(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】形成された流体通路を有するたばこ材料を含むロッドを有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20220216BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20220216BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20220216BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20220216BHJP
A24B 3/14 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/70
A24B3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535858
(86)(22)【出願日】2019-12-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2019087149
(87)【国際公開番号】W WO2020141156
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】クーデルク ゲタン
(72)【発明者】
【氏名】デ ボルスト ルーロフ コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ガンブス セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャリオー マリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ルシュフルール セリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ミンツォーニ ミルコ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB17
4B043BB25
4B045AA21
4B045AB11
4B045AB12
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC14
4B162AC22
4B162AC41
4B162AE02
(57)【要約】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品(10)が提供されていて、物品は、エアロゾル発生基体のロッド(12)を備え、エアロゾル発生基体のロッドは、均質化したたばこ材料のシート(26)を含む。均質化したたばこ材料は、ロッド(12)の上流端とロッド(12)の下流端との間で長軸方向にロッド内に配設されている。さらに、物品は、均質化したたばこ材料を囲むラッパー(20)を備える。シートは、均質化したたばこ材料のシート(26)の厚さを通って延びる、かつシート(26)の対向する両側面の間の流体連通を確立するように適合された、複数の形成された流体通路(28)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、エアロゾル発生基体のロッドであって、前記エアロゾル発生基体のロッドが、均質化した植物材料のシートを含み、前記均質化した植物材料が、前記ロッドの上流端と前記ロッドの下流端との間に長軸方向に配設されている、エアロゾル発生基体のロッドと、
前記均質化した植物材料を囲むラッパーと、を備え、
前記均質化した植物材料のシートが、前記シートの厚さを通って延びる、かつ前記シートの対向する両側面の間の流体連通を確立するように適合された、複数の形成された流体通路を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル発生基体のロッド内に包埋されたサセプタとして提供された発熱体をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記均質化した植物材料のシートが、1平方センチメートル当たり少なくとも約20個の形成された流体通路を備える、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記形成された流体通路の平均等価直径が少なくとも約100マイクロメートルである、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記形成された流体通路の平均等価直径が、少なくとも約200マイクロメートルである、請求項4に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記均質化した植物材料のシート中の前記形成された流体通路の累積表面積が、前記均質化した植物材料のシートの表面積の少なくとも約0.1パーセントを表す、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記形成された流体通路が、繰り返しパターンで提供されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記繰り返しパターンが、形成された流体通路の複数の離隔した列を備える、請求項7に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
形成された流体通路の列の隣接する形成された流体通路の間の直線距離が、少なくとも約1ミリメートルである、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記シートの厚さが25マイクロメートル~500マイクロメートルである、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記シートが捲縮されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記形成された流体通路が、前記シートの捲縮していない部分に形成されている、請求項11に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
エアロゾル発生物品においてエアロゾル発生基体として使用するロッドを作製する方法であって、
均質化した植物材料のシートを提供する工程と、
前記均質化した植物材料のシート中に、前記均質化した植物材料のシートの厚さを通って延びる、流体通路を形成する工程と、
前記均質化した植物材料をラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程であって、前記均質化した植物材料が前記ラッパー内に前記ロッドの上流端と前記ロッドの下流端との間に長軸方向に配設されていて、前記複数の形成された流体通路が前記均質化した植物材料のシートの対向する両側面の間の流体連通を確立する、形成する工程と、
前記連続的なロッドを複数の個別のロッドへと切り離す工程と、を含む方法。
【請求項14】
エアロゾル発生物品においてエアロゾル発生基体として使用するロッドであって、均質化した植物材料のシートを含み、前記均質化した植物材料が前記ロッドの上流端と前記ロッドの下流端との間で前記ロッド内に長軸方向に配設されている、ロッド、および
前記均質化した植物材料を囲むラッパーであって、
前記均質化した植物材料のシートが、前記均質化した植物材料のシートの厚さを通って延びる、かつ前記均質化した植物材料のシートの対向する両側面の間の流体連通を確立するように適合された複数の形成された流体通路を備える、ラッパー。
【請求項15】
エアロゾル発生システムであって、
