(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】履歴ベースの動きベクトル予測
(51)【国際特許分類】
H04N 19/52 20140101AFI20220216BHJP
【FI】
H04N19/52
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537784
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 US2019067639
(87)【国際公開番号】W WO2020139717
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】514041959
【氏名又は名称】ヴィド スケール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】シウ、シャオユウ
(72)【発明者】
【氏名】フ、ユーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、チャンコン
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA05
5C159MA12
5C159NN01
5C159NN10
5C159NN11
5C159NN20
5C159RC12
5C159TA62
5C159TB08
5C159TC41
5C159TC42
5C159TD15
5C159UA02
5C159UA05
5C159UA33
(57)【要約】
履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)を処理するためのシステム、方法、及び装置が開示される。ビデオ符号化装置は、現在のブロックの履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)リストを生成し得る。ビデオ符号化装置は、以前に符号化されたブロックからHMVP候補を導出する。HMVP候補は、現在のブロックの隣接するブロック、1つ又は複数の参照インデックス、及び双方向予測重みインデックスに関連付けられた動き情報を含み得る。ビデオ符号化装置は、現在のブロックに関連付けられた動きベクトルの動き補償予測のためにHMVPリストにHMVP候補を追加し得る。ビデオ符号化装置は、現在のブロックの動き補償予測を実行するためにHMVPリストから選択された1つのHMVPを使用する。動き補償予測は、現在のブロックの隣接するブロック、1つ又は複数の参照インデックス、及び双方向予測重みインデックスに関連付けられた動き情報を使用して実行され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
現在のブロックの履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)リストを生成し、
以前に符号化されたブロックからHMVP候補を導出し、前記HMVP候補が、前記現在のブロックの隣接するブロック、1つ又は複数の参照インデックス、及び双方向予測重みインデックスに関連付けられた動き情報を含み、
前記現在のブロックに関連付けられた動きベクトルの動き補償予測のために前記HMVPリストに前記HMVP候補を追加し、
前記現在のブロックの動き補償予測を実行するために前記HMVPリストから選択された1つのHMVPを使用し、前記動き補償予測が、前記現在のブロックの前記隣接するブロック、前記1つ又は複数の参照インデックス、及び前記双方向予測重みインデックスに関連付けられた前記動き情報を使用して実行される
ように構成されたプロセッサ
を備える、ビデオ符号化装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記HMVP候補が前記現在のブロックの前記HMVPリストにおけるHMVPと同じであるか否かを判定し、
前記HMVP候補が前記HMVPリストにおけるいずれかのHMVPと同じであるという条件で、前記HMVPリストから前記HMVPを削除し、前記HMVP候補を前記HMVPリストの最後に追加し、
前記HMVP候補が前記HMVPリストにおけるいずれのHMVPとも同じではないという条件で、前記HMVPリストが一杯である場合には前記HMVPリストの最も古いHMVPエントリを削除し、前記HMVP候補を前記HMVPリストの最後に追加する
ように更に構成される、請求項1に記載のビデオ符号化装置。
【請求項3】
前記隣接するブロックが空間的に近接しないブロックである、請求項2に記載のビデオ符号化装置。
【請求項4】
前記HMVP候補が前記HMVPリストにおける前記HMVPと同じである場合、前記HMVPリストにおける前記削除されたHMVPの後にある1つ又は複数のHMVPを1つの位置だけ前方に移動させる、請求項2に記載のビデオ符号化装置。
【請求項5】
前記HMVP候補と前記HMVPリストにおける前記HMVPとが同じ動きベクトル及び同じ参照インデックスを有する場合、前記HMVP候補が前記HMVPリストにおける前記HMVPと同じである、請求項2に記載のビデオ符号化装置。
【請求項6】
前記HMVP候補と前記HMVPリストにおける前記HMVPとが同じ動きベクトル、同じ参照インデックス、及び同じ双方向予測重みインデックスを有する場合、前記HMVP候補が前記HMVPリストにおける前記HMVPと同じである、請求項2に記載のビデオ符号化装置。
【請求項7】
前記動き情報が、少なくとも1つ又は複数の動きベクトルを含む、請求項1に記載のビデオ符号化装置。
【請求項8】
前記双方向予測重みインデックスが、前記隣接するブロックに関連付けられた1つ又は複数の重みインデックスを含む、請求項1に記載のビデオ符号化装置。
【請求項9】
前記現在のブロックの動き補償予測を実行することにより生成される予測信号に、前記1つ又は複数の重みインデックスに基づく1つ又は複数の重みが適用される、請求項8に記載のビデオ符号化装置。
【請求項10】
前記プロセッサが、新しい符号化ツリーユニット(CTU)ラインの符号化が開始されるときにHMVPリストをリセットするように更に構成される、請求項1に記載のビデオ符号化装置。
【請求項11】
現在のブロックの履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)リストを生成することと、
以前に符号化されたブロックからHMVP候補を導出することであって、前記HMVP候補が、前記現在のブロックの隣接するブロック、1つ又は複数の参照インデックス、及び双方向予測重みインデックスに関連付けられた動き情報を含む、ことと、
前記現在のブロックに関連付けられた動きベクトルの動き補償予測のために前記HMVPリストに前記HMVP候補を追加することと、
前記現在のブロックの動き補償予測を実行するために前記HMVPリストから選択された1つのHMVPを使用することであって、前記動き補償予測が、前記現在のブロックの前記隣接するブロック、前記1つ又は複数の参照インデックス、及び前記双方向予測重みインデックスに関連付けられた前記動き情報を使用して実行される、ことと
を含む、ビデオ符号化方法。
【請求項12】
前記HMVP候補が前記現在のブロックの前記HMVPリストにおけるHMVPと同じであるか否かを判定することと、
前記HMVP候補が前記HMVPリストにおけるいずれかのHMVPと同じであるという条件で、前記HMVPリストから前記HMVPを削除し、前記HMVP候補を前記HMVPリストの最後に追加することと、
前記HMVP候補が前記HMVPリストにおけるいずれのHMVPとも同じではないという条件で、前記HMVPリストが一杯である場合には前記HMVPリストの最も古いHMVPエントリを削除し、前記HMVP候補を前記HMVPリストの最後に追加することと
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記隣接するブロックが空間的に近接しないブロックである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記HMVP候補が前記HMVPリストにおける前記HMVPと同じである場合、前記HMVPリストにおける前記削除されたHMVPの後にある1つ又は複数のHMVPを1つの位置だけ前方に移動させる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記HMVP候補と前記HMVPリストにおける前記HMVPとが同じ動きベクトル及び同じ参照インデックスを有する場合、前記HMVP候補が前記HMVPリストにおける前記HMVPと同じである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記HMVP候補と前記HMVPリストにおける前記HMVPとが同じ動きベクトル、同じ参照インデックス、及び同じ双方向予測重みインデックスを有する場合、前記HMVP候補が前記HMVPリストにおける前記HMVPと同じである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記動き情報が、少なくとも1つ又は複数の動きベクトルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記双方向予測重みインデックスが、前記隣接するブロックに関連付けられた1つ又は複数の重みインデックスを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記現在のブロックの動き補償予測を実行することにより生成される予測信号に、前記1つ又は複数の重みインデックスに基づく1つ又は複数の重みが適用される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
新しい符号化ツリーユニット(CTU)ラインの符号化が開始されるときにHMVPリストをリセットすることを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年12月29日に出願された米国特許仮出願第62/786,429号の利益を主張するものであり、同仮出願は、参照によりその内容が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] ビデオ符号化システムは、デジタルビデオ信号を圧縮して、そのような信号のストレージの必要性及び/又は送信帯域幅を削減するために広く使用されている。ブロックベースのシステム、ウェーブレットベースのシステム、及びオブジェクトベースのシステムなど、様々なタイプのビデオ符号化システムの中でも、ブロックベースのハイブリッドビデオ符号化システムが広く使用され、配備されている。ビデオ符号化を行うために、例えば履歴ベースの動きベクトル予測を含む様々なビデオ符号化技法が利用され得る。ビデオ符号化規格の他の符号化ツールとのビデオ符号化技法の見込まれる相互作用が利用されないことがある。このために、ビデオ符号化技法の符号化性能が大幅に低下することになり得る。
【発明の概要】
【0003】
概要
[0003] 履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)を処理するためのシステム、方法、及び装置が開示される。ビデオ符号化装置は、現在のブロックのHMVPリストを生成し得る。ビデオ符号化装置は、以前に符号化されたブロックからHMVP候補を導出し得る。HMVP候補は、以前に符号化されたブロック(例えば、現在のブロックの隣接するブロック)、1つ又は複数の参照インデックス、及び双方向予測重みインデックスに関連付けられた動き情報を含み得る。動き情報は、少なくとも1つ又は複数の動きベクトルを含み得る。双方向予測重みインデックスは、隣接するブロックに関連付けられた1つ又は複数の重みインデックスを含み得る。現在のブロックの動き補償予測を実行することにより生成される予測信号に、1つ又は複数の重みが適用され得る。
【0004】
[0004] ビデオ符号化装置は、現在のブロックに関連付けられた動きベクトルの動き補償予測のためにHMVPリストにHMVP候補を追加し得る。ビデオ符号化装置は、現在のブロックの動き補償予測を実行するためにHMVPリストから選択されたHMVPを使用し得る。動き補償予測は、現在のブロックの隣接するブロック、1つ又は複数の参照インデックス、及び双方向予測重みインデックスに関連付けられた動き情報を使用して実行され得る。
【0005】
[0005] ビデオ符号化装置は、HMVP候補が現在のブロックのHMVPリストにおけるHMVPと同じであるか否かを判定することにより、枝刈り(pruning)を実行し得る。HMVP候補がHMVPリストにおけるHMVPのいずれかと同じである場合、ビデオ符号化装置はそのHMVPをHMVPリストから削除し得る。ビデオ符号化装置は、HMVP候補をHMVPリストの最後に追加し得る。ビデオ符号化装置は、HMVPリストにおける削除されたHMVPの後にある1つ又は複数のHMVPを1つの位置だけ前方に移動させ得る。一例では、HMVP候補とHMVPリストにおけるHMVPとが同じ動きベクトル及び同じ参照インデックスを有する場合、HMVP候補はHMVPリストにおけるHMVPと同じであると言える。一例では、HMVP候補とHMVPリストにおけるHMVPとが同じ動きベクトル、同じ参照インデックス、及び同じ一般化双方向予測(GBi)重み又はCUレベルの重みを用いた双方向予測(BCW)重みを有する場合、HMVP候補はHMVPリストにおけるHMVPと同じであると言える。
