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特表2022-516592制御方法、制御システムおよび電動弁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-01
(54)【発明の名称】制御方法、制御システムおよび電動弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20220221BHJP
【FI】
F16K31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021512806
(86)(22)【出願日】2020-08-10
(85)【翻訳文提出日】2021-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2020108087
(87)【国際公開番号】W WO2021114698
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】201911264982.4
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521071312
【氏名又は名称】浙江三花智能控制股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG SANHUA INTELLIGENT CONTROLS CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Xialiquan, Qixing Street, Xinchang County, Shaoxing, Zhejiang 312500 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 小燕
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB04
3H062CC02
3H062DD01
3H062EE06
3H062FF07
3H062FF13
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
本発明は、制御方法、制御システムおよび電動弁を開示した。制御方法は、実測した設定パラメータ曲線を取得することと、要求される設定パラメータ曲線を取得し、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含むことと、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得し、位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さいことと、要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得することと、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁を制御するための制御方法であって、
実測した設定パラメータ曲線を取得することと、
要求される設定パラメータ曲線を取得し、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表すことと、
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得し、前記位置マッピング曲線は、前記電動弁の実際位置と前記電動弁の要求位置との対応関係を表し、前記位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さいことと、
要求される設定パラメータおよび前記要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および前記位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得することと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御することとを含む、
制御方法。
【請求項2】
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得することは、
前記実測した設定パラメータ曲線および座標点の設定パラメータに基づいて前記実測した設定パラメータ曲線における前記座標点の設定パラメータに対応する前記電動弁の座標点の実際位置を取得することと、
前記要求される設定パラメータ曲線および前記座標点の設定パラメータに基づいて前記要求される設定パラメータ曲線における前記座標点の設定パラメータに対応する前記電動弁の座標点の要求位置を取得することと、
同一の前記座標点の設定パラメータに対応する前記座標点の実際位置を縦座標とし、同一の前記座標点の設定パラメータに対応する前記座標点の要求位置を横座標として座標点を形成し、異なる前記座標点の設定パラメータに対応する前記座標点を滑らかに連結して前記位置マッピング曲線を形成し、前記位置マッピング曲線における各前記座標点の横座標および縦座標に対応する前記設定パラメータは同じであることとを含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得することは、
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして中間位置マッピング曲線を取得し、前記中間位置マッピング曲線は、前記電動弁の実際位置と前記電動弁の要求位置との対応関係を表し、前記中間位置マッピング曲線における各前記座標点の横座標および縦座標に対応する前記設定パラメータは同じであることと、
前記中間位置マッピング曲線における隣接する座標点の2次導関数に基づいて複数の折れ線ポイントを取得し、隣接する前記折れ線ポイントを線形連結して前記位置マッピング曲線を形成することとを含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして中間位置マッピング曲線を取得することは、
前記実測した設定パラメータ曲線および座標点の設定パラメータに基づいて前記実測した設定パラメータ曲線における前記座標点の設定パラメータに対応する前記電動弁の座標点の実際位置を取得することと、
前記要求される設定パラメータ曲線および前記座標点の設定パラメータに基づいて前記要求される設定パラメータ曲線における前記座標点の設定パラメータに対応する前記電動弁の座標点の要求位置を取得することと、
