(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】生物学的有効性を示す合成および組換えにより製造されたコラーゲンペプチド
(51)【国際特許分類】
C07K 14/78 20060101AFI20220218BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20220218BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20220218BHJP
A23L 33/17 20160101ALI20220218BHJP
A61K 38/39 20060101ALI20220218BHJP
A61K 8/65 20060101ALI20220218BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220218BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 19/08 20060101ALI20220218BHJP
A61P 19/10 20060101ALI20220218BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220218BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220218BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220218BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20220218BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220218BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20220218BHJP
A61Q 19/06 20060101ALI20220218BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20220218BHJP
C12N 15/63 20060101ALN20220218BHJP
【FI】
C07K14/78
C12N15/12 ZNA
C12P21/02 C
A23L33/17
A61K38/39
A61K8/65
A61Q19/00
A61Q5/00
A61P19/08
A61P19/10
A61P21/00
A61P3/04
A61P17/00
A61P25/28
A61P25/00
A61P1/00
A61P9/00
A61P1/02
A61P19/02
A61Q19/08
A61Q19/06
A61Q11/00
C12N15/63 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021535581
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2019086613
(87)【国際公開番号】W WO2020127929
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222898.1
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019202608.7
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019207859.1
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521189075
【氏名又は名称】ジェリータ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハウズマンズ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】フレッヒ,ハンス-ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】エッザー,シュテフェン
(72)【発明者】
【氏名】ハーン,マルティン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B064
4C083
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB03
4B018LB07
4B018LB08
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE03
4B018LE04
4B018LE05
4B018MD20
4B018ME02
4B018ME04
4B018ME05
4B018ME10
4B018MF01
4B018MF08
4B064AG01
4B064CA06
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B064DA10
4C083AD431
4C083BB51
4C083BB53
4C083BB55
4C083BB60
4C083CC02
4C083CC28
4C083CC31
4C083CC41
4C083EE12
4C083EE29
4C083EE33
4C083FF01
4C084AA02
4C084AA07
4C084BA02
4C084DA40
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZA02
4C084ZA15
4C084ZA16
4C084ZA36
4C084ZA66
4C084ZA67
4C084ZA70
4C084ZA89
4C084ZA94
4C084ZA96
4C084ZA97
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045EA01
4H045EA15
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、本発明によるコラーゲンペプチドを含む製品、および本発明によるコラーゲンペプチドの製造方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、合成または組換えコラーゲンペプチド。
【請求項2】
前記コラーゲンペプチドは、配列番号1、15のアミノ酸配列、またはその機能保存配列改変体を有する、請求項1に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項3】
前記コラーゲンペプチドは、少なくとも1つのプロリン残基がヒドロキシル化された配列番号1のアミノ酸配列を有し、特に前記コラーゲンペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項1または請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項4】
前記コラーゲンペプチドは、配列番号1~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、特に、配列番号1~4、6~9、12~14、および18~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項5】
前記コラーゲンペプチドは、結合組織細胞、特に骨芽細胞、軟骨細胞および/または線維芽細胞において、細胞外マトリックスタンパク質、特にコラーゲンの合成を刺激することができる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項6】
前記コラーゲンペプチドは、アミノ酸修飾されておらず、特にヒドロキシル化されていない、請求項1または請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項7】
前記コラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されたプロリン、ヒドロキシル化されたリジン、またはヒドロキシル化されたプロリンおよびヒドロキシル化されたリジンを有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項8】
前記コラーゲンペプチドは、少なくとも1つのヒドロキシル化されたリジン上でグリコシル化されている、請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項9】
骨疾患、特に骨粗鬆症を予防および/もしくは治療する方法、サルコペニアを予防および/もしくは治療する方法、筋肉量の退行性低下を予防および/もしくは治療する方法、軟骨疾患を予防および/もしくは治療する方法、筋力を向上させる方法、ミトコンドリア活性の低下を特徴とする病態を予防および/もしくは治療する方法、特に持久力の低下を特徴とする病態を予防および/もしくは治療する方法、体脂肪低下を刺激する方法、体重を減少させる方法、変形性関節疾患を予防および/もしくは治療する方法、腱または靭帯の疾患を予防および/もしくは治療する方法、皮膚疾患を予防および/もしくは治療する方法、神経変性疾患を予防および/もしくは治療する方法、認知症を予防および/もしくは治療する方法、アルツハイマー病を予防および/もしくは治療する方法、精神機能の低下を特徴とする病態を予防および/もしくは治療する方法、血液脳関門の機能不全に関連する疾患を予防および/もしくは治療する方法、腸疾患、特に慢性炎症性腸疾患を予防および/もしくは治療する方法、心臓血管系の疾患、特に血管の構造および/もしくは機能の疾患を予防および/もしくは治療する方法、または歯周組織の疾患を予防および/もしくは治療する方法に使用するための、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドと、製薬学的に許容される少なくとも1つの添加物とを含む医薬組成物であって、特に骨疾患、特に骨粗鬆症を予防および/もしくは治療する方法、サルコペニアを予防および/もしくは治療する方法、筋肉量の退行性低下を予防および/もしくは治療する方法、軟骨疾患を予防および/もしくは治療する方法、筋力を向上させる方法、体脂肪低下を刺激する方法、体重を減少させる方法、変形性関節疾患を予防および/もしくは治療する方法、腱または靭帯の疾患を予防および/もしくは治療する方法、皮膚疾患を予防および/もしくは治療する方法、神経変性疾患を予防および/もしくは治療する方法、認知症を予防および/もしくは治療する方法、アルツハイマー病を予防および/もしくは治療する方法、血液脳関門の機能不全に関連する疾患を予防および/もしくは治療する方法、腸疾患、特に慢性炎症性腸疾患を予防および/もしくは治療する方法、心臓血管系の疾患、特に血管の構造および/もしくは機能の疾患を予防および/もしくは治療する方法、または歯周組織の疾患を予防および/もしくは治療する方法に使用するための、医薬組成物。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドと、食品に許容される少なくとも1つの添加物とを含む、栄養補助食品、食品または嗜好品。
【請求項12】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドと、少なくとも1つの皮膚適合性添加物とを含む、化粧品。
【請求項13】
筋力を向上させるための、筋肉量を増加させるための、体脂肪低下を刺激するための、体重を減少させるための、骨の健康を維持および/もしくは改善するための、皮膚の健康を維持および/もしくは改善するための、腸の健康を維持および/もしくは改善するための、血管構造を維持および/もしくは改善するための、心臓血管系の健康を維持およびもしくは改善するための、歯周組織を維持および/もしくは改善するための、ヒトもしくは動物の身体の爪および毛髪の健康を維持および/もしくは改善するための、ミトコンドリア数および/もしくはミトコンドリア活性を維持および/もしくは増加させるための、持久力を維持および/もしくは向上させるための、または精神機能を維持および/もしくは向上させるための、非治療的な方法であって、本発明による少なくとも1つのコラーゲンペプチドを前記ヒトまたは動物の身体に投与する、方法。
【請求項14】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドを組換えにより製造する方法であって、
a)少なくとも1つの発現カセットを有する発現系を提供する方法工程であって、前記発現カセットは、0.18~10kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列を有する方法工程と、
b)前記コラーゲンペプチドの発現を可能にする条件下で前記発現系を培養する方法工程と、
c)前記コラーゲンペプチドを回収する方法工程と
を含む、方法。
【請求項15】
前記発現系は、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞および植物細胞からなる群から選択される宿主細胞である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、脊椎動物、特に哺乳類、鳥類、魚類、両生類、爬虫類または無脊椎動物のコラーゲンペプチドである、請求項14または請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基をヒドロキシル化することができる宿主細胞である、請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記宿主細胞は、プロリル-4ヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を有する少なくとも1つの発現カセットを有し、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを回収する、請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記宿主細胞は、リシルヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を有する少なくとも1つの発現カセットを有し、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを回収する、請求項15から請求項18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基のヒドロキシル化を生じさせることができない、請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、本発明によるコラーゲンペプチドを含む製品、および本発明によるコラーゲンペプチドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンは、哺乳類、鳥類および魚類などの動物に含まれる細胞外構造タンパク質である。これは、通常は結合組織内で特に細胞外マトリックスの構成要素として存在している。腱、靭帯、軟骨および骨には特にコラーゲンが多く含まれている。一方、コラーゲンは、植物や単細胞生物には存在しない。
【0003】
コラーゲンには、構造的にも機能的にも様々に異なる種類があり、特にその構造、機能および由来が異なる。コラーゲンを構成するポリペプチド鎖は、細胞内で小胞体のリボソームにて比較的大きな前駆体分子の形で個別に合成され、広範な反復配列(Gly-X-Y)nを有しており、ここで、XおよびYは、いずれのアミノ酸であってもよいが、通常はプロリンおよび4-ヒドロキシプロリンである。
【0004】
これらの前駆体ポリペプチド鎖は、小胞体で翻訳後にヒドロキシル化され、ポリペプチド鎖のプロリン残基およびリジン残基にヒドロキシプロリン残基およびヒドロキシリジン残基が形成される。ヒドロキシル化は、細胞内でそれぞれ3本の前駆体ポリペプチド鎖から形成される右巻き三重らせん(プロコラーゲン)の隣接するコラーゲンポリペプチド鎖を安定化させる役割を果たす。
【0005】
このようにして形成されたプロコラーゲンは、細胞内でグリコシル化され、グリコシル化された三重らせん状の形態(トロポコラーゲン)で細胞から分泌され、その後、ペプチダーゼを介した末端残基の切断によりコラーゲンが形成される。これがフィブリル化の過程で集まってコラーゲンフィブリルとなり、これがその後共有結合により架橋して、コラーゲン線維を形成する。
【0006】
コラーゲンは変性した形態(その場合にはゼラチンと称される)、または加水分解物の形態でもしばしば使用される。
【0007】
コラーゲンペプチドを得るためにゼラチンまたはコラーゲンを加水分解プロセス、特に酵素加水分解に供すると、使用するコラーゲンの種類および由来、ならびに酵素の条件に応じて様々な組成および用途特性のコラーゲン加水分解物を製造することができる。ただし、これらのコラーゲン加水分解物は、分子量が特定のサイズ範囲内に分布するペプチドの混合物である。このようなコラーゲン加水分解物を、例えば栄養補助食品や化粧用助剤として、特に骨、関節または結合組織に関連する疾患の予防および/または治療に使用することは、長い間知られている。
【0008】
国際公開第2012/065782号には、豚皮ゼラチンから得られたコラーゲン加水分解物が記載されている。この加水分解物は、肌細胞による細胞外マトリックスタンパク質の生合成を刺激する働きがあり、特に化粧用途に適している。
【0009】
国際公開第2012/117012号には、平均分子量が1500~8000Daのウシの皮革(Ringerspalt)由来の酵素加水分解コラーゲンが開示されており、これは骨粗鬆症の予防および/または治療のためにプレバイオティクスと一緒に使用することができる。
【0010】
多くの用途や消費者層では、動物材料から得られたコラーゲン加水分解物の使用は有利であるが、特定の消費者層や用途特性では、そのようにして得られたコラーゲン加水分解物の使用が望ましくない場合もある。例えば、特定の消費者層は、例えばプロセス助剤などの健康に有害な微生物や薬剤による汚染や望ましくない免疫反応が懸念されることからにせよ、あるいは宗教的もしくは倫理的な動機からにせよ、動物材料から得られた原材料に対して根本的に批判的または否定的である。さらに、動物材料から得られるコラーゲン加水分解物を得るために使用される製造プロセスは、煩雑でかつ高コストの生成、精製および後処理工程を伴うことが多い。
【0011】
このような背景から、バイオテクノロジーにより遺伝子組換え技術を用いてゼラチン、コラーゲン、コラーゲン加水分解物および個々のコラーゲンペプチドを製造する方法が開発されたのは当然のことである。
【0012】
国際公開第2006/052451号には、ヒトのプロリルヒドロキシラーゼをも発現するピキア・パストリス(Pichia pastoris)株における組換えIII型コラーゲンの製造が開示されている。
【0013】
国際公開第2005/012356号には、ヒトI型コラーゲンと、それぞれ完全にヒドロキシル化された、部分的にヒドロキシル化されたおよびヒドロキシル化されていない形態の50kDa、65kDaおよび100kDaのサイズの個々のコラーゲンペプチド種とからのゼラチンの製造が開示されている。
【0014】
