(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】漏洩検知システムおよび漏洩を検知する方法
(51)【国際特許分類】
G01M 3/18 20060101AFI20220218BHJP
【FI】
G01M3/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021537789
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 US2019069043
(87)【国際公開番号】W WO2020142475
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディン、ジャン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ツィヴァニス、マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴラブ、チャールズ エス.
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA11
2G067BB14
2G067BB25
2G067DD22
2G067DD23
2G067DD25
(57)【要約】
導管に結合され、導管からの漏洩を漏洩センサーに導くように構成されたアダプタを備え、アダプタが、親水性材料、カチオン性ポリマー材料、アニオン性ポリマー材料、親水性ノニオン性材料、またはこれらの任意の組み合わせからなるウィックを備える、漏洩検知システム。導管からの漏洩流体を漏洩センサーに移送するように適合された積層体を備え、積層体が、漏洩流体を移送するように適合されたウィックと、ウィックを導管に固定するように適合された接着剤と、を備える、漏洩検知システム。基板上に配設され、導管からの漏洩流体を漏洩センサーに移送するように適合されたウィックを備え、ウィックが、マトリックス配置の複数の流体チャネルを備える、漏洩検知システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏洩検知システムであって、
導管に結合され、前記導管からの漏洩を漏洩センサーに導くように構成されたアダプタを備え、前記アダプタが、
親水性材料、
カチオン性ポリマー材料、
アニオン性ポリマー材料、
親水性ノニオン性材料、または
これらの任意の組み合わせからなるウィックを備える、漏洩検知システム。
【請求項2】
漏洩検知システムであって、
導管からの漏洩流体を漏洩センサーに移送するように適合された積層体を備え、前記積層体が、
前記漏洩流体を移送するように適合されたウィックと、
前記ウィックを前記導管に固定するように適合された接着剤と、を備える、漏洩検知システム。
【請求項3】
前記ウィックが、前記ウィックを前記導管に固定するように適合された接着剤に結合されている、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム。
【請求項4】
前記導管が、垂直に配向された管を備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム。
【請求項5】
前記垂直に配向された管が、接合部で二次管に接合されており、前記接合部が、前記ウィックを受容するように適合された領域の上に配設されている、請求項4に記載の漏洩検知システム。
【請求項6】
前記ウィックが、
親水性カチオン性ポリマー、
シリカ、コラーゲン、ペクチン、ゼラチン、デンプン、グァーガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、カラヤゴム、アルギン酸、ナトリウムまたはカリウム塩からなる天然物質、
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、架橋デキストラン、デンプン-アクリロニトリルグラフト共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、グルテン、メチルビニルエーテルのポリマー、マレイン酸、ポリアクリル酸の金属もしくはアンモニウム塩またはその共重合体、ポリスチレンスルホン酸の金属もしくはアンモニウム塩からなる合成物質、あるいは
それらの任意の組み合わせからなる、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム
【請求項7】
前記ウィックを受容するように適合された前記導管が、外周C
Cを有し、前記ウィックの長さが、1.0C
C~5.0C
Cの範囲内にある、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム。
【請求項8】
前記ウィックが、前記導管からの漏洩流体を検知するように適合されたセンサーに結合されるように適合されている、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム。
【請求項9】
前記ウィックおよび接着剤が、前記積層体の厚さだけ互いから離間した第1および第2の主面を画定する積層体を備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム。
【請求項10】
前記ウィックが、前記接着剤に結合されたストリップを備える、請求項9に記載の漏洩検知システム。
【請求項11】
前記ウィックが、コーティングを備える、請求項9に記載の漏洩検知システム。
【請求項12】
前記ウィックが、複数の個別流体チャネルを画定する、請求項1~2のいずれか一項に記載の漏洩検知システム。
【請求項13】
前記複数の個別流体チャネルが、流体連通している、請求項12に記載の漏洩検知システム。
【請求項14】
前記複数の個別流体チャネルが、マトリックスを画定する、請求項12に記載の漏洩検知システム。
【請求項15】
流体導管であって、
第1の導管と第2の導管との間の接合部であって、前記第1および第2の導管のうちの少なくとも1つが垂直導管である、接合部と、
漏洩検知システムであって、
前記第1および第2の導管のうちの少なくとも1つに接着剤によって結合されたウィックと、
前記接合部から前記ウィックに沿って移送される漏洩を検知するように適合されたセンサーと、を備える、漏洩検知システムと、を備える、流体導管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、漏洩検知システムおよび漏洩を検知する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの商用および居住プロセスが、複数の導管間の流体の移送を必要とする。長い移送長さは、多くの場合、一体に接合された、管などの流体導管の直列接続を必要とする。多くの場合、接合部の完全性を維持して漏洩を防止するようにあらゆる努力が払われているが、特に過酷な環境下で、または特定の化学物質もしくは継手タイプを使用する場合に、漏洩が発生するのは珍しくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流体移送を必要とする産業は、漏洩を検知する改善されたシステムおよび方法を求め続けている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されることを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態による、漏洩検知システムの上面図を含む。
【
図2】一実施形態による、漏洩検知システムの側面図を含む。
