(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】インペラ、およびこのようなインペラを備えたターボ圧縮機、ならびにこのようなインペラを製作するための方法
(51)【国際特許分類】
F04D 29/28 20060101AFI20220216BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20220216BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20220216BHJP
B22F 10/66 20210101ALI20220216BHJP
B22F 5/04 20060101ALI20220216BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20220216BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20220216BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220216BHJP
【FI】
F04D29/28 L
B22F10/28
B22F10/25
B22F10/66
B22F5/04
B29C64/153
B29C64/268
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021531370
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 IB2019060167
(87)【国際公開番号】W WO2020136473
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521234870
【氏名又は名称】アトラス・コプコ・エアパワー・ナームロゼ・ベンノートシャープ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】カロリン・ケンペン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルデ・ドゥ・ゲルセム
(72)【発明者】
【氏名】ヒー・ドゥ・グレーフ
【テーマコード(参考)】
3H130
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC30
3H130BA22C
3H130CB06
3H130EA02C
3H130EB01C
3H130EB02C
3H130ED01C
4F213AC04
4F213AG07
4F213AG13
4F213AG28
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL55
4F213WL67
4F213WL96
4F213WW50
4K018KA12
(57)【要約】
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管(2)と、 - 一方の端部(4)から他方の端部(5)の方向に直径が増加する、シャフトまたは管(2)の周囲の中空のハブ(3)であって、外側(6)、およびシャフトまたは管(2)の方に向けられた内側(7)を有する中空のハブ(3)と、 - シャフトまたは管(2)に対して直角な最大の直径を有するハブ(3)の端部(5)に設けられ、ハブ(3)の中空の空間(10)を少なくとも部分的に閉じる後部壁(9)と、 - 一連のブレード(11)であって、その基部(12)によってハブ(3)の外側(6)に取り付けられた一連のブレード(11)とを備えるインペラであって、シャフトまたは管(2)上で基本的に半径方向に延び、シャフトまたは管(2)とハブ(3)の内側(7)の間で半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブ(13)が設けられることを特徴とする、インペラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管(2)と、
- 一方の端部(4)から他方の端部(5)の方向に直径が増加する、前記シャフトまたは管(2)の周囲の中空のハブ(3)であって、外側(6)、および前記シャフトまたは管(2)の方に向けられた内側(7)を有する中空のハブ(3)と、
- 前記シャフトまたは管(2)に対して直角な最大の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(5)に設けられ、前記ハブ(3)の中空の空間(10)を少なくとも部分的に閉じる後部壁(9)と、
- 一連のブレード(11)であって、前記ブレード(11)の基部(12)によって前記ハブ(3)の前記外側(6)に取り付けられた一連のブレード(11)と
を含むインペラであって、
前記シャフトまたは管(2)上で基本的に半径方向に延び、前記シャフトまたは管(2)と前記ハブ(3)の前記内側(7)の間で半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブ(13)が設けられることを特徴とする、インペラ。
【請求項2】
前記補強リブ(13)の幾何学的平面は、最大の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(5)において、前記ブレード(11)の先端(18)と交差することを特徴とする、請求項1に記載のインペラ。
【請求項3】
前記中心シャフトまたは管(2)の幾何学的中心線は、前記補強リブ(13)の平面と一致することを特徴とする、請求項1または2に記載のインペラ。
【請求項4】
前記補強リブ(13)の数は、ブレード(11)の数に比例することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項5】
前記管または中心シャフト(2)は、軸方向に延びる孔(21)であって、前記ハブ(3)の前記中空の空間(10)と環境との間で接続を形成する孔(21)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項6】