【0006】
[0006] HMVP候補がHMVPリストにおけるHMVPのいずれとも同じではない場合、ビデオ符号化装置は、例えばHMVPリストが一杯である場合には、HMVPリストの最も古いHMVPエントリをから削除し得る。ビデオ符号化装置は、HMVP候補をHMVPリストの最後に追加し得る。新しい符号化ツリーユニット(CTU)ラインの符号化が開始されるときにビデオ符号化装置はHMVPリストをリセットし得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な説明
【
図1】[0007]ブロックベースのビデオ符号化器の例示的な図を示す。
【
図2】[0001]マルチタイプツリー構造における例示的なブロック分割を示す。
【
図3】[0008]ブロックベースのビデオ復号器の例示的な図を示す。
【
図4】[0009]例示的な履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)符号化手順を示す。
【
図5】[0010]対角線三角形分割ベースの動き補償予測の一例及び逆対角線三角形分割ベースの動き補償予測の一例を示す。
【
図6】[0011]片方向予測動きベクトル(MV)を、例えば三角形モードで生成する一例を示す。
【
図7】[0012]1つ又は複数のマージ候補に基づいて片方向予測MVリストを生成するための例示的なフローチャートを示す。
【
図8A】[0013]GBi重みを考慮しながらHMVP候補をHMVPリストに追加する一例を示す。
【
図8B】[0014]先入れ先出し(FIFO)方式を用いて、HMVP候補をHMVPリストに追加する一例を示す。
【
図9】[0015]HMVP候補をHMVPリストに追加する一例を示す。
【
図10】[0016]空間的/時間的候補及びHMVP候補に基づいて三角形モードのための片方向予測MVリストを生成するための例示的なフローチャートを示す。
【
図11】[0017]空間的/時間的候補及びHMVP候補の片方向予測MVをインターリーブすることに基づいて三角形モードのための片方向予測MVリストを生成するための例示的なフローチャートを示す。
【
図12A】[0018]1つ又は複数の開示される実施形態が実施され得る例示的な通信システムのシステム図である。
【
図12B】[0019]
図12Aに示す通信システム内で使用され得る例示的な無線送信/受信ユニット(WTRU)のシステム図である。
【
図12C】[0020]
図12Aに示す通信システム内で使用され得る例示的な無線アクセスネットワーク(RAN)及び例示的なコアネットワーク(CN)のシステム図である。
【
図12D】[0021]
図12Aに示す通信システム内で使用され得る更なる例示的なRAN及び更なる例示的なCNのシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
[0022] ここで、様々な図面を参照しながら例示的な実施形態の詳細な説明を記載する。本説明は、可能な実装の詳細な例を示しているが、詳細は例示を意図したものであり、決して本願の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【0009】
[0023] ビデオ符号化システムにおける1つ又は複数のビデオ符号化装置は、デジタルビデオ信号を圧縮して、例えばそのような信号の格納及び/又は配信に関連付けられた格納空間及び/又は伝送帯域幅を削減することができる。ビデオ符号化装置は、ブロックベースのハイブリッドビデオ符号化フレームワークに基づくことができる。マルチタイプのツリーベースのブロック分割構造が採用されてもよい。符号化モジュールのうちの1つ又は複数、例えば、イントラ予測モジュール、インター予測モジュール、変換/逆変換モジュール、及び量子化/逆量子化モジュールが含まれ得る。ビデオ符号化装置は、インループフィルタを含み得る。
【0010】
[0024] ビデオ符号化装置は、より高い符号化効率及び適度な実装の複雑さを提供し得る1つ又は複数の符号化ツールを含み得る。符号化ツールは、アフィン動きモデル、高度時間動きベクトル予測(alternative temporal motion vector prediction, ATMVP)、整数動きベクトル(integer motion vector, IMV)、一般化双方向予測(generalized bi-prediction, GBi)又はCUレベルの重みを用いた双方向予測(bi-prediction with CU-level weights, BCW)、双方向オプティカルフロー(bi-directional optical flow, BDOF)、統合インターマージ/イントラ予測(combined inter merge/intra prediction)、動きベクトル差分を用いたマージ(merge with motion vector difference, MMVD)、ペアワイズ平均マージ候補(pairwise average merge candidate)、インター符号化のための三角形インター予測(triangular inter prediction for inter coding)、クロスコンポーネント線形モデル(CCLM)、マルチラインイントラ予測(multi-line intra prediction)、イントラ予測のための現画像参照(current picture referencing, CPR)、エンハンストマルチプル変換(enhanced multiple transform, EMT)、量子化及び変換符号化のための依存量子化(dependent quantization for quantization and transform coding)、ループ内フィルタのための適応ループフィルタ(adaptive loop filtering, ALF)のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0011】
[0025] 例示的なブロックベースのビデオ符号化システムは、ブロックベースのハイブリッドビデオ符号化フレームワークを含み得る。
図1は、ブロックベースのハイブリッドビデオ符号化システムの例示的なブロック図を示している。
図1に示すように、入力ビデオ信号1002は、ブロックごとに処理され得る。拡張されたブロックサイズ(例えば、符号化ユニット又はCUと呼ぶ)は、高解像度(例えば、1080p及び/又は1080超)ビデオ信号を圧縮するために使用され得る。CUは、最大128×128画素のサイズを含み得る。ブロックは、四分木に基づいて分割され得る。四分木/二分木/三分木に基づいて様々なローカル特性に適応するように、1つの符号化ツリーユニット(CTU)がCUに分割され得る。CUは、別の予測が適用され得る予測単位又はPUに分割されることもあればされないこともある。CUは、更なる分割なしに予測及び変換のための基本単位として使用され得る(例えば、常に使用され得る)。マルチタイプツリー構造では、ある(例えば、1つの)CTUが四分木構造によって分割され得る(例えば、最初に分割され得る)。四分木葉ノード(例えば、各四分木リードノード)が二分木及び三分木構造で更に分割され得る。
図2に示すように、例えば、四分木分割、水平二分木分割、垂直二分木分割、水平三分木分割、及び垂直三分木分割を含む1つ又は複数の(例えば、5つの)分割タイプがあり得る。
【0012】
[0026]
図1を参照すると、入力ビデオブロック(例えば、マクロブロック(MB)及び/又はCU)、空間的予測1060及び/又は時間的予測1062が実行され得る。空間的予測1060(例えば、イントラ予測)は、ビデオ画像/スライス内の符号化された隣接するブロックのサンプル(例えば、参照サンプル)からの画素を使用して、現在のビデオブロックを予測し得る。空間的予測1060は、例えばビデオ信号に固有であり得る空間的冗長性を低減し得る。動き予測1062(例えば、インター予測又は時間的予測)は、符号化されたビデオ画像からの再構成された画素を使用して、例えば現在のビデオブロックを予測し得る。動き予測1062は、例えばビデオ信号に固有であり得る時間的冗長性を低減し得る。ビデオブロック(例えば、CU)の動き予測信号(例えば、時間的予測信号)は、1つ又は複数の動きベクトル(MV)によってシグナリングされ得る。MVは、現在のブロック及び/又は現在のブロックの参照ブロック又はその時間的参照の間の動きの量及び/又は方向を示し得る。複数の参照画像が(例えば、それぞれの)ビデオブロックのためにサポートされている場合、ビデオブロックの参照画像インデックスが符号化器によって送信され得る。参照画像インデックスは、動き予測信号が参照画像ストア1064内のどの参照画像に由来し得るかを特定するために使用され得る。
【0013】
[0027] 空間的予測1060及び/又は動き予測1062の後に、符号化器内のモード決定ブロック1080は、例えばレート歪み最適化に基づいて予測モード(例えば、最良の予測モード)を判定し得る。予測ブロックは、1016において現在のビデオブロックから差し引かれ得る、及び/又は予測残差は、変換1004及び/又は量子化1006を使用して無相関化されて、目標ビットレートなどのビットレートを実現し得る。量子化された残差係数は、逆量子化1010において逆量子化される、及び/又は変換1012において逆変換されて、例えば再構成された残差を形成し、再構成された残差は、1026において予測ブロックに追加されて、例えば再構成されたビデオブロックを形成し得る。ループ内フィルタ(例えば、デブロッキングフィルタ及び/又は適応ループフィルタ)が、ループフィルタ1066において、再構成されたビデオブロックが参照画像ストア1064中に入れられ得る、及び/又はビデオブロック(例えば、将来のビデオブロック)を符号化するために使用され得る前に、再構成されたビデオブロックに適用され得る。出力ビデオビットストリーム1020を形成するために、符号化モード(例えば、インター又はイントラ)、予測モード情報、動き情報、及び/又は量子化された残差係数がエントロピー符号化モジュール1008に送信されて(例えば、すべて送信されて)、圧縮及び/又はパックされてビットストリームを形成し得る。
【0014】
[0028]
図3は、復号器のための例示的なブロックベースのビデオ復号フレームワークのブロック図を示している。ビデオビットストリーム1102(例えば、
図1のビデオビットストリーム1020)は、エントロピー復号モジュール1108においてアンパックされ得る(最初にアンパックされ得る)、及び/又はエントロピー復号され得る。符号化モード及び予測情報は、予測ブロックを形成するために(例えば、イントラ符号化された場合は)空間的予測モジュール1170に及び/又は(例えば、インター符号化及び/又は時間符号化された場合は)動き補償予測モジュール1172に送信され得る。残差変換係数は、例えば残差ブロックを再構成するために、逆量子化モジュール1110及び/又は逆変換モジュール1112に送信され得る。予測ブロック及び/又は残差ブロックは、1126において足し合わされ得る。再構成されたブロックは、例えば再構成されたブロックが参照画像ストア1174に格納される前に、ループフィルタ1176においてループ内フィルタリングを経ることができる。参照画像ストア1174内の再構成されたビデオ1120は、ディスプレイ装置を駆動するために送出され得る、及び/又はビデオブロック(例えば、将来のビデオブロック)を予測するために使用され得る。
【0015】
[0029] 1つ又は複数の符号モジュール、例えばインター予測に関連付けられた符号化モジュールは、インター符号化効率を改善するために強化され得る。例えば、本明細書で説明するように、履歴ベースの動きベクトル予測(HMVP)の符号化効率が改善され得る。
【0016】
[0030] インター符号化ブロックのMVは、本明細書で説明されるように1つ又は複数の機構を用いてシグナリングされ得る。例えば、インター符号化ブロックのMVは、高度動きベクトル予測(AMVP)モード又はマージモードを用いてシグナリングされ得る。AMVPモードでは、実際のMVとMV予測子(MVP)との間の差分、参照インデックス、及びAMVP候補リストを参照するMVPインデックスがシグナリングされ得る。マージモードでは、マージ候補リストを参照するマージインデックスがシグナリングされ得る。マージ候補に関連付けられた動き情報は、シグナリングされたマージ候補から継承され得る。動き情報は、例えばAMVP及びマージ候補のために、CUに隣接する空間ブロックから導出され得る。例えば、空間ブロックは、現在のCU又は時間参照画像内の同一位置に配置されたブロックに直接隣接(neighbor)し得る(例えば、近接(adjacent)し得る)。1つ又は複数のマージ候補(例えば、最大6つのマージ候補に)及び1つ又は複数のAMVP候補(例えば、最大2つのAMVP候補)は、動きベクトルの予測のための候補リストに追加され得る。
