(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 17/06 20060101AFI20220218BHJP
【FI】
F03B17/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539093
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 KR2020000076
(87)【国際公開番号】W WO2020145574
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0001494
(32)【優先日】2019-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521291932
【氏名又は名称】キム,ジン ヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン ヨン
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA01
3H074AA12
3H074BB10
3H074CC11
3H074CC34
(57)【要約】
本発明は発電装置に関するもので、収集された水を落下させて電力を生産する発電装置に関するものである。本発明の実施例による発電装置は、水を収容するための収容空間を備え、底面の吸入管を通して吸入された水を収容するチャンバーと、圧力を発生させることにより、前記収容空間の空気を前記チャンバーの天井面に備えられた排出管を通して前記チャンバーの外部に排出させる圧力ポンプと、前記チャンバーの側面に備えられ、前記圧力ポンプによって吸入されて前記収容空間に収容された水を前記チャンバーの外部に噴射させる噴射部と、前記噴射部によって噴射された水の圧力で電力を生産する発電部とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を収容するための収容空間を備え、底面の吸入管を通して吸入された水を収容するチャンバーと、
圧力を発生させることにより、前記収容空間の空気を前記チャンバーの天井面に備えられた排出管を通して前記チャンバーの外部に排出させる圧力ポンプと、
前記チャンバーの側面に備えられ、前記圧力ポンプによって吸入されて前記収容空間に収容された水を前記チャンバーの外部に噴射させる噴射部と、
前記噴射部によって噴射された水の圧力で電力を生産する発電部とを含む、発電装置。
【請求項2】
前記チャンバーは地面に垂直な方向に長い形状を有するか地面に平行な広い形状を有し、
前記天井面の断面積は前記排出管の断面積より大きく形成され、前記底面の断面積は前記吸入管の断面積より大きく形成される、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記チャンバーの天井面に備えられ、前記収容空間に流入する外部空気の移動経路を提供する流入管と、
前記流入管を開放するか閉鎖する流入バルブと、
前記吸入管を開放するか閉鎖する吸入バルブとをさらに含む、請求項1に記載の発電装置。
【請求項4】
前記圧力ポンプ、前記噴射部、前記流入バルブ及び前記吸入バルブを制御する制御装置をさらに含む、請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記発電部は、
前記噴射部によって噴射された水の力によって回転する回転部と、
前記回転部の回転力を電力に転換する電力生産部とを含む、請求項1に記載の発電装置。
【請求項6】
前記噴射部は前記回転部の上側に備えられ、
前記回転部は前記噴射部から落下する水の力によって回転する、請求項5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記収容空間は、
前記噴射部の高さを基準に前記収容空間の上側に形成された上側空間と、
前記噴射部の高さを基準に前記収容空間の下側に形成された下側空間とを含み、
前記上側空間は前記噴射部の高さに対応する空間を含み、
前記下側空間は前記吸入管に連結され、
前記上側空間の単位高さ当たり体積は前記下側空間の単位高さ当たり体積より大きく形成される、請求項1に記載の発電装置。
【請求項8】
前記下側空間は前記吸入管から上側に行くほど断面積が増加する断面積を有するか前記吸入管と同じ断面積を有する、請求項7に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電装置に関するもので、より詳しくは収集された水を落下させて電力を生産する発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エネルギー資源及びエネルギー生産は主に天然資源や与えられた受動的自然力又は原子力のようなエネルギー資源に依存しているので、エネルギー資源の枯渇や不足の現象はもちろんのこと、危険な環境公害及び社会問題を引き起こしている。
