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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】医療物品用の小型トランスデューサ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20220216BHJP
   A61M 25/095 20060101ALI20220216BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20220216BHJP
【FI】
A61B8/00
A61M25/095
A61B34/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537067
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-22
(86)【国際出願番号】 US2019067052
(87)【国際公開番号】W WO2020139647
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】16/233,651
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514300557
【氏名又は名称】アヴェント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハラジュ、スティーブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】コムトワ、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】シャリアリ、シルザド
(72)【発明者】
【氏名】シャラレ、シヴァ
【テーマコード(参考)】
4C267
4C601
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267BB02
4C267BB45
4C267BB61
4C267CC27
4C267HH11
4C601EE13
4C601FF06
4C601GA20
4C601GA28
4C601GB20
(57)【要約】
本開示は、超音波画像化システムと共に使用するためのアクティブ型のニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有するニードルを備える。ニードルの遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサをさらに備える。さらに、ニードルトランスデューサは、2mm未満の面積を有する表面領域を含む。また、本開示のニードルアセンブリは、ニードルトランスデューサを電源に接続するための電気接続部をさらに備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像化システムと共に使用するためのアクティブ型のニードルアセンブリであって、
近位端及び遠位端を有し、前記遠位端が患者に挿入されるように構成されたニードルと、
前記ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサであって、2mm未満の面積を有する表面領域を含む、該ニードルトランスデューサと、
前記ニードルトランスデューサを電源に接続するための電気接続部と、
を備える、ニードルアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のニードルアセンブリであって、
前記ニードルトランスデューサは、1mm以下の幅を有する、ニードルアセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のニードルアセンブリであって、
前記幅は0.5mm以下である、ニードルアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のニードルアセンブリであって、
前記幅は0.2mm以下である、ニードルアセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記ニードルトランスデューサは、1mm以下の長さを有する、ニードルアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のニードルアセンブリであって、
前記長さは0.5mm以下である、ニードルアセンブリ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記ニードルトランスデューサの前記表面領域は、正方形または長方形のうちの少なくとも一方の形状を有する、ニードルアセンブリ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記ニードルトランスデューサは、ボンディングまたは積層造形プロセスのうちの少なくとも一方によって前記ニードルの外面に取り付けられる、ニードルアセンブリ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記ニードルトランスデューサは、前記ニードルの前記遠位端に取り付けられる、ニードルアセンブリ。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のニードルアセンブリであって、
