(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】中空の翼弦方向に延在するピンを有する風力タービンのジョイントされたロータブレード
(51)【国際特許分類】
F03D 13/10 20160101AFI20220224BHJP
F03D 1/06 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
F03D13/10
F03D1/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522952
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(85)【翻訳文提出日】2021-06-22
(86)【国際出願番号】 US2018058666
(87)【国際公開番号】W WO2020091784
(87)【国際公開日】2020-05-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】ウィルフォード,アシュレー・シモンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ライト,ジョン・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ヒュース,スコット・ジャコブ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB35
3H178BB71
3H178BB77
3H178CC03
(57)【要約】
風力タービン用のロータブレードは、翼弦方向ジョイントから反対方向に延在する第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、翼形部表面および内部支持構造体を画定する少なくとも1つのシェル部材を含む。第1のブレードセグメントは、受け入れセクションを介して第2のブレードセグメントと構造的に接続する、長手方向に延在するビーム構造体を含む。ロータブレードはまた、第1のブレードセグメントと第2のブレードセグメントとを互いに固定するように、翼弦方向ジョイントを貫通して配置された少なくとも1つの翼弦方向に延在するピンを含む。さらに、翼弦方向に延在するピンは、その後縁端部から前縁端部まで延在する中空断面を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(10)用のロータブレード(28)であって、
翼弦方向ジョイント(34)から反対方向に延在する第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)であって、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)の各々は、翼形部表面および内部支持構造体(36、40、60)を画定する少なくとも1つのシェル部材を含み、前記第1のブレードセグメント(30)は、受け入れセクション(60)を介して前記第2のブレードセグメント(32)と構造的に接続する長手方向に延在するビーム構造体(40)を含む、第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とを互いに固定するように前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して配置された少なくとも1つの翼弦方向に延在するピン(62)であって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その後縁端部(68)から前縁端部(69)まで延在する中空断面(64)を含む、少なくとも1つの翼弦方向に延在するピン(62)と、
を含むロータブレード(28)。
【請求項2】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記後縁端部(68)で始まる第1の外径(71)と、前記前縁端部(69)で終わる第2の外径(73)と、を画定し、前記第1の外径(71)は前記第2の外径(73)よりも大きく、前記第1の外径(71)は、前記翼弦方向に延在するピン(62)の移行領域(78)において前記第2の外径(73)まで先細になる、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項3】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記第2の外径(73)から前記前縁端部(69)のより小さい外径までさらに先細になる、請求項2に記載のロータブレード(28)。
【請求項4】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記第1および第2のブレードセグメント(30、32)の前記内部支持構造体(36、40、60)に設けられた複数のブッシング(55~58)を貫通して延在する、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項5】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記中空断面(64)内に配置された1つまたは複数の構造インサート(80、81)をさらに含み、前記1つまたは複数の構造インサート(80、81)は、前記複数のブッシング(55~58)と整列する、請求項4に記載のロータブレード(28)。
【請求項6】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記中空断面(64)内に配置された複数の構造インサート(80、81)をさらに含み、前記複数の構造インサート(80、81)のうちの第1の構造インサート(80)は、前記中空断面(64)の前記後縁端部(68)に配置され、前記複数の構造インサート(80、81)のうちの第2の構造インサート(81)は、前記中空断面(64)の前記前縁端部(69)に配置される、請求項5に記載のロータブレード(28)。
【請求項7】
前記翼弦方向に延在するピン(62)のうちの少なくとも1つと、前記複数のブッシング(55~58)のうちの1つもしくは複数との間、または前記複数のブッシング(55~58)の間に、摩擦を低減するようにコーティング材料(98)をさらに含む、請求項4に記載のロータブレード(28)。
【請求項8】
前記複数のブッシング(55~58)のうちの後縁ブッシングは、追加の保持機構を前記翼弦方向ジョイント(34)に固定することを可能にするために、前記翼弦方向ジョイント(34)の表面を越えて延在する、請求項4に記載のロータブレード(28)。
