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特表2022-516679能動的温度制御を備える可搬式冷却器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-01
(54)【発明の名称】能動的温度制御を備える可搬式冷却器
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20220221BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20220221BHJP
   F25D 3/00 20060101ALI20220221BHJP
   F25D 23/06 20060101ALI20220221BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
A61J3/00 301
F25D11/00 101G
F25D11/00 101W
F25D11/00 101Y
F25D3/00 B
F25D23/06 X
F25D23/00 301K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539915
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(85)【翻訳文提出日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 US2020012591
(87)【国際公開番号】W WO2020146394
(87)【国際公開日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】62/791,225
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/827,636
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517360055
【氏名又は名称】エンバー テクノロジーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー クレイトン
(72)【発明者】
【氏名】リース ダレン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ティンペリ ミッコ ジュハニ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイカム クリストファー トマス
(72)【発明者】
【氏名】コッホ ジョウゼフ ライル
(72)【発明者】
【氏名】エメルト ジェイコブ ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ムリンティ ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ラウ ジェイムズ シャム
【テーマコード(参考)】
3L044
3L045
3L102
3L345
4C047
【Fターム(参考)】
3L044AA04
3L044BA03
3L044CA03
3L044CA04
3L044DC03
3L044HA01
3L044JA01
3L044KA02
3L044KA03
3L044KA04
3L045AA04
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA04
3L045MA02
3L045NA21
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L102JA08
3L102JA09
3L102MB30
3L345AA02
3L345AA21
3L345HH13
3L345HH32
3L345HH42
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
4C047AA05
4C047AA27
4C047AA31
4C047BB03
4C047BB04
4C047CC04
4C047DD03
4C047DD05
4C047GG37
(57)【要約】
能動的温度制御を備える可搬式冷却器容器を提供する。温度制御システムは、容器のチャンバを冷却器容器に保管された薬剤に適切な温度設定点まで加熱または冷却するように動作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動的温度制御を備える可搬式冷却器容器であって、
薬剤の1つ以上の容器を受け入れて保持するように構成されたチャンバを有する容器本体と、
前記チャンバにアクセスするために前記容器本体に取り外し可能に連結可能な蓋と、
温度制御システムと、を備え、
前記温度制御システムは、
前記チャンバの少なくとも一部を能動的に加熱または冷却するように構成された1つ以上の熱電素子と、
1つ以上の蓄電素子と、
前記チャンバの少なくとも一部を所定の温度または温度の範囲まで加熱または冷却するように前記1つ以上の熱電素子の動作を制御するように構成された回路と、
前記容器本体および前記蓋の一方に配置され、前記可搬式冷却器容器の出荷情報を選択的に表示するように構成された表示画面と、を備える、可搬式冷却器容器。
【請求項2】
前記表示画面の送信者および受信者の情報を自動的に切り替えて、前記送信者に前記可搬式冷却器容器が戻るのを促進するために、使用者によって作動可能なボタンまたはタッチスクリーンをさらに備える、請求項1に記載の可搬式冷却器。
【請求項3】
能動的温度制御を備える可搬式冷却器容器であって、
1つ以上の量の腐敗しやすい流体を受け入れて保持するように構成されたチャンバを有する容器本体であって、前記チャンバが、前記容器本体のベースおよび内周壁によって画定される、容器本体と、
前記チャンバにアクセスするために前記容器本体に取り外し可能に連結可能な蓋と、
温度制御システムと、を備え、
前記温度制御システムは、
前記チャンバの少なくとも一部を能動的に加熱または冷却するように構成された1つ以上の熱電素子と、
1つ以上の蓄電素子と、
前記チャンバの少なくとも一部を所定の温度または温度の範囲まで加熱または冷却するように前記1つ以上の熱電素子の動作を制御するように構成された回路と、を備える、可搬式冷却器容器。
【請求項4】
前記本体は、外周壁と、前記外周壁に取り付けられた底部とを備え、前記内周壁は、前記内周壁と前記外周壁との間に空隙を画定するように前記外周壁に対して離間しており、前記ベースは、前記ベースと前記底部との間に空洞を画定するように前記底部から離間しており、前記1つ以上のバッテリおよび回路は、前記空洞内に少なくとも部分的に配置されている、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記空隙が真空下にある、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記空隙が、内部に相変化材料を含む、請求項4に記載の容器。
【請求項7】
前記1つ以上の熱電素子が前記蓋に収容され、前記温度制御システムは、前記1つ以上の熱電素子の一方の側と熱連通する第1のヒートシンクユニットと、前記1つ以上の熱電素子の反対側と熱連通する第2のヒートシンクユニットと、1つ以上のファンと、をさらに備え、前記1つ以上のファン、第1のヒートシンクユニットおよび第2のヒートシンクユニットは、前記蓋に少なくとも部分的に収容され、前記第1のヒートシンクは、それらの間に1つ以上の薬剤容器を解放可能に受け入れるように構成された複数の突起またはスロットを有する、請求項3に記載の容器。
【請求項8】
前記蓋が前記容器本体に連結されたときに前記蓋の1つ以上の電気接点に接触するように構成された前記容器本体の縁部の1つ以上の電気接点をさらに備え、前記回路は、前記蓋が前記容器本体に連結されたときに前記1つ以上の熱電素子および1つ以上のファンの前記動作を制御する、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記チャンバまたは温度制御システムの前記1つ以上のパラメータを検知し、前記検知された情報を前記回路に伝達するように構成された1つ以上のセンサをさらに備える、請求項3に記載の容器。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知された温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、前記検知された温度データを前記クラウドベースのデータ記憶システムまたは遠隔電子デバイスに伝達するように構成されている、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記1つ以上のバッテリの充電レベルを示す情報を表示するように構成されたユーザインターフェースをさらに備える、請求項3に記載の容器。
【請求項12】
前記チャンバは、2つの離間した部分チャンバを含む、請求項3に記載の容器。
【請求項13】
1つ以上のチャンバを前記容器本体の後退位置から前記容器本体の伸長位置に移動させるように動作可能な直線作動機構をさらに備える、請求項3に記載の容器。
【請求項14】
ある量の腐敗しやすい流体に連結可能であり、前記チャンバに配置され、前記1つ以上の熱電素子と熱連通するように作動されるように構成されたスリーブをさらに備える、請求項3に記載の容器。
【請求項15】
前記スリーブは、前記スリーブおよび前記ある量の腐敗しやすい流体が前記容器本体から除去されたときに前記ある量の腐敗しやすい流体を冷却状態に維持するように構成されたサーマルマスを有する、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
前記サーマルマスは、前記スリーブの内壁と外壁との間に画定された、空洞に配置された前記スリーブのある量の相変化材料である、請求項15に記載の容器。
【請求項17】
前記スリーブは、使用者による消費の前に前記ある量の腐敗しやすい流体を加熱するように作動可能なヒータを備える、請求項14に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願に関して提出された出願データシートにおいて外国または国内の優先権の主張が特定されているあらゆる出願は、37CFR 1.57の下で参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とみなされるべきである。
【0002】
本発明は、可搬式冷却器(例えば、インスリン、ワクチン、エピネフリンなどの薬剤用)を対象とし、より詳細には、能動的温度制御を備える可搬式冷却器に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の薬剤は、効果的であるために(例えば、効力を維持するために)特定の温度または温度の範囲に維持する必要がある。薬剤(例えば、ワクチン、インスリン、エピネフリン)の効力が失われると、それは回復することができず、薬剤を効果なしおよび/または使用不可能にする。例えば、ペン型注射器が、アレルギー反応(例えば、ピーナッツアレルギー、刺虫症/咬虫症などに起因する)の影響を打ち消すためにエピネフリンなどの薬剤を送達するために一般的に使用されている。使用者は、日中にアレルギー反応に苛まれている場合、そのような薬剤(例えば、薬剤のペン型注射器、ペン型注射器用カートリッジ)を、時に携行する(例えば、バッグ、財布、ポケットなどに入れられる)。しかし、そのような薬剤は、(例えば、周囲温度条件、自動車、職場、学校などの温度条件に起因する)日中に様々な温度にさらされる可能性があり、これは、薬剤が有効であるための好ましい温度または温度の範囲外であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、冷却器の内容物を所望の温度または温度の範囲に維持することができる改良された可搬式冷却器設計(例えば、エピネフリン、ワクチン、インスリンなどの薬剤を保存および/または輸送するためのもの)が必要とされている。さらに、冷却器の内容物(例えば、エピネフリン、ワクチン、インスリンなどの薬剤)の温度履歴のコールドチェーン制御および記録保持を改善した、改良型可搬式冷却器の設計が必要とされている(例えば、仕事への通勤または学校への通学中などの、薬剤の保管および/または輸送中に)。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、能動的温度制御システムを備えた可搬式冷却器容器(例えば、カプセル)が提供される。能動的温度制御システムは、入れ物のチャンバを加熱または冷却して、冷却器容器に貯蔵された薬剤(例えば、エピネフリン、インスリン、ワクチンなど)に適した温度設定点に近づくように動作する。
【0006】
別の態様によれば、冷却器のチャンバを所望の温度または温度の範囲に長期間維持するように動作可能な(例えば、自動的に動作可能な)温度制御システムを含む可搬式冷却器(またはカプセル)が提供される。任意選択的に、可搬式冷却器は、1つ以上の容器(例えば、ペン型注射器および/またはペン型注射器用カートリッジ、バイアルなど)を収容するようなサイズにされる。任意選択的に、可搬式冷却器は、自動的にログを記録(例えば、冷却器のメモリに記憶)し、および/または1つ以上の検知されたパラメータ(例えば、チャンバの温度、バッテリ充電レベルなど)に関するデータを遠隔電子デバイス(例えば、遠隔コンピュータ、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどのモバイル電子機器)に通信する。任意選択的に、可搬式冷却器は、遠隔電子デバイス(例えば、リアルタイムで自動的に、設定された間隔で定期的に、など)にデータを自動的に記録および/または送信することができる。
【0007】
別の態様によれば、能動的温度制御を備える可搬式冷却器容器(例えば、カプセル)が提供される。容器は、1つ以上の容器(例えば、ペン型注射器、ペン型注射器用カートリッジ、バイアルなど)を受け入れて保持するように構成されたチャンバを有する容器本体を備え、チャンバは、容器本体のベースおよび内周壁によって画定される。容器はまた、チャンバ内の1つ以上の容器(例えば、薬剤容器)と熱連通している(例えば、接触している)ヒートシンク構成要素を能動的に加熱または冷却するように構成された1つ以上の熱電素子(例えば、ペルチェ素子)と、ヒートシンク構成要素および/またはチャンバの少なくとも一部を所定の温度または温度の範囲まで加熱または冷却するように1つ以上の熱電素子の動作を制御するように構成された回路とを備える温度制御システムを備える。
【0008】
任意選択的に、容器は、回路および1つ以上の熱電素子の一方または両方に電力を供給するように構成された、1つ以上のバッテリを含むことができる。
【0009】
任意選択的に、回路は、クラウドベースのデータ記憶システム(例えば、遠隔サーバ)または遠隔電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ)と無線通信するようにさらに構成される。
【0010】
任意選択的に、容器は、チャンバと熱連通する第1のヒートシンクを含み、第1のヒートシンクは、1つ以上の熱電素子に選択的に熱的に連結される。任意選択的に、第1のヒートシンクは、容器のチャンバ内に取り外し可能に延びることができ、1つ以上の容器(例えば、ペン型注射器、ペン型注射器用カートリッジ、バイアルなどの薬剤容器)は、1つ以上の容器がチャンバ内に配置されるように、第1のヒートシンクに(例えば、第1のヒートシンクの1つ以上のクリップ部分またはスロットに)解放可能に連結することができる。
【0011】
任意選択的に、容器は、1つ以上の熱電素子(TEC)が第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとの間に配置されるように、1つ以上のTECと連通する第2のヒートシンクを含む。
【0012】
任意選択的に、第2のヒートシンクは、第2のヒートシンクから熱を引き出すように動作可能なファンと熱連通している。
【0013】
周囲温度が所定の温度または温度の範囲を上回る場合などの一実施態様では、温度制御システムは、第1のヒートシンクから熱を引き込む(およびチャンバから熱を引き込む)ように動作可能であり、これは、前記熱を1つ以上のTECに伝達し、これは、前記熱を第2のヒートシンクに伝達し、それにおいて任意選択のファンは、第2のヒートシンクから熱を放散する。温度制御システムは、このようにして、第1のヒートシンク(およびチャンバ)を冷却し、それによってチャンバ内の容器(例えば、薬剤容器)を所定の温度または温度の範囲に向かって冷却することができる。
【0014】
周囲温度が所定の温度または温度の範囲を下回る場合などの別の実施態様では、温度制御システムは、第1のヒートシンクに熱を追加する(およびチャンバに熱を追加する)ように動作可能であり、これは、前記熱を1つ以上のTECに伝達する。温度制御システムは、この点において、第1のヒートシンク(およびチャンバ)を加熱し、それによってチャンバ内の容器(例えば、薬剤容器)を所定の温度または温度の範囲に向かって加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、冷却器容器の一実施形態の概略図である。
図2図2は、充電ベースの一実施形態における図1の冷却器容器の概略図である。
図3図3は、蓋が冷却器容器の入れ物から取り外され、3つのペン型注射器および/またはカートリッジが蓋に取り付けられたヒートシンクに連結された、図1の冷却器容器の部分的な図である。
図4図4は、図1の冷却器容器の概略的な断面図である。
図5図5は、遠隔電子デバイスと通信する図1の冷却器容器の概略図である。
図6図6は、図1の冷却器容器および充電ベースの別の実施形態の概略図である。
図7図7は、冷却器容器の別の実施形態の概略的な断面図である。
図8図8は、蓋のない図7の冷却器容器の入れ物の概略的な断面図である。
図9図9は、冷却器容器と遠隔電子デバイスとの間の通信を示す概略的なブロック図である。
図10A図10Aは、別の冷却器容器の概略的で部分的な斜視図である。
図10B図10Bは、図10Aの冷却器容器の概略的な断面図である。
図11A図11Aは、別の冷却器容器の概略的で部分的な斜視図である。
図11B図11Bは、図11Aの冷却器容器の概略的な断面図である。
図11C図11Cは、図11Aの冷却器容器の概略的な断面図である。
図12A図12Aは、別の冷却器容器の概略的な断面図である。
図12B図12Bは、別の冷却器容器の概略的な断面図である。
図12C図12Cは、別の冷却器容器の概略的な断面図である。
図13図13は、別の冷却器容器の一部の概略的で部分的な断面図である。
図14A図14Aは、別の冷却器容器の概略的で部分的な断面図である。
図14B図14Bは、別の冷却器容器の概略的で部分的な断面図である。
図15図15は、別の冷却器容器の概略的で部分的な断面図である。
図16図16は、別の冷却器容器の概略的な斜視図および容器と共に使用するためのカプセルの分解図を示す。
図16A図16Aは、図16の冷却器容器と共に使用するためのカプセルの概略的な断面図を示す。
図16B図16Bは、図16の冷却器容器と共に使用するための別のカプセルの概略的な断面図を示す。
図16C図16Cは、図16Bのカプセルの一部を拡大させた断面図を示す。
図17図17は、別の冷却器容器の概略的な斜視図を示す。
図17A図17Aは、図17の冷却器容器と共に使用するためのカプセルの概略的な斜視図を示す。
図17B図17Bは、図17の冷却器容器と共に使用するための図17Aのカプセルの概略的な断面図を示す。
図18図18は、別の冷却器容器の概略的な斜視図を示す。
図18A図18Aは、図18の冷却器容器から取り出されたカートリッジと共に使用するためのペン型注射器の概略図を示す。
図18B図18Bは、ペン型注射器に装填された図18の冷却器容器からのカートリッジの概略的で部分的な図を示す。
図19A図19Aは、冷却器容器の概略的な斜視図を示す。
図19B図19Bは、冷却器容器の表示画面の動作に関連する冷却器容器内の電子機器を示す概略的なブロック図である。
図20A図20Aは、図19Aの冷却器容器を動作させるための方法のブロック図を示す。
図20B図20Bは、図19Aの冷却器容器を動作させるための方法のブロック図を示す。
図21A図21Aは、冷却器容器と共に使用するための電子デバイスのための概略的なユーザインターフェースである。
図21B図21Bは、冷却器容器と共に使用するための電子デバイスのための概略的なユーザインターフェースである。
