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特表2022-516434ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 209/24 20060101AFI20220218BHJP
   C07C 211/50 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
C07C209/24
C07C211/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535910
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(85)【翻訳文提出日】2021-08-16
(86)【国際出願番号】 US2019067775
(87)【国際公開番号】W WO2020132406
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/782,711
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517318182
【氏名又は名称】サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ミーガン, ジョナサン イー.
(72)【発明者】
【氏名】マルアニ, ビクトル
(72)【発明者】
【氏名】シャネン, バンサン
(72)【発明者】
【氏名】クロス, ポール
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC52
4H006AD15
4H006BA52
4H006BA66
4H006BB12
4H006BC10
(57)【要約】
本発明は、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法であって、(a)構造(I)に従うフルオレノン化合物を、構造(II)(式中:各R、R、R、R、R12、及びR13は、独立して、エポキシ化合物の重合において不活性である基であり、R11は、H又は(C~C)アルキルである)に従う過剰のアミノベンゼンと、150℃以上の沸点を有する芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む液体媒体中で、酸触媒の存在下で及び150℃以上の沸点を有する及びそれから前記ジ(アミノアリール)フルオレン化合物が結晶化可能である芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む液体媒体中で、酸触媒の存在下で反応させてジ(アミノアリール)フルオレン化合物を含む粗生成物混合物を形成する工程と、(b)ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を生成物混合物中で結晶化させる工程と、(c)生成物混合物を結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物と濾液とに分離する工程とを含む方法を指向する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法であって、
(a)構造(I):
に従うフルオレノン化合物を、
構造(II):
(式中:
各R、R、R、R、R12、及びR13は、独立して、エポキシ化合物の重合において不活性である基であり、
11は、H又は(C~C)アルキルである)
に従う過剰のアミノベンゼンと、150℃以上の沸点を有する及びそれからジ(アミノアリール)フルオレン化合物が結晶化可能である芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む液体媒体中で、酸触媒の存在下で反応させて、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を含む粗生成物混合物を形成する工程と、
(b)ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を粗生成物混合物中で結晶化させる工程と、
(c)生成物混合物を結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物と濾液とに分離する工程と
を含む方法。
【請求項2】
各R、R、R、及びRが、独立して、H又は(C~C)アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アミノベンゼンが、フルオレノン化合物の量を基準として、化学量論量の1.5~5倍で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
溶媒が、ベンゼン、トルエン、オルトジクロロベンゼン、キシレン、ナフタレン、トリスチリルフェノール、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(c)からの濾液を工程(a)にリサイクルする工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
