(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】電源との電気的接続性が改善されたトランスデューサを備えたニードルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20220216BHJP
A61M 5/42 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A61B8/00
A61M5/42 520
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537065
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-22
(86)【国際出願番号】 US2019067042
(87)【国際公開番号】W WO2020139645
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハラジュ、スティーブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】コムトワ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】シャリアリ、シルザド
(72)【発明者】
【氏名】シャラレ、シヴァ
(72)【発明者】
【氏名】コーカー、ジャスティン・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C066
4C601
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066KK11
4C066LL13
4C066QQ82
4C601EE10
4C601FF04
4C601FF06
4C601GA02
4C601GA08
4C601GA20
4C601GA28
4C601GB20
(57)【要約】
本開示は、超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有するニードルを備える。ニードルの遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサをさらに備える。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの近位端から遠位端にかけて、ニードルの外面に取り付けられたフレキシブルプリント回路基板をさらに備える。フレキシブルプリント回路基板は、ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像化システムと共に使用するためのアクティブ型のニードルアセンブリであって、
近位端及び遠位端を有し、前記遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルと、
前記ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサと、
前記ニードルの前記外面に取り付けられたフレキシブルプリント回路基板であって、前記ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する、該フレキシブルプリント回路基板と、
を備える、ニードルアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のニードルアセンブリであって、
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記ニードルの前記外面に取り付けられた可撓性ベースであって、その表面に複数の導電性トラックが印刷された、該可撓性ベースを含み、
前記複数の導電性トラックは、
前記ニードルトランスデューサから信号を送信するように構成された第1の導電性トラックと、
前記超音波画像化システムから信号を受信するように構成された第2の導電性トラックと、を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のニードルアセンブリであって、
前記複数の導電性トラックは、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、または積層造形のうちの少なくとも1つによって前記可撓性ベース上に印刷される、ニードルアセンブリ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記ニードルトランスデューサは、前記ニードルの前記遠位端に取り付けられる、ニードルアセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記フレキシブルプリント回路基板を前記患者から絶縁するために、前記フレキシブルプリント回路基板における、前記ニードルの前記外面に対して反対側の面に設けられた少なくとも1つの第1の絶縁層をさらに備える、ニードルアセンブリ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記フレキシブルプリント回路基板と前記ニードルの前記外面との間に設けられた少なくとも1つの第2の絶縁層をさらに備える、ニードルアセンブリ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記フレキシブルプリント回路基板の前記複数の導電性トラック及び電子部品は、前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて直線状に配置される、ニードルアセンブリ。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記フレキシブルプリント回路基板の前記複数の導電性トラック及び電子部品は、前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて螺旋状に配置される、ニードルアセンブリ。
