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特表2022-515946並列フォレンジックマーキング装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】並列フォレンジックマーキング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/467 20140101AFI20220216BHJP
   H04N 19/91 20140101ALI20220216BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20220216BHJP
   H04N 19/436 20140101ALI20220216BHJP
【FI】
H04N19/467
H04N19/91
H04N19/70
H04N19/436
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020573541
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2020-12-28
(86)【国際出願番号】 KR2020016997
(87)【国際公開番号】W WO2021107651
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0155718
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521001504
【氏名又は名称】ウキョン インフォメーション テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ユンハ
(72)【発明者】
【氏名】キム、デス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェヒョン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159KK13
5C159KK43
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA21
5C159MC11
5C159ME01
5C159NN01
5C159TB06
5C159UA05
(57)【要約】
並列フォレンジックマーキング装置が提供される。前記並列フォレンジックマーキング装置は、設定方式で圧縮されたコンテンツの一つのフレームを複数の領域に分割する分割部と、分割された各領域を割り当ててもらって、エントロピーデコーディングする複数のデコーディング部と、複数の前記デコーディング部に入出力される各領域を同期化させて、前記フレームを完成させる同期化部とを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定方式で圧縮されたコンテンツの一つのフレームを複数の領域に分割する分割部と、
分割された各領域を割り当ててもらって、エントロピーデコーディングする複数のデコーディング部と、
複数の前記デコーディング部に入出力される各領域を同期化させて、前記フレームを完成させる同期化部と、
を含むフォレンジックマーキング装置。
【請求項2】
前記設定方式で圧縮されたコンテンツは、RAWコンテンツがCTU(Coding Tree Unit)サイズとタイル(tile)サイズをパラメータにして、タイル方式でエンコーディングされたものであり、
前記分割部は、前記タイル方式によって前記フレームを複数の領域に分割し、
複数のデコーディング部は、分割された領域をそれぞれ独立的にエントロピーデコーディングする、請求項1に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項3】
前記設定方式は、HEVC(High Efficiency Video Codec)であり、
各領域に含まれたCU(Coding Unit)の違いにより、各領域をエントロピーデコーディングする各デコーディング部の処理速度が異なり、
それぞれ異なる時点で、前記デコーディング部から出力される各領域を保存する保存部が設けられ、
前記同期化部は、前記保存部に保存された各領域を一つに集めて前記フレームを完成させる、請求項1に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項4】
各領域には、それぞれ異なるタイル番号が付与され、
前記同期化部は、前記タイル番号を用いて複数に分割され、エントロピーデコーディングされた各領域をマッチングさせて一つの前記フレームを組み立てる、請求項1に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項5】
特定のフレームの各領域は、それぞれ異なる時点で各デコーディング部から出力され、
前記特定のフレームの領域に対するエントロピーデコーディングが、別のデコーディング部で実行されている状態で、特定のデコーディング部がアイドル状態になると、同期化部は、次のフレームの一部の領域を前記特定のデコーディング部に入力する、請求項1に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項6】
事前デコーディング過程を通じて、シンタックス構造(syntax structure)を把握するパーシングユニットが設けられ、
前記同期化部は、前記シンタックス構造を用いて、複数の前記領域を同期化させる、請求項1に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項7】
前記パーシングユニットは、前記事前デコーディングを、マルチメディアデータ処理とシンタックス関連処理とに区分し、
前記パーシングユニットは、前記マルチメディアデータ処理は排除し、前記シンタックス関連処理のみを実行して、前記シンタックス構造の把握に必要なシンタックスエレメント(syntax element)を獲得する、請求項6に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項8】
前記コンテンツにフォレンジックマークを挿入するマーキングユニットが設けられ、
前記デコーディング部から出力されるコードの形式は、前記マーキングユニットで要求する第1入出力形式とは異なり、
前記シンタックス構造を用いて前記デコーディング部の出力コードを前記第1入出力形式に変換し、前記第1入出力形式に変換された前記出力コードを前記マーキングユニットに提供する変換ユニットが設けられた、請求項6に記載のフォレンジックマーキング装置。
【請求項9】