請求項2に記載のエアロゾル発生物品と、
前記エアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞、および熱を発生する渦電流を前記サセプタのサセプタ材料の中に誘導するように適合された交流電磁場を生成するように構成された誘導源ヒーターを備えるエアロゾル発生装置と、を備えるエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱に伴い吸入可能エアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品であって、均質化したたばこ材料またはたばこ葉身材料のシートから形成されたエアロゾル発生基体のロッドを備えるエアロゾル発生物品と、こうしたエアロゾル発生基体のロッドの製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で周知である。こうした加熱式喫煙物品の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼によって生成されるタイプの周知の有害な煙成分を低減させることである。
【0003】
典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷えるにつれて凝縮してエアロゾル液滴を形成する。
【0004】
多くの先行技術の文書で、加熱式エアロゾル発生物品を消費または喫煙するためのエアロゾル発生装置が開示されている。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式エアロゾル発生装置が挙げられる。
【0005】
電気加熱式のエアロゾル発生装置は典型的に、ユーザーによって挿入されることができ、また使用後にユーザーによって取り外されることができる物品のエアロゾル発生基体を取り外し可能に受容するように適合された加熱チャンバーを備える。こうした装置において、エアロゾル発生基体は、加熱チャンバーの包囲している表面から熱を受けてもよい。代替として、エアロゾル発生装置は、加熱チャンバーの中に延びる、かつ物品がチャンバー内に受容される際に物品のエアロゾル発生基体を貫通するように適合された、加熱ブレードまたはピンなどの内部発熱体を備えてもよい。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えば欧州特許第EP-A-0 822 670号に記載されている。
【0006】
代替的な配設において、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体中に包埋されたサセプタの形態で提供された発熱体を備えてもよい。従って、エアロゾル発生基体の加熱は、例えば誘導加熱によって、非接触の様態で達成することができる。この目的でエアロゾル発生装置は、熱を発生する渦電流をサセプタ材料中に誘発する交流電磁場を発生するように構成された誘導源を備えてもよい。
【0007】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体はこれまで典型的に、たばこ材料の無作為な向きにされた断片、ストランド、または細片を使用して生産されてきた。
【0008】
代替として、たばこ材料のシートの集合体から形成されている加熱式エアロゾル発生物品用のロッドを提供することが、国際特許公開公報第A-2012/164009号から知られている。国際特許公開公報第A-2012/164009号で開示されたロッドは、空気がロッドを通して引き出されることを可能にする長軸方向の空隙率を有する。事実上、たばこ材料のシートの集合体における折り畳みは、ロッドを通した長軸方向チャネルを画定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
加熱に伴いエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになり、物品はエアロゾル発生基体のロッドを通したヒーターからの熱伝達を(特にサセプタタイプのヒーター、ピンヒーター、またはブレードヒーターなどの内部熱源の場合に)最適化するエアロゾル発生基体のロッドを備える。さらに、改善されたエアロゾル発生および送達を提供する一つのこうしたエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。一般に、一つのこうした改善されたエアロゾル発生物品を効率的にかつ高速で製造することが可能であれば望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様によると、加熱に伴いエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品が提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを備え、エアロゾル発生基体のロッドは、一つ以上の均質化した植物材料のシートを含む。均質化した植物材料の一つ以上のシートは、ロッドの上流端とロッドの下流端との間で長軸方向に延びるように配設されている。さらに、エアロゾル発生物品は、均質化した植物材料を囲むラッパーを備える。均質化した植物材料の一つ以上のシートは、均質化した植物材料の一つ以上のシートの厚さを通って延びる、かつ均質化した植物材料の一つ以上のシートの対向する両側面の間の流体連通を確立するように適合された、複数の形成された流体通路を備える。均質化した植物材料は均質化したたばこ材料であることが好ましい。本発明の第一の態様の一部の実施形態によると、エアロゾル発生物品は、たばこ葉身材料などの植物葉身材料の細片をさらに含む。植物葉身材料の細片は、これを通して形成された流体通路を備えてもよい。
【0011】
本発明の第二の態様によると、エアロゾル発生物品においてエアロゾル発生基体として使用するロッドを作製する方法が提供されていて、方法は、均質化した植物材料の一つ以上のシートを提供する工程と、均質化した植物材料のシート中に複数の流体通路を形成する工程であって、形成された流体通路が、均質化した植物材料のシートの厚さを通って延びる、形成する工程と、連続的なロッドを形成するために均質な植物材料をラッパーで囲む工程であって、均質化した植物材料がロッドの上流端とロッドの下流端との間に長軸方向に延びるようにラッパー内に配設されていて、複数の形成された流体通路がシート材料の対向する両側面の間の流体連通を確立する、囲む工程と、連続的なロッドを複数の個別のロッドへと切り離す工程とを含む。均質化した植物材料は均質化したたばこ材料であることが好ましい。本発明の第一の態様の一部の実施形態によると、エアロゾル発生物品は、たばこ葉身材料などの植物葉身材料の細片をさらに含む。植物葉身材料の細片は、これを通して形成された流体通路を備えてもよい。
【0012】
本発明の第三の態様によると、エアロゾル発生物品においてエアロゾル発生基体として使用するロッドが提供されていて、ロッドは、一つ以上の均質化した植物材料のシートを備え、均質化した植物材料は、ロッドの上流端とロッドの下流端との間で長軸方向に延びるようにロッド内で配設されている。ロッドは、均質化した植物材料を囲むラッパーをさらに備える。均質化した植物材料のシートは、シートの厚さを通って延びる、かつ材料の二つの側面の間の流体連通を確立するように適合された、複数の形成された流体通路を備える。均質化した植物材料は均質化したたばこ材料であることが好ましい。本発明の第一の態様の一部の実施形態によると、エアロゾル発生物品は、たばこ葉身材料などの植物葉身材料の細片をさらに含む。植物葉身材料の細片は、これを通して形成された流体通路を備えてもよい。
【0013】