Olsenら(Protein Expression and Purification, 2005, 40, pg. 346-357)は、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)において、ヒトコラーゲンα1鎖から8.5kDaのコラーゲンペプチド種を組換え製造することを開示している。
【0015】
国際公開第01/34646号にも同様に個々の組換えゼラチン種の製造が開示されており、これらのゼラチン種は、それぞれが組換えによる製造経路により生じた所定の0~350kDaの分子量を有しており、ヒドロキシル化されていない、部分的にヒドロキシル化された、または完全にヒドロキシル化された形態で存在し得る。
【0016】
該文献では、個々の組換えゼラチン種またはその混合物の、食品、飲料、化粧品または医薬品製造業における一般的な適用性が開示されている。該文献では、開示されている組換え産物のさらなる用途として、写真用組成物や、例えば半導体製造業や製紙などでの工業用助剤としての使用が開示されている。
【0017】
したがって、任意のサイズの組換えのゼラチンまたはコラーゲンのペプチドを、個別にまたは混合して、ヒドロキシル化の有無にかかわらず、例えば食品製造やヒトまたは動物の疾患の治療といった、工業的または非工業的な幅広い分野で使用することが知られている。
【0018】
しかし、人々の多くが健康、魅力的な外見、運動能力および良好な体調を、それぞれ高齢になってもより一層求めるようになっていることを考慮すると、健康の改善および/または維持や疾患の治療のための食品や調製物には依然として大きな需要がある。
【0019】
健康、運動能力、身体的魅力、および身体の良好な体調は、しばしば結合組織の状態と密接に関係している。結合組織とは、身体のあらゆる組織に存在する組織で、例えば、筋肉、腸、血管、歯周組織(Zahnhalteapparats)、腱、靭帯、骨、および皮膚などに存在し、多くの場合、そこで支持的な役割を果たしている。結合組織は一般的に、比較的少数の細胞と多くの細胞中間物質とを有し、これは一般に細胞外マトリックスタンパク質、特にコラーゲンを含んでいる。結合組織は特に、緩い結合組織、硬い結合組織、例えば皮膚、腱、靭帯、および脳膜、ゼラチン状の結合組織、ならびにその他様々な種類の結合組織、特に支持組織、すなわち軟骨組織や骨組織の形で生じることができ、特に運動能力、外見、身体の内部構造の完全性、および良好な体調にも決定的な役割を果たしている。
【発明の概要】
【0020】
したがって、本発明の基礎を成す技術的課題は、結合組織、特に皮膚、腱、靭帯、脳膜、軟骨、および骨の結合組織に対して生物学的有効性を示し、これにより、一方ではこれらの結合組織に関連する疾患を治療し、他方では望ましいと考えられるこれらの結合組織の状態を維持することを可能にする手段および方法を提供することである。
【0021】
また本発明は、上述の欠点を克服し、特に標準化され、確実性が高くかつ厳密に定められた形態で、より大工業的でかつ低コストの規模でも組換えにより製造することができ、かつその生物学的有効性ゆえにヒトまたは動物の身体の治療的処置方法への使用に適している、合成または組換えコラーゲンペプチドを提供するという技術的課題にも基づく。
【0022】
本発明は、独立請求項の教示、特にまた本明細書の好ましい実施形態の教示および従属請求項の教示を提供することにより、その基礎となる技術的課題を解決するものである。
【0023】
本発明は、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0024】
本発明により特許請求される合成または組換えコラーゲンペプチド、特に0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、特に結合組織、特に皮膚、腸、特に腸内壁、血管、歯周組織、および髄膜の結合組織、腱および靭帯の結合組織、ならびに支持組織、特に軟骨組織、および骨組織において好ましくは生物学的有効性を示し、それにより、特にヒトまたは動物の身体の治療的または非治療的処置方法に使用するのに適している。
【0025】
本発明の好ましい一実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1、配列番号6のアミノ酸配列、またはこれらのアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0026】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、このアミノ酸配列からなる。
【0027】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、このアミノ酸配列からなる。
【0028】
本発明のもう1つの実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1または配列番号6のアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体からなる。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1~5から選択されるアミノ酸配列、特に配列番号1~4から選択されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。したがって、この実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、そのアミノ酸配列中にヒドロキシプロリンを有しない。
【0030】
本発明の好ましい一実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1~5から選択されるアミノ酸配列、特に配列番号1~4から選択されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなり、その際、少なくとも1つのプロリル残基および/または少なくとも1つのリシル残基がヒドロキシル化されている。したがって、この実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、そのアミノ酸配列中に少なくとも1つのヒドロキシプロリンおよび/または少なくとも1つのヒドロキシリジンを有する。
【0031】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号6~10から選択されるアミノ酸配列、特に配列番号6~9から選択されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0032】
もう1つの好ましい実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1~10からなる群から選択されるアミノ酸配列、特に配列番号1~4および6~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0033】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1~10からなる群から選択される、特に配列番号1~4および6~9からなる群から選択されるアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0034】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号15、配列番号21のアミノ酸配列、またはこれらのアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0035】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、このアミノ酸配列からなる。
【0036】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、このアミノ酸配列からなる。
【0037】
本発明のもう1つの実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号15または配列番号21のアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体からなる。
【0038】
本発明の好ましい一実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号15および配列番号16から選択されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。したがって、この実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、そのアミノ酸配列中にヒドロキシプロリンを有しない。
【0039】
本発明の好ましい一実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号15および配列番号16から選択されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなり、その際、少なくとも1つのプロリル残基および/または少なくとも1つのリシル残基がヒドロキシル化されている。したがって、この実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、そのアミノ酸配列中に少なくとも1つのヒドロキシプロリンおよび/または少なくとも1つのヒドロキシリジンを有する。
【0040】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号21および22から選択されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0041】
特に好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1、配列番号15のアミノ酸配列、またはこれらのアミノ酸配列のうちの1つの機能保存配列改変体を有し、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、これらのアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0042】
もう1つの好ましい実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1~30からなる群から選択される、特に、配列番号1~4、6~9、12~14、および18~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0043】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号1~30からなる群から選択される、特に、配列番号1~4、6~9、12~14、および18~20からなる群から選択されるアミノ酸配列のうちの1つからなる。
【0044】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号7によるアミノ酸配列を有する。
【0045】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号7によるアミノ酸配列からなる。
【0046】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号17~19、21および22から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0047】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号17~19、21および22から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0048】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号27~30から選択されるアミノ酸配列を有する。
【0049】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、配列番号27~30から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0050】
特に好ましい実施形態では、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドである。
【0051】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドである。
【0052】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されたプロリンおよび/またはヒドロキシル化されたリジンを有する。
【0053】
好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されていない、部分的にヒドロキシル化された、または完全にヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドである。もう1つの特に好ましい実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド中に存在するプロリンはすべてヒドロキシル化されている。
【0054】
本発明の好ましい一実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、グリコシル化されている。好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、少なくとも1つのヒドロキシル化されたリジン上でグリコシル化されている。好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドのヒドロキシル化されたリジンはすべてグリコシル化されている。
【0055】
本発明の好ましい一実施形態では、本発明によるコラーゲンペプチドは、I型、II型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型、IX型、X型、XI型、XII型、XIII型、XIV型、XV型、XVI型、XVII型、XVIII型、XIX型、XX型、XXI型、XXII型、XXIII型、XXIV型、XXV型、XXVI型、XXVII型のコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有し、好ましくはI型、II型またはIII型、好ましくはI型、好ましくはII型、好ましくはIII型のコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有する。好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、脊椎動物、特に魚類、両生類、爬虫類、鳥類および哺乳類のコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有し、特にI型、II型またはIII型、好ましくはI型、好ましくはII型、好ましくはIII型のヒト、ウシ、ブタ、ウマまたは鳥類のコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有する。
【0056】
特に好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、ヒトコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有し、特にヒトI型コラーゲン、好ましくはヒトI型コラーゲンのα1鎖中に存在するアミノ酸配列を有する。
【0057】
特に好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドは、非ヒトコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有し、特に非ヒトI型コラーゲン、好ましくは非ヒトI型コラーゲンのα1鎖中に存在するアミノ酸配列を有し、特にウシ、ブタ、ウマまたは鳥類のコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有する。
【0058】
本発明の好ましい一実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、コラゲナーゼ耐性を示し、特にヒトのコラゲナーゼによる消化に耐性を示す。
【0059】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、結合組織細胞、特に骨芽細胞、軟骨細胞および/または線維芽細胞において、細胞外マトリックスタンパク質、例えばコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチン、特にコラーゲンの合成をすることができる。
【0060】
本発明の好ましい一実施形態では、本発明によるコラーゲンペプチドは、合成により製造されたコラーゲンペプチドであり、好ましくは化学合成、特に固相合成、好ましくはメリフィールド合成、ベイリー(Bailey)ペプチド合成または化学酵素合成によって製造されたコラーゲンペプチドである。本発明のもう1つの好ましい実施形態では、本発明によるコラーゲンペプチドは、組換えにより製造されたコラーゲンペプチドである。
【0061】
本発明の好ましい一実施形態では、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、アミノ酸修飾されておらず、特にヒドロキシル化されていない。特に好ましくは、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されたおよび/またはグリコシル化されたアミノ酸を有しない。
【0062】
本発明の好ましい一実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するために、0.18~10.0kDa、好ましくは0.18~8.0kDa、好ましくは0.18~6.0kDa、好ましくは0.18~5.0kDa、好ましくは0.2~5.0kDa、好ましくは0.3~5.0kDa、好ましくは0.4~5.0kDa、好ましくは0.5~5.0kDa、好ましくは0.6~5.0kDa、好ましくは0.7~5.0kDa、好ましくは0.8~5.0kDa、好ましくは0.9~5.0kDa、好ましくは1.0~5.0kDa、好ましくは1.1~5.0kDa、好ましくは1.2~5.0kDa、好ましくは1.3~5.0kDa、好ましくは1.4~5.0kDa、好ましくは1.5~5.0kDa、好ましくは1.6~5.0kDa、好ましくは1.7~5.0kDa、好ましくは1.8~5.0kDa、好ましくは1.9~5.0kDa、好ましくは2.0~5.0kDa、好ましくは2.1~4.9kDa、好ましくは2.2~4.8kDa、好ましくは2.3~4.7kDa、好ましくは2.4~4.6kDa、好ましくは2.5~4.5kDa、好ましくは1.2~3.2、好ましくは1.3~3.0kDa、好ましくは1.5~3.0kDa、好ましくは1.8~3.0kDa、好ましくは2.0~3.0kDaの範囲内の分子量を有する。
