aの水性処理配合物であって、配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の前記第1の非イオン界面活性剤を含有する。
【0875】
実施形態43A。実施形態41Aまたは42Aの水性処理配合物であって、配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0876】
実施形態44A。実施形態41Aの水性処理配合物であって、前記水性処理配合物中の非イオン界面活性剤は、重量で、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0877】
実施形態45A。実施形態41A~44Aの任意の1つの水性処理配合物であって、前記第1の非イオン界面活性剤の曇り点温度は、任意選択でASTM D7689-11試験方法によって決定されるとおり、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、または少なくとも130℃である。
【0878】
実施形態46A。実施形態1A~45Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、第2の、または前記、非イオンシリコーン含有界面活性剤、任意選択で、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体をさらに含み、さらに任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%であり、なおさらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0879】
実施形態47A。実施形態1A~46Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、任意選択で糖である吸水剤をさらに含む。
【0880】
実施形態48A。実施形態1A~47Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、次の任意の1つ以上を、最大0.3%、最大0.1%含むか、または実質的に欠いている:澱粉、または特にワキシー澱粉、吸湿性可塑剤、非イオン界面活性剤、非イオンシリコーン界面活性剤および熱可塑性ポリマーおよびより具体的には、PVA。
【0881】
実施形態49A。実施形態1A~48Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、配合物の重量で、少なくとも8%、または少なくとも9%、または少なくとも10%、または少なくとも12%、または少なくとも14%、または少なくとも16%、または少なくとも18%、または少なくとも20%または最大30%、または最大28%、または最大26%、または12~30%の間または14~30%の間または16~30%の間または12~28%の間または14~28%の間または16~28%の間または18~28%の間の総固体率を含む。
【0882】
実施形態50A。実施形態1A~49Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、セルロース誘導体、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースを重量で、少なくとも1.5%または2.0%または2.5%または3.0%の量で含む。
【0883】
実施形態51A。実施形態1A~50Aの任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、静的表面張力を、25℃において25~40mN/mの範囲内で有する。
【0884】
実施形態52A。実施形態1~51の任意の1つの水性処理配合物であって、配合物は、少なくとも10mPa・s、もしくは少なくとも12mPa・s、もしくは少なくとも14mPa・s、または10mPa・s~100mPa・s、12~100mPa・s、14~100mPa・s、10~60mPa・s、もしくは12~40mPa・sの範囲内である、25℃動粘度を有する。
【0885】
実施形態53A。実施形態1A~52Aの任意の1つの配合物であって、前記水性処理配合物の全ての成分は25℃において完全に溶解する。
【0886】
実施形態54A。実施形態1A~53Aの任意の1つの配合物であって、提供された水性処理配合物中の有機溶媒の総濃度は、重量で、最大3%、最大2%、最大1%、もしくは最大0.5%であるか、または配合物は有機溶媒を含有していない。
【0887】
実施形態55A。水性インクイメージングシステムにおける画像転写部材のための水性処理配合物であって、配合物は、
a.改質多糖類またはセルロースエーテルであって、25℃において、重量で、少なくとも1.5%、もしくは少なくとも2%、もしくは少なくとも3%、もしくは少なくとも4%、もしくは少なくとも5%、もしくは少なくとも7%、もしくは少なくとも8%、もしくは少なくとも10%の水、または水性処理配合物への溶解度、および次の特性の少なくとも1つ以上:
i.少なくとも50℃、もしくは少なくとも55℃、もしくは少なくとも57℃、もしくは少なくとも60℃、もしくは少なくとも62℃、もしくは少なくとも65℃、もしくは少なくとも68℃、もしくは少なくとも70℃、もしくは少なくとも75℃、および任意選択で、最大120℃、最大110℃、最大105℃、もしくは60~120℃、もしくは60~110℃、もしくは60~100℃、もしくは65~110℃、もしくは65~105℃、もしくは65~100℃、もしくは70~110℃、もしくは70~100℃、もしくは75~110℃、もしくは75~100℃、もしくは80~100℃の間の、水中、または水性処理配合物中において2%重量濃度で測定されたゲル化の温度、
ii.25℃の水中において2%重量濃度で測定された、mPa・sでの粘度が、最大11、最大10、最大9、最大8、最大7、最大6、最大5、最大4、および任意選択で、少なくとも0.5もしくは少なくとも1、もしくは少なくとも2、または0.5~10、1~8、2~8、2~5、もしくは2~4の範囲内である、
を有する、改質多糖類またはセルロースエーテル、
b.水、を含み、
c.任意選択で、吸水剤、非イオン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、およびポリエチレンイミン(PEI)、の少なくとも1つ、または2つまたは3つ全部を含む。
【0888】
実施形態56A。実施形態1A~55Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、最大0.3%、または最大0.1%の第四級アンモニウム塩を含む。
【0889】
実施形態57A。実施形態56Aの配合物であって、配合物は、第四級アンモニウム塩を実質的に欠いている。
【0890】
実施形態58A。実施形態1A~57Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、最大0.3%、または最大0.1%の熱可塑性ポリマーを含む。
【0891】
実施形態59A。実施形態58Aの配合物であって、配合物は、熱可塑性ポリマーを実質的に欠いている。
【0892】
実施形態60A。実施形態1A~59Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、最大0.3%のポリビニルアルコール(PVA)を含む。
【0893】
実施形態61A。実施形態1A~59Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、最大0.1%のポリビニルアルコール(PVA)を含む。
【0894】
実施形態62A。実施形態1A~59Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、最大0.3%、または最大0.1%のポリビニルアルコール(PVA)を含む。
【0895】
実施形態63A。実施形態60の配合物であって、配合物は、ポリビニルアルコール(PVA)を実質的に欠いている。