前記分割部及び前記同期化部は、コンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)に形成され、
前記デコーディング部は、前記コンピュータ装置のGPU(Graphics Processing Unit、グラフィック処理装置)に形成された、請求項1に記載のフォレンジックマーキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮されたコンテンツにフォレンジックマークを挿入するフォレンジックマーキング装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フォレンジックマーキング技術は、マルチメディアコンテンツ(multimedia contents)に販売者、著作権者、又は購買者の情報を挿入する技術であって、コンテンツの不法流通の際に、挿入された情報(フォレンジックマーク)を抽出して、流出者を特定することができる技術である。
【0003】
例えば、オンラインサービス提供者(online service provider:OSP)がコンテンツを提供する際に、購買者情報をフォレンジックマーキング技術で挿入することになると、今後該当コンテンツの不法流出問題が生じた場合、流出されたコンテンツからフォレンジックマークを確認して、最初の流出者に責任を問うことができる。
【0004】
マルチメディアコンテンツにフォレンジックマークを挿入する過程は、該当コンテンツを復号化した上でフォレンジックマークを挿入し、再び符号化する段階を経らなければならないため、かなりの演算量と時間が必要となる。
【0005】
即ち、デジタルオーディオ音源やビデオなどのコンテンツに対して、リアルタイム・ダウンロード及びストリーミングサービスを提供するサーバーにおいて、同時に多数のサービス要求がある場合、上記のように多くの演算量と時間を必要とするコンテンツ別のフォレンジックマーキング処理は、サーバーに大きな負荷をかけるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、圧縮されたコンテンツファイルにフォレンジックマークをリアルタイムで挿入することができるフォレンジックマーキング装置及び方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフォレンジックマーキング装置は、設定方式で圧縮されたコンテンツをデコーディングする第1ユニットと、前記第1ユニットによってデコーディングされたコンテンツにフォレンジックマークを挿入するマーキングユニットと、前記フォレンジックマークが挿入されたコンテンツをエンコーディングする第2ユニットと、前記第1ユニットと前記マーキングユニットとの間の第1入出力形式を同期化させたり、前記第2ユニットと前記マーキングユニットとの間の第2入出力形式を同期化させる変換ユニットとを含むことができる。
【0008】
本発明のフォレンジックマーキング装置は、設定方式で圧縮されたコンテンツの一つのフレームを複数の領域に分割する分割部と、分割された各領域を割り当ててもらって、エントロピーデコーディングする複数のデコーディング部と、複数の前記デコーディング部に入出力される各領域を同期化させて、前記フレームを完成させる同期化部とを含むことができる。
【0009】
本発明のフォレンジックマーキング方法は、設定方式で圧縮されたコンテンツに対する事前デコーディングを通じて、エントロピーデコーディングとフォレンジックマークの挿入動作との間の第1入出力形式、及び前記挿入動作とエントロピーエンコーディングとの間の第2入出力形式を把握するパーシングステップと、前記コンテンツをエントロピーデコーディングし、エントロピーデコーディングされたコンテンツを前記第1入出力形式に合わせて変換するデコーディングステップと、前記第1入出力形式に変換されたコンテンツを入力してもらい、フォレンジックマークを挿入するマーキングステップと、前記フォレンジックマークが挿入されたコンテンツを、前記エントロピーエンコーディングで要求する第2入出力形式に変換し、前記第2入出力形式に変換されたコンテンツをエントロピーエンコーディングするエンコーディングステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフォレンジックマーキング装置及び方法によると、圧縮されたコンテンツをエントロピーデコーディングする部材とフォレンジックマーキング部材との間で実行される各種処理過程を省略することができる。又は、本発明のフォレンジックマーキング装置及び方法によると、フォレンジックマーキングされたコンテンツを、エントロピーエンコーディングする部材とフォレンジックマーキング部材との間で実行される各種処理過程を省略することができる。
【0011】
該当処理過程は、量子化、変換、動き推定、イントラ/インター予測などで、多くの処理時間を必要とする。本発明によると、該当処理過程の少なくとも一部が排除されるため、フォレンジックマークの挿入にかかる全体の時間を大幅に削減することができる。
【0012】
各種処理過程の排除により、エントロピーデコーディングされたコンテンツのコードをすぐにフォレンジックマーキング部材に提供することができる。このとき、エントロピーデコーディングされたコンテンツのコードは、形式の違いにより、フォレンジックマーキング部材に入力されにくい。コード形式を同期化させるために、変換ユニット、マーキングユニットが設けられてもよい。
【0013】
変換ユニットは、エントロピーデコーディングされたコンテンツのコード形式を、フォレンジックマーキング部材に入力され得る第1入出力形式に変換することができる。このとき、変換ユニットは、リファレンスに基づいてコード形式を変換するようになり、該当リファレンスは、マーキングユニットによって提供されてもよい。
【0014】
マーキングユニットは、エントロピーデコーディング部材とフォレンジックマーキング部材との間で実行されるべき各種処理過程のごく一部のみを実行することができる。例えば、各種処理過程には、マルチメディアデータを処理するプロセスとシンタックス構造に関連するプロセスが含まれてもよい。このとき、マーキングユニットは、シンタックス構造に関連するプロセスのみを実行してシンタックス構造を形成するシンタックスエレメントを獲得することができる。
【0015】
マーキングユニットは、シンタックスエレメントを用いてシンタックス構造を完成させた後、コード形式変換のリファレンスに該当するシンタックス構造を変換ユニットに提供することができる。
【0016】
