(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-02
(54)【発明の名称】頭部固定装置用ロッカーアームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 90/14 20160101AFI20220222BHJP
【FI】
A61B90/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539895
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2020000022
(87)【国際公開番号】W WO2020144537
(87)【国際公開日】2020-07-16
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520051861
【氏名又は名称】プロ メッド インストゥルメンツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】シューエル、マティアス、イー.
(72)【発明者】
【氏名】マーティンズ、ジャン、エイチ.
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 頭部固定装置は、2若しくはそれ以上の接触部材を有するアセンブリを含む。前記アセンブリは、いくつかの実施形態において、非曲線状である。いくつかの実施形態において、前記アセンブリのアームは40度未満の湾曲度を成すが、30度未満の湾曲度を成すことがより好適である。少なくともいくつかの実施形態では、前記2若しくはそれ以上の接触部材のうちの少なくとも2つの接触部は、頭蓋骨における略平面である部分または実質的に平面である部分に対して接触する際に、頭蓋骨に対して約90度の接触角を形成する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の頭部を安定させるための頭部固定装置とともに使用される装置であって、
前記患者の頭部に接触するように構成された2つ若しくはそれ以上の接触部材を有し、
当該装置は、前記2若しくはそれ以上の接触部材の各々が、前記患者の頭部に接触するように構成された当該接触部材の遠位端部を通って延長する縦軸を画定するように構成されているものであり、
2つの前記縦軸によって形成される角度は約30度未満である、
装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約20度未満である、装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約10度未満である、装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約0度である、装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材のうち少なくとも2つは、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に接触するように構成されているものである、装置。
【請求項10】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材は当該装置によって選択的に保持されるものである、装置。
【請求項11】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材は、当該装置と一体構造として形成されるものである、装置。
【請求項12】
請求項1記載の装置において、当該装置は前記2若しくはそれ以上の接触部材を有する、若しくは保持するように構成されたアームを有するものである、装置。
【請求項13】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材は頭蓋骨用ピンを有するものである、装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材はパッドを有するものである、装置。
【請求項15】
請求項1記載の装置において、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々は前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角を形成し、
前記接触角は約90度であり、前記接触角は穿通角である、
装置。
【請求項16】
請求項1記載の装置において、当該装置は、前記2若しくはそれ以上の接触部材を有する、若しくは保持するように構成されたアームを備えるロッカーアームアセンブリを有するものである、装置。
【請求項17】
請求項16記載の装置において、前記ロッカーアームアセンブリの前記アームは非曲線状である、装置。
【請求項18】
請求項16記載の装置において、前記アームは、前記2若しくはそれ以上の接触部材のうちの1つを保持するように構成された2若しくはそれ以上の穴部を有するものである、装置。
【請求項19】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材の少なくとも2つは、約50mm~約90mmの間隔を置いて配置されているものである、装置。
【請求項20】
請求項1記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材の少なくとも2つは、約20mm~約50mmの間隔を置いて配置されているものである、装置。
【請求項21】
患者の頭部を安定させるための頭部固定装置とともに使用されるロッカーアームアセンブリであって、