【0063】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するために、0.18~0.98、好ましくは0.19~0.98kDa、好ましくは0.20~0.98kDa、好ましくは0.25~0.98kDa、好ましくは0.30~0.98kDa、好ましくは0.35~0.98kDa、好ましくは0.40~0.98kDa、好ましくは0.45~0.98kDa、好ましくは0.50~0.98kDaの範囲内の分子量を有する。
【0064】
好ましい実施形態では、本発明はさらに、骨疾患、特に骨粗鬆症を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0065】
好ましい実施形態では、本発明は、サルコペニアを予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0066】
好ましい実施形態では、本発明は、筋肉量の退行性低下を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0067】
好ましい実施形態では、本発明は、軟骨疾患、特に関節症または関節炎を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0068】
好ましい実施形態では、本発明は、筋力を向上させる方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0069】
好ましい実施形態では、本発明は、ミトコンドリア活性の低下を特徴とする病態を予防および/または治療する方法、特に持久力の低下を特徴とする病態を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0070】
好ましい実施形態では、本発明は、体脂肪低下を刺激する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0071】
好ましい実施形態では、本発明は、体重を減少させる方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0072】
好ましい実施形態では、本発明は、変形性関節疾患、特に変形性関節症、関節リウマチ、リウマチ性疾患、脊椎炎および/または結合組織病を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0073】
好ましい実施形態では、本発明は、腱または靭帯の疾患を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0074】
好ましい実施形態では、本発明は、皮膚疾患、特に尋常性乾癬、にきび、アトピー性皮膚炎、慢性掻痒および/または酒さを予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0075】
好ましい実施形態では、本発明は、創傷、特に慢性創傷、急性創傷および/または熱傷を治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0076】
好ましい実施形態では、本発明は、神経変性疾患を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0077】
好ましい実施形態では、本発明は、認知症を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0078】
好ましい実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0079】
好ましい実施形態では、本発明は、精神機能の低下を特徴とする病態を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0080】
好ましい実施形態では、本発明は、血液脳関門、特に髄膜の構造および/または機能の機能不全に関連する疾患を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0081】
好ましい実施形態では、本発明は、腸疾患、特に慢性炎症性腸疾患を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0082】
好ましい実施形態では、本発明は、心臓血管系の疾患、特に血管の構造および/または機能の疾患、特に血管壁の構造および/または機能の疾患を予防および/または治療する方法に使用するための、特に高血圧および/または血行障害を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0083】
好ましい実施形態では、本発明は、歯周組織の疾患を予防および/または治療する方法に使用するための、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドに関する。
【0084】
好ましい一実施形態では、本発明はさらに、皮膚を視覚的および構造的に改善するための、特にしわの形成を減少させるための、皮膚の弾力性を向上させるための、皮膚の張りを高めるための、皮膚の水分量を増加させるための、セルライトを減少させるための、および/またはストレッチマーク、特に妊娠線を減少させるための、本発明によるコラーゲンペプチドの非治療的使用に関する。
【0085】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明は、爪の成長を促進するための、および/または爪の脆さを低減するための、本発明によるコラーゲンペプチドの非治療的使用に関する。
【0086】
好ましい実施形態では、本発明はさらに、毛髪を視覚的および構造的に改善するための、特に髪質を改善するための、枝毛を減少させるための、および/または抜け毛を減少もしくは遅延させるための、本発明によるコラーゲンペプチドの非治療的使用に関する。
【0087】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明は、ミトコンドリア数および/またはミトコンドリア活性を増加させるための、本発明によるコラーゲンペプチドの非治療的使用に関する。
【0088】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明は、持久力を向上させるための、本発明によるコラーゲンペプチドの非治療的使用に関する。
【0089】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明は、精神機能を向上させるための、本発明によるコラーゲンペプチドの非治療的使用に関する。
【0090】
本発明の好ましい実施形態では、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチドは、本発明により提供される用途のいずれかに使用するために、単独で、すなわち他の物質を含まずに使用される。
【0091】
本発明のもう1つの実施形態では、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチドは、本発明により提供される用途において生物学的有効性を示す唯一の作用物質として使用される。
【0092】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチドは、本発明により提供される用途において、少なくとも1つのさらなる作用物質、特に生物学的有効性を示すもう1つの作用物質とともに使用される。
【0093】
本発明はまた、本発明によるコラーゲンペプチドと、製薬学的に許容される少なくとも1つの添加物とを含む医薬組成物であって、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、特に前述の適応症の少なくとも1つに使用するための医薬組成物にも関する。これにより、本発明によるコラーゲンペプチドを医薬組成物の形態で投与することを提供することができる。特に好ましくは、本発明による医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤(Lutschtabletten)、チュアブル錠剤、カプセル剤、バイトカプセル剤、糖剤、トローチ剤(Pastillen)、液剤、ゲル剤または軟膏剤の形態で投与される。
【0094】
本発明はまた、本発明によるコラーゲンペプチドと、食品に許容される少なくとも1つの添加物とを含む栄養補助食品であって、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、特に前述の適応症の少なくとも1つに使用するための栄養補助食品にも関する。これにより、本発明によるコラーゲンペプチドを栄養補助食品の形態で投与することを提供することができる。特に好ましくは、本発明による栄養補助食品は、錠剤、糖剤、香錠剤、サシェ、溶液、懸濁液またはゲルとして、例えばアンプルに入れて、顆粒または粉末として存在する。また、本発明によるコラーゲンペプチドは、その溶解性が良好であることから、濁りを生じることなく様々な飲料に添加することもできる。
【0095】
本発明はまた、本発明によるコラーゲンペプチドと、少なくとも1つの皮膚適合性添加物とを含む化粧品であって、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、特に前述の適応症の少なくとも1つに使用するための化粧品に関する。これにより、本発明によるコラーゲンペプチドを化粧用組成物の形態で投与することを提供することができる。特に好ましくは、本発明による化粧用組成物は、例えばローション、軟膏、クリーム、ゲル、パウダー、スプラッシュまたはスプレーの形態で投与される。
【0096】
本発明はまた、本発明によるコラーゲンペプチドを含む食品または嗜好品であって、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、特に前述の適応症の少なくとも1つに使用するための食品または嗜好品に関する。好ましい一実施形態では、食品または嗜好品は、チョコレートバー、プロテインバー、シリアルバー、飲料調製用インスタントパウダー、牛乳、乳製品、例えばヨーグルト、ホエイもしくはクワルク、ならびに乳製品代替品、例えば豆乳、ライスミルク、アーモンドミルクおよびココナッツミルク(いわゆる機能性食品)、または飲料、例えば清涼飲料水、フィットネス用飲料である。
【0097】
本発明の好ましい一実施形態によるコラーゲンペプチドが、製品、特に医薬組成物、栄養補助食品、化粧用組成物、または食品もしくは嗜好品の唯一の生理学的活性成分として使用されないことを条件として、これを、全般的な健康、特に持久力に良い影響を与える1つ以上の他の成分と組み合わせてもよい。そのような成分は、好ましくは、ビタミンC、各種ビタミンB、D、EおよびK、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、共役リノール酸、カフェインおよびその誘導体、ガラナ抽出物、ローズヒップ抽出物、緑茶抽出物、エピガロカテキンガレート、クレアチン、L-カルニチン、α-リポ酸、N-アセチルシステイン、NADH、D-リボース、アスパラギン酸マグネシウム、抗酸化物質、例えばアントシアン、カロチノイド、フラボノイド、レスベラトロール、グルタチオンおよびスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カンナビノイド、例えばカンナビジオール(CBD)、アダプトゲン、例えばロディオラロゼア(Rhodiola rosea)、パナックスジンセン(Panax ginseng)、ウィザニアソムニフェラ(Withania somnifera)、シイタケ、レイシ(Ganoderma lucidum)、マカ(Lepidium meyenii)、ミネラル物質、例えば鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレンおよびリン、ならびに他のタンパク質、加水分解物およびペプチド、例えばダイズタンパク質、コムギタンパク質およびホエイプロテインからなる群から選択される。
【0098】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、本発明による製品、特に医薬組成物、栄養補助食品、化粧用組成物、または食品もしくは嗜好品は、本発明によるコラーゲンペプチド以外に、他のタンパク質またはペプチド、特に他のコラーゲンペプチドを含まない。
【0099】
本発明の好ましい一実施形態では、コラーゲンペプチドは、1~40g/日、好ましくは1~30g/日、好ましくは1~20g/日、好ましくは1~15g/日、好ましくは2.5~30g/日、好ましくは2.5~20g/日、好ましくは2.5~15g/日、好ましくは2.5~10g/日、好ましくは4~15g/日、好ましくは4~12g/日、さらに好ましくは5~25g/日、好ましくは5~15g/日、好ましくは10~25g/日、好ましくは12~22g/日、好ましくは6~15g/日、特に2.5~7.5g/日、好ましくは2.5~5g/日の量で投与される。
【0100】
本発明はまた、上述の適応症、特に上述の治療適応症を予防および/または治療する方法であって、治療目的に十分な量の本発明による組換えまたは合成により製造された少なくとも1つのペプチドを、任意に添加物とともにヒトまたは動物の身体に投与する方法にも関する。
【0101】
本発明はまた、筋力を向上させるための、筋肉量を増加させるための、体脂肪低下を刺激するための、体重を減少させるための、骨の健康を維持および/もしくは改善するための、皮膚の健康を維持および/もしくは改善するための、腸の健康を維持および/もしくは改善するための、血管構造を維持および/もしくは改善するための、心臓血管系の健康を維持およびもしくは改善するための、歯周組織を維持および/もしくは改善するための、ヒトもしくは動物の身体の爪および毛髪の健康を維持および/もしくは改善するための、ミトコンドリア数および/もしくはミトコンドリア活性を維持および/もしくは増加させるための、持久力を維持および/もしくは向上させるための、または精神機能を維持および/もしくは向上させるための、非治療的な方法であって、本発明による少なくとも1つのコラーゲンペプチドをヒトまたは動物の身体に投与する方法にも関する。
【0102】
さらに本発明は、本発明によるコラーゲンペプチドの製造方法であって、
a)少なくとも1つの発現カセットを有する発現系を提供する方法工程であって、発現カセットは、0.18~10kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列を有する方法工程と、
b)コラーゲンペプチドの発現を可能にする条件下で発現系を培養する方法工程と、
c)本発明によるコラーゲンペプチドを回収する方法工程と
を含む方法に関する。
【0103】
本発明により提供される、本発明によるコラーゲンペプチド、特に0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、ヒトまたは動物の身体の治療的処置のための合成または組換えコラーゲンペプチドの製造方法は、特に0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、厳密に定められかつ組換えにより製造されたコラーゲンペプチドが得られ、該コラーゲンペプチドは特に、その生物学的有効性ゆえに、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するのに適していることを特徴とする。
【0104】
本発明により提供されるコラーゲンペプチドは、天然源から加水分解して得られるコラーゲンペプチドと比較して、その組換えによる製造様式ゆえに特に高い純度を示す。さらに、非常に多様な発現系で、工業的規模でも望ましくない汚染を伴うことなく該コラーゲンペプチドを提供することができ、またこれと同時に、本発明によるコラーゲンペプチドは、特にヒトまたは動物の身体の治療的処置方法への使用に関して、好ましくは生物学的有効性を示す。
【0105】
好ましくは、本発明により見出された本発明によるコラーゲンペプチドの生物学的有効性、ひいては、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための適合性は、さらなる加工工程を必要とせずに、本発明による方法から直接得られたコラーゲンペプチドにすでに生じている。このように、本発明によるヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドもヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドも、いずれも生物学的有効性を示し、特に、天然源から得られた同じ分子量のコラーゲンペプチドおよび/または天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と少なくとも同等の生物学的有効性を示す。この点で特に有利であるのは、本発明によるコラーゲンペプチドが、驚くべきことに、ヒドロキシル化されていない形態でも生物学的有効性を示すことであり、好ましくは、天然源から得られた同じ分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドおよび/または天然源から得られた同等の平均分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示し、特に好ましくは、天然源から得られた同じ分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドおよび/または天然源から得られた同等の平均分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示すことである。
【0106】
好ましくは、本発明によるヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドもヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドも、骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞において、好ましくは骨芽細胞において、好ましくは線維芽細胞において、好ましくは軟骨細胞において、好ましくは骨芽細胞および線維芽細胞において、好ましくは骨芽細胞および軟骨細胞において、好ましくは線維芽細胞および軟骨細胞において、生物学的有効性を示し、好ましくは、天然源から得られた同じ分子量のコラーゲンペプチドおよび/または天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と少なくとも同等の生物学的有効性を示し、特に好ましくは、天然源から得られた同じ分子量のコラーゲンペプチドおよび/または天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示す。
【0107】
本発明の合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドは、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験をもとに、特に結合組織において、特に皮膚、腸、血管および歯周組織、脳膜、腱、靭帯、軟骨および/または骨の結合組織において、本発明に応じた生物学的有効性を認めることができる。
【0108】
