IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アヴェント インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-516066ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法
<>
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図1
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図2
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図3
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図4
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図5
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図6
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図7
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図8
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図9
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図10
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図11
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図12
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図13
  • 特表-ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルを識別するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537066
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-22
(86)【国際出願番号】 US2019067044
(87)【国際公開番号】W WO2020139646
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】16/233,621
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダフィー、シェーン・エー
(72)【発明者】
【氏名】ヤザレル、ハカン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】シャリアリ、シルザド
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601FF06
4C601GA20
4C601GA28
4C601GB20
4C601JB28
4C601JC11
4C601KK02
4C601KK31
(57)【要約】
本開示は、自律型超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリであって、近位端及び遠位端を有し、遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルと、ニードルの外面に取り付けられ、自律型超音波画像化システムから、該システムの超音波プローブによって生成された複数の超音波に関する情報を含むデータ信号を受信するように構成されたニードルトランスデューサと、1以上の動作を実行するように構成されたプロセッサと、を備える。プロセッサによって実行される1以上の動作は、ニードルトランスデューサが自律型超音波画像化システムから受信したデータ信号に基づいて、ニードルアセンブリのニードルの少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号を生成するステップと、ディスプレイ装置の画面上でのニードルの位置マーカの視認性を向上させるために、位置信号の少なくとも1つの特徴を変更するステップとを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置の画面上でニードルアセンブリのニードルを識別するための方法であって、
前記ニードルアセンブリのプロセッサが、前記ニードルアセンブリのニードルトランスデューサを介して、自律型超音波画像化システムから、該システムの超音波プローブによって生成された複数の超音波に関する情報を含むデータ信号を受信するステップと、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号に基づいて、前記ニードルアセンブリの前記ニードルの少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号を生成するステップと、
前記ディスプレイ装置の画面上での前記ニードルの位置マーカの視認性を向上させるために、前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記位置信号の少なくとも1つの特徴を変更するステップであって、前記少なくとも1つの特徴が変更された前記位置信号は、前記ニードルの前記少なくとも一部の位置を示すために、前記ニードルアセンブリの使用中に前記ディスプレイ装置の画面上に表示される、該ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記ディスプレイ装置は、前記自律型超音波画像化システムの一部である、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記ディスプレイ装置は、前記自律型超音波画像化システムの拡張システムの一部である、方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の方法であって、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記位置信号を既知のパルスレートでパルス化するステップと、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記既知のパルスレートを使用して、超音波信号ノイズから前記位置信号を抽出するステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記位置信号の前記少なくとも1つの特徴を変更する前記ステップは、