一方、本発明は、複数のGPUを用いて、エントロピーデコーディングとエントロピーエンコーディングを並列処理することができる。例えば、本発明は、フレームをタイル方式に分割し、分割された複数のタイルを複数のGPUを用いて並列処理することができる。並列処理により、エントロピーデコーディングとエントロピーエンコーディングを含むコーデック処理時間を大幅に削減することができる。
【0017】
一つのフレームが複数の領域に分割されて並列処理されるとき、分割された各領域を正しい順序で再び一つに結合したり、他のフレームと混ざらないようにする必要がある。本発明は、同期化部を用いて、コーデック処理過程の前後に複数に分割された領域を、正常に一つのフレームに復元することができる。このとき、同期化部は、パーシングユニットによって把握されたシンタックス構造を用いて、フレームと領域との間の同期化を実行することができる。
【0018】
同期化部により、元フレームと分割領域との間の変換が正常に行われることができるので、複数のGPUを使用して、様々なコーデック処理が可能である。
【0019】
本発明のフォレンジックコーディング装置及び方法は、HEVC方式で圧縮された大容量のコンテンツに対するリアルタイムでのフォレンジックマーキングが可能である。また、本発明は、HEVC方式の他にも、単一のコーデックを使用する様々な圧縮方式、圧縮アルゴリズムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明のフォレンジックマーキングシステムを示す概略図である。
図2】本発明のフォレンジックマーキング装置を示すブロック図である。
図3】パーシングユニットの動作を示す概略図である。
図4】本発明のフォレンジックマーキング装置の動作を示す概略図である。
図5】本発明のフォレンジックマーキング方法を示すフロー図である。
図6】本発明の並列フォレンジックマーキング装置によって複数の領域に分割されたフレームを示す概略図である。
図7】本発明の並列フォレンジックマーキング装置を示す概略図である。
図8】本発明の実施例に係る、コンピューティング装置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、添付した図面を参考にして、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、種々の異なる形態で具現することが可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体において類似した部分については類似した図面の符号を付した。
【0022】
本明細書において、同一の構成要素については重複した説明を省略する。
【0023】
また、本明細書において、ある構成要素が別の構成要素に「連結されて」いるか、或いは「接続されて」いると言及された際には、その別の構成要素に直接連結されているか、又は接続されていることもあるが、その間に別の構成要素が存在することもあると理解するべきである。一方、本明細書において、ある構成要素が別の構成要素に「直接連結されて」いるか、或いは「直接接続されて」いると言及された際には、その間に別の構成要素が存在しないことと理解するべきである。
【0024】
また、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されるものであって、本発明を限定する意図で使用されるものではない。
【0025】
また、本明細書において、単数の表現は、文脈上明白に異なる意味を持たない限り、複数の表現を含むことができる。
【0026】
また、本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性を予め排除しないことと理解するべきである。
【0027】
また、本明細書において、「及び/又は」という用語は、複数の記載された項目の組み合わせ又は複数の記載された項目のうちいずれかの項目を含む。本明細書において、「A又はB」は、「A」、「B」、又は「AとB両方」を含むことができる。
【0028】
また、本明細書において、本発明の要旨を不明確にする虞のある公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略する。
【0029】
図1は、本発明のフォレンジックマーキングシステムを示す概略図である。
【0030】
図1に示されたフォレンジックマーキングシステムは、コンテンツサーバー(50)、フォレンジックマーキングサーバー(100)、端末(90)、フォレンジックサーバー(70)を含むことができる。
【0031】
コンテンツサーバー(50)は、映像、音響などのマルチメディアコンテンツを設定方式で圧縮して保存することができる。
【0032】
端末(90)は、コンテンツサーバー(50)に要求して、設定方式で圧縮されたコンテンツを有無線で提供してもらうことができる。端末(90)には、フォレンジックマーク関連の処理時にフォレンジックサーバー(70)と通信する通信モジュール(200)が設けられてもよい。
【0033】
フォレンジックマーキングサーバー(100)は、端末(90)によってコンテンツが要求されれば、端末(90)に提供されるコンテンツにフォレンジックマークを挿入することができる。
【0034】
フォレンジックサーバー(70)は、端末(90)からユーザー情報を獲得し、ユーザー情報が含まれたフォレンジックマークを生成することができる。フォレンジックサーバー(70)は、フォレンジックマークをフォレンジックマーキングサーバー(100)に提供することができる。
【0035】
フォレンジックマーキングサーバー(100)は、フォレンジックサーバー(70)から提供されたフォレンジックマークをコンテンツに挿入するために、コンテンツサーバー(50)に保存されていた圧縮コンテンツを圧縮解除することができる。フォレンジックマーキングサーバー(100)は、圧縮解除されたコンテンツにフォレンジックマークを挿入した後、再び該当コンテンツを圧縮した後、端末(90)に向けてビットストリームなどの形で転送することができる。
【0036】
コンテンツにフォレンジックマークを挿入するマーキング過程のために、既圧縮されたコンテンツの圧縮を解除して再圧縮する過程により、フォレンジックサーバー(70)には大きな負荷がかかる虞がある。負荷が大きいため、4k解像度、8k解像度などの大容量コンテンツをターゲットにする高圧縮方式では、フォレンジックマークの挿入が現実的に困難な場合がある。
【0037】
図2は、本発明のフォレンジックマーキング装置を示すブロック図である。図2に示されたフォレンジックマーキング装置は、図1のフォレンジックマーキングサーバー(100)に該当し得る。
【0038】
フォレンジックマーキング装置は、第1ユニット(110)、マーキングユニット(130)、第2ユニット(120)、変換ユニット(150)を含むことができる。