【請求項9】
超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリであって、
近位端及び遠位端を有し、前記遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルと、
前記ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサと、
前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて前記ニードルの前記外面に固定された導管アセンブリであって、該導管アセンブリを貫通する少なくとも1つの管腔を画定する、該導管アセンブリと、
前記導管アセンブリの前記管腔を通して配線され、前記ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する少なくとも1つの導電性ケーブルと、
を備える、ニードルアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のニードルアセンブリであって、
前記導管アセンブリは、金属管またはポリマー熱収縮管のうちの少なくとも一方を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項11】
請求項9に記載のニードルアセンブリであって、
前記導管アセンブリは、少なくとも2つの管腔を画定する、ニードルアセンブリ。
【請求項12】
請求項9に記載のニードルアセンブリであって、
前記導管アセンブリは、前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて直線状に配置される、ニードルアセンブリ。
【請求項13】
請求項9に記載のニードルアセンブリであって、
前記導管アセンブリは、前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて螺旋状に配置される、ニードルアセンブリ。
【請求項14】
請求項9に記載のニードルアセンブリであって、
前記導電性ケーブルは、単一のコアワイヤまたは同軸ケーブルのうちの少なくとも一方を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項15】
超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリであって、
近位端及び遠位端を有し、前記遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルと、
前記ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサと、
積層造形プロセスによって前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて前記ニードルの前記外面に印刷された少なくとも1つの導電性トレースであって、前記ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する、該導電性トレースと、
を備える、ニードルアセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載のニードルアセンブリであって、
前記積層造形プロセスによって前記ニードルの前記外面に印刷された複数の導電性トレースをさらに備える、ニードルアセンブリ。
【請求項17】
請求項15または16に記載のニードルアセンブリであって、
前記積層造形プロセスは、指向性エネルギー堆積または直接レーザ堆積のうちの少なくとも一方を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項18】
請求項15~17のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記少なくとも1つの導電性トレースを前記患者から絶縁するために、前記導電性トレースにおける、前記ニードルの前記外面に対して反対側の面に設けられた少なくとも1つの第1の絶縁層をさらに備える、ニードルアセンブリ。
【請求項19】
請求項15~18のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記少なくとも1つの導電性トレースと前記ニードルの前記外面との間に設けられた少なくとも1つの第2の絶縁層をさらに備える、ニードルアセンブリ。
【請求項20】
請求項15~19のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記少なくとも1つの導電性トレースは、前記ニードルの前記近位端から前記遠位端にかけて直線状に配置される、ニードルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年12月27日出願の米国特許出願第16/233、595号に基づく優先権を主張するものである。上記出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、神経ブロック処置に使用するニードルアセンブリに関し、より詳細には、電源との電気的接続性が改善されたニードルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