濾液が、溶媒、未反応アミノベンゼン、構造(I)に従う未反応フルオレノン化合物、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物、及び酸触媒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の全収率が60%以上である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒で洗浄する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
溶媒がオルト-ジクロロベンゼンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の1重量部当たり0.5~100重量部のオルト-ジクロロベンゼンで洗浄される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、水、(C~C)アルカノール、又はそれらの混合物で洗浄する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、10~90重量部(C~C)アルカノールと10~90重量部水との混合物で洗浄される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、1000ppm未満の残存酸触媒を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、8000ppm未満の総計量の残存アミノベンゼン及び芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、構造(III):
(式中:
各R、R、R、R、R12、及びR13は、独立して、エポキシ化合物の重合において不活性である基であり、
11は、H又は(C~C)アルキルである)
に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのR12はハロゲンであるという条件で、各R12が、独立して、H又はハロゲンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
11並びに各R、R、R、R、及びR13が、独立して、H又は(C~C)アルキルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
11並びに各R、R、R、R、及びR13がHである、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、構造(III.a):
(式中、各R12はハロである)
に従う、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
各R12がクロロである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法であって、
(a)構造(I):
に従うフルオレノン化合物を、
構造(II):
(式中:
各R、R、R、R、R12、及びR13は、独立して、エポキシ化合物の重合において不活性である基であり、
11は、H又は(C~C)アルキルである)
に従う過剰のアミノベンゼンと、150℃以上の沸点を有する及びそれからジ(アミノアリール)フルオレン化合物が結晶化可能である芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む液体媒体中で、酸触媒の存在下で反応させて、前記ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を含む粗生成物混合物を形成する工程と、
(b)ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を粗生成物混合物から結晶化させる工程と、
(c)生成物混合物を結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物と濾液とに分離し、濾液の少なくとも一部を工程(a)にリサイクルしてもよい工程と、
(d)1回以上繰り返して、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒で洗浄する工程と、
(e)1回以上繰り返して、工程(d)において生成したジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、水、(C~C)アルカノール、又はそれらの混合物で洗浄する工程と、
(f)工程(e)において生成したジ(アミノアリール)フルオレン化合物を乾燥させる工程と
から本質的になる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
9,9-ビス(3,5-ジクロロ-4-アミノフェノール)フルオレン化合物(「CAF」)などの、ある種の9,9-ビス(アミノフェニル)フルオレン化合物は、エポキシ樹脂用の硬化剤として有用であることが知られている(例えば、米国特許第4,684,678号明細書を参照されたい)。
