(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-01
(54)【発明の名称】軌道のレールを切断する切断研削器および方法
(51)【国際特許分類】
E01B 31/04 20060101AFI20220221BHJP
【FI】
E01B31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021538713
(86)(22)【出願日】2020-01-09
(85)【翻訳文提出日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 EP2020050453
(87)【国際公開番号】W WO2020144291
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】102019200303.6
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507069564
【氏名又は名称】ローベル バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBEL Bahnbaumaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 31, D-83395 Freilassing, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オットー ヴィトルロイター
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヘルツルヴィマー
【テーマコード(参考)】
2D057
【Fターム(参考)】
2D057BA26
(57)【要約】
軌道のレール(2)を切断するための切断研削器(1)であって、予め規定された切断研削位置(P1)を検知するための検知装置(27)を含んでいる。切断研削器(1)は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレール(2)の切断を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体(6)と、
回転軸線(9)を中心として切断研削ディスク(8)を回転駆動するための駆動装置(7)と、
当該切断研削器(1)を手動でガイドするための少なくとも1つのハンドグリップ(11,12)と、
を備えた、軌道のレールを切断するための切断研削器であって、
前記切断研削器(1)の切断研削位置(P
1,P
2)を検知するための検知装置(27)と、
その都度検知された前記切断研削位置(P
1,P
2)に応じて、前記駆動装置(7)の回転方向(D
1,D
2)を調節するための制御ユニット(31)と、
が設けられていることを特徴とする、切断研削器。
【請求項2】
前記少なくとも1つのハンドグリップ(11,12)を、前記切断研削器(1)の前記切断研削位置(P
1,P
2)に応じて調節するための調節装置(13)が設けられている、請求項1記載の切断研削器。
【請求項3】
前記調節装置(13)が、前記基体(6)に移動可能に配置されている、請求項2記載の切断研削器。
【請求項4】
前記調節装置(13)が、前記基体(6)に対して旋回軸線(19)を中心として旋回可能である支持フレーム(15)を有している、請求項2または3記載の切断研削器。
【請求項5】
前記調節装置(13)に、第1の切断研削位置(P
1)で前記切断研削器(1)を手動でガイドするための第1のハンドグリップ(11)と、第2の切断研削位置(P
2)で前記切断研削器(1)を手動でガイドするための第2のハンドグリップ(12)とが配置されている、請求項2から4までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項6】
前記調節装置(13)が、対称平面(S
V)に対して対称的に構成されている、請求項2から5までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項7】
第1のハンドグリップ(11)と第2のハンドグリップ(12)とが、前記基体(6)の互いに異なる側面(G
1,G
2)で前記調節装置(13)に配置されている、請求項2から6までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項8】
前記調節装置(13)を第1の調節位置(V
1)および第2の調節位置(V
2)においてロックするためのロックユニット(24)が設けられている、請求項2から7までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項9】
前記調節装置(13)が、第1の調節位置(V
1)において第1のストッパ(A
1)を形成し、前記第2の調節位置(V
2)において第2のストッパ(A
2)を形成する、請求項2から8までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項10】
前記調節装置(13)が、前記基体(6)の互いに反対に位置する側面(G