超音波画像化を用いた解剖学的対象物の検出は、局所麻酔神経ブロックなどの多くの医療処置に不可欠のステップであり、診断、患者層別化、治療計画、治療介入、及び/または経過観察を支援するために臨床診療において標準になってきている。コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴(MR)、超音波、及び透視画像などの医用画像における解剖学的検出及び追跡を行うために、従来のアプローチに基づく様々なシステムが存在する。
【0004】
例えば、超音波画像化システムは、人間の可聴域を超える周波数の音波を利用する。さらに、超音波画像化システムは、診断や治療を行うために医療現場で広く使用されている。このような処置(診断や治療)では、超音波検査者は、患者の身体上に直接当てたり、患者の身体上で移動させたりすることができる手持ち式のプローブまたはトランスデューサを使用して患者のスキャンを行う。
【0005】
特定の超音波システムは、電源との電気的接続を必要とするアクティブ型(すなわち、電動型)のトランスデューサを備えたニードルと組み合わせて使用される。このようなニードルアセンブリは、一般的に、ニードルの内腔を通して、電源からトランスデューサまでケーブルを配線する。しかしながら、ニードルの内腔を通してケーブルを配線すると、ニードルの内腔の一部が塞がれてしまい、その結果、流体/薬剤がニードルの内腔を自由に流れるのを妨げてしまうという問題があった。
【0006】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、電源との電気的接続性が改善されたニードルアセンブリを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的及び利点は、その一部が以下の説明に記載されており、または以下の説明から明らかであり、または本発明の実施により学ぶことができるであろう。
【0008】
一態様では、本開示は、超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有するニードルを備える。ニードルの遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサをさらに備える。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの近位端から遠位端にかけて、ニードルの外面に取り付けられたフレキシブルプリント回路基板をさらに備える。フレキシブルプリント回路基板は、ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する。
【0009】
一実施形態では、フレキシブルプリント回路基板は、ニードルの外面に取り付けられた可撓性ベースを含み、可撓性ベースの表面には、複数の導電性トラックが印刷されている。例えば、特定の実施形態では、記複数の導電性トラックは、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、積層造形、または任意の他の適切な印刷プロセスによって可撓性ベース上に印刷される。
【0010】
別の実施形態では、本開示のニードルアセンブリは、フレキシブルプリント回路基板を患者から絶縁するために、フレキシブルプリント回路基板における、ニードルの外面に対して反対側の面に設けられた少なくとも1つの第1の絶縁層をさらに備える。加えて、本開示のニードルアセンブリは、フレキシブルプリント回路基板とニードルの外面との間に設けられた少なくとも1つの第2の絶縁層をさらに備える。
【0011】
さらなる実施形態では、フレキシブルプリント回路基板の複数の導電性トラック及び電子部品は、ニードルの近位端から遠位端にかけて直線状に配置される。別の実施形態では、フレキシブルプリント回路基板の複数の導電性トラック及び電子部品は、ニードルの近位端から遠位端にかけて螺旋状に配置される。
【0012】
別の態様では、本開示は、超音波画像化システムと共に使用するための別のニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有するニードルを備える。ニードルの遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサをさらに備える。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの近位端から遠位端にかけてニードルの外面に固定された導管アセンブリをさらに備える。導管アセンブリは、該導管アセンブリを貫通する少なくとも1つの管腔を画定する。本開示のニードルアセンブリは、導管アセンブリの管腔を通して配線され、ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する少なくとも1つの導電性ケーブルをさらに備える。
【0013】
一実施形態では、導管アセンブリは、金属管またはポリマー熱収縮管のうちの少なくとも一方を含む。別の実施形態では、導管アセンブリは、少なくとも2つの管腔を画定する。
【0014】
さらなる実施形態では、導管アセンブリは、ニードルの近位端から遠位端にかけて直線状に配置される。別の実施形態では、導管アセンブリは、ニードルの近位端から遠位端にかけて螺旋状に配置される。
【0015】
別の実施形態では、導電性ケーブルは、単一のコアワイヤまたは同軸ケーブルのうちの少なくとも一方を含む。
【0016】
さらに別の態様では、本開示は、超音波画像化システムと共に使用するための別のニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有するニードルを備える。ニードルの遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサをさらに備える。本開示のニードルアセンブリは、積層造形プロセスによってニードルの近位端から遠位端にかけてニードルの外面に印刷された少なくとも1つの導電性トレースをさらに備える。導電性トレースは、ニードルトランスデューサを電源に電気的に接続する。