【0017】
[0031] HMVPは、隣接するブロックのMVの間の相関関係を調べるために使用され得る。例えば、HMVPは、隣接する空間的に近接しないブロックの間の相関関係を調べるために使用され得る。本明細書では、空間的に近接しない隣接するブロックによって利用されているHMVPに対して参照がなされているが、隣接するブロックはまた、近接するブロックであるブロックを含み得ることが当業者には理解されよう。
【0018】
[0032] HMVP候補は、以前に符号化されたCUの動き情報を示し得る。動き情報は、MV及び参照画像インデックスのうちの1つ又は複数を含み得る。複数のHMVP候補のテーブルが、符号化器及び/又は復号器において維持され得る。HMVP候補のテーブルは、新しいCTUラインの符号化が開始されたときにリセット(例えば、空にするためにリセット)され得る。複数のサブブロック(例えば、ATMVP及びアフィン符号化されたCU)を含まないインターCUが符号化された後、関連する動き情報が、規則(例えば、制約付き先入れ先出し(FIFO)規則)に基づいて、エントリ(例えば、HMVP候補テーブルにおける最後のエントリ)に追加され得る。冗長検査は、(例えば、HMVP候補のテーブル又はリストに動き候補を追加する前に、)新しい動き候補と同じである既存のHMVP候補があるか否かを特定するために適用され得る。新しい動き候補と同じである既存のHMVP候補が見つかった場合、同じHMVP候補はHMVP候補テーブル又はリストから削除され得、HMVP候補は、1つの位置だけ、例えばHMVP候補テーブルインデックスを1つだけ減らすことによって、前方に移動され得る。
図4は、HMVPがMVを予測するために適用されるときの例示的なワークフロー復号を示している。
図4に示すように、402において、既存のHMVP候補は、既存のHMVP候補のリストにロードされ得る。404において、現在のブロックに関連付けられたMVは、HMVP候補から復号され得る。406において、HMVP候補リストは、復号されたMVに基づいて更新され得る。
【0019】
[0033] 一般化双方向予測(GBi)又はCUレベルの重みを用いた双方向予測(BCW)が実行され得る。例えば、GBi又はBCWは、再構成された参照画像から2つの時間的予測ブロックによって1つのCUが予測される場合、双方向予測の効率を向上させるために実行され得る。双方向予測モードでは、サンプルxにおける予測信号は、式(1)に示すように2つの予測信号の平均として計算され得る。
P[x]=(P0[x+v0]+P1[x+v1])/2 (1)
【0020】
[0034] 式(1)において、P[x]は、画像位置xに配置されたサンプルxの結果として得られる予測信号であり得、P1[X+v1]は、i番目のリスト(例えば、リスト0、リスト1)について動きベクトル(MV)v1を用いたxの動き補償された予測信号であり得る。GBiは、リスト0及びリスト1からの2つの予測信号に様々な重み値(例えば、w0及びw1)を適用し得る。w0及びw1の1つ又は複数の構成は、片方向予測及び双方向予測に予測類似性を意味し得る(例えば、従来の片方向予測及び双方向予測と同じ予測)。例えば、(w0,w1)が、参照リストL0による片方向予測について(1,0)、参照リストL1による片方向予測について(0,1)、及び2つの参照リストによる従来の双方向予測について(0.5,0.5)に等しい場合、片方向予測及び双方向予測に予測類似性が存在し得る。GBiでは、リストL0及びL1からの予測信号に適用される重みは、CUごとにシグナリングされ得る。制約は、w0とw1との和が1になるように、例えばw0+w1=1となるように適用され得る。制約は、シグナリングオーバーヘッドを低減するために適用され得る。そのような制約を所与として、単一の重みがシグナリングされてもよく、GBiが適用された場合の最終的な双方向予測信号は、例えば式(2)を用いて計算され得る。
P[x]=(1-w1)*P0[x+v0]+w1*P1[x+v1] (2)
【0021】
[0035] (2)によれば、w1は、例えば、値{-1/4,1/4,3/8,1/2,5/8,3/4,5/4}を使用して離散化されてもよく、これにより、各重み値が小さい制限された範囲内のインデックス値によって示され得る。小さな範囲を用いたw1の離散化は、シグナリングオーバーヘッドを低減するために利用され得る。重み値{1/4,3/8,1/2,5/8,3/4}は、画像間(例えば、すべての画像間)に適用されてもよく、重み値{-1/4,5/4}は低遅延画像に適用されてもよい。重み値は、表示順にしたがって現在の画像に先行する参照画像を用いて予測され得る低遅延画像に適用され得る。
【0022】
[0036] 三角形インター予測が実行されてもよい。いくつかのビデオコンテンツ(例えば、自然映像コンテンツ)では、2つの動いている物体間の境界は水平又は垂直(例えば、純粋に水平又は垂直)ではない場合がある。このような水平ではない又は垂直ではない境界は、矩形ブロックによって正確に近似することが困難であり得る。したがって、三角形予測が、例えば動き補償予測のために三角形分割を有効にするために適用され得る。
図5に示すように、三角形予測は、CUを1つ又は複数(例えば、2つ)の三角形予測単位に、例えば対角方向(502)又は逆対角方向(504)で分割し得る。CUの三角形予測単位(例えば、各三角形予測単位)は、その片方向予測動きベクトル及び参照フレームインデックスを用いてインター予測され得る。片方向予測動きベクトル及び参照フレームインデックスは、片方向予測候補リストから導出され得る。
【0023】
[0037] 片方向予測候補リストは、1つ又は複数(例えば、5つ)の片方向予測動きベクトル候補を含み得る。片方向予測動きベクトル候補は、マージプロセス(例えば、HEVCのマージプロセス)に使用されるものと同様の(例えば、同じ)空間的/時間的に隣接するブロックから導出され得る。片方向予測MV候補は、
図6に示すように、5つの空間的には隣接するブロック及び2つの時間的に同一位置に配置されたブロックから導出され得る。
図6を参照すると、7つの隣接するブロックの動きベクトルは、例えば、隣接するブロックが双方向予測される場合には、隣接するブロックのL0動きベクトル、隣接するブロックのL1動きベクトル、並びに隣接するブロックのL0動きベクトルとL1動きベクトルとの平均動きベクトルの順に収集され、片方向予測MV候補リストに格納され得る。MV候補の数が5未満である場合、ゼロ(0)個の動きベクトルがMV候補リストに追加され得る。
【0024】
[0038]
図7は、三角形予測モードにより符号化されたCUの片方向予測MVリストに、マージ候補の片方向予測MVを追加するためのフローチャートを示している。702において、ビデオ符号化装置は、マージ候補がL0MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、704において、ビデオ符号化装置は、マージ候補に関連付けられたL0MVを片方向予測MVリストに追加し得る。708において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。710において、ビデオ符号化装置は、マージ候補がL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、712において、ビデオ符号化装置は、マージ候補に関連付けられたL1MVを片方向予測MVリストに追加し得る。714において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。716において、ビデオ符号化装置は、マージ候補がL0MV及びL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、718において、ビデオ符号化装置は、マージ候補に関連付けられたL0MVとL1MVとの平均を片方向予測MVリストに追加し得る。720において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。
【0025】
[0039] 1つ又は複数の隣接するブロックの順序(例えば、候補リストへの追加のために候補ブロックが確認及び検討され得る順序)は、1つ又は複数の空間的な隣接するブロック(例えば、1~5)に続いて、1つ又は複数の時間的な同一位置にあるブロック(6~7)を含み得る。
図6を参照すると、7つの隣接するブロック(例えば、A1、A0、B0、B1、B2、T0、T1)の動きベクトルは、片方向予測動きベクトル、双方向予測動きベクトルのL0動きベクトル、双方向予測動きベクトルのL1動きベクトル、並びに双方向予測動きベクトルのL0動きベクトルとL1動きベクトルとの平均動きベクトルの順に収集され、片方向予測候補リストに格納され得る。候補の数が5未満である場合、ゼロ個の動きベクトルがリストに追加され得る。
【0026】
[0040] HMVP符号化ゲインは、例えば、HMVPの適用を他の符号化ツール、例えば一般化双方向予測及び/又は三角形インター予測に拡張することによって改善され得る。HMVPは、隣接するブロックの間のMV相関関係を判定するために使用され得る。例えば、HMVPは、隣接する空間的に近接しないブロックの間のMV相関関係を判定するために使用され得る。本明細書では、空間的に近接しない隣接するブロック間のMV相関関係を判定するために利用されているHMVPに対して参照がなされているが、隣接するブロックは、近接するブロックであるブロックを含み得ることが当業者には理解されよう。HMVPは、1つ又は複数のMV候補のテーブルを維持することによりMV相関関係を判定するために利用され得る。テーブルは、符号化装置及び/又は復号装置において維持され得る。HMVP候補は、動きベクトル(例えば、1つ又は複数の動きベクトル)、参照リスト(例えば、1つ又は複数の参照リスト)、又は以前に符号化されたブロックに関連付けられた参照画像インデックス(例えば、1つ又は複数の参照画像インデックス)のうちの1つ又は複数を含む動き情報に基づいて定義され得る。
【0027】
[0041] 一例では、HMVP候補は、GBiを無効にしたCUの予測信号を導出するために使用され得る。このような場合、リスト0及びリスト1に関連付けられた2つの予測信号に等しい重みが適用され得る。
【0028】
[0042] 一例では、HMVP及びGBiは、例えば、GBiをHMVPインデックスと関連付けることにより有効にされ得る。GBiは、少なくとも1つのGBiインデックスをHMVPエントリ又はHMVPインデックスのそれぞれと関連付けることにより有効にされ得る。その結果、HMVPの符号化効率が改善し得る。GBiインデックスは、双方向予測重みインデックスとも呼ばれ得る。
【0029】
[0043] 一例では、各HMVP候補について、動き情報に加えて、少なくとも1つのGBiインデックスが、以下のうちの1つ又は複数に基づいて作成され得る。HMVP候補が、GBi重みがシグナリングされるインターCUから導出される場合、HMVP候補のGBi重みはシグナリングされたGBi重みに設定され得る。HMVP候補が、空間的マージ候補から導出される場合、HMVP候補のGBi重みは空間的候補のGBi重みに設定され得る。HMVP候補が時間的マージ候補から導出される場合、HMVP候補のGBi重みは、時間的に同一位置にある画像の同一位置にあるブロックのGBi重みに設定され得る。HMVP候補が平均マージ候補から導出される場合、HMVP候補のGBi重みはある一定の固定値(例えば0.5)に設定され得る。
【0030】
[0044] 本明細書で説明されるように、枝刈りはHMVP処理手順の1つ又は複数の異なる段階で実行され得る。例えば、枝刈りは、MV候補又はHMVP候補をHMVPリストに追加する場合にHMVPリストの冗長なエントリを削除するために実行され得る。一例では、枝刈りは、HMVPリストにおけるエントリがMV候補又はHMVP候補と同じであるか否かを判定した後に実行され得る。HMVPリストにおける同じ候補が見つかった場合、同じHMVPがHMVPリストから削除される。一例では、HMVP候補は、HMVP候補に関連付けられた動き情報がHMVPリストにおけるHMVPエントリに関連付けられた動き情報と同様である場合、HMVPリストにおけるHMVPエントリと同じであると言うことができる。比較される動き情報は、動きベクトル(例えば、1つ又は複数の動きベクトル)、参照リスト(例えば、1つ又は複数の参照インデックス、及び参照画像インデックス(例えば、1つ又は複数の参照画像インデックス)のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0031】
[0045] 一例では、動きベクトル情報に加えて、HMVP候補をHMVP候補リストに追加するか否かを判定する際に、GBi重みが考慮され得る。
図8Aは、HMVP候補をHMVP候補リストに追加する際に、GBi重みを考慮する一例を示している。
