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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】薬の検証のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220218BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220218BHJP
   A61J 7/00 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
G16H20/10
G06K7/14 017
G06K7/14 013
A61J7/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538113
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2019068702
(87)【国際公開番号】W WO2020140014
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】16/233,173
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521281852
【氏名又は名称】ウッドイアー,ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウッドイアー,ジョン
【テーマコード(参考)】
4C047
5L099
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047CC03
4C047DD01
4C047DD25
4C047DD26
4C047DD27
4C047GG23
5L099AA25
(57)【要約】
薬の適切な所持を検証するためのシステム及び方法が開示される。リーダデバイスが、薬に印刷されたコードをスキャンして、埋め込みシリアル番号を抽出する。リーダデバイスが、薬を所持している人のバイオメトリック情報を取り込む。第1のサーバが、処方データベースに照会し、埋め込みシリアル番号に関連付けられているバイオメトリック特徴データを取得する。取得されたバイオメトリック特徴データがバイオメトリック特徴データと一致するかどうかの判定がなされる。一致情報がリーダデバイスに表示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬の合法的な所持を検証するためのシステムであり、
埋め込みシリアル番号を含む、前記薬に印刷されたコードであって、前記薬は、丸剤、錠剤、又はカプセルであり、前記コードは、コンピュータで読み取り可能である、コードと、
ディスプレイ、及び前記コードを読み取って前記埋め込みシリアル番号を抽出するように適合されたイメージングデバイスを備える、リーダデバイスであって、前記薬を所持している人のバイオメトリック情報を取り込むように構成され、地理的位置に対応する位置情報を受信するようにさらに構成される、リーダデバイスと、
いくつかの処方データベースを含む処方データベースシステムであって、前記各処方データベースは、地理的領域に関連付けられており、いくつかのシリアル番号を備え、前記各シリアル番号は、処方された薬、処方された薬の受取人の患者識別情報、及び前記処方された薬の受取人のバイオメトリックデータに関連付けられている、処方データベースシステムと、
プロセッサ、電子記憶装置、及び前記電子記憶装置に記憶された実行可能ソフトウェア命令を備える前記リーダデバイス及び処方データベースシステムと電子通信する第1のサーバであって、前記実行可能ソフトウェア命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、
前記埋め込みシリアル番号、取り込まれたバイオメトリック情報に対応するバイオメトリックデータ、及び位置情報を前記リーダデバイスから受信し、
どの処方データベースが前記地理的位置を含む地理的領域に関連付けられているかを判定することにより、前記処方データベースシステムにおけるどの処方データベースに照会するかを決定し、
前記埋め込みシリアル番号に基づいて前記処方データベースに照会し、
前記照会された埋め込みシリアル番号と一致するシリアル番号の数の1つに関連付けられている前記バイオメトリックデータを前記処方データベースシステムから取得し、
前記取得されたバイオメトリックデータが前記取り込まれたバイオメトリック情報から抽出されたバイオメトリックデータと一致するかどうかを判定し、
前記取得されたバイオメトリック特徴データが前記抽出されたバイオメトリック特徴データと一致するかどうかを示す一致情報を前記リーダデバイスに送信するが患者識別情報は送信しない、
ように前記第1のサーバを構成する、第1のサーバと
を備えるシステムであって、
前記リーダデバイスは、前記一致情報を表示するように構成され、
前記第1のサーバは、前記リーダデバイスから遠隔にあり、
前記一致情報は、処方された薬の受取人の患者識別情報は受信又は表示されないような一致又は不一致の表示を含む、
システム。
【請求項2】
前記バイオメトリック情報が、薬を所持している人の顔の1つ又は複数の画像を含み、
前記バイオメトリックデータが、抽出された顔特徴データを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
リーダデバイスプロセッサと、
リーダデバイス電子記憶装置と、
前記リーダデバイス電子記憶装置に記憶されたリーダデバイス実行可能ソフトウェア命令と、
をさらに備え、前記リーダデバイス実行可能ソフトウェア命令は、前記リーダデバイスプロセッサによって実行されたときに、前記イメージングデバイスによって取り込まれた前記1つ又は複数の画像から顔特徴データを抽出するように前記リーダデバイスを構成する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記リーダデバイスに存在し、前記リーダデバイスを前記第1のサーバと電子通信するように構成された、無線通信デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