【0017】
一実施形態では、本開示のニードルアセンブリは、積層造形プロセスによってニードルの外面に印刷された複数の導電性トレースをさらに備える。特定の実施形態では、積層造形プロセスは、指向性エネルギー堆積または直接レーザ堆積のうちの少なくとも一方を含む。
【0018】
別の実施形態では、本開示のニードルアセンブリは、少なくとも1つの導電性トレースを患者から絶縁するために、導電性トレースにおける、ニードルの外面に対して反対側の面に設けられた少なくとも1つの第1の絶縁層をさらに備える。加えて、本開示のニードルアセンブリは、少なくとも1つの導電性トレースとニードルの外面との間に設けられた少なくとも1つの第2の絶縁層をさらに備える。
【0019】
さらなる実施形態では、導電性トレースは、ニードルの近位端から遠位端にかけて直線状に配置される。別の実施形態では、導電性トレースは、ニードルの近位端から遠位端にかけて螺旋状に配置される。
【0020】
本発明の上記及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付された特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解できるであろう。添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0021】
当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示(ベストモードを含む)が、添付図面を参照して、本明細書に説明されている。
【0022】
【
図1】
図1は、本開示による画像化システムの一実施形態の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、本開示による画像化システムのコントローラの一実施形態のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、本開示によるニードルアセンブリの一実施形態の概略図を示す。
【
図4A】
図4Aは、本開示によるニードルの遠位端の一実施形態の斜視図を示し、特に、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤがそれぞれ配置される、ニードルの壁部に凹設された平坦凹部及び長手方向溝を示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示によるニードルの遠位端の別の実施形態の斜視図を示し、特に、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤがそれぞれ配置される、ニードルの壁部に凹設されたニードルの遠位端まで延びる平坦凹部及び長手方向溝を示す。
【
図6A】
図6Aは、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の斜視図を示し、特に、ニードルに凹設された、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤが配置される凹部及び長手方向溝を示す。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aに示した凹部の一実施形態の断面図を示し、特に、凹部がニードルの内腔と交差するように形成された場合を示す。
【
図6C】
図6Cは、
図6Aに示した凹部の別の実施形態の断面図を示し、特に、凹部がニードルの内腔と交差しないように形成された場合を示す。
【
図7】
図7は、本開示によるニードルの遠位端の一実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの遠位端に設けられたニードルトランスデューサを電源に電気的に接続するために、ニードルの外面に取り付けられたフレキシブルプリント回路基板を示す。
【
図8】
図8は、本開示によるニードルの遠位端の別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの遠位端に設けられたニードルトランスデューサを電源に電気的に接続するために、ニードルの凹部を取り付けたフレキシブルプリント回路基板を示す。
【
図9】
図9は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの周方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられた複数のニードルトランスデューサを示す。
【
図10】
図10は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの長さ方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられた複数のニードルトランスデューサを示す。
【
図11】
図11は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の斜視図を示し、特に、ニードルの遠位端に設けられたニードルトランスデューサを電源に電気的に接続するために、ニードルの外面に取り付けられた導管アセンブリを示す。
【
図12】
図12は、
図11に示したニードルアセンブリの一実施形態の断面図を示し、特に、ニードルの外面に取り付けられた単一管腔型の導管アセンブリを示す。
【
図13】
図13は、本開示によるニードルアセンブリの別の実施形態の断面図を示し、特に、ニードルの内面に取り付けられた単一管腔型の導管アセンブリを示す。
【
図14】
図14は、本開示によるニードルアセンブリのさらに別の実施形態の断面図を示し、特に、ニードルの外面に取り付けられた二重管腔型の導管アセンブリを示す。