【請求項9】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その前記後縁端部(68)から前記前縁端部(69)まで延在するねじ付き中心孔(77)をさらに含む、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項10】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その前記後縁端部(68)または前記前縁端部(69)の一方または両方に配置された1つまたは複数の保持機構(90、92)をさらに含む、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項11】
前記1つまたは複数の保持機構(90、92)は、保持リング(90)または閉端部ブッシング(92)の少なくとも一方を含む、請求項10に記載のロータブレード(28)。
【請求項12】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、互いに固定された複数のピンセグメント(94)で構成されている、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項13】
風力タービン(10)用のロータブレード(28)であって、
翼弦方向ジョイント(34)から反対方向に延在する第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)であって、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)の各々は、翼形部表面および内部支持構造体(36、40、60)を画定する少なくとも1つのシェル部材を含み、前記第1のブレードセグメント(30)は、受け入れセクション(60)を介して前記第2のブレードセグメント(32)と構造的に接続する長手方向に延在するビーム構造体(40)を含む、第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とを互いに固定するように前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して配置された少なくとも1つの翼弦方向に延在するピン(62)であって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その後縁端部(68)で始まる第1の外径(71)と、その前縁端部(69)で終わる第2の外径(73)と、を画定し、前記第1の外径(71)は前記第2の外径(73)よりも大きく、前記第1の外径(71)は、前記翼弦方向に延在するピン(62)の移行領域(78)において前記第2の外径(73)まで先細になる、翼弦方向に延在するピン(62)と、
を含むロータブレード(28)。
【請求項14】
風力タービン(10)のロータブレード(28)の第1および第2のブレードセグメント(30、32)を接合する方法(100)であって、
略翼幅方向に延在するビーム構造体(40)を有する前記第1のブレードセグメント(30)を提供するステップ(102)と、
前記略翼幅方向に延在する受け入れセクション(60)を有する前記第2のブレードセグメント(32)を提供するステップ(104)と、
前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)が翼弦方向ジョイント(34)から反対方向に延在するように、前記第1のブレードセグメント(30)の前記ビーム構造体(40)を前記第2のブレードセグメント(32)の前記受け入れセクション(60)に挿入するステップ(106)であって、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)の各々は、正圧側シェル部材および負圧側シェル部材を有する、ステップ(106)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とを互いに固定するように、前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップ(108)であって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その後縁端部(68)から前縁端部(69)まで延在する中空断面(64)を含む、ステップ(108)と、
を含む方法(100)。
【請求項15】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記後縁端部(68)で始まる第1の外径(71)と、前記前縁端部(69)で終わる第2の外径(73)と、を画定し、前記第1の外径(71)は前記第2の外径(73)よりも大きく、前記第1の外径(71)は、前記翼弦方向に延在するピン(62)の移行領域(78)において前記第2の外径(73)まで先細になり、前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップは、
前記第1および第2のブレードセグメント(30、32)の前記内部支持構造体(36、40、60)に設けられた複数のブッシング(55~58)を貫通して、前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記前縁端部(69)を挿入するステップであって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記前縁端部(69)において前記第2の外径(73)からより小さい外径まで先細になる、ステップをさらに含む、請求項14に記載の方法(100)。
【請求項16】
前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップは、
前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記前縁端部(69)が1つまたは複数の前縁ブッシングに挿入される前に、前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記後縁端部(68)の前記第1の外径(71)を1つまたは複数の後縁ブッシングと係合させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法(100)。
【請求項17】
前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記中空断面(64)内に、前記複数のブッシング(55~58)と整列する1つまたは複数の構造インサート(80、81)を配置するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法(100)。
【請求項18】
前記翼弦方向に延在するピン(62)のうちの少なくとも1つと、前記複数のブッシング(55~58)のうちの1つもしくは複数との間、または前記複数のブッシング(55~58)の間に、摩擦を低減するようにコーティング材料(98)を適用するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法(100)。
【請求項19】
前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記後縁端部(68)または前記前縁端部(69)の一方または両方に1つまたは複数の保持機構(90、92)を配置するステップをさらに含み、前記1つまたは複数の保持機構(90、92)は、保持リング(90)または閉端部ブッシング(92)の少なくとも一方を含む、請求項14に記載の方法(100)。