超音波信号ノイズから複数のパルス化された前記位置信号を抽出するステップと、
抽出されたパルス化された前記位置信号をフィルタリングすること、抽出されたパルス化された前記位置信号のうちの1以上を変換すること、及び、抽出されたパルス化された前記位置信号から外れ値を除去することのうちの少なくとも1つによって、抽出された複数のパルス化された前記位置信号を処理するステップと、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の方法であって、
前記位置信号の前記少なくとも1つの特徴は、色、形状、サイズ、輝度、強度、点滅速度、またはエコー輝度のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の方法であって、
前記ニードルアセンブリの前記ニードルを患者の体内に挿入するステップと、
前記超音波プローブが、前記患者の体内に挿入された前記ニードルの超音波を生成するステップと、
前記ディスプレイ装置が、前記超音波に基づいて、前記患者の体内に挿入された前記ニードルの画像を生成するステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の方法であって、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号をリアルタイムでモニタリングするステップをさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の方法であって、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号に基づいて、前記ニードルの前記少なくとも一部の位置に関する情報を含む前記位置信号を生成する前記ステップは、
前記データ信号の信号対雑音比の関数として、前記データ信号の閾値を動的に決定するステップと、
前記データ信号を前記閾値と比較するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記ニードルアセンブリの前記プロセッサが、前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号に基づいて、前記ニードルの前記少なくとも一部の位置に関する情報を含む前記位置信号を生成する前記ステップは、
前記データ信号が前記閾値を超えた場合に、前記ニードルの前記少なくとも一部についての前記位置信号を前記ディスプレイ装置の画面上に表示させるために、前記ニードルトランスデューサから前記位置信号を即座に送信するステップをさらに含む、
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記位置信号は、前記ニードルの前記少なくとも一部の位置を示す点滅マーカまたは反射マーカのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載の方法であって、
前記ニードルの前記少なくとも一部は、前記ニードルの遠位端を含む、方法。
【請求項13】
自律型超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリであって、
近位端及び遠位端を有し、前記遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルと、
前記ニードルの外面に取り付けられ、電源に電気的に接続されたニードルトランスデューサであって、前記自律型超音波画像化システムから、該システムの超音波プローブによって生成された複数の超音波に関する情報を含むデータ信号を受信するように構成された、該ニードルトランスデューサと、
1以上の動作を実行するように構成されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサによって実行される前記1以上の動作が、
前記ニードルトランスデューサが前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号に基づいて、前記ニードルの少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号を生成するステップと、
ディスプレイ装置の画面上での前記ニードルの位置マーカの視認性を向上させるために、前記位置信号の少なくとも1つの特徴を変更するステップであって、前記少なくとも1つの特徴が変更された前記位置信号は、前記ニードルの前記少なくとも一部の位置を示すために、当該ニードルアセンブリの使用中に前記ディスプレイ装置の画面上に表示される、該ステップと、を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載のニードルアセンブリであって、
前記ディスプレイ装置は、前記自律型超音波画像化システムの一部である、ニードルアセンブリ。
【請求項15】
請求項13または14に記載のニードルアセンブリであって、
前記ディスプレイ装置は、前記自律型超音波画像化システムの拡張システムの一部である、ニードルアセンブリ。
【請求項16】
請求項13~15のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記プロセッサによって実行される前記1以上の動作が、
前記位置信号を既知のパルスレートでパルス化するステップと、
前記既知のパルスレートを使用して、超音波信号ノイズから前記位置信号を抽出するステップと、
をさらに含む、ニードルアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のニードルアセンブリであって、
前記位置信号の前記少なくとも1つの特徴を変更する前記ステップは、
超音波信号ノイズから複数のパルス化された前記位置信号を抽出するステップと、