【
図15】
図15は、本開示によるニードルアセンブリの一部の詳細図を示し、特に、ニードルの外面に直線状に取り付けられた導電性ケーブを示す。
【
図16】
図16は、本開示によるニードルアセンブリの一部の詳細図を示し、特に、ニードルの外面に螺旋状に取り付けられた導電性ケーブを示す。
【
図17】
図17は、本開示によるニードルアセンブリの一部の詳細図を示し、特に、積層造形プロセスを用いてニードルの外面に印刷された電気トレースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の1以上の実施形態及び添付図面に図示した本発明の実施例について詳細に説明する。各実施例及び実施形態は、本発明を説明するために提示されたものであり、本発明を限定するものではない。例えば、或る実施形態の一部として例示または説明された特徴を、別の実施形態と共に使用することによって、さらなる別の実施形態を創出することができる。本発明は、本発明及びその均等物の範囲に含まれる限り、そのような変更形態及び変形形態を包含することを意図している。
【0024】
図1及び
図2を参照すると、患者の解剖学的対象物を走査、識別、及びナビゲートするための、本開示に係る医用の画像化システム10が示されている。本明細書で使用するとき、解剖学的対象物22及びその周囲組織は、患者の任意の解剖学的構造物及び/またはその周囲組織を含み得る。例えば、一実施形態では、解剖学的対象物22は、1以上の神経または神経束を含み得る。より具体的には、別の実施形態では、解剖学的対象物22としては、下側の4つの頸神経及び第1胸神経の前肢によって形成された、脊髄から延びる神経ネットワークに概ね相当する、患者の斜角筋間腕神経叢が挙げられる。この場合、腕神経叢の周囲組織は、一般的に、胸鎖乳突筋、中斜角筋、前斜角筋等に相当する。
【0025】
なお、本開示のシステムは、腕神経叢に関連する医療処置に加えて、任意の解剖学的構造物に関連する任意の様々な医療処置にも使用できることを理解されたい。例えば、解剖学的対象物22は、上肢及び下肢、並びに、コンパートメントブロック(筋区画ブロック)を含み得る。より具体的には、このような実施形態では、上肢の解剖学的対象物22としては、斜角筋間筋、鎖骨上筋、鎖骨下筋、及び/または腋窩筋の神経ブロックが挙げられ、これらは全て、互いに異なる位置で、腕神経叢(上肢へ延びる神経束)をブロックする。さらに、下肢の解剖学的対象物22としては、腰神経叢、腸骨筋膜、大腿神経、坐骨神経、外転筋管、膝窩、伏在静脈(足首)等が挙げられる。加えて、コンパートメントブロックの解剖学的対象物22としては、肋間腔、腹横筋膜面、胸部傍脊椎腔等が挙げられる。
【0026】
加えて、図示のように、画像化システム10は、本技術の恩恵を受けることができる超音波画像化システムまたは任意の他の適切な画像化システムに相当し得る。このため、図示のように、画像化システム10は一般的に、コントローラ12と、解剖学的対象物22の画像20を表示するように構成されたユーザディスプレイ装置18とを備える。コントローラ12は、1以上のプロセッサ14及びそれに関連するメモリデバイス16を含み、様々なコンピュータ実施機能(例えば、本明細書に開示された方法等の実行、及び関連データの格納)を実行するように構成されている。また、画像化システム10は、コンピュータ及び/またはキーボード等のユーザインタフェース24を備え、ユーザがユーザディスプレイ装置18に画像を表示させること、及び/またはユーザがユーザディスプレイ装置18を操作することを補助するように構成されている。
【0027】
加えて、
図2に示すように、コントローラ12は、プロセッサ14と、画像化システム10の様々な構成要素、例えば
図1に示した構成要素との間の通信を容易にするための通信モジュール26をさらに含む。さらに、通信モジュール26は、1以上のプローブ(例えば、超音波トランスデューサ及び/または本明細書に開示されるニードルトランスデューサ30)から送信された信号を、プロセッサ14が理解して処理することができる信号に変換するためのセンサインタフェース28(例えば、1以上のアナログ-デジタル変換器)を有する。
【0028】
本明細書に開示される様々なプローブ及び/またはトランスデューサは、任意の適切な手段を用いて通信モジュール26に通信可能に接続され得ることを理解されたい。例えば、
図2に示すように、ニードルトランスデューサ30は、有線接続によってセンサインタフェース28に接続され得る。また、他の実施形態では、ニードルトランスデューサ30は、当技術分野で既知の任意の適切な無線通信プロトコル等を使用して、無線接続によってセンサインタフェース28に接続され得る。このようにして、プロセッサ14は、ニードルトランスデューサ30から1以上の信号を受信するように構成され得る。
【0029】
本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という用語は、当技術分野においてコンピュータ内に含まれているものとして言及される集積回路だけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、及び他のプログラム可能な回路も指す。プロセッサ14はまた、先進制御アルゴリズムを計算し、様々なイーサネット(登録商標)またはシリアルベースのプロトコル(Modbus、OPC、CAN等)と通信するように構成される。さらに、特定の実施形態では、プロセッサ14は、計算時間及びローカルデバイスの負荷を減らすことを目的として、クラウドコンピューティングのためにインターネットを介してサーバと通信してもよい。加えて、メモリデバイス16は一般的に、これに限定しないが、例えば、コンピュータ可読媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、及び/または他の適切なメモリ要素等のメモリ要素を含み得る。このようなメモリデバイス16は一般的に、プロセッサ14によって実行されたときに本明細書に記載された様々な機能を実行するように該プロセッサ14を構成する適切なコンピュータ可読命令を格納するように構成され得る。