【請求項20】
前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップは、
前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)の複数のピンセグメント(94)を挿入するステップと、
ねじ接続を介して前記複数のピンセグメント(94)を互いに固定するステップと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に風力タービンに関し、より詳細には、中空の翼弦方向に延在するピンを有する風力タービンのジョイントされたロータブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
風力は、現在利用可能な最もクリーンで最も環境に優しいエネルギー源の1つと考えられ、風力タービンはこの点で注目を集めている。現代の風力タービンは、典型的には、タワー、発電機、ギヤボックス、ナセル、および1つもしくは複数のロータブレードを有する回転可能なハブを有するロータを含む。ロータブレードは、公知の翼形部原理を使用して風の運動エネルギーを取り込む。ロータブレードは、ロータブレードをギヤボックスに結合するシャフトを回転させるように、またはギヤボックスが使用されていない場合には、発電機に直接回転エネルギーの形態で運動エネルギーを伝達する。次いで、発電機は、機械的エネルギーを、電力網に供給することができる電気エネルギーに変換する。
【0003】
ロータブレードは、一般に、ブレードの前縁および後縁に沿った結合線で互いに結合される成形プロセスを使用して通常形成される負圧側シェルおよび正圧側シェルを含む。さらに、負圧側シェルおよび正圧側シェルは比較的軽量であり、動作中にロータブレードに加えられる曲げモーメントおよび他の負荷に耐えるように構成されていない構造体特性(例えば、剛性、座屈耐性、および強度)を有する。したがって、ロータブレードの剛性、座屈耐性、および強度を高めるために、本体シェルは、典型的には、シェル半体の内側の正圧側表面および負圧側表面に係合する1つまたは複数の構造的構成要素(例えば、その間にせん断ウェブが構成された対向するスパーキャップ)を使用して補強される。スパーキャップおよび/またはせん断ウェブは、ガラス繊維積層複合材料および/または炭素繊維積層複合材料を含むがこれらに限定されない様々な材料で構築することができる。
【0004】
風力タービンが大型化し続けると、ロータブレードも大型化する。したがって、より大きなロータブレードは、1つまたは複数のピンジョイントを介して現場で組み立てることができるセグメントに構成される場合がある。ブレードの長さを増加させると、重力が増加した長さに沿って引っ張り、より短いロータブレードよりも大きな曲げモーメントを生成するため、追加のブレード支持が必要になる。ピンジョイントは、ブレード先端部がこの負荷の一部に耐えるように撓むことを可能にするように構成される。しかしながら、そのような点ジョイントは、ロータブレードに重量を加える可能性があり、適切に設計されない場合には、ロータブレードの構造的完全性に問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
したがって、本開示は、構造的に補強された中空の翼弦方向に延在するピンを有する改善された風力タービンのジョイントされたロータブレードを対象とし、それにより、ジョイントの質量を最小限に抑えながら、改善された設置および最適化された材料使用を提供する。このように、構造的に補強された中空の翼弦方向に延在するピンはまた、中空のチューブ設計のみで起こり得る楕円化を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/274521号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様および利点は、その一部を以下の説明に記載しており、あるいはその説明から明らかになり、あるいは本発明の実施により学ぶことができる。
【0008】
一態様では、本開示は、風力タービン用のロータブレードに関する。ロータブレードは、翼弦方向ジョイントから反対方向に延在する第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、翼形部表面および内部支持構造体を画定する少なくとも1つのシェル部材を含む。第1のブレードセグメントは、受け入れセクションを介して第2のブレードセグメントと構造的に接続する、長手方向に延在するビーム構造体を含む。ロータブレードはまた、第1のブレードセグメントと第2のブレードセグメントとを互いに固定するように、翼弦方向ジョイントを貫通して配置された少なくとも1つの翼弦方向に延在するピンを含む。さらに、翼弦方向に延在するピンは、その後縁端部から前縁端部まで延在する中空断面を含む。
【0009】
一実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、後縁端部で始まる第1の外径と、前縁端部で終わる第2の外径と、を画定してもよい。さらに、第1の外径は、第2の外径よりも大きくてもよい。さらに、第1の外径は、翼弦方向に延在するピンの移行領域において第2の外径まで先細になっていてもよい。一実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、第2の外径から前縁端部のより小さい外径までさらに先細になっていてもよい。
【0010】
さらなる実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、第1および第2のブレードセグメントの内部支持構造体に設けられた複数のブッシングを貫通して延在してもよい。追加の実施形態では、翼弦方向に延在するピンはまた、中空断面内に配置された1つまたは複数の構造インサートを含んでもよい。そのような実施形態では、構造インサートは、複数のブッシングと整列してもよい。特定の実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、中空断面内に配置された複数の構造インサートを含んでもよい。例えば、翼弦方向に延在するピンは、その後縁端部に配置された第1の構造インサートと、その前縁端部に配置された第2の構造インサートと、を含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、摩擦を低減するように、翼弦方向に延在するピンと、複数のブッシングのうちの1つまたは複数と、の間、および/または複数のブッシングの間にコーティング材料をさらに含んでもよい。別の実施形態では、複数のブッシングの後縁ブッシングは、追加の保持機構をそこに固定することを可能にするために、翼弦方向ジョイントの表面を越えて延在してもよい。さらなる実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、その後縁端部から前縁端部まで延在するねじ付き中心孔を含んでもよい。