抽出されたパルス化された前記位置信号をフィルタリングすること、抽出されたパルス化された前記位置信号のうちの1以上を変換すること、及び、抽出されたパルス化された前記位置信号から外れ値を除去することのうちの少なくとも1つによって、抽出された複数のパルス化された前記位置信号を処理するステップと、
を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項18】
請求項13~17のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記位置信号の前記少なくとも1つの特徴は、色、形状、サイズ、輝度、強度、点滅速度、またはエコー輝度のうちの少なくとも1つを含む、ニードルアセンブリ。
【請求項19】
請求項13~18のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記プロセッサによって実行される前記1以上の動作が、
前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号をリアルタイムでモニタリングするステップをさらに含む、ニードルアセンブリ。
【請求項20】
請求項13~19のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記自律型超音波画像化システムから受信した前記データ信号に基づいて、前記ニードルの前記少なくとも一部の位置に関する情報を含む前記位置信号を生成する前記ステップは、
前記データ信号の信号対雑音比の関数として、前記データ信号の閾値を動的に決定するステップと、
前記データ信号を前記閾値と比較するステップと、
前記データ信号が前記閾値を超えた場合に、前記ニードルの前記少なくとも一部についての前記位置信号を前記ディスプレイ装置の画面上に表示させるために、前記ニードルトランスデューサに前記位置信号を伝送して、前記ニードルトランスデューサから前記位置信号を即座に送信するステップを含む、ニードルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年12月27日出願の米国特許出願第16/233、621号に基づく優先権を主張するものである。上記出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、医療処置に使用するニードルアセンブリに関し、より詳細には、ディスプレイ装置の画面上でニードルアセンブリのニードルの一部(例えば、ニードルの遠位先端部など)を識別するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波画像化を用いた解剖学的対象物の検出は、局所麻酔神経ブロックなどの多くの医療処置に不可欠のステップであり、診断、患者層別化、治療計画、治療介入、及び/または経過観察を支援するために臨床診療において標準になってきている。コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴(MR)、超音波、及び透視画像などの医用画像における解剖学的検出及び追跡を行うために、従来のアプローチに基づく様々なシステムが存在する。
【0004】
例えば、超音波画像化システムは、人間の可聴域を超える周波数の音波を利用する。さらに、超音波画像化システムは、診断や治療を行うために医療現場で広く使用されている。このような処置(診断や治療)では、超音波検査者は、患者の身体上に直接当てたり、患者の身体上で移動させたりすることができる手持ち式のプローブまたはトランスデューサを使用して患者のスキャンを行う。
【0005】
特定の超音波システムは、電源との電気的接続を必要とするアクティブ型(すなわち、電動型)のトランスデューサを備えたニードルと組み合わせて使用される。しかしながら、このようなニードルは、多くの場合、ディスプレイ装置の超音波画面上で位置を特定する(識別する)ことが困難であった。特に、麻酔科医にとっては、多くの場合、末梢神経ブロック(PNB)処置(単回投与及び持続投与の両方)中に、ディスプレイ装置の超音波画面上でニードルの先端部を識別することが困難であった。
【0006】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、自律型超音波画像化システム及び/または該システムの拡張システムのディスプレイ装置の画面上で、ニードルアセンブリのニードルの一部(例えば、ニードルの遠位先端部など)を識別するための方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的及び利点は、その一部が以下の説明に記載されており、または以下の説明から明らかであり、または本発明の実施により学ぶことができるであろう。
【0008】
一態様では、本開示は、ディスプレイ装置の画面上でニードルアセンブリのニードルを識別するための方法を提供する。本開示の方法は、ニードルアセンブリのプロセッサが、ニードルアセンブリのニードルトランスデューサを介して、自律型超音波画像化システムから、データ信号を受信するステップを含む。データ信号は、自律型超音波画像化システムの超音波プローブによって生成された複数の超音波に関する情報を含む。また、本開示の方法は、ニードルアセンブリのプロセッサが、自律型超音波画像化システムから受信したデータ信号に基づいて、ニードルアセンブリのニードルの少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号を生成するステップをさらに含む。また、本開示の方法は、ディスプレイ装置の画面上でのニードルの位置マーカの視認性を向上させるために、ニードルアセンブリのプロセッサが、位置信号の少なくとも1つの特徴を変更するステップであって、少なくとも1つの特徴が変更された位置信号は、ニードルの少なくとも一部の位置を示すために、ニードルアセンブリの使用中にディスプレイ装置の画面上に表示される、該ステップをさらに含む。
【0009】
一実施形態では、ディスプレイ装置は、自律型超音波画像化システムの一部である。別の実施形態では、ディスプレイ装置は、自律型超音波画像化システムの拡張システムの一部である。
【0010】
