(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】ストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイール、移送装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/30 20060101AFI20220218BHJP
B65H 20/12 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
B29D30/30
B65H20/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021510193
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 NL2020050715
(87)【国際公開番号】W WO2021107772
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】カーフマン マシューズ ヤコブス
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッシャー ルーベン マティアス
【テーマコード(参考)】
3F103
4F215
【Fターム(参考)】
3F103AA08
3F103BC02
3F103BC04
3F103BC08
3F103BC10
3F103BC11
4F215AH20
4F215VA12
4F215VD09
4F215VP28
(57)【要約】
本発明は、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイール、移送装置、および方法に関し、移送ホイールは、先端を保持するための第1の端部分と、後端を保持するための第2の端部分と、ストリップ本体を支持するための主要部分とに分割される保持領域を規定し、移送ホイールは、第1の端部分で第1のグループの保持セグメントを受け入れるための第1の取り付け位置を規定する第1の取り付け部材を備え、第1のグループの保持セグメントは、ストリップ本体を保持するための第1の本体保持セグメントと、先端を保持するための第1の端部保持セグメントとを備え、第1の取り付け部材は、1つの第1の本体保持セグメントまたは第1の端部保持セグメントを各第1の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイールであって、
前記ストリップが、先端と、後端と、前記先端から前記後端まで延在するストリップ本体とを有し、前記移送ホイールが、ホイール軸を中心に回転可能であり、前記ストリップを前記移送ホイールに保持するために前記ホイール軸の周りに円周方向に延在する保持領域を規定し、前記保持領域が、前記先端および前記後端の一方を保持するための第1の端部分と、前記先端および前記後端の他方を保持するための第2の端部分と、前記ストリップ本体を支持するための前記第1の端部分と前記第2の端部分との間の前記円周方向の主要部分とに分割されており、前記移送ホイールが、前記第1の端部分で第1のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第1の取り付け位置を規定する第1の取り付け部材を備え、前記第1のグループの保持セグメントが、前記ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第1の本体保持セグメントと、前記先端および前記後端の前記一方を保持するための第1の端部保持セグメントとを備え、前記第1の取り付け部材が、前記少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つの第1の本体保持セグメントまたは前記第1の端部保持セグメントを前記複数の第1の取り付け位置の各第1の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている、
移送ホイール。
【請求項2】
前記移送ホイールが、前記第1のグループの保持セグメントを備える、
請求項1に記載の移送ホイール。
【請求項3】
各第1の本体保持セグメントが、前記ストリップ本体を前記それぞれの第1の本体保持セグメントに保持するための少なくとも1つの本体保持要素を備え、前記第1の端部保持セグメントが、前記先端および前記後端の前記一方を前記第1の端部保持セグメントに保持するための、前記少なくとも1つの本体保持要素とは動作が異なる少なくとも1つの端部保持要素を備える、
請求項2に記載の移送ホイール。
【請求項4】
前記移送ホイールが、前記少なくとも1つの本体保持要素を制御するための少なくとも1つの第1の制御部材と、前記少なくとも1つの端部保持要素を制御するための少なくとも1つの第2の制御部材とを備える、
請求項3に記載の移送ホイール。
【請求項5】
前記移送ホイールが、各第1の取り付け位置に、前記少なくとも1つの第1の制御部材を前記第1の本体保持セグメントの前記少なくとも1つの本体保持要素に動作可能に接続するための第1のコネクタと、前記少なくとも1つの第2の制御部材を前記第1の端部保持セグメントの前記少なくとも1つの端部保持要素に動作可能に接続するための第2のコネクタとを備え、前記動作可能な接続が、前記第1の本体保持セグメントと前記第1の端部保持セグメントのどちらが前記それぞれの第1の取り付け位置に取り付けられるかに応じて行われる、
請求項4に記載の移送ホイール。
【請求項6】
前記移送ホイールが、前記第1のコネクタを介して前記少なくとも1つの第1の制御部材と前記第1の端部保持セグメントとの間の前記動作可能な接続を確立することができず、前記移送ホイールが、前記第2のコネクタを介して前記少なくとも1つの第2の制御部材と前記第1の本体保持セグメントとの間の動作可能な接続を確立することができない、
請求項5に記載の移送ホイール。
【請求項7】
前記第1の本体保持セグメントが、前記第1のコネクタと関連付けられた少なくとも1つの第1の出力開口部との動作可能な接続のための少なくとも1つの第1の入力開口部を備え、前記第1の端部保持セグメントが、前記第2のコネクタと関連付けられた少なくとも1つの第2の出力開口部との動作可能な接続のための少なくとも1つの第2の入力開口部を備え、前記少なくとも1つの第1の出力開口部と前記少なくとも1つの第2の出力開口部の位置がオフセットされている、
請求項5または6に記載の移送ホイール。
【請求項8】
前記第1のコネクタが、前記少なくとも1つの第2の制御部材への接続に適合せず、前記第2のコネクタが、前記少なくとも1つの第1の制御部材への接続に適合しない、
請求項5~7のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の制御部材および/または前記少なくとも1つの第2の制御部材が空気圧式である、
請求項5~8のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項10】
前記第1の端部保持セグメントが、前記第1のコネクタをシールするように配置され、前記第1の本体保持セグメントが、前記第1の本体保持セグメントと前記第1の端部保持セグメントのどちらが前記それぞれの第1の取り付け位置に取り付けられるかに応じて、前記第2のコネクタをシールするように配置される、
請求項9に記載の移送ホイール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの本体保持要素が、前記ストリップ本体を前記ホイール軸に垂直な半径方向に係合するように配置される、
請求項3~10のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項12】
前記少なくとも1つの本体保持要素が、吸引要素および/または針を備える、
請求項3~11のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項13】
前記少なくとも1つの端部保持要素が、半径方向に対して斜めの少なくとも1つの係合方向に前記先端および前記後端の前記一方と係合するように配置される、
請求項3~12のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項14】
前記少なくとも1つの端部保持要素が、第1の係合方向に前記先端および前記後端の前記一方に貫通するための複数の第1の針と、前記第1の係合方向とは異なる第2の係合方向に前記先端および前記後端の前記一方に貫通するための複数の第2の針とを備える、
請求項3~13のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項15】
前記第1の係合方向と前記第2の係合方向とが、少なくとも30度、好ましくは少なくとも70度の角度にわたってオフセットされる、
請求項14に記載の移送ホイール。
【請求項16】
前記第1の端部分が、前記円周方向に前記移送ホイールの180度未満、好ましくは70度未満にわたって延在する、
請求項1~15のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項17】
前記第1の取り付け部材が、少なくとも3つの第1の取り付け位置、好ましくは少なくとも6つの第1の取り付け位置を規定する、
請求項1~16のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項18】
前記第1の取り付け部材が、前記第1のグループの前記保持セグメントを前記それぞれの第1の取り付け位置において前記円周方向に互いに直接隣接して受け入れるように配置されている、
請求項1~17のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項19】
