(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(54)【発明の名称】特にビデオゲーム用のシート、及びそれに使用するためのヒンジ
(51)【国際特許分類】
A47C 7/72 20060101AFI20220216BHJP
A47C 4/48 20060101ALI20220216BHJP
A47C 9/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
A47C7/72
A47C4/48
A47C9/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538429
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 NL2019050878
(87)【国際公開番号】W WO2020139087
(87)【国際公開日】2020-07-02
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320001400
【氏名又は名称】エフ シュミット ホールディング ベー ヴェー
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド・シュミット
【テーマコード(参考)】
3B084
3B095
【Fターム(参考)】
3B084JA08
3B084JA09
3B084JC00
3B084JD00
3B095CA04
(57)【要約】
本発明は、特にビデオゲーム用の、座面(109)及び背もたれ(104)を有する折りたたみ可能なフレーム(102)を含むシート(101)に関する。フレーム(102)は、背もたれ(104)を担持する第1の部品(103)と、ビデオゲームを制御するためのステアリングホイール(117)又はジョイスティック用のコンソール(107)を担持するように構成された第2の部品(105)とを含み、これらの部品は、ヒンジ(108)によって互いに枢動可能に接続される。本発明の第1の態様によれば、ヒンジ(108)は、第1のフレーム部品(103)が取り付けられる第1の耐荷重体と、第2のフレーム部品(105)が取り付けられる第2の耐荷重体とを含む。本発明の第2の態様によれば、ヒンジ(108)は、第1および第2のフレーム部品(103、105)を互いに対して所望の位置に固定するためのロック手段を有する。本発明はさらに、そのようなシートに適用するためのヒンジ(108)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座面及び背もたれを備えた折りたたみ式フレームを含む、特にビデオゲーム用のシートであって、前記フレームは、前記背もたれを担持する第1の部品と、ビデオゲームを制御するためのステアリングホイール又はジョイスティック用のコンソールを担持するように構成された第2の部品とを含み、これらの部品は、ヒンジによって互いに枢動可能に接続され、
前記ヒンジは、前記第1のフレーム部品が取り付けられる第1の耐荷重体と、前記第2のフレーム部品が取り付けられる第2の耐荷重体とを含み、耐荷重ヒンジ体は、前記第1又は第2のフレーム部品を取り付けるために、互いに実質的に反対側にある少なくとも2つの点を有することを特徴とするシート。
【請求項2】
前記フレームが、ヒンジに取り付けられた少なくとも4つのフレーム部品を含むことを特徴とする、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記第1及び第2のフレーム部品はそれぞれ、複数の互いに接続されたチューブ要素を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート。
【請求項4】
前記フレーム部品の少なくともいくつかがそれぞれ3つのチューブを含み、それらのチューブが2つのコーナーピースによって実質的にU字形のフレーム部品に組み立てられることを特徴とする、請求項3に記載のシート。
【請求項5】
前記ヒンジが、前記第1及び第2のフレーム部品を互いに対して所望の位置に固定するためのロック手段を有することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項、又は請求項1の第1文に記載のシート。
【請求項6】
前記ロック手段が前記第1及び第2のフレーム部品を様々な位置に固定するように構成されることを特徴とする、請求項5に記載のシート。
【請求項7】
前記ロック手段が型枠固定であることを特徴とする、請求項6に記載のシート。
【請求項8】