【
図3】一実施形態による、漏洩検知システムのためのセンサーの上面図を含む。
【
図4】別の実施形態による、漏洩検知システムのためのセンサーの上面図を含む。
【
図5】一実施形態による、漏洩検知システムのためのセンサーの断面図を含む。
【
図6】一実施形態による、導管に結合された漏洩検知システムの立面図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の説明は、本教示の特定の実装および実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願で開示される教示に基づいて他の実施形態を使用することができる。
【0007】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、またはその任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図している。例えば、特徴のリストを備える方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、そのような方法、物品、または装置に明示的にリスト化されていないかまたは固有ではない他の特徴を含んでもよい。さらに、明示的にそうではないことが述べられていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を意味しない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)である。
【0008】
「概して(generally)」、「実質的に(substantially)」、「約(approximately)」などの用語は、所与の値からのある範囲の偏差を包含することが意図される。特定の一実施形態では、「概して(generally)」、「実質的に(substantially)」、「約(approximately)」などの用語は、値の10%以内、値の9%以内、値の8%以内、値の7%以内、値の6%以内、値の5%以内、値の4%以内、値の3%以内、値の2%以内、または値の1%以内の、値のいずれかの方向の偏差を指す。
【0009】
また、「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために使用される。これは単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われている。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つ、少なくとも1つ、または複数も含む単数形、またはその逆を含むように読む必要がある。例えば、本明細書で単一の物品が説明される場合、単一の物品の代わりに2つ以上の物品が使用されることができる。同様に、本明細書で2つ以上の物品が説明される場合、それら2つ以上の物品に代えて単一の物品が使用され得る。
【0010】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書に記載されていない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は、従来のものであり、流体移送技術および漏洩検知技術分野の教科書ならびに他のソースに見出され得る。
【0011】
特定の一態様によれば、漏洩検知システムは、概して、導管に結合され、導管からの漏洩を漏洩センサーに導くように構成されたアダプタを含み得る。一実施形態では、アダプタは、親水性カチオン性ポリマーを含み得る。別の実施形態では、アダプタは、シリカ、コラーゲン、ペクチン、ゼラチン、デンプン、グァーガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、カラヤゴム、アルギン酸、ナトリウムまたはカリウム塩のうちの少なくとも1つからなる天然物質を含み得る。さらに別の実施形態では、アダプタは、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、架橋デキストラン、デンプン-アクリロニトリルグラフト共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、グルテン、メチルビニルエーテルのポリマー、マレイン酸、ポリアクリル酸の金属もしくはアンモニウム塩またはその共重合体、ポリスチレンスルホン酸の金属もしくはアンモニウム塩のうちの少なくとも1つからなる合成物質を含み得る。さらにさらなる一実施形態では、アダプタは、親水性カチオン性ポリマー、天然物質、および合成物質の任意の組み合わせを含み得る。
【0012】
一実施形態では、アダプタは、漏洩を移送するように適合された積層構造を含み得る。積層構造は、漏洩を移送するように適合されたウィックと、ウィックを導管に固定するように適合された、接着剤などの係合要素と、を含み得る。特定の一例では、ウィックは、マトリックス配置の係合要素上に配設され得る。
【0013】
本発明の別の態様では、マイクロエレクトロニクス装置は、マイクロエレクトロニクス構成要素の形成に関連付けられた操作ステップを実行するための操作領域を含み得る。流体導管は、操作領域と連通していることができる。流体導管は、操作ステップに関連付けられた流体を移送するように適合され得る。流体導管は、上部導管と、下部導管との間に垂直接続部を含み得る。着脱可能な漏洩検知システムは、下部導管の周りに配設され得る。漏洩検知システムは、下部導管の周りに延在する、または下部導管の周りに延在するように適合されたウィックを含み得る。センサーは、下部導管からウィックに沿って移送される漏洩を検知するように適合され得る。
【0014】
本発明の別の態様では、漏洩を検知する方法は、垂直に配向された流体導管の全周の少なくとも一部の周りにウィックを巻き付けることを含み得る。ウィックは、ウィックに関連付けられた接着剤によって、流体導管に接着され得る。漏洩検知センサーは、流体導管からの漏洩を検知するために、ウィックに取り付けられ得る。
【0015】
一実施形態では、漏洩検知システムは、流体導管上の流体界面に隣接して配設され得る。特定の実施形態によれば、流体導管は接合部を含み得、それにより、流体が、例えば、管接合部、管継手、管、曲管、マニホールド、エルボ、バルブ、ポンプ、減圧弁、シームもしくは溶接線、ノズルもしくは噴霧器、ねじ付きポート、サンプリングバルブ、排気ライン、流体入口もしくは出口、または任意の他の類似の接合部などの流体界面から漏洩し得る。
【0016】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載の漏洩検知システムは、いくつかの異なる専門技術に及ぶ流体構成要素上の漏洩を監視するように位置付けられ得る。例えば、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による漏洩検知システムは、半導体および超電導体業界などでの電子デバイス製造、流体移送ラインおよびポンプなどの医療機器、石油およびガス産業、可搬型上下水道システムに見られるものなどの管継手、航空宇宙産業での製造、保守、および設計、飲食料品業界、および自動車業界で利用され得る。特定の実施形態では、漏洩検知システムは、HF、H2SO4、HNO3、NaClO、H2O2、H3PO4、CMP、HCL、脱イオン水、エタノール、エタノールIPA、アセトン、炭化水素溶剤、トルエンのうちの少なくとも1つを含み得るか、または別の半導体流体であり得る半導体流体を収容する流体構成要素に取り付けられ得る。さらに他の実施形態によれば、本明細書に記載の漏洩検知システムは、小さな流体漏洩を迅速かつ正確に検知することによって、漏洩に対する応答時間を短縮し得、漏洩が大きくなる機会を有する前に、オペレータが、可能性のある漏洩に対処することを可能にする。