【0896】
実施形態64A。実施形態1A~51Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、次:第四級アンモニウム塩、澱粉、または特にワキシー澱粉、熱可塑性ポリマー、およびより具体的には、PVAを、総計で、最大1%、最大0.5%、最大0.3%、もしくは最大0.1%を含むか、またはその全部を実質的に欠いている可能性がある。
【0897】
実施形態65A。実施形態1A~54Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、ヒドロキシプロピル置換を含有していない任意のメチルセルロースを、最大0.3%、最大0.1%含むか、または実質的に欠いている。
【0898】
実施形態66A。実施形態1A~54Aの任意の1つの配合物であって、配合物は、吸湿性可塑剤を、最大0.3%、最大0.1%含むか、または実質的に欠いている。
【0899】
実施形態67A。実施形態1A~54Aの任意の1つの配合物であって、配合物は前記PEIを含む。
【0900】
実施形態68A。実施形態1A~54Aの任意の1つの配合物であって、配合物は前記吸水剤を含む。
【0901】
実施形態69A。実施形態1A~54Aの任意の1つの配合物であって、配合物は前記非イオン界面活性剤を含む。
【0902】
実施形態70A。実施形態1A~54Aの任意の1つの配合物であって、配合物は前記シリコーン界面活性剤を含む。
【0903】
実施形態71A。基材上への間接印刷の方法であって、本方法は、中間転写部材(ITM)を提供すること、実施形態1A~55Aの任意の1つの水性処理配合物または実質的に本明細書で開示されるような水性処理配合物を提供すること、水性処理配合物をITMの画像受容表面に塗布して湿潤処理層を形成すること、湿潤処理層を部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成すること、水性インク液滴を部分的に乾燥された処理層上に噴出させて湿潤インク画像を形成すること、水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成すること、およびITMの前記表面と印刷基材との間の加圧接触により、部分的に乾燥されたインク画像薄膜を印刷基材に転写すること、を含む。
【0904】
実施形態72A。実施形態71Aの間接印刷の方法であって、本方法は、インク画像残留物を前記画像受容表面から除去することをさらに含み、前記インク画像残留物は、前記水性処理配合物からの処理配合物残留物を含む。
【0905】
実施形態73A。実施形態72Aの間接印刷の方法であって、前記処理配合物残留物の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または実質的に全部が、再溶解によって除去される。
【0906】
実施形態74A。実施形態72Aまたは実施形態73Aの間接印刷の方法であって、前記インク画像残留物の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または実質的に全部が、再溶解によって除去される。
【0907】
実施形態75A。実施形態71A~74Aの任意の1つの間接印刷の方法であって、本方法は、いかなる機械的洗浄または機械的残留物除去操作も欠いている。
【0908】
実施形態76A。実施形態71A~75Aの任意の1つの間接印刷の方法であって、前記水性処理配合物は、前記湿潤処理層が前記画像受容表面上の水性ゲル層の形になるように選択される。
【0909】
実施形態77A。実施形態76Aの間接印刷の方法であって、前記画像受容表面上の前記水性ゲル層の温度は、50~100℃、55~100℃、57~100℃、60~100℃、62~100℃、65~100℃、67~100℃、70~100℃、75~100℃、または80~100℃の範囲内である。
【0910】
実施形態78A。実施形態71A~77Aの任意の1つの間接印刷の方法であって、前記水性処理配合物のゲル化温度は、50~100℃、55~100℃、57~100℃、60~100℃、62~100℃、65~100℃、67~100℃、70~100℃、75~100℃、または80~100℃の範囲内である。
【0911】
実施形態79A。実施形態71A~78Aの任意の1つの間接印刷のための方法であって、基材は、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、アルミニウム、およびそれらの組合せから成る群から選択された印刷基材である。
【0912】
実施形態80A。実施形態71A~79Aの任意の1つの間接印刷のための方法であって、湿潤処理層は、最大0.8μm、最大0.5μm、最大0.4μm、最大0.3μm、最大0.2μm、または最大0.15μm、および任意選択で、少なくとも0.05μmまたは少なくとも0.10μm、およびさらに任意選択で、0.05~0.8μm、0.10~0.5μm、または0.10~0.25μmの範囲内の厚さを有する。
【0913】
実施形態81A。間接印刷のためのシステムであって、本システムは、
i.シリコーン系剥離層表面を有する中間転写部材(ITM)、
ii.実施形態1A~55Aの任意の1つの水性処理配合物を含むか、または
実質的に本明細書で開示されるような水性処理配合物を含む、容器、
iii.水性処理配合物をITMのシリコーン系剥離層表面に塗布して、その上に湿潤処理層を形成するための処理ステーション、
iv.水性処理配合物を乾燥させるための任意選択の乾燥ステーション、
v.中間転写部材に近接して配置されて、インク液滴を、中間転写部材上に形成された水性処理配合物上に噴出させるために構成された少なくとも1つのインクジェットノズル、
vi.中間転写部材上に形成された水性処理配合物上のインクを少なくとも部分的に乾燥させてインク画像残留物を生成するように構成されたインク処理ステーション、および
vii.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材に転写するためのインク画像残留物転写機構
を含む。
【0914】
実施形態82A。実施形態81Aのシステムであって、本システムは、インク画像残留物または処理配合物残留物を剥離層表面から機械的に除去するように適合されたいかなる機械的残留物除去機構も欠いている。
【0915】
実施形態83A。実施形態81Aのシステムであって、本システムは、インク画像残留物または処理配合物残留物を剥離層表面から機械的に除去するように適合されたいかなる掻取りブレード機構も欠いている。
【0916】
実施形態84A。実施形態81A~83Aの任意の1つのシステムであって、本システムは、インク画像残留物または処理配合物残留物を剥離層表面から除去するための洗浄ステーションをさらに含む。
【0917】
実施形態1B。印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性配合物であって、水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの界面活性剤、(b)少なくとも1つの保水剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0918】
実施形態2B。印刷システムの中間転写部材と共に使用するための水性配合物であって、水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択で、エマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で、分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、および(b)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0919】