前記電気接続部は、フレキシブルプリント回路基板または1以上のケーブルのうちの少なくとも一方を含む、ニードルアセンブリ。
【請求項11】
超音波画像化システムと共に使用するためのアクティブ型のトランスデューサアセンブリであって、
近位端及び遠位端を有し、前記遠位端が患者に挿入されるように構成された物品と、
前記物品の外面に取り付けられた物品トランスデューサであって、2mm未満の面積を有する表面領域を含む、該物品トランスデューサと、
前記物品トランスデューサを電源に接続するための電気接続部と、
を備える、トランスデューサアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記物品は、ニードル、カテーテル、またはスタイレットのうちの少なくとも1つを含む、トランスデューサアセンブリ。
【請求項13】
請求項11または12に記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記物品トランスデューサは、1mm以下の幅を有する、トランスデューサアセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記幅は0.5mm以下である、トランスデューサアセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記幅は0.2mm以下である、トランスデューサアセンブリ。
【請求項16】
請求項11~15のいずれかに記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記物品トランスデューサは、1mm以下の長さを有する、トランスデューサアセンブリ。
【請求項17】
請求項11~16のいずれかに記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記物品トランスデューサの前記表面領域は、正方形または長方形のうちの少なくとも一方の形状を有する、トランスデューサアセンブリ。
【請求項18】
請求項11~17のいずれかに記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記物品トランスデューサは、ボンディングまたは積層造形プロセスのうちの少なくとも一方によって前記物品の外面に取り付けられる、トランスデューサアセンブリ。
【請求項19】
請求項11~18のいずれかに記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記物品トランスデューサは、前記物品の前記遠位端に取り付けられる、トランスデューサアセンブリ。
【請求項20】
請求項11~19のいずれかに記載のトランスデューサアセンブリであって、
前記電気接続部は、フレキシブルプリント回路基板または1以上のケーブルのうちの少なくとも一方を含む、トランスデューサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年12月27日出願の米国特許出願第16/233、651号に基づく優先権を主張するものである。上記出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、自律型超音波画像化システムと共に使用するための、ニードル、カテーテル、及び/またはスタイレットなどの医療物品用の小型トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0003】
超音波画像化を用いた解剖学的対象物の検出は、局所麻酔神経ブロックなどの多くの医療処置に不可欠のステップであり、診断、患者層別化、治療計画、治療介入、及び/または経過観察を支援するために臨床診療において標準になってきている。コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴(MR)、超音波、及び透視画像などの医用画像における解剖学的検出及び追跡を行うために、従来のアプローチに基づく様々なシステムが存在する。
【0004】
例えば、超音波画像化システムは、人間の可聴域を超える周波数の音波を利用する。さらに、超音波画像化システムは、診断や治療を行うために医療現場で広く使用されている。このような処置(診断や治療)では、超音波検査者は、患者の身体上に直接当てたり、患者の身体上で移動させたりすることができる手持ち式のプローブまたはトランスデューサを使用して患者のスキャンを行う。
【0005】
特定の超音波システムは、電源との電気的接続を必要とするアクティブ型(すなわち、電動型)のトランスデューサを備えたニードルと組み合わせて使用される。このようなニードルアセンブリは、一般的に、ニードルの内腔を通して、電源からトランスデューサまでケーブルを配線する。従来のアセンブリでは、トランスデューサは、信号の純度及び/または忠実度を維持するのに十分な大きさであることが要求されていた。しかしながら、場合によっては、信号の純度は、無関係であるか、または重要でないことがある。
【0006】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、信号の純度及び/または忠実度を気にする必要がない場合に使用することができる、小型トランスデューサを備えたニードルアセンブリを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的及び利点は、その一部が以下の説明に記載されており、または以下の説明から明らかであり、または本発明の実施により学ぶことができるであろう。