【0003】
このようなエネルギー資源の枯渇や不足の現象を含む環境公害及び社会問題は、石炭、石油のような限られた天然資源又は水力、風力、太陽光のような受動的自然力又は原子力のような危険なエネルギー資源で解決するのには多くの困難がある。
【0004】
力を用いる方法には前記のような資源を用いる方法の他に、テコ原理を用いて力を効率的に活用している例が多くある。
【0005】
テコ原理による力の発生は、テコにかかる同じ重さの物体であっても支点から離れた空間的距離が遠いか近いかによって力が均衡を成すか又は大きくなるか小さくなる。このようなテコの空間距離による空間力は自然によって受動的に与えられるたり爆発的物理力による力ではなく、空間構造又は空間距離の調整による空間拡張方法によって発生する十分な空間技術的エネルギーであり、人類が望む未来エネルギーの源泉と言える。
【0006】
したがって、このようなさまざまなエネルギー問題を解決するために、テコ原理を高次元的に用いることにより、テコによって発生する力を技術的に空間に貯蔵して環境に優しい十分な代替エネルギーを電力に生産することができるようにする発明の登場が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は発電装置を提供することである。
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及しなかった他の課題は下記の記載から当業者に明らかに理解可能であろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するために、本発明の実施例による発電装置は、水を収容するための収容空間を備え、底面の吸入管を通して吸入された水を収容するチャンバーと、圧力を発生させることにより、前記収容空間の空気を前記チャンバーの天井面に備えられた排出管を通して前記チャンバーの外部に排出させる圧力ポンプと、前記チャンバーの側面に備えられ、前記圧力ポンプによって吸入されて前記収容空間に収容された水を前記チャンバーの外部に噴射させる噴射部と、前記噴射部によって噴射された水の圧力で電力を生産する発電部とを含む。
【0009】
前記チャンバーは地面に垂直な方向に長い形状を有するか地面に平行な広い形状を有し、前記天井面の断面積は前記排出管の断面積より大きく形成され、前記底面の断面積は前記吸入管の断面積より大きく形成される。
【0010】
前記発電装置は、前記チャンバーの天井面に備えられ、前記収容空間に流入する外部空気の移動経路を提供する流入管と、前記流入管を開放するか閉鎖する流入バルブと、前記吸入管を開放するか閉鎖する吸入バルブとをさらに含む。
【0011】
前記発電装置は、前記圧力ポンプ、前記噴射部、前記流入バルブ及び前記吸入バルブを制御する制御装置をさらに含む。
【0012】
前記発電部は、前記噴射部によって噴射された水の力によって回転する回転部と、前記回転部の回転力を電力に転換する電力生産部とを含む。
【0013】
前記噴射部は前記回転部の上側に備えられ、前記回転部は前記噴射部から落下する水の力によって回転する。
【0014】
前記収容空間は、前記噴射部の高さを基準に前記収容空間の上側に形成された上側空間と、前記噴射部の高さを基準に前記収容空間の下側に形成された下側空間とを含み、前記上側空間は前記噴射部の高さに対応する空間を含み、前記下側空間は前記吸入管に連結され、前記上側空間の単位高さ当たり体積は前記下側空間の単位高さ当たり体積より大きく形成される。
【0015】
前記下側空間は前記吸入管から上側に行くほど断面積が増加する断面積を有するか前記吸入管と同じ断面積を有する。
【0016】
その他の実施例の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例による発電装置を示す図である。
【
図2】本発明の実施例による発電装置を示す図である。
【
図3】本発明の実施例による発電装置が発電地点に設置された状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施例によるチャンバーに水が吸入される状態を示す図である。
【
図5】本発明の実施例によるチャンバーに水が収容された状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施例による発電装置によって電力を生産する状態を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施例による発電装置を示す図である。