図8Aに示すように、HMVPリストの第2のエントリとHMVPリストに追加される新しいHMVP候補とは、既存のHMVPリスト(例えば、HMVP
1)の第2のエントリの動き情報及びGBi重みが、新しいHMVP候補(例えば、C
l-1)の動き情報及びGBi重みと同様である場合、同じのものとして扱われ得る。このような例では、HMVP候補C
l-1をHMVPリストの最後に追加する前に、HMVPリストにおけるマッチしたHMVPエントリHMVP
1をリストから削除することができ、HMVPエントリに続くHMVPエントリ(例えば、HMVP
2からHMVP
l-1)が矢印で示すように前方に移動され得る。これは、例えば、それぞれのインデックスを1つだけ減らすことにより実現され得る。
【0032】
[0046]
図8Bは、HMVP候補がHMVPリストにおけるエントリと同じではないものとして扱われ得る一例を示している。
図8Bに示すように、HMVP
1とC
l-1との動き情報が同じであっても、それぞれのGBi重みが等しくないため、HMVP
1とC
l-1とは同じではないと言われる。FIFOプロセス(例えば、デフォルトのFIFOプロセス)が適用され得る。
図8Bに示すように、FIFO手順は、テーブルから第1のHMVP候補(例えば、HMVP
0)を削除することと、
図8Bの矢印で示すように、HMVPリストの最後に空の位置を作るために各エントリの位置を1つだけ移動させることと、HMVPリストの最後にある空の位置に、新しい候補C
l-1を追加することとを含み得る。
【0033】
[0047] (例えば、それぞれGBi重みとそれぞれ関連付けられ得る)HMVP候補は、マージモード及び/又はAMVPモードの候補として使用され得る。HMVP候補(例えば、HMVPテーブルの最後のエントリから最初のエントリまでのすべてのHMVP候補)が、例えば、TMVP候補の後に挿入され得る。HMVPがマージモードに適用される場合、同様の(例えば、同じ)動き情報及び同様の(例えば、同じ)GBi重みを有する候補を削除するために枝刈りが適用され得る。
【0034】
[0048] GBiインデックスは、動き補償予測及びHMVP枝刈りプロセスに使用され得る。動き補償予測及びHMVP枝刈りプロセスは、符号化ゲインを高め、枝刈りプロセスの複雑化を増し得る。HMVP候補(例えば、リストにおける各HMVP候補)の動き情報及びGBi重みがチェックされると、HMVP枝刈りプロセスの複雑さが増し得る。一例では、HMVP候補(例えば、すべてのHMVP候補)のそれぞれのGBi重みが、動き補償予測に利用され得る。HMVP候補のサブセットがHMVP枝刈りプロセスに利用され得る。本明細書で説明されるように、HMVP候補はGBiインデックスに関連付けられ得る(例えば、各HMVP候補は1つのGBiインデックスに関連付けられ得る)。関連付けられたGBi重みは、(例えば、2つのHMVP候補が同じであるか否かを判定するのではなく)CUの予測信号を生成するために利用され得る。
【0035】
[0049]
図9は、HMVP候補をHMVP候補リストに追加する一例を示しており、GBi重みがHMVP候補をHMVPリストに追加するときに考慮されない。
図9に提示される例では、既存のHMVPリスト(例えば、HMVP
1)の第2のエントリと新しいHMVP候補(例えば、C
l-1)とのGBiインデックスは同じではないが、既存のHMVPリスト(例えば、HMVP
1)の第2のエントリと新しいHMVP候補(例えば、C
l-1)の動き情報とは同じである。この例では、既存のHMVPリストの第2のエントリ(例えば、HMVP
1)と新しいHMVP候補(例えば、C
l-1)との動き情報が同じであり、既存のHMVPリストの第2のエントリ(例えば、HMVP
1)と新しいHMVP候補(例えば、C
l-1)のGBiインデックスが同じではない場合、HMVPリストの第2のエントリと新しいHMVP候補は同じのものとして扱われ得る。
図9に示すように、HMVP
1がHMVP候補リストから削除され得、後続のHMVP候補(例えば、HMVP
2からHMVP
l-1)が、例えば矢印で示すようにインデックスを1つだけ減らして前方に移動され得る。次いで、C
l-1は、HMVPリストの最後に追加され得る。
【0036】
[0050] 三角形インター予測がHMVPによって実行されてもよい。三角形インター予測では、片方向予測候補リストにおけるMVは、時間的及び空間的に隣接するものから導出され得る。例えば、従来の空間的及び時間的に隣接するものは、HEVCのマージモードに使用される隣接するものであり得る。例えば、三角形インター予測は、
図6に示すように、片方向予測候補リストのMVを、5つの空間的に隣接するもの及び2つの時間的に隣接するものから導出し得る。一例では、MVの導出は、直接空間的に隣接しないブロック(例えば、近接しないブロック)のMVの間の相関関係を考慮しない場合がある。このような場合、MVの導出は、2つの三角形分割の真の動きを捉えるための正確な片方向予測MV候補(例えば、最も正確な片方向予測MV候補)を生成しない場合がある。一例では、オクルージョン境界に沿った隣接するブロックの動き情報は、(例えば、自然映像コンテンツなどのコンテンツに普通存在し得る、物体の遮蔽に起因して)相関を取られない場合がある。オクルージョン境界に沿った隣接するブロックの動き情報が相関を取られていない場合、オクルージョン境界上の空間的に隣接するものからのMVは、現在のCUのMV予測子として機能するには正確ではない(例えば、十分に正確ではない)場合がある。このことは、インター符号化の効率を下げ得る。一例では、HMVP候補(例えば、既存の空間的及び時間的MV候補とは別)は、例えば、1つ又は複数の隣接するブロック(例えば、空間的に近接していないブロック)のMVの間の相関関係を調べるために、三角形予測モードのための片方向予測MV候補リストを導出するために使用され得る。
【0037】
[0051] HMVP候補の片方向予測MVは、三角形モードの片方向予測MVの候補リスト(例えば、最終候補リスト)の異なる位置に配置され得る。一例では、1つ又は複数のHMVP候補に関連付けられた片方向予測MVがチェックされ、リストにおいて空間的及び/又は時間的候補の後に挿入され得る。HMVP候補に関連付けられたMVがチェックされ(例えば、HMVP候補のMVが片方向予測MVリストにおけるMVと同じであるか否かをチェックする)、片方向予測候補リストに挿入され得る(例えば、空間的及び時間的候補の後に)。候補ブロックのMVは、
図6に示すように、5つの空間的に隣接するもの(例えば、A1、A0、B1、B0、及びB2)に続いて、2つの時間的に近接するもの(例えば、T0及びT1)、及びN個のHMVP候補の順に収集され得る。
【0038】
[0052] 三角形モードに使用される片方向予測MVは、本明細書で説明されるように生成され得る。一例では、三角形モードに使用される片方向予測MVは、空間的/時間的候補及びHMVP候補のうちの1つ又は複数に関連付けられたL0MVを追加することにより生成され得る。一例では、三角形モードに使用される片方向予測MVは、1つ又は複数の空間的/時間的候補及びHMVP候補に関連付けられたL1MVを追加することにより生成され得る。一例では、HMVP候補が双方向予測される場合、三角形モードに使用される片方向予測MVは、空間的/時間的候補及びHMVP候補のL0MVとL1MVとの平均を追加することにより生成され得る。
【0039】
[0053]
図10は、三角形CUの片方向予測MVリストに、マージ候補の片方向予測MVを挿入することに関連付けられた一例を示している。
図10に示すように、1030において、ビデオ符号化装置は、候補(例えば、i番目のマージ候補)がL0MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1032において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL0MVを片方向予測MVリストに追加し得る。1034において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補又はHMVP候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1036において、ビデオ符号化装置は、候補がL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1038において、ビデオ符号化装置は、候補のL1MVを片方向予測MVリストに追加し得る。1040において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補又はHMVP候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1042において、ビデオ符号化装置は、候補がL0MV及びL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1044において、ビデオ符号化装置は、候補のL0MVとL1MVとの平均を片方向予測MVリストに追加し得る。1046において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補又はHMVP候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。
【0040】
[0054] 空間的及び時間的に隣接するものの動き(例えば、動き情報)は、(例えば、HMVP候補の動きよりも相関している)現在のCUの動き(例えば、動き情報)と相関を取られ得る。空間的及び時間的候補の片方向予測MVは、HMVP候補の片方向予測MVよりも高い優先度を与えられ得る(例えば、候補のMVをシグナリングする際のオーバーヘッドを低減するため)。例では、空間的/時間的候補の片方向予測MVがHMVP候補の片方向予測MVとインターリーブされ得る。
【0041】
[0055] 三角形CUの片方向予測MVリスト(例えば、最終的な片方向予測MVリスト)が生成されてもよい。一例では、三角形CUの片方向予測MVリストは、片方向予測MVリストに各空間的/時間的候補のL0MVを挿入することにより生成され得る。一例では、三角形CUの片方向予測MVリストは、片方向予測MVリストに各空間的/時間的候補のL1MVを挿入することにより生成され得る。一例では、三角形CUの片方向予測MVリストは、片方向予測MVリストに各HMVP候補のL0MVを挿入することにより生成され得る。一例では、三角形CUの片方向予測MVリストは、片方向予測MVリストに各HMVP候補のL1MVを挿入することにより生成され得る。
【0042】
[0056] 一例では、三角形CUの片方向予測MVリストは、片方向予測MVリストに空間的/時間的候補(例えば、候補が双方向予測される場合、各空間的/時間的候補)のL0MVとL1MVとの平均を挿入することにより生成され得る。一例では、三角形CUの片方向予測MVリストは、片方向予測MVリストにHMVP候補(例えば、候補が双方向予測される場合、各HMVP候補)のL0MVとL1MVとの平均を挿入することにより生成され得る。
【0043】
[0057]
図11は、空間的/時間的候補及びHMVP候補の片方向予測MVがインターリーブされる場合に、三角形モードの片方向予測MVリストを生成する一例を示している。
図11に示すように、1130において、ビデオ符号化装置は、候補(例えば、i番目のマージ候補)がL0MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1132において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL0MVを片方向予測MVリストに追加する。1134において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1136において、ビデオ符号化装置は、候補がL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1138において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL1MVを片方向予測MVリストに追加し得る。1140において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1142において、ビデオ符号化装置は、候補がL0MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1144において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL1MVを片方向予測MVリストに追加し得る。1146において、ビデオ符号化装置は、HMVP候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1148において、ビデオ符号化装置は、候補がL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1150において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL1MVを片方向予測MVリストに追加し得る。1152において、ビデオ符号化装置は、HMVP候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1154において、ビデオ符号化装置は、候補がL0MV及びL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1156において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL0MVとL1MVとの平均を片方向予測MVリストに追加し得る。1158において、ビデオ符号化装置は、空間的/時間的候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。1160において、ビデオ符号化装置は、候補がL0MV及びL1MVを含むか否かを判定し得る。含む場合、1162において、ビデオ符号化装置は、候補に関連付けられたL0MVとL1MVとの平均を片方向予測MVリストに追加し得る。1164において、ビデオ符号化装置は、HMVP候補がリストの最後であるか否かを確認し得る。