【0017】
一実施形態によれば、センサーは、特定の流体漏洩を感知するように適合され得る。例えば、センサーは、約0.0001mL~約1mLの流体漏洩を感知するように適合され得る。いくつかの実施形態では、センサーは、少なくとも0.001mL、または少なくとも0.01mL、または少なくとも0.05mL、または少なくとも0.1mLなど、少なくとも約0.0001mLの流体漏洩を感知するように適合され得る。
【0018】
図1は、一実施形態による、漏洩検知システム100の上面図を含む。漏洩検知システム100は、概して、導管に結合され、導管からの漏洩を漏洩センサー104に導くように構成されたアダプタ102を含み得る。
【0019】
一実施形態では、アダプタ102は、ウィック106と、接着剤108とによって画定される複合体を含む。特定の一実施形態では、ウィック106は、接着剤108に結合され得る。より特定の一実施形態では、ウィック106は、接着剤108に直接結合され得る。別のより特定の実施形態では、ウィック106および接着剤108は、中間層または材料によって、一緒に結合され得る。例えば、基板が、ウィック106と、接着剤108との間に配設され得る。
【0020】
特定の実施形態では、ウィック106および接着剤108は、固定的に一緒に結合され得る。他の実施形態では、ウィック106および接着剤108は、取り外し可能に一緒に結合され得る。
【0021】
一実施形態では、アダプタ102は、可撓性であり得る。より特定の一実施形態では、ウィック106および接着剤108のうちの少なくとも1つが、可撓性材料を含み得る。ウィック106の例示的な材料としては、親水性材料、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、親水性ノニオン性材料、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の一実施形態では、例示的な天然物質としては、シリカ、コラーゲン、ペクチン、ゼラチン、デンプン、グァーガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、カラヤゴム、アルギン酸、ナトリウムまたはカリウム塩が挙げられ得る。別の特定の実施形態では、例示的な合成物質としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、架橋デキストラン、デンプン-アクリロニトリルグラフト共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、グルテン、メチルビニルエーテルのポリマー、マレイン酸、ポリアクリル酸の金属もしくはアンモニウム塩またはその共重合体、ポリスチレンスルホン酸の金属もしくはアンモニウム塩が挙げられ得る。特定の一実施形態では、ウィック106は、天然物質の組み合わせ、合成物質の組み合わせ、天然物質と、合成物質との組み合わせを含み得る。
【0022】
接着剤108は、例えば、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。一実施形態では、接着剤108は、ウィック106と結合されるように適合されたフィルムまたはテープを備える。別の実施形態では、接着剤108は、ペースト、液体、またはウィック106に塗布され得る他の液体もしくは半液体媒体を含み得る。場合によっては、接着剤108は、ホットメルト接着剤、熱硬化接着剤、感圧接着剤、またはコンタクト接着剤を含み得る。接着剤108は、構造用、半構造用、または非構造用であり得る。
【0023】
接着剤108は、ウィック106を導管に固定するように適合され得る。特定の一例では、接着剤108は、ウィック106を導管に取り外し可能に固定するように適合され得る。例えば、特定の一実施形態によれば、アダプタ102は、複数の使用のために構成され得る。すなわち、例えば、アダプタ102は、第1の導管から取り外されて、第2の導管に対して取り付けられ得る。
【0024】
一実施形態では、漏洩検知システム100は、取り付け前に望ましくない接着から接着剤108を少なくとも部分的に保護するように適合された、取り外し可能なバッキング110(
図2)を含み得る。バッキング110は、取り外し可能に接着剤108に結合されるフィルム、テープ、またはシートを含み得る。漏洩検知システム100を取り付ける前に、バッキング100を漏洩検知システム100から剥がして、取り付けのための接着剤108を露出することができる。
【0025】
一実施形態では、漏洩検知システム100は、流体導管に係合して、流体導管からの流体漏洩を検知するように適合されている個別の構成要素を含み得る。漏洩検知システム100は、すぐに使える構成にサイズ決めされ、形成され、またはそうでなければ構成され得る。例えば、漏洩検知システム100は、使用可能な形状およびサイズに前もって形成され得る。別の実施形態では、漏洩検知システム100は、特定の流体導管に適合するように、漏洩検知プリフォーム(例えば、シートまたはロール)からオペレータもしくは取り付け技師によって選択的に作成され得る。そのような方法で、オペレータまたは技師が、必要に応じて、漏洩検知システム100を形成またはサイズ決めすることができる。
【0026】
非限定的な例として、漏洩検知プリフォームは、ウィック106と、接着剤108とを含む材料のストリップまたはロールを含み得る。漏洩検知プリフォームは、導管上の漏洩検知のために使用される漏洩検知システム100の長さLLDSよりも大きい、漏洩検知プリフォームの最大寸法によって定義される長さLPを有し得る。特定の一例では、LPは、少なくとも1.01LLDS、少なくとも1.05LLDS、少なくとも1.1LLDS、少なくとも1.2LLDS、少なくとも1.4LLDS、少なくとも1.6LLDS、少なくとも1.8LLDS、または少なくとも2.0LLDSであり得る。場合によっては、LPは、少なくとも3LLDS、少なくとも4LLDS、少なくとも5LLDS、または少なくとも10LLDSであり得る。一実施形態では、LPは、10,000LLDS以下、5,000LLDS以下、1,000LLDS以下、または100LLDS以下であり得る。漏洩検知プリフォームの長さLPは、使用可能な個別の漏洩検知システム100を作成するために、オペレータが漏洩検知プリフォームの一部を除去するときに、低減され得る。
【0027】
ウィックを受容するように適合された導管は、外周CCを画定する。特定の実施形態では、ウィック106は、1.0CC~5.0CC、1.0CC~4.0CC、1.0CC~3.0CC、または1.0CC~2.0CCの範囲内の長さを有し得る。
【0028】
特定の一実施形態では、ウィック106は、取り付けられた状態で見たときに、単プライであり得る。本明細書で使用される場合、単プライは、最終状態で見たときの材料の単一層を指す。すなわち、例えば、単プライウィックは、多プライ構造を作成するようにそれ自体と重ならない、または実質的に重ならない。
【0029】
一実施形態では、漏洩検知プリフォームは、複数の穿孔、しるし、または漏洩検知プリフォームから個別の漏洩検知システム100を除去する際に、オペレータに指示する、またはオペレータを支援するように適合された他の要素などの弱化構造を含み得る。漏洩検知プリフォームから個別の漏洩検知システム100を除去した後、漏洩検知プリフォームの隣接領域が、追加の漏洩検知システム100を作成するために露出され得る。その結果、オペレータは、別の好適な配置のための追加の漏洩検知システム100を形成することができる。