【
図8】本発明の他の実施例による発電装置を示す図である。
【
図9】本発明の他の実施例による発電装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付図面に基づいて詳細に後述する実施例を参照すると明らかになるであろう。しかし、本発明は以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現されることができる。ただ、本実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0019】
他の定義がなければ、本明細書で使う全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通的に理解可能な意味として使うことができる。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明らかに特別に定義しない限り、理想的に又は過度に解釈されない。
【0020】
図1及び
図2は本発明の実施例による発電装置を示す図である。
【0021】
図1及び
図2を参照すると、発電装置100は、チャンバー110、支持部111、吸入管121、吸入バルブ122、排出管130、圧力ポンプ140、流入管150、流入バルブ160、噴射部170、発電部180及び制御装置190を含んでなる。
【0022】
チャンバー110は水を収容する役割を果たす。このために、チャンバー110は水を収容するための収容空間ASを備えることができる。チャンバー110の底面には吸入管121を備えることができる。吸入管121はチャンバー110の収容空間ASに吸入される水の移動経路を提供することができる。チャンバー110の底面の断面積は吸入管121の断面積より大きく形成されることができる。チャンバー110は吸入管121を通して吸入された水を収容することができる。
【0023】
チャンバー110は支持部111によって地面に固定されることができる。本発明で、地面は江水又は河川水が位置する地点で江水又は河川水を支持する地盤の上面と理解することができる。結局、本発明で、チャンバー110は江水又は河川水が位置する地点に設置されて電力を生産することができるものである。以下、江水又は河川水が位置し、本発明の発電装置100によって電力が生産される地点を発電地点と言う。
【0024】
チャンバー110は地面に垂直な方向に長い形状を有することができる。以下、地面に垂直な方向を第1方向Iといい、第1方向Iに垂直でありながら地面に平行な方向を第2方向IIといい、第1方向I及び第2方向IIに垂直な方向を第3方向IIIという。
【0025】
もしくは、本発明のいくつかの実施例によれば、チャンバー110は地面に平行な広い形状を有することもできる。すなわち、チャンバー110の外形は、第1方向Iに比べて第2方向II及び第3方向IIIへの長さが大きくなることができる。以下、第1方向Iに長い形状を有するチャンバー110を主に説明する。
【0026】
図1は第1方向Iに長い円柱状のチャンバー110を示しているが、本発明のチャンバー110の形状が円柱状に限定されるものではなく、四角柱状のような多角柱状であってもよい。以下、チャンバー110の形状が円柱状であるものを主に説明する。
【0027】
チャンバー110の天井面には排出管130を備えることができる。排出管130はチャンバー110の収容空間ASに収容された空気を外部に排出させる経路を提供することができる。チャンバー110の天井面の断面積は排出管130の断面積より大きく形成されることができる。排出管130の一端には圧力ポンプ140が連結されることができる。圧力ポンプ140は圧力を発生させることで、収容空間AS内の空気をチャンバー110の天井面に備えられた排出管130を通してチャンバー110の外部に排出させる役割を果たす。具体的に、圧力ポンプ140の圧力によって収容空間ASの上側空間に存在する空気を排出管130を通してチャンバー110の外部に排出させることができる。
【0028】
圧力ポンプ140によって収容空間ASの上側空間に存在する空気がチャンバー110の外部に排出されることにより、吸入管121を通してチャンバー110に水が吸入されることができる。チャンバー110が発電地点に設置された場合、吸入管121は水面の下に位置することができる。すなわち、チャンバー110の下部の一部が水に浸かることができる。よって、圧力ポンプ140によって収容空間ASの上側空間に存在する空気がチャンバー110の外部に排出される場合、吸入管121を基準にチャンバー110の内部圧力が外部圧力に比べて減少することにより、吸入管121を通して水がチャンバー110の内部に吸入されてチャンバー110の上面まで上がることができる。