さらなる実施形態では、ニードルアセンブリのプロセッサが、位置信号を既知のパルスレートでパルス化するステップと、ニードルアセンブリのプロセッサが、既知のパルスレートを使用して、超音波信号ノイズから位置信号を抽出するステップと、をさらに含む。換言すれば、位置信号68を既知のパルスレートでパルス化することによって、位置信号68の信号対雑音比を他のデータ信号と比較して増加させることができ、これにより、位置信号68を超音波信号ノイズから容易に抽出し、その後、位置信号68の特徴を変更することが可能となる。
【0011】
別の実施形態では、ニードルアセンブリのプロセッサが、位置信号の少なくとも1つの特徴を変更する上記のステップは、超音波信号ノイズから複数のパルス化された位置信号を抽出するステップと、抽出された複数のパルス化された位置信号を処理するステップと、を含む。このような実施形態では、抽出された複数のパルス化された位置信号を処理する上記のステップは、抽出されたパルス化された位置信号をフィルタリングすること、抽出されたパルス化された位置信号のうちの1以上を変換すること、及び/または、抽出されたパルス化された位置信号から外れ値を除去すること、を含む。
【0012】
別の実施形態では、変更される位置信号の特徴には、色、形状、サイズ、輝度、強度、点滅速度、またはエコー輝度が含まれる。
【0013】
別の実施形態では、本開示の方法は、ニードルアセンブリのニードルを患者の体内に挿入するステップと、超音波プローブが、患者の体内に挿入されたニードルの超音波を生成するステップと、ディスプレイ装置が、超音波に基づいて、患者の体内に挿入されたニードルの画像を生成するステップと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、ニードルアセンブリのプロセッサが、自律型超音波画像化システムから受信したデータ信号をリアルタイムでモニタリングするステップをさらに含む。
【0014】
特定の実施形態では、ニードルアセンブリのプロセッサが、自律型超音波画像化システムから受信したデータ信号に基づいて、ニードルの少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号を生成する上記のステップは、データ信号の信号対雑音比の関数として、データ信号の閾値を動的に決定するステップと、データ信号を閾値と比較するステップと、データ信号が閾値を超えた場合に、ニードルの少なくとも一部についての位置信号をディスプレイ装置の画面上に表示させるために、ニードルトランスデューサから位置信号を即座に送信するステップと、を含む。
【0015】
したがって、特定の実施形態では、位置信号は、ニードルの少なくとも一部の位置を示す点滅マーカまたは反射マーカのうちの少なくとも1つを含む。例えば、一実施形態では、ニードルの少なくとも一部は、ニードルの遠位端を含む。
【0016】
別の態様では、本開示は、自律型超音波画像化システムと共に使用するためのニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有し、遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルを備える。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられ、電源に電気的に接続されたニードルトランスデューサをさらに備える。ニードルトランスデューサは、自律型超音波画像化システムから、該システムの超音波プローブによって生成された複数の超音波に関する情報を含むデータ信号を受信するように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、1以上の動作を実行するように構成されたプロセッサをさらに備える。プロセッサによって実行される1以上の動作は、ニードルトランスデューサが自律型超音波画像化システムから受信したデータ信号に基づいて、ニードルアセンブリのニードルの少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号を生成するステップと、ディスプレイ装置の画面上でのニードルの位置マーカの視認性を向上させるために、位置信号の少なくとも1つの特徴を変更するステップであって、少なくとも1つの特徴が変更された位置信号は、ニードルの少なくとも一部の位置を示すために、ニードルアセンブリの使用中にディスプレイ装置の画面上に表示される、該ステップと、を含む。
【0017】
本発明の上記及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付された特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解できるであろう。添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0018】
当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示(ベストモードを含む)が、添付図面を参照して、本明細書に説明されている。
【0019】
図1図1は、本開示による画像化システムの一実施形態の斜視図を示す。
図2図2は、本開示による画像化システムのコントローラの一実施形態のブロック図を示す。
図3図3は、本開示によるニードルアセンブリの一実施形態の概略図を示し、特に、ニードルアセンブリが、自律型超音波画像化システム及び/または該システムの拡張システムと通信する様子を示す。
図4図4は、本開示によるニードルの遠位端の一実施形態の一部の斜視図を示し、特に、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤがそれぞれ配置される、ニードルの壁部に凹設された平坦凹部及び長手方向溝を示す。
図5図5は、本開示によるニードルの遠位端の別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤがそれぞれ配置される、ニードルの壁部に凹設されたニードルの遠位端まで延びる平坦凹部及び長手方向溝を示す。
図6図6は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルに凹設された、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤが配置される凹部及び長手方向溝を示す。