本発明の第四の態様によると、上述のタイプのエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムが提供されていて、エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッド内に包埋されたサセプタとして提供された発熱体をさらに備える。さらに、エアロゾル発生システムは、エアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞と、熱を発生する渦電流をサセプタのサセプタ材料中に誘導するように適合された交流電磁場を生成するように構成された誘導源ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。
【0014】
本発明の第五の態様によると、エアロゾル発生物品で使用するエアロゾル発生基体を製造するための器具が提供されていて、器具は、シートの形態にあるエアロゾル発生材料を所定の平面内で第一の方向に沿って前進させるためのコンベヤーと、前進したエアロゾル発生材料上の所定の場所に気流通路を形成するように適合された通路形成手段を備える穿孔部材とを備え、気流通路はエアロゾル発生材料の厚さを通って延びる。本発明の一態様に関して説明した任意の特徴は、本発明の任意の他の態様にも等しく適用可能であることが理解されるべきである。
【0015】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を意味するために使用され、物品はエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されているエアロゾル発生基体を含む。
【0016】
本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱時に放出する能力を有する基体を指す。本明細書に記載のエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体から発生したエアロゾルは、可視または不可視であってもよく、またベイパー(蒸気)(例えば、室温では通常、液体または固体である物質の、気体状態にある物質の微粒子)ならびに気体および凝縮されたベイパーの液滴を含んでもよい。
【0017】
本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形、または楕円形の断面の概して円筒状の要素を指す。
【0018】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状要素を指す。
【0019】
本明細書で使用される「均質化した植物材料」という用語は、植物材料の粒子の凝集によって形成された任意の植物材料を包含する。均質化した植物材料のシートまたはウェブは、植物の葉の葉身および植物の葉の茎のうちの一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状の植物を凝集することによって形成されている。加えて、均質化した植物材料は、植物材料の処理中、取り扱い中、および発送中に形成された少量の植物ダスト、植物微粉、および他の粒子状の植物副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。本発明の好ましい実施形態において、均質化した植物材料は、均質化したたばこ材料である。
【0020】
エアロゾル発生基体はカットフィラーを含むことが好ましい。本文書において「カットフィラー」は、細かく切られた植物材料、特に葉の葉身、加工された茎およびリブ、均質化した植物材料(例えば、キャストプロセスまたは製紙プロセスを使用してシート形態へと作製されたもののような)のブレンドを指すために使用される。カットフィラーはまた、他の切断されたもの、フィラーたばこまたはケーシングを含んでもよい。本発明の好ましい実施形態によると、カットフィラーは、少なくとも25パーセントの植物葉の葉身、より好ましくは少なくとも50パーセントの植物葉の葉身、なおより好ましくは少なくとも75パーセントの植物葉の葉身、最も好ましくは少なくとも90パーセントの植物葉の葉身を含む。好ましくは、植物材料は、たばこ、ミント、茶、およびクローブのうちの一つである。しかしながら、本発明は、加熱に伴い、その後エアロゾルを形成することができる物質を放出する能力を有する他の植物材料に等しく適用可能であることが好ましい。
【0021】
有利なことに、天然植物材料の葉身を使用することによって、エアロゾル発生物品のより自然な味わいおよび外観を達成することができる。「葉身」という用語は、茎が除去された時に残される、葉の幅広で実質的に平坦な部分である、植物葉のブレードの部分を指す。
【0022】
たばこ植物材料は、ブライトたばこ葉身、ダークたばこ、アロマティックたばこ、およびフィラーたばこのうちの一つ以上の葉身を含むことが好ましい。ブライトたばこは、概して大きく明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語はフルーキュアリングされたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、中国産のフルキュアたばこ、フルキュアブラジルたばこ、米国産のフルキュアたばこ(バージニアたばこなど)、インド産のフルキュアたばこ、タンザニア産のフルキュアたばこ、または他のアフリカ産のフルキュアたばこが挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこはキュアリング後に、スパイスが効いていて活気のある感覚を伴うたばこタイプである。ブライトたばこは、葉の乾燥重量基準で約2.5パーセント~約20パーセントの還元糖の含有量と、葉の乾燥重量基準で0.12パーセント未満の総アンモニア含有量とを有するたばこである。還元糖は、例えばグルコースまたはフルクトースを含む。総アンモニアは、例えばアンモニアおよびアンモニア塩を含む。ダークたばこは、概して大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語はエアキュアリングしたたばこに対して使用される。加えて、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みたばこ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこも、この範疇に含まれる。典型的に、これらのダークたばこは、エアキュアリングされ、場合によっては発酵される。感覚的な見方からは、ダークたばこは、キュアリング後、スモーキーでダークシガータイプの感覚を伴うたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこの例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、ダークキュアブラジルガルパオ、サンキュアまたはエアキュアインドネシアカストリ(Kasturi)である。ダークたばこは、葉の乾燥重量基準で約5パーセント未満の還元糖の含有量と、葉の乾燥重量基準で最大約0.5パーセントの総アンモニア含有量とを有するたばこである。アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば精油の含有量が高い他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、キュアリング後、スパイスが効いていて芳しい感覚を伴うたばこタイプである。アロマティックたばこの例には、グリークオリエント、オリエンタルトルコ、セミオリエントたばこであるがファイアキュアード、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドがある。フィラーたばこは特定のたばこのタイプではないが、ブレンドで使用され、ブレンドで使用されるその他のたばこタイプを補完するために主に使用される、かつ最終製品に特定の特徴的な芳香の方向性をもたらさないたばこタイプを含む。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中肋、または葉柄である。具体的な例は、フルキュアブラジルの下部葉柄のフルーキュアリングされた茎であってもよい。