【0030】
次に、
図3~
図17を参照すると、任意の種類のトランスデューサ信号(例えば、電流信号)をコネクタに伝送するために、ニードルの電気デバイス(例えば、ニードルトランスデューサ30)を電源(コネクタとも称する)に電気的に接続するための複数の技術を説明するために、本開示の実施形態の様々な図が示されている。特に
図3を参照すると、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32の一実施形態の側面図であって、特に、電源とニードルトランスデューサ30との間の電気接続を示す側面図が示されている。より具体的には、図示のように、ニードルアセンブリ32は、近位端36及び遠位端38を有し、遠位端38が患者に挿入されるように構成されたニードル34と、ニードル34の遠位端38において、ニードル34の外面40に取り付けられたニードルトランスデューサ30とを備える。
【0031】
なお、ニードルトランスデューサ30は、ニードル34の任意の適切な位置に取り付けてもよいことを理解されたい。加えて、
図3、
図7、
図8、
図10、
図11に示すように、ニードルトランスデューサ30は、ニードル34の周方向の一側面に取り付けられる。このような実施形態では、ニードルアセンブリ32の使用中に、ニードルアセンブリ32のユーザは、ニードルトランスデューサ30を超音波画像化システム10の超音波プローブに向けて方向を合わせる必要がある。別の実施形態では、
図10に示すように、ニードルアセンブリ32は、ニードル34の長さ方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて配置された複数のニードルトランスデューサ30を備える。別の実施形態では、
図9に示すように、ニードルアセンブリ32は、ニードル34の周囲に、ニードル34の周方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて配置された複数のニードルトランスデューサ30を備える。このような実施形態では、超音波画像化システム10の超音波プローブが、ニードル34の周方向に配置された複数のニードルトランスデューサ30のうちの1つのニードルトランスデューサ30を容易に見つけることができるので、ニードル34の周方向の向きは気にしなくてもよい(すなわち、ニードルアセンブリ32は、周方向の向きは気にしなくてもよい)。
【0032】
さらに、
図3に示すように、ニードル34は、その近位端36にニードルハブ42を含む。このような実施形態では、ニードルトランスデューサ30は、ニードルハブ42を介して、コントローラ12に通信可能に接続される。さらに、ニードルトランスデューサ30は、ニードルハブ42を介して、ニードルトランスデューサ30に電力を供給する電源44に接続される。特定の実施形態では、電源44は、超音波画像化システム10の一部であってもよい。または、ニードルアセンブリ32が超音波画像化システム10から完全に自律的であるように、電源44は、超音波画像化システム10とは別個の構成要素であってもよい。
【0033】
加えて、ニードルトランスデューサ30は、当技術分野で現在知られている、または将来開発される任意の適切なトランスデューサであってもよい。例えば、一実施形態では、ニードルトランスデューサ30は、圧電(PZT)トランスデューサであり得る。あるいは、ニードルトランスデューサ30は、容量性マイクロマシン加工超音波(CMUT)トランスデューサであってもよい。さらに別の実施形態では、ニードルトランスデューサ30は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)トランスデューサ、及び/または光音響トランスデューサであってもよい。
【0034】
特に
図4A、
図4B、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B、及び
図6Cを参照すると、ニードルアセンブリ32のニードル34の様々な実施形態の様々な図が示されている。より具体的には、
図4A及び
図4Bは、本開示によるニードル34の遠位端38の一実施形態の斜視図及び断面図を示し、特に、ニードルトランスデューサ30及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に凹設された平坦凹部49及び長手方向溝47を示す。長手方向溝47は、平坦凹部49からニードル34の近位端36まで延びるように構成される。
図4A及び
図4Bの実施形態では、ニードル34の壁部の前側部分(平坦凹部49の遠位側に隣接する部分)は、ニードル34を患者の体内に挿入したときにニードルトランスデューサ30を保護するように構成される。
図5A及び
図5Bは、本開示によるニードル34の遠位端38の別の実施形態の斜視図及び断面図を示し、特に、ニードルトランスデューサ30及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に凹設された平坦凹部49及び長手方向溝47を示す。長手方向溝47は、平坦凹部49からニードル34の近位端36まで延びるように構成される。
図5A及び
図5Bの実施形態では、平坦凹部49は、ニードル34の遠位端38まで延びるように構成される。また、
図6Aは、本開示によるニードル34の遠位端38のさらに別の実施形態の斜視図を示し、特に、特に、ニードルトランスデューサ30及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に形成された凹部48及び長手方向溝47を示す。長手方向溝47は、凹部48からニードル34の近位端36まで延びるように構成される。加えて、
