(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-01
(54)【発明の名称】血管アクセスコネクタサポートデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/02 20060101AFI20220221BHJP
【FI】
A61M25/02 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538691
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(85)【翻訳文提出日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 US2019066885
(87)【国際公開番号】W WO2020142205
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB24
4C267CC01
(57)【要約】
カテーテルシステムは、遠位端、近位端、および遠位端と近位端との間に延びる内腔を含み得る、カテーテルアダプタを含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの近位端に結合されるコネクタを含んでもよい。コネクタは、Tコネクタを含んでもよい。カテーテルシステムは、挿入角度でコネクタを支持するためにくさび形であり得、コネクタ支持デバイスを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって:
遠位端と、近位端と、前記遠位端と前記近位端の間に延びる管腔と、を有するカテーテルアダプタと;
カテーテルアダプタの近位端に結合されるコネクタと;
コネクタ支持デバイスと、を備え、前記コネクタ支持デバイスは、挿入角度で前記コネクタを支持するためにくさび形である、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記コネクタ支持デバイスは、4つの脚部およびブリッジ部を有するH字型である、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記コネクタ支持デバイスは:
前記コネクタに接触する上面と;
患者の皮膚に接触するように構成される底面と;
前記上面から延びるリングまたは部分リングと、を備え、前記コネクタが前記リングまたは前記部分リングを通って延びる、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記上面が、前記コネクタの長手方向軸と整列した溝を含み、前記コネクタが前記溝内に配置されている、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記コネクタがTコネクタを含み、前記Tコネクタが本体および前記本体から延びるサイドポートを含み、前記本体が遠位端および前記近位端を含む、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記コネクタ支持デバイスは:
前記コネクタに接触する上面と;
患者の皮膚に接触するように構成される底面と;を備え、
前記上面は、前記コネクタの長手方向軸に概ね垂直な溝を含み、前記サイドポートは、前記溝内に置かれるように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記本体および前記サイドポートは、前記コネクタ支持デバイスの上面に置かれている、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記コネクタ支持デバイスが、前記上面から延びるリングまたは部分リングをさらに含み、前記サイドポートが前記リングまたは前記部分リングを通って延びる、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記コネクタ支持デバイスは、前記サイドポートの近位に配置され、前記サイドポートに接触するように構成される突起を含む、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記コネクタ支持デバイスは、前記サイドポートの遠位に配置され、前記サイドポートに接触するように構成された突起を含む、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記コネクタ支持デバイスは、上部ステップおよび下部ステップを形成する階段状の表面を含み、前記コネクタの遠位端が、下部ステップ内に配置されるルアーアダプタを含む、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記コネクタ支持デバイスは、前記サイドポートに接触するように構成される複数の突起を含み、前記ルアーアダプタは複数の突起の間に配置されている、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記下部ステップは、前記ルアーアダプタの円筒形に一致するように湾曲している、請求項11に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記コネクタ支持デバイスは、前記下部ステップから遠位に延びる延長部を含み、前記ルアーアダプタが前記延長部に置かれている、請求項13に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
カテーテルアセンブリに結合されるコネクタを支持するためのコネクタ支持デバイスであって、前記コネクタ支持デバイスは:
前記コネクタに接触するように構成される上面と;
患者の皮膚に接触するように構成された底面と、を備え、前記コネクタ支持デバイスは、挿入角度で前記コネクタを支持するためにくさび形である、コネクタ支持デバイス。
【請求項16】
前記コネクタ支持デバイスは、4つの脚部とブリッジ部とを有するH字型である、請求項15に記載のコネクタ支持デバイス。
【請求項17】
前記コネクタ支持デバイスは、前記上面から延びるリングまたは部分リングをさらに含み、前記リングは、前記コネクタを受け入れるように構成される、請求項15に記載のコネクタ支持デバイス。
【請求項18】
前記上面が、前記コネクタの長手方向軸と整列し、前記コネクタを受け入れるように構成される溝を備える、請求項15に記載のコネクタ支持デバイス。
【請求項19】
前記上面が、前記溝に概ね垂直に配置される他の溝を含み、前記他の溝が、前記コネクタのサイドポートを受け入れるように構成される、請求項15に記載のコネクタ支持デバイス。
【請求項20】
前記上面が、前記サイドポートに接触するように構成される突起を含む、請求項15に記載のコネクタ支持デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、血管アクセスデバイスおよび関連するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルは、一般的にさまざまな注入治療に用いられる。例えば、カテーテルは、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養のような流体を患者へと注入するために用いられることができる。また、カテーテルは、患者から血液を採取するために用いられることができる。
【0003】
カテーテルの一般的なタイプは、オーバーザニードル式末梢静脈カテーテル(「PIVC」)である。その名前が暗示するように、オーバーザニードル式PIVCは、鋭利な遠位先端を有する導入針の上に取り付けられることができる。PIVCおよび導入針は、組み立てられることができることによって、導入針の遠位先端が針の斜面が患者の皮膚とは反対側を向く状態でPIVCの遠位先端を越えて延びる。PIVCおよび導入針は、一般的に、皮膚を通じて患者の血管系へと浅い角度で挿入される。