3,G
4)において支承されている、請求項2から9までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項11】
前記検知装置(27)が、第1の切断研削位置(P
1)を検知するための少なくとも1つの第1の接触スイッチ(28)と、第2の切断研削位置(P
2)を検知するための少なくとも1つの第2の接触スイッチ(29)とを含んでいる、請求項1から10までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項12】
前記検知装置(27)が、第1の切断研削位置(P
1)を検知し、かつ第2の切断研削位置(P
2)を検知するための少なくとも1つのセンサ(30)を含んでいる、請求項1から11までのいずれか1項記載の切断研削器。
【請求項13】
軌道のレールを切断するための方法であって、
請求項1から12までのいずれか1項記載の切断研削器(1)を準備するステップと、
前記切断研削器(1)を用いてレール(2)を部分的に切断するステップであって、前記切断研削器(1)が、レール対称平面(S)の第1の側(S
1)の第1の切断研削位置(P
1)において手動でガイドされる、ステップと、
前記第1の切断研削位置(P
1)から、前記レール対称平面(S)の第2の側(S
2)の第2の切断研削位置(P
2)へと前記切断研削器(1)を移行するステップと、
前記検知装置(27)によって前記切断研削位置(P
2)を検知するステップと、
前記切断研削器(1)によって前記レール(2)を完全に切断するステップであって、前記切断研削器(1)が、前記レール対称平面(S)の前記第2の側(S
2)の前記第2の切断研削位置(P
2)において手動でガイドされ、前記切断研削位置(P
1,P
2)における前記駆動装置(7)の回転方向(D
1,D
2)が逆向きに調節される、ステップと、
を有している、方法。
【請求項14】
前記調節装置(13)によって、前記少なくとも1つのハンドグリップ(11,12)を調節することを特徴とする、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、独国特許出願DE102019200303.6の優先権の利益を要求し、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、軌道のレールを切断するための切断研削器および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
摩耗したレール区分の交換時に、レールは切断しなければならない。このことは通常、手動でガイドされるかまたは手持ち式の切断研削器によって行われる。レールの切断時には、切断研削器を用いて、第1の切断研削位置で、レールおよび使用される切断研削ディスクの寸法に基づいてレールを完全に切断することができない、という問題が生じる。したがって、この切断研削器がレール対称平面の第1の側に配置されている第1の切断研削位置から、切断研削器がレール対称平面の第2の側に配置されている第2の切断研削位置へと、切断研削器を移行させる必要がある。次いで、この第2の切断研削位置において、レールを完全に切断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底を成す課題は、簡単でオペレータフレンドリーでありかつ効率的な形式で、軌道のレールの切断を可能にする切断研削器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の特徴を備えた切断研削器によって解決される。検知装置により、それぞれの切断研削位置の自動的な検知が可能である。検知装置は、好適には基体に配置されている。これにより、切断研削位置が交換された場合に、簡単かつオペレータフレンドリーな形式で駆動装置の回転方向を逆転可能である。レールの切断時に、制御されていない火花飛散が、簡単かつオペレータフレンドリーに阻止される。それぞれの切断研削位置の検知によって、駆動装置の回転方向の迅速な逆転が可能であるので、レールの切断を効率的に継続することができる。
【0006】
制御ユニットは、その都度検知された切断研削位置に応じた駆動装置の回転方向の自動的な調節を可能にするので、切断研削位置の交換後に、駆動装置の回転方向が自動的に逆転される。これによって、制御されていない火花飛散が簡単かつオペレータフレンドリーに阻止されるので、切断研削位置の交換後に切断を効率的に継続することができる。制御ユニットは、接触スイッチおよび/またはそれぞれの切断研削位置を検知するための少なくとも1つのセンサと信号接続している。
【0007】
請求項2に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。調節装置により、少なくとも1つのハンドグリップが、レール対称平面の両側の切断研削位置に適合可能である。これにより、切断研削器を、それぞれの切断研削位置において、簡単かつオペレータフレンドリーに手動でガイド可能である。さらに、調節装置は、切断研削器の手動のガイド時およびレールの切断時の最適な最低地上高を可能にするので、比較的効率的に切断が可能である。