前記インペラ(1)は、すべての前記補強リブ(13)を互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリング(20)を備え、前記少なくとも1つの多角形またはリング(20)は前記中心シャフトまたは管(2)と同心である、少なくとも1つの多角形またはリング(20)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項7】
前記リング(20)または多角形は、通路(22)を備え、少なくとも1つの通路(22)が、2つの前記補強リブ(13)の間に位置する前記リング(20)または多角形のセクションに常に設けられることを特徴とする、請求項6に記載のインペラ。
【請求項8】
前記インペラ(1)は、最小の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(4)に位置する前記管(2)の端部(8a)のレベルにおいて、前記中心シャフトまたは管(2)の局所的な厚みの増加(23)を示すことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項9】
前記インペラ(1)は、外側縁部(25)のレベルにおいて、前記後部壁(9)の局所的な厚みの増加(24)を示すことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項10】
前記補強リブ(13)は、前記後部壁(9)と直接接続されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項11】
前記補強リブ(13)と前記少なくとも1つの同心の多角形またはリング(20)の間、前記インペラ(1)の残りのものとの取付けには、丸みが付けられることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のインペラ(1)を備えることを特徴とするターボ圧縮機。
【請求項13】
インペラを製作するための方法であって、
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管(2)を提供するステップと、
- 一方の端部(4)から他方の端部(5)の方向に直径が増加する、前記シャフトまたは管(2)の周囲の中空のハブ(3)を提供するステップであって、前記ハブ(3)は、外側(6)、および前記シャフトまたは管(2)の方に向けられた内側(7)を有する、ステップと、
- 前記シャフトまたは管(2)に対して直角な最大の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(5)に設けられ、前記ハブ(3)の中空の空間(10)を少なくとも部分的に閉じる後部壁(9)を提供するステップと、
- 一連のブレード(11)を提供するステップであって、前記一連のブレード(11)は、前記ブレード(11)の基部(12)によって前記ハブ(3)の前記外側(6)に取り付けられている、ステップとを含む方法において、
基本的に半径方向に前記シャフトまたは管(2)上で延び、前記シャフトまたは管(2)と前記ハブ(3)の前記内側(7)の間の半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブ(13)を提供するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記ステップは、付加製造法により実行されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記付加製造法のために、粉末床の特定の領域を共に選択的に溶融するために、粉末床溶融法が適用されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融ステップは、電子ビームにより、またはレーザにより、粉末材料を少なくとも部分的に溶解または焼結するステップを含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記付加製造法のために、直接エネルギー堆積法が適用され、その場合、ビーム化された熱エネルギーが使用されて、材料を溶解させることができ、その間に材料が堆積されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記直接エネルギー堆積法のために、レーザクラッディング技術が適用されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記付加製造プロセス中に、前記ハブ(3)の前記中空の空間(10)と環境の間に接続を形成する1つまたは複数の孔(21)を前記中心管(2)に設けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
すべての前記補強リブ(13)を互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリング(20)であって、前記中心シャフトまたは管(2)と同心である少なくとも1つの多角形またはリング(20)を前記インペラ(1)に提供するステップを含むことを特徴とする、請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、前記付加製造プロセス中に、1つまたは複数の通路(22)を提供するステップをさらに含み、少なくとも1つの通路(22)は、2つの前記補強リブ(13)の間に位置する前記多角形またはリング(20)のセクションに常に設けられることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記付加製造プロセスの後、前記方法は、前述の1つまたは複数の孔(20)および/または(21)を介して、前記ハブ(3)の前記中空の空間(10)から、過剰の粉末材料を除去するために、前記インペラ(1)を揺動するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、前記残留粉末を除去した後、前記インペラ(1)がバランスされるまで、特定の場所において、材料を除去する、または付加することにより、前記インペラ(1)をバランスさせるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