【0030】
一実施形態では、漏洩検知システム100は、積層体の厚さだけ互いから離間した第1の主面112と、第2の主面114とを画定する積層構造を備える。特定の一実施形態では、積層体の厚さは、25mm未満、20mm未満、15mm未満、10mm未満、または5mm未満であり得る。別の特定の実施形態では、積層体の厚さは、0.1mm以上、0.5mm以上、1mm以上、または2mm以上であり得る。一実施形態では、第2の主面114は、接着剤108によって、少なくとも部分的に画定され得る。より特定の一実施形態では、第2の主面114は、接着剤108によって全体的に画定され得る。別の実施形態では、第1の主面112は、接着剤108によって少なくとも部分的に画定されるか、ウィック106によって少なくとも部分的に画定されるか、またはその両方である。一実施形態では、第1の主面112の少なくとも5%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも10%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも15%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも20%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも25%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも30%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも35%がウィック106によって画定される、第1の主面112の少なくとも40%がウィック106によって画定される、または第1の主面112の少なくとも45%がウィック106によって画定される。別の実施形態では、第1の主面112の99%以下がウィック106によって画定される、第1の主面112の95%以下がウィック106によって画定される、第1の主面112の90%以下がウィック106によって画定される、第1の主面112の80%以下がウィック106によって画定される、第1の主面112の70%以下がウィック106によって画定される、第1の主面112の60%以下がウィック106によって画定される、または第1の主面112の50%以下がウィック106によって画定される。
【0031】
一実施形態では、積層体が、積層体に沿った全ての位置で測定されたときに均一な、もしくは概して均一な厚さを画定し得る。別の実施形態では、積層体は、積層体の第1の位置における厚さと、積層体の第2の位置における厚さとを画定し得、第1および第2の厚さは、互いに異なる。例えば、一実施形態では、積層体は、ウィック106と、接着剤108とを含む位置での第1の厚さと、ウィック106および接着剤108のうちの1つだけを含む位置での第2の厚さと、を画定し得る。第1および第2の厚さは、互いに異なり得る。例えば、第1の位置は、第2の位置よりも厚くあり得る。一実施形態では、第1の位置は、第2の位置の厚さの少なくとも101%、第2の位置の厚さの少なくとも105%、第2の位置の厚さの少なくとも110%、第2の位置の厚さの少なくとも125%、第2の位置の厚さの少なくとも150%、または第2の位置の厚さの少なくとも175%の厚さを有し得る。別の実施形態では、第1の位置は、第2の位置の厚さの10,000%以下、第2の位置の厚さの5,000%以下、第2の位置の厚さの1,000%以下、第2の位置の厚さの500%以下、または第2の位置の厚さの200%以下の厚さを有し得る。
【0032】
図1を参照すると、一実施形態によれば、ウィック106は、第1の主面112から見たときに、マトリックス配置を画定し得る。マトリックス配置は、例えば、ウィッキング材料の格子状構造を含み得る。一実施形態では、マトリックス配置は、単一のウィッキング材料から形成され得る。別の実施形態では、マトリックス配置は、一緒に結合された異なるウィッキング材料から形成され得る。例えば、マトリックス配置は、第1の材料から形成された複数の行と、第1の材料とは異なる第2の材料から形成された複数の列と、を含み得る。そのような方法で、漏洩は、意図された使用の特定の配置に従って導かれ得る。
【0033】
場合によっては、マトリックスは、一体構造を含み得る。例えば、マトリックスは、結合された単一構成要素として形成され得る。他の例では、マトリックスは、一緒に結合された複数の構成要素を含み得る。例えば、マトリックスは、1つ以上の一次流体チャネル116と、1つ以上の二次チャネル118と、を含み得る。例示の実施形態では、マトリックスは、中央に位置する一次流体チャネル116と、そこから分岐する複数の二次チャネル118と、を含む。一実施形態では、二次チャネル118は、積層構造の縁部120まで延在し得る。こうして、漏洩は、導管から二次チャネル118を通って、一次チャネル116に、およびセンサー104に移送され得る。
【0034】
一実施形態では、流体チャネル116および118は、互いに比較したときに、同様なサイズ、形状、材料、または流体特性を有し得る。別の実施形態では、一次流体チャネル116は、二次チャネル118と比較して異なるサイズ、二次チャネル118と比較して異なる形状、二次チャネル118と比較して異なる材料、および二次チャネル118と比較して異なる流体特性のうちの少なくとも1つを有し得る。
【0035】
一実施形態では、センサー104は、流体チャネル116および118のうちの少なくとも1つと流体連通し得る。特定の一実施形態では、センサー104は、一次流体チャネル116と流体連通し得る。
【0036】
一実施形態によれば、センサー104は、特定の流体漏洩を感知するように適合され得る。例えば、センサー104は、0.0001mL~1mLの範囲の流体漏洩の体積を感知するように適合され得る。いくつかの実施形態では、漏洩検知システム100は、センサー104を通じてより良好に監視するために、流体の成分を溶解するように適合されたソルトパック(図示せず)を含み得る。
【0037】
特定の一実施形態では、
図3および4に示されるように、センサー104は、基板302内に配設された電気回路300を含み得る。一実施形態では、電気回路300は、幾何学的に平行な櫛型回路設計を形成し得る。
図3に示されるように、一実施形態では、電気回路300は、第1のワイヤ304(AとDとの間に延在する)と、第2のワイヤ306(BとCとの間に延在する)との間に幾何学的な蛇行設計を形成し得る。
図4は、別の実施形態による、電気回路300を有する別のセンサー104の概略図である。
図4に示されるように、電気回路は、第1のワイヤ304(AとDとの間に延在する)と、第2のワイヤ306(BとCとの間に延在する)との間に幾何学的ならせん型設計を形成し得る。センサー104は、電気回路300の測定特性の連続または平行測定を可能にする。測定特性は、センサー104が監視するか、または通信デバイスを介して応答する流体接触に応じて、変化を受ける。測定特性は、抵抗、インピーダンス、キャパシタンス、電流、電圧、またはセンサー104の別の測定特性のうちの少なくとも1つであり得る。いくつかの実施形態では、センサー104は、電気的に並列に接続された2つの電気回路300を有し得る。いくつかの実施形態では、センサー104は、電気的に直列に接続された2つの電気回路300を有し得る。