【0003】
高純度CAFの合成は、大量の廃棄物を発生させ得る。例えば、大過剰の2-クロロアニリン状態で行われる米国特許第4,684,678号明細書に記載されているCAF合成法では、反応生成物は、メタノール中で沈澱させられ、次いでメタノール中で洗浄される。リサイクルすることが困難である、大過剰容積の2-クロロアニリン、及び大量の廃棄メタノール洗浄液の処理は、プロセスに費用を追加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の製造方法であって、
(a)構造(I);
に従うフルオレノン化合物を、
構造(II):
(式中:
各R、R、R、R、R12、及びR13は、独立して、エポキシ化合物の重合において不活性である基であり、
11は、H又は(C~C)アルキルである)
に従う、過剰のアミノベンゼンと、150℃以上の沸点を有する及びそれからジ(アミノアリール)フルオレン化合物が結晶化可能である芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む液体媒体中で、酸触媒の存在下で反応させて、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を含む粗生成物混合物を形成する工程と、
(b)ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を生成物混合物中で結晶化させる工程と、
(c)生成物混合物を結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物と濾液とに分離する工程と
を含む方法を指向する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一実施形態において、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、9,9-ビス(3,5-ジクロロ-4-アミノフェノール)フルオレンである。
【0006】
本明細書で用いるところでは、用語「アルコキシ」は、飽和の直鎖又は分岐アルキルエーテルラジカル、より典型的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、又はノノキシなどの、(C~C22)アルキルエーテルラジカルを意味する。
【0007】
本明細書で用いるところでは、用語「アルキル」は、一価の直鎖又は分岐の飽和炭化水素ラジカル、より典型的には、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、又はn-ヘキサデシルなどの、一価の直鎖又は分岐の飽和(C~C22)炭化水素ラジカルを意味する。
【0008】
有機化合物に関連して本明細書で用いるところでは、用語「芳香族」は、酸素、窒素、及び硫黄ヘテロ原子から典型的には選択される、1つ以上のヘテロ原子によってそれぞれ任意選択的に割り込まれ得る、及び1つ以上のアリール部分の炭素原子の1個以上が、例えば、アルキル、アルコキシル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、アリール、アルカリール、又はアラルキルなどの1つ以上の有機基で任意選択的に置換されていてもよい、1つ以上のアリール部分を含む有機化合物を意味する。
【0009】
本明細書で用いるところでは、用語「アリール」は、ベンゼンなどの、環員のそれぞれが炭素原子である化合物、フラン、ピリジン、イミダゾール、及びチオフェンなどの、環員の1つ以上が、酸素、窒素及び硫黄原子から典型的には選択される、ヘテロ原子である化合物などの、及びここで環炭素の1個以上が1つ以上の有機基で置換され得る、4n+2(ここで、nは、0又は正の整数である)に等しいπ電子の数の、非局在化された、共役のπシステムを有する環状の、同一平面上の5又は6員有機基を意味する。
【0010】
本明細書で用いるところでは、有機基に関連して専門用語「(C-C)」(式中、n及びmはそれぞれ整数である)は、基が、1基当たりn個の炭素原子からm個の炭素原子を含有し得ることを示す。
【0011】
用語「硬化する」及び「硬化」は、本明細書で用いるところでは、硬化性樹脂組成物の重合及び/又は架橋を含み得る。
【0012】
本明細書で用いるところでは、用語「硬化剤」は、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化性樹脂成分の重合を開始できる1つ以上の化学種を提供するために解離できる化合物又は錯体を意味する。
【0013】
本明細書で用いるところでは、用語「シクロアルキル」は、例えば、シクロペンチル、シクロオクチル、又はアダマンタニルなどの、1つ以上の環状アルキル環を含む飽和(C~C22)炭化水素ラジカルを意味する。
【0014】
本明細書で用いるところでは、「エポキシド基」は、ビシナルエポキシ基、すなわち、1,2-エポキシ基を意味する。
【0015】
本明細書で用いるところでは、用語「ハロ」は、ハロゲンラジカル、すなわち、クロロ、フルオロ、ブロモ、又はヨード基を意味する。
【0016】