前記ヒンジは、互いに対して回転可能な2つのヒンジ部品を含み、前記ロック手段は、それぞれが前記ヒンジ部品の1つに接続された2つのロック部品を含み、前記ロック部品の一方はいくつかのくぼみを含み、前記ロック部品の他方はくぼみに係合する少なくとも1つの突起を含む、請求項6又は7に記載のシート。
【請求項9】
前記ロック部品の一方が前記第1の耐荷重ヒンジ体と統合され、前記ロック部品の他方が前記第2の耐荷重ヒンジ体と統合されることを特徴とする、請求項8に記載のシート。
【請求項10】
互いに対して変位可能である前記ロック部品がそれぞれ歯を備えていることを特徴とする、請求項8又は9に記載のシート。
【請求項11】
前記歯がそれぞれ少なくとも部分的に円弧を描き、前記ロック部品が互いに対して回転可能であることを特徴とする、請求項10に記載のシート。
【請求項12】
前記ロック部品は、それらが互いに係合する第1の位置と、それらが互いに対して変位可能である第2の位置との間で移動可能であり、前記ロック手段は、変位可能なロック部品を前記第1の位置に固定するための少なくとも1つの固定部材をさらに含む、請求項8~11のいずれか1項に記載のシート。
【請求項13】
前記少なくとも1つの固定部材が偏心を含むことを特徴とする、請求項12に記載のシート。
【請求項14】
前記座面及び/又は前記背もたれが可撓性材料から製造されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載のシート。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載のシートへの適用を明らかに意図しているヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にビデオゲーム用の、座面及び背もたれを有する折りたたみ可能なフレームを含むシートに関する。フレームは、背もたれを担持する第1の部品と、ビデオゲームを制御するためのステアリングホイール又はジョイスティック用のコンソールを担持するように構成された第2の部品とを含み、これらの部品は、ヒンジによって互いに枢動可能に接続される。このようなシートは、例えば、EP2702902A1から知られている。
【背景技術】
【0002】
公知のシート1は、はさみ構造を有し、背もたれ4で覆われる比較的長い管状フレーム部品3を備えたフレーム2と、上端6にステアリングホイール及び/又はジョイスティック(図示せず)のためのコンソール7を備えたサブフレーム16を担持するより短いフレーム部品5とを有する(
図1、2)。2つのフレーム部品3、5は、ヒンジ8によって互いに枢動可能に接続され、展開された位置で、側面図でX字形を形成する。ヒンジ8の上では、座面9は、2つのフレーム部品3、5の間で張力がかけられている。この座面9は、背もたれ4と一体を形成する。公知のシート1の展開の程度は、2つのフレーム部品3、5の間に引っ張られ、展開された位置で2つのアームレストを形成する2つのストラップ10によって制限される。ペダルセット(図示せず)用の支持体11は、背もたれ4を担持するより長いフレーム部品3の下側に取り付けることができる。このペダル支持体11は、スペーサー12によってフレーム部品3に枢動可能に接続することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知のシート1には、その展開された位置がストラップ10の寸法及びそれらの2つのフレーム部品3、5における取り付け点14、15の位置によって決定されるという欠点がある。そのため、この位置を変えるには、ストラップの長さを調整する必要があるが、ストラップの長さを完全に同じに保つことは困難である。本発明は、その目的のために、前記欠点が発生しないように、又は少なくともその発生の程度を少なくするために、上記のタイプのシートを改善する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、これは、ヒンジが、第1のフレーム部品を取り付けることができる第1の耐荷重体と、第2のフレーム部品を取り付けることができる第2の耐荷重体を含む点で、前文に記載のシートにより達成される。各耐荷重ヒンジ体は、第1又は第2のフレーム部品を取り付けるために、互いに実質的に反対側にある少なくとも2つの点を有する。ヒンジを耐荷重性又は構造的構成要素として、例えば、第1及び第2の耐荷重ヒンジ本体を含む軽金属鋳造物として具体化することにより、シートの残りの構造をより軽くより単純な形にすることができる。そして、各フレーム部品がヒンジのいずれかの側に延びる既知のはさみのようなシートとは対照的に、本発明のヒンジは、耐荷重ヒンジによって互いに接続され、ヒンジのいずれかの側に配置される2つのセグメントに細分されたようなフレーム部品を可能にする。これにより、構成要素が小さくなり、パッケージが小さくなり、ショップでより簡単に販売できるようになる。