【0038】
一実施形態では、第1のステートでは、センサー104の電気回路300は、乾燥しているときには第1の状態を、湿っているときには第2の状態を有し得る。第2のステートでは、センサー104は、センサー104の動作可能性を監視する、すなわち、第1のステートで漏洩を検知するセンサー104の能力を監視するように適合され得る。いくつかの実施形態では、これらの2つの操作を実行するためのセンサー104の操作は、以下のとおり、すなわち、1)Aと、Dとの間の測定特性を測定して、回路の満足できる動作可能性を確認すること、2)Bと、Cとの間の測定特性を測定して、回路の満足できる動作可能性を確認すること、および3)CおよびDが開放された状態で、Aと、Bとの間の測定特性を測定して、回路の第1のステート(すなわち、センサー104が、乾燥しているときに第1の状態にあり、湿っているときに第2の状態にあるかどうか)を検知することである。これらのステップの順序は変更され得、連続して実施され得る。代替的に、これらの2つの操作を実行するための、センサー104および漏洩検知システム100の操作は、以下のとおり、すなわち、1)点CとDとを短絡して、回路の満足できる動作可能性を確認すること、および3)CおよびDが開放された状態で、Aと、Bとの間の測定特性を測定して、回路の第1のステート(すなわち、センサー104が、乾燥しているときに第1の状態にあり、湿っているときに第2の状態にあるかどうか)を検知することである。したがって、漏洩検知システム100を使用する方法は、1)乾燥しているときには第1の状態を、湿っているときには第2の状態を有する第1のステートと、センサー104の動作可能性を監視するように適合された第2のステートと、を有するセンサー104を有する少なくとも1つの漏洩検知システム100と、センサー104に動作可能に接続された通信デバイスと、流体漏洩を監視するために、流体を有する流体導管に漏洩検知システム100を取り付けるように適合された、接着剤108などの取り付け要素と、を提供することと、2)流体漏洩を監視するための流体導管に漏洩検知システム100を取り付けることと、を含み得る。
【0039】
他の実施形態では、センサー104は、流体との接触の結果として、発光、蛍光、白熱、温度の変化、圧力の変化を、または流体との接触に応じて、任意の他の好適な変化する特性を、発生するように適合された基板302を含み得ることが企図される。検知要素は、基板302の変化する状態を検知するように、適宜選択され得る。例えば、検知要素は、光センサー、熱電対、または圧力変換器を含み得る。流体と接触した結果、基板302が状態(発光、蛍光、白熱、温度、または圧力)を変化させると、検知要素は、変化した状態を感知して、漏洩の警告を生成するために、通信デバイス104への信号を生成することができる。
【0040】
図5は、一実施形態による、2つの検知要素を有する例示的なセンサー104の立断面図である。センサー104は、1つ以上の基板506上に配設されている少なくとも2つの検知要素502および504を含み得る。特定の一実施形態では、検知要素502および504は、同じ基板506上に配設され得る。別の特定の実施形態では、検知要素502および504は、隣接する基板(総称して「基板」と呼ばれる)上に配設され得る。検知要素502および504は、基板506の同じまたは異なる主面308または310上に配設され得る。図示のように、別の実施形態によれば、検知要素502および504はまた、基板506内に少なくとも部分的に埋め込まれ得る。
【0041】
一実施形態では、検知要素502および504は、互いに異なり得る。すなわち、少なくとも2つの検知要素502および504の各々は、基板506の異なる状態を検知するように適合され得る。特定の一実施形態では、検知要素502および504は、基板506上で離間し得る。これにより、センサー104のより容易な組み立てが促進され、壊れたもしくは不適切な検知要素のより容易な取り外しが可能になり得る。別の実施形態では、検知要素502および504は、垂直または水平に重なり得る。垂直または水平に重なることにより、センサー104のサイズが低減され、それにより、センサー104を取り付けるのに必要なスペースが低減され得る。
【0042】
上記の検知要素のいずれかが、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、別の類似の構成要素、またはこれらの任意の組み合わせなどの電子構成要素をさらに含み得る。そのような電子構成要素は、上記の検知要素のための完全な回路を開発するために必要であり得る。
【0043】
一実施形態では、通信デバイス(図示せず)は、センサー104に動作可能に結合され得る。特定の一実施形態では、通信デバイスは、センサー104に無線で接続され得る。この無線通信は、例えば、Bluetoothによって、または別の短距離無線プロトコルによって起こり得る。別の特定の実施形態では、通信デバイスは、導線によってセンサー104に接続され得る。導線が、監視されている流体に敏感でないことが確実であるように注意する必要がある。すなわち、導線は、流体と接触した際に破壊される材料から作製されるべきではない。代替的に、導線は、導線と、漏洩検知システム100内の流体が通る懸念のあるチャネルとの間に配設された外層もしくはシールド層によって、損害を与える流体の相互作用に対して絶縁されるか、さもなければ保護され得る。さらなる一実施形態では、通信デバイスは、センサー104と一体化し得る。
【0044】
一実施形態では、通信デバイスは、基板106と結合され得る。別の実施形態では、通信デバイスは、センサー104と結合され得る。
【0045】
通信デバイスは、無線通信デバイスまたは有線通信デバイスであり得る。すなわち、通信デバイスは、HTMLもしくはHTMLS、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの無線プロトコル、または導線などの有線プロトコルを使用して動作し得る。通信デバイスは、センサー104が流体漏洩を検知すると、センサー104からの入力信号を受信し、発信信号を通信ハブもしくは受信デバイスに送信するように適合され得る。このように、通信デバイスは、センサー104からの情報を集めて分析し、本明細書で説明されるように、センサー104の第1のステート(第1の状態もしくは第2の状態)または第2のステートに基づいて、ユーザーまたはセンサー104自体にフィードバックを与えるために、通信ハブに動作可能に接続され得る。
【0046】
本発明の態様(センサー104もしくは通信デバイスの1つ以上の実施形態など)のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ得る。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザーのコンピュータ上で完全に、ユーザーのコンピュータ上で部分的に、ユーザーのコンピュータ上で部分的かつリモートコンピュータ上で部分的に、またはリモートコンピュータもしくはサーバ上で完全に実行し得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のタイプのネットワークを介してユーザーのコンピュータに接続され得るか、または(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータへの接続がなされ得る。
【0047】
