(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】埋め込み可能な装置を動作させるための超音波ベースのプロトコル
(51)【国際特許分類】
A61N 1/372 20060101AFI20220224BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
A61N1/372
A61B5/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529355
(86)(22)【出願日】2020-01-03
(85)【翻訳文提出日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 US2020012246
(87)【国際公開番号】W WO2020142732
(87)【国際公開日】2020-07-09
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404344
【氏名又は名称】イオタ バイオサイエンシズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IOTA BIOSCIENCES, INC.
【住所又は居所原語表記】1936 University Avenue, Suite 370 Berkeley, California 94704 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マハービズ, マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ケイ, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】カルメナ, ジョセ エム.
【テーマコード(参考)】
4C053
4C117
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ21
4C117XB01
4C117XC21
4C117XD24
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE20
4C117XE23
4C117XH02
4C117XH07
4C117XJ42
(57)【要約】
超音波を使用して被験者に埋め込み可能な装置を動作させるための方法及びシステムの実施形態が記載される。いくつかの実施形態では、動作モードコマンドを含む超音波を受信するために、埋め込み可能な装置において方法が実行される。次いで、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置の動作モードを複数の所定の動作モードから1つの動作モードに設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を用いて埋め込み可能な装置を動作させる方法であって、
前記埋め込み可能な装置において、
動作モードコマンドを含む超音波を受信することと、
前記埋め込み可能な装置の動作モードを、前記動作モードコマンドに基づいて複数の動作モードから1つの動作モードに設定することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の動作モードは、受信された前記超音波からデータをダウンロードするためのダウンリンクモード、又は受信された前記超音波を使用して前記埋め込み可能な装置において生成されたデータを外部装置にアップロードするためのアップリンクモードのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の動作モードは、前記ダウンリンクモード及び前記アップリンクモードを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記超音波は、インテロゲータによって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記超音波は、別の埋め込み可能な装置によって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動作モードコマンドが複数の所定のパターンの中からのパターンに対応すると判定することと、
判定された前記パターンに基づいて前記動作モードを設定することと、
を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記動作モードコマンドが前記パターンに対応すると判定することは、前記動作モードコマンドの第1の部分が判定された前記パターンに対応すると判定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の部分は、前記動作モードコマンドの開始を示す単一パルスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の部分は、2つ以上のパルスのシーケンスを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の所定のパターンは、複数の対応するパルス持続時間、複数の対応する振幅、又は複数の対応する位相又は周波数変化を含む、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の所定のパターンは、複数の対応するパルス持続時間を含み、前記パルス持続時間のうちの1つ以上は、受信された前記超音波の搬送信号周期に基づいて設定される、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記動作モードコマンドが前記パターンに対応すると判定することは、
前記超音波を動作モードコマンドの表現を含む電気信号に変換することと、
前記電気信号の第1の部分が所定の電圧レベルを超える事例の数をカウントすることであって、前記事例の数は判定された前記パターンに対応する、数えることと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
判定された前記パターンがデータをアップロードすることに関連付けられ、前記動作モードコマンドが前記第1の部分と異なる第2の部分を含み、
アップリンクモードに関連付けられた装置データをアップロードするために前記動作モードを前記アップリンクモードに設定することと、
前記超音波を後方散乱させることであって、後方散乱した前記超音波が、前記動作モードコマンドの前記第2の部分の後方散乱において前記装置データを符号化する、後方散乱させることと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記アップリンクモードは肯定応答モードを含み、前記装置データは、前記埋め込み可能な装置が前記埋め込み可能な装置によって受信された第2の超音波から動作命令をうまく抽出したという肯定応答を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アップリンクモードは生理学的状態報告モードを含み、前記装置データは、前記生理学的状態報告モードにおいて前記埋め込み可能な装置によって検出された生理学的状態に関連付けられる情報を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記アップリンクモードは神経活動報告モードを含み、前記装置データは、前記神経活動報告モードにおいて前記埋め込み可能な装置によって検出された電気生理学的信号に関連付けられる情報を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記装置データは前記埋め込み可能な装置によって放出される電気パルスに関連付けられる情報を含み、前記電気パルスは、標的神経の活動を変調するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記埋め込み可能な装置は、前記埋め込み可能な装置の前記動作モードがダウンリンクモードに設定された場合に、前記埋め込み可能な装置によって受信された第2の超音波から抽出される動作命令に応じて、前記電気パルスを放出するように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
判定された前記パターンがデータをダウンロードすることに関連付けられ、前記動作モードコマンドが前記第1の部分とは異なる第2の部分を含み、
前記動作モードコマンドの前記第2の部分からデータを抽出するために前記動作モードをダウンリンクモードに設定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
抽出された前記データは生理学的状態を測定することに関連付けられ、前記方法は、前記データを抽出することに応じて、前記生理学的状態を測定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記生理学的状態が、温度、脈拍数、血圧、pHレベル、検体の存在、又は前記検体の濃度を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記生理学的状態が検体の濃度を含み、前記検体が酸素又はグルコースである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
抽出された前記データは電気生理学的信号を記録することに関連付けられ、前記埋め込み可能な装置は被験者の神経と電気的に連絡している2つ以上の電極を備え、前記2つ以上の電極は、前記電気生理学的信号を記録するように構成される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の部分から抽出された前記データに応じて、前記電気生理学的信号を記録することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
抽出された前記データは神経を刺激することに関連付けられ、前記埋め込み可能な装置は、被験者の前記神経と電気的に連絡している2つ以上の電極を備え、
前記第2の部分から抽出された前記データに応じて、前記2つ以上の電極を使用して前記神経の活動を変調するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
動作状態間の遷移を定義する動作ロジックに基づいて前記埋め込み可能な装置の現在の動作状態を維持することであって、前記埋め込み可能な装置が前記現在の動作状態に従って動作するように構成される、維持することと、
前記動作モードコマンドに基づいて前記動作ロジックの前記現在の動作状態から次の動作状態に遷移することと、
前記次の動作状態に従って動作するように前記埋め込み可能な装置を構成することと、
を含む、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記動作ロジックは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は有限状態機械(FSM)によって実装される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
超音波を使用して動作する埋め込み可能な装置であって、
動作モードコマンドを含む超音波を受信するように構成された超音波変換器と、
前記動作モードコマンドに基づいて複数の動作モードから1つの動作モードに前記埋め込み可能な装置の動作モードを設定するように構成されたコントローラ回路と、
を備える、埋め込み可能な装置。
【請求項29】
前記複数の動作モードは、受信された前記超音波からデータをダウンロードするためのダウンリンクモード、又は受信された前記超音波を使用して前記埋め込み可能な装置において生成されたデータを外部装置にアップロードするためのアップリンクモードのうちの1つ以上を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記複数の動作モードは、前記ダウンリンクモード及び前記アップリンクモードを含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記超音波変換器は、インテロゲータから前記超音波を受信するように構成される、請求項28乃至30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記超音波変換器は、別の埋め込み可能な装置から前記超音波を受信するように構成される、請求項28乃至31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
前記コントローラ回路は、
前記動作モードコマンドが複数の所定のパターンの中からのパターンに対応すると判定し、
判定された前記パターンに基づいて前記動作モードを設定する
ように構成される、請求項28乃至32のいずれか1項に記載の装置。
【請求項34】
前記動作モードコマンドが前記パターンに対応すると判定するために、前記コントローラ回路は、前記動作モードコマンドの第1の部分が判定された前記パターンに対応すると判定するように構成される、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記第1の部分は、前記動作モードコマンドの開始を示す単一パルスを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第1の部分は、2つ以上のパルスのシーケンスを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記複数の所定のパターンは、複数の対応するパルス持続時間、複数の対応する振幅、又は複数の対応する位相又は周波数変化を含む、請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記複数の所定のパターンは、複数の対応するパルス持続時間を含み、前記パルス持続時間のうちの1つ以上は、受信された前記超音波の搬送信号周期に基づいて設定される、請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記動作モードコマンドが前記パターンに対応すると判定するために、
前記超音波変換器が、前記超音波を前記動作モードコマンドの表現を含む電気信号に変換するように構成され、
前記コントローラ回路が、前記電気信号の第1の部分が所定の電圧レベルを超える事例の数をカウントするように構成され、前記事例の数は判定された前記パターンに対応する、
請求項33乃至38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
判定された前記パターンがデータをアップロードすることに関連付けられ、前記動作モードコマンドが第1の部分と異なる第2の部分を含み、
前記コントローラ回路は、アップリンクモードに関連付けられた装置データをアップロードするために前記動作モードを前記アップリンクモードに設定するように構成され、
前記超音波変換器は、前記超音波を後方散乱させるように構成され、後方散乱した前記超音波が前記動作モードコマンドの前記第2の部分の後方散乱において前記装置データを符号化する、
請求項33乃至39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項41】
前記アップリンクモードは肯定応答モードを含み、前記装置データは、前記埋め込み可能な装置が前記埋め込み可能な装置によって受信された第2の超音波から動作命令をうまく抽出したという肯定応答を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記アップリンクモードは生理学的状態報告モードを含み、前記装置データは、前記生理学的状態報告モードにおいて前記埋め込み可能な装置によって検出された生理学的状態に関連付けられる情報を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
前記アップリンクモードは神経活動報告モードを含み、前記装置データは、前記神経活動報告モードにおいて前記埋め込み可能な装置によって検出された電気生理学的信号に関連付けられる情報を含む、請求項40に記載の装置。
【請求項44】
前記装置データは前記埋め込み可能な装置によって放出される電気パルスに関連付けられる情報を含み、前記電気パルスは、標的神経の活動を変調するように構成される、請求項40に記載の装置。
【請求項45】
前記埋め込み可能な装置の前記動作モードがダウンリンクモードに設定された場合に、前記埋め込み可能な装置によって受信された第2の超音波から抽出される動作命令に応じて、前記電気パルスを放出するように構成される刺激回路を備える、請求項44に記載の装置。
【請求項46】
判定された前記パターンはデータをダウンロードすることに関連付けられ、前記動作モードコマンドは第1の部分と異なる第2の部分を含み、前記コントローラ回路は前記動作モードコマンドの前記第2の部分からデータを抽出するために前記動作モードをダウンリンクモードに設定するように構成される、請求項33乃至39のいずれか1項に記載の装置。
【請求項47】
抽出された前記データは生理学的状態を測定することに関連付けられ、前記装置は抽出されている前記データに応じて前記生理学的状態を測定するように構成された検出回路を備える、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記生理学的状態が、温度、脈拍数、血圧、pHレベル、検体の存在、又は前記検体の濃度を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記生理学的状態が検体の濃度を含み、前記検体が酸素又はグルコースである、請求項47に記載の装置。
【請求項50】
抽出された前記データは電気生理学的信号を記録することに関連付けられ、前記装置は被験者の神経と電気的に連絡している2つ以上の電極を備え、前記2つ以上の電極は、前記電気生理学的信号を記録するように構成される、請求項46に記載の装置。
【請求項51】
前記2つ以上の電極は、前記第2の部分から抽出された前記データに応じて、前記電気生理学的信号を記録するように構成される、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
抽出された前記データは神経を刺激することに関連付けられ、前記装置は被験者の前記神経と電気的に連絡している2つ以上の電極を備え、前記2つ以上の電極は、前記第2の部分から抽出された前記データに応じて前記神経の活動を変調するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するように構成される、請求項46に記載の装置。
【請求項53】
前記コントローラ回路は、
動作状態間の遷移を定義する動作ロジックに基づいて、現在の動作状態に従って動作するように構成された前記埋め込み可能な装置の前記現在の動作状態を維持し、
前記動作モードコマンドに基づいて前記動作ロジックの前記現在の動作状態から次の動作状態へ移行し、
前記次の動作状態に従って動作するように前記埋め込み可能な装置を構成する
ように構成される、請求項28乃至52のいずれか1項に記載の装置。
【請求項54】
前記動作ロジックは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は有限状態機械(FSM)によって実装される、請求項53に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願に対する相互参照]
本出願は2019年1月4日に出願された米国仮出願第62/788,390号に対する優先権の利益を主張し、これは、あらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は概して、埋め込み可能な装置を動作させることに関し、より具体的には、超音波を使用して埋め込み可能な装置を動作させることに関する。
【背景技術】
【0003】
侵襲的方法は、患者の様々な病状を治療するために開発されてきた。これらの方法は、心臓又は神経生体インプラントなどの埋め込み可能な医療装置(IMD)を患者の体内に挿入することを含むことができる。このような埋め込み可能な装置を無線方式で動作させることは、多くの生物医学的用途にとって依然として技術的課題である。これは、一部には無線装置を制御するために無線周波数(RF)を使用する従来のアプローチが生物医学的状況において多くの制限を有し、患者に健康上の危険をもたらす可能性があるためである。例えば、RFを処理するために必要なRFアンテナは、大きなフォームファクタを有する可能性があり、RFアンテナを使用する埋め込み可能な装置を、体内の多くの位置に安全かつ快適に配置するには大きすぎるものとするだろう。
【0004】
さらに、生物学的組織はRFキャリア周波数からエネルギーを容易に吸収する傾向があり、これは、埋め込み可能な装置の埋め込み可能な深さを制限し得る。さらに、RFエネルギーの高い吸収速度のために、生物学的組織は、過熱して患者に健康上の危険をもたらし得る可能性がある。
【0005】