【0005】
フレームは、ここでは、例えば、ヒンジに取り付けられた少なくとも4つの部品を含むことができる。このようにして、従来のはさみのような折りたたみ式シートのフレーム部品をそれぞれ2つに分割することができ、それによりそれらを包装しやすくする。
【0006】
シートの一実施形態によれば、第1及び第2のフレーム部品はそれぞれ、いくつかの互いに接続されたチューブ要素を含む。フレーム部品を一体ではなく異なる要素で構成することにより、フレーム部品をより小さな構成要素に分解できるため、より簡単に包装できる。
【0007】
シートの一実施形態では、フレーム部品の少なくともいくつかはそれぞれ、3つのチューブを含み、これらは、2つのコーナーピースによって実質的にU字形のフレーム部品に組み立てられる。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、上記のようなシートにおいて、ヒンジは、第1及び第2のフレーム部品を互いに対して所望の位置に固定するためのロック手段を有することができる。これらのロック手段の存在の結果として、この目的のために必要なアームレストとして機能するストラップなしでフレーム部品を固定することができる。このようなストラップがないため、シートへの乗り降りが大幅に簡素化される。
【0009】
ここで、ロック手段は、第1及び第2のフレーム部品を様々な位置に固定するように構成することができる。したがって、ユーザは、アームレストとして機能するストラップの長さによって決定される位置に限定されることなく、座面に対する背もたれの所望の位置を選択及び設定することができる。
【0010】
ロック手段は型枠固定であることができ、それによりフレーム部品の安定した固定が保証される。
【0011】
シートの一実施形態では、ヒンジは、互いに対して回転可能な2つのヒンジ部品を含むことができ、ロック手段は、それぞれがヒンジ部品の1つに接続された2つのロック部品を含むことができ、ロック部品の一方は、いくつかのくぼみを含むことができ、ロック部品の他方は、くぼみに係合する少なくとも1つの突起を含むことができる。突起をくぼみの1つに必要に応じて係合させることにより、フレーム部品の所望の相対位置を設定することができる。
【0012】
ここで、ロック部品の一方は、第1の耐荷重ヒンジ体と統合することができ、ロック部品の他方は、第2の耐荷重ヒンジ体と統合することができる。したがって、コンパクトで、強く、剛性のある構造が得られる。
【0013】
多数の様々な位置を可能にするために、互いに対して変位可能なロック部品は、それぞれ、歯を備えることができる。いずれの場合も、ロック部品を歯のピッチ分移動させることで、比較的小さなステップを可能にするため、相対位置を正確に調整できる。
【0014】
歯がそれぞれ少なくとも部分的に円弧を描き、ロック部品が互いに対して回転可能である場合、コンパクトな構造が得られる。
【0015】
シートの一実施形態では、ロック部品は、それらが互いに係合する第1の位置と、それらが互いに対して変位可能である第2の位置との間で移動可能であり得、ロック手段は、変位可能なロック部品を第1の位置に固定するための少なくとも1つの固定部材をさらに含むことができる。したがって、それらが所望の位置に移動された後、ロック部品は、互いに対して定着又は固定することができ、それによって、フレーム部品の相対距離も固定される。
【0016】
ここで、少なくとも1つの固定部材は、偏心を含むことができる。例えばレバーの端部に形成することができるそのような偏心により、ロック部品は、迅速かつ簡単な方法で、互いに対して決定された位置に固定することができる。
【0017】
それ以外の場合は、ラチェット機能を備えたヒンジによってフレーム部品が接続されていることを想定することも可能である。構造的に単純なそのようなヒンジは、終了位置を通過するまで一方向に段階的に移動することができ、その後、ヒンジを反対方向の開始位置に戻すことができる。
【0018】
シートを非常にコンパクトに折りたたんで小さなパッケージに包装できるようにするために、座面及び/又は背もたれは可撓性材料から製造されることが好ましい。座面及び/又は背もたれの材料は、例えば布であり得る。そのほか、座面と背もたれは一体に形成することができる。
【0019】
本発明はまた、上記のようなシートへの適用を明らかに意図した耐荷重ヒンジに関する。
【0020】