【0004】
血管における導入針および/またはPIVCの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、PIVCアセンブリのフラッシュバック室における血液の「フラッシュバック」があるということを確認する。針の配置が確認されると、臨床医は、血管系における流れを一時的に塞いで、導入針を取り除き、将来的な採血または輸血のためにPIVCを定位置に残しておくことができる。
【0005】
血管系内へのPIVCの配置は、採血と輸液に不可欠であるが、維持するのが難しい場合がある。患者は、しばしば、PIVCが挿入されている間、通常の範囲の体の動きを望んでいる、または必要としている。また、外部の物体がPIVCに外力を加え、それによって血管系内のPIVCの位置をシフトする場合がある。いくつかの例では、外力により、PIVCの先端が前後に動的に移動したり、血管系内の位置から先端が静的に移動したりすることがある。
【0006】
本明細書で特許請求される主題は、あらゆる不利益を解決する、または上記で説明されるもののような環境においてだけ動作する実施形態に限定されない。むしろ、本背景技術は、本明細書で説明されるある実装が実施されることができるある例示の技術領域を説明するためにだけ提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタおよびカテーテルを含み得るカテーテルアセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、遠位端部、近位端部、および遠位端部と近位端部を通って延びる管腔(lumen)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、カテーテルアダプタの遠位端から遠位に延びてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、末梢静脈内カテーテル(PIVC)または別の適切なカテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタは、サイドポートから延びる統合された延長チューブなしで、非統合型であってもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルアダプタの近位端に結合され得るキャップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは、Tコネクタまたは別の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、Tコネクタは、遠位端および近位端を含み得る本体を含んでもよい。いくつかの実施形態では、Tコネクタは、本体から延びるサイドポートを含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、流体注入および/または採血のために患者の血管内にカテーテルを配置するために、導入針およびカテーテルは、皮膚に対して挿入角度で患者の皮膚に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、挿入角度は、約30°以下であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、挿入角度でコネクタを支持するためにくさび形であり得るコネクタ支持デバイスを含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、コネクタの安定化と、コネクタおよびカテーテルを介した器具の挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、器具は、プローブ(センサーを含み得る)、消毒のための光チューブ、または別の適切な器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、別のカテーテルを含んでもよく、患者からの採血および/または患者への流体の注入のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、器具送達デバイスは、コネクタの近位端に結合されてもよく、器具は、コネクタを通ってカテーテル内に遠位方向に前進されてもよい。いくつかの実施形態では、器具は、カテーテルを越えて患者の血管内に遠位方向に前進させてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、コネクタおよびカテーテルアダプタは、器具が移動および伸長し得る直線経路を提供してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、コネクタの管腔は、カテーテルアダプタの管腔と軸方向に整列させてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタおよびコネクタ支持装置は、カテーテル挿入部位の破壊を防ぐために、患者からある程度取り外される延長セットとして機能してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、コネクタおよびカテーテルアダプタの長さは、器具の到達範囲の拡大を容易にするために過度に延長されなくてもよい。いくつかの実施形態では、採血または流体注入デバイスは、コネクタの近位端に結合されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、4つの脚部およびブリッジ部分を含み得るH字型を含んでもよい。いくつかの実施形態では、H字型は、左右への揺れを防止することによって、コネクタおよびカテーテルアセンブリの安定化を提供してもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、コネクタに接触して支持し得る上面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、Tコネクタの本体およびサイドポートは、上面上に置かれていてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、患者の皮膚に接触するように構成された底面を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、様々な安定化機能を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、上面から延在し得るリングまたは部分リングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは、リングまたは部分リングを通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、Tコネクタの本体は、リングまたは部分リングを通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、Tコネクタのサイドポートは、リングまたは部分リングを通って延びてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、上面は、コネクタの長手方向軸と整列され得る溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタは、溝内に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、上面は、コネクタの長手方向軸に概ね垂直であり得る別の溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、Tコネクタのサイドポートは、他の溝内にあるように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスの上面は、Tコネクタのサイドポートに接触するように構成され得る1つまたは複数の突起を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起は、サイドポートの近位および/または遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、突起は、リングまたは部分リングに対して横方向に配置されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、上部ステップおよび下部ステップを形成する階段状の表面を含んでもよい。