2若しくはそれ以上の穴部を有するアームを有し、当該穴部の各々は、前記患者の頭部に接触するように構成された接触部材を選択的に保持するように構成されているものであり、
前記穴部の各々は縦軸を画定し、当該縦軸のうち2つの縦軸の間に形成される角度は約30度未満である、
ロッカーアームアセンブリ。
【請求項22】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項23】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約20度未満である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項24】
請求項23記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項25】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約10度未満である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項26】
請求項25記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項27】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約0度である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項28】
請求項27記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、
前記接触角は約90度である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項29】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材は、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に接触するように構成されているものである、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項30】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸を画定する前記穴部の各々は前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角を形成し、
前記接触角は約90度であり、前記接触角は穿通角である、
ロッカーアームアセンブリ。
【請求項31】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記アームは非曲線状である、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項32】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2若しくはそれ以上の穴部の少なくとも2つは、約50mm~約90mmの間隔を置いて配置されているものである、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項33】
請求項21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2若しくはそれ以上の穴部の少なくとも2つは、約20mm~約55mmの間隔を置いて配置されているものである、ロッカーアームアセンブリ。
【請求項34】
患者の頭部を安定させるための頭部固定装置であって、
ロッカーアームアセンブリを有し、
前記ロッカーアームアセンブリは、2若しくはそれ以上の接触部材を選択的に保持するように構成されたアームを有し、
前記2若しくはそれ以上の接触部材は、前記患者の頭部の略平面である部分に接触するように構成されているものであり、
前記接触部材の少なくとも2つは、前記患者の頭部の略平面である部分に対して約90度の接触角を形成するものである、
頭部固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年1月10日付で出願され、「ROCKER ARM ASSEMBLY FOR HEAD FIXATION DEVICE(頭部固定装置用ロッカーアームアセンブリ)」と題する、米国特許仮出願第62/790,785号、および2019年1月31日付で出願され、「ROCKER ARM ASSEMBLY FOR HEAD FIXATION DEVICE(頭部固定装置用ロッカーアームアセンブリ)」と題する、米国特許仮出願第62/799,425号に対して優先権を主張するものであり、当該米国特許仮出願の開示はこの参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書で開示された装置および方法は、患者の安定化に関し、特に、頭部安定化装置として知られ、また頭部固定装置とも呼ばれる安定化装置(以下、「HFDs」または、単数形の場合「HFD」と言う。)を用いた、頭部および頸部の安定化に関する。頭部固定装置(HFDs)は、様々な外科処置および医療処置において使用され、例えば、患者の頭部を確実に保持することが望ましい、頭部または頸部の手術若しくは検査において使用される。頭部固定装置(HFDs)は、患者の頭部に接触するように構成された様々な構成要素を含んでもよく、このような構成要素の一部には、ピンまたはパッド保持体アセンブリ内に保持される頭蓋骨用ピンまたはパッドが含まれる。本明細書に開示された装置および方法は、様々なピンまたはパッド保持体アセンブリに関する。様々な安定化装置および当該装置の構成要素が作製かつ使用されてきたが、本明細書に記載した発明を本発明者らより以前に作製かつ使用した当業者はいないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書は、本発明を特定し、明確に規定する特許請求の範囲をもって完結するが、添付の図面と併せて以下の特定の実施形態の記載によってより理解が深まるものと考えられる。図面においては、同一の参照番号は同一の要素を特定する。