【0044】
[0058]
図12Aは、1つ又は複数の開示される実施形態が実施され得る例示的な通信システム100を示す図である。例えば、本明細書で説明されるようなビデオ符号化装置に関連付けられた特徴のうちの1つ又は複数が通信システム100のWTRU102a、102b、102c、及び102dのうちの1つ又は複数に含まれ得る。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージング、放送などのコンテンツを複数の無線ユーザに提供する多元接続システムとすることができる。通信システム100は、複数の無線ユーザが、無線帯域幅を含むシステムリソースの共用を通して、そのようなコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、及びシングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、ゼロテールユニークワードDFT拡散OFDM(ZT UW DTS-s OFDM)、ユニークワードOFDM(UW-OFDM)、リソースブロックフィルタードOFDM(resource block-filtered OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)など、1つ又は複数のチャネルアクセス方法を利用することができる。
【0045】
[0059]
図12Aに示すように、通信システム100は、無線送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、RAN104/113、CN106/115、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、及び他のネットワーク112を含むことができるが、開示される実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を企図していることを理解されたい。WTRU102a、102b、102c、102dのそれぞれは、無線環境において動作及び/又は通信するように構成された任意のタイプの装置とすることができる。例を挙げると、「ステーション」及び/又は「STA」といずれも呼ばれ得るWTRU102a、102b、102c、102dは、無線信号を送信及び/又は受信するように構成されてもよく、ユーザ機器(UE)、移動局、固定若しくは移動加入者ユニット、サブスクリプションベースのユニット、ポケットベル、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、ホットスポット若しくはMi-Fi装置、モノのインターネット(IoT)装置、腕時計若しくは他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、乗物、ドローン、医療装置及びアプリケーション(例えば、遠隔手術)、産業用装置及びアプリケーション(例えば、産業用及び/又は自動処理チェーンの状況で動作するロボット及び/又は他の無線装置)、消費者向け電子装置、商用及び/又は産業用無線ネットワーク上で動作する装置などを含むことができる。WTRU102a、102b、102c、及び102dのいずれも、交換可能にUEと呼ばれ得る。
【0046】
[0060] 通信システム100はまた、基地局114a及び/又は基地局114bを含むことができる。基地局114a、114bのそれぞれは、CN106/115、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112などの1つ又は複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つと無線でインターフェースを取るように構成された任意のタイプの装置とすることができる。例を挙げると、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ基地局(BTS)、Node-B、eNodeB、ホームNodeB、ホームeNodeB、gNB、NR NodeB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、及び無線ルータなどとすることができる。基地局114a、114bは、それぞれ単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局及び/又はネットワーク要素を含み得ることが理解されよう。
【0047】
[0061] 基地局114aは、RAN104/113の一部とすることができ、RAN104/113は、他の基地局、及び/又は基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、中継ノードなどのネットワーク要素(図示せず)も含むことができる。基地局114a及び/又は基地局114bは、セル(図示せず)と呼ばれることがある1つ又は複数のキャリア周波数で、無線信号を送信及び/又は受信するように構成され得る。これらの周波数は、認可されたスペクトル、認可されていないスペクトル、又は認可されたスペクトルと認可されていないスペクトルとの組み合わせにあり得る。セルは、比較的固定されている場合もあれば、時間の経過とともに変化する場合もある特定の地理的領域に無線サービスのカバレッジを提供することができる。セルは、セルセクタに更に分割され得る。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割され得る。よって、一実施形態では、基地局114aは、3つの送受信機を、すなわち、セルのセクタごとに1つずつ含むことができる。一実施形態では、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を利用することができ、セルのセクタごとに複数の送受信機を利用することができる。例えば、ビームフォーミングを使用して、所望の空間的方向に信号を送信及び/又は受信することができる。
【0048】
[0062] 基地局114a、114bは、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ又は複数と通信することができ、無線インターフェース116は、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波(RF)、マイクロ波、センチメートル波、ミリ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)とすることができる。無線インターフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0049】
[0063] より具体的には、上述のように、通信システム100は、多元接続システムとすることができ、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、及びSC-FDMAなどの、1つ又は複数のチャネルアクセス方式を利用することができる。例えば、RAN104/113内の基地局114a、及びWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用して無線インターフェース115/116/117を確立することができる、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)地上無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装することができる。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)及び/又は発展型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、高速ダウンリンク(DL)パケットアクセス(HSDPA)及び/又は高速ULパケットアクセス(HSUPA)を含むことができる。
【0050】
[0064] 一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、ロングタームエボリューション(LTE)及び/又はLTE-Advanced(LTE-A)及び/又はLTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)を使用して無線インターフェース116を確立することができる、発展型UMTS地上無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実装することができる。
【0051】
[0065] 一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、New Radio(NR)を使用して無線インターフェース116を確立することができる、NR無線アクセスなどの無線技術を実装することができる。
【0052】
[0066] 一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装することができる。例えば、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、例えばデュアルコネクティビティ(DC)の原理を使用して、LTE無線アクセス及びNR無線アクセスを一緒に実装することができる。よって、WTRU102a、102b、102cによって利用される無線インターフェースは、複数のタイプの基地局(例えば、eNB及びgNB)との間で送受信される複数のタイプの無線アクセス技術及び/又は送信によって特徴付けられ得る。
【0053】
[0067] 他の実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.11(すなわち、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi))、IEEE802.16、(すなわち、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定標準2000(IS-2000)、暫定標準95(IS-95)、暫定標準856(IS-856)、汎欧州デジタル移動体通信システム(GSM)、エンハンスト・データレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)、及びGSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装することができる。
【0054】
[0068]
図12Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、ホームNodeB、ホームeNodeB、又はアクセスポイントとすることができ、職場、家庭、乗物、キャンパス、産業用施設、エアコリドー(例えば、ドローンによる使用のため)、及び道路などの局所的エリアにおける無線接続を容易にするための任意の適切なRATを利用することができる。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立することができる。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立することができる。また別の実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用して、ピコセル又はフェムトセルを確立することができる。
図12Aに示すように、基地局114bは、インターネット110への直接的な接続を有し得る。よって、基地局114bは、CN106/115を介して、インターネット110にアクセスする必要がないことがある。
【0055】