本明細書で参照されるすべての刊行物、特許、及び特許出願の開示は、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる任意の参照が本開示と矛盾する場合、本開示が優先するものとする。
【発明の概要】
【0006】
上述のように、生体適合性を増大させ、例えばRFを使用して制御されるより大きな埋め込み可能な装置によって引き起こされる侵襲性及び不快感を低減するために、より小さなフォームファクタ(例えば、mm及びmm未満の寸法)を有する埋め込み可能な装置が必要とされている。いくつかの実施形態では、このより小さいフォームファクタを達成するために、埋め込み可能な装置は、埋め込み可能な装置の1つ以上の超音波変換器で受信可能な超音波を使用して動作及び電力供給されるように構成することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、生体組織がRF波などの他のタイプの波よりも超音波の吸収速度が著しく低いため、埋め込み可能な装置を動作させ電力供給するために超音波を使用することは、他のアプローチよりも有利である可能性がある。超音波のこの特性は、組織によって吸収されるエネルギーに起因する組織の加熱を減少させるだけでなく、この装置を被験者のより深い位置に埋め込むことを可能にすることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、上述のニーズに対処するために、被験者に埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドを含む超音波を受信するように構成された超音波変換器と、動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置の動作モードを複数の動作モードから1つの動作モードに設定するように構成されたコントローラ回路とを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の動作モードは、受信された超音波からデータをダウンロードするためのダウンリンクモード、又は受信された超音波を使用して埋め込み可能な装置において生成されたデータを外部装置にアップロードするためのアップリンクモードのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、複数の動作モードはダウンリンクモード及びアップリンクモードを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、超音波がインテロゲータから受信される。
【0011】
いくつかの実施形態では、超音波が別の埋め込み可能な装置から受信される。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法が、動作モードコマンドが複数の所定のパターンの中からのパターンに対応すると判定することと、判定されたパターンに基づいて動作モードを設定することとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、動作モードコマンドがパターンに対応すると判定することは、動作モードコマンドの第1の部分が判定されたパターンに対応すると判定することを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、この第1の部分が動作モードコマンドの開始を示す単一パルスを含む。いくつかの実施形態では、この第1の部分が2つ以上のパルスのシーケンスを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数の所定のパターンは、複数の対応するパルス持続時間、複数の対応する振幅、又は複数の対応する位相若しくは周波数変化を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数の所定のパターンは、複数の対応するパルス持続時間を含み、パルス持続時間のうちの1つ以上は、受信された超音波の搬送信号周期に基づいて設定される。
【0017】
いくつかの実施形態では、動作モードコマンドがパターンに対応すると判定することは、超音波を動作モードコマンドの表現を含む電気信号に変換することと、電気信号の第1の部分が所定の電圧レベルを超える事例の数をカウントすることとを含み、この事例の数は判定されたパターンに対応する。
【0018】
いくつかの実施形態では、判定されたパターンがデータをアップロードすることに関連付けられ、動作モードコマンドがその第1の部分とは異なる第2の部分を含み、本方法は、アップリンクモードに関連付けられた装置データをアップロードするために動作モードをアップリンクモードに設定することと、超音波を後方散乱させることであり、後方散乱超音波は動作モードコマンドの第2の部分の後方散乱において装置データを符号化する後方散乱させることとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、アップリンクモードは肯定応答モードを含み、装置データは、埋め込み可能な装置が埋め込み可能な装置によって受信された第2の超音波から動作命令をうまく抽出したという肯定応答を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、アップリンクモードは生理学的状態報告モードを含み、装置データは、生理学的状態報告モードにおいて埋め込み可能な装置によって検出された生理学的状態に関連付けられる情報を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、アップリンクモードは神経活動報告モードを含み、装置データは、神経活動報告モードにおいて埋め込み可能な装置によって検出された電気生理学的信号に関連付けられる情報を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、装置データは埋め込み可能な装置によって放出される電気パルスに関連付けられる情報を含み、電気パルスは標的神経の活動を変調するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、埋め込み可能な装置の動作モードがダウンリンクモードに設定された場合に、埋め込み可能な装置によって受信された第2の超音波から抽出された動作命令に応じて、電気パルスを放出するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、判定されたパターンがデータをダウンロードすること関連付けられ、動作モードコマンドは第1の部分とは異なる第2の部分を含み、本方法は、動作モードコマンドの第2の部分からデータを抽出するために動作モードをダウンリンクモードに設定することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、抽出されたデータは生理学的状態を測定することに関連付けられ、本方法は、データを抽出することに応答して、生理学的状態を測定することを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、生理学的状態が温度、脈拍数、血圧、pHレベル、検体の存在、又は検体の濃度を含む。いくつかの実施形態では、生理学的状態が検体の濃度を含み、検体は酸素又はグルコースである。
【0027】
いくつかの実施形態では、抽出されたデータは電気生理学的信号を記録することに関連付けられ、埋め込み可能な装置は被験者の神経と電気的に連絡している2つ以上の電極を備え、2つ以上の電極は電気生理学的信号を記録するように構成される。いくつかの実施形態では、本方法は、第2の部分から抽出されたデータに応じて、電気生理学的信号を記録することを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、抽出されたデータは神経を刺激することに関連付けられ、埋め込み可能な装置は被験者の神経と電気的に通信する2つ以上の電極を備え、本方法は、第2の部分から抽出されたデータに応じて、2つ以上の電極を使用して神経の活動を変調するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法は、動作状態間の遷移を定義する動作ロジックに基づいて埋め込み可能な装置の現在の動作状態を維持することであって、埋め込み可能な装置が現在の動作状態に従って動作するように構成される、維持することと、動作モードコマンドに基づいて動作ロジックの現在の動作状態から次の動作状態に移行することと、次の動作状態に従って動作するように埋め込み可能な装置を構成することとを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、動作ロジックが埋め込み可能な装置のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラによって実装される。いくつかの実施形態では、演算ロジックが有限状態機械(FSM)によって実装される。
【0031】
いくつかの実施形態では、超音波を使用して動作する埋め込み可能な装置が、動作モードコマンドを含む超音波を受信するように構成された超音波変換器と、動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置の動作モードを複数の動作モードから1つの動作モードに設定するように構成されたコントローラ回路とを備える。
【0032】
さらに、本明細書では、前述の方法の実施形態のいずれかによる、超音波を使用して埋め込み可能な装置を動作させるための様々なシステムの実施形態が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
前述の概要と共に、以下の実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれた場合により良く理解される。本開示を説明するために、この図面は本開示の例示的な実施形態を示すが、本開示は開示された特定の方法および手段に限定されない。
【0034】
【
図1】いくつかの実施形態に係る、超音波を使用して埋込み可能な装置を動作させるためのシステムを示す。
【0035】
【
図2】いくつかの実施形態に係る、超音波を使用して1つ以上の埋め込み可能な装置を動作させるように構成されたインテロゲータを含むシステムを示す。
【0036】
【
図3】いくつかの実施形態に係る、埋め込み可能な装置を動作させるために放出された超音波の一部を示すパネルを示す。
【0037】
【
図4】いくつかの実施形態に係る、インテロゲータにおいて受信された超音波後方散乱をそのインテロゲータがどのように処理するかを示すパネルを示す。
【0038】
【
図5C】いくつかの実施形態に係る、動作モードコマンドを符号化する超音波を示すパネルを示す。
【0039】
【
図6B】いくつかの実施形態に係る、超音波を使用して埋込み可能な装置を動作させるための方法を示す。
【0040】
【
図7】いくつかの実施形態に係る、埋め込み可能な装置の例示的な動作ロジックを示す図を示す。
【0041】
【
図8】いくつかの実施形態に係る、被験者の神経と相互作用するように構成された埋め込み可能な装置の図表を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書では、超音波を使用して被験者内で埋め込み可能な装置を動作させるためのシステム及び方法が説明される。上述のように、超音波の使用は、埋め込み可能な装置が小さいフォームファクタ及びより大きい埋め込み可能な深さを保持し、安全に動作することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、そのような埋め込み可能な装置を無線で動作させることを可能にするために、埋め込み可能な装置は動作モードコマンドを含む超音波を受信するように構成された超音波変換器を備えるように構成され得る。この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置の動作モードを複数の格納された動作モードから1つの動作モードに設定するように構成されたコントローラ回路を備えることもできる。
【0043】
いくつかの実施形態では、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドの第1の部分に基づいて、その動作モードコマンドが複数の所定のパターンの中からのパターンに対応するかどうかを判定するように構成され得る。そして、この埋め込み可能な装置は、判定されたパターンに基づいて、動作モードに対応する動作状態を設定することができる。いくつかの実施形態では、この埋め込み可能な装置は、判定されたパターンに応じて、複数の動作モードからアップリンクモードで動作するように、又は複数の動作モードからダウンリンクモードで動作するように構成され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、アップリンクモードにおいて、この埋め込み可能な装置が動作モードコマンドの第2の部分の後方散乱において装置情報を符号化するように構成され得る。例示的なアップリンクモードは、神経活動、検出された温度、pHレベル、検体の濃度などのセンサデータ(例えば、装置情報)をアップロードするためのモードを含んでいてもよい。別の例示的なアップリンクモードは、以前に受信されたデータの肯定応答(例えば、装置情報)を送信するためのモードを含んでいてもよい。別の例示的なアップリンクモードは、埋め込み可能な装置において生成された電力情報(例えば、装置情報)を送信するためのモードを含んでいてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、ダウンリンクモードにおいて、この埋め込み可能な装置が動作モードコマンドの第2の部分からデータを復号するように構成され得る。例示的なダウンリンクモードは、受信された超音波から装置パラメータをダウンロードするためのモードを含んでいてもよい。別の例示的なダウンリンクモードは、復号されたデータに基づいて次の動作モードを選択するためのモードであってもよい。
【0046】
図1は、いくつかの実施形態に従う、埋め込み可能な装置104を超音波を使用して動作させるためのシステム100を示す。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は、
図2に関して以下でさらに説明されるように、無線で給電され、インテロゲータ102から送信される超音波によって動作することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は、超音波通信を介してインテロゲータ102と無線で通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は、超音波通信を介して1つ以上の他の埋め込み可能な装置と無線で通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は患者などの被験者内に埋め込むことができ、インテロゲータ102は被験者に対して体外にある(すなわち、埋め込まれていない)、又は完全に埋め込まれた別個の装置とすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、埋め込み変調装置104が超音波を使用して動作することを可能にするために、埋め込み変調装置104は以下の装置部品、すなわち超音波変換器回路106、変復調回路112、刺激回路114、検出回路116、コントローラ回路120、及び電力回路130を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの装置部品のうちの1つ以上が、それらの動作に応じて、デジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路として実装され得る。例えば、コントローラ回路120は、マイクロプロセッサ、有限状態機械(FSM)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はマイクロコントローラを含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、超音波変換器回路106は整合ネットワーク110に結合された超音波変換器108を含む。いくつかの実施形態では、超音波変換器回路106は整合ネットワーク110を含まない。いくつかの実施形態では、超音波変換器108は、埋め込み可能な装置104の1つ以上の装置部品に給電するために、インテロゲータ102から超音波を受信し、受信した超音波からのエネルギーを電気信号に変換するように構成され得る。いくつかの実施形態では、受信された超音波によって引き起こされる超音波変換器108の振動が超音波変換器108の電気端子を横切る電圧を誘起し、電流を流させるため、この電気信号は超音波変換器108によって生成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、上述のように、受信された超音波からの電力が、埋め込み可能な装置104によってその装置部品に電力を供給するために使用され得、したがって、これらの超音波は、本明細書では給電超音波と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、受信された超音波が、埋め込み可能な装置を動作させるための動作モードコマンドを含む情報を符号化することができ、したがって、これらの超音波は、本明細書では通信超音波と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、給電超音波が処理され得る方法と同様に、通信超音波は、超音波変換器108を通って流れる電流を有する電気信号を生成するために、超音波変換器108によって受信され得る。いくつかの実施形態では、生成された電気信号が電流において動作モードコマンドを符号化する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104に給電し、かつ埋め込み可能な装置104に送信するための情報を符号化するように、同じ超音波が構成され得る。いくつかの実施形態では、
図3に関して以下でさらに説明するように、各動作モードコマンドは1つ以上の超音波パルスを含むことができ、各超音波パルスは超音波の1つ以上の搬送波サイクルを含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、超音波変換器回路106は、複数の対応する整合ネットワークに結合された複数の超音波変換器を含む。いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの超音波変換器を含むことによって、埋め込み可能な装置104は、インテロゲータ102によって提供される電力をより効率的に、一貫して抽出するために、少なくとも2つの超音波変換器によって生成された電気信号によって給電されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は、複数の超音波変換器から選択された1つ以上の超音波変換器から電力を収集するように構成され得る。例えば、埋め込み可能な装置104は、最高の電力又は最も一貫性のある電力を提供する超音波変換器を選択してもよい。
【0051】
例えば、超音波変換器、又は超音波変換器108と超音波源インテロゲータ102との間の介在する生体物質の向きなどの多くの要因は、超音波変換器108で受信可能な電力を大幅に減少させ得る。1つ以上の追加の超音波変換器を追加することによって、単一の超音波変換器(例えば、超音波変換器108)において受信可能な電力の減少は、埋め込み可能な装置104の動作に悪影響を及ぼす可能性を少なくする可能性がある。
【0052】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの超音波変換器を含むことが、超音波を使用して埋め込み可能な装置102をより確実に制御できるようにする可能性がある。例えば、埋め込み可能な装置102は、埋め込み可能な装置102を動作させるために、少なくとも2つの超音波変換器の信号強度を比較し、最も高い信号強度を有する信号を選択するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置102は、(すなわち、ダウンリンク中に)通信を受信し、(すなわち、アップリンク中に)情報を後方散乱させるために、選択された超音波変換器を使用することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置102は、ダウンリンク超音波通信用の超音波通信を受信するために少なくとも2つの超音波変換器から第1の超音波変換器を選択し、アップリンク超音波通信用の情報を後方散乱させるために少なくとも2つの超音波変換器から第2の超音波変換器を選択することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置102は、アップリンク及びダウンリンク超音波通信の信号対雑音比を改善するために、少なくとも2つの超音波変換器を用いてビームフォーミングを実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、これらの超音波変換器のうちの1つ以上が、容量型マイクロマシン超音波変換器(CMUT)又は圧電マイクロマシン超音波変換器(PMUT)などのマイクロマシン超音波変換器であってもよく、バルク圧電変換器であってもよい。さらに、超音波変換器108の実装は、
