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  • 特表-植物性脂肪用の型及びその使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-25
(54)【発明の名称】植物性脂肪用の型及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/22 20060101AFI20220217BHJP
   A23G 1/50 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
A23G1/22
A23G1/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538847
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(85)【翻訳文提出日】2021-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2020050065
(87)【国際公開番号】W WO2020141210
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】2019/5002
(32)【優先日】2019-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521290463
【氏名又は名称】ファン クルチェン、ヒー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン クルチェン、ヒー
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GB04
4B014GE09
4B014GG06
4B014GQ08
4B014GU04
(57)【要約】
液体チョコレートを受け入れるための型であって、高さの差異が存在する3次元形状を表現する表要素(1)であって、当該高さの差異は、平坦な基部を有する所定のパターン(2)に関連する、表要素(1)と、連続的なメッシュ(4)を含む裏要素(3)であって、当該メッシュ(4)の表面が、当該表要素の平坦な表面を正確に覆い、当該メッシュ(4)は、セル(5)を分界し、各セル(5)は、穴(8)を含み、当該裏要素(3)の表面が、当該裏要素(3)の当該表面の、当該表要素の縁との配置のために輪郭を描かれており、当該メッシュ(4)は、成形されたチョコレートの筋をプリントすることとなるものであり、当該裏要素の当該メッシュの基部が、平面図(9)を形成する、裏要素(3)と、の2つの要素からなる、型。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体チョコレートを受け入れるための型であって、高さの差異が存在する3次元形状を表現する表要素(1)であって、前記高さの差異は、平坦な基部を有する所定のパターン(2)に関連する、表要素(1)と、メッシュ(4)を含む裏要素(3)であって、前記メッシュ(4)の表面が、前記表要素の平面的な表面を正確に覆い、前記メッシュ(グリッド)は、セル(5)を分界し、各セル(5)は、穴(8)を含み、前記裏要素(3)の表面が、前記裏要素(3)の前記表面の、前記表要素の前記平坦な基部との配置のために分界され、前記メッシュ(4)は、成形されたチョコレート上に筋をプリントするために配置され、前記裏要素の前記メッシュの基部が、平面(9)を形成する、裏要素(3)と、の2つの要素からなる、型。
【請求項2】
前記穴(8)が、前記型の前記2つの要素(1)及び(3)が配置されるときに空気が出るようにすることが意図されている、請求項1に記載の型。
【請求項3】
前記穴(8)が、前記セル(5)全体を充填する、請求項1又は2に記載の型。
【請求項4】
前記メッシュ(4)が、前記メッシュ(4)の、前記基部(9)における遠方の端部で傾斜しており(7)、好ましくは丸みを帯びている(7)、請求項1から3のいずれか一項に記載の型。
【請求項5】
前記メッシュ(4)の高さ(10)及び/又は幅(11)が、実質的に一定である、請求項1から4のいずれか一項に記載の型。
【請求項6】
前記型の前記表要素(1)の縁を形成する縁(6)が、傾斜している、請求項1から5のいずれか一項に記載の型。
【請求項7】
前記表要素(1)及び/又は前記裏要素(3)が、例えばPET若しくはPVC、ポリカーボネート、アクリル又は樹脂の、熱成形可能なプラスチックである、請求項1から6のいずれか一項に記載の型。
【請求項8】
前記表要素(1)が、20~2000μm、好ましくは200~600μmの厚さを有する構造体である、請求項1から7のいずれか一項に記載の型。
【請求項9】
所定のパターン(2)に関連する高さの差異が存在する、3次元のチョコレート又はアイシングペーストを作るためのプロセスであって、以下の連続するステップ、
所望の3次元形状を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の前記型の前記表要素(1)を取るステップと、