同一の前記座標点の設定パラメータに対応する前記座標点の実際位置を縦座標とし、同一の前記座標点の設定パラメータに対応する前記座標点の要求位置を横座標として座標点を形成し、異なる前記座標点の設定パラメータに対応する前記座標点を滑らかに連結して前記中間位置マッピング曲線を形成することとを含む、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記中間位置マッピング曲線における隣接する座標点の2次導関数に基づいて複数の折れ線ポイントを取得することは、
前記中間位置マッピング曲線における隣接する2つの座標点のうちの後ろの座標点の2次導関数を計算し、前記2次導関数の絶対値が設定値よりも大きい座標点を前記折れ線ポイントとして選定することを含む、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項6】
前記隣接する前記折れ線ポイントを線形連結して前記位置マッピング曲線を形成することは、
隣接する前記折れ線ポイント間の傾きを取得し、取得した前記傾きに設定倍数を乗算して整数の傾きを取得することと、
前記整数の傾きに基づいて隣接する前記折れ線ポイント間の領域を線形補間し、前記折れ線ポイントおよび補間点が複数の線形座標点を形成することと、
全ての前記線形座標点を線形連結して前記位置マッピング曲線を形成することとを含む、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項7】
前記電動弁は電子膨張弁を含み、前記電子膨張弁は弁芯を備え、前記設定パラメータは流量を含み、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記弁芯の位置と流量との対応関係を表す、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項8】
前記電子膨張弁はモータを更に備え、前記弁芯の位置は前記モータのマイクロステップ値により確定され、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線は、前記モータのマイクロステップ値と流量との対応関係を更に表し、
前記モータのマイクロステップ値を調整することにより、前記電子膨張弁を前記設定実際位置に移動させる、
請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
電動弁を制御するための制御方法であって、
要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得することと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御することとを含み、
前記位置マッピング曲線は、前記電動弁の移動を制御する制御システムに予め記憶され、前記位置マッピング曲線は、実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表し、
前記位置マッピング曲線は、前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングすることにより得られ、且つ、前記位置マッピング曲線における点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい、
制御方法。
【請求項10】
電動弁を制御するための制御システムであって、
実測した設定パラメータ曲線を取得するように構成される実際曲線取得モジュールと、
要求される設定パラメータ曲線を取得するように構成され、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表す要求曲線取得モジュールと、
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得するように構成され、前記位置マッピング曲線は、前記電動弁の実際位置と前記電動弁の要求位置との対応関係を表し、前記位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さいフィッティングモジュールと、
要求される設定パラメータおよび前記要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および前記位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得するように構成される実際位置取得モジュールと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御するように構成される電動弁制御モジュールとを備える、
制御システム。
【請求項11】
電動弁を制御するための制御システムであって、
要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得するように構成される実際位置取得モジュールと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御するように構成される電動弁制御モジュールと、
前記位置マッピング曲線を記憶するように構成され、前記位置マッピング曲線は、実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表し、前記位置マッピング曲線は、前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングすることにより得られ、且つ、前記位置マッピング曲線における点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい記憶モジュールとを備える、
制御システム。
【請求項12】
ステータユニットと、ロータユニットと、弁芯と、回路基板ユニットとを備え、
前記ステータユニットはコイルを備え、前記ロータユニットは永久磁石を備え、前記コイルは前記回路基板ユニットに電気接続され、前記コイルは通電後に励磁磁界を発生し、前記ロータユニットは前記励磁磁界において回動し、前記弁芯の位置は前記電動弁の位置であり、前記回路基板ユニットに請求項10または11に記載の制御システムが集積されている、
電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2019年12月11日に中国専利局に提出された出願番号が201911264982.4である中国特許出願に対して優先権を主張するものであり、該出願の全ての内容を引用により本発明に援用する。