図8に関して以下に説明される。
【0053】
いくつかの実施形態では、整合ネットワーク110は、信号反射を減少させるために、超音波変換器108の電気インピーダンスと埋め込み可能な装置104(例えば、電力回路130)の電気インピーダンスとの間のインピーダンス整合を選択するように構成された電子回路であり得る。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク110は、インダクタ、コンデンサ、抵抗、ダイオード、トランジスタ、又はそれらの任意の組合せなどの1つ以上の回路素子の様々な構成で実装することができる。例えば、整合ネットワーク110は、並列に接続され、複数の対応するスイッチに結合された複数のコンデンサとして実装されてもよい。どのスイッチが開く又は閉じるかを制御することによって、整合ネットワーク110は、インピーダンスを選択するために複数のコンデンサがどのように充電されるかを制御してもよい。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク110は、超音波変換器108によって生成された電気信号がスイッチによって制御される別個のワイヤを介して複数のコンデンサをバイパスすることを可能にするように構成することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、超音波を使用して埋め込み可能な装置104に給電することを可能にするために、電力回路130が調節回路138に電気的に結合された電力回復回路132を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力回復回路132は、超音波変換器回路106によって生成された電気信号を受信して処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電力回復回路132は、電気信号をAC形式からDC形式に変換するための整流回路(例えば、能動整流器)を含むことができ、そこでは、変換された電気信号が第1の電圧(すなわち、受信された超音波の供給電圧)に関連付けられてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、被験者の生体組織を通して高出力波を伝播させる際の健康有害性のために、政府の規制はインテロゲータ102によって送信される超音波によって提供される電力量を制限するかもしれない(例えば、720mW/cm2)。したがって、受信された超音波から導出された第1の電圧は、埋め込み可能な装置104の電子部品を動作させるのに十分なほど高くなくてもよい。例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術で使用されるトランジスタは、トランジスタを動作させるために最低約2ボルトを必要としてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、電子部品埋め込み可能な装置102を動作させるため、より高い第1の電圧を提供するために、給電超音波をパルス幅変調(PWM)信号として送信することができる。いくつかの実施形態では、給電超音波をPWM信号として送信することによって、インテロゲータ102は、平均強度が調整限界内にとどまるように短い高強度パルスを提供するように構成し、より高い第1の電圧を生成するためにより高い瞬間電力を提供するように、短い高強度パルスを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、このインテロゲータがは、給電超音波によって提供される電力を制御するために、PWM信号の瞬間強度及び/又はパルス幅(例えば、超音波設定例)を制御するように構成することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、これらの超音波によって埋め込み可能な装置104が給電されることを可能にするために、、電力コンベア回路134は第1の電圧よりも大きな第2の電圧に第1の電圧を変換するように構成されたチャージポンプを含むことができる。いくつかの実施形態では、このチャージポンプは、第2の電圧を生成するために1つ以上のスイッチによって制御される複数の結合コンデンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、このチャージポンプは、少なくとも1倍、2倍、3倍、又は4倍の変換利得を達成することができる。いくつかの実施形態では、第2の電圧の大きさは1つ以上のスイッチのスイッチング周波数に基づいて制御され得る。
【0058】
上述のように、受信された超音波によって提供される電力は、例えば埋め込み可能な装置104の埋め込み深さ、又は超音波変換器108と超音波源、例えば、インテロゲータ102との間に介在する生物学的材料を含む、多くの要因に起因して、一貫性がない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、より一貫性のある電力を埋め込み可能な装置104に供給するために、電力回復回路132は電力コンベア回路134に結合されたエネルギー蓄積装置136を含むことができる。いくつかの実施形態では、このエネルギー蓄積装置は蓄電池又は蓄積コンデンサを含む。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104の小さいフォームファクタを保持するために、このエネルギー蓄積装置は蓄積コンデンサとして構成することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、蓄積コンデンサは、少なくとも0.1μF、少なくとも0.25μF、少なくとも0.5μF、少なくとも1μF、少なくとも2μF、少なくとも4μF、又は少なくとも8であるコンデンサンスを有することができる。いくつかの実施形態では、蓄積コンデンサは、10μF未満、8μF未満、4μF未満、2μF未満、1μF未満、0.5μF未満、又は0.25μF未満であるコンデンサンスを有することができる。例えば、蓄積コンデンサは、0.5~2μFの範囲など、0.1~10μFの範囲のコンデンサンスを有していてもよい。いくつかの実施形態では、蓄積コンデンサは、約1μFであるコンデンサンスを有することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積装置136は、埋め込み可能な装置104が受信された超音波の電力をより効率的に利用し、より一貫した電力を提供することを可能にするために、少なくとも2つの電力モードで動作するように構成することができる。いくつかの実施形態では、この電力モードは、受信された超音波の電力の一部がエネルギーを蓄積することが可能であるエネルギー蓄積装置136に搬送され得る充電モードを含む。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路134は、生成された第1の電圧に基づいてエネルギー蓄積装置136を充電するように構成することができる。いくつかの実施形態では、この電力モードは、エネルギー記憶装置136に蓄積されたエネルギーの一部が、エネルギー記憶装置136から電力を搬送して埋め込み可能な装置104の他の装置部品(例えば、刺激回路114、検出回路116、又はコントローラ回路120等)に付加的な電力を供給するために放電される放電モードを含む。いくつかの実施形態では、エネルギー蓄積装置136への、及びそこからの電力潮流は電力コンベア回路134を介して走らされ得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、調節回路138は、電力コンベア回路134によって生成される出力電圧(例えば、第2の電圧)を調節して、調節された電圧を埋め込み可能な装置104の1つ以上の回路負荷に供給するように構成することができる。電力コンベア回路134がチャージポンプを含むいくつかの実施形態では、調整回路138は、チャージポンプの動作スイッチによって生じる潜在的な電圧リップルを除去又は低減するように構成することができる。いくつかの実施形態では、調節回路138は、埋め込み可能な装置104のデジタル回路負荷に供給される電圧を調節するために、DC電圧調節器(例えば、低ドロップアウト(LDO)調節器)を含む。いくつかの実施形態では、調節回路138は、埋め込み可能な装置104のデジタル回路負荷に供給される電圧を調節するために、DC電圧調節器(例えば、低ドロップアウト(LDO)調節器)を含む。いくつかの実施形態では、調節回路138は、埋め込み可能な装置104のアナログ回路負荷に供給される電圧を調節するために、AC電圧調節器(例えば、低ドロップアウト(LDO)調節器)を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、変調及び復調回路112は、受信された超音波において符号化された情報を抽出するために、超音波変換器回路106によって生成された電気信号を復調するように構成された復調回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、この復調回路は、命令を含む抽出された情報を、埋め込み可能な装置104がその命令に基づいてどのように動作するかを制御するように構成されたコントローラ回路120に送信することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104がインテロゲータ102と情報を無線通信することを可能にするために、変調及び復調回路112は、超音波後方散乱を使用してその情報を符号化するように構成された変調回路を含むことができる。この情報は埋め込み可能な装置104によって生成され、説明を容易にするために、以下の説明では装置情報と呼ばれることがある。
【0064】
一般に、埋め込み可能な装置104が被検体内に埋め込まれると、インテロゲータ102の超音波トランシーバによって発せられた超音波(搬送波を含む)は、埋め込み可能な装置104の超音波変換器回路106によって受信される前に生体組織を通過するるものである。上述のように、搬送波は、超音波変換器108を横切る電圧を生成するために超音波変換器108(例えば、バルク圧電変換器)上に機械的振動を生じさせ、これはその後に埋め込み可能な装置104の残りの部分に電流を流す。いくつかの実施形態では、超音波変換器108を流れる電流は、超音波変換器回路106に受信された超音波に対応する後方散乱超音波を放出させる。
【0065】
いくつかの実施形態では、変調回路は、装置情報を符号化するために超音波変換器108を流れる電流を変調するように構成することができ、これによって、結果として生じる超音波後方散乱波に装置情報を符号化させもする。従って、埋め込み可能な装置104から放出される超音波後方散乱は、埋め込み可能な装置104に関連する装置情報を符号化することができる。いくつかの実施形態では、変調回路は、オン/オフスイッチ又は電界効果トランジスタ(FET)などの1つ以上のスイッチを含むことができる。埋め込み可能な装置104のいくつかの実施形態と共に使用される可能性がある例示的なのFETは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含む。いくつかの実施形態では、変調回路は、超音波変換器108を流れる電流のインピーダンスを変更するように構成することができ、流れる電流の変動は情報を符号化する。
【0066】
図2に関して以下でさらに説明するように、いくつかの実施形態によれば、超音波後方散乱は、インテロゲータ102によって受信され、超音波後方散乱で符号化された装置情報を抽出するために解読され得る。いくつかの実施形態では、超音波後方散乱は、超音波変換器108によって受信された超音波を送信したインテロゲータ102と同じであっても異なっていてもよいインテロゲータによって受信され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、検出回路116は、被験者の1つ以上の生理学的状態を測定又は検出するために、1つ以上のセンサ140A~Cとインターフェースで連結するように構成することができる。いくつかの実施形態では、検出回路116は1つ以上のセンサ140A~Cに電流を提供し、1つ以上のセンサ140A~Cから生成された信号を受信するように構成されたドライバを含むことができる。いくつかの実施形態では、受信された信号は、検出された生理学的状態を表す情報、又は測定された生理学的状態を表す情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、検出回路116は、この情報をコントローラ回路120に送信するように構成することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cのうちの1つ以上が埋め込み可能な装置104の内部に配置され得るか、又は埋め込み可能な装置104の外部に連結され得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104が少なくとも2つのセンサ140A~C Inを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の生理学的条件が温度、pH、圧力、心拍数、歪み、酸素圧、検体の存在、又は検体の量を含むことができる。例えば、検体は酸素又はグルコースであってもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cは光学センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、光学センサは光源及び光検出器を備える。いくつかの実施形態では、光学センサは血圧又はパルスを検出する。いくつかの実施形態では、光学センサは、フルオロフォア又は発光プローブを備える基盤を備え、フルオロフォアの蛍光強度又は蛍光寿命は検体の量に依存する。いくつかの実施形態では、光学センサは近赤外分光法を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、光学センサはグルコースを検出する。
【0070】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cが電位差測定化学センサ又は電流測定化学センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、センサは酸素、pH、又はグルコースを検出する。
【0071】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cは温度センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、温度センサはサーミスタ、熱電対、又は絶対温度に比例する(PTAT)回路である。
【0072】
いくつかの実施形態では、センサ140A~Cは圧力センサを含むことができる。いくつかの実施形態では、この圧力センサは微小電気機械システム(MEMS)センサである。いくつかの実施形態では、検出回路116は血圧又はパルスを測定するように構成される。
【0073】
一部の実施形態において、センサ140A~Cは歪みセンサを含むことができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、
図8に関して以下でさらに説明されるように、検出回路116は、神経又はその神経内の神経線維の標的化されたサブセットからの電気生理学的信号を検出するために、例えば、センサ140Cとインターフェースで連結するように構成することができる。いくつかの実施形態では、センサ140Cは電極パッドを含むことができ、それは、刺激回路114によって動作する電極パッド142と同じであっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、検出回路116は、検出された電気生理学的信号に基づいて、神経又は神経線維の標的サブセットの神経活動を記録するように構成することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットを選択的に標的化するために、計算モデル化(例えば、有限要素モデル)、逆音源推定、多重極(例えば、三重極)神経記録、速度選択記録、又はビームフォーミングなどの1つ以上の技法が、検出回路116によって(単独で、又はコントローラ回路120と併せて)実施され得る。例えば、Taylorらの、Multiple-electrode nerve cuffs for low-velocity and velocity selective neural recording、Medical & Biological Engineering & Computing, vol42, pp. 634643 (2004)と、WodlingerらのLocalization and Recovery of Peripheral Neural Sources with Beamforming Algorithms, IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol.17, no. 5, pp. 461-468 (2009)を参照する。
【0076】
いくつかの実施形態では、検出回路116は、電気生理学的信号の標的検出のためにセンサ140Cの複数の電極を動作させるように構成することができる。例えば、
図8に関して以下でさらに説明するように、センサ140Cは埋め込み可能な装置104から延びる湾曲部材であってもよい。いくつかの実施形態では、検出回路116は、電気生理学的信号を伝達している神経内の神経線維のサブセットを決定するために、電極パッドの全て又はサブセットによって検出された電気生理学的信号を分析することができる。ある神経は、2つ以上の異なったサブセットの神経線維によって同時に伝達される電気生理学的信号(又は活動電位)の合計である複合電気生理学的信号(又は複合活動電位)を伝達してもよい。検出回路は、複数の電極パッドによって検出された電気生理学的信号に基づいて、どのサブセットの神経線維がどの電気生理学的信号を伝達するかを決定することができてもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータ102から受信されたデータ(体温データ、又は検体濃度又は他の生理学的状態に関連するデータなど)は、神経線維のどのサブセットが電気生理学的信号を伝達するかを決定するためにさらに使用される。
【0077】
例えば、いくつかの実施形態で検出回路116は、速度選択記録を使用して神経線維の標的サブセットから電気生理学的信号を選択的に検出するように構成されてもよく、これは多極(例えば、三極)記録(これは1つ以上の湾曲部材上の複数の電極内の任意の数の三極を含み得る)と組み合わせられてもよい。
【0078】
ビームフォーミングは、神経線維の標的サブセットからの電気生理学的信号を検出するために、追加的又は代替的に使用され得る。1つ以上の湾曲部材の電極パッドの一部又は全部は、神経からの電気生理学的信号を検出することができ、検出回路116は、1つ以上の湾曲部材の電極パッドの一部又は全部によって検出された電気生理学的信号の差分に基づいて、神経内の伝達信号の断面位置を決定することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104の位置とは別個の位置での1つ以上の神経の刺激は、埋め込み可能な装置104の位置での電気生理学的信号の変調をもたらし得る。埋め込み可能な装置104の電極パッド(例えば、電極パッド142)と電気的に連絡している神経内の神経線維の異なるサブセットで検出される電気生理学的信号の変調は、異なる遠隔神経における刺激の結果であり得る。例えば、脾神経の刺激は、迷走神経内の神経線維の第一のサブセットから検出される電気生理学的信号の変調をもたらし得るし、腎神経の刺激は、迷走神経内の神経線維の第二のサブセットから検出される電気生理学的信号の変調をもたらし得る。したがって、迷走神経上に配置された埋め込み可能な装置は、脾神経の刺激をモニターするために神経線維の第1のサブセットから電気生理学的信号を検出し、腎神経の刺激をモニターするために神経線維の第2のサブセットを検出することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、刺激回路114は、神経線維のサブセットに接続された1つ以上の電極パッド142を選択的に活性化することによって、神経内の神経線維のサブセットに標的電気パルスを放出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は、