バランスさせるために、前記付加製造プロセス中に付加的材料を加えるステップを含み、前記付加的材料は、前記過剰の粉末の除去後に、前記インペラ(1)をバランスさせるために局所的に除去できることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記製造プロセス中に、前記インペラ(1)のすべての内部の縁部、側部、およびコーナには確実に丸みを付けるようにするステップを含むことを特徴とする、請求項14から24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インペラ、例えばターボ圧縮機、タービンなどの遠心機のためのインペラに関する。
【背景技術】
【0002】
軸方向入口および半径方向出口を備えるハウジング内に回転可能に取り付けられたインペラから知られているように、ターボ圧縮機で使用される遠心圧縮機要素が存在しており、インペラは、入口において吸引されたガスを、出口において軸方向から半径方向へと曲げるための一種の中実なトランペット形状をしたハブと、ハブ上に取り付けられたブレードとによって形成され、このブレードは、ハブおよびハウジングと共に、ガスがガイドされて圧縮されるように通る狭いチャネルを画定する。
【0003】
インペラは、インペラを駆動シャフトに取り付けることのできる中心の穿孔を備える。
【0004】
このようなインペラは、1分間に数万回転の高速で駆動され、インペラの出口における周線速度は、1秒間に数百メートルに達することができることが知られている。
【0005】
このような高速で生ずる巨大な遠心力は、インペラの材料に大きな応力を生成する。
【0006】
しかし、完全に中実のハブを備えるインペラにおけるこれらの応力は、非常に不均一に分布している。インペラにおける応力場は、異なる方向の応力の組合せであり、それは、通常、多軸方向に向いている、すなわち、異なる軸に従う。ハブの後部のレベルにおいて、すなわち、最大の直径を有するハブの端部において、応力は、主として、半径方向かつ円周方向である。これらの2つの応力成分は、遠心力の結果である。
【0007】
ハブの後部に対する軸方向応力は、二次効果である。インペラは、張力ボルトを用いて、シャフト上で軸方向に引っ張られるので、中心穿孔に対する軸方向応力が重要である。
【0008】
インペラの幾何学的形状に応じて、応力勾配は変化し得るが、インペラの最大のセクションは、インペラが作られる材料の弾性限界よりはるかに低い応力により負荷を受けており、この材料の非効率的な使用、およびインペラの不必要に高い質量が欠点である。
【0009】
そうではあるが、インペラの質量を低減させることは、インペラが取り付けられる駆動シャフトの曲げ固有振動数を、インペラの高速を可能にするように十分高く保つために重要であり、そのこと自体、ターボ圧縮機のエネルギー効率のよい動作に対して有用である。
【0010】
さらに、インペラの質量を低減することにより、両方の中心穿孔における、ハブの後部に対する、かつ後部からハブへの遷移レベルの丸み付けにおける遠心力の結果生ずる高応力が制限されることになる。
【0011】
低質量のインペラを用いると、駆動シャフトの軸受に受ける負荷が減少し、したがって、設計上、ターボ圧縮機において、より小型の軸受を選択することができ、低価格になり、かつ/またはより小型の圧縮機要素、もしくは小径の駆動シャフトになる。
【0012】
例えば、WO2013/124314で開示されるハブの中心セクションに金属格子構造を適用することによるなど、インペラの質量を低減するための解決策がすでに知られているが、これは、半径方向に向かう遠心力を十分に吸収することができず、したがって、格子構造は、負荷を受けない方向において不必要に強度および剛性があり、何らかの重量の不利益を生ずる。
【0013】
別の解決策は、米国特許第7,281,901号で開示されるように、内部補強を備える中空のハブを提供することである。
【0014】
それらは、主として、慣性を減らすことを目標としており、インペラの応力を一様に分散させるのに適しておらず、応力集中を生ずることになる。
【0015】
WO2016/127225は、補強リブを備えた中空のハブからなるインペラの内部構造を開示しており、それは、生成された応力がハブに流れ込むように、半径方向遠心力を吸収することを特に目標としている。
【0016】
補強リブは、ブレードの基部のレベルで、ハブからシャフトもしくは管へと延び、いわゆる半径方向のスポークを形成する。それによる補強リブは、ブレードの湾曲に従い、したがって、遠心力を吸収できるようにするために、それ自体もまた、高さと長さの両方において湾曲している。
【0017】
このようなインペラは、遠心力の吸収には良好であるが、応力を吸収することができるように、特定の場所でハブおよび/または補強リブをより厚くすることが必要な状態に留まっている。
【0018】
このようなインペラ設計であるため、インペラは、付加製造法(additive production method)により製作する必要がある。
【0019】
このために粉末床溶融が使用されることが好ましく、その場合、熱エネルギーが利用されて、粉末床における特定の領域を選択的に共に溶融させることができ、それは、すべての細部を、必要な精度で「プリント」することが可能になる。
【0020】
このような付加製造法の特性は、製作された構造の表面粗さが、対象とする構造の傾斜に依存するようになることであり、構造が真直ぐであればあるほど、表面は、より平坦に、または滑らかになる。
【0021】
WO2016/127225のインペラにおいて、補強リブは傾斜構造を備え、したがって、それらは比較的粗い。これは、疲労に対して非常に悪い影響を有する。
【0022】
さらに、湾曲した補強リブは、中空のハブにおいて、比較的複雑な形態を有する空洞部を画定することになり、したがって、これらの空洞部から、残留する未溶融の粉末を取り除くことが困難になる。
【0023】
