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特表2022-516327液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサー、及びかかるディスペンサーを含むセット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-25
(54)【発明の名称】液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサー、及びかかるディスペンサーを含むセット
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/24 20060101AFI20220217BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20220217BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20220217BHJP
   B05B 11/04 20060101ALI20220217BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20220217BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B65D51/24 600
B65D47/32 200
B05C11/00
B05B11/04 E
A61J1/05 313B
A61M11/00 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539034
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2019084741
(87)【国際公開番号】W WO2020148032
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】19152388.5
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512245713
【氏名又は名称】アプタル ラドルフツエル ゲーエムベーハ
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ケプナー, フランク
【テーマコード(参考)】
3E084
4C047
4F042
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB13
3E084FA09
3E084FC04
3E084GA08
3E084GB12
3E084JA07
3E084KA05
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
4C047AA05
4C047CC24
4C047DD06
4C047EE03
4C047GG24
4F042BA11
4F042CA01
4F042DH02
4F042DH05
4F042DH09
(57)【要約】
液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサー(10)であって、ディスペンサーが、液体を付与するためのアプリケータ開口(22)を有するハウジング(20)を有し;ディスペンサーが、付与前の液体を貯蔵するための液体リザーバー(30)を有し;ディスペンサーが、通気ダクト(40)を有し、通気ダクトによって、液体の付与後、周囲大気から液体リザーバーへの空気の流入を可能にするように周囲大気が液体リザーバーに連結され;ディスペンサーが、付与行動を検出するための検出装置(50)を有し;検出装置が、通気ダクトを通って流入する空気を検出するように構成される。ディスペンサーは、通気ダクト中に切換弁(42)を有し、ハウジングの外側に与えられた押ボタン(43)を活性化することにより開放される。保護キャップ(14)は、ハウジングに配置されるときに押ボタンに作用して切換弁を開放する。
【選択図】 図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサー(10)であって、
(a)ディスペンサー(10)が、液体を付与するためのアプリケータ開口(22)を有するハウジング(20)を有し、
(b)ディスペンサー(10)が、付与前の液体を貯蔵するための液体リザーバー(30)を有し、
(c)ディスペンサー(10)が、通気ダクト(40)を有し、通気ダクト(40)によって、液体の付与後、周囲大気から液体リザーバー(30)への空気の流入を可能にするように周囲大気が液体リザーバー(30)に連結され、
(d)ディスペンサー(10)が、付与行動を検出するための検出装置(50)を有し、
(e)検出装置(50)が、通気ダクト(40)を通って流入する空気を検出するように構成される
ことを特徴とするディスペンサー(10)。
【請求項2】
以下の追加の特徴を有する、請求項1に記載のディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、通気ダクト(40)を通って流入する空気を検出するためのセンサー装置(52)を有し、
- センサー装置(52)が、通気ダクトの二つの位置的に離間された基準点の間の圧力差を検出するように構成され、かつ/又は