図8に関して以下でさらに説明するように、刺激回路114を電極パッド142に電気的に接続する1つ以上の湾曲部材を含むことができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、刺激回路114は、電極パッド142を動作させるために、又は電極パッド142を選択的に活性化するために、コントローラ回路120によって制御され得る。選択的活性化は、例えば、1つ以上の湾曲部材の複数の電極パッド142内の電極パッドの一部を活性化すること、及び/又は1つ以上の湾曲部材の複数の電極パッド142内の電極パッドの全て又は一部を差動的に活性化することを含むことができる。したがって、この複数の電極は、複数の電極パッド142によって放出された電気パルスを神経線維の標的サブセットに進めるように動作させることができる。いくつかの実施形態によれば、電場妨害及び/又は多極刺激(例えば、三極刺激)のような技術は、神経内の神経線維のサブセットに電気パルスを標的化するために使用され得る。例えば、Grossmanらの、Noninvasive Deep Brain Stimulation via Temporally Interfering Electrical Fields、Cell、vol169、 pp. 1029-1041(2017)を参照のこと。1つ以上の湾曲部材内の電極パッド142は、放出された電気パルスを神経線維のサブセットに標的化するために、コントローラ回路120によって選択的に活性化され得る。
【0082】
放出された電気パルスによって標的化される神経線維のサブセットは、検出回路116によって電気生理学的信号が検出される神経線維のサブセットと同じであっても異なっていてもよい。標的電気パルスを放出するように構成された1つ以上の湾曲部材は、電気生理学的信号を検出するように構成された埋め込み可能な装置104上の1つ以上の湾曲部材と同じであっても異なっていてもよい。放出された標的電気パルスは、埋め込み可能な装置104の位置で神経を刺激することができる。
【0083】
電気パルスによって標的化される神経線維のサブセットは、電気生理学的信号が選択的に検出される神経線維と同じ又は異なったサブセットであり得る。埋め込み可能な装置104によって放出される電気パルスによって標的化される神経線維のサブセットは、例えば、神経内の1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)の線維束、又は1つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)の線維束の一部であり得る。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットは、神経内の求心性神経線維、又は神経内の求心性神経線維のサブセットを備えるか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットは神経内の遠心性神経線維、又は神経内の遠心性神経線維のサブセットを備えるか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットは、神経内の2つ以上の繊維束内の遠心性神経線維、又は神経内の2つ以上の束内の求心性神経線維を備えるか、又はそれらからなる。
【0084】
神経線維のサブセットに標的電気パルスを放出することによる神経線維のサブセットの標的刺激は、その神経の位置から離れた位置の神経の刺激をもたらし得る。埋め込み可能な装置104によって刺激される遠隔神経は、この装置によって放出される電気パルスによって標的とされる埋め込み可能な装置104の位置における神経のサブセットに依存する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104は、第1の神経位置に配置され、第2の神経位置に関連付けられた第1の神経位置内の神経線維のサブセットに標的電気パルスを放出することによって、第2の神経位置を刺激するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の神経位置及び第2の神経位置が、1つ以上の神経分岐点又は1つ以上のシナプスによって分離される。いくつかの実施形態では、第2の神経位置は第1の神経位置に対して脳の近位にあり、いくつかの実施形態では第2の神経位置は第1の神経位置に対して脳から遠位にある。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットが求心性神経線維を備えるか、又は求心性神経線維からなる。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットが遠心性神経線維を備えるか、又は遠心性神経線維からなる。
【0085】
いくつかの実施形態では、コントローラ回路120は、コマンドプロセッサ122、電力モニタ124、モード検出器126、及びメモリ150を含む。いくつかの実施形態では、メモリ150は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュメモリ、又はランダムアクセスメモリなどの非一時的記憶メモリを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ回路120は、デジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路とすることができる。コントローラ回路120の例は、マイクロプロセッサ、有限状態機械(FSM)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びマイクロコントローラを含んでもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、モード検出器126は、超音波変換器108によって受信された超音波から動作モードコマンドを判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、モード検出器126は、メモリ150に格納された複数の所定のパターン156の中からのパターンへの対応を判定することで、動作モードコマンドを判定することができる。例えば、このパターンは、超音波パルス持続時間などの特定の超音波特性を有する1つ以上のパルスのシーケンスであってもよい。この例では、モード検出器126は、整合パターンを判定するために、動作モードコマンドの一部を1つ以上の所定のパターン156と整合させることができる。別の例では、このパターンは、パルス持続時間、振幅、又は位相もしくは周波数変化などの超音波特性に対応してもよい。この例では、モード検出器126は、パターンへの対応を判定するために、その部分の超音波特性(例えば、パルス持続時間)を分析してもよい。いくつかの実施形態では、動作モードコマンドの一部が動作モードコマンドの開始を示す単一パルスであってもよい。他の実施形態では、この部分が超音波パルスのシーケンスとすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路120は、以下でさらに説明するように、動作モードコマンドを判定するために、
図6A~Bの方法600A~Bをそれぞれ実行するように構成することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、モード検出器126は、超音波変換器回路106で受信された超音波に基づいて変調及び復調回路112によって生成された(例えば、復調された)電気信号として超音波を受信することができる。いくつかの実施形態では、モード検出器126は、電気信号から1つ以上の超音波特性を検出するように構成された1つ以上の検出回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの検出回路の1つは、動作モードコマンドにおける各超音波パルスのパルス持続時間を決定するように構成されたゼロクロス回路を含むことができる。例えば、このゼロクロス回路は、パルス持続時間を決定するために、電気信号の第1の部分が所定の数のクロックサイクル内で所定の電圧レベルを超える事例の数をカウントし格納するように構成することができる。いくつかの実施形態では、この所定の電圧レベルは、0Vに近い電圧(例えば、10mV未満、50mV未満、100mV未満、又は200mV未満)である。
【0088】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、
図6A~Bに関して以下でさらに説明するように、モード検出器126によって判定された動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置104の動作モードを複数の所定の動作モード152から1つの動作モードに設定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、受信された動作モードコマンド及び関連付けられた命令を、命令レジスタなどのメモリ150に格納することができる。いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、格納された動作モードコマンドに基づいて、動作モードに対応する動作状態に入るように埋め込み可能な装置104を制御するように構成することができる。例えば、コマンドプロセッサ122は、現在の動作状態と、1つ以上の受信された動作モードコマンド、1つ以上のセンサ値、又はそれらの組合せなどの1つ以上の検出された入力とに基づいて、埋め込み可能な装置104の動作状態を制御するマイクロコントローラ内にFSM又はプログラムとして埋め込まれてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、様々なパラメータを構成するために、又は動作モードを選択するために、動作モードコマンドの一部から情報を抽出するように構成することができる。インテロゲータによって放出され、閉ループ埋め込み可能な装置によって受信される超音波に符号化された情報は、例えば神経変調を開始又は停止するための命令、1つ以上の較正命令、動作ソフトウェアに対する1つ以上の更新、及び/又は1つ以上のテンプレート(テンプレート電気生理学的信号、1つ以上のテンプレート電気生理学的信号、及び/又は1つ以上のテンプレート刺激信号など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、受信された命令を処理しメモリ150に格納するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、
図6A~Bに関して以下でさらに説明するように、1つ以上の受信された動作モードコマンドに基づいて、複数の動作モードの中からの動作モードに入ることができる。いくつかの実施形態では、複数の動作モードは例えば、
図7~
図8に関して以下でさらに説明するように、神経を刺激するモード、神経活動を記録するモード、又は1つ以上の生理学的条件を決定するモードを含むことができる。例えば、埋め込み可能な装置104が神経刺激モードに入るべきであることを動作モードコマンドが示す場合、コントローラ回路120は、特定の神経線維又はその神経の一部を刺激するように刺激回路114を制御するように構成されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122が、神経活動記録モード、又は1つ以上の生理学的状態を決定するモードに入るように埋め込み可能な装置104を制御する場合に、コマンドプロセッサ122は、装置情報(例えば、神経記録又は検出/測定された生理学的状態)を取り出すように検出回路116を制御してもよい。いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122は、埋め込み可能な装置104の動作を制御するために、現在の動作モード152に関連付けられたコマンド154を取り出すように構成することができる。例えば、神経活動記録モードでは、コマンドプロセッサ122は、神経活動記録モードに対応するコマンド154を取り出し、検出回路116を制御して神経の神経活動(例えば、装置情報の一例)をサンプリングするためにコマンド154を発行してもよい。いくつかの実施形態では、上述のように、装置情報を取り出すと、コマンドプロセッサ122は、その装置情報を超音波後方散乱で符号化するために、コマンド154に基づいて変調及び復調回路112を制御するように構成することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置104に電力制御及び較正を提供するために、電力モニタ124は、埋め込み可能な装置104の利用可能な電力及び電力消費をモニタするように構成することができる。いくつかの実施形態では、この利用可能な電力は、超音波変換器108で受信された超音波によって提供される供給電力を含むことができ、埋め込み可能な装置104に蓄積されたアクセス可能な電力を含むことができる。例えば、このアクセス可能な電力は、余剰エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積装置136からアクセス可能な電力を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電力モニタ124は、電力コンベア回路134によって生成された出力電圧に基づいて電力消費を決定することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、コマンドプロセッサ122が埋め込み可能な装置を電力較正モードに入るように制御する場合に、コマンドプロセッサ122は、電力モニタ124によってモニタされる利用可能な電力及び消費電力に基づいて、より多くの電力を又はより少ない電力を埋め込み可能な装置104に送信するべきかどうかを示す情報を生成するように構成することができる。例えば、コマンドプロセッサ122は、電力情報を生成及び送信するために、電力モニタ124並びに変調及び復調回路112などの他の部品に送信される、動作モード152(例えば、電力較正モード)に対応するコマンド154を取り出すことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路120は、生成された情報を超音波後方散乱で符号化するように、コマンド154に従って変調及び復調回路112を制御するように構成することができる。
【0093】
図2は、いくつかの実施形態に係る、超音波を使用して1つ以上の埋め込み可能な装置240を動作させるように構成されたインテロゲータ202を含むシステム200を示す。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、
図1に関して上述したようなインテロゲータ102の一例とすることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、電源203と、計算回路210と、信号生成回路220と、超音波変換器回路204とを含む。図示のように、電源203は、計算回路210及び信号生成回路220に電力を供給するように構成することができる。いくつかの実施形態では、電源203は、1.8Vを提供することができるが、任意の適切な電圧が使用され得る。例えば、電源203は、1.8Vを供給するために1つ以上のバッテリを含んでもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、信号生成回路220は、1つ以上のチャネル224に給電するように構成されたチャージポンプ222を含む。いくつかの実施形態では、チャージポンプ222は、電源203によって提供される電圧を増加させるように構成することができる。例えば、チャージポンプ222は、電源203によって供給される1.8Vを32Vに増加させてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、各チャネル224は、変換器回路204の対応する超音波変換器208に結合され、その動作を制御する。いくつかの実施形態では、チャネル224に接続された超音波変換器208は、超音波を受信するためだけに、又は超音波を送信するためだけに構成することができ、その場合、スイッチ229はチャネル224から任意選択で省略することができる。いくつかの実施形態では、各チャネル224は後続する電子部品、すなわち遅延制御部226、レベルシフタ228、及びスイッチ229を含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、遅延制御部226は、超音波変換器208によって送信される超音波の波形及び/又は信号を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、遅延制御部226は、送信波形を生成するために、コントローラ回路212からのコマンドに基づいて、例えば、位相シフト、時間遅延、パルス周波数、波形(振幅及び波長を含む)、又はそれらの組合せを制御することができる。いくつかの実施形態では、各チャネルの波形及び周波数を表すデータが、遅延制御部226又はメモリ216に格納された「波テーブル」に格納され得る。これは、各チャネル224の送信波形を異ならせることを可能にしてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、遅延制御部226は、超音波を送信するために、入力パルスを遅延制御部226からの入力パルスを、超音波変換器208によって使用される、より高い電圧にシフトするように構成されたレベルシフタ228に接続され得る。いくつかの実施形態では、遅延制御部226及びレベルシフタ228は、データを変換器アレイ206への実際の送信信号へと流れださせるために使用されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、各チャネル224に対する送信波形がマイクロコントローラ又は他のデジタルシステムの高速シリアル出力によって直接生成され、レベルシフタ228又は高電圧増幅器を介して変換器素子(例えば、超音波変換器208)に送られることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、チャネル224のスイッチ229は、超音波後方散乱などの超音波を受信するように対応する超音波変換器208を構成することができる。いくつかの実施形態では、受信された超音波は、超音波変換器208(受信モードに設定される)によって電流に変換され、受信された超音波で捕捉されたデータを処理するためにデータプロセッサ211に送信される。いくつかの実施形態では、増幅器、アナログ-デジタル変換器(ADC)、可変利得増幅器、又は組織損失を補償する時間利得制御可変利得増幅器、及び/又は、受信超音波を処理するために帯域通過フィルタを含むことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、上述のチャネル224がT/Rxスイッチ229を含まず、代わりに、良好な飽和回復を有する低雑音増幅器の形態の高電圧Rx(受信器回路)を有する独立したTx(送信)及びRx(受信)を含む。いくつかの実施形態では、T/Rx回路はサーキュレーターを含む。いくつかの実施形態では、変換器アレイ206は処理チャネル224よりも多くの変換器素子(例えば、超音波変換器208)を含み、インテロゲータ202は各パルスに対して送信素子の異なる設定を選択するためのマルチプレクサを含むように構成することができる。例えば、64の送信/受信チャネルは3:1マルチプレクサを介して192の物理変換器素子に接続することができ、64の変換器素子のみが所与のパルス上でアクティブである。
【0101】
いくつかの実施形態では、計算回路210は、デジタル回路、アナログ回路、又は混合信号集積回路とすることができる。計算回路210の例は、マイクロプロセッサ、有限状態機械(FSM)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びマイクロコントローラを含んでもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、計算回路210によってアクセスされ得る不揮発性メモリを含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、計算回路210は、コントローラ回路212、データプロセッサ211、及びユーザインターフェース213を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ回路212は、コマンド発生器214と、超音波設定218を格納するメモリ216とを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、コマンドジェネレータ214は、遅延制御部226の動作を制御するための命令を生成して、1つ以上の埋め込み可能な装置240に1つ以上の動作モードコマンドを送信して、1つ以上の埋め込み可能な装置240を動作させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、
図6Bに関して以下でさらに説明するように、この動作モードコマンドは、動作モードコマンドを受信する埋め込み可能な装置(例えば、埋め込み可能な装置242)に、特定の装置データをアップロードするように、又は動作モードコマンドで符号化されたデータをダウンロードするように命令することができる。そのような動作モードコマンド及びそれらの波形フォーマットの例は、