したがって、2つの通路もしくは孔を、これらの孔を介して粉末を吹き飛ばして除去することができるように、チャンバごとに設ける必要がある。
【0024】
これらの孔は、当然であるが、インペラの強度もしくは剛性に対して、ならびに疲労に対して有害である。
【0025】
したがって、遠心力および軸方向の引張力が最適に吸収され、かつ付加製造法により、容易に、かつ正確に作ることのできる、材料の良好な利用と少ない質量とを備えたインペラ構造がなお求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】WO2013/124314
【特許文献2】米国特許第7,281,901号
【特許文献3】WO2016/127225
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の目的は、前述のWO2013/124314、米国特許第7,281,901号、およびWO2016/127225で開示されるインペラの知られた設計に関する前述および他の不利な点のうちの1つまたは複数のものに対する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このために、本発明はインペラに関し、インペラは、
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管と、
- 一方の端部から他方の端部の方向に直径が増加する、シャフトまたは管の周囲の中空のハブであって、外側、およびシャフトまたは管の方に向けられた内側を有する中空のハブと、
- シャフトまたは管に対して直角な最大の直径を有するハブの端部に設けられ、ハブの中空の空間を少なくとも部分的に閉じる後部壁と、
- 一連のブレードであって、その基部によってハブの外側に取り付けられた一連のブレードとを備え、
シャフトまたは管上で基本的に半径方向に延び、シャフトまたは管とハブの内側の間で半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブが設けられる特性を有する。
【0029】
補強リブが延びる「基本的に半径方向」とは、半径方向の補強リブと、インペラの中心シャフトまたは管の幾何学的中心線との間の角度が、最大10度、最大7度であるとさらによく、好ましくは、最大5度であることを意味する。
【0030】
こうすることは、このようなインペラは、WO2016/127225の場合と同様に、その中空な構造に起因して非常に軽くなり、したがって、インペラは非常に高速で回転できる利点を提供する。この方法では、そのインペラが設けられるターボ圧縮機は、より圧縮された空気を供給できるようになる。
【0031】
別の利点は、補強リブの方向付けに起因して、内側構造がはるかに剛性があり、したがって、遠心力は、湾曲した補強リブを備えるWO2016/127225におけるものよりも直線的な補強リブにより、よく吸収されることになる。この結果、または利点は、ハブまたは補強リブが、そこで生ずる応力を吸収するために、特定の場所でより厚く作る必要のないことである。
【0032】
さらに、補強リブはまた、直線的な方向または平坦な方向にも軸方向に延び、したがって、インペラはまた、軸方向における力も良好に吸収する。実際に、軸方向における張力ボルトを用いた引っ張りに起因して、インペラは、ターボ機に取り付けられたとき圧縮される。平坦で直線的な補強リブの内部構造に起因して、このプリントは良好に吸収され、したがって、インペラにおいて、より少ない応力が生成される。
【0033】
さらに別の利点は、製作において、直立した構造だけが、補強リブのためにプリントされる必要があることである。その結果、表面はより滑らかになり、したがって、疲労が生じにくくなる。
【0034】
さらなる利点は、補強リブにより作成されるチャンバは、より簡単な形状を有し、したがって、プリント後にこれらのチャンバから粉末を除去することがより簡単になることである。粉末を除去するために、1つの孔だけを設ける必要がある。
【0035】
補強リブの数は、ブレードの数に比例することが好ましい。
【0036】
これは、インペラが周期的に対称であることを確実にし、それは、それ自体が反復される複数のセクションを備えることを意味する。
【0037】
この方法では、重量もまた、周期的に対称になるように分散されることになり、それは、インペラをバランスさせるために必要である。
【0038】
実際の実施形態において、インペラは、すべての補強リブを互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリングを備え、それは、中心シャフトまたは管と同心のものである。
【0039】
この多角形またはリングにより、2つの連続する半径方向の補強リブの間の空間は、2つのいわゆるチャンバへと分割される。
【0040】
多角形またはリングは、インペラを機械的により強度を有するようにし、かつ変形に対してさらに耐性を有するようにする。
【0041】
インペラに関して、変形を制限する必要がある、すなわち、通常、1ミリの数十分の1未満に制限する必要のあることが知られている。
【0042】
本発明の好ましい特性によれば、補強リブとおそらく少なくとも1つの多角形またはリングの間、インペラの残りのものとの取付けには、丸みが付けられる。
【0043】
特に、補強リブ、および多角形もしくはリングにより作られたすべての内部の縁部、側部、およびコーナに丸みを付けることによって、疲労は、最小にまで低減されることになる。
【0044】
本発明はまた、本発明によるインペラを備えることを特徴とするターボ圧縮機に関する。
【0045】
このようなターボ圧縮機の利点は、本発明によるインペラの利点に直接関係する。
【0046】
したがって、ターボ圧縮機は、知られた、従来の中実なインペラを有するターボ圧縮機と比較して、高速で回転できるようになり、したがって、より圧縮された空気を供給することができる。
【0047】
本発明はまた、インペラを製作するための方法に関し、前記方法は、以下のステップ、すなわち、
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管を提供するステップと、