図21C図21Cは、冷却器容器と共に使用するための電子デバイスのための概略的なユーザインターフェースである。
図21D図21Dは、冷却器容器と共に使用するための電子デバイスのための概略的なユーザインターフェースである。
図22A図22Aは、冷却器容器の概略的な縦方向の断面図である。
図22B図22Bは、図22Aの冷却器容器の概略的な横方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図8は、冷却システム200を含む容器システム100(例えば、カプセル容器)を示す。任意選択的に、容器システム100は、任意選択的に円筒形であり、長手方向軸Zに関して対称である容器の入れ物120を有し、当業者は、図4図7、および図8の断面に示される特徴が、容器100および冷却システム200の特徴を画定するべくそれらを軸Zの周りで回転させることによって画定されることを認識する。
【0017】
容器の入れ物120は、容器の入れ物120の内容物を冷却し、および/または入れ物120の内容物を冷却状態または冷やした状態に維持するために、冷却システム200がもたらす能動的温度制御を備えた冷却器であり得る。任意選択的に、入れ物120は、その中に1つ以上の(例えば、複数の)別個の容器150(例えば、ペン型注射器、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)などの薬剤容器)を保持することができる。任意選択的に、容器の入れ物120に挿入することができる1つ以上(例えば、複数の)の別個の容器150は、薬剤(例えば、エピネフリン、インスリン、ワクチンなど)を収容することができる。
【0018】
容器の入れ物120は、開口部123を有する近位端122と、ベース125を有する遠位端124との間に延在する外壁121を有する。開口部123は、近位端122に取り外し可能に取り付けられた蓋Lによって選択的に閉じられる。図4に示すように、入れ物120は、冷却される内容物(例えば、1つ以上のバイアル、カートリッジ、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れて保持することができる開放チャンバ126を共に画定する内壁126Aおよびベース壁126Bを有する。入れ物120は、中間壁126Cが外壁121と内壁126Aとの間に少なくとも部分的に配置されるように、内壁126Aおよびベース壁126Bの周りに離間した中間壁126Cを任意選択的に有することができる。中間壁126Cは、中間壁126Cと内壁126Aおよびベース壁126Bとの間に空隙Gを画定するように、内壁126Aおよびベース壁126Bから離間している。空隙Gは、内壁126Aおよびベース126Bが入れ物120の中間壁126Cおよび外壁121に対して真空で断熱されるように、任意選択的に真空下にあり得る。
【0019】
任意選択的に、内壁126A、中間壁126B、および外壁121のうちの1つ以上は、金属(例えば、ステンレス鋼)で作ることができる。一実施態様では、内壁126A、ベース壁126B、および中間壁126Cは、金属(例えば、ステンレス鋼)で作られる。別の実施態様では、入れ物120の1つ以上の部分(例えば、外壁121、中間壁126Cおよび/または内壁126A)をプラスチックで作製することができる。
【0020】
入れ物120は、ベース壁126Bと入れ物120の底部275との間に空洞127を有する。空洞127は、任意選択的に、1つ以上のバッテリ277と、冷却システム200を制御する回路を有する1つ以上のプリント回路基板(PCBA)278とを収容することができる。一実施態様では、空洞127は、以下でさらに説明するように、入れ物の底部275を通して使用者によって作動可能な電源ボタンまたはスイッチを任意選択的に収容することができる。任意選択的に、底部275は、外壁121に取り付けられたエンドキャップ279の少なくとも一部を画定する。任意選択的に、エンドキャップ279は、空洞127の電子機器(例えば、1つ以上のバッテリ277を交換するために、PCBA278などの電子機器のメンテナンスを実行する)にアクセスするために取り外し可能である。電源ボタンまたはスイッチは、使用者(例えば、冷却システム200をオンにするために押圧されることができ、冷却システム200をオフにするために押圧されることができ、冷却システム200をモバイル電子デバイスと組にするために押圧されることができるなどである)によってアクセス可能である。任意選択的に、電源スイッチは、エンドキャップ279のほぼ中央(例えば、それが入れ物120の長手方向軸Zに沿って整列/延在するように)に配置することができる。
【0021】
引き続き図1図8を参照すると、冷却システム200は、入れ物120の開口部123を解放可能に閉じる蓋Lに、任意選択的に少なくとも部分的に収容される。一実施態様では、蓋Lは、蓋Lおよび/または入れ物120の1つ以上の磁石を介して、入れ物120に解放可能に連結することができる。他の実施態様では、蓋Lは、他の適切な機構(例えば、ねじ接続、キースロット接続、圧入接続など)を介して入れ物120に解放可能に連結することができる。
【0022】
一実施態様では、冷却システム200は、ペルチェ素子などの1つ以上の熱電素子(TEC)220と熱連通する第1のヒートシンク(低温側ヒートシンク)210を含むことができ、入れ物120のチャンバ126と熱連通することができる(例えば、内壁126Aとの接触を介して、チャンバ126の空気の伝導を介してなど)。任意選択的に、冷却システム200は、第1のヒートシンク210と第2のヒートシンク230との間に配置された絶縁部材(例えば、絶縁材料)を含んでもよい。
【0023】
引き続き図1図8を参照すると、TEC220は、第1のヒートシンク(例えば、低温側ヒートシンク)210から熱を引き込み、それを第2のヒートシンク(高温側ヒートシンク)230に伝達するように、(例えば、回路278によって)選択的に動作する。ファン280は、第2のヒートシンク230から熱を放散させるために蓋L内に空気を引き込むように選択的に動作可能であり、それにより、TEC220が第1のヒートシンク210からさらに熱を引き込むことを可能にし、それにより、チャンバ126から熱を引き込む。ファン280の動作中、吸気流Fiは、蓋Lの1つ以上の吸気口203(1つ以上の開口部203Aを有する)を通って、第2のヒートシンク230上に引き込まれ(空気の流れは第2のヒートシンク230から熱を除去する)、その後、排気の流れFoは、蓋Lの1つ以上の排気口205(1つ以上の開口部205Aを有する)から流出する。
【0024】
図4に示すように、チャンバ126は、任意選択的に、1つ以上の(例えば、複数の)容器150(例えば、薬剤容器、例えば、ペン型注射器またはペン型注射器用カートリッジ、バイアルなど)を受け入れて保持する。第1のヒートシンク210は、容器150の1つ以上を受け入れて保持(例えば、弾性的に受け入れて保持する)することができる、1つ以上のスロット211を画定することができる。したがって、冷却システム200の動作中、第1のヒートシンク210は冷却され、それにより、ヒートシンク210に連結された1つ以上の容器150を冷却する。一実施態様では、第1のヒートシンク210はアルミニウム製であってもよい。しかし、第1のヒートシンク210は、他の適切な材料(例えば、高い熱伝導率を有する金属)から形成されてもよい。
【0025】
電子機器(例えば、PCBA278、バッテリ277)は、蓋Lと係合する入れ物120(例えば、上向きの電気接点、接触パッドまたはポゴピン)の部分の1つ以上の電気接点(例えば、ポゴピン、電気接触パッド)282と接触する蓋F(例えば、下向きの電気接点、接触パッドまたはポゴピン)の1つ以上の電気接点(例えば、電気接触パッド、ポゴピン)281を介して、蓋F内のファン280およびTEC220と電気的に通信することができる。有利には、電気接点281、282は、電気接点282、281(例えば、計時機能をもたらす)間の接触を可能にするために、正しい向き(整列)で入れ物120、120’への蓋Lの連結を容易にする。図3に示すように、1つ以上の電気接点282は、蓋Lの等しい数の電気接点281とインターフェースする8つの接点282のセットとすることができる。しかし、異なる数の電気接点282、281が可能である。電気リード線は、入れ物120の側面(例えば、外壁121と中間壁126Cとの間)に沿ってPCBA278から電気接点282まで延在することができる。したがって、バッテリ277からTEC220および/またはファン280に電力を供給することができ、回路(例えば、PCBA278の中または上)は、蓋Lが入れ物120に連結されたときに電気接点281、282のうちの1つ以上を介して、TEC220および/またはファン280の動作を制御することができる。以下でさらに説明するように、蓋Lは、1つ以上のセンサを有することができ、そのようなセンサは、電気接点281、282のうちの1つ以上を介して回路(例えば、PCBA278の中または上)と通信することができる。
【0026】
図7図8は、冷却システム200および入れ物120’を有する容器システム100を概略的に示す。冷却システム200は、図1図7の容器100内の冷却システム200と同様である。入れ物120’の特徴のいくつかは、図1図7の入れ物120の特徴と同様である。したがって、入れ物120’の様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、図1図7の入れ物120の対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一であるが、ただし数値識別子に「’」が追加されている。したがって、図1図7の冷却システム200および入れ物120の様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図7図8の冷却システム200および入れ物120’の対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0027】
図7図8に示すように、入れ物120’は、チャンバ126’を画定する円筒形のチャンバ壁126D’を含み、チャンバ壁126D’と内壁126A’およびベース壁126B’との間に空隙G2’を画定するように、内壁126A’およびベース壁126B’の内側(例えば、チャンバ126の中心に向かって)に離間している。任意選択的に、空隙G2’は、相変化材料(PCM)130’で充填される。一実施態様では、相変化材料130’は、固体-流体PCMとすることができる。別の実施態様では、相変化材料130’は、固体-固体PCMとすることができる。PCM130’は、有利にもエネルギーを受動的に吸収および放出することができる。可能なPCM材料の例は、水(凍結温度より低く冷却したときに氷に移行し得る)、有機PCM(例えば、バイオ系もしくはパラフィン、または炭水化物および脂質由来)、無機PCM(例えば、塩水和物)、および無機共晶材料である。しかし、PCM130’は、エネルギーを貯蔵および放出することができる任意のサーマルマスとすることができる。
【0028】
動作中、冷却システム200は、ヒートシンク210を冷却して、ヒートシンク210に連結された1つ以上の容器150を冷却し、チャンバ126’も冷却するように動作することができる。冷却システム200は、PCM130’(例えば、チャンバ壁126D’を介して)を任意選択的に冷却することもできる。一実施態様では、冷却システム200は、ヒートシンク210の少なくとも一部とチャンバ壁126D’の少なくとも一部(例えば、入れ物120’の開口部123’の近く)との間の伝導(例えば、接触)を介して、PCM130’を任意選択的に冷却する。別の実施態様では、冷却システム200は、ヒートシンク210とチャンバ壁126D’との間のチャンバ126’内の空気による伝導を介して、PCM130’を任意選択的に冷却する。
【0029】
有利にも、PCM130’は、チャンバ126’および/またはチャンバ126’に配置された容器150’(例えば、ペン型注射器、ペン型注射器用カートリッジ、バイアルなどの薬剤容器)の二次(例えば、バックアップ)冷却源として動作する。例えば、1つ以上の吸気口203が部分的に(または完全に)塞がれている(例えば、それらが移動中にハンドバッグ、バックパック、スーツケースの表面に接しているため;吸気口開口部203Aの塵埃の蓄積に起因して)場合、または1つ以上のバッテリ277の低電荷のために冷却システム200が効果的に動作していない場合、例えば、PCM130’は吸気口203が塞がれなくなる/詰まっていない状態になるまでや、1つ以上のバッテリ277が充電されるまで、1つ以上の容器150(例えば、ペン型注射器、ペン型注射器用カートリッジ、バイアルなど)を冷却状態に維持することができる。相変化材料130’は、チャンバ126’および容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lに関連して説明されているが、当業者は、チャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126H、126I、126J、126Kおよび容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lについて本明細書で論じられている他の実施態様すべてに対して適用することもできることを認識する。
【0030】
本明細書に開示される容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lは、任意選択的に、有線または無線接続(例えば、802.11b、802.11a、802.11g、802.11n規格など)の一方または両方を介して、1つ以上の遠隔電子デバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、遠隔サーバ)600と通信(例えば、一方向通信、双方向通信)することができる。任意選択的に、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lは、任意選択的に遠隔電子デバイス600にダウンロード(例えば、クラウドから)されるアプリ(モバイルアプリケーションソフトウェア)を介して遠隔電子デバイス600と通信することができる。アプリは、遠隔電子デバイス600が容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lから受信した1つ以上のデータ、および/または遠隔電子デバイス600から容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lに送信された情報を表示することができる1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース画面610を提示することができる。任意選択的に、使用者は、遠隔電子デバイス600のグラフィカルユーザインターフェース画面610のうちの1つ以上を介して、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lに命令を与えることができる。
【0031】
一変形例では、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)画面610は、1つ以上の特定の薬剤(例えば、アレルギー反応用のエピネフリン/アドレナリン、インスリン、ワクチンなど)に対応する1つ以上の温度プリセットを提示することができる。GUI画面610は、任意選択的に、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lのオンおよびオフを可能にすることができる。GUI画面610は、任意選択的に、容器100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lの第1のヒートシンク210およびチャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126H、126I、126J、126K、126Lの一方または両方が、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lによって冷却される制御温度の設定を可能にすることができる。
【0032】
別の変形例では、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)画面610は、容器100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lの1つ以上のパラメータ(例えば、周囲温度、チャンバ126、126’、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126H、126I、126J、126K、126Lの内部温度、第1のヒートシンク210の温度、1つ以上のバッテリ277の温度など)のダッシュボード表示を提示することができる。GUI画面610は、任意選択的に、1つ以上のバッテリ277に残っている電力供給の指標(例えば、表示)を提示する(例えば、残り寿命の百分率、バッテリ電力が完全に排出されるまでの残り時間)ことができる。任意選択的に、GUI画面610はまた、第1のヒートシンク210のスロットまたはレセプタクル211のいくつが占有されているか(例えば、容器150、150Jによって)の情報(例えば、表示)を含むことができる。任意選択的に、GUI画面610はまた、容器100の内容物に関する情報(例えば、インスリンなどの投薬の種類、または疾患の投薬は、肝炎などを治療することを意図する)および/または容器100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lが属する個人の情報(例えば、名前、識別番号、連絡先情報)を含むことができる。
【0033】
別の変形例では、GUI画面610は、利用可能なバッテリ電力に関するアラート、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lの動作に対する周囲温度の影響に関するアラート、第1のヒートシンク210の温度に関するアラート、チャンバ126、126’、126E、126F、126G、126H、126I、126J、126K、126Lの温度に関するアラート、塞がれた/詰まった可能性があることを示す吸気口203および/または排気口205を通る低空気の流れに関するアラートを含む、本明細書に開示された容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lの使用者に提供される1つ以上の通知を含むことができる。当業者は、アプリが複数のGUI画面610を使用者に提供でき、使用者が異なる画面間でスワイプすることを可能にすることを認識する。任意選択的に、以下でさらに説明するように、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100Kは、チャンバ126、126’、126E、126F、126G、126H、126I、126J、126K、126Lの温度履歴、一般に容器150、150Jの温度に対応する第1のヒートシンク210および/またはチャンバ126、126’、126E、126F、126G、126H、126I、126J、126K、126Lの温度履歴、容器150、150Jの温度センサからの容器150、150Jの温度、バッテリ277の電力レベルの履歴、周囲温度の履歴などの情報を、a)後に読み取る(例えば、配達場所で)ことができる、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100LのRFIDタグ、b)例えばワイヤレス(WiFi 802.11、BLUETOOTH(登録商標)、またはその他のRF通信などを介する)で、遠隔電子デバイス(例えば、モバイル電子デバイス、例えばスマートフォンまたはタブレットコンピュータまたはラップトップコンピュータまたはデスクトップコンピュータ)、およびc)例えばワイヤレス(WiFi 802.11、BLUETOOTH(登録商標)、またはその他のRF通信などを介する)で、クラウド(クラウドベースのデータ記憶システムまたはサーバなど)の1つ以上に、通信することができる。そのような通信は、定期的に(例えば、1時間ごと;リアルタイムなどで連続的に)行うことができる。RFIDタグまたは遠隔電子デバイスまたはクラウドに格納されると、そのような情報は、1つ以上の遠隔電子デバイスを介して(例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどのダッシュボードを介して)、アクセスすることができる。追加的または代替的に、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lは、チャンバ126、126’、126E、126F、126G、126H、126I、126J、126K、126Lの温度履歴、第1のヒートシンク210の温度履歴、バッテリ277の電力レベルの履歴、周囲温度の履歴などの情報を、メモリ(例えば、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lの電子機器の一部)に格納することができ、これらは、有線または無線接続を介して(例えば、遠隔電子デバイス600を介して)、使用者が容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lからアクセスすることができる。