図5A~Cに関して以下でさらに説明される。
【0104】
いくつかの実施形態では、データプロセッサ211によって受信され処理される装置データは電力情報を含むことができる。これらの実施形態では、コマンド発生器214は、例えば埋め込み可能な装置242から受信した装置情報に基づいて、送信された超音波の出力電力を制御するように超音波設定を設定又は選択するように構成することができる。例えば、受信された装置情報は、より多くの電力が埋め込み可能な装置242に送信されるべきであることを示してもよい。この例では、コマンド発生器214は、超音波変換器回路204によって送信される超音波の電力を増加させるために、波形のより高いパルス幅又はより高い瞬間強度などの超音波設定218を選択してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、変換器回路204は、超音波を埋め込み可能な装置242などの埋め込み可能な装置240に送るように構成された1つ以上の超音波変換器208を含む。いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、変換器回路204は複数の超音波変換器208を有する変換器アレイ206を含む。いくつかの実施形態では、変換器アレイ206は、1個以上、2個以上、3個以上、5個以上、7個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、50個以上、100個以上、250個以上、500個以上、1000個以上、2500個以上、5000個以上、又は10000個以上の超音波変換器を含む。いくつかの実施形態では、変換器アレイ206は、100,000個以下、50,000個以下、25,000個以下、10,000個以下、5000個以下、2500個以下、1000個以下、500個以下、200個以下、150個以下、100個以下、90個以下、80個以下、70個以下、60個以下、50個以下、40個以下、30個以下、25個以下、20個以下、15個以下、10個以下、7個以下、又は5個以下の超音波変換器を含む。変換器アレイ206は、例えば50個以上の超音波変換器画素を備えるチップとしてもよい。
【0106】
図2に示すように、変換器回路204は、単一の変換器アレイ206を含むが、いくつかの実施形態によれば、変換器回路204は1つ以上、2つ以上、又は3つ以上の別個の変換器アレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、変換器回路204は、(9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個の変換器アレイなど、)10個以下の変換器アレイを含む。いくつかの実施形態では、この別個の変換器アレイは、被験者の異なる地点に位置づけることができ、同じ又は異なる埋め込み可能な装置240と通信することができる。いくつかの実施形態では、変換器アレイが埋め込み可能な装置242などの埋め込み可能な装置の対向側に設置され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202の変換器アレイ206の具体的な設計は、変換器アレイ206内の個々の超音波変換器208の所望の貫通深さ、開口サイズ、及びサイズに依存する。変換器アレイ206のレーリー距離Rは、次のように計算される。
【数1】
ここで、Dは開口部のサイズであり、λは伝播媒体(すなわち組織)内の超音波の波長である。当技術分野で理解されるように、レイリー距離は、変換器アレイ206によって放出されるビームが完全に形成される距離である。すなわち、受信電力を最大にするために、その圧力場は、レイリー距離での自然焦点に収束する。したがって、いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置240は、変換器アレイ206からレイリー距離とほぼ同じ距離とすることができる。
【0108】
変換器アレイ206内の個々の超音波変換器208は、ビームフォーミング又はビームステアリングのプロセスを通して、レイリー距離と、変換器アレイ206によって放出される超音波のビームの位置とを制御するように調整することができる。線形拘束最小分散(LCMV)ビームフォーミングなどの技術は、複数の埋め込み可能な装置240(例えば、埋め込み可能な装置242)を外部の超音波トランシーバと通信させるために使用することができる。例えば、Bertrandらの、Beamforming Approaches for Untethered、Ultrasonic Neural Dust Motes for Cortical Recording(a Simulation Study、IEEE EMBC,2014年8月)を参照されたい。いくつかの実施形態では、ビームステアリングは、変換器アレイ206内の超音波変換器208によって放出される超音波の電力又は位相を調節することによって行われる。
【0109】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202(例えば、計算回路210)は、1つ以上の超音波変換器208を使用して超音波をビームステアリングするための命令、1つ以上の埋め込み可能な装置240の相対位置を決定するための命令、1つ以上の埋め込み可能な装置240の相対移動をモニターするための命令、1つ以上の240埋め込み可能な装置240の相対移動を記録するための命令、及び複数の埋め込み可能な装置240からの後方散乱を逆畳み込みするための命令のうちの1つ以上を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース213は、ユーザ(例えば、医師又は患者)がインテロゲータ202の動作を制御して、埋め込み可能な装置240に電力を供給するか、又は埋め込み可能な装置240と通信することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース213は、タッチスクリーン若しくはモニタ、キーボード、マウス、又は音声認識装置など、入力をインテロゲータ202に提供する入力装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース213は、タッチスクリーン、モニタ、プリンタ、ディスクドライブ、又はスピーカなど、出力を提供する任意の適切な装置などの出力装置を含むことができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、モバイル装置(例えば、スマートフォン又はタブレット)などの別個のコンピュータシステム(不図示)を使用して制御することができる。コンピュータシステムは、例えばネットワーク接続、無線(RF)接続、又はBluetooth(登録商標)を介して、インテロゲータ202に無線通信することができる。コンピュータシステムは例えば、インテロゲータ202をオン又はオフしてもよく、又はインテロゲータ202によって受信された超音波に符号化された情報を分析してもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は複数の埋め込み可能な装置240と通信する。これは、例えば、多入力多出力(MIMO)システム理論を使用して行うことができる。例えば、インテロゲータ202と複数の埋め込み可能な装置240との間の通信は、時分割多重化、空間多重化、又は周波数多重化を使用して実行されてもよい。インテロゲータ202は、逆畳み込みされ得る複数の埋め込み可能な装置240からの結合された超音波後方散乱を受信することができ、それによって、各埋め込み可能な装置242から情報を抽出する。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、変換器アレイ206からの送信された超音波を、ビームステアリングを介して特定の埋め込み可能な装置へと収束させるように構成することができる。例えば、インテロゲータ202は、送信された超音波を第1の埋め込み可能な装置(例えば、埋め込み可能な装置242)に収束させ、第1の埋め込み可能な装置からの後方散乱を受信し、送信された超音波を第2の埋め込み可能な装置に収束させ、第2の埋め込み可能な装置からの後方散乱を受信することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は超音波を複数の埋め込み可能な装置240に送信し、次いで、複数の埋め込み可能な装置240から超音波後方散乱を受信する。
【0113】
いくつかの実施形態では、インテロゲータ202又は1つ以上の超音波変換器208は着用可能である。例えば、インテロゲータ202、又は1つ以上の超音波変換器208は、紐又は接着剤によって被験者の身体に固定されてもよい。別の例では、インテロゲータ202はワンドであり得、ユーザ(医療専門家など)によって保持されてもよい。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202は、縫合糸、単純な表面張力や、布ラップ、スリーブ、弾性バンドなどの衣類ベースの固定装置を介して、又は皮下固定によって本体に保持することができる。いくつかの実施形態では、インテロゲータ202の1つ以上の超音波変換器208又は変換器アレイ206は、インテロゲータ202の残りの部分とは別個に配置されてもよい。例えば、変換器アレイ206は、第1の位置(例えば、1つ以上の埋め込まれた装置の近位)で被験体の皮膚に固定されてよく、インテロゲータ202の残りは、ワイヤテザリング超音波変換器208又は変換器アレイ206をインテロゲータ202の残りへと有する第2の位置に位置づけられてよい。
【0114】
図3A~Cは、いくつかの実施形態に従う、埋め込み可能な装置を動作させるための放出された超音波の部分を示すパネル3A~Cを示す図である。例えば、パネル3A~3Cに示される超音波は、
図1のインテロゲータ102又は
図2のインテロゲータ202によって放出されてもよい。いくつかの実施形態では、放出された超音波が1つ以上の他の埋め込み可能な装置によって放出されるように構成することができる。
【0115】
パネル3Aは、放出された超音波が超音波コマンド302A及び302Bのような一連の超音波コマンドを含むことを示す。いくつかの実施形態では、超音波コマンドのそれぞれは超音波の1つ以上のパルスを含むことができる(すなわち、超音波パルスとしても知られている)。例えば、パネル3Bは超音波コマンド302Bのズームインビューを示し、それは6つの超音波パルス(例えば、パルス304A~B)のシーケンスを含んでよい。例示の目的のみのために、超音波コマンド302Bにおける各パルスの振幅(すなわち、圧力振幅)及びパルス幅(すなわち、パルス長又はパルス持続時間とも呼ばれる)は同じであるとして示されるが、これはそうではない場合がある。いくつかの実施形態では、各超音波パルスの振幅又はパルス幅がインテロゲータによって実装される超音波プロトコルによって指示されてもよい。従って、パルスの振幅及びパルス幅は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、超音波パルスのそれぞれは、1つ以上の搬送波サイクル(すなわち、振動又は振動サイクルとしても知られている)を含んでもよい。本明細書の開示で使用されるように、搬送波サイクルは、超音波の単一の振動に対応し得る。例えば、パネル3Cは、超音波304Aのパルス持続時間308を構成する5つのキャリアサイクル(例えば、超音波周期306A~B)を含む超音波パルス304Aのズームイン観測を示す。
【0116】
図4は、いくつかの実施形態に係る、インテロゲータにおいて受信された超音波後方散乱をそのインテロゲータがどのように処理するかを示すパネル4A~Eを示す。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置(例えば、
図1の埋め込み可能な装置104)は、
図3のパネル3Aに関して上述したような超音波の受信に応答して、パネル4Aに示すように、超音波後方散乱を放出するように構成することができる。
【0117】
パネル4Aは、埋め込み可能な装置から受信された超音波後方散乱を示す。いくつかの実施形態では、超音波後方散乱は、
図3のパネル3Aに示されるように、埋め込み可能な装置に送信される超音波の後方散乱に対応することができる。パネル4Aに示されるように、超音波後方散乱は、パネル3Aの送信された超音波の動作モード指令部分の後方散乱に対応する後方散乱部分402A~Bを含むことができる。いくつかの実施形態では、送信サイクルの終了時に、インテロゲータは送信モジュールを切断し、受信モジュールを接続して超音波後方散乱を受信するようにスイッチ(例えば、スイッチ229)を制御するように構成することができる。
【0118】
パネル4Bは単一の超音波パルス404の後方散乱の拡大図を示し、これを分析して、後方散乱404において符号化されたデータを抽出することができる。例えば、パネル4Cに示すように、超音波後方散乱404をフィルタリングすることができる。パネル4Cに示されるように、フィルタリングされた後方散乱は、機械的境界から生じる反射に対応する4つの別個の領域406A~Dを含むことができ、領域406Aは埋め込み可能な装置を封入する生体適合性材料からの反射に対応し、領域406Bは小型化超音波変換器の上面からの反射に対応し、(3)領域406Cはプリント回路基板と小型化超音波変換器との間の境界からの反射に対応し、領域406Dは埋め込み可能な装置のプリント回路基板の背面からの反射に対応する。小型化された変換器の表面から反射される後方散乱波の振幅は、小型化された超音波変換器に戻る電流のインピーダンスの変化の関数として変化し、後方散乱のこの領域は埋め込み可能な装置で生成される情報を符号化するので、「応答性後方散乱」と呼ぶことができる。例えば、パネル4Cは、埋め込み可能な装置が神経を刺激するための動作モードにあるかどうかに依存する、フィルタリングされた後方散乱の振幅の差を示す。フィルタリングされた後方散乱のさらなる分析は、パネル4Dに示されるように、超音波後方散乱を整流するステップと、パネル4Eに示されるように、データを復号するために整流された信号を積分するステップとを含んでもよい。
【0119】
図5A~Cは、いくつかの実施形態に係る、動作モードコマンドを符号化する超音波を示すパネルを示す。
【0120】
超音波通信では、飛行時間(TOF)が、超音波を送信するインテロゲータと超音波を受信する埋め込み可能な装置との間の双方向移動時間を指す。この飛行時間は、埋め込み可能な装置に対するインテロゲータの距離に依存し得る。いくつかの実施形態では、飛行時間が、データアップリンクが超音波の後方散乱で情報を符号化することによって可能になるため、動作モードコマンドがどのように生成されるかを制約する可能性がある。したがって、以前に送信された超音波が後方散乱されている間にインテロゲータが搬送波を送信する場合、送信された搬送波と超音波後方散乱との間にクロストークが存在する可能性がある。
【0121】
図5Aは、いくつかの実施形態による、データアップリンクに関連する動作モードコマンドのタイミング要件及びデータ構造を示すパネル502~506を示す。パネル502は、超音波インテロゲータ(例えば、インテロゲータ102又はインテロゲータ202)によって送信される動作モードコマンド502Aのための例示的な超音波エンベロープを示す。動作モード指令502Aは、全時間又は全期間のT
cmdを有し、T
sync_upのパルス持続時間を有する第1の部分502B、T
upの持続時間を有する第2の部分502C、T
powerの持続時間を有する第3の部分502D、及びT
Dの持続時間を有する第4の部分502Eを含むことができる。
【0122】
第1の部分502Bは、埋め込み可能な装置のモード検出器が動作モードコマンドのタイプを決定することを可能にする、動作モードコマンド502Aの第1のパルスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、このモード検出器は、動作モード命令502Aがアップリンクに関連付けられることを決定するために、第1の部分502Bのパルス持続時間がTsync_upのアップリンクパターンに対応することを決定するように構成することができる。このアップリンクパターンは、受信した超音波の搬送周波数に関連付けられてもよい。例えば、Tsync_upはキャリア周波数の倍数であってもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、第1の部分502Bのパルス持続時間を使用して、動作モードコマンド502Aの間を区別することにより、埋め込み可能な装置が調節可能なPWM信号として超音波を使用して電力を供給されるだけでなく、複数の動作モードで動作することを可能にすることができる。
図1に関して上述したように、PWM信号として超音波を送信することが、政府の規制の範囲内に留まるように超音波の平均強度を制御しながら、埋め込み可能な装置に超音波を使用して十分に電力を供給することを可能とすることができる。しかしながら、パルス幅が変化するPWM信号の使用は、定義されたタイミング構造を使用する伝統的な通信プロトコルアプローチを無効にするだろう。これは、部分的には、埋め込み可能な装置の電力ニーズに基づいてPWM信号のパルス幅を動的に調整することができるため、特定の時間隔における搬送波の不在又は存在が必ずしもなんらかの命令又はコマンドをも示す必要はないためである。上述のように、第1の部分502Bの使用は、通信プロトコルのための従来のアプローチを使用すると遭遇するであろう問題に対処する。
【0124】
第2の部分502Cは、埋め込み可能な装置が装置データをアップロードすることを可能にする通信超音波を含んでよく、Tupの持続時間は、埋め込み可能な装置が装置データをアップロードするために搬送波を変調しなければならない時刻に対応する。持続時間Tpowerの第3の部分502Dは例えば、電力コンベア回路134又はエネルギ貯蔵装置136などの様々な構成要素に電力を供給するために埋め込み可能な装置104によって使用され得る超音波に対応する。最後に、第4の部分502Eは、搬送波が伝送されないTDのデッドタイムに対応することができる。第4の部分502Eの間、インテロゲータは、超音波後方散乱の受信を可能にするために受信モードに入るように構成することができる。いくつかの実施形態では、第2及び第3の部分502C~Dの合計持続時間は、クロストークが発生しないように飛行時間内に留まるように構成される。いくつかの実施形態では、このデッドタイムは、少なくともTupと同程度の長さとすることができるが、第3の部分502Dによってどれだけの電力が供給される必要があるかによって、より長くなってもよい。
【0125】
上述のように、モード検出器は、超音波が電力送信に関連付けられているか否かを判定するために、第3の部分の持続時間を分析するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第3部502Cにおける、アップリンクパターン(例えば、Tsync_up)を超え、ダウンリンクパターン(例えば、Tsync_down)を超えるパルプの継続期間は、超音波からパワーを抽出することを示すことができる。
【0126】
パネル504は、埋め込み可能な装置で受信された動作モードコマンド502Aのための超音波エンベロープを示す。図示されるように、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンド502Aが送信された期間(すなわち、TOFの半分)の後に、動作モードコマンド502Aを動作モードコマンド504Aとして受信することができる。受信された動作モードコマンド504Aは上述のように、動作モードコマンド502Aの部分502B~Eに対応する部分504B~Eを含む。パネル506は、インテロゲータで受信された第2の部分504Cの超音波後方散乱を示す。図示のように、超音波後方散乱はTupの持続時間を有するであろうし、インテロゲータが超音波後方散乱からうまくデータを抽出できるようにクロストークが発生しないことを保証するために、第4の部分502Eのデッドタイム中に受信される必要がある。
【0127】
図5Bは、いくつかの実施形態による、データアップリンクに関連付けられた動作モードコマンドのタイミング要件及びデータ構造を示すパネル508~512を示す。パネル508は、超音波インテロゲータ(例えば、インテロゲータ102又はインテロゲータ202)によって送信される動作モードコマンド508Aのための例示的な超音波エンベロープを示す。動作モード指令508Aは、全時間又は全期間のT
cmdを有し、T
sync_upのパルス持続時間を有する第1の部分508B、T
upの持続時間を有する第2の部分508C、T
powerの持続時間を有する第3の部分508D、及びT
Dの持続時間を有する第4の部分508Eを含むことができる。
図5Aに示されるような動作モードコマンド502Aとは対照的に、超音波に電力を供給することを含む第3の部分508Dは、第4の部分508Eのデッドタイムの後に送信され得る。いくつかの実施形態では、この構成が、T