- 一方の端部から他方の端部の方向に直径が増加する、シャフトまたは管の周囲の中空のハブを提供するステップであって、前記ハブは、外側、およびシャフトまたは管の方に向けられた内側を有する、ステップと、
- シャフトまたは管に対して直角な最大の直径を有するハブの端部に設けられ、ハブの中空の空間を少なくとも部分的に閉じる後部壁を提供するステップと、
- 一連のブレードを提供するステップであって、一連のブレードは、その基部によってハブの外側に取り付けられている、ステップとを含み、
ここで、方法は、基本的に半径方向にシャフトまたは管上で延び、シャフトまたは管とハブの内側の間の半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブを提供するステップをさらに含む。
【0048】
特に本発明は、前記諸ステップが付加製造法により実行される方法に関する。
【0049】
本発明の特性をよく示すために、本発明によるインペラ、およびそれを装備するターボ圧縮機のいくつかの好ましい実施形態が、添付図面を参照し、何らかの限定的性質を含まない例として述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明によるインペラの斜視図を概略的に示す図である。
【
図2】
図1における平面II-IIによる横断面図である。
【
図3】
図1における平面III-IIIによる横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1から
図4で示されたインペラ1は、例としてのターボ圧縮機のインペラである。
【0052】
本発明によるインペラ1は、
図1で示されるように、従来から知られたインペラに対して、外部設計の点では非常に類似している。
【0053】
インペラ1は中心管2を含み、それを用いて、例えば、圧縮機要素のハウジングにおいて、管2の幾何学的中心線X-X'の回りで回転されるように、インペラ1を駆動シャフト(図示されていない)上に取り付けることができる。
【0054】
中心管2に代えて、インペラ1はまた、前記駆動シャフトに結合され得る中実のシャフトを備えることもできる。
【0055】
インペラ1は、管2の周囲で延びるトランペット形状のハブ3をさらに備え、それは、一方の端部4から他方の端部5の方向に直径が増加する。
【0056】
本発明によれば、ハブ3は、外側6、および管2の方に向けられた内側7を備える中空のハブ3である。これは、
図2および
図3で見ることができる。
【0057】
ハブ3は、中心管2の一端8aに接続され、端部4は、最小の直径を有する。この端部4はまた、ハブ3の軸方向端部とも呼ばれる。
【0058】
ハブ3は、後部壁9に接続され、端部5は最大の直径を有し、それは、
図3および
図4で見ることができる。この端部5はまた、ハブ3の半径方向端部とも呼ばれる。
【0059】
中心管2の他端8bのレベルにおいて、この基本的に円板形状をした後部壁9は、管2に対して直角に延び、かつハブ3、管2、および後部壁9の間の中空の空間10を閉じる、または囲むことになる。
【0060】
外側6、すなわちハブ3の外側面は、最小の直径を有する端部4における基本的に軸方向X-X'から、最大の直径を有する端部5における基本的に半径方向まで、傾斜の仕方が変化する。この傾斜は、
図3で見ることができる。
【0061】
ハブ3上に、一連の湾曲したブレード11が取り付けられ、それは、ハブ3の前記外側6上に、その基部12を用いて固定される。
【0062】
示された例では、2系列のブレードが設けられる、すなわち、一方で、ハブ3の軸方向に向いた端部4から、ハブ3の半径方向に向いた端部5まで、一定の長さにわたって延びる主ブレード11aと、他方で、ハブ3の端部4から一定の軸方向距離で開始してハブ3の端部5まで、より短い長さにわたり、主ブレード11aの間で延びるスプリッタブレード11bとが設けられる。
【0063】
しかし、本発明は、2系列のブレード11に限定されず、任意の数の系列のブレード11にも適用可能であり、例えば、スプリッタブレード11bが存在しない、または対照的に、複数の系列のブレード11bを設けることができる。
【0064】
本発明によれば、ハブ3の中空の空間10の中に、平坦で直線的な補強リブ13が設けられ、それは、管2上で半径方向に延び、かつ管2とハブ3の内側7の間で半径方向接続を形成する。
【0065】
補強リブ13は、その基部14を用いて管2に接続され、またそのヘッド部15を用いてハブ3の内側7に接続される。
【0066】
この場合、補強リブ13は、
図3で示されるように、後部壁9から、最小の直径を有するハブ3の端部4へと延びる。言い換えると、補強リブ13は、その高さにわたって縁部16に沿って後部壁9に直接接続される。
【0067】
補強リブ13は、中空の空間10を複数のチャンバ17へと分割することになる。
【0068】
この場合、補強リブ13の幾何学的平面は、最大の直径を有するハブ3の端部5上のブレード11の先端18と交差することになる。
【0069】
幾何学的平面はまた、補強リブ13の幾何学的もしくは仮想の延長部を指す。
【0070】
この方法では、補強リブ13は、最大遠心力の方向に位置しており、したがって、それらは、遠心力を最適に吸収することができる。
【0071】
さらに、中心管2の幾何学的中心線X-X'は、補強リブ13の幾何学的平面と一致する。これは、補強リブ13と、中心シャフト2の幾何学的中心線X-X'との間の角度が、0度であることを意味する。これは本発明には必要なものではないが、この角度は、本発明によれば最大10度であり、好ましくは最大7度、また最大5度であることがさらに好ましい。
【0072】
補強リブ13の数は、本発明では限定されず、いくつかある中で特に、インペラ1の寸法に依存する。通常、大型のインペラ1は、その寸法に起因してより大きな遠心力を受けることになるので、複数の補強リブ13が必要になる。
【0073】
しかし、補強リブ13の数は、常にブレード11の数に比例することが好ましい。
【0074】
これは、例えば、8個の主ブレード11aと、8個のスプリッタブレード11bが存在するとき、16個の補強リブ13が存在することを意味する。これはまた、示された例の場合である。