【0012】
追加の実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、その後縁端部または前縁端部の一方または両方に配置された1つまたは複数の保持機構を含んでもよい。例えば、一実施形態では、保持機構は、保持リングおよび/または閉端部ブッシングを含んでもよい。
【0013】
さらに別の実施形態では、翼弦方向に延在するピンは、例えばピンの低応力位置で互いに固定された複数のピンセグメントから構成されてもよい。
【0014】
別の態様では、本開示は風力タービン用のロータブレードに関する。ロータブレードは、翼弦方向ジョイントから反対方向に延在する第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、翼形部表面および内部支持構造体を画定する少なくとも1つのシェル部材を含む。第1のブレードセグメントは、受け入れセクションを介して第2のブレードセグメントと構造的に接続する、長手方向に延在するビーム構造体を含む。ロータブレードはまた、第1のブレードセグメントと第2のブレードセグメントとを互いに固定するように、翼弦方向ジョイントを貫通して配置された少なくとも1つの翼弦方向に延在するピンを含む。翼弦方向に延在するピンは、その後縁端部で始まる第1の外径と、その前縁端部で終わる第2の外径と、を画定する。さらに、第1の外径は第2の外径よりも大きい。さらに、第1の外径は、翼弦方向に延在するピンの移行領域において第2の外径まで先細になる。
【0015】
さらに別の態様では、本開示は、風力タービンのロータブレードの第1および第2のブレードセグメントを接合する方法に関する。本方法は、略翼幅方向に延在するビーム構造体を有する第1のブレードセグメントを提供するステップを含む。本方法はまた、略翼幅方向に延在する受け入れセクションを有する第2のブレードセグメントを提供するステップを含む。さらに、本方法は、第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントが翼弦方向ジョイントから反対方向に延在するように、第1のブレードセグメントのビーム構造体を第2のブレードセグメントの受け入れセクションに挿入するステップを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、正圧側シェル部材および負圧側シェル部材を有する。さらに、本方法は、第1のブレードセグメントと第2のブレードセグメントとを互いに固定するように、翼弦方向に延在するピンを翼弦方向ジョイントに貫通して挿入するステップを含む。翼弦方向に延在するピンはまた、その後縁端部から前縁端部まで延在する中空断面を含む。本方法は、本明細書に記載の追加の特徴および/またはステップのいずれかをさらに含んでもよいことを理解されたい。
【0016】
このように、翼弦方向に延在するピンを翼弦方向ジョイントに貫通して挿入するステップは、翼弦方向に延在するピンの前縁端部を、第1および第2のブレードセグメントの内部支持構造体に設けられた複数のブッシングに貫通して挿入するステップを含んでもよい。より具体的には、翼弦方向に延在するピンを翼弦方向ジョイントに貫通して挿入するステップは、翼弦方向に延在するピンの前縁端部が1つまたは複数の前縁ブッシングに挿入される前に、翼弦方向に延在するピンの後縁端部の第1の外径を1つまたは複数の後縁ブッシングに係合させるステップを含んでもよい。
【0017】
本発明のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されよう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明と共に本発明の特定の原理を説明するのに役立つ。
【0018】
本発明の完全かつ可能な開示は、その最良の態様を含み、当業者に向けられて、本明細書に記載されており、それは以下の添付の図を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示による風力タービンの一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示による第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを有するロータブレードの一実施形態の平面図である。
【
図3】本開示による第1のブレードセグメントの一実施形態の一部分の斜視図である。
【
図4】本開示による翼弦方向ジョイントにおける第2のブレードセグメントの一部分の一実施形態の斜視図である。
【
図5】本開示による、第2のブレードセグメントと接合された第1のブレードセグメントを有する風力タービンのロータブレードの一実施形態のアセンブリを示す図である。
【
図6】本開示による風力タービンのロータブレードのアセンブリの複数の支持構造体の一実施形態の分解斜視図である。
【
図7】断面線7-7に沿った
図5の翼弦方向ジョイントにおける翼弦方向に延在するピンの断面図である。
【
図8】本開示による風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンの一実施形態の断面図である。
【
図9A】本開示による風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンの一実施形態の斜視図である。
【
図9B】断面線9B-9Bに沿った
図9Aの翼弦方向に延在するピンの断面図である。
【
図9C】断面線9C-9Cに沿った
図9Aの翼弦方向に延在するピンの断面図である。
【
図10】本開示による風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンの別の実施形態の斜視図であり、特に、翼弦方向に延在するピンのそれぞれの端部における保持機構を示す。
【
図11】本開示による複数のピンセグメントで構成された風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンのさらに別の実施形態の断面図である。
【
図12】本開示による風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンのさらに別の実施形態の断面図であり、特に、ブッシングとブッシングとの間に適用されたコーティング材料および翼弦方向に延在するピンを示す。
【
図13】本開示による風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンの別の実施形態の断面図であり、特に、追加の保持機構をそこに固定することを可能にするためにジョイントの表面から延在する後縁ブッシングを示す。
【
図14】本開示による風力タービンのロータブレードの第1および第2のブレードセグメントを接合する方法の一実施形態のフローチャートを示す図である。
【
