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  • 特表-ベンペド酸の新規塩及び多形体 図1
  • 特表-ベンペド酸の新規塩及び多形体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】ベンペド酸の新規塩及び多形体
(51)【国際特許分類】
   C07C 59/245 20060101AFI20220218BHJP
   C07C 69/716 20060101ALI20220218BHJP
   C07C 59/347 20060101ALI20220218BHJP
   C07C 69/34 20060101ALI20220218BHJP
   C07C 51/47 20060101ALI20220218BHJP
   C07C 51/367 20060101ALI20220218BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220218BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20220218BHJP
   A61K 31/194 20060101ALN20220218BHJP
【FI】
C07C59/245
C07C69/716 Z
C07C59/347
C07C69/34
C07C51/47
C07C51/367
A61P3/06
A61P9/12
A61K31/194
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538322
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(85)【翻訳文提出日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2019061391
(87)【国際公開番号】W WO2020141419
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】201821049982
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】201921026733
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504265031
【氏名又は名称】ルピン・リミテッド
【住所又は居所原語表記】Kalpataru Inspire 3rd Floor,Off Western Express Highway,Santacruz(East),Mumbai 400 055,India
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】カダム,ナバナト,アンバダス
(72)【発明者】
【氏名】スレイク,ロヒダス,シヴァジ
(72)【発明者】
【氏名】シヤン,ラジンダー,シン
(72)【発明者】
【氏名】ビセ,ナンドゥ,ババン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ギルジャ,パル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアス,ラジェッシュ,ハリシャンカル
【テーマコード(参考)】
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C206AA03
4C206AA04
4C206DA36
4C206NA20
4C206ZA42
4C206ZC33
4H006AA01
4H006AA02
4H006AB23
4H006AB24
4H006AC41
4H006AD15
4H006BB14
4H006BB31
4H006BN10
4H006BR10
4H006BS10
4H006KA31
(57)【要約】
本発明は、ベンペド酸の薬学的に許容される新規塩、ベンペド酸の新規中間体、新規の結晶形態のベンペド酸、及びベンペド酸又はその中間体を製造するための新規の方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
の化合物又はその薬学的に許容される塩、水和物、又は溶媒和物。
【請求項2】
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)塩基を添加するステップ、及び
c)ベンペド酸のナトリウム塩を単離するステップ
を含む、ベンペド酸のナトリウム塩を製造するための方法。
【請求項3】
i. ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
ii. カリウム含有塩基から選択される塩基を添加するステップ、及び
iii. ベンペド酸のカリウム塩を単離するステップ
を含む、ベンペド酸のカリウム塩を製造するための方法。
【請求項4】
i. ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
ii. 塩基、任意に水酸化ナトリウムから選択される塩基を添加するステップ、
iii. ステップiiに酢酸カルシウムと水を添加するステップ、及び
iv. ベンペド酸のカルシウム塩を単離するステップ
を含む、ベンペド酸のカルシウム塩を製造するための方法。
【請求項5】
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)ピペラジン溶液を添加するステップ、及び
c)ベンペド酸のピペラジン塩を単離するステップ
を含む、ベンペド酸のピペラジン塩を製造するための方法。
【請求項6】
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)ピペラジンを添加し、加熱してもしなくてもよいステップ、及び
c)ベンペド酸のビスピペラジン塩を単離するステップ
を含む、ベンペド酸のビスピペラジン塩を製造するための方法。
【請求項7】
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)tert-ブチルアミンを添加するステップ、及び
c)ベンペド酸のビス-tert-ブチルアミン塩を単離するステップ
を含む、ベンペド酸のビス-tert-ブチル塩を製造するための方法。
【請求項8】
【化9】
X線粉末回折パターンにおいて回折角2θ 10.2°±0.2°、17.4°±0.2°、17.8°±0.2°、18.6°±0.2°、20.2°±0.2°、21.7°±0.2°、22.4°±0.2°及び23.4°±0.2°に特徴的な回折ピークを有する、結晶形態のベンペド酸(式Iの化合物)。
【請求項9】
a)ベンペド酸を溶媒に溶解するステップ、
b)任意に、第2の溶媒を添加し、反応混合物を加熱するステップ、
c)反応混合物を冷却するステップ、及び
d)結晶形態のベンペド酸を単離するステップ
を含む、結晶形態のベンペド酸を製造するための方法。
【請求項10】
a)イソ酪酸エチルを塩基、ヨウ化カリウムの存在下で1,5-ジブロモペンタンで処理して、式2aの化合物を得るステップ、
【化10】
b)塩基の存在下で式2aの化合物を式2bの化合物で処理して、式6の化合物を得るステップ、
【化11】
c)式6の化合物を塩基で処理して式7の化合物を得るステップ、
【化12】
d)式7の化合物を結晶形態のベンペド酸に変換するステップ
【化13】
を含む、結晶形態のベンペド酸を製造するための方法。
【請求項11】
a)カプロラクトンを塩基の存在下、酢酸エチルで処理してエチル8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエート(式1)を得るステップ、
【化14】
b)エチル-8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエート(式1)をエチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエートで処理して、ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式2)を得るステップ、
【化15】
c)ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式2)をハロゲン化アルカリ金属又はハロゲン化アルカリ金属又はハロゲン化テトラブチルアンモニウムと反応させてジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式3)を得るステップ、
【化16】
d)ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式3)を塩基の存在下、イソ酪酸エチルで処理して、トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(式4)を得るステップ、