前記移送ホイールが、前記第2の端部分で第2のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第2の取り付け位置を規定する第2の取り付け部材を備え、前記第2のグループの保持セグメントが、前記ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第2の本体保持セグメントと、前記先端および前記後端の前記他方を保持するための第2の端部保持セグメントとを備え、前記第2の取り付け部材が、前記少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントまたは前記第2の端部保持セグメントを前記複数の第2の取り付け位置の各第1の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている、
請求項1~18のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項20】
前記主要部分を横切る前記円周方向で考慮された互いに最も近い前記第1の取り付け位置および前記第2の取り付け位置と、前記主要部分を横切る前記円周方向で考慮された互いから最も遠く離れた前記第1の取り付け位置および第2の取り付け位置との角度の差が、少なくとも60度、好ましくは少なくとも80度である、
請求項19に記載の移送ホイール。
【請求項21】
前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、少なくとも100度、好ましくは少なくとも120度にわたって前記円周方向に前記主要部分によって離間されている、
請求項1~20のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項22】
前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、互いに正反対の位置配置されている、
請求項1~21のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項23】
前記保持領域が、前記円周方向に前記移送ホイールの300度未満、好ましくは280度未満にわたって延在する、
請求項1~22のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項24】
前記移送ホイールが、前記ホイール軸の周りで少なくとも部分的に前記移送ホイールのバランスをとるために前記保持領域と正反対にカウンタウエイト部分をさらに備える、
請求項23に記載の移送ホイール。
【請求項25】
前記移送ホイールが、可変重量カウンタウエイトに選択的に組み合わせ可能な複数のカウンタウエイト要素を備える、
請求項24に記載の移送ホイール。
【請求項26】
前記移送ホイールが、前記円周方向に前記移送ホイールの周りに分散された、複数のさらなる取り付け部材を備え、前記第1の取り付け部材が、前記さらなる取り付け部材のうちのいずれか1つと交換可能である、
請求項1~25のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の移送ホイールを備える移送装置であって、
前記移送装置が、前記移送ホイールを支持するためのベースと、前記ホイール軸に垂直な作用方向に前記ベースに対して前記移送ホイールを移動させるための駆動装置とをさらに備え、前記移送装置が、前記移送ホイールが前記駆動装置と関係なく前記作用方向と反対の後退方向に前記ベースに対して移動することを可能にする過負荷保護機構をさらに備える、
移送装置。
【請求項28】
前記駆動装置が全体として、前記後退方向に前記ベースに対して移動可能であり、前記過負荷保護機構が、前記作用方向に前記ベースに対して前記駆動装置を付勢するための付勢部材を備え、前記付勢部材が、過度の力が前記移送ホイールに加えられたときに、前記駆動装置が前記後退方向に全体として移動することと可能にする、
請求項27に記載の移送装置。
【請求項29】
前記付勢部材が、空気圧シリンダである、
請求項28に記載の移送装置。
【請求項30】
請求項1~26のいずれか一項に記載の移送ホイールを使用して、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための方法であって、
前記方法が、前記複数の第1の取り付け位置の前記第1の取り付け位置の1つにおいて前記少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つの第1の本体保持セグメントを前記第1の端部保持セグメントと交換するステップを含む、
方法。
【請求項31】
前記移送ホイールが、前記第2の端部分で第2のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第2の取り付け位置を規定する第2の取り付け部材を備え、前記第2のグループの保持セグメントが、前記ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第2の本体保持セグメントと、前記先端および前記後端の前記他方を保持するための第2の端部保持セグメントとを備え、前記第2の取り付け部材が、前記少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントまたは前記第2の端部保持セグメントを前記複数の第2の取り付け位置の各第2の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されており、前記方法が、前記複数の第2の取り付け位置の前記第2の取り付け位置の1つにおいて前記少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントを前記第2の端部保持セグメントと交換するステップをさらに含む、
請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイール、移送装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州公開特許第1985561A1号公報では、サイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送する間にサイドウォールストリップを保持するための2つの固定装置を備えた移送ドラムを開示している。各固定装置には、サイドウォールストリップの長手方向を横切るように一列に配置された複数の吸引要素が設けられている。第1の固定装置は、サイドウォールストリップの第1の端部を保持するように配置されている。第2の固定装置は、サイドウォールストリップの端部が前記第2の固定装置によって保持され得るように配置されている。欧州公開特許第1985561A1号公報では、2つの固定装置の少なくとも一方を移送ドラムの円周方向に配置して、サイドウォールストリップの様々な長さに適応させることができるようにすることが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
欧州公開特許第1985561A1号公報による移送ドラムの不都合点は、提案の適応を達成するために少なくとも一方の固定装置がどのように配置されるかが未開示のままであるということである。
【0004】
本発明の目的は、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイールおよび方法であって、移送ホイールを様々な長さのストリップを移送するために変更できる、移送ホイールおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイールを提供し、ストリップは、先端と、後端と、ストリップの長さにわたって先端から後端まで延在するストリップ本体とを有し、移送ホイールは、ホイール軸を中心に回転可能であり、ストリップを移送ホイールに保持するために前記ホイール軸の周りに円周方向に延在する保持領域を規定し、保持領域は、先端および後端の一方を保持するための第1の端部分と、先端および後端の他方を保持するための第2の端部分と、ストリップ本体を支持するための第1の端部分と第2の端部分との間の円周方向の主要部分とに分割されており、移送ホイールは、第1の端部分で第1のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第1の取り付け位置を規定する第1の取り付け部材を備え、第1のグループの保持セグメントは、ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第1の本体保持セグメントと、先端および後端の前記一方を保持するための第1の端部保持セグメントとを備え、第1の取り付け部材は、少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つの第1の本体保持セグメントまたは第1の端部保持セグメントを複数の第1の取り付け位置の各第1の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている。
【0006】
よって、第1の端部保持セグメントを前記1つの第1の取り付け位置において第1の本体保持セグメントと交換することによって、第1の端部保持セグメントを利用可能な第1の取り付け位置のいずれか1つに受け入れ、かつ/または取り付けることができる。前記1つの第1の取り付け位置から取り外される第1の本体保持セグメントを、前に第1の端部保持セグメントによって占有されていた第1の取り付け位置に受け入れ、かつ/または取り付けることができる。よって、第1の端部分内の第1の端部保持セグメントの位置を変更し、かつ/または主要部分に対して変化させることができる。第1の端部保持セグメントの位置を変更することにより、ストリップの先端または後端が保持される位置を、異なる長さのストリップを移送ホイールに保持することを容易にするように適応させることができる。
【0007】
好ましい実施形態では、移送ホイールは、第1のグループの保持セグメントを備える。しかしながら、保持セグメントを移送ホイールとは別に、すなわち、交換部品として、または移送ホイールを、ストリップを保持する様々な方法に適応させるように設けることができることは明らかであろう。
【0008】