【0008】
一態様では、本開示は、超音波画像化システムと共に使用するためのアクティブ型のニードルアセンブリを提供する。本開示のニードルアセンブリは、近位端及び遠位端を有するニードルを備える。ニードルの遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のニードルアセンブリは、ニードルの外面に取り付けられたニードルトランスデューサをさらに備える。さらに、ニードルトランスデューサは、2mm未満、より好ましくは1.5mm未満、さらにより好ましくは0.6mm未満の面積を有する表面領域を含む。また、本開示のニードルアセンブリは、ニードルトランスデューサを電源に接続するための電気接続部をさらに備える。
【0009】
一実施形態では、ニードルトランスデューサは、1mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらにより好ましくは0.2mm以下の幅を有する。別の実施形態では、ニードルトランスデューサは、1mm以下、より好ましくは0.5mm以下の長さを有する。したがって、特定の実施形態では、ニードルトランスデューサの表面領域は、正方形または長方形の形状を有する。
【0010】
さらなる実施形態では、ニードルトランスデューサは、ボンディングまたは積層造形プロセスのうちの少なくとも一方によってニードルの外面に取り付けられる。別の実施形態では、ニードルトランスデューサは、ニードルの遠位端に取り付けられる。別の実施形態では、ニードルトランスデューサは、単一のトランスデューサ、または、アレイ状に配置された複数のトランスデューサであり得る。
【0011】
さらに別の実施形態では、電気接続部は、フレキシブルプリント回路基板または1以上のケーブルを含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、超音波画像化システムと共に使用するためのアクティブ型のトランスデューサアセンブリを提供する。本開示のトランスデューサアセンブリは、近位端及び遠位端を有する物品を備える。物品の遠位端は、患者に挿入されるように構成されている。本開示のトランスデューサアセンブリは、物品の外面に取り付けられた物品トランスデューサをさらに備える。さらに、物品トランスデューサは、2mm未満の面積を有する表面領域を含む。また、本開示のトランスデューサアセンブリは、物品トランスデューサを電源に接続するための電気接続部をさらに備える。一実施形態では、物品は、ニードル、カテーテル、またはスタイレットのうちの少なくとも1つを含む。なお、本開示のトランスデューサアセンブリは、本明細書に記載された別の特徴をさらに備えてもよいことを理解されたい。
【0013】
本発明の上記及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付された特許請求の範囲を参照することにより、より良く理解できるであろう。添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明の実施形態を図示し、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
当業者を対象にした本発明の完全かつ実現可能な開示(ベストモードを含む)が、添付図面を参照して、本明細書に説明されている。
【0015】
図1図1は、本開示による画像化システムの一実施形態の斜視図を示す。
図2図2は、本開示による画像化システムのコントローラの一実施形態のブロック図を示す。
図3図3は、本開示によるニードルアセンブリの一実施形態の概略図を示す。
図4図4は、本開示によるカテーテルの一実施形態の概略図を示す。
図5図5は、本開示によるスタイレットの一実施形態の概略図を示す。
図6図6は、本開示による小型物品トランスデューサの一実施形態の上面図を示す。
図7A図7Aは、本開示によるニードルの遠位端の一実施形態の斜視図を示し、特に、トランスデューサ及びそれに対応するワイヤがそれぞれ配置される、ニードルの壁部に凹設された平坦凹部及び長手方向溝を示す。
図7B図7Bは、図7Aに示したニードルアセンブリの断面図を示す。
図8図8は、本開示によるニードルの遠位端の一実施形態の斜視図を示し、特に、ニードルに物品トランスデューサを取り付けた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の1以上の実施形態及び添付図面に図示した本発明の実施例について詳細に説明する。各実施例及び実施形態は、本発明を説明するために提示されたものであり、本発明を限定するものではない。例えば、或る実施形態の一部として例示または説明された特徴を、別の実施形態と共に使用することによって、さらなる別の実施形態を創出することができる。本発明は、本発明及びその均等物の範囲に含まれる限り、そのような変更形態及び変形形態を包含することを意図している。
【0017】