一実施形態では、通信デバイスは、連続的に動作し得る。本明細書で使用される場合、「連続的に動作する」は、通信デバイスから、例えば、通信ハブへの信号の連続した、すなわち途切れない送信を指す。一実施形態では、通信デバイスは、受動的に動作し得る。本明細書で使用される場合、「受動的に動作する」は、閾値状態、すなわち流体漏洩の発生時にのみ、通信ハブに信号を送信することを指す。例えば、通信デバイスは、電源によって給電され得る。一実施形態では、センサー104が漏洩を感知したときのみ、通信デバイスは、通信ハブに信号を送信するために、電力を受信し得る。これにより、電源からの電流引き込みを低減することによって、漏洩検知システム100の動作可能寿命を延ばすことができ、それにより、漏洩検知システム100のより遠隔の位置付けが可能になる。
【0048】
一実施形態では、通信デバイスは、基板の外面を超えて延在するように露出され得る。このように、通信デバイスは、ユーザーが通信デバイスを調整または交換することができるように、アクセス可能であり得る。一実施形態では、通信デバイスは基板内に、完全になど、少なくとも部分的に埋め込まれ得る。これにより、さもなければ、基板の表面に配設された場合に通信デバイスに接触し得る有害な流体への暴露から通信デバイスを保護し得る。
【0049】
一実施形態では、通信デバイスは、基板106から取り外し可能であり得る。別の実施形態では、通信デバイスは、交換可能であり得る。電気的インターフェースは、通信デバイスの迅速な交換を可能にし得る。例えば、電気的インターフェースは、通信デバイス上の電気的接続点と一致する電気的接続点を有する1つ以上のポートからなり得る。様々な通信デバイスが、同じ配置の電気的接続点を有し得、それによって、迅速な交換および通信デバイス間の入れ替えが可能になる。
【0050】
図6を参照すると、漏洩検知システム100は、流体導管602上に取り付けられ得る。
図6に示された流体導管602は、接合部608で一緒に接合された上部導管604と、下部導管606と、を含む。接合部608は、例えば、上部および下部流体導管604および606の間の界面によって形成され得る。特定の一実施形態では、接合部608は、上部流体導管604と、下部流体導管606とを一緒に固定するように適合されたねじ付きまたはねじなし継手部材610をさらに含み得る。一実施形態による記載の漏洩検知システム100は、下部流体導管604、接合部608、継手部材610、またはこれらの任意の組み合わせなどの流体導管602に結合され得る。別の実施形態では、漏洩検知システム100は、上部流体導管604に結合され得る。より特定の一実施形態では、漏洩検知システム100は、上部流体導管604と、下部流体導管604、接合部608、および継手部材610のうちの1つ以上と、に結合され得る。
【0051】
図6に示されるように、一実施形態では、漏洩検知システム100は、外部環境(例えば、オペレータが漏洩検知システム100を目視し得る領域)から目視でき得る。より特定の一実施形態では、ウィック106は、外部環境から目視でき得る。さらにより特定の一実施形態では、ウィック106の大部分が、外部環境から目視でき得る。
【0052】
場合によっては、流体導管602は、処理施設の一部であり得、構成要素の形成に関連する操作ステップに関連付けられ得る。より特定の一例では、流体導管602は、マイクロエレクトロニクス構成要素の形成に関連付けられた操作ステップを実行するための操作領域を含むマイクロエレクトロニクス装置の一部であり得る。流体導管604は、操作領域と流体連通し得、操作ステップに関連付けられた流体を移送するように適合され得る。特定の一実施形態では、接合部608は、従来の漏洩検知システムが失敗することが多い垂直接合部を含み得る。
【0053】
一実施形態では、漏洩検知システム100は、流体導管602から取り外し可能であり得る。より特定の一実施形態では、漏洩検知システム100は、流体導管602から取り外された後に、流体導管602または別の流体導管に対して再取り付け可能であり得る。すなわち、例えば、漏洩検知システム100は、再使用可能であり得る。
【0054】
漏洩検知システム100の流体導管602への取り付けは、漏洩検知システム100を流体導管602の周りに巻き付け、流体導管602内に圧入することによって行われ得る。一実施形態では、ウィック106の巻き付けは、ウィックの第1の端部からウィック106の第2の端部に向かう方向に(例えば、流体導管602の周りに)実施され得る。一実施形態では、流体導管602内への漏洩検知システム100の圧入は、流体導管602内に接着剤108を圧入することを含み得る。場合によっては、流体導管602へのウィック106の接着は、流体導管602の全周に、もしくは実質的に全周にウィック106を巻き付けることと同時に、もしくは概して同時に実施され得る。
【0055】
一実施形態では、ウィック106へのセンサー104の取り付けは、流体導管602の実質的に全周にウィック106を巻き付けた後に、実施され得る。センサー104は、取り付けが完了した後、流体導管602から離間したままであり得る。
【0056】
実施形態1.漏洩検知システムであって、
導管に結合され、導管からの漏洩を漏洩センサーに導くように構成されたアダプタを備え、アダプタが、
親水性材料、
カチオン性ポリマー材料、
アニオン性ポリマー材料、
親水性ノニオン性材料、または
これらの任意の組み合わせからなるウィックを備える、漏洩検知システム。
【0057】
実施形態2.漏洩検知システムであって、
導管からの漏洩流体を漏洩センサーに移送するように適合された積層体を備え、積層体が、
漏洩流体を移送するように適合されたウィックと、
ウィックを導管に固定するように適合された接着剤と、を備える、漏洩検知システム。
【0058】
実施形態3.漏洩検知システムであって、
ウィックであって、幅を有し、結合されたウィックがウィックの上記幅以下の幅を有するように、導管の周囲に結合されるように適合された、ウィックを備え、ウィックが、漏洩流体を、導管に対して任意の方向にセンサーに移送するように適合されている、漏洩検知システム。
【0059】
実施形態4.漏洩検知システムであって、
基板上に配設され、漏洩流体を導管から漏洩センサーに移送するように適合されたウィックを備え、ウィックが、マトリックス配置の複数の流体チャネルを備える、漏洩検知システム。
【0060】
実施形態5.導管の全周に沿った外部環境からウィックが目視できる、実施形態1~4のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0061】
実施形態6.ウィックが、ウィックを導管に固定するように適合されている接着剤に結合されている、実施形態1~5のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0062】
実施形態7.ウィックおよび接着剤が、固定的に一緒に結合されている、実施形態6に記載の漏洩検知システム。
【0063】
実施形態8.ウィックが、可撓性材料からなる、実施形態1~7のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0064】
実施形態9.導管が、垂直に配向された管を備える、実施形態1~8のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0065】
実施形態10.垂直に配向された管が、接合部で二次管に接合されており、この接合部が、ウィックを受容するように適合された領域の上に配設されている、実施形態9に記載の漏洩検知システム。
【0066】
実施形態11.ウィックが、
親水性カチオン性ポリマー、