【0008】
第1の切断研削位置では、切断研削器が、レール対称平面の第1の側に配置されている。第1の切断研削位置では、基体の第1の側面が、軌道の道床とは反対に向いていて、基体の第2の側面が道床に面している。基体の第2の側面は、第1の側面とは反対側に配置されている。第1の切断研削位置では、少なくとも1つのハンドグリップが、第1の調節位置に配置されている。これに対して切断研削器は、第2の切断研削位置では、レール対称平面の第2の側に配置されている。この第2の側は、第1の側の反対側に位置している。第2の切断研削位置では、基体の第2の側面が、道床とは反対側に向いていて、基体の第1の側面が道床に面している。第2の切断研削位置では、少なくとも1つのハンドグリップが第2の調節位置に配置されている。
【0009】
少なくとも1つのハンドグリップは、好適には調節装置に配置されている。調節装置は、好適には基体に配置されている。
【0010】
請求項1の上位概念部に記載の形式の切断研削器は、検知装置とは関係なしに、調節装置と一緒に特に独立した本発明を形成することができる。
【0011】
請求項3に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。少なくとも1つのハンドグリップは、調節装置の移動により簡単かつオペレータフレンドリーに調節可能であり、その都度の切断研削位置に適合可能である。好適には、調節装置は、基体に対して少なくとも部分的に旋回可能であり、かつ/または線形に移動可能である。少なくとも1つのハンドグリップは、調節装置に取り付けられており、この調節装置と一緒に移動可能である。
【0012】
請求項4に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。少なくとも1つのハンドグリップは、支持フレームに取り付けられている。支持フレームは、好適には旋回軸受により基体に支承されている。旋回軸線を中心とした支持フレームの旋回により、少なくとも1つのハンドグリップは、第1の調節位置から第2の調節位置へと移行され、かつ第2の調節位置から第1の調節位置へと移行される。好適には、旋回軸線は、駆動装置の回転軸線に対してほぼ平行に延びている。
【0013】
請求項5に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。基体は、この基体と回転軸線とを通って延びる基体平面を定義する。複数のハンドグリップは、好適には、基体平面の互いに異なる側面に配置されている。好適には、ハンドグリップは、一緒に移動可能である。特に、ハンドグリップは、調節装置によって、一方のハンドグリップを基体平面に向かって移動させるのに対して、別のハンドグリップを同時に基体平面から離れるように移動させるように、移動可能である。
【0014】
請求項6に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。調節装置の対称的な構成により、切断研削器は、複数の切断研削位置において同一の形式でガイド可能かつ操作可能である。好適には、対称平面は、調節装置の旋回軸線を通って延びている。
【0015】
請求項7に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。ハンドグリップが、基体、または基体および回転軸線を通って延びる基体平面の互いに異なる側に配置されていることによって、切断研削器は、各切断研削位置において固有のハンドグリップにより手動でガイド可能である。調節装置により、それぞれの切断研削位置において、軌道の道床に対する最適な最低地上高と、それぞれのハンドグリップによる簡単なガイドとが可能になる。
【0016】
請求項8に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。ロックユニットは、特に、少なくとも1つのハンドグリップ、好適には第1のハンドグリップおよび第2のハンドグリップが配置されている調節装置の支持フレームをロックする働きをする。ロックユニットは、好適には、少なくとも1つのハンドグリップの無段階かつ/または段階式の調節を可能にする。好適には、ロックユニットは、緊締エレメント、たとえばねじ付きレバーを含んでいる。緊締エレメントは、特に支持フレークの溝または切欠き内でガイドされる。好適には、支持フレームは、旋回軸受により、かつロックユニットにより基体の両側で支承されている。
【0017】
請求項9に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。ストッパは、少なくとも1つのハンドグリップの迅速かつ確実な調節を可能にする。好適には、ストッパは、少なくとも1つのガイドピンにより形成されている。このガイドピンは、少なくとも1つのガイド溝またはガイド切欠き内にガイドされている。それぞれのガイド溝またはガイド切欠きは、たとえば調節装置の支持フレーム内に形成されており、それぞれのガイドピンは、基体に取り付けられている。
【0018】