【化17】
e)トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(式4)を塩基で処理して、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5)を得るステップ、
【化18】
f)任意に、トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(式4)を塩基で処理して、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6)を得るステップ、
【化19】
g)ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6)を還元剤で処理して、ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(式7)を得るステップ、
【化20】
h)任意に、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5)を還元剤で処理してベンペド酸(式Iの化合物)を得るステップ、及び
i)ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(式7)を塩基で処理して、ベンペド酸(式Iの化合物)を得るステップ
を含む、ベンペド酸(式Iの化合物)を製造するための方法。
【請求項12】
a)マロン酸ジエチルを塩基の存在下で7-ブロモ-3-メチル ヘプタン-2-オンで処理して、式XAの化合物を得るステップ、
【化21】
b)式XAの化合物を塩基で処理して式XBの化合物を得るステップ、
【化22】
c)式XBの化合物を3-エトキシ-3-オキソプロパン酸カリウムと反応させて、式XCの化合物を得るステップ、
【化23】
d)式XCの化合物を塩基の存在下で7-ブロモ-3-メチル ヘプタン-2-オンで処理して、式4の化合物を得るステップ、
【化24】
e)式4の化合物を塩基で処理して、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートを得るステップ、及び
f)ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート中間体を使用してベンペド酸を製造するステップ
を含む、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートを製造するための方法。
【請求項13】
i. ジエチル3-オキソペンタンジオエートをエチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエートで処理して、式4の化合物を得るステップ、及び
ii. 式4の化合物を塩基で処理して、式5の化合物又は式6の化合物を得るステップ
を含む、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5の化合物)又はジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6の化合物)を製造するための方法。
【請求項14】
a)溶媒がメタノール又はテトラヒドロフラン(THF)又はそれらの混合物であり、b)塩基が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム又はそれらの混合物である、請求項2~7に記載の方法。
【請求項15】
a)溶媒が、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジイソプロピルエーテル、ブタノン又はそれらの混合物である、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
a)溶媒が、メタノール、エタノール、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、水又はそれらの混合物であり、b)塩基が、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ブトキシドナトリウム、ブトキシドカリウム、メトキシドナトリウム、メトキシドカリウム、エトキシドナトリウム、エトキシドカリウム、プロポキシドナトリウム、プロポキシドカリウム、ベータヒドロキシエトキシドナトリウム、ベータヒドロキシエトキシドカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ベンジルトリメチルアンモニウムメトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルホスホニウムメトキシド、トリフェニルホスホニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、N-メチル-ジ-イソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ-n-オクチルアミン又はそれらの混合物であり、c)アルカリ金属ヨウ化物が、ヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウム又はその混合物であり、d)還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素トリメトキシナトリウム、水素化ホウ素トリスエチルリチウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウム又はそれらの混合物である
請求項10~13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2018年12月31日に提出のインド仮特許出願番号201821049982及び2019年7月3日提出のインド仮特許出願番号201921026733の優先権とその利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、ベンペド酸の薬学的に許容される新規塩及びその製造のための方法に関する。
【0003】
本発明はまた、ベンペド酸の新規中間体及びその製造のための方法に関する。
【0004】
本発明はまた、新規の結晶形態のベンペド酸及びその製造のための方法に関する。
【0005】
本発明はさらに、ベンペド酸を製造するための新規の方法に関する。
【背景技術】
【0006】
ベンペド酸は化学的に8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカン二酸として知られており、その化学構造を以下の式(I)に示す。
【化1】
【0007】
ベンペド酸は、高コレステロール血症や高血圧の治療に役立つ。
【0008】
米国特許第7,335,799号は、8-オキソ-2,2,14,14-テトラメチル-ペンタデカン二酸を使用することによるベンペド酸の製造を記載しており、ベンペド酸は、実施例番号6.20において粘稠な油として単離された。米国'799特許は、ベンペド酸の固体結晶特性を開示していない。
【0009】
本発明は、ベンペド酸の薬学的に許容される新規塩、ベンペド酸の新規中間体、ベンペド酸の新規結晶性多形形態、及びそれらの製造のための方法に関する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ベンペド酸の薬学的に許容される新規有機及び無機塩及びそれらの製造のための方法に関する。
【0011】
本発明はまた、ベンペド酸の新規中間体及びその製造のための方法に関する。
【0012】
本発明はさらに、ベンペド酸を製造するための新規の方法に関する。
【0013】
本発明はまた、結晶形態のベンペド酸及びその製造のための方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に記載の固体結晶形態のベンペド酸の粉末X線回折(PXRD)パターンの図解である。
図2図2は、本発明に記載の固体結晶形態のベンペド酸の示差走査熱量測定プロファイルの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一側面は、ベンペド酸の薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物又は水和物、及びその製造のための方法を提供する。
【0016】
本発明の別の側面は、ベンペド酸の薬学的に許容される塩を提供し、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄など)との塩を含む。さらに、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピペラジン、tert-ブチルアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリンなど)、アミノ酸、又はそれらの混合物。これらの塩は、従来の方法に従って製造された。