- センサー装置(52)が、通気ダクトを通って流れる空気によって偏向可能である少なくとも一つの偏向可能な表面部分(54)を有し、かつ/又は
- センサー装置(52)が、少なくとも二つの温度センサー(56)及び少なくとも一つの加熱要素(58)を含み、それらが、通気ダクト(40)に配置され、二つの温度センサー(56)が、加熱要素(58)の上流及び下流に与えられる。
【請求項3】
以下の追加の特徴を有する、請求項1又は2に記載のディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、通気ダクト(40)を通って流入する空気によって過去に付与された液体の量を間接的に検出するように構成され、
(b)検出装置(50)が、ディスプレイ装置(66)を有し、かつディスプレイ装置(66)によって、液体の決定された付与量、又はそれから計算された、液体リザーバー(30)に残る液体の量についてユーザーに知らせるように構成される。
【請求項4】
以下の追加の特徴を有する、請求項1~3のいずれかに記載のディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、通気ダクト(40)を通って流入する空気によって付与行動を間接的に識別するように構成され、
好ましくは以下の追加の特徴を有する:
(b)検出装置(50)が、内部クロックを有し、かつ計画された利用時間と実施された付与行動を比較し、計画された利用時間で未処理の付与行動がある場合には信号伝達装置(67)によって警告信号を発するように構成される。
【請求項5】
以下のさらなる特徴の少なくとも一つを有する、請求項1~4のいずれかに記載のディスペンサー(10):
(a)ディスペンサー(10)が、スクイーズボトルディスペンサーとして構成され、かつ液体リザーバー(30)を持ち、液体リザーバー(30)が、液体を付与する目的のために外側から手で圧縮可能であり、かつ/又は
(b)液体リザーバー(30)が、5ml~500ml、好ましくは5ml~50mlの最大容積を有し、かつ/又は
(c)ディスペンサー(10)が、滴下ディスペンサー(10)として構成され、かつアプリケータ開口(22)の領域に滴形成表面(23)を持ち、滴形成表面(23)が、特に好ましくは外部を引裂縁によって画定され、かつ/又は
(d)ディスペンサー(10)が、医薬ディスペンサー(10)として構成され、かつ液体リザーバー(30)を有し、液体リザーバー(30)が、医薬液体、特に点眼のための医薬液体で満たされている。
【請求項6】
以下の追加の特徴を有する、請求項1~5のいずれかに記載のディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、外部検出モジュール(80)の形で構成され、外部検出モジュール(80)が、好ましくはツールを使用せずに、ディスペンサー(10)のハウジング(20)に取り付けられ、かつ好ましくはツールを使用せずに前記ハウジング(20)から解放されることができ、
特に好ましくは以下の追加の特徴を有する:
(b)外部検出モジュール(80)が、外部検出モジュール(80)をハウジング(20)に固定することによって活性可能であるスイッチ(69)を持つ。
【請求項7】
以下の特徴を有する、液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサー(10):
(a)ディスペンサー(10)が、液体を付与するためのアプリケータ開口(22)を有するハウジング(20)を有し、
(b)ディスペンサー(10)が、付与前の液体を貯蔵するための液体リザーバー(30)を有し、
(c)ディスペンサー(10)が、通気ダクト(40)を有し、通気ダクト(40)によって、液体の付与後、液体リザーバー(30)への空気の流入を可能にするように周囲大気が液体リザーバー(30)に連結され、
(d)ディスペンサー(10)が、アプリケータ開口(22)をカバーするための保護キャップ(14)を有し、保護キャップ(14)が、ハウジング(20)の上に配置されることができ、かつハウジング(20)から除去されることができ、
(e)ディスペンサー(10)が、通気ダクト(40)中に切換弁(42)を有し、切換弁(42)が、ハウジングの外側の上に与えられた押ボタン(43)を活性化することによって開放されることができ、
(f)ハウジング(20)及び保護キャップ(14)が、保護キャップ(14)がハウジング(20)の上に配置された状態で又は保護キャップ(14)がハウジング(20)の上に配置されるときに押ボタン(43)に作用し、かくして切換弁(42)を開放するように相互に適応される。
【請求項8】
以下のさらなる特徴を有する、請求項7に記載の液体を付与するためのディスペンサー(10):
(a)ディスペンサー(10)が、請求項1~6のいずれかに記載のように構成される。
【請求項9】
以下のさらなる特徴を有する、請求項8に記載の液体を付与するためのディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、保護キャップ(14)に一体化されている。
【請求項10】
以下のさらなる特徴を有する、請求項7~9のいずれかに記載の液体を付与するためのディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、ハウジング(20)の上に保護キャップ(14)を配置することによって活性化可能であるスイッチ(69)を持つ。
【請求項11】