以下、本発明は、従来のシートと比較した実施形態に基づいて解明される。ここでは、対応する構成要素の参照番号が100増えて示されている添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、展開された位置にあるが、ステアリングホイール又はジョイスティック用のコンソール及びペダルセット用の支持体が取り付けられる前の従来技術のシートの斜視正面図である。
【
図2】
図2は、展開されてすべてが取り付けられた状態の公知のシートの
図1に対応する図である。
【
図3】
図3は、折りたたまれた位置にある従来技術のシートの斜視正面図である。
【
図4】
図4は、展開された位置にある本発明によるシートの斜視側面図である。
【
図5】
図5は、分解された部品を備えたロック可能なヒンジの実施形態を概略的に示している。
【
図6】
図6は、
図4のシートのヒンジを拡大した詳細斜視図である。
【
図7】
図7は、ロック及びロック解除位置が示されているヒンジの概略図である。
【
図8】
図8は、折りたたまれた位置にある
図6のヒンジの正面図である。
【
図9】
図9は、
図8の線IX-IXに沿ったヒンジの断面図である。
【
図12】
図12は、従来のシートのパッケージと比較した、本発明によるシートのパッケージの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上記で既に簡単に説明した従来技術のシート1では、背もたれ4で覆われるフレーム2のより長いチューブ状部品3と、ステアリングホイール又はジョイスティック用のコンソール7を担持するより短いフレーム部品5とが、ヒンジ8によって、互いに枢動可能に接続されている。これにより、公知のシート1は、シート1を収納できる折りたたまれた位置(
図3)と展開された使用位置(
図2)との間で移動可能である。このシート1では、コンソール7及びペダル支持体11もまた、コンソール7をサブフレーム16に取り付けるための単純なブラケット13を配置することによって、及びスペーサー12を配置することによって、それぞれ枢動可能な形態をとる。公知のシート1では、展開された使用位置は、フレーム部品3、5の間で引っ張られ、展開された位置で2つのアームレストを形成する2つのストラップ10によって限界が定められている。展開された使用位置は、これらのストラップ10の長さを調整することによって決定される。
【0023】
ビデオゲームをプレイすることを目的とする本発明によるシート101は、座面109及び背もたれ104を担持する折りたたみ可能なフレーム102を備える(
図4)。この実施形態では、座面109及び背もたれ104は、可撓性材料、例えば布から一体的に形成されている。示される実施形態では、フレーム102は、ヒンジ108を介在させて互いに接続されたいくつかの別個のフレーム部品を含む。第1のフレーム部品103は背もたれ104を担持し、第2のフレーム部品105は、別個のサブフレーム116を担持し、サブフレーム116の上に、図示の実施形態では、レーシングステアリングホイール117が取り付けられたコンソール107が備えられている。ステアリングホイール117の代わりに、ジョイスティックをサブフレーム116のコンソール107に取り付けることもできる。シートへの乗り降りを容易にするために、サブフレーム116は、一方の側で解放可能に、他方の側で枢動可能にフレーム部品105に接続され得、その結果、それが解放され、横に折りたたまれ得る。
【0024】
フレーム102の前方に向けられた足端は、別個のペダルセット118のための支持体111を備えた枢動可能なスペーサー112を担持する。ステアリングホイール117(又は任意選択でジョイスティック)及びペダルセット118は、ゲームコンピュータ(図示せず)に接続されている。シート101は、スクリーン(図示せず)の前に配置することができ、その後、ユーザは、シート101に座り、ステアリングホイール117(又はジョイスティック)及びペダルセット118を介して手及び足を使用してゲームを制御することができる。
【0025】
本発明の一態様によれば、
図4に示されるシート101は、ヒンジ108自体をロックすることができ、それにより、張力ストラップを使用する必要なしに、フレーム部品を互いに対して固定することができるという点で、
図1~3の公知のシート1とは区別される。これにより、乗り降りが大幅に簡素化される。
【0026】
ヒンジ108は、この目的のためにロック手段119を備えている。図示の実施形態では、ロック手段は、フレーム部品を互いに対して様々な位置で固定することを可能にし、それによって、シート101を様々な姿勢のプレーヤーに調整することができる。ロック手段は強制ロックすることができ、すなわち、例えば摩擦の原理に従って動作できるが、これにはすべての条件下でヒンジに作用する(比較的大きな)力が必要であり、重い構造が必要であるか、エネルギーの継続的な供給が必要である。したがって、示されている例では、ロック手段119は型枠固定である。それらは、互いに係合する部品の原理に従って動作する。