【0029】
吸入管121には吸入バルブ122を備えることができる。吸入バルブ122は吸入管121を開放するか閉鎖することができる。吸入バルブ122が吸入管121を開放する場合、吸入管121を通して水がチャンバー110の内部に吸入されることができる。吸入バルブ122が吸入管121を閉鎖する場合、吸入管121を通しての水の移動を遮断することができる。
【0030】
噴射部170はチャンバー110の側面に備えられ、圧力ポンプ140によって吸入されて収容空間ASに収容された水をチャンバー110の外部に噴射させる役割を果たす。
【0031】
噴射部170は噴射管171及び噴射調節部172を含んでなる。噴射管171はチャンバー110の外部に噴射される水の移動経路を提供することができる。噴射管171の一側はチャンバー110の側面に連結されることができる。よって、噴射管171はチャンバー110の側面から延びて発電部180に連結される水の移動経路を提供することができる。
【0032】
噴射調節部172は噴射管171によって噴射される水の量を調節する役割を果たす。噴射調節部172は噴射管171を閉鎖して水が噴射されないようにするか、又は噴射管171を一部開放して少量の水が噴射されるようにするか、噴射管171を完全に開放して多量の水が噴射されるようにすることができる。
【0033】
噴射管171から水を噴射する噴射口は地面に向かうことができる。よって、噴射部170から噴射される水は発電部180に連結される連結管(図示せず)を通してあるいは噴射部170から直接地面に向かって落下することができる。
【0034】
発電部180は噴射部170によって噴射された水の圧力で電力を生産する役割を果たす。発電部180は回転部181及び電力生産部182を含んでなる。回転部181は噴射部170から噴射された水の力によって回転することができる。水の力を受けるために、回転部181は複数のブレードを備えることができる。水がブレードの一面に衝撃を加えることにより、回転部181が回転することができるようになる。特に、本発明で、噴射部170は回転部181の上側に備えられることができる。回転部181は噴射部170から落下する水の力によって回転することができる。
【0035】
電力生産部182は回転部181の回転力を電力に転換する役割を果たす。回転部181の回転力を電力生産部182に伝達するために、回転部181と電力生産部182との間には回転軸183を備えることができる。
【0036】
回転軸183の一部は電力生産部182の内部に収容されることができる。電力生産部182の内部に収容された回転軸183にはコイル(図示せず)が巻かれており、コイルの縁部に沿って電力生産部182の内部には永久磁石(図示せず)を備えることができる。回転軸183が回転する場合、コイルを通して電流が流れることができる。電力生産部182の詳細な内部構造は本発明の範囲を外れるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
電力生産部182によって生産された電力は電力消費先(図示せず)に伝達されて消費されることができる。
【0038】
チャンバー110の天井面には流入管150を備えることができる。流入管150はチャンバー110の収容空間ASに流入する外部空気の移動経路を提供することができる。流入管150には流入バルブ160を備えることができる。流入バルブ160は流入管150を開放するか閉鎖することができる。流入バルブ160が流入管150を開放する場合、流入管150を通して外部空気がチャンバー110の内部に流入することができる。流入バルブ160が流入管150を閉鎖する場合、流入管150を通しての外部空気の流入を遮断することができる。
【0039】
流入管150は噴射部170を通して水がより円滑に噴射されるようにする役割を果たす。発電地点でチャンバー110の周辺に存在する水の水面とチャンバー110の収容空間ASに収容された水の水面との間の距離が充分に大きくない場合(例えば、その距離が10m未満の場合)、噴射口が開放しても噴射口を通して水が円滑に噴射されないことがある。チャンバー110の内部の圧力と外部の圧力がほぼ同一に形成されるため、噴射口を通して水が円滑に排出されることができないからである。
【0040】
流入管150が開放して外部空気がチャンバー110の内部に流入する場合、チャンバー110の外部より内部の圧力が大きく形成され、噴射口を通して水が円滑に排出されることができる。
【0041】