【0023】
しかしながら、カットフィラーに大量の天然葉を使用することは、特に低温にて、大量のエアロゾル形成体を必要とする。大量のエアロゾル形成体と組み合わせた大量の天然葉を含む実施形態において、エアロゾル発生基体は、エアロゾル形成体の高い含有量によって引き起こされる染みの外観を防止する特別なラッパーによって囲まれていることが好ましい。特に、例えば金属のような熱伝導性材料は、染みの外観を非常に良好に防止する。その点に関して、エアロゾル形成基体に対する熱伝導層の向きに関係なく、すなわち熱伝導層がエアロゾル形成基体の方を向いているかどうか、または熱伝導層がエアロゾル形成基体から離れる方を向いているかどうかに関係なく、好都合に染みを防止できることが分かっている。
【0024】
本発明の文脈において、「均質化したたばこ材料」という用語はまた、ニコチンなどのたばこ由来物質を含む非たばこ吸着剤基体のシートまたはウェブを包含する。例えば、これは、ニコチン塩の形態のニコチンが吸収されるか、または被覆などのその他の方法で塗布される非たばこ吸着剤材料のシートを包含する。非たばこ吸着剤基体は、紙のシートなど、セルロース系材料のシートであってもよい。代替として、非たばこ吸着剤基体は、非たばこ植物材料から形成されたシートであってもよく、例えば粉砕するまたはその他の方法で植物葉材料または植物根材料を粉末化することによって得られる粒子状の植物材料を凝集させることによって形成されてもよい。
【0025】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要な長軸方向軸に対応する方向を指す。「横断方向」という用語は、長軸方向軸に対して直角を成す方向を指す。
【0026】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にユーザーがエアロゾル発生物品を吸う方向に関してエアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を記述する。使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。
【0027】
エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への任意の言及は、別途記載のない限り、横断断面を指す。本明細書で使用される「長さ」という用語は、長軸方向における構成要素の寸法を指し、また「幅」という用語は、横断方向における構成要素の寸法を指す。「最大幅」という用語は、構成要素の最大断面寸法を指す。例えば、円形断面を有するロッドの場合、最大幅は円の直径に対応する。均質化したたばこ材料のシートに関連して使用される時、「幅」という用語は、平らに置かれている時のシートの幅を指すと考えられるべきである。
【0028】
本明細書で使用される「集合」という用語は、均質化したたばこ材料のシートなどの均質化した植物材料のシートが、ロッドの円筒軸に対して実質的に横断方向に渦巻き状にされる、折り畳まれる、またはその他の方法で圧縮もしくは収縮されることを意味する。均質化した植物材料のシートの集合体は、実質的にロッドの全長に沿って、かつ実質的にロッドの横断断面積全体にわたって延びることが好ましい。
【0029】
本明細書で使用される「捲縮」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートまたはウェブを意味する。均質化したたばこ材料のシートなどの均質化した植物材料の捲縮したシートは、本発明によるロッドの円筒軸に実質的に平行な複数の隆起または波形を有することが好ましい。これは有利なことに、均質化した植物材料の捲縮したシートを集合してロッドを形成することを容易にする。シートは、一組の捲縮ローラーを通過させることによって捲縮されてもよい。シートが捲縮される程度は、捲縮の深さによって表される。捲縮の深さの変化はシートが集合される様態に影響を与える場合があり、従ってロッドを通したチャネルのサイズおよび断面空隙率分布に影響を及ぼす場合がある。それ故に、捲縮の深さまたは振幅は、ロッド中に望ましい断面空隙率分布を生成するために変化させてもよいパラメータである。
【0030】
本明細書で使用される「積み重ねられた」という用語は、一枚が互いの上にある、二枚以上の均質化した植物材料のシートの配設を指す。本発明において、「積み重ねられた」シートは、隣接するシート間に間隔を有して、一枚が互いの上に配設されていることが好ましい。しかしながら、「積み重ねられた」という用語は、隣接するシートが部分的に互いに接触しているシートの配設を包含する。「積み重ねられた」という用語は本明細書において、積み重ねられたシートの向きに関係なく使用される。
【0031】
簡潔に上述した通り、本発明によるエアロゾル発生物品は、均質化した植物材料のシートから形成された、かつ随意に植物葉身材料を含んでもよいロッドを組み込む。一例として、ロッドは、均質化したたばこ材料の一つ以上のシートの集合体または積み重ねられたシートを含んでもよい。他の実施形態において、ロッドは、同時係属中の出願第PCT/EP2018/071483号で詳細に記載の通り、均質化したたばこ材料の複数の積み重ねられたシートを含んでもよい。
【0032】
既存のエアロゾル発生物品とは対照的に、本発明による物品において、ロッドが形成される均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、所定の気流設定を含む。これは、シートの厚さを通って、または葉身材料の厚さを通って延びる複数の形成された流体通路を含み、形成された流体通路は、均質化した植物材料の、または植物葉身材料によるシートの対向する両側面の間の流体連通を確立するように適合されている。
【0033】
本明細書において「所定の気流設定」という用語は、本発明による物品およびロッドにおいて複数の形成された流体通路が、均質化した植物材料または植物葉身材料の表面にわたって所定の場所にて導管を効果的に提供し、これによって、制御された様態で、均質化した植物材料または植物葉身材料の対向する両側面の間の流体連通が確立されることを強調するために使用される。均質化した植物材料のシートを指す時、「対向する両側面」という用語は、シート製造プロセスが結果として実質的に平坦なシートをもたらすことに起因して、互いに実質的に平行な表面を画定する均質化した植物材料の両側面を意味する。当然のことながら、植物葉身材料の一部分を指す場合、「対向する両側面」という用語は、互いに実質的に平行な外表面を画定するほど近くはない、植物葉身材料の両側面を意味してもよい。
【0034】
植物材料において自然にまたは偶発的に生じる場合がある通路とは対照的に、形成された流体通路は、均質化した植物材料または植物葉身材料の対向する両側面の間の流体連通が所定の場所に、かつ所定の断面積を有する導管によって確立されるという利点を有する。これは、均質化した植物材料または植物葉身材料の厚さを通して、制御された信頼性の高い様態で気流が促進される場合があるという利点を有し、導管の個数およびサイズは、植物材料にわたる気流の実体および分布を調節するように調整可能である。さらに、任意のタイプの所定の気流設定(例えば、パターン、導管サイズ等に関して)は、異なる植物材料で再現することが簡単であり、これは有利なことに、再現性および一貫性を高める。