前記型の前記表要素(1)を、溶融したチョコレート又は溶融したアイシングペーストで充填するステップと、
前記型の前記表要素(1)内に注がれた前記チョコレート又は氷菓シートが依然として液体であるときに、前記チョコレート又はアイシングペーストが固まるために十分な時間の間、請求項1から8のいずれか一項に記載の前記型の前記裏要素(3)を、溝がプリントされるように当てるステップと、
前記裏要素(3)を前記型から取り外すステップと、を含む、プロセス。
【請求項10】
前記型の前記裏要素(3)が、充填された前記表要素(1)に連続して当てられる前に、前記チョコレート又はアイシングペーストは、前記型の複数の表要素(1)内に注がれる、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記チョコレートが、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート、ブロンドチョコレート及びこれらの間の混合物、さらにはダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート及び植物性脂肪並びに/又は食品用顔料の間の混合物から選択される、請求項9又は10に記載のプロセス。
【請求項12】
ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート、ブロンドチョコレート、及び植物性脂肪の間の混合物が、前記ダークチョコレート、前記ホワイトチョコレート、前記ミルクチョコレート、前記ピンクチョコレート、若しくは前記ブロンドチョコレート単独と同じ融解プロファイルを有し、かつ/又は同じ形態で結晶化される、材料である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
平面を形成する基部と、高さの差異が存在する3次元形状とを有するチョコレート片又はアイシングペースト片であって、前記高さの差異は、所定のパターン(2)に関連し、平面を形成する前記基部は、セルを分界する筋のメッシュを含む、チョコレート片又はアイシングペースト片。
【請求項14】
セルが、ヒトが摂取することができるボリュームを表現する、請求項13に記載のチョコレート片又はアイシングペースト片。
【請求項15】
筋の前記メッシュが、2次元に従って編成されたセグメントで構成されており、各次元の前記セグメントが、互いに平行である、請求項13又は14に記載のチョコレート片又はアイシングペースト片。
【請求項16】
前記チョコレートが、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート及びブロンドチョコレート並びにそれらの間の混合物、さらにはダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート、ブロンドチョコレート及び植物性脂肪並びに/又は食品用顔料の間の混合物から選択される、請求項13から15のいずれか一項に記載のチョコレート片。
【請求項17】
ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート、ブロンドチョコレート、及び植物性脂肪の間の前記混合物が、前記ダークチョコレート、前記ホワイトチョコレート、前記ミルクチョコレート、前記ピンクチョコレート、若しくは前記ブロンドチョコレート単独と(実質的に)同じ融解プロファイルを有し、かつ/又は同じ形態で結晶化される、材料である、請求項16に記載のチョコレート片。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温のチョコレート又は他の固体植物性脂肪であって、充填された3次元形状を表現し、かつ摂取されるように意図された部分に分離可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
この特許出願は、食品、特にチョコレートの分野のものである。チョコレートは、板状小片として市販されており、それは通常、充填された平行六面体の形状に従う。板状小片の形態に作ることに関連する利点は、溶融したチョコレートを開放された型内に塗布してからかき取る、成形の容易さにある。このパッケージ化により、消費者は、管理しにくい小さな単位に、チョコレートの塊を容易に分割することができる。特に、棚状物は、筋であってそのサイズ及び幾何学的形状が型の形状によって課されたものに従って、細分可能である。
【0003】
様々な刊行物が、チョコレート製品又は型を記載しているのであるが、しかし、本発明を可能にするすべての特徴を含むわけではない。
【0004】
特に、国際公開第2015/101964号パンフレットは、チョコレートを調製する方法を記載しているが、しかし形状が3次元でなく(裏型が平坦であり)、かつ表型が、傾斜のある穴又は縁を有さない。
【0005】
国際公開第2015/019252号パンフレットは、凹形の食用製品を記載しているが、しかし筋のメッシュを欠いている。
【0006】
GB2219724は、筋メッシュを伴わないチョコレートを記載している。
【0007】