【0017】
本発明のさらに別の側面は、ベンペド酸のナトリウム塩又はその水和物及びその溶媒和物を提供する。
【0018】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のナトリウム塩(式AAの化合物)を提供する。
【化2】
【0019】
本発明のさらに別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のナトリウム塩を製造するための方法を提供する:
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)ナトリウム含有塩基から選択される塩基を添加するステップ、及び
c)ベンペド酸のナトリウム塩を単離するステップ。
【0020】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のカリウム塩又はその水和物及びその溶媒和物を提供する。
【0021】
本発明のさらに別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のカリウム塩(式BBの化合物)を製造するための方法を提供する:
【化3】
【0022】
本発明の別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のカリウム塩を製造するための方法を提供する:
i. ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
ii. カリウム含有塩基から選択される塩基を添加するステップ、及び
iii. ベンペド酸のカリウム塩を単離するステップ。
【0023】
本発明のさらに別の側面は、ベンペド酸のカルシウム塩、又はその水和物及び溶媒和物を提供する。
【0024】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のカルシウム塩(式CCの化合物)を製造するための方法を提供する。
【化4】
【0025】
本発明のさらに別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のカルシウム塩を製造するための方法を提供する:
i. ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
ii. 塩基、任意に水酸化ナトリウムから選択される塩基を添加するステップ、
iii. ステップiiに酢酸カルシウムと水を添加するステップ、及び
iv. ベンペド酸のカルシウム塩を単離するステップ。
【0026】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のピペラジン塩又はその水和物及びその溶媒和物を提供する。
【0027】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のピペラジン塩(式DDの化合物)を製造するための方法を提供する。
【化5】
【0028】
本発明のさらに別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のピペラジン塩を製造するための方法を提供する:
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)ピペラジン溶液を添加するステップ、及び
c)ベンペド酸のピペラジン塩を単離するステップ。
【0029】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のビスピペラジン塩又はその水和物及びその溶媒和物を提供する。
【0030】
本発明のさらに別の側面は、ベンペド酸のビスピペラジン塩(式EEの化合物)を製造するための方法を提供する。
【化6】
【0031】
本発明の別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のビスピペラジン塩を製造するための方法を提供する:
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)ピペラジンを添加し、加熱してもしなくてもよいステップ、及び
c)ベンペド酸のビスピペラジン塩を単離するステップ。
【0032】
本発明のさらに別の側面は、ベンペド酸のビス-tert-ブチル塩、その水和物及びその溶媒和物を提供する。
【0033】
本発明の別の側面は、ベンペド酸のビス-tert-ブチル塩(式FFの化合物)を製造するための方法を提供する。
【化7】
【0034】
本発明のさらに別の側面は、以下のステップを含むベンペド酸のビス-tert-ブチル塩を製造するための方法を提供する:
a)ベンペド酸を溶媒で処理するステップ、
b)tert-ブチルアミンを添加するステップ、及び
c)ベンペド酸のビス-tert-ブチルアミン塩を単離するステップ。
【0035】
本発明の方法によれば、ベンペド酸の薬学的に許容される塩は、水和物などの溶媒和物、及び/又は結晶性多形又はアモルファスを形成し得る。本発明は、そのような様々な溶媒和物ならびに多形を含む。「溶媒和物」は、任意の数の溶媒分子(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、2-メトキシエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール;又はアセトニトリル、ニトロメタン、1,2-ジメトキシエタン;又は酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、又はアセトン、2-ブタノンなどのケトン;又はそれらの混合物、又は水との混合物など)が本発明の化合物に配位しているものであり得る。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩が大気中に放置される場合、それは水を吸収し、吸着された水の付着又は水和物の形成をもたらし得る。
【0036】
本発明の方法によれば、ベンペド酸のナトリウム塩、ベンペド酸のカリウム塩、ベンペド酸のカルシウム塩、ベンペド酸のピペラジン塩、ベンペド酸のビスピペラジン塩、ベンペド酸のビス-tert-ブチル塩は高純度で製造される。
【0037】
本発明によれば、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、tert-ブチルアルコールなどのアルコール;アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトンなどのケトン溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸t-ブチルなどのエステル;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルなどのエーテル溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどの極性非プロトン溶媒、水又はそれらの混合物から選択される。
【0038】
本発明のさらに別の側面は、新規のベンペド酸中間体及びその製造のための方法を提供する。
【0039】
本発明の別の側面は、式2の化合物、式3の化合物、式4の化合物、式5の化合物、式6の化合物、式7の化合物、式XAの化合物、式XBの化合物、及び式XCの化合物から選択される新規のベンペド酸中間体のいずれか1つを使用することにより、式Iのベンペド酸を製造するための新規の方法を提供する。
【化8】
【化9】
【0040】
本発明のさらに別の側面は、結晶形態のベンペド酸及びその製造のための方法を提供する。
【0041】
図1に示される粉末X線粉末回折パターンは、本発明の結晶形態のベンペド酸を特徴付ける。
【0042】
本発明のさらに別の側面は、回折角2θ 10.2°±0.2°、17.4°±0.2°、17.8°±0.2°、18.6°±0.2°、20.2°±0.2°、21.7°±0.2°、22.4°±0.2°及び23.4°±0.2°にPXRDの特徴的な回折ピークを有する結晶形態のベンペド酸。
【0043】
本発明の別の側面は、以下の表-1に示されるPXRDの特徴的なピーク、d間隔、及び相対強度を有する結晶形態のベンペド酸。
【表1-1】
【表1-2】
【0044】
本発明のさらに別の側面は、図2に示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムによって特徴付けられる結晶形態のベンペド酸。
【0045】
本発明の別の側面は、
a)ベンペド酸を溶媒に溶解するステップ、
b)任意に第2の溶媒を添加するステップ、
c)反応混合物を加熱するステップ、
d)反応混合物を冷却するステップ、及び