実施形態3B。実施形態1Bまたは2Bの水性配合物であって、前記粒子材料は、エマルジョンまたは分散液の形で提供され、水性配合物中の前記エマルジョンまたは分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%である。
【0920】
実施形態4B。実施形態1B~3Bの任意の1つの水性配合物であって、前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【0921】
実施形態5B。実施形態1B~4Bの任意の1つの水性配合物であって、前記粒子材料は、水性配合物中に均一に分散している。
【0922】
実施形態6B。実施形態1B~5Bの任意の1つの水性配合物であって、前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である。
【0923】
実施形態7B。実施形態6Bの水性配合物であって、前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである。
【0924】
実施形態8B。実施形態7Bの水性配合物であって、前記疎水性粒子材料は、PTFE(すなわち、テフロン)である。
【0925】
実施形態9B。実施形態8Bの水性配合物であって、PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【0926】
実施形態10B。実施形態9Bの水性配合物であって、PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである。
【0927】
実施形態11B。実施形態7B~10Bの任意の1つの水性配合物であって、PTFE粒子材料は約200nmのサイズであり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約4%~約12%の間である。
【0928】
実施形態12B。実施形態7B~11Bの任意の1つの水性配合物であって、PTFE粒子材料は約300nm~約400nmのサイズであり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約8%である。
【0929】
実施形態13B。実施形態11Bまたは実施形態12Bの水性配合物であって、PTFE分散液は次の特性を有する水性分散液である:
i.粘度-約13cP
ii.表面張力-約31.4mN/m
iii.pH-約9.95
iv.固形分-約60%
v.粒子径-約200nm。
【0930】
実施形態14B。実施形態2B~13Bの任意の1つの水性配合物であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である。
【0931】
実施形態15B。実施形態14Bの水性配合物であって、前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【0932】
実施形態16B。実施形態1B~15Bの任意の1つの水性配合物であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【0933】
実施形態17B。実施形態16Bの水性配合物であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1~約500nmのサイズであり、エマルジョンの形で提供され、水性配合物中のそのエマルジョンの濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約1.5%~約5%の間である。
【0934】
実施形態18B。実施形態1B~17Bの任意の1つの水性配合物であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0935】
実施形態19B。実施形態2B~17Bの任意の1つの水性配合物であって、前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料はエマルジョンの形で提供され、任意選択で、前記エマルジョンはカチオン性エマルジョンである。
【0936】
実施形態20B。実施形態19Bの水性配合物であって、前記カチオン性エマルジョンは粒状酸化ポリエチレンワックスのエマルジョンである。
【0937】
実施形態21B。実施形態1Bまたは実施形態20Bの水性配合物であって、粒状酸化ポリエチレンワックスの前記カチオン性エマルジョンは、次の特性を有する:
i.粘度-20℃において約80cP
ii.密度-約1g/cm3
iii.pH-約1%濃度において約9.5
iv.固形分-約25~29%
v.粒子径-約500nm未満。
【0938】
実施形態22B。実施形態2B~21Bの任意の1つの水性配合物であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である。
【0939】
実施形態23B。実施形態22Bの水性配合物であって、前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされた粒状ワックス材料である。
【0940】
実施形態24B。実施形態23Bの水性配合物であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズ(直径または最長軸)であり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約10%である。
【0941】
実施形態25B。実施形態22B~24Bの任意の1つの水性配合物であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0942】
実施形態26B。実施形態1B~25Bの任意の1つの水性配合物であって、前記配合物は凝集体がない。
【0943】
実施形態27B。実施形態1B~26Bの任意の1つの水性配合物であって、少なくとも1つの抗菌剤をさらに含む。
【0944】
実施形態28B。実施形態1B~27Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水性配合物は、次の特性を有する:
i.25℃において20~40mN/mの範囲内の静的表面張力
ii.少なくとも10cPの25℃動粘度、および
iii.重量で、最大7.5:1の60℃蒸発負荷。
【0945】
実施形態29B。実施形態1B~28Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、水溶性セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、および水溶性アクリレートから成る群から選択される。
【0946】
実施形態30B。実施形態1B~29Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水溶性ポリマーの濃度は、2.0~8%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、または2.5~5%の範囲内であり、任意選択で最大10%または最大8%または最大6%または最大5%である。
【0947】
実施形態31B。実施形態1B~30Bの任意の1つの水性配合物であって、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーの、25℃における水への溶解度は、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0948】
実施形態32B。実施形態1B~31Bの任意の1つの水性配合物であって、水性配合物は、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0949】
実施形態33B。実施形態2B~32Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水性配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の前記第1の非イオン界面活性剤を含有する。
【0950】