図7図7は、本開示によるニードルの遠位端の一実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの遠位端に設けられたニードルトランスデューサを電源に電気的に接続するために、ニードルの外面に取り付けられたフレキシブルプリント回路基板を示す。
図8図8は、本開示によるニードルの遠位端の別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの遠位端に設けられたニードルトランスデューサを電源に電気的に接続するために、ニードルの凹部を取り付けたフレキシブルプリント回路基板を示す。
図9図9は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの周方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられた複数のニードルトランスデューサを示す。
図10図10は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの長さ方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられた複数のニードルトランスデューサを示す。
図11図11は、本開示によるニードルの遠位端のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルの遠位端に設けられたニードルトランスデューサを電源に電気的に接続するために、ニードルの外面に取り付けられた導管アセンブリを示す。
図12図12は、本開示によるディスプレイ装置の画面上でニードルアセンブリのニードルを識別するための方法の一実施形態のフロー図を示す。
図13図13は、本開示によるディスプレイ装置の画面に表示される画像のサンプルを示し、特に、ディスプレイ装置の画面上に表示された、ニードルアセンブリによって生成された位置マーカを示す。
図14図14は、本開示によるニードルアセンブリが超音波画像化システムから受信したデータ信号の一実施形態のグラフを示し、特に、データ信号の信号対雑音比の関数として、データ信号に関して設定された所定の閾値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の1以上の実施形態及び添付図面に図示した本発明の実施例について詳細に説明する。各実施例及び実施形態は、本発明を説明するために提示されたものであり、本発明を限定するものではない。例えば、或る実施形態の一部として例示または説明された特徴を、別の実施形態と共に使用することによって、さらなる別の実施形態を創出することができる。本発明は、本発明及びその均等物の範囲に含まれる限り、そのような変更形態及び変形形態を包含することを意図している。
【0021】
図1~3を参照すると、患者の解剖学的対象物を走査、識別、及びナビゲートするための、本開示に係る医用の画像化システム10が示されている。本明細書で使用するとき、解剖学的対象物22及びその周囲組織は、患者の任意の解剖学的構造物及び/またはその周囲組織を含み得る。例えば、一実施形態では、解剖学的対象物22は、1以上の神経または神経束を含み得る。より具体的には、別の実施形態では、解剖学的対象物22としては、下側の4つの頸神経及び第1胸神経の前肢によって形成された、脊髄から延びる神経ネットワークに概ね相当する、患者の斜角筋間腕神経叢が挙げられる。この場合、腕神経叢の周囲組織は、一般的に、胸鎖乳突筋、中斜角筋、前斜角筋等に相当する。
【0022】
なお、本開示のシステムは、腕神経叢に関連する医療処置に加えて、任意の解剖学的構造物に関連する任意の様々な医療処置にも使用できることを理解されたい。例えば、解剖学的対象物22は、上肢及び下肢、並びに、コンパートメントブロック(筋区画ブロック)を含み得る。より具体的には、このような実施形態では、上肢の解剖学的対象物22としては、斜角筋間筋、鎖骨上筋、鎖骨下筋、及び/または腋窩筋の神経ブロックが挙げられ、これらは全て、互いに異なる位置で、腕神経叢(上肢へ延びる神経束)をブロックする。さらに、下肢の解剖学的対象物22としては、腰神経叢、腸骨筋膜、大腿神経、坐骨神経、外転筋管、膝窩、伏在静脈(足首)等が挙げられる。加えて、コンパートメントブロックの解剖学的対象物22としては、肋間腔、腹横筋膜面、胸部傍脊椎腔等が挙げられる。
【0023】
加えて、図示のように、画像化システム10は、本技術の恩恵を受けることができる超音波画像化システムまたは任意の他の適切な画像化システムに相当し得る。加えて、図示のように、追加の拡張システム15を、自律型超音波画像化システム10と組み合わせて使用することができる(詳細については後述する)。さらに、図示のように、画像化システム10は一般的に、コントローラ12と、解剖学的対象物22の画像20を表示するように構成されたディスプレイ装置18とを備える。コントローラ12は、1以上のプロセッサ14及びそれに関連するメモリデバイス16を含み、様々なコンピュータ実施機能(例えば、本明細書に開示された方法等の実行、及び関連データの格納)を実行するように構成されている。また、画像化システム10は、コンピュータ及び/またはキーボード等のユーザインタフェース24を備え、ユーザがディスプレイ装置18に画像を表示させること、及び/またはユーザがディスプレイ装置18を操作することを補助するように構成されている。さらに、図示のように、拡張システム15は、追加のディスプレイ装置17を備える。
【0024】
加えて、図2に示すように、コントローラ12は、プロセッサ14と、画像化システム10の様々な構成要素、例えば図1に示した構成要素との間の通信を容易にするための通信モジュール26をさらに含む。さらに、通信モジュール26は、1以上のプローブ(例えば、超音波プローブ30及び/または本明細書に開示されるニードルトランスデューサ35)から送信された信号を、プロセッサ14が理解して処理することができる信号に変換するためのセンサインタフェース28(例えば、1以上のアナログ-デジタル変換器)を有する。本明細書に開示される様々なプローブ及び/またはセンサは、任意の適切な手段を用いて通信モジュール26に通信可能に接続され得ることを理解されたい。例えば、図2に示すように、超音波プローブ30は、有線接続によってセンサインタフェース28に接続され得る。また、他の実施形態では、超音波プローブ30は、当技術分野で既知の任意の適切な無線通信プロトコル等を使用して、無線接続によってセンサインタフェース28に接続され得る。このようにして、プロセッサ14は、超音波プローブ30から1以上の信号を受信するように構成され得る。