e)結晶形態のベンペド酸を単離するステップ
を含む、結晶形態のベンペド酸を製造するための方法を提供する。
【0046】
本発明によれば、溶媒又は第2の溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、tert-ブチルアルコールなどのアルコール;アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトンなどのケトン溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸t-ブチルなどのエステル;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルなどのエーテル溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどの極性非プロトン溶媒、水又はそれらの混合物から選択される。
【0047】
本発明のさらに別の側面は、式Iのベンペド酸を製造するための新規の方法を提供する。
【化10】
【0048】
スキーム-1は、本発明の別の側面によるベンペド酸の製造方法の図解である。
スキーム-1
【化11】
【0049】
本発明の別の側面は、
a)カプロラクトンを塩基の存在下、酢酸エチルで処理してエチル8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエート(式1)を得るステップ、
【化12】
b)エチル-8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエート(式1)をエチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエートで処理して、ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式2)を得るステップ、
【化13】
c)ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式2)をハロゲン化アルカリ金属又はハロゲン化テトラブチルアンモニウム塩と反応させてジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式3)を得るステップ、
【化14】
d)ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(式3)を塩基の存在下、イソ酪酸エチルで処理して、トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(式4)を得るステップ、
【化15】
e)トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(式4)を塩基で処理して、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5)を得るステップ、
【化16】
f)任意に、トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(式4)を塩基で処理して、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6)を得るステップ、
【化17】
g)ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6)を還元剤で処理して、ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(式7)を得るステップ、
【化18】
h)任意に、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5)を還元剤で処理してベンペド酸(式Iの化合物)を得るステップ、及び
i)ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(式7)を塩基で処理して、ベンペド酸(式Iの化合物)を得るステップ
を含む、ベンペド酸(式Iの化合物)を製造するための新規の方法を提供する。
【0050】
本発明の別の側面は、式(2a)の7-ヨード-2,2-ジメチルヘプタン酸エチルエステル化合物を使用することにより、結晶形態のベンペド酸を製造するための方法を提供する。
スキーム-2は、本発明の別の側面による結晶形態のベンペド酸の製造方法の図解である。
スキーム-2
【化19】
【0051】
本発明の別の側面は、
a)イソ酪酸エチルを塩基の存在下で1,5-ジブロモペンタンで処理して、式2aの化合物を得るステップ、
【化20】
b)塩基の存在下で式2aの化合物を式2bの化合物で処理して、式6の化合物を得るステップ、
【化21】
c)式6の化合物を塩基で処理して式7の化合物を得るステップ、
【化22】
d)式7の化合物を結晶形態のベンペド酸に変換するステップ
【化23】
を含む、結晶形態のベンペド酸を製造するための新規の方法を提供する。
【0052】
本発明によれば、溶媒又は有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、tert-ブチルアルコールなどのアルコール;アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルメチルケトンなどのケトン溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸t-ブチルなどのエステル;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルなどのエーテル溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどのニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどの極性非プロトン溶媒、水又はそれらの混合物から選択される。
【0053】
本発明によれば、塩基は、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属炭酸塩、四級アンモニウムアルコキシド、四級アンモニウム水酸化物、四級ホスホニウムアルコキシド、四級ホスホニウム水酸化物、三級アミン又はそれらの混合物から選択される。好ましい塩基には、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、ナトリウムベータヒドロキシエトキシド、カリウムベータヒドロキシエトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ベンジルトリメチルアンモニウムメトキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルホスホニウムメトキシド、トリフェニルホスホニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、N-メチル-ジ-イソプロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリ-n-オクチルアミン、1,4-ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン(DABCO)、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノン-5-エン(DBN)、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、N,N-ジメチルピペラジン、ペンタメチルグアニジン、2,6-ルチジン、2,4,6-コリジン又はそれらの混合物が含まれる。
【0054】
本発明によれば、ハロゲン化アルカリ金属は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、又はそれらの混合物から選択されるハロゲン化テトラブチルアンモニウムから選択される。
【0055】
本発明によれば、還元剤は、触媒還元に金属触媒及び水素源を使用する、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム、トリスエチル水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素剤、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウム、水素化アルミニウムナトリウム剤又はそれらの混合物から選択される。
【0056】
