IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グリー エレクトリック アプライアンス、インコーポレイテッド オブ チューハイの特許一覧

<>
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図1
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図2
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図3
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図4
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図5
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図6
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図7
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図8
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図9
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図10
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図11
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図12
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図13
  • 特表-ポンプボディ組立体及び圧縮機 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】ポンプボディ組立体及び圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/344 20060101AFI20220224BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
F04C18/344
F04C29/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020565440
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-01-19
(86)【国際出願番号】 CN2018120666
(87)【国際公開番号】W WO2020042432
(87)【国際公開日】2020-03-05
(31)【優先権主張番号】201811014368.8
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517441262
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンス、インコーポレイテッド オブ チューハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フ、ユーシェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、フイチュン
(72)【発明者】
【氏名】シュ、チア
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、ファヨウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ペンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、フェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ロンティン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、チーミン
【テーマコード(参考)】
3H040
3H129
【Fターム(参考)】
3H040AA03
3H040BB12
3H040CC03
3H040DD03
3H129AA05
3H129AB01
3H129BB43
3H129CC03
3H129CC04
(57)【要約】
ポンプボディ組立体及び圧縮機が提供される。ポンプボディは、スピンドル100を有し、スピンドル100は、スライド・ベーン・シュート110を有し、少なくとも油路160の一部である背圧油キャビティ120が、スライド・ベーン・シュート110の終端に配置され、背圧油キャビティの油出口121が、背圧油キャビティ120の頂部に配置され、背圧油キャビティの油入口122の位置が、背圧油キャビティの油出口121の位置よりも低く、その結果、潤滑媒体が、背圧油キャビティの油入口122を通じて背圧油キャビティ120に入り、背圧油キャビティ120を満たして、背圧油キャビティ120の頂部から流れ出る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプボディ組立体であって、