【0034】
図1図9を参照すると、容器100の本体120は、任意選択的に、本体120の外面121に視覚的表示を有することができる。視覚的表示は、任意選択的に、チャンバ126、126’の温度、第1のヒートシンク210の温度、周囲温度、1つ以上のバッテリ277の充電レベルまたは百分率、およびバッテリ277の再充電が必要とされるまでの残り時間などのうちの1以上を表示することができる。視覚的表示は、任意選択的に、冷却システム200がチャンバ126、126’を冷却するように予め設定された温度を調整(上昇または下降)するためのユーザインターフェース(例えば、感圧ボタン、静電容量タッチボタンなど)を含むことができる。したがって、容器100の(例えば、冷却システム200の)動作は、容器100の表面の視覚的表示およびユーザインターフェースを介して選択することができる。任意選択的に、視覚的表示は、1つ以上の隠しティル点灯LEDを含むことができる。任意選択的に、視覚的表示は、電子インク(e-ink)の表示を含むことができる。一変形例では、容器100は、選択的に(例えば、冷却システム200が動作していることを示すなど、容器100の1つ以上の動作機能を示すために)照らすことができる隠しティル点灯LED140を、任意選択的に含むことができる。LED140は、任意選択的に、容器100の1つ以上の動作状態を示すように選択的に動作可能な多色LEDとすることができる(例えば、正常動作の場合は緑色、バッテリの充電が少ない、または検知された周囲温度に対する冷却が不十分である、などの異常な動作の場合は赤色)。視覚的表示は、容器システム100に関連して説明されているが、当業者は、容器システム100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lについて本明細書で説明した他のすべての実施態様にも適用できることを理解する。
【0035】
動作中、冷却システム200は、任意選択的に、電源ボタンを押すことによって、作動させることができる。任意選択的に、冷却システム200は、付加的(または代替的)に冷却システム200(例えば、回路278の受信機または送受信機を用いて)と無線通信する携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータなどの遠隔電子デバイス600を介して、遠隔で(例えば、無線)作動することができる。さらに別の実施態様では、冷却システム200は、蓋Lが、蓋Lが入れ物120、120’に連結される入れ物120、120’に連結されたとき(例えば、圧力センサ、近接センサ、荷重センサ、光センサなどからの信号を、例えばPCBA278内またはその上の回路によって受信すると)、チャンバ126、126’を自動的に冷却することができる)。チャンバ126、126’は、所定のおよび/または使用者が選択した温度もしくは温度の範囲まで冷却することができ、または容器150の内容物(例えば、インスリン、エピネフリン、ワクチンなど)に対応する予め設定された温度まで自動的に冷却することができる。使用者が選択した温度または温度の範囲は、容器100のユーザインターフェースを介して、および/または遠隔電子デバイス600を介して選択することができる。
【0036】
回路278は、任意選択的に、第1のヒートシンク210に隣接する1つ以上のTEC220の側面が冷却され、それによって第1のヒートシンク210と熱連通する(例えば連結する)1つ以上の容器150を冷却し、1つ以上の第2のヒートシンク230に隣接する1つ以上のTEC220の側面が加熱されるように、1つ以上のTEC220を動作させる。それによって、TEC220は、第1のヒートシンク210を冷却し、それによって容器150および/またはチャンバ126、126’を冷却する。容器100は、チャンバ126、126’の温度を検知するように動作可能な1つ以上のセンサ(例えば、温度センサ)155を含むことができる。図7に最もよく示されているように、1つ以上のセンサ155は、第1のヒートシンク210の突起の1つ以上を通って延び、かつ蓋Lが入れ物120、120’に連結されたときに第1のヒートシンク210からチャンバ126、126’内に突出する温度センサを含むことができる。1つ以上のセンサ155は、蓋Lが入れ物120、120’に連結されたときに、1つ以上の電気接点281、282を介して、検知された温度を示す情報を、回路278に通信することができる。回路(例えば、PCBA278の中または上)は、第1のヒートシンク210および/またはチャンバ126、126’を、所定の温度(例えば、予め設定された温度)および/または使用者が選択した温度に冷却するために、検知された温度情報に少なくとも部分的に基づいて、(1つ以上のセンサ155から)TEC220および1つ以上のファン280のうちの1つ以上を動作させる。回路は、1つ以上のファン280を動作させて、空気(例えば、吸気口203を介して受け入れられる)を1つ以上の第2のヒートシンク230上に流して、そこから熱を放散させ、それによって1つ以上の第2のヒートシンク230が、1つ以上のTEC220からより多くの熱を引き出すことを可能にし、これにより、1つ以上のTEC220が第1のヒートシンク210および任意選択的にチャンバ126、126’からより多くの熱を引き出す(すなわち、冷却する)ことを可能にする。前述の空気の流れは、それが1つ以上の第2のヒートシンク230上を通過すると、排気口205を介して排気される。
【0037】
図2を参照すると、電力ベース300は、その上に容器100を受け入れることができ、例えば、1つ以上のバッテリ277を充電するために容器100の電子機器に電力を供給することができ、あるいはTEC220および/またはファン280に直接電力を供給することができる。一実施態様では、電力ベース300は、電力ベース300が電源(例えば、ラップトップまたはデスクトップコンピュータなどの電源の壁コンセント、USBコネクタ)に接続することを可能にする電気コネクタ(壁用プラグ、USBコネクタ)で終端する電気コードを有する。一実施態様では、電力ベース300は、誘導連結を介して電力を容器100に伝送する。別の実施態様では、電力ベース300は、容器100の1つ以上にある(例えば、容器100の底部275の)電気接点(例えば、電気接触パッド、接触リング)に接触する1つ以上の電気接点(例えば、電気接触パッド、ポゴピン)を介して、容器100に電力を伝送する。
【0038】
図6は、電力ベース300が、その上に容器100を受け入れることができ、例えば、1つ以上のバッテリ277を充電するために容器100の電子機器に電力を供給することができ、あるいはTEC220および/またはファン280に直接電力を供給することができることを示す。電力ベース300’は、以下に説明することを除いて、電力ベース300と同様である。一実施態様では、電力ベース300’は、電力ベース300’が自動車の充電器に接続することを可能にする(自動車の充電器用の)電気コネクタで終端する電気コードを有する。有利にも、電力ベース300’は、自動車のカップホルダに嵌合するようなサイズであり、容器100を電力ベース300’上にある間にカップホルダに配置することを可能にし、容器100を実質的に安定した直立配向に保つ。
【0039】
一変形例では、容器システム100は、12VDC電力(例えば、1つ以上のバッテリ277または電力ベース300’から)を使用して電力供給される。別の変形例では、容器システム100は、例えば電力ベース300を使用して、120VACまたは240VACの電力を使用して電力供給される。容器100内の回路278は、電力のサージによる容器100の電子機器への損傷を抑制するためのサージプロテクタを含むことができる。
【0040】
図9は、本明細書に記載のデバイス(例えば、1つ以上の容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100L)のための(例えばそれに統合された)通信システムのブロック図を示す。図示の実施形態では、回路EM(例えば、PCBA278上)は、1つ以上のセンサS1~Sn(例えば、レベルセンサ、ボリュームセンサ、温度センサ、例えば、センサ155、バッテリ充電センサ、生体認証センサ、荷重センサ、全地球測位システムまたはGPSセンサ、無線周波数識別またはRFIDリーダなど)から検知情報を受信することができる。回路EMは、上述のように、容器に、例えば入れ物120、120’、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120K(例えば、入れ物120、120’、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120K、120Lの底部、入れ物120、120’、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120K、120Lの側面)、または容器の蓋Lなどに収容することができる。回路EMは、TEC220、220E、220F1、220F2、220G、220L(例えば、加熱または冷却要素の各々を加熱モードおよび/または冷却モードで動作させるために、オフにする、オンにする、出力を変化させる、などである)などの1つ以上の加熱または冷却要素HC、また任意選択的に1つ以上の蓄電デバイスPSから(例えば、バッテリ277、277E、277F、277L、例えばバッテリを充電するために、またはバッテリによって1つ以上の加熱または冷却要素220、220E、220F1、220F2、220G、220Lに供給される電力を管理するために)情報を受信し、および/または情報(例えば、命令)を送信することができる。
【0041】
任意選択的に、回路EMは、a)ユニット上(例えば、入れ物120、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120K、120Lの本体上)のユーザインターフェースUI1、b)電子デバイスED(例えば、携帯電話、PDA、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、電子時計、デスクトップコンピュータ、遠隔サーバなどのモバイル電子デバイス)、c)クラウドCL(例えば、クラウドベースのデータ記憶システム)、またはd)WiFiおよびBluetooth BTなどの無線通信システムを介して通信すること、の1つ以上から、情報、例えば検知された温度、位置データを送信し、使用者の命令などの情報を受信するなどの伝達のために、無線送信機、受信機、および/または送受信機を含むことができる。電子デバイスED(電子デバイス600など)は、容器システムの動作に関連する情報を表示することができ、(例えば、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lの動作を調整するために)使用者から情報(例えば、命令)を受信し、前記情報を容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lに通信することができるユーザインターフェースUI2(GUI610など)を有することができる。
【0042】
動作中、容器システム100は、入れ物120、120’の第1のヒートシンク210およびチャンバ126、126’の一方または両方を、予め選択された温度または使用者が選択した温度に維持するように、動作することができる。冷却システム200は、第1のヒートシンク210および任意選択的にチャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126Lを冷却する(例えば、周囲温度が予め選択された温度より高い場合など、第1のヒートシンク210またはチャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126Lの温度が予め選択された温度より高い場合)ために、または第1のヒートシンク210および任意選択的にチャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126Lを加熱する(例えば、周囲温度が予め選択された温度より低い場合など、第1のヒートシンク210またはチャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126Lの温度が予め選択された温度より低い場合)ために、1つ以上のTEC220を動作させることができる。予め選択された温度は、容器の内容物(例えば、特定の医薬品、特定のワクチン、インスリンペン、エピネフリンペンまたはカートリッジなど)に合わせて調整することができ、容器100のメモリに記憶することができ、温度制御システムがどのように動作するかに応じて、冷却システム200または加熱システムは、TEC220を予め選択されたまたは設定されたポイントの温度に近づくように動作させることができる。
【0043】
任意選択的に、回路EMは、第1のヒートシンク210、210E1、210E2、210F1、210F2、210Lおよび/またはチャンバ126、126’126E、126F1、126F2、126G1、126Lの温度履歴などの情報を、遠隔位置(例えば、クラウドベースのデータ記憶システム、遠隔コンピュータ、遠隔サーバ、モバイル電子デバイス、例えばスマートフォンまたはタブレットコンピュータまたはラップトップまたはデスクトップコンピュータ)および/または容器を運ぶ個人(例えば、自分の携帯電話を介して、容器上のビジュアルインターフェースを介してなど)に通信(例えば、無線)して、容器内の薬剤の有効性を評価するために使用できる記録、および/または容器100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100L内の薬剤の状態に関する警告を発することができる。任意選択的に、温度制御システム(例えば、冷却システム、加熱システム)200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lは、TEC220、220E、220F1、220F2、220Lを自動的に動作させて、第1のヒートシンク210、210E1、210E2、210F1、210F2、210L、および任意選択的に、入れ物120、120’、120E、120Fのチャンバ126、126’、120E、120F1、210F2を、予め選択された温度に近づくように加熱または冷却する。一実施態様では、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lは、チャンバ126、126’、126E、126F1、126F1、126G1、126Lおよび容器150の一方または両方を、15℃以下、例えば10℃以下、いくつかの例では約5℃に冷却し、維持することができる。
【0044】
一実施態様では、1つ以上のセンサS1~Snは、吸気口203および排気口205の一方または両方を通る空気の流れを監視することができる蓋Lの1つ以上の空気の流量センサを含むことができる。前記1つ以上の流量センサが、空気の流れの減少に起因して吸気口203が詰まる(例えば、塵埃を伴う)ことを検知した場合、回路EM(例えば、PCBA278上)は、任意選択的に、1つ以上の所定の期間にわたってファン280、280E、280Fの動作を逆転させて、排気口205を通して空気を引き込み、吸気口203を通して空気を排出して、吸気口203を清浄化する(例えば、詰まりの除去、塵埃を除去する)ことができる。別の実施態様では、回路EMは、追加的または代替的に、使用者に(例えば、容器100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lのユーザインターフェースを介して、GUI610を介して使用者の携帯電話などの遠隔電子デバイスに無線で)警告を送信して、吸気口203の潜在的な詰まりを使用者に知らせることができ、その結果、使用者は、容器100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lを検査することができ、例えば、吸気口203を介して空気を排気するのとは反対にファン280、280E、280Fを動作させることによって、(例えば、使用者の携帯電話のアプリを介して)「クリーニング」動作を実行するように、回路EMに命令することができる。
【0045】
一実施態様では、1つ以上のセンサSl~Snは、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lの位置を追跡するための1つ以上の全地球測位システム(GPS)式センサを含むことができる。位置情報は、上述したように、回路EMに関連する送信機および/または送受信機によって遠隔位置(例えば、モバイル電子デバイス、クラウドベースのデータ記憶システムなど)に通信することができる。
【0046】
別の変形例では、回路278および1つ以上のバッテリ277は、入れ物120、120’、120E、120Fの遠位端124に取り付けられる取り外し可能なパック(例えば、DeWaltバッテリパック)にあってもよく、取り外し可能なパックの1つ以上の接点は、入れ物120、120’、120E、120F、120Gの遠位端124の1つ以上の接点に接触する。入れ物120、120’、120E、120F、120Gの遠位端124の1つ以上の接点は、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lの構成要素に電力を供給するために、(1つ以上のワイヤまたは1つ以上の中間構成要素を介して)入れ物120、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120Kの近位122の電気接続と電気的に接続される、または上述のように電気的に接続される。
【0047】
図10A図10Bは、冷却システム200Eを含む容器システム100E(例えば、カプセル容器)を示す。容器システム100Eおよび冷却システム200Eは、図1図8に関連して上述した容器システム100および冷却システム200と同様である。したがって、容器の入れ物100Eおよび冷却システム200Eの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、数値識別子に「E」が追加されていることを除いて、図1図8の容器システム100および冷却システム200の対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一である。したがって、図1図8の容器システム100および冷却システム200の様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図10A図10Bの容器システム100Eおよび冷却システム200Eの対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0048】
容器システム100Eは、入れ物120Eの開口部123Eが楕円の形状を有し、開放チャンバ126Eが楕円形の断面を有するという点で、容器システム100とは異なる。チャンバ126Eは、その中に並んだ一対の容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れるようなサイズになっている。容器100Eは、蓋F内の電気接点28IEとインターフェースすることができる電気接点282Eを有する。
【0049】