図15】本開示による風力タービンのロータブレードの翼弦方向ジョイントの翼弦方向に延在するピンの一実施形態の断面図であり、特に、前縁端部がジョイントの前縁ブッシングと係合する前に、ジョイントの後縁ブッシングと係合するピンの後縁端部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照するが、その1つまたは複数の例が図面に示されている。各例は、本発明の説明のために提示され、本発明を限定するためではない。実際には、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変更が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または記載された特徴は、またさらなる実施形態をもたらすために、別の実施形態において使用することができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるそのような修正および変更を包含することが意図されている。
【0021】
ここで図面を参照すると、
図1は、本発明による風力タービン10の一実施形態の斜視図を示す。図示する実施形態では、風力タービン10は水平軸風力タービンである。代替的に、風力タービン10は垂直軸風力タービンであってもよい。さらに、図示するように、風力タービン10は、支持面14から延在するタワー12、タワー12に取り付けられたナセル16、ナセル16内に配置された発電機18、発電機18に結合されたギヤボックス20、およびロータシャフト24によりギヤボックス20に回転可能に結合されたロータ22を含んでもよい。さらに、図示するように、ロータ22は、回転可能なハブ26と、回転可能なハブ26に結合され、そこから外側に延在する少なくとも1つのロータブレード28と、を含む。図示するように、ロータブレード28は、ブレード先端部17およびブレード根元部19を含む。
【0022】
ここで
図2を参照すると、
図1のロータブレード28のうちの1つの平面図が示されている。図示するように、ロータブレード28は、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32を含んでもよい。さらに、図示するように、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、翼弦方向ジョイント34から反対方向に各々延在してもよい。さらに、図示するように、ブレードセグメント30、32の各々は、正圧側シェル部材および負圧側シェル部材を含んでもよい。第1のブレードセグメント30と第2のブレードセグメント32とは、ブレードセグメント30、32の接合を容易にするために両方のブレードセグメント30、32内に延在する少なくとも内部支持構造体36によって接続される。矢印38は、図示する例のセグメント化されたロータブレード28が2つのブレードセグメント30、32を含み、内部支持構造体36を第2のブレードセグメント32に挿入することによってこれらのブレードセグメント30、32が接合されることを示している。さらに、図示するように、第2のブレードセグメントは、ロータブレード28のブレード根元セクション35(
図7により詳細に示す)および第1のブレードセグメント30のビーム構造体40(
図5により詳細に示す)と接続するために長手方向に延在する複数のスパー構造体66(本明細書ではスパーキャップとも呼ばれる)を含む。
【0023】
ここで
図3を参照すると、本開示による第1のブレードセグメント30の一部分の斜視図が示されている。図示するように、第1のブレードセグメント30は、内部支持構造体36の一部を形成し、第2のブレードセグメント32と構造的に接続するために長手に延在するビーム構造体40を含む。さらに、図示するように、ビーム構造体40は、スパーセクション42から突出する延長部を有する第1のブレードセグメント30の一部を形成し、それによって延長スパーセクションを形成する。ビーム構造体40は、負圧側スパーキャップ46および正圧側スパーキャップ48に接続されたせん断ウェブ44を含む。
【0024】
さらに、図示するように、第1のブレードセグメント30は、ビーム構造体40の第1の端部54に1つまたは複数の第1のピンジョイントを含んでもよい。一実施形態では、ピンジョイントは、ブッシングと緊密に締まり嵌めされたピンを含んでもよい。より具体的には、図示するように、ピンジョイントは、ビーム構造体40上に配置された1つのピンチューブ52を含んでもよい。したがって、図示するように、ピンチューブ52は、翼幅方向に配向されてもよい。さらに、第1のブレードセグメント30は、翼弦方向ジョイント34においてビーム構造体40上に位置するピンジョイントスロット50も含んでもよい。さらに、図示するように、ピンジョイントスロット50は、翼弦方向に配向されてもよい。一例では、(
図7に示すように)ピンジョイントスロット50内に1つまたは複数のブッシング55、57があってもよい。
【0025】
ここで
図4を参照すると、本開示による翼弦方向ジョイント34における第2のブレードセグメント32の一部分の斜視図が示されている。図示するように、第2のブレードセグメント32は、第1のブレードセグメント30のビーム構造体40を受け入れるために、第2のブレードセグメント32内で長手方向に延在する受け入れセクション60を有する。さらに、図示するように、受け入れセクション60は、第1のブレードセグメント30のビーム構造体40と接続するために長手方向に延在するスパー構造体66を含んでもよい。
【0026】
ここで
図5を参照すると、本開示による第2のブレードセグメント32と接合された第1のブレードセグメント30を有するロータブレード28のアセンブリ70が示されている。図示するように、アセンブリ70は、第2のブレードセグメント32と接合された第1のブレードセグメント30を有するロータブレード28の外側シェル部材の下の複数の支持構造体を示している。さらに、図示するように、受け入れセクション60は、長手方向に延在する複数のスパー構造体66を含み、ビーム構造体40を支持する。受け入れセクション60はまた、ビーム構造体40のピンチューブ52と翼幅方向に接続する長方形の締結要素72を含む。さらに、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、翼弦方向ジョイント34にそれぞれ翼弦方向部材74、76を含んでもよい。別の実施形態では、スパー構造体66、長方形の締結要素72、および翼弦方向部材74、76の各々は、ガラス強化繊維で構成されてもよい。
【0027】
ここで
図6を参照すると、ロータブレード28の受け入れセクション60に向かうアセンブリ70の複数の支持構造体の分解斜視図が示されている。図示するように、一対のスパー構造体66は、ビーム構造体40を受け入れるように構成され、ビーム構造体40のピンジョイントスロット50と整列されたピンジョイントスロット82、84を含んでもよく、それを貫通して翼弦方向に延在するピン62が挿入されてもよい。さらに、図示するように、翼弦方向に延在するピン62は、スパー構造体66およびビーム構造体40が組み立て中に互いにジョイントされるように、整列ピンジョイントスロット82、50、84内に緊密な締まり嵌めのままであるように構成されてもよい。さらに、