【0027】
示される実施形態では、ヒンジ108は、互いに対して回転可能な2つのヒンジ部品133、134を備える。ロック手段119は、ここでは、特に回転可能な2つのロック部品120、121を含み、これらは、互いに対して変位可能であり、それぞれ、ヒンジ部品133、134の1つに接続されている。各ロック部品120、121は、円弧を描く歯122、123を備えている。ロック部品120、121は、
図7で実線で示されている、歯122、123が相互に係合し、したがってロック部品120、121がブロックされている第1の位置と、
図7で破線で示されている、歯122、123’が互いに距離を保持している第2の位置(参照番号にはアクセントが付けられている)との間で移動可能である。第2の位置では、ロック部品120、121’及びそれに接続されたヒンジ部品133、134’は、互いに対して回転可能であり、それにより、フレーム部品の相対位置を変更及び再設定することができる。
【0028】
ここでのロック手段119は、ロック部品120、121をそれらの第1の位置に固定することができる固定部材124を含み、したがって、歯122、123が互いに係合するロック位置になる。示される実施形態では、この固定部材124は、偏心125を備える。偏心125は、シャフト127に対して枢動可能なハンドル126の一部を形成する。このシャフト127は、第1のロック部品120から第2のロック部品121の中央開口129を通って外向きに突出するステム128上に配置される。偏心125は、比較的小さい半径R1のセグメント130及び比較的大きい半径R2のセグメント131を有する。
【0029】
ハンドル126が第2のロック部品121に実質的に平行に延びる第1の位置に枢動されるとき、比較的大きな半径R2を有するセグメント131は、第2のロック部品121の外面132と接触し、それにより、シャフト127は、この外面132に位置し、したがって、ステム128は、反対側の第2のロック部品121に引き込まれる。これにより、歯122、123は、2つのロック部品120、121が互いに対してブロックされるように、互いに係合するように押される。
【0030】
フレーム102を別の位置に配置する必要がある場合、ヒンジ部品133、134、及びこれとともにロック部品120、121もまた、異なる相対位置に回転させなければならない。ハンドル126は、この目的のために、第2の位置まで約180°枢動され、シャフト127の反対側にある第2のロック部品121と実質的に平行に延びる。ハンドル126’のこの位置において、比較的小さな半径R1を有するセグメント130’は、第2のロック部品121’の外面132’と接触している。これにより、シャフト127は、この外面132’の近くに配置され、したがって、ステム128は、第2のロック部品121’の外側において反対側に延びることができる。これにより、距離Dが2つのロック部品120、121’の間に形成され、歯122、123’が解放され、ロック部品120、121’は、互いに対して変位、例えば回転させることができる。この状況でロック部品120、121’を離して押し出し、変位を妨げずに実行できるようにするために、ばね133(概略的にのみ示されている)をそれらの間に配置することができる。
【0031】
ロック部品120、121又はヒンジ部品133、134は、それ以外の場合、相対回転を制限するための協働停止手段(図示せず)を備えることもできる。
【0032】
このようにして、ヒンジ部品133、134及びそれに接続されたフレーム部品は、所望の相対位置に迅速かつ容易に配置され、信頼できる方法でこの位置に固定され得る。可能な位置の数は、ここでは、歯122、123の数によってのみ制限される。示される実施形態では、歯122、123はそれぞれ60個の歯を有し、それにより、フレーム部品間の角度を6°のステップで調整することができる。それ以外の場合、ヒンジ部品133、134には、いくつかの好ましい設定が示されるマーキング(図示せず)を設けることもできる。したがって、フレーム102のいずれかの側にある2つのヒンジ108は、簡単な方法で同じ位置に配置することができる。
【0033】
精度の低い調整が必要な場合は、より簡単なロック機構で十分であり得る。
