(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】製品を低温粉砕するための方法及び設備
(51)【国際特許分類】
B02C 23/02 20060101AFI20220216BHJP
B02C 19/18 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B02C23/02
B02C19/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538341
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 FR2019053274
(87)【国際公開番号】W WO2020141272
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ポリエ、アルバン
(72)【発明者】
【氏名】クロアレック、アラン
(72)【発明者】
【氏名】シャルヴ、エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】プシャン、オリヴィエ
【テーマコード(参考)】
4D067
【Fターム(参考)】
4D067CG04
4D067EE02
4D067EE04
4D067EE35
4D067FF02
4D067FF14
4D067FF16
4D067GA13
4D067GA16
4D067GA20
(57)【要約】
本発明は、製品が粉砕される破砕機を含む、製品を粉砕するための設備であって、以下の要素:- 粉砕される製品を破砕機に供給するためのホッパ(10)であって、それ自体、粉砕される製品を供給され得る、ホッパ(10)、- 低温流体をホッパ内に運ぶための手段、- 製品をホッパから破砕機内に排出するための手段も含む設備において、- ホッパは、製品がホッパから破砕機内に排出されることを可能にする巻き(11)を設けられた中空スクリューをその下部に設けられ、- 低温流体をホッパ内に運ぶための前記手段は、例えば、開口部を備えたマニホールド型の注入パイプ(12)を含み、注入パイプ(12)は、中空スクリューの巻きの内側に位置付けられ、スクリューの軸に実質的に平行な方向に延在することを特徴とする設備を提案する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を粉砕するためのプラントであって、前記製品が粉砕される粉砕機を含み、以下の要素:
・粉砕される製品を前記粉砕機に供給するためのホッパ(10)であって、それ自体、粉砕される製品を供給され得る、ホッパ(10)、
・低温流体を前記ホッパ内に運ぶための手段、
・製品を前記ホッパから前記粉砕機内に排出するための手段
も含むプラントにおいて、
・前記ホッパは、前記製品が前記ホッパから前記粉砕機内に排出されることを可能にする巻き(11)を設けられた中空スクリューをその下部に設けられ、
・低温流体を前記ホッパ内に運ぶための前記手段は、例えば、開口部を備えたマニホールド型の注入ランス(12)を含み、前記注入ランス(12)は、前記中空スクリューの前記巻きの内側に位置付けられ、前記スクリューの軸に実質的に平行な方向に延在することを特徴とするプラント。
【請求項2】
粉砕機内で製品を粉砕するための方法であって、それにより、
・前記粉砕機は、供給ホッパによって粉砕される製品を供給され、前記供給ホッパは、それ自体、粉砕される製品を供給され、
・粉砕される前記製品は、前記ホッパ内において、前記粉砕機内に排出される前に、前記ホッパ内に寒剤が入ることにより、制御された温度又は前記製品の脆化温度に冷却される、方法において、
・前記ホッパは、前記製品が前記ホッパから前記粉砕機内に排出されることを可能にする巻き(11)を設けられた中空スクリューをその下部に設けられ、及び
・前記寒剤は、前記スクリューの軸に実質的に平行な方向に延在する、前記スクリューの前記巻きの内側に位置付けられる注入ランス(12)を介して前記ホッパに供給されることを特徴とする方法。
【請求項3】
前記ホッパから抽出される、前記寒剤の気化から得られるガスは、エネルギーを回収するように前記粉砕機内に再注入されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ランスへの寒剤の注入は、前記製品が前記スクリューから前記粉砕機に向かって落下する帯域において、前記スクリューの出口で実行される前記製品の温度の測定によって調整されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品及び材料を低温粉砕(低温冷却状況下で粉砕)するため又は制御された温度状況下で粉砕するための方法の分野に関し、これらの方法は、具体的には、プラスチック、化学粉末又は更に食品製品の分野で実施される。
【背景技術】
【0002】
この技術分野では、具体的には、以下の構成で作動するプラントが公知である:プラントは、製品を(予め)冷却するために、通常、製品を材料の脆化温度に冷却するように、噴射レールにより液体窒素を供給される低温移送スクリューを実装し、次いで、製品は、スクリューにより粉砕機内に送達される。
【0003】
これらのスクリュー(アルキメディアンスクリュー型の中実の中心駆動軸を備えたスクリュー又は中心軸及びこの軸上に羽根を備えたスクリュー)の構造は、当業者に周知であり、ここで詳細に説明しない。
【0004】
粉砕機が、製品を粉砕機に移送するためにホッパの出口に回転弁を設けられたホッパにより製品を供給されるプラントも、このホッパがピラミッド型又は円筒型基部を有するかどうかに関わらず公知である。
【0005】
本出願人が成功裏に実行した実験は、これらの従来のプラントが以下の欠点を有することを実証することができた。
1.上述した低温スクリューは、寒剤の過剰消費と、これらの従来のプラントが、粉砕機の出口に据えられた熱電対による、スクリュー及び粉砕機組立体のための単一の調整を実装するため、冷却の調整が困難であることとだけでなく、以下の側面:
- そのようなスクリューの洗浄が非常に困難であること、
- 寒剤は、スクリューのガスヘッドスペース内に注入され、従って製品に直接注入されず、これにより成果がもたらされるという事実、
- 製品の滞留時間が短いこと
を特徴とすること、