請求項10に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。調節装置は、好適には、第1の支持フレーム部分および第2の支持フレーム部分を備えた支持フレームを含んでいる。これらの支持フレーム部分は、基体の互いに反対に位置する側において支承されており、少なくとも1つのハンドグリップによって、特に第1のハンドグリップおよび第2のハンドグリップによって互いに結合されている。好適には、第1の支持フレーム部分は、旋回軸受により、基体の1つの側に支承されており、第2の支持フレーム部分は、ロックユニットにより、反対に位置する側に支承されている。
【0019】
請求項11に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。接触スイッチは、特に、この接触スイッチが少なくとも1つのハンドグリップおよび/または調節装置によって操作可能であるように、配置されている。したがって、少なくとも1つのハンドグリップおよび/または調節装置の調節によって、複数の接触スイッチのうちの1つの接触スイッチが自動的に操作され、したがって切断のために予め規定された分離切削位置が検知される。代替的または付加的には、少なくとも1つの接触スイッチ、特に2つの接触スイッチの手動の操作が、予め規定された切断研削位置を検知し、かつ/または検知された切断研削位置を確認するために存在していてよい。接触スイッチは、好適には、基体の互いに反対に位置する側に配置されている。
【0020】
請求項12に記載の切断研削器は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。少なくとも1つのセンサにより、それぞれの切断研削位置が自動的に検知される。少なくとも1つのセンサは、たとえば加速度センサ、光学センサおよび/または重力センサまたは電子鉛直器(elektronisches Lot)として構成されている。
【0021】
本発明の根底を成す課題は、さらに、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的な形式で軌道のレールの切断を可能にする方法を提供することにある。
【0022】
この課題は、請求項13に記載の特徴を備えた方法によって解決される。本発明に係る方法の利点は、既に説明した、本発明に係る切断研削器の利点と一致する。回転方向の自動的な逆転が、レールの切断の効率的な継続を可能にする。回転方向は、その都度検知された切断研削位置に応じて調節され、たとえば第1の切断研削位置では第1の回転方向が調節され、第2の切断研削位置では逆向きの第2の回転方向が調節される。
【0023】
請求項14に記載の方法は、簡単で、オペレータフレンドリーでありかつ効率的なレールの切断を保証する。レールを切断する方法は、検知装置により切断研削位置を検知し、切断研削位置において駆動装置の回転方向を逆方向に調節することとは関係なしに、調節装置と、少なくとも1つのハンドグリップの調節とにより特徴付けられる、独立した発明を形成することができる。
【0024】
本発明の別の特徴、利点および詳細は、実施例の以下の説明から判る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】軌道のレールの切断時の第1の切断研削位置における切断研削器を示す斜視図であり、切断研削器のガイド装置は、レールに取り付けられている。
【
図2】
図1に示した切断研削器の第1の側面図である。
【
図3】
図1に示した切断研削器の第2の側面図であり、レールおよびガイド装置は省略されている。
【
図4】
図1に示した切断研削器を上から見た平面図である。
【
図5】レールの切断時の第2の切断研削位置における切断研削器を示す側面図である。
【
図6】
図5に示した切断研削器の斜視図であり、レールおよびガイド装置は省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から
図6に図示した切断研削器1は、軌道のレール2を切断する働きをする。レール2は、まくら木(詳細に図示せず)に取り付けられている。まくら木は、道床3内に配置されている。レール2は、レール頭部4と、レール底部5とを有している。レール2は、横断面で見て、レール対称平面Sに対して、ほぼ対称的に形成されている。レール対称平面Sは、レール2を切断するための作業空間を第1の側S
1と第2の側S
2とに分割している。
【0027】
図1から
図4は、切断研削器1を第1の分離位置P
1で示している。この第1の切断研削位置P
1では、切断研削器1は、レール対称平面Sの第1の側S
1に配置されている。これに対して、
図5および
図6は、切断研削器1を第2の切断研削位置P
2で示している。この第2の切断研削位置P
2では、切断研削器1は、レール対称平面Sの第2の側S
2に配置されている。
【0028】
切断研削器1は、基体6を含んでいる。基体6には、回転軸線9を中心として切断研削ディスク8を回転駆動するための駆動装置7が配置されている。駆動装置7は、電動駆動モータとして構成されている。切断研削ディスク8は、通常の形式で、切断研削器1に取り付けられている。駆動装置7は、切断研削ディスク8を、伝動機構(詳細に図示せず)を介して駆動する。伝動機構は、たとえば伝動チェーンまたは伝動ベルトを含んでいる。火花飛散を制御し、オペレータを保護するために、基体6には火花カバー10が配置されている。