【0039】
第1ユニット(110)は、設定方式で圧縮されたコンテンツをデコーディングすることができる。コンテンツのデコーディングは、エントロピーデコーディングを単独で含むか、或いはエントロピーデコーディングに加えて、逆量子化などの第1処理過程を含むことができる。
【0040】
コンテンツは、MPEG、HEVC(High Efficiency Video Codec,H.265)、VP9など、様々な方式で圧縮されたり、圧縮解除され得る。第1ユニット(110)で実行されるデコーディングによって、設定方式で圧縮されたコンテンツの圧縮が解除され得る。
【0041】
マーキングユニット(130)は、第1ユニット(110)によってデコーディングされたコンテンツに、フォレンジックマーク(Forensic mark)を挿入することができる。フォレンジックマークは、コンテンツの販売者、著作権者、購買者の情報を含むことができる。
【0042】
端末(90)で要求するコンテンツは、設定方式で圧縮された圧縮版であってもよい。フォレンジックマークの挿入のために、該当圧縮版は、第1ユニット(110)によって圧縮解除された状態であってもよい。
【0043】
第2ユニット(120)は、フォレンジックマークが挿入されたコンテンツをエンコーディングすることができる。コンテンツのエンコーディングは、エントロピーエンコーディング過程を単独で含み、エントロピーエンコーディングに加えて、量子化などの第2処理過程を含むことができる。
【0044】
第2ユニット(120)のエンコーディング作業によって圧縮が解除され、フォレンジックマークが挿入された状態のコンテンツは、端末(90)で要求する本来の圧縮版形式に変えることができる。第1ユニット(110)がフォレンジックマーキング装置の入力段になり、第2ユニット(120)がフォレンジックマーキング装置の出力段になれば、外形的にはコンテンツの圧縮版が入力されてから出力されるような形に見える。勿論、フォレンジックマーキング装置から出力された圧縮版には、既存の圧縮版とは違ってフォレンジックマークが挿入された状態であってもよい。以下では、設定方式で圧縮された状態で、第1ユニット(110)に入力されるコンテンツを第1圧縮版と定義する。そして、第2ユニット(120)によって圧縮され、出力されるコンテンツを第2圧縮版と定義する。第2圧縮版は、第1圧縮版にフォレンジックマークが挿入されたものであってもよい。
【0045】
第1ユニット(110)のデコーディング処理時間を短縮したり、第2ユニット(120)のエンコーディング処理時間を短縮するために、高速化部材(1000)が用いられてもよい。
【0046】
高速化部材(1000)には、変換ユニット(150)、パーシングユニット(170)が含まれてもよい。パーシングユニット(170)は、第1ユニットの前段に配置されるか、或いは第1ユニットに並列に連結されてもよい。
【0047】
変換ユニット(150)は、第1ユニット(110)とマーキングユニット(130)との間の第1入出力形式を同期化させることができる。又は、変換ユニット(150)は、第2ユニット(120)とマーキングユニット(130)との間の第2入出力形式を同期化させることができる。
【0048】
設定方式又は設定コーデックで圧縮されたコンテンツを圧縮解除するために、エントロピーデコーディング及び追加的な後処理過程が実行されてもよい。
【0049】
一例として、HEVC方式の場合、エントロピーデコーディング後に、逆量子化(inverse quantization)、逆変換(inverse transform)、逆動き推定(inverse motion compensation)、逆イントラ/インター予測(inverse intra/inter prediction)作業を順番に実行することができる。このとき、マーキングユニット(130)は、逆イントラ/インター予測作業を通じて出力されるコードを入力してもらえるように形成されてもよい。
【0050】
逆イントラ/インター予測作業を通じて出力されるコードを入力してもらえるように形成されたマーキングユニット(130)は、エントロピーデコーディング、逆変換、逆動き推定のうちいずれか一つから出力されたコードを入力してもらうことができない。
【0051】
図2の変換ユニット(150)は、第1ユニット(110)とマーキングユニット(130)との間の第1入出力形式を同期化させることができる。一例として、変換ユニット(150)は、エントロピーデコーディング過程で出力されたコードの形式をマーキングユニット(130)で入力してもらえる第1入出力形式に変換することができる。一例として、変換ユニット(150)は、逆変換過程で出力されたコードの形式を第1入出力形式に変換することができる。変換ユニット(150)によると、エントロピーデコーディングで出力されたコード、逆変換で出力されたコード、逆動き推定で出力されたコードは、マーキングユニット(130)のすぐ前段の逆イントラ/インター予測を経ずに、すぐにマーキングユニット(130)に入力されてもよい。
【0052】
もし、エントロピーデコーディング過程で出力されたコードが、変換ユニット(150)によって第1入出力形式に変換された後、すぐにマーキングユニット(130)に入力されれば、第1ユニット(110)には、逆量子化、逆変換、逆動き推定、逆イントラ/インター予測を実行する第1手段が設けられる必要はない。該当第1手段は、既圧縮されたコンテンツの正常な再生のために不可欠なものとして要求することができる。しかし、本発明のフォレンジックマーキング装置は、コンテンツを再生することなく、コンテンツにフォレンジックマークを挿入することが目的であるため、該当第1手段が排除されてもよい。従って、変換ユニット(150)が備えられたフォレンジックマーキング装置によると、極端に別途の第1手段が排除された状態でも、既圧縮されたコンテンツにフォレンジックマークを挿入することができる。
【0053】
第1ユニット(110)には、コンテンツをエントロピーデコーディング(entropy decoding)するデコーディング部(111,112,113,114)が単独で設けられてもよい。又は、第1ユニット(110)には、コンテンツを第1処理する複数の手段の中での一部である第1手段が、デコーディング部とともに設けられてもよい。
【0054】
第2ユニット(120)には、フォレンジックマークが挿入されたコンテンツをエントロピーエンコーディング(entropy encoding)するエンコーディング部(121,122,123,124)が単独で設けられてもよい。又は、第2ユニット(120)には、フォレンジックマークが挿入されたコンテンツを第2処理する複数の手段の中での一部である第2手段が、エンコーディング部とともに設けられてもよい。