以下のさらなる特徴を有する、請求項7~10のいずれかに記載の液体を付与するためのディスペンサー(10):
(a)検出装置(50)が、保護キャップ(14)が所定の場所に置かれることに応答して通気ダクト(40)中の空気流量を決定するように構成される。
【請求項12】
以下の特徴を有する、請求項1~11のいずれかに記載のディスペンサー(10)のための検出モジュール(80):
(a)検出モジュール(80)が、ディスペンサー(10)のハウジング(20)に外部結合されるように構成され、ディスペンサー(10)が、ハウジングの外側に配置された誘導開口(41)を有する通気ダクト(40)を有し、
(b)検出モジュール(80)が、測定ダクト(44)を有し、かつ測定ダクト(44)を通って流れる空気を検出するように構成され、
(c)測定ダクト(44)が、結合口(45)を有し、結合口(45)が、検出モジュール(80)がハウジング(20)に結合されるときにディスペンサー(10)の通気ダクト(40)の誘導開口(41)と連通するように結合される。
【請求項13】
以下の追加の特徴を有する、請求項12に記載の検出モジュール(80):
(a)検出モジュール(80)が、中央凹所を包囲する環状モジュールハウジング(82)を有し、環状モジュールハウジング(82)がディスペンサーハウジングを包囲するようにディスペンサーハウジングが環状モジュールハウジング(82)に押し込まれることができる。
【請求項14】
以下の特徴を有するディスペンサーセット:
(a)ディスペンサーセットが、ハウジング(20)及び液体を付与するためのアプリケータ開口(22)を有するディスペンサー(10)、付与前の液体を貯蔵するための液体リザーバー(30)、及び通気ダクト(30)を含み、通気ダクト(30)によって、液体の付与後、液体リザーバー(30)中への空気の流入を可能にするように周囲大気が液体リザーバー(30)に連結され、
(b)ディスペンサー(10)の通気ダクト(40)が、ハウジング(20)の外側に誘導開口(41)を有し、
(c)ディスペンサーセットが、請求項12又は13に記載の検出モジュール(80)を含み、
(d)検出モジュール(80)がディスペンサー(10)のハウジング(20)に結合されるとき、検出モジュール(80)の測定ダクト(44)の結合口(45)がディスペンサー(10)の通気ダクトの通気開口と連通するように結合されるように、検出モジュール(80)及びディスペンサー(10)のハウジング(20)が相互に適応される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサー、及びかかるディスペンサーを含むセットに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明によるディスペンサーのような一般的なタイプのディスペンサーは、アプリケータ開口を有するハウジングを持ち、アプリケータ開口を通ってディスペンサーの液体リザーバーから液体が送出されることができる。これは、例えば液体リザーバーがスクイーズボトルとして構成され、付与の目的のために手で圧縮されることで行なわれることができる。
【0003】
付与の結果として、吐出される液体容積による負圧が、一般的なタイプ又は本発明によるディスペンサーにおける液体リザーバーで発生される。この液体容積が補償されるために、ディスペンサーは、通気ダクトを有し、この通気ダクトによって、空気が液体リザーバー中に誘導されることができる。汚染回避の目的のため、通気ダクトは、フィルター装置を与えられることができる。
【0004】
かかるディスペンサーの設計実施形態に依存して、ディスペンサーは、一活性化あたりの前記ディスペンサーの構造によって規定される液体の投与量を付与するため、又はユーザーによる活性化のタイプによって自由に決定されうる液体の量を付与するために構成されることができる。
【0005】
一般的なタイプ又は本発明によるディスペンサーでは、付与される液体量又は付与される液体の投与の回数が特に電子測定手段によって検出されることが望ましい。これは、エンドユーザーでのかかるディスペンサーの典型的な操作又は特別な製品試験者による試行段階において望まれる。この目的は、例えば液体リザーバー中の液体の残留量を推定すること、又は想定される付与が実施されなかったときにユーザーに知らせることを可能にすることであることができる。
【0006】
活性化自体が特に計数の形で検出されかつ処理される液体ディスペンサーのための多様な測定システムが従来技術から既に知られている。しかしながら、かかるシステムは、正確な付与が実際に行なわれたことを常に保証するものではない。例えば、ディスペンサーが活性化されたが意図した使用に従っていないときには、かかるシステムは、正確な付与が実際に行なわれたことを保証しない。
【0007】
液体自体の流れを検出すること、即ち液体リザーバーとアプリケータ開口の間のアプリケータダクトにおける好適な測定装置にセンサーを加えることが同様に既に考えられている。しかしながら、これは、構造に関して実行することは難しいことが多く、ディスペンサーの構造に実質的な変化を与える。対応するセンサーシステムに使用される材料によっては、液体とこのセンサーシステムの間の接触はまた、センサーシステム及び/又は液体に関して不利である場合もある。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、有利な態様で液体付与の検出を可能にし、従来技術の上述の問題を回避又は最小化するディスペンサーを提供することである。