重合において不活性であり、構造(I)に従うフルオレノン化合物のR、R、R、及びR並びに式(II)に従うアミノベンゼンのR12及びR13として好適である基としては、H、アルキル、アルコキシル、シクロアルキル、及びアリール環の1個以上の炭素原子がアルキル上で任意選択的に置換されていてもよい、単環式アリールが挙げられる。より典型的には、構造(I)に従うフルオレノン化合物の各R、R、R、及びR並びに式(II)に従うアミノベンゼンのR12及びR13は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシル、シクロヘキシル、又はフェニルである。
【0017】
一実施形態において、各R、R、R、及びRは、独立して、H又は(C~C)アルキルである。
【0018】
一実施形態において、各R、R、R、及びRはHである。
【0019】
好適なフルオレノン化合物としては、フルオレノン、
1,2,-ジヒドロキシフルオレン-9-オン、
3,4,-ジヒドロキシフルオレン-9-オン、
1,2,6,7-テトラヒドロキシフルオレン-9-オン、
1,2-ジアミノ-フルオレン-9-オン、
(R)-1,11-カルボニルアポルフィン、
7(h)-オキソ-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロビシクロペンタフルオレン、
13(h)-オキソ-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロビシクロヘキサフルオレン、
1,2,3,4-テトラヒドロ-11-メトキシ-13H-ジベンゾ[a,g]フルオレン-13-オン、
11-アセチルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-13H-ジベンゾ[a,g]フルオレン-13-オン、及び
5-フェニル-5,10-ジヒドロベンゾ[b]フルオレン-11-オン
が挙げられる。
【0020】
一実施形態において、フルオレノン化合物は、フルオレノンを含む。
【0021】
一実施形態において、R11は、H又は(C~C)アルキルであり、各R12及びR13は、独立して、H、(C~C)アルキル、ニトロ、ヒドロキシル、又はハロである。
【0022】
一実施形態において、R11はHであり、各R12及びR13は、独立して、H、(C~C)アルキル、ニトロ、ヒドロキシル、又はハロであり、但し、少なくとも1つのR12又はR13はハロであることを条件とする。
【0023】
一実施形態において、R11はHであり、1つのR12は、ハロ、より典型的にはクロロであり、他のR12はHであり、各R13はHである。
【0024】
好適なアミノベンゼンとしては、2-クロロアニリン、2-ブロモアニリン、2-フルオロアニリン、2-ヨードアニリン、2,6-ジクロロアニリン、2,6-ジブロモアニリン、2,6-ジフルオロアニリン、2,6-ジヨードアニリン、2,6-ジヒドロキシアニリン、2-ニトロアニリン、3-ニトロアニリン、2-ヒドロキシアニリン、3-ブロモアニリン、3-フルオロアニリン、3-ヨードアニリン、3,5-ジクロロアニリン、3,5-ジブロモアニリン、3,5-ジフルオロアニリン、3,5-ジヨードアニリン、及び3,5-ジヒドロキシアニリンが挙げられる。
【0025】
一実施形態において、構造(II)に従うアミノベンゼンは、フルオレノン化合物の量を基準として、当初、化学量論量の1~12、1.5~10、より典型的には2~6倍存在する。
【0026】
一実施形態において、酸触媒は、酸素への高い親和性を有するルイス酸とブレンステッド酸とからなる群から選択される、液体媒体に可溶である、非揮発性の強酸を含む。好適なルイス酸としては、AlCl、YbCl、GdCl、TiCl、Al(SO、CuSO、Yb(SO、及びイットリウムトリフルオロメタンスルホネートが挙げられる。好適なブレンステッド酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、HSO、HCl、及びHPOが挙げられる。
【0027】
一実施形態において、酸触媒は、ルイス酸を含む。
【0028】
一実施形態において、酸触媒は、ブレンステッド酸を含む。
【0029】
一実施形態において、酸触媒は、メタンスルホン酸を含む。
【0030】
触媒は、触媒的に有効な量で、構造(I)に従う1pbwフルオレノン化合物当たり、典型的には0.01~0.5、より典型的には0.1~0.3pbw触媒で存在する。
【0031】
一実施形態において、その中で反応が行われる溶媒は、
(i)150℃以上の沸点を有する、
(ii)フルオレノン化合物、アミノベンゼン、及びジ(アミノアリール)フルオレン化合物などの、反応又は生成物混合物の他の成分のいずれとも反応しない、
(iii)その中に構造(I)に従うフルオレノン化合物及び構造(II)に従うアミノベンゼンが、それぞれ可溶である、
(iv)それからジ(アミノアリール)フルオレン化合物が結晶化可能である
芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む。
【0032】