【0035】
均質化した植物材料または植物葉身材料を通って延びる形成された流体通路を、ロッド内の植物材料の任意の適切な幾何学的配設で提供することが、使用中に植物材料全体を通してより良好な熱の分散を可能にすることを発明者らは見いだした。これは特に、ロッドが、たばこ葉身材料と随意に組み合わせた一つ以上の均質化したたばこ材料のシートを含む事例である。それらの実施形態において、たばこ材料全体を通した熱のこうした改善された分散は、エアロゾル形成体およびニコチンの送達を改善し、またこの効果は、ロッド中に包埋されたサセプタ発熱体、またはブレードヒーターもしくはピンヒーターによって加熱が達成される場合に特に有利である。
【0036】
理論に束縛されることを望むものではないが、形成された流体通路をエアロゾル発生基体のシートの中に提供することは、シートの表面を横断する方向での気流を可能にすることと、熱交換およびベイパー化可能な種の蒸発に利用可能な表面積を増大させることとの両方によって、熱伝達に影響を与えることが理解される。加えて、製造中に、エアロゾル発生基体のシートを通して気流通路を形成する工程において、材料ブリッジは、エアロゾル発生基体の隣接する層の間に確立されてもよい(例えば、エアロゾル発生材料の部分は、完全に引き離されてはいないが、それらの元の平坦な状態から離れるように折り畳まれ、隣接するシート部分の間に延びる)。
【0037】
形成された流体通路のサイズ、数、および分布を調整および変化させることによって、有利なことに、エアロゾル発生基体全体にわたる熱分散を調整することが可能である。
【0038】
有利なことに、本発明によるロッドは、高速で効率的に実行することができる、かつ既存の設備のいかなる主要な修正も必要とすることなく、加熱式喫煙物品の製造用の既存の生産ラインの中に好都合に組み込むことができる連続的なプロセスで作製することができる。
【0039】
本発明による物品のエアロゾル発生基体を形成するためのシートは、均質化したたばこ材料で形成されてもよく、これは、たばこ葉の葉身の粉砕またはその他の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを含むことが好ましい。同一の物品において、一つ以上のシートを使用することができる。シートはすべて、互いに実質的に同一の組成を有してもよい。別の方法として、シートは、少なくとも二つの異なる組成のシートを含んでもよい。
【0040】
本発明で使用する均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で少なくとも約40重量パーセントのたばこ含有量を有してもよく、乾燥重量基準で少なくとも約50重量パーセントのたばこ含有量を有することがより好ましく、また乾燥重量基準で少なくとも約70重量パーセントのたばこ含有量を有することが最も好ましい。
【0041】
エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を補助するために、たばこ内因性結合剤である一つ以上の内因性結合剤、たばこ外来性結合剤である一つ以上の外因性結合剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートは、たばこ繊維および非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない他の添加物を含んでもよい。
【0042】
エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートに含める適切な外因性結合剤は当業界で周知であり、ゴム(例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ローカストビーンガムなど)、セルロース系結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなど)、多糖類(例えば、デンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウムなどの有機酸の共役塩基塩、寒天、ペクチンなど)、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0043】
エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートに含むための適切な非たばこ繊維は当業界で周知であり、セルロース繊維、針葉樹繊維、広葉樹繊維、ジュート繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。エアロゾル発生基体で使用する均質化したたばこ材料のシートに含める前に、非たばこ繊維は、当業界で周知の適切なプロセスによって処理されてもよく、プロセスには機械パルプ化、精製、化学パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
均質化したたばこ材料のシートは、エアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0045】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を記述する。
【0046】
適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、そして多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリン)またはこれらの混合物である。
【0048】
均質化したたばこ材料のシートは、単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、均質化したたばこ材料のシートは、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0049】
均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準で5パーセントを超えるエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。
【0050】
均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準でおよそ5パーセント~およそ30パーセントのエアロゾル形成体含有量を有してもよい。
【0051】
好ましい一実施形態において、均質化したたばこ材料のシートは、乾燥重量基準でおよそ20パーセントのエアロゾル形成体含有量を有する。
【0052】
本発明のエアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこのシートは、当業界で周知の方法(例えば国際特許公開公報第WO-A-2012/164009 A2号で開示された方法)によって作製されてもよい。
【0053】
均質化したたばこ材料のシートは滑らかなシートであってもよい。別の方法として、シートはシートの集合を容易にするために処理されてもよい。例えば、シートは、虚弱線を提供して集合を容易にするために、溝付け、筋付け、折り畳み、きめ付け、エンボス加工、またはその他の方法の処理が施されてもよい。連続的なシートのための好ましい処理は捲縮である。
【0054】