実施形態34B。実施形態2B~33Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水性配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の前記第1の非イオン界面活性剤を含む。
【0951】
実施形態35B。実施形態2B~34Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水性処理配合物中の前記第1の非イオン界面活性剤の濃度は、重量で、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0952】
実施形態36B。実施形態2B~35Bの任意の1つの水性配合物であって、前記第1の非イオン界面活性剤の25℃における水への前記溶解度は、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0953】
実施形態37B。実施形態2B~36Bの任意の1つの水性配合物であって、前記第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体を含み、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%であり、さらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0954】
実施形態38B。実施形態2B~37Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水性配合物は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、および任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%の前記第2の非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0955】
実施形態39B。実施形態1B~38Bの任意の1つの水性配合物であって、前記湿潤剤はPEIである。
【0956】
実施形態40B。実施形態1B~39Bの任意の1つの水性配合物であって、前記水性配合物中のPEIの濃度は、重量で、0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%である。
【0957】
実施形態41B。実施形態39Bまたは40Bの水性配合物であって、PEIは、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する。
【0958】
実施形態42B。実施形態1B~41Bの任意の1つの水性配合物であって、前記配合物は、重量で、少なくとも55%の水を含有する。
【0959】
実施形態43B。実施形態1B~42Bの任意の1つの水性配合物であって、前記粒子材料は、印刷システムの中間転写部材と共に水性処理配合物を利用することにより生成される印刷製品の少なくとも1つの機械的特性を改善することが可能であり、機械的特性における改善は、実施形態1B~42Bの任意の1つの水性処理配合物と同一であるが、前記粒子材料を欠いている水性処理配合物を利用して生成された印刷製品との比較においてである。
【0960】
実施形態44B。実施形態43Bの水性配合物であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【0961】
実施形態45B。間接印刷の方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.実施形態1B~44Bの任意の1つの水性配合物を提供すること、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成すること、
d.湿潤層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤層から、乾燥薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含む。
【0962】
実施形態46B。間接印刷の方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材(ITM)を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択で、エマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で、分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成すること、
d.湿潤層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤層から、乾燥薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含む。
【0963】
実施形態47B。実施形態45Bまたは46Bの方法であって、前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【0964】
実施形態48B。実施形態47Bの方法であって、前記粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【0965】
実施形態49B。実施形態45B~48Bの任意の1つの方法であって、ITM剥離層表面上の前記乾燥薄膜内で前記粒子材料の直径または最長軸は、ITMと実質的に平行である。
【0966】
実施形態50B。実施形態45B~49Bの任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥薄膜の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【0967】
実施形態51B。実施形態45B~50Bの任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【0968】
実施形態52B。実施形態45B~51Bの任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約50nmである。
【0969】
実施形態53B。実施形態45B~51Bの任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約100nmである。
【0970】
実施形態54B。実施形態45B~51Bの任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約120nmである。
【0971】
実施形態55B。実施形態45B~51Bの任意の1つの方法であって、水性インク液滴が付着される乾燥処理薄膜の厚さは、最大約150nmである。
【0972】
実施形態56B。実施形態45B~55Bの任意の1つの方法であって、乾燥処理薄膜は、ITMの剥離表面の矩形全体を覆って連続しており、前記矩形は少なくとも10cmの幅および少なくとも10メートルの長さを有する。
【0973】
実施形態57B。実施形態56Bの方法であって、矩形の領域の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%に対する乾燥処理薄膜、その乾燥処理薄膜の厚さは、矩形内の平均厚さ値から50%を超えて、または40%を超えて、または30%を超えて逸脱しない。
【0974】
実施形態58B。実施形態45B~57Bの任意の1つの方法であって、インク画像残留物は、乾燥処理薄膜の非印刷領域と共に印刷基材上に転写される。
【0975】
実施形態59B。実施形態45B~58Bの任意の1つの方法であって、インク画像残留物の転写中に、乾燥処理薄膜がITMから完全に分離して、乾燥されたインク画像と共に、印刷領域および非印刷領域の両方において、印刷基材に転写されるように、乾燥処理薄膜は十分な粘着性がある。
【0976】