図1及び図2を参照すると、患者の解剖学的対象物を走査、識別、及びナビゲートするための、本開示に係る医用の画像化システム10が示されている。本明細書で使用するとき、解剖学的対象物22及びその周囲組織は、患者の任意の解剖学的構造物及び/またはその周囲組織を含み得る。例えば、一実施形態では、解剖学的対象物22は、1以上の神経または神経束を含み得る。より具体的には、別の実施形態では、解剖学的対象物22としては、下側の4つの頸神経及び第1胸神経の前肢によって形成された、脊髄から延びる神経ネットワークに概ね相当する、患者の斜角筋間腕神経叢が挙げられる。この場合、腕神経叢の周囲組織は、一般的に、胸鎖乳突筋、中斜角筋、前斜角筋等に相当する。
【0018】
なお、本開示のシステムは、腕神経叢に関連する医療処置に加えて、任意の解剖学的構造物に関連する任意の様々な医療処置にも使用できることを理解されたい。例えば、解剖学的対象物22は、上肢及び下肢、並びに、コンパートメントブロック(筋区画ブロック)を含み得る。より具体的には、このような実施形態では、上肢の解剖学的対象物22としては、斜角筋間筋、鎖骨上筋、鎖骨下筋、及び/または腋窩筋の神経ブロックが挙げられ、これらは全て、互いに異なる位置で、腕神経叢(上肢へ延びる神経束)をブロックする。さらに、下肢の解剖学的対象物22としては、腰神経叢、腸骨筋膜、大腿神経、坐骨神経、外転筋管、膝窩、伏在静脈(足首)等が挙げられる。加えて、コンパートメントブロックの解剖学的対象物22としては、肋間腔、腹横筋膜面、胸部傍脊椎腔等が挙げられる。
【0019】
加えて、図示のように、画像化システム10は、本技術の恩恵を受けることができる超音波画像化システムまたは任意の他の適切な画像化システムに相当し得る。このため、図示のように、画像化システム10は一般的に、コントローラ12と、解剖学的対象物22の画像20を表示するように構成されたユーザディスプレイ装置18とを備える。コントローラ12は、1以上のプロセッサ14及びそれに関連するメモリデバイス16を含み、様々なコンピュータ実施機能(例えば、本明細書に開示された方法等の実行、及び関連データの格納)を実行するように構成されている。また、画像化システム10は、コンピュータ及び/またはキーボード等のユーザインタフェース24を備え、ユーザがユーザディスプレイ装置18に画像を表示させること、及び/またはユーザがユーザディスプレイ装置18を操作することを補助するように構成されている。
【0020】
加えて、図2に示すように、コントローラ12は、プロセッサ14と、画像化システム10の様々な構成要素、例えば図1に示した構成要素との間の通信を容易にするための通信モジュール26をさらに含む。さらに、通信モジュール26は、1以上のプローブ(例えば、超音波トランスデューサ及び/または本明細書に開示されるニードルトランスデューサ30)から送信された信号を、プロセッサ14が理解して処理することができる信号に変換するためのセンサインタフェース28(例えば、1以上のアナログ-デジタル変換器)を有する。
【0021】
本明細書に開示される様々なプローブ及び/またはトランスデューサは、任意の適切な手段を用いて通信モジュール26に通信可能に接続され得ることを理解されたい。例えば、図2に示すように、ニードルトランスデューサ30は、有線接続によってセンサインタフェース28に接続され得る。また、他の実施形態では、ニードルトランスデューサ30は、当技術分野で既知の任意の適切な無線通信プロトコル等を使用して、無線接続によってセンサインタフェース28に接続され得る。このようにして、プロセッサ14は、ニードルトランスデューサ30から1以上の信号を受信するように構成され得る。
【0022】
本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という用語は、当技術分野においてコンピュータ内に含まれているものとして言及される集積回路だけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、現場でプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、及び他のプログラム可能な回路も指す。プロセッサ14はまた、先進制御アルゴリズムを計算し、様々なイーサネット(登録商標)またはシリアルベースのプロトコル(Modbus、OPC、CAN等)と通信するように構成される。さらに、特定の実施形態では、プロセッサ14は、計算時間及びローカルデバイスの負荷を減らすことを目的として、クラウドコンピューティングのためにインターネットを介してサーバと通信してもよい。加えて、メモリデバイス16は一般的に、これに限定しないが、例えば、コンピュータ可読媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、フロッピーディスク、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、及び/または他の適切なメモリ要素等のメモリ要素を含み得る。このようなメモリデバイス16は一般的に、プロセッサ14によって実行されたときに本明細書に記載された様々な機能を実行するように該プロセッサ14を構成する適切なコンピュータ可読命令を格納するように構成され得る。
【0023】