図6はまた、ビーム構造体40のピンチューブ52を受け入れるように構成されたピンジョイントスロット86を含む長方形の締結要素72を示している。したがって、ピンチューブ52は、締まり嵌めのピンジョイントを形成するように構成される。さらに、一対のスパー構造体66は、任意の適切な接着材料またはエラストマーシールを使用して一方の端部88で互いに接合されてもよい。
【0028】
図7~
図10を参照すると、本開示による翼弦方向に延在するピン62の様々な図が示されている。より詳細には、
図7は、断面線7-7に沿った
図5の翼弦方向ジョイント34の断面図を示す。したがって、図示するように、翼弦方向に延在するピン62は、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32の内部支持構造体40、60を互いに固定するように、翼弦方向ジョイント34を貫通して配置される。より具体的には、図示するように、翼弦方向に延在するピン62は、第1および第2のブレードセグメント30、32の内部支持構造体40、60に設けられた複数のブッシング55、56、57、58を貫通して延在してもよい。例えば、図示するように、ビーム構造体40および受け入れセクション60は各々、翼弦方向に延在するピン62を受け入れる前縁および後縁ブッシング55、56、57、58をそれぞれ含んでもよい。さらに、図示するように、ブッシング55、56、57、58の各々は、隣接するブッシングに当接するフランジ61、63、65、67を含んでもよい。
【0029】
さらに、
図7~
図10に示すように、翼弦方向に延在するピン62は、その後縁端部68から前縁端部69まで延在する中空断面64を含む。より具体的には、特に
図9A、
図9B、および
図9Cに示すように、翼弦方向に延在するピン62は、後縁端部68で始まる第1の外径71と、前縁端部69で終わる第2の外径73と、を画定してもよい。さらに、図示するように、第1の外径71は第2の外径73よりも大きい。さらに、図示するように、第1の外径71は、翼弦方向に延在するピン62の移行領域78において第2の外径73まで先細になっていてもよい。さらに、
図9Aに示すように、翼弦方向に延在するピン62は、第2の外径73から前縁端部69のより小さい外径75までさらに先細になっていてもよい。さらなる実施形態では、
図8に示すように、翼弦方向に延在するピン62は、その後縁端部68から前縁端部69まで延在するねじ付き中心孔77を含んでもよい。
【0030】
特に
図7および
図8を参照すると、翼弦方向に延在するピン62はまた、中空断面64内に配置された1つまたは複数の構造インサート80、81を含んでもよい。より具体的には、図示するように、翼弦方向に延在するピン62は、中空断面64内に配置された複数の構造インサート80、81を含んでもよい。例えば、図示するように、翼弦方向に延在するピン62は、その後縁端部68に配置された第1の構造インサート80と、その前縁端部69に配置された第2の構造インサート81と、を含んでもよい。さらに、図示するように、構造インサート80、81は、翼弦方向に延在するピン62の中空断面64に挿入されたときに、ブッシング55、56、57、58と整列されてもよい。特定の実施形態では、構造インサート80、81は、高荷重領域に追加の補強を提供するためにピン62に押し込まれる鋼インサートであってもよい。
【0031】
特に
図10を参照すると、翼弦方向に延在するピン62はまた、その後縁端部68または前縁端部69の一方または両方に配置された1つまたは複数の保持機構90、92を含んでもよい。例えば、図示するように、保持機構90、92は、保持リング90(すなわち、後縁端部68において)および/または閉端部ブッシング92(すなわち、前縁端部69において)を含んでもよい。
【0032】
ここで
図11を参照すると、本開示の翼弦方向に延在するピン62は、例えばピン62の低応力位置で互いに固定された複数のピンセグメント94から構成されてもよい。例えば、図示するように、ピンセグメント94の一方は、ピンセグメント94を互いに固定するための少なくとも1つのピンねじ95を含んでもよい。そのような実施形態では、図示するように、翼弦方向に延在するピン62は、ピン62に組み込まれた1つまたは複数の保持機構96を含んでもよい。したがって、セグメント化された設計は、固定可能な領域を提供するために端部直径を拡大して、例えば修理中にピン62をより容易に取り外すことを可能にする。
【0033】
ここで
図12を参照すると、本開示の翼弦方向に延在するピン62は、翼弦方向に延在するピン62とブッシング55、56、57、58との間、および/またはブッシング55、56、57、58の各々の間に、それらの間の摩擦を低減するためにコーティング材料98をさらに含んでもよい。例えば、一実施形態では、フィブロイドが、ピン62の外径またはブッシング55、56、57、58の内径の少なくとも一部を取り囲んでもよい。別の実施形態では、ダイヤモンド状コーティング(DCL)材料をピン62に適用して、すなわち、硬度を高め、かつ/またはブッシング55、56、57、58内の摩擦を低減することができる。
【0034】
ここで
図13を参照すると、本開示の翼弦方向に延在するピン62の後縁ブッシング56は、ねじ切りされてもよい。したがって、図示するように、ねじ付き後縁ブッシング56、すなわち受け入れセクション60は、追加のねじ付きキャップ(図示せず)をその上に固定することができるように、その表面から延在してもよい。
【0035】
ここで
図14を参照すると、本開示による風力タービンのロータブレードの第1および第2のブレードセグメントを接合する方法のフローチャート100が示されている。一般に、方法100は、
図1~
図13に示す風力タービン10およびロータブレード28を参照して本明細書で説明される。しかしながら、開示された方法100は、任意の他の適切な構成を有するロータブレードで実施することができることを理解されたい。さらに、
図14は、例示および説明の目的のために特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書で説明される方法は、任意の特定の順序または配置に限定されない。当業者は、本明細書で提供される開示を使用して、本明細書に開示する方法の様々なステップを、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な方法で省略、再構成、組み合わせ、および/または適合させることができることを理解するであろう。
【0036】