【0025】
次に、図3を参照すると、自律型超音波画像化システム10と組み合わせて使用することができる本開示のニードルアセンブリ32の一実施形態の側面図が示されている。より具体的には、図示のように、ニードルアセンブリ32は、近位端36及び遠位端38を有し、遠位端38が患者に挿入されるように構成されたニードル34と、ニードル34の遠位端38において、ニードル34の外面40に取り付けられたニードルトランスデューサ35とを備える。なお、ニードルトランスデューサ35は、ニードル34の任意の適切な位置に取り付けてもよいことを理解されたい。加えて、図示のように、ニードルアセンブリ32は、ニードルアセンブリ32の様々な構成要素に関する情報を処理するように構成された少なくとも1つのプロセッサ48を備える。例えば、図示のように、プロセッサ48は、ニードルトランスデューサ35を介して、超音波プローブ30から、少なくとも、自律型超音波画像化システム10の超音波プローブ30によって生成された超音波に関する情報を含むデータ信号45を受信するように構成される。さらに、図示のように、プロセッサ48は、ニードルトランスデューサ35から、少なくとも、該トランスデューサの位置に関する情報を含むデータ信号47を送信するように構成される。さらに、ニードル34は、その近位端36にニードルハブ42を含む。そして、ニードルトランスデューサ35は、ニードルハブ42を介して、コントローラ12に通信可能に接続される。
【0026】
本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という用語は、当技術分野においてコンピュータ内に含まれているものとして言及される集積回路だけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、及び他のプログラム可能な回路も指す。本明細書に記載されるプロセッサ14はまた、先進制御アルゴリズムを計算し、様々なイーサネット(登録商標)またはシリアルベースのプロトコル(Modbus、OPC、CAN等)と通信するように構成される。さらに、特定の実施形態では、プロセッサ14は、計算時間及びローカルデバイスの負荷を減らすことを目的として、クラウドコンピューティングのためにインターネットを介してサーバと通信してもよい。
【0027】
加えて、メモリデバイス16は一般的に、これに限定しないが、例えば、コンピュータ可読媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、及び/または他の適切なメモリ要素等のメモリ要素を含み得る。このようなメモリデバイス16は一般的に、プロセッサ14によって実行されたときに本明細書に記載された様々な機能を実行するように該プロセッサ14を構成する適切なコンピュータ可読命令を格納するように構成され得る。
【0028】
加えて、ニードルトランスデューサ35は、当技術分野で現在知られている、または将来開発される任意の適切なトランスデューサであってもよい。例えば、一実施形態では、ニードルトランスデューサ35は、圧電(PZT)トランスデューサであり得る。あるいは、ニードルトランスデューサ35は、容量性マイクロマシン加工超音波(CMUT)トランスデューサであってもよい。さらに別の実施形態では、ニードルトランスデューサ35は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)トランスデューサ、及び/または光音響トランスデューサであってもよい。
【0029】
次に、図4図6を参照すると、ニードルアセンブリ32のニードル34の様々な実施形態の様々な図が示されている。より具体的には、図4は、本開示によるニードル34の遠位端38の一実施形態の斜視図を示し、特に、ニードルトランスデューサ35及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に凹設された平坦凹部49及び長手方向溝51を示す。また、図5は、本開示によるニードル34の遠位端38の別の実施形態の斜視図を示し、特に、ニードルトランスデューサ35及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に凹設された平坦凹部49及び長手方向溝51を示す。また、図6は、本開示によるニードル34の遠位端38のさらに別の実施形態の斜視図を示し、特に、特に、ニードルトランスデューサ35及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に形成された凹部54及び長手方向溝51を示す。
【0030】
次に、図7図11を参照すると、ニードルアセンブリ32の様々な例が示されている。図7は、本開示によるニードルアセンブリ32の一実施形態の斜視図を示し、特に、ニードルトランスデューサ35を電源44に電気的に接続するために使用されるフレキシブルプリント回路基板46を示す。図8は、本開示によるニードル34の遠位端38の別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルトランスデューサ35を電源44に電気的に接続するために、ニードル34の凹部54を取り付けたフレキシブルプリント回路基板46を示す。図9は、本開示によるニードル34の遠位端38のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードル34の周方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられた複数のニードルトランスデューサ35を示す。図10は、本開示によるニードル34の遠位端38のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードル34の長さ方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて設けられた複数のニードルトランスデューサ35を示す。図11は、本開示によるニードル34の遠位端38のさらに別の実施形態の一部の斜視図を示し、特に、ニードルトランスデューサ35を電源44に電気的に接続するためのワイヤを収容するように構成された導管アセンブリ56を示す。