シリカ、コラーゲン、ペクチン、ゼラチン、デンプン、グァーガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、カラヤゴム、アルギン酸、ナトリウムまたはカリウム塩からなる天然物質、
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、架橋デキストラン、デンプン-アクリロニトリルグラフト共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムデンプン、グルテン、メチルビニルエーテルのポリマー、マレイン酸、ポリアクリル酸の金属もしくはアンモニウム塩またはその共重合体、ポリスチレンスルホン酸の金属もしくはアンモニウム塩からなる合成物質、あるいは
それらの任意の組み合わせからなる、実施形態1~10のいずれか1つに記載の漏洩検知システム
【0067】
実施形態12.ウィックを受容するように適合された導管が、外周CCを有し、ウィックの長さが、1.0CC~5.0CC、1.0CC~4.0CC、1.0CC~3.0CC、または1.0CC~2.0CCの範囲内である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0068】
実施形態13.導管とともに取り付けられた状態において、ウィックが単プライである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0069】
実施形態14.ウィックが、導管からの漏洩流体を検知するように適合されたセンサーに結合されるように適合されている、実施形態1~13のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0070】
実施形態15.センサーが、ウィックによって支持されるように適合されている、実施形態14に記載の漏洩検知システム。
【0071】
実施形態16.センサーが、導管から離間するように適合されている、実施形態14および15のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0072】
実施形態17.マイクロエレクトロニクス構成要素を形成する操作ステップに関連付けられた導管に結合されるように適合されている、実施形態1~16のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0073】
実施形態18.ウィックおよび接着剤が、この積層体の厚さだけ互いから離間した第1および第2の主面を画定する積層体を備える、実施形態1~17のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0074】
実施形態19.第2の主面が、接着剤によって画定される、実施形態18に記載の漏洩検知システム。
【0075】
実施形態20.第1の主面が、接着剤によって少なくとも部分的に画定されるか、ウィックによって少なくとも部分的に画定されるか、またはその両方である、実施形態18および19のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0076】
実施形態21.第1の主面の少なくとも5%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも10%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも15%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも20%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも25%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも30%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも35%がウィックによって画定される、第1の主面の少なくとも40%がウィックによって画定される、または第1の主面の少なくとも45%がウィックによって画定される、実施形態18~20のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0077】
実施形態22.第1の主面の99%以下がウィックによって画定される、第1の主面の95%以下がウィックによって画定される、第1の主面の90%以下がウィックによって画定される、第1の主面の80%以下がウィックによって画定される、第1の主面の70%以下がウィックによって画定される、第1の主面の60%以下がウィックによって画定される、または第1の主面の50%以下がウィックによって画定される、実施形態18~21のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0078】
実施形態23.第1の主面に垂直な方向から見たときに、ウィックおよび接着剤の両方が目視できる、実施形態18~22のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0079】
実施形態24.ウィックが、接着剤に結合されたストリップを備える、実施形態18~23のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0080】
実施形態25.ウィックが、コーティングを備える、実施形態18~23のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0081】
実施形態26.ウィックが、複数の個別流体チャネルを画定する、実施形態1~25のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0082】
実施形態27.複数の個別流体チャネルが、流体連通している、実施形態26に記載の漏洩検知システム。
【0083】
実施形態28.複数の個別流体チャネルが、マトリックスを画定する、実施形態26および27のいずれか1つに記載の漏洩検知システム。
【0084】
実施形態29.流体導管であって、
第1の導管と第2の導管との間の接合部であって、第1および第2の導管のうちの少なくとも1つが垂直導管である、接合部と、
漏洩検知システムであって、
第1および第2の導管のうちの少なくとも1つに接着剤によって結合されたウィックと、
接合部からウィックに沿って移送される漏洩を検知するように適合されたセンサーと、を備える、漏洩検知システムと、を備える、流体導管。
【0085】
実施形態30.ウィックが、第1および第2の導管のうちの少なくとも1つから取り外されるように適合されている、実施形態29に記載の流体導管。
【0086】
実施形態31.ウィックが、第1および第2の導管のうちの少なくとも1つの全周に沿った外部環境から目視できる、実施形態29および30のいずれか1つに記載の流体導管。
【0087】
実施形態32.接着剤が、ウィックと一体になっている、実施形態29~31のいずれか1つに記載の流体導管。
【0088】
実施形態33.第1および第2の導管のうちの少なくとも1つが、垂直に配向されている、実施形態29~32のいずれか1つに記載の流体導管。
【0089】
実施形態34.ウィックが、可撓性材料からなる、実施形態29~33のいずれか1つに記載の流体導管。
【0090】
実施形態35.ウィックが、単プライである、実施形態29~34のいずれか1つに記載の流体導管。
【0091】
実施形態36.ウィックが、流体導管を含む領域の周囲環境と直接流体連通している、実施形態29~35のいずれか1つに記載の流体導管。