次に、図3図5を参照すると、様々な医療物品に取り付けられた小型トランスデューサを説明するために、本開示の実施形態の様々な図が示されている。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載される医療物品としては、ニードル、カテーテル、スタイレット、または同様のものが挙げられる。図3は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのニードルアセンブリ32の一実施形態の側面図を示す。図4は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのカテーテル35の一実施形態の側面図を示す。図5は、本開示による、超音波画像化システム10と共に使用するためのスタイレット41の一実施形態の側面図を示す。
【0024】
特に図3を参照すると、ニードルアセンブリ32は、近位端36及び遠位端38を有し、遠位端38が患者に挿入されるように構成されたニードル34を備える。そして、図示のように、ニードルアセンブリ32は、物品トランスデューサ30をさらに備える。物品トランスデューサ30は、ニードル34の遠位端38において、ニードルの外面40に取り付けられる。なお、物品トランスデューサ30は、ニードル34の任意の適切な位置に取り付けてもよいことを理解されたい。また、別の実施形態では、図4に示すように、物品トランスデューサ30は、例えばカテーテル35の遠位端39において、カテーテル35の外面37に取り付けられる。なお、物品トランスデューサ30は、カテーテル35の任意の適切な位置に取り付けてもよいことを理解されたい。また、さらに別の実施形態では、図5に示すように、物品トランスデューサ30は、例えばスタイレット41の遠位端45において、スタイレット41の外面43に取り付けられる。なお、物品トランスデューサ30は、スタイレット41の任意の適切な位置に取り付けてもよいことを理解されたい。
【0025】
さらに、図6に示すように、本開示の物品トランスデューサ30は、約2平方ミリメートル(mm)未満の面積を有する表面領域56を含む。より具体的には、図示のように、物品トランスデューサ30の表面領域56は、約1mm以下、より好ましくは約0.5mm以下、さらにより好ましくは約0.2mm以下の幅58を有する。さらに、図示のように、物品トランスデューサ30の表面領域56は、約1mm以下、より好ましくは約0.5mm以下の長さ60を有する。したがって、図示の実施形態に示すように、物品トランスデューサ30の表面領域56は、正方形または長方形の形状を有する。超音波画像化システム10に使用することを目的としているので、物品トランスデューサ30は小型化が可能である。例えば、本開示の物品トランスデューサ30は、超音波画像化システム10が検出することができるが、画像化には必要とされない位置信号を生成するように構成される。
【0026】
例えば、従来のPZTトランスデューサでは、そのバッキングの大部分を除去することによって、全体の厚さを薄くすることができる。このようにすると、PZTトランスデューサにリンギング(ring)が生じるが、このことは、超音波用途では重要ではない。画像化用途では、バッキングまたは減衰要素により、リンギングを低減させ、音波パルスを減衰させる。これらのパラメータは、リンギングの低減により解像度が向上するという利点があるため、画像化用途に特定される。特定のPZT実装では、設計によってデバイスの厚さを薄くするという代替手段を用いる。このようなデバイスでは、除去すべきバッキングが存在せず、その性能は、CMUTと同様に、依然として画像化用途に適している。例えば、本開示のトランスデューサ30は、数dBの通過帯域リップルを許容することができる。したがって、トランスデューサ30の通過帯域は、画像化用途のための通常の3dBよりも低いカットオフレベル、例えば、約10dBまたは20dBに設定することができる。
【0027】
次に、物品トランスデューサ30について、図3のニードルアセンブリ32を参照して説明するが、図3に示す任意の特徴は、図4及び図5のカテーテル35及び/またはスタイレット41の実施形態と組み合わせることができることを理解されたい。再び図3を参照して、ニードル34は、その近位端36にニードルハブをさらに備える。このような実施形態では、物品トランスデューサ30は、ニードルハブ42を介して、物品トランスデューサ30に電力を供給する電源44に接続される。特定の実施形態では、電源44は、超音波画像化システム10の一部であってもよい。または、ニードルアセンブリ32が超音波画像化システム10から完全に自律的であるように、電源44は、超音波画像化システム10とは別個の構成要素であってもよい。
【0028】
加えて、物品トランスデューサ30は、ニードル34、カテーテル35、スタイレット41の外面に、ボンディング(bonding)や積層造形プロセスなどの任意の適切な方法を用いて取り付けられる。さらに、物品トランスデューサ30は、当技術分野で現在知られている、または将来開発される任意の適切なトランスデューサであってもよい。例えば、一実施形態では、物品トランスデューサ30は、圧電(PZT)トランスデューサであり得る。あるいは、物品トランスデューサ30は、容量性マイクロマシン加工超音波(CMUT)トランスデューサであってもよい。さらに別の実施形態では、物品トランスデューサ30は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)トランスデューサ及び/または光音響トランスデューサであってもよい。
【0029】