スピンドル(100)を有し、前記スピンドル(100)はスライド・ベーン・シュート(110)を有し、油路(160)の少なくとも一部である背圧油キャビティ(120)が、前記スライド・ベーン・シュート(110)の終端に配置され、前記背圧油キャビティの油出口(121)が、前記背圧油キャビティ(120)の頂部に配置され、前記背圧油キャビティの油入口(122)の位置が、前記背圧油キャビティの油入口(121)の位置よりも低く、それにより潤滑媒体が、前記背圧油キャビティの前記油入口(122)を通って前記背圧油キャビティ(120)に入り、前記背圧油キャビティ(120)を満たし、そして前記背圧油キャビティ(120)の前記頂部から流れ出る、ポンプボディ組立体。
【請求項2】
前記スピンドル(100)は、底部から上向きに延在する中央油穴(130)と、前記中央油穴(130)と連通する径方向油穴(140)とを有し、前記中央油穴(130)及び前記径方向油穴(140)は前記油路の一部を構成し、前記潤滑媒体は、前記中央油穴(130)及び前記径方向油穴(140)を通して前記背圧油キャビティ(120)へと流れる、請求項1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項3】
前記径方向油穴(140)の位置が、前記背圧油キャビティの前記油入口(122)の位置よりも低く、前記ポンプボディ組立体は下部フランジ(200)も有し、前記下部フランジの油路構造部(210)が、前記背圧油キャビティ(120)の方を向いた前記下部フランジ(200)の外側面上に設けられ、前記径方向油穴(140)は、前記下部フランジの前記油路構造部(210)を通して前記背圧油キャビティの前記油入口(122)と連通し、前記下部フランジの前記油路構造部(210)は前記油路の一部である、請求項2に記載のポンプボディ組立体。
【請求項4】
前記下部フランジの前記油路構造部(210)は、前記下部フランジ(200)上に設けられた前記下部フランジの背圧油シュートであり、前記下部フランジの前記背圧油シュートは、前記スピンドル(100)から遠ざかる方向に沿ってより深くなる段付きシュートである、請求項3に記載のポンプボディ組立体。
【請求項5】
前記下部フランジ(200)上における前記段付きシュートの投影が、2つの弧状プロフィルであり、前記2つの弧状プロフィルのうちの前記スピンドル(100)から遠い方の前記弧状プロフィルは、前記背圧油キャビティ(120)と位置合わせされている、請求項4に記載のポンプボディ組立体。
【請求項6】
上部フランジ(300)であって、前記上部フランジの油路構造部(310)が、前記背圧油キャビティ(120)の方を向いた前記上部フランジ(300)の外側面上に設けられている上部フランジ(300)と、
軸受シリンダ(400)であって、ローラ収容キャビティ(410)、及び前記ローラ収容キャビティ(410)の内部に配置されたローラ(420)を有し、前記背圧油キャビティの前記油出口(121)は、前記上部フランジの前記油路構造部(310)を通して前記ローラ収容キャビティ(410)と連通し、前記上部フランジの前記油路構造部(310)及び前記ローラ収容キャビティ(410)は前記油路の一部である、軸受シリンダ(400)と
を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項7】
前記上部フランジの前記油路構造部(310)は、
前記背圧油キャビティの前記油出口(121)と連通する前記上部フランジの背圧油シュート(311)と、
前記上部フランジ(300)の径方向に沿って延在する径方向油路穴(312)であって、その少なくとも一部が前記上部フランジの前記背圧油シュート(311)と連通している径方向油路穴(312)と、
連通穴(313)であって、それを通して前記ローラ収容キャビティ(410)は前記径方向油路穴(312)と連通する、連通穴(313)と
を有している、請求項6に記載のポンプボディ組立体。
【請求項8】
前記上部フランジ(300)上における前記上部フランジの前記背圧油シュート(311)の投影が弧状プロフィルである、請求項7に記載のポンプボディ組立体。
【請求項9】
前記上部フランジの前記油路構造部(310)は油分配シュート(314)を有し、前記上部フランジの前記背圧油シュート(311)は、前記油分配シュート(314)を通して前記上部フランジ(300)の前記内壁と連通し、前記上部フランジ(300)の前記内壁と前記スピンドル(100)との間に間隙が存在し、それにより前記潤滑媒体は、前記上部フランジの前記背圧油シュート(311)及び前記油分配シュート(314)を通して前記間隙内へ流れる、請求項7に記載のポンプボディ組立体。
【請求項10】
前記径方向油路穴(312)の断面積に対する前記油分配シュート(314)の断面積の比が、3:7である、請求項9に記載のポンプボディ組立体。
【請求項11】
下部フランジ(200)をさらに有し、油出口シュート(220)が、前記背圧油キャビティ(120)の方を向いた前記下部フランジ(200)の外側面上に設けられ、前記ローラ収容キャビティ(410)の底部が、前記油出口シュート(220)と連通し、前記油出口シュート(220)は、前記下部フランジ(200)の縁部まで延在し、前記油出口シュート(220)は前記油路の一部である、請求項6に記載のポンプボディ組立体。