実施形態60B。実施形態45B~59Bの任意の1つの方法であって、前記粒子材料は、エマルジョンまたは分散液の形で提供され、水性配合物中の前記エマルジョンまたは分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%である。
【0977】
実施形態61B。実施形態45B~60Bの任意の1つの方法であって、前記粒子材料は、水性配合物中に均一に分散している。
【0978】
実施形態62B。実施形態45B~61Bの任意の1つの方法であって、前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である。
【0979】
実施形態63B。実施形態62Bの方法であって、前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである。
【0980】
実施形態64B。実施形態63Bの方法であって、前記疎水性粒子材料は、PTFE(すなわち、テフロン)である。
【0981】
実施形態65B。実施形態64Bの方法であって、PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【0982】
実施形態66B。実施形態65Bの方法であって、PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである。
【0983】
実施形態67B。実施形態63B~66Bの任意の1つの方法であって、PTFE粒子材料は約200nmのサイズであり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約4%~約12%の間である。
【0984】
実施形態68B。実施形態63B~67Bの任意の1つの方法であって、PTFE粒子材料は約300nm~約400nmのサイズであり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約8%である。
【0985】
実施形態69B。実施形態67Bの方法であって、PTFE分散液は次の特性を有する水性分散液である:
i. 粘度-約13cP
ii. 表面張力-約31.4mN/m
iii.pH-約9.95
iv. 固形分-約60%
v. 粒子径-約200nm。
【0986】
実施形態70B。実施形態45B~69Bの任意の1つの方法であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である。
【0987】
実施形態71B。実施形態70Bの方法であって、前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【0988】
実施形態72B。実施形態71Bの方法であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズ(例えば、直径または最長軸)である。
【0989】
実施形態73B。実施形態72Bの方法であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1~約500nmのサイズであり、エマルジョンの形で提供され、水性配合物中のそのエマルジョンの濃度は、配合物の総重量に対する重量で、約1.5%~約5%の間である。
【0990】
実施形態74B。実施形態71B~73Bの任意の1つの方法であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【0991】
実施形態75B。実施形態45B~74Bの任意の1つの方法であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料はエマルジョンの形で提供され、前記エマルジョンはカチオン性エマルジョンである。
【0992】
実施形態76B。実施形態75Bの方法であって、前記カチオン性エマルジョンは粒状酸化ポリエチレンワックスのエマルジョンである。
【0993】
実施形態77B。実施形態76Bの方法であって、粒状酸化ポリエチレンワックスの前記カチオン性エマルジョンは、次の特性を有する:
i. 粘度-20℃において約80cP
ii. 密度-約1g/cm3
iii.pH-約1%濃度において約9.5
iv. 固形分-約25~29%
v. 粒子径-約500nm未満。
【0994】
実施形態78B。実施形態45B~77Bの任意の1つの方法であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である。
【0995】
実施形態79B。実施形態78Bの方法であって、前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされたワックス粒子材料である。
【0996】
実施形態80B。実施形態79Bの方法であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズ(直径または最長軸)であり、分散液の形で提供され、水性配合物中のその分散液の濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約10%である。
【0997】
実施形態81B。実施形態78B~80Bの任意の1つの方法であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度値を有する。
【0998】
実施形態82B。実施形態45B~81Bの任意の1つの方法であって、前記配合物は凝集体がない。
【0999】
実施形態83B。実施形態45B~82Bの任意の1つの方法であって、前記水性配合物は、少なくとも1つの抗菌剤をさらに含む。
【1000】
実施形態84B。実施形態45B~83Bの任意の1つの方法であって、前記水性配合物は、次の特性を有する:
i.25℃において20~40mN/mの範囲内の静的表面張力、
ii.少なくとも10cPの25℃動粘度、および
iii.重量で、最大7.5:1の60℃蒸発負荷。
【1001】
実施形態85B。実施形態45B~84Bの任意の1つの方法であって、前記水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、水溶性セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、および水溶性アクリレートから成る群から選択される。
【1002】
実施形態86B。実施形態45B~85Bの任意の1つの方法であって、前記水溶性ポリマーの濃度は、2.0~8%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、または2.5~5%の範囲内である。
【1003】
実施形態87B。実施形態45B~86Bの任意の1つの方法であって、前記少なくとも1つの水溶性ポリマーの、25℃における水への溶解度は、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【1004】
実施形態88B。実施形態45B~87Bの任意の1つの方法であって、水性配合物は、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【1005】
実施形態89B。実施形態45B~88Bの任意の1つの方法であって、前記湿潤剤はPEIである。
【1006】
実施形態90B。実施形態89Bの方法であって、前記水性配合物中のPEIの濃度は、重量で、0.1~1%、0.1~0.8%、0.1~0.7%、0.1~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%である。
【1007】
実施形態91B。実施形態89Bまたは90Bの方法であって、PEIは、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する。
【1008】
実施形態92B。実施形態45B~91Bの任意の1つの方法であって、前記配合物は、重量で、少なくとも55%の水を含有する。
【1009】