【0002】
本発明の実施例は、制御分野に関し、例えば、制御方法、制御システムおよび電動弁に関する。
【背景技術】
【0003】
電動弁は、通常、コントローラと、ステッピングモータと、弁芯とを備え、コントローラは、駆動信号をステッピングモータに送信してステッピングモータを回動させ、ステッピングモータは、電動弁の弁芯を弁口に移動させ、弁口を対応の開度に開放させ、電動弁は、例えば、電子膨張弁であってもよく、電子膨張弁における弁芯の位置を調節することにより、作動媒体流量に対する調節を実現することできる。
【0004】
電動弁の移動の制御中に、ユーザの電動弁に対する要求位置と流量との対応関係が電動弁の実際位置と流量との対応関係に一致しない場合があり、現在、電動弁の総ストロークが一致であるという原則に基づき、ユーザの電動弁に対する要求位置と電動弁の実際位置とを1対1で対応させることができるが、該方法で得られる電動弁の要求位置と流量との関係曲線と、電動弁の実際位置と流量との関係曲線とが大きく異なり、ユーザの電動弁に対する要求位置に基づいて電動弁を対応の実際位置に移動させる時、対応する電動弁の流量はユーザの電動弁の流量に対する要求を満たすことができず、流量制御の精度に大きな偏差が存在し、即ち、電動弁の流量を正確に制御することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、設定パラメータの制御精度の偏差が大きいということを回避し、電動弁の制御過程の精度を向上させる制御方法、制御システムおよび電動弁を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、本発明の実施例は、電動弁を制御するための制御方法であって、
実測した設定パラメータ曲線を取得することと、
要求される設定パラメータ曲線を取得し、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含むことと、
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得し、前記位置マッピング曲線は、前記電動弁の実際位置と前記電動弁の要求位置との対応関係を表し、前記位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さいことと、
要求される設定パラメータおよび前記要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および前記位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得することと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御することとを含む、
制御方法を提供する。
【0007】
第2態様において、本発明の実施例は、電動弁を制御するための制御方法であって、
要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得することと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御することとを含み、
前記位置マッピング曲線は、前記電動弁の移動を制御する制御システムに予め記憶され、前記位置マッピング曲線は、実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含み、
前記位置マッピング曲線は、前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングすることにより得られ、且つ、前記位置マッピング曲線における点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい、
制御方法を更に提供する。
【0008】
第3態様において、本発明の実施例は、電動弁を制御可能な制御システムであって、
実測した設定パラメータ曲線を取得するように構成される実際曲線取得モジュールと、
要求される設定パラメータ曲線を取得するように構成され、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含む要求曲線取得モジュールと、
前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得するように構成され、前記位置マッピング曲線は、前記電動弁の実際位置と前記電動弁の要求位置との対応関係を表し、前記位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さいフィッティングモジュールと、
要求される設定パラメータおよび前記要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および前記位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得するように構成される実際位置取得モジュールと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御するように構成される電動弁制御モジュールとを備える、
制御システムを更に提供する。
【0009】
第4態様において、本発明の実施例は、電動弁を制御するための制御システムであって、
要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、前記設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得するように構成される実際位置取得モジュールと、
前記電動弁の前記設定実際位置に移動するように前記電動弁を制御するように構成される電動弁制御モジュールと、
前記位置マッピング曲線を記憶するように構成され、前記位置マッピング曲線は、実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、前記実測した設定パラメータ曲線および前記要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、前記電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含み、前記位置マッピング曲線は、前記実測した設定パラメータ曲線と前記要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングすることにより得られ、且つ、前記位置マッピング曲線における点の横座標に対応する前記設定パラメータと縦座標に対応する前記設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい記憶モジュールとを備える、