【
図1】
図1は、頭蓋骨用クランプの形態の例示的な頭部固定装置(HFD)の斜視図であり、一方の側に、2つのピンを有する曲線状ロッカーアームアセンブリを備えるように構成された例示的なピン保持体アセンブリを有する。
【
図2】
図2は、
図1の2つのピンを有するロッカーアームアセンブリの曲線状アームの正面断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の頭部固定装置(HFD)において、楕円形状の患者の頭部に対して使用される安定配置形態(stabilization configuration)であり、3つのピンで固定する際の例示的な穿通角(penetration angles)を示す。
【
図4】
図4は、例示的な安定配置形態の拡大斜視図であり、単一のピンおよび当該ピンの穿通角を示す。
【
図5】
図5は、例示的な頭部固定装置(HFD)の安定配置形態の正面図の一部であり、患者頭部の頭蓋骨の平面部に対して使用された場合に、2つのピンを有する曲線状ロッカーアームアセンブリの2つのピンによって形成される例示的な穿通角を示す。
【
図6】
図6は、例示的な頭部固定装置(HFD)の安定配置形態の正面図の一部であり、患者頭部の頭蓋骨の平面部に対して使用された場合に、2つのピンを有する別の例示的な曲線状ロッカーアームアセンブリの2つのピンによって形成される例示的な穿通角を示す。
【
図7】
図7は、
図5の頭部固定装置(HFD)の安定配置形態の正面断面図の一部であり、患者頭部の頭蓋骨の平面部に対して使用された場合に、2つのピンを有する曲線状ロッカーアームアセンブリの2つの穴部によって形成される例示的な穿通角を示す(
図7において頭蓋骨用ピンは省略)。
【
図8】
図8は、
図6の頭部固定装置(HFD)の安定配置形態の正面断面図の一部であり、患者頭部の頭蓋骨の平面部に対して使用された場合に、2つの穴部によって形成される例示的な穿通角を示す(
図8において頭蓋骨用ピンは省略)。
【
図9】
図9は、頭蓋骨用クランプの形態の例示的な頭部固定装置(HFD)の斜視図であり、一方の側に、2つのピンを有するロッカーアームアセンブリ備えるように構成された例示的なピン保持体アセンブリを有し、患者頭部の平面領域に接触するように構成されている。
【0004】
本図面は限定を意図するものではなく、本発明の様々な実施形態は、本図面に必ずしも記載されていない態様を含むその他の態様で実施可能であると考えられる。本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を成す添付の図面は、本発明の観点の一部を図示し、関連する記載とともに本発明の原理を説明する。しかしながら、本発明は図面で示す配置構成のみに限定されるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の特定の実施形態に関する以下の記載によって本発明の範囲を限定するものではない。本発明の他の実施形態、特徴、観点、実施形態、および利点は、本発明を実施するに際して最良の態様の1つである、以下の例示的な記載から当業者であれば自明であると考えられる。本発明は、当該発明から逸脱することなく、他の異なる観点および自明な観点を有することが理解される。したがって、本図面および記載は実質的に例示的なものであり、限定的と解釈されるべきではない。
【0006】
I.平面領域接触用に構成された例示的なロッカーアームアセンブリ
図1は、3つの固定点を用いる頭蓋骨用クランプ(10)の形態の例示的な頭部固定装置(HFD)である。頭蓋骨用クランプ(10)は一対のアーム(12、14)を有し、各アーム(12、14)は、側部(16、18)と、直立部(20、22)とを有する。アーム(12、14)は、頭蓋骨用クランプ(10)が様々なサイズの患者の頭部に適合できるように、互いに対して横方向に調整可能である。頭蓋骨用クランプ(10)は、当該頭蓋骨用クランプの一方の側において2つのピン(102)を保持するロッカーアームアセンブリ(100)を含む。本実施形態では、ロッカーアームアセンブリ(100)は、直立部(20)の一端部において頭蓋骨用クランプ(10)に連結されている。ロッカーアームアセンブリ(100)に対向する直立部(22)の端部には、単一のピン(102)を保持する単一のピン保持体(104)がある。
【0007】
図2は、ロッカーアームアセンブリ(100)のアーム(106)の断面図を示す。本実施形態では、アーム(106)は曲線形状を有し、また、その内部に一対の穴部(108)を備える。このように、穴部(108)は、アーム(106)の各端部にピン(102)を保持するように構成されている。アーム(106)は、さらに、内側に向けて角度を成しており、それにより、当該アーム(106)の穴部(108)によって画定される縦軸(A1、A2)が図示するように一点に合流する態様で延長する。
【0008】