特に図7A及び図7Bを参照すると、ニードルアセンブリ32のニードル34の様々な実施形態の様々な図が示されている。より具体的には、図7A及び図7Bは、本開示によるニードル34の遠位端38の一実施形態の斜視図及び断面図を示し、特に、物品トランスデューサ30及びそれに対応するトレースまたはワイヤがそれぞれ配置される、ニードル34の壁部に凹設された平坦凹部49及び長手方向溝47を示す。長手方向溝47は、平坦凹部49からニードル34の近位端36まで延びるように構成される。このような実施形態では、ニードル34の壁部の前側部分(平坦凹部49の遠位側に隣接する部分)は、ニードル34を患者の体内に挿入したときに物品トランスデューサ30を保護するように構成される。ニードル34の壁部の前側部分(ニードル34の遠位端38における物品トランスデューサ30を埋設することができる部分)は、患者の体内への挿入時に物品トランスデューサ30を保護するように構成される。加えて、このような実施形態では、導電性トレース52は、物品トランスデューサ30を電源44に接続するための電気接続部を提供するように構成される。別の実施形態では、ニードルアセンブリ32の電気接続部は、例えばニードル34の内部または外部に配置され、トランスデューサ30と電源44とを接続する1以上のケーブルを含み得る。
【0030】
次に、図8を参照すると、ニードル34に取り付けられた物品トランスデューサ30を備えたニードルアセンブリ32の一実施形態の斜視図が示されている。図示のように、物品トランスデューサ30は、ニードル34の平坦凹部49に配置される。加えて、図示のように、物品トランスデューサ30は、フレキシブルプリント回路基板46を介して電源44に電気的に接続される。例えば、図示のように、フレキシブルプリント回路基板46は、可撓性ベース50を含み、可撓性ベース50の表面には、1以上の導電性トラックまたは導電性トレース52が印刷されている。可撓性ベース50は、ニードル34の外面40に効果的に取り付けることができるように、ニードル34の形状に合わせて容易に撓むことができる。
【0031】
例えば、特定の実施形態では、導電性トレースまたは導電性トラック52は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、積層造形、または任意の他の適切な印刷プロセスによって、可撓性ベース50の表面に印刷され得る。加えて、このような実施形態では、導電性トラック52の幅は、例えば、約0.10~0.25mmの範囲であり得る。さらに、特定の実施形態では、より良好なノイズ耐性を達成するために、グラウンドプレーンを使用して信号トレースを取り囲むようにしてもよい。加えて、図示のように、複数の導電性トラック52は、物品トランスデューサ30から信号を送信するように構成された第1の導電性トラックと、超音波画像化システム10から信号を受信するように構成された第2の導電性トラックとを含む。さらに、図示の実施形態に示すように、ニードル34に形成された長手方向溝47は、導電性トレース52を含む可撓性ベース50を受容することができるように構成される。
【0032】
別の実施形態では、導電性トレース52は、単一のコアワイヤ、同軸ケーブル、または任意の他の適切なケーブルまたはワイヤを含み得る。例えば、一実施形態では、導電性トレース52は、小さいゲージ(例えば、約40AWG以下)の絶縁ワイヤなどのソリッドストランドワイヤまたはマルチストランドワイヤであり得る。別の実施形態では、導電性トレース52は、より良好なノイズ耐性環境を提供するために、小さいゲージ(例えば、約40AWG以下)の同軸ケーブルあり得る。
【0033】
特定の実施形態では、本明細書に記載された積層造形プロセスは、例えば、指向性エネルギー堆積、直接レーザ堆積(直接レーザ蒸着)、または任意の他の適切な追加的な製造技術を含むことができる。積層造形プロセスを用いることにより、患者の必要な組織を穿刺するときのニードル34の全体的な有効性を妨げないように、導電性トレース52を、フレキシブルプリント回路基板46に、または、ニードル34に直接的に、薄い層で印刷することができる。例えば、一実施形態では、導電性トレース52の各々は、約0.01~0.05mmの範囲の厚さを有し得る。本明細書中で使用するとき、例えば「約」などの程度を表す用語は、記載された値から±10%の範囲を包含することを意味する。
【0034】
また、本明細書に記載された様々な電気接続部(例えば、フレキシブルプリント回路基板46)と物品トランスデューサ30との相互接続は、様々な方法を用いて達成できることを理解されたい。例えば、特定の実施形態では、例えば、特定の実施形態では、上記の相互接続は、ワイヤ/ケーブルに直接接続するのではなく、デバイスにワイヤボンドするために使用することができるはんだ付け及び/または導電性エポキシ接合によって(すなわち、ポリ塩化ビフェニル(PCB)界面の有無にかかわらず)、達成することができる。
【0035】
本明細書は、実施例を用いて、最良の実施の形態(ベストモード)を含む本発明の内容を開示し、かつ本発明を当業者が実施(任意の装置またはシステムの作製及び使用、並びに組み込まれた任意の方法の実施を含む)することを可能にしている。本発明の特許される技術範囲は、特許請求の範囲の請求項の記載によって定義され、当業者が想到可能な別の実施形態も含まれ得る。そのような別の実施形態は、各請求項の文言と相違しない構成要素を含む場合、または、各請求項の文言とは実質的に相違しない均等な構成要素を含む場合、その請求項の範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】