米国特許第1908323号明細書は、3次元構造、表型の傾斜のあるオリフィス又は端部を画定しない、氷の型を記載している。
【0008】
FR2660161は、3次元形状を有しないチョコレートバーを記載している。
【0009】
国際公開第84/01269号パンフレットは、図柄がプリントされた製品を記載している。それは、3次元形状ではない。
【0010】
英国公告特許第525318号明細書は、3次元形状ではなく、型を空にするための機構を記載している。
【0011】
EP2468108は、異なる物体が関連付けられた平坦な基部を有する、チョコレート片を記載している。したがって、それは、3次元形状を有するチョコレート片ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2015/101964号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2015/019252号パンフレット
【特許文献3】GB2219724
【特許文献4】米国特許第1908323号明細書
【特許文献5】FR2660161
【特許文献6】国際公開第84/01269号パンフレット
【特許文献7】英国公告特許第525318号明細書
【特許文献8】EP2468108
【発明の概要】
【0013】
溶融したチョコレートが、(実質的に)充填されるまで型(1)の表要素に配置され、この型(1)の表要素が、高さの差異が存在する3次元形状を表現し、当該高さの差異が、所定のパターン(2)に関連するという点で、本発明は、従来技術とは異なる。型の裏要素(3)は、所定の幅(11)及び高さ(10)を有する連続的なメッシュ(4)又は半連続的なメッシュも含み、それは、成形されたチョコレートに筋をプリントして、摂取のためのその成形されたチョコレートの破壊を可能にする。メッシュ(4)の密度、したがってメッシュの表面及び/又はボリュームは、各セル(5)が一旦分離されると容易に摂取されることができるように、定められる。
【0014】
したがって、本発明の第1の態様は、液体チョコレート(又は、液体アイシングペースト若しくは任意の他の食餌構成物であって、25℃を上回る(好ましくは>30℃、若しくはさらには>40℃)温度での液体植物性脂肪をベースとし、かつ室温で固体であるもの)を受け入れるための型であって、高さの差異が存在する3次元形状を表現する表要素(1)であって、当該高さの差異は、平坦な基部を有する所定のパターン(2)に関連する、表要素(1)と、連続的なメッシュ(4)を含む裏要素(3)であって、当該メッシュ(4)の表面が、当該表要素(1)の平坦な表面を正確に覆い、このメッシュ(グリッド)は、セル(5)を分界し、各セル(5)は、穴(8)を含み、当該裏要素(3)の表面が、当該表要素の縁との配置のために輪郭を描かれており、当該メッシュ(4)は、(当該表要素(1)内で)成形されたチョコレートの筋をプリントすることとなるものであり、裏要素の当該メッシュの基部が、平面図(9)を形成する、裏要素(3)と、の2つの要素からなる、型である。
【0015】
有利には、穴(8)は、セル(5)全体を充填する。
【0016】
代替によれば、メッシュ(4)は、穴を含まず、傾斜している(7)(以下を参照されたい)。
【0017】
有利には、筋は、ヒトが容易に摂取するために、成形されたチョコレートを単位に容易に分割するためのものである。
【0018】
好ましくは、メッシュ(4)は、メッシュ(4)の、基部(9)における遠方の端部で傾斜している(7)(丸みを帯びている)(基部(9)から突出部を形成している)。すなわち、裏要素(3)の基部(9)から突出しているメッシュ(4)の端部は、傾斜している(丸みを帯びている)(7)。
【0019】
有利には、メッシュ(4)の高さ(10)及び/又は幅(11)は、実質的に一定である。
【0020】
好ましくは、型の表要素(1)の縁を形成する縁(6)は、傾斜している。
【0021】
有利には、表要素(1)及び/又は裏要素(3)は、例えばPET若しくはPVC、ポリカーボネート、アクリル又は樹脂の、熱成形可能なプラスチックである。
【0022】
好ましくは、表要素(1)は、(約)20μm~(約)2000μmの厚さを有する構造体である。
【0023】
本発明の関連する態様は、所定のパターン(2)に関連する高さの差異が存在する、3次元形状を有する植物性脂肪ベースの食品構成物(チョコレート又はアイシングペースト)の製造プロセスであって、以下の連続するステップ、
所望の3次元形状を有する、上記の型の表要素(1)を取るステップと、
当該型の表要素(1)を植物性脂肪ベースの食品構成物(溶融したチョコレート又は溶融したアイシングペースト)で充填するステップと、
型の表要素(1)内に注がれた、植物性脂肪をベースとする食品構成物(チョコレート又はアイシングペースト)が依然として液体であるときに、植物性脂肪ベースの食品構成物(チョコレート又はアイシングペースト)が固まるために十分な時間の間、(上記の)型の裏要素(3)を、溝がプリントされるように当てるステップと、
裏要素(3)を型から取り外すステップと、を含む、プロセスである。
【0024】