蓋Fは、プレート211E1、211E2の間のスロット内などに、一対の容器(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)をそれらの間に保持することができる一対の離間したプレート211E1、211E2を有することができる。プレート211E1、211E2は、ペルチェ素子などの1つ以上のTEC220Eと熱連通する第1のヒートシンク210Eの一部とすることができ、(蓋Lが入れ物120Eに取り付けられているときに)入れ物120Eのチャンバ126Eと熱連通することができる。図10Bに示すように、プレート211E1、211E2は、容器150(バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)とチャンバ126Eの内壁126AEとの間に介在させることができる。
【0050】
チャンバ126Eは、入れ物120のチャンバ126(最大4つの容器150を保持する大きさ)の約1/2の大きさとすることができる。入れ物100Eの残りの半分は、その中に1つ以上のバッテリ277Eを収容することができる。チャンバ126Eは、入れ物120Eの外壁121Eに対して断熱(例えば、真空断熱)することができる。
【0051】
図11A図11Cは、冷却システム200Fを含む容器システム100F(例えば、カプセル容器)を示す。容器システム100Fおよび冷却システム200Fは、図1図8に関連して上述した容器システム100および冷却システム200と同様である。したがって、容器システム100Fおよび冷却システム200Fの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、数値識別子に「F」が追加されていることを除いて、図1図8の容器システム100および冷却システム200の対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一である。したがって、図1図8の容器システム100および冷却システム200の様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図11A図11Cの容器の入れ物100Fおよび冷却システム200Fの対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0052】
容器システム100Fは、入れ物120Fが2つの別個の離間したチャンバ126F1、126F2の上部に2つの開口部123F1、123F2を有するという点で容器システム100とは異なる。任意選択的に、開口部123F1、123F2は円形の形状を有し、チャンバ126F1、126F2の各々は円形の断面を有する。チャンバ126F1、126F2の各々は、その中に並んだ容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れるような大きさである。容器の入れ物100Fは、蓋F内の電気接点281F1、281F2とインターフェースすることができる電気接点282F1、282F2の2つの別個のグループを有する。
【0053】
蓋Fは、一対の離間したヒートシンク210F1、210F2を有することができ、各々は、例えばヒートシンク210F1、210F2によって画定されたスロット内に、1つの容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を弾性的に保持するように寸法決めされる。ヒートシンク210F1、210F2のそれぞれは、別個のTEC220F1、220F2と熱連通することができ、ひいては、蓋L内の別個の第2のヒートシンク(図示せず)と任意選択的に熱連通することができる。図1図8で説明したように、冷却システム200Fは、蓋L内の第2のヒートシンク(図示せず)上に空気を引き込むように動作可能な1つ以上のファン280Fを有することができる。チャンバ126F1、126F2は、互いに対して、および入れ物100Fの外壁121Fに対して断熱(例えば、真空断熱)することができる。
【0054】
有利にも、ヒートシンク210F1、210F2は、互いに独立して動作することができる。したがって、一実施態様では、両方のヒートシンク210F1、210F2は、容器150がチャンバ126F1、126F2内にあり、入れ物120Fを密封するために蓋Lが入れ物120Fの上に配置されたときに、容器150をほぼ同じ温度(例えば、約5℃まで)に冷却するように動作可能である。別の実施態様では、両方のヒートシンク210F1、210F2は、容器150がチャンバ126F1、126F2内にあり、入れ物120Fを密封するために蓋Lが入れ物120Fの上に配置されたときに、容器150を異なる温度に冷却するように動作可能である。別の実施態様では、例えば、使用者が容器100F内の薬剤を消費する準備ができているか、またはほぼ準備ができているとき、ヒートシンク210F1の一方は、その関連する容器150(例えば、所定の消費温度または投与温度まで、例えば体温まで、室温まで)を加熱するために加熱することができるが、他方のヒートシンク210F2は、関連するチャンバ126F2内のその関連する容器150を冷却する。さらに別の実施態様では、両方のヒートシンク210F1、210F2は、それらの関連する容器150を(例えば、同じ温度まで、異なる温度まで)加熱するように動作する。
【0055】
図12A図12Cは、冷却システム200Gを含む容器システム100G(例えば、カプセル容器)を示す。容器システム100Gおよび冷却システム200Gは、図11A図11Cに関連して上述した容器システム100Fおよび冷却システム200Fと同様である。したがって、容器システム100Gおよび冷却システム200Gの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、図11A図11Cの容器システム100Fおよび冷却システム200Fの対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一であるが、ただし数値識別子に「F」の代わりに「G」が追加されている。したがって、図11A図11Cの容器システム100Fおよび冷却システム200Fの様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図12A図12Cの容器の入れ物100Gおよび冷却システム200Gの対応する構成要素にも適用されると理解されたい。明確にするために、図12Aは、1つのチャンバ126G1のみを示しているが、上述のチャンバ126F1、126F2と同様の2つのチャンバ126G1、126G2を有することができる。任意選択的に、チャンバ126G1、126G2は、以下でさらに説明するように、容器システム100Gから取り外し可能である。
【0056】
容器システム100Gは、ヒートシンク210G1が、容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)に取り外し可能に連結する取り外し可能なスリーブ210G1である点で、容器システム100Fとは異なる。スリーブ210G1は、熱伝導性材料(例えば、アルミニウムなどの金属)で作ることができる。スリーブ210G1は、容器150と共に容器の入れ物120Gから取り外すことができる(例えば、通勤または旅行中に使用者の財布、バックパック、作業用バッグなどに配置するためのもの)。任意選択的に、スリーブ210G1は、容器150を長期間(例えば、約1時間~約10時間、約1時間~約5時間、約1時間~約3時間、約2時間など)冷却状態に維持することができる。スリーブ210G1が容器150と連結され、チャンバ126G1に挿入されると、スリーブ210G1は、冷却システム200Gとインターフェースし、冷却システム200G間(例えば、冷却システム200Gの1つ以上のTEC220Gと容器150との間)の熱伝達インターフェースとして動作して、容器150を冷却および/または加熱するのを助けることができる。例えば、冷却システム200Gが容器150を冷却するために使用される場合、スリーブ210G1は、スリーブ210G1に取り付けられた容器150の熱を除去する(例えば、冷却する)ためのヒートシンクとして機能することができる。
【0057】
図12Cを参照すると、スリーブ210G1は、上面210G2、外壁210G3、および内壁210G4を有することができ、スリーブ210G1が容器150に連結されたとき、内壁210G4の少なくとも一部は容器150と接触することができる。任意選択的に、スリーブ210G1は、外壁210G3と内壁210G4との間に空洞(例えば、環状空洞)210G5を画定することができる。一実施態様では、空洞210G5は、サーマルマス材料130Gを収容することができる。一実施態様では、サーマルマス材料130Gは、移行する温度で吸熱状態から放熱状態に移行することができる相変化材料PCM(例えば、固体-固体PCM、固体-流体PCM)である。別の実施態様では、空洞210G5は除外され、スリーブ210G1は、代わりに、熱を吸収および放出することができるサーマル表面を有する内面210G4と外壁210G3との間に延在する壁を有する。
【0058】
スリーブ210G1は、任意選択的に、内壁210G4と熱連通するヒータ210G6(例えば、フレックスヒータ)を含むことができる(例えば、ヒータ210G6は、内壁210G4上に配置され、内壁210G4に埋め込まれ、内壁210G4の背後に配置され得る(例えば、空洞210G5内に配置される。スリーブ210G1は、その表面(例えば、上面210G2上)に1つ以上の電気接点210G7を有することができる。1つ以上の電気接点210G7は、ヒータ210G6と電気的に連通することができる。別の実施態様では、スリーブ210G1は、ヒータ210G6および1つ以上の電気接点210G7を除外することができる。
【0059】
動作中、スリーブ210G1が容器150に連結され、蓋Lが容器の入れ物120Gに対して閉位置にある状態で容器の入れ物120Gに挿入されている間、冷却システム200Gは、チャンバ126G1およびスリーブ210G1の一方または両方を冷却するように動作することができる。例えば、冷却システム200Gの1つ以上のTEC220Gは、スリーブ210G1の上面210G2に接触するヒートシンク表面を冷却することができ、それによって、また空洞210G5内の内壁210G4、外壁210G3、および任意選択のサーマルマス130G(例えば、PCM)と熱連通して配置される。これにより、TEC220Gは、スリーブ210G1を冷却し、それによってそれに取り付けられた容器150を冷却すると共に、任意選択のサーマルマス130G(例えば、PCM)をチャージすることができる。任意選択的に、スリーブ210G1がヒータ210G6を含む場合、システム200Gのコントローラは、ヒータ210G6を動作させて、容器150が使用のために容器の入れ物120Gから取り外される前に(例えば、室温まで、体温まで)容器150の内容物を加熱することができる(例えば、ペン型注射器を介するなどして、容器の内容物を使用者に適用するために)。例えば、コントローラは、蓋Lが容器の入れ物100に対して閉位置にあるときに、蓋L内の電気接点に接触する電気接点210G7を介してヒータ210G6に電力を供給することができる。
【0060】
一実施態様では、冷却システム200Gがスリーブ210G1およびその取り付けられた容器150を冷却すると、使用者は、任意選択的に、上述したように、容器150が取り付けられたスリーブ210G1を容器の入れ物120Gから取り外すことができ(例えば、旅行、通勤などのために)、チャージされたサーマルマス130Gは、上述したように、スリーブ210G1に取り付けられた容器150を、冷却状態で長期間維持することができる。
【0061】
図13は、冷却システム200Gを含む容器システム100G(例えば、カプセル容器)内のチャンバ126G1の別の実施態様を示す。上述したように、チャンバ126G1は、スリーブ210G1に取り付けられた容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れることができる。チャンバ126G1は、容器の入れ物100G内の後退位置と伸長位置との間で作動させることができる。図13に示すように、チャンバ126G1は、容器の入れ物100G内にばね付勢することができる。ガイド430は、後退位置と伸長位置との間のチャンバ126G1の移動を誘導することができる。
【0062】
一実施態様では、チャンバ126G1は、チャンバ126G1の底部とカム420との間に延在するばね410を任意選択的に含むことができる作動機構400を有することができる。ばね410は、圧縮ばねとすることができる。一実施態様では、カム240は、チャンバ126G1を後退位置に位置決めする第1の向きと、チャンバ126G2を伸長位置に位置決めする第2の向きとの間で移動することができる。その向きを変えるためのカム240の動きは、スリーブ210G1を押し下げることによって作動させることができる(例えば、スリーブ210G1の上面210G2上で)。チャンバ126G1の伸長位置への移動は、(例えば、上述したように、使用者による使用の準備ができたときに)チャンバ126G1からの容器150の(例えば、取り付けられたスリーブ210G1での)取り外しを容易にすることができる。
【0063】
任意選択的に、チャンバ126G1が伸長位置にあり、容器150がチャンバ126G1内にあり、スリーブ210G1に取り付けられている状態で、容器の入れ物120Gに対する蓋Lの閉位置への移動は、チャンバ126G1を容器の入れ物120G内に付勢し、カム420の移動を作動させて、チャンバ126G1を後退位置に移動させることができる。作動機構400は、チャンバ126G1および容器システム100Gに関連して説明されているが、本明細書に記載の作動機構400の特徴は、容器システム100、100E、100F、100Gについて本明細書で説明した他のすべての実施態様にも適用できることを当業者は理解する。
【0064】
図14A図14Bは、冷却システム200Gを含む容器システム100G(例えば、カプセル容器)内のチャンバ126G1の別の実施態様を示す。上述したように、チャンバ126G1は、スリーブ210G1に取り付けられた容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れることができる。チャンバ126G1は、容器の入れ物120G内の後退位置と伸長位置との間で作動させることができる。図14A図14Bに示すように、チャンバ126G1は、作動機構400’によって後退位置と伸長位置との間で作動させることができる。作動機構400’は、任意選択的に、チャンバ126G1の下方の容器の入れ物120G内に(例えば、チャンバ126G1の底部と容器の入れ物120Gの底部との間で)収容することができる。ガイド430は、後退位置と伸長位置との間のチャンバ126G1の移動を誘導することができる。
【0065】
図14Bを参照すると、作動機構400’は、リニアアクチュエータ410’と、リニアアクチュエータ410’を駆動するように動作可能なモータ420’とを含むことができる。リニアアクチュエータ410’は、モータ420’の出力シャフトに連結するカップリングを任意選択的に含むことができる。カップリング412’は、モータ420’がカップリング412’を回転させると回転するボールねじ414’に連結される。ボールねじ414’はボールねじナット416’に対して回転し、モータ420’がカップリング412’を回転させると、ボールねじナット416’はボールねじ414’に沿って移動する(例えば、カップリング412’が一方向に回転すると図の右方向に移動し、カップリング412’が逆方向に回転すると図の左方向に移動する)。ボールねじナット416’は、ねじ414’が回転するときにロッドがボールねじ414’の軸に沿って(少なくとも部分的にブッシング419’内で)並進するように、ロッドに取り付けることができる。ロッド418’の端部は、チャンバ126G1の底部と係合して、チャンバ126G1を、容器の入れ物120Gに対して後退位置と伸長位置との間で移動させることができる。しかし、他の実施態様では、作動機構400’は、他の適切な直線運動機構であってもよい(例えば、電気モータ420’の代わりに、ロッド418’を並進させるための空気圧または油圧システムを含むことができる)。作動機構400’は、チャンバ126G1および容器の入れ物120Gに関連して説明されているが、本明細書に記載の作動機構400’の特徴は、容器の入れ物100、100E、100F、100Gについて本明細書で説明した他のすべての実施態様にも適用できることを当業者は理解する。
【0066】
図15は、冷却システム200Gを含む容器システム100G(例えば、カプセル容器)内のチャンバ126G1の別の実施態様を示す。上述したように、チャンバ126G1は、スリーブ210G1に取り付けられた容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れることができる。チャンバ126G1は、容器の入れ物120G内の後退位置と伸長位置との間で作動させることができる。図15に示すように、チャンバ126G1は、作動機構400’’によって後退位置と伸長位置との間で作動させることができる。作動機構400’’は、任意選択的に、蓋L内に収容することができる。図示されていないが、ガイド(ガイド430と同様)は、後退位置と伸長位置との間のチャンバ126G1の移動を誘導することができる。
【0067】
図15を参照すると、作動機構400’’は磁石420’’を含むことができる。一実施態様では、磁石420’’は電磁石とすることができる。動作中、電磁石420’’は、スリーブ210G1(例えば、スリーブ210G1の上面210G2)をヒートシンク表面および/または1つ以上のTEC220Gと接触するように引き込んで、スリーブ210G1(したがって、スリーブ210G1に連結された容器150)を1つ以上のTEC220Gと熱連通させるように動作することができ、それは、スリーブ210G1および/または容器150および/またはチャンバ126G1を冷却するように動作することができる。電磁石420’’は、スリーブ210G1(およびそれに取り付けられた容器150)をヒートシンクおよび/または1つ以上のTEC220Gから変位させ、それによって容器150およびスリーブ210G1をTEC220Gから熱的に離すことを可能にするように、オフにするかまたは動作させないことが可能である。電磁石420’’は、例えば、使用者が容器150およびスリーブ210G1を容器の入れ物120Gから(例えば、通勤または旅行中に財布、バックパック、旅行バッグなどの別の区画に保管するために)取り外したい場合に、オフにするか係合解除することができる。作動機構400’’は、チャンバ126G1および容器の入れ物120Gに関連して説明されているが、本明細書に記載の作動機構400’’の特徴は、容器の入れ物100、100E、100F、100Gについて本明細書で説明した他のすべての実施態様にも適用できることを当業者は理解する。
【0068】
別の実施態様では、容器システム100、100E、100F、100Gは、移動または通勤などのために容器の入れ物120、120E、120F、120Fから完全に取り外すことができるチャンバ126、126E、126F1、126F2、126G1を有することができ、それにおいてチャンバは、容器150が使用できる状態になるまで容器150を(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器で使用するためなど)、ペン型注射器など)その中に保持する(例えば、走行パックを設ける)ことができる。
【0069】
図16A図16Cは、冷却システム200Hを含む容器システム100H(例えば、カプセル容器)を示す。容器システム100Hおよび冷却システム200Hは、図12A図12Cに関連して上述した容器システム100Gおよび冷却システム200Gと同様である。したがって、容器システム100Hおよび冷却システム200Hの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、図12A図12Cの容器システム100Gおよび冷却システム200Gの対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一であるが、ただし数値識別子に「G」の代わりに「H」が追加されている。したがって、図12A図12Cの容器システム100Gおよび冷却システム200Gの様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図16A図16Cの容器システム100Hおよび冷却システム200Hの対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0070】