【0029】
手動のガイドのために、切断研削器1は、第1のハンドグリップ11と、第2のハンドグリップ12とを有している。これらのハンドグリップ11,12は、調節装置13に取り付けられている。調節装置13は、切断研削位置P
1,P
2に応じてハンドグリップ11,12を調節するために、基体6に移動可能に配置されている。
図1~
図4は、調節装置13およびハンドグリップ11,12を第1の調節位置V
1で示しているのに対して、
図5および
図6は、調節装置13およびハンドグリップ11,12を第2の調節位置V
2で示している。手動のガイドのために、切断研削器1は、第3のハンドグリップ14を有している。この第3のハンドグリップ14は、基体6に端部側で配置されている。第1のハンドグリップ11と第3のハンドグリップ14とは、第1の切断研削位置P
1における切断研削器1の手動のガイドとして機能する。対応して、第2のハンドグリップ12と第3のハンドグリップ14とは、第2の切断研削位置P
2における切断研削器1の手動のガイドとして機能する。
【0030】
基体6は、基体平面Eを定義する。この基体平面Eは、基体6と回転軸線9とを通って延びている。ハンドグリップ11,12は、基体平面Eの互いに異なる側に配置されている。第1のハンドグリップ11が、基体6の1つの側面G1に面しているのに対して、第2のハンドグリップ12は、上記の側面G1とは反対側で基体6に形成されている側面G2に面している。
【0031】
調節装置13は、第1の支持フレーム部分16および第2の支持フレーム部分17を備えた支持フレーム15を含んでいる。第1の支持フレーム部分16は、旋回軸受18により旋回軸線19を中心として旋回可能に基体6に支承されている。旋回軸線19は、回転軸線9に対してほぼ平行に、かつ基体平面Eを通って延びている。旋回軸受18は、基体6の1つの側面G3に取り付けられている。この側面G3は、側面G1と側面G2との間に配置されている。
【0032】
第2の支持フレーム部分17は、ハンドグリップ11,12により第1の支持フレーム部分16に結合されているので、基体6は、第1の支持フレーム部分16と第2の支持フレーム部分17との間に配置されている。したがって、支持フレーム部分16,17と、ハンドグリップ11,12とは、旋回軸線19を中心として一緒に旋回可能である。第2の支持フレーム部分17は、ガイドピン20,21および対応するガイド溝22,23ならびにロックユニット24により基体6の1つの側面G4に旋回可能に支承されている。この側面G4は、側面G1と側面G2との間に、かつG3とは反対に位置する側に配置されている。ガイドピン20,21は、基体6の側面G4において互いに離間して、かつ側面G1またはG2に隣接して配置されている。ガイド溝22,23は、第2の支持フレーム部分17に形成されている。ガイドピン20は、ガイド溝22内でガイドされているのに対して、ガイドピン21は、ガイド溝23内でガイドされている。したがって、調節装置13または支持フレーム15は、互いに反対に位置する側面G3,G4において基体6に支承されている。
【0033】
ガイドピン20,21は、第1の調節位置V1では、支持フレーム15のための第1のストッパA1を形成するのに対して、ガイドピン20,21は、第2の調節位置V2では、第2のストッパA2を形成する。したがって、支持フレーム15は、ストッパA1とストッパA2との間で旋回軸線19を中心として旋回可能である。
【0034】
ロックユニット24は、緊締エレメント25を含んでいる。緊締エレメント25は、溝26内でガイドされている。緊締エレメント25は、基体6の側面G4に配置されている。溝26は、第2の支持フレーム部分17に形成されている。緊締エレメント25により、調節装置13または支持フレーム15は、調節位置V1,V2において、かつ任意の中間位置においてロック可能または位置固定可能である。
【0035】
調節装置13は、対称平面SVに対してほぼ対称的に構成されている。対称平面SVは、旋回軸線19を通って、かつハンドグリップ11,12の間に延びている。ハンドグリップ11,12は、対称平面SVに対して平行に配置されている。
【0036】
切断研削位置P
1,P
2の自動的な検知のために、切断研削器1は、検知装置27を有している。この検知装置27は、第1の接触スイッチ28と、第2の接触スイッチ29とを含んでいる。第1の接触スイッチ28は、基体6の側面G
2に配置されており、第2のハンドグリップ12に面している。これに対して、第2の接触スイッチ29は、基体6の側面G
1に配置されていて、第1のハンドグリップ11に面している。検知装置27は、第2のハンドグリップ12が第1の調節位置V
1において第1の接触スイッチ28を操作した場合に第1の切断研削位置P
1を検知し、第1のハンドグリップ11が第2の調節位置V
2において第2の接触スイッチ29を操作した場合に第2の切断研削位置P
2を検知する働きをする。このことは、たとえば
図2および
図5に示されている。