複数のシートのうちの少なくとも一つの表面上にテクスチャを提供することの代替として、またはそれに加えて、複数のシートの少なくとも一つの表面の少なくとも一部に添加物が塗布されてもよい。添加物は、固体添加物、液体添加物、または固体添加物と液体添加物の組み合わせであってもよい。本発明で使用する適切な固体および液体添加物は当業界で周知であり、それらには風味剤(例えば、メントールなど)、吸着剤(例えば、活性炭など)、植物性添加物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
好ましい一実施形態において、エアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこ材料のシートはキャストプロセスによって、粒子状たばこ、グアーガム、セルロース繊維、およびグリセリンを含むスラリーから形成されている。
【0056】
均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり少なくとも約20個の形成された流体通路を備えることが好ましい。均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり少なくとも約25個の形成された流体通路を備えることがより好ましい。均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり少なくとも約30個の形成された流体通路を備えることがなおより好ましい。
【0057】
加えて、または代替として、均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり約60個未満の形成された流体通路を備えることが好ましい。均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり約50個未満の形成された流体通路を備えることがより好ましい。均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり約40個未満の形成された流体通路を備えることがなおより好ましい。
【0058】
好ましい実施形態において、均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり約20個の形成された流体通路~1平方センチメートル当たり約60個の形成された流体通路を備えることが好ましく、1平方センチメートル当たり約25個の形成された流体通路~1平方センチメートル当たり約50個の形成された流体通路を備えることがより好ましい。特に好ましい実施形態において、均質化した植物材料または植物葉身材料のシートは、1平方センチメートル当たり約25個の形成された流体通路~1平方センチメートル当たり約40個の形成された流体通路を備える。
【0059】
一つのこうした形成された流体通路密度を有する均質化した植物材料または植物葉身材料のシートからロッドが形成されているエアロゾル発生物品、すなわち均質化した植物材料または植物葉身材料のシートが、上述の範囲内に収まる単位表面積当たりの個数の形成された流体通路を有するエアロゾル発生物品において、有利なことに、改善された熱拡散を使用中に達成することが可能であることを発明者らは見いだした。これは、ユーザーへのエアロゾルの送達の増加に有利に働くことが分かっている。
【0060】
形成された流体通路の平均等価直径は、少なくとも約100マイクロメートルであることが好ましい。「等価直径」という用語は、形成された流体通路の断面の、同一の断面表面積を有する円の直径を意味するために使用される。形成された流体通路の平均等価直径は、少なくとも約125マイクロメートルであることがより好ましい。形成された流体通路の平均等価直径は、少なくとも約250マイクロメートルであることがなおより好ましい。
【0061】
加えて、または代替として、形成された流体通路の平均等価直径は、約750マイクロメートル未満であることが好ましい。形成された流体通路の平均等価直径は好ましくは、約625マイクロメートル未満であることがより好ましい。形成された流体通路の平均等価直径は好ましくは、約500マイクロメートル未満であることがなおより好ましい。
【0062】
好ましい実施形態において、形成された流体通路の平均等価直径は、約100マイクロメートル~約750マイクロメートルであり、約125マイクロメートル~約625マイクロメートルであることがより好ましい。これらの範囲内に収まる断面表面積を有する形成された流体通路であると、使用中のロッド内の熱拡散の増大、そして結果としてエアロゾル送達の改善を得ることが簡単であることが分かっている。こうした範囲は、特に均質化したたばこ材料のシートおよびたばこ葉身材料のシートの場合、シートまたは植物葉身の引張強さおよび構造特性を十分に保つ。これは、特に均質化したたばこ材料の場合、均質化した植物材料のシートの集合または捲縮などの製造プロセスにおける重要な工程を考えると特に有利である。
【0063】
形成された流体通路は、長方形、十字形、楕円形、円形を含むがこれらに限定されない任意の適切な断面形状であってもよい。
【0064】
形成された流体通路の断面は、実質的に円形または楕円形であることが好ましい。形成された流体通路の断面が実質的に円形である場合、等価直径は形成された流体通路の断面の実際の直径と実質的に一致する。
【0065】
形成された流体通路の断面形状は、均質化した植物材料のシートの厚さに沿って概して一定であることになる。一部の実施形態において、各形成された流体通路の断面積は、均質化した植物材料のシートの厚さに沿って、例えば均質化した植物材料のシートの厚さに沿ってテーパー状にすることによって変化してもよい。それ故に、一部の実施形態において、形成された流体通路は円錐台状または実質的に円錐状であってもよい。
【0066】
均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の少なくとも約0.1パーセントを表すことが好ましい。均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の少なくとも約0.2パーセントを表すことがより好ましい。均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の少なくとも約0.4パーセントを表すことがなおより好ましい。
【0067】
加えて、または代替として、均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の約45パーセント未満を表すことが好ましい。均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の約25パーセント未満を表すことがより好ましい。均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の約10パーセント未満を表すことがなおより好ましい。
【0068】
一部の特に好ましい実施形態において、均質化した植物材料のシート中または植物葉身材料中の形成された流体通路の累積表面積は、均質化した植物材料のシートの、または植物葉身材料中の表面積の約5パーセント未満を表し、均質化した植物材料のシートまたは植物葉身材料中の表面積の約2パーセント未満を表すことが好ましく、均質化した植物材料のシートまたは植物葉身材料中の表面積の1パーセント未満を表すことがなおより好ましい。
【0069】
一部の実施形態において、形成された流体通路は、繰り返しパターンで提供されている。繰り返しパターンは、形成された流体通路の複数の離隔した列を含むことが好ましい。これは有利なことに、使用中にその長さに沿って、特にロッドの断面にわたって、特に均質な熱拡散、および結果として、より望ましい温度プロファイルを達成するのに役立つ場合がある。
【0070】