2.他の型のプラントについて、ホッパの出口に存在する回転弁に関連する課題であり、その流量の安定性が不十分であること。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的の1つは、新しい技術的な低温粉砕の解決策を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下により詳細に示されるように、本発明は、以下の要素を実装する低温粉砕プラントを提案する:
1.粉砕される製品を供給するためのホッパの実装であって、ホッパは、それ自体、粉砕される製品を供給され、寒剤(例えば、液体窒素)は、以下に詳細に記載される非常に独創的な手段を介してホッパに供給され、ホッパは、「中空」スクリューと呼ぶことができるもの、すなわち(中心軸のない)巻きを設けられたバネをその下部に設けられ、製品がホッパから排出されることを可能にし、中空スクリューは、理解されるように、先行技術によって公知である回転弁及び低温スクリューに取って代わる。このような中空スクリューを具備したこのようなホッパは、用語「容積測定ホッパ」で指定することもできる。
2.従って、粉砕される製品は、このホッパ内において、中空スクリューを介して粉砕機内に排出される前に、制御された温度又は更に製品の脆化温度に冷却される。
3.ホッパ内への寒剤の供給は、中空スクリュー内(内側)、すなわちその巻き内に位置付けられる(開口部を備えたマニホールド型の)注入ランスを使用して全体的又は部分的に実行される。本発明によれば、この注入ランスに加えて、ホッパ内に寒剤を送り込むための追加の手段(例えば、注入トーラスなどの従来使用されている手段)を取り込むことができるが、この解決策は、本発明に好ましくない。
【0008】
このような注入マニホールドの構造は、ガスの当業者に周知であり、その寸法及び特に注入穴の数は、最大製品流量に必要なフリゴリーの熱量計算によって個々の場合に応じて決定され、ここでは述べない。
【0009】
注入ランスのこの局所化は、中空移送スクリューの中心部に注入することができるため、特に有利であることを証明し、従って以下を可能にする:
・製品は、必ずホッパのこの下部を通して移送スクリュー内に入るため、より良好に均質な冷却が確実であり、
・低温注入が局所化されると仮定すると、寒剤は、ホッパ内で製品の質量の全体にわたって消散できる可能性があり、
・寒剤の滞留時間が長くなり、これは、寒剤のフリゴリーをより良好に産出し(中心軸を備えた従来の移送スクリューは、ガス帯域にレールを具備し、次いで、フリゴリーの産出は、製品内ではなく、ガスヘッドスペース内の窒素の昇華によって限定される)、滞留時間は、(低温)ガスがホッパの上部から抽出されるため、この場合により長くなり、従ってホッパ内で製品の全質量を通過し、
・その上、中空スクリューの使用により、振動でそれ自体が作動する先行技術の回転弁で見られるものと比べてはるかに安定した流量を達成することができる。
【0010】
4.本発明の有利な実施形態によれば、ランスへの注入は、製品がスクリューから離れて粉砕機に向かう帯域において(この帯域では、製品が落下し、もはや中空スクリュー内にない)、中空移送スクリューの出口で温度の測定(好ましくは熱電対により)を使用して調整され(且つ追加のトーラスが存在する場合、このトーラスへの注入も有利に調整され)、オールオアナッシング調整又は好ましくはPID調整は、注入ランスのためのオールオアナッシング弁又は更に比例弁及びホッパ内のトーラスの残余のためのオールオアナッシング弁を備える。
【0011】
本発明の実装形態の1つによれば、ホッパへの寒剤のこの送り込みに加えて、実際の粉砕機への寒剤の注入を実施することが可能であり、これ自体公知であるが、注入では次いでホッパの注入と完全に無関係である。
【0012】
本発明の実施形態の1つによれば、注入ランスの全て又は一部を真空絶縁することができる。
【0013】
(粉砕に起因する熱の発生を克服するように)粉砕機内の温度の調整は、この場合、ホッパの調整に無関係であり、ホッパへの寒剤、例えば液体窒素の注入によって妨げられない。
【0014】
示されたように、本発明の実施形態の1つによれば、ランスへの寒剤の注入の調整は、製品がスクリューから離れて粉砕機に向かう帯域、好ましくは製品が粉砕機に向かって落下し、従って製品が移送スクリューから離れるためにできる限り近づく帯域において、中空スクリューの出口で粉砕される製品の温度の測定が(好ましくは熱電対によって)実行される。
【0015】
ホッパから抽出された気体窒素は、有利には、エネルギーを回収するように粉砕機内に再注入される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】先行技術によるプラントの部分概略図である。
【
図2】本発明によるホッパの下部の部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付
図1は、先行技術によるプラントの部分概略図を提供し、以下の要素が認識できる:
・粉砕機1は、移送スクリュー2(中心軸を備えたスクリュー)によって粉砕される製品を供給され、
・スクリューは、それ自体、上述した回転弁(5)を設けられたホッパ3によって粉砕される製品を供給され、
・製品は、スクリューが液体窒素を例えば噴霧レールにより供給されるという事実によりスクリュー内で予め冷却され、次いで、製品は、スクリューにより粉砕機1内に送達される。
【0018】
添付
図2は、本発明によるホッパの下部の部分概略図を提供し、これは、中空移送スクリューを設けられ、中空スクリュー内、すなわち中空スクリューのリング内に据えられた寒剤注入ランスを設けられる。
【0019】
これらの状況下で本出願人が実行した実験の結果は、以下の点を示した:
・上述のように中心軸を備えた移送スクリュー(例えば、アルキメディアンスクリュー)を実装する従来の技術に比べて窒素の消費の著しい節約、すなわち約20%の節約、
・プラントの清浄性の著しい改善(このような中空スクリューは、更なる加工の必要なしに先行技術のスクリューよりはるかに容易に洗浄することが理解される)、
・中空スクリューは、先行技術の回転弁よりはるかに安定した製品の流量を達成することができ(障害がなく、振動がない)、従って粉砕機に入る製品の流量/温度の状況をはるかに良好に安定させることにより、はるかに適した目標の最終粒径をもたらすことを確認することができた。
【国際調査報告】