保持セグメントを含む前の実施形態に基づいて、各第1の本体保持セグメントが、ストリップ本体をそれぞれの第1の本体保持セグメントに保持するための少なくとも1つの本体保持要素を備えることが好ましく、第1の端部保持セグメントは、先端および後端の前記一方を端部保持セグメントに保持するための、少なくとも1つの本体保持要素とは動作が異なる少なくとも1つの端部保持要素を備える。よって、第1の端部保持セグメントはストリップを、第1の本体保持セグメントとは異なる方法で保持することができる。特に、第1の端部保持セグメントは、ストリップの先端または後端をより強力、確実、および/または堅固に、すなわち、先端または後端を第1の端部保持セグメントから簡単にまたは損傷なしで分離することができないように保持するように配置される。対照的に、第1の本体保持セグメントは、第1の端部保持セグメントに頼って先端または後端を堅固に保持しながら、ストリップ本体を移送ホイールに保持するだけのために配置される。
【0009】
より好ましくは、移送ホイールは、少なくとも1つの本体保持要素を制御するための少なくとも1つの第1の制御部材と、少なくとも1つの端部保持要素を制御するための少なくとも1つの第2の制御部材とを備える。よって、本体保持要素と端部保持要素とを、互いに個別に制御することができる。
【0010】
より好ましくは、移送ホイールは、各第1の取り付け位置に、前記少なくとも1つの第1の制御部材を第1の本体保持セグメントの少なくとも1つの本体保持要素に動作可能に接続するための第1のコネクタと、前記少なくとも1つの第2の制御部材を第1の端部保持セグメントの少なくとも1つの端部保持要素に動作可能に接続するための第2のコネクタとを備え、動作可能な接続は、第1の本体保持セグメントと第1の端部保持セグメントのどちらがそれぞれの第1の取り付け位置に取り付けられるかに応じて行われる。各取り付け位置には両方のコネクタが設けられているので、少なくとも1つの第1の本体保持セグメントと第1の端部保持セグメントとが取り付けられる取り付け位置と関係なく、少なくとも1つの本体保持要素と少なくとも1つの端部保持要素とを、それぞれ、第1の制御部材と第2の制御部材とによって個別に制御することができる。
【0011】
より好ましくは、移送ホイールは、第1のコネクタを介して少なくとも1つの第1の制御部材と第1の端部保持セグメントとの間の動作可能な接続を確立することができず、移送ホイールは、第2のコネクタを介して少なくとも1つの第2の制御部材と第1の本体保持セグメントとの間の動作可能な接続を確立することができない。言い換えると、第1のコネクタは第1の端部保持セグメントと(直接的にも間接的にも)適合せず、第2のコネクタは第1の本体保持セグメントと(直接的にも間接的にも)適合しない。したがって、第1の制御部材が端部保持要素の動作を誤ってトリガすることはあり得ず、第2の制御部材が本体保持要素の動作を誤ってトリガすることはあり得ない。
【0012】
一実施形態では、第1の本体保持セグメントは、第1のコネクタと関連付けられた少なくとも1つの第1の出力開口部との動作可能な接続のための少なくとも1つの第1の入力開口部を備え、第1の端部保持セグメントは、第2のコネクタと関連付けられた少なくとも1つの第2の出力開口部との動作可能な接続のための少なくとも1つの第2の入力開口部を備え、少なくとも1つの第1の出力開口部と少なくとも1つの第2の出力開口部の位置がオフセットされている。よって、第1の出力開口部は、第1の端部保持セグメントがそれぞれの第1の取り付け位置に配置されるときに第1の端部保持セグメントの少なくとも1つの第2の入力開口部とずれる。同様に、第2のコネクタと関連付けられた第2の出力開口部も、第1の本体保持セグメントがそれぞれの第1の取り付け位置に配置されるときに第1の本体保持セグメントの第1の入力開口部とずれる。
【0013】
さらなる実施形態では、第1のコネクタは、少なくとも1つの第2の制御部材への接続に適合せず、第2のコネクタは、少なくとも1つの第1の制御部材への接続に適合しない。第1のコネクタと第2のコネクタとは、例えば、サイズまたは行われる接続のタイプが異なり得る。制御部材は、2つのコネクタの一方のみと嵌合するように対応して適応され得る。例えば、制御部材は、サイズまたはタイプが異なる結合端を有する気送管であり得る。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つの第1の制御部材および/または少なくとも1つの第2の制御部材は空気圧式である。空気圧制御部材は、本体保持要素および/または端部保持要素に接続するか、または圧力もしくは吸引を提供するための加圧空気もしくは部分真空の供給源を提供することができる。
【0015】
その好ましい実施形態では、第1の端部保持セグメントは、第1のコネクタをシールするように配置され、第1の本体保持セグメントは、第1の本体保持セグメントと第1の端部保持セグメントのどちらがそれぞれの第1の取り付け位置に取り付けられるかに応じて、第2のコネクタをシールするように配置される。第1の端部保持セグメントは、よって、第1の端部保持セグメントが取り付け位置のそれぞれに取り付けられたときに第1のコネクタを通って空気が漏れるのを防ぐことができる。同様に、第1の本体保持セグメントも、第1の本体保持セグメントが取り付け位置のそれぞれに取り付けられたときに第2のコネクタを通って空気が漏れるのを防ぐことができる。コネクタはこのように、第1の本体保持セグメントまたは第1の端部保持セグメントの配置によって自動的に選択的に密封することができる。
【0016】
別の実施形態では、少なくとも1つの本体保持要素は、ストリップ本体をホイール軸に垂直な半径方向に係合するように配置される。これは、ストリップを移送ホイールに保持するだけのためである、少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの目的を果たす。半径方向の係合により、ストリップ本体を損傷することなく半径方向または半径方向と平行にストリップ本体を少なくとも1つの本体保持要素から簡単に取り外すこともできるという利点が提供される。
【0017】
別の実施形態では、少なくとも1つの本体保持要素は、吸引要素および/または針を備える。吸引要素は、ストリップ本体を半径方向に第1の本体保持セグメントに効果的に保持することができ、針は、円周方向の第1の本体保持セグメントに対するストリップ本体の摺動を防ぐことができる。両タイプの保持要素の組み合わせにより、吸引要素が、ストリップ本体が針によって半径方向に係合されることを確実にし得るという追加の利点が提供される。針は、ストリップ本体の係合中に移送ホイールの表面から静止して突き出た状態であり得る。あるいは、針は、後退位置から貫通位置に半径方向に、すなわち、機械的に、または空気圧で移動されてもよい。
【0018】
別の実施形態では、少なくとも1つの端部保持要素は、半径方向に対して斜めの少なくとも1つの係合方向に先端および後端の前記一方と係合するように配置される。このタイプの係合は、非半径方向の、すなわち、少なくとも非半径方向の構成要素との、取り外しを必要とするので、余り簡単に取り外すことができない。特に、ストリップ本体が(1つまたは複数の)本体保持要素によって円周方向に保持される場合、それぞれの端部を少なくとも1つの端部保持要素から取り外すことが難しくなる。よって、少なくとも1つの端部保持要素は、それぞれの端部をより堅固および/または確実に保持することができる。
【0019】
別の実施形態では、少なくとも1つの端部保持要素は、第1の係合方向に先端および後端の前記一方に貫通するための複数の第1の針と、第1の係合方向とは異なる第2の係合方向に先端および後端の前記一方に貫通するための複数の第2の針とを備える。2つのそれぞれの端部を2つの異なる方向に貫通することによって、前記端部保持要素からそれぞれの端部を取り外すことがさらに一層難しくなる。よって、それぞれの端部の意図しない解放を防ぐことができる。
【0020】
好ましくは、第1の係合方向と第2の係合方向とは、少なくとも30度、好ましくは少なくとも70度の角度にわたってオフセットされる。この角度が大きいほど、それぞれの端部をより堅固および/または確実に保持することができる。
【0021】
さらなる実施形態では、第1の端部分は、円周方向に移送ホイールの180度未満、好ましくは70度未満にわたって延在する。よって、移送ホイールの円周の一部のみがストリップを受け入れるために実際に使用される。残りの円周は他の目的に、すなわちカウンタウエイトに使用することができる。
【0022】
さらなる実施形態では、第1の取り付け部材は、少なくとも3つの第1の取り付け位置、好ましくは少なくとも6つの第1の取り付け位置を規定する。よって第1の端部保持セグメントを、少なくとも3つまたは少なくとも6つの第1の取り付け位置の各1つにおいて少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つと交換することができ、よって、様々な長さのストリップを受け入れるための大きな柔軟性が提供される。
【0023】
さらなる実施形態では、第1の取り付け部材は、第1のグループの保持セグメントをそれぞれの第1の取り付け位置において円周方向に互いに直接隣接して受け入れるように配置されている。よって、第1の端部保持セグメントをそれと直接隣接する1つの第1の本体保持セグメントと交換することによって、前記第1の端部保持セグメントの位置を、円周方向に前記1つの第1の本体保持セグメントの寸法と等しい長さで移動またはオフセットすることができる。言い換えると、第1の端部保持セグメントの位置間の最小のステップまたは間隔は、円周方向の前記1つの第1の本体保持セグメントの寸法と等しい。このステップは、例えば、製造されるべきタイヤのインチサイズのステップまたはそのようなインチサイズの増分に関連した寸法と等しくすることができる。
【0024】