【0031】
より具体的には、図7及び図8に示すように、フレキシブルプリント回路基板46は、ニードル34の外面40に取り付けられ、ニードル34の近位端36から遠位端38まで延びている。図示のように、フレキシブルプリント回路基板46は、ニードルトランスデューサ35を電源44に電気的に接続するように構成されている。一実施形態では、フレキシブルプリント回路基板46は、可撓性ベース50を含み、可撓性ベース50の表面には、1以上の導電性トレースまたは導電性トラック52が印刷されている。可撓性ベース50は、ニードル34の外面40に効果的に取り付けることができるように、ニードル34の形状に合わせて容易に撓むことができる。例えば、特定の実施形態では、導電性トレースまたは導電性トラック52は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、積層造形、または任意の他の適切な印刷プロセスによって、可撓性ベース50の表面に印刷され得る。別の実施形態では、可撓性ベース50は、省略してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、フレキシブルプリント回路基板46の様々な構成要素は、積層造形プロセスを用いて、ニードル34の外面に印刷される。このような実施形態では、積層造形プロセスは、例えば、指向性エネルギー堆積、直接レーザ堆積(直接レーザ蒸着)、または任意の他の適切な追加的な製造技術を含むことができる。積層造形プロセスを用いることにより、患者の必要な組織を穿刺するときのニードル34の全体的な有効性を妨げないように、フレキシブルプリント回路基板46の様々な構成要素をニードル34の外面40に薄い層で印刷することができる。例えば、一実施形態では、導電性トラック52は、約0.01~0.05mmの範囲の厚さを有し得る。本明細書中で使用するとき、例えば「約」などの程度を表す用語は、記載された値から±10%の範囲を包含することを意味する。加えて、このような実施形態では、導電性トラック52の幅は、例えば、約0.10~0.25mmの範囲であり得る。さらに、特定の実施形態では、より良好なノイズ耐性を達成するために、グラウンドプレーンを使用して信号トレースを取り囲むようにしてもよい。
【0033】
ニードル34の遠位端38に取り付けることに加えて、ニードルトランスデューサ35は、ニードル34の任意の適切な位置に取り付けてもよいことを理解されたい。加えて、図3図8に示すように、ニードルトランスデューサ35は、ニードル34の周方向の一側面に取り付けられる。このような実施形態では、ニードルアセンブリ32の使用中に、ニードルアセンブリ32のユーザは、ニードルトランスデューサ35を超音波画像化システム10の超音波プローブに向けて方向を合わせる必要がある。別の実施形態では、図10に示すように、ニードルアセンブリ32は、ニードル34の長さ方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて配置された複数のニードルトランスデューサ35を備える。別の実施形態では、図9に示すように、ニードルアセンブリ32は、ニードル34の周囲に、ニードル34の周方向に沿って互いに所定の間隔を隔てて配置された複数のニードルトランスデューサ35を備える。このような実施形態では、超音波画像化システム10の超音波プローブが、ニードル34の周方向に配置された複数のニードルトランスデューサ35のうちの1つのニードルトランスデューサ35を容易に見つけることができるので、ニードル34の周方向の向きは気にしなくてもよい(すなわち、ニードルアセンブリ32は、周方向の向きは気にしなくてもよい)。
【0034】
図11に示すように、ニードルアセンブリ32は、図7に示したようにフレキシブルプリント回路基板46を備える代わりに、近位端36から遠位端38にかけてニードル34の外面40に固定された導管アセンブリ56を備えてもよい。このような実施形態では、ニードルアセンブリ32は、ニードルトランスデューサ35を超音波画像化システム10の電源44に電気的に接続するために、導管アセンブリ56の管腔58を通して配線される(例えば、ニードル34の外面40に印刷されるのではなく、導管アセンブリ56の管腔58を通って緩く延びる)少なくとも1つの導電性ケーブル60をさらに備える。このような実施形態では、導管アセンブリ56は、金属管、ポリマー熱収縮管、または任意の他の適切な管材料から構成され得る。導管アセンブリ56は、ニードル34の内腔の外部または内部に、単一の管腔58を画定してもよいし、または、任意の数の複数の管腔58(例えば、2つの管腔58)を画定してもよいことを理解されたい。
【0035】
別の実施形態では、導電性ケーブル60は、単一のコアワイヤ、同軸ケーブル、または任意の他の適切なケーブルまたはワイヤを含み得る。例えば、一実施形態では、導電性ケーブル60は、小さいゲージ(例えば、約40AWG以下)の絶縁ワイヤなどのソリッドストランドワイヤまたはマルチストランドワイヤであり得る。別の実施形態では、導電性ケーブル60は、より良好なノイズ耐性環境を提供するために、小さいゲージ(例えば、約40AWG以下)の同軸ケーブルあり得る。このような実施形態では、導管アセンブリ56の管腔58のサイズは、最大で約0.5mm、例えば約0.25mmであり得る。
【0036】
また、本明細書に記載された様々な電気接続部(例えば、フレキシブルプリント回路基板46、及び/または、導管アセンブリ56と導電性ケーブル60)とニードルトランスデューサ35との相互接続は、様々な方法を用いて達成できることを理解されたい。例えば、上記の相互接続は、ワイヤ/ケーブルに直接接続するのではなく、デバイスにワイヤボンドするために使用することができるはんだ付け及び/または導電性エポキシ接合によって(すなわち、ポリ塩化ビフェニル(PCB)界面の有無にかかわらず)、達成することができる。
【0037】