【0009】
この目的のために本発明に従って提案されるものは、液体を付与するため、特に医薬液体を付与するためのディスペンサーである。
【0010】
一般的なタイプのディスペンサーに従って、本発明によるかかるディスペンサーは、液体を付与するためのアプリケータ開口、及び付与前の液体を貯蔵するための液体リザーバーを有するハウジングを有する。液体ディスペンサーは、エンドユーザーにとって、特に患者(以下まとめてユーザーとして言及される)にとって携帯可能なディスペンサーである。それゆえ、液体リザーバーの最大容積は、通常5ml~500ml、特に5ml~50mlである。
【0011】
ユーザーによる活性化により、液体リザーバー中の液体は、アプリケータダクトを通ってアプリケータ開口に運ばれる。規定されたしきい値圧に到達したときにのみ開放する出口弁が、アプリケータ開口の上流に配置されることが好ましい。付与の形態は、特に液体流れの形態、空気と混合された噴霧化スプレージェット、又は個々の滴の形態であることができる。滴下ディスペンサーの場合には、アプリケータ開口は、滴形成表面によって包囲され、送出される液体は、液体の量が滴形成表面から滴の形で放出されるのに十分に大きくなるまで滴形成表面に付着する。滴形成表面は、滴の特に均一なサイズを保証するように外部を引裂縁(tear-off edge)によって画定することが好ましい。
【0012】
入力側及び出口側にポンプ室及びポンプ弁を有する、手で活性化可能なポンプ装置は、特に液体を液体リザーバーからアプリケータ開口に運ぶために与えられることができる。それに対する特に実質的な代替策は、スクイーズボトルディスペンサーとしてのディスペンサーの設計である。この場合において、液体リザーバー又は周囲の活性化部材は、アプリケータ開口の方向への運搬を起こす正圧が液体に発生されるように弾性的に圧縮可能である。
【0013】
本発明によるディスペンサーでは、付与を完了し、液体リザーバー又は周囲の活性化部材をリセットすると、環境からの空気が液体リザーバー中に誘導され、過去に付与された液体容積を補償し、液体リザーバー中の圧力を周囲圧力に再び適応する。
【0014】
この目的のため、本発明によるディスペンサーは、通気ダクトを持ち、通気ダクトによって、液体の付与後、周囲大気からの空気の流入を可能にするように周囲大気が液体リザーバーに連結される。
【0015】
本発明の主な態様によれば、ディスペンサーは、付与行動を検出するための検出装置をさらに持ち、検出装置は、通気ダクトを通って流入する空気を検出するように構成される。
【0016】
本発明の主な態様によれば、付与を検出するためにディスペンサーの活性化も利用されないし、付与される液体容積の直接的な検出も利用されないが、代わりに付与に続く通気行動、(具体的には、空気、特に周囲大気からのものが、液体リザーバー又は周囲の活性化部材中に流れること)を付与の検出のために利用することが提案される。
【0017】
この提案に基づけば、付与を信頼性高く識別することができることが示され、そこでは付与自体の性能又は付与される液体のみが設計実施形態に依存して間接的に検出されることができる。液体と対応するセンサーシステムの間の接触は、ここでは避けられることができる。液体の付与に導かず、従って空気の流入を導かないディスペンサーのいかなる活性化も検出をもたらさない。
【0018】
検出装置は、最も一般的な形態では、事象、(ここでは空気の誘導)が起こるときに再現可能な方法でその状態を変化する機構である。純粋な機械構造方式がここでは考えられるが、本発明によるディスペンサーでは電子検出装置、従ってセンサー及びメモリーを有する検出装置が与えられることが好ましく、メモリーは、センサーによって間接的に検出された付与行動の結果としてそのメモリーの状態を変化する。本発明によるセンサーは、通気ダクトに又はその周囲に配置され、液体リザーバー中にそれによって偏向された空気流を直接的に検出し、これにより、過去に実施された液体の付与を間接的に検出する。
【0019】
空気の流入を検出するために様々なセンサーが考えられる。
【0020】
検出装置は、通気ダクトを取って流入する空気を検出するためのセンサー装置を有することができ、前記センサー装置は、通気ダクトの二つの位置的に離間された基準点の間の圧力差を検出するように構成される。これは、特に偏向可能な表面部分によって閉じられるバイパス部分が通気ダクト又はその特定の部分(測定ダクト)に与えられることで起こりうる。この膜は、圧力差の関数として偏向され、圧力差は、電子的に検出されることができる。偏向可能な表面部分はまた、通気ダクトの壁部分を直接形成し、その中を支配する圧力の関数として偏向されることができる。本発明の文脈において利用可能なさらなる設計では、センサー装置が少なくとも二つの温度センサー及び少なくとも一つの加熱要素を含み、それらが通気ダクトに配置され、二つの温度センサーが加熱要素の上流及び下流に与えられる。検出装置は、二つの温度センサー間の温度差及び加熱要素の出力から、流入する空気の量に関する結論を導くことができる。
【0021】