制御装置190は、入力された制御命令に従って吸入バルブ122、圧力ポンプ140、流入バルブ160及び噴射調節部172を制御する役割を果たす。例えば、チャンバー110に水を収容させるための制御命令が入力された場合、制御装置190は吸入管121が開放するように吸入バルブ122を制御し、圧力ポンプ140を動作させ、流入管150が閉鎖するように流入バルブ160を制御し、噴射管171が閉鎖するように噴射調節部172を制御することができる。また、電力生産のための制御命令が入力された場合、制御装置190は吸入管121が閉鎖するように吸入バルブ122を制御し、圧力ポンプ140の動作を中断させ、流入管150が開放するように流入バルブ160を制御し、噴射管171が開放するように噴射調節部172を制御することができる。
【0042】
また、制御装置190は水を収容するための制御命令及び電力生産のための制御命令に対する交差命令を遂行することができる。
【0043】
制御装置190はチャンバー110に隣接して配置されるかチャンバー110に対して遠距離に配置されることもできる。使用者は制御装置190に制御命令を入力することができる。制御装置190は、使用者から入力された制御命令に従って吸入バルブ122、圧力ポンプ140、流入バルブ160及び噴射調節部172を制御することができる。ここで、使用者は噴射調節部172に対する詳細調節命令を入力することもできる。例えば、使用者は噴射管171の開放程度を明示した調節命令を入力することができ、制御装置190は、入力された調節命令に従って噴射管171が開放するように噴射調節部172を制御することができる。
【0044】
図3は本発明の実施例による発電装置が発電地点に設置された状態を示す図である。
【0045】
図3を参照すると、発電装置100は発電地点に設置されることができる。発電装置100の支持部111が地盤GRに貫入されることにより、発電装置100が堅固に発電地点に固定されることができる。また、支持部111によってチャンバー110の底は地盤GRから一定距離離隔した状態を維持することができる。よって、吸入管121を通して水が容易に吸入されることができる。
【0046】
地盤GRの上部には水が存在することができる。チャンバー110は備えられた吸入管121が水に浸るようにその位置を決定することができる。また、チャンバー110の長軸が地面に垂直な方向に、すなわち第1方向Iに平行になるようにその姿勢を決定することができる。
【0047】
図4は本発明の実施例によるチャンバーに水が吸入される状態を示す図、
図5は本発明の実施例によるチャンバーに水が収容された状態を示す図である。
【0048】
図4を参照すると、チャンバー110の吸入管121を通して収容空間ASに水が吸入されることができる。
【0049】
圧力ポンプ140の動作により、収容空間ASの上部に存在する空気が排出管130を通して排出されることができる。よって、収容空間ASの内部圧力が外部圧力より低くなり、このような圧力差による減圧作用によって吸入管121を通して水が吸入されることができる。この際、吸入バルブ122が吸入管121を開放することができる。
【0050】
ここで、減圧作用による水の吸入力は、圧力ポンプの圧力が大きいほど、排出管130の断面積に対するチャンバー110の天井面の断面積の比が大きいほど、吸入管121の断面積に対するチャンバー110の底面の断面積の比が大きいほど、圧力及び圧力に対する水平空間距離が大きくなるので力が大きくなる。このために、チャンバー110の収容空間はこのように断面積の比が大きく形成されることができる。
【0051】
水の吸入は収容空間AS内の水の水面がチャンバー110の上面からの一定の距離に到逹するまでなされることができる。このために、水の水面を感知するための感知手段(図示せず)を備えることができる。制御装置190は感知手段の感知結果を参照して圧力ポンプ140を制御することができる。
【0052】
図5を参照すると、チャンバー110は水を収容した状態を維持することができる。このために、吸入バルブ122が吸入管121を閉鎖し、圧力ポンプ140の動作が中断され、流入バルブ160が流入管150を閉鎖し、噴射調節部172が噴射管171を閉鎖することができる。
【0053】
図6は本発明の実施例による発電装置によって電力を生産する状態を示す図である。
【0054】
図6を参照すると、発電装置100は電力を生産することができる。電力生産のために、制御装置190は、吸入バルブ122、流入バルブ160及び噴射調節部172を制御することができる。流入バルブ160は流入管150を開放し、噴射調節部172は噴射管171を開放することができる。ここで、吸入管121を通しての水の流出を防止するために、吸入バルブ122は吸入管121を閉鎖することができる。
【0055】