制御システムを更に提供する。
【0010】
第5態様において、本発明の実施例は、ステータユニットと、ロータユニットと、弁芯と、回路基板ユニットとを備え、前記ステータユニットはコイルを備え、前記ロータユニットは永久磁石を備え、前記コイルは前記回路基板ユニットに電気接続され、前記コイルは通電後に励磁磁界を発生し、前記ロータユニットは前記励磁磁界において回動し、前記弁芯の位置は前記電動弁の位置であり、前記回路基板ユニットに第3態様または第4態様の制御システムが集積されている、電動弁を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例に係る第1種の制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施例に係る実測した設定パラメータ曲線の模式図である。
図3】本発明の一実施例に係る要求される設定パラメータ曲線の模式図である。
図4】関連技術における電動弁の総ストロークが一致であるという原則に基づいて得られた電動弁の要求位置と実際位置との関係の曲線の模式図である。
図5】関連技術における電動弁の総ストロークが一致であるという原則に基づいて得られた電動弁の要求位置と設定パラメータとの関係、および電動弁の実際位置と設定パラメータとの関係の曲線の模式図である。
図6】本発明の一実施例に係る位置マッピング曲線の模式図である。
図7】本発明の一実施例に係る第2種の制御方法のフローチャートである。
図8】本発明の一実施例に係る別の位置マッピング曲線の模式図である。
図9】本発明の一実施例に係る制御システムの模式的なブロック図である。
図10】本発明の一実施例に係る電動弁の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施例に係る第1種の制御方法のフローチャートであり、該制御方法は、電動弁を制御する必要があるシーンに適用でき、電動弁の制御システムで実行可能であり、該制御システムはソフトウェアおよび/またはハードウェアの方式を用いて実行可能である。図1に示すように、該制御方法はステップS101~ステップS105を含む。
【0013】
ステップS101において、実測した設定パラメータ曲線を取得し、ここで、実測した設定パラメータ曲線は電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含む。
【0014】
実測した設定パラメータ曲線を取得し、実測した設定パラメータ曲線は電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含む。例示的に、電動弁は電子膨張弁を含んでもよく、電子膨張弁は弁芯を備え、設定パラメータは流量を含んでもよく、実測した設定パラメータ曲線は弁芯の位置と流量との対応関係を含む。
【0015】
例示的に、電子膨張弁は、モータ、例えば、ステッピングモータを更に備えてもよく、電子膨張弁はコントローラを更に備え、コントローラは駆動信号をステッピングモータに送信してステッピングモータを回動させ、ステッピングモータは電動弁の弁芯を弁口に移動させ、弁口を対応の開度に開放させ、電動弁の位置は、電動弁の弁芯が位置する位置と理解でき、電動弁の弁芯が位置する位置、電動弁の弁口の開度面積およびステッピングモータのマイクロステップのステップ数(即ち、マイクロステップ値)がいずれも線形関係となるため、電動弁におけるステッピングモータのマイクロステップのステップ数で電動弁の位置を表すことができ、従って、実測した設定パラメータ曲線は、モータのマイクロステップ値と流量との対応関係を更に含んでもよく、モータのマイクロステップ値を調整することにより、電子膨張弁を設定実際位置に移動させることができる。
【0016】
図2は、本発明の一実施例に係る実測した設定パラメータ曲線の模式図であり、図2における横座標はステッピングモータの実際のマイクロステップのステップ数Xbを表し、縦座標は設定パラメータYbを表し、設定パラメータは、例えば、流量であってもよく、ステッピングモータのマイクロステップのステップ数は電動弁の位置を表すことができるため、図2に示す曲線は、実測した設定パラメータ曲線を表すことができ、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含み、図2から下記表1を得ることができる。
【0017】
表1 電動弁の実際位置と設定パラメータとの対応関係
【0018】
【表1】
【0019】
ステップS102において、要求される設定パラメータ曲線を取得し、ここで、要求される設定パラメータ曲線は電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表す。
【0020】
要求される設定パラメータ曲線を取得し、要求される設定パラメータ曲線は、同様に電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表す。例示的に、電動弁は電子膨張弁を含んでもよく、電子膨張弁は弁芯を備え、設定パラメータは流量を含んでもよく、要求される設定パラメータ曲線は弁芯の位置と流量との対応関係を表す。例示的に、ステップS101の説明を参照し、要求される設定パラメータ曲線は更にモータのマイクロステップ値と流量との対応関係を表すことができ、モータのマイクロステップ値を調整することにより、電子膨張弁を設定実際位置に移動させることができる。
【0021】
図3は、本発明の一実施例に係る要求される設定パラメータ曲線の模式図であり、図3における横座標はステッピングモータの要求されるマイクロステップのステップ数Xaを表し、縦座標は設定パラメータYaを表し、設定パラメータは、例えば、流量であってもよく、ステッピングモータのマイクロステップのステップ数は電動弁の位置を表すことができるため、図3に示す曲線は要求される設定パラメータ曲線を表すことができ、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を表し、図3から下記表2を得ることができ、電動弁の要求位置はユーザが希望する電動弁の回動の目標位置であり、流量のようなユーザが要求される設定パラメータに対応する。
【0022】
表2 電動弁の要求位置と設定パラメータとの対応関係
【0023】
【表2】
【0024】