本発明によるディスペンサー及びその検出装置の可能な設計では、検出装置は、通気ダクトを通って流入する空気によって過去に付与された液体の量を間接的に決定し、決定された液体の付与量、又はそれから計算された、液体リザーバーに残る液体の量をディスプレイ装置に表示する。ディスプレイ装置は、ディスプレイ、例えばLCディスプレイとして設計されることができる。特定の用途に依存して、特にディスプレイ装置が、決定された液体の付与量が予め決められた液体の量に相当するか、又はそれを越えるか、又はそれに足りていないかのみを表示することを意図される場合、ディスプレイ装置は、簡単なLEDで十分であることができる。
【0022】
別の設計では、検出装置は、通気ダクトを通って流れる空気によって間接的に付与行動を識別するように構成され、そこでは付与行動の検出のために液体の付与量が強制的に検出されることは要求されない。検出装置のかかる設計、及びそのセンサーシステムは、技術的な点で設計することが容易であり、用途の分野によってはこれで十分である。
【0023】
構造上の理由のために常に同一サイズの液体の投与量を吐出するディスペンサーでは、付与が実施されたという情報は、回数の計数で十分であることができる。かかる検出装置はまた、一体化されたクロックと結合して、計画された利用時間と実施された付与行動を比較し、計画された利用時間で未処理の付与行動がある場合には信号伝達装置によって好ましくは音響の警告信号を発するように構成されることができる。
【0024】
記載された検出装置は、本発明によるディスペンサーのアプリケータヘッドに直接一体化されることができる。しかしながら、単回使用のディスペンサーの場合には、これは、ほとんどの例においてエコロジー及びエコノミーの理由のためにむしろ避けられる。代わりに、外部モジュール中に検出装置を配置すること、及び保護キャップ中に検出装置を配置することが以下にさらに説明されるように好ましい。
【0025】
まず外部検出モジュール中への検出装置の配置については、この検出モジュールは、前記検出モジュールが取り付けられるディスペンサー(セット)と組み合わせて、並びに独立型アイテムとして本発明によって含められる。
【0026】
かかる外部検出モジュールは、好ましくはツールを使用せずにディスペンサーのハウジングに取り付けられ、好ましくはツールを使用せずに前記ハウジングから解放されることができる。しかしながら、特定の用途では、ツールによってのみ前記検出モジュールを取り付けることが可能であるだけで十分である場合もある。しかし、ディスペンサーに固定して取付られたときであっても、モジュールは、前記ディスペンサーの一体化部分を示さない。これは、モジュールが液体を付与するためのディスペンサーの機能能力を妨げることなしに除去可能であることを意味する。
【0027】
外部検出モジュールは、前記外部検出モジュールがディスペンサーのハウジングの上にしっかりと着座しかつもはや意図せずに解放されることができないようにディスペンサーのハウジングに取り付けられることができる。もし外部検出モジュールがエンドユーザーによって取り扱われることになるなら簡単な取り扱いが有利である。この場合において、ハウジングは、圧力嵌めで外部モジュールに押し込まれるか、又は外部モジュールは特にねじによってぴったり嵌めてハウジングに固定され、これにより、引っ張られてもはずれないようにすることが好ましい。
【0028】
外部検出モジュールは、通気ダクトのディスペンサー近位部分への誘導開口が与えられるディスペンサーのハウジングの位置に外部結合するように構成される。
【0029】
外部検出モジュール自体は、測定ダクトを持ち、その端には結合口を持ち、結合口は、測定ダクトが外部検出モジュールに取り付けられるとディスペンサーの通気ダクトのハウジングの上の誘導開口と連通するように結合されるように配置される。ハウジングの外側及び外部検出モジュールの内側は、誘導開口並びに結合口が連通する方法で接続される取り囲みダクトを一緒に画定することが好ましい。測定ダクトは、結合すると、通気ダクトの一部を形成する。
【0030】
外部検出モジュールは、中央凹所を包囲する環状モジュールハウジングを有し、環状モジュールハウジングがディスペンサーハウジングを包囲するようにディスペンサーハウジングが環状モジュールハウジングに押し込まれることができることが好ましいが必須ではない。
【0031】
構造に関して外部検出モジュールの一部として検出装置を設計することは、ほとんどの場合において、ハウジングがディスペンサーに一体化される解決策と比較して有利である。これは、検出装置ありの設計、及び検出装置なしの設計のディスペンサーの製造及び/又は使用を、前記設計の液体の付与のために要求されるディスペンサー構成要素、特にハウジングを特別に設計する必要なしで可能にする。さらに、商業的に既に入手可能なディスペンサーであっても、今日、誘導開口が検出モジュールを結合するために好適なハウジングの位置に与えられる限り、検出モジュールを換装することができる。
【0032】
さらに、外部検出モジュールは、空の単回使用のディスペンサーから簡単に、特に好ましくはツールを使用せずに除去され、新しいディスペンサーの上に配置されることができ、それは、エコノミー及びエコロジーの点で有利である。それゆえ、検出モジュールの特別な設計実施形態は、かかるディスペンサー交換を記録し、この情報をリセット手順のために利用するためのセンサーシステムを持つように構成されることができる。例えば、計数器は、ゼロにリセットされることができる。
【0033】
上で既に述べたように、一体化された検出装置を有する保護キャップの設計もまた、有利である。これを詳細に説明する前に、本発明の第二態様による本発明のディスペンサーの設計がまず説明される。この設計は、特に検出装置を有する保護キャップの使用のための基礎として役立つ。