図3は、頭蓋骨用クランプ(10)を使用した楕円形状の患者の頭部に対する安定配置形態を示す。本実施形態では、前記ピンによって形成される接触角および患者の頭部における接触点は、三角形状を形成する、対角線上に延長する線(L1、L2)として示されている。本明細書における用語「接触角」は、安定化の際に前記ピンまたは接触部材が、頭蓋骨を穿通することなく接触するのみである場合と異なり頭蓋骨を穿通する場合は、穿通角(penetration angle)も含むことを理解されたい。このように、用語「接触角」は、安定配置形態に応じて接触角および穿通角の双方を含むことが理解される。本実施形態では、ロッカーアームアセンブリ(100)のアーム(106)は、楕円形状の患者の頭部に対して適合し、所望の接触角を提供するように設計された曲線形状部を有するように構成されている。患者の頭蓋骨が楕円形状である場合、すなわち頭部の形状が楕円体に類似している場合の一部の実施形態では、3つのピン全体の配置位置により二等辺三角形が形成される。これにより、3つのピンの負荷が分散され、これらのピンは90度または約90度の接触角を有するように構成される。言い換えれば、これらのピンは、頭蓋骨に対して90度または約90度の角度で、若しくは垂直または実質的に垂直に接触、若しくは穿通されるものである。
【0009】
図4は、頭蓋骨用ピン(102)が縦軸(A3)を画定し、患者頭部の楕円形状部分に接触して配置される安定配置形態を示す。頭蓋骨用ピン(102)が頭部に接触する接点において接線(T1)が示されている。頭蓋骨用ピン(102)の縦軸(A3)と接線(T1)との間の角度として画定される接触角(θ1)は、90度または約90度として示されている。このような垂直または実質的に垂直な配置では、頭蓋骨用ピン(102)により頭部に対して確実で安定した接続が形成される。
【0010】
特定の神経外科処置では、上述した患者の頭蓋骨の楕円形状領域ではなく平面領域にピンが固定される。頭蓋骨は、その骨構造の所定の長さに亘って、平面、略平面、または実質的に平面な平面領域を有する。疑義を回避するために言及するが、本明細書における用語「平面領域」は、本明細書の教示から当業者であれば理解するように、平面領域だけでなく、略平面な領域、疑似平面領域、および/またはこれらの用語のその他の変形を包含することを理解されたい。例示のみであり限定を意図するものではないが、患者がうつ伏せ位(腹臥位)に置かれる処置において、頭蓋骨の平面領域にピンが固定される場合がある。例えば、後頭部、後頭蓋窩、または頸椎における手術を行うために、少なくとも一部のケースでは、側頭骨および頭頂骨の平面領域にピンが配置される。
【0011】
上述したロッカーアームアセンブリおよびピンを使用して頭蓋骨の平面領域にピンを固定した場合、ピンの接触角は、同一のロッカーアームアセンブリおよびピンを使用して頭蓋骨の楕円形状領域にピンを固定した場合とは異なる。したがって、同一のロッカーアームアセンブリおよびピンを使用してこのような異なる骨形状領域にピンを固定した場合、約90度のピンの接触角を達成しようと試みても達成不可能である。例えば、
図1~4に示す、ピン(102)を有するロッカーアームアセンブリ(100)のような、楕円形状の頭部に対して使用された際に約90度のピンの接触角を提供するように構成されたロッカーアームアセンブリおよびピンと同一のロッカーアームアセンブリおよびピン使用してピンを固定した場合、90度または90度に近い角度の接触角を達成することが阻止される可能性がある。そしてその結果、安定性および確実な安定化が損なわれる可能性がある。
【0012】
一例として、
図5は、患者頭部の頭蓋骨(30)の平面部に対して使用された場合の、
図1~3のロッカーアームアセンブリ(100)の一部を示す。この実施形態では、
図5に示す頭蓋骨の平面領域にピンを固定した際に、接触角は90度より大きくなる。具体的には、接触角(α1、α2)は、各頭蓋骨用ピン(102)の縦軸(A4、A5)と接線(T2)との間の角度として画定される。
【0013】
さらなる例として、
図7は、ピン(102)を含まない、
図5のロッカーアームアセンブリ(100)の一部を示し、この場合も患者頭部の頭蓋骨(30)の平面部に対して使用されている。この実施形態では、
図7に示す頭蓋骨の平面領域にピンを固定した際に、接触角は90度より大きくなる。具体的には、接触角(α3、α4)は、各穴部(108)の縦軸(A6、A7)と接線(T2)との間の角度として画定される。
【0014】
図5、7に関連して上記で説明したように、接触角は穴部(108)またはピン(102)の配向によって画定することができる。ピン(102)が直線状であり、穴部(108)にピン(102)を受容するための同心受容部が形成されているいくつかの実施形態では、穴部(108)およびピン(102)によって画定される縦軸は同一である。このような実施形態では、接触角は、穴部(108)の配向、またはピン(102)の配向のいずれによって画定された場合でも同一である。しかしながら、別のいくつかの実施形態においては、穴部(108)は省略され、ピン(102)はアーム(106)とともに、またはアーム(106)の一部として形成することができる。このような実施形態では、接触角はピン(102)の配向によって画定される。さらに別の実施形態において、穴部(108)およびピン(102)は、同一のまたは共通の縦軸を有さないように形成または構成されてもよく、この場合、本明細書で定義するところの、異なる接触角を画定する。例示のみであり限定を意図するものではないが、このような態様は、ピン(102)が直線状ではなく、角度を成しているかまたは曲線状である場合が考えられる。本明細書の教示に鑑みると、ピン(102)と穴部(108)とを有するロッカーアームアセンブリ(100)において、ピン(102)および穴部(108)が異なる縦軸を有することにより、本明細書で定義するところの、異なる接触角を画定する別の構成は、当業者にとって自明である。穴部によって形成される接触角とピンによって形成される接触角が異なる場合の用途では、患者の頭部に接触するのは接触部材またはピンであるため、当該接触部材またはピンによって形成される接触角が患者の安定化を考慮する上での重要な要因となる。