実施形態93B。実施形態45B~92Bの任意の1つの方法であって、前記粒子材料は、生成された印刷製品の少なくとも1つの機械的特性を改善することが可能であり、機械的特性における改善は、実施形態1B~42Bの任意の1つの水性配合物と同一であるが、前記粒子材料を欠いている水性処理配合物を利用して生成された印刷製品との比較においてである。
【1010】
実施形態94B。実施形態93Bの方法であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【1011】
実施形態95B。実施形態45B~94Bの任意の1つの方法であって、前記ITMは疎水性ITMである。
【1012】
実施形態96B。実施形態45B~94Bの任意の1つの方法であって、前記ITMは、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【1013】
実施形態97B。実施形態45B~96Bの任意の1つの方法であって、前記方法は、改善された1つ以上の機械的特性を印刷製品に提供し、1つ以上の機械的特性における改善は、前記方法であるが、前記粒子材料を欠いている方法を利用して生成された印刷製品との比較においてである。
【1014】
実施形態98B。実施形態97Bの方法であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【1015】
実施形態99B。印刷のためのシステムであって、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.実施形態1B~44Bの任意の1つに従った水性配合物、
c.水性配合物をITM表面に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤層が乾燥して乾燥薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に転写するための転写ステーション
を含む。
【1016】
実施形態100B。印刷システムであって、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、処理ステーションは以下を含むこと、
e.実施形態1B~44Bの任意の1つに従った水性配合物でITMをコーティングするための塗布装置、および
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は最大約1.0μmの厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【1017】
実施形態101B。印刷のためのシステムであって、本システムは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択で、エマルジョンおよび/もしくは分散液の形で(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で、分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含む、水性配合物、
c.水性配合物をITM表面に塗布して、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤層を形成するための処理ステーション、
d.水性インクの液滴が乾燥薄膜に塗布されるように、湿潤層が乾燥して乾燥薄膜になった後に水性インクの液滴をITM表面上に付着させることによりITM上にインク画像を形成するための画像形成ステーションであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、ならびに
e.インク画像をITMから基材に転写するための転写ステーション
を含む。
【1018】
実施形態102B。印刷システムであって、
a.複数のガイドローラーの上に取り付けられた可撓性エンドレスベルトを含む中間転写部材、
b.ITMの表面上にインク画像を形成するように構成された画像形成ステーションであって、第1および第2のガイドローラーが、画像形成ステーションの上流および下流に配置されて、画像形成ステーションを通る上部ラン、および下部ランを画定すること、
c.ITMの下部ランが通る刷ステーションであって、画像形成ステーションの下流に配置されて、インク画像をITM表面から基材に転写するように構成された、刷ステーション、ならびに
d.刷ステーションの下流であって画像形成ステーションの上流に配置されて、液体配合物の均一な薄層をその下部ランにおいてITM表面上に形成するための、処理ステーションであって、以下を含むこと、
e.水性配合物でITMをコーティングするための塗布装置であって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択で、エマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で、分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、ならびに
f.配合物の所望の均一な湿潤薄層だけを残すために余分な液体を除去するためのコーティング厚調整組立体であって、前記層は、最大約1.0μmの厚さを有し、コーティング厚調整組立体は下部ランにおいてITM表面に面している丸みを帯びた先端を含むこと、
を含む。
【1019】
実施形態103B。実施形態99B~102Bの任意の1つのシステムであって、前記ITMは疎水性ITMである。
【1020】
実施形態104B 実施形態99B~102Bの任意の1つのシステムであって、前記ITMは、次の特性の少なくとも1つを満足するほど十分に親水性であるシリコーン系剥離層表面を含む:
(i)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の後退接触角が最大60°であること、および
(ii)シリコーン系剥離層表面上に付着した蒸留水滴の10秒動的接触角(DCA)が最大108°であること。
【1021】
実施形態105B (基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.実施形態1B~42Bの任意の1つに従った水性配合物を提供すること、
c.水性配合物をITM剥離層表面上に塗布し、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
d.(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有すること、
e.水性インクの液滴を乾燥(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
f.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
g.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、前記水性配合物であるが、前記粒子材料を含有していない、前記水性配合物を用いて生成されたインク画像と比較して改善された、少なくとも1つの機械的特性を有する。
【1022】
実施形態106B (基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/もしくはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/もしくはエマルジョン、の1つ以上を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は、少なくとも約20nmおよび最大200nmの厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を乾燥(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記エマルジョンまたは分散液を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【1023】