【0034】
第二の設計では、一般的なタイプのディスペンサーは、アプリケータ開口をカバーするための保護キャップをその上に配置された状態で備える。保護キャップは、ディスペンサーが使用される前にディスペンサーのユーザーによって除去され、次いで置き換えられる。前記保護キャップは、特にプラグフィットキャップ又はねじキャップであることができる。
【0035】
通気ダクトにおける本発明のこの第二態様によるディスペンサーは、ハウジングの外側の上に与えられた押ボタンを活性化することによって開放されることができる切換弁を有する。従って、通気ダクトは、切換弁が活性化されないときには閉じられている。空気の誘導は抑制される。切換弁は、前記切換弁が通気ダクト中への空気の進入を抑制するようにディスペンサーのハウジングの外部面の領域に与えられることが好ましい。
【0036】
上述の押ボタンが活性化されるためには、ハウジング及び保護キャップが、保護キャップがハウジングの上に配置された状態で又は保護キャップがハウジングの上に配置されるときに押ボタンに作用し、かくして切換弁を開放するように相互に適応される。これは、保護キャップを配置する手順が少なくともその間に切換弁を開放し、かくして空気の流入を可能にする効果を有することを意味する。
【0037】
ディスペンサーのかかる設計では、一回の液体付与、及び結果として液体リザーバーに起こる負圧のみが空気の誘導を可能とするわけではない。代わりに、負圧は、最初に維持され、ディスペンサーを多数回活性化することによって、従って液体の多数回の付与によって任意選択的に強化される。通気は、保護キャップがハウジングの上に再び配置されたときにのみ起こりうる。
【0038】
これは、複数の利点を有する。検出装置の存在にかかわらず、より強い傾向を持つ負圧、及び結果として生じる流入空気の大きな空気流は、例えば通気ダクトの終わりの液体フィルターからの液体の残留物を解放するために有利であることができる。
【0039】
しかしながら、このタイプのディスペンサーの設計実施形態は、特に前記ディスペンサーが上記のタイプの検出装置を有するときに特に有利である。かかる検出装置は、そのセンサーシステムに関して、大きな空気流が検出されるときに設計することが技術的に容易であり、例えば切換弁によって通気ダクトをブロックすることによって達成されることができる。
【0040】
検出装置が保護キャップに一体化されることが特に有利である。これは、外部検出モジュールの文脈において上で既に述べた利点をもたらし、特に高度に同一の構造を有しながら検出装置あり及びなしのディスペンサーの可能性及び再使用可能性を提供することができる。
【0041】
検出装置が保護キャップに一体化される場合には、前記検出装置は、外部検出モジュールの文脈で同様に記載されたように、即ちセンサーシステムが上又は中に与えられる測定ダクトを有するように設計されることが好ましく、それは、保護キャップをその上に配置することによって通気ダクトの一部になる。保護キャップの上に与えられる切換弁の押ボタンを活性化するための活性化表面は、保護キャップの測定ダクト及びハウジング中の通気ダクトが連通するように連結されるように、かつ移行領域において環境に対して気密になるように配置されることが好ましく、例えばキャップ近接検出装置は、保護キャップが所定の場所に置かれて保護キャップによって切換弁が開放されるとすぐに空気流を直接検出することができる。
【0042】
保護キャップを配置する文脈における流入空気の検出はまた、検出装置の電子構成要素が活性化される短い時間のみが前記検出に必要であるので有利でありうる。それゆえ、検出装置は、ハウジングの上に保護キャップを配置することによって活性可能なスイッチを持つことが特に有利である。
【0043】
このスイッチは、ディスペンサーのハウジング内の検出装置では切換弁との共通機能ユニットを形成してもよく、このスイッチの起動により検出装置を活性化する。検出装置は、空気流が閉じられ(これはセンサーによって続いて検出される)、評価されるとすぐに再び不活性化されることができる。従って、少量の電力のみが消費される。それゆえ、検出装置の一部としての電池は、長時間、任意選択的に複数年にわたって検出装置の操作のために電力を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明のさらなる利点及び態様は、図面によって以下に説明される本発明の好ましい例示的実施形態の以下の記載から及び請求項から導かれる。
【0045】
図1図1は、以下に記載される本発明による設計のための出発点としてそれ自体公知のディスペンサーを示す。
図2A-2B】図2A-2Bは、図1のディスペンサーの基本的な機能モードを示す。
【0046】
図3図3は、ディスペンサーに一体化された検出装置を有する、本発明の第一の例示的実施形態を示す。
【0047】
図4A-4B】図4A-4Bは、外部検出モジュールを有する、本発明の第二の例示的実施形態を示す。
【0048】
図5A-5B】図5A-5Bは、保護キャップに一体化される検出モジュールを有する、本発明の第三の例示的実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1A及び2A及び2Bはまず、一般的なタイプによる液体ディスペンサーを示し、それらはさらに、本発明による液体ディスペンサーを形成するように修正又は追加によって改良されるだろう。
【0050】