さらなる実施形態では、移送ホイールは、第2の端部分で第2のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第2の取り付け位置を規定する第2の取り付け部材を備え、第2のグループの保持セグメントは、ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第2の本体保持セグメントと、先端および後端の前記他方を保持するための第2の端部保持セグメントとを備え、第2の取り付け部材は、少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントまたは第2の端部保持セグメントを複数の第2の取り付け位置の各第2の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている。よって、第1の端部保持部材と第2の端部保持部材両方の位置を、異なる長さのストリップを保持するように容易に適応させることができる。さらに、各取り付け部材が複数の取り付け位置を特徴とするので、第1の端部取り付け部材と第2の端部取り付け部材との間の移送ホイール上で提供できる長さの範囲を大幅に増加させることができる。
【0025】
好ましくは、主要部分を横切る円周方向で考慮された互いに最も近い第1の取り付け位置および第2の取り付け位置と、主要部分を横切る円周方向で考慮された互いから最も遠く離れた第1の取り付け位置および第2の取り付け位置との角度の差は、少なくとも60度、好ましくは少なくとも80度である。よって、前述の極端な位置で第1の端部保持部材と第2の端部保持部材との間に実質的に保持することができるストリップの長さを、角度の差と等しい弧長で変えることができる。
【0026】
別の実施形態では、第1の端部分と第2の端部分とは、少なくとも100度、好ましくは少なくとも120度にわたって円周方向に主要部分によって離間されている。第1の端部分と第2の端部分との間の間隔は、保持領域の主要部分に沿って保持することができるストリップ本体の最小長を規定する。
【0027】
別の実施形態では、第1の端部分と第2の端部分とは、互いに正反対の位置に配置されている。よって、第1の端部保持セグメントと第2の端部保持セグメントとを、互いに正反対に、または実質的に正反対に配置することができる。
【0028】
別の実施形態では、保持領域は、円周方向に移送ホイールの300度未満、好ましくは280度未満にわたって延在する。よって、移送ホイールの円周の一部のみがストリップを受け入れるために実際に使用される。残りの円周は他の目的に、すなわちカウンタウエイトに使用することができる。好ましくは、移送ホイールは、ホイール軸の周りで少なくとも部分的に移送ホイールのバランスをとるために保持領域と正反対にカウンタウエイト部分をさらに備える。特に、カウンタウエイト部分は、カウンタウエイト部分と正反対にある保持セグメントのグループと同じかまたは実質的に同じ重量を有する。より好ましくは、移送ホイールは、可変重量カウンタウエイトに選択的に組み合わせ可能な複数のカウンタウエイト要素を備える。個別のカウンタウエイト要素は、単一の本体カウンタウエイトと比較してより容易に製造することができる。
【0029】
さらなる実施形態では、移送ホイールは、円周方向に移送ホイールの周りに分散された、複数のさらなる取り付け部材を備え、第1の取り付け部材は、それらさらなる取り付け部材のうちのいずれか1つと交換可能である。これにより、端部保持セグメントの位置決め、配置および/または取り付けにさらに一層大きな柔軟性を提供することができる。
【0030】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による移送ホイールを備える移送装置を提供し、移送装置は、移送ホイールを支持するためのベースと、ホイール軸に垂直な作用方向にベースに対して移送ホイールを移動させるための駆動装置とをさらに備え、移送装置は、移送ホイールが駆動装置と関係なく作用方向と反対の後退方向にベースに対して移動することを可能にする過負荷保護機構をさらに備える。過負荷保護機構は、移送ホイールがタイヤ製造ドラムに対して過度の力で押し付けられたとき、または移送ホイール上もしくはタイヤ製造ドラム上の凸凹より、移送ホイールとタイヤ製造ドラムとの間で過度の力が発生したときに作動し得る。その場合、駆動装置が移送ホイールを作用方向にまだ駆動しているかどうかにかかわらず、移送ホイールを後退方向に後退させることができる。
【0031】
前述の過負荷保護機構は、本発明による移送ホイールから個別に、すなわち、同じ力および方向が適用される従来の移送ホイールまたは任意の適切なドラム状もしくはホイール状の要素と組み合わせて適用され得ることは明らかであろう。
【0032】
移送装置の好ましい実施形態では、駆動装置は、後退方向にベースに対して全体として移動可能であり、過負荷保護機構は、作用方向にベースに対して駆動装置を付勢するための付勢部材を備え、前記付勢部材は、過度の力が移送ホイールに加えられたときに、駆動装置が後退方向に全体として移動することを可能にする。駆動装置が作用方向に移送ホイールを移動させているよりも多く駆動装置を後退方向に全体として移動させることにより、結果として移送ホイールは後退方向に移動することになる。
【0033】
より好ましくは、付勢部材は、空気圧シリンダである。空気圧シリンダは、移送ホイールとタイヤ製造ドラムとの間の力を吸収する緩衝装置として働くことができる。
【0034】
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による移送ホイールを使用して、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための方法を提供し、方法は、複数の第1の取り付け位置の第1の取り付け位置の1つにおいて少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つの第1の本体保持セグメントを第1の端部保持セグメントと交換するステップを含む。
【0035】
方法は、本発明の第1の態様による移送ホイールの実際の実施態様を含み、よって、同じ技術的利点があり、これについては以下で繰り返さない。
【0036】
方法の好ましい実施形態では、移送ホイールは、第2の端部分で第2のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第2の取り付け位置を規定する第2の取り付け部材を備え、第2のグループの保持セグメントは、ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第2の本体保持セグメントと、先端および後端の前記他方を保持するための第2の端部保持セグメントとを備え、第2の取り付け部材は、少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントまたは第2の端部保持セグメントを複数の第2の取り付け位置の各第2の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されており、方法は、複数の第2の取り付け位置の第2の取り付け位置の1つにおいて少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントを第2の端部保持セグメントと交換するステップをさらに含む。
【0037】
本明細書に記載し、図示する様々な態様および特徴は、可能な限り個別に適用することができる。これら個別の態様、特に、添付の従属請求項に記載される態様および特徴は、分割特許出願の対象とすることができる。
【0038】
本発明を、添付の概略図面に示されている例示的な実施形態に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の第1の実施形態による、ストリップ、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイールを備えた移送装置を示す右側面図である。
【
図2】
図1による移送ホイールを示す等角図である。
【
図3】
図2による移送ホイールを示す右側面図である。
【
図4】
図2による移送ホイールの上から見た詳細を示す図である。
【
図5】
図2による移送ホイールの下から見た詳細を示す図である。
【
図6】
図3の線VI~VIによる移送ホイールを示す断面図である。
【
図7】
図3の線VII~VIIによる移送ホイールを示す断面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態による代替の移送ホイールを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1および
図8に、本発明の第1の例示的な実施形態による移送ホイール1を備える移送装置200を示す。移送ホイール1は、ストリップS、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムDに移送するために使用される。
【0041】
移送装置200は、移送ホイール1をタイヤ製造ドラムDに対して支持するためのベース201と、移送ホイール1をタイヤ製造ドラムDに向かって作用方向Tにベース201に対して移動させるための駆動装置202とをさらに備える。好ましくは、移送装置200は、移送ホイール201を運ぶためのシート210と、移送ホイール1が作用方向Tにベース201に対して前後に移動することを可能にするシート210とベース201との間の1つまたは複数の案内要素211、212とを備える。この例示的な実施形態では、駆動装置202は線形駆動装置であり、好ましくは、作用方向Tに延在可能であり、作用方向Tに沿って、シート210と、シート210上に支持された移送ホイール1とを押したり引いたりするためにシート210に動作可能に接続されているものである。
【0042】
ストリップSは、先端LEと、後端TEと、先端LEから後端TEまで延在するストリップ本体Bとを有する。ストリップSは、通常、エラストマー材料、すなわちゴムから作られている。
【0043】
図1~