好ましい実施形態において、形成された流体通路の列において隣接する形成された流体通路の間の直線距離は、少なくとも約1ミリメートルである。形成された流体通路の列において隣接する形成された流体通路の間の直線距離は、少なくとも約1.5ミリメートルであることがより好ましい。形成された流体通路の列において隣接する形成された流体通路の間の直線距離は、少なくとも約2ミリメートルであることがなおより好ましい。
【0071】
加えて、または代替として、形成された流体通路の列において隣接する形成された流体通路の間の直線距離は、約7ミリメートル未満であることが好ましい。形成された流体通路の列において隣接する形成された流体通路の間の直線距離は、約5ミリメートル未満であることがより好ましい。形成された流体通路の列において隣接する形成された流体通路の間の直線距離は、約3ミリメートル未満であることがなおより好ましい。
【0072】
均質化した植物材料または植物葉身材料のシートの厚さは、少なくとも約25マイクロメートルであることが好ましい。均質化した植物材料または植物葉身材料のシートの厚さは、少なくとも約50マイクロメートルであることがより好ましい。これらの値は、均質化したたばこ材料のシートまたはたばこ葉身材料にとって特に好ましい。シートまたは葉身の厚さは、少なくとも約65マイクロメートルであることがなおより好ましい。特に好ましい実施形態において、シートまたは葉身の厚さは、少なくとも約80マイクロメートルである。
【0073】
加えて、または代替として、シートまたは葉身の厚さは、約500マイクロメートル未満であることが好ましい。シートまたは葉身の厚さは、約300マイクロメートル未満であることがより好ましい。シートまたは葉身の厚さは、約250マイクロメートル未満であることがなおより好ましい。特に好ましい実施形態において、シートまたは葉身の厚さは、約200マイクロメートル未満である。
【0074】
好ましい実施形態において、シートまたは葉身の厚さは、約25マイクロメートル~約500マイクロメートルであることが好ましく、約50マイクロメートル~約300マイクロメートルであることがより好ましい。
【0075】
好ましい実施形態において、均質化した植物材料のシートは捲縮されている。特に好ましい実施形態において、均質化した植物材料のシートは、均質化したたばこ材料の捲縮したシートである。
【0076】
前述の通り、「捲縮した」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。エアロゾル発生物品が組み立てられた時、実質的に平行な隆起または波形は、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿って、またはこれと平行に延びることが好ましい。
【0077】
好ましい実施形態において、形成された流体通路は、シートの捲縮していない部分に形成されている。言い換えれば、形成された流体通路は、シートを捲縮することによって形成された隆起または波形の対の間のシートの部分を通して形成されている。これは、形成された流体通路が、隆起または波形にてシートの脆弱性をさらに増大させないという点で有利である。
【0078】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0079】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約12ミリメートル、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。
【0080】
エアロゾル発生基体のロッドは、約7ミリメートル~約15mmの長さを有してもよい。一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。
【0081】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0082】
上述の通り、エアロゾル発生基体のロッドを形成しているたばこ材料は、ロッドの状態でラッパーによって囲まれている。ラッパーは多孔性または非多孔性のシート材料で形成されてもよい。ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせで形成されてもよい。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。
【0083】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドに加え、一つ以上の要素を備えることが好ましく、ロッドおよび一つ以上の要素はシガレットペーパー内に組み立てられている。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、マウスピース(セルロースアセテートトウのプラグのような濾過材料のセグメントを備えるマウスピースなど)、エアロゾル冷却要素、および支持要素(中空のアセテート管など)のうちの少なくとも一つをさらに備えてもよい。
【0084】
例えば、一つの好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は直線状の連続的な配設で、上述の通りのエアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置する支持要素と、支持要素の下流に位置するエアロゾル冷却要素と、ロッド、支持要素およびエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーとを備える。
【0085】
エアロゾル発生基体のロッドの引き出し抵抗(RTD)は、約50mmWG~約80mmWGであることが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドのRTDは、ロッドの長さ1ミリメートル当たり約5mmWG~約8mmWGであることが好ましい。本明細書で使用される引き出し抵抗は、圧力の単位「mmWG」または「水柱ミリメートル」で表され、ISO 6565:2002に従って測定される。
【0086】
ロッドのRTDは、例えばシートの厚さ、または葉身材料の厚さ、またはその両方など、植物材料の配設またはその特徴を変化させることによって適合されてもよい。
【0087】
詳細に上述した、本発明によるエアロゾル発生物品で使用するエアロゾル発生基体のロッドは、上記で定義の通り、本発明の第二の態様による方法を使用して製造されてもよい。本発明による方法の第一の工程において、均質な植物材料のシートが提供される。第二の工程において、均質化した植物材料のシート中に流体通路が形成されて、形成された流体通路は、均質化した植物材料のシートの厚さを通って延びる。
【0088】
第三の工程において、均質化した植物材料は、ラッパーによって囲まれて連続的なロッドを形成する。均質化した植物材料は、ロッドの上流端とロッドの下流端との間に長軸方向に延びるラッパー内に配設され、所定の気流設定の複数の形成された流体通路は、シート材料の対向する両側面の間の流体連通を確立する。本方法の第四の工程において、連続的なロッドは複数の個別のロッドへと切り離される。
【0089】
複数のシートをラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程、および連続的なロッドを切り離して個別のロッドを形成する工程は、当業者に周知であろう既存の器具および技法を使用して実行されてもよい。
【0090】