ステップS103において、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得し、ここで、位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい。
【0025】
関連技術において、電動弁の総ストロークが一致であるという原則に基づき、ユーザの電動弁に対する要求位置と電動弁の実際位置とを1対1で対応させることができ、例えば、ユーザの電動弁に対する要求位置Xaが0~1000ステップであり、電動弁の実際位置Xbが0~1152ステップであれば、Xbは以下の式を満たす。
【0026】
【数1】
【0027】
即ち、XaおよびXbは図4に示す曲線を満たし、図4における横座標はXaを表し、縦座標はXbを表し、更に、顧客の要求位置と電動弁の実際位置とを1対1で対応させて設けることを満たし、且つ、下記表3を得ることができる。
【0028】
表3 電動弁の総ストロークが一致であるという原則に基づいて得られた位置と流量データ
【0029】
【表3】
【0030】
表3において、2列目のデータは、ユーザの電動弁に対する要求位置Xaに対応する流量Yaを表し、4列目のデータは、電動弁の実際位置Xbに対応する流量Ybを表し、表3から図5における曲線を得ることができ、図5における横座標は弁芯の位置Xを表し、単位がステップであり、縦座標は流量Yを表し、単位がkg/hであり、曲線aはユーザの電動弁に対する要求位置Xaと流量Yaとの対応関係を表し、曲線bは電動弁の実際位置Xbと流量Ybとの対応関係を表す。図5から見られるように、総ストロークが一致であるという原則に基づいて電動弁を制御してユーザの電動弁に対する要求位置と電動弁の実際位置とを1対1で対応させる方法を採用して得られたaおよびbという2本の曲線は、全開および全閉の位置を除き、流量の差が大きく、即ち、ユーザの電動弁に対する要求位置に基づいて対応する実際位置に移動するように電動弁を制御する時、電動弁に対応する流量は、ユーザの電動弁の流量に対する要求を満たすことができず、流量制御の精度に大きな偏差が存在し、即ち、電動弁の流量を正確に制御することができない。
【0031】
一方、本発明の実施例において、位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得するために、まず、実測した設定パラメータ曲線および座標点の設定パラメータに基づいて実測した設定パラメータ曲線における座標点の設定パラメータに対応する電動弁の座標点の実際位置を取得することができ、設定パラメータは、例えば、流量であってもよく、座標点の設定パラメータは、例えば、0であり、図2に示す実測した設定パラメータ曲線における縦座標が0の点の横座標が95であることを取得し、即ち、電動弁におけるステッピングモータが95ステップ回動すると、対応する実際の流量が0であり、95が電動弁の座標点の実際位置であることを確定する。
【0032】
その後、要求される設定パラメータおよび座標点の設定パラメータに基づいて要求される設定パラメータ曲線における座標点の設定パラメータに対応する電動弁の座標点の要求位置を取得し、設定パラメータは、例えば、流量であってもよく、座標点の設定パラメータは、例えば、0であってもよく、図3に示す要求される設定パラメータ曲線における縦座標が0の点の横座標が82であることを取得し、即ち、顧客が要求される設定パラメータ、例えば、流量が0であると、電動弁におけるステッピングモータは理論的に82ステップ回動する必要があり、82が電動弁の座標点の要求位置であることを確定する。
【0033】
同一の座標点の設定パラメータに対応する座標点の実際位置を縦座標とし、同一の座標点の設定パラメータに対応する座標点の要求位置を横座標として座標点を形成し、異なる座標点の設定パラメータに対応する座標点を滑らかに連結して位置マッピング曲線を形成し、表4は前述した異なる座標点の形成過程を示し、図6は、本発明の一実施例に係る位置マッピング曲線の模式図である。
【0034】
表4 位置マッピング曲線における異なる座標点の形成過程
【0035】
【表4】
【0036】
表4を参照し、座標点の設定パラメータを設けることができ、例えば、流量は変数1で徐々に増加し、図2および図3に示す曲線に基づき、各座標点の設定パラメータに対応する電動弁の実際位置を座標点の実際位置としておよび対応する電動弁の要求位置を座標点の要求位置としてそれぞれ確定し、即ち、同じ座標点の設定パラメータである同じ流量に対応する電動弁の実際位置Xbおよび電動弁の要求位置Xaを見つけ、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とのフィッティングを実現し、図6に示すフィッティング曲線、即ち、位置マッピング曲線を形成する。
【0037】
表4および図6から分かるように、位置マッピング曲線における各座標点の横座標および縦座標に対応する設定パラメータは同じであり、即ち、位置マッピング曲線における座標点の横縦座標である電動弁の要求位置および電動弁の実際位置に対応する流量は同じであり、即ち、前述した位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値が設定差分値よりも小さいことにおける設定差分値は0に等しい。
【0038】
ステップS104において、要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得する。
【0039】
要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、例えば、ユーザが要求される設定パラメータであるユーザが要求される流量がYa’である場合、図3に示す要求される設定パラメータ曲線により、Ya’に対応する座標点の横座標Xa’を取得し、Xa’は設定要求位置であり、即ち、理想的な状態で、ユーザがYa’の流量を取得しようとすると、ステップ数Xa’回動させるようにステッピングモータを制御する必要がある。
【0040】
設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得し、設定要求位置がXa’である場合、図6に示す位置マッピング曲線により、Xa’に対応する座標点の縦座標Xbを取得し、Xb’は設定実際位置である。
【0041】
ステップS105において、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御する。
【0042】