所与の処方で調剤されたすべての薬に同じコードがマークされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コードがQRコード(登録商標)である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コードがバーコードである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記バイオメトリック情報が、薬を所持している人の目の1つ又は複数の画像を含み、
前記バイオメトリックデータが、抽出された虹彩又は網膜特徴データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
リーダデバイスプロセッサと、
リーダデバイス電子記憶装置と、
前記リーダデバイス電子記憶装置に記憶されたリーダデバイス実行可能ソフトウェア命令と、
をさらに備え、前記リーダデバイス実行可能ソフトウェア命令は、前記リーダデバイスプロセッサによって実行されたときに、前記イメージングデバイスによって取り込まれた前記1つ又は複数の画像から虹彩又は網膜特徴データを抽出するように前記リーダデバイスを構成する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記バイオメトリック情報が、薬を所持している人の1つ又は複数の指の1つ又は複数の指紋を含み、
前記バイオメトリックデータが、抽出された指紋特徴データを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
薬の合法的な所持を検証するためのシステムであり、
埋め込みシリアル番号を含む、前記薬に印刷されたコードであって、前記薬は、丸剤、錠剤、又はカプセルであり、前記コードは、コンピュータで読み取り可能であり、バーコード及びQRコードからなる群から選択される、コードと、
スマートフォンであって、
前記薬を所持していることが判明した人のバイオメトリック情報を取り込むように適合されたイメージングデバイスであって、前記バイオメトリック情報は、前記薬を所持していることが判明した前記人の顔、虹彩、網膜、又は指紋の1つ又は複数の画像を含む、イメージングデバイスと、
地理的位置に対応する位置情報を受信するように適合された位置デバイスと、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数の電子記憶装置と、
前記1つ又は複数の電子記憶装置に記憶された実行可能ソフトウェア命令であって、前記実行可能ソフトウェア命令は、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、前記スキャンされたコードを前記埋め込みシリアル番号に変換し、前記取り込まれた画像からバイオメトリック特徴データを抽出するように前記スマートフォンを構成し、前記抽出されるバイオメトリック特徴データは、顔特徴データ、網膜特徴データ、虹彩特徴データ、又は指紋特徴データを含む、実行可能ソフトウェア命令と、
前記埋め込みシリアル番号、前記抽出されたバイオメトリック特徴データ、及び前記地理的位置を送信するように構成された、無線送受信機と、
を備えるスマートフォンと、
それぞれ処方された薬に関連付けられているいくつかのシリアル番号と、前記処方された薬の受取人に関連付けられているバイオメトリック特徴データを備える、処方データベースシステムであって、いくつかのデータベースを含み、各データベースは地理的領域に関連付けられている、処方データベースシステムと、

前記スマートフォン及び前記処方データベースシステムから遠隔にあり、それらと電子通信する、第1のサーバであって、前記第1のサーバは、1つ又は複数の第1のサーバ電子記憶装置に記憶された実行可能ソフトウェア命令を備え、1つ又は複数の第1のサーバプロセッサによって実行されたときに、
前記スマートフォンから前記埋め込みシリアル番号を受信し、
前記スマートフォンから前記抽出されたバイオメトリック特徴データを受信し、
前記スマートフォンから前記地理的位置を受信し、
照会する埋め込みシリアル番号と一致するシリアル番号に関連付けられている前記バイオメトリック特徴データを取得するために、前記地理的位置を含む地理的領域に関連付けられている前記処方データベースシステムのデータベースに照会し、
前記関連付けられているバイオメトリック特徴データを前記スマートフォンに送信する、
ように前記第1のサーバを構成する、第1のサーバと
を備えるシステムであって、
前記スマートフォンは、前記電子記憶装置に記憶されたさらなる実行可能ソフトウェア命令を備え、前記さらなる実行可能ソフトウェア命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、前記抽出されたバイオメトリック特徴データが前記受信したバイオメトリック特徴データと一致するかどうかを判定し、情報が一致するかどうかを示すメッセージを表示するが薬の受取人の識別情報は表示しないように前記スマートフォンを構成する、
システム。
【請求項12】
前記埋め込みシリアル番号がロット番号を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記埋め込みシリアル番号がバッチ番号を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記処方データベースシステムの各データベースが、前記シリアル番号のそれぞれに関連付けられている患者情報をさらに備え、前記関連付けられている患者情報は、薬の種類、処方された薬の量、調剤日、処方の有効期間を含み、