図16に示すように、容器システム100Hは、容器の入れ物120Hおよび蓋Lを有する。蓋Lは、冷却システム200Gを含むことができる。容器の入れ物120Hは、任意選択的に、対応する1つ以上の開口部123Hに延びる1つ以上のチャンバ126Hを有することができる。図16は、6つのチャンバ126Hを有する容器の入れ物120Hを示しているが、当業者は、容器の入れ物120Hが図16に示すよりも多いまたは少ないチャンバ126Hを有することができることを認識する。容器の入れ物120Hのチャンバ126Hは、その中に対応するカプセル210Hを取り外し可能に保持することができる。一実施態様では、容器の入れ物120Hは、容器の入れ物120、120E、120F、120Gについて上で示し、上述したのと同じまたは同様の構造を有することができる。任意選択的に、容器の入れ物120Hは、真空断熱される、チャンバ126Hと容器の入れ物120Hの外面との間の空洞を有することができる。別の実施態様では、容器の入れ物120Hは真空断熱を排し、代わりに、空気で満たされる、チャンバ126Hと容器の入れ物120Hの外面との間の空隙または空洞を有することができる。さらに別の実施態様では、容器の入れ物120Hは、断熱材料を含む、チャンバ126Hと容器の入れ物120Hの外面との間の空隙または空洞を有することができる。
【0071】
引き続き図16を参照すると、カプセル210Hは、容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を一緒に囲むことができる容器部分210H1および蓋部分210H2を有する。蓋部分210H2は、容器部分210H1に対する(例えば、隣接する)閉位置と、容器部分210H1に対する(例えば、離間する)開位置との間で移動することができる。閉位置では、蓋部分210H2は、容器150がカプセル210Hから不用意に落下するのを抑制する(例えば、防止する)ために、容器部分210H1(例えば、蓋部分210H2および/または容器部分210H1の1つ以上の磁性面によって)に対して任意選択的に保持され得る。
【0072】
図16Aは、カプセル210Hの一実施態様を示し、容器部分210H1および蓋部分210H2は、外面210H3と、容器150を受け入れる空洞210H8を画定する内面210H4とを有する。容器部分210H1および蓋部分210H2はまた、内壁210H4と中間壁210H6との間に第1の空洞210H5を画定し、中間壁210H6と外面210H3との間に第2の空洞210H9を画定する、内面210H4と外面210H3との間の半径方向の1つ以上の中間壁210H6を有することができる。任意選択的に、第2の空洞210H5は、真空断熱にすることができる(すなわち、第2の空洞210H5は、真空または負圧力を受けることができる)。任意選択的に、第1の空洞210H5は、サーマルマス材料130Hを収容することができる。一実施態様では、サーマルマス材料130Hは、移行する温度で吸熱状態から放熱状態に移行することができる相変化材料PCM(例えば、固体-固体PCM、固体-流体PCM)である。別の実施態様では、空洞210H5は除外され、代わりにカプセル210Hは、熱を吸収および放出することができる、内面210H4と中間壁210H6との間に延在する壁を有する。
【0073】
引き続き図16Aを参照すると、カプセル210Hは、カプセル210Hの一端または両端に熱伝導性接点210H7を有する。熱伝導性接点210H7は金属で作ることができるが、他の熱伝導性材料で作ることもできる。一実施態様では、熱伝導性接点210H7は銅から作られる。熱伝導性接点210Hは、サーマルマス材料130Hと熱接触するように、外面210H3から内面210H4に、第1および第2の空洞210H5、210H9を通って延びることができる。
【0074】
動作中、容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)が、カプセル210Hに(例えば、容器部分210H1および蓋部分210H2内に)挿入され、次いでチャンバ126Hに挿入され、蓋Lが容器の入れ物120Hの上に閉じられると、熱伝導性接点210H7は、それ自体が1つ以上のTEC(例えば、図4のTEC220と同様)と熱連通している冷却システム200Gの低温側ヒートシンク(例えば、図4のヒートシンク210と同様)と熱連通して(例えば、熱接触、直接接触)配置され、1つ以上のTECは、低温側ヒートシンクから熱を除去する(例えば、冷却する)ように動作し、次に熱伝導性接点210H7から熱を除去する(例えば、冷却する)。次いで、熱伝導性接点210H7は、空洞210H8から熱を除去し、それによって容器150を冷却すると共に、空洞210H5内のサーマルマス材料130Hから熱を除去し、それによってサーマルマス材料130Hをチャージする。一実施態様では、低温側ヒートシンクは、熱伝導性接点210H7のうちの1つと熱的に接触する。別の実施態様では、低温側ヒートシンクは、熱伝導性接点210H7の両方に熱的に接触する。例えば、蓋L内の低温側ヒートシンクは、カプセル210Hの一端で熱伝導性接点210H7と熱的に接触することができると共に、カプセル210Hの反対側の端部で熱伝導性接点210H7とそれ自体が接触するチャンバ126Hの内壁と熱的に接触することができる。
【0075】
カプセル210Hは、(例えば、一度に1つ、一度に2つなどで)容器150と共に容器の入れ物120Hから取り外すことができる(例えば、通勤または旅行中に使用者の財布、バックパック、作業用バッグなどに配置するために)。任意選択的に、カプセル210Hは、容器150を長期間(例えば、約1時間~約15時間、約14時間、約1時間~約10時間、約1時間~約3時間、約2時間など)冷却状態に維持することができる。カプセル210Hは、容器150を約2℃~8℃の温度に維持することができる。カプセル210Hが容器150を受け入れるまたは収容し、次いで容器の入れ物120Hのチャンバ126Hに挿入されると、カプセル210Hは冷却システム200Hとインターフェースし、冷却システム200H間(例えば、冷却システム200Hの1つ以上のTEC220Hと容器150との間)の熱伝達インターフェースとして動作して、容器150を冷却および/または加熱するのを助けることができる。例えば、冷却システム200Hが容器150を冷却するために使用される場合、カプセル210Hは、カプセル210H内に配置された容器150の熱を除去する(例えば、冷却する)ためのヒートシンクとして機能することができる。
【0076】
一実施態様では、冷却システム200Hは、壁のコンセントに接続することができる電源コードPCを介して電力を受け取る。しかし、電源コードPCは、冷却システム200Hが壁のコンセント以外の電源から電力を受け取ることを可能にする他の適切なコネクタを有することができる。電源コードPCが接続された容器の入れ物120Hから、容器の入れ物120Hの縁部および蓋L上の1つ以上の電気接点を介して(例えば、図3に関連して上述した電気接点282と同様に)、蓋内の冷却システム200Hに電力を供給することができる。別の実施態様では、電源コードPCが除外され、容器の入れ物120Hは、蓋Lが容器の入れ物120Hの上に配置されたときに冷却システム200Hに電力を供給する(例えば、図3の接点282などの電気接点を介して)1つ以上のバッテリ(図4のバッテリ277など)を有することができる。
【0077】
図16B図16Cは、容器システム100H’および冷却システム200H’と共に使用するためのカプセル210H’の別の実施態様を示す。カプセル210H’、容器システム100H’および冷却システム200H’は、図16図16Aに関連して上述したカプセル210H、容器システム100Hおよび冷却システム200Hと同様である。したがって、カプセル210H、容器システム100H、および冷却システム200Hの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、数値識別子に「」が追加されていることを除いて、図16B図16Cのカプセル210H’、容器システム100H’、および冷却システム200H’の対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一である。したがって、図16図16Aのカプセル210H、容器システム100H、および冷却システム200Hの様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図16B図16Cのカプセル210H’、容器システム100H’、および冷却システム200H’の対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0078】
カプセル210H’は、熱伝導性接点210H7が除外される点でカプセル210Hとは異なる。カプセル210H’は、中間壁210H6’と外壁210H3’との間の空洞210H9’内に配置された可動マス162Hを有する。可動マス162Hは、任意選択的に磁石とすることができる。別の実施態様では、可動マス162Hは金属ブロックとすることができる。可動マス162Hは、任意選択的に、可動マス162Hとサーマルマス材料130H’との間の熱のブリッジとして動作する可撓性熱伝導性要素164Hによって中間壁210H6’に可動に連結することができる。一実施態様では、可撓性熱伝導性要素164Hは銅で作ることができる。しかし、可撓性熱伝導性要素164Hは、他の適切な熱伝導性材料で作ることができる。可撓性熱伝導性要素164Hは、一端が中間壁210H6’に取り付けられ、他端が可動マス162Hに取り付けられた板ばねまたは同様の弾性部材とすることができる。可動マス162Hは、任意選択的に、第2の空洞210H9’(例えば、真空断熱の空洞)内で、中間壁210H6’と接触する第1の位置と、カプセル210H’の外壁210H3’と接触する第2の位置との間を移動することができる。
【0079】
容器の入れ物120H’は、チャンバ126H’の壁に隣接する1つ以上の磁石160Hを含むことができる。一実施態様では、1つ以上の磁石160Hは永久磁石である。別の実施態様では、1つ以上の磁石160Hは電磁石である。1つ以上の磁石160Hは、冷却システム200H’の低温側ヒートシンクと(例えば、容器の入れ物120H’に蓋Lが配置されたときに低温側ヒートシンクと接触するチャンバ126H’の壁などの容器の入れ物120H’の壁または表面を介して)熱連通することができる。
【0080】
動作中、容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)が、カプセル210H’に(例えば、容器部分210HGおよび蓋部分210H2’に)挿入され、次いでチャンバ126H’に挿入され、蓋Lが容器の入れ物120H’上で閉じられると、容器の入れ物120H’内の1つ以上の磁石160Hは、可動マス162Hを引き込んで、カプセル210H’の外壁210H3’と接触させる。冷却システム200H’は、可撓性熱伝導性要素164Hを介してサーマルマス材料130H’から熱を引き出し、可動マス162H、外壁210H3’および磁石160Hの間の接点によって、(例えば、磁石160Hと熱連通する容器の入れ物120H’内の構成要素の表面からそれ自体が熱を引き出す低温側ヒートシンクから熱を引き出すための1つ以上のTECの動作を介して)カプセル210H’の空洞210H8’から熱を引き出す。熱がサーマルマス材料130H’から引き出されてそれをチャージすると、それはまた、内壁210H4’を介して空洞210H8’から熱を引き出す。したがって、磁石160Hおよび可動マス162H(例えば、磁石、金属部品)は、空洞210H9’(例えば、真空断熱の空洞)を通ってサーマルマス材料130H’への熱のブリッジを形成するように動作する。
【0081】
カプセル210H’は、(例えば、一度に1つ、一度に2つなどで)容器150と共に容器の入れ物120H’から取り外すことができる(例えば、通勤または旅行中に使用者の財布、バックパック、作業用バッグなどに配置するために)。任意選択的に、カプセル210H’は、容器150を長期間(例えば、約1時間~約15時間、約14時間、約1時間~約10時間、約1時間~約3時間、約2時間など)冷却状態に維持することができる。カプセル210H’は、容器150を約2℃~8℃の温度に維持することができる。
【0082】
カプセル210H、210H’は、任意選択的に、無線送信機および/または送受信機と、その中に配置された電源(例えば、バッテリ)とを有することができ(例えば、空洞210H9、210H9’内に配置される)、空洞210H8、210H8’と通信する温度センサを有することができる(例えば、内壁210H4、210H4’と熱的に接触している)。無線送信機および/または送受信機は、任意選択的に、例えば電子デバイス上のアプリを介して、カプセル210H、210H’と電子デバイス(例えば、スマートフォンなどのモバイル電子デバイス)との接続を可能にすることができ、カプセル210H’、210Hの内部温度を追跡するために、検知された温度情報を電子デバイスに送信することができる。任意選択的に、送信機および/または送受信機は、検知された温度が容器150内の薬剤の温度の範囲(例えば、所定の温度の範囲、予め選択された温度の限界)を超える場合、アプリを介した通知などの警告信号を、電子デバイス(例えば、視覚的警告、聴覚的警告)に送信することができる。カプセル210H、210H’が容器の入れ物120H、120H’のチャンバ126H、126H’に挿入されると、送信機および/または送受信機はまた、温度センサによって検知された検知温度データを、電子デバイスに無線で送信することができる。任意選択的に、容器の入れ物120H、120H’内にあるとき、カプセル210H、210H’内のバッテリを再充電することができる(例えば、誘導電力伝送を介して、または電気接点を介して)。容器150(および容器150内の薬剤)を所定の温度の範囲(例えば、2~8℃)以下に長期間(例えば、最大14時間、最大10時間、最大5時間、最大3時間など)維持することに加えて、カプセル210H、210H’は、カプセル210H、210H’が落下した場合に、その中の容器150を損傷(例えば、破損、漏出)から保護することができる。
【0083】
図17図17Bは、冷却システム200Iを含む容器システム100I(例えば、カプセル容器)を示す。容器システム100Iおよび冷却システム200Iは、図16図16Aに関連して上述した容器システム100Hおよび冷却システム200Hと同様である。したがって、容器システム100Iおよび冷却システム200Iの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、図16図16Aの容器システム100Hおよび冷却システム200Hの対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一であるが、ただし数値識別子に「H」の代わりに「I」が追加されている。したがって、図16図16Aの容器システム100Hおよび冷却システム200Hの様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図17図17Bの容器システム100Iおよび冷却システム200Iの対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0084】
図17に示すように、容器システム100Iは、容器の入れ物120Iおよび蓋Lを有する。蓋Lは、冷却システム200Iを含むことができる。容器の入れ物120Iは、対応する1つ以上の開口部123Iまで延在する1つ以上のチャンバ126Iを任意選択的に有することができ、各チャンバ126Iは、容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れて保持するように寸法決めされる。図17は、6つのチャンバ126Iを有する容器の入れ物120Iを示しているが、当業者は、容器の入れ物120Iが図17に示すよりも多いまたは少ないチャンバ126Iを有することができることを認識する。任意選択的に、容器の入れ物120Iは、開口部123I2まで延在するチャンバ126I2を有することができ、チャンバ126I2は、以下でさらに説明するように、それ自体が1つ以上の(例えば、1つ、2つなど)容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を保持することができるカプセル210Iを受け入れるよう寸法決めすることができる。
【0085】
一実施態様では、容器の入れ物120Iは、容器の入れ物120、120E、120F、120G、120Hについて上で示し、上述したのと同じまたは同様の構造を有することができる。任意選択的に、容器の入れ物120Iは、真空断熱される、チャンバ126Iと容器の入れ物120Iの外面との間の空洞を有することができる。別の実施態様では、容器の入れ物120Iは真空断熱を排し、代わりに、空気で満たされる、チャンバ126Iと容器の入れ物120Iの外面との間の空隙または空洞を有することができる。さらに別の実施態様では、容器の入れ物120Iは、チャンバ126Iと断熱材料を含む容器の入れ物120Iの外面との間に空隙または空洞を有することができる。
【0086】
図17A図17Bは、1つ以上の容器150(例えば、図17Aの2つの容器150)を一緒に封入することができる容器部分210I1および蓋部分210I2(ヒンジ211Iを介して取り付けられる)を有するカプセル210Iの一実施態様を示す。ヒンジ211Iは、蓋部分210I2が、容器部分210I1に対して閉位置と開位置との間で移動することを可能にする。閉位置では、蓋部分210I2は、容器150がカプセル210Iから不用意に落下するのを抑制する(例えば、防止する)ために、容器部分210I1(例えば、蓋部分210I2および/または容器部分210I1の1つ以上の磁性面によって)に対して任意選択的に保持され得る。
【0087】
容器部分210I1および蓋部分210I2は、容器150を受け入れる空洞210I8を画定する、外面210I3と内面210I4とを有する。容器部分210I1および蓋部分210I2はまた、内壁210I4と中間壁210I6との間に第1の空洞210I5を画定し、中間壁210I6と外面210I3との間に第2の空洞210I9を画定する、内面210I4と外面210I3との間の半径方向の中間壁210I6を有することができる。任意選択的に、第2の空洞210I5は、真空断熱にすることができる(すなわち、第2の空洞210I5は、真空または負圧力を受けることができる)。任意選択的に、第1の空洞210I5は、サーマルマス材料130Iを収容することができる。一実施態様では、サーマルマス材料130Iは、移行する温度で吸熱状態から放熱状態に移行することができる相変化材料PCM(例えば、固体-固体PCM、固体-流体PCM)である。別の実施態様では、空洞210I5は除外され、代わりにカプセル210Iは、熱を吸収および放出することができる、内面210I4と中間壁210I6との間に延在する壁を有する。
【0088】
動作中、容器150(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)がカプセル210Iに(例えば容器部分210I1に)挿入され、次いでチャンバ126Iに挿入され、蓋Lが容器の入れ物120I上に閉じられると、蓋部分210I2は容器部分210I1(図17図17A参照)に対して開位置にあることができ、それにより、空洞210I5内のサーマルマス材料130Iは、それ自体が1つ以上のTEC(例えば、図4のTEC220と同様)と熱連通している冷却システム200Iの低温側ヒートシンク(例えば、図4のヒートシンク210と同様)と熱連通して(例えば、熱接触、直接的な接触)配置されることが可能になり、1つ以上のTECは、低温側ヒートシンクから熱を除去する(例えば、冷却する)ように動作され、次に、カプセル210I内のサーマルマス材料130Iおよび空洞210I8、ならびにカプセル210Iの任意の容器150から熱を除去する(例えば、冷却する)。
【0089】
カプセル210Iは、(例えば、一度に1つ、一度に2つなどで)1つ以上の容器150と共に容器の入れ物120Iから取り外すことができる(例えば、通勤または旅行中に使用者の財布、バックパック、作業用バッグなどに配置するために)。任意選択的に、カプセル210Iは、容器150を長期間(例えば、約1時間~約15時間、約14時間、約1時間~約10時間、約1時間~約3時間、約2時間など)冷却状態に維持することができる。カプセル210Iは、容器150を約2℃~8℃の温度に維持することができる。
【0090】