実施形態107B (基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料、(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、(iv)またはそれらの任意の組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は少なくとも約20nmおよび最大200nmの厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を乾燥(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記粒子材料を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【1024】
実施形態108B (基材上の)印刷されたインク画像の少なくとも1つの機械的特性を改善するための方法であって、
a.剥離層表面を含む中間転写部材を提供すること、
b.水性配合物を提供することであって、本水性配合物は、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する、第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの保水剤、および(ii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含むこと、
c.(b)の水性配合物に、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料を添加すること、
d.(c)で生成された配合物をITM剥離層表面上に塗布して、その上に最大約1.0μmの厚さを有する湿潤(処理)層を形成すること、
e.(d)の湿潤(処理)層を乾燥プロセスに通して、ITM剥離層表面上に、湿潤(処理)層から、乾燥(処理)薄膜層を形成することであって、前記乾燥薄膜層は少なくとも約20nmおよび最大200nmの厚さを有すること、
f.水性インクの液滴を乾燥(処理)薄膜上に付着させてITM剥離層表面の剥離層表面上にインク画像を形成すること、
g.インク画像を乾燥させてインク画像残留物をITM剥離層表面上に残すこと、ならびに
h.ITMと印刷基材との間の加圧接触により、インク画像残留物を印刷基材上に転写すること
を含み、それにより、印刷されたインク画像を基材上に生成し、前記印刷されたインク画像は、(c)の前記粒子材料を(b)の水性配合物に添加することなく生成されたインク画像と比較して改善された少なくとも1つの機械的特性を有する。
【1025】
実施形態109B 実施形態105B~108Bの任意の1つの方法であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【1026】
実施形態110B 実施形態105B~109Bの任意の1つの方法であって、前記粒子材料は、エマルジョンまたは分散液の形で提供され、前記エマルジョンまたは分散液の水性配合物への添加後、前記配合物中の前記エマルジョンまたは分散液の最終濃度は、配合物の総重量に対する重量で、少なくとも約0.5%および最大約15%であり、前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【1027】
実施形態111B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、および
b.実施形態1B~44Bの任意の1つに従った水性処理配合物
を含む。
【1028】
実施形態112B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iv)少なくとも1つの界面活性剤、(v)少なくとも1つの保水剤、および(vi)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性配合物
を含む。
【1029】
実施形態113B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性処理配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性処理配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの酸化ポリエチレンワックス粒子材料のカチオン性エマルジョン、(ii)少なくとも1つのコーティングワックス粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(iii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、の1つ以上
を含む。
【1030】
実施形態114B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(iii)少なくとも1つの保水剤、および(iv)少なくとも1つの湿潤剤の1つ以上、
を含む水性配合物
を含む。
【1031】
実施形態115B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
重量で、少なくとも1.5%の、25℃において少なくとも5%の水への溶解度を有する少なくとも1つの水溶性ポリマー、
重量で、少なくとも5%の、25℃において少なくとも7%の水への溶解度を有する第1の非イオン界面活性剤、
25℃において、少なくとも1%の水への溶解度を有する、第2の非イオン、シリコーン含有界面活性剤、
水を含有する担体液体であって、前記水は、水性配合物の重量で、少なくとも約55%を構成すること、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの保水剤、および(ii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上、
を含む水性配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
を含む。
【1032】
実施形態116B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(iii)少なくとも1つの吸水剤、(iv)少なくとも1つの保水剤、および(v)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上を含む、水性処理配合物、
を含む。
【1033】
実施形態117B 間接印刷システムで印刷するためのキットであって、本キットは、
a.剥離層表面を含む中間転写部材、
b.水性配合物であって、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(i)少なくとも1つの界面活性剤、(ii)少なくとも1つの保水剤、および(iii)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む、水性処理配合物、ならびに
c.(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョン、ならびに(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料の分散液および/またはエマルジョンの1つ以上、
を含む。
【1034】
実施形態118B 印刷製品であって、
(i)基材、
(ii)前記基材の表面の少なくとも一領域にしっかりと付着された1つ以上のインクドット
を含み、
前記1つ以上のインクドットおよび前記基材の前記表面の前記少なくとも1つの領域は、少なくとも約20nmおよび最大約200nmの厚さを有する実質的乾燥薄膜層で覆われており、前記実質的乾燥薄膜層は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、および(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、の1つ以上を含む。
【1035】