前記第1のサーバが、前記第1のサーバ電子記憶装置に記憶されたさらなる実行可能ソフトウェア命令を備え、前記さらなる実行可能ソフトウェア命令は、前記第1のサーバプロセッサによって実行されたときに、前記照会されたシリアル番号に対するバイオメトリック特徴データが記憶されていない場合に、関連付けられている患者情報を取得するように前記第1のサーバを構成する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
薬の合法的な所持を検証するための方法であって、
薬にコードを印刷するステップであって、前記コードは、コンピュータで読み取り可能であり、埋め込みシリアル番号を含み、前記薬は、丸剤、錠剤、又はカプセルである、薬にコードを印刷するステップと、 カメラを備えるリーダデバイスと、前記リーダデバイスから遠隔にあり、前記リーダデバイスとの間で情報をリレーするように適合された第1のサーバと、いくつかのデータベースを含む処方データベースシステムとを提供するステップであり、前記各データベースは、地理的領域に関連付けられており、いくつかのシリアル番号を備え、前記各シリアル番号は、処方された薬及び前記処方された薬の受取人のバイオメトリック特徴データに関連付けられている、リーダデバイスと第1のサーバと処方データベースシステムとを提供するステップと、
前記埋め込みシリアル番号を抽出するべく、前記リーダデバイスを使用して薬のコードをスキャンするステップと、
前記リーダデバイスから地理的位置に対応する位置情報を受信するステップと、
前記リーダデバイスによって、薬を所持している人の身体部分の画像を取り込むステップと、
前記取り込まれた画像からバイオメトリック特徴データを抽出するステップと、
前記埋め込みシリアル番号を前記第1のサーバに送信するステップと、
前記埋め込みシリアル番号に関連付けられているバイオメトリック特徴データを取得するべく、前記地理的位置を含む地理的領域に関連付けられている処方データベースシステムのデータベースに照会するステップと、
前記第1のサーバで、前記取得されたバイオメトリック特徴データが前記抽出されたバイオメトリック特徴データと一致するか判定するステップと、
一致が見つかったことを前記リーダデバイスで表示するが前記薬の受取人の識別情報は表示しないステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記バイオメトリック特徴データの抽出が、前記リーダデバイスで行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記バイオメトリック特徴データの抽出が、前記第1のサーバで行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記バイオメトリック特徴データの抽出が、前記処方データベースシステムで行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記薬を所持している人の身体部分の画像が、人の顔、指、及び目からなる群から選択された画像を含み、
前記バイオメトリック特徴データが、顔特徴データ、指紋特徴データ、及び網膜又は虹彩特徴データからなる群から選択される、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記一致の判定が、前記処方データベースシステムで行われる、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2016年2月11日に出願された米国特許仮出願整理番号62/294,044の利益を主張する2017年1月31日に出願された米国特許出願整理番号15/420,768の一部継続出願である2018年12月27日に出願された米国特許出願整理番号16/233,173の利益を主張するものであり、それぞれの開示は、本明細書に十分に再掲されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の例示的な実施形態は、一般に、処方薬の合法的な所持を検証するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、丸剤に印刷されたコードをスキャンし、当該丸剤を合法的に処方された人に関する関連情報(例えば、名前)を取得し、その情報をその丸剤を実際に所持している人に関する情報と(例えば、政府発行のIDと)比較することによって個々の丸剤を検証するためのシステム及び方法を提供することにより、処方薬物の乱用を軽減する一助となる。薬物、特に薬には、適切に使用されれば、疾患を治療し、病気を予防する力がある。薬物には、不適切に使用されれば、乱用され、依存症を引き起こし、人体に損傷を与える力もある。これに照らして、政府は、乱用される可能性が最も高い薬物の配布及び使用を管理する方法を実施した。一般的に言えば、管理は処方要件の形で現れ、人が薬物を合法的に所持及び使用するためには、決められた量の薬物を認定された医療専門家に処方してもらう必要がある。残念なことに、処方された丸剤は、薬局のカウンターを通過してしまえばもう管理されない。処方薬管理の範囲内で、乱用される可能性が最も高い薬物は、しばしばさらに分類及び規制される。通常、これらの薬物のいくつか(例えば、ヘロイン、コカイン)は、その危険な性質と、医療用途での有用性が比較的低いことから、所持又は使用が全面的に禁止されている。別の選択されたグループの薬物は、処方箋により所持及び使用が許可されるが、さらなる規制及び管理に直面している。そのような薬物としては、麻薬、ベンゾジアゼピン、鎮静薬、催眠薬、及び中枢神経系刺激剤がよく挙げられるが、これらに限定されない。
【0004】