カプセル210Iは、任意選択的に、無線送信機および/または送受信機と、その中に配置された電源(例えば、バッテリ)とを有することができ(例えば、空洞210I9内に配置される)、空洞210I8と通信する温度センサを有することができる(例えば、内壁210I4と熱的に接触している)。無線送信機および/または送受信機は、任意選択的に、例えば電子デバイス上のアプリを介して、カプセル210Iと電子デバイス(例えば、スマートフォンなどのモバイル電子デバイス)との接続を可能にすることができ、カプセル210Iの内部温度を追跡するために、検知された温度情報を電子デバイスに送信することができる。任意選択的に、送信機および/または送受信機は、検知された温度が容器150内の薬剤の温度の範囲(例えば、所定の温度の範囲、予め選択された温度の限界)を超える場合、アプリを介した通知などの警告信号を、電子デバイス(例えば、視覚的警告、聴覚的警告)に送信することができる。カプセル210Iが容器の入れ物120Iのチャンバ126Iに挿入されると、送信機および/または送受信機はまた、温度センサによって検知された検知温度データを、電子デバイスに無線で送信することができる。任意選択的に、容器の入れ物120I内にあるとき、カプセル210I内のバッテリを再充電することができる(例えば、誘導電力伝送を介して、または電気接点を介して)。容器150(および容器150内の薬剤)を所定の温度の範囲(例えば、2~8℃)以下に長期間(例えば、最大14時間、最大10時間、最大5時間、最大3時間など)維持することに加えて、カプセル210Iは、カプセル210Iが落下した場合に、その中の容器150を損傷(例えば、破損、漏出)から保護することができる。
【0091】
一実施態様では、冷却システム200Iは、壁のコンセントに接続することができる電源コードPCを介して電力を受け取る。しかし、電源コードPCは、冷却システム200Iが壁のコンセント以外の電源から電力を受け取ることを可能にする他の適切なコネクタを有することができる。電源コードPCが接続された容器の入れ物120Iから、容器の入れ物120Iの縁部および蓋L上の1つ以上の電気接点を介して(例えば、図3に関連して上述した電気接点282と同様に)、蓋内の冷却システム200Iに電力を供給することができる。別の実施態様では、電源コードPCが除外され、容器の入れ物120Iは、蓋Lが容器の入れ物120Iの上に配置されたときに冷却システム200Iに電力を供給する(例えば、図3の接点282などの電気接点を介して)1つ以上のバッテリ(図4のバッテリ277など)を有することができる。
【0092】
図18図18Bは、冷却システム200Jを含む容器システム100J(例えば、カートリッジ容器)を示す。容器システム100Jおよび冷却システム200Jは、図16図16Aに関連して上述した容器システム100Hおよび冷却システム200Hと同様である。したがって、容器システム100Jおよび冷却システム200Jの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、図16図16Aの容器システム100Hおよび冷却システム200Hの対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一であるが、ただし数値識別子に「H」の代わりに「J」が追加されている。したがって、図16図16Aの容器システム100Hおよび冷却システム200Hの様々な構成要素の構造および説明は、以下に説明するものを除いて、図18図18Bの容器システム100Jおよび冷却システム200Jの対応する構成要素にも適用されると理解されたい。
【0093】
図18に示すように、容器システム100Jは、容器の入れ物120Jおよび蓋Lを有する。蓋Lは、冷却システム200Jを含むことができる。容器の入れ物120Jは、対応する1つ以上の開口部123Jまで延在する1つ以上のチャンバ126Jを任意選択的に有することができ、各チャンバ126Jは、容器150J(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れて保持するように寸法決めされる。図16では、容器150Jは、以下でさらに説明するように、注射デバイス(例えば、ペン型注射器)170J(図18Bを参照)に別個に挿入することができるカートリッジである。容器の入れ物120Jは、開口部123Jおよびチャンバ126Jが、カートリッジである容器150Jを受け入れるような大きさであるという点で、容器の入れ物120Hとは異なる。図18は、6つのチャンバ126Jを有する容器の入れ物120Jを示し、それぞれが容器150J(例えば、カートリッジ)を取り外し可能に受け入れるように寸法決めされているが、当業者は、容器の入れ物120Jが図18に示すよりも多いまたは少ないチャンバ126Jを有することができることを認識する。
【0094】
一実施態様では、容器の入れ物120Jは、容器の入れ物120、120E、120F、120G、120H、120Iについて上で示し、上述したのと同じまたは同様の構造を有することができ、容器150を約2℃~8℃の温度の冷却状態に維持することができる。任意選択的に、容器の入れ物120Jは、真空断熱される、チャンバ126Jと容器の入れ物120Jの外面との間の空洞を有することができる。別の実施態様では、容器の入れ物120Jは真空断熱を排し、代わりに、空気で満たされる、チャンバ126Jと容器の入れ物120Jの外面との間の空隙または空洞を有することができる。さらに別の実施態様では、容器の入れ物120Jは、チャンバ126Jと断熱材料を含む容器の入れ物120Jの外面との間に空隙または空洞を有することができる。
【0095】
図18Aは、任意選択的に薬剤(例えば、エピネフリン、インスリン、ワクチンなど)を収容することができる容器150J(例えば、カートリッジ、ペン型注射器)の一実施態様を示し、容器150Jは、温度センサ152Jと、無線周波数識別(RFID)タグまたはチップ154Jとを有することができ、温度センサ152Jは、RFIDチップ154Jと通信している(例えば、電気的に接続される)。RFIDチップ154Jは、温度センサ152Jによって検知された温度データを記憶することができる。有利にも、温度センサ152Jは、容器150Jが物流センターを出るときから人物(消費者)の家に到着するときまで、およびそれが投与される必要があるときまで、容器150Jの温度を追跡することができる。温度センサ152Jによって検知された温度データは、RFIDチップ154Jに記憶され、それにより、容器150Jが物流センターを出るときから人物(消費者)の家に到着するときまで、およびそれが投与される必要があるときまで、容器150Jの温度の履歴を追跡することができる。一実施態様では、容器の入れ物120Jは、容器150Jが容器の入れ物120Jのチャンバ126Jに挿入されるとRFIDチップ154Jに記憶された温度履歴を取り込むとRFIDチップ154Jを読み取ることができる任意選択のRFIDリーダを有することができる。任意選択的に、容器システム100Jは、容器150J(例えば、カートリッジ)内の薬剤が送達され得ること(例えば、RFIDチップ154Jから読み取られた温度履歴が、容器150J内の薬剤が所定の温度の範囲内に維持されていたことを示し、そのため、薬剤は送達に有効であると考えられることを示しているということ)を、使用者に知らせる(例えば、容器の入れ物120Jのグラフィカルユーザインターフェースおよび容器システム100Jと組にされた電子デバイスのアプリの一方または両方を介して)ことができる。
【0096】
図18Bは、注射デバイス170J(例えば、自動注射デバイス)を示しており、使用前に(例えば、注射デバイス170Jの針を介してなど、容器150Jの薬剤を送達するために使用者に自動注射デバイスを適用する前に)容器150Jを挿入することができる。容器150J(例えば、カートリッジ)が容器の入れ物120Jから取り外されて注射デバイス170J内に配置されると、注射デバイス170J内の任意選択のRFIDリーダは、RFIDチップ154Jを読み取り、薬剤が送達され得る(例えば、RFIDチップ154Jから読み取られた温度履歴が、容器150内の薬剤が所定の温度の範囲に維持されていることを示し、その結果、薬剤は送達に有効であると考えられる)という警告を、使用者に(注射デバイス170Jのグラフィカルユーザインターフェースおよび注射デバイス170Jと組になる電子デバイスのアプリの一方または両方を介して)送信することができる。
【0097】
動作中、容器150J(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器などの薬剤容器)が、チャンバ126Jに挿入され、蓋Lが容器の入れ物120Jの上に閉じられると、容器150Jは、任意選択的に、それ自体が1つ以上のTEC(例えば、図4のTEC220と同様)と熱連通している冷却システム200Jの低温側ヒートシンク(例えば、図4のヒートシンク210と同様)と熱連通して(例えば、熱接触、直接的な接触)配置され、1つ以上のTECは、低温側ヒートシンクから熱を除去する(例えば、冷却する)ように動作し、次に容器の入れ物120J内の容器150Jから熱を除去する(例えば、冷却する)。
【0098】
任意選択的に、容器150Jは、任意選択的に、無線送信機および/または送受信機と、その中に配置された電源(例えば、バッテリ)とを有することができる。無線送信機および/または送受信機は、任意選択的に、例えば電子デバイスのアプリを介して、容器150Jと電子デバイス(例えば、スマートフォンなどのモバイル電子デバイス)との接続を可能にすることができ、(温度センサ152Jからの)検知された温度情報を、容器150Jの内部温度を追跡するために電子デバイスに送信することができる(例えば、RFIDチップ154Jを介して容器150Jの検知された温度履歴を追跡することに加えて、またはその代わりに)。任意選択的に、送信機および/または送受信機は、検知された温度が容器150J内の薬剤の温度の範囲(例えば、所定の温度の範囲、予め選択された温度の限界)を超える場合、アプリを介した通知などの警告信号を、電子デバイス(例えば、視覚的警告、聴覚的警告)に送信することができる。容器150Jが容器の入れ物120Jのチャンバ126Jに挿入されると、送信機および/または送受信機はまた、温度センサ152Jによって検知された検知温度データを、電子デバイスに無線で送信することができる。任意選択的に、容器の入れ物120J内にあるとき、容器150J内のバッテリを再充電することができる(例えば、誘導電力伝送を介して、または電気接点を介して)。
【0099】
一実施態様では、冷却システム200Jは、壁のコンセントに接続することができる電源コードPCを介して電力を受け取る。しかし、電源コードPCは、冷却システム200Jが壁のコンセント以外の電源から電力を受け取ることを可能にする他の適切なコネクタを有することができる。電源コードPCが接続された容器の入れ物120Jから、容器の入れ物120Jの縁部および蓋L上の1つ以上の電気接点を介して(例えば、図3に関連して上述した電気接点282と同様に)、蓋内の冷却システム200Jに電力を供給することができる。別の実施態様では、電源コードPCが除外され、容器の入れ物120Jは、蓋Lが容器の入れ物120Jの上に配置されたときに冷却システム200Jに電力を供給する(例えば、図3の接点282などの電気接点を介して)1つ以上のバッテリ(図4のバッテリ277など)を有することができる。
【0100】
図19Aは、冷却システム200Kを含む容器システム100K(例えば、薬剤冷却容器)を示す。容器システム100Kは、ほぼ箱の形状を有するが、他の実施態様では、容器システム100、100E、100F、100G、100H、100I、100Jと同様に、ほぼ円筒形またはチューブの形状を有することができる。一実施態様では、冷却システム200Kは、容器システム100Kの蓋L内にあることがあり、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200Jと同様(例えば、同じまたは類似の構成要素を有する)であってもよい。別の実施態様では、冷却システムは、容器の入れ物120Kの一部(例えば、容器の入れ物120Kの底部)に配置することができる。
【0101】
図19Aに示すように、容器システム100Kは、表示画面180Kを含むことができる。図19Aは、蓋Fの表示画面180Kを示しているが、代替的に(または追加的に)容器の入れ物120Kの側面122Kに組み込むことができる。表示画面180Kは、電子インクまたはEインクの表示(例えば、電気泳動インクディスプレイ)とすることができる。別の実施態様では、表示画面180Kはデジタルディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイまたはFCD、発光ダイオードまたはFEDなど)とすることができる。任意選択的に、表示画面180Kは、ラベル182K(例えば、発送人の住所、受取人の住所、マキシコード機械可読記号、QRコード(登録商標)、ルーティングコード、バーコード、および追跡番号のうちの1つ以上を有する出荷ラベル)を表示することができる。容器システム100Kはまた、ユーザインターフェース184Kを含むことができる。図19Aでは、ユーザインターフェース184Kは、蓋Fのボタンである。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kは、容器の入れ物120Kの側面122Kに配置される。一実施態様では、ユーザインターフェース184Kは押下可能ボタンである。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kは静電容量センサ(例えば、タッチセンサ)である。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kはスライド式スイッチ(例えば、スライドレバー)である。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kは、回転可能なダイヤルである。有利にも、ユーザインターフェース184Kの作動は、Eインク表示180Kに示される出荷ラベルの形態など、表示180Kに示される情報を変更することができる。例えば、ユーザインターフェース184Kの作動は、送信者および受信者に関連付けられたテキストを切り替えることができ、受信者がそれを使用し終えた後に容器システム100Kを送信者に戻すことを可能にする。
【0102】
図19Bは、容器システム100Kの電子機器500のブロック図を示す。電子機器500は、回路EM’を含む(例えば、プリント回路基板にある1つ以上のプロセッサを含む)ことができる。回路EM’は、1つ以上のバッテリPS’、表示画面180K、およびユーザインターフェース184Kと通信する。任意選択的に、メモリモジュール185Kは、回路EM’と通信する。一実施態様では、メモリモジュール185Kは、任意選択的に、回路EM’の他の構成要素と同じプリント回路基板に配置することができる。回路EM’は、任意選択的に、表示画面180Kに表示される情報を制御する。情報(例えば、送信者アドレス、受信者アドレスなど)は、入力モジュール186Kを介して回路EM’に通信することができる。入力モジュール186Kは、ワンド(例えば、表示画面180K上など、容器システム100K上で波打つ無線周波数またはRFワンドであって、ワンドは、出荷情報が収容されているコンピュータシステムに接続されている)を使用するなど、無線で(例えば、無線周波数またはRF通信を介して、赤外線またはIR通信を介して、WiFi 802.11を介して、BLUETOOTH(登録商標)を介してなど)そのような情報を受信することができる。入力モジュール186Kによって受信されると、情報は(例えば、表示画面180Kに表示される出荷ラベルの出荷情報は、メモリモジュール185Kに電子的に保存することができる)。有利にも、1つ以上のバッテリPS’は、電子機器500、したがって容器100Kの複数の使用(例えば、容器システム100Kの出荷中に最大1000回)のため表示画面180Kに電力を供給することができる。
【0103】
図20Aは、容器システム100Kを出荷するための1つの方法700Aのブロック図を示す。ステップ710において、容器150、150J(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器、ワクチン、薬剤、例えばインスリン、エピネフリンなどの薬剤容器)などの1つ以上の容器が、容器150、150Jのための配送施設などにおいて、容器システム100Kの容器の入れ物120Kに配置される。ステップ720において、すべての容器150、150Jを容器の入れ物120Kに装填し終えたら、蓋Lを容器の入れ物120Kの上で閉じる。任意選択的に、蓋Lは、容器の入れ物120Kにロックされる(例えば、デジタルコードなどのコードでオフにすることができる、蓋が閉じられたときに作動する電磁石を含む、磁気的に作動するロックを介して)。ステップ730において、情報(例えば、出荷ラベル情報)が容器システム100Kに通信される。例えば、上述したように、輸送情報を容器システム100Kの電子機器500の入力モジュール186Kに転送するために、無線周波数(RF)ワンドを容器システム100K上で(例えば、蓋Lの上で)ウェーブさせることができる。ステップ740において、容器システム100Kは、受取人(例えば、表示画面180Kの出荷ラベル182Kに表示される)に出荷される。
【0104】
図20Bは、容器100Kを戻すための方法700Bのブロック図を示す。ステップ750において、容器システム100Kを受け取った後、蓋Lを容器の入れ物120Kに対して開くことができる。任意選択的に、蓋Lを開く前に、蓋Lは、容器の入れ物100Kに対してロック解除される(例えば、出荷者から受取人に提供されたデジタルコードなどのコードを使用して)。ステップ760において、1つ以上の容器150、150Jが容器の入れ物120Kから取り出される。ステップ770において、蓋Lは、容器の入れ物120Kの上で閉じられる。ステップ780において、ユーザインターフェース184K(例えば、ボタン)は、表示画面180の送信者および受信者の情報を互いに切り替えるように作動され、有利にも、容器システム100Kを元の送信者に戻して、表示画面180Kに出荷情報を再入力する必要なく、再び使用することを可能にする。表示画面180Kおよびラベル182Kは、容器システム100K用のいずれの別個のラベルをも印刷する必要なく、容器システム100Kの輸送を有利にも容易にする。さらに、表示画面180Kおよびユーザインターフェース184Kは、容器システム100Kを送信者に(例えば、出荷情報を再入力する必要なしに、いずれかのラベルを印刷する必要なしに)戻すことを有利に容易にし、容器システム100Kは、同じまたは異なる受取人などに、容器150、150J(例えば、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)、ペン型注射器、ワクチン、薬剤、例えばインスリン、エピネフリンなどの薬剤容器)を再び出荷するために再利用することができる。腐敗しやすい材料(例えば、薬剤)の送達のための容器システム100Kの再利用は、容器の入れ物120K(例えば、1回の使用後に処分される、一般的に使用される段ボール製の容器と比較して)の再利用を可能にすることによって、輸送コストを有利に低減する。
【0105】