【0075】
例えば、32個の補強リブ13を設けることも可能である。さらに、補強リブ13の数は、主ブレード11aの数に比例することも除外されず、したがって、8個の補強リブ13だけを設けることも可能である。
【0076】
前述のことは、周期的な対称構造が確実に得られるようにし、その場合、インペラ1は、複数のセクション19を、図の例では、8個のセクションを備え、それは、毎回繰り返される。
【0077】
補強リブ13は、主として引張負荷を受け、その場合、補強リブ13の全体質量は、応力の一部を、ハブ3から管2へ、さらに必要に応じて、後部壁9へと変換するために使用され、したがって、半径方向におけるインペラ1の強度に寄与しない使用されない質量、言い換えると、負荷を受けない質量は、ハブ3の中空の空間10において存在しない、もしくは実際的にない。
【0078】
この場合、ただし、例えば、小型のインペラ1では必ずしもそうではないが、インペラ1は、すべての補強リブ13を互いに接続する1つのリング20を備える。
【0079】
それはまた複数のリング20とすることもできる。
【0080】
さらに、リング20に代えて、1つもしくは数個の多角形、または多角形と円20の組合せを適用することもできる。
【0081】
周期的な対称性を維持するために、前記リング20は中心管2と同心である。
【0082】
リング20は、各チャンバ17を2つのサブチャンバ17a、17bに細分することになる。
【0083】
リング20は、堅牢さまたは機械的強度、および耐変形性を提供することになる。
【0084】
インペラ1が変形しすぎないことは、実に重要である。実際に、空気および空気圧損失に対抗するために、内方向への変形が、大きくなりすぎないようにする必要がある。インペラ1の周囲にハウジングが存在するので、外方向への変形もまた重要であり、回転するインペラ1は、このハウジング、および圧縮機要素の他の静止構成要素に決して接触してはならない。
【0085】
図で示されるように、補強リブ13と少なくとも1つの同心の多角形もしくはリング20の間、インペラ1の残りのものとの取付けには、丸みが付けられる。
【0086】
これは、すべての内部の縁部、側部、およびコーナには丸みが付けられることを意味する。これは、応力集中を回避するために重要である。
【0087】
これはまた、インペラ1が、付加製造法により製作される場合に必要である。
【0088】
付加製造法は、例えば、熱エネルギーが利用されて、粉末床における特定の領域を選択的に共に溶融する粉末床溶融、またはビーム化された熱エネルギーが使用されて材料を溶解し、その間に堆積させる直接エネルギー堆積など、製作法のカテゴリを指す。
【0089】
粉末床溶融のカテゴリ内には、電子ビームを用いて粉末材料を溶解する電子ビーム溶解、粉末材料がレーザによって溶解される選択的レーザ溶解、粉末材料がレーザを用いて焼結される選択的レーザ焼結などの複数の技術が存在する。直接エネルギー堆積のカテゴリは、レーザクラッディングの技術を含む。
【0090】
粉末床溶融に基づくこのような製作方法においては、大きすぎる傾斜を有する構造がないことが重要であり、したがって、いくつかの場合には、このような傾斜を回避するために、コーナには丸みを付けなくてはならない。
【0091】
このような製作法の別の結果は、残留粉末を除去できるようにするために、中空の内部空間および(サブ)チャンバ17、17a、17bが、環境に接続される必要があることである。
【0092】
この場合、粉末床溶融によるねじロータ(screw rotor)1の製作中に、チャンバ17およびサブチャンバ17a、17bの中に、粉末が残ることになる。
【0093】
それが、示された例において、中心管2が孔21を備えている理由であり、孔21は、軸方向に延び、かつハブ3の中空の空間10と環境の間に接続を形成する。
【0094】
前記リング20はまた、通路22を備え、少なくとも1つの通路22が、常に、2つの補強リブ13の間に位置するリング20のセクションに設けられる。
【0095】
これらの孔21および通路22は、製作プロセス中にすでに設けられていることが好ましい。
【0096】
前記孔21および通路22を介して、粉末は、(サブ)チャンバから離れることができるようになる。
【0097】
補強リブ13の直線的、かつ平坦な形状、およびリング20の直線的な形状に起因して、粉末は、インペラ1を揺動させることによって簡単に除去され得る。
【0098】
インペラ1が製作され、かつ残留粉末が除去された後、あらゆるインペラ1をバランスさせる。これは、インペラ1が測定され、または重量が測られ、かつインペラ1のバランスされるまで、特定の場所において材料が除去される、または付加されることを意味し、これは、重量が(周期的に)対称に分散されることを意味する。こうすることは、最小の不均衡が、望ましくない応力および振動に起因して、悪影響を生ずる可能性があるので、インペラ1の機能性に対して非常に重要である。
【0099】
周期的な対称性が、本文脈で言及されるとき、完全に周期的に対称であることは、実務上、達成するのが非常に困難であることに留意する必要がある。それは、(現在の本文において)、これは「実務的に周期的に対称である」と解釈される必要がある理由であり、それは、本文脈において、一方で中心シャフトの幾何学的中心線と、他方で補強リブの後部壁との交差部との間の最大距離に対応しており、それはインペラの高さの10%である。
【0100】
インペラ1を、実際に実現可能な程度の周期的な対称性で近似できるようにするために、インペラ1における特定の場所に、付加的な材料を設けることができ、それは、インペラ1をバランスさせるために、材料を局所的に除去することによって後で使用することができる。
【0101】
図3および
図4で示されるように、インペラ1は、管2の端部8aのレベルにおいて、中心管2の局所的な厚みの増加23を示す。
【0102】
この局所的な厚みの増加23は、管2の端部8aにおける中実なリングとして実行することができ、例えば、ドリルで穴開けすることによるなど、材料をこのリングから除去することができる。
【0103】