例えば、米国では、この規制は、規制物質法によって部分的に達成される。規制物質法の下で、これらの薬物は「スケジュール」に分類される。各スケジュールにはいくつかの種類の薬物が含まれ、様々な度合いの管理及び規制を受ける。加えて、米国のほとんどの州には処方薬監視プログラム(PDMP)があり、これは規制処方物質の合法的ユーザを保護するとともに、規制処方薬物の違法な流用及び使用を防ぐのに役立つ。多くの州でPDMPは僅かに異なるが、PDMP又は類似のプログラムに典型的な1つの特徴は、州の処方データベースである(例えば、オハイオ州にはOARRS(Ohio Automated Rx Reporting System)があり、インディアナ州にはINSPECTがある、など)。これらのデータベースは、規制物質が処方された人に関する情報と、処方されたもの、処方された時期、治療期間、処方された投与量などを含む規制物質自体の情報を格納している。この情報は、規制物質の合法的な医療使用に向けたサポート、薬物の乱用及び流用の特定及び抑止又は防止、処方薬物の中毒者の特定、介入、及び治療の促進及び奨励、使用及び乱用傾向の概説を通じた公衆衛生イニシアチブ通知、及びPDMPと、処方薬物の依存的使用、乱用、及び流用についての個人の教育を含む多くの目的で用いられる
【0005】
これらのプログラム及び他の努力にもかかわらず、管理処方薬物は頻繁に乱用されている。例えば、米国では、12歳以上の5200万人が、一生涯に非医学的に処方薬物を使用した経験をもっている。2010年には、876万件の処方薬の乱用があった。さらに、処方薬物の20%だけが医師から入手されたものであり、処方薬物の54.2%は友人又は知人から無料で入手され、16.6%は友人又は知人から購入又は獲得され、3.9%は麻薬の売人又は見知らぬ人から入手され、0.3%はインターネットを通じて購入されたものであり、残りは説明されていない。処方薬物を不適切に使用することについて10代が挙げた理由の中には、親の薬棚から容易に入手できる(調査対象の62%が挙げている)、どこででも入手できる(52%)、違法薬物ではない(51%)、他人の処方箋を通じて容易に入手できる(50%)、捕まったら処方箋を持っていると主張できる(49%)がある
【表1】
【0006】
データが示すように、処方薬物を管理する現在の試みは不十分である。システムの欠点の1つは、個々の丸剤を検証できないことである。例えば、薬物(この例では「薬物X」と呼ぶ)の処方容器を合法的に所持している場合、薬物Xの容器内の丸剤が、規制物質を含有する丸剤(この例では「薬物Y」と呼ぶ)に置き換えられる可能性がある。平たく言えば、実際には薬物Xを入れることを意図された容器に薬物Yを所持しているのに、その人は薬物Xを合法的に所持していると結論付けられる。別の例では、同じ規制物質である薬物Yの処方容器を所持していても、違法に入手された薬物Yの丸剤が詰められている可能性がある。また平たく言えば、その人は薬物Yを合法的に所持していると結論付けられる。別の言い方をすれば、ユーザは、薬物Yを合法的な処方で服用している過程で薬物Yに依存し始める可能性がある。その人は、薬物Yの処方容器をとっておいて、追加の違法に入手した薬物Yの丸剤を詰め替え続ける可能性がある。さらに、合法的に又は違法に所持している薬物が処方容器外で見つかった場合、丸剤を個々に識別することはできず、したがって、合法的な所持の検証は不可能である。これらの欠点のいくつかは、継続的な処方薬物乱用の流行の一因である可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、必要とされるのは、個々の丸剤を個々に且つ安全に検証することができる、薬を検証するためのシステム及び方法である。このようなシステム及び方法は、法執行機関当局者が、人が規制物質又は他の処方薬を合法的に所持しているかどうかを迅速、正確、且つ安全に識別するために用いられ得る。本発明は、処方薬物を個々に検証することができる、薬を検証するためのこのようなシステム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、薬にバーコード又はクイックレスポンス(QR)コードなどのコードをマークするコーディングシステムを備える。コードは、コードがリーダデバイスによって読み取られる又は解釈されるときに表示される、埋め込みシリアル番号を含む。シリアル番号は、ロット番号又はバッチ番号を含み、製造業者のIDなどのさらなる情報を含み得る。このようにして、ロット又はバッチのすべての薬に同じコードをマークすることができ、各薬に一意のコードを印刷する必要がなくなるのでマーキングプロセスが簡素化される。シリアル番号は、処方箋が出された時点で患者に紐付けされ、処方データベースに格納され得る。
【0009】
本発明は、モバイルデバイスのソフトウェアアプリケーション(「アプリ」)又はウェブサイトがコードを読み取る及び解釈するように設計される、患者識別システムをさらに備える。例えば、限定されないが、コードはスマートフォンのカメラで読み取られるQRコード(登録商標)であってよく、情報は処理のためにアプリに送信される。次いで、処方ボトルに印刷されたコードとの比較を行い、一致しているかどうか、したがって、その人がボトルの中の丸剤を合法的に所持しているかどうかを判断することができる。
【0010】
代替的に、処方ボトルが存在しない(すなわち、容器に入っていない丸剤を所持している)場合、又は丸剤のコードが処方ボトルと一致しない場合、アプリを使用して丸剤のコードをスキャンし、人の名前を入力することができる。次いで、アプリはこの情報を第1のサーバにリレーし、第1のサーバは適切な処方データベースに照会することができる。処方データベースは、当該丸剤を合法的に処方された人の名前を返すことができる。この名前は、第1のサーバを介してデバイスに返すことができ、デバイスが、入力された名前(当該丸剤を実際に所持している人)と返された名前(当該丸剤を合法的に処方された人)の間に一致があるかどうかを判定することができる。他の例示的な実施形態では、丸剤を実際に所持している人の名前を入力することは不要であり得る。このような実施形態では、丸剤を合法的に処方された人の名前を返すことができ、ユーザが、返された名前が丸剤を実際に所持している人の名前と一致するかどうかを判断することができる。
【0011】