形成された流体通路は、包装分野で一般的に使用される紙の穿孔のための器具などの穿孔機器によって、均質化した植物材料のシート中に形成されてもよい。これは、規則的に配設された、かつ一貫した断面形状を有する、形成された流体通路の形成を容易にする。一実施形態において、形成された流体通路は、均質化したたばこ材料(例えば、キャストリーフ)のシート中に電気孔開けプロセスによって形成されてもよく、その後に、均質化したたばこ材料中に約2マイクロメートルの深さを有する溝を形成するために、カレンダー加工およびマイクロエングレービングの工程が続いてもよい。
【0091】
本発明による物品のエアロゾル発生基体のロッドの製造において使用するエアロゾル発生基体は、シートの形態にあるエアロゾル発生材料を所定の平面内で第一の方向に沿って前進させるためのコンベヤーと、前進したエアロゾル発生材料上の所定の場所に気流通路を形成するように適合された通路形成手段を備える穿孔部材とを備える器具によって製造されてもよく、気流通路はエアロゾル発生材料の厚さを通って延びる。
【0092】
一部の実施形態において、通路形成手段は、前進するエアロゾル発生材料と直接的に(すなわち、機械的に)協働して気流通路を形成するように構成されている。穿孔部材は、この目的のために、穿孔部材の表面から外向きに延びる複数のピンを備えてもよい。一例として、穿孔部材は、穿孔部材の実質的に円筒状の表面上に提供された、かつ第一の方向と実質的に直交する軸を中心として回転するように構成された複数のピンを備えてもよく、複数のピンはエアロゾル発生材料と協働して、エアロゾル発生材料の厚さを通って延びる、対応する複数の形成された気流通路を形成し、その一方でエアロゾル発生材料は前進する。ピンのサイズ(長さ、断面)を変化させることによって、もしくはピンの密度(すなわち、穿孔部材の円筒状の表面の表面積の1平方センチメートル当たりのピンの個数)を変化させることによって、またはその両方によって、有利なことに、エアロゾル発生基体のシート中の複数の形成された気流通路の個数、密度、およびサイズを調整することが可能である。一例として、シートの形態にある同一のエアロゾル発生材料から開始して、異なる幾何学的パラメータを有する形成された気流通路を有する様々なエアロゾル発生基体を製造するために、上述のパラメータの様々な組み合わせを有するローラーが使用されてもよい。
【0093】
代替として、穿孔部材は、前進するエアロゾル発生材料と協働するために直線的に移動される複数のピンを備えてもよい。
【0094】
他の実施形態において、通路形成手段は、電磁放射の生成を介して(例えば、レーザー穿孔)など、エアロゾル発生材料との直接的な相互作用なしで、気流通路を形成するように構成されてもよい。
【0095】
ここで、以下の実施例および図を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【
図1】
図1は、本発明によるヒーター要素を備えるエアロゾル発生装置で使用するエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向断面図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による物品のエアロゾル発生基体のロッドで使用する均質化したたばこ材料の詳細の概略上面図を示す。
【
図3】
図3は、電気的に作動するエアロゾル発生装置と、
図1に示すエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの概略的な長軸方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0097】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12、中空のセルロースアセテートチューブ14、冷却要素16、およびマウスピースフィルター18を備える。これらの四つの要素は逐次的に、かつ同軸に整列して配設されていて、かつシガレットラッパー20によって囲まれて、エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、口側端22と、口側端22に対して物品の反対側の端に位置する遠位端24とを有する。
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッドを加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するのに特に適切である。
【0098】
エアロゾル発生基体のロッド12は、およそ12ミリメートルの長さ、およびおよそ7ミリメートルの直径を有する。ロッド12は円筒状の形状である、および実質的に円形の断面を有する。
【0099】
エアロゾル発生基体のロッド12は、
図2に詳細に示されている均質化したたばこ材料のシート26から形成されている。より詳細には、エアロゾル発生基体のロッド12は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体26を備え、これはロッドの遠位端24とロッド12の下流端22との間に長軸方向に延びる複数のチャネルを画定する。
【0100】
図2に図示の通り、均質化したたばこ材料のシート26は、シート26の厚さを通って延びる複数の形成された流体通路28を備える。形成された流体通路28は、その集合した構成にある時、シート26によって画定された二つ以上のチャネルの間の流体連通を確立するように適合されている。形成された流体通路28は、実質的に円形の断面と約250マイクロメートルの等価直径とを有する。シート26は、1平方センチメートル当たり25個の形成された流体通路を備える。
【0101】
図3は、
図1に示すエアロゾル発生物品10のエアロゾル発生基体のロッド12を加熱するためのヒーターブレード210を利用する電気的に作動するエアロゾル発生システム200の一部分を示す。ヒーターブレード210は、電気的に作動するエアロゾル発生装置212のハウジング内のエアロゾル発生物品チャンバー内に据え付けられている。エアロゾル発生装置212は、
図3に矢印で図示されている通り、空気がエアロゾル発生物品10に流れることを可能にするための複数の空気穴214を画定する。エアロゾル発生装置212は、電源および電子部品を備え、これらは
図3で図示されていない。
【0102】
図1に示すエアロゾル発生物品10は消費されるために、
図3に示すエアロゾル発生装置212と係合するように設計されている。エアロゾル発生物品10はエアロゾル発生装置212の中に挿入されていて、これによってヒーターブレード210は、エアロゾル発生基体のロッド12の中に挿入されている。マウスピースフィルター18は、装置212の口側端から外向きに突出する。エアロゾル発生物品10がエアロゾル発生装置212と係合すると、エアロゾル発生物品10の口側端22に陰圧が印加されてもよく、またエアロゾル発生基体のロッド12はヒーターブレード210によって、エアロゾル発生基体のロッド12からエアロゾルを発生するのに十分な温度に加熱される。エアロゾルは、口側端フィルター18を通して引き出される。
【0103】
当然のことながら、
図1に示すエアロゾル発生物品10はまた、他のタイプのエアロゾル発生装置で使用するのに適切である場合がある。
【0104】
実施例
図1に図示された、かつ上述されたタイプのエアロゾル発生物品で使用するエアロゾル発生基体の幾つかの実施例を、約200マイクロメートルの厚さを有する均質化したたばこ材料(キャストリーフ)のシートから調製した。これらのパラメータのうちの一部を下記の表1に示す。
【0105】
形成された流体通路の等価直径およびシートの単位表面積当たりの形成された流体通路の個数を変化させて、気流設定表面積の率、すなわち形成された流体通路の累積断面積とシートの全表面積との間の比の異なる値を探索した。
【国際調査報告】