いくつかの実施形態において、上部ステップは、溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体の遠位端は、下部ステップ内に静止し得る、ルアーアダプタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップは湾曲していてもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップは、ルアーアダプタの円筒形に一致するように湾曲させてもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップの曲線の直径は、溝の曲線の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、下部ステップから遠位に延び得る、延長部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ルアーアダプタは、延長部上に置かれてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスおよびコネクタは、臨床医による組み立てを妨げ得るコネクタに事前に取り付けられたコネクタ支持デバイスと共に包装されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイスは、カテーテルおよび導入針を患者の血管に挿入する前に、コネクタに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、臨床医による挿入後のコネクタへのコネクタ支持デバイスの結合は回避される。
【0018】
上述の一般的な説明、および以下の詳細な説明は、共に、例示的、説明的なものであり、特許請求される発明を限定するものではないことが理解されるべきでものである。さまざまな実施形態は、図面に図示されている構成および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または他の実施形態が利用されてよいこと、およびそのように特許請求されていない限り、本発明のさまざまな実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことを理解されたい。それ故に、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【0019】
例示的な実施形態は、ここの添付の図面の使用を通じて、さらなる特異性および詳細を用いて記載および説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的なコネクタおよびコネクタ支持デバイスを示す、例示的なカテーテルシステムの上面斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による、
図1Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、コネクタおよび別の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、
図2Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、コネクタおよび他の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、
図3Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、コネクタおよび他の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、
図4Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、いくつかの実施形態による、コネクタおよび他の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図5B】
図5Bは、いくつかの実施形態による、
図5Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態による、コネクタおよび他の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態による、
図6Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置にあるコネクタを示す、コネクタおよび別の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aのコネクタおよびコネクタ支持デバイスの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、第2の位置にあるコネクタを示している。
【
図8A】
図8Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置にあるコネクタを示す、コネクタおよび別の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aのコネクタおよびコネクタ支持デバイスの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、第2の位置にあるコネクタを示している。
【
図9A】
図9Aは、いくつかの実施形態による、第1の位置にあるコネクタを示す、コネクタおよび別の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、
図9Aのコネクタおよびコネクタ支持デバイスの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、第2の位置にあるコネクタを示している。
【
図9C】
図9Cは、いくつかの実施形態による、
図9Aのコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、いくつかの実施形態による、コネクタおよび他の例示的なコネクタ支持デバイスの上面斜視図である。
【
図11A】
図11は、いくつかの実施形態による、例示的なコネクタの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで
図1A~1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、遠位端14、近位端18、および遠位端14および近位端18を通って延びる管腔を含み得るカテーテルアダプタ12を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、カテーテルアダプタ12の遠位端14から遠位に延び得るカテーテル20を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル20は、末梢静脈内カテーテル(PIVC)または別の適切なカテーテルを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、カテーテルアダプタ12のサイドポートから延びる統合される延長チューブなしで、非統合型であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、カテーテルアダプタ12のサイドポートから延びる統合された延長チューブを有し、統合型であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ12は、使い捨てまたは多目的の血液制御セプタムを含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、カテーテルアダプタ12の近位端18に結合され得るコネクタ22を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22は、遠位端26および近位端28を含み得る本体24を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本体24の遠位端26は、オスまたはメスのルアーアダプタなどのルアーアダプタ29を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ルアーアダプタ29は、スリップまたはスレッドルアーアダプタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体24の近位端28は、オスまたはメスのルアーアダプタなどの別のルアーアダプタ31を含んでもよい。いくつかの実施形態では、他のルアーアダプタ31は、スリップまたはスレッドルアーアダプタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタムは、コネクタ22内に配置されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、コネクタ22は、例えば、
図1Aに示されるようなTコネクタ、または別の適切なコネクタを含んでもよい。これらおよび他の実施形態では、コネクタ22は、本体24から延びるサイドポート30を含んでもよい。いくつかの実施形態では、サイドポート30は、遠位端26および近位端28を通って延びるコネクタ22の管腔と流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、延長チューブ27は、サイドポート30から延びてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、流体注入および/または採血のために患者の血管内にカテーテル20を配置するために、導入針(図示せず)およびカテーテル20は、皮膚に対して挿入角度で患者の皮膚に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、挿入角度は、約30°以下であってもよい。いくつかの実施形態では、挿入角度は、0°と40°との間であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、挿入角度でコネクタ22を支持するためにくさび形であり得るコネクタ支持デバイス32を含んでもよい。さらに詳細には、コネクタ支持デバイス32の厚さは、遠位から近位の方向に増加してもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、コネクタ22の安定化と、コネクタ22およびカテーテル20を介した器具(図示せず)の挿入を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、器具は、プローブ(センサーを含み得る)、消毒のための光チューブ、または別の適切な器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、別のカテーテルを含んでもよく、患者からの採血および/または患者への流体の注入のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、器具送達デバイスは、コネクタ22の近位端28に結合されてもよく、器具は、コネクタ22を通ってカテーテル20内に遠位方向に前進されてもよい。いくつかの実施形態では、器具は、カテーテル20を越えて患者の血管内に遠位方向に前進させてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、コネクタ22およびカテーテルアダプタ12は、器具が移動および伸長し得る直線経路を提供してもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、コネクタ22の管腔は、カテーテルアダプタ12の管腔と軸方向に整列させてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22およびコネクタ支持デバイス32は、カテーテル20の挿入部位の破壊を防ぐために患者からいくらか除去される延長セットとして機能してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、コネクタ22およびカテーテルアダプタ12の長さは、器具の到達範囲の拡大を容易にするために過度に延長されなくてもよい。いくつかの実施形態では、採血または流体注入デバイスは、コネクタ22の近位端28に結合されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、4つの脚部34およびブリッジ部36を含み得る、H字型を含んでもよい。いくつかの実施形態では、H字型は、近位遠位方向および/または左右への揺れを防止することによって、コネクタ22およびカテーテル20の安定化を提供してもよい。いくつかの実施形態では、H字型は、器具が操作されている間、またはコネクタ22を通して挿入されている間、安定性を提供してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、コネクタ22に接触して支持し得る、上面38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22の本体24およびサイドポート30は、上面上に置かれていてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、患者の皮膚に接触するように構成された底面40を含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、様々な安定化機能を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、上面38から延在し得るリング42を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22の本体24は、リング42を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、リング42は、コネクタ22に接触し、コネクタ22を所定の位置にぴったりと保持してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、上面38は、コネクタ22の長手方向軸46と整列され得る溝44を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22は、溝44内に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、溝44が挿入角度でコネクタ22を支持することができるように、溝44の近位端におけるコネクタ支持デバイス32の厚さは、溝44の遠位端におけるコネクタ支持デバイス32の厚さよりも大きくてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32の上面38は、サイドポート30に接触し得る、1つまたは複数の突起48を含んでもよい。いくつかの実施形態では、突起48は、サイドポート30に隣接して配置されてもよく、サイドポート30を安定させるために、サイドポート30の移動に応じてサイドポート30に接触してもよい。いくつかの実施形態では、突起48は、例えば、