図6Bは、
図6Aに示した凹部48の一実施形態の断面図を示し、特に、凹部48が、ニードル34の内腔と交差する(ニードル34の内腔内に突出する)ように形成された場合を示す。また、
図6Cは、
図6Aに示した凹部48の別の実施形態の断面図を示し、特に、凹部48が、ニードル34の内腔と交差しない(ニードル34の内腔内に突出しない)ように形成された場合を示す。
【0035】
次に、
図7及び
図8を参照すると、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32のいくつかの実施形態の詳細図が示されており、特に、ニードルトランスデューサ30を電源44に電気的に接続するために使用されるフレキシブルプリント回路基板46が示されている。より具体的には、図示のように、フレキシブルプリント回路基板46は、ニードル34の外面40に取り付けられ、ニードル34の近位端36から遠位端38にかけて延びている。図示のように、フレキシブルプリント回路基板46は、ニードルトランスデューサ30を電源44に電気的に接続するように構成されている。
【0036】
一実施形態では、
図7及び
図8にそれぞれ示すように、フレキシブルプリント回路基板46は、可撓性ベース50を含み、可撓性ベース50の表面には、1以上の導電性トレースまたは導電性トラック52が印刷されている。可撓性ベース50は、ニードル34の外面40に効果的に取り付けることができるように、ニードル34の形状に合わせて容易に撓むことができる。例えば、特定の実施形態では、導電性トレースまたは導電性トラック52は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、積層造形、または任意の他の適切な印刷プロセスによって、可撓性ベース50の表面に印刷され得る。加えて、このような実施形態では、導電性トラック52の幅は、例えば、約0.10~0.25mmの範囲であり得る。さらに、特定の実施形態では、より良好なノイズ耐性を達成するために、グラウンドプレーンを使用して信号トレースを取り囲むようにしてもよい。加えて、図示のように、複数の導電性トラック52は、ニードルトランスデューサ30から信号を送信するように構成された第1の導電性トラック54と、超音波画像化システム10から信号を受信するように構成された第2の導電性トラック56とを含む。
【0037】
加えて、
図8に示すように、ニードルアセンブリ32の図示した実施形態は、ニードル34は、該ニードル34の壁部に凹設された、第1の導電性トラック54及び第2の導電性トラック56を受容するための長手方向溝47と、ニードルトランスデューサ30を受容するための平坦凹部49とを含む。さらに、
図4A、
図4B、及び
図8に示すように、平坦凹部49は、トランスデューサ30を保護するために、ニードル34の遠位端38の手前で終端するように形成されている。別の実施形態では、ニードルアセンブリ32は、送信及び受信のための2つの導電性トラックの代わりに、第1の送信/受信経路を提供する単一の導電性トラックを含む。この場合、ニードル34が、第2の送信/受信経路としての役割を果たす。このような実施形態では、ニードル34をその径方向において第1の側部と第2の側部との2つの側部に分割し、第1の側部に導電性トラックを配置し、第2の側部が第2の送信/受信経路を提供するように構成するとよい。あるいは、導電性トラックを、単に、ニードル34の別の部分(導電性トラックが配置されていない部分)から絶縁するように構成してもよい。
【0038】
特に
図11~
図14を参照すると、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32の別の実施形態の様々な図が示されている。
図11は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32の別の実施形態の斜視図を示す。
図12は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32の一実施形態の詳細な断面図を示し、特に、ニードル34の内腔の外部に設けられた単一の導管アセンブリ58及びその管腔60を示す。
図13は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32の別の実施形態の詳細な断面図を示し、特に、ニードル34の内腔の内部に設けられた単一の導管アセンブリ58及びその管腔60を示す。
図14は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32のさらに別の実施形態の詳細な断面図を示し、特に、ニードル34の内腔の外部に設けられた2つの導管アセンブリ58及びそれらの2つの管腔60を示す。
【0039】
図11に示すように、ニードルアセンブリ32は、フレキシブルプリント回路基板46を備える代わりに、近位端36から遠位端38にかけてニードル34の外面40に固定された導管アセンブリ58を備えてもよい。さらに、
図12に示すように、導管アセンブリ58は、それを貫通する少なくとも1つの管腔60を画定する。この場合、ニードルアセンブリ32は、導管アセンブリ58の管腔60を通して配線され、ニードルトランスデューサ30を超音波画像化システム10の電源44に電気的に接続する少なくとも1つの導電性ケーブル62、64をさらに備える。例えば、図示のように、ニードルアセンブリ32は、ニードルトランスデューサ30から信号を送信するように構成された第1の導電性ケーブル62と、超音波画像化システム10から信号を受信するように構成された第2の導電性ケーブル64とを備える。