噴射管171から噴射された水は落下して発電部180の回転部181に到逹することができる。回転部181は落下する水によって回転し、回転部181の回転力は電力生産部182に伝達されることができる。電力生産部182は伝達された回転力を電力に転換することができる。噴射調節部172による噴射管171の開放程度によって、電力生産部182によって生産される電力量が変わることができる。
【0056】
装置を複数設置する場合、圧力ポンプを動作させ、チャンバーに水を収容させれば、発電部による電力生産を継続的に遂行することができるので、電力が足りない需要先に十分な電力を供給することができる。この装置のように電力が足りない需要先に継続的に十分な電力を供給することができることは一種のテコ原理を用いることで理解することができる。
【0057】
テコは棒及び支点部から構成されるものであり、支点部は地面に対して概して平行に配置された棒を支持することができる。ここで、棒を地面に平行な状態に維持するためには、棒を支持する支点部の位置によって棒の両側にかかる物体の重さを適切に決定しなければならない。
【0058】
支点部に近い物体は支点部から遠い物体より重いものに代替されなければならない。棒が地面に平行な場合、これは棒の両側地点(以下、A端及びB端と言う)に作用する力が同一であることを意味する。均衡状態ではA端及びB端のいずれも動作しないが、例えばA端の物体が除去されるか支点部に近くなる場合、B端はかかった物体の質量又は近くなった水平空間距離に対応する力で下降することになる。前記で、A端及びB端の各物体と棒が水を収容する連結された容器の場合、棒を平行に固定させ、支点部に近い距離にある一側地点の容器のより多い水と他側地点の容器のより少ない水を水が満たされている管状の棒に排出すれば、他側地点の水が上昇する。これは、テコにおいて対応する力が作用する一側面と他側面の水平上の空間距離や質量の差が大きくなるにつれてテコにおいて減圧力が大きく作用することになり、このような減圧力によって棒状のテコが平行であるか上下に動くことが容器の水が平行であるか上下に動くことに代替されたものである。ここで、テコにおける空間距離は密閉された相対的空間距離であり、密閉空間の一種と言える。よって、テコにおける水平的空間が大きくなれば、テコ構造による減圧空間が大きくなって空間力が大きくなることが分かる。
【0059】
このようなテコ原理による力の作用は、水平的空間距離が大きくなれば、大きくなった距離に比例して減圧によって重量の力が軽くなり、空間拡張による力が大きくなるので、重量除数及び空間乗数の効果の力のような二通りのエネルギー相乗効果が現れることになる。
【0060】
このように、力の均衡状態で支点部に近い距離にある一側地点の容器の水が他側地点の容器の水の上に上がることは他側地点の容器の水が位置する空間距離が大きいからである。
【0061】
ここで、水のような流体は、チャンバーのような固定された密閉状態の立体空間で減圧空間が拡張すれば、減圧比による空間力が発生するので、水の位置エネルギーが高くなる。よって、テコ原理による力作用のような方法で減圧空間を調整することにより水のような流体エネルギーを増加させることができるようになることが分かる。
【0062】
以上のように、面積による2次元的テコの動きを空間による3次元的立体テコに確張することにより、本発明の発電装置を具現することができる。すなわち、本発明の実施例による発電装置は、一旦チャンバーに水を吸入し、チャンバーの内部と外部との間の力の均衡を維持することができる。均衡が維持された状態では何のエネルギーの増減も隋伴しない。よって、水を吸入した状態でチャンバー空間の均衡作用は減圧比による減圧空間の空間力によって均衡を成しており、この状態でテコ作用のような空間調整力を適用する場合、エネルギーの増減が発生することが分かる。チャンバーは、上側の圧力ポンプを動作させる場合、チャンバーの全体空間が大きいほど、チャンバー内部の気体空間が大きいほど減圧比による空間力発生が大きくなる。圧力ポンプ動作による減圧作用によってチャンバー内部の水の重さの力は外部より軽くなり、水の重さを上に上げる力が大きくなるので、テコ作用のような力の比を引き起こす空間調整力が発生する。
【0063】
このように、固定された棒テコや立体テコはいずれも水平的密閉空間の調整による減圧作用によって空間力が増大する共通的原理を前提としている。
【0064】
これは、前述したA端の物体が除去されるか支点部に近くなることによって空間が調整されることによってB端の力が動作することを3次元的に確張したことに理解することができる。このように、本発明の発電装置は、3次元的に拡張したテコの空間拡張原理を用いて効率的に流体の位置エネルギーを収集して貯蔵し、これを電力に変換することができる。
【0065】