【請求項12】
軸方向に貫通する油ドレン穴(230)を有する下部フランジ(200)をさらに有し、前記ローラ収容キャビティ(410)の前記底部は、前記油ドレン穴(230)の頂部と連通し、前記油ドレン穴(230)は前記油路の一部である、請求項6に記載のポンプボディ組立体。
【請求項13】
下部フランジ(200)をさらに有し、油ドレン連通シュート(240)が、前記背圧油キャビティ(120)の方を向いた前記下部フランジ(200)の外側面上に設けられ、前記軸受シリンダ(400)が、
軸方向油ドレン・チャネル(430)であって、前記ローラ収容キャビティ(410)の前記底部は前記油ドレン連通シュート(240)を通して前記軸方向油ドレン・チャネル(430)の底部と連通する、軸方向油ドレン・チャネル(430)と、
径方向油ドレン通路(440)であって、前記軸方向油ドレン通路(430)の頂部が、前記径方向油ドレン通路(440)を通して前記軸受シリンダ(400)の外側円周面と連通し、前記軸方向油ドレン通路(430)及び前記径方向油ドレン通路(440)は前記油路の一部である、径方向油ドレン通路(440)と
を有している、請求項6に記載のポンプボディ組立体。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載のポンプボディ組立体を有する圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮機の技術分野に関し、詳細には、ポンプボディ組立体及び圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
他のタイプの圧縮機と比較すると、単純な部品、偏心構造がないこと、安定したトルク、及び小さな振動などの利点を有するスライド・ベーン型圧縮機は、幅広い分野で適用される。スライド・ベーン型圧縮機は一般に、複数のスライド・ベーンを有し、また、その動作原理は、以下の通りである:スピンドルが回転すると、スピンドルのスライド・ベーン・シュート内のスライド・ベーンが、全体で複雑な運動を行い、前スライド・ベーン、後スライド・ベーン、スピンドル、及びシリンダによって形成されたキャビティが、圧縮又は膨張を達成するように、スピンドルの回転に同調して周期的に連続的に変化する。したがって、スライド・ベーン型圧縮機の通常動作の必要条件は、動作サイクル全体にわたってスライド・ベーンの頭部がシリンダの内壁に常に密着している必要があることである。スライド・ベーン型圧縮機の動作中、そのスライド・ベーンの頭部は、キャビティ内のガス力(gas force)の作用に常にさらされる。スライド・ベーンがスライド・ベーン・シュートから突き出てシリンダの内壁に密着することを可能にするためには、頭部が受けるガス力よりも大きな作用力をスライド・ベーンの尾部が有することを確実にすることが必要である。つまり、スライド・ベーンを与えるのに十分な背圧を提供することが必要である。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、従来技術におけるスライド・ベーンの不十分な背圧に関する問題を解決するためのポンプボディ組立体及び圧縮機を提供するものである。
【0004】
本開示の1つの態様(又は観点)によれば、ポンプボディ組立体が提供される。ポンプボディ組立体は、スピンドルを有し、スピンドルは、スライド・ベーン・シュートを有し、少なくとも油路の一部である背圧油キャビティが、スライド・ベーン・シュートの終端に配置され、背圧油キャビティの油出口が、背圧油キャビティの頂部に配置され、背圧油キャビティの油入口の位置は、背圧油キャビティの油出口の位置よりも低く、その結果、潤滑媒体が、背圧油キャビティの油入口を通じて背圧油キャビティに入り、背圧油キャビティを満たして、背圧油キャビティの頂部から流れ出る。
【0005】
いくつかの実施例では、スピンドルは、底部から上向きに延在する中央油穴、及び、中央油穴と連通する径方向油穴をさらに有し、中央油穴及び径方向油穴は、油路の一部であり、その結果、潤滑媒体は、中央油穴及び径方向油穴を通じて背圧油キャビティへ流れる。
【0006】
いくつかの実施例では、径方向油穴の位置は、背圧油キャビティの油入口の位置よりも低く、ポンプボディ組立体はまた、下部フランジを有し、下部フランジの油路構造部が、背圧油キャビティに面する下部フランジの外側面上に設けられ、油穴は、下部フランジの油路構造部を通じて背圧油キャビティの油入口と連通し、下部フランジ油路構造部は、油路の一部である。
【0007】
いくつかの実施例では、下部フランジの油路構造部は、下部フランジ上に設けられた下部フランジの背圧油シュートであり、下部フランジの背圧油シュートは、スピンドルから遠ざかる方向に沿ってより深くなる段付き(階段状)シュートである。
【0008】
いくつかの実施例では、下部フランジ上の段付きシュートの投影が、2つの弧状プロフィルであり、2つの弧状プロフィルのうちのスピンドルから遠い方の弧状プロフィルは、背圧油キャビティと位置合わせされる。
【0009】