実施形態119B 実施形態118Bの印刷製品であって、前記基材は、未コーティング繊維印刷基材、商品コーティング済み繊維印刷基材、およびプラスチック印刷基材から成る群から選択される。
【1036】
実施形態120B 実施形態118Bの印刷製品であって、前記基材は紙であり、任意選択で、ボンド紙、未コーティングオフセット紙、コーティングオフセット紙、コピー用紙、更紙、コーティング更紙、フリーシート紙、コーティングフリーシート紙、およびレーザープリンター用紙から成る紙群から選択される。
【1037】
実施形態121B 実施形態118B~120Bの任意の1つの印刷製品であって、前記粒子材料は、約1nm~約500nmの間の粒子径(直径または最長軸)を有する。
【1038】
実施形態122B 実施形態118B~121Bの任意の1つの印刷製品であって、前記粒子材料は、実質的に2次元円盤形状(すなわち、直径が粒子材料の最長アクセスを構成する)を有する。
【1039】
実施形態123B 実施形態118B~122Bの任意の1つの印刷製品であって、前記粒子材料の直径または最長軸は、基材の前記表面と実質的に平行である。
【1040】
実施形態124B 実施形態118B~123Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜層の厚さは、最大200nm、最大120nm、最大100nm、最大80nm、最大70nm、最大60nm、最大50nm、最大45nm、または最大40nmである。
【1041】
実施形態125B 実施形態118B~124Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜層の厚さは、少なくとも15nmまたは少なくとも20nmまたは少なくとも25nmまたは少なくとも30nmである。
【1042】
実施形態126B 実施形態118B~125Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約50nmである。
【1043】
実施形態127B 実施形態118B~125Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約100nmである。
【1044】
実施形態128B 実施形態118B~125Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約120nmである。
【1045】
実施形態129B 実施形態118B~125Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜の厚さは、最大約150nmである。
【1046】
実施形態130B 実施形態118B~129Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜は、前記基材の前記表面全体を覆って連続している(例えば、インクドットの有無にかかわらず領域を覆っている)。
【1047】
実施形態131B 実施形態118B~130Bの任意の1つの印刷製品であって、前記乾燥薄膜層は、前記表面の少なくとも50%または少なくとも75%または少なくとも90%または少なくとも95%少なくとも95%または少なくとも99%または100%を覆っている。
【1048】
実施形態132B 実施形態118B~131Bの任意の1つの印刷製品であって、前記熱硬化性ポリマー粒子材料は疎水性粒子材料である。
【1049】
実施形態133B 実施形態132Bの印刷製品であって、前記疎水性粒子材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)から選択されたポリマーである。
【1050】
実施形態134B 実施形態132Bの印刷製品であって、前記疎水性粒子材料は、PTFE(すなわち、テフロン)である。
【1051】
実施形態135B 実施形態134Bの印刷製品であって、PTFE粒子材料は約1~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【1052】
実施形態136B 実施形態135Bの印刷製品であって、PTFE粒子材料は約50nm~約200nmの間のサイズである。
【1053】
実施形態137B 実施形態118B~136Bの任意の1つの印刷製品であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料はワックス粒子材料である。
【1054】
実施形態138B 実施形態137Bの印刷製品であって、前記ワックス粒子材料は酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【1055】
実施形態139B 実施形態138Bの印刷製品であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約1nm~約500nmの間のサイズ(直径または最長軸)である。
【1056】
実施形態140B 実施形態138Bまたは139Bの印刷製品であって、前記粒状酸化ポリエチレンワックスは、約130℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【1057】
実施形態141B 実施形態118B~140Bの任意の1つの印刷製品であって、前記熱可塑性ポリマー粒子材料は、コーティングワックス粒子材料である。
【1058】
実施形態142B 実施形態141Bの印刷製品であって、前記コーティングワックス粒子材料は二酸化ケイ素でコーティングされたワックス粒子材料である。
【1059】
実施形態143B 実施形態142Bの印刷製品であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約100nmのサイズ(直径または最長軸)である。
【1060】
実施形態144B 実施形態141B~143Bの任意の1つの印刷製品であって、前記コーティングワックス粒子材料は、約125℃のガラス転移温度(Tg)値を有する。
【1061】
実施形態145B 実施形態118B~144Bの任意の1つの印刷製品であって、前記薄膜層は、任意選択で(i)少なくとも1つの水溶性ポリマー、(ii)少なくとも1つの界面活性剤、(iii)少なくとも1つの保水剤、(iv)少なくとも1つの湿潤剤、および(v)少なくとも1つの抗菌剤、の1つ以上をさらに含む。
【1062】
実施形態146B 実施形態118B~145Bの任意の1つの印刷製品であって、前記製品は、前記粒子材料を欠いている印刷製品と比較して、改善された1つ以上の機械的特性を有する。
【1063】
実施形態147B 実施形態146Bの印刷製品であって、前記改善された機械的特性は、前記基材上のインクを含む領域において示される。
【1064】
実施形態148B 実施形態146Bまたは147Bの印刷製品であって、前記改善された機械的特性は、前記実質的乾燥薄膜層でコーティングされていて、インクのない(インク無し)前記基材の表面の領域において示される。
【1065】
実施形態149B 実施形態146B~148Bの任意の1つの印刷製品であって、前記機械的特性は、耐摩擦性、摩擦係数、耐引掻性および表面粘着性の1つ以上から選択される。
【1066】
実施形態150B 実施形態149Bの印刷製品であって、前記機械的特性は耐摩擦性である。
【1067】
実施形態151B 実施形態149Bの印刷製品であって、前記機械的特性は摩擦係数である。
【1068】
実施形態152B 実施形態118B~151Bの任意の1つの印刷製品であって、粒子材料が前記乾燥薄膜層に、前記層の表面から実質的に突き出ることなく、埋め込まれていて、前記表面は、基材の表面の遠位側にある表面である。
【1069】
実施形態153B 実施形態118B~152Bの任意の1つの印刷製品であって、前記1つ以上のインクドットは、連続したインク薄膜を前記基材上に形成する。
【1070】
実施形態154B 実施形態118B~153Bの任意の1つの印刷製品であって、実施形態45B~98Bの任意の1つの方法に従って製造される。
【国際調査報告】