好ましい実施形態では、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に本発明の合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドは、生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、生物学的有効性を示す。
【0109】
好ましくは、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に本発明の合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドは、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドと同等の生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドと同等の生物学的有効性を示す。
【0110】
特に好ましくは、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に本発明の合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドは、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示す。
【0111】
特に好ましくは、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に本発明の合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドは、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドより優れた生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドより優れた生物学的有効性を示す。
【0112】
特に好ましくは、本発明による合成または組換えコラーゲンペプチド、特に本発明の合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されたコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドは、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示し、特に、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示す。
【0113】
好ましくは、工程a)で提供される発現系は、宿主細胞、特に原核細胞または真核細胞である。
【0114】
好ましくは、発現系は、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞および植物細胞からなる群から選択される宿主細胞である。
【0115】
好ましくは、発現系、特に宿主細胞は、細菌細胞、特に大腸菌(Escherichia coli)または枯草菌(Bacillus subtilis)の種の細菌細胞である。
【0116】
もう1つの好ましい実施形態では、発現系、特に宿主細胞は、酵母細胞、特にサッカロミケス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)またはオガタエア・アングスタ(Ogataea angusta)(ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha))の種の酵母細胞である。
【0117】
好ましくは、発現系、特に宿主細胞は、真菌細胞、特にアスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)の種の真菌細胞である。
【0118】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、発現系、特に宿主細胞は、哺乳類細胞、特にCHO細胞、HeLa細胞またはHEK293細胞である。
【0119】
好ましくは、発現系、特に宿主細胞は、昆虫細胞、特にSf-9、Sf-21またはTn-5細胞である。
【0120】
好ましくは、発現系、特に宿主細胞は、植物細胞、特にトウモロコシ細胞またはタバコ細胞である。
【0121】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程a)で提供される発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基をヒドロキシル化することができる宿主細胞である。好ましくは、工程a)で提供される発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基をヒドロキシル化することができる宿主細胞である。
【0122】
好ましくは、工程a)で提供される発現系は、プロリルヒドロキシラーゼ活性および/またはリシルヒドロキシラーゼ活性を示す発現系である。好ましくは、工程a)で提供される発現系は、プロリルヒドロキシラーゼ活性および/またはリシルヒドロキシラーゼ活性を示す宿主細胞である。
【0123】
好ましい一実施形態では、工程a)で提供される発現系は、プロリル-4ヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットを有する宿主細胞である。特に好ましくは、工程a)で提供される発現系は、プロリル-4ヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットを有する宿主細胞であり、したがって、方法工程c)において、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドが回収される。
【0124】
好ましい一実施形態では、工程a)で提供される発現系は、リシルヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットを有する宿主細胞である。特に好ましくは、工程a)で提供される発現系は、リシルヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットを有する宿主細胞であり、したがって、方法工程c)において、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドが回収される。
【0125】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、工程a)で提供される発現系は、プロリル-4ヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットと、リシルヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットとを有する宿主細胞である。特に好ましくは、工程a)で提供される発現系は、プロリル-4ヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットと、リシルヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を含む少なくとも1つの発現カセットとを有する宿主細胞であり、したがって、方法工程c)において、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドが回収される。
【0126】
したがって、本発明はまた、本発明によるコラーゲンペプチドの製造方法、特にイン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの製造方法であって、
a)少なくとも1つの発現カセットを有する発現系を提供する方法工程であって、発現カセットは、0.18~10kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列を有し、発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基をヒドロキシル化することができる方法工程と、
b)コラーゲンペプチドの発現およびヒドロキシル化を可能にする条件下で、発現系を培養する方法工程と、
c)本発明によるコラーゲンペプチド、特にイン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを回収する方法工程と
を含む、方法を含む。
【0127】
したがって、前述の方法により、使用される細胞ベースの発現系に応じて、特定のパターンの翻訳後修飾、特にヒドロキシル化およびグリコシル化によって特徴付けられる、0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の特定の分子量を有する、イン・ビボでヒドロキシル化された組換えにより製造されたコラーゲンペプチドを好適に得ることができる。このようにして、有利なことに特に、直接、すなわち事後的な修飾を必要とすることなく、望ましい生物学的有効性を示すコラーゲンペプチド、特にヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための組換えにより製造されたコラーゲンペプチドを得ることができる。
【0128】
好ましい一実施形態では、本発明により製造されたイン・ビボでヒドロキシル化された組換えコラーゲンペプチドは、生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、生物学的有効性を示す。
【0129】
好ましくは、本発明により製造されたイン・ビボでヒドロキシル化された組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドと同等の生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドと同等の生物学的有効性を示す。
【0130】
特に好ましくは、本発明により製造されたイン・ビボでヒドロキシル化された組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示す。
【0131】
特に好ましくは、本発明により製造されたイン・ビボでヒドロキシル化された組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドより優れた生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドより優れた生物学的有効性を示す。
【0132】
特に好ましくは、本発明により製造されたイン・ビボでヒドロキシル化された組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示し、特に、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示す。
【0133】
本発明のもう1つの実施形態によれば、工程a)で提供される発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基のヒドロキシル化を生じさせることができない発現系であり、特に、工程a)で提供される発現系は、プロリルヒドロキシラーゼ活性およびリシルヒドロキシラーゼ活性を示さない。
【0134】
したがって本発明は、本発明によるコラーゲンペプチドの製造方法、特にヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドの製造方法であって、
a)少なくとも1つの発現カセットを有する発現系を提供する方法工程であって、発現カセットは、0.18~10kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列を有し、発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基のヒドロキシル化を生じさせることができない方法工程と、
b)コラーゲンペプチドの発現を可能にする条件下で、発現系を培養する方法工程と、
c)本発明によるコラーゲンペプチド、特にヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを回収する方法工程と、
を含む方法に関する。
【0135】
好ましい実施形態では、本発明により製造されたヒドロキシル化されていない組換えコラーゲンペプチドは、生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、生物学的有効性を示す。
【0136】
好ましくは、本発明により製造されたヒドロキシル化されていない組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドと同等の生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドと同等の生物学的有効性を示す。
【0137】
特に好ましくは、本発明により製造されたヒドロキシル化されていない組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物と同等の生物学的有効性を示す。
【0138】
特に好ましくは、本発明により製造されたヒドロキシル化されていない組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドより優れた生物学的有効性を示し、特に実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離された同じ分子量のコラーゲンペプチドより優れた生物学的有効性を示す。
【0139】
特に好ましくは、本発明により製造されたヒドロキシル化されていない組換えコラーゲンペプチドは、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示し、特に、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、天然源から単離されたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から単離された同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物より優れた生物学的有効性を示す。
【0140】
本発明の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つの発現カセットの少なくとも1つのヌクレオチド配列は、コドン最適化されており、すなわち、提供された発現系、特に提供された細胞ベースの発現系、特に提供された宿主細胞の翻訳系によって使用されないまたは優先的に使用されないヌクレオチド配列中のコドンが、提供された発現系、特に提供された細胞ベースの発現系、特に提供された宿主細胞の翻訳系によって優先的に使用されるコドンに置き換えられ、この置き換えによって、コードされるペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列が変化することはない。
【0141】
本発明の好ましい一実施形態では、ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、脊椎動物、特に哺乳類、例えばヒト、または非ヒト哺乳類、例えばウマ、ロバ、カンガルー、ヒツジ、齧歯類、ブタまたはウシ、鳥類、例えばニワトリ、魚類、両生類、爬虫類または無脊椎動物、例えばクラゲのコラーゲンペプチドである。
【0142】
好ましくは、ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、I型、II型、III型、IV型、V型、VI型、VII型、VIII型、IX型、X型、XI型、XII型、XIII型、XIV型、XV型、XVI型、XVII型、XVIII型、XIX型、XX型、XXI型、XXII型、XXIII型、XXIV型、XXV型、XXVI型、XXVII型、好ましくはI型、好ましくはII型、好ましくはIII型から選択される。
【0143】
好ましくは、ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、天然に存在するコラーゲンペプチドである。本発明のもう1つの好ましい実施形態では、ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、天然に存在するコラーゲンペプチドではない。好ましくは、ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、遺伝子組換えコラーゲンペプチドである。
【0144】
本発明の好ましい一実施形態によれば、少なくとも1つのヌクレオチド配列は、好ましくは0.18~10.0kDa、好ましくは0.18~8.0kDa、好ましくは0.18~6.0kDa、好ましくは0.18~5.0kDa、好ましくは0.2~5.0kDa、好ましくは0.3~5.0kDa、好ましくは0.4~5.0kDa、好ましくは0.5~5.0kDa、好ましくは0.6~5.0kDa、好ましくは0.7~5.0kDa、好ましくは0.8~5.0kDa、好ましくは0.9~5.0kDa、好ましくは1.0~5.0kDa、好ましくは1.1~5.0kDa、好ましくは1.2~5.0kDa、好ましくは1.3~5.0kDa、好ましくは1.4~5.0kDa、好ましくは1.5~5.0kDa、好ましくは1.6~5.0kDa、好ましくは1.7~5.0kDa、好ましくは1.8~5.0kDa、好ましくは1.9~5.0kDa、好ましくは2.0~5.0kDa、好ましくは2.1~4.9kDa、好ましくは2.2~4.8kDa、好ましくは2.3~4.7kDa、好ましくは2.4~4.6kDa、好ましくは2.5~4.5kDa、好ましくは1.2~3.2、好ましくは1.3~3.0kDa、好ましくは1.5~3.0kDa、好ましくは1.8~3.0kDa、好ましくは2.0~3.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする。
【0145】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのヌクレオチド配列は、0.18~0.98kDa、好ましくは0.19~0.98kDa、好ましくは0.20~0.98kDa、好ましくは0.25~0.98kDa、好ましくは0.30~0.98kDa、好ましくは0.35~0.98kDa、好ましくは0.40~0.98kDa、好ましくは0.45~0.98kDa、好ましくは0.50~0.98kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする。
【0146】
本発明の好ましい一実施形態では、本発明による前述のいずれかの方法で製造されたコラーゲンペプチド、特にヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する合成または組換えコラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されていない、部分的にヒドロキシル化された、または完全にヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドであり、好ましくはヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチド、好ましくは部分的にヒドロキシル化されたコラーゲンペプチド、好ましくは完全にヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドである。