いくつかの実施例では、ポンプボディ組立体は、上部フランジであって、上部フランジの油路構造部が、背圧油キャビティに面する上部フランジの外側面上に設けられる、上部フランジと、ローラ収容キャビティ及びローラ収容キャビティ内に配置されたローラを有する軸受シリンダと、をさらに有し、背圧油キャビティの油出口は、上部フランジの油路構造部を通じてローラ収容キャビティと連通し、上部フランジの油路構造部及びローラ収容キャビティは、油路の一部である。
【0010】
いくつかの実施例では、上部フランジの油路構造部は、背圧油キャビティの油出口と連通する上部フランジの背圧油シュートと、上部フランジの径方向に沿って延在する径方向油路穴であって、その少なくとも一部分が上部フランジの背圧油シュートと連通する、径方向油路穴と、それを通じてローラ収容キャビティが径方向油穴と連通する連通穴と、を有する。
【0011】
いくつかの実施例では、上部フランジ上の上部フランジの背圧油シュートの投影が、弧状プロフィルである。
【0012】
いくつかの実施例では、上部フランジの油路構造部は、油分配シュートを有し、上部フランジの背圧油シュートは、油分配シュートを通じて上部フランジの内壁と連通し、上部フランジの内壁とスピンドルとの間には間隙が存在し、それにより、潤滑媒体は、上部フランジの背圧油シュート及び油分配シュートを通じて間隙内へ流れる。
【0013】
いくつかの実施例では、油分配シュートの断面積の径方向油路穴の断面積に対する比は、3:7である。
【0014】
いくつかの実施例では、ポンプボディ組立体は、下部フランジであって、油出口シュートが、背圧油キャビティに面する下部フランジの外側面上に設けられ、ローラ収容キャビティの底部が、油出口シュートと連通し、油出口シュートが、下部フランジの縁部まで延在する、下部フランジをさらに有し、油出口シュートは、油路の一部である。
【0015】
いくつかの実施例では、ポンプボディ組立体は、軸方向に貫通する油ドレン穴を有する下部フランジをさらに有し、ローラ収容キャビティの底部は、油ドレン穴の頂部と連通し、油ドレン穴は、油路の一部である。
【0016】
いくつかの実施例では、ポンプボディ組立体は、下部フランジをさらに有し、油ドレン連通シュートが、背圧油キャビティに面する下部フランジ外側面上に設けられ、軸受シリンダは、軸方向油ドレン・チャネルであって、ローラ収容キャビティの底部が油ドレン連通シュートを通じて軸方向油ドレン・チャネルの底部と連通する、軸方向油ドレン・チャネルと、径方向油ドレン通路であって、軸方向油ドレン通路の頂部が径方向油ドレン通路を通じて軸受シリンダの外側円周面と連通する、径方向油ドレン通路と、を有し、軸方向油ドレン通路及び径方向油ドレン通路は、油路の一部である。
【0017】
本開示の別の態様によれば、圧縮機が提供される。圧縮機は、上記で説明されたポンプボディ組立体を有する。
【0018】
本開示の技術的解決法を適用することにより、ポンプボディ組立体は、スライド・ベーン・シュートを有するスピンドルを有し、スライド・ベーン・シュートの終端は、少なくとも油路の一部である背圧油キャビティであり、背圧油キャビティの油出口が、背圧油キャビティの頂部に配置される。さらに、背圧油キャビティの油入口の位置は、背圧油キャビティの油出口の位置よりも低く、その結果、潤滑媒体が、背圧油キャビティの油入り口を通じて背圧油キャビティに入り、背圧油キャビティを満たした後、背圧油キャビティの頂部から流れ出る。
【0019】
背圧油キャビティはスライド・ベーン・シュートの終端に位置するので、スライド・ベーン・シュート内のスライド・ベーンのための背圧を提供するために、背圧油キャビティ内に潤滑媒体が注入される。さらに、背圧油キャビティの油入口の位置は背圧油キャビティの油出口の位置よりも低いので、潤滑媒体が背圧油キャビティ内へ流れるときに、背圧油キャビティが満たされてスライド・ベーンのための十分な背圧を提供し、それによりスライド・ベーンの頭部が軸受シリンダの内壁に常に密着されることを確実にして、スライド・ベーンの頭部の漏れの問題を軽減し、且つ、スライド・ベーンが容易に後退されてシリンダの内壁から離される危険性を回避することを、効果的に確実にすることが可能である。このようにして、スライド・ベーンの頭部が軸受シリンダから離されることを効果的に回避することが可能であるが、そのようなスライド・ベーンの頭部が軸受シリンダから離されることは、スライド・ベーンと軸受シリンダとの間の度重なる衝突を生じさせ、且つ、ポンプボディ組立体の騒音及び振動を増大させ、したがってスライド・ベーン及びポンプボディ組立体の信頼性に影響を及ぼす。さらに、背圧油キャビティを通って流れる過程中、潤滑媒体は、スライド・ベーン・シュートへの有益な潤滑作用を生み出し、且つ、各構成要素によって生じた熱を完全に奪い去るが、これは、ポンプボディ組立体の安定性を向上させるのに有益なことである。
【0020】
本出願の一部分を構成する、本明細書の添付の図面は、本開示の理解を提供するように意図されている。本開示を解説するために使用される本開示の例示的な実施例及びそれらの説明は、本開示の不適当な限界となるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示のいくつかの代替的な実施例によるポンプボディ組立体の分解組立図である。
図2図1におけるポンプボディ組立体の断面図である。
図3図2におけるAの拡大図である。
図4図2におけるBの拡大図である。
図5図1におけるスピンドルと軸受シリンダとの間の位置関係の概略図である。