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
第1処理過程は、逆量子化(inverse quantization)、逆変換(inverse transform)、逆動き推定(inverse motion compensation)、逆イントラ/インター予測(inverse intra/inter prediction)のうち少なくとも一つを含むことができる。第1処理過程は、一つ以上の第1処理手段によって実行されてもよい。
【0061】
【0062】
【0063】
第2処理過程は、イントラ/インター予測(intra/inter prediction)、動き推定(motion compensation)、変換(transform)、量子化(quantization)のうち少なくとも一つを含むことができる。第2処理過程は、一つ以上の第2処理手段によって実行されてもよい。
【0064】
【0065】
第1入出力形式を同期化させたり、第2入出力形式を同期化させるために、変換ユニット(150)は、変換アルゴリズム、変換ルーチンを使用することができる。このとき、変換アルゴリズム、変換ルーチンは、フレームごとに異なり得る。変換アルゴリズムなどが固定されず、時々刻々と変化する環境の中で、変換アルゴリズムをリアルタイムで確立するためのパーシングユニット(170)が設けられてもよい。
【0066】
パーシングユニット(170)は、第1入出力形式又は第2入出力形式を把握して、変換ユニット(150)に提供することができる。
【0067】
パーシングユニット(170)は、設定方式で圧縮されたコンテンツを圧縮解除する事前デコーディングを実行しながら、第1入出力形式を把握することができる。又は、パーシングユニット(170)は、事前デコーディングを通じて圧縮解除されたコンテンツを、設定方式で再圧縮しながら、第2入出力形式を把握することができる。
【0068】
パーシングユニット(170)は、設定方式で圧縮されたコンテンツと再生レベルのコンテンツとの間の実際のデコーディング又は実際のエンコーディングを予め実行することができる。コンテンツを再生レベルまでデコーディングするということは、実際に再生に必要な全ての処理過程を実行することを意味するといえる。ただし、実際のデコーディングと実際のエンコーディングを全部もれなく実行するとなると、パーシングユニット(170)の処理時間が、図3に示された比較実施例の時間の分だけかかる虞がある。
【0069】
処理時間の改善のために、パーシングユニット(170)は、実際のデコーディング又は実際のエンコーディングの各過程ごとにシンタックス構造(syntax structure)を形成するシンタックスエレメント(syntax element)を抽出したり、コード形式を変換させる変換コードを抽出することができる。このとき、映像や音響自体の処理過程は排除されてもよい。
【0070】
パーシングユニット(170)は、シンタックスエレメント又は変換コードを変換ユニット(150)に提供することができる。変換ユニット(150)は、シンタックスエレメント又は変換コードを用いて、第1入出力形式又は第2入出力形式を同期化させることができる。
【0071】
図3は、パーシングユニット(170)の動作を示す概略図である。図3において、比較実施例を例に挙げてパーシングユニット(170)の動作を説明する。図3において、パーシングユニット(170)が排除されれば、比較実施例になれる。
【0072】
第1圧縮版が入力されると、第1ユニット(110)は、第1圧縮版をエントロピーデコーディングすることができる。エントロピーデコーディングされた結果は、第a1形式で出力され得る。エントロピーデコーディングされた結果の値は、逆量子化手段(11)、逆変換手段(12)、逆動き推定手段(13)、逆イントラ/インター予測手段(14)を順番に経ることができる。
【0073】
逆量子化手段は、第a1形式のコードを入力してもらって、逆量子化、即ちデジタル情報をアナログ情報に変換することができる。逆量子化された結果は、第a2形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、逆量子化過程を逆量子化本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第a1形式のコードを第a2形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードc12を獲得することができる。
【0074】
逆変換手段は、第a2形式のコードを入力してもらって、逆変換、即ち周波数逆変換することができる。逆変換された結果は、第a3形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、逆変換過程を逆変換本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第a2形式のコードを第a3形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードc23を獲得することができる。
【0075】
逆動き推定手段は、第a3形式のコードを入力してもらって、逆動き推定を実行することができる。逆動き推定の結果は、第a4形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、逆動き推定過程を逆動き推定本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第a3形式のコードを第a4形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードc34を獲得することができる。
【0076】
逆イントラ/インター予測手段は、第a4形式のコードを入力してもらって、逆イントラ/インター予測を実行することができる。逆イントラ/インター予測の結果は、第a5形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、逆イントラ/インター予測過程を逆イントラ/インター予測本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第a4形式のコードを第a5形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードc45を獲得することができる。
【0077】
【0078】