インペラ1は、外側縁部25のレベルにおいて、後部壁9の局所的な厚みの増加24を示す。
【0104】
言い換えると、この厚みの増加24は、最大の直径を有するハブ3の端部5が、後部壁9と接触する場所に位置する。
【0105】
例えば、フライス削りまたは研磨によるなど、バランスさせるために、この場所における材料を除去することもできる。
【0106】
すでに述べたように、管2に代えて、このことはまた、中実なシャフトに対して適用することもでき、その場合、孔21を、空間から粉末を除去するために設ける、または設けないこともあり得る。
【0107】
本発明は、例として述べられ、かつ図面で示された諸実施形態に決して限定されることなく、本発明によるインペラ、およびそれを備えたターボ圧縮機は、本発明の範囲から逸脱することなく、すべての種類の形態および寸法で実現することができる。
【符号の説明】
【0108】
1 インペラ
2 中心管
3 ハブ
4 端部
5 端部
6 外側
7 内側
8a 端部
8b 端部
9 後部壁
10 中空の空間
11 ブレード
11a 主ブレード
11b スプリッタブレード
12 基部
13 補強リブ
14 基部
15 ヘッド部
16 縁部
17 チャンバ
17a サブチャンバ
17b サブチャンバ
18 先端
19 セクション
20 リング
21 孔
22 通路
23 厚みの増加
24 厚みの増加
25 外側縁部
【手続補正書】
【提出日】2020-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管(2)と、
- 一方の端部(4)から他方の端部(5)の方向に直径が増加する、前記シャフトまたは管(2)の周囲の中空のハブ(3)であって、外側(6)、および前記シャフトまたは管(2)の方に向けられた内側(7)を有する中空のハブ(3)と、
- 前記シャフトまたは管(2)に対して直角な最大の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(5)に設けられ、前記ハブ(3)の中空の空間(10)を少なくとも部分的に閉じる後部壁(9)と、
- 一連のブレード(11)であって、前記ブレード(11)の基部(12)によって前記ハブ(3)の前記外側(6)に取り付けられた一連のブレード(11)と
を含むインペラであって、
前記シャフトまたは管(2)上で基本的に半径方向に延び、前記シャフトまたは管(2)と前記ハブ(3)の前記内側(7)の間で半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブ(13)が設けられ
、前記インペラ(1)は、すべての前記補強リブ(13)を互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリング(20)を備え、前記少なくとも1つの多角形またはリング(20)は前記中心シャフトまたは管(2)と同心であり、
前記リング(20)または多角形は、通路(22)を備え、少なくとも1つの通路(22)が、2つの前記補強リブ(13)の間に位置する前記リング(20)または多角形のセクションに常に設けられることを特徴とする、インペラ。
【請求項2】
前記補強リブ(13)の幾何学的平面は、最大の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(5)において、前記ブレード(11)の先端(18)と交差することを特徴とする、請求項1に記載のインペラ。
【請求項3】
前記中心シャフトまたは管(2)の幾何学的中心線は、前記補強リブ(13)の平面と一致することを特徴とする、請求項1または2に記載のインペラ。
【請求項4】
前記補強リブ(13)の数は、ブレード(11)の数に比例することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項5】
前記管または中心シャフト(2)は、軸方向に延びる孔(21)であって、前記ハブ(3)の前記中空の空間(10)と環境との間で接続を形成する孔(21)を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項6】
前記インペラ(1)は、最小の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(4)に位置する前記管(2)の端部(8a)のレベルにおいて、前記中心シャフトまたは管(2)の局所的な厚みの増加(23)を示すことを特徴とする、請求項1から
5のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項7】
前記インペラ(1)は、外側縁部(25)のレベルにおいて、前記後部壁(9)の局所的な厚みの増加(24)を示すことを特徴とする、請求項1から
6のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項8】
前記補強リブ(13)は、前記後部壁(9)と直接接続されることを特徴とする、請求項1から
7のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項9】
前記補強リブ(13)と前記少なくとも1つの同心の多角形またはリング(20)の間、前記インペラ(1)の残りのものとの取付けには、丸みが付けられることを特徴とする、請求項1から
8のいずれか一項に記載のインペラ。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載のインペラ(1)を備えることを特徴とするターボ圧縮機。
【請求項11】
インペラを製作するための方法であって、
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管(2)を提供するステップと、
- 一方の端部(4)から他方の端部(5)の方向に直径が増加する、前記シャフトまたは管(2)の周囲の中空のハブ(3)を提供するステップであって、前記ハブ(3)は、外側(6)、および前記シャフトまたは管(2)の方に向けられた内側(7)を有する、ステップと、
- 前記シャフトまたは管(2)に対して直角な最大の直径を有する前記ハブ(3)の前記端部(5)に設けられ、前記ハブ(3)の中空の空間(10)を少なくとも部分的に閉じる後部壁(9)を提供するステップと、