図6図1における軸受シリンダの概略的な構造図である。
図7図1におけるスピンドルの断面図である。
図8図1におけるスピンドルの上面図である。
図9図1における上部フランジの概略的な構造図である。
図10図9におけるA-Aの方向に沿った断面図である。
図11図1における下部フランジの概略的な構造図である。
図12図11における下部フランジの断面図である。
図13】本開示のいくつかの代替的な実施例によるポンプボディ組立体の断面図である。
図14】本開示のいくつかの代替的な実施例によるポンプボディ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上記で説明された添付の図面は、以下の参照符号を有する。
【0023】
100:スピンドル、110:スライド・ベーン・シュート、120:背圧油キャビティ、121:背圧油キャビティの油出口、122:背圧油キャビティの油入口、130:中央油穴、140:径方向油穴、150:スライド・ベーン、200:下部フランジ、210:下部フランジの油路構造部、220:油出口シュート、230:油ドレン穴、240:油ドレン連通シュート、300:上部フランジ、310:上部フランジの油路構造部、311:上部フランジの背圧油シュート、312:径方向油穴、313:連通穴、314:油分配シュート、320:塞ぎハンダ、400:軸受シリンダ、410:ローラ収容キャビティ、420:ローラ、430:軸方向油ドレン・チャネル、440:径方向油ドレン・チャネル、500:油導流板。
【0024】
矛盾がない場合、本出願における実施例、及び実施例における特徴は、互いに組み合わせられることが、留意されるべきである。
【0025】
本開示は、添付の図面を参照しながら、また、実施例に関連して、以下に詳細に説明される。
【0026】
本出願において使用される全ての技術的及び科学的な用語は、そうでないことが指定されていない限り、本出願が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有することが、留意されるべきである。
【0027】
本開示では、その反対への説明がない場合、「上、下、頂部、底部」などの使用される配向用語は、通常、添付の図面に示された方向に関するものであるか、又は、鉛直方向、垂直方向、若しくは重力方向における構成要素自体に関するものである。同様に、理解及び説明の容易さのために、「内側の(inner)及び外側の(outer)」という用語は、各構成要素自体の輪郭に対する内部及び外部を意味するが、上記で説明された配向用語は、本開示を限定するようには意図されていない。
【0028】
従来技術におけるスライド・ベーンの不十分な背圧の問題を解決するために、本開示は、ポンプボディ組立体及び圧縮機を提供する。圧縮機は、以下に説明されるポンプボディ組立体を有する。
【0029】
(第1の群の実施例)
【0030】
図1から12に示されるように、ポンプボディ組立体は、スライド・ベーン・シュート110を有するスピンドル100を有し、スライド・ベーン・シュート110の終端は、少なくとも油路の一部である背圧油キャビティ120であり、背圧油キャビティの油出口121は、背圧油キャビティ120の頂部に配置される。さらに、背圧油キャビティの油入り口122の位置は、背圧油キャビティの油出口121の位置よりも低く、その結果、潤滑媒体は、背圧油キャビティの油入口122を通じて背圧油キャビティ120に入り、背圧油キャビティ120を満たした後、背圧油キャビティ120の頂部から流れ出る。
【0031】
背圧油キャビティ120はスライド・ベーン・シュート110の終端に位置するので、スライド・ベーン・シュート110内のスライド・ベーン150のための背圧を提供するために、背圧油キャビティ120内に潤滑媒体が注入される。さらに、背圧油キャビティの油入口122の位置は背圧油キャビティの油出口121の位置よりも低いので、潤滑媒体が背圧油キャビティ120内へ流れるときに、スライド・ベーン150のための十分な背圧を提供するために背圧油キャビティ120が常に満たされた状態にあり続けることを効果的に確実とすることが可能であり、それにより、スライド・ベーン150の頭部が軸受シリンダ400の内壁に常に密着されることが確実とされて、スライド・ベーン150頭部の漏れの問題が軽減され、且つ、スライド・ベーン150がシリンダの内壁から容易に後退されるか又は離される危険性が回避される。このようにして、スライド・ベーン150の頭部が軸受シリンダ400から離されることを効果的に回避することが可能であるが、そのようなスライド・ベーン150の頭部が軸受シリンダ400から離されることは、スライド・ベーン150と軸受シリンダ400との間の度重なる衝突を生じさせ、且つ、ポンプボディ組立体の騒音及び振動を増大させ、したがってスライド・ベーン150及びポンプボディ組立体の信頼性に影響を及ぼす。さらに、背圧油キャビティ120を通って流れる過程中、潤滑媒体は、スライド・ベーン・シュート110への有益な潤滑作用を生み出し、また、各摩擦対の運動によって生じた熱を完全に奪い去るが、これは、ポンプボディ組立体の安定性を向上させるのに有益なことである。
【0032】