例示的な実施形態では、当該丸剤を所持している人を識別するために顔認識技術が用いられ得る。このような実施形態では、処方データベースは、薬を合法的に処方された人の顔データを備え得る。薬のコード、及び、薬を所持している人の顔をスキャンするために、リーダデバイスが用いられ得る。この情報は、適切な処方データベースにリレーされ、そこでチェックが行われ、スキャンされた顔が丸剤を合法的に処方された人と一致するか否かの通知がリーダデバイスに表示するために返され得る。メッセージは、一致する場合は緑、一致しない場合は赤などに色分けされ得る。他の例示的な実施形態では、限定はされないが、指紋、指、手、又は他の身体部分の幾何学的形状、匂い、静脈、血液サンプル、毛髪、又は組織サンプル、部分的又は全体的なDNA配列、耳の形状、歩行、署名、網膜、虹彩、又は他の目の情報、音声パターン又は他の音声情報、これらのいくつかの組み合わせなどの他のタイプのバイオメトリック情報が用いられ得る。
【0012】
このシステム及び方法は、人の処方薬の所持の合法性を検証するために法執行に関連して用いられ得ると考えられる。しかしながら、この用途は単なる例示であり、品質管理、薬物相互作用の防止、及び処方薬の検証が望ましい他の任意の用途を含む他の用途が企図される。同様に、本発明の例示的なユーザには、法執行機関の当局者、医療専門家、製造業者、及び処方薬物のケア、取り扱い、及び規制に関係する他の人が含まれるがこれらに限定されない。
【0013】
上記の特徴に加えて、本発明の他の態様が、図面及び例示的な実施形態の以下の説明から容易に明らかになり、いくつかの図面での同様の参照番号は、同一又は同等の特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るシステムの例示的な実施形態を示す図である。
図2図1のシステムで使用するための例示的な丸剤の上面図である。
図3図1のシステムで使用するための別の例示的な丸剤の上面図である。
図4図1のシステムで使用するための例示的な丸剤容器の斜視図である。
図5図1のシステムの詳細図である。
図6】本発明に係る例示的な方法である。
図7】別の例示的な方法である。
図8】別の例示的な方法である。
図9】別の例示的な方法である。
図10】本発明に係る別の例示的な方法である。
図11】本発明に係る別の例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、本発明の種々の実施形態を、添付図を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、詳細な構成及び構成要素などの具体的な詳細は、単に本発明のこれらの実施形態の全体的な理解を支援するために提供される。したがって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される実施形態の様々な変更及び修正がなされ得ることが当業者には明らかであろう。加えて、明確及び簡潔にするために、周知の機能及び構造の説明は省略されている。
【0016】
図1図5は、本発明に係る例示的なシステムを示す。丸剤、錠剤、カプセルなどの薬12に、コード24がマークされている。コード24は、UPC、EAN、Code 39、Code 128、ITF、Code 93、Codabar、GS1 Databar、MSI Plesseyなどの一次元コードであり得る。代替的に、コード24は、クイックレスポンス(以下「QR」)コード、データマトリックスコード、PDS417、Aztecなどの二次元コードであり得る。図2及び図3は、例示的なコード24がマークされた例示的な薬12の詳細図を示す。
【0017】
二次元コードは当該技術分野ではよく知られている。完全を期すために本明細書で簡単な説明が提供されているが、限定することを意図したものではない。二次元コードは、光学的に機械で読み取り可能なラベルであり、それを付けたアイテムに関するエンコードされた情報が含まれている。QRコードは、例えば、限定されないが、白色背景の正方形グリッドに配置された3つの位置合わせ対象と一連の黒色モジュール(通常は正方形マーキング)で構成され、カメラなどのイメージングデバイスで読み取ることができる。黒色モジュールのいくつかはフォーマット情報に向けられており、残りは一般に基礎となるデータに向けられており、任意の種類の情報であり得る。画像は、しばしば、画像が適切に解釈されるまでリード・ソロモン誤り訂正を使用して処理される。次いで、必要なデータが、画像の水平成分と垂直成分の両方に存在するパターンから抽出され、一般に数字、英数字、バイト/バイナリ、及び漢字の形式で解釈されるが、他の形式も可能である。
【0018】
本発明の例示的な実施形態では、コード24は、コード24の少なくとも一部をシリアル番号に変換するためのエンコードされたデータを含む。シリアルは、10~12桁であり得るが、任意の桁数が企図され、文字、数字、他の記号、又はこれらのいくつかの組み合わせを含み得る。本発明の他の例示的な実施形態では、コード24は、任意の桁数の一連のエンコードされていない文字及び/又は数字(すなわち、印刷された文字及び/又は数字のリスト)であり得る。本質的に、このような実施形態では、コード24はシリアル番号である。コード24又は変換された埋め込みシリアル番号は、ロット番号又はバッチ番号を含み得る。例えば、限定されないが、コード24は、シリアル番号、ロット番号、及びバッチ番号に変換され得る。他の例示的な実施形態では、埋め込みシリアル番号の少なくとも一部は、ロット番号及びバッチ番号であり得る。コード24はさらに、限定はされないが、製造日、製造者の名前又は識別情報、薬12の内容、又は薬12及びその製造に関する他の任意の情報などの他の埋め込み情報を含み得る。シリアル番号は、任意の公知の又は将来の標準化されたシステムによって決定され得る。シリアル番号は、薬12に関する情報を伝えることを意図した任意の数のコード化された又はコード化されていない部分を含み得る。
【0019】
コード24は、任意の公知の方法によって製造中に薬12に付けることができる。代替的に、コード24は、後の段階で薬12に付けることができる。薬12に情報を刻印付けするためのいくつかの方法及びシステムが当該技術分野では公知である。本発明の例示的な実施形態では、コード24を限定はされないがスマートフォン又は他のモバイルデバイスのカメラなどの比較的低解像度カメラで読み取ることができる十分な解像度で印刷するシステム及び方法が用いられる。コード24を印刷するのに用いられるインクは、限定はされないがアメリカ食品医薬品局(FDA)によって承認されたものなどの、人間が消費するのに安全な任意のインクであり得る。薬12の表面は、インクの付着に適したコーティング又は表面テクスチャを備え得る。