一実施形態において、その中で反応が行われる溶媒は、その中に構造(I)に従うフルオレノン化合物及び構造(II)に従うアミノベンゼンが、それぞれ、溶媒の沸点で又は沸点近くで並びに、室温で若しくは5℃~30℃の範囲の温度でなどの、低温で可溶である溶媒である。
【0033】
本明細書で言及されるところでは、結晶性化合物が溶媒「から結晶化可能である」との表示は、化合物が溶媒の沸点で又は沸点近くで溶媒に可溶であり、及び5℃~30℃の範囲の温度などの、低温で溶媒に溶けないか又はわずかに溶けるに過ぎないなどの、化合物が、高温で溶媒に溶解することができる及び溶媒中の化合物の溶液の温度を下げることによって結晶性固体形態で溶媒から沈澱することができることを意味する。
【0034】
本明細書で言及するところでは、専門用語「溶媒の沸点で又は沸点の近くで」は、溶媒の沸点に25℃満たないから溶媒の沸点まで、又は溶媒の沸点に15℃満たないから溶媒の沸点まで又は溶媒の沸点に10℃満たないから溶媒の沸点までの範囲の温度を意味する。
【0035】
一実施形態において、溶媒は、ベンゼン、トルエン、オルトジクロロベンゼン、キシレン、ナフタレン、トリスチリルフェノール、又はそれらの混合物を含む。
【0036】
一実施形態において、溶媒は、オルト-ジクロロベンゼンを含む。
【0037】
一実施形態において、反応混合物は、反応混合物中に当初存在する構造(I)に従うフルオレノン化合物の1pbw当たり2~10、より典型的には2~8重量部(「pbw」)の溶媒を含む。
【0038】
一実施形態において、反応混合物は、当初、100pbw反応混合物当たり:
2~22、より典型的には9~15pbwの、構造(I)に従うフルオレノン化合物、
10~80、より典型的には40~65pbwの、構造(II)に従うアミノベンゼン、
0.5~8、より典型的には3~6pbwの触媒、及び
6~60、より典型的には30~45pbwの溶媒
を含む。
【0039】
本発明の方法は、バッチプロセスとして又は連続プロセスとして行われ得る。
【0040】
構造(I)に従うフルオレノン化合物、アミノベンゼン、触媒、及び溶媒が、反応容器へ導入される。一実施形態において、反応容器は、連続撹拌タンク反応器(「CSTR」)を含む。任意選択的に、2つ以上のCSTRが直列で用いられ得る。
【0041】
一実施形態において、構造(I)に従うフルオレノン化合物、アミノベンゼン、触媒、及び溶媒を含む反応混合物は、反応容器中で撹拌されながら、反応混合物中に溶解した酸素の量を無視できる量以下まで下げるのに十分である、例えば、10分~2時間などの期間、不活性ガス、典型的には窒素ガスをまき散らされる。
【0042】
構造(I)に従うフルオレノン化合物、アミノベンゼン、触媒、及び溶媒を含む反応混合物は、140℃から溶媒の沸点まで、典型的には溶媒の沸点に10℃満たない温度から溶媒の沸点までの、しかし沸点を含まない温度に加熱され、構造(I)に従うフルオレノン化合物とアミノベンゼンとの反応を所望の完了度まで行うのに十分である、例えば、1時間~20時間などの、期間その範囲内の温度に維持される。
【0043】
溶媒中での及び触媒の存在下での構造(I)に従うフルオレノン化合物と構造(II)に従うアミノベンゼンとの反応は、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物、溶媒、未反応アミノベンゼン、構造(I)に従う未反応フルオレノン化合物、及び酸触媒を含む粗生成物混合物を生成する。
【0044】
構造(I)に従うフルオレノン化合物と構造(II)に従うアミノベンゼンとの反応の副生成物として、水が生成する。一実施形態において、反応の水副生成物は、反応中に反応容器から連続的に除去される。
【0045】
一実施形態において、反応が所望の完了度に達するとすぐに、生成物混合物は、典型的には100℃以下の温度に冷却され、ある量の結晶性ジ(アミノアリール)フルオレン化合物、典型的には反応混合物中に当初存在する構造(I)に従うフルオレノン化合物の1000pbw当たり0.05~0.5pbwの結晶性ジ(アミノアリール)フルオレン化合物が、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物反応生成物の結晶化をシードするために反応生成物に添加される。
【0046】
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、そのような結晶化を達成するために、十分な期間、典型的には10分~10時間の間、十分に低い温度、典型的には-10℃~0℃、より典型的には-10℃~25℃、さらにより典型的には0℃~25℃、さらにいっそう典型的には0℃~15℃の温度に生成物混合物を冷却することによって生成物混合物中で結晶化させられる。
【0047】
一実施形態において、本発明の方法の工程(b)は、本方法の工程(a)において形成された生成物混合物中に及び生成物混合物から直接に、すなわち、介在する工程なしに、
(b)(1)ある量の結晶性形態のジ(アミノアリール)フルオレン化合物、典型的には、反応混合物中に当初存在する構造(I)に従うフルオレノン化合物の1000pbw当たり0.05~0.5pbwの結晶性ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の結晶化をシードするために、添加すること、及び