【0147】
本発明の好ましい一実施形態では、本発明によるいずれかの方法で製造されたコラーゲンペプチド、特にヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する合成または組換えコラーゲンペプチドは、グリコシル化されているコラーゲンペプチドである。好ましくは、コラーゲンペプチドはイン・ビボでグリコシル化されており、好ましくはエクス・ビボでグリコシル化されている。
【0148】
本発明のもう1つの好ましい実施形態では、本発明によるいずれかの方法で製造されたコラーゲンペプチドは、グリコシル化されていないコラーゲンペプチドである。
【0149】
本発明の、特に本発明によるコラーゲンペプチドのいずれかの製造方法の特に好ましい一実施形態では、発現系の少なくとも1つの発現カセットは、複数の、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの連続したヌクレオチド配列を有し、これらはそれぞれ、0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする。
【0150】
この実施形態によれば、発現系によってまず前駆体コラーゲンペプチドが合成され、次いでそこから切断、特に酵素による切断によって本発明によるコラーゲンペプチドを得ることができる。
【0151】
好ましくは、前駆体コラーゲンペプチドのサイズは、2~100kDa、好ましくは3~80kDa、好ましくは4~60kDa、好ましくは5~50kDa、好ましくは10~45kDaである。好ましい一実施形態では、前駆体コラーゲンペプチドは、2~40個の本発明によるコラーゲンペプチド、好ましくは3~30個の本発明によるコラーゲンペプチド、好ましくは5~20個の本発明によるコラーゲンペプチドを含む。
【0152】
好ましい一実施形態では、それぞれ0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする複数の、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの連続したヌクレオチド配列は、工程b)で発現させたコラーゲンペプチドを、複数の、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの本発明によるコラーゲンペプチドに切断、特に酵素により切断することができる配列によって分離される。
【0153】
この実施形態によれば、工程b)と工程c)との間に、工程b)で発現させたコラーゲンペプチドを切断して、本発明によるコラーゲンペプチド、特に0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドを得る工程が行われる。したがって、工程a)で提供された発現系により工程b)でコラーゲンペプチドを発現させ、次いでこのコラーゲンペプチドを切断することで、複数の、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの本発明によるコラーゲンペプチドが得られる。
【0154】
もう1つの好ましい実施形態では、複数の、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの連続したヌクレオチド配列は、異なるヌクレオチド配列である。特に好ましくは、複数の、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つの、好ましくは少なくとも5つの連続したヌクレオチド配列は、同じヌクレオチド配列である。
【0155】
本発明の好ましい一実施形態では、工程b)で発現させたコラーゲンペプチド、特に前駆体コラーゲンペプチドの切断、特に酵素による切断は、中性、アルカリ性または酸性のプロテアーゼにより行われる。
【0156】
好ましくは、発現させたコラーゲンペプチド、特に前駆体コラーゲンペプチドの本発明による個々のコラーゲンペプチドは、特定の認識配列によって互いに分離される。
【0157】
特に好ましくは、特定の認識配列は、Xa因子(Ile-(Glu/Asp)-Gly-Arg)、TEV(Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-(Gly/Ser))、トロンビン(Leu-Val-Pro-Arg-Gly-Ser)、トリプシン認識配列、パパイン認識配列からなる群から選択される。
【0158】
好ましい一実施形態では、本発明によれば、コラーゲンペプチドは、局部的に、特に局所的に、または全身的に、特に腸内に、好ましくは経口的に、もしくは非経口的に投与される。
【0159】
本発明によれば、「生物学的有効性」という用語は、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドが、細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞において細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成を刺激する能力を意味する。本発明によれば、「生物学的有効性」は、好ましくは、細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞を本発明によるコラーゲンペプチドとインキュベートすることにより、細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成が刺激され、未処理の細胞および/または生物学的に有効でない作用物質で処理した細胞、特に未処理の骨芽細胞、線維芽細胞および/もしくは軟骨細胞、または生物学的に有効でない作用物質で処理した骨芽細胞、線維芽細胞および/もしくは軟骨細胞と比較して、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて細胞外マトリックスタンパク質合成の刺激が測定できる場合に存在する。本発明の好ましい一実施形態では、「生物学的に有効でない作用物質」とは、豚皮由来の160ブルームのゼラチンまたはウシの皮革(Ringerspalt)由来の260ブルームのゼラチンを意味すると理解される。
【0160】
本発明によれば、「同等の生物学的有効性」とは、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドが、細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成の刺激を引き起こし、この刺激が、天然源から得られたコラーゲンペプチドの混合物を用いたインキュベーションで、特に天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物を用いたインキュベーションで、特に欧州特許第2640352号明細書に従って製造されたベリゾール(Verisol(登録商標))、国際公開第2010/149596号に従って製造されたフォーティジェル(Fortigel(登録商標))、または国際公開第2014/072235号(欧州特許第2916855号明細書)に従って製造されたフォーティボーン(Fortibone(登録商標))を用いたインキュベーションで測定できる細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞の刺激に匹敵することと理解される。本発明によれば、「~に匹敵する刺激」とは、好ましくは、細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成の刺激が、好ましくは実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて測定可能であり、かつ天然源から得られたコラーゲンペプチドの混合物を用いた細胞のインキュベーションにより、特に天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物を用いた細胞のインキュベーションにより、特に欧州特許第2640352号明細書に従って製造されたベリゾール(Verisol)、国際公開第2010/149596号に従って製造されたフォーティジェル(Fortigel)、または国際公開第2014/072235号(欧州特許第2916855号明細書)に従って製造されたフォーティボーン(Fortibone)を用いた細胞のインキュベーションにより引き起こされる、細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成の刺激との差異が2%以下、好ましくは1.5%以下、好ましくは1%以下であることと理解される。
【0161】
本発明によれば、「より優れた生物学的有効性」という用語は、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドが、細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成の刺激を引き起こし、この刺激が、天然源から得られたコラーゲンペプチドの混合物、特に天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物、特に欧州特許第2640352号明細書に従って製造されたベリゾール(Verisol)、国際公開第2010/149596号に従って製造されたフォーティジェル(Fortigel)、または国際公開第2014/072235号(欧州特許第2916855号明細書)に従って製造されたフォーティボーン(Fortibone)よりも大きいことと理解される。本発明によれば、「より優れた生物学的有効性」という用語は、好ましくは、本発明によるコラーゲンペプチドによる細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成の刺激が、天然源から得られたコラーゲンペプチドの混合物、特に欧州特許第2640352号明細書に従って製造されたベリゾール(Verisol)、国際公開第2010/149596号に従って製造されたフォーティジェル(Fortigel)、または国際公開第2014/072235号(欧州特許第2916855号明細書)に従って製造されたフォーティボーン(Fortibone)による細胞、特に骨芽細胞、線維芽細胞および/または軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよび/またはエラスチンの合成の刺激に対して、2%超、好ましくは少なくとも3%、好ましくは少なくとも4%、好ましくは少なくとも5%増大することと理解され、その際、この合成の増大は、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて測定可能である。
【0162】
したがって、本発明によれば、「生物学的有効性」、「同等の生物学的有効性」、または「より優れた生物学的有効性」は、本発明によるコラーゲンペプチドが、細胞外マトリックスタンパク質の合成を刺激することができる場合に存在することができ、好ましくは、少なくとも細胞外マトリックスタンパク質であるコラーゲン、プロテオグリカンまたはエラスチンのうちの1つの合成が刺激され、好ましくはこれらの細胞外マトリックスタンパク質のうちの2つまたは3つの合成が刺激され、これが、細胞において、好ましくは骨芽細胞、線維芽細胞または軟骨細胞の細胞種の少なくとも1つにおいて、好ましくはこれらの細胞種のうちの2つまたは3つにおいて行われる場合に、存在し得る。したがって、生物学的有効性は、本発明の一実施形態では、ある1つの細胞外マトリックスタンパク質、特に、例えばコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択されるある1つの細胞外マトリックスタンパク質の合成のみが刺激され、他の細胞外マトリックスタンパク質については当該細胞において合成の刺激が認められない場合も存在し得る。同様に、ある1つの細胞種、特に骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞からなる群から選択されるある1つの細胞種のみにおいて少なくとも1つの細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激が認められれば、たとえ他の細胞種ではそのような刺激が生じなくとも、生物学的有効性、あるいは同等のまたはより優れた生物学的有効性が存在し得る。好ましくは、2つ以上の細胞外マトリックスタンパク質、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択される明示的に言及された1つ以上の細胞外マトリックスタンパク質の合成が、細胞において、特に骨芽細胞、線維芽細胞または軟骨細胞の細胞種のうちの少なくとも1つにおいて、特にこれらの細胞種のうちの2つまたは3つにおいて刺激されることが提供される。
【0163】
本発明によれば、骨芽細胞を本発明によるコラーゲンペプチドとインキュベートした後の該細胞における本発明によるコラーゲンペプチドの「生物学的有効性」、「同等の生物学的有効性」、または「より優れた生物学的有効性」は、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択される対応する細胞外マトリックスタンパク質のmRNAの発現を、適切な対照における、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択される対応する細胞外マトリックスタンパク質のmRNAの発現と比較して、リアルタイムPCRを用いて、特に実施例3に示すイン・ビトロ試験により測定することで求めることができる。
【0164】
本発明によれば、線維芽細胞を本発明によるコラーゲンペプチドとインキュベートした後の該細胞における本発明によるコラーゲンペプチドの「生物学的有効性」、「同等の生物学的有効性」、または「より優れた生物学的有効性」は、特にコラーゲン、ビグリカンおよびバーシカンからなる群から選択される対応する細胞外マトリックスタンパク質のmRNAの発現を、適切な対照における、特にコラーゲン、ビグリカンおよびバーシカンからなる群から選択される対応する細胞外マトリックスタンパク質のmRNAの発現と比較して、リアルタイムPCRを用いて、特に実施例4に示すイン・ビトロ試験により測定することで検出することができる。
【0165】
本発明によれば、軟骨細胞を本発明によるコラーゲンペプチドとインキュベートした後の該細胞における本発明によるコラーゲンペプチドの「生物学的有効性」、「同等の生物学的有効性」、または「より優れた生物学的有効性」は、それぞれ適切な対照と比較した、放射性標識および合成された放射性標識コラーゲンの量の検出により、ならびに/または合成されたプロテオグリカンのグリコサミノグリカン(GAG)のアルシアンブルー染色および測光により、特に実施例5に示すイン・ビトロ試験により求めることができる。
【0166】
本発明によれば、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞、特に線維芽細胞および軟骨細胞を本発明によるコラーゲンペプチドとインキュベートした後の該細胞における本発明によるコラーゲンペプチドの「生物学的有効性」、「同等の生物学的有効性」、または「より優れた生物学的有効性」は、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択される、特に好ましくはコラーゲンおよびプロテオグリカンからなる群から選択される合成された細胞外マトリックスタンパク質の量を、適切な対照における、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択される、特に好ましくはコラーゲンおよびプロテオグリカンからなる群から選択される合成された細胞外マトリックスタンパク質の量の測定と比較して、特にコラーゲン、プロテオグリカンおよびエラスチンからなる群から選択される、特に好ましくはコラーゲンおよびプロテオグリカンからなる群から選択される色素標識された合成された細胞外マトリックスタンパク質の量の測光による測定によって、特に実施例6に示すイン・ビトロ試験により求めることができる。
【0167】
本発明によれば、「実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおける生物学的有効性」という用語は、本発明によるコラーゲンペプチドの生物学的有効性を、実施例3~6に明示されたアッセイのいずれかを用いて示すことができることを意味する。実験結果の基本的な説得力に影響を与えることなく、適宜、当業者の理解に従って、実施例3~6に示す個々のプロセスパラメータを変化させることができる。本発明の好ましい実施形態では、本発明によるコラーゲンペプチドは、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、好ましくはすべてにおいて、まさにこれらの実施例に示すプロセスパラメータ下で生物学的有効性を示す。さらに、本発明によるコラーゲンペプチドの生物学的有効性は、当業者に知られている他の試験、特にイン・ビトロ試験、好ましくは骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験においても実証することができる。
【0168】
本発明によれば、「細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激」という用語は、外因性の影響による、特に本発明によるコラーゲンペプチドによる、細胞、好ましくは骨芽細胞、線維芽細胞および/もしくは軟骨細胞における細胞外マトリックスの少なくとも1つのタンパク質の生合成の促進、ならびに/または細胞、好ましくは骨芽細胞、線維芽細胞および/もしくは軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質をコードする少なくとも1つのmRNAの生合成の促進を意味すると理解される。本発明によれば、特に「細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激」という用語は、外因性の影響による、特に本発明によるコラーゲンペプチドによる、細胞、好ましくは骨芽細胞、線維芽細胞および/もしくは軟骨細胞により分泌される少なくとも1つの細胞外マトリックスタンパク質の量の増加、ならびに/または細胞、好ましくは骨芽細胞、線維芽細胞および/もしくは軟骨細胞において合成される、細胞外マトリックスタンパク質をコードする少なくとも1つのmRNAの量の増加を意味すると理解される。
【0169】
本発明において、「コラーゲン」という用語は、当該技術分野で慣用されているとおりに、特に例えば国際公開第01/34646号に定義されているように理解される。好ましい一実施形態では、「コラーゲン」という用語は、I~XXVII型コラーゲンに関する。もう1つの好ましい実施形態では、「コラーゲン」という用語は、配列グリシン-プロリン、グリシン-4-ヒドロキシプロリンまたはグリシン-X-4-ヒドロキシプロリン、好ましくは反復モチーフ(Gly-X-Y)nを有するペプチドを意味すると理解され、ここで、XおよびYは、いずれのアミノ酸であってもよく、好ましくはプロリンおよび4-ヒドロキシプロリンである。特に好ましくは、「コラーゲン」という用語は、反復モチーフ(Gly-Pro-Y)nおよび/または(Gly-X-Hyp)mを有するペプチドを意味すると理解され、ここで、XおよびYは、いずれのアミノ酸であってもよい。