有利には、型の裏要素(3)が、充填された型の表要素(1)に連続して当てられる前に、植物性脂肪ベースの食品構成物(チョコレート又はアイシングペースト)は、型の複数の表要素(1)内に注がれる。
【0025】
上記プロセスのために、植物性脂肪ベースの構成物は、乾燥重量で少なくとも5%(好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、又はさらには少なくとも20%)の植物性脂肪を含み、25℃~60℃、好ましくは30℃~50℃、又はさらには(約)35℃~(約)40℃の融点を有する。
【0026】
上記プロセスのために、植物性脂肪をベースとする食餌構成物は、有利には、チョコレート、すなわち、例えば融点が25℃~60℃、好ましくは約37℃(例えば35℃~40℃)である、任意の食餌脂肪であってそのようなものとして適格なものである。チョコレートは、例えばダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンク又はブロンドチョコレート及びそれらの間の混合物、さらにはダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート又はブロンドチョコレート及び植物性脂肪の間の混合物から、選択されるのであるが、しかし追加の顔料の存在に起因して異なって着色される上記のチョコレートも含み得る。
【0027】
本発明における「チョコレート」という用語は、植物性脂肪であって、チョコレートの代用品として(例えば、「複合物(compound)」の名称で)市販されているがココアを含まないものも意味し得る。
【0028】
好ましくは、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート、ブロンドチョコレート及び植物性脂肪の間の混合物は、ブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート又はブロンドチョコレート単独と同じ融解プロファイルを有する材料をもたらす。上記混合物の結晶化形態は、純粋なチョコレートのそれに類似してもよいが、しかしまた、特にココア以外の源からの植物性脂肪を使用する場合に、異なってもよい。
【0029】
代替的に、本発明の植物性脂肪ベースの食品構成物は、有利には、アイシングペーストである。本発明の文脈において、それは、室温で(又はさらには30℃又は35℃で)固体であるが、しかし40~60℃の(又はさらにはより高い)温度で液体である。好ましくは、本発明における氷菓シートは、植物性脂肪及びミルク又はココアの混合物、である(を含む、から(本質的に)なる)。本発明における氷菓シートは、植物性脂肪、ミルク又はココア(存在する場合)が乾燥重量で構成物の少なくとも5%(少なくとも10%、少なくとも20%、又はさらには少なくとも30%)を占める限りにおいて、糖などの他の食餌複合物を含んでもよい。
【0030】
本発明の関連する態様は、上記のプロセスによって得ることができる、植物性脂肪をベースとする食餌構成物(チョコレートの塊又はアイシングペーストのペースト)である。
【0031】
特に、平面を形成する基部と、高さの差異が存在する3次元形状とを有するチョコレートの塊又はアイシングペーストであって、当該高さの差異は、所定のパターンに関連し、平面を形成する当該基部は、セルを分界する筋のメッシュを含む、チョコレートの塊又はアイシングペースト。
【0032】
好ましくは、このチョコレートの塊(又はアイシングペーストのペースト)のセルは、ヒト(子供又は大人)が摂取することができるボリュームを表現する。
【0033】
好ましくは、このチョコレートの塊(又はこのアイシングペースト)の筋のメッシュは、2次元で編成されたセグメントからなり、各次元のセグメントは、有利には互いに平行である。
【0034】
このチョコレートの塊を構成する、チョコレートは、上記の通りであり、例えば、例えば融点が35℃~40℃、好ましくは約37℃である、任意の食餌脂肪であってそのようなものとして適格なものである。好ましくは、チョコレートは、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート及びブロンドチョコレート並びにそれらの間の混合物、並びにダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート、ブロンドチョコレート及び植物性脂肪の間のブレンドから選択される。本発明におけるチョコレートは、追加の顔料の存在に起因して異なって着色される上記のチョコレートも含み得る。本発明における「チョコレート」という用語は、植物性脂肪であって、チョコレートの代用品として(例えば、「複合物(compound)」の名称で)市販されているがココアを含まないものも意味し得る。本発明の文脈において、これらの植物性脂肪は、略(約)25~(約)60℃、好ましくは35~40℃の融点を有する。
【0035】
好ましくは、ダークチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート及びブロンドチョコレート並びに植物性脂肪の間の混合物は、ブラックチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、ピンクチョコレート又はブロンドチョコレート単独と同じ融解プロファイルを有する材料をもたらし、かつ/又は同じ形態で結晶化される。