次に、図12を参照すると、本開示による、ディスプレイ装置の画面上でニードルアセンブリのニードルを識別するための方法の一実施形態のフロー図が示されている。一般的に、本明細書では、本方法100は、図1図11及び図13図14に示す自律型超音波画像化システム10及びニードルアセンブリ32を参照して説明する。なお、他の実施形態では、本方法100は、任意の他の適切な自律型超音波画像化システム及びニードルアセンブリと共に用いることができる。図12は、説明目的のために特定の順序で実行されるステップまたは機能を示しているが、本明細書で説明するステップは、特定の順序に限定されないことを理解されたい。当業者であれば、本明細書の開示内容を用いて、本明細書に開示される方法の様々なステップまたは機能を、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法で省略する、順序を変更する、組み合わせる、及び/または適合させることができることを理解できるであろう。
【0038】
一実施形態では、本方法100は、ニードルアセンブリ32のニードル34を患者の体内に挿入するステップと、超音波プローブ30及び/またはニードルアセンブリ32によって、ニードル34を含む超音波を生成するステップと、その後、ディスプレイ装置が、超音波に基づいて、患者の体内に挿入されたニードル34の画像を生成するステップと、含む。換言すれば、ニードルアセンブリ32は、それ自体が超音波を生成し、自律型超音波画像化システム10をだまして、その超音波が超音波プローブ30からの反射信号だと思わせるように構成される。したがって、図12を参照して、本方法100は、ニードルアセンブリ32のプロセッサ48が、ニードルアセンブリ32のニードルトランスデューサ35を介して、自律型超音波画像化システム10から、超音波プローブ30によって生成された超音波に関する情報を含むデータ信号45を受信するステップ102を含む。いくつかの実施形態では、本方法100は、ニードルアセンブリ32のプロセッサ48が、自律型超音波画像化システム10から受信したデータ信号45をリアルタイムでモニタリングするステップをさらに含む。
【0039】
引き続き図12を参照して、本方法100は、ニードルアセンブリ32のプロセッサ48が、自律型超音波画像化システム10から受信したデータ信号45に基づいて、ニードル34の少なくとも一部の位置に関する情報を含む位置信号68を生成するステップ104をさらに含む。より具体的には、本方法100は、ニードルアセンブリ32のプロセッサ48が、図14に示すように、データ信号45の信号対雑音比(SNR)の関数として、受信したデータ信号45の閾値70を動的に決定するステップと、次いで、自律型超音波画像化システム10から受信したデータ信号45を閾値70と比較するステップとを含む。このような実施形態では、本方法100は、ニードルアセンブリ32のプロセッサ48が、データ信号45が閾値70を超えた場合に、ニードル34の少なくとも一部についての位置信号68をディスプレイ装置の画面上に表示させるために、ニードルトランスデューサ35から位置信号68を即座に送信するステップをさらに含む。より具体的には、一実施形態では、本方法100は、ニードルアセンブリ32のプロセッサ48が、図3のデータ信号47によって表されるように、受信したデータ信号45が閾値70を超えた場合に、ニードルトランスデューサ35からデータ信号47を即座に「発射(fire)」するステップをさらに含む。加えて、図13に示すように、位置信号68は、ディスプレイ装置18の画面上に、ニードル34の遠位端38が照明されているように示される。したがって、特定の実施形態では、位置信号68には、周期的に点滅する点滅マーカ、ニードル34の少なくとも一部と一致する反射マーカ、及び/または、ニードル34の遠位端38を表す任意の他の適切な識別マーカが含まれる。
【0040】
再び図12を参照して、本方法100は、プロセッサ48が、ディスプレイ装置の画面上での位置信号68の視認性を向上させるために、位置信号68の少なくとも1つの特徴を変更するステップ106をさらに含む。少なくとも1つの特徴が変更された位置信号68は、ニードル34の少なくとも一部の位置を示すために、ニードルアセンブリ32の使用中にディスプレイ装置の画面上に表示される。例えば、一実施形態では、位置信号68の変更される特徴としては、例えば、位置信号68の色、形状、サイズ、輝度、強度、点滅速度、エコー輝度、及び/または他の適切な特徴が挙げられる。
【0041】
特定の実施形態では、本方法100は、プロセッサ48が、位置信号68を既知のパルスレートでパルス化するステップと、既知のパルスレートを使用して超音波信号ノイズから位置信号68を抽出するステップとをさらに含む。換言すれば、位置信号68を既知のパルスレートでパルス化することによって、位置信号68の信号対雑音比を他のデータ信号と比較して増加させることができ、これにより、位置信号68を超音波信号ノイズから容易に抽出し、その後、位置信号68の特徴を変更することが可能となる。この場合、プロセッサ48は、超音波信号ノイズから複数のパルス化された位置信号68を抽出し、次いで、抽出されたパルス化された位置信号68を処理することによって、位置信号68の特徴を変更するように構成される。このような実施形態では、抽出されたパルス化された位置信号68の処理は、例えば、抽出されたパルス化された位置信号68をフィルタリングすること、抽出されたパルス化された位置信号68のうちの1以上を変換すること、及び/または、抽出されたパルス化された位置信号68から外れ値を除去することを含み得る。したがって、プロセッサ48は、その後、位置信号68を変更するか、あるいは、位置信号68を別のマーカに置き換えることによって、ディスプレイ装置の画面上での視認性/コントラスト/形状を改善することができる。
【0042】
別の実施形態では、図3に示すように、ディスプレイ装置18は、自律型超音波画像化システム10の一部であり得る。別の実施形態では、図示のように、別のディスプレイ装置17は、自律型超音波画像化システム10の拡張システム15であり得る。
【0043】
本明細書は、実施例を用いて、最良の実施の形態(ベストモード)を含む本発明の内容を開示し、かつ本発明を当業者が実施(任意の装置またはシステムの作製及び使用、並びに組み込まれた任意の方法の実施を含む)することを可能にしている。本発明の特許される技術範囲は、特許請求の範囲の請求項の記載によって定義され、当業者が想到可能な別の実施形態も含まれ得る。そのような別の実施形態は、各請求項の文言と相違しない構成要素を含む場合、または、各請求項の文言とは実質的に相違しない均等な構成要素を含む場合、その請求項の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】