【0020】
次いで、コード24が印刷されている薬12が、保存容器14に入れられる。保存容器14は、薬12を保存するための任意の容器であり得る。本発明の例示的な実施形態では、保存容器14は処方ボトルであり得る。本発明の例示的な実施形態では、同じロット又はバッチからの、従って同じコード24を有する薬12のみが、単一の保存容器14に入れられる。別の言い方をすれば、「分割ロット」又は「分割バッチ」の薬12は、別個の保存容器14を必要とするであろう。これにより、印刷プロセスが簡素化され、各薬12に一意のコードをマークする必要がなくなる。
【0021】
図4は、保存容器14の詳細図を示す。保存容器14は、患者情報及び処方情報28を有するラベルをさらに備え得る。本発明の例示的な実施形態では、保存容器14は、対応するコード26をさらに備える。対応するコード26は、コード24と同様に、一次元コード、二次元コードなどであり得る。本発明の例示的な実施形態では、コード24は、対応するコード26と一致する、同一である、或いは関連付けられている。対応するコード26は随意的なものであり、本発明の例示的な実施形態で必要とされない場合があることに留意されたい。
【0022】
コード24及び対応するコード26は、リーダデバイス16によって読み取られ、解釈されるように構成され得る。リーダデバイス16は、スマートフォン、カメラ、タブレット、ラップトップなどのモバイルデバイスであり得る。リーダデバイス16はさらに、コード読み取りデバイス、スキャナ、端末、又は一次元及び二次元コード24を読み取る及び解釈するように構成された任意の他の固定又はモバイルデバイス又はアタッチメントなどの、モバイルデバイス専用のスキャンデバイス又はアタッチメントであり得る。リーダデバイス16は、コード24及び対応するコード26を読み取り及び解釈し、他の情報を入力及び受信し、エンコードされた情報を表示し、一致情報を入力、受信、及び表示するように構成され得る。例示的な実施形態では、エンコードされた情報は、少なくともロット番号又はバッチ番号を含むシリアル番号であり、一致情報は、「一致」又は「不一致」などを表示するメッセージである。
【0023】
より詳細に説明するように、本明細書に記載のシステム及び方法は、薬12を持っている人が前記薬12の所持又は使用を法的に許可されているかどうかを判断するために法執行機関の当局者によって用いられ得る。この情報は、さらなる調査を行う、その人の拘留を継続する、その人の捜索、その人の家宅、車両、私物などの調査を行う、又は逮捕するかどうかの判断を行うのに用いられ得る。代替的に、品質管理、薬物相互作用の防止、及び処方薬の検証が望ましい他の任意の用途を含む他の用途が企図される。あらゆる目的又は用途が企図される。
【0024】
図1に最もよく示されているように、リーダデバイス16は、インターネットなどの通信ネットワーク20を介して、第1のサーバ18と通信し得る。第1のサーバ18は、同様に通信ネットワーク20を介して、処方データベース22と通信し得る。処方データベース22は、限定はされないがPDMPなどの、州又は連邦政府が管理する処方データベースプログラムの一部であり得る。処方データベース22は、単一のデータベースであるか、又はリンクされ一緒に照会され得る複数のデータベースを含み得る。これは、州の処方データベースの全国的ネットワーク又は国の処方データベースを含み得るがこれらに限定されない。
【0025】
第1のサーバ18は、リーダデバイス16からシリアル番号及び他の情報を受信し、シリアル番号及び他の情報を患者登録情報と比較するべく処方データベース22にクエリを送信し得る。クエリは、処方データベース22からの情報の自動化された要求であり得る。本明細書でさらに詳しく説明するように、第1のサーバ18はまた、どの処方データベース22に照会するかを決定することができる。
【0026】
本発明の他の例示的な実施形態では、ユーザが居住している又は雇用されている州の処方データベース22のみが照会され得る。さらに他の例示的な実施形態では、ユーザが居住している又は雇用されている州及び隣接する州の処方データベース22が照会され得る。任意の組み合わせの任意の数の州の任意の数の処方データベース22の照会が企図される。照会される処方データベース22は事前に決定されてよく、したがって、第1のサーバ18は、リーダデバイス16と処方データベース22との通信におけるリレーとして作用し得る。
【0027】
処方データベース22は、自動化された照会を行い、シリアル番号に関連付けられている患者情報を探し出すことができる。患者情報は、患者の名前、住所、身体的特徴、処方情報、写真などを含み得るがこれらに限定されない。次いで、患者情報は、第1のサーバ18に送り返され、そしてリーダデバイス16に送り返され得る。
【0028】
本発明の例示的な実施形態では、リーダデバイス16はまた、人の名前、処方箋が作成された州、照会される特定のデータベース、生年月日、及び他の識別情報を含むがこれらに限定されない他の入力を受信及び送信するように構成され得る。この情報は、同様に通信ネットワーク20を介して、第1のサーバ18に送信され得る。第1のサーバ18は、患者情報がリーダデバイス16によって送信された名前情報と一致するかどうかだけをチェックすることができる。次いで、第1のサーバ18は、リーダデバイス16に表示するために一致情報を送り返すことができる。
【0029】
他の例示的な実施形態では、名前とシリアル番号情報が処方データベース22に送信され、処方データベース22は、情報が一致するかどうかを判定し、一致情報をリレーして戻す。さらに他の例示的な実施形態では、処方データベース22は、対応する患者情報を第1のサーバ18に送信し、情報がリーダデバイス16にリレーされ、リーダデバイス16は、一致があるかどうかを判定し、一致情報を表示することができる。ともあれ、リーダデバイス16は、一致が判定されたか否かを含む一致情報をユーザに表示するように構成され得る。