図3に示されるように、移送ホイール1は、ホイール軸Aを中心に回転可能である。移送ホイール1は、前記ホイール軸Aに垂直な半径方向Rを有する。移送ホイール1は、回転駆動装置(図示されていない)によって駆動されるように配置されている。移送ホイール1は、円周方向Cにホイール軸Aの周りに同軸に延在する外周面10を有する。移送ホイール1は、ストリップSを移送ホイール1に保持するために前記ホイール軸Aの周りに円周方向Cに延在する保持領域Gを規定する。この例示的な実施形態では、保持領域Gは、先端LEを保持するための第1の端部分E1と、後端TEを保持するための第2の端部分E2と、ストリップ本体Bを保持するための第1の端部分E1と第2の端部分E2との間に円周方向Cに位置する主要部分Mとに分割されている。
【0044】
移送ホイール1は、ホイール本体11と、複数の保持セグメント3~7を受け入れるためにホイール本体11の周りに分散された複数の取り付け部材21~26とを備える。複数の保持セグメント3~7は、移送ホイール10の外周面10の少なくとも一部を形成および/または規定し、ストリップSを保持領域Gに沿って外周面10に保持するように適応されている。好ましくは、各取り付け部材21~26は、複数の保持セグメント3~7、この例では取り付け部材21~26につき8個を受け入れるように配置されている。あるいは、すべての保持セグメント3~7を保持するように配置されたただ1つの取り付け部材が設けられる。さらに別の代替の実施形態では、取り付け部材21~26のうちの1つもしくは複数または単一の取り付け部材は、ホイール本体11と一体であり得る。
【0045】
保持セグメント3~7は、以下でさらに詳細に説明される方法で(1つまたは複数の)取り付け部材21~26に取り付け、取り付け部材21~26から取り外しすることができ、よって、必ずしも移送ホイール1の一部を形成しないことに留意されたい。ただし移送ホイール1は、移送ホイール1にすでに含まれ、かつ/または取り付けられている保持セグメント3~7を備えていてもよい。
【0046】
保持セグメントのうちの1つまたは複数は、好ましくは、ストリップSの形状および/または前記ストリップSの凸凹に容易に適応できる比較的柔らかい外表面を備える。この柔らかく、弾性変形可能な外表面は材料にぴったり合い、それによって空気を追い出し、エアポケットの形成を防ぐことができる。特に、保持セグメントは、保持セグメントの本体上に本体の半径方向外表面を形成するように接着または加硫されたポリウレタンコーティングまたはシリコーンゴムコーティングを備え得る。あるいは、粘着性のストリップSが保持セグメントに付着するのを防ぐコーティング、すなわち、PTFEまたはテフロン(Teflon)を含むコーティングが使用されてもよい。
【0047】
図3に詳細に示されているように、複数の取り付け部材21~26は、第1の端部分E1で、第1のグループの保持セグメント3、4を受け入れるための、複数の第1の取り付け位置P1~P8、この例では8個の第1の取り付け位置P1~P8を形成および/または規定する第1の取り付け部材21を備える。複数の取り付け部材21~26は、第2のグループの保持セグメント5、6を受け入れるための、複数の第2の取り付け位置P9~P16、この例では8個の第2の取り付け位置P9~P16を形成および/または規定する第2の取り付け部材22をさらに備える。複数の取り付け部材21~26は、複数の保持セグメント7を受け入れるための複数のさらなる取り付け位置を各々形成および/または規定する、いくつかのさらなる取り付け部材23~26をさらに備える。
【0048】
第1の取り付け部材21は、第1のグループの保持セグメント3、4をそれぞれの第1の取り付け位置P1~P8において円周方向Cに互いに直接隣接して受け入れるように配置されている。同様に、第2の取り付け部材22も、第2のグループの保持セグメント5、6をそれぞれの第1の取り付け位置P9~P16において円周方向Cに互いに直接隣接して受け入れるように配置されている。
【0049】
第1のグループの保持セグメント3、4は、ストリップ本体Bを保持するための複数の第1の本体保持セグメント3と、ストリップSの先端LEを保持するための第1の端部保持セグメント4とを備える。
【0050】
図4に最もよく示されているように、各第1の本体保持セグメント3は、セグメント本体30と、ストリップ本体Bをそれぞれの第1の本体保持セグメント3に保持するためのセグメント本体30の半径方向外向き側に配置された、少なくとも1つの本体保持要素31、32とを備える。セグメント本体30は、第1の取り付け部材21の取り付け位置P1~P8のうちの1つに嵌合するように適切に成形され、かつ/または寸法を決められている。
【0051】
この例示的な実施形態では、各第1の本体保持セグメント3は、ストリップ本体Bに係合する方法が互いに異なる2つのタイプの本体保持要素31、32を備える。特に、第1のタイプは、ストリップ本体Bを吸引によってそれぞれの第1の本体保持セグメント3に保持するための吸引要素31である。あるいは、加圧下の吸引要素31が、圧縮空気の供給源に動作可能に接続されたベンチュリ要素によって吸引要素31において生成されてもよい。
【0052】
図5に示されているように、第1の本体保持セグメント3は、吸引要素31を移送ホイール1またはその近くで部分真空または圧縮空気の供給源に動作可能に接続するための第1の入力開口部37を備える。第1の入力開口部37は、好ましくは、対応する第1の出力開口部27を有する第1の取り付け部材21の表面と直接接触するセグメント本体30の側に位置する。
【0053】
第2のタイプは針32である。
図4に示される第1の本体保持セグメント3は、吸引要素31の両側に1本ずつ2本の針32を有する。どちらのタイプの本体保持要素31、32も、ストリップ本体Bを半径方向Rに係合するように配置されている。吸引要素31は、ストリップ本体Bを針32上に効果的に引っ張り、同時に、ストリップ本体Bが半径方向Rに吸引要素31から後退するのを防ぐことができる。針32は、円周方向Cのストリップ本体Bの移動を防ぐことができる。この例では、針32は、ねじ穴に受け入れられ、穴内のねじに対してそのベースをねじ込むか、またはねじをゆるめることによって移送ホイール1の動作の前に位置決めされる。あるいは、針32は、所定の位置に恒久的に固定されていてもよい。
【0054】
図5に示されているように、第1の本体保持セグメント3は、取り付け位置P1~P8のそれぞれの1つの対応する取り付け穴20(
図4参照)に嵌合する2つの取り付けピン39を備える。取り付けピン39は、第1の本体保持セグメント3がそれぞれの取り付け位置P1~P8と適正に位置合わせされることを確実にする。取り付けピン39は、ねじ付き留め具、すなわち、ボルトであってもよく、取り付け穴20は、ねじ付き留め具を受け入れるためのねじ穴であってもよい。よって、第1の本体保持セグメント3を、そのそれぞれの取り付け位置P1~P8にしっかりと固定することができる。
【0055】
第1の端部保持セグメント4は、第1の本体保持セグメント3と同様に、第1の取り付け部材21の取り付け位置P1~P8の1つに嵌合するように適切に成形され、かつ/または寸法を決められたセグメント本体40を備える。特に、第1の端部保持セグメント4のセグメント本体40の形状は、同じ取り付け位置P1~P8に交換可能に嵌合するように、第1の本体保持セグメント3のセグメント本体30と同一または同様である。
図5に示されているように、第1の端部保持セグメント4は、第1の本体保持セグメント3の取り付けピン39と同様の、取り付けピン39と同じ位置の取り付けピン49を備える。よって、第1の端部保持セグメント4の取り付けピン49を、第1の本体保持セグメント3と同じ方法で取り付け位置P1~P8のそれぞれの1つの取り付け穴20と位置合わせし、嵌合することができ、よって、互換性が提供される。
【0056】
第1の端部保持セグメント4は、前述の第1の本体保持セグメント3とは、第1の端部保持セグメント4が、本体保持要素31、32の代わりに、動作において、またはストリップSが本体保持要素31、32から係合される方法において異なる少なくとも1つの端部保持要素41、42を備えるという点で異なる。言い換えると、少なくとも1つの端部保持要素41、42は、先端LEを保持するための専用である。
【0057】
この特定の実施形態では、
図4に最もよく示されているように、少なくとも1つの端部保持要素41、42は、第1の係合方向N1に先端LEに貫通するための複数の第1の針41と、第1の係合方向N1とは異なる第2の係合方向N2に前記先端LEに貫通するための複数の第2の針42とを備える。前記係合方向N1、N2は、それぞれの第1の端部保持セグメント4の取り付け位置P1~P8において半径方向Rに対して斜めである。第1の係合方向N1および第2の係合方向N2は、好ましくは、少なくとも30度、好ましくは少なくとも70度の角度にわたってオフセットされる。よって、第1の針41と第2の針42とは斜交いの構成で配置される。好ましくは、第1の針41と第2の針42とは互いに交互に配置される。
【0058】
よって、保持要素41、42は、先端LEを、半径方向Rに対して斜めの少なくとも1つの係合方向N1、N2に係合するように配置される。反対の角度が付いた針41、42により、一端貫通されると、少なくともストリップSを損傷することなく先端LEを第1の端部保持セグメント4から容易に取り外すことができないことが確実になる。第1の針41と第2の針42とは、セグメント本体40から少なくとも部分的に外側に突出する貫通位置と、セグメント本体40の内側に後退した解放位置との間で、それぞれの係合方向N1、N2に移動可能である。
【0059】
図7の断面に最もよく示されているように、針41、42の各々は、セグメント本体40内のそれぞれの穴またはチャンバ43、44に受け入れられ、穴またはチャンバ43、44を通ってそれぞれの係合方向N1、N2に空気圧で駆動し、後退させることができるプランジャのように働く。各穴またはチャンバ43、44は、それぞれの針41、42を作動させるために空気圧源に動作可能に接続されている。
【0060】