upの持続時間を延長することを可能にし、第1の部位508Bの後の超音波送信のために、飛行時間の持続時間内に留めることを可能にする。従って、埋め込み装置の電力ニーズが、第2及び第3部502C~D(パネル502に示される)の結合持続時間が飛行時間を上回るようにT
power持続時間を長くする必要がある場合、そこで、動力を持つ超音波は、デッドタイム後に送信されるように構成することができる。
【0128】
パネル510は、埋め込み可能な装置で受信された動作モードコマンド508Aのための超音波エンベロープを示す。図示のように、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンド508Aが送信された期間(すなわち、飛行時間の半分)の後に、動作モードコマンド508Aを動作モードコマンド510Aとして受信することができる。受信された動作モードコマンド510Aは上述のように、動作モードコマンド508Aの部分508B~Eに対応する部分510B~Eを含む。パネル512は、インテロゲータで受信された第2の部分510Cの超音波後方散乱を示す。図示のように、超音波後方散乱はTupの持続時間を有するであろうし、インテロゲータが超音波後方散乱からうまくデータを抽出できるようにクロストークが発生しないことを保証するために、第4の部分508Eのデッドタイム中に送信される必要がある。
【0129】
図5Cは、いくつかの実施形態に係る、データダウンリンクに関連付けられた動作モードコマンドのタイミング要件及びデータ構造を示すパネル514~516を示す。パネル514は、超音波インテロゲータ(例えば、インテロゲータ102又はインテロゲータ202)によって受信される動作モードコマンド514Aのための例示的な超音波エンベロープを示す。動作モード指令514Aは、全時間又は全期間のT
cmdを有し、T
sync_downのパルス持続時間を有する第1の部分514Bと、T
data_transferの持続時間を有する第2部の部分14Cとを含むことができる。いくつかの実施形態では、モード検出器は、第1の部分514Bのパルス持続時間がデータダウンリンクに関連するT
sync_downに対応することを決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、T
sync_downの値はT
sync_upとは異なっていてもよいが、T
powerの値よりも小さい。例えば、T
sync_downは、キャリア周波数の第1の倍数(例えば、T
sync_down = 5*Tc)に設定でき、T
sync_upはキャリア周波数の第2の倍数(例えば、T
sync_up = T
c)に設定できる。いくつかの実施形態では、T
sync_down及びT
sync_upを超えるパルス持続時間は、超音波から電力を抽出するように埋め込み可能な装置を構成することができる(例えば、T
power>5*T
c)。
【0130】
いくつかの実施形態では、第1の部分514Bがダウンリンクモードを示すと判定すると、埋め込み可能な装置は、第2の部分514Cからデータを抽出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、パルス幅変調振幅シフトキーイング(PWM-ASK)符号化方式を使用して、第2の部分514Cでデータが符号化され得る。例えば、パネル516に示されるように、パルス符号化ロジック0は、パルス符号化ロジック1よりも高い振幅を有することができる。さらに、パルス符号化ロジック0は、Tnotch(例:Tnotch = 5*Tc)に従う期間T0(例:T0 = 10*Tc)に従う波形を持つ場合がある一方、パルス符号化ロジック1はTnotch(例:Tnotch = 5*Tc)に従う期間T1(例:T1 = 15*Tc)に従う波形を持つ場合がある。PWM-ASKの使用は、ロジック0の複数のデータ値がシーケンスで送信される場合に、部分514Cにおいて十分な電力が送信されることを保証してもよい。いくつかの実施形態では、パルス間隔符号化(PIE)、周波数シフトキーイング(PSK)、又は位相シフトキーイング(PSK)などの別の符号化方式を使用して、動作モードコマンド514Aでデータが符号化され得る。
【0131】
図6Aは、いくつかの実施形態に係る、超音波を使用して埋め込み可能な装置を動作させる方法600Aを示す。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置が
図1の埋め込み可能な装置104の例であってもよい。説明を容易にするために、方法600の以下の様々なステップは、
図1に関して説明されるような埋め込み可能な装置104の構成要素を指すことができる。
【0132】
ステップ602で、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドを含む超音波を受信する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置の超音波変換器(例えば、超音波変換器108)は超音波を受信し、受信した超音波からのエネルギーを、動作モードコマンドの電気的表現を含む電気信号に変換するように構成することができる。いくつかの実施形態では、この超音波が、
図1のインテロゲータ102又は
図2のインテロゲータ202などのインテロゲータによって送信される。いくつかの実施形態では、この超音波が、別の埋め込み可能な装置によって送信され得る。いくつかの実施形態では、動作モードコマンドは、
図3のパネル3Bに関して上述したように、超音波の1つ以上のパルスに対応することができる。いくつかの実施形態では、ステップ602がステップ602Aを含む。
【0133】
ステップ602Aにおいて、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドが複数の所定のパターンの中からのパターンに対応すると判定する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドの第1の部分とパターンとの間の対応を判定することによってこの対応を判定するように構成され得る。例えば、埋め込み可能な装置は、この対応を判定するために、その第1の部分を複数の所定のパターンの中からの1つ以上のパターンと比較することができる。いくつかの実施形態では、この第1の部分が動作モードコマンドの単一パルスを含むことができる。例えば、この第1の部分は、動作モードコマンドの初期パルスであってもよい。いくつかの実施形態では、この第1の部分は、動作モードコマンドの2つ以上のパルスのシーケンスを含むことができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、この複数の所定のパターンは、異なる特性を有する複数の対応するパルスとすることができる。いくつかの実施形態では、この複数の所定パターンは、パルスの特性に関連付けられた複数の対応値とすることができる。例えば、パルス特性は、パルス持続時間、パルス振幅、又は位相若しくは周波数変化を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のパターンの各所定のパターンは、2つ以上のパルス特性に対応する一意の値のセットを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のパターンの各所定のパターンは、一意のパルスシーケンスを含むことができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、この複数の所定のパターンは、
図1に関して上述したように、複数の対応するパルス持続時間を含む。いくつかの実施形態では、このパルス持続時間のうちの1つ以上が、受信された超音波の搬送波信号周期に基づいて予め決定される。
【0136】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置のモード検出器(例えば、モード検出器126)は、動作モードコマンドがパターンに対応するかどうかを判定するために、電気信号の第1の部分が所定の電圧レベルを超える事例の数をカウントするように構成することができる。いくつかの実施形態では、この所定の電圧レベルは、0Vに近い電圧値(例えば、10mV未満、50mV未満、100 mV未満、又は200mV未満)であってもよい。いくつかの実施形態では、この事例の数が動作モードコマンドのパルス持続時間に対応してもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、モード検出器は、動作モードコマンドを受信したか否かを判定するために、超音波を連続的にモニタするように構成することができる。例えば、モード検出器は、動作モードコマンドの第1の部分が複数の所定のパターンの中からのパターンに対応すると判定された場合に、動作コマンドが受信されたと判定してもよい。
【0138】
ステップ604では、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置の動作モードを複数の所定の動作モードから1つの動作モードに設定する。いくつかの実施形態では、この動作モードは、
図1に関して上述したように、刺激モード、神経活動記録モード、又はセンサモードを含んでもよい。いくつかの実施形態では、動作モードの設定はステップ604Aを含むことができる。
【0139】
ステップ604Aにおいて、埋め込み可能な装置は、判定されたパターンに基づいて、動作モードに対応する動作状態を設定する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、複数の動作状態と、動作状態間で定義される遷移とを含む動作ロジックを実装し、維持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置のコントローラ回路(例えば、コントローラ回路120)は、判定されたパターンに基づいて動作状態を設定するように、動作ロジックを実装し、維持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路は、動作ロジックを実装するために有限状態機械(FSM)を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路は、動作ロジックを実装するためのマイクロプロセッサを含むことができる。他の実施形態では、コントローラ回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はマイクロコントローラを使用して実装することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、この埋め込み可能な装置は、現在の動作状態を維持し、動作モードコマンドに基づいて埋め込み可能な装置を現在の動作状態iから次の動作状態に遷移させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、この埋め込み可能な装置は、新しい現在の動作状態になる次の動作状態に従って動作するように構成することができる。例えば、埋め込み可能な装置は、設定された動作モードに関連付けられる1つ以上のコマンドに基づいて、その構成要素のうちの1つ以上を制御することができる。いくつかの実施形態では、複数の動作状態(例えば、動作モード152)と複数の対応するコマンド(例えば、コマンド154)との間の関連付けを、メモリ(例えば、メモリ150)に格納することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、ステップ602に関して上述したように、モード検出器は、動作モードコマンドが受信されているかどうかを判定するために受信された超音波を連続的にモニタするよう構成することができる。これらの実施形態では、埋め込み可能な装置は、検出された動作モードコマンドに基づいて動作をリセットするように構成することができる。
【0142】
図6Bは、いくつかの実施形態に係る、超音波を使用して埋め込み可能な装置を動作させる方法600Bを示す。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置が
図1の埋め込み可能な装置104の例であってもよい。説明を容易にするために、方法600の以下の様々なステップは、
図1に関して説明されるような埋め込み可能な装置104の構成要素を指すことができる。
【0143】
ステップ612で、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドを含む超音波を受信する。いくつかの実施形態では、ステップ612は
図6Aに関して上述したステップ602に対応する。いくつかの実施形態では、ステップ612は
図6Aのステップ602Aに対応し得るステップ612Aを含む。
【0144】
ステップ612Aにおいて、埋め込み可能な装置は、複数の所定のパターンからパターンへの対応を判定するために動作モードコマンドの第1の部分を分析する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、第1の部分が判定されたパターンに対応すると判定することに応答して、動作モードコマンドがそのパターンに対応すると判定する。例えば、ステップ602Aに関して上述したように、この第1の部分は動作モードコマンドの開始を示す単一パルスであってもよい。他の例では、この第1の部分が動作モードコマンドの2つ以上のパルスのシーケンスを含んでもよい。
【0145】
ステップ614では、この埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドに基づいて、埋め込み可能な装置の動作モードを複数の所定の動作モードから1つの動作モードに設定する。いくつかの実施形態では、複数の動作モードは、受信された超音波からデータをダウンロードするためのダウンリンクモードを含み、ステップ612の受信された超音波を使用して、埋め込み可能な装置で生成されたデータを外部装置にアップロードするためのアップリンクモードを含む。いくつかの実施形態では、複数の動作モードは、
図1に関して上述したように、ダウンロードされたデータに対して異なる動作を実行するための複数のダウンリンクモードを含む。いくつかの実施形態では、複数の動作モードは、
図1に関して上述したように、異なるタイプの装置をインテロゲータにアップロードするための複数のアップリンクモードを含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、ステップ614は
図6Aに関して上述したステップ604に対応する。いくつかの実施形態では、ステップ614がステップ614Aを含む。ステップ614Aにおいて、埋め込み可能な装置は、分析された第1の部分に基づいて、動作モードに対応する動作状態を設定する。例えば、埋め込み可能な装置は、ステップ612Aの判定パターンに基づいて動作状態を設定することができる。埋め込み可能な装置がFSMを実装するいくつかの実施形態では、判定されたパターンへの対応を表すデータを、動作状態を設定するためのFSMへの入力として使用することができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、判定されたそのパターンへの対応が、受信された超音波からデータを抽出するために動作モードをダウンリンクモードに設定するように埋め込み可能な装置を構成することができる。例えば、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドの第2の部分からデータを抽出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、判定されたそのパターンへの対応が、受信された超音波を使用して装置データをインテロゲータにアップロードするために動作モードをアップリンクモードに設定するように埋め込み可能な装置を構成することができる。
【0148】
ステップ616において、埋め込み可能な装置は、動作モードに対応する設定された動作状態に従って動作する。いくつかの実施形態では、ステップ616がステップ616A~Dのうちの1つ以上を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、ダウンリンクに関連する動作状態618Aについて、ステップ616はステップ616A~Bを含む。ステップ616Aにおいて、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドの第2の部分からデータを抽出する。いくつかの実施形態では、この第2の部分が動作モードコマンドの1つ以上のパルスのシーケンスを含む。いくつかの実施形態では、この第2の部分が第1の部分に続き、第1の部分と重複しない。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、データを抽出するためにこの第2の部分を復号するように構成することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、パルス幅変調振幅シフトキーイング(PWM-ASK)符号化方式を使用して、この第2の部分を復号するように構成することができる。いくつかの実施形態では、抽出されたデータが動作モードを選択する命令を含むことができる。いくつかの実施形態では、抽出されたデータが神経活動の記録に関連する1つ以上のパラメータ(例えば、PGAゲイン)を含むことができる。いくつかの実施形態では、抽出されたデータが、神経を刺激することに関連付けられる1つ以上のパラメータを含むことができる。
【0150】
ステップ616Bにおいて、埋め込み可能な装置は、抽出されたデータに基づいて埋め込み可能な装置を構成する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、抽出されたデータに基づいて1つ以上の構成要素を制御するための1つ以上のコマンドを生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のコマンド(たとえば、コマンド154)はステップ614Aで設定された現在の動作状態に基づいて生成される。
【0151】
いくつかの実施形態では、アップリンク618Bに関連付けられる動作状態について、ステップ616はステップ616C~Dを含む。ステップ616Cにおいて、埋め込み可能な装置は、動作状態に基づいて送信すべき装置データを決定する。いくつかの実施形態では、装置データが埋め込み可能な装置で生成されたデータを含む。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、動作状態に基づいてメモリ(例えば、メモリ150)から装置データを取り出すように構成することができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、動作状態が生理学的状態報告モード(すなわち、アップリンクモードの一例)に対応することができ、そこで、装置データは生理学的状態報告モードにおいて埋め込み可能な装置によって検出又は測定された生理学的状態に関連付けられる情報を含むことができる。例えば、生理学的状態は、温度、脈拍数、血圧、pHレベル、検体の存在、又は検体の濃度を含んでもよい。いくつかの実施形態では、検体が酸素又はグルコースを含むことができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、動作状態が神経活動報告モード(すなわち、アップリンクモードの一例)に対応することができる。この動作状態では、埋め込み可能な装置は、
図8に関して以下でさらに説明するように、神経活動報告モードで埋め込み可能な装置によって検出された電気生理学的信号に関連付けられる情報を含む装置データを生成するように構成することができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、この動作状態が肯定応答モード(すなわち、アップリンクモードの一例)に対応することができ、ここで装置データは埋め込み可能な装置が以前に受信された超音波から動作命令をうまく抽出したという肯定応答を含むことができる。
【0155】
ステップ616Dにおいて、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドの第2の部分の後方散乱において装置データを符号化する。ステップ616Aに関して上述したように、この第2の部分は、動作モードコマンドの1つ以上のパルスのシーケンスを含むことができる。いくつかの実施形態では、この第2の部分が第1の部分に続き、第1の部分と重複しない。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、データを符号化するために、ステップ612の受信された超音波から生成される電流を変調するように構成することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置の1つ以上の超音波変換器は、超音波の超音波後方散乱を放出するように構成することができ、ここで後方散乱超音波は装置データを符号化する。
【0156】