【0040】
このような実施形態では、導管アセンブリ58は、金属管、ポリマー熱収縮管、または任意の他の適切な管材料から構成され得る。加えて、特定の実施形態では、
図12及び
図13に示すように、導管アセンブリ58は、単一の管腔60を画定してもよい。加えて、図示のように、導管アセンブリ58は、ニードル34の内腔の外部に配置してもよいし(
図12)、または、ニードル34の内腔の内部に配置してもよい(
図13)。別の実施形態では、
図14に示すように、導管アセンブリ58は、少なくとも2つの管腔60を画定してもよい。
【0041】
別の実施形態では、導電性ケーブル62、64は、単一のコアワイヤ、同軸ケーブル、または任意の他の適切なケーブルまたはワイヤを含み得る。例えば、一実施形態では、導電性ケーブル62、64は、小さいゲージ(例えば、約40AWG以下)の絶縁ワイヤなどのソリッドストランドワイヤまたはマルチストランドワイヤであり得る。別の実施形態では、導電性ケーブル62、64は、より良好なノイズ耐性環境を提供するために、小さいゲージ(例えば、約40AWG以下)の同軸ケーブルあり得る。このような実施形態では、導管アセンブリ58の管腔60のサイズは、最大で約0.5mm、例えば約0.25mmであり得る。
【0042】
次に
図15を参照すると、導電性トレースまたは導電性トラック52、及び/または、導電性ケーブル62、64は、ニードル34の近位端36から遠位端38にかけて、直線状に配置される。別の実施形態では、
図16に示すように、導電性トレースまたは導電性トラック52、及び/または、導電性ケーブル62、64は、ニードル34の近位端36から遠位端38にかけて、螺旋状に配置される。
図16の実施形態では、図示のように、導電性トレースまたは導電性トラック52、及び/または、導電性ケーブル62、64は、同相信号除去比(CMRR)の改善及び/またはノイズの低減を図るために、ツイストペア構成でニードル34の外面40上に取り付けられる。このような螺旋状の構成により、周期的な表面の不完全性が生成され、これにより、触知性(tactility)が向上する。なお、フレキシブルプリント回路基板46も、
図15及び
図16に示したのと同様の態様で構成してもよいことを理解されたい。
【0043】
次に
図17を参照すると、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32のさらに別の実施形態の側面図が示されている。図示のように、ニードルアセンブリ32のニードル34は、その少なくとも一部が、第1の絶縁材料66(第2の絶縁層)でコーティングされている。さらに、図示のように、ニードルアセンブリ32は、例えば積層造形プロセスを用いて、近位端36から遠位端38にかけて、ニードル34の絶縁部分(第1の絶縁材料66でコーティングされた部分)の表面に印刷された少なくとも1つの導電性トレース62を備える。導電性トレース62は、ニードルトランスデューサ30を電源44に電気的に接続するように構成されている。加えて、図示のように、導電性トレース62を患者から絶縁(シールド)するために、導電性トレース62を取り囲むように第2の絶縁材料70(第1の絶縁層)が配置される。したがって、このような実施形態では、ニードル34を第2の絶縁材料70(例えば、ポリイミドなど)で(例えば、スプレー及び/または浸漬プロセスを用いて)コーティングし、その後、第1の絶縁材料66上に、(金や銅などの蒸着や導電性フィルムによって)導電性トレース62を形成する。そして、上述したように、別の絶縁層70を使用して、導電性トレース62及びその下側の絶縁層70を被覆する。なお、絶縁層66及び絶縁層70は、
図17に示したのと同様の態様で、フレキシブルプリント回路基板46及び/または導電性ケーブル62、64を絶縁するために使用してもよいことを理解されたい。
【0044】
特定の実施形態では、積層造形プロセスは、例えば、指向性エネルギー堆積、直接レーザ堆積(直接レーザ蒸着)、または任意の他の適切な追加的な製造技術を含むことができる。積層造形プロセスを用いることにより、患者の必要な組織を穿刺するときのニードル34の全体的な有効性を妨げないように、導電性トレース62をニードル34の遠位端38に薄い層で印刷することができる。例えば、一実施形態では、導電性トレース62の各々は、約0.01~0.05mmの範囲の厚さを有し得る。本明細書中で使用するとき、例えば「約」などの程度を表す用語は、記載された値から±10%の範囲を包含することを意味する。
【0045】
また、本明細書に記載された様々な電気接続部(例えば、フレキシブルプリント回路基板46、導電性トラック52、導管アセンブリ58、導電性ケーブル62、64、及び/または、導電性トレース62)とニードルトランスデューサ30との相互接続は、様々な方法を用いて達成できることを理解されたい。例えば、特定の実施形態では、例えば、特定の実施形態では、上記の相互接続は、ワイヤ/ケーブルに直接接続するのではなく、デバイスにワイヤボンドするために使用することができるはんだ付け及び/または導電性エポキシ接合によって(すなわち、ポリ塩化ビフェニル(PCB)界面の有無にかかわらず)、達成することができる。
【0046】
本明細書は、実施例を用いて、最良の実施の形態(ベストモード)を含む本発明の内容を開示し、かつ本発明を当業者が実施(任意の装置またはシステムの作製及び使用、並びに組み込まれた任意の方法の実施を含む)することを可能にしている。本発明の特許される技術範囲は、特許請求の範囲の請求項の記載によって定義され、当業者が想到可能な別の実施形態も含まれ得る。そのような別の実施形態は、各請求項の文言と相違しない構成要素を含む場合、または、各請求項の文言とは実質的に相違しない均等な構成要素を含む場合、その請求項の範囲内に含まれるものとする。
【国際調査報告】