【0037】
検知装置27は、切断研削位置P1,P2を検知するためにセンサ30をさらに含んでいる。センサ30は、基体6に配置されている。センサ30は、図示の実施例では、第3のハンドグリップ14内に組み込まれている。センサ30は、たとえば加速度センサとして、光学センサとして、または重力センサとして構成されている。
【0038】
検知装置27は、制御ユニット31を含んでいる。制御ユニット31は、基体6内に組み込まれている。制御ユニット31は、接触スイッチ28,29およびセンサ30と信号接続している。制御ユニット31は、切断研削位置P1,P2を検知し、検知された切断研削位置P1またはP2に応じて駆動装置7を駆動し、回転方向D1またはD2を調節する働きをする。
【0039】
レール2の正確な切断のために、切断研削器1は、ガイド装置32を有している。このガイド装置32は、クランプユニット33と、このクランプユニット33に旋回可能に取り付けられたジョイントアーム34とを含んでいる。ジョイントアーム34は、やはり旋回可能に基体6に配置されている。
【0040】
切断研削器1の機能形式は、以下の通りである。
【0041】
切断研削器1は、クランプユニット33によって切断すべきレール2に取り付けられる。調節装置13が第1の調節位置V
1にあると、第2のハンドグリップ12が、第1の接触スイッチ28を操作する。制御ユニット31は、第1の接触スイッチ28の第1の信号と、センサ30の第2の信号とを評価する。制御ユニット31により、検知装置27は、提供された信号に基づいて、切断研削器1が、第1の切断研削位置P
1に位置していることを検知する。切断研削器1が、オペレータにより第1の切断研削位置P
1においてスイッチオンされると、制御ユニット31は、切断研削ディスク8が回転軸線9を中心として回転方向D
1で回転駆動されるように、駆動装置7を駆動する。このことは、
図2において示されている。
【0042】
ハンドグリップ11,14により、オペレータが、切断研削器1をレール2に向かってガイドし、レール頭部4と、部分的にレール底部5とを切断する。ガイド装置32は、この場合にレール2の正確な切断を保証する。レール底部5は、その寸法に基づいて、かつ切断研削ディスク8の寸法に基づいて、第1の切断研削位置P1では完全に切断可能ではない。
【0043】
レール2を完全に切断するためには、切断研削器1が、手動で、ガイド装置32によりレール頭部4を超えて、かつレール対称平面Sを通って第2の切断研削位置P2へと旋回させられる。この第2の切断研削位置P2では、切断研削器1は、レール対称平面Sの第2の側S2に配置されている。
【0044】
調節装置13を旋回させるために、オペレータによりまずロックユニット24が解除される。次いで、調節装置13は、オペレータにより旋回軸線19を中心として旋回させられるので、第1のハンドグリップ11は、第2の調節位置V
2において第2の接触スイッチ29を操作する。第2の調節位置V
2では、ロックユニット24が再びロックされる。第2の接触スイッチ29は、制御ユニット31に第1の信号を提供し、センサ30は第2の信号を提供する。これらの信号に基づいて、検知装置27は、制御ユニット31により、切断研削器1が、今、第2の切断研削位置P
2に位置していることを検知する。切断研削器1が、第2の切断研削位置P
2において、オペレータによりスイッチオンされると、制御ユニット31は、切断研削ディスク8が回転軸線9を中心として回転方向D
2に回転駆動されるように、駆動装置7を駆動する。この回転方向D
2は、回転方向D
1とは逆方向である。このことは
図5に示されている。第2の切断研削位置P
2では、切断研削器1は、ハンドグリップ12およびハンドグリップ14により手動でガイドされる。レール2は、オペレータにより第2の切断研削位置P
2において完全に切断される。ガイド装置32は、この場合にレール2の正確な切断を保証する。
【0045】
調節装置13および/または検知装置27は、簡単、オペレータフレンドリーかつ効率的なレール2の切断を保証する。調節装置13は、切断研削器1と道床3との間の最適な最低地上高を可能にする。接触スイッチ28,29および/またはセンサ30に対して代替的または付加的には、切断研削器1は、検知された切断研削位置P1,P2を操作するために、オペレータにより手動で操作されなければならない別の接触スイッチを有していてもよい。センサ30により検知された切断研削位置P1,P2が接触スイッチ28,29により、または別の接触スイッチにより正確に操作されなかった場合、制御ユニット31は、駆動装置7の駆動制御を阻止する。したがって駆動装置7は、始動されない。ハンドグリップ11,12は、逆方向に動作するので、ハンドグリップ11,12は、各切断研削位置P1,P2において、オペレータの人間工学的な作業姿勢および道床3に対する最適な最低地上高を保証する。ロックユニット24は、簡単に解除することができ、かつハンドグリップ11,12が調節された後に再び固定することができる。調節は、無段階に、または段階式に行うことができる。ロックユニット24は、形状結合式および/または力接続式に構成されていてよい。
【国際調査報告】