テコの原理を技術的に応用した発電装置は高次元的立体テコ原理によって水と空気のような流体空間を用いてエネルギーを生産するものであり、環境に優しい十分な代替エネルギーを電力に生産することができる空間技術的エネルギー発電装置と言える。
【0066】
図7~
図9は本発明の他の実施例による発電装置を示す図である。
【0067】
図7~
図9を参照すると、発電装置200、300、400は、チャンバー210、310、410、支持部211、311、411、吸入管221、321、421、吸入バルブ222、322、422、排出管230、330、430、圧力ポンプ240、340、440、流入管250、350、450、流入バルブ260、360、460、噴射部270、370、470、発電部280、380、480及び制御装置290、390、490を含んでなる。
【0068】
チャンバー210、310、410は支持部211、311、411によって地盤GRに固定されることができる。また、噴射部270、370、470は噴射管271、371、471及び噴射調節部272、372、472をそれぞれ含み、発電部280、380、480は回転部281、381、481及び電力生産部282、382、482をそれぞれ含むことができる。チャンバー210、310、410、支持部211、311、411、吸入管221、321、421、吸入バルブ222、322、422、排出管230、330、430、圧力ポンプ240、340、440、流入管250、350、450、流入バルブ260、360、460、噴射部270、370、470、発電部280、380、480及び制御装置290、390、490の形態及び機能は前述したチャンバー110、支持部111、吸入管121、吸入バルブ122、排出管130、圧力ポンプ140、流入管150、流入バルブ160、噴射部170、発電部180及び制御装置190の形態及び機能とほぼ同一であるので、以下では相違点を主に説明する。
【0069】
チャンバー210、310、410の収容空間ASは上側空間AS_H及び下側空間AS_Lを含むことができる。上側空間AS_Hは噴射部270、370、470の高さを基準に収容空間ASの上側に形成された空間を示し、下側空間AS_Lは噴射部270、370、470の高さを基準に収容空間ASの下側に形成された空間を示す。特に、上側空間AS_Hは噴射部270、370、470の高さに対応する空間を含むことができる。例えば、上側空間AS_Hに収容された水は噴射部270、370、470を通して噴射されることができるが、下側空間AS_Lに収容された水は噴射部270、370、470を通して噴射されることができない。
【0070】
上側空間AS_Hの単位高さh当たり体積V1は下側空間AS_Lの単位高さh当たり体積V2に比べて大きく形成されることができる。具体的に、下側空間AS_Lは吸入管221、321、421に連結される。下側空間AS_Lは、
図7及び
図9に示すように、吸入管221、421から上側に上がるほど断面積が増加するか、
図8に示すように、吸入管321と同じ断面積を有することができる。上側空間AS_Hの単位高さh当たり体積V1を下側空間AS_Lの単位高さh当たり体積V2に比べて大きく形成するために、
図7及び
図8に示すように、チャンバー210、310の内部には内側板212、312を備えるか、
図9に示すように、上側空間AS_Hを形成するチャンバー410の外側板に比べて下側空間AS_Lを形成するチャンバー410の外側板の断面積を小さく形成することができる。
【0071】
前述したように、噴射部270、370、470は上側空間AS_Hに収容された水のみ噴射することができる。すなわち、下側空間AS_Lに収容された水は噴射部270、370、470によって噴射することができない。電力の生産には上側空間AS_Hに収容された水のみ用いるから、下側空間AS_Lに水を吸入するための不必要なエネルギーが浪費されることができる。
図7~
図9に示すように、下側空間AS_Lに収容される水の量を減少させることにより、不必要なエネルギーの浪費を一面的に減少させることができる。
【0072】
一方、以上のような実施例で、収集された水を上側空間施設を確張して並列で貯蔵すれば、可能な発電容量が増加し、火力発電所、水力発電所又は原子力発電所を代替することができる空間技術的エネルギー発電所を設置することができる。
【0073】
以上で添付図面に基づいて本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想又は必須特徴を変更せずに他の具体的形態に実施可能であることを理解することができるであろう。したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なもので、限定的なものではないことを理解しなければならない。
【国際調査報告】