図5に示されているように、第1の端部保持セグメント4は、穴またはチャンバ43、44を移送ホイール1またはその近くで部分真空または圧縮空気の供給源に動作可能に接続するための複数の第2の入力開口部48を備える。第2の入力開口部48は、好ましくは、第1の取り付け部材21に複数の対応する第2の出力開口部28を有する第1の取り付け部材21の表面と直接接触するセグメント本体40の側に位置する。第1の取り付け部材21は、複数の第2の出力開口部28と空気連通するように配置された1つまたは複数の風洞29を備える。あるいは、1つまたは複数の風洞は、穴またはチャンバ43、44のいくつかまたは全部を単一の第2の入力開口部48に接続するために第1の端部保持セグメント4に設けられていてもよい。
【0061】
図4および
図5に示されているように、第1の取り付け部材21は、複数の第1の本体保持セグメント3の1つの第1の本体保持セグメント3または第1の端部保持セグメント4を複数の第1の取り付け位置P1~P8の各第1の取り付け位置P1~P8に交換可能に受け入れるように配置されている。図示の例では、第2の取り付け位置P2の第1の本体保持セグメント3が第6の取り付け位置P6の第1の端部保持セグメント4と交換される。第1の取り付け部材21は、前記1つの第1の本体保持セグメント3および前記第1の端部保持セグメント4を半径方向Rに受け入れ、解放するように配置されている。あるいは、保持セグメント3、4は、軸方向、半径方向Rまたはそれらの組み合わせの方向にそれぞれの取り付け位置P1~P8から滑らせて取り外されてもよい。
【0062】
図3、
図6、および
図7に概略的に示されているように、移送ホイール1は、第1の本体保持セグメント3の本体保持要素31、32を制御するための少なくとも1つの第1の制御部材91を備える。移送ホイール1は、第1の端部保持セグメント4の少なくとも1つの端部保持要素41を制御するための少なくとも1つの第2の制御部材92をさらに備える。本体保持要素31、32は、例えば、ストリップ本体Bが先端LEよりも早く解放されるべきである場合に、端部保持要素41から独立して制御される必要がある。しかしながら、保持セグメント3、4の互換性のために、第1の端部保持セグメント4の取り付け位置P1~P8は不明である。よって、前述の独立した制御を可能にするために、移送ホイール(1、101)は、各第1の取り付け位置P1~P8に、少なくとも1つの第1の制御部材91を第1の本体保持セグメント3の少なくとも1つの本体保持要素31、32に動作可能に接続するための第1のコネクタ81と、前記少なくとも1つの第2の制御部材92を第1の端部保持セグメント4の少なくとも1つの端部保持要素41に動作可能に接続するための第2のコネクタ82とを備える。よって、第1の本体保持セグメント3と第1の端部保持セグメント4のどちらがそれぞれの第1の取り付け位置P1~P8に取り付けられるかに応じて、第1の制御部材91と第1のコネクタ81との間の、または第2の制御部材92と第2のコネクタ82との間で接続を行うことができる。
【0063】
図6に最もよく示されているように、第1のコネクタ81は、第1の取り付け部材21の第1の出力開口部27と連通するように配置されている。
図7に最もよく示されているように、第2のコネクタ82は、第1の取り付け部材21の1つまたは複数の風洞29と連通するように配置されており、したがって、第1の取り付け部材21の第2の出力開口部28の各々と間接的に連通している。
【0064】
移送ホイール1は、第1のコネクタ81を介して第1の制御部材91と第1の端部保持セグメント4との間の動作可能な接続を確立することができない。他方、移送ホイール1は、第2のコネクタ92を介して第2の制御部材92と第1の本体保持セグメント3との間の動作可能な接続を確立することができない。特に、第1のコネクタ81は、第1の端部保持セグメント4との接続に(直接的にも間接的にも)適合しないように設計されており、第2のコネクタ82は、第1の本体保持セグメント3との接続に(直接的にも間接的にも)適合しないように設計されている。この非互換性は、第1のコネクタ81と関連付けられた第1の出力開口部27が第1の端部保持セグメント4の第2の入力開口部48とずれ、第2のコネクタ82と関連付けられた第2の出力開口部28が第1の本体保持セグメント3の第1の入力開口部37とずれるようにコネクタ81、82の位置をオフセットすることによって得ることができる。
【0065】
より好ましくは、第2の制御部材92が第1の本体保持セグメント3の本体保持要素31、32を意図せずに制御することを防ぐために、第1の本体保持セグメント3のセグメント本体30は、第1の本体保持セグメント3が取り付けられる第1の取り付け位置P1~P8のそれぞれの1つにおいてセグメント本体30が第1の取り付け部材21の第2の出力開口部28をシールするように適応される。同様に、第1の端部保持セグメント4のセグメント本体40も、第1の端部保持セグメント4が取り付けられる第1の取り付け位置P1~P8のそれぞれの1つにおいてセグメント本体40が第1の取り付け部材21の第1の出力開口部27をシールするように適応される。
【0066】
図1および
図3に示されているように、制御部材91、92は、供給源とそれぞれのコネクタ81、82との間で空気を連通するための気送管、ホースおよび/またはバルブブロックの構成であり得る。
図1および
図3には、明確にするためにごく少数の気送管が示されている。実際には、あらゆるコネクタ81、82が制御部材91、92のそれぞれの1つを介して供給源に動作可能に接続されることになる。
【0067】
あるいは、制御部材91、92は、それぞれのコネクタ81、82に直接接続された真空または圧縮空気の供給源であってもよい。さらに別の代替の実施形態では、保持要素31、32、41のうちの1つまたは複数が、異なる媒体を介して、すなわち、油圧式でまたは電気的に作動されてもよく、その場合には適切な制御部材および適切なコネクタを適用することができる。
【0068】
図3に示されているように、第2の取り付け部材22は、第2の端部分E2で第2のグループの保持セグメント5、6を受け入れるための複数の第2の取り付け位置P9~P16を形成および/または規定する。第2のグループの第2のグループの保持セグメント5、6は、ストリップ本体Bを保持するための複数の第2の本体保持セグメント5と、前記後端TEを保持するための第2の端部保持セグメント6とを備える。第2の本体保持セグメント5は、第1の本体保持セグメント3と同様または同一であり得る。第2の端部保持セグメント6は、第1の端部保持セグメント4と同様または同一であり得る。第2の取り付け部材22は、複数の第2の取り付け位置P9~P16の各第2の取り付け位置P9~P16において複数の第1の本体保持セグメント5の1つの第2の本体保持セグメント5または第2の端部保持セグメント6を交換可能に受け入れるように配置されている。このために、第2の取り付け部材22は、第1の取り付け部材21と同じかまたは実質的に同じ接続機構を備える。したがって、これらの機構については以下で詳細に論じない。
【0069】
さらなる取り付け部材23~26は、さらなる保持セグメント7を受け入れるための複数の取り付け位置を規定する。さらなる保持セグメント7は、第1の本体保持セグメント3と同様または同一であり得る。あるいは、さらなる保持セグメント7は、様々な保持セグメント3~7間の混同を回避するために前記第1の本体保持セグメント3と異なっていてもよい。さらに別の代替の実施形態では、さらなる保持セグメント7は、それぞれのさらなる取り付け部材23~26に恒久的に固定され得る。
【0070】
さらなる取り付け部材23~26は、第1の取り付け部材21および第2の取り付け部材22とは、第2の制御部材92と第1の端部保持セグメント4の第2の入力開口部48との間の接続を確立するのに適さないという点で異なる。よって、第1の端部保持セグメント4は、さらなる取り付け部材23~26によって規定される取り付け位置のいずれか1つに嵌合され得るが、前記保持セグメント4は、前記取り付け位置のいずれか1つにおいて機能することができない。ゆえに、第1の取り付け部材21の第1の取り付け位置P1~P8および第2の取り付け部材22の第2の取り付け位置P9~P16のみを、本体保持セグメント3、5、7のそれぞれの1つを用いて、第1の端部保持セグメント4および第2の端部保持セグメント6の位置をそれぞれ交換するために使用することができる。
【0071】
あるいは、主要部分Mは、取り付け部材と同様に、ただし取り付け位置なしで、単一の支持セグメントまたは複数の支持セグメントによって形成されている。よって、前記(1つまたは複数の)支持セグメントの唯一の目的は、ストリップ本体Bをそれぞれの端部分E1、E2の間に支持することである。
【0072】
主要部分Mを横切る円周方向Cで考慮された互いに最も近い第1の取り付け位置P1および第2の取り付け位置P9と、主要部分Mを横切る円周方向Cで考慮された互いから最も遠く離れた第1の取り付け位置P8および第2の取り付け位置P16との角度の差は、少なくとも60度、好ましくは少なくとも80度であることに留意されたい。よって、ストリップSの長さを、前記差角の範囲内で外周面10の弧長と等しい長さの差で変えることができる。
【0073】
図3に最もよく示されているように、第1の端部分E1は、円周方向Cに移送ホイール1の180度未満、好ましくは70度未満にわたって延在する。この特定の例では、第1の端部分E1は約45度に及ぶ。第1の端部分E1と第2の端部分E2とは、少なくとも100度、好ましくは少なくとも120度にわたって円周方向Cに主要部分Mによって離間されている。好ましくは、第1の端部分E1と第2の端部分E2とは、互いに正反対の位置に配置されている。
【0074】
保持領域Gは、円周方向Cに移送ホイール1の300度未満、好ましくは280度未満にわたって延在することがさらに認められる。移送ホイール1は、移送ホイール1の残りの、または未使用の外周に、好ましくは、保持領域Gと正反対に、カウンタウエイト部分Wを備える。カウンタウエイト部分Wは、保持領域GにおいてストリップSの余分な重量を少なくとも部分的に補償し得る。
【0075】
図2および
図4に最もよく示されているように、移送ホイール1は、可変重量カウンタウエイトに選択的に組み合わせ可能な複数のカウンタウエイト要素W1~W9を備える。カウンタウエイト要素W1~W9は、好ましくは、一緒に挟んでカウンタウエイトを形成することができる板状の要素である。