- 一連のブレード(11)を提供するステップであって、前記一連のブレード(11)は、前記ブレード(11)の基部(12)によって前記ハブ(3)の前記外側(6)に取り付けられている、ステップとを含
み、
前記方法は、基本的に半径方向に前記シャフトまたは管(2)上で延び、前記シャフトまたは管(2)と前記ハブ(3)の前記内側(7)の間の半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブ(13)を提供するステップをさらに含
み、すべての前記補強リブ(13)を互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリング(20)であって、前記中心シャフトまたは管(2)と同心である少なくとも1つの多角形またはリング(20)を前記インペラ(1)に提供するステップをさらに含む方法において、
付加製造プロセス中に、1つまたは複数の通路(22)を提供するステップをさらに含み、少なくとも1つの通路(22)は、2つの前記補強リブ(13)の間に位置する前記多角形またはリング(20)のセクションに常に設けられることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記ステップは、付加製造法により実行されることを特徴とする、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記付加製造法のために、粉末床の特定の領域を共に選択的に溶融するために、粉末床溶融法が適用されることを特徴とする、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記溶融ステップは、電子ビームにより、またはレーザにより、粉末材料を少なくとも部分的に溶解または焼結するステップを含むことを特徴とする、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記付加製造法のために、直接エネルギー堆積法が適用され、その場合、ビーム化された熱エネルギーが使用されて、材料を溶解させることができ、その間に材料が堆積されることを特徴とする、請求項
12に記載の方法。
【請求項16】
前記直接エネルギー堆積法のために、レーザクラッディング技術が適用されることを特徴とする、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記付加製造プロセス中に、前記ハブ(3)の前記中空の空間(10)と環境の間に接続を形成する1つまたは複数の孔(21)を前記中心管(2)に設けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項
11から
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記付加製造プロセスの後、前記方法は、前述の1つまたは複数の孔(20)および/または(21)を介して、前記ハブ(3)の前記中空の空間(10)から、過剰の粉末材料を除去するために、前記インペラ(1)を揺動するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記残留粉末を除去した後、前記インペラ(1)がバランスされるまで、特定の場所において、材料を除去する、または付加することにより、前記インペラ(1)をバランスさせるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
バランスさせるために、前記付加製造プロセス中に付加的材料を加えるステップを含み、前記付加的材料は、前記過剰の粉末の除去後に、前記インペラ(1)をバランスさせるために局所的に除去できることを特徴とする、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記製造プロセス中に、前記インペラ(1)のすべての内部の縁部、側部、およびコーナには確実に丸みを付けるようにするステップを含むことを特徴とする、請求項
12から
20のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
このために、本発明はインペラに関し、インペラは、
- 中心シャフト、またはシャフトに取り付けるための管と、
- 一方の端部から他方の端部の方向に直径が増加する、シャフトまたは管の周囲の中空のハブであって、外側、およびシャフトまたは管の方に向けられた内側を有する中空のハブと、
- シャフトまたは管に対して直角な最大の直径を有するハブの端部に設けられ、ハブの中空の空間を少なくとも部分的に閉じる後部壁と、
- 一連のブレードであって、その基部によってハブの外側に取り付けられた一連のブレードとを備え、
シャフトまたは管(2)上で基本的に半径方向に延び、前記シャフトまたは管(2)と前記ハブ(3)の前記内側(7)の間で半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブ(13)が設けられ、前記インペラ(1)は、すべての前記補強リブ(13)を互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリング(20)を備え、前記少なくとも1つの多角形またはリング(20)は前記中心シャフトまたは管(2)と同心であり、
前記リング(20)または多角形は、通路(22)を備え、少なくとも1つの通路(22)が、2つの前記補強リブ(13)の間に位置する前記リング(20)または多角形のセクションに常に設けられる
シャフトまたは管上で基本的に半径方向に延び、シャフトまたは管とハブの内側の間で半径方向接続を形成する、複数の平坦で直線的な補強リブが設けられ、インペラは、すべての補強リブを互いに接続する少なくとも1つの多角形またはリングを備え、少なくとも1つの多角形またはリングは中心シャフトまたは管と同心であり、リングまたは多角形は、通路を備え、少なくとも1つの通路が、2つの補強リブの間に位置するリングまたは多角形のセクションに常に設けられるという特徴を有する。
【国際調査報告】