マーキングユニット(130)でフォレンジックマークが挿入されたコンテンツは、第b1形式で出力され得る。フォレンジックマークが挿入されたコンテンツは、イントラ/インター予測手段(15)、動き推定手段(16)、変換手段(17)、量子化手段(18)を順番に経ることができる。
【0079】
イントラ/インター予測手段は、第b1形式のコードを入力してもらって、イントラ/インター予測を実行することができる。イントラ/インター予測の結果は、第b2形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、イントラ/インター予測過程をイントラ/インター予測本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第b1形式のコードを第b2形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードd12を獲得することができる。
【0080】
動き推定手段は、第b2形式のコードを入力してもらって、動き推定を実行することができる。動き推定の結果は、第b3形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、動き推定過程を動き推定本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第b2形式のコードを第b3形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードd23を獲得することができる。
【0081】
変換手段は、第b3形式のコードを入力してもらって、周波数変換を実行することができる。変換の結果は、第b4形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、変換過程を変換本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第b3形式のコードを第b4形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードd34を獲得することができる。
【0082】
量子化手段は、第b4形式のコードを入力してもらって、量子化を実行することができる。量子化の結果は、第b5形式で出力され得る。パーシングユニット(170)は、量子化過程を量子化本来の過程と形式変換過程とに区分することができる。形式変換過程の抽出及び分析を通じて、第b4形式のコードを第b5形式に変換させるアルゴリズム又は変換コードd45を獲得することができる。
【0083】
【0084】
比較実施例の場合には、フォレンジックマークの挿入のために、パーシングユニット(170)を除いた各手段が順番に駆動しなければならないため、多くの時間がかかる可能性がある。
【0085】
図4は、本発明のフォレンジックマーキング装置の動作を示す概略図である。
【0086】
パーシングユニット(170)は、設定方式で圧縮されたコンテンツを事前デコーディングするか、或いは事前デコーディングされたコンテンツを事前エンコーディングすることができる。
【0087】
パーシングユニット(170)は、事前デコーディング過程の中で、もっぱら第1入出力形式の把握に必要なシンタックスエレメント又は変換コードが獲得される、一部の過程のみを実行することができる。又は、パーシングユニット(170)は、事前エンコーディング過程の中で、第2入出力形式の把握に必要なシンタックスエレメント又は変換コードが獲得される、一部の過程のみを実行することができる。
【0088】
一例として、パーシングユニット(170)は、図3で説明された逆量子化本来の過程、逆変換本来の過程、逆動き推定本来の過程、逆イントラ/インター予測本来の過程などを徹底的に排除し、形式変換過程のみを実行することができる。
【0089】
形式変換過程は、第1処理又は第2処理本来の過程に比べて処理時間が非常に短い。従って、パーシングユニット(170)によって実行される事前デコーディング過程又は事前エンコーディング過程にかかる時間も非常に短い。
【0090】
形式変換過程の実行を通じて、パーシングユニット(170)は、各変換コードc12、c23、c34、c45、d12、d23、d34、d45を獲得することができ、これを基に、第1入出力形式又は第2入出力形式を同期化させる変換コードを生成することができる。
【0091】
パーシングユニット(170)は、設定方式で圧縮されたコンテンツを1次デコーディングすることができる。このとき、第1ユニット(110)は、設定方式で圧縮されたコンテンツを2次デコーディングすることができる。
【0092】
1次デコーディングは、設定方式で定義された各デコーディング過程で、第1入出力形式の把握に必要なシンタックスエレメントの抽出動作のみを実行することができる。このとき、シンタックスエレメントの抽出動作は、形式変換過程を示し得る。
【0093】
2次デコーディングは、設定方式で定義された全体のデコーディング過程の中で、設定方式のコーデックで提供するエントロピーデコーディングのみを実行し、残りのデコーディング過程を省略することができる。
【0094】
2次デコーディングされた結果は、第1入出力形式によって同期化された後、すぐにマーキングユニット(130)に入力され得る。
【0095】
図4の(a)は、固定入力されるか、或いは機械学習によって生成された変換コードを用いて、第1入出力形式を同期化したり、第2入出力形式を同期化する状態を示し得る。
【0096】
図4の(b)は、リアルタイムで変わる変換コードに対応して、該当変換コードだけを収集して、全体の変換コードを設ける状態を示し得る。各変換コード又は全体の変換コードは、シンタックス構造の把握を通じて獲得することもできる。
【0097】
パーシングユニット(170)によって把握された各変換コードc12、c23、c34、c45が順番に配置されれば、第1入出力形式を同期化することができる第1変換部(151)が形成され得る。
【0098】
パーシングユニット(170)によって把握された各変換コードd12、d23、d34、d45が順番に配置されれば、第2入出力形式を同期化することができる第2変換部(152)が形成され得る。
【0099】
コンテンツが単一のコーデックを用いて圧縮される方式の場合、パーシングユニット(170)は、1次デコーディングされたコンテンツに対する1次エンコーディング過程を実行せず、シンタックスエレメントを用いて生成されたシンタックス構造の分析を通じて、第2入出力形式を把握することができる。
【0100】