ステップ(102)に示すように、方法100は、略翼幅方向に延在するビーム構造体40を有する第1のブレードセグメント30を提供するステップを含んでもよい。ステップ(104)に示すように、方法100は、略翼幅方向に延在する受け入れセクション60を有する第2のブレードセグメント32を提供するステップを含んでもよい。ステップ(106)に示すように、方法100は、第1および第2のブレードセグメント30、32が翼弦方向ジョイント34から反対方向に延在するように、第1のブレードセグメント30のビーム構造体40を第2のブレードセグメント32の受け入れセクション60に挿入するステップを含んでもよい。ステップ(108)に示すように、方法100は、第1のブレードセグメント30と第2のブレードセグメント32とを互いに固定するように、翼弦方向に延在するピン62を翼弦方向ジョイント34に貫通して挿入するステップを含んでもよい。さらに、上述したように、翼弦方向に延在するピン62はまた、その後縁端部68から前縁端部69まで延在する中空断面64を含む。
【0037】
したがって、
図15に示すように、翼弦方向に延在するピン62を翼弦方向ジョイント34に貫通して挿入するステップは、翼弦方向に延在するピン62の前縁端部69を、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32の内部支持構造体40、60に設けられたブッシング55、56、57、58に貫通して挿入するステップを含んでもよい。より具体的には、図示するように、翼弦方向に延在するピン62の後縁端部68の第1の外径71は、翼弦方向に延在するピン62の前縁端部69が前縁ブッシング57、58に挿入される前に後縁ブッシング55、56と係合することができる。したがって、ピン62は、前縁ブッシング57、58と係合しようとする前に後縁ブッシング55、56と完全に係合することができ、これは、ピン62を前縁ブッシング55、56に挿入する前にピン62を適切に整列させるのを助ける。
【0038】
当業者には、異なる実施形態の様々な特徴を相互に交換できることは明らかであろう。同様に、記載された様々な方法ステップおよび特徴、ならびにそのような各方法および特徴の他の公知の均等物は、本開示の原理に従って追加のシステムおよび技術を構築するために、当業者によって混合および適合させることができる。当然のことながら、上述のそのような目的または利点のすべてが、任意の特定の実施形態に従って必ずしも達成され得るとは限らないことを理解されたい。よって、例えば、当業者は、本明細書で説明するシステムおよび技術が、本明細書に教示されるような1つの利点または一群の利点を達成または最適化する方法で、本明細書に教示または示唆され得る他の目的または利点を必ずしも達成せずに、実施または実行され得ることを認識するであろう。
【0039】
本発明の特定の特徴だけを本明細書において例示および説明してきたが、多くの修正および変更が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、そのようなすべての修正および変更を本発明の真の趣旨の範囲に包含されるものとして含むように意図されていることを理解すべきである。
【0040】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示すると共に、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者であれば想到できる他の実施例を含んでもよい。このような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差異を有さない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図している。
【符号の説明】
【0041】
10 風力タービン
12 タワー
14 支持面
16 ナセル
17 ブレード先端部
18 発電機
19 ブレード根元部
20 ギヤボックス
22 ロータ
24 ロータシャフト
26 回転可能なハブ
28 ロータブレード
30 第1のブレードセグメント
32 第2のブレードセグメント
34 翼弦方向ジョイント
35 ブレード根元セクション
36 内部支持構造体
38 矢印
40 ビーム構造体、内部支持構造体
42 スパーセクション
44 せん断ウェブ
46 負圧側スパーキャップ
48 正圧側スパーキャップ
50 ピンジョイントスロット
52 ピンチューブ
54 第1の端部
55 ブッシング
56 ブッシング
57 ブッシング
58 ブッシング
60 受け入れセクション、内部支持構造体
61 フランジ
62 翼弦方向に延在するピン
63 フランジ
64 中空断面
65 フランジ
66 スパー構造体
67 フランジ
68 後縁端部
69 前縁端部
70 アセンブリ
71 第1の外径
72 長方形の締結要素
73 第2の外径
74 翼弦方向部材
75 外径
76 翼弦方向部材
77 ねじ付き中心孔
78 移行領域
80 第1の構造インサート
81 第2の構造インサート
82 ピンジョイントスロット
84 ピンジョイントスロット
86 ピンジョイントスロット
88 一方の端部
90 保持機構、保持リング
92 保持機構、閉端部ブッシング
94 ピンセグメント
95 ピンねじ
96 保持機構
98 コーティング材料
100 方法
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(10)用のロータブレード(28)であって、
翼弦方向ジョイント(34)から反対方向に延在する第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)であって、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)の各々は、翼形部表面および内部支持構造体(36、40、60)を画定する少なくとも1つのシェル部材を含み、前記第1のブレードセグメント(30)は、受け入れセクション(60)を介して前記第2のブレードセグメント(32)と構造的に接続する長手方向に延在するビーム構造体(40)を含む、第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とを互いに固定するように前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して配置された少なくとも1つの翼弦方向に延在するピン(62)であって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その後縁端部(68)から前縁端部(69)まで延在する中空断面(64)を含む、少なくとも1つの翼弦方向に延在するピン(62)と、
を含むロータブレード(28)。
【請求項2】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記後縁端部(68)で始まる第1の外径(71)と、前記前縁端部(69)で終わる第2の外径(73)と、を画定し、前記第1の外径(71)は前記第2の外径(73)よりも大きく、前記第1の外径(71)は、前記翼弦方向に延在するピン(62)の移行領域(78)において前記第2の外径(73)まで先細になる、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項3】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記第2の外径(73)から前記前縁端部(69)のより小さい外径までさらに先細になる、請求項1または2に記載のロータブレード(28)。