図21A図21Dは、遠隔電子デバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータなどのモバイル電子デバイス)で使用されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の異なる画面を示す。GUIは、有利にも、使用者が冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lとインターフェースして制御設定(例えば、容器150、150J内の異なる薬剤の温度のプリセット)を提供し、スケジューリング情報(例えば、容器150、150J内の薬剤の消費のため)を提供し、警告(例えば、冷却システムのバッテリの寿命、容器150、150Jの温度)を提供することを可能にする。GUIは、図21A図21Dの画面に示されていない追加情報を提供することができる。GUIを介して、使用者は、容器150、150Jの内容物を摂取する準備ができたときに冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lと通信することができ、システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lは、任意選択的に、容器150、150Jのうちの1つを所定の温度(例えば、体温、室温)に加熱し、任意選択的に、内容物(例えば、薬剤)が消費の準備態勢であるときに使用者に通知するべく、準備態勢のときに(GUIを介して)使用者に警告することができる。任意選択的に、容器の入れ物120、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120K、120Lが複数の容器150、150Jを含む場合、使用者は、GUIを介してシステム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lと通信して、容器の入れ物100内の残りの容器150、150Jが冷却状態のままである間に、(例えば、体温に対して)容器のうちの1つを準備する(例えば、加熱する)ことができる。任意選択的に、容器150、150Jが準備されると(例えば、加熱されると)、容器150、150J内の内容物(例えば、薬剤)が消費の準備ができていることを使用者に通知することに加えて、これは、チャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126Lを作動させて伸長位置(例えば、本明細書に開示される線形作動機構のうちの1つを介して)に移動させることもでき、その結果、使用者が容器の入れ物120、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120K、120Lから蓋を取り外すとき、使用者は、容器150、150Jのうちのどれが消費の準備ができているものであるか(例えば、どれが室温または体温に加熱されているか)を容易に識別することができ、その一方で、残りのチャンバ126、126’、126E、126F1、126F2、126G1、126Lは、後退位置に留まる。
【0106】
図22A図22Bは、冷却システム200Lを含む容器システム100L(例えば、カプセル容器)を示す。容器システム100Lおよび冷却システム200Lの特徴のいくつかは、図1図19Aの容器システム100~100Kおよび冷却システム200~200Kの特徴と同様である。したがって、容器システム100Lおよび冷却システム200Kの様々な構成要素を示すために使用される参照符号は、図1図19Aの容器システム100~100Kおよび冷却システム200~200Kの対応する構成要素を特定するために使用されるものと同一であるが、ただし数値識別子に「L」が追加されている。したがって、図1図19Aにおける容器システム100~100Kおよび冷却システム200~200Kの様々な特徴の構造および説明、ならびにそれがどのように動作および制御されるかは、以下に説明するものを除いて、図22A図22Bの容器システム100Lおよび冷却システム200Lの対応する特徴に適用されると理解される。
【0107】
容器システム100Lは、任意選択的に円筒形の容器の入れ物120Lを有する。容器の入れ物120Lは、容器の入れ物120Lの内容物を冷却し、および/または入れ物120Lの内容物を冷却状態または冷やした状態に維持するために、冷却システム200Lがもたらす能動的温度制御を備えた冷却器であり得る。任意選択的に、入れ物120Lは、その中に1つ以上(例えば、複数の)の別個の容器150(例えば、ペン型注射器、バイアル、カートリッジ(ペン型注射器用など)などの薬剤容器)を保持することができる。任意選択的に、容器の入れ物120Lに挿入することができる1つ以上(例えば、複数の)の別個の容器150は、薬剤(例えば、エピネフリン、インスリン、ワクチンなど)を収容することができる。
【0108】
容器の入れ物120Lは、開口部を有する近位端122Lと、ベース125Lを有する遠位端124Lとの間に延在する外壁121Lを有する。開口部は、近位端122Lに取り外し可能に取り付けられた蓋Lによって選択的に閉じられ、入れ物120Lは、冷却される内容物(例えば、1つ以上のバイアル、カートリッジ、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れて保持することができる開放チャンバ126Lを共に画定する内壁126ALおよびベース壁126BLを有する。入れ物120Lは、中間壁126CLが外壁121Lと内壁126ALとの間に少なくとも部分的に配置されるように、内壁126ALおよびベース壁126BLの周りに離間した中間壁126CLを任意選択的に有することができる。中間壁126CLは、中間壁126CLと内壁126ALおよびベース壁126BLとの間に空隙を画定するように、内壁126ALおよびベース壁126Bから離間している。空隙は、内壁126ALおよびベース126BLが入れ物120Lの中間壁126CLおよび外壁121Lに対して真空断熱されるように、任意選択的に真空下にあり得る。
【0109】
任意選択的に、内壁126AL、中間壁126BL、および外壁121Lのうちの1つ以上は、金属(例えば、ステンレス鋼)で作ることができる。一実施態様では、内壁126AL、ベース壁126BL、および中間壁126CLは、金属(例えば、ステンレス鋼)で作られる。別の実施態様では、入れ物120Lの1つ以上の部分(例えば、外壁121L、中間壁126CLおよび/または内壁126AL)は、プラスチックで作ることができる。
【0110】
入れ物120Lは、入れ物120Lのベース壁126BLとベース125Lとの間に空洞127Lを有する。空洞127Lは、任意選択的に、例えば、1つ以上のバッテリ277Lおよび冷却システム200Lの動作を制御する回路を備える1つ以上のプリント回路基板(PCBA)などの電子機器を収容することができる。一実施態様では、空洞127Lは、入れ物200Lの底部を通して使用者によって作動可能な電源ボタンまたはスイッチを任意選択的に収容することができる。任意選択的に、ベース125Lの少なくとも一部(例えば、ベース125Lのキャップ)は、空洞127L内の電子機器にアクセスする(例えば、1つ以上のバッテリ277Lを交換するために、PCBAなどの電子機器のメンテナンスを実行する)ために取り外し可能である。電源ボタンまたはスイッチは、使用者(例えば、冷却システム200Lをオンにするために押圧されることができ、冷却システム200Lをオフにするために押圧されることができ、冷却システム200Lをモバイル電子デバイスと組にするために押圧されることができるなどである)によってアクセス可能である。任意選択的に、電源スイッチは、ベース125Lのほぼ中央に配置することができる。
【0111】
冷却システム200Lは、任意選択的に、少なくとも部分的に入れ物120Lに収容される。一実施態様では、冷却システム200Lは、ペルチェ素子などの1つ以上の熱電素子(TEC)220Lと熱連通する第1のヒートシンク(低温側ヒートシンク)210Lを含むことができ、入れ物120Lのチャンバ126Lと熱連通することができる(例えば、内壁126ALとの接触を介して、チャンバ126Lの空気の伝導を介してなど)。入れ物120Lの外側の第1のヒートシンク210Lの部分は、入れ物120Lの外側および内側の第1のヒートシンク210Lの部分を相互接続する第1のヒートシンク210Lの部分(例えば、ブリッジ部分)を介して、入れ物120Lの内側の第1のヒートシンク210Lの部分と連通している。
【0112】
1つ以上のTEC220Lは、第1のヒートシンク(例えば、低温側ヒートシンク)210Lから熱を引き込み、それを第2のヒートシンク(高温側ヒートシンク)230Lに伝達するように、(例えば、回路によって)選択的に動作する。ファン280Lは、第2のヒートシンク230Lから熱を放散するために入れ物120L(例えば、入れ物120LのチャネルFP内に)内に空気を引き込むように選択的に動作可能であり、それによってTEC220Lが第1のヒートシンク210Lからさらに熱を引き込むことを可能にし、それにより、チャンバ126Lから熱を引き込む。ファン280Lの動作中、吸気流Fiは、入れ物120L内の1つ以上の吸気口203L(1つ以上の開口部を有する)を通って、第2のヒートシンク230L上に引き込まれ(空気の流れが第2のヒートシンク230Lから熱を除去する)、その後、排気の流れFoは、入れ物120Lの1つ以上の排気口205L(1つ以上の開口部を有する)から流出する。
【0113】
チャンバ126Lは、任意選択的に、1つ以上の(例えば、複数の)容器150(例えば、薬剤容器、例えば、ペン型注射器またはペン型注射器用カートリッジ、バイアルなど)を受け入れて保持する。一実施態様では、第1のヒートシンク210Lはアルミニウム製であってもよい。しかし、第1のヒートシンク210Lは、他の適切な材料(例えば、高い熱伝導率を有する金属)から形成されてもよい。
【0114】
電子機器(例えば、PCBA、バッテリ277L)は、ファン280LおよびTEC220Lと電気的に通信することができる。したがって、バッテリ277LからTEC220Lおよび/またはファン280Lに電力を供給することができ、回路(例えば、PCBAの中または上)は、TEC220Lおよび/またはファン280Lの動作を制御することができる。
【0115】
容器100Lは、任意選択的に、入れ物120Lの外面121L上に視覚的表示を有することができる(例えば、蓋L上で)。視覚的表示は、任意選択的に、チャンバ126L内の温度、第1のヒートシンク210Lの温度、周囲温度、1つ以上のバッテリ277Lの充電レベルまたはパーセンテージ、およびバッテリ277Lの再充電が必要とされるまでの残り時間などのうちの1つ以上を表示することができる。視覚的表示は、任意選択的に、冷却システム200Lがチャンバ126Lを冷却するように予め設定された温度を調整する(上げるまたは下げる)ためのユーザインターフェース(例えば、感圧ボタン、静電容量タッチボタンなど)を含むことができる。したがって、容器100Lの(例えば、冷却システム200Lの)動作は、容器100Lの表面上の視覚的表示およびユーザインターフェースを介して選択することができる。任意選択的に、視覚的表示は、1つ以上の隠しティル点灯LEDを含むことができる。任意選択的に、視覚的表示は、電気泳動または電子インク(e-ink)の表示を含むことができる。一変形例では、容器100Lは、選択的に(例えば、冷却システム200Lが動作していることを示すなど、容器100Lの1つ以上の動作機能を示すために)照らすことができる隠しティル点灯LEDを、任意選択的に含むことができる。LEDは、任意選択的に、容器100Lの1つ以上の動作状態を示すように選択的に動作可能な多色LEDとすることができる(例えば、正常動作の場合は緑色、バッテリの充電が少ない、または検知された周囲温度に対する冷却が不十分である、などの異常な動作の場合は赤色)。
【0116】
動作中、冷却システム200Lは、任意選択的に、電源ボタンを押すことによって作動させることができる。任意選択的に、冷却システム200Lは、付加的(または代替的)に冷却システム200L(例えば、回路の受信機または送受信機を用いて)と無線通信する携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータなどの遠隔電子デバイスを介して、遠隔で(例えば、無線)作動することができる。さらに別の実施態様では、冷却システム200Lは、蓋Lが入れ物120Lの閉位置にあるときにチャンバ126Lを自動的に冷却することができる。チャンバ126Lは、所定のおよび/または使用者が選択した温度もしくは温度の範囲まで冷却することができ、または容器150の内容物(例えば、インスリン、エピネフリン、ワクチンなど)に対応する予め設定された温度まで自動的に冷却することができる。使用者が選択した温度または温度の範囲は、容器100Lのユーザインターフェースを介して、および/または遠隔電子デバイスを介して選択することができる。
【0117】
一変形例では、容器システム100Lは、12VDC電力(例えば、1つ以上のバッテリ277L、または入れ物120Lが配置される電力ベースから)を使用して電力供給される。別の変形例では、容器システム100Lは、例えば電力ベースを使用して、120VACまたは240VACの電力を使用して電力供給される。容器100L内の回路は、電力のサージによる容器100Lの電子機器への損傷を抑制するためのサージプロテクタを含むことができる。容器システム100Lは、有利にも、組み立てが容易であり、使用が簡単である。例えば、入れ物120Lに冷却システム200を含めることにより、手の関節運動に制限がある使用者(例えば、関節炎に罹患している使用者)が、蓋Lを開いて容器150(例えば、ワクチン、インスリン、医療用容器)をチャンバ126Lから取り外すことが(例えば、より軽量である、またはより重さが軽いため)容易になる。蓋Lは、任意選択的に断熱され得る(例えば、低密度発泡スチロールなどの発泡断熱材で充填された中空プラスチック本体でできている)。
【0118】
本発明の特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例としてのみ提示され、本開示の範囲を限定することを意図していない。実際に、本明細書に記載される新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で実施されてもよい。例えば、本明細書に開示された特徴は、薬剤容器について記載されているが、薬剤容器ではない容器(例えば、食品のための携帯用クーラ、冷水クーラ/ボトル等)にも適用可能であり、本発明はそのような容器にも及ぶと理解される。さらに、本明細書に記載されるシステムおよび方法における様々な省略、置換、および、変更は、本開示の精神から逸脱することなく行われ得る。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および精神内に含まれるように、このような形態および変更を包含することが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0119】
特定の態様、実施形態、または実施例に関連して記載される特徴、材料、特性、またはグループは、本明細書のこの箇所または他の箇所で記載される任意の他の態様、実施形態、または実施例と矛盾しない限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示された全ての特徴(添付の特許請求の範囲、要約、および図面を含む)、および/または開示された方法またはプロセスの全てのステップは、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。保護は、上記実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)に開示された特徴の任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規な1つ、または任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0120】
さらに、別の実施の文脈で本開示に記載される特定の特徴は、単一の実施において組み合わせて実施することもできる。反対に、単一の実施の文脈で記載される様々な特徴は、複数の実施で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述されてもよいが、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては組み合わせから削除されてもよく、組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションとして特許請求されてもよい。
【0121】
さらに、動作は、図面に示される、または特定の順序で本明細書に記載されてもよいが、そのような動作は、所望の結果を達成するために、示された特定の順序または順番、またはすべての動作が実行される必要はない。示されていないまたは記載されていない他の動作を、例示的な方法およびプロセスに組み込むことができる。例えば、1つ以上の追加の動作を、説明した動作のいずれかの前、後、同時、または、その間に実行することができる。さらに、動作は、他の実施形態では再配置または再順序付けされてもよい。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示および/または開示されたプロセスにおいて行われる実際のステップは、図面に示されたものとは異なり得ることを理解できる。実施形態に応じて、上述のステップのうちのいくつかを除去することができ、他のステップを追加することができる。さらに、上記開示された特定の実施形態の特徴および属性は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、それらのすべては本開示の範囲内にある。また、上述の実施態様での様々なシステム部品の分離は、すべての実施形態でのそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明される部品およびシステムは、一般的に、単一の製品に一体化される、または複数の製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0122】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および、新規な特徴について本明細書に説明する。必ずしもすべてのそのような利点が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が本明細書で教示または示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点のグループを達成する方法で実施または実行され得ることを認識できる。
【0123】
「可能」、「できる」、「かもしれない」、「してもよい」などの条件用語は、特に断りのない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、一般的に、特定の実施形態が含まれることを伝えるように意図されているが、他の実施形態は、特定の特徴、要素、および/またはステップを含まない。したがって、そのような条件用語は、一般的に、特徴、要素、および/またはステップが1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、または1つ以上の実施形態がユーザ入力の有無または迅速性にかかわらず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれているか、または実施形態で実行されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを暗示することを意図する。
【0124】
特に断りのない限り、句「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」などの結合用語は、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれかであり得ることを伝えるために一般的に使用される文脈とは別に理解される。したがって、このような結合用語は、特定の実施形態が少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、および少なくとも1つのZの存在を必要とすることを一般的に暗示することを意図していない。
【0125】
本明細書で使用される用語「略」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」などは、所望の機能を実行するまたは所望の結果を達成する記載された値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、用語「略」、「約」、「一般的に」、および「実質的に」は、記載された量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、および0.01%未満の範囲内である量を意図することもできる。別の実施形態では、用語「一般的に平行」および「実質的に平行」は、15度、10度、5度、3度、1度、または0.1度以下の許容範囲を有する値、量、または特性を意図する。
【0126】