潤滑媒体のオン・ウェイ圧力降下及び過剰圧縮の存在により、背圧油キャビティ120が油で満たされていない場合、スライド・ベーン150の尾部における背圧は、排出段階中にスライド・ベーンが常にシリンダの内壁に密着されるという要求を満たすことができず、スライド・ベーン150が離される危険性が存在し、それによりスライド・ベーン150の衝突がもたらされ、且つ、スライド・ベーン150の信頼性並びに圧縮機の全体としての騒音及び振動に影響が及ぶ可能性があることが、留意されるべきである。したがって、スライド・ベーン150が後退されないことを確実にするために、排出セクションにおけるスライド・ベーン150の背圧を向上させるように背圧油キャビティ120が油で満たされることを確実にすることは、圧縮機の信頼性並びに騒音及び振動に極めて重要である。
【0033】
図1から3に示されるように、スピンドル100はまた、底部から上向きに延在する中央油穴130、及び、中央油穴130と連通する径方向油穴140を有する。中央油穴130及び径方向油穴140は、油路の一部を構成し、潤滑媒体は、中央油穴130及び径方向油穴140を通じて背圧油キャビティ120へ流れる。中央油穴130は、油導流板500を内部に備える。スピンドル100が回転するときに、中央油穴130の中に組み付けられた油導流板500は、潤滑媒体を中央油穴130の底から上部へ運ぶように回転する。スピンドル100が回転するにつれて、中央油穴130内の潤滑媒体は、遠心力の作用の下で径方向油穴140に入り、そして径方向油穴140を通じて背圧油キャビティ120に入る。
【0034】
中央油穴130は止り穴であることが、留意されるべきである。
【0035】
図1及び2に示されるように、径方向油穴140の位置は、背圧油キャビティの油入口122の位置よりも低く、ポンプボディ組立体は、下部フランジ200をさらに含む。下部フランジ油路構造部210が、背圧油キャビティ120に面する下部フランジ200の外側面上に設けられる。径方向油穴140は、下部フランジ油路構造部210を通じて背圧油キャビティの油入口122と連通し、下部フランジ油路構造部210は、油路の一部である。このようにして、潤滑媒体は、中央油穴130から径方向油穴140に入り、径方向油穴140から下部フランジの油路構造部210に入り、最終的に背圧油キャビティ120に入る。ここで、径方向油穴140の位置は背圧油キャビティの油入口122の位置よりも低いので、背圧油キャビティ120に入る潤滑媒体が、背圧油キャビティ120が満たされた状態に常にあり続けるように、背圧油キャビティ120を上向きに徐々に満たし、それによりスライド・ベーン150のための十分な背圧をさらに提供して、スライド・ベーン150の頭部が軸受シリンダ400の内壁に常に密着されることを確実にすることを、より良く確実にすることが可能である。
【0036】
図11及び12に示されるように、下部フランジ油路構造部210は、下部フランジ200上に設けられた背圧油シュートであり、下部フランジの背圧油シュートは、スピンドル100から遠ざかる方向に沿ってより深くなる段付きシュートである。下部フランジの背圧油シュートは、スライド・ベーン150のための十分な背圧を提供するのに有益な潤滑媒体の確実且つ一致する流れをより良く確実にし、それによりポンプボディ組立体の安定性及び確実性を向上させるように、段付きシュートに設計される。
【0037】
図11及び12に示されるように、下部フランジ200上の段付きシュートの投影は、2つの弧状構造部にあり、2つの弧状構造部のうちのスピンドル100から遠い方の弧状構造部は、背圧油キャビティ120と位置合わせされる。2つの弧状構造部のうちのスピンドル100から遠い方の弧状構造部は背圧油キャビティ120と位置合わせされているので、ポンプボディ組立体の動作過程中、潤滑媒体は、スピンドル100から遠い方の弧状構造部から背圧油キャビティ120内へ流れる。
【0038】
図9及び10に示されるように、ポンプボディ組立体は、上部フランジ300、及び軸受シリンダ400をさらに含む。上部フランジの油路構造部310が、背圧油キャビティ120に面する上部フランジ300の外側面上に設けられる。軸受シリンダ400は、ローラ収容キャビティ410、及びローラ収容キャビティ410内に配置されたローラ420を有する。背圧油キャビティの油出口121は、上部フランジの油路構造部310を通じてローラ収容キャビティ410と連通し、上部フランジの油路構造部310及びローラ収容キャビティ410は、油路の一部である。潤滑媒体は、背圧油キャビティの油出口121から上部フランジの油路構造部310に入り、次いでローラ収容キャビティ410内へ流れるが、これは、上部フランジの油路構造部310及びローラ収容キャビティ410への有益な潤滑作用を減少させ、また、潤滑媒体はそれと同時に、各構造部よって生じた熱を奪い去るが、これは、ポンプボディ組立体の信頼性及び安定性を向上させるのに有益である。
【0039】