[0069] RAN104/113はCN106/115と通信することができ、CN106/115は、音声、データ、アプリケーション、及び/又はボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)サービスをWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ又は複数に提供するように構成された任意のタイプのネットワークとすることができる。データは、異なるスループット要件、遅延要件、誤差許容要件、信頼性要件、データスループット要件、及びモビリティ要件など、様々なサービス品質(QoS)要件を有し得る。CN106/115は、呼制御、請求サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続、ビデオ配信などを提供することができる、及び/又はユーザ認証などの高レベルのセキュリティ機能を実行することができる。
図12Aには示されていないが、RAN104/113及び/又はCN106/115は、RAN104/113と同じRAT又は異なるRATを利用する他のRANと直接又は間接的に通信することができることが理解されよう。例えば、NR無線技術を利用し得るRAN104/113に接続するのに加えて、CN106/115は、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、又はWi-Fi無線技術を利用する別のRAN(図示せず)とも通信することができる。
【0056】
[0070] CN106/115は、PSTN108、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112にアクセスするための、WTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとしても働くことができる。PSTN108は、基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話網を含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイート内の伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、及び/又はインターネットプロトコル(IP)など、共通の通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワーク及び装置から構成されるグローバルシステムを含むことができる。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は運営される有線及び/又は無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN104/113と同じRAT又は異なるRATを利用し得る1つ又は複数のRANに接続された別のCNを含むことができる。
【0057】
[0071] 通信システム100内のWTRU102a、102b、102c、102dのいくつか又はすべては、マルチモード機能を含むことができる(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数の送受信機を含むことができる)。例えば、
図12Aに示すWTRU102cは、セルラベースの無線技術を利用し得る基地局114aと通信するように、またIEEE802無線技術を利用し得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0058】
[0072]
図12Bは、例示的なWTRU102を示すシステム図である。
図12Bに示すように、WTRU102は、とりわけ、プロセッサ118、送受信機120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、着脱不能メモリ130、着脱可能メモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、及び/又は他の周辺機器138を備え得る。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、上記の要素の任意のサブコンビネーションを含むことができることが理解されよう。
【0059】
[0073] プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他の任意のタイプの集積回路(IC)、及び状態機械などとすることができる。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、及び/又はWTRU102が無線環境で動作することを可能にする他の任意の機能を実行することができる。プロセッサ118は送受信機120に結合することができ、送受信機120は送信/受信要素122に結合することができる。
図12Bは、プロセッサ118と送受信機120とを別々の構成要素として示しているが、プロセッサ118と送受信機120とは、電子パッケージ又はチップ内に一緒に統合することができることが理解されよう。
【0060】
[0074] 送信/受信要素122は、無線インターフェース116を介して基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信する、又は基地局から信号を受信するように構成され得る。例えば、一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信及び/又は受信するように構成されたアンテナとすることができる。一実施形態では、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、又は可視光信号を送信及び/又は受信するように構成された放出器/検出器とすることができる。また別の実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号と光信号との両方を送信及び/又は受信するように構成され得る。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信及び/又は受信するように構成され得ることが理解されよう。
【0061】
[0075]
図12Bでは、送信/受信要素122は単一の要素として示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含むことができる。より具体的には、WTRU102は、MIMO技術を利用することができる。よって、一実施形態では、WTRU102は、無線インターフェース116を介して無線信号を送信及び受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含むことができる。
【0062】
[0076] 送受信機120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調するように、また送信/受信要素122によって受信された信号を復調するように構成され得る。上述のように、WTRU102は、マルチモード機能を有することができる。よって、送受信機120は、WTRU102が、例えば、NR及びIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することを可能にするための複数の送受信機を含むことができる。
【0063】
[0077] WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶表示(LCD)ディスプレイユニット又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合することができ、それらからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力することもできる。加えて、プロセッサ118は、着脱不能メモリ130及び/又は着脱可能メモリ132など、任意のタイプの適切なメモリから情報を入手することができ、それらにデータを格納することができる。着脱不能メモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、又は他の任意のタイプのメモリ記憶装置を含むことができる。着脱可能メモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、及びセキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含むことができる。他の実施形態では、プロセッサ118は、WTRU102上に物理的に配置されたメモリではなく、サーバ又はホームコンピュータ(図示せず)上などに配置されたメモリからの情報にアクセスすることができ、それらにデータを格納することができる。
【0064】
[0078] プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102内の他の構成要素に電力を分配及び/又は制御するように構成され得る。電源134は、WTRU102に給電するための任意の適切な装置とすることができる。例えば、電源134は、1つ又は複数の乾電池(例えば、ニッケル-カドミウム(NiCd)、ニッケル-亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)など)、太陽電池、及び燃料電池などを含むことができる。
【0065】
[0079] プロセッサ118はGPSチップセット136にも結合することができ、GPSチップセット136は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば、経度及び緯度)を提供するように構成され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて、又はその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)から無線インターフェース116を介して位置情報を受信することができる、及び/又は2つ以上の近くの基地局から受信した信号のタイミングに基づいて、自らの位置を決定することができる。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の適切な位置決定方法を用いて、位置情報を獲得することができることが理解されよう。
【0066】
[0080] プロセッサ118は他の周辺機器138に更に結合することができ、他の周辺機器138は、追加的な特徴、機能、及び/又は有線若しくは無線接続を提供する、1つ又は複数のソフトウェアモジュール及び/又はハードウェアモジュールを含むことができる。例えば、周辺機器138は、加速度計、eコンパス、衛星送受信機、(写真及び/又はビデオ用の)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、バイブレーション装置、テレビ送受信機、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実及び/又は拡張現実(VR/AR)装置、並びにアクティビティトラッカなどを含むことができる。周辺機器138は1つ又は複数のセンサを含むことができ、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、方向センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャーセンサ、生体認証センサ、及び/又は湿度センサのうちの1つ又は複数であり得る。
【0067】
[0081] WTRU102は、(例えば、UL(例えば、送信用)及びダウンリンク(例えば、受信用)の両方の特定のサブフレームに関連付けられている信号の一部又はすべての送信及び受信が並行して及び/又は同時に行われ得る全二重無線を含むことができる。全二重無線は、ハードウェア(チョークなど)又はプロセッサ(例えば、別のプロセッサ(図示せず)又はプロセッサ118を介して)による信号処理のいずれかを介した自己干渉を削減及び又は実質的に排除するために干渉管理ユニットを含むことができる。一実施形態では、WTRU102は、(例えば、UL(例えば、送信用)又はダウンリンク(例えば、受信用)のいずれかの特定のサブフレームに関連付けられている信号の一部又はすべての送信及び受信のための半二重無線を含むことができる。
【0068】
[0082]
図12Cは、一実施形態によるRAN104及びCN106を示すシステム図である。上述のように、RAN104は、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにE-UTRA無線技術を採用し得る。また、RAN104は、CN106と通信し得る。
【0069】