【0170】
好ましくは、本発明において、「ゼラチン」という用語は、当該技術分野で慣用されているとおりに、特に例えば国際公開第01/34646号で定義されているように理解される。
【0171】
本発明において、「コラーゲンペプチド」という用語は、上述の定義によるコラーゲン中に存在するアミノ酸配列を有するペプチドを意味すると理解され、ペプチドは、少なくともジペプチドであり、好ましくはオリゴペプチドまたはポリペプチドである。コラーゲンペプチドは、特に化学的に修飾された形態、特にヒドロキシル化および/またはグリコシル化された形態で存在していてもよいし、非修飾であってもよい。
【0172】
本発明によれば、「機能保存配列改変体」という用語は、所定のアミノ酸配列の改変、特に単一または複数のアミノ酸の置換、挿入および/または欠失であって、これにより所定のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列が得られるが、改変されたアミノ酸配列は、所定のアミノ酸配列に特徴的な機能、特にその生物学的有効性を保持しているものと理解される。
【0173】
好ましくは、「機能保存配列改変体」とは、所定のアミノ酸配列の改変体であって、所定のアミノ酸配列に特徴的な機能、特に生物学的有効性、特に結合組織に関する生物学的有効性、特に、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験による生物学的有効性が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは100%保持されるものを意味すると理解される。より好ましくは、本発明によれば、「機能保存配列改変体」とは、所定のアミノ酸配列の改変体であって、改変されたアミノ酸配列が、所定のアミノ酸配列に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも55%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%の配列相同性を有するものを意味すると理解される。
【0174】
特に好ましくは、本発明による「機能保存配列改変体」とは、所定のアミノ酸配列の改変体であって、所定の化学的・物理的特性を有する1つ以上のアミノ酸を、それぞれ同一または類似の化学的・物理的特性を有する1つ以上のアミノ酸で置き換えたもの、特に、例えば非極性の側鎖を有するアミノ酸(例えば、Ala、Val、Met、Leu、Ile、Pro、Trp、Phe)を、非極性の側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Ala、Val、Met、Leu、Ile、Pro、Trp、Phe)で置き換えたもの、極性の中性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Tyr、Thr、Gln、Gly、Ser、Cys、Asn)を、極性の中性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Tyr、Thr、Gln、Gly、Ser、Cys、Asn)で置き換えたもの、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Glu、Asp)を、酸性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Glu、Asp)で置き換えたもの、および/または塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Lys、Arg、His)を、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Lys、Arg、His)で置き換えたものである。この実施形態によれば、「機能保存配列改変体」では、所定のアミノ酸配列の化学的・物理的特性が変化しないか、またはわずかにしか変化しない。
【0175】
もう1つの実施形態では、「機能保存配列改変体」が、所定のアミノ酸配列、特に天然に存在するアミノ酸配列の少なくとも1つのアミノ酸、好ましくは所定のアミノ酸配列、特に天然に存在するアミノ酸配列の少なくとも1つの非必須アミノ酸、特にAla、Asn、Asp、Glu、Serを、少なくとも1つの極めて特定のアミノ酸、特に少なくとも1つの必須アミノ酸、特にIle、Leu、Lys、Met、Phe、Thr、Trp、Val、His、Cys、Tyr、特に好ましくはTrpで置き換えたものであり、その際、所定のアミノ酸配列、特に天然に存在するアミノ酸配列に特徴的な機能、特に生物学的有効性、特に結合組織に関する生物学的有効性、特に、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験による生物学的有効性が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは100%保持されることを提供することができる。この実施形態の例を挙げると、配列番号23、27、28に示す合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドはそれぞれ、配列番号7に示す合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドの「機能保存配列改変体」であり、その際、非必須アミノ酸が必須アミノ酸で置き換えられている。同様に、配列番号24、29および30に示す合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドはそれぞれ、配列番号22に示す合成または組換えコラーゲンペプチド、特に合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチドの「機能保存配列改変体」であり、その際、非必須アミノ酸が必須アミノ酸で置き換えられている。
【0176】
本発明によれば、「機能保存配列改変体」とは、所定のアミノ酸配列、特に天然に存在するアミノ酸配列の改変体であって、所定のアミノ酸配列、特に天然に存在するアミノ酸配列に、少なくとも1つのアミノ酸、好ましくは少なくとも1つの必須アミノ酸、特にIle、Leu、Lys、Met、Phe、Thr、Trp、Val、His、Cys、Tyr、特に好ましくはTrpが挿入されており、その際、所定のアミノ酸配列、特に天然に存在するアミノ酸配列に特徴的な機能、特に生物学的有効性、特に結合組織に関する生物学的有効性、特に、実施例3~6に示す、骨芽細胞、線維芽細胞および軟骨細胞における細胞外マトリックスタンパク質の合成の刺激に関するイン・ビトロ試験による生物学的有効性が、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは100%保持されるものも意味すると理解される。この場合、本発明によれば、少なくとも1つのアミノ酸、好ましくは少なくとも1つの必須アミノ酸、特にIle、Leu、Lys、Met、Phe、Thr、Trp、Val、His、Cys、Tyr、特に好ましくはTrpを、アミノ酸配列のN末端、C末端および/または内部に挿入することを提供することができる。
【0177】
本発明において、「アミノ酸修飾」という用語は、コラーゲンペプチドの元のアミノ酸骨格、特に1つ以上のタンパク質生成アミノ酸を保持したまま、コラーゲンペプチドの合成前、合成後、または合成中に起こる1つ以上のアミノ酸の化学変化を意味する。したがって、この用語は、本発明によるコラーゲンペプチドを合成するために化学修飾されたアミノ酸を使用することと、コラーゲンペプチドの合成後または合成中にアミノ酸を化学修飾することとの双方を包含する。コラーゲンペプチドに典型的なアミノ酸修飾は、特にプロリン残基およびリジン残基のヒドロキシル化、およびヒドロキシル化されたリジン残基のグリコシル化である。しかし、本発明によれば、前記用語は、リン酸化、N-グリコシル化、アセチル化、メチル化、ミリストイル化など、アミノ酸の他の化学変化も包含する。
【0178】
本発明において、「合成または組換えコラーゲンペプチド」または「合成または組換えにより製造されたコラーゲンペプチド」とは、化学合成、特に固相合成、または発現系を用いたバイオテクノロジーによる組換え製造で得られたコラーゲンペプチドを意味すると理解される。本発明によれば、「合成コラーゲンペプチド」あるいは「合成により製造されたコラーゲンペプチド」と、「組換えコラーゲンペプチド」あるいは「組換えにより製造されたコラーゲンペプチド」とは、天然源から得られたものではないという点で共通している。
【0179】
本発明において、「組換えDNA」という用語は、遺伝子工学的手法によってイン・ビトロで製造された人工的に製造または操作されたDNA分子を意味する。好ましい一実施形態では、組換えDNAは、起源の異なる生物の成分から構成されている。
【0180】
本発明において、「発現カセット」という用語は、DNAセグメントであって、該セグメントにコードされている情報をRNA、特にmRNAに転写する役割を担い、かつ少なくとも1つのプロモーター、およびタンパク質をコードする1つのヌクレオチド配列、通常は少なくとも1つのプロモーター、タンパク質をコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列、および任意にターミネーターを有するものを意味すると理解される。
【0181】
本発明において、「ヌクレオチド配列」とは、核酸、特に核酸鎖、特にDNAまたはRNA鎖のヌクレオチドの配列を意味すると理解される。したがって、「ヌクレオチド配列」とは、情報単位であると同時に、その情報を物理的に表現しているDNAまたはRNA鎖であると理解すべきである。
【0182】
本発明において、「発現系」という用語は、対象となる制御されたタンパク質の生合成を行うことができる系を意味すると理解される。本発明によれば、「発現系」という用語には、タンパク質の生合成に必要な成分が細胞内に存在しない、すなわちタンパク質の生合成が細胞外で行われる無細胞発現系、ならびにタンパク質の生合成が生細胞内で行われる細胞ベースの発現系との双方が包含される。本発明において、無細胞発現系とは、好ましくは、大腸菌(E. coli)、昆虫細胞、コムギ胚芽、タバコ細胞または哺乳類細胞、特にCHO細胞またはウサギの網状赤血球からの溶解産物または抽出物で、タンパク質の生合成に必要な成分、特に翻訳系および転写系を有するものである。本発明によるいずれかの方法で無細胞発現系を使用する場合、「培養」という用語は「インキュベート」と同義である。
【0183】
本発明において、「宿主細胞」とは、外来DNA、特に組換えDNAによってコードされるペプチドまたはタンパク質を発現することができる生細胞を意味すると理解される。
【0184】
方法工程c)の「コラーゲンペプチドの回収」という用語は、既知の単離法、例えば遠心分離法、特に分画遠心分離法および/または密度勾配遠心分離法、クロマトグラフィー法、特にゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィーおよび/または高速液体クロマトグラフィー、電気泳動法、ろ過法および/または抽出法により、複数の成分を含む組成物からコラーゲンペプチドを単離するための当業者に知られた方法を指し、多成分を含む組成物からの当該成分の富化および精製は、好ましくは複数の単離法を連続的に適用することによって達成することができる。
【0185】
本発明によれば、「コラーゲンペプチドの発現を可能にする条件」とは、特に温度、圧力、時間、光、ならびに誘導剤および/または抑制剤の存在または非存在など、コラーゲンペプチドの発現を活性化または増強する条件を意味すると理解される。好ましい一実施形態では、コラーゲンペプチドの発現は、高細胞密度発酵の範囲内で、特に高圧下、好ましくは高気圧下で行われる。コラーゲンペプチドの発現を可能にする具体的な条件は、当業者には知られており、使用される発現系および使用される発現カセット、特にその中に含まれるプロモーターに依存する。コラーゲンペプチドの発現は、発現カセットの構造に応じて、構成的発現であっても誘導的発現であってもよい。
【0186】
本発明において、「含む(umfassend)」および「有する(aufweisend)」という用語は、これらの用語によって明示的に対象となる要素に加えて、明示的に言及されていないそれ以外の要素が追加されてもよいことを意味すると理解される。本発明において、これらの用語は、明示的に言及された要素のみが対象となり、それ以外の要素が存在しないこととも理解される。この特定の実施形態では、「含む」および「有する」という用語の意味は、「からなる」という用語と同義である。さらに、「含む」および「有する」という用語は、明示的に言及された要素に加えて、言及されていないが機能的および質的に従属的な性質を有するそれ以外の要素も含む組成物も対象とする。この実施形態では、「含む」および「有する」という用語の意味は、「実質的に~からなる」という用語と同義である。
【0187】
本発明において、小数点以下第1位および第2位または小数点以下第2位が示されていない場合には、これらの桁は0であるものとする。
【0188】
本発明において、「および/または」という用語は、「および/または」という用語によって接続された群のすべての構成要素が、互いに代替的に、およびそれぞれ互いに累積的に任意の組み合わせで開示されていることを意味すると理解される。これは、「A、Bおよび/またはC」という表現は、以下の開示内容、すなわちa)AまたはBまたはC、またはb)(AおよびB)、またはc)(AおよびC)、またはd)(BおよびC)、またはe)(AおよびBおよびC)と理解されるべきであることを意味している。
【0189】
さらなる好ましい実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0190】
以下、全般的な発明の思想を限定することなく、例示的な配列、図面および実施例を参照しながら本発明を説明する。
【0191】
以下の記載において、
配列番号1は、11個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Alaである。
【0192】
配列番号2は、33個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Pro-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Serである。
【0193】
配列番号3は、24個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Proである。
【0194】
配列番号4は、24個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Argである。
【0195】
配列番号5は、24個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Pro-Gly-Ala-Arg-Gly-Gln-Ala-Gly-Val-Met-Gly-Phe-Pro-Gly-Pro-Lysである。
【0196】
配列番号6は、11個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Alaである。
【0197】
配列番号7は、33個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Serである。
【0198】
配列番号8は、24個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hypである。
【0199】
配列番号9は、24個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Argである。
【0200】
配列番号10は、24個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Ala-Arg-Gly-Gln-Ala-Gly-Val-Met-Gly-Phe-4Hyp-Gly-Pro-Lysである。
【0201】
配列番号11は、11個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leuである。
【0202】
配列番号12は、23個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Alaである。
【0203】
配列番号13は、58個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Pro-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Ser-Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Thr-Gly-Ala-Arg-Gly-Ala-Pro-Gly-Asp-Arg-Gly-Glu-Pro-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Glyである。
【0204】
配列番号14は、90個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-Pro-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Pro-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Ser-Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Thr-Gly-Ala-Arg-Gly-Ala-Pro-Gly-Asp-Arg-Gly-Glu-Pro-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Phe-Ala-Gly-Pro-Pro-Gly-Ala-Asp-Gly-Gln-Pro-Gly-Ala-Lys-Gly-Glu-Pro-Gly-Asp-Ala-Gly-Ala-Lys-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Alaである。
【0205】
配列番号15は、19個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Lys-Gly-Ala-Pro-Gly-Ala-Asp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Pro-Gly-Thr-Pro-Gly-Pro-Glnである。
【0206】
配列番号16は、35個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Ala-Gly-Glu-Lys-Gly-Ala-Pro-Gly-Ala-Asp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-Pro-Gly-Thr-Pro-Gly-Pro-Gln-Gly-Ile-Ala-Gly-Gln-Arg-Gly-Valである。
【0207】
配列番号17は、11個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leuである。
【0208】