本発明によれば、Pが、アルキル、置換アルキル、C1 -C12アリール、置換C1 -C12アリールからなる群から選択される式XEの化合物。本明細書で使用される場合、用語「アルキル」と及びその誘導体及びすべての炭素鎖における誘導体は、他に定義されない限り、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素鎖を意味する。炭素鎖に1~12個の炭素原子が含まれている限り。本明細書で使用されるアルキル置換基の例には、-CH3 , -CH2-CH3 , -CH2 -CH2 -CH3, -CH (CH3)2, -C(CH3)3. ,- (CH2)3-CH3 , -CH2 -CH (CH3)2, -CH(CH3) -CH2 -CH3 , -CH=CH2 , 及び -C≡C-CH3が挙げられる。本明細書で使用される用語「アリール」は、別段の定義がない限り、1~14個の炭素原子を含み、1~5個のヘテロ原子を含み得る(ただし、その数が1の場合、芳香環は少なくとも4個のヘテロ原子を含み、炭素原子の数が2の場合、芳香環には少なくとも3つのヘテロ原子が含まれ、炭素原子の数が3の場合、芳香環には少なくとも2つのヘテロ原子が含まれ、炭素原子の数が4の場合、芳香環には少なくとも1つのヘテロ原子が含まれる。)。
【0057】
本明細書で使用される用語「C1 -C12アリール」は、他に定義されない限り、フェニル、ベンジル、ナフタレン、3,4-メチレンジオキシフェニル、ピリジン、ビフェニル、キノリン、ピリミジン、キナゾリン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール及びテトラゾールを含む。
【0058】
本発明のさらに別の側面は、式XAの化合物、式XBの化合物、式XCの化合物、及び式XEの化合物から選択される中間体のいずれか1つを使用することにより、2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートを製造するための新規の方法を提供する。
【化24】
【0059】
スキーム-3は、本発明の別の側面による、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートの製造方法の図解である。
スキーム-3
【化25】
【0060】
本発明のさらに別の側面は、
a)マロン酸ジエチルを塩基の存在下で7-ブロモ-3-メチル ヘプタン-2-オンで処理して、式XAの化合物を得るステップ、
【化26】
b)式XAの化合物を塩基で処理して式XBの化合物を得るステップ、
【化27】
c)式XBの化合物を3-エトキシ-3-オキソプロパン酸カリウムと反応させて、式XCの化合物を得るステップ、
【化28】
d)式XCの化合物を塩基の存在下で7-ブロモ-3-メチル ヘプタン-2-オンで処理して、式4の化合物を得るステップ、
【化29】
e)式4の化合物を塩基で処理して、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートを得るステップ、及び
f)ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート中間体を使用してベンペド酸を製造するステップ
を含む、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートを製造するための新規の方法を提供する。
【0061】
本発明のさらに別の側面は、式XEの新規化合物及びその製造のための方法を提供する。
【化30】
【0062】
本発明によれば、式XEの化合物は、ベンペド酸又は純粋なベンペド酸又は結晶形態のベンペド酸を製造するための中間体として使用される。
【0063】
本発明の別の側面は、本発明の新規中間体又は任意の先行技術の方法を使用することにより、式XEの化合物を製造するための新規の方法を提供する。
【0064】
本発明のさらに別の側面は、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5の化合物)を製造するための新規の方法を提供する。
【0065】
本発明の別の側面は、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6の化合物)を製造するための新規の方法を提供する。
【0066】
スキーム-4は、本発明の別の側面による2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5の化合物)又はジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6の化合物)の製造方法の図解である。
スキーム-4
【化31】
【0067】
本発明のさらに別の側面は、
a)ジエチル3-オキソペンタンジオエートをエチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエートで処理して、式4の化合物を得るステップ、及び
b)式4の化合物を塩基で処理して、式5の化合物又は式6の化合物を得るステップ
を含む、2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン二酸(式5の化合物)又はジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(式6の化合物)を製造するための新規の方法を提供する。
【0068】
本発明の方法によれば、ベンペド酸は高純度を有する。
【0069】
本発明の別の側面によれば、結晶形態のベンペド酸は、本発明で製造されるベンペド酸又は純粋なベンペド酸から、又は他の任意の従来技術の方法から製造される。
【0070】
実験方法:
1)HPLC機器と方法の詳細:
機器:ポンプ、インジェクター、UV検出器、レコーダーを備えたHPLC
カラム:Zorbax SB-Aq(4.6 x 250mm)、5μm
波長:UV検出器215 nm
流量:1.5mL / 分
注入量:5μL
オートサンプラー温度:10℃
カラムオーブン温度:20℃
【0071】
NMRスペクトルは、Bruker Avance III HD 500MHz装置を使用して記録した。
【0072】
このように本発明の様々な側面を記載しているので、以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を説明するために提供される。それらは決して制限することを意図したものではない。
【実施例
【0073】
実施例-1:ベンペド酸のナトリウム塩の製造
ベンペド酸(1.0g、0.0029mol)、MeOH(10mL)、水酸化ナトリウム溶液(0.11g、0.0028mol)及び水(1ml)を加え、反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次に反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた固体を乾燥させてベンペド酸のナトリウム塩を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.33 (s, 1H), 1.37 (m, 20H), 1.04 (m, 12H)
【0074】
実施例-2:ベンペド酸のカリウム塩の製造
MeOH(10mL)中のベンペド酸(1.0g、0.0029mol)、KOH溶液(0.16g、0.0028mol)及び水(1ml)を添加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次に反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた固体を乾燥させて、ベンペド酸のカリウム塩を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.34 (s, 1H), 1.37 (m, 20H), 1.04 (m, 12H)
【0075】
実施例-3:ベンペド酸のカルシウム塩の製造
ベンペド酸(1.0g、0.0029mol)をMeOH(10mL)に溶解し、NaOH溶液(0.11g、0.0029mol)及び水(2ml)を反応混合物に添加した。反応混合物を50℃で15分間撹拌した。反応混合物に酢酸カルシウム(0.22g、0.0014 mol)と水をゆっくり加え、50℃で30分間撹拌を続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、アセトンでストリッピングし、次に脱気して、ベンペド酸のカルシウム塩を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.42 (s, 1H), 1.35 (m, 20H), 1.00 (m, 12H)
【0076】
実施例-4:ベンペド酸のピペラジン塩の製造
ベンペド酸(1.0g、0.0029mol)をTHF(40mL)に懸濁し、ピペラジン溶液(0.24g、0.0029mol)及びTHF(5mL)を周囲温度で反応混合物に添加した。反応混合物を5時間撹拌し、次に濾過した。得られた固体を乾燥させて、ベンペド酸のピペラジン塩を得た。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.51 (m, 1H), 3.06 (s, 8H), 1.52 (m, 4H), 1.46 (m, 16H), 1.38 (m, 12H)