図5は、2つのフレーム部品203、205を互いに接続するヒンジ208を概略的に示している。ヒンジ208は、2つのヒンジ部品233、234を含み、これらは、中央ピン228及び開口部229によって互いに回転可能に接続されている。この実施形態では、ヒンジ部品233に接続されたロック部品220は、背もたれの角度を設定するための3つのくぼみ222Aと、フレームを折りたたまれた位置に固定するための追加のくぼみ222Bのみを有する。ヒンジ部品234に接続されている他方のロック部品221は、ここでは、単一の突起、例えば、ばね式のピン223を備えている。ばね(図示せず)の力に反してピン223をくぼみ222の1つから引っ張ることにより、ヒンジ208のロックが解除され、ピン223が別のくぼみ222と整列するまで、ロック部品220、221を互いに対して回転させることができる。次に、ピン223をこの凹部222に挿入して、ロック部品220、221を互いに対して再びブロックすることができる。この実施形態では、フレーム部品203、205は、別の方法で、対応するヒンジ部品233、234の外側に取り付けられ、ピン228及び穴229によって規定される軸上で移動する。
【0034】
例えば、ラチェット機能を備えたヒンジの形態など、他のロック機構も想定できる。
【0035】
本発明の主な態様によれば、シート101は、ヒンジ108が、構造的構成要素として具体化され、2つの耐荷重ヒンジ部品又は耐荷重体133、134からなるという点で、
図1~3の公知のシート1とは区別される。ここで、各耐荷重ヒンジ体133、134は、対応するロック部品120、121の歯122、123を備えた中央部分135、136を含む。示される実施形態では、この中央部分135、136は円筒形である。各ヒンジ体133、134はそれぞれ、中央部分135、136から実質的に反対方向に延びる2つのスペーサー(137A、137B及び138A、138B)をさらに備える。中央部分135、136及びスペーサー137A、137B、138A、138Bは、同じ材料又は異なる材料から製造することができる。想定できる材料は、鋼、軽金属、プラスチックであり、任意選択で繊維強化される。ここに示される実施形態では、各中央部分135、136は、対応するスペーサー137A、137B、138A、138Bと一体的に、アルミニウムから鋳造される。
【0036】
示される実施形態では、スペーサー137A、137B及び138A、138Bは、それぞれの場合において、互いに対してすれ違うように、中央部分135、136に取り付けられ、その結果、フレーム部品は、折りたたまれた位置で互いに隣接して位置するようになる(
図8)。スペーサー137A、137B、138A、138Bと中央部分135、136との間の力の最適な伝達をさらに確実にするために、スペーサーは、示される実施形態では、実質的にY字型の外端を備え、それにより、支柱149A、149B、150A、150Bがそれぞれに形成される。各支柱149、150は、関連するスペーサー137、138のほぼ中心軸上の位置から中央部分135、136の中心の位置まで延在し、それにより、支柱149、150は、上面図においてわずかに斜めに延在する(
図10)。フレーム102が折りたたまれたときにこれらの支柱149、150のためにここに十分なスペースを作り出すために、示された実施形態では、スペーサー137A、137B、138A、138BのY字型の外端は、平坦化された内面を備える。ここでは、スペーサー137A、137Bの内面151A、151Bのみが見える。耐荷重ヒンジの他の実施形態では、スペーサーはまた、ヒンジの中心軸から見るとき、単純に半径方向に延びることができ、したがって、それらは、それぞれの場合において、一列に対になっている。
【0037】
各スペーサー137A、137B及び138A、138Bは、ここで、その自由外端に、それぞれ139A、139B及び140A、140Bの取り付け点を有し、これを用いて、フレーム部品を耐荷重ヒンジ108に取り付けることができる。示される実施形態では、各取り付け点139A、139B、140A、140Bは、関連するスペーサー137A、137B、138A、138Bの狭くなった端部を含み、その上にチューブ状フレーム部品を配置することができる。狭くなった部分の直径は、フレーム部品がその上をぴったりとスライドでき、したがってヒンジ108にクランプ固定されるようにチューブ状フレーム部品の内径に適合される。
【0038】
示される実施形態では、スペーサー137A、137B、138A、138Bの外端は、その上に配置されたフレームチューブを固定するための手段をさらに備えている。中空形状をとる各端部には、プレス部材154A、154B、157が配置された穴152A、152B、153A、153Bが形成されている(