【0030】
本発明の他の例示的な実施形態では、シリアル番号のみが処方データベース22に送信され、処方データベース22は、ユーザが一致の判断を行うことができるように、シリアル番号に関連付けられている患者情報をリーダデバイス16に返すことができる。
【0031】
本発明のさらに他の例示的な実施形態では、リーダデバイス16は、コード24及び対応するコード26を読み取り、一致情報を表示することができる。代替的に、リーダデバイス16は、コード24及び対応するコード26を読み取り、比較のためにシリアル番号を表示することができる。
【0032】
図6は、本発明に係る例示的な方法を示す。ステップ110において、薬12にコード24が付けられる。コード24は、薬12にマークを付けるための印刷又は他の任意の公知の方法によって付けられ得る。印刷は、製造設備、包装設備、調剤薬局、別個の印刷設備、又は他の任意の場所で、薬12を人に調剤する前に達成され得る。ステップ112において、対応するコード26が保存容器14に付けられる。同様に、対応するコード26は、保存容器14にマークを付けるための印刷又は他の任意の公知の方法によって付けられ得る。最後に、ステップ114において、コード24及び対応するコード26が、患者情報に関連付けられ、紐付けされ、処方データベース22に格納される。
【0033】
本発明の例示的な実施形態では、この情報は、処方箋がオーダーされた又は作成されたときに収集され、患者に紐付けされ、又は他の方法で関連付けられてよく、医師、薬物師、又は他の医療専門家によって関連付けられ、処方データベース22に配置され得る。患者情報は、コンピュータシステムに手動で入力され得る。例えば、限定されないが、これは、新しい患者に対して又は患者情報を更新するときに行われ得る。他の例示的な実施形態では、患者情報は、医師、薬物師、又は他の医療専門家が既に知っている情報から自動的に入力され得る。例えば、限定されないが、これは、フォームに自動的に入力すること又は医療専門家のファイルからの情報をアップロードすることによって既存の患者に対して行われ得る。列挙したステップは単なる例示であり、任意の順序で行われ得る。加えて、種々のステップが繰り返され又は省略され得る。
【0034】
図7は、薬の適切な所持を検証するための例示的な方法を示す。ステップ210において、リーダデバイス16を使用して薬12のコード24がスキャンされる。ステップ212において、コード24からの情報が、リーダデバイス16によって通信ネットワーク20を介して第1のサーバ18に送信される。ステップ214において、第1のサーバ18が、どの処方データベース22に照会するかを決定し、ステップ216において、適切な処方データベース22に照会する。本発明の例示的な実施形態では、処方データベース22は州が管理するPDMPであり、したがって、第1のサーバ18は、どの州の処方データベース22に照会するかを決定し得る。これは、ユーザからの入力と、リーダデバイス16から第1のサーバ18へのさらなる情報の送信によって行われ得る。この情報は、個人のライセンス情報、個人の居住地、処方医の場所、又は調剤薬局の場所に従ってユーザによって選択された州を含み得る。
【0035】
本発明の例示的な実施形態では、第1のサーバ18は、最初にユーザがいる州のデータベースに照会し、一致する情報が見つからない場合には、一致する情報が見つかるまで又はすべてのデータベース22が照会されるまで、地理的距離が増加したデータベース22に照会することによって、どの州のデータベース22に照会するかを仮定することができる。
【0036】
次に、ステップ218において、対応する情報が処方データベース22から取得され、第1のサーバ18に送信される。次いで、第1のサーバ18は、リーダデバイス16に情報を送信し得る。ステップ220において、情報の送信が通信ネットワーク20によって達成され得る。
【0037】
図8は、別の例示的な方法を示す。ステップ310において、リーダデバイス16を使用して薬12のコード24がスキャンされる。次に、ステップ312において、人の名前がリーダデバイス16に入力される。ステップ314において、名前とコード24からのシリアル番号が第1のサーバ18に送信される。ステップ316において、第1のサーバ18が、どの処方データベース22に照会するかを決定する。ステップ316は、前述のいくつかの方法のいずれかによって達成することができ、ステップ318において、適切な処方データベース22が照会される。ステップ320において、処方データベース22が、名前とコード情報との間に一致があるかどうかを判定する。次いで、ステップ322において、一致情報が第1のサーバ18に送信される。最後に、ステップ324において、第1のサーバ18が、一致情報をリーダデバイス16に送信する。代替的に、情報は、データベースから送信され、第1のサーバ18によって又はリーダデバイス16のユーザによって一致の判断がなされる。
【0038】
図9は、ステップ410において、リーダデバイス16を使用して薬12のコード24をスキャンする別の方法を示す。ステップ412において、保存容器14の対応するコード26がリーダデバイス16で同様にスキャンされる。ステップ414で、前述のいくつかの方法のいずれかによって一致があるかどうかが判定される。一致がある場合、ステップ416に記載されているように調査が終了する。一致がない場合、それぞれ図8のステップ312、314、316、318、320、322、及び324に概して対応する同じ手順が、ステップ418、420、422、424、426、428、及び430で行われ得る。ステップ418は随意的であることが企図され、スキップすることができ、代わりに、それぞれ図7のステップ210、212、214、216、218、及び220と同様の手順が行われ得る。
【0039】