液体ディスペンサー10は、液体ディスペンサー10の基本構成要素を表わすアプリケータ装置12を持ち、次に遠位端でアプリケータ開口22によって貫通されるハウジング20を持つ。このアプリケータ開口22が保護されるためには、ディスペンサー10は、保護キャップ14を含み、保護キャップ14は、配置された状態で、アプリケータ開口22に残る液体の残留物を通気穴16を通して迅速に逃避させるように通気された保護キャップとして実際に構成される。
【0051】
アプリケータ装置12は、液体リザーバー30を持ち、液体リザーバー30の壁は、以下に説明されるようにスクイーズボトルを表わす。アプリケータヘッドは、液体リザーバー30の上に配置され、アプリケータヘッドは、既に述べたアプリケータ開口22とは別に、液体リザーバー30をアプリケータ開口22に連結するアプリケータダクト24を与える。出口弁26は、アプリケータ開口22の上流に配置され、出口弁26は、弁室内の十分な液圧で開放し、従って液体をアプリケータ開口22を通して出させることができる。ディスペンサー10は、滴下ディスペンサーとして実際に構成され、アプリケータ開口22を越えて、外部を引裂縁によって画定される滴形成表面23を持つ。
【0052】
既に述べたように、液体リザーバー30は、スクイーズボトルの形態で構成された液体リザーバー30である。これは、ディスペンサーの活性化が、図2Aによって示されるように、ボトルが矢印6の方向に圧縮されることで行なわれることを意味する。
【0053】
結果として、正圧が液体リザーバー30内で作られ、この正圧は、液体が出口路7に沿ってアプリケータ開口22及び滴形成表面23に運ばれ、滴形成表面23で滴の形状で送出されるという効果を有する。力によってスクイーズボトルの押し付けがない場合には、スクイーズボトルは、図2Bの矢印8によって示されるようにその最初の形状を再びとり、その結果として負圧が液体リザーバー30内で生じる。これは、空気が通気路9に沿って通気ダクト40を通って誘導されるという効果を有する。通気ダクト40の終わりで誘導された空気は、フィルター装置48の領域において、細菌及び微生物のような汚染物を取り除かれる。流入空気は、液体リザーバー30中に存在する負圧が減少されるように液体リザーバー30において圧力均等化を確実にする。
【0054】
図3は、図1のディスペンサーの変形例、実際には特にアプリケータ装置12の変形例を示す。変形は、ハウジング20が、異なるタイプであり、かつ検出装置50を包囲する点にあり、これは、通気ダクト40を通って流入する空気を検出するために設計されている。検出装置50は、ラウドスピーカーの形の音響信号放出器67、マイクロプロセッサー64、及び電池62の形のエネルギー源を持つ。
【0055】
検出装置50は、通気ダクト40内にセンサー装置52をさらに持ち、前記センサー装置52は、特に前記通気ダクト40の壁に与えられる。このセンサー装置52は、二つの温度センサー56及びそれらの間に配置された一つの加熱要素58を含む。空気が図2Bの段階に従って誘導されながら通気ダクト40を通って空気が流れるとき、加熱要素58の前方の前記空気の温度は、第一温度センサー56によって検出されることができ、加熱要素58によって加熱された空気の温度は、第二温度センサー56によって加熱要素58の下流で測定されることができる。温度差は、空気が通気ダクト40を通って流れたかどうか、そしてどのくらい多くの空気が通気ダクト40を通って流れたかの指標である。大きい温度差は、小さな空気流で起こる。小さい温度差は、大きな空気流で起こる。
【0056】
その測定の結果は、マイクロプロセッサー64によって評価されることができる。例えば、過剰に少ない空気流、結果として早期の過剰に低い液体付与の場合には、マイクロプロセッサー64は、ラウドスピーカー67によって、付与が規則正しく実施されなかったことを示すことができる。マイクロプロセッサー64は、送出回数がそのメモリーに記憶されているとき、ラウドスピーカー67によって、計画された付与が実施されなかったことを示すこともできる。従って、ユーザーは、この付与を実施することを注意喚起される。
【0057】
通気ダクト40におけるセンサー装置52の配置は、センサー装置がこの目的のために液体と直接接触する必要なしで信頼性を持って付与を識別することをもたらす。
【0058】
図4A及び4Bによる設計実施形態における基本原理は、図3のそれと同様である。しかしながら、図4Aによってわかるように、検出装置50は、実際には検出モジュール80の一部として設計され、検出モジュール80は、アプリケータ装置12のハウジング20を押し込むために与えられる環状モジュールハウジング82を持つ。図4Bは、押し込んだ状態を示す。
【0059】
検出モジュール80は、同様に電池62及びマイクロプロセッサー64を含む。しかしながら、この設計においては、LCディスプレイ66が追加して与えられ、通常の図3に対応するラウドスピーカーの場合よりユーザーにより複雑な情報を取り継ぐことができる。しかし、ラウドスピーカーに代えて、又はそれに加えて、ディスプレイもまた、図3の設計に与えられてもよく、ハウジング20内の検出装置50の一体化もそこで与えられてもよい。
【0060】