図9)。各プレス部材154A、154B、157は、中空端部に受け入れられる屈曲ばね155A、155B、156A、156Bによって外側に押し出され、次に、チューブ状フレーム部品の内側のくぼみ又は溝に係合する。したがって、フレーム部品は、耐荷重ヒンジ108にしっかりと、隙間なく取り付けられるが、それでもなお容易に解放可能な方法で取り付けられる。
【0039】
スペーサー137、138はすべてわずかに湾曲した形状を取り、その結果、それらの自由外端の取り付け点139、140はすべて同じ平面にあり、これはロック部品120、121の歯122、123によって定義される。
【0040】
それ以外の場合、チューブ状フレーム部品は、同じ材料又は異なる材料から製造することもできる。想定できる材料は、ここでも鋼、軽金属、及び(任意選択で繊維強化)プラスチックである。
【0041】
ヒンジ108は耐荷重構造として具現化されており、フレーム部品をその上に取り付けることができるので、フレーム部品はまた、従来技術のシート1よりも小さい形状をとることができる。公知のシート1のフレーム部品3、5は依然としてヒンジ8のいずれかの側に延在し、したがってヒンジ8は実際にはフレーム部品3、5を通って突出しているが、これは本発明によるシート101では異なる。フレーム部品は、ヒンジ108の位置で中断されたままになり、それにより、それらの高さはほぼ半分になる。
【0042】
図11に見られるように、シート101のフレーム102は、ヒンジ108の4つのスペーサー137A、137B、138A、138Bの4つの側面からフレーム部品103、105、141及び142を取り付けることによって組み立てることができる。シート101は、ここでは、そのようなヒンジ108を2つ含み、その結果、実質的にU字形であるフレーム部品103、105、141、142は、シート101のいずれかの側でX字形で互いに接続される。フレーム部品103、105、141、142がこのように互いに接続された後、背もたれ104を第1のフレーム部品103に配置することができ、座面109を第1及び第2のフレーム部品103、105との間で張ることができる。背もたれ104及び座面109は、この図示された実施形態では、繊維材料から一体的に形成されている。
【0043】
本発明によるシート101は、公知のシート1の2つのフレーム部品3、5ではなく、4つのフレーム部品103、105、141、142を含むので、分解状態でより小さく保管又は包装することができる。
【0044】
シート101をさらに小さく包装できるようにするために、フレーム部品103、105、141、142自体を小さな構成要素に分解することもできる。したがって、各フレーム部品は、2つのコーナーピースによってU字型のフレーム部品に相互に接続される3つのチューブから構成できる。これは、ヒンジ108に取り付けられた2つのチューブ143と、ヒンジ108間の接続線に平行に延びる横方向チューブ144とから構成される、
図4のシート101の背面にある下部フレーム部品141で確認できる。チューブ143、144は、シート101を安定させる足としても機能するコーナーピース145によって互いに接続されている。シート101の前側の下部フレーム部品142は同様の構造を有し、一方、図示の実施形態における第1のフレーム部品103及び第2のフレーム部品105もまた、互いに解放可能に接続されたチューブからなる。第1のフレーム部品103の場合、横のチューブ自体はここではU字形を有し、その各脚は、第1のフレーム部品103の屈曲部146の位置で別のチューブに接続されている。
【0045】
耐荷重ヒンジ108によって安定した全体に接続されたいくつかの比較的短いチューブ部品からシート101を組み立てるこのオプションは、シート101を比較的狭いスペースで保管若しくは包装及び輸送することを可能にする。したがって、シート101の場合、パッケージ147で十分であり、その寸法は、従来のシート1のパッケージ148の寸法の約半分になる(
図12)。
したがって、本発明は、改善された機能を提供し、さらに既知のシートよりも小さく包装することができるシートを提供する。また、本発明によるシートの上記のすべての新しい特徴は、それ自体が本発明の本質的な構成要素を形成することができ、それは異なる組み合わせで適用することができることに留意されたい。したがって、ここで説明する耐荷重ヒンジは、ストラップ/アームレストによって決定される展開された位置のシートと組み合わせて、ロックせずに適用することもできるが、他方、ヒンジのロックは、
図1~3に示されるように、2つの異なるフレーム部品を備えた従来のシートにも適用することができる。
【0046】
したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【国際調査報告】