配列番号18は、23個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Alaである。
【0209】
配列番号19は、58個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Ser-Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Thr-Gly-Ala-Arg-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Arg-Gly-Glu-4Hyp-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Glyである。
【0210】
配列番号20は、90個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Ser-Gly-Pro-Ala-Gly-Pro-Thr-Gly-Ala-Arg-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Arg-Gly-Glu-4Hyp-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Phe-Ala-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Ala-Asp-Gly-Gln-4Hyp-Gly-Ala-Lys-Gly-Glu-Pro-Gly-Asp-Ala-Gly-Ala-Lys-Gly-Asp-Ala-Gly-Pro-Pro-Gly-Pro-Alaである。
【0211】
配列番号21は、19個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Lys-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Ala-Asp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Thr-Pro-Gly-Pro-Glnである。
【0212】
配列番号22は、35個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Glu-Lys-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Ala-Asp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Thr-Pro-Gly-Pro-Gln-Gly-Ile-Ala-Gly-Gln-Arg-Gly-Valである。
【0213】
配列番号23は、33個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Val-4Hyp-Gly-Lys-Tyr-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Leu-Gly-Ile-4Hyp-Gly-Trp-Lys-Gly-Phe-Val-Gly-Pro-Thrである。
【0214】
配列番号24は、36個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Val-Gly-Thr-Lys-Gly-Ile-4Hyp-Gly-Val-Tyr-Gly-Pro-Leu-Gly-Ile-4Hyp-Gly-Thr-Pro-Gly-Pro-Trp-Gly-Ile-Leu-Gly-Thr-Lys-Arg-Gly-Valである。
【0215】
配列番号25は、33個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-4Hyp-Ile-Gly-4Hyp-4Hyp-Gly-4Hyp-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-4Hyp-Serである。
【0216】
配列番号26は、39個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列His-His-His-His-His-His-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Lys-Asp-Gly-Val-Arg-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Ala-Gly-Ala-4Hyp-Gly-Asp-Lys-Gly-Glu-Ala-Gly-Pro-Serである。
【0217】
配列番号27は、33個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Leu-4Hyp-Gly-Lys-Met-Gly-Val-Phe-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Ile-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Trp-Gly-Val-4Hyp-Gly-His-Lys-Gly-Tyr-Leu-Gly-Pro-Thrである。
【0218】
配列番号28は、33個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Leu-4Hyp-Gly-Lys-Tyr-Gly-Val-His-Gly-Leu-Thr-Gly-Pro-Leu-Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Met-Gly-Ile-4Hyp-Gly-Trp-Lys-Gly-Phe-Val-Gly-Pro-Thrである。
【0219】
配列番号29は、35個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Leu-Gly-Met-Lys-Gly-Leu-4Hyp-Gly-Val-Trp-Gly-Pro-Phe-Gly-Leu-4Hyp-Gly-Thr-Pro-Gly-Pro-His-Gly-Ile-Thr-Gly-Tyr-Lys-Gly-Valである。
【0220】
配列番号30は、35個のアミノ酸を含むヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドのアミノ酸配列Gly-Pro-4Hyp-Gly-Pro-Val-Gly-Thr-Lys-Gly-Leu-4Hyp-Gly-Phe-Tyr-Gly-Pro-Leu-Gly-Ile-4Hyp-Gly-His-Pro-Gly-Pro-Trp-Gly-Met-Leu-Gly-Thr-Lys-Gly-Valである。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【
図1A】本発明による配列番号2、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10のコラーゲンペプチドによるヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)、および実施例6による2種類の異なるゼラチン対照(豚皮由来の160ブルームのゼラチン(ゼラチン160)、ウシ皮革(Rinderspalt)由来の260ブルームのゼラチン(ゼラチン260))と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数(Faktor)を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図1B】本発明による配列番号2、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10のコラーゲンペプチドによるヒト軟骨細胞のコラーゲン合成の刺激を、実施例6による天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Fortigel)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図2A】本発明による配列番号2、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10のコラーゲンペプチドによるヒト真皮線維芽細胞のプロテオグリカン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)、および実施例6による2種類の異なるゼラチン対照(豚皮由来の160ブルームのゼラチン(ゼラチン160)、ウシ皮革由来の260ブルームのゼラチン(ゼラチン260))と比較して示す図である。未処理サンプルに対するプロテオグリカン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図2B】本発明による配列番号2、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10のコラーゲンペプチドによるヒト軟骨細胞のプロテオグリカン合成の刺激を、実施例6による天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Fortigel)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図3】本発明による配列番号11~配列番号26のコラーゲンペプチドによるヒト軟骨細胞のコラーゲン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Fortigel)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図4】本発明による配列番号11~配列番号26のコラーゲンペプチドによるヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図5】本発明による配列番号11~配列番号24のコラーゲンペプチドによるヒト軟骨細胞のプロテオグリカン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Fortigel)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図6】本発明による配列番号11~配列番号26のコラーゲンペプチドによるヒト真皮線維芽細胞のプロテオグリカン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図7A】本発明による配列番号27~配列番号30のコラーゲンペプチドによるヒト真皮線維芽細胞のコラーゲン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【
図7B】本発明による配列番号27~配列番号30のコラーゲンペプチドによるヒト真皮線維芽細胞のプロテオグリカン合成の刺激を、天然源から得られた同等の平均分子量のコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)と比較して示す図である。未処理サンプルに対するコラーゲン合成の定量的測定の倍数を示す。エラーバーはそれぞれ、標準偏差(SEM)を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0222】
[実施例1]固相合成
本発明による配列番号1~配列番号10および配列番号27~配列番号30のアミノ酸配列のコラーゲンペプチドを、ポリスチレン樹脂上での固相合成(メリフィールド合成)により得た。
【0223】
[実施例2]組換えによる製造
さらに、さらなるコラーゲンペプチド、特に配列番号1~配列番号10のアミノ酸配列のコラーゲンペプチドを、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)での組換え発現によって得た。
【0224】
[実施例3]骨の健康
本発明によるコラーゲンペプチドの、骨の健康維持ならびに骨疾患の予防および治療に関する生物学的有効性を分析するために、骨芽細胞によるマトリックスの形成および石灰化に関与する細胞外マトリックスタンパク質および酵素の合成に対するその刺激作用をイン・ビトロで調べた。これは、対応するmRNAの発現量を、リアルタイムPCRおよび半定量化的評価により(コラーゲンペプチドを含まない対照に対して)測定することにより行う。
【0225】
このために、まず7mg/mlのヒアルロニダーゼタイプIおよびIII-Sならびに5mg/mlのプロナーゼを添加したハンクス液中で37℃にて強度に撹拌しながら膝関節からの骨材料を1時間インキュベートすることにより、ヒト骨芽細胞を単離した。次いで、16mg/mlのコラゲナーゼタイプCLS IVを添加したハンクス液中で37℃にて3~5時間消化を続ける。この酵素による消化の後に、得られた初代骨芽細胞を、10%のウシ胎児血清、20U/mlのペニシリン-ストレプトマイシン、50μg/mlのパートリシン(Partricin)、0.05mg/mlのアスコルビン酸および0.15mg/mlのグルタミンを添加したハムF12培地内で培養する。また、生物学的有効性を調べるために、初代骨芽細胞(製品番号C-12760 2019)をPromoCell GmbH(ドイツ・ハイデルベルク)より購入することもできる。その後、10%のウシ胎児血清、20U/mlのペニシリン-ストレプトマイシン、50μg/mlのパートリジンおよび0.15mg/mlのグルタミンを添加したハムF12培地内でこの細胞を培養する。
【0226】
生物学的有効性を調べるために、単離したヒト骨芽細胞の単層細胞培養物を、それぞれのコラーゲンペプチドを0.5mg/ml添加した培地で24時間インキュベートする。対照は、それぞれペプチドを含まない培地でインキュベートする。次いで、それぞれのmRNAの発現量を測定する。
【0227】
[実施例4]皮膚の健康
コラーゲン(I型)ならびにプロテオグリカンであるビグリカンおよびバーシカンの合成の刺激を、イン・ビトロでヒト真皮線維芽細胞(皮膚細胞)にて調べた。このために、低分子コラーゲンペプチドまたは本発明によるコラーゲンペプチドをそれぞれ0.5mg/ml用いて細胞を24時間インキュベートし、次いで、コラーゲンRNA、ビグリカンRNAおよびバーシカンRNAの発現量をリアルタイムPCRで測定し、半定量化的に(ペプチドを含まない対照に対して)評価する。
【0228】
[実施例5]軟骨の健康
細胞培養のため、ブタまたはヒトの軟骨細胞を軟骨組織から既知の方法で単離し、約350,000細胞/cm2の密度で培養プレートに播種する。培地として、10%のウシ胎児血清、10μg/mlのゲンタマイシンおよび5μg/mlのアンフォテリジンBを含むハムF12培地を使用する。10μg/mlのゲンタマイシンに代えて、10μg/mlのペニシリン-ストレプトマイシンを使用することもできる。培養を、酸素低減雰囲気(5%O2、5%CO2および90%N2)中で37℃にて行った。
【0229】
コラーゲンの生合成の測定
軟骨細胞によって合成されたコラーゲン(基本的にはII型)の定量化を、コラーゲンに取り込まれた14C-プロリンによる放射性標識によって行う。
【0230】
培地にまず放射性14C-プロリンを加え、この条件下で軟骨細胞を測定時点までインキュベートする。検出時に、取り込まれた14C-プロリンと取り込まれていない14C-プロリンとを区別できるように、同位体を含む培地を純粋な培地に3日間にわたって置き換える。次いで、培地を除去し、付着した細胞層に蒸留水を加えて、浸透圧ストレスにより細胞膜を破壊し、結合していない細胞質の14C-プロリンを放出させる。遠心分離により、合成された細胞外マトリックスとともに細胞の残骸をペレット化する。このペレットを新鮮な蒸留水に再懸濁させ、キシレンシンチレーションカクテルと混合する。その後、βカウンタで14C-プロリンを検出することで、合成されたコラーゲンの量を定量化することができる。
【0231】
あるいは、製造者の指示に従って、Sircol Collagen Assay Kit(製品番号054S5000、2019、tebu-bio(ドイツ・オッフェンバッハ)またはBiocolor Ltd.(英国))を用いて定量化を行うこともできる(実施例6参照)。
【0232】
プロテオグリカンの生合成の測定
軟骨細胞から合成されたプロテオグリカンを、プロテオグリカンの構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)のアルシアンブルー染色および測光により定量する。
【0233】
細胞培養物中のGAG含有量を測定するために、まず培養液を除去し、付着した細胞層をPBSバッファー(pH7)でリンスする。次いで、PBS中の10%ホルムアルデヒド溶液中で細胞を4℃で2時間固定する。ホルムアルデヒドを除去した後、アルシアンブルー染色試薬(3%酢酸中の5%アルシアンブルー)を細胞層に加え、4℃で一晩インキュベートする。結合していないアルシアンブルーを除去し、PBSで3~4回慎重にリンスして洗い流す。酸性グアニジン溶液(8mol/l)を加えることにより、細胞層からGAG複合体を溶出させる。その後、グリコサミノグリカンの量を620nmの波長で測光的に定量化することができる。
【0234】
あるいは、製造者の指示に従って、Blyscan Glycosaminoglycan Assay Kit(製品番号054B3000、2019、tebu-bio(ドイツ・オッフェンバッハ)またはBiocolor Ltd.(英国))を用いて定量化を行うこともできる(実施例6参照)。
【0235】
[実施例6]本発明による合成コラーゲンペプチドがマトリックスタンパク質の生合成に与える影響
細胞培養:
使用したヒト細胞は、tebu-bio GmbH(ドイツ・オッフェンバッハ)より入手した。まず、軟骨細胞(カタログ番号402-05a)あるいは真皮線維芽細胞(カタログ番号106-05a)を12ウェル培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清、20U/mlペニシリン-ストレプトマイシン、および50μg/mlアスコルビン酸を添加したハムF12培地内で、37℃、5%CO2で培養した。2日ごとに、細胞が80%コンフルエントになるまで、この培地を新しい培地に交換した。本発明による、配列番号2(ヒドロキシル化されていない)、配列番号7(ヒドロキシル化された)、配列番号8(ヒドロキシル化された)、配列番号9(ヒドロキシル化された)、配列番号10(ヒドロキシル化された)、配列番号11(ヒドロキシル化されていない)、配列番号12(ヒドロキシル化されていない)、配列番号13(ヒドロキシル化されていない)、配列番号14(ヒドロキシル化されていない)、配列番号15(ヒドロキシル化されていない)、配列番号16(ヒドロキシル化されていない)、配列番号17(ヒドロキシル化された)、配列番号18(ヒドロキシル化された)、配列番号19(ヒドロキシル化された)、配列番号20(ヒドロキシル化された)、配列番号21(ヒドロキシル化された)、配列番号22(ヒドロキシル化された)、配列番号23(ヒドロキシル化された)、配列番号24(ヒドロキシル化された)、配列番号25(ヒドロキシル化された)、配列番号26(ヒドロキシル化された)、配列番号27(ヒドロキシル化された)、配列番号28(ヒドロキシル化された)、配列番号29(ヒドロキシル化された)、および配列番号30(ヒドロキシル化された)のコラーゲンペプチドがマトリックスタンパク質の生合成に与える影響を調べるために、この細胞培地を、特定のコラーゲンペプチドを0.5mg/ml添加した特定の刺激培地に置き換えた。