【0015】
図9は、3つの固定点を用いる頭蓋骨用クランプ(50)の形態の例示的な頭部固定装置(HFD)である。頭蓋骨用クランプ(50)は一対のアーム(12、14)を有し、各アーム(12、14)は、側部(16、18)と、直立部(20、22)とを有する。アーム(12、14)は、頭蓋骨用クランプ(50)が様々なサイズの患者の頭部に適合できるように、互いに対して横方向に調整可能である。頭蓋骨用クランプ(50)は、当該頭蓋骨用クランプの一方の側において2つのピン(302)を保持するロッカーアームアセンブリ(300)を含む。本実施形態では、ロッカーアームアセンブリ(300)は、直立部(20)の一端部において頭蓋骨用クランプ(50)に連結されている。ロッカーアームアセンブリ(300)に対向する直立部(22)の端部には、単一のピン(302)を保持する単一のピン保持体(304)がある。
【0016】
ここで
図6と
図8を参照する。
図6は、
図9に示すような頭蓋骨用クランプ(50)とともに使用されるように構成された、2つのピンを有する例示的なロッカーアームアセンブリ(300)を示すが、
図1~3に示す頭蓋骨用クランプ(10)のロッカーアームアセンブリ(100)の代わりに、および別のタイプの頭部固定装置(HFD)に使用されるように構成されてもよい。
図6の実施形態では、2つのピンを有するロッカーアームアセンブリ(300)は、患者頭部の頭蓋骨(30)の平面部に対して使用される。本実施形態では、接触角は90度または約90度である。これは、ピン(302)の双方が2つのピン用のロッカーアームアセンブリ(300)とともに使用される実施形態である。具体的には、アーム(306)の各側における接触角は、(α5、α6)は、各ピン(302)の縦軸(A8、A9)と接線(T2)との間の角度として画定される。
【0017】
2つのピン用のロッカーアームアセンブリ(300)を用いることで、患者頭部の頭蓋骨の平面領域にピンを固定して安定化させる際に、各ピンは当該ロッカーアームアセンブリ(300)に保持され、90度または90度に近い角度の接触角を達成する。すなわち、
図6に示す配置構成においては、ピン(302)は、頭蓋骨の平面領域に垂直に固定される。言い換えれば、頭蓋骨の平面領域がピンによって固定、若しくは固定位置として使用されている場合においても、ロッカーアームアセンブリ(300)により、外科医または利用者は当該ロッカーアームアセンブリのピン(302)によって骨に垂直に接触または穿通することが可能となる。
【0018】
さらなる例として、
図8は、ピン(302)を含まない、
図6のロッカーアームアセンブリ(300)の一部を示す。本実施形態では、アーム(306)と穴部(308)とを有するロッカーアームアセンブリ(300)は、頭蓋骨の平面部に対してピンを固定する際に使用されるように構成されている。したがって、
図8に示す頭蓋骨の平面領域にピンを固定した際に、接触角は90度または約90度となる。具体的には、アーム(306)の各側における接触角(α7、α8)は、各穴部(308)の縦軸(A10、A11)と接線(T2)との間の角度として画定される。
【0019】
図6、8に関連して上記で説明したように、接触角は穴部(308)またはピン(302)の配向によって画定することができる。ピン(302)が直線状であり、穴部(308)にピン(302)を受容するための同心受容部が形成されているいくつかの実施形態では、穴部(308)およびピン(302)によって画定される縦軸は同一である。このような実施形態では、接触角は、穴部(308)の配向、またはピン(302)の配向のいずれによって画定された場合でも同一である。しかしながら、別のいくつかの実施形態においては、穴部(308)は省略され、ピン(302)はアーム(306)とともに、またはアーム(306)の一部として形成することができる。このような実施形態では、接触角はピン(302)の配向によって画定される。さらに別の実施形態において、穴部(308)およびピン(302)は、同一のまたは共通の縦軸を有さないように形成または構成されてもよく、この場合、本明細書で定義するところの、異なる接触角を画定する。例示のみであり限定を意図するものではないが、このような態様は、ピン(302)が直線状ではなく、角度を成しているかまたは曲線状である場合が考えられる。本明細書の教示に鑑みると、ピン(302)と穴部(308)とを有するロッカーアームアセンブリ(300)において、ピン(302)および穴部(308)が異なる縦軸を有することにより、本明細書で定義するところの、異なる接触角を画定する別の構成は、当業者にとって自明である。穴部によって形成される接触角とピンによって形成される接触角が異なる場合の用途では、患者の頭部に接触するのは接触部材またはピンであるため、当該接触部材またはピンによって形成される接触角が患者の安定化を考慮する上での重要な要因となる。
【0020】
2つのピンを有する例示的なロッカーアームアセンブリ(300)の1実施形態において、アーム(306)は約9mm x 9mm x 70mm~110mmであり、アーム(306)の両端部に、互いに対して50mm~90mmの間隔をおいて設けられた2つの垂直なピン受容部または穴部(308)を有する。2つのピンを有する例示的なロッカーアームアセンブリ(300)の別の1実施形態においては、アーム(306)はより小さく、約9mm x 9mm x 40mm~70mmであり、アーム(306)の両端部に、互いに対して20mm~55mmの間隔をおいて設けられた2つの垂直なピン受容部または穴部(308)を有する。この2つのピンを有する、より小型なロッカーアームアセンブリ(300)は、小児患者またはより小さいサイズの頭部を有する患者に対して使用されるように構成されている。
【0021】