したがって、方法600Bに基づいて、埋め込み可能な装置は、超音波で受信された動作モードコマンドに基づいて、アップリンクモード又はダウンリンクモードで動作するように構成することができる。
【0157】
図7はいくつかの実施形態による、埋め込み可能な装置(例えば、埋め込み可能な装置104)の例示的な動作ロジックを示す図表700を示す。上述のように、埋め込み可能な装置のコントローラ回路(例えば、コントローラ回路120)は、埋め込み可能な装置の動作を制御するために有限状態機械(FSM)を実装するように構成することができる。例えば、図表700は、ムーアステートマシンを示す。図表700に示されるように、FSMは、複数の動作状態702A~Oを含んでもよい。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、複数の動作状態702A~Oの固有のサブセットにそれぞれ対応し得る複数の動作モードを含む。FSMはムーアマシンとして示されているが、埋め込み可能な装置は他のタイプのFSMに従って動作ロジックを制御するように構成することができる。例えば、ムーアマシンの代わりに、FSMは、ミーリステートマシン、ハレルステートマシン、又は統一モデリング言語(UML)ステートマシンとして実装されてもよい。
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、
図6A~Bに関して上述したように、受信された超音波における動作モードコマンドに基づいて、現在の動作状態から次の動作状態に遷移するように構成することができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドに対応する情報を、複数の所定のパターンの中からの1つ以上のパターンと比較して、FSM内の動作モード及び関連する動作状態を設定するように構成することができる。例えば、図表700に示すように、動作モードコマンドは、アップリンクパターン(例えば、Tsync_upの期間)又はダウンリンクパターン(例えば、Tsync_downの期間)と整合することができる超音波パルス期間(例えば、Tus)に関連付けることができる。アップリンクパターンは、データをアップロードするために埋め込み可能な装置を動作状態に移行させることに関連付けられてもよく、ダウンリンクパターンは、データをダウンロードするために埋め込み可能な装置を動作状態に移行させることに関連付けられてもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、超音波通信を介してデータをアップロード及びダウンロードするように構成することができる。以下の説明はインテロゲータと通信する埋め込み可能な装置に関して説明されてもよいが、いくつかの実施形態によれば、埋め込み可能な装置は別の埋め込み可能な装置と通信するために超音波を同様に使用することができることを理解されたい。
図6Bに関して上述したように、埋め込み可能な装置がデータのダウンリンクに関連する動作状態に移行するときはいつでも、埋め込み可能な装置は、インテロゲータから受信された超音波の一部を復号して、埋め込み可能な装置を動作させるための動作モードコマンドを抽出するように構成することができる。
図6Bに関して上述したように、埋め込み可能な装置がデータのアップリンクに関連する動作状態に移行するたびに、埋め込み可能な装置は、受信された超音波の一部の後方散乱において送信される装置データを符号化するように構成することができる。次いで、インテロゲータは超音波後方散乱を受信し、その超音波後方散乱で符号化された装置データを復号するように構成することができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、電力動作モードに対応する動作状態702Aで開始するように構成することができる。動作状態702Aでは、埋め込み可能な装置は、1つ以上の超音波変換器で受信した超音波を使用して、埋め込み可能な装置の1つ以上のエネルギー記憶装置、エネルギー蓄積装置136)を充電するように構成することができる。
【0161】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置は、受信された超音波に動作モードコマンドが含まれているかどうかを判定するために受信された超音波を連続的にモニタするように構成することができる。図表700に示すように、動作モードコマンドがアップリンクパターン(すなわち、Tus = Tsync_up)に対応するとき、埋め込み可能な装置は、ブロードキャスト動作モードに対応する動作状態702Bに移行することができる。動作状態702Bでは、埋め込み可能な装置が装置IDをインテロゲータに送信することができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置がダウンリンクパターンに対応する次の動作モードコマンド(例えば、T
us=T
sync_down)が検出されるまで、動作状態702Bで装置IDを再送するように構成することができる。次いで、埋め込み可能な装置は、電力較正動作モードに対応する動作状態702Cに移行することができる。動作状態702Cでは、埋め込み可能な装置が電力情報をインテロゲータに送信することができる。例えば、電力情報は、
図1に関して上述したように、利用可能な電力又は消費電力を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力情報を受信すると、インテロゲータは電力情報に基づいて1つ以上の超音波設定(例えば、電力パルス強度又はパルス幅)を調整するように構成することができる。したがって、インテロゲータによって提供される電力は、埋め込み可能な装置によってインテロゲータに送信される電力情報に基づいて調整することができる。
【0163】
図表700に示すように、次の動作モード指令がダウンリンクパターン(すなわちTus = Tsync_down)に対応する場合、埋め込み装置は動作状態702Cから、モード選択動作モードに対応する動作状態702Dに移行することができる。動作状態702Dでは、埋め込み可能な装置は受された動作モードコマンドの第2の部分からデータを抽出することができる。いくつかの実施形態では、抽出されたデータが埋め込み可能な装置の動作モードを選択する情報を含むことができる。
【0164】
次の動作モード指令がアップリンクパターン(すなわち、Tus = Tsync_up)に対応する場合、埋め込み可能な装置は動作状態702Dから、モード確認動作モードに対応する動作状態702Eに移行することができる。動作状態702Eでは、埋め込み可能な装置は、動作モードを選択することに関連付けられる選択情報が正常に受信されたことを示す肯定応答をインテロゲータに送信することができる。
【0165】
次の動作モードコマンドがアップリンクパターン(すなわち、Tus = Tsync_up)に対応するとき、埋め込み可能な装置は、動作状態702Dにおいて以前に受信された選択情報に基づいて、1つ以上の報告動作モードのうちのどの動作モードに入るかを決定することができる。例えば、報告動作モードは、温度、脈拍数、pHレベル、又は特定の検体の存在もしくは濃度などの様々な生理学的条件に関連する情報を送信することに関連付けられてもよい。例えば、図表700に示すように、埋め込み可能な装置は、温度動作モード704Cに対応する動作状態702Nに遷移してもよい。いくつかの実施形態では、アップロードすることができる情報の量は制限される(例えば、4ビットの情報)。したがって、図表700に示すように、温度動作モード704Cは、測定された温度を送信するための複数の動作状態702N-Oを含んでもよい。いくつかの実施形態において、次の作動モード指令がダウンリンクパターン(すなわち、Tus = Tsync_up)に対応する場合、埋め込み装置は、動作状態702Oから動作状態702Cに戻って、インターゲータから電源送電を再較正するように移行することができる。
【0166】
動作状態702Eに戻り、次の動作モード指令がダウンリンクパターン(すなわち、Tus = Tsync_down)に対応する場合、埋め込み可能な装置は、動作状態702Dで以前に受信した選択情報に基づいて、ニューラル活動記録モード704Aに入力するか、又はニューラル刺激モード704Bに入力するかを決定できる。
【0167】
いくつかの実施形態では、選択情報が神経活動記録モード704Aを示すとき、埋め込み可能な装置は動作状態702Eから神経活動記録モード704Aの動作状態702Fに移行することができる。神経活動記録モード704Aでは、埋め込み可能な装置が動作状態702Fでパラメータを受信し、動作状態702G~Hで神経活動データを送信するように構成することができる。例えば、パラメータは、検出された神経活動信号をどれだけ増幅するかを制御するように埋め込み可能な装置を構成するフィールドプログラマブルゲートアレイゲイン増幅器(PGA)ゲインを含むことができる。温度動作モード704Cに関して上述したように、神経活動記録などの装置データは、動作モードコマンドの第2の部分の後方散乱で送信するには大きすぎる場合がある。したがって、神経活動記録モード704Aは、神経活動記録全体を送信するための複数の動作状態702G~Hを含んでもよい。神経活動をどのようにしてサンプリングし、記録することができるかについてのさらなる詳細は、
図8に関して以下に提供される。幾つかの実施形態において、次の作動モード指令がダウンリンクパターン(すなわち、T
us = T
sync_up)に対応する場合、埋め込み装置は、動作状態702Hから動作状態702Cに戻って、インターゲータから電源送電を再較正するように移行することができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、選択情報が神経刺激モード704Bを示すとき、埋め込み可能な装置は動作状態702Eから神経刺激モード704Bの動作状態702Iに移行することができる。神経刺激モード704Bにおいて、図表700に示すように、埋め込み可能な装置は動作状態702Iにおいてパラメータを受信及び刺激し、引き続いて受信される動作モードコマンドに基づいて、動作状態702Jにおいて受信されたパラメータの肯定応答を送信するように構成することができる。
【0169】
動作状態702Jでは、埋め込み可能な装置の充電検出器が刺激コンデンサが神経を刺激するために使用されるのに十分に充電されているかどうかを判定するように構成することができる。充電検出器が十分な充電(すなわち、充電表示=1)を示す場合、埋め込み可能な装置は動作状態702Lに移行し、そうでない場合、埋め込み可能な装置は動作状態702Kのままであり、刺激コンデンサは、インテロゲータから受信された超音波に基づいて充電され続ける。動作状態702Lでは、埋め込み可能な装置は、
図8に関して以下でさらに説明するように、1つ以上の選択された神経に電気パルスを放出することによって、1つ以上の選択された神経を刺激することができる。
【0170】
動作モードコマンドがアップリンクパターンに対応する場合、埋め込み可能な装置は、動作状態702Lで実行されるような刺激の状態を送信するために、肯定応答動作モードに対応する動作状態702Mに移行することができる。動作モードコマンドがダウンリンクパターンに対応する場合、埋め込み可能な装置は、動作モードコマンドに含まれるデータに応じて、刺激を繰り返すために動作状態702Kに戻るか、又は他の動作モードに入るように埋め込み可能な装置を再較正するために動作状態702Cに戻ることができる。例えば、動作モードコマンドから抽出された命令は、刺激コンデンサを再充電するために埋め込み可能な装置を動作状態702Kに移行させる反復刺激を要求してもよい。
【0171】
図8は、いくつかの実施形態に係る、対象の神経814と相互作用するように構成された埋め込み可能な装置811の図表800を示す。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811は、
図1に関して上述したような埋め込み可能な装置104の例示的な実装であり得る。図表800に示すように、埋め込み可能な装置811は神経814上に埋め込むことができ、本体812から延びる湾曲部材802などの1つ以上の湾曲部材を含むことができる。埋め込み可能な装置811の本体812は、集積回路824(例えば、変調及び復調回路112、刺激回路114、検出回路116、又はコントローラ回路120を含む)、非一時的メモリ826(例えば、メモリ180)、電力回路828(例えば、電力回路130)、及び超音波変換器830(例えば、超音波変換器108又は超音波変換器回路106)を含み得る。いくつかの実施形態では、本体812は、超音波変換器830を含む複数の超音波変換器を含む。従って、図表800に示されるように、超音波変換器830が複数の超音波変換器を表してもよいことは理解されるべきである。
【0172】
いくつかの実施形態では、超音波変換器830は、インテロゲータ(例えば、
図1のインテロゲータ102又は
図2のインテロゲータ202)によって送信された超音波を受信し、その超音波の機械的エネルギーを電気エネルギーを有する電気信号に変換するように構成することができる。いくつかの実施形態では、超音波は、集積回路824によって検出され、埋め込み可能な装置811の動作モードを複数の動作モードから1つの動作モードに設定する1つ以上の動作モードコマンドを含むことができる。いくつかの実施形態では、電気信号は1つ以上の動作モードコマンドの電気的表現を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、電気信号の一部は、埋め込み可能な装置811の構成要素に電力を供給するために電力回路828によって処理され得る。いくつかの実施形態では、電力回路828は、集積回路824の様々な構成要素に電力を供給するために、第1の電圧を有する電気信号を第2の電圧を有する第2の信号に変換するように構成された電力コンベア回路(例えば、電力コンベア回路134)を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力回路828は、電気信号をAC形式からDC形式に変換するための整流回路(例えば、能動整流器)を含むことができ、そこでは、変換された電気信号が第1の電圧に関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路は、第1の電圧より大きい第2の電圧を生成するためにチャージポンプを含むことができる。いくつかの実施形態では、電力回路828は、電気信号によって提供される余剰エネルギーを蓄積し、インテロゲータによって供給される電力が不十分である場合には二次電源として動作するように構成されたエネルギー蓄積装置(例えば、エネルギー蓄積装置136)を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路は、電力がエネルギー蓄積装置に搬送されるべきか、又はエネルギー蓄積装置から搬送されるべきかを制御するように構成することができ、エネルギー蓄積装置はそれぞれ効果的に充電又は放電する。いくつかの実施形態では、電力コンベア回路は、電力潮流の方向に加えて(例えば、順流又は逆流で)電力が搬送される時間(例えば、クロックサイクル数)を制御するように構成することができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、集積回路824は、
図1に関して上述したように、超音波で受け取った動作モードコマンドに基づいて埋め込み可能な装置811の動作モードを設定するように構成されたコントローラ回路(例えば、コントローラ回路120)を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、動作モードコマンドは、より多くの電力又はより少ない電力がインテロゲータに送信されるべきかどうかを示す情報をコントローラ回路が生成することができる電力較正モードに入るように、埋め込み可能な装置811に命令することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路は、電力回路828によって供給される利用可能な電力及び集積回路824によって消費される電力に基づいて、この電力情報を生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、利用可能な電力が、超音波変換器830によって提供される供給電力と、電力回路828のエネルギー蓄積装置によって提供されるアクセス可能な電力とを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ回路は、超音波変換器830を制御して、生成された電力情報をインテロゲータに送信して、送信された超音波の波力をそのインテロゲータに制御させるよう、超音波変換器830を制御するように構成することができる。いくつかの実施形態では、消費電力が、
図1に関して上述したように、埋め込み可能な装置811の動作モードに基づいてコントローラ回路によって決定され得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、動作モードコマンドは、埋め込み可能な装置811に神経刺激モード又は検出モードに入るように命令することができ、その各々は湾曲部材802上の電極パッド818を動作させてもよい。いくつかの実施形態では、この検出モードは、
図6B~
図7に関して上述したように、装置データをインテロゲータなどの他の装置に送信することに関連付けられるアップリンクモードの例としてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態では、検出モードにおいて電極パッド818が電気生理学的信号を検出するように構成され、電気生理学的信号に基づく検出信号は集積回路824によって受信される。集積回路824によって受信された検出信号は、コントローラ回路によって受信される前に、検出回路によって(例えば、検出回路116によって)処理(例えば、増幅、デジタル化、及び/又はフィルタリング)されてもよい。いくつかの実施形態では、このコントローラ回路は、検出された電気生理学的信号に関連するデータを格納するために非一時的メモリ(例えば、メモリ180)にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、検出モードにおいて、検出された電気生理信号に関連するデータを符号化する受信超音波の後方散乱を後方散乱超音波が放出するよう、コントローラ回路が超音波変換器830を動作させるように構成することができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、動作モードコマンドは、埋め込み可能な装置811に神経刺激モードに入るように命令することができる。刺激モードでは、コントローラ回路は、検出信号に基づいて刺激信号を生成し、刺激信号に基づいて神経814に電気パルスを放出するように1つ以上の電極パッド818を動作させることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ回路は、神経814に放出される刺激信号又は電気パルスに関連するデータを格納するために非一時的メモリ(例えば、メモリ180)にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、刺激モードにおいてコントローラ回路は、後方散乱超音波が刺激の状態に関連するデータを符号化する受信超音波の後方散乱を放出するよう、超音波変換器830を動作させるように構成することができる。
【0179】
非一時的メモリに格納されたデータは、超音波変換器830によって放出された超音波後方散乱波を介して無線で送信することができる。
図1に関して上述したように、超音波後方散乱を使用してデータを送信するために、超音波変換器830はまず、超音波を受信し、変調回路を通って流れる電流を生成してもよい。次いで、コントローラ回路はメモリにアクセスし、データを符号化するために変調回路を流れる電流を変調するよう、変調回路を動作させてもよい。このような処理を介して、超音波変換器830によって放出される超音波後方散乱波は、データを符号化することができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、図表800に示すように、湾曲部材802は、点816で本体812によって架橋された第1の部分802a及び第2の部分802bを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の部分802aと第2の部分802bとが直接接続され、湾曲部材802は接続部材を介して本体812に取り付けられる。湾曲部材802は、湾曲部材802の内面上に複数の電極パッド818を含むことができ、電極パッド818は、神経814の長さに平行な軸の周りに放射状に配置することができる。第1の部分202aと第2の部分202bとの間の間隔820は、湾曲部材802(埋め込み可能な装置811の他の湾曲部材に同様に存在する可能性がある)に沿って存在する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811は、湾曲部材802の第1の部分802a及び第2の部分802bを外向きに曲げることによって埋め込まれることができ、それによって、間隔の大きさを拡張し、神経814又は他の糸状組織が間隔820を通過し、湾曲部材802によって形成される円筒形空間内に適合することを可能にする。湾曲部材802の第1の部分802a及び第2の部分802bは解放され得、これは、湾曲部材802が神経814又は他の糸状組織の周りを包むことを可能にする。