(b)(2)そのような結晶化を達成するために、十分な期間、典型的には10分~10時間の間、典型的には-10℃~25℃、より典型的には0℃~25℃、さらにいっそう典型的には0℃~15℃の温度に、生成物混合物を冷却すること
によってジ(アミノアリール)フルオレン化合物を結晶化させる工程を含む。
【0048】
結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、次いで、冷却された生成物混合物を結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物と生成物混合物濾液とに分離することによって、冷却された生成物混合物から単離される。分離は、遠心分離、沈降、及び/又は、重力による、圧力下の、圧縮での、又は真空下での濾過を含む、濾過などの、任意の適用できる液固分離プロセスによって達成され得る。
【0049】
生成物混合物濾液は、溶媒、構造(II)に従う未反応アミノベンゼン、構造(I)に従う未反応フルオレノン化合物、いくらかの(ジ(アミノアリール)フルオレン化合物、及び酸触媒を含む。
【0050】
一実施形態において、本発明の方法は、本方法の工程(c)からの生成物混合物濾液を本方法の工程(a)にリサイクルする工程をさらに含む。
【0051】
本方法の工程(c)からの生成物混合物濾液が本方法の工程(a)にリサイクルされる、一実施形態本発明の方法において、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物の全収率(global yield)は、60%以上である。
【0052】
一実施形態において、本方法は、生成物混合物から単離されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む第1洗浄液で洗浄する工程をさらに含む。
【0053】
一実施形態において、第1洗浄液は、150℃以上の沸点を有する及びそれにジ(アミノアリール)フルオレン化合物が室温で溶けないか又はわずかに溶けるに過ぎない芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む。
【0054】
反応用の溶媒として好適な溶媒は、また、第1洗浄液としても好適である。一実施形態において、反応溶媒の選択及び第1洗浄溶媒の選択は、同じものである。
【0055】
一実施形態において、第1洗浄液は、ベンゼン、トルエン、オルトジクロロベンゼン、キシレン、ナフタレン、トリスチリルフェノール、又はそれらの混合物を含む。
【0056】
一実施形態において、第1洗浄液は、オルト-ジクロロベンゼンを含む。
【0057】
一実施形態において、芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒で洗浄する工程は、1回以上、より典型的には1回の、洗浄工程であって、各そのような洗浄工程が、
生成物混合物から単離されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、反応混合物中に当初存在する構造(I)に従うフルオレノン化合物の1pbw当たり典型的には0.5~10、より典型的には0.5~5pbwの量の第1洗浄液と接触させる工程と、
任意選択的に、第1洗浄液と接触したジ(アミノアリール)フルオレン化合物をかき混ぜる工程と、
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物及び第1洗浄液を、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物と第1洗浄液濾液とに分離することによって洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を単離する工程と
を含む、洗浄工程を含む。
【0058】
一実施形態において、本方法は、第1洗浄液濾液から単離された、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、水、(C~C)アルカノール、又はそれらの混合物を含む第2洗浄液で洗浄する工程をさらに含む。一実施形態において、第2洗浄液は、10~90重量部(C~C)アルカノールと10~90重量部水との混合物を含む。
【0059】
一実施形態において、水、アルカノール、又はそれらの混合物で洗浄する工程は、1回以上、典型的には1~5回の、洗浄工程であって、各洗浄工程が、
芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒洗浄工程から単離されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を第2洗浄液、典型的には、反応混合物中に当初存在する構造(I)に従うフルオレノン化合物の1pbw当たり5~20、より典型的には5~15pbwの量の第2洗浄液と接触させる工程と、
任意選択的に、第2洗浄液と接触したジ(アミノアリール)フルオレン化合物の混合物をかき混ぜる工程と、