図1及び2に示されるように、上部フランジの油路構造部310は、上部フランジの背圧油シュート311、及び、上部フランジ300の径方向に沿って開口された径方向油路穴312を有する。上部フランジの背圧油シュート311は、背圧油キャビティの油出口121と連通する。径方向油路穴312の少なくとも一部分は、上部フランジの背圧油シュート311と連通する。連通穴313及びローラ収容キャビティ410は、連通穴313を通じて径方向油路穴312と連通する。このようにして、潤滑構造部は、背圧油キャビティの油出口121から上部フランジの背圧油シュート311に入り、上部フランジの背圧油シュート311から径方向油路穴312に入り、次いで連通穴313を通じて収容キャビティ410に入る。この過程中、潤滑媒体は、それを通って流れる構造部への有益な潤滑作用を生み出し、同時に、各構造部によって生じた熱を奪い去ることが可能であるが、これは、ポンプボディ組立体の信頼性及び安定性を向上させるのに有益である。さらに、径方向油路穴312の位置は背圧油キャビティ120よりも上側に置かれるので、径方向油路穴312に入る前に背圧油キャビティ120内の潤滑媒体がいっぱいになることを確実にすることが可能である。
【0040】
スピンドル100から離れた径方向油路穴312の一方の端部は、便利よく且つ迅速に機械加工される塞ぎハンダ320を使用する方法で閉塞されることが、留意されるべきである。当然ながら、例えば溶接又はねじを使用する方法での閉塞も可能である。
【0041】
図9に示されるように、上部フランジ300上の上部フランジの背圧油シュート311の投影は、弧状構造部にある。上部フランジの背圧油シュート311は、上部フランジ300の潤滑性能を向上させ且つ各構成要素によって生じた熱を奪い去り、それによりポンプボディ組立体の信頼性及び安定性をより良く確実にするために、背圧油キャビティ120内の潤滑媒体が上部フランジ300内へ円滑に流れることを確実にするように、背圧油キャビティ120と協調するための弧状構造部を使用する。
【0042】
図1及び2に示されるように、上部フランジの油路構造部310は、油分配シュート314を有し、上部フランジの背圧油シュート311は、油分配シュート314を通じて上部フランジ300の内壁と連通する。上部フランジ300の内壁とスピンドル100との間には間隙が存在し、それにより、潤滑媒体は、上部フランジの背圧油シュート311及び油分配シュート314を通じて間隙内へ流れる。上部フランジ300の内壁とスピンドル100との間の間隙に入る潤滑媒体は、スピンドル100と上部フランジ300との間の摩擦を減少させ且つここでの消費機械力を減少させるように、スピンドル100及び上部フランジ300への潤滑作用を生み出し、したがって、スピンドル100及び上部フランジ300をより良く保護し、それと同時に、ポンプボディ組立体の信頼性及び安定性を向上させる。
【0043】
或いは、油分配シュート314の断面積の径方向油路穴312に対する比は、1以下である。このようにして、油路の長さ及び管径の大きさ並びに潤滑媒体の各構造部の要求に関連して、油路の流れ過程中の潤滑媒体のオン・ウェイ損失が減少すること、及び、ポンプボディ組立体の動作がより良好な動作効果とともにより信頼のおけるものになることを確実にすることが可能である。
【0044】
油分配シュート314の断面積の径方向油路穴312に対する比は、3:7であることが好ましい。このようにして、油の大部分は、径方向油路穴312から流れ出て、軸受シリンダ400の十分な潤滑及び熱放散、及びスピンドル100への十分な潤滑媒体を確実にし、それにより、ポンプボディ組立体は、最適な動作効果とともに最も信頼のおける態様で動作する。
【0045】
図1及び2に示されるように、ポンプボディ組立体は、下部フランジ200をさらに含む。油出口シュート220が、背圧油キャビティ120に面する下部フランジ200の外側面上に設けられる。ローラ収容キャビティ410の底部は、油出口シュート220と連通し、油出口シュート220は、下部フランジ200の縁部まで延在する。油出口シュート220は、油路の一部である。このようにして、潤滑媒体は、ローラ収容キャビティ410の底部から油出口シュート220に入り、油出口シュート220からもとの油溜めへ流れて、潤滑媒体の循環を実現する。連続的な循環過程を通じて、ポンプボディ組立体の信頼性及び安定性を保証するように、各構造部は十分に潤滑され、生じた熱は奪い去られる。
【0046】
本実施例では、油路の最終油出口は、下部フランジ200上に設けられる。これは、油路における潤滑媒体の循環が、オン・ウェイ圧力損失をもたらすためである。油出口が圧縮機キャビティ内で高圧ガス中に露呈されていると、圧縮機キャビティ内の圧力変動が存在するときに、潤滑媒体が背圧油キャビティ120を満たすのに有益ではないガス・チャネリングの現象が起こり易い。本開示では、高圧ガス・チャネリングの危険性を回避するために、油出口は、圧縮機キャビティ内の油面が低い場合であっても油出口が液面よりも下側に位置することを保証することが可能であるように、より低い位置において下部フランジ200上に設けられる。全体的な油路設計は、最初の油入口が最後の油出口よりも大きな面積を有し、したがってより多くの流入量及びより少ない流出量を実現することを可能にし、またさらに、背圧油キャビティ120が油で満たされることを確実にする。
【0047】
(第2の群の実施例)
【0048】
第1の実施例との違いは、下部フランジ200の構造が異なることである。
【0049】
図13に示されるように、ポンプボディ組立体は、軸方向に貫通する油ドレン穴230を有する下部フランジ200をさらに有する。ローラ収容キャビティ410の底部は、油ドレン穴230の頂部と連通し、油ドレン穴230は、油路の一部である。このようにして、潤滑媒体は、ローラ収容キャビティ410の底部から油ドレン穴230に入り、油ドレン穴230からもとの油溜めへ流れて、潤滑媒体の循環を実現する。ポンプボディ組立体の信頼性及び安定性を保証するために、連続的な循環過程により、各構造部は十分に潤滑され、生じた熱は奪い去られる。