フォレンジックマークが挿入されたコンテンツは、第2入出力形式によって同期化された後、すぐにエントロピーエンコーディングされ得る。即ち、単一のコーデック方式で圧縮されたコンテンツを対象とする場合、第1変換部(151)を逆に構成すれば、そのまま第2変換部(152)になれる。従って、単一のコーデックが適用された場合、第1エンコーディング過程を排除し、第1デコーディング過程のみを実行すれば十分である。
【0101】
図5は、本発明のフォレンジックマーキング方法を示すフロー図である。
【0102】
本発明のフォレンジックマーキング方法は、パーシングステップ(S510)、デコーディングステップ(S520)、マーキングステップ(S530)、エンコーディングステップ(S540)を含むことができる。各ステップは、図1に示されたフォレンジックマーキング装置によって実行されてもよい。
【0103】
パーシングステップ(S510)は、設定方式で圧縮されたコンテンツに対する事前デコーディングを通じて、エントロピーデコーディングとフォレンジックマークの挿入動作との間の第1入出力形式、及び挿入動作とエントロピーエンコーディングとの間の第2入出力形式を把握することができる。
【0104】
デコーディングステップ(S520)は、コンテンツをエントロピーデコーディングし、エントロピーデコーディングされたコンテンツを第1入出力形式に合わせて変換することができる。
【0105】
マーキングステップ(S530)は、第1入出力形式に変換されたコンテンツを入力してもらい、フォレンジックマークを挿入することができる。
【0106】
エンコーディングステップ(S540)は、フォレンジックマークが挿入されたコンテンツを、エントロピーエンコーディングで要求する第2入出力形式に変換し、第2入出力形式に変換されたコンテンツをエントロピーエンコーディングすることができる。
【0107】
本発明によると、デコーディングステップとマーキングステップとの間に、別途の第1処理過程が排除されてもよい。また、マーキングステップとエンコーディングステップとの間に、別途の第2処理過程が排除されてもよい。第1処理過程と第2処理過程の排除により、フォレンジックマーキングの速度を大幅に改善することができる。速度の改善により、8K解像度60フレーム/秒以上の再生能力を有するマルチメディアコンテンツに対するフォレンジックマークのリアルタイム挿入が可能である。
【0108】
フォレンジックマークの挿入速度をさらに改善するために、並列処理方式が導入されてもよい。
【0109】
一例として、8K60fpsコンテンツを対象にスムーズにフォレンジックマーキングするために、GPU(Graphics Processing Unit)を使用する並列処理が考慮されてもよい。ストリーミングのためのフォレンジックマーキングサービスを実行するために、コンテンツサーバー(50)には、設定方式の圧縮技術で提案する規格のコンテンツが保存され得る。例えば、HEVC標準においては、原本のコンテンツに対する最初のエンコーディングの際、並列にエンコーディングされるのがよい。なぜなら、初期に並列にエンコーディングされない場合、各映像ごとに異なる条件のCTU(Coding Tree Unit)の間に関連性を持つようになるので、並列処理が難しくなるからである。従って、コンテンツサーバー(50)は、コンテンツの登録手続きにおいて、原本のRAWコンテンツを登録してもらい、CTUサイズとタイルサイズをパラメータにして入力してもらって、タイルでエンコーディングすることができる。
【0110】
並列処理されてコンテンツサーバー(50)に保存されたコンテンツが、本発明の並列フォレンジックマーキング装置に入手されてもよい。
【0111】
図6は、本発明の並列フォレンジックマーキング装置によって複数の領域に分割されたフレームを示す概略図である。図7は、本発明の並列フォレンジックマーキング装置を示す概略図である。図7に示された並列フォレンジックマーキング装置は、図1のフォレンジックマーキングサーバー(100)に該当し得る。
【0112】
本発明の並列フォレンジックマーキング装置は、分割部(180)、複数のデコーディング部(111、112、113、114)、同期化部(160)を含むことができる。
【0113】
分割部(180)は、設定方式で圧縮されたコンテンツの一つのフレームを複数の領域に分割することができる。
【0114】
複数のデコーディング部は、分割された各領域を割り当ててもらって、エントロピーデコーディングすることができる。
【0115】
同期化部(160)は、複数のデコーディング部に入出力される各領域を同期化させて、フレームを完成させることができる。
【0116】
設定方式で圧縮されたコンテンツは、RAWコンテンツがCTU(Coding Tree Unit)サイズとタイル(tile)サイズをパラメータにして、タイル方式でエンコーディングされたものであってもよい。分割部(180)は、タイル方式によって前記フレームを複数の領域に分割することができる。複数のデコーディング部は、分割された領域をそれぞれ独立的にエントロピーデコーディングすることができる。
【0117】
一例として、図6のように、一つの第1フレーム1st frameは、分割部(180)によって4つの領域に分割することができる。分割部(180)は、分割された各領域にそれぞれ異なるタイル番号F0、F1、F2、F3を付与することができる。各タイルには、複数のCTUが含まれてもよい。HEVC方式の場合、タイルのサイズとCTUのサイズは固定され得るが、CTUに含まれたCUは、CTU又はタイルごとに異なる可能性がある。
【0118】
コンテンツがHEVC(High Efficiency Video Codec)方式で圧縮される際、各領域に含まれたCU(Coding Unit)の違いにより、各領域をエントロピーデコーディングする各デコーディング部の処理速度が異なる可能性がある。処理速度の違いにより、一つの第1フレームが分割された複数のタイルF0、F1、F2、F3が同時に各デコーディング部に入力されても、デコーディング部から出力される時点はそれぞれ異なる可能性がある。
【0119】
例えば、タイルF0は、第1デコーディング部(111)に入力され得る。タイルF1は、第2デコーディング部(112)に入力され得る。タイルF2は、第3デコーディング部(113)に入力され得る。タイルF3は、第4デコーディング部(114)に入力され得る。このとき、入力時点が全て同一である場合でも、各デコーディング部から出力される時点は、それぞれ異なる可能性がある。
【0120】
同期化部(160)は、タイル番号を用いて複数に分割され、エントロピーデコーディングされた各領域をマッチングさせて一つのフレームを組み立てることができる。一例として、それぞれ異なる時点で、前記デコーディング部から出力される各領域を保存する保存部(139)が設けられてもよい。
【0121】