取得した設定実際位置に移動するように電動弁を制御し、位置マッピング曲線における各座標点の横座標および縦座標に対応する設定パラメータが同じであり、即ち、図6に示す位置マッピング曲線における座標点の横縦座標である電動弁の要求位置および電動弁の実際位置に対応する流量が同じであるため、ユーザが要求される流量はYa’で、ステップS104により取得した設定実際位置はXb’であり、即ち、実際にステップ数Xb’回動させるようにステッピングモータを制御する場合、および理想的な状態でステッピングモータがステップ数Xa’回動する場合に対応する流量のそれぞれは、Ya’であり、設定実際位置に移動するように電動弁を制御すれば、電動弁の流量をユーザが要求される流量Ya’に達させることができ、電動弁の実際位置に対応する流量と電動弁の要求位置に対応する流量との間の差を解消し、設定実際位置に移動するように電動弁を制御すれば、顧客が要求される流量を正確に取得することができ、電動弁の流量制御に対する精度を大きく向上させる。
【0043】
図7は、本発明の一実施例に係る第2種の制御方法のフローチャートである。図1に示す制御方法との異なりは以下のとおりである。実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得することは、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングし、中間位置マッピング曲線を取得し、中間位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、中間位置マッピング曲線における各座標点の横座標および縦座標に対応する設定パラメータは同じであることと、中間位置マッピング曲線における隣接する座標点の2次導関数に基づいて複数の折れ線ポイントを取得し、隣接する折れ線ポイントを線形連結して位置マッピング曲線を形成することとを含む。図7に示すように、該制御方法はステップS201~ステップS206を含む。
【0044】
ステップS201において、実測した設定パラメータ曲線を取得し、ここで、実測した設定パラメータ曲線は、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含む。
【0045】
ステップS202において、要求される設定パラメータ曲線を取得し、ここで、要求される設定パラメータ曲線は、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含む。
【0046】
ステップS203において、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして中間位置マッピング曲線を取得し、ここで、中間位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、中間位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとは同じである。
【0047】
中間位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして中間位置マッピング曲線を取得し、中間位置マッピング曲線の取得過程は上記ステップS103に記載の位置マッピング曲線の取得過程に類似し、ここでは説明を省略する。即ち、図6に示す曲線は、この時、位置マッピング曲線を取得するための中間位置マッピング曲線に相当し、最終的な位置マッピング曲線ではなく、表4および図6から分かるように、中間位置マッピング曲線における各座標点の横座標および縦座標に対応する設定パラメータは同じである。
【0048】
ステップS204において、中間位置マッピング曲線における隣接する座標点の2次導関数に基づいて複数の折れ線ポイントを取得し、隣接する折れ線ポイントを線形連結して位置マッピング曲線を形成する。
【0049】
図6に示す中間位置マッピング曲線における隣接する2つの座標点のうちの後ろの座標点の2次導関数を計算し、2次導関数の絶対値が設定値よりも大きい座標点を折れ線ポイントとして選定し、例示的に、表4または図6に基づいて中間位置マッピング曲線における各座標点の座標を取得し、まず、隣接する2つの座標点のうちの後ろの座標点の1次導関数を計算し、その後、1次導関数に基づいて該後ろの座標点の2次導関数を計算し、2次導関数により曲線の凹凸性を判断できるため、前述した2次導関数に基づいて中間位置マッピング曲線における折れ線ポイントを確定することができる。
【0050】
例示的に、図6に示す中間位置マッピング曲線における前後に隣接する2つの座標点の座標を(Xa1,Xb1)および(Xa2,Xb2)とすることができ、以下の数式に基づいて後ろの座標点(Xa2,Xb2)の1次導関数Dxa2’を得ることができる。
【0051】
【数2】
【0052】
これにより、図6に示す中間位置マッピング曲線における各座標点の1次導関数を得て、更に、(Xa1,Dxa1’)および(Xa2,Dxa2’)に基づいて後ろの座標点(Xa2,Xb2)の2次導関数Dxa2’’を求めることができる。
【0053】
【数3】
【0054】
Dxa2’’に基づいて2次導関数の絶対値が設定値よりも大きい点を折れ線ポイントとして選定し、ここでの設定値は人為的に設定することができ、例えば、設定値を0.2とすることができ、即ち、前述した2次導関数が0.2よりも大きい座標点(Xa2,Xb2)を折れ線ポイントとして選定し、2次導関数が-0.2よりも小さい座標点(Xa2,Xb2)を折れ線ポイントとして選定する。なお、ここでは、例示的に設定値を0.2とすることに過ぎず、設定値を限定するものではない。設定値が0.2であることを例とし、表5は選定された折れ線ポイントに対応する電動弁の要求位置Xatおよび電動弁の実際位置Xbtの状況である。
【0055】
表5 選定された折れ線ポイントに対応するXatおよびXbtの状況
【0056】
【表5】
【0057】
このように、上記表5に示す複数の折れ線ポイントを取得し、図8は、本発明の一実施例に係る別の位置マッピング曲線の模式図であり、図8において、前述した折れ線ポイントA1が示され、隣接する折れ線ポイントA1を線形連結すれば位置マッピング曲線を形成することができ、即ち、隣接する2つの折れ線ポイントA1毎に線形連結すれば、所望の位置マッピング曲線を形成することができる。
【0058】
折れ線ポイントを線形連結して位置マッピング曲線を形成するステップは、ソフトウェアで実行でき、折れ線ポイントの線形連結を実現するために、まず、隣接する折れ線ポイント間の傾きを取得し、ソフトウェアプログラムが小数を処理するには浮動小数点演算を行う必要があるため、ソフトウェア処理のプログラムは複雑となり、ソフトウェアプログラムのリソースを占有し、一方、隣接する折れ線ポイント間の傾きは、上記表5に示すように、小数の出現が不可避である。