【0050】
(実施例III)
【0051】
第1の実施例との違いは、下部フランジ200の構造が異なることである。
【0052】
図14に示されるように、ポンプボディ組立体は、下部フランジ200をさらに含む。油ドレン連通シュート240が、背圧油キャビティ120に面する下部フランジ200の外側面上に設けられる。軸受シリンダ400は、軸方向油ドレン・チャネル430であって、ローラ収容キャビティ410の底部が油ドレン連通シュート240を通じて軸方向油ドレン・チャネル430の底部と連通する、軸方向油ドレン・チャネル430と、径方向油ドレン・チャネル440であって、軸方向油ドレン・チャネル430の頂部が径方向油ドレン・チャネル440を通じて軸受シリンダ400の外側円周面と連通する、径方向油ドレン・チャネル440と、を有し、軸方向油ドレン通路430及び径方向油ドレン通路440は、油路の一部である。このようにして、潤滑媒体は、ローラ収容キャビティ410の底部から油ドレン連通シュート240に入り、油ドレン連通シュート240から軸方向油ドレン通路430内へ流れ、最終的に径方向油ドレン通路440からもとの油溜めへ流れて、潤滑媒体の循環を達成する。動作中のポンプボディ組立体の信頼性及び安定性を保証するために、連続的な循環過程により、各構造部は十分に潤滑され、生じた熱は奪い去られる。
【0053】
本実施例では、軸受シリンダ400内の油路は、U形状である。
【0054】
上記の説明から、上記で説明された本開示の実施例は以下の技術的効果を達成することが分かる。
【0055】
1)スライド・ベーン・シュートの終端における背圧油キャビティは潤滑媒体で満たされるので、スライド・ベーンの頭部が軸受シリンダの内壁に常に密着されることを確実にし、スライド・ベーンの頭部の漏れの問題を軽減し、且つ、スライド・ベーンが容易に後退されてシリンダの内壁から離される危険性を回避するように、スライド・ベーン・シュート内のスライド・ベーンのための十分な背圧を提供することが可能であり、これは、圧縮機の性能を向上させるのに有益である。
【0056】
2)スライド・ベーンの頭部が軸受シリンダから離されることを効果的に回避することが可能であり、そのようなスライド・ベーンの頭部が軸受シリンダから離されることは、スライド・ベーンと軸受シリンダとの間の度重なる衝突を生じさせ、且つ、ポンプボディ組立体の騒音及び振動を増大させ、したがってスライド・ベーン及びポンプボディ組立体の信頼性に影響を及ぼす。
【0057】
3)軸受シリンダの潤滑及び熱放散に関する問題を解決して軸受シリンダの信頼性を向上させること、軸受シリンダよって引き起こされる吸引加熱(suction heating)を減少させること、及び、圧縮機の性能を強化することが、可能である。
【0058】
4)潤滑媒体は、スライド・ベーン・シュートへの有益な潤滑作用を生み出し、且つ、各構成要素によって生じた熱を完全に奪い去るが、これは、ポンプボディ組立体の安定性を向上させるのに有益である。
【0059】
5)圧縮機の部品は、容易に機械加工され且つ組み立てられるが、これは、圧縮機の騒音及び振動を改善し、且つ、圧縮機の全体的なエネルギー効率及び信頼性を改善する。
【0060】
上記で説明された実施例は、全ての実施例ではなく本開示の実施例の一部に過ぎないことが、明らかである。本開示の実施例に基づき、発明的な試みが伴われないことを前提として当業者によって獲得される全ての他の実施例は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0061】
本明細書において使用される用語は、特定の実施例を説明する目的のためだけのものであり、且つ、本出願による例示的な実施例を限定するようには意図されていないことが、留意されるべきである。本明細書において、単数形はまた、文脈上別段の指定がさらになされていない限り、複数形を含むことが意図されている。さらに、「含む(contains)及び/又は有する(comprises)」という用語が本明細書において使用される場合、特徴、ステップ、動作、デバイス、組立体、及び/又はそれらの組合わせの存在を示すように意図されていることが、理解されるべきである。
【0062】
本出願の明細書及び特許請求の範囲並びに上記で説明された添付の図面における「第1の」、「第2の」などの用語は、類似の対象物を区別するために使用されるものであり、必ずしも特定の順序又はシーケンスを説明するために使用されるものではないことが、留意されるべきである。したがって、使用されるデータは、本明細書において説明された本出願の実施例が、本明細書において例示又は説明されたもの以外のシーケンスで実施されるように、必要に応じて置き換え可能であることが、理解されるべきである。
【0063】
上述の説明は、単に本開示の好ましい実施例であるが、本開示を限定する働きをするものではない。当業者のために、様々な修正及び変更が、本開示においてなされる。本開示の精神及び原理の範囲内でなされるいかなる改正、等価な置換え、改良なども、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】