ロッカーアームアセンブリ(100)とロッカーアームアセンブリ(300)とを比較した場合、各アセンブリにおいて、各ピン(102、302)は、
図5、6に示すように縦軸または中心線を画定する。いくつかの実施形態において、ロッカーアームアセンブリ(100)の一対のピンの各中心線は交差して
図5のβ1のような所定の角度を形成する。当該角度により弧の角度が画定されるが、本明細書においては、当該弧の角度をアームの半径またはアームの湾曲度と呼ぶ場合もある。図示するロッカーアームアセンブリ(100)において、β1は40度である。
【0022】
図6に示すロッカーアームアセンブリ(300)において、ピン(302)の中心線または縦軸は平行であるため、交差せず所定の角度は形成されない。ピン(302)の中心線または縦軸が平行に近いが完全に平行ではない別の実施形態では、上述したように、中心線または縦軸は交差して所定の角度を形成する。これらの軸が平行に近いが完全に平行ではない場合においては、形成される角度は40度未満である。このように、ロッカーアームアセンブリ(300)においては、β2によって示される角度は、(
図6のβ2によって形成されるように)約0度以上であって40度未満である。本明細書では、ピン(302)によって画定された軸が平行である場合、β2は0度であると定義されることを理解されたい。
【0023】
このように、頭蓋骨の平面領域に対してピンを固定するように構成されたロッカーアームアセンブリは、一対のピンの各縦軸または中心線によって形成された、約0度以上であって40度未満である角度により画定されるアームの湾曲度を有することができる。例えば、β2が0度に等しい場合、ロッカーアームアセンブリ(300)のアーム(306)は直線状かつ非曲線状の形状を有する。β2が0度よりも大きく、40度未満である場合、ロッカーアームアセンブリ(100)のアーム(106)は僅かな湾曲度を有する。したがって、いくつかの実施形態においてアーム(306)は直線状である一方、別のいくつかの実施形態においては所定の湾曲度を有するが、楕円形状の頭蓋骨をピンで固定するように設計されたロッカーアームアセンブリの湾曲度より湾曲度が小さいことを理解されたい。さらに、別のいくつかの実施形態において、前記角度は、約0度~約30度、または約0度~約20度、または約0度~約10度であってもよい。本明細書の教示に鑑みると、当業者であればその他の角度の範囲は自明である。
【0024】
ロッカーアームアセンブリ(100)とロッカーアームアセンブリ(300)の別の比較において、各アセンブリの穴部(108、308)は
図7、8に示す縦軸または中心線を画定する。いくつかの実施形態において、一対の穴部(108、308)の各中心線は交差して
図7のβ3のような所定の角度を形成する。当該角度により弧の角度が画定されるが、本明細書においては、当該弧の角度をアーム(106)の半径またはアームの湾曲度と呼ぶ場合もある。ロッカーアームアセンブリ(100)において、β3は40度である。
【0025】
図8に示すロッカーアームアセンブリ(300)において、穴部(308)の中心線または縦軸は平行であるため、交差せず所定の角度は形成されない。穴部(308)の中心線または縦軸が平行に近いが完全に平行ではない別の実施形態では、上述したように、中心線または縦軸は交差して所定の角度を形成する。これらの軸が平行に近いが完全に平行ではない場合においては、形成される角度は40度未満である。このように、ロッカーアームアセンブリ(300)においては、β4によって示される角度は、(
図8のβ4によって形成されるように)約0度以上であって40度未満である。本明細書では、穴部(308)によって画定された軸が平行である場合、β4は0度であると定義されることを理解されたい。
【0026】
このように、頭蓋骨の平面領域に対してピンを固定するように構成されたロッカーアームアセンブリは、一対のピンの各縦軸または中心線によって形成された、約0度以上であって40度未満である角度により画定されるアームの湾曲度を有することができる。例えば、β4が0度に等しい場合、ロッカーアームアセンブリ(300)のアーム(306)は直線状かつ非曲線状の形状を有する。β4が0度よりも大きく、40度未満である場合、ロッカーアームアセンブリ(100)のアーム(106)は僅かな湾曲度を有する。したがって、いくつかの実施形態においてアーム(306)は直線状である一方、別のいくつかの実施形態においては所定の湾曲度を有するが、楕円形状の頭蓋骨をピンで固定するように設計されたロッカーアームアセンブリの湾曲度より湾曲度が小さいことを理解されたい。さらに、別のいくつかの実施形態において、前記角度は、約0度~約30度、または約0度~約20度、または約0度~約10度であってもよい。本明細書の教示に鑑みると、当業者であればその他の角度の範囲は自明である。
【0027】
上記で説明したように、ロッカーアームアセンブリ(100)などのロッカーアームアセンブリは、楕円形状の頭蓋骨に対して使用されるように構成されている。このようなロッカーアームアセンブリは、ロッカーアームのアーム内の一対の穴部または一対のピンのいずれかによって形成される、40度または40度より大きい所定の角度を有する。当該ロッカーアームアセンブリが頭蓋骨の平面領域内部にピンを固定するために使用された場合、その接触角は穿通角から著しく逸脱した角度となるため、安定性および確実な安定化が損なわれる可能性がある。しかしながら、ロッカーアームアセンブリ(300)に関連して図示し、説明したように、ロッカーアームのアーム内の一対の穴部または一対のピンのいずれかによって形成される角度が40度未満である安定配置形態を用いることにより、接触角を90度または90度に近い角度に維持することができるため、頭部の頭蓋骨の平面領域にピンを固定することを含む処置において、患者の安定性および/または確実な安定化を達成することが可能となる。