【0236】
コラーゲンアッセイ:
コラーゲンの代謝を調べるために、細胞を0.5mg/mlのBCPで3週間刺激した後、新たに合成されたコラーゲンの量を測定した。合成されたコラーゲンを、製造者の指示に従ってSircol-Assay(製品番号054S5000、2019、tebu-bio(ドイツ・オッフェンバッハ)またはBiocolor Ltd.(英国))を用いて単離した。簡潔には、まず、それぞれ培地を除去し、0.5M酢酸中のペプシン溶液0.1mgを用いて4℃で一晩かけて、付着した細胞層を消化した。100μlの酸中和試薬を加えて、細胞懸濁液を中和した。次いで、合成されたコラーゲンを、4℃で一晩激しく振盪しながら、200μlの単離・富化液を加えて分離した。遠心分離(12000rpm、10分)して上澄みを除去した後、単離したコラーゲンを1mlのSircol色素溶液に再懸濁させた。30分間の振盪およびさらなる遠心分離の後、コラーゲンペレットに750μlの低温の固体酸洗浄試薬を重ねた。再び遠心分離した後、上澄みを除去し、富化されたコラーゲンを250μlのアルカリ溶液に取り込んだ。各サンプル溶液200μlを使用して、合成されたコラーゲンの定量化を測光により行った。波長492nmで吸光度を測定した。それぞれ合成されたコラーゲンの量を、標準化されたコラーゲン溶液に対して決定した。
【0237】
未処理対照と比較して、真皮線維芽細胞によるコラーゲン合成の増加を認めることができ、この真皮線維芽細胞は、本発明によるヒドロキシル化された配列番号7(42%の増加)、配列番号8(37%の増加)、配列番号9(38%の増加)、配列番号10(35%の増加)、配列番号17(42%の増加)、配列番号18(40%の増加)、配列番号19(40%の増加)、配列番号20(37%の増加)、配列番号21(36%の増加)、配列番号22(43%の増加)、配列番号23(39%の増加)、配列番号24(36%の増加)、配列番号25(27%の増加)、配列番号26(12%の増加)、配列番号27(27%の増加)、配列番号28(22%の増加)、配列番号29(21%の増加)、および配列番号30(21%の増加)のコラーゲンペプチドを用いてインキュベートしたものである(
図1A、
図4、
図7A)。さらに、本発明によるヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて真皮線維芽細胞をインキュベートしたところ、天然源から得られた同等の平均分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)を用いて細胞をインキュベートした場合と少なくとも同等のコラーゲン合成の刺激が生じることが判明した(配列番号2(22%の増加)、配列番号11(19%の増加)、配列番号12(22%の増加)、配列番号13(20%の増加)、配列番号14(22%の増加)、配列番号15(23%の増加)、および配列番号16(22%の増加))。調査した本発明によるいずれのコラーゲンペプチドも、ゼラチン対照(ゼラチン160、ゼラチン260)と比較して、コラーゲン合成の有意な増加を示した。
【0238】
また、本発明のコラーゲンペプチドを用いてインキュベートした軟骨細胞についても、未処理対照と比較してコラーゲン合成の増加が認められた。ヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを用いて軟骨細胞をインキュベートしたところ、コラーゲン合成が28%(配列番号7)、24%(配列番号8、9)、20%(配列番号10)、33%(配列番号17)、32%(配列番号18)、37%(配列番号19)、30%(配列番号20)、55%(配列番号21)、46%(配列番号22)、19%(配列番号23、25)、26%(配列番号24)、および12%(配列番号26)増加した。本発明によるヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて軟骨細胞をインキュベートしたところ、天然源から得られた同等の平均分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの混合物(Fortigel)を用いて細胞をインキュベートした場合と少なくとも同等のコラーゲン合成の刺激が得られた(
図1B、
図3)。ここで、ヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて軟骨細胞をインキュベートしたところ、コラーゲン合成が16%(配列番号2、11)、24%(配列番号12)、15%(配列番号13)、28%(配列番号14)、および31%(配列番号15、16)増加した。
【0239】
プロテオグリカンアッセイ:
プロテオグリカンの測定には、Blyscan-Glycosaminoglycan-Assay(製品番号054B3000、2019、tebu-bio(ドイツ・オッフェンバッハ)またはBiocolor Ltd.(英国))を使用した。ここでは、真皮線維芽細胞を2週間刺激した後のプロテオグリカンの生合成を調べた。製造者の指示に従って、培地を除去した後、細胞層に1mlのパパイン抽出液を重ね、激しく振盪しながら65℃で3時間インキュベートした。その後、細胞懸濁液を遠心分離(10000g、10分)し、上澄みを回収した。Blyscan色素溶液1mlを加えて振盪(30分)した後、上澄みを再度遠心分離(12000rpm、10分)してから除去した。単離したプロテオグリカンのペレットを、500μlの解離液に再懸濁させた。各200μlのサンプル溶液中の合成されたプロテオグリカンを、波長656nmで未処理対照実験と比較して測光により測定した。
【0240】
図2A、6、および7Bから明らかであるように、線維芽細胞を本発明によるコラーゲンペプチドを用いてインキュベートした場合、真皮線維芽細胞によるプロテオグリカンの合成は、未処理対照と比較して有意に増加した。例えば、ヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを用いて細胞をインキュベートしたところ、プロテオグリカンの合成が41%(配列番号7)、23%(配列番号8、25)、27%(配列番号9、21)、25%(配列番号10)、24%(配列番号17)、31%(配列番号18)、29%(配列番号19、20)、28%(配列番号22)、22%(配列番号23、28、30)、26%(配列番号24、27)、6%(配列番号26)、および21%(配列番号29)増加した。さらに、本発明によるヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて真皮線維芽細胞をインキュベートした場合、天然源から得られた同等の平均分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの混合物(Verisol)を用いて細胞をインキュベートした場合と少なくとも同等のプロテオグリカン合成の刺激が得られることが判明した。ここで、ヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて真皮線維芽細胞をインキュベートしたところ、コラーゲン合成が18%(配列番号2、11、15、16)、19%(配列番号12)、16%(配列番号13)、および14%(配列番号14)増加した。調査した本発明によるいずれのコラーゲンペプチドについても、ゼラチン対照(ゼラチン160、ゼラチン260)と比較して、プロテオグリカン合成の有意な増加を認めることができた。
【0241】
また、本発明によるコラーゲンペプチドを用いてインキュベートした軟骨細胞も、未処理対照と比較してプロテオグリカン合成の増加を示した(
図2Bおよび5)。ヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを用いて軟骨細胞をインキュベートしたところ、コラーゲン合成が30%(配列番号7)、20%(配列番号8)、19%(配列番号9)、29%(配列番号10)、31%(配列番号17)、25%(配列番号18)、18%(配列番号19)、15%(配列番号20、24)、22%(配列番号21)、26%(配列番号22、24)、および11%(配列番号23)増加した。本発明によるヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて軟骨細胞をインキュベートしたところ、天然源から得られた同等の平均分子量のヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドの混合物(Fortigel)を用いて細胞をインキュベートした場合と少なくとも同等のプロテオグリカン合成の刺激が得られた(
図5、
図2B)。ヒドロキシル化されていないコラーゲンペプチドを用いて軟骨細胞をインキュベートしたところ、プロテオグリカン合成が22%(配列番号2)、28%(配列番号11)、23%(配列番号12)、9%(配列番号13)、14%(配列番号14)、6%(配列番号15)、および18%(配列番号16)増加した。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2021-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.18~10.0kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有する、ヒトまたは動物の身体の治療的処置方法に使用するための、合成または組換えコラーゲンペプチド。
【請求項2】
前記コラーゲンペプチドは、配列番号1、15のアミノ酸配列、またはその機能保存配列改変体を有する、請求項1に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項3】
前記コラーゲンペプチドは、少なくとも1つのプロリン残基がヒドロキシル化された配列番号1のアミノ酸配列を有し、特に前記コラーゲンペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を有する、請求項1または請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項4】
前記コラーゲンペプチドは、配列番号1~30からなる群から選択されるアミノ酸配列を有し、特に、配列番号1~4、6~9、12~14、および18~20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項5】
前記コラーゲンペプチドは、結合組織細胞、特に骨芽細胞、軟骨細胞および/または線維芽細胞において、細胞外マトリックスタンパク質、特にコラーゲンの合成を刺激することができる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項6】
前記コラーゲンペプチドは、アミノ酸修飾されておらず、特にヒドロキシル化されていない、請求項1または請求項2に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項7】
前記コラーゲンペプチドは、ヒドロキシル化されたプロリン、ヒドロキシル化されたリジン、またはヒドロキシル化されたプロリンおよびヒドロキシル化されたリジンを有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項8】
前記コラーゲンペプチドは、少なくとも1つのヒドロキシル化されたリジン上でグリコシル化されている、請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項9】
骨疾患、特に骨粗鬆症を予防および/もしくは治療する方法、サルコペニアを予防および/もしくは治療する方法、筋肉量の退行性低下を予防および/もしくは治療する方法、軟骨疾患を予防および/もしくは治療する方法、筋力を向上させる方法、ミトコンドリア活性の低下を特徴とする病態を予防および/もしくは治療する方法、特に持久力の低下を特徴とする病態を予防および/もしくは治療する方法、体脂肪低下を刺激する方法、体重を減少させる方法、変形性関節疾患を予防および/もしくは治療する方法、腱または靭帯の疾患を予防および/もしくは治療する方法、皮膚疾患を予防および/もしくは治療する方法、神経変性疾患を予防および/もしくは治療する方法、認知症を予防および/もしくは治療する方法、アルツハイマー病を予防および/もしくは治療する方法、精神機能の低下を特徴とする病態を予防および/もしくは治療する方法、血液脳関門の機能不全に関連する疾患を予防および/もしくは治療する方法、腸疾患、特に慢性炎症性腸疾患を予防および/もしくは治療する方法、心臓血管系の疾患、特に血管の構造および/もしくは機能の疾患を予防および/もしくは治療する方法、または歯周組織の疾患を予防および/もしくは治療する方法に使用するための、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチド。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドと、製薬学的に許容される少なくとも1つの添加物とを含む医薬組成物であって、特に骨疾患、特に骨粗鬆症を予防および/もしくは治療する方法、サルコペニアを予防および/もしくは治療する方法、筋肉量の退行性低下を予防および/もしくは治療する方法、軟骨疾患を予防および/もしくは治療する方法、筋力を向上させる方法、体脂肪低下を刺激する方法、体重を減少させる方法、変形性関節疾患を予防および/もしくは治療する方法、腱または靭帯の疾患を予防および/もしくは治療する方法、皮膚疾患を予防および/もしくは治療する方法、神経変性疾患を予防および/もしくは治療する方法、認知症を予防および/もしくは治療する方法、アルツハイマー病を予防および/もしくは治療する方法、血液脳関門の機能不全に関連する疾患を予防および/もしくは治療する方法、腸疾患、特に慢性炎症性腸疾患を予防および/もしくは治療する方法、心臓血管系の疾患、特に血管の構造および/もしくは機能の疾患を予防および/もしくは治療する方法、または歯周組織の疾患を予防および/もしくは治療する方法に使用するための、医薬組成物。
【請求項11】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドと、食品に許容される少なくとも1つの添加物とを含む、栄養補助食品、食品または嗜好品。
【請求項12】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドと、少なくとも1つの皮膚適合性添加物とを含む、化粧品。
【請求項13】
筋力を向上させるための、筋肉量を増加させるための、体脂肪低下を刺激するための、体重を減少させるための、骨の健康を維持および/もしくは改善するための、皮膚の健康を維持および/もしくは改善するための、腸の健康を維持および/もしくは改善するための、血管構造を維持および/もしくは改善するための、心臓血管系の健康を維持およびもしくは改善するための、歯周組織を維持および/もしくは改善するための、ヒトもしくは動物の身体の爪および毛髪の健康を維持および/もしくは改善するための、ミトコンドリア数および/もしくはミトコンドリア活性を維持および/もしくは増加させるための、持久力を維持および/もしくは向上させるための、または精神機能を維持および/もしくは向上させるための、非治療的な方法であって、本発明による少なくとも1つのコラーゲンペプチドを前記ヒトまたは動物の身体に投与する、方法。
【請求項14】
皮膚を視覚的および構造的に改善するための、特にしわの形成を減少させるための、皮膚の弾力性を向上させるための、皮膚の張りを高めるための、皮膚の水分量を増加させるための、セルライトを減少させるための、および/またはストレッチマーク、特に妊娠線を減少させるための、非治療的な方法であって、0.18~10.0kDaの範囲内の分子量を有する少なくとも1つの合成または組換えコラーゲンペプチドをヒトまたは動物の身体に施与する、方法。
【請求項15】
爪の成長を促進するための、および/または爪の脆さを低減するための、非治療的な方法であって、0.18~10.0kDaの範囲内の分子量を有する少なくとも1つの合成または組換えコラーゲンペプチドをヒトまたは動物の身体に施与する、方法。
【請求項16】
毛髪を視覚的および構造的に改善するための、特に髪質を改善するための、枝毛を減少させるための、および/または抜け毛を減少もしくは遅延させるための、非治療的な方法であって、0.18~10.0kDaの範囲内の分子量を有する少なくとも1つの合成または組換えコラーゲンペプチドをヒトまたは動物の身体に施与する、方法。
【請求項17】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のコラーゲンペプチドを組換えにより製造する方法であって、
a)少なくとも1つの発現カセットを有する発現系を提供する方法工程であって、前記発現カセットは、0.18~10kDa、特に0.18~5.0kDa、特に1.1~5.0kDaの範囲内の分子量を有するコラーゲンペプチドをコードする少なくとも1つのヌクレオチド配列を有する方法工程と、
b)前記コラーゲンペプチドの発現を可能にする条件下で前記発現系を培養する方法工程と、
c)前記コラーゲンペプチドを回収する方法工程と
を含む、方法。
【請求項18】
前記発現系は、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞および植物細胞からなる群から選択される宿主細胞である、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヌクレオチド配列によってコードされるコラーゲンペプチドは、脊椎動物、特に哺乳類、鳥類、魚類、両生類、爬虫類または無脊椎動物のコラーゲンペプチドである、請求項
17または請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
前記発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基をヒドロキシル化することができる宿主細胞である、請求項
17から請求項
19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記宿主細胞は、プロリル-4ヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を有する少なくとも1つの発現カセットを有し、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを回収する、請求項
17から請求項
20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記宿主細胞は、リシルヒドロキシラーゼをコードするポリヌクレオチド配列を有する少なくとも1つの発現カセットを有し、イン・ビボでヒドロキシル化されたコラーゲンペプチドを回収する、請求項
17から請求項
21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記発現系は、発現されたコラーゲンペプチドのプロリン残基、リジン残基またはプロリン残基およびリジン残基のヒドロキシル化を生じさせることができない、請求項
17から請求項
19のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】