【0036】
有利には、3次元形状の1つ以上のパターンが、着色されている、すなわち、(ヒトの食品に適合する)食用顔料が、3次元形状の1つ以上のパターンの表面に局所的に添加されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】型の表要素(1)の正面図、及び型の裏要素(3)の図である。
図2】型の裏(3)の、(その小さい側面に向かって見た)メッシュの矢状の断面及びそのメッシュの傾斜した端部(7)を示す、模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
発明者は、チョコレートバーの実用性と、所定のパターンに関連する高さの差異が存在する、3次元形状を有するチョコレートの審美性とを、なんとか組み合わせた。
【0039】
チョコレートに加えて、本発明は、所定のパターンに関連する高さの差異が存在する、3次元形状を与えることを人が望む、室温での任意の固体食品構成物に、摂取できる単位にそれが分割されることを可能にしながら、適用される。そのような食品構成物の例は、アイシングペースト又はシュガーペーストである。
【0040】
本発明は、2つの要素(1)及び(3)からなる型に基づいており、表要素(1)は、平坦な(図示しない)基部を有する3次元形状を表現し、この3次元形状は、溶融したチョコレートで充填されるように意図されており、かつその高さの差異は、所定のパターン(2)に関連付けられており、裏要素(3)は、メッシュグリッド(4)(グリッド又は単にメッシュとも呼ばれる。4)を含み、当該メッシュグリッド(4)の表面が、表要素の平坦な表面を正確に覆い、かつ別個のセル(5)を形成し、各セル(5)は、少なくとも1つのオリフィス(8)を含み、裏要素(3)のメッシュの基部が、平面(9)を形成する。
【0041】
オリフィス(8)は、型の2つの要素(1)及び(3)が配置されているとき、型を、そこに存在する溶融したチョコレートの塊に対して不均一性を引き起こすことなく閉じるように、空気が外へ出るようにするように意図されている。オリフィス(8)のサイズは、単純なオリフィス(8)であって、その表面がセル(5)の表面に対して重要でない、例えば、表面の10%以上、又はさらには20%、30%、75%以上などの、表面の5%以上であるものから、セル(5)全体を満たし、この場合において、型の裏要素が、ちょうどまさにメッシュ(メッシュグリッド。4。メッシュ。4)であるまで、様々であることができる。これは、型の裏要素(3)の製造のため、及びそれを表要素(1)に当てることのために有利である。
【0042】
型(3)の裏要素のメッシュ(4)は、成形されたチョコレートが摂取できる単位に容易に分割されることを可能にするように選択された、高さ(10)を有する。同様に、メッシュ(11)の幅は、同じ目的のために選択されている。
【0043】
型の裏要素(3)は、それが単純なメッシュである場合でも、さりとて完全な、好ましくは平坦な、メッシュに対する外部表面を含むことができる。
【0044】
これにより、型の裏要素(3)の、型の表要素(1)の裏側とのより良好な配置が、特に型の表要素(1)が3次元パターンを取り囲む平坦な表面も含む場合に、例えば表要素(1)及び裏(3)のこれら2つの平坦な表面が実質的に同じ表面を有して、可能になり、したがって、型の裏要素(3)のメッシュ(4)によって形成された突出部の、型の表要素によって形成された空洞、すなわちチョコレートの溝への挿入の良好な制御が、一旦そのチョコレートが固まると、保証される。
【0045】
有利には、メッシュ(4)は、端部で(わずかに)傾斜している(7)。
【0046】
したがって、メッシュの端部は、例えば、(図2に示す通りの)半球の形状、又は台形の形状を有し得る。
【0047】
これにより、表要素(1)内に注がれたチョコレート(又はアイシングペースト)の塊への、型の裏要素(3)の単純化された挿入が可能になり、かつ一旦チョコレート(又はアイシングペースト)が固まると、型の裏要素(3)のより容易な取外しが可能になる。
【0048】
メッシュ(4)は、必ずしも一定の高さ(10)を有しないが、実質的に一定の高さ(10)(例えば、2対1より小さく、好ましくは1.5対1より小さい、最深と最浅の間の比)が好ましい。
【0049】
同様に、メッシュ(4)は、必ずしも一定の幅(11)を有しないが、実質的に一定の幅(11)(例えば、2対1より小さく、好ましくは1.5対1より小さい、最も広いメッシュとより小さいメッシュの間の比)が好ましい。
【0050】
メッシュ(10)の高さは、有利には、型の表要素(1)の高さに従って決定されて、部分が容易に破壊されることを可能にする。
【0051】