図10は、顔認識技術を用いる別の例示的な方法を示す。ステップ510でリーダデバイス16を使用して薬12のコード24がスキャンされる。代替的に又は加えて、保存容器14のコード26がスキャンされる。ともあれ、コード24又はコード26をスキャンすることで、リーダデバイス16は、埋め込みシリアル番号を抽出することができる。ステップ512で、薬12を所持している人の顔の画像が撮影される。画像は、リーダデバイス16を使用して取り込まれる。このような実施形態では、リーダデバイス16は、個人の顔を撮影することができる1つ以上のカメラを備え得る。
【0040】
例示的な実施形態では、取り込まれた顔の画像から顔特徴データ(例えば、目の間隔、額から顎までの距離など)を抽出するなどの最初の顔認識処理が、リーダデバイス16で行われ、抽出された顔特徴データが送信される。他の例示的な実施形態では、このような最初の顔認識処理は、処方データベース22で行われ、単に画像データが送信される。さらに他の例示的な実施形態では、最初の顔認識処理は、第1のサーバ18で行われる。ともあれ、ステップ514で、抽出されたシリアル番号並びに顔特徴データ又は画像データが第1のサーバ18に送信される。ステップ516で、第1のサーバ18が、どの処方データベース22に照会するかを決定する。
【0041】
1つ又は複数の処方データベース22の1つ又は複数のエントリは、薬12を処方された人の顔特徴データを含み得る。顔特徴データは、薬を処方された人の画像から抽出され得る。このような画像は、このような薬12の調剤時、処方時などに取り込まれ得る。顔特徴データを抽出するのに必要とされる画像処理は、画像が取り込まれた場所、第1のサーバ18、又は処方データベース22で行われ得る。
【0042】
ともあれ、ステップ518で、適切な処方データベース22が照会される。クエリは、照会されたシリアル番号に関連付けられている顔特徴データを返すことができる。ステップ520で、薬を所持している人の顔特徴データと、取得された、照会されたシリアル番号に関連付けられている顔特徴データとの一致が判定される。ステップ522で、一致情報が第1のサーバ18に送信される。一致情報は、薬を所持している人の顔特徴データと、取得された、照会されたシリアル番号に関連付けられている顔特徴データとの一致又は不一致を示すことができる。
【0043】
ステップ524で、一致情報が、表示するためにリーダデバイス16に送信される。リーダデバイス16は、一致を受信したか否かを単に表示するように構成され得る。例えば、限定されないが、「一致」又は「不一致」という言葉が表示され得る。結果は、確認しやすいように、一致する場合は緑、一致しない場合は赤などで色分けされ得る。
【0044】
さらに他の例示的な実施形態では、薬を処方された人の顔特徴データが、一致分析を行うリーダデバイス16に送信される。個人の顔特徴データが利用できない場合、限定はされないが本明細書で示され説明されたものなどの他の方法及びシステムが使用され得る。
【0045】
限定はされないが、リーダデバイス16、第1のサーバ18、及び処方データベース22などの本明細書に記載の構成要素は、それぞれ、実行可能ソフトウェア命令及び前記実行可能ソフトウェア命令を実行するための1つ又は複数のプロセッサを備える、1つ又は複数の電子記憶装置を備え得る。前記実行可能ソフトウェア命令の実行は、それぞれのデバイス(すなわち、リーダデバイス16、第1のサーバ18、又は処方データベース22)を、本明細書に記載の1つ又は複数の機能を行うように構成することができる。
【0046】
図11は、他のタイプのバイオメトリック情報を、個々に、又はそれらの他のタイプのバイオメトリック情報又は本明細書で示され及び/又は説明された他の情報及び実施形態と組み合わせて使用する別の例示的な実施形態を示す。このようなバイオメトリック情報は、図10に関連して示され及び/又は説明されたシステム及び方法で使用することができ、同様のアイテムには、同様であるが100だけ増加した番号(すなわち、510~610)が付されており、このような方法は、本明細書で提供されるさらなる図面及び/又は実施形態のいずれかで使用することができる。使用されるさらなる種類のバイオメトリック情報としては、例えば、限定されないが、指紋、指、手、又は他の身体部分の幾何学的形状、匂い、静脈、血液サンプル、毛髪、又は組織サンプル、部分的又は全体的なDNA配列、耳の形状、歩行、署名、網膜、虹彩、又は他の目の情報、音声パターン又は他の音声情報、これらのいくつかの組み合わせなどが挙げられる。
【0047】
本明細書で説明した種々の方法のステップは単なる例示であり、任意の順序で行われ得る。加えて、種々のステップが繰り返され又は省略され得る。
【0048】
本発明の任意の実施形態は、本発明の他の実施形態の随意的な又は好ましい特徴のいずれかを含み得る。本明細書で開示された例示的な実施形態は、網羅的であること又は本発明の範囲を不必要に制限することを意図するものではない。例示的な実施形態は、当業者が本発明を実施できるように本発明の原理を解説するために選択され説明されている。本発明の例示的な実施形態が図示及び説明されているので、説明された発明に多くの変形及び修正がなされ得ることを当業者は理解するであろう。それらの変形及び修正の多くは、同じ結果をもたらし、特許請求される発明の精神内に入るであろう。したがって、特許請求の範囲によって示されるようにのみ本発明を限定することが意図されている。
【0049】
本明細書に記載の特定の動作は、1つ又は複数の電子装置によって行われ得る。各電子装置は、本明細書に記載の動作を行うように構成された1つ又は複数のプロセッサ、電子記憶装置、実行可能ソフトウェア命令などを含み得る。電子装置は、汎用コンピュータ又は専用コンピューティングデバイスであり得る。電子装置は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、データベース、サーバなどであり得る。本明細書に記載の電子接続及び送信は、有線又は無線手段によって達成され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】