【0059】
表5におけるSlopeA2Bは、隣接する2つの折れ線ポイントA1の縦座標差分値と横座標差分値との比を表し、SlopeB2Aは、隣接する2つの折れ線ポイントA1の横座標差分値と縦座標差分値との比を表し、SlopeA2BとSlopeB2Aとは互いに逆数であり、両者のそれぞれは、隣接する2つの折れ線ポイントA1間の線形連結線の傾き状況を示すことができる。表5から見られるように、隣接する折れ線ポイントA1間の傾きを示すSlopeA2BおよびSlopeB2Aはほぼ小数であり、ソフトウェアプログラムの浮動小数点演算を回避させるために、取得した傾きSlopeA2BおよびSlopeB2Aにいずれも設定倍数を乗算して整数の傾きを取得することができ、本発明の実施例は設定倍数の大きさを限定せず、SlopeA2BおよびSlopeB2Aと設定倍数との積が整数であることを確保すればよく、例えば、ここでは、設定倍数を例示的に128とすれば、表5におけるSlopeA2Bに対応する整数倍数SlopeMagA2BおよびSlopeB2Aに対応する整数倍数SlopeMagB2Aを取得し、表5に示す折れ線ポイントの横縦座標XatおよびXbtと、整数倍数SlopeMagA2BおよびSlopeMagB2Aとをいずれもソフトウェアプログラムに記憶し、ソフトウェアプログラムを電動弁に書き込む。
【0060】
整数の傾きを取得した後、整数の傾きに基づいて隣接する折れ線ポイント間の領域を線形補間することができ、例えば、隣接する折れ線ポイントの座標はそれぞれ(0,0)および(120,121)であり、この2つの折れ線ポイント間の整数の傾きに基づいてこの2つの折れ線ポイント間の領域を線形補間して0ステップ~120ステップの間の各ステップの電動弁の要求位置Xatに対応する電動弁の実際位置Xbtの値を得ることができ、0ステップ~120ステップの間の各ステップのXatおよび各ステップのXatに対応するXbtをそれぞれ横縦座標とすれば、隣接する2つの折れ線ポイント間の複数の補間点を形成することができ、折れ線ポイントおよび補間点が複数の線形座標点を形成し、且つ、隣接する線形座標点に対応する電動弁の要求位置の差分値が1ステップであり、即ち、線形補間すれば、図8に示す曲線における各ステップのXatに対応するXbtの値を得ることができ、全ての線形座標点を線形連結すれば位置マッピング曲線を形成することができる。
【0061】
このように、線形補間法を用いて図8に示す位置マッピング曲線を取得し、ソフトウェアプログラムは、折れ線ポイントと折れ線ポイント間の線形計算のみを処理する必要があり、位置マッピング曲線における各ステップのXatおよび各ステップのXatに対応するXbtの座標点を大量に処理する必要がなく、ソフトウェアのプログラム処理量を大きく減少し、ソフトウェアプログラムの動作時間を大幅に減少し、ソフトウェアプログラム処理過程にエラーが発生する確率を低減する。また、図8に示す位置マッピング曲線は、図6に示す曲線を2次導関数処理して線形連結して得られた曲線に過ぎず、図8に示す位置マッピング曲線と図6に示す曲線とを接近させるものであるため、図8に示す位置マッピング曲線に基づいてユーザの要求位置に対応する設定実際位置を取得し、且つ設定実際位置に移動するように電動弁を制御することは、ソフトウェアのプログラム処理量を大きく減少し、ソフトウェアプログラムの動作時間を大幅に減少し、ソフトウェアプログラム処理過程にエラーが発生する確率を低減するとともに、電動弁の総ストロークが一致であるという原則に基づいて電動弁を制御する過程に対し、同様に電動弁の実際位置に対応する流量と電動弁の要求位置に対応する流量との間の差を低減し、電動弁の流量制御に対する精度を向上させることができる。
【0062】
ステップS205において、要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得する。
【0063】
ステップS206において、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御する。
【0064】
本発明の実施例は、電動弁を制御するための制御システムを更に提供する。図9は、本発明の一実施例に係る制御システムの模式的なブロック図であり、図9に示すように、制御システムは、実際曲線取得モジュール301、要求曲線取得モジュール302、フィッティングモジュール303、実際位置取得モジュール304および電動弁制御モジュール305を備え、実際曲線取得モジュール301は、実測した設定パラメータ曲線を取得するように構成され、要求曲線取得モジュール302は、要求される設定パラメータ曲線を取得するように構成され、ここで、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含む。フィッティングモジュール303は、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして位置マッピング曲線を取得するように構成され、ここで、位置マッピング曲線は電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を表し、位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい。実際位置取得モジュール304は、要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得するように構成される。電動弁制御モジュール305は、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御するように構成される。
【0065】
本発明の実施例に係る制御システムは、同様に設定パラメータ制御精度の偏差が大きい場合を回避し、電動弁制御過程の精度を向上させ、本発明の実施例に係る制御システムは、上記実施例に係る制御方法を実行することができる。
【0066】
制御方法の第3種の実施形態において、該制御方法が電動弁を制御するために用いられ、制御方法は、要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得することと、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御することとを含み、ここで、位置マッピング曲線は電動弁の移動を制御する制御システムに予め記憶され、位置マッピング曲線は実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含み、ここで、位置マッピング曲線は、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングすることにより得られ、且つ、位置マッピング曲線における点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい。