【請求項4】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記第1および第2のブレードセグメント(30、32)の前記内部支持構造体(36、40、60)に設けられた複数のブッシング(55~58)を貫通して延在する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項5】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記中空断面(64)内に配置された1つまたは複数の構造インサート(80、81)をさらに含み、前記1つまたは複数の構造インサート(80、81)は、前記複数のブッシング(55~58)と整列する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項6】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記中空断面(64)内に配置された複数の構造インサート(80、81)をさらに含み、前記複数の構造インサート(80、81)のうちの第1の構造インサート(80)は、前記中空断面(64)の前記後縁端部(68)に配置され、前記複数の構造インサート(80、81)のうちの第2の構造インサート(81)は、前記中空断面(64)の前記前縁端部(69)に配置される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項7】
前記翼弦方向に延在するピン(62)のうちの少なくとも1つと、前記複数のブッシング(55~58)のうちの1つもしくは複数との間、または前記複数のブッシング(55~58)の間に、摩擦を低減するようにコーティング材料(98)をさらに含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項8】
前記複数のブッシング(55~58)のうちの後縁ブッシングは、追加の保持機構を前記翼弦方向ジョイント(34)に固定することを可能にするために、前記翼弦方向ジョイント(34)の表面を越えて延在する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項9】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その前記後縁端部(68)から前記前縁端部(69)まで延在するねじ付き中心孔(77)をさらに含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項10】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その前記後縁端部(68)または前記前縁端部(69)の一方または両方に配置された1つまたは複数の保持機構(90、92)をさらに含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項11】
前記1つまたは複数の保持機構(90、92)は、保持リング(90)または閉端部ブッシング(92)の少なくとも一方を含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項12】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、互いに固定された複数のピンセグメント(94)で構成されている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項13】
風力タービン(10)のロータブレード(28)の第1および第2のブレードセグメント(30、32)を接合する方法(100)であって、
略翼幅方向に延在するビーム構造体(40)を有する前記第1のブレードセグメント(30)を提供するステップ(102)と、
前記略翼幅方向に延在する受け入れセクション(60)を有する前記第2のブレードセグメント(32)を提供するステップ(104)と、
前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)が翼弦方向ジョイント(34)から反対方向に延在するように、前記第1のブレードセグメント(30)の前記ビーム構造体(40)を前記第2のブレードセグメント(32)の前記受け入れセクション(60)に挿入するステップ(106)であって、前記第1のブレードセグメント(30)および前記第2のブレードセグメント(32)の各々は、正圧側シェル部材および負圧側シェル部材を有する、ステップ(106)と、
前記第1のブレードセグメント(30)と前記第2のブレードセグメント(32)とを互いに固定するように、前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップ(108)であって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、その後縁端部(68)から前縁端部(69)まで延在する中空断面(64)を含む、ステップ(108)と、
を含む方法(100)。
【請求項14】
前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記後縁端部(68)で始まる第1の外径(71)と、前記前縁端部(69)で終わる第2の外径(73)と、を画定し、前記第1の外径(71)は前記第2の外径(73)よりも大きく、前記第1の外径(71)は、前記翼弦方向に延在するピン(62)の移行領域(78)において前記第2の外径(73)まで先細になり、前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップは、
前記第1および第2のブレードセグメント(30、32)の前記内部支持構造体(36、40、60)に設けられた複数のブッシング(55~58)を貫通して、前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記前縁端部(69)を挿入するステップであって、前記翼弦方向に延在するピン(62)は、前記前縁端部(69)において前記第2の外径(73)からより小さい外径まで先細になる、ステップをさらに含む、請求項13に記載の方法(100)。
【請求項15】
前記翼弦方向ジョイント(34)を貫通して前記翼弦方向に延在するピン(62)を挿入するステップは、
前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記前縁端部(69)が1つまたは複数の前縁ブッシングに挿入される前に、前記翼弦方向に延在するピン(62)の前記後縁端部(68)の前記第1の外径(71)を1つまたは複数の後縁ブッシングと係合させるステップをさらに含む、請求項13または14に記載の方法(100)。
【国際調査報告】