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物及び第2洗浄液を、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物と第2洗浄液濾液とに分離することによって洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を単離する工程と
を含む、洗浄工程を含む。
【0060】
洗浄工程の完了後に、最終洗浄工程の第2洗浄液濾液から単離されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、乾燥させられる。乾燥は、例えば、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を高温及び/若しくは減圧にさらすなどの、能動的であっても、並びに/又は、例えば、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を周囲条件下で乾燥させるなどの、受動的であってもよい。
【0061】
一実施形態において、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を加熱すること及び/又は洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物を減圧にさらすことによって、典型的には、200mmHg未満の圧力で周囲温度から60℃までの温度に加熱すること及び芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒及び水性、アルコール性、又は水性/アルコール性混合洗浄液濾液の量を、所望の最大レベル以下に減らすのに十分な時間そのような条件を維持することによって乾燥させられる。
【0062】
一実施形態において、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、2~24時間の期間、25mmHg~100mmHgの圧力で35℃~55℃の温度で乾燥させられる。
【0063】
一実施形態において、本発明の方法は、
(a)構造(I);
に従うフルオレノン化合物を、
構造(II):
(式中:
各R、R、R、R、R12、及びR13は、独立して、エポキシ化合物の重合において不活性である基であり、
11は、H又は(C~C)アルキルである)
に従う過剰のアミノベンゼンと、150℃以上の沸点を有する及びそれからジ(アミノアリール)フルオレン化合物が結晶化可能である芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む液体媒体中で、酸触媒の存在下で反応させて、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を含む粗生成物混合物を形成する工程と、
(b)ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を粗生成物混合物から結晶化させる工程と、
(c)生成物混合物を結晶化ジ(アミノアリール)フルオレン化合物と濾液とに分離し、任意選択的に、濾液の一部を工程(a)にリサイクルする工程と、
(d)1回以上繰り返して、ジ(アミノアリール)フルオレン化合物を芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒で洗浄する工程と、
(e)1回以上繰り返して、工程(d)において生成したジ(アミノアリール)フルオレン化合物を、水、(C~C)アルカノール、又はそれらの混合物で洗浄する工程と、
(f)工程(e)において生成したジ(アミノアリール)フルオレン化合物を乾燥させる工程と
から本質的になる。
【0064】
一実施形態において、本発明の方法は、上記の工程(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、及び(f)からなる。
【0065】
一実施形態において、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、重量で百万部当たり1000部(ppm)未満の残存酸触媒を含む。
【0066】
一実施形態において、洗浄されたジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、8000ppm未満の総計量の残存アミノベンゼン及び芳香族溶媒又は置換芳香族溶媒を含む。
【0067】
一実施形態において、本発明の方法によって製造されるジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、構造(III):
(式中、R、R、R、R、R11、R12、及びR13は、それぞれ、上で記載されたとおりである)
に従う化合物である。
【0068】
本発明の方法によって製造されるジ(アミノアリール)フルオレン化合物の一実施形態において:
構造(I)に従うフルオレノン化合物の各R、R、R、RはHであり、
構造(II)に従うアミノベンゼンのR11、13、及び1つのR12はHであり、