図1Aに示されるように、サイドポート30の近位に、および/またはリング42の横方向に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、突起48は、サイドポート30の遠位に配置されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、例えば
図1A~1Bに示されているように、コネクタ支持デバイス32の第1の側面上の第1の突出と、第1の側面とは反対側のコネクタ支持デバイス32の第2の側面上の第2の突出とを含んでいてもよい。これらおよび他の実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、コネクタ22のいずれかの側面から延びるサイドポート30と互換性があってもよい。いくつかの実施形態では、上面38は、単一の突起48を含んでもよいことが理解される。また、いくつかの実施形態では、突起48は、コネクタ22を用いて様々な方向でサイドポート30を支持することができるように、溝44および/またはコネクタ支持デバイス32の両側に配置されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、突起48は、溝44および/またはコネクタ支持デバイス32の片側に配置されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、臨床医による組み立てを妨げ得る、コネクタ支持デバイス32が事前に取り付けられた状態で包装されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、カテーテル20および導入針を患者の血管に挿入する前に、コネクタ22に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、臨床医による挿入後のコネクタ22へのコネクタ支持デバイス32の結合は回避される。
【0035】
ここで
図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、上部ステップ52および下部ステップ54を形成する階段状の表面50を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ステップ52は、溝44を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体24の遠位端26は、下部ステップ54上および/またはその内部に置かれ得る、ルアーアダプタ29を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップ54は湾曲していてもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップ54は、ルアーアダプタ29の円筒形に一致するように湾曲させてもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップ54の曲線の直径は、カテーテルシステム10の組み立て中のルアーアダプタ29の抗力を低減し得る、溝44の曲線の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、ルアーアダプタ29は、第1の突起48bと第2の突起48bとの間に配置されてもよい。
【0036】
ここで
図3A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、サイドポート30は、例えば、
図3Aおよび
図4Aに示されるように、一組の突起48の間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32の上面38は、突起48のうちの4つを含んでもよい。
【0037】
ここで
図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、リング42は、リング42を通って延び得るコネクタ22のサイドポート30を受け入れるように配向されてもよい。これらの実施形態では、リング42は、コネクタ22および/または溝44の長手方向軸46に対してほぼ垂直に配向されてもよい。いくつかの実施形態では、リング42は、サイドポート30に接触してもよく、サイドポート30を所定の位置にぴったりと保持してもよい。いくつかの実施形態では、
図5A~5Bに示されるようなリング42の配置により、コネクタ22は、コネクタ支持デバイス32をコネクタ22に結合する前に、カテーテルアダプタ12に結合されてもよい。
【0038】
ここで
図6A~6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、下部ステップ54から遠位に延び得る延長部56を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ルアーアダプタ29は、延長部56上に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、延長部56は、患者の快適さを改善してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32の少なくとも一部は、剛性材料で構築されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば延長部56などのコネクタ支持デバイス32の少なくとも一部は、患者の皮膚に適合し得る柔らかくて柔軟な材料で構築されてもよい。
【0040】
ここで
図7A~7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、突起48は、サイドポート30の遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、サイドポート30は、リング42と特定の突起48との間に配置されてもよい。
【0041】
ここで
図8A~8Bを参照すると、いくつかの実施形態では、上面38は、コネクタ22の長手方向軸46に概ね垂直であり得る1つまたは複数の他の溝58を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22のサイドポート30は、他の溝58内に置かれるように構成されてもよい。
【0042】
ここで