[0083] RAN104は、eNode-B160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のeNode-Bを含み得ることを理解されたい。eNode-B160a、160b、160cは、それぞれ、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ又は複数の送受信機を備え得る。一実施形態では、eNode-B160a、160b、160cはMIMO技術を実装し得る。よって、例えば、eNode-B160aは、無線信号をWTRU102aに送信する、及び/又は無線信号をWTRU102aから受信するために複数のアンテナを使用し得る。
【0070】
[0084] eNode-B160a、160b、160cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けられてもよく、無線リソース管理の決定、ハンドオーバの決定、UL及び/又はDLにおけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成され得る。
図12Cに示すように、eNode-B160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して互いに通信し得る。
【0071】
[0085]
図12Cに示すCN106は、モビリティ管理エンティティ(MME)162、サービングゲートウェイ(SGW)164、及びパケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(又はPGW)166を含み得る。上述の要素のそれぞれはCN106の一部として描かれているが、これらの要素のいずれも、CN事業者以外のエンティティによって所有及び/又は運営され得ることを理解されよう。
【0072】
[0086] MME162は、S1インターフェースを介してRAN104のeNode-B162a、162b、162cのそれぞれに接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザの認証、ベアラの有効化/無効化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ時の特定のサービングゲートウェイの選択などに関与し得る。MME162は、RAN104と、GSM及び/又はWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0073】
[0087] SGW164は、S1インターフェースを介してRAN104のeNode-B162a、160b、160cのそれぞれに接続され得る。SGW164は、一般に、WTRU102a、102b、102cとの間でユーザデータパケットをルーティングし、転送し得る。SGW164は、eNode-B間のハンドオーバ時にユーザプレーンをアンカリングすること、DLデータがWTRU102a、102b、102cで利用可能な場合にページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理及び格納することなどの他の機能を実行し得る。
【0074】
[0088] SGW164は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換網へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得るPGW166に接続され得る。
【0075】
[0089] CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと従来の固定電話通信装置との間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換網へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含んでいてもよいし、それと通信してもよい。加えて、CN106は、他のサービスプロバイダが所有及び/又は運営する他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。
【0076】
[0090]
図12A~
図12DではWTRUは無線端末として記載されているが、特定の代表的な実施形態では、そのような端末が通信ネットワークとの有線通信インターフェースを(例えば、一時的又は恒久的に)使用できることが企図されている。
【0077】
[0091] 代表的な実施形態では、他のネットワーク112はWLANであり得る。
【0078】
[0092] インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)モードのWLANは、BSSのためのアクセスポイント(AP)と、APに関連付けられた1つ又は複数のステーション(STA)とを有し得る。APは、配信システム(DS)又はBSSとの間でトラフィックを運ぶ別のタイプの有線/無線ネットワークへのアクセス又はインターフェースを有し得る。BSSの外部から到来するSTAへのトラフィックは、APを介して到着し得、STAに配信され得る。STAから到来しBSS外部の宛先に向かうトラフィックは、それぞれの宛先に配信されるようにAPに送信され得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、APを介して送信され得、例えば、送信元のSTAがAPにトラフィックを送信し得、APが宛先のSTAにトラフィックを配信し得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックと見なされ得る、及び/又は呼ばれ得る。ピアツーピアトラフィックは、送信元STAと送信先STAとの間で(例えば、直接送信元STAと送信先STAとの間で)、ダイレクトリンクセットアップ(DLS)を用いて送信され得る。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11eDLS又は802.11zトンネルDLS(TDLS)を使用し得る。インデペンデントBSS(IBSS)モードを使用するWLANは、APを持たず、IBSS内又はIBSSを使用するSTA(例えば、すべてのSTA)は、互いに直接通信し得る。本明細書では、IBSSの通信モードを「アドホック」通信モードと呼ぶことがある。
【0079】
[0093] 802.11acインフラストラクチャの動作モード又は同様の動作モードを使用する場合、APは、プライマリチャネルなどの固定チャネル上でビーコンを送信し得る。プライマリチャネルは、固定された幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)であってもよいし、シグナリングを介して動的に設定された幅であってもよい。プライマリチャネルはBSSの動作チャネルであり得、STAによってAPとの接続を確立するために使用され得る。特定の代表的な実施形態では、例えば802.11システムにおいて、搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式(CSMA/CA)が実装され得る。CSMA/CAでは、APを含むSTA(例えば、すべてのSTA)がプライマリチャネルを検知し得る。特定のSTAによってプライマリチャネルがビジー状態であることを検知/検出/及び/又は判定された場合、特定のSTAは譲歩し得る。1つのSTA(例えば、1つのステーションのみ)が、所与のBSSにおいて任意の所与の時間に送信し得る。
【0080】
[0094] 高スループット(HT)STAは、例えば、40MHz幅のチャネルを形成するために、プライマリ20MHzチャネルと近接する又は近接しない20MHzチャネルとの組み合わせを介して、通信のために40MHz幅のチャネルを使用し得る。
【0081】
[0095] 超高スループット(VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、及び/又は160MHzの幅のチャネルをサポートし得る。40MHz及び/又は80MHzのチャネルは、連続する20MHzのチャネルを組み合わせることにより形成され得る。160MHzのチャネルは、8つの連続した20MHzのチャネルを組み合わせることにより形成されてもよいし、2つの連続しない80MHzのチャネルを組み合わせることにより形成されてもよく、後者は80+80構成と呼ばれることもある。80+80構成では、チャネル符号化後のデータが、データを2つのストリームに分割し得るセグメントパーサに通され得る。逆高速フーリエ変換(IFFT)処理及びタイムドメイン処理が、各ストリームに対して個別に行われ得る。ストリームは2つの80MHzのチャネルにマッピングされ得、データは送信STAによって送信され得る。受信側STAの受信機において、上述の80+80の構成の動作が逆に行われ得、結合されたデータが媒体アクセス制御(MAC)に送信され得る。
【0082】
[0096] サブ1GHzの動作モードは、802.11af及び802.11ahでサポートされている。802.11af及び802.11ahでは、802.11n及び802.11acで使用されているものと比較して、チャネルの動作帯域幅及びキャリアが削減されている。802.11afは、TVホワイトスペース(TVWS)において5MHz、10MHz、及び20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、TVWS以外の周波数帯を使用して1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHzの帯域幅をサポートしている。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレージエリア中のMTCデバイスなどのメータ型制御/マシン型通信をサポートし得る。MTCデバイスは、特定の能力、例えば、特定の及び/又は限定された帯域幅のサポート(例えば、それのみのサポート)を含む限定された能力を有し得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリ寿命を維持するために)閾値を上回るバッテリ寿命を有するバッテリを含み得る。
【0083】
[0097] 802.11n、802.11ac、802.11af、及び802.11ahなどの複数のチャネル及びチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、プライマリチャネルとして指定され得るチャネルを含む。プライマリチャネルは、BSS中のすべてのSTAによってサポートされる最大の共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。プライマリチャネルの帯域幅は、BSS中で動作するときすべてのSTAの中から、最小の帯域幅動作モードをサポートするSTAによって設定及び/又は制限され得る。802.11ahの例では、AP及びBSS中の他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、及び/又は他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合でも、プライマリチャネルは、1MHzモードをサポートする(例えば、それのみをサポートする)STA(例えば、MTCタイプのデバイス)について1MHz幅であり得る。キャリア検知及び/又はネットワーク割当ベクトル(NAV)の設定は、プライマリチャネルのステータスに依存し得る。例えば(1MHz動作モードのみをサポートする)STAに起因してプライマリチャネルがビジーである場合、周波数帯域の大部分がアイドルのままであり、利用可能であり得る場合であっても、APに利用可能な周波数帯域全体を送信することがビジーであると見なされ得る。
【0084】
[0098] 米国では、802.11ahによって使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzまでである。韓国では、利用可能な周波数帯域は、917.5MHzから923.5MHzまでである。日本では、利用可能な周波数帯域は、916.5MHzから927.5MHzまでである。802.11ahにおいて利用可能な総帯域幅は、国コードに応じて6MHzから26MHzまでである。
【0085】
[0099]
図12Dは、一実施形態によるRAN113及びCN115を示すシステム図である。上述のように、RAN113は、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにNR無線技術を採用し得る。また、RAN113は、CN115と通信し得る。
【0086】