【0092】
実施形態37.第1および第2の導管が、マイクロエレクトロニクス構成要素を形成する操作ステップに対応して、流体を移送するように適合されている、実施形態29~36のいずれか1つに記載の流体導管。
【0093】
実施形態38.センサーが、ウィックに取り外し可能に結合されている、実施形態29~37のいずれか1つに記載の流体導管。
【0094】
実施形態39.マイクロエレクトロニクス装置であって、
マイクロエレクトロニクス構成要素の形成に関連付けられた操作ステップを実行するための操作領域と、
操作領域と連通し、操作ステップに関連付けられた流体を移送するように適合された流体導管であって、上部導管と、下部導管との間の垂直接合部を備える、流体導管と、
下部導管の周りに配設されている取り外し可能な漏洩検知システムと、を備え、漏洩検知システムが、
下部導管の全周の周りに延在するウィックと、
下部導管からウィックに沿って移送される漏洩を検知するように適合されたセンサーと、を備える、マイクロエレクトロニクス装置。
【0095】
実施形態40.操作ステップに関連付けられた流体が、硫酸、過酸化物、塩化水素、フッ化水素、1つ以上の溶媒、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態39に記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0096】
実施形態41.ウィックが、硫酸、過酸化物、塩化水素、フッ化水素、1つ以上の溶媒、またはこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを吸い上げるように適合された材料からなる、実施形態39および40のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0097】
実施形態42.ウィックが、硫酸、過酸化物、塩化水素、フッ化水素、および1つ以上の溶媒を移送するように適合された材料からなる、実施形態39~41のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0098】
実施形態43.ウィックが、単プライである、実施形態39~42のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0099】
実施形態44.ウィックが、可撓性材料シートからなる、実施形態39~43のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0100】
実施形態45.ウィックが、接着剤によって下部導管に結合されている、実施形態39~44のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0101】
実施形態46.接着剤が、粘着剤を含む、実施形態45に記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0102】
実施形態47.ウィックおよび接着剤が、積層構造を備える、実施形態45および46のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0103】
実施形態48.ウィックが、漏洩流体を下部流体導管からセンサーに向かう方向に移送するように適合されており、センサーが、ウィックに対して任意の相対角度で配設可能である、実施形態39~47のいずれか1つに記載のマイクロエレクトロニクス装置。
【0104】
実施形態49.流体導管からの漏洩を検知する方法であって、
垂直に配向された流体導管の実質的に全周にウィックを巻き付けることと、
ウィックに関連付けられた接着剤によって、ウィックを流体導管に接着することと、
導管に漏洩検知センサーを取り付けることと、を含む、方法。
【0105】
実施形態50.ウィックを巻き付けることが、流体導管の周囲に1回転実施される、実施形態49に記載の方法。
【0106】
実施形態51.流体導管の実質的に全周にウィックを巻き付ける前に、ウィックの長さを調整することをさらに含む、実施形態49および50のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
実施形態52.流体導管の実質的に全周にウィックを巻き付ける前に、ウィックから粘着性バッキングを取り外すことをさらに含む、実施形態49~51のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
実施形態53.ウィックを接着することが、流体導管内にウィックを圧入することによって実施される、実施形態49~52のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
実施形態54.ウィックを接着することが、流体導管の実質的に全周にウィックを巻き付けることと概して同時に起こる、実施形態49~53のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
実施形態55.ウィックに漏洩検知センサーを取り付けることが、流体導管の実質的に全周にウィックを巻き付けた後に実施される、実施形態49~54のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
実施形態56.ウィックに漏洩検知センサーを取り付けることが、取り付けが完了した後に、漏洩検知センサーが流体導管から離間したままであるように実施される、実施形態49~55のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
実施形態57.ウィックを巻き付けることが、ウィックの第1の長手方向端から、ウィックの第2の長手方向端に向かう方向に実施される、実施形態49~56のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
概要または実施例において上述した動作の全てが必要であるとは限らず、特定の動作の一部が必要でない場合があり、説明した動作に加えて1つ以上のさらなる動作を実行してもよいことに留意されたい。またさらに、動作が列挙される順序は、必ずしもその動作が実行される順序ではない。
【0114】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策を発生させるか、またはより顕著にさせる可能性のある任意の特徴(複数可)は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての重要な、必須の、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0115】
本明細書に記載の実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムの全ての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴もまた、別個にまたは任意の副組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。本明細書を読んだだけで、他の多くの実施形態が当業者には明らかであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または別の変更を行うことができるように、本開示から他の実施形態を使用して導き出すことができる。したがって、本開示は限定的ではなく例示的とみなされるべきである。
【国際調査報告】