【0028】
II.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示が組み合わされる、若しくは適用される非包括的な態様に関する。以下の実施例は、本出願、または本出願の後続出願の任意の時点において提示される任意の特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。また、以下の実施例は、単に例示目的で提供されているにすぎない。本明細書の様々な教示は、別の多数の異なる態様で構成および適用することができるものと考えられる。また、以下の実施例において言及される特定の構成は、変形実施形態の一部において省略される可能性があると考えられる。
【実施例1】
【0029】
患者の頭部を安定させるための頭部固定装置とともに使用される装置であって、前記患者の頭部に接触するように構成された2つ若しくはそれ以上の接触部材を有する。当該装置は、前記2若しくはそれ以上の接触部材の各々が、前記患者の頭部に接触するように構成された当該接触部材の遠位端部を通って延長する縦軸を画定するように構成されており、2つの前記縦軸によって形成される角度は約30度未満である。
【実施例2】
【0030】
実施例1記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例3】
【0031】
実施例1記載の装置において、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約20度未満である。
【実施例4】
【0032】
実施例3記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例5】
【0033】
実施例1記載の装置において、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約10度未満である。
【実施例6】
【0034】
実施例5記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例7】
【0035】
実施例1記載の装置において、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約0度である。
【実施例8】
【0036】
実施例7記載の装置において、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々により、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例9】
【0037】
実施例1~8のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材のうち少なくとも2つは、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に接触するように構成されているものである。
【実施例10】
【0038】
実施例1~9のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材は当該装置によって選択的に保持される。
【実施例11】
【0039】
実施例1~10のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材は、当該装置と一体構造として形成される。
【実施例12】
【0040】
実施例1~11のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、当該装置は前記2若しくはそれ以上の接触部材を有する、若しくは保持するように構成されたアームを有する。
【実施例13】
【0041】
実施例1~12のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材は頭蓋骨用ピンを有する。
【実施例14】
【0042】
実施例1~12のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材はパッドを有する。
【実施例15】
【0043】
実施例1~14のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2つの縦軸を画定する前記接触部材の各々は前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角を形成し、前記接触角は約90度であり、また前記接触角は穿通角である。
【実施例16】
【0044】
実施例1~15のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、当該装置は、前記2若しくはそれ以上の接触部材を有する、若しくは保持するように構成されたアームを備えるロッカーアームアセンブリを有する。
【実施例17】
【0045】
実施例16記載の装置において、前記ロッカーアームアセンブリの前記アームは非曲線状である。
【実施例18】
【0046】
実施例16~17の1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記アームは、前記2若しくはそれ以上の接触部材のうちの1つを保持するように構成された2若しくはそれ以上の穴部を有する。
【実施例19】
【0047】
実施例1~18のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材の少なくとも2つは、約50mm~約90mmの間隔を置いて配置されている。
【実施例20】
【0048】