[0100] RAN113は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN113が、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のgNBを含み得ることを理解されたい。gNB180a、180b、180cは、それぞれ、無線インターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ又は複数の送受信機を備え得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cはMIMO技術を実装し得る。例えば、gNB180a、108bは、gNB180a、180b、180cに信号を送信する、及び/又はそれから信号を受信するためにビームフォーミングを利用し得る。よって、例えば、gNB180aは、無線信号をWTRU102aに送信する、及び/又は無線信号をWTRU102aから受信するために複数のアンテナを使用し得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cはキャリアアグリゲーション技術を実装し得る。例えば、gNB180aは、WTRU102a(図示せず)に複数のコンポーネントキャリアを送信し得る。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、アンライセンスのスペクトル上にあり得るが、残りのコンポーネントキャリアは、ライセンスされたスペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、協調マルチポイント(CoMP)技術を実装し得る。例えば、WTRU102aは、gNB180a及びgNB180b(及び/又はgNB180c)から協調送信を受信し得る。
【0087】
[0101] WTRU102a、102b、102cは、スケーラブルなヌメロロジに関連付けられた送信を使用してgNB180a、180b、180cと通信し得る。例えば、OFDMシンボル間隔及び/又はOFDMサブキャリア間隔は、異なる送信、異なるセル、及び/又は異なるワイヤレス送信スペクトルの部分に応じて変動し得る。WTRU102a、102b、102cは、(例えば、変動する数のOFDMシンボルを含む及び/又は様々な長さの絶対時間の間続く)様々な若しくはスケーラブルな長さのサブフレーム又は送信時間間隔(TTI)を使用してgNB180a、180b、180cと通信し得る。
【0088】
[0102] gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成及び/又は非スタンドアロン構成のWTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eNode-B160a、160b、160cなど)にもアクセスすることなしにgNB180a、180b、180cと通信し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、モビリティアンカーポイントとしてgNB180a、180b、180cのうちの1つ又は複数を利用し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、アンライセンスの帯域中の信号を使用してgNB180a、180b、180cと通信し得る。非スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、eNode-B160a、160b、160cなどの別のRANとも通信しながら/それにも接続しながらgNB180a、180b、180cと通信し得る/それらに接続し得る。例えば、WTRU102a、102b、102cは、1つ又は複数のgNB180a、180b、180c及び1つ又は複数のeNode-B160a、160b、160cと実質的に同時に通信するためにDC原理を実装し得る。非スタンドアロン構成では、eNode-B160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのためのモビリティアンカーとして機能し得、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cにサービスを提供するための追加のカバレージ及び/又はスループットを提供し得る。
【0089】
[0103] gNB180a、180b、180cのそれぞれは、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理の決定、ハンドオーバの決定、UL及び/又はDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアルコネクティビティ、NRとE-UTRAとの間の相互接続、ユーザプレーン機能(UPF)184a、184bに向けたユーザプレーンデータのルーティング、アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)182a、182bに向けた制御プレーン情報のルーティングなどを処理するように構成され得る。
図12Dに示すように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェースを介して互いに通信し得る。
【0090】
[0104]
図12Dに示すCN115は、少なくとも1つのAMF182a、182bと、少なくとも1つのUPF184a、184bと、少なくとも1つのセッション管理機能(SMF)183a、183bと、場合によりデータネットワーク(DN)185a、185bとを含み得る。上述の要素のそれぞれはCN115の一部として描かれているが、これらの要素のいずれも、CN事業者以外のエンティティによって所有及び/又は運営され得ることを理解されよう。
【0091】
[0105] AMF182a、182bは、N2インターフェースを介してRAN113中のgNB180a、180b、180cのうちの1つ又は複数に接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ネットワークスライシング(例えば、異なる要件を有する異なるPDUセッションの処理)のサポート、特定のSMF183a、183bを選択すること、登録エリアの管理、NASシグナリングの終了、モビリティ管理などに関与し得る。ネットワークスライシングは、WTRU102a、102b、102cによって利用されるサービスのタイプに基づいてWTRU102a、102b、102cのCNのサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。例えば、異なるネットワークスライスは、高信頼低遅延(URLLC)アクセスに依拠するサービス、拡張大規模モバイルブロードバンド(eMBB)アクセスに依拠するサービス、及び/又はマシン型通信(MTC)アクセスのサービスなどの異なるユースケースのために確立され得る。AMF162は、RAN113とLTE、LTE-A、LTE-A Pro、及び/又はWiFiなどの非3GPPアクセス技術などの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0092】
[0106] SMF183a、183bは、N11インターフェースを介してCN115中のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bはまた、N4インターフェースを介してCN115中のUPF184a、184bに接続され得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択及び制御し、UPF184a、184bを通してトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF183a、183bは、UEのIPアドレスを管理し、割り当てること、PDUセッションを管理すること、ポリシーの実施及びQoSを制御すること、ダウンリンクデータの通知を提供することなどの他の機能を実行し得る。PDUセッションのタイプは、IPベースのもの、非IPベースのもの、イーサネットベースのものなどであり得る。
【0093】
[0107] UPF184a、184bは、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするためにインターネット110などのパケット交換網へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得るN3インターフェースを介してRAN113中のgNB180a、180b、180cのうちの1つ又は複数に接続され得る。UPF184、184bは、パケットをルーティング及び転送すること、ユーザプレーンのポリシーを実施すること、マルチホームPDUセッションをサポートすること、ユーザプレーンQoSを処理すること、ダウンリンクパケットをバッファリングすること、モビリティアンカリングを与えることなどの他の機能を実行し得る。
【0094】
[0108] CN115は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN115は、CN115とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含み得る又はそれと通信し得る。加えて、CN115は、他のサービスプロバイダが所有及び/又は運営する他の有線及び/又は無線ネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インターフェースとUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インターフェースとを介してUPF184a、184bを通してローカルデータネットワーク(DN)185a、185bに接続され得る。
【0095】
[0109]
図12A~
図12D及び
図12A~
図12Dの対応する説明に鑑みて、WTRU102a~d、基地局114a~b、eNode-B160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、及び/又は本明細書で説明される任意の他のデバイスのうちの1つ又は複数に関して本明細書で説明される機能のうちの1つ若しくは複数又はすべては、1つ又は複数のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行され得る。エミュレーション装置は、本明細書に記載の機能の1つ若しくは複数、又はすべてをエミュレートするように構成された1つ又は複数の装置であり得る。例えば、エミュレーション装置は、他の装置をテストする、及び/又はネットワーク及び/又はWTRU機能をシミュレートするために使用され得る。
【0096】
[0110] エミュレーション装置は、ラボ環境及び/又は事業者ネットワーク環境で他の装置の1つ又は複数のテストを実施するように設計され得る。例えば、1つ又は複数のエミュレーション装置は、通信ネットワーク内の他の装置をテストするために、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として完全に若しくは部分的に実装及び/又は配備されるとともに、1つ若しくは複数、又はすべての機能を実行し得る。1つ又は複数のエミュレーション装置は、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として一時的に実装/配備されるとともに、1つ若しくは複数、又はすべての機能を実行し得る。エミュレーション装置は、テストの目的で別の装置に直接結合できる、及び/又は無線通信を使用してテストを実行し得る。
【0097】
[0111] 1つ又は複数のエミュレーション装置は、有線及び/又は無線通信ネットワークの一部として実装/配備されることなしに、1つ又はすべてを含む複数の機能を実行し得る。例えば、エミュレーション装置は、1つ又は複数の構成要素のテストを実施するために、テストラボでのテストシナリオ及び/又は配備されていない(例えば、テストしている)有線及び/又は無線通信ネットワークで利用され得る。1つ又は複数のエミュレーション装置はテスト機器とすることができる。直接RF結合及び/又はRF回路(例えば、1つ又は複数のアンテナを含み得る)を介した無線通信は、データを送信及び/又は受信するためにエミュレーション装置によって使用され得る。
【0098】
[0112] 本明細書で説明されたプロセス及び技法は、コンピュータ及び/又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読媒体内に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、及び/又はファームウェアで実施することができる。コンピュータ可読媒体の例としては、限定されないが、(有線及び/又は無線接続を介して送信される)電子信号及び/又はコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、限定されないが内蔵ハードディスク及び着脱可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、及び/又はCD-ROMディスク及び/又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体が挙げられるが、それらに限定されない。WTRU、端末、基地局、RNC、及び/又は任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波送受信機を実施するために、ソフトウェアと連携するプロセッサが使用されてもよい。
【国際調査報告】