【0076】
図8に示されているように、移送装置200は、移送ホイール1が駆動装置202と関係なく作用方向Tと反対の後退方向Vにベース70に対して移動することを可能にする過負荷保護機構203をさらに備える。
【0077】
特に、駆動装置202は全体として、後退方向Vにベース201に対して移動可能である。過負荷保護機構203は、通常の負荷条件下で、作用方向Tにベース201に対して駆動装置202に付勢する付勢部材230を備える。結果として、移送ホイール1は、前記作用方向Tに移動してタイヤ製造ドラムDと接触するように付勢される。しかしながら、移送ホイール1に過度の力が加わると、前記付勢部材230は、駆動装置202が後退方向Vに付勢部材230の付勢に対して全体として移動することを可能にする。
【0078】
この例示的な実施形態では、付勢部材230は、過度の負荷の緩衝装置または吸収装置として働くことができる空気圧シリンダである。好ましくは、過負荷保護機構203は、一端ではベース201に、他端では駆動装置202にヒンジ結合されているレバー231を備える。付勢部材230は、レバー231に力のモーメントとして付勢力を加えるために、一端ではベース201に、他端では、レバー231のベース201および駆動装置202への結合部から離間されたレバー231上の位置に結合されている。
【0079】
あるいは、動きをより平行に保つために、付勢部材230を、より複雑なリンク機構を使用して駆動装置202に接続することもできる。さらに別の代替の実施形態では、付勢部材230を、駆動装置202に直接、すなわち、作用方向Tに前記駆動装置202と一直線上に結合することができる。
【0080】
図9に、前述の移送ホイール1とは、保持領域が移送ホイール101の全周にわたって延在しているという点で異なる、本発明の第2の例示的な実施形態による代替の移送ホイール101を示す。よって、前の実施形態とは対照的に、カウンタウエイト部分がない。
【0081】
代替の移送ホイール101は、交換可能な保持セグメント3、4、5、6を受け入れるための、前述の第1の取り付け部材21および第2の取り付け部材22と同様の第1の取り付け部材121と第2の取り付け部材122とをさらに備える。しかしながら、例えば、代替の移送ホイール101は、取り付け可能な保持セグメントではなく、保持要素131、132が一体化された代替のさらなる取り付け部材123~128を特徴とする。これが、代替の移送ホイール101が比較的軽量であり得る理由であり、これによりカウンタウエイト部分の必要性も低減される。
【0082】
前述の移送ホイール1、101を使用してストリップSをタイヤ製造ドラムDに移送するための方法を、
図1~
図9を参照して以下で簡単に説明する。
【0083】
この方法は、複数の第1の取り付け位置P1~P8の第1の取り付け位置P1~P8の1つにおいて複数の第1の本体保持セグメント3の1つの第1の本体保持セグメント3を第1の端部保持セグメント4と交換するステップを含む。
【0084】
任意選択で、この方法は、複数の第2の取り付け位置P9~P16の第2の取り付け位置P9~P16の1つにおいて複数の第2の本体保持セグメント5の1つの第2の本体保持セグメント5を第2の端部保持セグメント6と交換するステップをさらに含む。
【0085】
第1の端部保持セグメント4および/または第2の端部保持セグメント6の位置を変更することによって、異なる長さのストリップSを移送ホイール1、101に保持ことを容易にするように、ストリップSの先端LEおよび/または後端TEが保持される位置を適応させることができる。
【0086】
以上の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれるものであり、本発明の範囲を限定するためのものではないことを理解されたい。以上の考察を読めば、本発明の範囲にやはり包含されるはずの多くの変形が当業者には明らかになるであろう。
【0087】
例えば、複数の第1の端部保持セグメント4が、第1の端部保持領域E1において、すなわち、先端LEをより大きい表面積にわたって保持するためおよび/または前記複数の第1の端部保持セグメント4の配置の柔軟性を高めるために使用されてもよい。同様に、複数の第2の端部保持セグメント6を、送り端部保持領域E2に設けることもできる。
【0088】
さらに、第1の取り付け部材21、121および第2の取り付け部材22、122自体が、それらをさらなる取り付け部材23~26、123~128のいずれか1つと交換できるようにして、端部保持セグメント4、6の位置決め、配置および/または取り付けにさらに一層大きな柔軟性を提供するために、交換可能に、移送ホイール1、101のホイール本体11上で受けられ、かつ/またはホイール本体11に取り付けられてもよい。例えば、
図1では、第2の取り付け部材22は、図示の現在位置のどちらかの側のさらなる取り付け部材25、26のいずれか1つと交換され得る。
【0089】
要約すると、本発明は、ストリップS、特にランフラット補強ストリップまたはサイドウォールストリップをタイヤ製造ドラムDに移送するための移送ホイール1、101、移送装置200、および方法に関し、移送ホイール1、101は、先端LEを保持するための第1の端部分E1と、後端TEを保持するための第2の端部分E2と、ストリップ本体Bを支持するための主要部分Mとに分割される保持領域Gを規定し、移送ホイール1、101は、第1の端部分E1で第1のグループの保持セグメント3、4を受け入れるための複数の第1の取り付け位置P1~P8を規定する第1の取り付け部材21を備え、第1のグループの保持セグメント3、4は、ストリップ本体Bを保持するための第1の本体保持セグメント3と、先端LEを保持するための第1の端部保持セグメント4とを備え、第1の取り付け部材21は、1つの第1の本体保持セグメント3または第1の端部保持セグメント4を各第1の取り付け位置P1~P8に交換可能に受け入れるように配置されている。
【符号の説明】
【0090】
1 移送ホイール
10 外周面
11 ホイール本体
20 取り付け穴
21 第1の取り付け部材
22 第2の取り付け部材
23-26 さらなる取り付け部材
27 第1の出力開口部
28 第2の出力開口部
29 風洞
3 第1の本体保持セグメント
30 セグメント本体
31 吸引要素
32 針
37 第1の入力開口部
39 取り付けピン
4 第1の端部保持セグメント
40 セグメント本体
41 第1の針
42 第2の針
43 穴またはチャンバ
44 穴またはチャンバ
48 第2の入力開口部
49 取り付けピン
5 第2の本体保持セグメント
6 第2の端部保持セグメント
7 さらなる保持セグメント
81 第1のコネクタ
82 第2のコネクタ
91 第1の制御部材
92 第2の制御部材
101 代替の移送ホイール
121 第1の取り付け部材
122 第2の取り付け部材
123-128 さらなる取り付け部材
131 吸引要素
132 針
200 移送装置
201 ベース
210 シート
211 案内要素
212 案内要素
202 駆動装置
203 過負荷保護機構
230 付勢部材
A ホイール軸
B ストリップ本体
C 円周方向
D タイヤ製造ドラム
E1 第1の端部分
E2 第2の端部分
G 保持領域
LE 先端
M 主要部分
N1 第1の係合方向
N2 第2の係合方向
P1~P8 第1の取り付け位置
P9~P16 第2の取り付け位置
S ストリップ
TE 後端
【手続補正書】
【提出日】2021-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための移送ホイールであって、
前記ストリップが、先端と、後端と、前記先端から前記後端まで延在するストリップ本体とを有し、前記移送ホイールが、ホイール軸を中心に回転可能であり、前記ストリップを前記移送ホイールに保持するために前記ホイール軸の周りに円周方向に延在する保持領域を規定し、前記保持領域が、前記先端および前記後端の一方を保持するための第1の端部分と、前記先端および前記後端の他方を保持するための第2の端部分と、前記ストリップ本体を支持するための前記第1の端部分と前記第2の端部分との間の前記円周方向の主要部分とに分割されており、前記移送ホイールが、前記第1の端部分で第1のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第1の取り付け位置を規定する第1の取り付け部材を備え、前記第1のグループの保持セグメントが、前記ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第1の本体保持セグメントと、前記先端および前記後端の前記一方を保持するための第1の端部保持セグメントとを備え、前記第1の取り付け部材が、前記少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つの第1の本体保持セグメントまたは前記第1の端部保持セグメントを前記複数の第1の取り付け位置の各第1の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている、
移送ホイール。
【請求項2】
前記移送ホイールが、前記第1のグループの保持セグメントを備える、
請求項1に記載の移送ホイール。
【請求項3】
各第1の本体保持セグメントが、前記ストリップ本体を前記それぞれの第1の本体保持セグメントに保持するための少なくとも1つの本体保持要素を備え、前記第1の端部保持セグメントが、前記先端および前記後端の前記一方を前記第1の端部保持セグメントに保持するための、前記少なくとも1つの本体保持要素とは動作が異なる少なくとも1つの端部保持要素を備える、
請求項2に記載の移送ホイール。
【請求項4】
前記移送ホイールが、前記少なくとも1つの本体保持要素を制御するための少なくとも1つの第1の制御部材と、前記少なくとも1つの端部保持要素を制御するための少なくとも1つの第2の制御部材とを備える、
請求項3に記載の移送ホイール。
【請求項5】