同期化部(160)は、保存部(139)に保存された各領域を一つに集めてフレームを完成させることができる。
【0122】
CUなどの違いにより、特定のフレームの各領域は、それぞれ異なる時点で各デコーディング部から出力され得る。特定のフレームの領域に対するエントロピーエンコーディングが、別のデコーディング部で実行されている状態で、特定のデコーディング部がアイドル状態になると、同期化部(160)は、次のフレームの一部の領域をアイドル状態である特定のデコーディング部に入力することができる。
【0123】
一例として、第1デコーディング部がタイルF1を先に処理した場合、第1デコーディング部は、休んでいるアイドル状態になる可能性がある。このとき、同期化部(160)は、次のフレームのタイルを第1デコーディング部に入力することができる。全体のデコーディング部の処理速度のバランスを取るために、第1デコーディング部には、次のフレームの中で最も多くの処理時間がかかると予測されるタイルが入力されるのがよい。
【0124】
各タイルの処理時間を予測したり、各デコーディング部の処理速度、処理時間を均等に維持するためにパーシングユニット(170)が用いられてもよい。
【0125】
パーシングユニット(170)は、事前デコーディング過程を通じて、シンタックス構造(syntax structure)を把握することができる。
【0126】
同期化部(160)は、シンタックス構造を用いて、複数の領域を同期化させることができる。
【0127】
パーシングユニット(170)は、事前デコーディングを、マルチメディアデータ処理とシンタックス関連処理とに区分することができる。マルチメディアデータ処理は、先に説明された逆量子化本来の過程、逆変換本来の過程、逆動き推定本来の過程、逆イントラ/インター予測本来の過程などを含むことができる。シンタックス関連処理は、先に説明された形式変換過程を含むことができる。
【0128】
パーシングユニット(170)は、マルチメディアデータ処理は排除し、シンタックス関連処理のみを実行して、シンタックス構造の把握に必要なシンタックスエレメント(syntax element)を獲得することができる。
【0129】
パーシングユニット(170)からシンタックスエレメント又はシンタックス構造を入手した同期化部(160)は、デコーディング前のフレームに対して、各領域別のデコーディング時間を予測することができる。同期化部(160)は、予測時間に利用して、コンテンツ全体に対する各デコーディング部の総作業時間の違いを最小化する方向に、各フレームの分割領域を各デコーディング部に割り当てることができる。
【0130】
コンテンツにフォレンジックマークを挿入するマーキングユニット(130)が設けられる際、デコーディング部から出力されるコードの形式は、前記マーキングユニット(130)で要求する第1入出力形式とは異なる場合がある。
【0131】
シンタックス構造を用いてデコーディング部の出力コードを第1入出力形式に変換し、第1入出力形式に変換された出力コードをマーキングユニット(130)に提供する変換ユニット(150)が設けられてもよい。
【0132】
分割部(180)及び前記同期化部(160)は、コンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)に形成されてもよい。デコーディング部は、コンピュータ装置のGPU(Graphics Processing Unit、グラフィック処理装置)に形成されてもよい。
【0133】
図8は、本発明の実施例に係る、コンピューティング装置を示す図面である。図8のコンピューティング装置(TN100)は、本明細書で記述された装置(例えば、フォレンジックマーキング装置、並列フォレンジックマーキング装置など)であってもよい。
【0134】
図8の実施例において、コンピューティング装置(TN100)は、少なくとも一つのプロセッサ(TN110)、送受信装置(TN120)、及びメモリ(TN130)を含むことができる。また、コンピューティング装置(TN100)は、保存装置(TN140)、入力インターフェイス装置(TN150)、出力インターフェイス装置(TN160)などをさらに含むことができる。コンピューティング装置(TN100)に含まれた構成要素は、バス(bus)(TN170)によって連結されて互いに通信を行うことができる。
【0135】
プロセッサ(TN110)は、メモリ(TN130)及び保存装置(TN140)のうち少なくとも一つに保存されたプログラム命令(program command)を実行することができる。プロセッサ(TN110)は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィック処理装置(GPU:Graphics Processing Unit)、又は本発明の実施例による方法が実行される専用のプロセッサを意味するといえる。プロセッサ(TN110)は、本発明の実施例に関連して記述された手順、機能、及び方法などを具現するように構成されてもよい。プロセッサ(TN110)は、コンピューティング装置(TN100)の各構成要素を制御することができる。
【0136】
メモリ(TN130)及び保存装置(TN140)それぞれは、プロセッサ(TN110)の動作に関連する様々な情報を保存することができる。メモリ(TN130)及び保存装置(TN140)それぞれは、揮発性保存媒体及び不揮発性保存媒体のうち、少なくとも一つで構成されてもよい。例えば、メモリ(TN130)は、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)及びランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)のうち、少なくとも一つで構成されてもよい。
【0137】
送受信装置(TN120)は、有線信号又は無線信号を送信又は受信することができる。送受信装置(TN120)は、ネットワークに連結されて通信を行うことができる。
【0138】
一方、本発明の実施例は、これまで説明した装置及び/又は方法を通じてのみ具現されるものではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラム又はそのプログラムが記録された記録媒体を通じて具現されてもよく、これらの具現は、上述した実施例の記載から、本発明が属する技術分野の通常の技術者であれば、容易に具現できるものである。
【0139】
以上で、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた通常の技術者の様々な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】