実施例1~18のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載の装置において、前記2若しくはそれ以上の接触部材の少なくとも2つは、約20mm~約50mmの間隔を置いて配置されている。
【実施例21】
【0049】
患者の頭部を安定させるための頭部固定装置とともに使用されるロッカーアームアセンブリ。前記ロッカーアームアセンブリは、2若しくはそれ以上の穴部を有するアームを有し、当該穴部の各々は、前記患者の頭部に接触するように構成された接触部材を選択的に保持するように構成されている。前記穴部の各々は縦軸を画定し、当該縦軸のうち2つの縦軸の間に形成される角度は約30度未満である。
【実施例22】
【0050】
実施例21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例23】
【0051】
実施例21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約20度未満である。
【実施例24】
【0052】
実施例23記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例25】
【0053】
実施例21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約10度未満である。
【実施例26】
【0054】
実施例25記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例27】
【0055】
実施例21記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸によって形成される角度は好ましくは約0度である。
【実施例28】
【0056】
実施例27記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸の間に形成される角度は、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材の各々により、頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角が形成される配置構成によって決定されるものであり、前記接触角は約90度である。
【実施例29】
【0057】
実施例21~28のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載のロッカーアームアセンブリにおいて、対応する前記穴部に保持されるように構成された2つの前記接触部材は、前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に接触するように構成されている。
【実施例30】
【0058】
実施例21~29のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2つの縦軸を画定する前記穴部の各々は前記患者の頭蓋骨における実質的に平面である部分に対して所定の接触角を形成し、前記接触角は約90度であり、また前記接触角は穿通角である。
【実施例31】
【0059】
実施例21~30のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記アームは非曲線状である。
【実施例32】
【0060】
実施例21~31のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2若しくはそれ以上の穴部の少なくとも2つは、約50mm~約90mmの間隔を置いて配置されている。
【実施例33】
【0061】
実施例21~31のいずれか1つ若しくはそれ以上に記載のロッカーアームアセンブリにおいて、前記2若しくはそれ以上の穴部の少なくとも2つは、約20mm~約55mmの間隔を置いて配置されている。
【実施例34】
【0062】
ロッカーアームアセンブリを有する患者の頭部を安定させるための頭部固定装置。前記ロッカーアームアセンブリは、2若しくはそれ以上の接触部材を選択的に保持するように構成されたアームを有する。前記2若しくはそれ以上の接触部材は、前記患者の頭部の略平面である部分に接触するように構成されている。前記接触部材の少なくとも2つは、前記患者の頭部の略平面である部分に対して約90度の接触角を形成する。
【0063】
III.雑則
本明細書に記載した任意の1若しくはそれ以上の教示、表現、実施形態、および実施例等は、本明細書に記載した任意の1若しくはそれ以上の別の教示、表現、実施形態、および実施例等との組み合わせが可能である。しがたって、以下に記載する教示、表現、実施形態、および実施例等は、互いに独立したものとして見なすべきではない。当業者であれば、本明細書の教示に鑑みて、当該教示の様々な適切な組み合わせが可能であることは自明である。そのような変更実施形態および変形実施形態は、本特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
【0064】
本発明の様々な実施形態を図示し、説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者が適切な変更を行うことによって本明細書に記載した方法およびシステムのさらなる改良が可能である。そのような可能な変更実施形態の一部について説明してきたが、当業者であれば他の変更実施形態についても自明である。例えば、上記で説明した実施例、実施形態、幾何学的特性、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて考慮されるべきであり、本明細書および図面に記載および図示された構造および作用の詳細に限定されないことを理解されたい。
【国際調査報告】