【0181】
図8に示すような複数の電極パッド818は神経814の外部にあるが、神経814の神経上膜と直接接している。神経814は、いくつかの繊維束822を含むことができる。いくつかの実施形態では、湾曲部材802内の電極パッド818は、1つ以上の繊維束822又は神経線維の他のサブセットへの電気パルスの標的放出のために動作され得、及び/又は1つ以上の繊維束822又は神経線維の他のサブセットによって送信される電気生理学的信号の標的検出のために動作され得る。例えば、電極パッド818は、1つ以上の繊維束822を標的とする電気パルスを放出するために、本体812内に収容された集積回路824内のコントローラ回路によって選択的に活性化されることができる。別の実施形態では、電極パッド818は、神経814内の1つ以上の繊維束822によって送信される電気生理学的信号を検出するために、コントローラ回路によって動作される。いくつかの実施形態では、湾曲部材802は、神経814又は神経線維のサブセットによって送信される電気生理学的信号を検出するように、又は神経814に電気パルスを放出する、若しくは神経線維のサブセットを標的とするように、又は神経814又は神経線維のサブセットによって送信される電気生理学的信号を検出するのみならず神経814に電気パルスを放出する、又は神経線維のサブセットを標的とするように構成することができる。例えば、埋め込み可能な装置811は、複数の湾曲部材(湾曲部材802を含む)を含んでもよく、第1の湾曲部材は神経814又は神経線維のサブセットによって送信される電気生理学的信号を検出するように構成することができ、第2の湾曲部材は神経814に電気パルスを放出するか、又は神経線維のサブセットを標的とするように構成することができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、湾曲部材802は、選択された神経814又は神経814を包含する線維組織に係合するような大きさにすることができる。神経814は、脊髄又は末梢神経であり得る。いくつかの実施形態では、神経814は自律神経又は体性神経である。いくつかの実施形態において、神経814は交感神経又は副交感神経である。いくつかの実施形態において、神経814は、迷走神経、腸間膜神経、脾神経、坐骨神経、脛骨神経、陰部神経、腹腔神経節、仙骨神経、又はそれらの任意の枝である。
【0183】
埋め込み可能な装置811上の湾曲部材802のサイズ、形状、及び間隔は、埋め込み可能な装置811が係合する組織のタイプ及びサイズに依存し得る。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811の2つ以上の湾曲部材が約0.25mm以上(例えば、約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約6mm以上、又は約7mm以上)離間される。いくつかの実施形態では、2つ以上の湾曲部材が約8mm以下(約7mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、又は約0.5mm以下など)の間隔である。例として、2つ以上の湾曲部材が約0.25mm~約0.5mm、約0.5mm~約1mm、約1mm~約2mm、約2mm~約3mm、約3mm~約4mm、約4mm~約5mm、約5mm~約6mm、約5mm~約7mm、又は約7mm~約8mm離間され得る。湾曲部材802の幅は、埋め込み可能な装置811の用途又は埋め込み可能な装置811によって係合される組織に応じて変えることもできる。いくつかの実施形態では、湾曲部材802の幅が約100μm以上(約150μm以上、約250μm以上、約500μm以上、約1mm以上、又は約1.5mm以上など)である。いくつかの実施形態では、湾曲部材502の幅が約2mm以下(約1.5mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約250μm以下、又は約150μm以下など)である。いくつかの実施形態では、湾曲部材502の幅が約100μm~約2mm(約100μm~約150μm、約150μm~約250μm、約250μm~約500μm、約500μm~約1mm、約1mm~約1.5mm、又は約1.5mm~約2mmなど)である。湾曲部材802の内面は、神経814及び/又は糸状組織が通過する円筒状空間を形成する。湾曲部材802によって形成される円筒形空間の直径は、埋め込み可能な装置811が係合する標的神経及び/又は糸状組織に依存する。いくつかの実施態様において、湾曲部材802は、約50μm~約15mm(例えば、約50μm~約100μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、約500μm~約1mm、約1mm~約1.5mm、約1.5mm~約2.5mm、約2.5mm~約5mm、約5mm~約10mm、又は約10mm~約15mm)の直径を有する円筒形空間を形成する。
【0184】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811は、埋め込み可能な装置811を糸状組織に固定するように構成された1つ以上の追加の固定部材を含む。このような固定部材は、例えば、埋め込み可能な装置を解剖学的構造(糸状組織若しくは神経、又は糸状組織若しくは神経を取り囲む他の組織など)、ピン、又はクランプに縫合するためのループを含み得る。例えば、埋め込み可能な装置811は、一旦埋め込まれると、埋め込み可能な装置811の動きを制限するために、糸状組織若しくは神経814、又は糸状組織若しくは神経を取り囲む組織に縫合され得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811の湾曲部材802は、金属、金属合金、セラミック、シリコン、又は非ポリマー材料を含むことができる。湾曲部材802は可撓性であってもよく、好ましくは、湾曲部材802が神経814及び/又は糸状組織の周りに配置され得るように、弾力性である。いくつかの実施形態では、湾曲部材802又は湾曲部材802の一部は、ポリジメチルシオロキサン(PDMS)、シリコン、ウレタンポリマー、ポリ(p-キシリレン)ポリマー(PARYLENE(登録商標)の商品名で販売されているポリ(p-キシリレン)ポリマーなど)、又はポリイミドなど、好ましくは生体不活性であるエラストマーコーティング又は非エラストマーコーティングでコーティングされる。湾曲部材802は、内面上に複数の電極パッド818を含むことができる。いくつかの実施形態では、湾曲部材802の内面上の電極パッド818は、エラストマーコーティング又は非エラストマーポリマーコーティングでコーティングされないが、その内面は導電性材料でコーティングされてもよい(例えば、電極パッドの電気的特性を改善するためにPEDOTポリマー又は金属で電気メッキされてもよい)。したがって、いくつかの実施形態では、湾曲部材802の外面のみが被覆でコーティングされる。任意に、この被覆は、本体812のハウジングをさらにコーティングする。
【0186】
いくつかの実施形態では、複数の電極パッド818が、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の電極パッド、例えば、約3~約50個の電極パッド、約3~約5個の電極パッド、約5~約10個の電極パッド、約10~約25個の電極パッド、又は約25~約50個の電極パッドを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の電極パッド818内の電極パッドは、コントローラ回路によって選択的に活性化させることができ、これにより、本明細書でさらに説明するように、標的電気パルス放出が可能になる。
【0187】
いくつかの実施形態では、電極パッド818は、タングステン、プラチナ、パラジウム、金、イリジウム、ニオブ、タンタル、又はチタンのうちの1つ以上(又はそれらのうちの1つ以上の合金)などの任意の適切な導電性材料を含むことができる。検出用電極パッドと刺激用電極パッドとの材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。電極パッド818の大きさ及び形状は、同じであっても異なっていてもよい。例えば、所与の湾曲部材802上の電極パッド818は同じ又は異なるサイズであってもよく、異なる湾曲部材上の電極パッドは同じ又は異なるサイズであってもよい。
【0188】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811の電極パッド818が、神経814と電気的に連絡するように湾曲部材802によって配置される。いくつかの実施形態では、電極パッド818は、神経814と直接接触していない(例えば、神経814の外部で間接的に接触していない)が、神経814と電気的に連絡している。いくつかの実施形態では、電極パッド818が神経814の約2mm以内(例えば、約1.8mm以内、約1.6mm以内、約1.4mm以内、約1.2mm以内、約1.0mm以内、約0.8mm以内、約0.6mm以内、約0.4mm以内、又は約0.2mm以内)に配置される。いくつかの実施形態では、電極パッド818が1つ以上の位置で神経814の神経上膜を貫通するように構成される。例えば、電極パッド818は、神経上膜の貫通を可能にする針状であり得る。いくつかの実施形態では、電極パッド818が神経814、例えば神経814の神経上膜に直接接する。
【0189】
いくつかの実施形態では、本体812がハウジングを含み、このハウジングは基部、1つ以上の側壁、及び頂部を含むことができる。このハウジングは、超音波変換器830及び集積回路824を囲むことができる。間質液が超音波変換器830又は集積回路824と接触するのを防止するために、ハウジングは(例えば、はんだ付け又はレーザ溶接によって)密閉されてもよい。ハウジングは好ましくは生体不活性金属(例えば、鋼又はチタン)又は生体不活性セラミック(例えば、チタニア又はアルミナ)などの生体不活性材料から作成される。ハウジング(又はハウジングの頂部)は、超音波がハウジングを貫通することを可能にするように薄くてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングの厚さは約75マイクロメートル(μm)以下、約50μm以下、約25μm以下、又は約10μm以下など、約100μm以下の厚さである。いくつかの実施形態では、ハウジングの厚さは約5μm~約10μm、約10μm~約25μm、約25μm~約50μm、約50μm~約75μm、又は約75μm~約100μmの厚さである。
【0190】
いくつかの実施形態では、埋め込み可能な装置811の本体812は比較的小さく、これは、埋め込み可能な医療装置にしばしば関連付けられる組織炎症を制限する一方で、快適かつ長期間の埋め込みを可能にする。いくつかの実施形態では、本体812の最長寸法は約5mm~約9mm、又は約6mm~約8mmなど、約10mm以下である。
【0191】
いくつかの実施形態では、本体812がハウジング内にポリマーなどの素材を含む。この素材はハウジングの外部の組織とハウジング内の組織との間の音響インピーダンス不整合を低減するために、ハウジング内の空きスペースを埋めることができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、本体812は、好ましくは空気がない又は真空である。
【0192】
いくつかの実施形態では、超音波変換器830が、容量型マイクロマシン超音波変換器(CMUT)若しくは圧電マイクロマシン超音波変換器(PMUT)などのマイクロマシン超音波変換器を含む、又はバルク圧電変換器を含むことができる。バルク圧電変換器は、結晶、セラミック、又はポリマーなどの任意の天然又は合成材料とすることができる。例示的なバルク圧電変換器データは、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZO)、窒化アルミニウム(AlN)、水晶、ベルリナイト(AlPO4)、トパズ、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、タングステン酸ナトリウム(Na2Wo3)、ビスマスフェライト(BiFeO3)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びニオブ酸鉛マグネシウム-チタン酸鉛(PMN-PT)を含んでもよい。
【0193】
いくつかの実施形態では、バルク圧電変換器はほぼ立方体(すなわち、約1:1:1(長さ:幅:高さ)のアスペクト比)である。いくつかの実施形態では、圧電変換器は、長さ又は幅アスペクトの何れかにおいて、約7:5:1以上、又は約10:10:1以上など、約5:5:1以上のアスペクト比を有する板状である。いくつかの実施形態では、バルク圧電変換器は、最長寸法が超音波後方散乱波の方向(すなわち、分極軸)に整列される約3:1:1以上のアスペクト比で、長く狭い。いくつかの実施形態では、バルク圧電変換器の1寸法は、変換器の駆動周波数又は共振周波数に対応する波長(λ)の1/2に等しい。この共振周波数において、変換器の何れかの面に衝突する超音波は、逆位相に達するために180°の位相シフトを受け、2つの面の間で最大の変位を引き起こすだろう。いくつかの実施形態では、圧電変換器の高さは(約40μm~約400μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、又は約500μm~約1000μmなど)約10μm~約1000μmである。いくつかの実施形態では、圧電変換器の高さは(約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、又は約40μm以下など)約5mm以下である。いくつかの実施形態では、圧電変換器の高さは、長さが(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、又は約4mm以上など)約20μm以上である。
【0194】
いくつかの実施形態では、超音波変換器830は、最長寸法において(約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、又は約40μm以下など)約5mm以下の長さを有する。いくつかの実施形態では、超音波変換器830は、最長寸法において(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、又は約4mm以上など)約20μm以上の長さを有する。
【0195】
いくつかの実施形態では、超音波変換器830は、集積回路824との電気通信を可能にするために、2つの電極と接続される。第1の電極は超音波変換器830の第1の面に取り付けられ、第2の電極は超音波変換器830の第2の面に取り付けられ、第1の面及び第2の面は、1つの寸法に沿って超音波変換器830の対向する側面上にある。いくつかの実施形態では、電極は、銀、金、白金、白金黒、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT))、導電性ポリマー(導電性PDMS又はポリイミドなど)、又はニッケルを含む。いくつかの実施形態では、超音波変換器830の電極間の軸が超音波変換器830の動きと直交する。
【0196】
前述の説明は、例示的な方法、パラメータなどを記載している。しかしながら、そのような説明は本開示の範囲に対する限定として意図されておらず、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることが認識されるべきである。上述の例示的な実施形態は、網羅的であること、又は開示を開示された厳密な形態に限定することを意図していない。上記の教示に鑑みて、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、開示された技術の原理及びそれらの実際の応用を最も良く説明するために選択、及び説明された。これにより、当業者であれば、想定される特定の用途に適した様々な修正を加えて、本技術及び様々な実施形態を最良に利用することができる。
【0197】
本開示及び実施例は添付の図面を参照して十分に説明されてきたが、様々な変更及び修正が当業者には明らかになることに留意されたい。そのような変更及び修正は、特許請求の範囲によって定義される開示及び実施例の範囲内に含まれているものとして理解されるべきである。本開示及び実施形態の前述の説明では、添付の図面に参照がなされ、そこでは例示として、実施することができる特定の実施形態が示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び実施例を実施することができ、変更を行うことができることは理解されたい。
【0198】
上記の説明は様々な要素を記述するために、用語第1、第2等を使用するが、これらの要素はこの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。
【0199】
本明細書では、「約」若しくは「おおよそ」の値又はパラメータへの参照は、その値又はパラメータそれ自体に向けられた変動を含む(及び記載する)。例えば、「約X」を指す記載は「X」の記載を含む。
【0200】
本明細書に記載される本発明の態様及び変形は、「それからなる」及び/又は「本質的にそれからなる」態様及び変形を含むことが理解される。
【0201】
「埋め込み可能」及び「埋め込まれた」という用語はオブジェクトの一部が被験者の体表を破ることがないように、被験者に完全に埋め込み可能な、又は完全に埋め込まれたオブジェクトを指す。
【0202】
「実質的に」という用語は、90%以上を指す。例えば、神経の交差セクションを実質的に取り囲む湾曲部材は、神経の交差セクションの90%以上を取り囲む湾曲部材を指す。
【0203】
本明細書では、用語「被験者」及び「患者」は、ヒトなどの脊椎動物を指すために互換的に使用される。
【0204】
本明細書では、用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、少なくとも1つの症状の軽減、阻害、抑制、若しくは排除を介した異常の改善、疾患若しくは異常の進行の遅延、疾患若しくは異常の再発の遅延、又は疾患若しくは異常の阻害を含む、病状又は異常に苦しむ被験者に利益を提供する任意の行為を同義に指す。
【0205】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、及びその明言された範囲内の任意の他の明言された値又は介在値は、本開示の範囲内に包含されることが理解されるべきである。明言された範囲が上限又は下限を含む場合、それらの何れかを除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0206】
さらに、前述の説明で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は文脈が明確に指示しない限り、複数形も含むことが意図されることも理解されるべきである。本明細書で使用される用語「及び/又は」は関連する列挙された項目のうちの1つ以上の任意の及びすべての可能な組合せを指し、包含することも理解されるべきである。さらに、用語「含む」、「備える」、及び/又は「備えること」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、構成要素、及び/又はユニットの存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、ユニット、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことは理解されるべきである。
【0207】
用語「if」は文脈に応じて、「いつ」又は「その時に」又は「判定時に」又は「判定に応じて」又は「検出に応じて」を意味すると解釈されてよい。同様に、「判定されたかどうか」又は「『述べられた条件又は事象』が検出されたかどうか」という語句は、文脈に応じて、「判定時に」又は「判定時に」又は「『述べられた条件又は事象』を検出すると」又は「『述べられた条件又は事象』を検出したことに応じて」を意味すると解釈されてもよい。
【0208】
「実施形態」に関連して上述した特徴及び選好は別個の選好であり、その特定の実施形態のみに限定されるものではなく、技術的に実現可能な他の実施形態からの特徴と自由に組み合わせられてもよく、特徴の好ましい組み合わせを形成してもよい。この記載は当業者が本発明を作成及び使用することを可能にするために提示され、特許出願及びその要件の文脈で提供される。記載された実施形態に対する種々の変形は当業者に容易に明らかであり、本明細書での一般的な原理は他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】