【0077】
実施例-5:ベンペド酸のビス-ピペラジン塩の製造
ベンペド酸(1.0g、0.0029mol)をMeOH(10mL)に溶解し、ピペラジン(0.49g、0.0058mol)を周囲温度で反応混合物に添加した。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、ベンペド酸のビスピペラジン塩を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.33 (m, 1H), 2.67 (s, 16H), 1.40 (m, 20H), 1.04 (m, 12H)
【0078】
実施例-6:ベンペド酸のビス-tert-ブチルアミン塩の製造
ベンペド酸(1.0g、0.0029mol)をMeOH(10mL)に溶解し、t-ブチルアミン(0.42g、0.0058mol)を反応混合物に添加した。反応混合物を周囲温度で5時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮して、ベンペド酸のビス-tert-ブチルアミン塩を得た。
1H-NMR (500 MHz, MeOD): δ 3.51 (m, 1H), 1.50 (m, 9H), 1.45 (m, 29H), 1.31 (m, 12H)
【0079】
実施例-7:ベンペド酸の製造方法
実施例7a:エチル-8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエートの製造方法
酢酸エチル(30.0g、0.34mol)及びTHF(300 mL)を-65℃のLDAに添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次に-65℃のカプロラクトンを添加した。反応混合物を1時間持続し、次に塩化アンモニウム溶液(50mL)でクエンチした。周囲温度になるまで放置し、水(200 mL)で希釈し、EtOAc(200 mL)で抽出した。有機層を濃縮して、エチル-8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエート(67.3g)の粘着性産物を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.20 (q, 2H), 4.07 (m, 1H), 3.66 (m, 2H), 3.44 (s, 2H), 2.58 (m, 2H), 2.3 (m, 1H), 1.60 (m, 6 H), 1.39 (m, 3H), MS: 203.2 [M+H]+
【0080】
実施例7b:ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエートの製造方法
エチル-8-ヒドロキシ-3-オキソオクタノエート(35.0 g、0.173 mol)をDMF(350 mL)、エチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエート(47.8 g、0.190 mol)及びK2CO3(35.8 g、0.259 mol)に添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、反応の完了後、有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、次に濃縮して、ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(28.4g)を得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.18 (q, 2H), 4.10 (m, 2H), 3.66 (m, 2H), 3.40 (m, 1H), 2.56 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.63-1.48 (m, 6H), 1.26 (m, 2H), 1.14 (m, 10H), 1.15 (s, 6H); MS: 371.3 [M-H]+
【0081】
実施例7c:ジエチル7-(6-ヨードヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエートの製造
ジエチル7-(6-ヒドロキシヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(25.0 g、0.067 mol)をDCM(250 mL)、DIPEA(10.3 g、0.081 mol)の混合物に溶解した。反応混合物を0℃に冷却しメタンスルホニルクロリド(8.4g、0.073mol)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次に1NのHCl(125mL)でクエンチした。有機層を分離し、濃縮して、残留物を得た。得られた残留物をアセトン(620mL)に溶解し、ヨウ化カリウム(22.8g、0.137mol)を添加した。反応混合物を24時間還流し、濃縮して残留物を得た。残留物をEtOAc(310mL)に溶解し、20%チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、次に水(150mL)で洗浄した。有機層を濃縮して、ジエチル7-(6-ヨードヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(29.1g)を油として得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.20 (q, 2H), 4.12 (q, 4H), 3.42 (m, 1H), 3.21 (m, 2H), 2.51 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 1.60 m, 4H), 1.38 (m, 2H), 1.29 (m, 2H), 1.26 (m, 10H), 1.12 (s, 12H); MS: 500.1 [M+NH4]+
【0082】
実施例7d:トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレートの製造
ジエチル7-(6-ヨードヘキサノイル)-2,2-ジメチルオクタンジオエート(1.0 g、0.002 mol)及びイソ酪酸エチル(0.36 g、0.0031 mol)をTHF(10 mL)に溶解し、反応混合物を-60℃に冷却し、LDA(2.6 mL、0.0051 mol)を添加し、塩化アンモニウム溶液(20 mL)でクエンチした後に反応混合物を16時間撹拌し、EtOAc(2 X 20 mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、次に濃縮して、トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(0.81g)を油として得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.21 (q, 2H), 4.11 (q, 4H), 3.40 (m, 1H), 2.51 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 1.60 (m, 8H), 1.24 (m, 16H), 1.12 (s, 12H); MS: 469.4 [M-H]+
【0083】
実施例7e:2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカン二酸の製造
トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(0.5g、0.0011 mol)をエタノール(8 mL)に溶解した。KOH(0.59 g、0.106 mol)と水(2 mL)を反応混合物に添加した。反応混合物を16時間還流し、周囲温度に冷却し、水を添加した(10mL)。反応混合物のpHを2~3に調整し、次にDCMで抽出し、有機層を濃縮して、2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカン二酸(0.31g)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.38 (m, 4H), 1.45 (m, 8H), 1.34 (m, 8H), 1.12 (s, 12H); MS: 460.2 [M+NH4]+
【0084】
実施例7f:ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエートの製造
ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(9.0 g、0.02mol)をメタノール(100 mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、NaBH4(0.83 g、0.02mol)を添加した。DCMで反応混合物を抽出した。有機層を合わせ、減圧下で溶媒を揮散させ、ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(8.1g)を油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.13 (m, 4H), 3.59 (m, 1H), 1.59 -1.42 (m, 8H), 1.25 (m, 16H), 1.16 (s, 12H); MS: 418.3 [M+NH4]+
【0085】
実施例7g:ベンペド酸の製造:方法A
2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカン二酸(1.1 g、0.0032mol)をメタノールに溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、NaBH4(0.46 g、0.0122mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で5時間撹拌し、次に1NのHCl(100mL)を添加した。有機層を減圧下で濃縮して、ベンペド酸(8.1g)を油状物として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 4.13 (m, 1H), 1.43 (m, 4H), 1.25 (m, 16H), 1.06 (s, 12H); MS: 343.2 [M-1]-
【0086】
実施例7h:ベンペド酸の製造:方法B
ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(8.0 g、0.019 mol)をEtOH(240 mL)に溶解し、KOH(10.0 g、0.17 mol)及び水(8 mL)を反応混合物に添加し、混合物を16時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残留物を水(80mL)で希釈し、1NのHClで酸性化し、DCMで抽出し、有機層を減圧下で除去して残留物を得、これをDIPE(160mL)で結晶化して8-ヒドロキシ-2,2,14, 14-テトラメチルペンタデカン二酸(4.8g)を白色固体として得た。
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 4.13 (m, 1H), 1.43 (m, 4H), 1.25 (m, 16H), 1.06 (s, 12H); MS: 343.2 [M-1]-
【0087】
実施例8:トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレートの製造方法
実施例8a:テトラエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,9,14-テトラカルボキシレートの製造方法
マロン酸ジエチル(4.5g、0.028mol)をDMF(45mL)に溶解し、エチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエート(7.77g、0.030mol)及びK2CO3(5.82g、0.042mol)を添加した。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、両方の層を分離し、有機層を濃縮して、トリエチル6-メチルヘプタン-1,1,6-トリカルボキシレート(9.1g)を油として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.23-4.10 (m, 6H), 3.31 (m, 1H), 1.92 (m, 2H), 1.53 (m, 2H), 1.29 (m, 13H), 1.18 (s, 6H); MS: 348 [M+NH4]+
【0088】
実施例8b:8-エトキシ-7,7-ジメチル-8-オキソオクタン酸の製造
トリエチル6-メチルヘプタン-1,1,6-トリカルボキシレート(9.0g、0.027mol)をエタノール(45mL)に溶解し、NaOH(2.72g、0.068mol)及び水(27mL)を添加した。反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を1NのHClで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮して、8-エトキシ-7,7-ジメチル-8-オキソオクタン酸(5.2g)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.11 (q, 2H), 2.34 (t, 2H), 1.63 (m, 2H), 1.52 (m, 2H), 1.36 (m, 2H), 1.27 (m, 5H), 1.20 (s, 6H); MS: 231.2 [M+1]+
【0089】
実施例8c:ジエチル2,2-ジメチル-8-オキソデカンジオエートの製造
8-エトキシ-7,7-ジメチル-8-オキソオクタン酸(2.0g、0.0087mol)をTHF(20mL)に溶解し、CDI(1.55g、0.0095mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。別のフラスコにマロン酸カリウム(2.96 g、0.0174 mol)及びMgCl2(1.65 g、0.0174 mol)をTHF(30 mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.75 g、0.0173 mol)をゆっくり加え、周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、1NのHCl溶液でクエンチし、次にEtOAcで抽出した。有機層を除去して、ジエチル2,2-ジメチル-8-オキソデカンジオエートを得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.20 (q, 2H), 4.11 (q, 2H), 3.43 (s, 2H), 2.53 (t, 2H), 1.64 (m, 2H), 1.52 (m, 2H), 1.25 (m, 9H), 1.16 (s, 6H); MS: 318.1 [M+NH4]+
【0090】
実施例8d:トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレートの製造
ジエチル2,2-ジメチル-8-オキソデカンジオエート(1.0g、0.0033mol)をDMF(10mL)に溶解し、K2CO3(0.69g、0.005mol)、エチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエート(0.88 g、0.0035)を添加し、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水(60mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、次に濃縮して残留物を得、これをクロマトグラフィーにより精製して、トリエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,14-トリカルボキシレート(1.2g)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.21 (q, 2H), 4.11 (q, 4H), 3.40 (m, 1H), 2.51 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 1.60 (m, 8H), 1.24 (m, 16H), 1.12 (s, 12H); MS: 469.4 [M-H]+
【0091】
実施例9:ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートの製造方法
実施例9a:テトラエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,9,14-テトラカルボキシレートの製造方法