【0067】
第1種および第2種の制御方法の実施形態と比べ、第3種の制御方法の実施形態の主な区別は以下のとおりである。位置マッピング曲線は電動弁の移動を制御する制御システムに予め記憶され、位置マッピング曲線は実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線が変わらない場合、第1種および第2種の制御方法の実施形態における位置マッピング曲線の取得過程を行う必要がなく、量産化に寄与する。このように、制御方法はより簡単となり、制御システムに必要なスペースがより小さくとなり、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線が変化する場合、オンラインまたはオンラインで位置マッピング曲線を変更することができ、ここで、オンラインの修正方式は制御方法の第1種および第2種の実施形態と同じであり、オンラインの修正方式は第3種の実施形態と同じであり、ここで、オンラインとは生産ライン上を意味し、オンラインとは生産完了後を意味する。
【0068】
本発明の実施例は、電動弁を制御するための第2種の制御システムを更に提供し、制御システムは、実際位置取得モジュール、電動弁制御モジュールおよび記憶モジュールを備え、実際位置取得モジュールは、要求される設定パラメータおよび要求される設定パラメータ曲線に基づいて設定要求位置を取得し、設定要求位置および位置マッピング曲線に基づいて設定実際位置を取得するように構成され、電動弁制御モジュールは、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御するように構成され、記憶モジュールは、位置マッピング曲線を記憶するように構成され、位置マッピング曲線は実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線の変化に応じて変化し、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線のそれぞれは、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含み、ここで、位置マッピング曲線は、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングすることにより得られ、且つ、位置マッピング曲線における点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値は、設定差分値よりも小さい。
【0069】
第1種の制御システムの実施形態と比べ、第2種の制御システムの実施形態の主な区別は以下のとおりである。実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線が変わらない場合、第1種および第2種の制御方法の実施形態における位置マッピング曲線の取得過程を行う必要がなく、即ち、実際曲線取得モジュール、要求曲線取得モジュールおよびフィッティングモジュールが不要で、位置マッピング曲線を記憶する記憶モジュールが必要となり、位置マッピング曲線を記憶するために用いられ、実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線が変わらない場合、第1種および第2種の制御方法の実施形態における位置マッピング曲線の取得過程を行う必要がなく、量産化に寄与する。実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線が変化する場合、オンラインまたはオンラインで位置マッピング曲線を変更することができ、ここで、オンラインの修正方式は第1種の制御システムの実施形態と同じであり、オンラインの修正方式は第2種の制御システムの実施形態と同じである。
【0070】
本発明の実施例は、電動弁を更に提供し、図10は、本発明の一実施例に係る電動弁の構造模式図である。図10に示すように、電動弁100は、ハウジング60と、ステータユニット601と、ロータユニット602と、弁芯603と、回路基板ユニット90とを備え、回路基板ユニット90はハウジング60で形成された内部空洞に設けられ、ステータユニット601はロータユニット602の外周に設けられ、ロータユニット602およびステータユニット601が電動弁100におけるステッピングモータを構成し、ステータユニット601はコイルを備え、ロータユニット602は永久磁石を備え、コイルは回路基板ユニット90に電気接続され、コイルは通電後に励磁磁界を発生し、ロータユニット602は励磁磁界で移動し、ステッピングモータは電動弁の弁芯603を弁口604に対して移動させ、弁口604を対応の開度に開放させ、弁芯603の位置は電動弁の位置であり、回路基板ユニット90に上記実施例の制御システム(図10に示されず)が集積されている。
【0071】
本発明の実施例は、制御方法、制御システムおよび電動弁を提供し、制御方法は以下を含む。実測した設定パラメータ曲線および要求される設定パラメータ曲線を取得し、2本の曲線のそれぞれは、電動弁の位置と設定パラメータとの対応関係を含み、実測した設定パラメータ曲線と要求される設定パラメータ曲線とをフィッティングして電動弁の実際位置と電動弁の要求位置との対応関係を含む位置マッピング曲線を取得し、且つ、位置マッピング曲線における各座標点の横座標に対応する設定パラメータと縦座標に対応する設定パラメータとの差分値は設定差分値よりも小さく、設定差分値をゼロまたはゼロになる傾向がある値とすることができ、最終的に取得した位置マッピング曲線における座標点の横縦座標である電動弁の要求位置と、電動弁の実際位置に対応する設定パラメータとを同じまたは近くさせ、設定要求位置に基づいて位置マッピング曲線における設定要求位置に対応する設定実際位置を照会し、更に、電動弁の設定実際位置に移動するように電動弁を制御することで、電動弁の実際設定パラメータを顧客の要求される設定パラメータに達させるか、または顧客の要求される設定パラメータに非常に近くさせ、設定パラメータの制御精度の偏差が大きい場合を回避し、電動弁制御過程の精度を向上させる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】