本開示の範囲は、この箇所または本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されるようには意図されておらず、この箇所または本明細書の他の箇所に提示されるように、あるいは将来提示されるように、特許請求の範囲によって定義されてもよい。特許請求の範囲の用語は、特許請求の範囲に採用された用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載された例に限定されるものではなく、出願手続き中においても広く解釈されるべきであり、これらの例は、非排他的なものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13
図14A
図14B
図15
図16
図16A
図16B
図16C
図17
図17A
図17B
図18
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B
【手続補正書】
【提出日】2021-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動的温度制御を備える可搬式冷却器容器であって、
薬剤の1つ以上の容器を受け入れて保持するように構成されたチャンバを有する容器本体と、
前記チャンバにアクセスするために前記容器本体に取り外し可能に連結可能な蓋と、
温度制御システムと、を備え、
前記温度制御システムは、
前記チャンバの少なくとも一部を能動的に加熱または冷却するように構成された1つ以上の熱電素子と、
1つ以上の蓄電素子と、
前記チャンバの少なくとも一部を所定の温度または温度の範囲まで加熱または冷却するように前記1つ以上の熱電素子の動作を制御するように構成された回路と、
前記容器本体および前記蓋の一方に配置され、前記可搬式冷却器容器の出荷情報を選択的に表示するように構成された表示画面と、を備える、可搬式冷却器容器。
【請求項2】
前記表示画面の送信者および受信者の情報を自動的に切り替えて、前記送信者に前記可搬式冷却器容器が戻るのを促進するために、使用者によって作動可能なボタンまたはタッチスクリーンをさらに備える、請求項1に記載の可搬式冷却器容器
【請求項3】
能動的温度制御を備える可搬式冷却器容器であって、
1つ以上の量の腐敗しやすい流体を受け入れて保持するように構成されたチャンバを有する容器本体であって、前記チャンバが、前記容器本体のベースおよび内周壁によって画定される、容器本体と、
前記チャンバにアクセスするために前記容器本体に取り外し可能に連結可能な蓋と、
温度制御システムと、を備え、
前記温度制御システムは、
前記チャンバの少なくとも一部を能動的に加熱または冷却するように構成された1つ以上の熱電素子と、
1つ以上の蓄電素子と、
前記チャンバの少なくとも一部を所定の温度または温度の範囲まで加熱または冷却するように前記1つ以上の熱電素子の動作を制御するように構成された回路と、を備える、可搬式冷却器容器。
【請求項4】
前記本体は、外周壁と、前記外周壁に取り付けられた底部とを備え、前記内周壁は、前記内周壁と前記外周壁との間に空隙を画定するように前記外周壁に対して離間しており、前記ベースは、前記ベースと前記底部との間に空洞を画定するように前記底部から離間しており、前記1つ以上のバッテリおよび回路は、前記空洞内に少なくとも部分的に配置されている、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項5】
前記空隙が真空下にある、請求項4に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項6】
前記空隙が、内部に相変化材料を含む、請求項4に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項7】
前記1つ以上の熱電素子が前記蓋に収容され、前記温度制御システムは、前記1つ以上の熱電素子の一方の側と熱連通する第1のヒートシンクユニットと、前記1つ以上の熱電素子の反対側と熱連通する第2のヒートシンクユニットと、1つ以上のファンと、をさらに備え、前記1つ以上のファン、第1のヒートシンクユニットおよび第2のヒートシンクユニットは、前記蓋に少なくとも部分的に収容され、前記第1のヒートシンクは、それらの間に1つ以上の薬剤容器を解放可能に受け入れるように構成された複数の突起またはスロットを有する、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項8】
前記蓋が前記容器本体に連結されたときに前記蓋の1つ以上の電気接点に接触するように構成された前記容器本体の縁部の1つ以上の電気接点をさらに備え、前記回路は、前記蓋が前記容器本体に連結されたときに前記1つ以上の熱電素子および1つ以上のファンの前記動作を制御する、請求項7に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項9】
前記チャンバまたは温度制御システムの前記1つ以上のパラメータを検知し、前記検知された情報を前記回路に伝達するように構成された1つ以上のセンサをさらに備える、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項10】
前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つは、前記チャンバ内の温度を検知し、前記検知された温度を前記回路に伝達するように構成された温度センサであり、前記回路は、前記検知された温度データを前記クラウドベースのデータ記憶システムまたは遠隔電子デバイスに伝達するように構成されている、請求項9に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項11】
前記1つ以上のバッテリの充電レベルを示す情報を表示するように構成されたユーザインターフェースをさらに備える、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項12】
前記チャンバは、2つの離間した部分チャンバを含む、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項13】
1つ以上のチャンバを前記容器本体の後退位置から前記容器本体の伸長位置に移動させるように動作可能な直線作動機構をさらに備える、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項14】
ある量の腐敗しやすい流体に連結可能であり、前記チャンバに配置され、前記1つ以上の熱電素子と熱連通するように作動されるように構成されたスリーブをさらに備える、請求項3に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項15】
前記スリーブは、前記スリーブおよび前記ある量の腐敗しやすい流体が前記容器本体から除去されたときに前記ある量の腐敗しやすい流体を冷却状態に維持するように構成されたサーマルマスを有する、請求項14に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項16】
前記サーマルマスは、前記スリーブの内壁と外壁との間に画定された、空洞に配置された前記スリーブのある量の相変化材料である、請求項15に記載の可搬式冷却器容器。
【請求項17】
前記スリーブは、使用者による消費の前に前記ある量の腐敗しやすい流体を加熱するように作動可能なヒータを備える、請求項14に記載の可搬式冷却器容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
容器の入れ物120は、開口部123を有する近位端122と、ベース125を有する遠位端124との間に延在する外壁121を有する。開口部123は、近位端122に取り外し可能に取り付けられた蓋Lによって選択的に閉じられる。図4に示すように、入れ物120は、冷却される内容物(例えば、1つ以上のバイアル、カートリッジ、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れて保持することができる開放チャンバ126を共に画定する内壁126Aおよびベース壁126Bを有する。入れ物120は、中間壁126Cが外壁121と内壁126Aとの間に少なくとも部分的に配置されるように、内壁126Aおよびベース壁126Bの周りに離間した中間壁126Cを任意選択的に有することができる。中間壁126Cは、中間壁126Cと内壁126Aおよびベース壁126Bとの間に空隙Gを画定するように、内壁126Aおよびベース壁126Bから離間している。空隙Gは、内壁126Aおよびベース126Bが入れ物120の中間壁126Cおよび外壁121に対して真空で断熱されるように、任意選択的に真空下にあり得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
図1図9を参照すると、容器100の本体120は、任意選択的に、本体120の外121に視覚的表示を有することができる。視覚的表示は、任意選択的に、チャンバ126、126’の温度、第1のヒートシンク210の温度、周囲温度、1つ以上のバッテリ277の充電レベルまたは百分率、およびバッテリ277の再充電が必要とされるまでの残り時間などのうちの1以上を表示することができる。視覚的表示は、任意選択的に、冷却システム200がチャンバ126、126’を冷却するように予め設定された温度を調整(上昇または下降)するためのユーザインターフェース(例えば、感圧ボタン、静電容量タッチボタンなど)を含むことができる。したがって、容器100の(例えば、冷却システム200の)動作は、容器100の表面の視覚的表示およびユーザインターフェースを介して選択することができる。任意選択的に、視覚的表示は、1つ以上の隠しティル点灯LEDを含むことができる。任意選択的に、視覚的表示は、電子インク(e-ink)の表示を含むことができる。一変形例では、容器100は、選択的に(例えば、冷却システム200が動作していることを示すなど、容器100の1つ以上の動作機能を示すために)照らすことができる隠しティル点灯LED140を、任意選択的に含むことができる。LED140は、任意選択的に、容器100の1つ以上の動作状態を示すように選択的に動作可能な多色LEDとすることができる(例えば、正常動作の場合は緑色、バッテリの充電が少ない、または検知された周囲温度に対する冷却が不十分である、などの異常な動作の場合は赤色)。視覚的表示は、容器システム100に関連して説明されているが、当業者は、容器システム100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100Lについて本明細書で説明した他のすべての実施態様にも適用できることを理解する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
動作中、冷却システム200は、任意選択的に、電源ボタンを押すことによって、作動させることができる。任意選択的に、冷却システム200は、付加的(または代替的)に冷却システム200(例えば、回路278の受信機または送受信機を用いて)と無線通信する携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータなどの遠隔電子デバイス600を介して、遠隔で(例えば、無線)作動することができる。さらに別の実施態様では、冷却システム200は、蓋Lが、蓋Lが入れ物120、120’に連結される入れ物120、120’に連結されたとき(例えば、圧力センサ、近接センサ、荷重センサ、光センサなどからの信号を、例えばPCBA278内またはその上の回路によって受信すると)、チャンバ126、126’を自動的に冷却することができる。チャンバ126、126’は、所定のおよび/または使用者が選択した温度もしくは温度の範囲まで冷却することができ、または容器150の内容物(例えば、インスリン、エピネフリン、ワクチンなど)に対応する予め設定された温度まで自動的に冷却することができる。使用者が選択した温度または温度の範囲は、容器100のユーザインターフェースを介して、および/または遠隔電子デバイス600を介して選択することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
別の変形例では、回路278および1つ以上のバッテリ277は、入れ物120、120’、120E、120Fの遠位端124に取り付けられる取り外し可能なパック(例えば、DeWaltバッテリパック)にあってもよく、取り外し可能なパックの1つ以上の接点は、入れ物120、120’、120E、120F、120Gの遠位端124の1つ以上の接点に接触する。入れ物120、120’、120E、120F、120Gの遠位端124の1つ以上の接点は、冷却システム200、200E、200F、200G、200H、200I、200J、200K、200Lの構成要素に電力を供給するために、(1つ以上のワイヤまたは1つ以上の中間構成要素を介して)入れ物120、120E、120F、120G、120H、120I、120J、120Kの近位122の電気接続と電気的に接続される、または上述のように電気的に接続される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
スリーブ210G1は、任意選択的に、内壁210G4と熱連通するヒータ210G6(例えば、フレックスヒータ)を含むことができる(例えば、ヒータ210G6は、内壁210G4上に配置され、内壁210G4に埋め込まれ、内壁210G4の背後に配置され得る(例えば、空洞210G5内に配置される))。スリーブ210G1は、その表面(例えば、上面210G2上)に1つ以上の電気接点210G7を有することができる。1つ以上の電気接点210G7は、ヒータ210G6と電気的に連通することができる。別の実施態様では、スリーブ210G1は、ヒータ210G6および1つ以上の電気接点210G7を除外することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
図19Aに示すように、容器システム100Kは、表示画面180Kを含むことができる。図19Aは、蓋Fの表示画面180Kを示しているが、代替的に(または追加的に)容器の入れ物120Kの側面122Kに組み込むことができる。表示画面180Kは、電子インクまたはEインクの表示(例えば、電気泳動インクディスプレイ)とすることができる。別の実施態様では、表示画面180Kはデジタルディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイまたはFCD、発光ダイオードまたはFEDなど)とすることができる。任意選択的に、表示画面180Kは、ラベル182K(例えば、発送人の住所、受取人の住所、マキシコード機械可読記号、QRコード(登録商標)、ルーティングコード、バーコード、および追跡番号のうちの1つ以上を有する出荷ラベル)を表示することができる。容器システム100Kはまた、ユーザインターフェース184Kを含むことができる。図19Aでは、ユーザインターフェース184Kは、蓋Fのボタンである。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kは、容器の入れ物120Kの側面122Kに配置される。一実施態様では、ユーザインターフェース184Kは押下可能ボタンである。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kは静電容量センサ(例えば、タッチセンサ)である。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kはスライド式スイッチ(例えば、スライドレバー)である。別の実施態様では、ユーザインターフェース184Kは、回転可能なダイヤルである。有利にも、ユーザインターフェース184Kの作動は、Eインク表示画面180Kに示される出荷ラベルの形態など、表示画面180Kに示される情報を変更することができる。例えば、ユーザインターフェース184Kの作動は、送信者および受信者に関連付けられたテキストを切り替えることができ、受信者がそれを使用し終えた後に容器システム100Kを送信者に戻すことを可能にする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0102】
図19Bは、容器システム100Kの電子機器500のブロック図を示す。電子機器500は、回路EM’を含む(例えば、プリント回路基板にある1つ以上のプロセッサを含む)ことができる。回路EM’は、1つ以上のバッテリPS’、表示画面180K、およびユーザインターフェース184Kと通信する。任意選択的に、メモリモジュール185Kは、回路EM’と通信する。一実施態様では、メモリモジュール185Kは、任意選択的に、回路EM’の他の構成要素と同じプリント回路基板に配置することができる。回路EM’は、任意選択的に、表示画面180Kに表示される情報を制御する。情報(例えば、送信者アドレス、受信者アドレスなど)は、入力モジュール186Kを介して回路EM’に通信することができる。入力モジュール186Kは、ワンド(例えば、表示画面180K上など、容器システム100K上で波打つ無線周波数またはRFワンドであって、ワンドは、出荷情報が収容されているコンピュータシステムに接続されている)を使用するなど、無線で(例えば、無線周波数またはRF通信を介して、赤外線またはIR通信を介して、WiFi 802.11を介して、BLUETOOTH(登録商標)を介してなど)そのような情報を受信することができる。入力モジュール186Kによって受信されると、表示画面180Kに表示される情報は(例えば、出荷ラベルの出荷情報は、メモリモジュール185Kに電子的に保存することができる。有利にも、1つ以上のバッテリPS’は、電子機器500、したがって容器100Kの複数の使用(例えば、容器システム100Kの出荷中に最大1000回)のため表示画面180Kに電力を供給することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0108】
容器の入れ物120Lは、開口部を有する近位端122Lと、ベース125Lを有する遠位端124Lとの間に延在する外壁121Lを有する。開口部は、近位端122Lに取り外し可能に取り付けられた蓋Lによって選択的に閉じられ、入れ物120Lは、冷却される内容物(例えば、1つ以上のバイアル、カートリッジ、ペン型注射器などの薬剤容器)を受け入れて保持することができる開放チャンバ126Lを共に画定する内壁126ALおよびベース壁126BLを有する。入れ物120Lは、中間壁126CLが外壁121Lと内壁126ALとの間に少なくとも部分的に配置されるように、内壁126ALおよびベース壁126BLの周りに離間した中間壁126CLを任意選択的に有することができる。中間壁126CLは、中間壁126CLと内壁126ALおよびベース壁126BLとの間に空隙を画定するように、内壁126ALおよびベース壁126Bから離間している。空隙は、内壁126ALおよびベース126BLが入れ物120Lの中間壁126CLおよび外壁121Lに対して真空断熱されるように、任意選択的に真空下にあり得る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
容器100Lは、任意選択的に、入れ物120Lの外121L上に視覚的表示を有することができる(例えば、蓋L上で)。視覚的表示は、任意選択的に、チャンバ126L内の温度、第1のヒートシンク210Lの温度、周囲温度、1つ以上のバッテリ277Lの充電レベルまたはパーセンテージ、およびバッテリ277Lの再充電が必要とされるまでの残り時間などのうちの1つ以上を表示することができる。視覚的表示は、任意選択的に、冷却システム200Lがチャンバ126Lを冷却するように予め設定された温度を調整する(上げるまたは下げる)ためのユーザインターフェース(例えば、感圧ボタン、静電容量タッチボタンなど)を含むことができる。したがって、容器100Lの(例えば、冷却システム200Lの)動作は、容器100Lの表面上の視覚的表示およびユーザインターフェースを介して選択することができる。任意選択的に、視覚的表示は、1つ以上の隠しティル点灯LEDを含むことができる。任意選択的に、視覚的表示は、電気泳動または電子インク(e-ink)の表示を含むことができる。一変形例では、容器100Lは、選択的に(例えば、冷却システム200Lが動作していることを示すなど、容器100Lの1つ以上の動作機能を示すために)照らすことができる隠しティル点灯LEDを、任意選択的に含むことができる。LEDは、任意選択的に、容器100Lの1つ以上の動作状態を示すように選択的に動作可能な多色LEDとすることができる(例えば、正常動作の場合は緑色、バッテリの充電が少ない、または検知された周囲温度に対する冷却が不十分である、などの異常な動作の場合は赤色)。
【国際調査報告】