ジエチル3-オキソペンタンジオエート(4.0g、0.0198mol)をDMF(40mL)に溶解し、Mg(OEt)2(0.059mol)、エチル6-ブロモ-2,2-ジメチルヘキサノエート(10.9g、0.043mol)を添加した。反応混合物を60℃で20時間撹拌した。反応混合物を冷却し、HCl溶液でクエンチした。反応混合物をEtOAc(80mL)で抽出し、有機層を分離し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、テトラエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,9,14-テトラカルボキシレートを得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.20-4.08 (m, 8H), 3.68-3.46 (m, 2H), 1.85 (m, 4H), 1.24 (m, 18H), 1.17 (s, 12H); MS: 560 [M+NH4]+
【0092】
実施例9b:ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートの製造方法
テトラエチル2,14-ジメチル-8-オキソペンタデカン-2,7,9,14-テトラカルボキシレート(1.0g、0.0018mol)をエタノール(20 mL)に溶解し、KOH(1.0g、0.018mol)及び水(5 mL)を添加した。反応混合物を90~95℃で16時間撹拌した。反応混合物を冷却し、HCl溶液で酸性化した。それをDCM(50mL)で抽出し、次に減圧下で濃縮して、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(0.31g)を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.13 (m, 4H), 2.38 (m, 4H), 1.64 -1.49 (m, 10H), 1.25 (m, 14H), 1.16 (s, 12H); MS: 416.2 [M+NH4]+
【0093】
実施例10:結晶性ベンペド酸の製造方法
実施例-10a:エチル7-ヨード-2,2-ジメチルヘプタノエート(2a)の製造方法
イソ酪酸エチル(50.0 g、0.43mol)をTHF(500 mL)に溶解し、反応混合物を-40℃に冷却し、溶解したLDA(236.7 L、0.473mol)をゆっくり添加した。30分間撹拌し、次に1,5-ジブロモペンタン(108.8g、0.473mol)を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を20%NH4Cl溶液(250mL)でクエンチし、EtOAc(2 X 250mL)で抽出した。有機層を減圧下でロータリーエバポレーターにて濃縮した。
得られた残留物をアセトン(400mL)に溶解し、KI(71.8g)をゆっくり添加した。反応混合物を50℃で一晩撹拌し、次に周囲温度に冷却した。有機溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、得られた残留物をEtOAc(400mL)で希釈した。反応混合物を水、続いてブラインで洗浄し、次に濃縮して、エチル7-ヨード-2,2-ジメチルヘプタノエート(41.0g)を油状物として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.13 (q, 2H), 3.19 (t, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.52 (m, 2H), 1.41 (m, 2H), 1.24 (m, 5H), 1.16 (s, 6H)
【0094】
例-10b:ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエートの製造方法
エチル7-ヨード-2,2-ジメチルヘプタノエート(31.2g、0.10mol)、TosMIC(27.0g、0.05mol)、及びTBAI(3.76g、0.01mol)をTHF(270 mL)LDA(0.12mol)に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、反応混合物を室温に6時間放置し、反応混合物を20%NH4Cl(200mL)でクエンチし、続いてEtOAc(200mL)で抽出した。有機溶媒を減圧下で除去して残留物を得た。DCM(400mL)を添加した。周囲温度で撹拌しながら反応混合物に濃HCl(100mL)を添加した。反応混合物を水(300mL)で希釈し、DCM層を分離した。有機層をNaHCO3(100mL)、水、次にブラインで洗浄した。DCMを減圧下で除去して残留物を得た。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して、ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(14.5g)を油状物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.13 (m, 4H), 2.38 (m, 4H), 1.64 -1.49 (m, 8H), 1.25 (m, 16H), 1.16 (s, 12H); MS: 416.2 [M+NH4]+
【0095】
実施例-10c:ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエートの製造方法
ジエチル2,2,14,14-テトラメチル-8-オキソペンタデカンジオエート(9.0g、0.02mol)をメタノール(100mL)に溶解し、反応混合物を0℃に冷却し、NaBH4(0.83g、0.02mol)をゆっくり添加した。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌し、反応混合物を水(200mL)で希釈した。DCM(2 X 200 mL)で反応混合物を抽出した。有機層を減圧下で除去し、こうしてジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(8.1g)を油状物として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 4.13 (m, 4H), 3.59 (m, 1H), 1.59 -1.42 (m, 8H), 1.25 (m, 16H), 1.16 (s, 12H); MS: 418.3 [M+NH4]+
【0096】
例-10d:ベンペド酸の製造方法
ジエチル8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカンジオエート(8.0g、0.019mol)をEtOH(240 mL)に溶解し、反応混合物を30分間撹拌し、KOH(10.0g、0.17mol)、水(8 mL)を添加し、反応混合物を16時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。水(80mL)を反応混合物に添加した。反応混合物を1NのHClで酸性化し、DCM(2 X 100mL)で抽出した。有機層を減圧下で除去して残留物を得、これをDIPE(160mL)で結晶化して、8-ヒドロキシ-2,2,14,14-テトラメチルペンタデカン二酸(4.8g)を白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 12.02 (brs, 2H), 4.22 3.47 (m, 1H), 1.43 (m, 4H), 1.25 (m, 16H), 1.06 (s, 12H); MS: 343.2 [M-1]
【0097】
実施例-10e:結晶形態のベンペド酸の製造方法
ベンペド酸(1.0g)をジイソプロピルエーテル(30mL)に溶解し、反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、反応混合物を濾取し、40℃で乾燥させて、結晶性ベンペド酸(0.71g)を得た。
【0098】
実施例-10f:結晶形態のベンペド酸の製造方法
ベンペド酸(1.0g)をアセトン(12mL)に溶解し、反応混合物に水(12ml)を添加し、反応混合物を50℃に加温した。反応混合物を周囲温度に冷却した。得られた固体を濾取し、40℃で乾燥させて、白色の結晶性固体ベンペド酸(0.6g)を得た。
【0099】
例-10g:結晶形態のベンペド酸の製造方法
ベンペド酸(0.5 g)をメタノール(5 mL)に溶解し、反応混合物を攪拌し、反応混合物を40℃のロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた固体を40℃で乾燥して、白色の結晶性ベンペド酸(0.5g)を得た。
【0100】
例-10h:結晶形態のベンペド酸の製造方法
ベンペド酸(1.0g)をブタノン(10mL)に溶解し、反応混合物を50℃で3時間撹拌した。反応混合物を25~30℃に冷却し、得られた固体を濾取し、40℃で乾燥させて、白色の結晶性ベンペド酸(0.35g)を得た。
図1
図2
【国際調査報告】