前記移送ホイールが、各第1の取り付け位置に、前記少なくとも1つの第1の制御部材を前記第1の本体保持セグメントの前記少なくとも1つの本体保持要素に動作可能に接続するための第1のコネクタと、前記少なくとも1つの第2の制御部材を前記第1の端部保持セグメントの前記少なくとも1つの端部保持要素に動作可能に接続するための第2のコネクタとを備え、前記動作可能な接続が、前記第1の本体保持セグメントと前記第1の端部保持セグメントのどちらが前記それぞれの第1の取り付け位置に取り付けられるかに応じて行われる、
請求項4に記載の移送ホイール。
【請求項6】
前記移送ホイールが、前記第1のコネクタを介して前記少なくとも1つの第1の制御部材と前記第1の端部保持セグメントとの間の前記動作可能な接続を確立することができず、前記移送ホイールが、前記第2のコネクタを介して前記少なくとも1つの第2の制御部材と前記第1の本体保持セグメントとの間の動作可能な接続を確立することができない、
請求項5に記載の移送ホイール。
【請求項7】
前記第1の本体保持セグメントが、前記第1のコネクタと関連付けられた少なくとも1つの第1の出力開口部との動作可能な接続のための少なくとも1つの第1の入力開口部を備え、前記第1の端部保持セグメントが、前記第2のコネクタと関連付けられた少なくとも1つの第2の出力開口部との動作可能な接続のための少なくとも1つの第2の入力開口部を備え、前記少なくとも1つの第1の出力開口部と前記少なくとも1つの第2の出力開口部の位置がオフセットされている、
請求項5または6に記載の移送ホイール。
【請求項8】
前記第1のコネクタが、前記少なくとも1つの第2の制御部材への接続に適合せず、前記第2のコネクタが、前記少なくとも1つの第1の制御部材への接続に適合しない、
請求項5~7のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第1の制御部材または前記少なくとも1つの第2の制御部材が空気圧式である、
請求項5~8のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項10】
前記第1の端部保持セグメントが、前記第1のコネクタをシールするように配置され、前記第1の本体保持セグメントが、前記第1の本体保持セグメントと前記第1の端部保持セグメントのどちらが前記それぞれの第1の取り付け位置に取り付けられるかに応じて、前記第2のコネクタをシールするように配置される、
請求項9に記載の移送ホイール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの本体保持要素が、前記ストリップ本体を前記ホイール軸に垂直な半径方向に係合するように配置される、
請求項3~10のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項12】
前記少なくとも1つの本体保持要素が、吸引要素または針を備える、
請求項3~11のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項13】
前記少なくとも1つの端部保持要素が、半径方向に対して斜めの少なくとも1つの係合方向に前記先端および前記後端の前記一方と係合するように配置される、
請求項3~12のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項14】
前記少なくとも1つの端部保持要素が、第1の係合方向に前記先端および前記後端の前記一方に貫通するための複数の第1の針と、前記第1の係合方向とは異なる第2の係合方向に前記先端および前記後端の前記一方に貫通するための複数の第2の針とを備える、
請求項3~13のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項15】
前記第1の係合方向と前記第2の係合方向とが、少なくとも30度の角度にわたってオフセットされる、
請求項14に記載の移送ホイール。
【請求項16】
前記第1の端部分が、前記円周方向に前記移送ホイールの180度未満にわたって延在する、
請求項1~15のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項17】
前記第1の取り付け部材が、少なくとも3つの第1の取り付け位置を規定する、
請求項1~16のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項18】
前記第1の取り付け部材が、前記第1のグループの前記保持セグメントを前記それぞれの第1の取り付け位置において前記円周方向に互いに直接隣接して受け入れるように配置されている、
請求項1~17のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項19】
前記移送ホイールが、前記第2の端部分で第2のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第2の取り付け位置を規定する第2の取り付け部材を備え、前記第2のグループの保持セグメントが、前記ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第2の本体保持セグメントと、前記先端および前記後端の前記他方を保持するための第2の端部保持セグメントとを備え、前記第2の取り付け部材が、前記少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントまたは前記第2の端部保持セグメントを前記複数の第2の取り付け位置の各第1の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されている、
請求項1~18のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項20】
前記主要部分を横切る前記円周方向で考慮された互いに最も近い前記第1の取り付け位置および前記第2の取り付け位置と、前記主要部分を横切る前記円周方向で考慮された互いから最も遠く離れた前記第1の取り付け位置および第2の取り付け位置との角度の差が、少なくとも60度である、
請求項19に記載の移送ホイール。
【請求項21】
前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、少なくとも100度にわたって前記円周方向に前記主要部分によって離間されている、
請求項1~20のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項22】
前記第1の端部分と前記第2の端部分とが、互いに正反対の位置配置されている、
請求項1~21のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項23】
前記保持領域が、前記円周方向に前記移送ホイールの300度未満にわたって延在する、
請求項1~22のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項24】
前記移送ホイールが、前記ホイール軸の周りで少なくとも部分的に前記移送ホイールのバランスをとるために前記保持領域と正反対にカウンタウエイト部分をさらに備える、
請求項23に記載の移送ホイール。
【請求項25】
前記移送ホイールが、可変重量カウンタウエイトに選択的に組み合わせ可能な複数のカウンタウエイト要素を備える、
請求項24に記載の移送ホイール。
【請求項26】
前記移送ホイールが、前記円周方向に前記移送ホイールの周りに分散された、複数のさらなる取り付け部材を備え、前記第1の取り付け部材が、前記さらなる取り付け部材のうちのいずれか1つと交換可能である、
請求項1~25のいずれか一項に記載の移送ホイール。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の移送ホイールを備える移送装置であって、
前記移送装置が、前記移送ホイールを支持するためのベースと、前記ホイール軸に垂直な作用方向に前記ベースに対して前記移送ホイールを移動させるための駆動装置とをさらに備え、前記移送装置が、前記移送ホイールが前記駆動装置と関係なく前記作用方向と反対の後退方向に前記ベースに対して移動することを可能にする過負荷保護機構をさらに備える、
移送装置。
【請求項28】
前記駆動装置が全体として、前記後退方向に前記ベースに対して移動可能であり、前記過負荷保護機構が、前記作用方向に前記ベースに対して前記駆動装置を付勢するための付勢部材を備え、前記付勢部材が、過度の力が前記移送ホイールに加えられたときに、前記駆動装置が前記後退方向に全体として移動することと可能にする、
請求項27に記載の移送装置。
【請求項29】
前記付勢部材が、空気圧シリンダである、
請求項28に記載の移送装置。
【請求項30】
請求項1~26のいずれか一項に記載の移送ホイールを使用して、ストリップをタイヤ製造ドラムに移送するための方法であって、
前記方法が、前記複数の第1の取り付け位置の前記第1の取り付け位置の1つにおいて前記少なくとも1つの第1の本体保持セグメントの1つの第1の本体保持セグメントを前記第1の端部保持セグメントと交換するステップを含む、
方法。
【請求項31】
前記移送ホイールが、前記第2の端部分で第2のグループの保持セグメントを受け入れるための複数の第2の取り付け位置を規定する第2の取り付け部材を備え、前記第2のグループの保持セグメントが、前記ストリップ本体を保持するための少なくとも1つの第2の本体保持セグメントと、前記先端および前記後端の前記他方を保持するための第2の端部保持セグメントとを備え、前記第2の取り付け部材が、前記少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントまたは前記第2の端部保持セグメントを前記複数の第2の取り付け位置の各第2の取り付け位置に交換可能に受け入れるように配置されており、前記方法が、前記複数の第2の取り付け位置の前記第2の取り付け位置の1つにおいて前記少なくとも1つの第2の本体保持セグメントの1つの第2の本体保持セグメントを前記第2の端部保持セグメントと交換するステップをさらに含む、
請求項30に記載の方法。
【国際調査報告】