図9A~9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、上面38から延在し得る部分的なリング60を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前の図の1つまたは複数に関して記載されたリング42は、部分的なリング60で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22の本体24は、部分的なリング60を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、部分的なリング60は、コネクタ22に接触してもよく、コネクタ22を所定の位置にぴったりと保持してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、輸送前および/またはカテーテルシステム10を患者の血管系に挿入する前に、コネクタ22に事前に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、部分的なリング60は、再利用され得るコネクタ支持デバイス32の取り外しを容易にしてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、カテーテルアダプタ12の近位端18に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、カテーテルアダプタ12の近位端18を備えた単一のユニットとしてモノシリックに形成されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32の底面40は、患者の皮膚への取り付けを容易にし得る接着剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、接着剤は、コネクタ22とコネクタ支持デバイス32との間に配置されてもよい。これらおよび他の実施形態では、コネクタ22は、磁石、テザー、または任意の他の適切な結合機構を介してコネクタ支持デバイス32に固定されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、別の延長チューブは、コネクタ22とカテーテルアダプタ12との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、他の延長チューブは、他の延長チューブを通して器具を挿入するための軸方向経路を容易にするために、延長チューブ27よりも剛性があってもよい。いくつかの実施形態では、無針コネクタは、コネクタ22とカテーテルアダプタ12との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、無針コネクタは、カテーテルアダプタ12を備えた単一のユニットとして一体的に形成され得るか、またはカテーテルアダプタ12から取り外し可能であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、例えば、受動的または能動的な針安全機構を含む、任意の適切な針安全機構を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム10は、針安全機構を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22をカテーテルアダプタ12に結合する前に、導入針および/または針安全機構は、取り外されてもよい。
【0048】
ここで
図10A~
図11Fを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、患者の皮膚に接触するように構成された底面40を含んでもよい。いくつかの実施形態では、底面40は、患者の皮膚の湾曲の安定化を容易にし得る弧形状であってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、上面38は、コネクタ22の長手方向軸46および/または遠位近位方向に延びるコネクタ支持デバイス32の中心軸に概ね垂直であり得る溝58を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22のサイドポート30は、他の溝58内に静止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、溝58は、溝58の壁への支持および/またはコネクタ支持デバイス32内のコネクタ22の位置合わせを提供し得る、リング42に近接して延在してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、コネクタ支持デバイス32は、上部ステップ52および下部ステップ54を形成する階段状の表面50を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上部ステップ52は、溝44を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本体24の遠位端26は、下部ステップ54上および/またはその内部に置かれ得るルアーアダプタ29を含んでもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップ54は、湾曲または弧形状であってもよい。いくつかの実施形態では、下部ステップ54は、ルアーアダプタ29の円筒形に一致するように湾曲させてもよい。
【0051】
図11Aに示されるように、いくつかの実施形態では、コネクタ22は、遠位端および近位端を含み得る本体24を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22は、外径64を含み得る第1の中間部62を含んでもよい。いくつかの実施形態では、外径64は、第1の中間部62の長さ66の全体に沿って一定であってもよい。いくつかの実施形態では、外径64は、リング42の内径68に等しいか、またはわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の中間部62の外周の全部または一部は、第1の中間部62の支持を容易にし得る、リング42の内周に接触してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の中間部62は、第1の中間部62の遠位にあり得る、移行面70に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、移行面70は、テーパ状または階段状であってもよい。いくつかの実施形態では、移行面70は、第2の中間部72に近接していてもよく、サイドポート30がそこから延びてもよい。いくつかの実施形態では、第2の中間部72は、移行面70の遠位にあり、ルアーアダプタ29の近位にあってもよい。いくつかの実施形態では、第2の中間部72は、コネクタ22とコネクタ支持デバイス52との間の摩擦を減少させ得る、溝44に接触しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第2の中間部72は、溝44と接触してもよい。いくつかの実施形態では、第1の中間部62および/または第2の中間部72は、円筒形であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、コネクタ22は、コネクタ支持デバイス52と一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ22およびコネクタ支持デバイス52は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。前述のように、実施形態を組み合わせることができることを理解されたい。したがって、
図10~11のコネクタ支持デバイス52は、1つまたは複数の含まれる機能および/または動作に関して、
図1~9に関して説明したコネクタ支持デバイス52の1つまたは複数と類似または同一であってもよい。
【0054】
本明細書で列挙されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
【国際調査報告】