メッシュ(4)は、有利には、複数のセグメント(12)から形成され、型の裏要素(3)の表面上に広げられ、そのようにして2次元の網を形成する。各次元のメッシュ(4)は、有利には、少なくとも裏要素のかなりの部分において、互いに平行である。セグメント(12)の2つの次元は、互いに対して垂直であることができ、これは、製造、審美性のために有利であり、かつセル(5)の表面が一定であることを可能にするために有利である。
【0052】
型の表要素(1)の外周を形成する縁(6)は、有利には、傾斜している(又は面取りされている)。これにより、この領域にあまりにも多量のチョコレートが溜まることが、防止される。
【0053】
型の要素(1)及び/又は(3)は、プラスチック、好ましくは熱成形可能なプラスチック、例えばPET、PVC又は樹脂で作られていることができる。ポリカーボネート又はアクリルで作られた要素(1)及び/又は(3)は、より大規模なチョコレート製造に有用な代替物を表現する。
【0054】
型の表要素(1)を形成する構造体(特にそれが熱成形可能なプラスチックで作られている場合)の厚さは、有利には20μm~2000μm、好ましくは200~600μmである。
【0055】
本発明の関連する態様は、所定のパターンに関連する高さの差異が存在する、3次元形状(2)を有するチョコレート又はアイシングペーストを作るための方法であって、以下の連続するステップ、
所望の3次元形状を有する、上記で定められた型の表要素(1)を取るステップと、
型の表要素(1)を、溶融したチョコレート又は溶融したアイシングペーストのバッターで充填するステップと、
型の表に入れられたチョコレート又は氷菓シートが依然として液体であるときに、チョコレート又はアイシングペーストが固まるために十分な時間の間、型の裏要素(3)を、所与の高さ(10)及び幅(11)を有するメッシュ(4)をチョコレート又は溶融したアイシングペーストの塊に挿入することに起因して溝がプリントされるように、当てるステップと、
チョコレート又はアイシングペーストが固まったときに、裏要素(3)を型から取り外すステップと、を含む、方法である。
【0056】
有利には、型の同じ裏要素(3)が、充填された表要素(1)に連続して当てられる前に、チョコレート(又はアイシングペースト)は、型の複数の表要素(1)内に注がれ、チョコレート(又はアイシングペースト)は、依然として液体である。
【0057】
チョコレートは、ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート、ピンクチョコレート若しくはブロンドチョコレート、若しくはミルクと混合されたチョコレート(ダーク)、又はさらには植物性(若しくは動物性)脂肪であることができる。好ましくは、その味、その物理的特性(溶融プロファイル及び/若しくは結晶の種類)並びに/又はその名称は、ダーク、ホワイト又はミルクチョコレートのそれに準拠している。
【0058】
チョコレートは、(食品使用に適合する)追加の顔料を含んでもよい。同様に、本発明のチョコレートは、融解プロファイルがチョコレートのそれに実質的に類似する(例えば、25℃~60℃、好ましくは35℃~40℃)、脂肪(場合によっては存在する乳脂肪を除いて、植物性脂肪)であるがしかしココア由来ではないものであることができる。これらの中には、「複合物(compound)」の名称で売られているチョコレートの代用品がある。
【0059】
図を参照すると、本発明は、2つの要素(1)及び(3)からなる型に基づく。表要素(1)は、型の表である。ここでは、形状は、パンダのものである。当然ながら、本発明は、所定のパターン(2)に関連する高さの差異が存在する、任意の3次元の形態に及ぶ。可能な形態には、動物、知られている及び/若しくは認められている人々若しくはモニュメント、特定の物体、又はさらには飛行機若しくはボートのミニチュアが含まれる。本発明は、3次元形状及びメッシュによってプリントされた顔を伴う、形状を扱う。
【0060】
型の表要素(1)の基部は、開放されており、実質的に平坦である。したがって、この型は、液体チョコレートで実質的に完全に充填されるように意図された、ある一定の空のボリュームを提供する。
【0061】
それから、型の裏要素(3)は、液体チョコレートの塊に当てられる。
【0062】
メッシュ(4)の存在を前提とすれば、これによって、チョコレート塊の裏にパターンがプリントされる。特に、パターンは、四角形、図1に示す場合には長方形で、構成されたチェッカー盤であることができる。言い換えると、メッシュ(4)を形成するセグメント(12)は、2次元で配置されており、かつ各次元について平行である。
【0063】
メッシュ(4)を形成するセグメント(12)は、3次元形状の幾何学的形状に応じて、型の裏要素(3)の寸法全体(幅又は長さ)にわたる連続した線ではない場合があり、図1に示す通りであるところ、そこでは、型の裏要素(3)の長さを形成するセグメント(12)は、不連続である。
【0064】
得られるチョコレートは、ここではパンダである、3次元形状を有し、かつチョコレートで満たされている。けれども、この満たされた物体は、摂取することができる部分へと容易に分解されることができる。
【0065】
異なる(3次元)パターンが、食品及び食品添加物の規制と整合する色素でプリントされることができて、本発明の魅力をさらに高める。
図1
図2
【国際調査報告】