構造(II)に従うアミノベンゼンの1つのR12は、ハロ、より典型的にはクロロであり、
ジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、構造(III.a):
(式中、各R12は、ハロ、より典型的にはクロロである)
に従う。
【0069】
本発明の方法は、先行技術方法と比較して低レベルの不純物を有する高収率のジ(アミノアリール)フルオレン化合物を生成し、且つ、減少した廃棄物流れを発生させる。一実施形態において、本方法によって製造されるジ(アミノアリール)フルオレン化合物は、先行技術方法によって製造されるジ(アミノアリール)フルオレン化合物と比較して減少した毒性を示す。
【実施例
【0070】
(米国特許第4,684,678号明細書の実施例4に似ている)比較例1において、フルオレノン(1.000pbw)、2-クロロアニリン(7.111pbw)、メチルスルホン酸(0.267pbw)を、それぞれ、連続撹拌タンク反応器に装入し、0.5時間Nをまき散らし、175℃に加熱し、次いで、6.0時間、フルオレノンと2-クロロアニリンとの反応で形成された水を除去しながら、175℃に保持して過剰の2-クロロアニリン中のCAFとメチルスルホン酸との粗生成物混合物を形成した。粗生成物混合物を冷まし、次いで、1.000pbwトリメチルアミンを含有する大量のメタノール(39.600pbw)中へ導入してCAF生成物を沈澱させた。沈澱したCAFを、混合物から濾過によって分離し、メタノール(6.000pbw)で1回洗浄し、乾燥させた。
【0071】
比較例1の方法は、1.702pbwCAFと、2-クロロアニリン及びメタノールを含む、54.977pbwの廃棄物とをもたらした。洗浄されたCAFは、240ppmメチルスルホン酸及び4854ppm2-クロルアニリンを含んだ。CAFの全収率は、75%であった。
【0072】
本発明の方法の実施例1において、フルオレノン(1.000pbw)、過剰の2-クロロアニリン(4.162pbw)、メチルスルホン酸(0.261pbw)、及びオルト-ジクロロベンゼン(2.650pbw)中を、それぞれ、連続撹拌タンク反応器に装入し、0.5時間Nをまき散らし、175℃に加熱し、次いで、12.0時間、フルオレノンと2-クロロアニリンとの反応で形成された水を除去しながら、175℃に保持してオルト-ジクロロベンゼン中にCAF、メチルスルホン酸及び2-クロロアニリンを含む粗生成物混合物を形成した。粗生成物混合物を85℃に冷却し、固体CAF種結晶(0.1pbw)を混合物に導入した。次いで混合物を5℃に冷ますことによってCAFを混合物から再結晶させた。結晶性CAFを、冷却された混合物から濾過によって分離し、オルト-ジクロロベンゼン(1.300pbw)で1回洗浄し、次いで容積(それぞれ、9.000pbw、6.000pbw、及び6.000pbw)の水中の混合物イソプロピルアルコール(50pbwイソプロピルアルコール/50pbw水)で相次いで3回洗浄した。
【0073】
実施例1の方法は、1.702pbwCAFと、2-クロロアニリン、オルト-ジクロロベンゼン、イソプロピルアルコール、及び水を含む28.672pbwの廃棄物とをもたらした。洗浄されたCAFは、75ppmメチルスルホン酸、4839ppm2-クロルアニリン、及び2050ppmオルト-ジクロロベンゼンを含んだ。CAFの全収率は、75%であった。
【0074】
本発明の方法の実施例2は、オルト-ジクロロベンゼンのリサイクリングの追加の特徴を持って、本発明の実施例1に類似していた。本発明の実施例2において、フルオレノン(1.000pbw)、過剰の2-クロロアニリン(3.122pbw)、メチルスルホン酸(0.165pbw)、新鮮なオルト-ジクロロベンゼン(1670pbw)及びリサイクル濾液、すなわち、以前の反応からのオルト-ジクロロベンゼン、2-クロロアニリン、及びメチルスルホン酸を含む混合物(2.293pbw)を、それぞれ、連続撹拌タンク反応器に装入し、0.5時間Nをまき散らし、175℃に加熱し、次いで12.0時間、フルオレノンと2-クロロアニリンとの反応で形成された水を除去しながら、175℃に保持してオルト-ジクロロベンゼン中のCAF、メチルスルホン酸、及び2-クロロアニリンの粗生成物混合物を形成した。粗生成物混合物を85℃に冷却し、固体CAF種結晶(0.1pbw)を混合物に導入した。次いで混合物を5℃に冷ますことによってCAFを混合物から再結晶させた。結晶性CAFを、冷却された混合物から濾過によって分離し、オルト-ジクロロベンゼン(1.300pbw)で1回洗浄し、次いで容積(それぞれ、9.000pbw、6.000pbw、及び6.000pbw)の水中の混合物イソプロピルアルコール(50pbwイソプロピルアルコール/50pbw水)で相次いで3回洗浄した。
【0075】
実施例2の方法は、1.816pbwCAFと、2-クロロアニリン、オルト-ジクロロベンゼン、イソプロピルアルコール、及び水を含む26.440pbwの廃棄物とをもたらした。洗浄されたCAFは、80ppmメチルスルホン酸、5295ppm2-クロルアニリン、及び2229ppmオルト-ジクロロベンゼンを含んだ。CAFの全収率は、80%であった。
【国際調査報告】