図4A及び4Bの例示的実施形態におけるセンサー装置52は、図3のそれと同様であり、再び二つの温度センサー56及び一つの加熱要素58の存在に基づく。しかしながら、この場合において、センサー装置52は、図3に対応するように、アプリケータ装置12の一体化構成部分ではなく、前述の検出モジュール80の一部分である。図4Aを参照すると、スイッチ69は、概略的に示されているにすぎないが、検出モジュール80の環状モジュールハウジング82の内側に与えられることがわかる。このスイッチによって、検出モジュールは、アプリケータ装置12のハウジング20が検出モジュールに押し込まれたことを識別することができる。これは、例えば一体化された計数器を初期値にリセットするために利用されることができる。このスイッチ69は、検出モジュール80が組み立てられるときに起動される。
【0061】
図4Bは、組み立てられた状態を示す。ここでは、検出モジュール80の測定ダクト44の結合口45がアプリケータ装置に近接する通気ダクト40の部分の導入開口41に通じる態様で連結されることがわかる。同様に整列されていない向きを可能とするためには、アプリケータ装置12のハウジング20及び検出モジュール80のモジュールハウジング82は、結合された状態のときに環状空間84を画定するように構成される。これは、いかなる任意の位置でもハウジング20が検出モジュールに押し込まれることを可能にする。
【0062】
既に述べたように、センサー装置52は、図3の例示的な実施形態と同じ態様で示される。しかしながら、LCディスプレイ66の存在は、このセンサー装置52によって検出される値がさらに大きな範囲で評価され、ユーザーに与えられることを可能にする。測定ダクト44及び通気ダクト40を通って空気を誘導するときの空気流及びその継続時間を検出することによって、特にどのくらいの量の液体が液体リザーバー30から出ていったか、そして結果としてどのくらいの量の液体が過去に付与されたかを推定することができる。従って、既に付与した液体の全量がLCディスプレイ66に表わされることができ、あるいは最初の量が検出モジュール80に知られていたなら液体リザーバー30に残る液体の量が表わされることができる。
【0063】
図5A及び5Bの設計実施形態は、ここでもアプリケータ装置12の一体化構成部分ではない検出装置50であるという点で図4A及び4Bのそれと同様である。しかしながら、検出装置50は、この場合において保護キャップ14に与えられる。この検出装置はまた、電池62、マイクロプロセッサー64、及びLCディスプレイ66を持つ。しかし、キャップ14の測定ダクト44に与えられるセンサー装置52は、実際には異なる設計を持ち、そこではどの例示的実施形態がどのタイプのセンサー装置52を与えられるかは基本的に任意である。図5A及び5Bのセンサー装置52は、ツーパートのバイパスダクト46を持ち、それは、測定ダクト44から発出し、それに膜54が配置される。測定ダクト44を通って流れる空気流に依存して、この膜54は、変動可能な範囲で偏向され、これは、例えばピエゾセンサーによって検出され、さらにマイクロプロセッサー64によって処理されることができる。
【0064】
保護キャップ14はさらに、同様にスイッチ69を持つが、それは、以下で説明するように、図4A及び4Bの場合のスイッチ69とは少し異なる技術的な意味を有する。
【0065】
保護キャップは、液体の付与中にアプリケータ装置12に明らかに取り付けられないので、アプリケータ装置12は、切換弁42を持ち、切換弁42は、図5Aの状態では通気ダクト40の誘導開口をカバーし、従ってこの時点で空気の誘導を可能としない。図5Aのディスペンサーが図2Aに示されるように活性化されるとき、液体の付与は、実際に実施されるが、流入空気による圧力均等化は生じない。むしろ、多数回の付与の場合に、これまで増加している負圧が液体リザーバー30内に構築される。前記負圧は、この時点でまだ均等化されることができない。
【0066】
検出は、保護キャップ14が図5Bによって示されるようにアプリケータ装置12の上に配置されたときにのみ行なわれる。まずスイッチ69が起動され、これが検出装置50の活性化をもたらす。キャップが図5Bのその末端位置まで押し下げられるとき、保護キャップ14の上のリブの下端に包囲する態様で与えられる活性化表面15は、切換弁42の押ボタン43を押し、結果として押ボタンを図5Bに示されるように押し下げる。その結果として、通気ダクト40は開放される。しかし、保護キャップ14が一回配置された程度では、空気は前記保護キャップ14の下部周囲に沿って流れることができず、またキャップの端面の通気開口を通って流れることができない。これは、高い負圧で生じる圧力均等化がかなりショック様であり、キャップの上のスイッチ69によって予め活性化された検出装置50の測定ダクト44を通して実施されることを意味する。
【0067】
検出装置50のマイクロプロセッサー64は、次いでLCディスプレイ66に関連データ、特にこれまでに付与された液体の全体量、又は液体リザーバー30にまだ残る液体の量を表示することができる。ショック様圧力均等化はさらに、フィルター装置48に残る液体の残留物をフィルター装置48から分離するために有利である。
【0068】
センサー装置52がもはや測定ダクト44中の空気流を検出できなくなるとすぐに、前記センサー装置52は、スイッチ69が次の時に起動されるまで出力セーブモードに変更するか、又は完全にそれ自体不活性化することができる。その結果として、保護キャップ14は、小さい電池62の場合であっても、長時間にわたって付与を記録する保護キャップとしてその機能を発揮することができる。
図1
図2A-2B】
図3
図4A-4B】
図5A-5B】
【国際調査報告】